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社会保険労務士合格研究室

健康保険法「定時決定」

R8-331 07.21

【定時決定の応用編】事例別|定時決定<過去問8選>

定時決定の事例問題をみていきます。

 

まず条文を読んで定時決定の基本を確認しましょう

法第41条 (定時決定)

① 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17(短時間労働者にあっては、11)未満である月があるときは、その月を除く)に受けた報酬の総額その期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。

② 決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの各月の標準報酬月額とする。

③ 6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者及び随時改定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定により7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない

 

過去問を解いてみましょう

★月給者で欠勤がある場合の支払基礎日数

①【H28出題】

 標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28出題】 ×

 「暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数」ではなく、「就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数」となります。

 支払基礎日数については以下のように取り扱います。

① 月給者については、各月の暦日数によること。

② 月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数によること。

③ 日給者については、各月の出勤日数によること。

(平18.5.12庁保険発第0512001)

 

 

 

 

★給与締め日が変更し支払基礎日数が減少した場合

②【H30年出題】

 全国健康保険協会管掌健康保険において、短時間労働者ではない被保険者は、給与締め日の変更によって給与支給日数が減少した場合であっても、支払基礎日数が17日以上であれば、通常の定時決定の方法によって標準報酬月額を算定するものとして取り扱われる。

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【H30年出題】 〇

 給与締め日の変更によって給与支給日数が減少した場合でも、支払基礎日数が17日以上であれば、通常の定時決定の方法で標準報酬月額を算定します。

(令和5.6.27事務連絡)

 

 

 

★給与締め日が変更し支払基礎日数が増加する場合

③【R2年出題】

 給与の支払方法が月給制であり、毎月20日締め、同月末日払いの事業所において、被保険者の給与の締め日が4月より20日から25日に変更された場合、締め日が変更された4月のみ給与計算期間が321日から425日までとなるため、標準報酬月額の定時決定の際には、321日から325日までの給与を除外し、締め日変更後の給与制度で計算すべき期間(326日から425日まで)で算出された報酬を4月の報酬とする。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R2年出題】 〇

 支払基礎日数が暦日を超えて増加した場合、通常受ける報酬以外の報酬を受けることとなるので、超過分の報酬を除外して、その他の月の報酬との平均を算出します。

 問題文のように、締め日が変更された4月は給与計算期間が321日から425日までとなるため、定時決定の際には、321日から325日までの給与を除外します。

 締め日変更後の給与制度で計算すべき期間(326日から425日まで)で算出された報酬が4月の報酬となります。

 

 

 

★テレワークの交通費について

④【R4年出題】

 被保険者Bは、4月から6月の期間中、当該労働日における労働契約上の労務の提供地が自宅とされたことから、テレワーク勤務を行うこととなったが、業務命令により、週に2回事業所へ一時的に出社した。Bが事業所へ出社した際に支払った交通費を事業主が負担する場合、当該費用は報酬に含まれるため、標準報酬月額の定時決定の手続きにおいてこれらを含めて計算を行った。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R4年出題】 ×

 労務提供地が「自宅」で、業務命令により事業所等に一時的に出社し、その移動にかかる実費を事業主が負担する場合は、当該費用は原則として実費弁償となり「報酬等」には含まれません

 労務提供地の違いについて

当該日における労働契約上の労務の提供地

「自宅-事業所」間の移動に要する費用の取扱い

自宅

業務として一時的に出社する場合は実費弁償(「報酬等」に該当しない) → 保険料の算定基礎の対象にならない

事業所

通勤手当(「報酬等」に該当する) → 保険料の算定基礎の対象になる

(令和5.6.27事務連絡)

 

 

 

★定時決定の算定対象月に休業手当等が支払われた月がある場合

⑤【R6年出題】

 一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合の標準報酬月額の決定については、標準報酬月額の定時決定の対象月に一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合、その休業手当等をもって報酬月額を算定して標準報酬月額を決定する。ただし、標準報酬月額の決定の際、既に一時帰休の状況が解消している場合は、当該定時決定を行う年の9月以降において受けるべき報酬をもって報酬月額を算定し、標準報酬月額を決定する。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R6年出題】 〇

 休業手当等が支払われた月のみで決定するわけではありません。

 例えば、定時決定の対象月である4・5・6月のうち、4・5月は通常の給与の支払を受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われた場合には、「6月分は休業手当等を含めて」報酬月額を算定した上で、4・5・6月の報酬月額を平均して標準報酬月額を決定します。

 また、一時帰休の状態が解消しているかどうかは、71日時点で判断します。

 7月1日の時点で一時帰休の状況が解消している場合の定時決定では、休業手当等を除いて標準報酬月額を決定する必要があります。

 通常の給与を受けた月における報酬の平均により、標準報酬月額を算出します。

 例えば4・5月に通常の給与を受けて6月に休業手当等を受けた場合、4・5月の報酬の平均を「9月以降において受けるべき報酬」として定時決定を行います。

(令5.6.27事務連絡)

 

 

 

 

71日時点で一時帰休の状況が解消していた場合

⑥【R1年出題】

4月、5月、6月における定時決定の対象月に一時帰休が実施されていた場合、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行う。例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行う。

 

 

 

 

 

【解答】

⑥【R1年出題】 〇

 ⑤の解説と同じです。

 7月1日の時点で一時帰休の状況が解消している場合、4・5月に通常の給与、6月に休業手当等を受けた場合、4・5月の報酬の平均が「9月以降において受けるべき報酬」となります。6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行います。

(令5.6.27事務連絡)

 

 

 

★低額の休職給を受けた場合

⑦【H30年出題】

 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者について、標準報酬月額の定時決定に際し、4月、5月、6月のいずれかの1か月において休職し、事業所から低額の休職給を受けた場合、その休職給を受けた月を除いて報酬月額を算定する。

 

 

 

 

 

【解答】

⑦【H30年出題】 〇

 定時決定に際し、4月、5月、6月のいずれかの1か月休職し、低額の休職給を受けた場合は、「その休職給を受けた月」を除いて報酬月額を算定します。

(37.6.28保険発第71)

 

 

 

★介護休業期間中

⑧【R1年出題】

 介護休業期間中の標準報酬月額は、その休業期間中に一定の介護休業手当の支給があったとしても、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき算定した額とされる。

 

 

 

 

 

【解答】

⑧【R1年出題】 〇

 介護休業期間中の標準報酬月額は、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき、算定した額となります。

(11.3.3保険発第46号・庁保険発第9)

 

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