R3-236
昨日に引き続き、「2以上の種別の期間を有する」場合の年金がテーマです。
今日は「加給年金額」です。
では、こちらからどうぞ!
①<H28年出題>
第1号厚生年金被保険者期間を170か月、第2号厚生年金被保険者期間を130か月有する昭和25年10月2日生まれの男性が、老齢厚生年金の受給権を65歳となった平成27年10月1日に取得した。この場合、一定の要件を満たす配偶者がいれば、第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算される。なお、この者は、障害等級3級以上の障害の状態になく、上記以外の被保険者期間を有しないものとする。
②<H30年出題>
2つの被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有する者に、一方の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に基づく老齢厚生年金と他方の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に基づく老齢厚生年金の受給権が発生した。当該2つの老齢厚生年金の受給権発生日が異なり、加給年金額の加算を受けることができる場合は、遅い日において受給権を取得した種別に係る老齢厚生年金においてのみ加給年金額の加算を受けることができる。
【解答】
①<H28年出題> 〇
問題文のように、第1号厚生年金被保険者期間と第2号厚生年金被保険者期間がある場合は、合算して240か月以上あれば加給年金額が加算されます。
第1号厚生年金被保険者分の老齢厚生年金と第2号厚生年金被保険者分の老齢厚生年金は、それぞれ別個に計算・支給されますが、加給年金額はどちらか一方に加算されます。
2以上の種別の被保険者であった期間を有する老齢厚生年金について、加給年金額はどの老齢厚生年金に加算されるのでしょうか?加算される順番は、政令で次の通り定められています。
①最も早い日において受給権を取得した老齢厚生年金に加算する
↓
②同時に受給権を取得した老齢厚生年金が2以上あるときは、最も長い期間で計算される老齢厚生年金に加算する
↓
③期間が同じ場合は、第1号厚生年金被保険者期間、第2号厚生年金被保険者期間、第3号厚生年金被保険者期間、第4号厚生年金被保険者期間の順序で加算する
問題文の場合は、それぞれの老齢厚生年金の受給権は同じ日(平成27年10月1日)に取得していますので、期間が長い方の第1号厚生年金被保険者期間に基づく老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。
(法第78条の27、施行令第3条の13)
②<H30年出題> ×
「遅い日」において・・・の部分が誤りです。
2つの老齢厚生年金の受給権発生日が異なり、加給年金額の加算を受けることができる場合は、「遅い日」ではなく「早い日」において受給権を取得した種別に係る老齢厚生年金にのみ加給年金額が加算されます。
(法第78条の27、施行令第3条の13)
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