「労働基準法を学ぶ」シリーズ。
本日のテーマは「打切補償」です。
労働基準法第8章では「災害補償」について規定されています。
労働者が業務上負傷したり、疾病にかかったりした場合等の使用者の補償責任が規定されています。
・ 75条(療養補償)→ 業務上の傷病についての補償(治療を受けさせてその費用を使用者が支払う、又は、治療費を労働者に支払う)
・ 76条(休業補償)→ 療養中に賃金が受けられない場合の補償
・ 77条(障害補償)→ 傷病が治ったあと身体障害が残った場合の補償
・ 79条(遺族補償)→ 労働者が業務上死亡した場合の遺族への補償
・ 80条(葬祭料) → 労働者が業務上死亡した場合の葬祭を行うものへの補償
本日のテーマは、第81条 打切補償です。
療養開始後3年を経過しても治っていない場合、打切補償を行った場合は、その後は補償を行わなくてもよくなるという規定です。
条文の確認です。空欄を埋めてください。
(第81条 打切補償)
第75条(療養補償)の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後< A >年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の < B >日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。
(解答) A 3 B 1200
過去問です。
<H19年出題>
業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため休業している労働者については、使用者が、労働基準法第81条の規定によって打切補償を支払った場合(労働者災害補償保険法第19条の規定によって打切補償を支払ったものとみなされた場合を含む。)又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となりその事由について行政官庁の認定を受けた場合には、労働基準法第19条第1項の規定による解雇制限は適用されない。
<解答> 〇
労働基準法第19条の規定により、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため休業する期間とその後30日間は解雇することができません。(第19条の記事はこちら)使用者には、療養補償をする義務があるからです。
ただし、打切補償を行えば、以後は補償義務がなくなるため、解雇することも可能になります。
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