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令和7年度版
R7-165 02.09
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年2月3日から8日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・遺族基礎年金と遺族厚生年金を比較しましょう(国年・厚年)
・総括安全衛生管理者の選任(労働安全衛生法)
・介護補償給付の支給要件(労災保険法)
・介護補償給付の支給額・原則は実費・上限あり・最低保障額あり(労災保険法)
・賃金日額の算定ルール(雇用保険法)
・基本手当の受給期間(雇用保険法)
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R7-164 02.08
「受給期間」とは、「基本手当」を受けることができる有効期間です。
今回は「受給期間」をみていきましょう。
★基本手当の「受給期間」は以下の通りです。
基本手当は、受給期間内の失業している日について、所定給付日数に相当する日数分を限度として支給されます。
(1) (2)(3)以外 | 受給資格に係る離職の日(以下「基準日」)の翌日から起算して1年 |
(2) 基準日において45歳以上65歳未満で算定基礎期間が1年以上の就職困難者 (所定給付日数が360日) | 基準日の翌日から起算して 1年に60日を加えた期間 |
(3) 基準日において45歳以上60歳未満で算定基礎期間が20年以上の特定受給資格者 (所定給付日数が330日) | 基準日の翌日から起算して 1年に30日を加えた期間 |
★受給期間の延長
<1>定年退職者等の受給期間の延長
■離職理由が次のどちらかに当てはまる場合です。
・定年(60歳以上の定年に限る。)に達したことによる離職
・60歳以上の定年に達した後再雇用等により一定期限まで引き続き雇用されることとなっている場合に、当該期限が到来したことによる離職
■申し出が必要です
離職の日の翌日から起算して2か月以内に受給期間延長等申請書に離職票を添えて管轄公共職業安定所の長に提出します。
■最大1年間延長されます
原則の受給期間に「求職の申込みをしないことを希望する一定の期間」(1年が限度です。)が加算されます。
(例)1年間求職の申込みをしないことを希望する場合
| (受給期間)1年間+1年間 | |
| 原則の受給期間(1年) | 1年間 |
▲
離職日
<2>妊娠、出産、疾病等により引き続き30日以上職業に就くことができない場合の延長
■以下の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない者が対象です。
・妊娠
・出産
・育児
・疾病又は負傷(傷病手当の支給を受ける場合における当該傷病手当に係る疾病又は負傷を除く。)
・上記以外で、管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの
■申し出が必要です
引き続き30日以上職業に就くことができなくなるに至った日の翌日から基準日の翌日から起算して4年を経過する日までの間(加算された期間が4年に満たない場合は、当該期間の最後の日までの間)に申出をしなければなりません。
■受給期間が最長4年間になります
原則の受給期間に職業に就くことができない日数が加算されます。加算された期間が4年を超えるときは4年となります
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
基本手当の受給資格に係る離職の日において55歳であって算定基礎期間が25年である者が特定受給資格者である場合、基本手当の受給期間は基準日の翌日から起算して1年に30日を加えた期間となる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
離職の日に55歳、算定基礎期間が25年である特定受給資格者の所定給付日数は330日です。受給期間は基準日の翌日から起算して1年+30日です。
(法第20条第1項第3号)
②【H28年出題】
60歳以上の定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定の期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職したときでも、理由の如何を問わず受給期間の延長が認められる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
定年退職者等の受給期間の延長は、次のいずれかの理由で離職した者が対象です。
・ 60歳以上の定年に達したこと
・ 60歳以上の定年に達した後、勤務延長又は再雇用により一定期限まで引き続き被保険者として雇用されることとなっている場合に、当該勤務延長又は再雇用の期限が到来したこと
※勤務延長又は再雇用の期限が到来したことが必要です。
問題文のように、定年に達した後、1年更新の再雇用制度により一定期限まで引き続き雇用されることとなった場合に、再雇用の期限の到来前の更新時に更新を行わなかったことにより退職した場合は、受給期間の延長は認められません。
(法第20条第2項、則第31条の2第2項、行政手引50281)
③【H24年出題】
60歳以上で定年退職した者による雇用保険法第20条第2項に基づく受給期間の延長の申出は、天災その他申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときを除き、当該申出に係る離職の日の翌日から起算して2か月以内にしなければならない。
【解答】
③【H24年出題】 〇
60歳以上で定年退職した者による受給期間の延長の申出は、原則として当該申出に係る離職の日の翌日から起算して2か月以内にしなければなりません。
(則第31条の3第2項)
④【H28年出題】
配偶者の出産のため引き続き30日以上職業に就くことができない者が公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算した期間、受給期間が延長される。
【解答】
④【H28年出題】 ×
出産は「本人」の出産に限られますので、「配偶者の出産」の場合は、受給期間の延長は行われません。
(行政手引50271)
⑤【H23年出題】
所定給付日数が270日である受給資格者が、基準日の翌日から起算して1年以内に出産及び育児のため引き続き180日間職業に就くことができなかった場合、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出れば、基本手当の受給期間は1年に180日を加算したものとなる。
【解答】
⑤【H23年出題】 〇
所定給付日数が270日の場合、受給期間は基準日の翌日から起算して1年です。その間に、出産及び育児のため引き続き180日間職業に就くことができなかった場合は、公共職業安定所長にその旨を申し出れば、基本手当の受給期間は1年+180日となります。
⑥【H28年出題】
定年に達したことで基本手当の受給期間の延長が認められた場合、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日があるときでも受給期間はさらに延長されることはない。
【解答】
⑥【H28年出題】 ×
問題文の場合、受給期間はさらに延長されます。
・定年退職者等の受給期間とされた期間内に、疾病又は負傷等の理由により引き続き30日以上職業に就くことができない日がある場合
→さらに受給期間の延長が認められます。
・定年退職者等の受給期間とされた期間に、疾病又は負傷等の理由により職業に就くことができない期間の日数を加えることができます。
→ 加えた期間が4年を超えるときは、受給期間は4年となります。(受給期間は、最長4年間です)
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R7-163 02.07
「基本手当の日額」は、賃金日額×厚生労働省令で定める率で計算します。
今回は、「賃金日額」の算定方法をみていきます。
「賃金日額」の算定方法を条文で読んでみましょう。
第17条第1項、第2項 ① 賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額とする。 ② 賃金日額の最低保障の額 (1) 賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められている場合には、最後の6か月間に支払われた賃金の総額を当該最後の6か月間に労働した日数で除して得た額の100分の70に相当する額 (2) 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によって定められている場合には、1か月を30日として計算する。)で除して得た額と(1)の額との合算額 |
<賃金日額の原則の算定式>
最後の6か月間に支払われた賃金の総額 |
180 |
※「賃金の総額」から、臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除かれます。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、労働した日数と賃金額にかかわらず、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を90で除して得た額となる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
・賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、次の計算式の額のどちらか「高い方」となります。
<原則の計算式>
・ 被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額÷180
<最低保障>
・ 被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額÷当該最後の6か月間に労働した日数×100分の70
②【H22年出題】
賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額から除外されるので、それらの多寡によって基本手当の日額が異なることはない。
【解答】
②【H22年出題】 ×
賃金日額の計算に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は、すべて賃金総額に含まれます。
(行政手引50501)
③【H30年出題】
支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を除いて賃金額を算定する。
【解答】
③【H30年出題】 ×
被保険者として雇用された期間に対するものとして同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金は、賃金日額の算定に含まれます。
そのため、賃金支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を含めて賃金額を算定します。
(行政手引50451、行政手引50609)
次は、賃金日額の最高限度額と最低限度額の問題です。
④【H26年出題】
賃金日額の最高限度額は45歳以上60歳未満が最も高いが、最低限度額は年齢に関わりなく一律である。
【解答】
④【H26年出題】 〇
<賃金日額の最高限度額>
・賃金日額の最高限度額は、「30歳未満」、「30歳以上45歳未満」、「45歳以上60歳未満」、「60歳以上65歳未満」の4つに分けて設定されています。
最も高く設定されているのが「45歳以上60歳未満」です。
<最低限度額>
・最低限度額は年齢に関わりなく一律です。
⑤【R5年出題】
雇用保険法第18条第3項に規定する最低賃金日額は、同条第1項及び第2項の規定により変更された自動変更対象額が適用される年度の4月1日に効力を有する地域別最低賃金の額について、一定の地域ごとの額を労働者の人数により加重平均して算定した額に20を乗じて得た額を7で除して得た額とされる。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高限度額、最低限度額は、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更されます。(自動変更対象額といいます。)
ただし、自動変更対象額による最低限度額が、「最低賃金日額」を下回る場合は、最低賃金日額が最低限度額となります。
最低賃金日額は「地域別最低賃金の全国加重平均額× 20÷7」で計算した額です。
具体的には、1,004 円(令和6年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7=2,869円です。
(法第18条第3項、則第28条の5)
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R7-162 02.06
前回は、介護補償給付の支給要件についてお話ししました。
今回は、介護補償給付として支給される額をみていきます。
★原則は介護費用として支払った額(実費)が支給されますが、上限と最低保障額があることがポイントです。
では、条文を読んでみましょう。
第19条の2 介護補償給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
