R6-032
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、労働基準法です。
条文を読んでみましょう。
第13条 (労働基準法違反の契約) この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。 |
労働基準法に違反する労働条件が含まれる労働契約は、契約全てが無効になるのではなく、「基準に達しない」部分だけが無効になることがポイントです。
例えば、「法定時間外労働に対する割増賃金は支払わない」という労働条件が定められていた場合は、その部分だけが無効になります。
そして、無効になった部分は、労働基準法の基準で埋められ、「法定時間外労働については割増賃金を支払う」となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。
②【H30年出題】
労働基準法第14条第1項第2号に基づく、満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(期間の定めがあり、かつ、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものではない労働契約)について、同条に定める契約期間に違反した場合、同法第13条の規定を適用し、当該労働契約の期間は3年となる。
【解答】
①【H25年出題】 ○
労働基準法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分が無効(空白)となり、空白となった部分は、労働基準法の基準で補充されます。
②【H30年出題】 ×
満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約は、特例でその期間の上限が5年となっています。
その契約期間に違反した場合、労働基準法第13条の規定を適用し、当該労働契約の期間は3年ではなく「5年」となります。
(平成15.10.22基発第1022001号)
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
労働基準法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約は、期間の定めのない労働契約となる。
【解答】
【R5年出題】 ×
労働基準法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約の期間は、法第13条により、法第14条第1項第1号(高度の専門的知識等を有する労働者)及び第2号(満60歳以上の労働者)については5年、その他のものについては3年となります。
「期間の定めのない労働契約となる」は誤りです。
(平成15.10.22基発第1022001号)
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