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R9-014 09.07
<労災保険編>
テーマ 「特別支給金」をみていきます。
特別支給金は、「保険給付」の上乗せで支給されます。
例えば、保険給付の「遺族補償年金」が支給される場合は、「特別支給金」として、「遺族特別支給金(一般の特別支給金)」と「遺族特別年金(ボーナス特別支給金)」が上乗せされます。
「特別支給金」は、「社会復帰促進等事業」の中の「被災労働者等援護事業」として行われます。本試験のポイントは、「保険給付」との違いです。
★過去問のポイントを確認しましょう
・前払一時金が支給された場合、特別支給金はどうなる? → 障害補償年金前払一時金が支給された場合、障害補償年金は、障害補償年金の毎月分の額(1年たってからの分は、算定事由発生日における法定利率で割り引いた額)の合計額が、前払一時金の額に達するまでの間、支給停止されます。
ただし、障害補償年金が支給停止されても、「障害特別年金」の支給は停止されません。
特別支給金には、前払一時金の制度が無いためです。(H28年出題)
・遺族特別支給金の額 → 300万円(定額)。遺族が2人以上ある場合は、300万円をその人数で除した額となります。(H24年出題)
・損害賠償との関係について → 第三者から同一の事由について損害賠償を受けても、特別支給金は調整されません。特別支給金は、社会復帰促進等事業の一環として、被災労働者の療養生活の援護等によりその福祉の増進を図るために行われるためです。(R2年出題)
・同一の部位について障害の程度が加重した場合の障害特別支給金 → 現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額から、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額を差し引いた額となります。(R元年出題)
・申請の期限 → 休業特別支給金は2年、休業特別支給金以外は5年です。(R2年出題)
では、令和8年の問題を解いていきましょう
①【R8年問5-A】
遺族補償年金前払一時金が支給されたことにより、遺族補償年金が支給停止された場合、遺族特別年金も支給停止される。

【解答】
①【R8年問5-A】 ×
遺族補償年金前払一時金が支給されたことにより、遺族補償年金が支給停止された場合でも、遺族特別年金は支給停止されません。遺族特別年金には、前払一時金の制度が無いためです。(特別支給金則第9条)
②【R8年問5-B】
遺族特別支給金の額は、遺族の人数に応じて、給付基礎日額の153日分から245日分である。

【解答】
②【R8年問5-B】 ×
遺族特別支給金の額は、遺族の人数にかかわらず300万円の定額です。
※遺族特別支給金の支給を受ける遺族が2人以上ある場合には、300万円をその人数で除して得た額となります。
(特別支給金則第5条)
③【R8年5-C】
最高裁判所の判例によれば、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金は、使用者が被災労働者に支払う損害賠償額から控除することができるとされている。

【解答】
③【R8年5-C】 ×
最高裁判所の判例によれば、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金は、使用者が被災労働者に支払う「損害賠償額から控除することはできない」とされています。
最高裁判所の判例の趣旨を読んでみましょう。
「保険給付の原因となる事故が第三者の行為によって生じた場合につき、政府が保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者の第三者に対する損害賠償請求権を取得し、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度で保険給付をしないことができる」旨定められています。(労災法12条の4)。 他方、政府は、労災保険により、被災労働者に対し、休業特別支給金、障害特別支給金等の特別支給金を支給するが、右特別支給金の支給は、社会復帰促進等事業の一環として、被災労働者の療養生活の援護等によりその福祉の増進を図るために行われるものであり、被災労働者の損害をてん補する性質を有するということはできず、したがって、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金をその損害額から控除することはできないというべきである。」とするのが、最高裁判所の判例の趣旨です。 |
(平8.2.23最高裁判所第二小法廷 コック食品労災保険特別支給金控除事件)
④【R8年問5-D】
既に身体障害のあった者が、業務上の事由による負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合の障害特別支給金の額は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額から、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額を差し引いた額による。

【解答】
④【R8年問5-D】 〇
「障害特別支給金」は一時金で支給されます。
例えば、既に3級の身体障害のあった者が、業務上の事由による負傷により同一の部位について障害の程度を加重し1級に該当した場合の障害特別支給金の額は、現在の1級の障害特別支給金の額(342万円)と、既にあった3級の障害特別支給金の額(300万円)の差額となります。
(特別支給金則第4条)
⑤【R8年問5-E】
障害特別支給金の支給の申請は、障害に係る負傷又は疾病が治った日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

【解答】
⑤【R8年問5-E】 ×
障害特別支給金の支給の申請は、障害に係る負傷又は疾病が治った日の翌日から起算して2年ではなく「5年以内」に行わなければなりません。
(特別支給金則第4条)
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