則第18条の3の4 (介護補償給付の額) (1) その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合 → その月において介護に要する費用として支出された費用の額(実費) ※その額が177,950円を超えるときは、177,950円とする。(上限) (2) 親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合(最低保障額が適用される) ・ その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある・親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある・介護に要する費用として支出された費用の額が81,290円に満たないとき → 81,290円(最低保障額) ・ その月において介護に要する費用を支出して介護を受けた日がない・親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある(介護費用を支出せず、親族等による介護のみ) → 81,290円(最低保障額) |
★「支給すべき事由が生じた月」は最低保障額が適用されません
「支給すべき事由が生じた月」において、介護に要する費用として支出された額が81,290円に満たない → 介護に要する費用として支出された額(実費・最低保障なし)
そのため、「支給事由が生じた月」に親族等による介護を受けた場合でも、介護に要する費用として支出された費用がゼロの場合は、介護補償給付の額もゼロとなります。
★ 「随時介護を要する状態」の場合は、上限が「88,980円」、最低保障額が「40,600円」となります。常時介護の2分の1です。(端数処理があります)
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
介護補償給付は、月を単位として支給されるが、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
【解答】
①【H23年出題】 〇
介護補償給付は、「月」単位で支給されます。
②【H25年出題】
介護補償給付の額は、常時介護を要する状態の被災労働者については、支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された額が、労災保険法施行規則に定める額に満たない場合にあっては、当該介護に要する費用として支出された額である。
【解答】
②【H25年出題】 〇
★最低保障額のポイント!
・ 「支給すべき事由が生じた月」は、最低保障額は適用されません。
・ 最低保障額が適用される要件は、「親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある」ことです。
※ 例えば、「支給すべき事由が生じた月」が1月で、介護に要する費用として支出された額が81,290円未満で、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合
→ 1月は最低保障額が適用されませんので、介護補償給付の額は「介護に要する費用として支出された額=実費」です。
2月以降は最低保障額の81,290円が支給されます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
実 費 | 最低保障額 | 最低保障額 | 最低保障額 |
③【R2年出題】
介護補償給付は、親族又はこれに準ずる者による介護についても支給されるが、介護の費用として支出した額が支給されるものであり、「介護に要した費用の額の証明書」を添付しなければならないことから、介護費用を支払わないで親族又はこれに準ずる者による介護を受けた場合は支給されない。
【解答】
③【R2年出題】 ×
介護費用を支払わなくても、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合は、介護補償給付は支給されます。
※ ただし、「支給すべき事由が生じた月」は最低保障はありません。
例えば「支給すべき事由が生じた月」が1月で、介護に要する費用を支出しないで、親族又はこれに準ずる者による介護を受けた日がある場合
→ 1月は最低保障額が適用されませんので、介護補償給付は支給されません。
2月以降は最低保障額の81,290円が支給されます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
支給なし | 最低保障額 | 最低保障額 | 最低保障額 |
なお、「介護に要した費用の額の証明書」は、「介護に要する費用を支出して介護を受けた日がある場合」に、添付しなければなりません。介護費用を支払っていない場合は、添付する必要はありません。
(則第18条の3の5)
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R7-161 02.05
介護補償給付が支給される要件と、支給されない場合をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第12条の8第4項 介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。 (1) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限る。) (2) 障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間 (3) 病院又は診療所に入院している間 |
★厚生労働省令で定める程度とは?
→「第1級(すべて)」と「第2級の精神神経の障害、胸腹部臓器の障害」です。
★障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものとは?
(1) 老人福祉法の規定による特別養護老人ホーム
(2) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に規定する施設であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な原子爆弾被爆者を入所させ、養護することを目的とするもの
など
過去問をどうぞ!
①【H19年選択式】
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、< A >介護を要する状態にあり、かつ、 < A >介護を受けているときに、当該介護を受けている間(障害者総合支援法に規定する障害者支援施設に入所して同法に規定する生活介護を受けている間、病院又は診療所に入院している間等を除く。)、< B >に対し、その請求に基づいて行われる。
【解答】
①【H19年選択式】
<A> 常時又は随時
<B> 当該労働者
②【H21年出題】
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害のため、現に常時又は随時介護を受けているときは、その障害の程度にかかわらず、当該介護を受けている間(所定の障害者支援施設等に入所している間を除く。)、当該労働者の請求に基づいて行われる。
【解答】
②【H21年出題】 ×
介護補償給付は、「常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているとき」に支給されます。
「その障害の程度にかかわらず」ではなく、「障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のもの」であることが要件です。
③【H24年出題】
労働者が老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間については、介護補償給付は支給されない。
【解答】
③【H24年出題】 〇
老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間は、介護補償給付は支給されません。
(則第18条の3の3)
④【H30年出題】
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて行われるものであり、病院又は診療所に入院している間も行われる。
【解答】
④【H30年出題】 ×
病院又は診療所に入院している間は、介護補償給付は行われません。
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R7-160 02.04
「総括安全衛生管理者」は、事業場ごとに選任します。(企業単位ではありません。)
工場長などその事業場の労働者のトップが充てられます。
条文を読んでみましょう。
第10条 (総括安全衛生管理者) ① 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は救護の措置の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。 (1) 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。 (2) 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。 (3) 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。 (4) 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。 (5) 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの ② 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。 ③ 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。 |
★総括安全衛生管理者を選任すべき事業場
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 | 常時100人以上 |
製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 |
常時300人以上 |
その他の業種 | 常時1000人以上 |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令で定める業種の事業場の企業全体における労働者数を基準として、企業全体の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられている。
【解答】
①【R3年出題】 ×
労働安全衛生法は、「事業場単位」で、その業種、規模等に応じて、安全衛生管理体制、工事計画の届出等の規定を適用することにしています。
事業場の適用単位の考え方は、労働基準法の考え方と同じで、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行なわれる作業の一体をいいます。(昭47.9.18発基第91号)
そのため、総括安全衛生管理者は、企業全体における労働者数ではなく、「事業場」の労働者数を基準として、「事業場単位」の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられています。
②【H19年出題】
総括安全衛生管理者は、厚生労働大臣の定める研修を修了した者のうちから選任しなければならない。
【解答】
②【H19年出題】 ×
総括安全衛生管理者は、「当該事業場においてその事業の実施を「統括管理」(※総括管理ではありません)する者をもって充てなければならない」とされています。
厚生労働大臣の定める研修の修了は要件ではありません。
なお、「事業の実施を統括管理する者」とは、工場長、作業所長等名称の如何を問わず、当該事業場における事業の実施について実質的に統括管理する権限および責任を有する者をいいます。
(昭47.9.18基発第602号)
③【H24年出題 】
常時120人の労働者を使用する清掃業の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる。
【解答】
③【H24年出題 】 〇
・常時120人の労働者を使用する清掃業の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があります。
・当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合でも、その者を総括安全衛生管理者に選任することができます。
④【H26年出題】
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。
【解答】
④【H26年出題】 ×
都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、「総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる」ではなく、「総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる」です。
⑤【H28年選択式】
労働安全衛生法第10条第2項において、「総括安全衛生管理者は、< A >をもって充てなければならない。」とされている。
<選択肢>
① 当該事業場において選任が義務づけられている安全管理者及び衛生管理者の資格を有する者
② 当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者
③ 当該事業において、3年以上安全衛生管理の実務に従事した経験を有する者
④ 当該事業場における安全衛生委員会委員の互選により選任された者
【解答】
<A> ② 当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者
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R7-159 02.03
「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」を比較しましょう!
