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労働安全衛生法・・・昭和47年制定
労働基準法が制定されたのは昭和22年です。そのときの労働基準法の第5章には、「安全及び衛生」の規定が設けられていました。
その後、日本の経済、産業は高度成長に入っていきます。
昭和47年の労働安全衛生法制定時の通達では、「近年のわが国の産業経済の発展は、世界にも類のない目ざましいものがあり、それに伴い、技術革新、生産設備の高度化等が急激に進展したが、この著しい経済興隆のかげに、今なお多くの労働者が労働災害を被っているという状況にある」とあります。
そこで、「最低基準の遵守確保」だけでなく、「労働災害の防止に関する総合的、計画的な対策を推進」することにより「職場における労働者の安全と健康を確保」し、「快適な職場環境の形成を促進すること」が目的になっているのが労働安全衛生法です。
労働基準法で規制できるのは、使用者と労働者の雇用関係のみですが、労働安全衛生法は、機械や原材料、重層的下請関係なども規制しているのが特徴です。
労働安全衛生法は、労働基準法の一部だった「安全及び衛生」が労働基準法から分離し、昭和47年に独立した法律です。
(参考)昭和47.9.18 基発第91号
では、過去問を解いてみましょう
①【H15年選択式】
労働安全衛生法と労働基準法との関係については、労働安全衛生法制定時の労働事務次官通達で明らかにされており、それによると、労働安全衛生法は形式的には労働基準法から分離独立したものとなっているが、安全衛生に関する事項は労働者の< A >の重要な一端を占めるものであり、労働安全衛生法第1条、労働基準法第42条等の規定により、労働安全衛生法と< A >についての一般法である労働基準法とは < B >関係に立つものである、とされている。
②【H29年出題】
労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。
【解答】
①【H15年選択式】
A 労働条件
B 一体としての
★ポイント! 労働安全衛生法と労働基準法は『一体としての関係』に立つ
(参考)昭和47.9.18 基発第91号
なお、上記の記述には、「賃金、労働時間、休日などの一般的労働条件の状態は、労働災害の発生に密接な関連を有することにかんがみ、かつ、この法律の第1条の目的の中で「労働基準法と相まって、……労働者の安全と健康を確保する……ことを目的とする。」と謳っている趣旨に則り、この法律と労働基準法とは、一体的な運用が図られなければならないものである。」と続きます。
②【H29年出題】 〇
労働基準法の労働憲章的部分(具体的には第1条から第3条まで)は、労働安全衛生法の施行にあたっても当然その基本とされなければならない、とされています。
(参考)昭和47.9.18 基発第91号
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