R4-017
第43回試験を振り返ってみましょう。
昨日に引き続き労働一般常識(択一)です。
【R3年問4】
(問4-エ)
A社において、定期的に職務の内容及び勤務地の変更がある通常の労働者の総合職であるXは、管理職となるためのキャリアコースの一環として、新卒採用後の数年間、店舗等において、職務の内容及び配置に変更のない短時間労働者であるYの助言を受けながら、Yと同様の定型的な業務に従事している場合に、A社がXに対し、キャリアコースの一環として従事させている定型的な業務における能力又は経験に応じることなく、Yに比べ基本給を高く支給していることは、パートタイム・有期雇用労働法に照らして許されない。
(問4-オ)
女性労働者につき労働基準法第65条第3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、原則として男女雇用機会均等法第9条第3項の禁止する取扱いに当たるが、当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易な業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、上記措置につき男女雇用機会均等法第9条第3項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いに当たらないとするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
(問4-エ) ×
「同一労働同一賃金ガイドライン」からの出題です。
「同一労働同一賃金ガイドライン」では、通常の労働者(正社員)とパートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者との間に、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例が示されています。
問題文は、『同一労働同一賃金ガイドライン』の中で、「問題とならない例」として示されています。
ポイント!
正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で賃金の決定基準・ルールの相違がある場合
賃金の決定基準・ルールの相違は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものの客観的及び具体的な実態に照らして、不合理と認められるものであってはならない。
(参照:同一労働同一賃金ガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)
(問4-オ) 〇
ポイント!
妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置について
<最高裁の判決> 軽易な業務への転換を契機として降格させる措置は、例外に該当する場合を除き、原則として男女雇用機会均等法第9条第3項の禁止する「不利益取扱い」に当たる。
(参照 平成26.10.23最一小判)
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