・死亡した人の要件
・遺族の範囲 を
比較してみましょう。
<今日の内容>
・ 遺族基礎年金の支給要件
・ 遺族厚生年金の支給要件
・ 遺族基礎年金の遺族の範囲
・ 遺族厚生年金の遺族の範囲
・ 遺族基礎年金の過去問
・ 遺族厚生年金の過去問
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R7-158 02.02
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月26日から2月1日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用について(健保・厚年)
・労働者の労働保険料「一般保険料」の額の計算(労働保険徴収法)
・第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者の資格喪失の時期(国民年金法)
・障害基礎年金の受給権の消滅(国民年金法)
・障害厚生年金に加算される加給年金額(厚生年金保険法)
・労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約(労働基準法)
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R7-157 02.01
労働基準法では、労働条件の最低基準が定められています。
今回は、労働基準法の基準を下回る労働契約についてみていきます。
条文を読んでみましょう。
第13条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。 |
・ 労働基準法で定められている1日の労働時間の上限は8時間です。
↓
・ ある労働契約で1日の労働時間を10時間と定めました。(労働基準法の基準を下回っている)
↓
・ 労働契約全体が無効になるのではなく、「労働基準法で定める基準に達しない」部分のみ無効になります。
↓
・ 法第13条により、「1日8時間」とする労働契約に修正されます。
★労働協約・就業規則との効力の力関係も確認しましょう。
労働基準法 | > | 労働協約 | > | 就業規則 | > | 労働契約 |
強い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弱い
ポイント!
・使用者が一方的に定めた就業規則よりも、労働組合と使用者が対等の立場で約束した「労働協約」の方が強い
・個々の労働者ごとに締結した労働契約より、職場のルールである就業規則の方が強い。
・労働協約、就業規則、労働契約は、労働基準法の基準は守らなければならない。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
労働基準法で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約の部分は、労働基準法で定める基準より労働者に有利なものも含めて、無効となる。
【解答】
①【H21年出題】 ×
無効となるのは、労働基準法で定める基準に「達しない」(=不利な)労働条件を定める部分です。労働基準法で定める基準より労働者に「有利」なものは有効です。
②【R5年出題】
労働基準法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約は、期間の定めのない労働契約となる。
【解答】
②【R5年出題】 ×
法第14条第1項に規定する期間(「高度の専門的知識等を有する労働者」及び「満60歳以上の労働者」については5年、その他のものについては「3年」)を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、その部分は無効となります。
その場合、労働契約の期間は、法第13条により、法第14条第1項に規定する期間(5年又は3年)となります。
(平成15.10.22基発第1022001号)
③【H25年出題】
労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。
【解答】
③【H25年出題】 〇
労働基準法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約については、その部分は無効となり、無効となった部分は、労働基準法所定の基準で補充されます。
④【H27年出題】
労働協約に定める基準に違反する労働契約の部分を無効とする労働組合法第16条とは異なり、労働基準法第13条は、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とすると定めている。
【解答】
④【H27年出題】 〇
労働組合法と労働基準法の異なる点を確認しましょう。
・労働組合法第16条
「労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。」
・労働基準法第13条
「労働基準法で定める基準に達しない(=不利な)労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする」
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R7-156 01.31
1級、2級の障害厚生年金には、配偶者加給年金額が加算されます。
条文を読んでみましょう。
第50条の2 ① 障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者があるときは、障害厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。 ② 加給年金額は、22万4700円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを 100円に切り上げるものとする。)とする。 ③ 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有するに至ったことにより加給年金額を加算することとなったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額を改定する。 |
ポイント!
・3級の障害厚生年金には、加給年金額は加算されません。
・「65歳未満の配偶者」が対象です。「子」については、国民年金法の「障害基礎年金」に加算が行われます。
・加給年金額は、22万4700円×改定率で計算します。老齢厚生年金と異なり、「特別加算」はありません。
・「受給権を取得した当時」だけでなく、「権利を取得した日の翌日以後」に
配偶者を有するに至った場合でも加給年金額の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
障害等級1級に該当する障害厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害厚生年金の額に加給年金額が加算される。
【解答】
①【H29年出題】 〇
受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときでも加給年金額が加算されます。加給年金額は、配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、加算されます。
②【H29年出題】
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持している子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、当該子に係る加給年金額が加算された額とする。
【解答】
②【H29年出題】 ×
子は、障害厚生年金の加給年金額の対象になりません。子は国民年金法の障害基礎年金の加算の対象となります。
③【R4年出題】
昭和9年4月2日以後に生まれた障害等級1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者に支給される配偶者に係る加給年金額については、受給権者の生年月日に応じた特別加算が行われる。
【解答】
③【R4年出題】 ×
障害厚生年金の受給権者に支給される配偶者加給年金額には、受給権者の生年月日に応じた特別加算は行われません。
④【R1年出題】
加給年金額が加算された障害厚生年金の額について、当該加給年金額の対象になっている配偶者(大正15年4月1日以前に生まれた者を除く。)が65歳に達した場合は、当該加給年金額を加算しないものとし、その該当するに至った月の翌月から当該障害厚生年金の額を改定する。
【解答】
④【R1年出題】 〇
障害厚生年金に加算される配偶者加給年金額は、以下に該当した場合は、加算が終了します。
(1) 死亡したとき。
(2) 受給権者による生計維持の状態がやんだとき。
(3) 配偶者が、離婚又は婚姻の取消しをしたとき。
(4) 配偶者が、65歳に達したとき。
加給年金額の対象になるのは65歳未満の配偶者ですので、「配偶者が65歳に達したとき」は加算されなくなります。
また、加給年金額が加算されなくなり年金額が改定されるのは、「該当するに至った月の翌月」からとなります。
ちなみに、配偶者が大正15年4月1日以前生まれの場合は、65歳以降も加給年金額の対象となります。
(法第44条第4項、法第50条の2第4項)
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R7-156 01.30
障害基礎年金の受給権の消滅をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第35条 (失権) 障害基礎年金の受給権は、第31条第2項の規定(障害基礎年金の併合によって従前の障害基礎年金の受給権の消滅)によって消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 (1) 死亡したとき。 (2) 厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態にない者が、65歳に達したとき。 ただし、65歳に達した日において、3級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過していないときを除く。 (3) 厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとき。ただし、3年を経過した日において、当該受給権者が65歳未満であるときを除く。 |
ポイント!
「国民年金法」の障害等級は「1級、2級」ですが、「厚生年金保険法」の障害等級は「1級、2級、3級」です。
厚生年金保険法の障害等級は3級まであることに注意してください。
では、図①と図②でイメージしましょう。
ポイント!
