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社会保険労務士合格研究室

令和8年の選択式を解いてみます(労災保険法)

R9-003 08.27

【選択式振り返り】令和8年度の労災保険法

 令和8年度の労災保険法の選択式を振り返ります。

 

1問目は遺族補償一時金からの出題です

①【R8年選択式】

 遺族補償年金の支給開始後、その受給権者が失権し、かつ、受給資格者が全て失格していた場合において、既に支給された遺族補償年金の額の合計額が、当該受給権者が失権した日において給付基礎日額の< A >に満たないときは、その差額が、遺族補償一時金として、失権した遺族補償年金の受給権者に対し、又は、労働者の死亡の当時は遺族補償年金の受給資格者がいたために遺族補償一時金の受給者になり得なかった者に対して支給される。

 

(選択肢)

① 365日分   ② 600日分   ③ 1,000日分  ④ 1,200日分

 

 

 

 

【解答】

A> 1,000日分

(法第16条の8 別表第2)

 

 遺族補償一時金は、次の場合に支給されます。(法第16条の6)

1) 労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。

2) 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関し支給された遺族補償年金の額の合計額が当該権利が消滅した日において前号に掲げる場合に該当することとなるものとしたときに支給されることとなる遺族補償一時金の額に満たないとき。

 

<遺族補償一時金の額>

1) 給付基礎日額の1,000日分

2) 給付基礎日額の1,000日分 - 既に支給された遺族補償年金の額の合計額

 

 

 

2問目は、複数事業労働者の給付基礎日額からの出題です

②【R8年選択式】

 Xさんは、ここ数年、Y社とZ社の2社で就業している。Y社では、月給制で月30万円の給与を得ている一方、Z社では、1日1万円の日給制で月12日の勤務を行っている。労災保険法第8条第3項に基づき算出すると、勤務した直近3か月の暦日数が90日の場合、Xさんの給付基礎日額は< B >となる。なお、問題文に記載のない条件は考慮しなくてよい。

(選択肢)

10,000円  14,000円  14,250円  16,000

 

 

 

 

【解答】

<B> 14,000

(法第8条第3項)

条文を読んでみましょう

法第8条第3

複数事業労働者の業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は複数事業労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡により、当該複数事業労働者、その遺族その他厚生労働省令で定める者に対して保険給付を行う場合における給付基礎日額は、当該複数事業労働者を使用する事業ごと算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を基礎として、厚生労働省令で定めるところによつて政府が算定する額とする。

この問題のポイント!

 給付基礎日額は、原則として、労働基準法の平均賃金です。

 労働基準法第12条第1項ただし書では、日給制や時給制等の場合、「平均賃金の最低保障」が定められています。

★ただし複数事業労働者の給付基礎日額については、特例が設けられています。

→ 平均賃金相当額の算定で労働基準法第12条第1項ただし書の規定による最低保障の適用がある場合は、労災則第9条第1項第4号に基づく給付基礎日額相当額の特例として、労基法第12条第1項ただし書の規定の適用を受けないものとした場合の金額を、給付基礎日額相当額とすることとされています。

(令和2821日基発08212)

 

では、問題文を具体的に計算してみましょう

Y社の給付基礎日額に相当する額

→ (30万円+30万円+30万円)÷90日 = 10,000

Z社の給付基礎日額に相当する額

→ 日給制のため、労働基準法の平均賃金の最低保障を適用すると、

12万円+12万円+12万円)÷36日×100分の60 = 6,000円となります。

 ただし、給付基礎日額の特例で、最低保障の適用を受けないものとして算出します

→ (12万円+12万円+12万円)÷90 = 4,000

 

Xさんの給付基礎日額は、10,000+4,000円=14,000円となります。

 

 

 

3問目は、最高裁の判例からの出題です

③【R8年選択式】

 最高裁判所は、業務災害に該当するか否かの判断に関して次のように判示した。

 「労働者の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「災害」という。)が労働者災害補償保険法に基づく保険給付の対象となるには、それが業務上の事由によるものであることを要するところ、そのための要件の一つとして、労働者が労働契約に基づき事業主の< C >にある状態において当該災害が発生したことが必要であると解するのが相当である。そして、通勤途上において発生した災害は、労働者が、使用者の提供した専用の交通機関を利用していた場合、又は通勤の途中で業務を行うことを予定していた場合等、労働者が通勤途上においてもなお事業主の< C >に置かれていたと認めるべき特別の事情がある場合を除き、業務上の事由によるものということはできないと解すべきである。」

(選択肢)

 影響下    管理下    指示下    支配下

 

 

 

 

 

【解答】

C>  支配下

(昭和59.5.29最高裁判所第三小法廷 十和田労基署長事件)

ポイント!

 「業務上の事由」となるための要件の一つとして、労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にある状態で、災害が発生したことが必要です。

 

 

 

4問目は、障害補償給付(併合・併合繰上げ)からの出題です

④【R8年選択式】

 障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級について、同一の業務災害によって、右手の母指の亡失(第9級)及び左手の母指の指骨一部欠損(第13級)が生じた場合の障害等級は< D >となり、この場合の障害補償給付の額は給付基礎日額の< E >となる。なお、第8級の障害補償給付の額は給付基礎日額の503日分、第9級は391日分、第10級は302日分、第11級は223日分、第12級は156日分、第13級は101日分である。

(選択肢)

D 第8級   第9級   第10級   第11

E391日分  402日分  492日分  503日分

 

 

 

 

 

【解答】

D>   第8

E>  492日分

(則第14条)

ポイント!

・ 「同一の業務災害で、身体障害が2以上ある場合には、重い方の身体障害の該当する障害等級になります。(併合といいます)

・ 次の場合は、重い方の障害等級を1級~3級、繰り上げた障害等級になります。(併合繰上げといいます)

① 13級以上に該当する身体障害が2以上あるとき→ 重い方を1級繰上げる

② 第8級以上に該当する身体障害が2以上あるとき→ 重い方を2級繰上げる

③ 第5級以上に該当する身体障害が2以上あるとき→ 重い方を3級繰上げる

※例外があります

ただし、障害等級が第8級以下である場合において、各の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付の額の合算額繰り上げた障害等級に応ずる障害補償給付の額に満たないときは、その者に支給する障害補償給付は、当該合算額による。

 例外に該当するのは、「第9級と第13級」の組み合わせのみです。

 

 

※問題文に当てはめてみましょう

 同一の業務災害によって、第9級と第13の障害が残りました。13級以上が2つありますので、重い方を1級繰上げて、障害等級は「8」となります。

 ただし、第9級(391日分)+13級(101日分)は492日分で、第8級(503日分)より小さい額です。

 この場合は、例外的に、障害補償一時金の額は、第8級(503日分)ではなく、合算した492日分になります。

 なお、合算額<繰上げ後の額になるのは、9級と13級の組み合わせのみです。

 

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