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社会保険労務士合格研究室

【労働安全衛生法】健康診断

R9-050 10.13

安衛法の様々な健康診断

 労働安全衛生法では、事業者に「健康診断」を行うことが義務付けられています。

 ただし、さまざまな健康診断があり、対象者もそれぞれ違います。

 健康診断の種類を意識しながら問題を解いていきましょう。

健康診断について条文を読んでみましょう

安衛法第66条 (健康診断)

① 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない。

② 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。

③ 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。

④ 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。

⑤ 労働者は、事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

 

令和8年の問題を解いてみましょう

①【R8年問10-A】

 労働安全衛生規則第43条に定める雇入時の健康診断は、採用選考時の健康診断ではなく、常時使用する労働者を雇い入れた際における適正配置、入職後の健康管理に資するためのものであるとされている。

 

 

 

 

【解答】

①【R8年問10-A】 〇

<雇入時の健康診断について>

・常時使用する労働者を雇い入れた際に行う健康診断です。

・適正配置、入職後の健康管理の基礎資料となります。

 

 

 

②【R8年問10-B】

 労働安全衛生規則第44条に定める定期健康診断は、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診のために要した費用については、事業者がこれを負担しなくてもよいとされている。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R8年問10-B】 ×

 受診のために要した費用は、事業者が負担しなければなりません。

※ 法定の健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであることとされています。

 

※ 賃金についても確認しましょう

・ 健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払いについて

→ 労働者一般に対して行なわれる、いわゆる一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行なわれるものではないので、その受診のために要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可決な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいこと。

→ 特定の有害な業務に従事する労働者について行なわれる健康診断、いわゆる特殊健康診断は、事業の遂行にからんで当然実施されなければならない性格のものであり、それは所定労働時間内に行なわれるのを原則とすること。また、特殊健康診断の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該健康診断が時間外に行なわれた場合には、当然割増賃金を支払わなければならないものであること。

(昭48.9.18基発第602号)

 

 

 

③【R8年問10-C】

 労働安全衛生規則第45条では、特定業務従事者の健康診断として、事業者は、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、所定の健康診断を行わなければならないと定めているが、この特定業務には、深夜業を含む業務、重量物の取扱い等重激な業務及び病原体によって汚染のおそれが著しい業務が含まれるが、給食の業務及び高所作業を含む業務は含まれない。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R8年問10-C】 〇

 労働安全衛生規則第45条は、「特定業務従事者の健康診断」です。

 条文を読んでみましょう

事業者は、特定業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、第44条第1項各号に掲げる項目(定期健康診断の項目)について医師による健康診断を行わなければならない。この場合において、胸部エックス線検査及び喀痰検査については、1年以内ごとに1回、定期に、行えば足りるものとする。

 通常の定期健康診断は、「1年以内ごとに1回」、定期的に行わなければなりませんが、特定業務従事者の場合は、「当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回の定期健康診断が義務付けられています。

 なお、この特定業務には、深夜業を含む業務、重量物の取扱い等重激な業務及び病原体によって汚染のおそれが著しい業務が含まれます。給食の業務及び高所作業を含む業務は含まれません。

 「深夜業を含む業務」が含まれることがポイントです。

 

 

 

④【R8年問10-D】

 常時使用され、自ら受けた医師による健康診断(事業者の指定した医師が行う健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う労働安全衛生法第66条の規定による健康診断に相当する健康診断を除く。)を受けた日前6月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事した労働者は、自ら受けた医師による健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができる。ただし、当該健康診断を受けた日から3月を経過したときは、この限りでない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R8年問10-D】 〇

「自発的健康診断の結果の提出」についての規定です。

 「深夜業」(午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間における業務)に従事する労働者で、その深夜業の回数その他の事項が深夜業に従事する労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものは、自ら受けた健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができます。

(安衛法第66条の2)

 対象は、「常時使用され、自ら受けた健康診断を受けた日前6か月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事した」ものです。

(則第50条の2)

ただし、自ら受けた医師による健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出できるのは、当該健康診断を受けた日から3月以内です。

(則第50条の3)

 

 

 

⑤【R8年問10-E】

 事業者は、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際には、歯科医師による健康診断を行わなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【R8年問10-E】 〇

 「事業者は、令第22条第3項の業務に常時従事する労働者に対し、その雇入れの際、当該業務への配置替えの際及び当該業務についた後6月以内ごとに1回、定期に、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。」とされています。

 令第22条第3項の業務は、「塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務」です。

(法第66条第3項、令第22条第3項)

 

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