R3-059
R2年の問題から定番問題をどうぞ!
R2年の問題です
R2問1より
死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されない。
【解答】 ×
死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、死亡一時金は支給されます。
★遺族基礎年金と死亡一時金の関係
(原則)
死亡した者の死亡日にその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。 → 死亡一時金は支給されない。
(例外)
死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したとき → 死亡一時金は支給される。
例えば、被保険者の死亡時に、子が18歳の年度末(3月)だった場合、遺族基礎年金の受給権は発生しますが、同月中に受給権は消滅してしまいます。 そのため、結局、受給権はできても遺族基礎年金は受給できません。 この場合は、例外規定の「死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したとき」に該当しますので、死亡一時金が支給されます。 |
では、類似問題をどうぞ!
<H24年出題>
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
【解答】 ×
死亡一時金の支給を受ける者が、夫の死亡により寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、どちらか一方を支給し、他方は支給しない、とされています。寡婦年金が優先されるわけではありません。
ポイント! 死亡一時金と寡婦年金のどちらを受けるかは、受給権者が選択する
問題文は、寡婦年金を優先しているので間違いです。
寡婦年金と死亡一時金では、寡婦年金の方が額が多いと考えがちですが、そうとも限りません。
例えば、65歳近くなって寡婦年金の受給権ができたとしたら、死亡一時金の方が額が多くなる可能性がありますので。
では、穴埋め問題をどうぞ!
1 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の< A >までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が< B >月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は< C >の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。
2 1の規定にかかわらず、死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
① 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により< D >を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該< D >の受給権が消滅したときを除く。
② 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であって、当該胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により < D >を受けることができるに至ったとき。ただし、当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該< D >の受給権が消滅したときを除く。
【解答】
A 前月
B 36
C 障害基礎年金
D 遺族基礎年金
最後にもう一問どうぞ!
<H28年出題>
死亡一時金は、遺族基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、その遺族に支給されない。なお、本問において死亡した者は、遺族基礎年金以外の年金の支給を受けたことはないものとする。
【解答】 ×
上記の穴埋め問題でも出てきましたように、死亡した者が、「老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある」ときは、死亡一時金は支給されません。
一方、遺族基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときでも、要件を満たせば遺族に死亡一時金が支給されます。
「死亡一時金」は掛け捨て防止が目的です。
老齢基礎年金や障害基礎年金をうけたことがあるなら国民年金の保険料は掛け捨てにはなりませんよね。だから、老齢基礎年金や障害基礎年金をうけたことがある者が死亡した場合は、死亡一時金は支給されません。
一方、遺族基礎年金を受けたことがある者が死亡したときは、要件を満たせば死亡一時金は支給されます。遺族基礎年金の場合、受ける本人の保険料納付要件ではなく、死亡した人の保険料納付要件が反映されるからです。
社労士受験のあれこれ