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社会保険労務士合格研究室

【労働基準法】1年単位の変形労働時間制

R9-023 09.16

労働基準法|1年単位の変形労働時間制の注意点

令和8年の本試験で、1年単位の変形労働時間制が出題されています。

具体的な内容を確認しましょう

・対象期間の途中で、特定された日又は週の労働時間を変更できるか?

・実際に労働した期間が対象期間よりも短い者の清算

・対象期間に連続して労働させることができる日数の限度

・対象期間の起算日を明らかにする

1年単位の変形労働時間制は、年少者に適用されるか?

 

では、令和8年の問題を意識しながら条文を読んでみましょう

法第32条の4

① 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で対象期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間40時間を超えない範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定めるところにより、特定された週において1週40時間又は特定された日において18時間を超えて、労働させることができる。

1) この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲

2) 対象期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1か月を超え1年以内の期間に限るものとする。)

3) 特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。)

4) 対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を1か月以上の期間ごとに区分することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間(以下この条において「最初の期間」という。)における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)

5) その他厚生労働省令で定める事項

 

② 使用者は、前項の協定で同項第4号の区分をし当該区分による各期間のうち最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間を定めたときは、当該各期間の初日の少なくとも30日前、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働日数を超えない範囲内において当該各期間における労働日及び当該総労働時間を超えない範囲内において当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない

③ 厚生労働大臣は労働政策審議会の意見を聴いて、厚生労働省令で、対象期間における労働日数の限度並びに1日及び1週間の労働時間の限度並びに対象期間(特定期間として定められた期間を除く。)及び同項の協定で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度を定めることができる。

 

32条の4の2

 使用者が、対象期間中の前条の規定により労働させた期間が当該対象期間より短い労働者について、当該労働させた期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(33条又は第36条第1項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、37条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない

 

令和8年の問題を解いてみましょう

①【R8年問4-A

 1年単位の変形労働時間制に係る労使協定において、労使双方が合意すれば協定期間中であっても同変形労働時間制の一部を変更することがある旨が明記されていれば、これに基づき、労使協定において特定された日又は週の労働時間を労働基準法第32条の4第1項第2号に規定する対象期間(以下本問において「対象期間」という。)の途中で変更することができる。

 

 

 

 

【解答】

①【R8年問4-A】 ×

・ 対象間の途中で変更することはできません。

H6.3.31基発181号)

・ 1年単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定で、対象期間の労働日及び当該労働日ごとの労働時間を具体的に定めることが必要です。

 使用者が、業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は、1年単位の変形労働時間制には該当しません。

H11.3.31基発168号)

 

 

 

②【R8年問4-B

 使用者は、1年単位の変形労働時間制の適用労働者が対象期間中に育児休業や産前産後の休業により労働せず、実際の労働期間が対象期間よりも短い者について、当該労働させた期間を平均し1週間当たり40時間を超えて労働させた場合においては、その超えた時間(労働基準法第33条又は第36条第1項の規定により延長し、又は休日に労働させた時間を除く。)の労働については、労働基準法第37条の規定の例により割増賃金を支払わなければならない。

 

 

 

【解答】

②【R8年問4-B】 ×

 第32条の4の2は、対象期間の途中で退職した者、途中で採用された者が対象です。

「休暇中の者などには適用されない。」とされています。

問題文の者には適用されません。

(平11.3.31基発169号)

 

法第32条の4の2について少し詳しくみていきましょう

※例えば、Aさんが対象期間の途中で退職した場合

対象期間(1年とした場合)

10

11

12

実際に労働した期間

 

 

 

 

・実際に労働した8か月(暦日数243日)の法定働時間の総枠は、

40時間×243日÷7日 ≒ 1388.5時間です。

 

Aさんの実労働時間が1400時間(所定労働時間のみ)だとすると

1400時間 - 1388.5時間 = 11.5時間分の割増賃金を支払って、清算が必要です。

 

なお、「労働基準法第37条の規定の例によ」の部分もポイントです。

37条の割増賃金の計算方法で計算しますが、37条の割増賃金ではありません。

このため、この清算のための割増賃金を支払わなかった場合は、37条違反ではなく、法第24条違反(全額払の原則違反)となります。

 

 

 

③【R8年問4-C

1年単位の変形労働時間制において、対象期間において連続して労働させることができる日数の限度は、労働基準法第32条の4第1項の協定により同項第3号に規定する特定期間として定められた期間を含め、6日である。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R8年問4-C】 ×

 対象期間における連続して労働させる日数の限度は「6日」が原則です。

 6日に1回は休日が必要です。

 ただし、特定期間については、連続して労働させる日数の限度は1週間に1日の休日が確保できる日数とされています。

 例えば、1週目の休日は日曜日・2週目の休日は土曜日にして、最長12日連続して労働させることができます。

(則第12条の4第5項)

 

 

 

④【R8年問4-D

 使用者は、1年単位の変形労働時間制により労働者に労働させる場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)において、対象期間の起算日を明らかにするものとされている。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R8年問4-D】 〇

 「使用者は、法第32条の2から第32条の4までの規定により労働者に労働させる場合には、就業規則その他これに準ずるもの又は書面による協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)において、期間の起算日を明らかにするものとする。」とされています。(則第12条の2第1項)

※第32条の2→1か月単位の変形労働時間制、第32条の3→フレックスタイム制

32条の4 → 1年単位の変形労働時間制

 

 

 

⑤【R8年問4-E】

 使用者は、満15歳以上で満18歳に満たない者について、1日10時間、1週52時間の範囲内で1年単位の変形労働時間制によって労働させることができる。

 

 

 

 

 

⑤【R8年問4-E】 ×

 原則として、満18歳に満たない者については1年単位の変形労働時間制は適用されません。

 ただし、満15歳以上満18歳に満たない者については、1日8時間、1週48時間の範囲内で1年単位の変形労働時間制によって労働させることができます。

(法第60条第1項、第3項、則第34条の2の4)

 

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