少なくとも「65歳」までは失権しません。
それでは過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
障害基礎年金の受給権者が63歳の時点で、厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していたときは、その時点で当該障害基礎年金の受給権が消滅する。
【解答】
①【H20年出題】 ×
※厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害=障害等級3級です。
63歳時点で、3級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していたとしても、65歳までは障害基礎年金の受給権は消滅しません。問題文の場合、63歳時点では障害基礎年金の受給権は消滅しません。
②【R3年出題】
障害基礎年金の受給権者が、厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過した日において、65歳に達していないときでも、当該障害基礎年金の受給権は消滅する。
【解答】
②【R3年出題】 ×
厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級(=3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとしても、65歳に達していないときは障害基礎年金の受給権は消滅しません。
③【H30年出題】
63歳の時に障害状態が厚生年金保険法に規定する障害等級3級に該当する程度に軽減し、障害基礎年金の支給が停止された者が、3級に該当する程度の状態のまま5年経過後に、再び障害状態が悪化し、障害の程度が障害等級2級に該当したとしても、支給停止が解除されることはない。
【解答】
③【H30年出題】 ×
63歳の時に障害状態が3級に該当する程度に軽減し、障害基礎年金の支給が停止された者が、3級に該当する程度の状態のまま5年経過後に、再び障害状態が悪化し、障害の程度が障害等級2級に該当した場合は、「支給停止が解除されます」。
「3級」に該当している間は、失権することはありません。
図③でイメージしましょう。
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R7-155 01.29
国民年金の強制被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの種別があります。
それぞれの資格喪失の時期をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第9条 (資格喪失の時期) 次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日((2)に該当するに至った日に更に第2号被保険者若しくは第3号被保険者に該当するに至ったとき又は(3)から(5)までのいずれかに該当するに至ったとき((4)については、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったときに限る。)は、その日)に、被保険者の資格を喪失する。 (1) 死亡したとき→(翌日喪失・共通) (2) 日本国内に住所を有しなくなったとき→(翌日喪失・第1号被保険者) (3) 60歳に達したとき(当日喪失・第1号被保険者、第3号被保険者) (4) 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者となったとき(翌日喪失・厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったとき当日喪失・第1号被保険者) (5) 厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したとき(当日喪失・第2号被保険者) (6) 被扶養配偶者でなくなったとき(翌日喪失・第3号被保険者) |
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達したときに該当するに至った日に被保険者の資格を喪失する。
【解答】
①【H30年出題】 〇
「第1号被保険者」、「第3号被保険者」は、「20歳以上60歳未満」の年齢要件がありますので、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失します。「当日」喪失がポイントです。
なお、60歳に達した日とは、60歳の誕生日の前の日です。例えば、令和7年1月29日が60歳の誕生日だとすると、第1号被保険者・第3号被保険者は、令和7年1月28日に資格を喪失します。
②【R4年出題】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に資格を喪失する。
【解答】
②【R4年出題】 〇
第1号被保険者又は第3号被保険者は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失します。また、死亡したときは、死亡した日の翌日に資格を喪失します。
③【H25年出題】 ※改正による修正あり
厚生年金保険の被保険者は、60歳に達した日に国民年金の被保険者の資格を喪失する。
【解答】
③【H25年出題】 ×
第2号被保険者には、20歳以上60歳未満の年齢要件がありません。そのため、60歳に達したことによる資格の喪失はありません。
④【R4年出題】
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
④【R4年出題】 〇
「厚生年金保険の被保険者」は原則として、「国民年金の第2号被保険者」です。
ただし、65歳以上で、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権者は、第2号被保険者となりません。
そのため、厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失します。
(法附則第4条)
⑤【R3年出題】
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点において、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、種別の変更となり、国民年金の被保険者資格は喪失しない。
【解答】
⑤【R3年出題】 〇
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点で、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、国民年金の被保険者資格を喪失するのではなく、第3号被保険者から第1号被保険者又は、第3号被保険者から第2号被保険者への「種別変更」となります。
例えば、日本国内に居住する40歳の者が、離婚し被扶養配偶者でなくなった時点で無職の場合は、第1号被保険者に「種別変更」となります。
20歳 40歳
第3号被保険者 | 第1号被保険者 |
→ | 種別変更 |
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R7-154 01.28
労働保険料には6つの種類があります。
① 一般保険料
② 第1種特別加入保険料(中小事業主等が特別加入したときの保険料)
③ 第2種特別加入保険料(一人親方等が特別加入したときの保険料)
④ 第3種特別加入保険料(海外派遣者が特別加入したときの保険料)
⑤ 印紙保険料(日雇労働被保険者の雇用保険料。印紙で納付する。)
⑥ 特例納付保険料(雇用保険法の特例対象者の保険料)
今回は一般保険料の計算についてお話しします。
一般保険料は、一般の労働者の保険料で、原則として、労災保険料+雇用保険料です。
★一般保険料の額の計算について
「賃金総額」×「一般保険料率(一般保険料に係る保険料率)」で計算します。
■「賃金総額」とは→ 事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額です。
■一般保険料率
①労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業
→「労災保険率」+「雇用保険率」
②労災保険に係る保険関係のみが成立している事業
→「労災保険率」
③雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業
→「雇用保険率」
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】(労災)
労働保険徴収法第10条において政府が徴収する労働保険料として定められているものは、一般保険料、第1種特別加入保険料、第2種特別加入保険料、第3種特別加入保険料及び印紙保険料の計5種類である。
【解答】
①【R1年出題】(労災) ×
労働保険料は、一般保険料、第1種特別加入保険料、第2種特別加入保険料、第3種特別加入保険料、印紙保険料、「特例納付保険料」の計6種類です。
(法第10条第2項)
②【H30年出題】(雇用)
労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業(一元適用事業)の場合は、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業として一般保険料の額を算定することはない。
【解答】
②【H30年出題】(雇用) ×
二元適用事業は、「労災保険に係る保険関係」と「雇用保険に係る保険関係」を別個の事業とみなして徴収法を適用します。そのため、一般保険料額も、「労災保険に係る保険関係」と「雇用保険に係る保険関係」を別々に計算します。
一元適用事業の一般保険料額は、「賃金総額」×「一般保険料率(労災保険率+雇用保険率)」で算定します。
ただし、雇用保険法の適用を受けない者がいる場合は、「労災保険」と「雇用保険」で賃金総額が異なります。そのため、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業として一般保険料の額を算定することになります。
(整備省令第17条第1項)
★下の図でイメージしましょう。
③【R4年出題】(雇用)
労働保険徴収法第39条第1項に規定する事業以外の事業(いわゆる一元適用事業)であっても、雇用保険の適用を受けない者を使用するものについては、二元適用事業に準じ、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定するが、一般保険料の納付(還付、充当、督促及び滞納処分を含む。)については、一元適用事業と全く同様である。
【解答】
③【R4年出題】(雇用) 〇
一元適用事業で、二元適用事業に準じ、労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなして一般保険料の額を算定する場合でも、二元適用事業ではありませんので、一般保険料の納付(還付、充当、督促及び滞納処分を含む。)については、一元適用事業と全く同様です。
(整備省令第17条第1項、第2項)
④【H30年出題】(雇用)
1日30分未満しか働かない労働者に対しても労災保険は適用されるが、当該労働者が属する事業場に係る労災保険料は、徴収・納付の便宜を考慮して、当該労働者に支払われる賃金を算定の基礎となる賃金総額から除外して算定される。
【解答】
④【H30年出題】(雇用) ×
1日30分未満しか働かない労働者に対しても労災保険は適用されます。
保険料の計算のもとになる「賃金総額」は事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額です。そのため、1日30分未満しか働かない労働者に支払われる賃金も、賃金総額に含まれます。
(法第11条第2項)
⑤【R4年出題】(雇用)
A及びBの2つの適用事業主に雇用される者XがAとの間で主たる賃金を受ける雇用関係にあるときは、XはAとの雇用関係においてのみ労働保険の被保険者資格が認められることになり、労働保険料の算定は、AにおいてXに支払われる賃金のみをAの賃金総額に含めて行い、BにおいてXに支払われる賃金はBの労働保険料の算定における賃金総額に含めない。
【解答】
⑤【R4年出題】(雇用) ×
Xは、A及びBの2つの適用事業主に雇用され、Aとの間で主たる賃金を受ける雇用関係にあります。
★雇用保険料について
同時に2以上の雇用関係にある労働者については、当該2以上の雇用関係のうち一の雇用関係(原則として、その者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係とする=問題文の場合はA)についてのみ被保険者となります。(行政手引20352)
そのため、雇用保険料の算定は、問題文の通り、「A」の雇用保険料は、Xに支払われる賃金を賃金総額に含めて行います。「B」の雇用保険料には、Xに支払われる賃金は賃金総額には含まれません。
★労災保険料について
