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R9-053 10.16
労働保険事務組合とは
→ 中小事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務の処理をする団体です。労働保険事務組合になるには、厚生労働大臣の認可が必要です。
条文を読んでみましょう
徴収法第33条 (労働保険事務組合) ① 中小企業等協同組合法第3条の事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であって代表者の定めがないものを除く。)は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主その他厚生労働省令で定める事業主(厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、これらの者が行うべき労働保険料の納付その他の労働保険に関する事項(印紙保険料に関する事項を除く。以下「労働保険事務」という。)を処理することができる。 ② 事業主の団体又はその連合団体は、①に規定する業務を行なおうとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ③ 認可を受けた事業主の団体又はその連合団体(以下「労働保険事務組合」という。)は、業務を廃止しようとするときは、60日前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。 ④ 厚生労働大臣は、労働保険事務組合が労働保険関係法令の規定に違反したとき、又はその行うべき労働保険事務の処理を怠り、若しくはその処理が著しく不当であると認めるときは、認可を取り消すことができる。 則第62条第2項 厚生労働省令で定める数を超える数の労働者を使用する事業主は、常時300人(金融業若しくは保険業、不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)を超える数の労働者を使用する事業主とする。 |
労働保険事務組合に委託できる事業主の規模
原 則 | 常時300人以下 |
卸売業、サービス業 | 常時100人以下 |
金融業、保険業、不動産業、小売業 | 常時50人以下 |
令和8年の問題を解いていきましょう
①【R8年問10-A(雇用)】
労働保険事務組合は、労働保険事務の処理を委託している事業主ごとに労働保険事務等処理委託事業主名簿、労働保険料等徴収及び納付簿、(雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては)雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければならず、これら3つの帳簿すべてに当該事業主の事業が労働保険徴収法施行規則第68条に規定する5人未満委託事業、5人以上15人以下委託事業又はそれ以外の事業のいずれの事業に該当するかの別を記載する項目がある。

【解答】
①【R8年問10-A(雇用)】 〇
■労働保険事務組合が事務所に備えておかなければならない3つの帳簿は覚えましょう。
① 労働保険事務等処理委託事業主名簿 ② 労働保険料等徴収及び納付簿 ③ 雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿 |
■3つの帳簿すべてに5人未満委託事業、5人以上15人以下委託事業又はそれ以外の事業のいずれの事業に該当するかの別を記載する項目があります。
(則第68条)
②【R8年問10-B(雇用)】
政府は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき概算保険料の超過納付額の還付について、当該事業主に対して還付せずに当該労働保険事務組合に対してすることができる。

【解答】
②【R8年問10-B(雇用)】 〇
条文を読んでみましょう
徴収法第34条 (労働保険事務組合に対する通知等) 政府は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき労働保険関係法令の規定による労働保険料の納入の告知その他の通知及び還付金の還付については、これを労働保険事務組合に対してすることができる。この場合において、労働保険事務組合に対してした労働保険料の納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、当該事業主に対してしたものとみなす。 |
労働保険事務組合の責任についても条文で確認しましょう
徴収法第35条 (労働保険事務組合の責任等) ① 委託に基づき、事業主が労働保険関係法令の規定による労働保険料その他の徴収金の納付のため、金銭を労働保険事務組合に交付したときは、その金額の限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとする。 ② 労働保険関係法令の規定により政府が追徴金又は延滞金を徴収する場合において、その徴収について労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとする。 ③ 政府は、前2項の規定により労働保険事務組合が納付すべき徴収金については、当該労働保険事務組合に対して滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を当該事業主から徴収することができる。 ④ 労働保険事務組合は、労災保険法第12条の3第2項の規定及び雇用保険法第10条の4第2項の規定の適用については、事業主とみなす。 ・労災保険法第12条の3第2項 事業主が虚偽の報告又は証明をしたためその保険給付が行なわれたものであるときは、政府は、その事業主に対し、保険給付を受けた者と連帯して徴収金を納付すべきことを命ずることができる。 ・雇用保険法第10条の4第2項 事業主、職業紹介事業者等、募集情報等提供事業を行う者又は指定教育訓練実施者が偽りの届出、報告又は証明をしたためその失業等給付が支給されたものであるときは、政府は、その事業主、職業紹介事業者等、募集情報等提供事業を行う者又は指定教育訓練実施者に対し、その失業等給付の支給を受けた者と連帯して、失業等給付の返還又は納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。 |
③【R8年問10-C(雇用)】
労働保険事務組合が政府から労働保険料に係る報奨金の交付を受けるには、7月10日において、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、前年度の確定保険料の額(当該確定保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、当該確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)のすべてが納付されていることが、その要件の一つに定められている。

【解答】
③【R8年問10-C(雇用)】 ×
「すべて」ではなく「100分の95以上」です。
★労働保険事務組合が労働保険料に係る報奨金の交付を受ける条件
→ 7月10日において、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、前年度の確定保険料の額(当該確定保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、当該確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)の100分の95以上が納付されていることが要件の一つです。
(報奨金政令第1条)
④【R8年問10-D(雇用)】
事業主が労働保険事務組合に処理を委託することができる労働保険事務の範囲に「雇用保険の被保険者資格の取得及び喪失の届出」は含まれるが、「雇用保険の保険給付に関する請求書等に係る事務手続及びその代行」は当該範囲に含まれない。

【解答】
④【R8年問10-D(雇用)】 〇
「雇用保険の保険給付に関する請求書等に係る事務手続及びその代行」は労働保険事務組合に委託できる労働保険事務の範囲に含まれません。
★労働保険事務組合に委託できる労働保険事務の範囲に含まれない事務がポイントです。
・印紙保険料に関する事項
・保険給付に関する請求書等の事務手続き
・雇用保険二事業に係る事務手続き
⑤【R8年問10-E(雇用)】
労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の業務を廃止しようとするときは、60日前までに、業務の廃止に係る届書を労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出することにより、業務廃止の旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

【解答】
⑤【R8年問10-E(雇用)】 〇
主な手続きを覚えましょう
・委託があったとき等の届出
→ 労働保険事務の処理の委託があったときは、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。
→ 労働保険事務の処理の委託の解除があったときは、遅滞なく、所定の事項を記載した届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。
(則第64条)
・変更の届出
→ 認可申請書又は添付書類のうち「定款、規約等団体又はその連合団体の目的、組織、運営等を明らかにする書類(団体が法人であるときは、登記事項証明書を含む。)」、「労働保険事務の処理の方法を明らかにする書類」に変更を生じた場合には、その変更があった日の翌日から起算して14日以内に、その旨を記載した届書をその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。
(則第65条)
・労働保険事務の処理の業務を廃止しようとするとき
→ 60日前までに、業務の廃止に係る届書を労働保険事務組合の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出することにより、業務廃止の旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
(徴収法第33条第3項、則第66条)
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