R6-178
過去問から学びましょう。
今日は労災保険法です。
仕事が原因のストレス(業務による心理的負荷)で発病した精神障害については、労災認定の基準として、「心理的負荷による精神障害の認定基準」が定められています。
要件を満たす対象疾病は、労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する業務上の疾病として取り扱われます。
ちなみに、労働基準法施行規則別表第1の2第9号は、「人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病」です。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
認定基準においては、次の①、②、③のいずれの要件も満たす対象疾病は、労働基準法施行規則別表第1の2第9号に規定する精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病に該当する業務上の疾病として取り扱うこととされている。
① 対象疾病を発病していること。
② 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
③ 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。
②【H30年出題】
認定基準において、業務による強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかという観点から評価されるものであるとされている。
③【H30年出題】
認定基準においては、業務による心理的負荷の強度の判断に当たっては、精神障害発病前おおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務によるどのような出来事があり、また、その後の状況がどのようなものであったのかを具体的に把握し、それらによる心理的負荷の強度はどの程度であるかについて、「業務による心理的負荷評価表」を指標として「強」、「弱」の二段階に区分することとされている。
④【H30年出題】
認定基準においては、「極度の長時間労働は、心身の極度の疲弊、消耗を来し、うつ病等の原因となることから、発病日から起算した直前の1か月間におおむね120時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。」とされている。
⑤【H30年出題】※改正による修正あり
認定基準においては、「ハラスメントやいじめのように、出来事が繰り返されるものについては、発病の6か月よりも前にそれが開始されている場合でも、発病前6か月以内の行為のみを評価の対象とする。」とされている。
【解答】
①【H30年出題】 〇
★精神障害の認定要件について
精神障害の認定の要件は①、②、③のいずれも満たすことです。
① 対象疾病を発病していること。
② 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
③ 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。
(令5.9.1基 発 0901 第2 号)
②【H30年出題】 ×
★業務による強い心理的負荷の有無の判断について
精神障害を発病した労働者が、その出来事及び出来事後の状況を主観的にどう受け止めたかによって評価するのではなく、同じ事態に遭遇した場合、同種の労働者が一般的にその出来事及び出来事後の状況をどう受け止めるかという観点から評価するとされています。
(令5.9.1基 発 0901 第2 号)
③【H30年出題】 ×
★業務による心理的負荷評価表について
「業務による心理的負荷評価表」を指標として「強」、「中」、「弱」の三段階に区分されます。
(令5.9.1基 発 0901 第2 号)
④【H30年出題】 ×
★長時間労働等の心理的負荷の評価について
発病直前の1か月におおむね「160」時間を超える時間外労働を行った場合等には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とするとされています。
(令5.9.1基 発 0901 第2 号)
⑤【H30年出題】 ×
★業務による心理的負荷の評価期間について
業務による心理的負荷の評価期間は発病前おおむね6か月です。
しかし、心理的負荷を的確に評価するため、ハラスメントやいじめのように、出来事が繰り返されるものについては、発病の6か月よりも前にそれが開始されている場合でも、発病前おおむね6か月の期間にも継続しているときは、「開始時からのすべての行為」を評価の対象とするとされています。
(令5.9.1基 発 0901 第2 号)
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