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R8-330 07.20
健康保険法の「報酬」と「賞与」についてみていきます。
まず、報酬と賞与の定義を確認しましょう
条文を読んでみましょう
法第3条 ⑤ この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。 ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。 ⑥ この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、3月を超える期間ごとに受けるものをいう。
法第46条 (現物給与の価額) ① 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定める。 ② 健康保険組合は、規約で別段の定めをすることができる。 |
報酬、賞与に含まれるもの、含まれないものの判断についての問題もよく出題されます。
過去問で確認しましょう
★報酬の定義
①【H23年出題】
健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいうが、臨時に受けるもの及び3か月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

【解答】
①【H23年出題】 〇
「臨時に受けるもの」、「3か月を超える期間ごとに受けるもの」は、報酬に含まれません。
★解雇予告手当、退職金について
②【H26年出題】
労働基準法に基づく解雇予告手当又は退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの若しくは事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものは報酬又は賞与には含まれない。

【解答】
②【H26年出題】 〇
・労働基準法に基づく「解雇予告手当」
・「退職金(退職を事由に支払われる退職金で、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるもの)」
は報酬にも賞与にも該当しません。
(昭24.6.24保文発1175、平15.10.1保保発第1001002号/庁保険発第1001001号/)
★退職金の前払い制度
③【R1年出題】
退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるものは報酬又は賞与として扱うものではないが、被保険者の在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有することから、原則として、報酬又は賞与に該当する。

【解答】
③【R1年出題】 〇
在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、報酬又は賞与に該当します。
(平15.10.1保保発第1001002号/庁保険発第1001001号/)
★立て替えた出張旅費
④【H30年出題】
全国健康保険協会管掌健康保険において、事業主が負担すべき出張旅費を被保険者が立て替え、その立て替えた実費を弁償する目的で被保険者に出張旅費が支給された場合、当該出張旅費は労働の対償とは認められないため、報酬には該当しないものとして取り扱われる。

【解答】
④【H30年出題】 〇
「出張旅費」は労働の対償ではないので、報酬には該当しません。
(報酬等に該当しないものの例)
・労働の対償として受けるものではない
傷病手当金、労働者災害補償保険法に基づく休業補償、解雇予告手当、退職手当、
内職収入、財産収入、適用事業所以外から受ける収入
・恩恵的に支給するもの
見舞金、結婚祝い金、餞別金
(令和5.6.27事務連絡)
★6か月ごとに支給される通勤手当
⑤【R1年出題】
保険料徴収の対象となる賞与とは、いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として3か月を超える期間ごとに支給されるものをいうが、6か月ごとに支給される通勤手当は、賞与ではなく報酬とされる。

【解答】
⑤【R1年出題】 〇
6か月ごとに支給される通勤手当は、賞与ではなく報酬となります。支給の実態は毎月の通勤に支給されるものだからです。
(昭27.12.4保文発7241)
★賞与が年間を通じ4回以上支給される場合
⑥【R4年出題】
健康保険法第3条第5項によると、健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。したがって、名称は異なっても同一性質を有すると認められるものが、年間を通じ4回以上支給される場合において、当該報酬の支給が給与規定、賃金協約等によって客観的に定められており、また、当該報酬の支給が1年間以上にわたって行われている場合は、報酬に該当する。

【解答】
⑥【R4年出題】 〇
「3か月を超える期間ごとに受ける」ものには、年3回以下支給される賞与などが該当します。
名称は異なっても同一性質を有すると認められるものが、年間を通じ4回以上支給される場合は、「報酬」に該当します。
・当該報酬の支給が給与規定、賃金協約等によって客観的に定められている
・当該報酬の支給が1年間以上にわたって行われている
場合は、「報酬」に該当します。
(昭和36.1.26保発5)
★現物給与の価額
⑦【H28年出題】
報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外もので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定めるが、健康保険組合は、規約で別段の定めをすることができる。

【解答】
⑦【H28年出題】 〇
現物給与の価額について
・その地方の時価によって、厚生労働大臣が定める
・健康保険組合は、規約で別段の定めをすることができる
★現物給与の価額(ひっかけ問題)
⑧【H26年出題】
報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合において、その価額は、その地方の時価によって都道府県知事が定めることになっている(健康保険組合が規約で別段の定めをした場合を除く。)。

【解答】
⑧【H26年出題】 ×
都道府県知事ではなく、「厚生労働大臣」が定めます。
★食事の現物給与
⑨【H29年選択式】
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に係る報酬額の算定において、事業主から提供される食事の経費の一部を被保険者が負担している場合、当該食事の経費については、厚生労働大臣が定める標準価額から本人負担分を控除したものを現物給与の価額として報酬に含めるが、< A >を被保険者が負担している場合には報酬に含めない。
(選択肢)
⑥ 経費の2分の1以上 ⑦ 経費の3分の2以上 ⑭ 標準価額の2分の1以上
⑮ 標準価額の3分の2以上

【解答】
⑨【H29年選択式】
<A> ⑮ 標準価額の3分の2以上
食事については、標準価額(=厚生労働大臣の告示価額のこと)の3分の2以上の額を食費として被保険者が負担している場合は、報酬に含まれません。
★派遣労働者の現物給与
⑩【H25年出題】
現物で支給される食事や住宅は、厚生労働大臣が都道府県ごとに告示で定めた現物給与の価額に基づいて報酬に算入する(健康保険組合が規約で別段の定めをした場合を除く。)。なお、現物給与の価額の適用に当たっては、被保険者の勤務地(被保険者が常時勤務する場所)が所在する都道府県の現物給与の価額を適用することを原則とし、派遣労働者については、派遣元と派遣先の事業所が所在する都道府県が異なる場合、派遣先事業所が所在する都道府県の現物給与の価額を適用する。

【解答】
⑩【H25年出題】 ×
・「派遣先事業所」ではなく、「派遣元事業所」が所在する都道府県の現物給与の価額を適用します。
★ポイントを確認しましょう
・現物で支給される食事や住宅は、厚生労働大臣が都道府県ごとに告示で定めた現物給与の価額に基づいて報酬に算入されます。(健康保険組合が規約で別段の定めをした場合を除く。)。
・被保険者の勤務地(被保険者が常時勤務する場所)が所在する都道府県の現物給与の価額が適用されます。
・派遣労働者については、派遣元と派遣先の事業所が所在する都道府県が異なる場合、「派遣元事業所」が所在する都道府県の現物給与の価額が適用されます。
(平25.2.4保保発020401)
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