今日は、久しぶりに労災保険法です!テーマは「通勤災害」です。
通勤経路を逸脱(回り道)、中断(寄り道)した場合の扱いを、確認しましょう。
【法第7条】
★ 労働者が、通勤の経路を逸脱し、又は中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の移動は、通勤としない。
→ 例えば、会社帰りに、回り道をして映画館に向かったり(逸脱)、飲み会のため経路上の居酒屋に入った(中断)場合、そこから後は「通勤」ではなくなります。
★ ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
→ 例えば、逸脱や中断が、「日常生活上必要な行為で厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のもの」である場合は、元の経路に戻ったところから「通勤」が復活します。
では、「日常生活上必要な行為」として厚生労働省令で定めるものを確認しましょう。空欄を埋めてください。
【則第8条】
1. < A >の購入その他これに準ずる行為
2. 職業訓練、学校教育法第一条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
3. < B >の行使その他これに準ずる行為
4. 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為
5. 要介護状態にある配偶者、子、父母、< C >並びに配偶者の父母の介護(継続的に又は反復して行われるものに限る。)
<解答>
A 日用品 B 選挙権 C 孫、祖父母及び兄弟姉妹
※ Cについて
平成29年1月より、育児・介護休業法の「介護休業」の対象家族の改正に合わせて、労災保険法の「日常生活上必要な行為」である介護の対象家族の範囲も改正になりました。
改正前は、孫、祖父母、兄弟姉妹は「同居かつ扶養していること」が条件でしたが、改正後は、その条件が撤廃されています。
過去問もどうぞ。
【H23年出題】
労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱した場合でも、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱の間も含め同条の通勤とする。
【解答】×
逸脱、中断が、日常生活上必要な行為であったとしても、逸脱・中断中は通勤にはなりません。
社労士受験のあれこれ