R4-291
建設の事業が数次の請負で行われている場合は、下請負事業が元請負事業に一括され、徴収法上、元請負人のみが事業主として取り扱われます。
条文を読んでみましょう。
第8条 (請負事業の一括) 厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行なわれる場合には、この法律の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とする。 則第7条 法第8条第1項の厚生労働省令で定める事業は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業とする |
請負事業の一括のポイント!
一括の対象になるのは、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち「建設の事業」です。
法律上当然に一括されます。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題(労災)】
請負事業の一括は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業又は立木の伐採の事業が数次の請負によって行われるものについて適用される。
②【R2年出題(労災)】
請負事業の一括は、元請負人が、請負事業の一括を受けることにつき所轄労働基準監督署長に届け出ることによって行われる。
③【H26年出題(労災)】
労災保険の保険関係が成立している建設の事業が数次の請負によって行われる場合であって、労働保険徴収法の規定の適用については、元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合においても、雇用保険に係る保険関係については、元請負人のみが当該事業の事業主とされることなく、それぞれの事業ごとに労働保険徴収法が適用される。
④【R2年出題(労災)】
請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、そのすべてについて事業主として保険料の納付の義務を負い、更に労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となる。
【解答】
①【R2年出題(労災)】 ×
請負事業の一括が適用されるのは、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、「建設の事業」が数次の請負によって行われるものです。「立木の伐採」の事業には適用されません。
(則第7条)
②【R2年出題(労災)】 ×
請負事業の一括は、法律上当然に行われます。「届け出」や「認可」などの手続きは要りません。
(法第8条)
③【H26年出題(労災)】 〇
「雇用保険」に係る保険関係は一括されません。それぞれの「事業単位」で、労働保険徴収法が適用されます。
④【R2年出題(労災)】 ×
請負事業の一括が行われた場合、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含めて、事業主として保険料の納付の義務を負います。
しかし、労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となることはありません。
次回は、下請負事業の分離の要件です。
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