R3-194
年金の歴史についてお話しています。
旧法では、「会社員の夫と専業主婦の妻」が年金モデルになっていて、老後は夫が老齢年金を受給し、夫の年金に妻の加給年金額が加算されるという仕組みでした。そして、妻は国民年金への加入は任意でした。
旧法のポイント会社員等に扶養される配偶者は、国民年金の加入は任意だった
しかし、妻が任意加入しなかった場合、老後に妻名義の年金が支給されない点などが問題になっていました。
そのため、昭和61年4月1日からは「第3号被保険者」として、会社員等の被扶養配偶者も国民年金に強制加入することになりました。ただし、個別に保険料を負担するのではなく、会社員等が加入する厚生年金保険や共済組合で負担することになりました。
例えば、昭和29年4月2日生まれの女性で、20歳から60歳まで会社員の夫に扶養されていた場合
■昭和49年4月(20歳)~昭和61年3月まで
・国民年金は任意加入
国民年金に任意加入していなかった場合 → 合算対象期間
■昭和61年4月~平成26年3月まで
・国民年金は強制加入(第3号被保険者) → 保険料納付済期間
こちらの問題をどうぞ!
①<H23年出題>
昭和60年改正前の国民年金法の規定により任意加入できた期間のうち任意加入しなかった20歳以上65歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
②<H26年出題>
昭和29年4月2日生まれの女性が、厚生年金保険の被保険者であった夫の被扶養配偶者として国民年金の任意加入被保険者になっていた間の保険料を納付していなかった期間については、合算対象期間となる。
【解答】
①<H23年出題> ×
20歳以上「65歳未満」ではなく、20歳以上「60歳未満」です。
先ほど書きました会社員等の被扶養配偶者がこの規定に該当します。任意加入できるけれど任意加入しなかった期間は合算対象期間となりますが、「20歳以上60歳未満」という枠がありますので注意してください。
また「昭和60年改正前の国民年金法」の期間は、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの間です。
(昭和60年法附則第8条第5項)
②<H26年出題> 〇
国民年金の任意加入被保険者になっていたが、保険料を滞納していた期間については、合算対象期間となります。(20歳以上60歳未満の期間に限ります)
社労士受験のあれこれ