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R8-332 07.22
随時改定の事例問題をみていきます。
まず条文を読んで随時改定の基本を確認しましょう
法第43条 ① 保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。 ② 改定された標準報酬月額は、その年の8月(7月から12月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。 |
随時改定の要件の1つに「固定的賃金の変動」があります。
「固定的賃金の変動」に当たるかどうかがよく出題されますので、過去問でみていきましょう
過去問を解いてみましょう
★1日の所定労働時間が8時間から6時間に変更になった場合
①【R3年出題】
賃金が時間給で支給されている被保険者について、時間給の単価に変動はないが、労働契約上の1日の所定労働時間が8時間から6時間に変更になった場合、標準報酬月額の随時改定の要件の1つである固定的賃金の変動に該当する。

【解答】
①【R3年出題】 〇
時給単価の変動はないが、契約時間が変わった場合、固定的賃金の変動に該当し、随時改定の対象となります。
(令5.6.27事務連絡)
★ガソリン単価の変動が月ごとに生じる場合
②【R4年出題】
自動車通勤者に対してガソリン単価を設定して通勤手当を算定している事業所において、ガソリン単価の見直しが月単位で行われ、その結果、毎月ガソリン単価を変更し通勤手当を支給している場合、固定的賃金の変動には該当せず、標準報酬月額の随時改定の対象とならない。

【解答】
②【R4年出題】 ×
単価の変動が月ごとに生じる場合でも、固定的賃金の変動として取扱うとされています。
毎月ガソリン単価を変更し通勤手当を支給している場合は、固定的賃金の変動に該当します。
(令5.6.27事務連絡)
★在宅勤務に際し、在宅勤務手当が支給される場合
③【R5年出題】
X事業所では、新たに在宅勤務手当を設けることとしたが、当該手当は実費弁償分であることが明確にされている部分とそれ以外の部分があるものとなった。この場合には、当該実費弁償分については「報酬等」に含める必要はなく、それ以外の部分は「報酬等」に含まれる。また、当該手当について、月々の実費弁償分の算定に伴い実費弁償分以外の部分の金額に変動があったとしても、固定的賃金の変動に該当しないことから、随時改定の対象にはならない。

【解答】
③【R5年出題】 〇
① 在宅勤務手当が労働の対償として支払われる性質のもの(実費弁償に当たらないもの)である場合 → 「報酬等」に含まれます。
(例)事業主が被保険者に対して毎月5,000円を渡し切りで支給するもの
② 在宅勤務手当が実費弁償に当たるようなものである場合 → 業務に使用するパソコンの購入や通信に要する費用を事業主が被保険者に支払うような場合、その手当が、業務遂行に必要な費用にかかる実費分に対応するものなら、当該手当は実費弁償に当たるものとして、「報酬等」に含まれません。
在宅勤務手当について → 実費弁償分であることが明確にされている部分とそれ以外の部分がある場合は、実費弁償分については「報酬等」に含める必要はなく、それ以外の部分は「報酬等」に含まれます。また、当該手当について、月々の実費弁償分の算定に伴い実費弁償分以外の部分の金額に変動があったとしても、固定的賃金の変動に該当しないことから、随時改定の対象にはなりません。
(令5.6.27事務連絡)
★育児休業中に昇給があった場合
④【R2年出題】
育児休業取得中の被保険者について、給与の支払いが一切ない育児休業取得中の期間において昇給があり、固定的賃金に変動があった場合、実際に報酬の支払いがないため、育児休業取得中や育児休業を終了した際に当該固定的賃金の変動を契機とした標準報酬月額の随時改定が行われることはない。

【解答】
④【R2年出題】 ×
育児休業等の無給期間中に固定的賃金に変動があった場合には、実際に変動後の報酬を受けた月を起算月として随時改定が行われます。
(令5.6.27事務連絡)
★超過勤務手当等の非固定的手当が廃止された場合
⑤【R4年出題】
X事業所では、働き方改革の一環として、超過勤務を禁止することにしたため、X事業所の給与規定で定められていた超過勤務手当を廃止することにした。これにより、当該事業所に勤務する被保険者Dは、超過勤務手当の支給が廃止された月から継続した3か月間に受けた報酬の総額を3で除した額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じた。超過勤務手当の廃止をした月から継続する3か月間の報酬支払基礎日数はすべて17日以上であったが、超過勤務手当は非固定的賃金であるため、当該事業所は標準報酬月額の随時改定の手続きは行わなかった。なお、超過勤務手当の支給が廃止された月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。

【解答】
⑤【R4年出題】 ×
非固定的手当でも、その廃止は賃金体系の変更に当たります。問題文の場合は、随時改定の対象となります。
(令5.6.27事務連絡)
★現物給与の標準価額が告示により改正された場合
⑥【H29年出題】
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者が、報酬の一部を現物給与として受け取っている場合において、当該現物給与の標準価額が厚生労働大臣告示により改正されたときは、標準報酬月額の随時改定を行う要件である固定的賃金の変動に該当するものとして取り扱われる。

【解答】
⑥【H29年出題】 〇
厚生労働大臣告示改正による現物給与の単価の変更は、固定的賃金の変動に該当します。
(令5.6.27事務連絡)
★労働基準法の減給制裁があった場合
⑦【R4年出題】
被保険者Aは、労働基準法第91条の規定により減給の制裁が6か月にわたり行われることになった。そのため、減給の制裁が行われた月から継続した3か月間(各月とも、報酬支払基礎日数が17日以上あるものとする。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じたため、標準報酬月額の随時改定の手続きを行った。なお、減給の制裁が行われた月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。

【解答】
⑦【R4年出題】 ×
減給制裁は固定的賃金の変動には当たりません。
そのため、随時改定の対象となりません。
(令5.6.27事務連絡)
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