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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「中高齢寡婦加算」

R8-316 07.06

【中高齢寡婦加算の出題ポイント】妻の遺族厚生年金に加算される

 妻に支給される遺族厚生年金には、中高齢寡婦加算が加算されることがあります。

 中高齢寡婦加算の額は定額で635,500円(1年当たりの額)です。加算される要件をみていきましょう。

★「子がいない妻」と、「子のある妻(遺族基礎年金の受給権もある妻)」との条件の違いに注意しましょう。

★ちなみに、中高齢寡婦加算の対象は、文字通り「妻」のみです。夫に支給されることはありません。

 

 条文を読んでみましょう

法第62

① 遺族厚生年金(長期要件に該当することにより支給されるものであって、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であるものを除く)の受給権者であるであって

・その権利を取得した当時40歳以上65歳未満であったもの

又は

40歳に達した当時当該被保険者若しくは被保険者であった者の子と生計を同じくしていたものが65歳未満であるとき

遺族厚生年金の額に遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算する。

② 加算を開始すべき事由又は加算を廃止すべき事由が生じた場合における年金の額の改定は、それぞれ当該事由が生じた月の翌月から行う。

長期要件とは → 「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。」

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 中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金は、その受給権者である妻が当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算額に相当する部分の支給を停止する

 

 

図でイメージしましょう

 

 

過去問を解いてみましょう

★妻の要件

①【H27年出題】

 子のない妻が、被保険者である夫の死亡による遺族厚生年金の受給権を取得したときに30歳以上40歳未満であった場合、妻が40歳に達しても中高齢寡婦加算は加算されない。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H27年出題】 〇

 子のない妻(=遺族基礎年金が支給されない妻)については、夫の死亡による遺族厚生年金の受給権を取得したときに40歳未満であった場合は、40歳になっても中高齢寡婦加算は加算されません。

 

 

 

 

★死亡した夫の要件

②【R7年出題】

 障害等級2級の障害厚生年金を受給する夫が死亡し、子のいない妻が遺族厚生年金を受給する場合、夫死亡時の妻の年齢によっては、中高齢寡婦加算が行われることがある。ただし、当該死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240未満である場合は、中高齢寡婦加算は行われない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R7年出題】 ×

 死亡した夫が「短期要件」に該当していても「長期要件」に該当していても、要件を満たした妻には、中高齢寡婦加算が行われます。

 ただし、死亡した夫が「長期要件」の場合は、当該死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であることが条件です。

 問題文の「障害等級2級の障害厚生年金を受給する夫の死亡」は短期要件ですので、当該死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240未満でも、中高齢寡婦加算は行われます。

 

 

 

 

★中高齢寡婦加算の額

③【R6年出題】

 遺族厚生年金に加算される中高齢寡婦加算の金額は、国民年金法第38条に規定する遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときはこれを100円に切り上げるものとする。)である。また、中高齢寡婦加算は、65歳以上の者に支給されることはない。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R6年出題】 〇

・遺族厚生年金に加算される中高齢寡婦加算の金額

→ 「遺族基礎年金」の額に4分の3を乗じて得た額(50円未満切り捨て、50円以上100円未満100円に切り上げ)

・中高齢寡婦加算は、65歳以上の者には支給されません65歳になると、自身の老齢基礎年金が支給されるからです。

 

 

 

 

④【H21年出題】

 遺族厚生年金の受給権者である妻で一定の要件を満たす者に加算される中高齢寡婦加算の額は、妻の生年月日に応じた率を使用し算出されるが、経過的寡婦加算の額は、当該妻の生年月日にかかわらず、一定の金額とされている。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H21年出題】 ×

・中高齢寡婦加算の額 → 妻の生年月日にかかわらず一定の金額です。

(遺族基礎年金の額×4分の3

・経過的寡婦加算の額 → 妻の生年月日に応じた率を使用し算出します。

 

 

 

★遺族基礎年金を受けることができるとき

⑤【R5年出題】

 中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、被保険者又は被保険者であった者の死亡について遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算は支給が停止される。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R5年出題】 〇

 遺族基礎年金の支給を受ける間は、中高齢寡婦加算は支給が停止されます。

 

 

 

⑥【R3年出題】

 夫の死亡により、厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件に該当する遺族厚生年金(その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)の受給権者となった妻が、その権利を取得した当時60歳であった場合は、中高齢寡婦加算として遺族厚生年金の額に満額の遺族基礎年金の額が加算されるが、その妻が、当該夫の死亡により遺族基礎年金も受給できるときは、その間、当該加算される額に相当する部分の支給が停止される。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R3年出題】 ×

 「中高齢寡婦加算」の額は、「満額の遺族基礎年金」ではなく、「遺族基礎年金の額の4分の3」です。

 また、「その妻が、当該夫の死亡により遺族基礎年金も受給できるときは、その間、中高齢寡婦加算に相当する部分の支給が停止される。」の部分は正しいです。

 

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