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社会保険労務士合格研究室

【労災保険法】内払・過誤払の問題を解いてみましょう

R9-036 09.29

労災|年金の内払・過誤払による返還金債権への充当

「年金の内払」、「過誤払による返還金債権への充当」について条文を読んでみましょう

第12条(年金の内払)

① 年金たる保険給付の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われたときは、その支払われた年金たる保険給付は、その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われた場合における当該年金たる保険給付の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。

② 同一の業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による負傷又は疾病(以下この条において「同一の傷病」という。)に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。以下この項において「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。以下この項において「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり、かつ、乙年金を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。同一の傷病に関し、年金たる保険給付(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金及び遺族年金を除く。)を受ける権利を有する労働者が休業補償給付、複数事業労働者休業給付若しくは休業給付又は障害補償一時金、複数事業労働者障害一時金若しくは障害一時金を受ける権利を有することとなり、かつ、当該年金たる保険給付を受ける権利が消滅した場合において、その消滅した月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付が支払われたときも、同様とする。

③ 同一の傷病に関し、休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を受けている労働者が障害補償給付若しくは傷病補償年金、複数事業労働者障害給付若しくは複数事業労働者傷病年金又は障害給付若しくは傷病年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付を行わないこととなった場合において、その後も休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付は、当該障害補償給付若しくは傷病補償年金、複数事業労働者障害給付若しくは複数事業労働者傷病年金又は障害給付若しくは傷病年金の内払とみなす。

 

第12条の2(過誤払による返還金債権への充当)

年金たる保険給付を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。

則第10条の2 (過誤払による返還金債権への充当)

 法第12条の2の規定による年金たる保険給付の支払金の金額の過誤払による返還金債権への充当は、次の各号に掲げる場合に行うことができる。

(1) 年金たる保険給付の受給権者の死亡に係る遺族補償年金、遺族補償一時金、葬祭料若しくは障害補償年金差額一時金、複数事業労働者遺族年金、複数事業労働者遺族一時金、複数事業労働者葬祭給付若しくは複数事業労働者障害年金差額一時金又は遺族年金、遺族一時金、葬祭給付若しくは障害年金差額一時金の受給権者が、当該年金たる保険給付の受給権者の死亡に伴う当該年金たる保険給付の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者であるとき。

(2) 遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の受給権者が、同一の事由による同順位の遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の受給権者の死亡に伴う当該遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者であるとき。

 

今回のポイント!

・ 同一の傷病に関し、休業補償給付を受けている労働者が傷病補償年金を受ける権利を有することになった

・遺族補償年金の額について、その算定の基礎となる遺族の数の減少により減額して改定すべきであったにもかかわらず

・障害補償年金を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず

 

 

令和8年の問題を解いてみましょう

①【R8年問3-B】

 同一の傷病に関し、休業補償給付を受けている労働者が傷病補償年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付を行わないこととなった場合において、その後も休業補償給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付は、当該傷病補償年金の内払とみなす。

 

 

 

【解答】

①【R8年問3-B】 〇

・キーワードは「同一人」、「同一の傷病」です。

 「同一の傷病」に関し、休業補償給付を受けている労働者が傷病補償年金を受ける権利を有することとなり、かつ、休業補償給付を行わないこととなった場合において、その後も休業補償給付が支払われたときは、その支払われた休業補償給付は、当該傷病補償年金の内払とみなす。

※休業補償給付を返還させて改めて傷病補償年金を支払うとなると、事務が煩雑になってしまうので、「傷病補償年金の内払とみなす」とされます。

                傷病補償年金

                  ▼

休業補償給付

 

傷病補償年金

                     ↑

                   傷病補償年金の内払とみなす

 

 

 

②【R8年問3-D】

 遺族補償年金の額について、その算定の基礎となる遺族の数の減少により減額して改定すべきであったにもかかわらず、遺族の数が減少した月の翌月以後の分として減額しない額の遺族補償年金が支払われた場合、当該減額すべきであった部分については、その後に支払うべき遺族補償年金の内払とみなすことができる。

 

 

 

 

 

②【R8年問3-D】 〇

 遺族補償年金の額について、その算定の基礎となる遺族の数の減少により減額して改定すべきであったにもかかわらず、遺族の数が減少した月の翌月以後の分として減額しない額の遺族補償年金が支払われた場合、当該減額すべきであった部分については、その後に支払うべき遺族補償年金の内払とみなすことができる。

 

            減額改定

 

減額しないで支払われた

 

 

 

 

 

 

③【R8年問3-E】

 障害補償年金を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該障害補償年金の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときは、当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R8年問3-E】 〇

ポイント! 内払は同一人の保険給付の調整ですが、「過誤払い」については、別の人物の間での給付の調整です。

 

・障害補償年金を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅した。

↓

・にもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該障害補償年金の過誤払が行われた

↓

・当該過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるとき

↓

・当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。

 

充当される保険給付は、「年金たる保険給付の受給権者の死亡」に関連するものに限られています。

・遺族補償年金、遺族補償一時金、葬祭料若しくは障害補償年金差額一時金

・複数事業労働者遺族年金、複数事業労働者遺族一時金、複数事業労働者葬祭給付若しくは複数事業労働者障害年金差額一時金

・遺族年金、遺族一時金、葬祭給付若しくは障害年金差額一時金

 

                     死亡

                      ▼

障害補償年金

過誤払

 

                          ↑充当することができる

遺族補償年金

 

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