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社会保険労務士合格研究室

令和5年度の問題より 雇用保険法

R6-053

R5.10.19 雇用保険の被保険者の範囲の具体例

今日は雇用保険法です。

 

条文を読んでみましょう。

第4条第1

 この法律において「被保険者」とは適用事業に雇用される労働者であって、第6条各号に掲げる者(適用除外になる者)以外のものをいう。

 

5

 この法律においては、労働者が雇用される事業適用事業とする。

 

 労働者が雇用される事業は、業種に関わらず、全て雇用保険の適用事業となります。※農林水産業の一部は、当分の間は任意適用事業(暫定任意適用事業)です。

 適用事業に雇用される労働者は、適用除外に該当する者以外は、雇用保険の被保険者となります。

 

 

 適用事業に雇用される労働者は、雇用保険の被保険者となりますが、「雇用される労働者」に該当しない場合は、被保険者となりません。今日は、被保険者の範囲に関する具体例をみていきましょう。

 

過去問をどうぞ!

①【H24年出題】

 株式会社の代表取締役が被保険者になることはない。

 

②【H30年出題】

 株式会社の取締役であって、同時に会社の部長としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められる場合、他の要件を満たす限り被保険者となる。

 

③【H30年出題】

 特定非営利活動法人(NPO法人)の役員は、雇用関係が明らかな場合であっても被保険者となることはない。

 

④【H30年出題】

 労働日の全部又はその大部分において事業所への出勤を免除され、かつ、自己の住所又は居所において勤務することを常とする在宅勤務者は、事業所勤務労働者と同一性が確認できる場合、他の要件を満たす限り被保険者となりうる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H24年出題】 〇

 株式会社の代表取締役は、被保険者になりません。労働者でないからです。

(行政手引20351

 

②【H30年出題】 〇

 株式会社の取締役は、原則として被保険者になりません。しかし、同時に会社の部長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者で、雇用関係があると認められるものに限って、被保険者となります。

(行政手引20351

 

③【H30年出題】 × 

 特定非営利活動法人(NPO法人)の役員は、雇用関係が明らかでない限り被保険者となりません。雇用関係が明らかな場合は、被保険者となることがあります。

(行政手引20351

 

④【H30年出題】 〇

 在宅勤務者は、事業所勤務労働者と同一性が確認できる場合は、原則として被保険者となります。

(行政手引20351

 

 

では、令和5年の問題をどうぞ!

①【R5年出題】

 名目的に就任している監査役であって、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合は、被保険者となる。

 

②【R5年出題】

 専ら家事に従事する家事使用人は、被保険者とならない。

 

③【R5年出題】

 個人事業の事業主と同居している親族は、当該事業主の業務上の指揮命令を受け、就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われ、取締役等に該当しない場合には、被保険者となる。

 

④【R5年出題】

 ワーキング・ホリデー制度による入国者は、旅行資金を補うための就労が認められるものであることから、被保険者とならない。

 

⑤【R5年出題】

 日本の民間企業等に技能実習生(在留資格「技能実習1号イ」、「技能実習1号ロ」、「技能実習2号イ」及び「技能実習2号ロ」の活動に従事する者)として受け入れられ、講習を経て技能等の修得をする活動を行う者は被保険者とならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R5年出題】 〇

 監査役は、会社法上従業員との兼職禁止規定がありますので、被保険者となりません。

 ただし、名目的に就任している監査役で、常態的に従業員として事業主との間に明確な雇用関係があると認められる場合は、被保険者となります。

(行政手引20351

 

②【R5年出題】 〇

 家事使用人は、被保険者となりません。

(行政手引20351

 

③【R5年出題】 〇

 個人事業の事業主と同居している親族は、原則として被保険者となりません。

 しかし、「事業主の業務上の指揮命令を受けている」、「就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様で、賃金もこれに応じて支払われている」、「事業主と利益を一にする地位(取締役等)に該当しない」場合には、被保険者となります。

(行政手引20351

 

④【R5年出題】 〇

 ワーキング・ホリデー制度による入国者は、主として休暇を過ごすことを目的に入国します。その付随的な活動として旅行資金を補うための就労が認められるものですので、被保険者となりません。

(行政手引20352

 

⑤【R5年出題】 ×

 技能実習生として受け入れられ、講習を経て技能等の修得をする活動を行う場合は、受け入れ先の事業主と雇用関係にありますので、被保険者となります。

(行政手引20352)

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