同時に2以上の雇用関係にある労働者については、それぞれで労災保険の適用を受けます。そのため、Aの労災保険料は、AにおいてXに支払われる賃金は賃金総額に含まれ、また、Bの労災保険料もBにおいてXに支払われる賃金が賃金総額に含まれます。
⑥【H26年出題】(労災)
慶弔見舞金は、就業規則に支給に関する規定があり、その規定に基づいて支払われたものであっても労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含めない。
【解答】
⑥【H26年出題】(労災) 〇
結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金など個人的、臨時的な吉凶禍福に対して支給されるものは、労働協約等によって事業主にその支給が義務づけられていても、労働保険徴収法では「賃金として取り扱わない」ことになっています。
そのため、労働保険料の算定基礎となる賃金総額には含みません。
(昭25.2.16基発127号)
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R7-153 01.27
「1週間の所定労働時間」又は「1月間の所定労働日数」が 通常の労働者の4分の3未満でも 健康保険・厚生年金保険に加入することになる短時間労働者の条件についてお話ししています。
★基本の条件をおさえましょう。
①「特定適用事業所」「任意特定適用事業所」に使用されている
または
「国・地方公共団体に属する事業所」に使用されている
②次の要件をすべて満たしている
・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金が月額88,000円以上
・学生でない
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R7-152 01.26
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月20日から1月25日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・遺族厚生年金の額の計算についてお話しします(厚生年金保険法)
・「賃金支払い5原則」通貨払いの原則と例外(労働基準法)
・雇入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育(労働安全衛生法)
・労災「支給制限」労働者に対するペナルティ(労災保険法)
・基本手当の受給資格「算定対象期間」(雇用保険法)
・所定給付日数の基になる「算定基礎期間」(雇用保険法)
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R7-151 01.25
基本手当の所定給付日数は、離職理由、就職困難者であるかどうか、雇用保険に加入した期間(算定基礎期間)、年齢で決まります。
今回は「算定基礎期間」をみていきます。
算定基礎期間は、雇用保険に加入した期間です。
では、条文を読んでみましょう。
なお、「基準日」とは、「受給資格に係る離職の日」のことです。
法第22条第3項~第5項 ③ 算定基礎期間は、受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に被保険者であったことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であった期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当するすべての期間を除いて算定した期間とする。 (1) 当該雇用された期間又は当該被保険者であった期間に係る被保険者となった日の直前の被保険者でなくなった日が当該被保険者となった日前1年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなった日前の被保険者であった期間 (2) 当該雇用された期間に係る被保険者となった日前に基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある者については、これらの給付の受給資格又は特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間 ④ 一の被保険者であった期間に関し、被保険者となった日が第9条の規定による被保険者となったことの確認があつた日の2年前の日より前であるときは、当該確認のあった日の2年前の日に当該被保険者となったものとみなして、算定基礎期間の算定を行うものとする。 ⑤ 次に掲げる要件のいずれにも該当する者(第1号に規定する事実を知っていた者を除く。)については、被保険者の負担すべき保険料がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日に被保険者となったものとみなして、算定基礎期間の算定を行うものとする。 (1) その者に係る資格取得の届出がされていなかったこと。 (2) 厚生労働省令で定める書類に基づき、第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前に被保険者の負担すべき保険料がその者に支払われた賃金から控除されていた(=雇用保険料が給与から天引きされていた)ことが明らかである時期があること。 |
★下の図でイメージしましょう。
では過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
かつて被保険者であった者が、離職後1年以内に被保険者資格を再取得しなかった場合には、その期間内に基本手当又は特例一時金の支給を受けていなかったとしても、当該離職に係る被保険者であった期間は算定基礎期間に含まれない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
離職後1年以内に被保険者資格を再取得しなかった場合は、基本手当又は特例一時金の支給を受けていなかったとしても、前職で被保険者であった期間は算定基礎期間に含まれません。
②【R3年出題】
雇用保険法第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前であって、被保険者が負担すべき保険料が賃金から控除されていたことが明らかでない期間は、算定基礎期間に含まれない。
【解答】
②【R3年出題】 〇
被保険者となった日が被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前であるときは、2年前の日より前の期間は、算定基礎期間の算定には入りません。
ただし、給与明細等の確認書類により、確認があった日の2年前の日より前に被保険者の負担すべき雇用保険料が給与から天引きされていたことが明らかである時期があるときは、その時期のうち最も古い時期までさかのぼることができます。
問題文のように、被保険者となったことの確認があった日の2年前の日より前で、被保険者が負担すべき保険料が賃金から控除されていたことが明らかでない期間は、算定基礎期間に含まれません。
③【R3年出題】
育児休業給付金の支給に係る休業の期間は、算定基礎期間に含まれない。
【解答】
③【R3年出題】 〇
算定基礎期間は、育児休業給付金の支給に係る休業の期間を除いて算定します。
(第61条の7第9項)
④【H29年出題】
雇用保険法第22条に定める算定基礎期間には、介護休業給付金の支給に係る休業の期間が含まれない。
【解答】
④【H29年出題】 ×
介護休業給付金の支給に係る休業の期間は、算定基礎期間に含まれます。
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R7-150 01.24
基本手当の支給を受けることができる資格のことを「受給資格」、受給資格を有する者を受給資格者といいます。
基本手当の受給資格は、原則として、離職の日以前2年間(算定対象期間)に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです。
今回は「算定対象期間」をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第13条第1項 基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前2年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を2年に加算した期間(その期間が4年を超えるときは、4年間)。「算定対象期間」という。)に、被保険者期間が通算して12か月以上であったときに、支給する。 |
★特定理由離職者及び特定受給資格者について
・離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格を満たします。
■算定対象期間とは
→ (原則)離職の日以前2年間(特定理由離職者及び特定受給資格者の場合は2年間又は1年間)
→ (受給要件の緩和)
当該期間に疾病、負傷その他一定の理由により引き続き30日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を原則の算定対象期間に加算した期間(最長4年間)
※受給要件の緩和が認められる理由
・疾病、負傷(業務上、業務外の別を問わない。)
・事業所の休業
・出産
・事業主の命による外国における勤務
・国と民間企業との間の人事交流に関する法律に該当する交流採用
・前各号に掲げる理由に準ずる理由で、管轄公共職業安定所の長がやむを得ないと認めるもの
★算定対象期間について下の図でイメージしましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【R3年選択式】
被保険者期間の算定対象期間は、原則として、離職の日以前2年間(受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に該当する場合は2年間又は < A >)(以下「原則算定対象期間」という。)であるが、当該期間に疾病、負傷その他一定の理由により引き続き< B >日以上賃金の支払を受けることができなかった被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を原則算定対象期間に加算した期間について被保険者期間を計算する。
【解答】
①【R3年選択式】
<A> 1年間
<B> 30
②【H26年出題】
被保険者であった者が、離職の日まで業務外の事由による傷病のため欠勤し引き続き6か月間賃金を受けていなかった場合、雇用保険法第13条第1項にいう「離職の日以前2年間」は、2年間にその6か月間を加算した期間となる。
【解答】
②【H26年出題】 〇
離職の日まで業務外の事由による傷病のため欠勤し引き続き6か月間賃金を受けていなかった場合の算定対象期間は、離職の日以前2年間にその6か月間を加算した期間となります。
③【H26年出題】
事業主の命により離職の日以前外国の子会社に出向していたため日本での賃金の支払いを引き続き5年間受けていなかった者は、基本手当の受給資格を有しない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
外国の子会社への出向は、算定対象期間の延長の理由となります。
しかし、算定対象期間は延長した場合でも4年間が最長です。問題文の場合は、離職の日以前4年間に、賃金の支払いを受けていないため、被保険者期間もありません。そのため、基本手当の受給資格はありません。
④【H29年出題】
離職の日以前2年間に、疾病により賃金を受けずに15日欠勤し、復職後20日で再び同一の理由で賃金を受けずに80日欠勤した後に離職した場合、受給資格に係る離職理由が特定理由離職者又は特定受給資格者に係る者に該当しないとき、算定対象期間は2年間に95日を加えた期間となる。
【解答】
④【H29年出題】〇
算定対象期間の延長の要件は、賃金を受けなかった日数が、「30日以上継続」することです。そのため、問題文の「80日間」については、算定対象期間に加算されますが、「15日間」は原則は加算されません。
しかし、問題文のように、15日欠勤し、復職後再び「同一の理由」で80日欠勤した場合で、中断の期間が「30日未満(問題文では20日)」の場合は、「15日の欠勤期間」も算定対象期間に加算されます。
問題文の場合は「15日間」と「80日間」の両方の期間が加算され、算定対象期間は2年間に95日を加えた期間となります。
(行政手引50153)
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R7-149 01.23
例えば、労働者が故意にケガの原因となった事故を生じさせた場合は、労災保険の保険給付は行われません。
事故の発生について労働者に非がある場合は、保険給付の支給制限を行うことによってペナルティが課されます。
支給制限の条文を読んでみましょう。
第12条の2の2 ① 労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
② 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
