R6-013
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、労働基準法です。
まず、過去問からどうぞ!
【H27年出題】
当該労働者の労働条件は次のとおりである。
所定労働日:毎週月曜日から金曜日
所定休日:毎週土曜日及び日曜日
所定労働時間:1日8時間
賃金:日給15,000円
計算された平均賃金:10,000円
(問題)
使用者の責に帰すべき事由により労働時間が4時間に短縮されたが、その日の賃金として7,500円の支払がなされると、この場合にあっては、使用者は、その賃金の支払に加えて休業手当を支払わなくても違法とならない。
【解答】 〇
1日の所定労働時間の一部のみ使用者の責に帰すべき事由による休業がなされた場合にも、その日は平均賃金の100分の60に相当する金額を支払う義務があります。
現実の労働時間に対する賃金が平均賃金の100分の60に満たない場合は、その差額を支払わなければなりません。
(S27.8.7基収3445号)
問題文の1日当たりの休業手当は、10,000円×100分の60=6,000円です。
使用者の責に帰すべき事由で労働時間が4時間になり、その労働時間に対し7,500円が支払われています。
現実の労働時間に対する賃金が平均賃金の100分の60以上ですので、賃金の支払に加えて休業手当を支払う必要はありません。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
下記のとおり賃金を支払われている労働者が使用者の責に帰すべき事由により半日休業した場合、労働基準法第26条の休業手当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
賃 金:日給 1日10,000円
半日休業とした日の賃金は、半日分の5,000円が支払われた。
平均賃金:7,000円
A 使用者は、以下の算式により2,000円の休業手当を支払わなければならない。
7,000円-5,000円=2,000円
B 半日は出勤し労働に従事させており、労働基準法第26条の休業には該当しないから、使用者は同条の休業手当ではなく通常の1日分の賃金10,000円を支払わなければならない。
C 使用者は、以下の算式により1,000円の休業手当を支払わなければならない。
10,000円×0.6-5,000円=1,000円
D 使用者は、以下の算式により1,200円の休業手当を支払わなければならない。
(7,000円-5,000円)×0.6=1,200円
E 使用者が休業手当として支払うべき金額は発生しない。
【解答】 E
ポイント!
★1日の所定労働時間の一部のみ使用者の責に帰すべき事由による休業がなされた場合にも、平均賃金の100分の60に相当する金額を支払う義務があります。
★現実の労働時間に対する賃金は5,000円で、平均賃金の100分の60(7,000円×100分の60)以上です。そのため、使用者が休業手当として支払うべき金額は発生しません。
正しい記述はEです。
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