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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「遺族厚生年金の失権その1」

R8-312 07.02

【遺族厚生年金の失権】婚姻したとき・養子になったときなど

 遺族厚生年金の受給権の消滅を3回に分けてみていきます。

 今回は1回目です。

 

条文を読んでみましょう

法第63条第1項1号~4号 (失権)

 遺族厚生年金の受給権は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する

1) 死亡したとき。

2) 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む)をしたとき。

3) 直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む)となったとき。

4) 離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者との親族関係が終了したとき。(離縁→養子縁組の解消のこと)

 

過去問を解いてみましょう

婚姻をしたとき

①【R3年出題】

 第1号厚生年金被保険者が死亡したことにより、当該被保険者の母が遺族厚生年金の受給権者となった。その後、当該母に事実上の婚姻関係にある配偶者が生じた場合でも、当該母は、自身の老齢基礎年金と当該遺族厚生年金の両方を受給することができる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R3年出題】 ×

 「婚姻をしたとき」は、遺族厚生年金の受給権は消滅します。婚姻には、「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合」が含まれますので、遺族厚生年金の受給権者である母に事実上の婚姻関係にある配偶者が生じた場合は、遺族厚生年金の受給権は消滅します。

 母は、遺族厚生年金は受給できなくなります。

 

 

 

養子となった場合

②【H26年出題】 

 遺族厚生年金の受給権は、受給権発生後に直系姻族の養子となった場合であっても、消滅しない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H26年出題】 〇

直系姻族の養子」になった場合は、遺族厚生年金の受給権は消滅しません

 

 

 

 

③【H29年出題】

 子の有する遺族厚生年金の受給権は、その子が母と再婚した夫の養子となったときは消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H29年出題】 ×

 「母と再婚した夫」は直系姻族ですので、「母と再婚した夫」の養子となっても、子の遺族厚生年金の受給権は消滅しません。

 

 

 

④【H23年出題】

 被保険者であった者の死亡により、死亡した者の子(障害等級1級又は2級に該当する者を除く。)が遺族厚生年金の受給権者となった場合において、その後当該子が10歳で父方の祖父の養子となった場合でも、18歳に達する日以後の最初の331日が終了するまでは受給権は消滅しない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H23年出題】 〇

 「父方の祖父」は直系血族ですので、父方の祖父の養子になったという理由では、子の遺族厚生年金の受給権は消滅しません。

 

 

 

⑤【R3年出題】

 厚生年金保険の被保険者であった甲には妻の乙と、甲の前妻との間の子である15歳の丙がいたが、甲が死亡したことにより、乙と丙が遺族厚生年金の受給権者となった。その後、丙が乙の養子となった場合、丙の遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R3年出題】 ×

 丙からみると乙は直系姻族です。そのため、丙が乙の養子となっても、丙の遺族厚生年金の受給権は消滅しません。

 

 

復籍した場合

⑥【H27年出題】

 遺族厚生年金の受給権者である妻が実家に復籍して姓も婚姻前に戻した場合であっても、遺族厚生年金の失権事由である離縁による親族関係の終了には該当しないため、その受給権は消滅しない。

 

 

 

 

【解答】

⑥【H27年出題】 〇

 実家に復籍して姓も婚姻前に戻した場合でも、遺族厚生年金の受給権は消滅しません。

(昭和26.4.2保発第333号)

 

 

 

⑦【R5年出題】

 夫の死亡による遺族厚生年金を受給している者が、死亡した夫の血族との姻族関係を終了させる届出を提出した場合でも、遺族厚生年金の受給権は失権しない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【R5年出題】 〇

 「死亡した夫の血族との姻族関係を終了させる届出」を提出しても、遺族厚生年金の受給権は失権しません。

(昭和26.4.2保発第333号)

 

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