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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「遺族厚生年金の特例」

R8-320 07.10

【遺族厚生年金の特例】2以上の種別の被保険者であった期間を有する場合

 厚生年金保険の被保険者には次の4つの種別があります。

① 第1号厚生年金被保険者

→ ②から④以外(民間企業の会社員など)

② 第2号厚生年金被保険者

→ 国家公務員

③ 第3号厚生年金被保険者

→ 地方公務員

④ 第4号厚生年金被保険者

→ 私立学校教職員

 

 今回は、例えば、民間企業の会社員の期間と国家公務員の期間があるような、2以上の種別の被保険者であった期間を有する者が死亡した場合の遺族厚生年金をみていきます。

 「短期要件」と「長期要件」でルールが異なります。

 

 

条文を読んでみましょう

法第78条の32(遺族厚生年金の額の特例)

① 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(短期要件に該当することにより支給されるものに限る。)の額については、死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、遺族厚生年金の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定を適用する。この場合において、必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。

② 2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(長期要件に該当することにより支給されるものに限る。)については、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに支給するものとし、そのそれぞれの額は、死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、遺族厚生年金の額の計算に関する規定により計算した額をそれぞれ一の期間に係る被保険者期間を計算の基礎として第60条第1項第1号の規定の例により計算した額に応じて 按分した額とする。この場合において、必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。

③ 中高齢寡婦加算は、政令で定めるところにより、各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に係る被保険者期間を計算の基礎とする遺族厚生年金の額に加算するものとする。 

 

 

ポイントを確認しましょう

★短期要件の場合

 死亡日に加入していた実施機関が、他の実施機関分も合算して裁定し支給します。

                         死亡▼

2号(国家公務員)

1号(民間企業)

 例えば、国家公務員から民間企業に転職し、民間企業に在職中に死亡した場合は、遺族厚生年金は、厚生労働大臣(日本年金機構)から支給されます。

 

★長期要件の場合

 それぞれの加入期間ごとに、各実施機関が裁定し支給します。

2号(国家公務員)30

1号(民間企業)10

 例えば、国家公務員が30年、民間企業が10年の場合は、30年分は国家公務員共済組合から、10年分は厚生労働大臣(日本年金機構)から支給されます。

 

過去問を解いてみましょう

★短期要件の場合

①【H30年出題】

 障害等級1級の障害厚生年金の受給権者(厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件には該当しないものとする。)が死亡し、その者が2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有していた場合、遺族厚生年金の額については、その死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして額の計算をする。なお、それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算する。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年出題】 〇

「短期要件」の遺族厚生年金の問題です。

ポイント

・ それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算します。

 

 

★中高齢寡婦加算について

②【R3年出題】

 2以上の種別の被保険者であった期間を有する老齢厚生年金の受給権者が死亡した場合における遺族厚生年金(中高齢の寡婦加算額が加算されるものとする。)は、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに支給するものとし、そのそれぞれの額は、死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして遺族厚生年金の額の計算に関する規定により計算した額に中高齢の寡婦加算額を加算し、それぞれ1の期間に係る被保険者期間を計算の基礎として計算した額に応じて按分した額とする。

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【R3年出題】 ×

 長期要件の遺族厚生年金は、それぞれの加入期間ごとに、それぞれの実施機関から支給されます。

 しかし、中高齢寡婦加算については、按分されるのではなく、原則として、「各号の厚生年金被保険者期間のうち最も長い一の期間に基づく遺族厚生年金」に加算されます。

※各号の厚生年金被保険者期間のうち最も長い一の期間が2以上ある場合は、次に掲げる順序によります。

① 第1号厚生年金被保険者期間 → ② 第2号厚生年金被保険者期間 →    ③ 第3号厚生年金被保険者期間 → ④ 第4号厚生年金被保険者期間

(令第3条の13の7)

 

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