R4-155
介護保険法の被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者の2種類です。
それぞれ介護保険料を負担していますが、徴収の方法が違います。
では、条文を読んでみましょう。
第129条 (保険料) ① 市町村(市町村又は特別区)は、介護保険事業に要する費用(財政安定化基金拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。 ② ①の保険料は、第1号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された保険料額によって課する。 ③ 保険料率は、市町村介護保険事業計画に定める介護給付等対象サービスの見込量等に基づいて算定した保険給付に要する費用の予想額、財政安定化基金拠出金の納付に要する費用の予想額、都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額並びに地域支援事業及び保健福祉事業に要する費用の予定額、第1号被保険者の所得の分布状況及びその見通し並びに国庫負担等の額等に照らし、おおむね3年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。 ④ 市町村は、①の規定にかかわらず、第2号被保険者からは保険料を徴収しない。 |
ポイント!
・ 市町村が徴収するのは「第1号被保険者」に対する保険料
・ 「保険料率」は、おおむね3年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。
・ 市町村は第2号被保険者からは保険料を徴収しない
★第1号被保険者からの徴収方法は、「特別徴収」と「普通徴収」があります。
①特別徴収
老齢等年金給付(老齢・退職、障害、遺族)が年額18万円以上の者が対象
(年金から徴収される)
②普通徴収
納付書などで徴収する
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
市町村又は特別区は、介護保険事業に要する費用(財政安定化基金拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるために保険料を徴収しなければならない。当該保険料は、第1号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された保険料額によって課する。
②【H30年選択式】
介護保険法第129条の規定では、市町村又は特別区が介護保険事業に要する費用に充てるため徴収しなければならない保険料は、第1号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された額とされ、その保険料率は、おおむね< A >を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならないとされている。
【解答】
①【H21年出題】 〇
市町村又は特別区が徴収する保険料は、第1号被保険者に対するものです。
②【H30年選択式】
A 3年
では、もう一問どうぞ!
③【R3年出題】
市町村(特別区を含む。)は、第2号被保険者から保険料を普通徴収の方法によって徴収する。
【解答】
③【R3年出題】 ×
市町村は、第2号被保険者から保険料は徴収しません。
(第2号被保険者の流れ)
第2号被保険者の介護保険料は、各医療保険者が医療保険料といっしょに徴収します。
そして、各医療保険者から、社会保険診療報酬支払基金を通して、市町村に交付されます。
各医療保険者
↓ 『介護給付費・地域支援事業支援納付金』として納付
↓
社会保険診療報酬支払基金
↓ 『介護給付費交付金』、『地域支援事業支援交付金』として交付
↓
市町村
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