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社会保険労務士合格研究室

厚生年金保険法「加給年金額」

R8-323 07.13

【老齢厚生年金】加給年金額が加算される老齢厚生年金の条件

 老齢厚生年金の受給権者に、生計を維持している配偶者又は子がいる場合は、加給年金額が加算されることがあります。

 加給年金額が加算される老齢厚生年金の要件を見ていきましょう。

条文を読んでみましょう

法第44条第1項 (加給年金額)

① 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の額は、受給権者がその権利を取得した当時(その権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であったときは、在職定時改定又は退職時改定により当該月数が240以上となるに至った当時)その者によって生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は(18に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、老齢厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。

 ただし、国民年金法33条の2第1項の規定(障害基礎年金)により加算が行われている子があるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、その間、当該子について加算する額に相当する部分の支給を停止する

 

★ただし書について

老齢厚生年金

障害基礎年金

障害基礎年金に子の加算が行われているとときは、老齢厚生年金の子の加給年金額は支給が停止されます。

 

 

では、過去問を解いてみましょう

★老齢厚生年金の受給権を取得した後に婚姻した場合

①【R4年出題】

 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の受給権者が、受給権を取得した以後に初めて婚姻し、新たに65歳未満の配偶者の生計を維持するようになった場合には、当該配偶者に係る加給年金額が加算される。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R4年出題】 ×

 配偶者に係る加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の権利を取得した当時その受給権者によって生計を維持していたことが必要です。

 受給権を取得した以後に初めて婚姻し、新たに65歳未満の配偶者の生計を維持するようになった場合には、当該配偶者に係る加給年金額は加算されません

 

 

★老齢厚生年金の受給権を取得した後に子が誕生した場合

②【R7年出題】

 老齢厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した当時、加給年金額の加算の対象となる配偶者及び1人の子がいたが、受給権を取得した2年後に第2子が誕生した。この場合、当該第2子(受給権者によって生計を維持しているものとする。)については加給年金額の加算の対象とはならない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R7年出題】 〇

 老齢厚生年金の受給権を取得した当時に生計を維持していなかった第2子は、加給年金額の加算の対象となりません。

 

 

 

★老齢厚生年金の受給権取得時は240未満だったが退職時改定で240以上となった場合

③【H30年出題】

 被保険者である老齢厚生年金の受給権者は、その受給権を取得した当時、加給年金額の対象となる配偶者がいたが、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であったため加給年金額が加算されなかった。その後、被保険者資格を喪失した際に、被保険者期間の月数が240以上になり、当該240以上となるに至った当時、加給年金額の対象となる配偶者がいたとしても、当該老齢厚生年金の受給権を取得した当時における被保険者期間が240未満であるため、加給年金額が加算されることはない。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H30年出題】 ×

 老齢厚生年金の受給権を取得した当時、老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満の場合は、加給年金額は加算されません。

 その後、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した際に、退職時改定により、被保険者期間の月数が240以上になり、240以上となるに至った当時、加給年金額の対象となる配偶者がいる場合は、加給年金額が加算されます

 

 

★2以上の種別の被保険者であった期間を有する場合の加給年金額①

④【H28年出題】

 第1号厚生年金被保険者期間を170か月、第2号厚生年金被保険者期間を130か月有する昭和2510月2日生まれの男性が、老齢厚生年金の受給権を65歳となった平成2710月1日に取得した。この場合、一定の要件を満たす配偶者がいれば、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。なお、この者は、障害等級3級以上の障害の状態になく、上記以外の被保険者期間を有しないものとする。

 

 

 

 

【解答】

④【H28年出題】 〇

 「2以上の種別」の被保険者であった期間を有する者については、2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間を合算して、加給年金額の規定を適用します。(法第78条の27

 この場合は、加給年金額は、各号の厚生年金被保険者期間のうちの一つの老齢厚生年金の額に加算されます。

 どの老齢厚生年金に加算されるかについては、順序が決まっています。(令3条の13

①老齢厚生年金のうち最も早い日において受給権を取得したもの

②最も早い日において受給権を取得した老齢厚生年金が2以上あるときは、各号の厚生年金被保険者期間のうち最も長い一の期間

③最も長い一の期間が2以上ある場合は、「第1号」→「第2号」→「第3号」→「第4号」の順序

<問題文の場合>

170か月+130か月=300か月ありますので、加給年金額が加算される要件を満たします。

第1号厚生年金被保険者期間分の受給権と第2号厚生年金被保険者期間分の受給権を同時に取得していますので、最も長い期間の「第1号厚生年金被保険者期間」に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。

 

 

 

★2以上の種別の被保険者であった期間を有する場合の加給年金額②

⑤【R6年出題】

 甲は第1号厚生年金被保険者期間を140か月有していたが、後に第2号厚生年金被保険者期間を150か月有するに至り、それぞれの被保険者期間に基づく老齢厚生年金の受給権が同じ日に発生した(これら以外の被保険者期間は有していない。)。甲について加給年金額の加算の対象となる配偶者がいる場合、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。

 

 

 

 

【解答】

⑤【R6年出題】 ×

 第1号厚生年金被保険者期間分と第2号厚生年金被保険者期間分の老齢厚生年金の受給権が同時に発生していますので、期間が長い第2号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。

 

 

 

★離婚時みなし被保険者期間の扱い

⑥【R3年出題】

 老齢厚生年金に配偶者の加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上という要件があるが、当該被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間を含めることはできない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R3年出題】 〇

 加給年金額が加算される要件の「被保険者期間の月数が240以上」には、離婚時みなし被保険者期間を含めることはできません。

(法第78条の11

 

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