「故意に」のときは、政府は、「保険給付を行わない」=絶対的給付制限となります。
②【H26年出題】
業務遂行中の災害であっても、労働者が故意に自らの負傷を生じさせたときは、政府は保険給付を行わない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「故意に」のときは、絶対的給付制限です。
③【H26年出題】
業務遂行性が認められる災害であっても、労働者が故意に自らの死亡の直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は保険給付を行わない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
「故意に」のときは、絶対的給付制限です。
④【H26年出題】
業務起因性の認められる負傷であっても、被災した労働者が正当な理由なく療養に関する指示に従わないことにより負傷の回復を妨げた場合は、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
④【H26年出題】 〇
「正当な理由なく療養に関する指示に従わない」場合は、「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」となります。
⑤【R2年出題】
業務遂行中の負傷であれば、労働者が過失により自らの負傷を生じさせた場合、それが重大な過失でない限り、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
【解答】
⑤【R2年出題】 〇
「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」のは、「重大な過失」の場合です。単なる「過失」の場合は、支給制限は行われません。
⑥【R2年出題】
業務遂行中の負傷であれば、負傷の原因となった事故が、負傷した労働者の故意の犯罪行為によって生じた場合であっても、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
【解答】
⑥【R2年出題】 ×
「故意の犯罪行為」の場合は、政府は「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」です。
⑦【R6年出題】
労働者が、重大な過失により、負傷、疾病、障害若しくは死亡又はこれらの原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
⑦【R6年出題】 〇
「重大な過失」の場合は、「保険給付の全部又は一部を行わないことができる」となります。
⑧【R2年出題】
業務起因性の認められる疾病に罹患した労働者が、療養に関する指示に従わないことにより疾病の回復を妨げた場合であっても、指示に従わないことに正当な理由があれば、政府は保険給付の全部又は一部を行わないとすることはできない。
【解答】
⑧【R2年出題】 〇
「正当な理由がなくて療養に関する指示に従わない」ときは、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができるとなります。指示に従わないことに正当な理由があれば、支給制限は行われません。
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R7-148 01.22
労働安全衛生法の「雇入時・作業内容変更時」の安全衛生教育をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第59条第1項、第2項 ① 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。 ② ①の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
則第35条 (雇入れ時等の教育) ① 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。 (1) 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。 (2) 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。 (3) 作業手順に関すること。 (4) 作業開始時の点検に関すること。 (5) 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。 (6) 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。 (7) 事故時等における応急措置及び退避に関すること。 (8) 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項 ② 事業者は、前項各号に掲げる事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。 |
※特定の業種で一部教育項目の省略が認められていましたが、令和6年4月より省略規定は廃止されています。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
事業者は、常時使用する労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならない。臨時に雇用する労働者については、同様の教育を行うよう努めなければならない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
常時使用する労働者だけでなく、臨時に雇用する労働者についても、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うことが義務付けられています。
②【R2年出題】
事業者は、作業内容を変更したときにも新規に雇い入れたときと同様の安全衛生教育を行わなければならない。
【解答】
②【R2年出題】 〇
作業内容を変更したときも、新規に雇い入れたときと同様の安全衛生教育を行わなければなりません。
③【H17年出題】
労働安全衛生法上、雇入れ時の健康診断の対象となる労働者と雇入れ時の安全衛生教育の対象となる労働者は、いずれも常時使用する労働者である。
【解答】
③【H17年出題】 ×
「雇入れ時の健康診断」と「雇入れ時の安全衛生教育」の対象となる労働者の範囲が違うことに注意してください。
・雇入れ時の健康診断の対象となる労働者 → 常時使用する労働者
・雇入れ時の安全衛生教育の対象となる労働者 → 常時使用する労働者だけでなく「すべての労働者」
です。
(雇入れ時の健康診断→則第43条)
④【H22年出題】
事業者は、労働者の作業内容を変更したときは、労働安全衛生規則に定める事項について安全衛生教育を行わなければならないが、当該事項の全部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者であっても、その全部の事項についての安全衛生教育を省略することはできない。
【解答】
④【H22年出題】 ×
全部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、その全部の事項についての安全衛生教育を省略することができます。
⑤【H19年出題】
労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づくいわゆる作業内容変更時の安全衛生教育の実施の義務は、派遣先事業者のみに課せられている。
【解答】
⑤【H19年出題】 ×
| 派遣元事業者 | 派遣先事業者 |
雇入れ時の安全衛生教育 | 義務あり |
|
作業内容変更時の安全衛生教育 | 義務あり | 義務あり |
「作業内容変更時の安全衛生教育」の実施義務は、派遣元事業者と派遣先事業者の両方に課せられています。
ちなみに、「雇入れ時の安全衛生教育」の実施義務は派遣元事業者のみに課せられています。(労働契約関係にあるのは派遣元なので)
(派遣法第45条)
⑥【R2年出題】
安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該教育が法定労働時間外に行われた場合には、割増賃金が支払われなければならない。
【解答】
⑥【R2年出題】 〇
安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間です。安全衛生教育は所定労働時間内に行なうことが原則ですが、法定労働時間外に安全衛生教育を行った場合は、割増賃金を支払う義務があります。
(昭47.9.18基発602号)
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R7-147 01.21
賃金は、「労働の対償」として支払われるものです。
労働者が、労働した分の賃金を、間違いなく受け取ることができるよう、労働基準法では、賃金の支払いについて5つの原則を定めています。
賃金支払い5原則は次のとおりです。
① 通貨払い
② 直接払い
③ 全額払い
④ 毎月1回以上払い
⑤ 一定期日払い
条文を読んでみましょう。
第24条 (賃金の支払) ① 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。 ② 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。 |
今回は、「通貨払いの原則とその例外」をみていきます。
原則 → 賃金は通貨(例えば、1万円札や100円硬貨など)で支払わなければなりません。
例外 → 通貨以外で支払うことができる場合もあります。
・ 法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合
・ 厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
労働基準法第24条第1項は、賃金は、「法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、通貨以外のもので支払うことができる。」と定めている。
【解答】
①【R1年出題】 ×
賃金を「通貨以外のもの」で支払うことができるのは、「法令に別段の定めがある場合又は「労使協定」がある場合」ではなく、「法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合」です。
「労働協約」と「労使協定」の違いに注意しましょう。
★「労働協約」とは
↓
労働組合(労働者側)と使用者又はその団体(使用者側)との間の労働条件等に関する約束のことです。労働者側が「労働組合」であることがポイントです。労働組合がない事業場では、労働協約は締結できません。
★「労使協定」とは
↓
・事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合
労働者の過半数で組織する労働組合がないときは
・労働者の過半数を代表する者
との書面による協定です。労働組合がなくても労使協定は締結できます。
労使協定は、事業場全体に効力が及びます。
②【H29年出題】
労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。
【解答】
②【H29年出題】 〇
労働協約は、締結当事者である「使用者」と「労働組合とその構成員」のみに適用されます。
労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られます。労働協約の適用を受けない労働者については、通貨以外のもので支払うことはできません。
(昭63.3.14基発150号)
③【H28年出題】
使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行口座への振込みによることができるが、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同意が特段の事情のない限り得られているものと解されている。
【解答】
③【H28年出題】 〇
労働者の「同意」を得た場合は、賃金を口座振込みで支払うことができます。
「同意」については、労働者の意思に基づくものである限り、その形式は問われません。
労働者が、賃金の振込み対象として労働者本人名義の預貯金口座の指定を行えば、原則として、同意が得られているものと解されます。
(則第7条の2、昭63.1.1基発1号)
④【R3年出題】
使用者は、退職手当の支払については、現金の保管、持ち運び等に伴う危険を回避するため、労働者の同意を得なくても、当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができるほか、銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付することによることができる。
【解答】
④【R3年出題】 ×
退職手当の支払についても、労働者の預金又は貯金への振込みで支払う場合は、「労働者の同意」が必要です。
