R4-150
前回に引き続き、第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)の支給停止です。
第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)には、受給権者の所得による支給停止があります。
条文を見てみましょう。
第36条の3 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(第33条の2第1項の規定により子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止する。 |
★チェックポイント!
・ 第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)には、所得による支給停止がある。
・ 所得は「受給権者」の前年の所得で判断される
・ 停止期間は「その年の10月から翌年の9月」まで(令和3年8月改正)
・ 停止されるのは、「全部又は2分の1」
全額支給
|
2分の1支給停止
|
全額支給停止 |
2分の1支給 |
▲ ▲ ▲
0 370万4千円 472万1千円
※扶養親族等がいない場合、前年の所得が472万1千円を超えるときは、全額が支給停止、370万4千円を超え、472万1千円以下のときは、2分の1が支給停止されます。
(施行令第5条の4)
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】※R3年8月改正による修正あり
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者本人の前年の所得が政令で定められた金額を超えるときは、その年の10月から翌年9月までの間、年金額の全部、又は、年金額の4分の3、2分の1若しくは4分の1に相当する部分の支給が停止される。
②【H27年出題】※R3年8月改正による修正あり
20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
③【H17年出題】※R3年8月改正による修正あり
20歳前の第2号被保険者期間中に初診日のある障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、その年の10月から翌年9月までその支給を停止される。
④【H20年出題】※R3年8月改正による修正あり
いわゆる20歳前の障害に基づく障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、原則として、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給が停止される。
【解答】
①【H25年出題】※R3年8月改正による修正あり ×
支給停止されるのは、年金額の「全部又は2分の1」に相当する部分です。
②【H27年出題】※R3年8月改正による修正あり ×
「受給権者本人」の所得で判断されます。扶養親族の所得は合算しません。
③【H17年出題】※R3年8月改正による修正あり ×
20歳前の第2号被保険者期間中に初診日のある障害基礎年金は、第30条の4(20歳前傷病による障害基礎年金)ではなく、第30条の通常の障害基礎年金です。所得による支給停止はありません。
④【H20年出題】※R3年8月改正による修正あり 〇
子の加算額が加算されている20歳前傷病による障害基礎年金が、所得によって2分の1が支給停止される場合、子の加算額を控除した額の2分の1に相当する部分の支給が停止されます。
もう一問どうぞ!
⑤【H25年出題】
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、震災、風水害、火災その他これに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令に定めるその他の財産につき被害金額がその価額のおおむね3分の1以上である損害を受けた者がある場合は、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わない。
【解答】
⑤【H25年出題】 ×
被害金額がその価額のおおむね「3分の1」ではなく「2分の1」以上である損害を受けた者が対象です。
その損害を受けた月から翌年の9月までは、所得を理由とする支給停止は行われません。
(法第36条の4)
社労士受験のあれこれ
毎日コツコツYouTubeチャンネル
チャンネル登録よろしくお願いします