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社会保険労務士合格研究室

【健康保険法】労災保険との調整

R9-071 11.03

健康保険と労災保険の調整

 健康保険は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷、死亡、出産に関して保険給付を行います。

 今回は、健康保険と労災保険の調整をみていきます。

 

条文を読んでみましょう

法第1条 (目的)

 この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

法第55条第1項 (他の法令による保険給付との調整)

 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。

 

令和8年の問題を解いてみましょう

【R8年問3-C】

 被保険者に係る療養の給付等について、労災保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わない。労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害について、それが労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険等で給付される。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合はこの限りではない。

 

 

 

 

 

 

【解答】

【R8年問3-C】 〇

★「通勤災害」については、健康保険の対象から除外されていません。

ただし、労災保険法の通勤災害の給付を受けることができる場合は、労災保険からの給付が優先されます。健康保険の療養の給付等について、労災保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行いません。

・ 被保険者が使用される事業所につき労災保険が適用されるべきであるにもかかわらず、その適用が行われていない場合に、その間に発生した通勤災害については、遡って労災保険から給付されます。

・ 労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害については、それが、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険により給付されます。

 ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われません。

(昭48.12.1保険発第105号・庁保険発第24号)

 

 

 

過去問も解いてみましょう

①【H30年出題】

 被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給される。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H30年出題】 ×

 被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合は、健康保険の埋葬料は支給されません。

 

 

 

②【H26年出題】

 健康保険の被保険者が通勤途上負傷し、労災保険の保険給付を受けることができるときは、その負傷について健康保険から保険給付は行われず、その者が勤務する事業所が労災保険の任意適用事業所で労災保険に未加入であった場合にも、同様に健康保険からの保険給付は行われない。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H26年出題】 ×

 労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害については、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、原則として、健康保険により保険給付が行われます。

(昭48.12.1保険発第105号・庁保険発第24号)

 

 

 

③【H28年出題】

 被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われる。

 

 

 

 

 

 

【解答】

③【H28年出題】 〇

 被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合や、被扶養者が請負業務やインターンシップ中に負傷した場合などは、労災保険の業務災害には当たりませんので、労災保険の給付は受けられません。 

 健康保険は、「労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害」以外の疾病、負傷等に関して保険給付を行います。そのため、労災保険法の被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われます。

(平25.8.14事務連絡)

 

 

④【R4年出題】

 被保険者又は被扶養者の業務災害(労災保険法第7条第1項第1号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)については健康保険法に基づく保険給付の対象外であり、労災保険法に規定する業務災害に係る請求が行われている場合には、健康保険の保険給付の申請はできない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R4年出題】 ×

 「健康保険は、業務外の疾病や負傷等に対して保険給付を行い、労災保険は、業務上の疾病や負傷等に対し保険給付を行います。その条件に当てはまるかどうかは、それぞれの保険者が自らの判断により行うものであるため、労災保険の認定が確定していないことを理由に、健康保険の保険給付の申請を受理しないことは認められない」とされています。

(平24.6.20事務連絡)

 

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