また、通常の賃金とは違い、退職手当は、小切手を労働者に交付することによって支払うことができますが、この場合も「労働者の同意」が必要です。
(則第7条の2第2項)
⑤【R6年出題】 ※問題文を修正しています
使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払方法として、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号に掲げる要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者(指定資金移動業者)のうち労働者が指定するものの第二種資金移動業に係る口座への資金移動によることができる(いわゆる賃金のデジタル払い)が、賃金の支払いに係る資金移動を行う口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が500万円を超えることがないようにするための措置又は当該額が500万円を超えた場合に当該額を速やかに500万円以下とするための措置を講じていることが、労働基準法施行規則第7条の2第1項第3号に定められている。
【解答】
⑤【R6年出題】 ×
いわゆる賃金のデジタル払いの要件の一つに「賃金の支払に係る資金移動を行う口座残高上限額を100万円以下に設定又は100万円を超えた場合でも速やかに100万円以下にするための措置を講じていること。」があります。
問題文は500万円になっているので誤りです。
(則第7条の2第1項第3号)
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R7-146 01.20
遺族厚生年金の額の計算のポイントをお話ししています。
★「短期要件」と「長期要件」それぞれの要件をおさえましょう
★遺族厚生年金の計算の注意点
「短期要件」→被保険者期間に300月の最低保障があります
「長期要件」→生年月日によって給付乗率の引上げがあります
★遺族が「65歳以上で老齢厚生年金の受給権がある配偶者」の場合の計算式をおさえましょう
★65歳以上で、「老齢厚生年金」と「遺族厚生年金」の受給権がある場合は、「老齢厚生年金」が優先します
図でイメージしながらポイントをつかみましょう。
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R7-145 01.19
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月13日から1月19日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・併給調整の覚え方をお話しします(国民年金法)
・令和7年4月1日高年齢雇用継続給付の支給率が改正されます(雇用保険法)
・「療養の給付」を受けようとする場合(健康保険法)
・国庫負担と国庫補助(健康保険法)
・給付費に対する国庫負担(国民年金法)
・ 年金の内払調整(厚生年金保険法)
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R7-144 01.18
例えば、「遺族厚生年金」の受給権者が「障害厚生年金」の受給権を取得し、「障害厚生年金」の支給を受けることを選択した場合、「遺族厚生年金」の支給は停止されます。
にもかかわらず、届出が遅れたことなどによって、引き続き「遺族厚生年金」が支払われる場合があります。
その場合、遺族厚生年金を返還させ、改めて障害厚生年金を支給するのは、利便性に欠けますので、調整を簡単にするため、遺族厚生年金と障害厚生年金について「内払調整」を行います。
なお「内払」は「同一人」の年金の間の調整です。
「内払」について、図でイメージしましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第39条 (年金の支払の調整) ① 乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。 ② 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金が支払われた場合における当該年金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。 ③ 同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。 |
■内払調整
①について
・乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅したにもかかわらず、翌月以後、乙年金の支払が行われた
・同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合に、翌月以後、乙年金の支払が行われた
②について
・年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われた
・年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、翌月以後も減額しない額の年金が支払われた
③について(国民年金と厚生年金保険の調整)
・同一人に対して国民年金法の年金の支給を停止して、厚生年金保険の年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合に、翌月以後の分として国民年金の年金の支払が行われた
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】 ※問題文の者は、「第1号厚生年金被保険者期間」のみを有するものとします。(改正による修正)
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の受給権者が、新たに障害等級1級又は2級に該当する障害を受け、厚生年金保険法第48条第1項の規定に基づいて、前後の障害を併合した障害の程度による新たな障害厚生年金の受給権を取得した場合、従前の障害厚生年金の受給権が消滅した月の翌月以後の分として、従前の障害厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた従前の障害厚生年金は、新たな障害厚生年金の内払とみなす。
【解答】
①【H25年出題】 〇
従前の障害厚生年金の受給権が消滅した月の翌月以後の分として、従前の障害厚生年金の支払が行われたときは、「従前の障害厚生年金の返還を求める」のではなく、その支払われた従前の障害厚生年金は、新たな障害厚生年金の「内払とみなす」となります。
②【H25年出題】※問題文の者は、「第1号厚生年金被保険者期間」のみを有するものとします。(改正による修正)
遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得し、障害厚生年金の支給を選択した場合において、遺族厚生年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として遺族厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の内払とみなす。
【解答】
②【H25年出題】 〇
遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得し、障害厚生年金の支給を選択した場合、遺族厚生年金の支給が停止されますが、にもかかわらず、翌月以後も遺族厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の「内払とみなす」となります。
③【R6年出題】
同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。以下本肢において同じ。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払いが行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
【解答】
③【R6年出題】 〇
同一人に対する「国民年金法による年金たる給付」と「年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)」との間の内払調整の規定です。
④【H25年出題】(※改正による修正あり)
同一人に対して国民年金法による寡婦年金の支給を停止して60歳台前半の老齢厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合において、老齢厚生年金を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として寡婦年金の支払が行われたときは、その寡婦年金は、老齢厚生年金の内払とみなすことができる。
【解答】
④【H25年出題】 〇
③の問題と同じです。
※国民年金法の寡婦年金と60歳台前半の老齢厚生年金は、どちらか選択です。
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R7-143 01.17
通常、基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)の給付に要する費用の総額の「2分の1」は国庫負担で賄われています。
また、免除期間等については、特別国庫負担があります。
下の図①でイメージしてください。
問題を解いてみましょう。
①【H26年出題】
保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を乗じて得た月数を限度として、その7分の4を国庫が負担することとなる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
<ポイントその1>
・4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用に対する国庫負担
→ 「480」から保険料納付済期間の月数を乗じて得た月数が限度となります。
★例えば、60歳以降に任意加入した場合、480月を超える場合がありますが、国庫負担が行われるのは、「480月」が限度です。
図②でイメージしましょう。
<ポイントその2>
・保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、その7分の4を国庫が負担します。
「7分の4」とは?図③でイメージしましょう。
(法第85条)
②【R3年出題】
保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として国庫負担の対象となるが、保険料の学生納付特例及び納付猶予の期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)は国庫負担の対象とならない。
【解答】
②【R3年出題】 〇
「学生納付特例」及び「納付猶予」の期間は国庫負担の対象となりません。そのため、老齢基礎年金の額は、ゼロで計算されます。
(法第85条)
③【R3年出題】
国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分(100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。
【解答】
③【R3年出題】 ×
国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分(100分の80)の「4分の1」ではなく、「2分の1」に相当する額を合計した、当該費用の「100分の40」ではなく「100分の60」に相当する額を負担することになっています。
図④でイメージしましょう。
(法第85条)
④【R4年出題】
国庫は、当分の間、毎年度、国民年金事業に要する費用に充てるため、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。
【解答】
④【R4年出題】 〇
「付加年金」の給付に要する費用及び「死亡一時金の加算額(8500円)」の給付に要する費用の総額の「4分の1」に相当する額に、国庫負担が行われています。
(昭60法附則第34条第1項第1号)
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R7-142 01.16
健康保険の事業を運営するための費用には、保険給付に要する費用、事務の執行に要する費用などがあります。
今回は、国庫が負担する費用、国庫が補助する部分をみていきます。
「国庫負担」の条文を読んでみましょう。
法第151条 (国庫負担) 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
第152条 ① 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。 ② ①の国庫負担金については、概算払をすることができる。 |
事務の執行に要する費用(事務費)については、国庫が全額負担します。
過去問をどうぞ!
