R4-127
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
労災保険法の条文を読んでみましょう。
第10条 船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその船舶に乗っていた労働者若しくは船舶に乗っていてその船舶の航行中に行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が3か月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となった日又は労働者が行方不明となった日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。 航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその航空機に乗っていた労働者若しくは航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が3か月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。 |
「推定する」とは、「一応そのようにしておく」というイメージです。
船舶や航空機の事故で3か月間生死が分からない場合は、一応、事故のあった日に死亡したと推測します。遺族に対して迅速に保険給付を行うためです。
「推定する」の場合、反証があれば覆ります。もし、後日、労働者が生きていることが分かれば、受給していた遺族補償給付等を返還しなければなりません。
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、労働者が行方不明となって3か月経過した日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。
【解答】
①【R2年出題】 ×
「行方不明となって3か月経過した日」ではなく、「労働者が行方不明となった日」に、当該労働者は、死亡したものと推定する、です。
遺族補償年金の支給は、労働者が行方不明となった日の属する月の翌月に遡って、開始します。
★ポイント! 「死亡の推定」は、船舶と航空機の事故に限定されています。
次はこちらの条文を読んでみましょう。
第16条の2 ① 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)以外の者にあっては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。 1 夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)、父母又は祖父母については、60歳以上であること。 2 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること。 3 兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること又は60歳以上であること。 4 1~3の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。 ② 労働者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子とみなす。 |
②に注目してください。「労働者の死亡の当時胎児であった子が出生した」ときは、将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子と「みなす」。こちらは、みなすという用語を使っています。
「みなす」は、推定ではなく確定です。反証で覆ることはありません。
労働者の死亡当時に胎児だった子が出生したときは、必ず「生計維持」されていたとみなされますので、生まれた時点から受給資格者になります。
★ 妻以外は、年齢要件か障害要件を満たす必要があります。
★ なお、55歳以上60歳未満で障害状態ではない夫、父母、祖父母、兄弟姉妹も暫定的に受給資格者になります。ただし、受給権者になっても60歳までは遺族補償年金は支給停止されます。(昭和40年改正法附則第43条第3項)
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