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社会保険労務士合格研究室

【国民年金法】前納

R9-044 10.07

国年|前納と還付請求の関係

前納について条文を読んでみましょう

法第93条 (保険料の前納)

① 被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。

② 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。

③ 前納された保険料について保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。

④ 保険料の前納手続、前納された保険料の還付その他保険料の前納について必要な事項は、政令で定める。

 

政令を読んでみましょう

令第9条第1項 (前納保険料の還付)

① 保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前において、被保険者(第1号ロ又は第2号に掲げる場合にあっては、第1号被保険者に限る。)が次の各号のいずれかに該当するに至つた場合は、その者(法第9条第1号に該当するに至った場合においては、その者の相続人)の請求に基づき、前納した保険料のうちそれぞれ当該各号に定める期間に係るものを還付する。

(1)次のいずれかに該当するに至った場合  → 未経過期間

イ 被保険者の資格を喪失した場合

ロ 第2号被保険者又は第3号被保険者となった場合

(2) 次のいずれかに該当するに至った場合 → 納付することを要しないものとされた保険料に係る期間

イ 産前産後期間の免除又は育児免除の規定により前納に係る期間の保険料につきその全部又は一部を納付することを要しないものとされた場合

ロ 法定免除、全額免除、一部免除若しくは学生納付特例、納付猶予の規定により前納に係る期間の保険料につきその全部又は一部を納付することを要しないものとされた場合

 

今回のテーマを確認しましょう

・任意加入被保険者が前納期間の途中で第1号被保険者資格を取得した場合

・前納期間の途中で産前産後期間の保険料納付義務が免除される場合

・前納期間の途中で第2号被保険者資格を取得したとき

・前納期間の途中で障害基礎年金の受給権者となったとき

・障害基礎年金の受給権者は前納できるかどうか

 

 

令和8年の問題を解いてみましょう

①【R8年問4-A】

 任意加入被保険者として保険料を前納した者が、前納期間の途中で第1号被保険者資格を取得した場合に当該被保険者が希望したときは、未経過期間に係る前納保険料の還付請求を求めず、当該期間を第1号被保険者の保険料納付済期間として算入させる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R8年問4-A】 〇

 政令第9条第1項の趣旨を読んでみましょう

 政令第9条第1項は、被保険者資格を喪失した時点における未経過期間に係る前納保険料を還付する旨を規定している。

これは、前納期間の途中で被保険者資格を喪失し、未経過期間について保険料を納付する必要がなくなった場合に、未経過期間に係る前納保険料を還付する趣旨である。

 したがって、例えば、任意加入被保険者が保険料を前納したが、前納期間の途中で資格喪失した後に引き続き第1号被保険者となった場合には、第1号被保険者として保険料を納付することが引き続き必要であるため、未経過期間に係る前納保険料を還付して、改めて第1号被保険者として当該未経過期間分の保険料納付を求めなければならないわけではない。

 国民年金の被保険者が保険料を前納したが、前納期間の途中で被保険者資格を喪失した後、引き続き第2号被保険者及び第3号被保険者以外の被保険者資格を取得した場合について、当該被保険者が希望した場合には、未経過期間に係る前納保険料について還付の請求を求めず、引き続き取得した被保険者資格として保険料納付済期間に算入することとする。

(平成22.11.29年年発1129第1号)

 

 

 

②【R8年問4-B】

 第1号被保険者として保険料を前納した者が、前納期間の途中で国民年金法第88条の2の規定により産前産後期間の保険料納付義務が免除される場合は、未経過期間に係る前納保険料の還付請求を求めず、当該保険料を免除期間後の保険料として充当する。

 

 

 

 

 

 

【解答】

②【R8年問4-B】 ×

 前納期間の途中で産前産後期間の保険料納付義務が免除される場合は、請求に基づき、未経過期間に係る前納保険料が還付されます。

 

 

 

③【R8年問4-C】

 第1号被保険者として保険料を前納した者が、前納期間の途中で第2号被保険者資格を取得したときは、未経過期間に係る前納保険料の還付請求を求めず、当該期間を第2号被保険者の保険料納付済期間として算入させる。

 

 

 

 

 

【解答】

③【R8年問4-C】 ×

 前納期間の途中で第2号被保険者資格を取得したときは、請求に基づき、未経過期間に係る前納保険料が還付されます。

 

 

 

④【R8年問4-D】

 保険料を前納した者が、前納期間の途中で障害基礎年金の受給権者となったときは、既に納付した前納保険料は、その全額が保険料納付済期間として将来の老齢基礎年金の額に反映されるため、還付請求できない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【R8年問4-D】 ×

ポイント!

① 国民年金保険料を前納した後に免除に該当するようになった場合に、免除該当日前に納付された前納保険料のうち免除に該当した月分以後の分に係るものについて、還付が可能です。

② 遡及して法定免除となった場合に、当該法定免除となった期間の分として免除該当後に納付されていた保険料については、本人が特に希望する場合には、当該期間を保険料納付済期間として取り扱うことができます。

(法第89条)

条文を読んでみましょう

法第89条

① 被保険者(産前産後期間の免除、育児免除並びに一部免除の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。

(1) 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に障害状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。

(2)生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。

(3) 前2号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。

② ①の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、①の規定は適用しない。(=保険料の納付・前納が可能)

 

 

⑤【R8年問4-E】

 障害基礎年金の受給権者は、保険料納付を要しないため、保険料の前納はできない。

 

 

 

 

【解答】

⑤【R8年問4-E】 ×

 法定免除に該当する場合(障害基礎年金の受給権者となったとき等)に、将来の年金権確保のために特に希望する者については、その後に納付すること又は前納を行うことが可能です。

(法第89条)

 

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