R6-064
今日は雇用保険法です。
条文を読んでみましょう。
第18条第1項・2項 (基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更) ① 厚生労働大臣は、年度(4月1日から翌年の3月31日までをいう。)の平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。)が、直近の自動変更対象額が変更がされた年度の前年度の平均給与額を超え、又は下るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、その翌年度の8月1日以後の自動変更対象額を変更しなければならない。 ② 変更された自動変更対象額に5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、 5円以上10円未満の端数があるときは、これを10円に切り上げるものとする。 |
基本手当の日額の算定基礎となる賃金日額の最高額、最低額は、毎年度の平均給与額の変動に応じて、変更されます。
令和4年度の平均給与額は、令和3年度と比べて、約1.6%上昇しています。
そのため、令和5年8月1日以降の賃金日額・基本手当の日額の最高額は以下の通りになりました。
| 賃金日額の上限 | 給付率 | 基本手当の日額の上限 |
60歳以上65歳未満 | 16,210 | 45% | 7,294 |
45歳以降60歳未満 | 16,980 | 50% | 8,490 |
30歳以上45歳未満 | 15,430 | 50% | 7,715 |
30歳未満 | 13,890 | 50% | 6,945 |
なお、賃金日額・基本手当の日額の最低額は以下の通りです。
| 賃金日額の下限 | 給付率 | 基本手当の日額の下限 |
年齢関係なく | 2,746 | 80% | 2,196 |
では、過去問どうぞ!
【R1年出題】
厚生労働大臣は、4月1日からの年度の平均給与額が、平成27年4月1日から始まる年度(自動変更対象額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、その翌年度の8月1日以後の自動変更対象額を変更しなければならない。
【解答】
【R1年出題】 〇
ポイント!
・自動変更対象額は、毎年度の平均給与額の変動に応じて、変更されます。
・自動変更対象額は、翌年度の8月1日から変更になります。
令和4年度の平均給与額は、令和3年度と比べて、約1.6%上昇していますが、その比率に応じて自動変更対象額が変更されるのは、令和5年8月1日からです。
令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
雇用保険法第18条第3項に規定する最低賃金日額は、同条第1項及び第2項の規定により変更された自動変更対象額が適用される年度の4月1日に効力を有する地域別最低賃金の額について、一定の地域ごとの額を労働者の人数により加重平均して算定した額に20を乗じて得た額を7で除して得た額とされる。
【解答】
【R5年出題】 〇
毎年度の平均給与額の変動に応じて変更された最低額が、「最低賃金日額」を下回る場合は、最低賃金日額が最低額となります。
条文を読んでみましょう。
法第18条第3項 法第18条第1項及び第2項の規定により算定された各年度の8月1日以後に適用される自動変更対象額のうち、最低賃金日額(当該年度の4月1日に効力を有する地域別最低賃金(最低賃金法に規定する地域別最低賃金)をいう。)の額を基礎として厚生労働省令で定める算定方法により算定した額をいう。)に達しないものは、当該年度の8月1日以後、当該最低賃金日額とする。
則第28条の5 (最低賃金日額の算定方法) 最低賃金日額は、法第18条第1項及び第2項の規定により変更された自動変更対象額が適用される年度の4月1日に効力を有する最低賃金法第9条第1項に規定する地域別最低賃金の額について、一定の地域ごとの額を労働者の人数により加重平均して算定した額に20を乗じて得た額を7で除して得た額とする。 |
最低賃金日額は、地域別最低賃金の全国加重平均額に20を乗じて7で除して得た額です。
「20」は、週所定労働時間が20時間の労働者を想定して算出されています。
「7」は、1週間の日数です。
(参考)
令和5年8月1日以降の最低額は、最低賃金日額が適用されています。
961円×20÷7×80%で、基本手当の日額の最低額は、2,196円となります。
・961円→令和5年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額です。
・961円×20÷7が最低賃金日額です。
・80%は給付率です。
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