R4-189
国民健康保険の保険料の滞納については、滞納の期間で扱いが変わります。
条文を読んでみましょう。
第9条 ③ 市町村は、保険料を滞納している世帯主が、当該保険料の納期限から1年間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該世帯主に対し被保険者証の返還を求めるものとする。 ※ 国民健康保険組合にも準用されます。
第63条2 ① 市町村及び組合は、保険給付を受けることができる世帯主又は組合員が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から1年6か月間が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとする。 ③ 市町村及び組合は、被保険者資格証明書の交付を受けている世帯主又は組合員であって、保険給付の全部又は一部の支払の一時差止がなされているものが、なお滞納している保険料を納付しない場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、当該世帯主又は組合員に通知して、当該一時差止に係る保険給付の額から当該世帯主又は組合員が滞納している保険料額を控除することができる。 |
★ 滞納が「1年間」になると被保険者証の返還が求められ、代わりに「被保険者資格証明書」が交付されます。(被保険者資格証明書については次回お話します。)
また、滞納が1年6カ月になると、保険給付の全部又は一部が差し止められます。
保険給付を差し止められていても、さらに滞納している場合は、差し止め中の保険給付から滞納保険料に充当されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年選択式】
市町村は、国民健康保険料を滞納している世帯主が当該保険料の納期限から < A >が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、当該世帯主に対し被保険者証の返還を求めるものとする。
世帯主が国民健康保険料の滞納に関し、被保険者証を返還したときは、市町村は、当該世帯主に対し、その世帯に属する被保険者に係る< B >を交付する。
なお、本問の世帯には、原爆一般疾病医療費の支給等を受けることができる者及び18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者はいないものとする。
②【R2年出題】
国民健康保険の保険給付を受けることができる世帯主であって、市町村から被保険者資格証明書の交付を受けている者が、国民健康保険料を滞納しており、当該保険料の納期限から1年6か月が経過するまでの間に当該保険料を納付しないことにより、当該保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めされている。当該世帯主が、この場合においても、なお滞納している保険料を納付しないときは、市町村は、あらかじめ、当該世帯主に通知して、当該一時差し止めに係る保険給付の額から当該世帯主が滞納している保険料額を控除することができる。
【解答】
①【H28年選択式】
A 1年間
B 被保険者資格証明書
「被保険者資格証明書」が交付されると、現物給付が受けられなくなるので、医療機関では医療費を一旦全額支払うことになります。
(法第9条第3項、6項)
②【R2年出題】 〇
滞納が1年6カ月になると保険給付の全部又は一部が差し止められ、さらに滞納すると、差し止められている保険給付から、滞納保険料に充当されます。
(法第63条の2)
★次回に続きます
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