①【H23年選択式】※改正による修正あり
1 国庫は、毎年度、< A >の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金、< B >並びに流行初期医療確保拠出金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
2 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における< C >を基準として、厚生労働大臣が算定する。
3 上記2の国庫負担金については、< D >をすることができる。
【解答】
<A> 予算
<B> 介護納付金
<C> 被保険者数
<D> 概算払い
★介護納付金のイメージ
| 介護保険第2号被保険者 (40歳以上65歳未満) |
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↓(介護保険料)
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| 健康保険組合・全国健康保険協会 |
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↓(介護納付金)
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| 社会保険診療報酬支払基金 |
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↓
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| 介護保険 |
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②【H29年出題】
健康保険事業の事務の執行に要する費用について、国庫は、全国健康保険協会に対して毎年度、予算の範囲内において負担しているが、健康保険組合に対しては負担を行っていない。
【解答】
②【H29年出題】 ×
健康保険事業の事務の執行に要する費用については、全国健康保険協会に対しても、健康保険組合に対しても、国庫が負担しています。
②【R6年出題】
国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務の執行に要する費用を負担することになっており、健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。また、その国庫負担金は、概算払をすることができる。
【解答】
②【R6年出題】 〇
国庫は、健康保険組合に対しても、事務費を負担しています。健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数が基準となっています。「被扶養者数や標準報酬月額」などは基準に入っていませんので、注意してください。
また、その国庫負担金は、概算払をすることができることになっています。
次は、「国庫補助」についての過去問です。
【R3年出題】
全国健康保険協会管掌健康保険の事業の執行に要する費用のうち、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われない。
【解答】
【R3年出題】 〇
全国健康保険協会が管掌する健康保険の療養の給付などの支給に要する費用等の1000分の164について、国庫補助が行われています。
ただし、出産育児一時金、家族出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)及び家族埋葬料の支給に要する費用については、国庫補助は行われません。
(法第153条)
最後に、特定健康診査等についての過去問です。
【H30年出題】
国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導の実施に要する費用の全部を補助することができる。
【解答】
【H30年出題】 ×
費用の全部ではなく、「費用の一部」です。
条文を読んでみましょう。
第154条の2 国庫は、予算の範囲内において、健康保険事業の執行に要する費用のうち、特定健康診査等の実施に要する費用の一部を補助することができる。 |
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R7-141 01.15
「療養の給付」は、健康保険の代表的な給付です。
療養の給付は「現物給付」で、病気で医療機関に行くと、診察等を受けて、かかった費用の原則3割の一部負担金を医療機関に支払います。
「療養の給付」が受けられる医療機関をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
法第63条第3項 療養の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法(以下「電子資格確認等」という。)により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付を受けるものとする。 (1) 厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所(第65条の規定により病床の全部又は一部を除いて指定を受けたときは、その除外された病床を除く。以下「保険医療機関」という。)又は薬局(以下「保険薬局」という。) (2) 特定の保険者が管掌する被保険者に対して診療又は調剤を行う病院若しくは診療所又は薬局であって、当該保険者が指定したもの (3) 健康保険組合である保険者が開設する病院若しくは診療所又は薬局 |
それぞれをイメージしてみましょう。
(1)保険医療機関・保険薬局(誰でも行くことができる一般の病院など)
(2)事業主医局(健康保険組合管掌健康保険の事業主が開設する病院)など
(3)健康保険組合が開設する病院など
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
保険医療機関として指定を受けた病院であっても、健康保険組合が開設した病院は、診療の対象者をその組合員である被保険者及び被扶養者のみに限定することができる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
「保険医療機関」は、すべての被保険者及び被扶養者の診療を行うもので、一部の被保険者及び被扶養者に限定することはできません。
「保険医療機関として指定を受けた」場合は、健康保険組合が開設した病院でも、診療の対象者をその組合員である被保険者及び被扶養者のみに限定することはできません。
(昭32.9.2保険発123号)
②【R6年出題】
健康保険組合である保険者の開設する病院若しくは診療所又は薬局は、保険医療機関としての指定を受けなくとも当該健康保険組合以外の保険者の被保険者の診療を行うことができる。
【解答】
②【R6年出題】 ×
健康保険組合である保険者の開設する病院若しくは診療所又は薬局が、当該健康保険組合以外の保険者の被保険者の診療を行うには、「保険医療機関の指定」を受けなければなりません。
(昭32.9.2保険発123号)
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R7-140 01.14
「高年齢雇用継続給付」の支給率が、令和7年4月1日に改正されます。ポイントをみていきましょう。
令和7年4月1日前(改正前)
賃金の低下率 | 支給率 |
61%未満 | 15% |
61%以上75%未満 | 15%から一定の割合で逓減する率 |
75%以上 | 不支給 |
↓
令和7年4月1日以後(改正後)
賃金の低下率 | 支給率 |
64%未満 | 10% |
64%以上75%未満 | 10%から一定の割合で逓減する率 |
75%以上 | 不支給 |
条文を読んでみましょう。
法第61条第5項、第6項(令和7年4月以降) ⑤ 高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該支給対象月に支払われた賃金の額に当該各号に定める率を乗じて得た額とする。ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額とする。 (1) 当該賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の64に相当する額未満であるとき → 100分の10 (2) 前号に該当しないとき → みなし賃金日額に30を乗じて得た額に対する当該賃金の額の割合が逓増する程度に応じ、100分の10から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める率 ⑥ 支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が雇用保険法第17条第4項第1号に掲げる賃金日額の最低限度額(その額が同法第18条の規定により変更されたときは、その変更された額)の100分の80に相当する額を超えないときは、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は、支給しない。 |
ポイント!
★支給対象月に支払われた賃金の額が支給限度額以上の場合
→ 高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
★「支給対象月に支払われた賃金の額」+「高年齢雇用継続基本給付金として算定された額」が支給限度額を超える場合
→ 「支給限度額」-「支給対象月の賃金の額」が高年齢雇用継続基本給金の額となります。
※支給限度額は令和6年8月から376,750円です。
★「高年齢雇用継続基本給付金として算定された額」が「賃金日額の最低限度額×100分の80」を超えない場合
→ 高年齢雇用継続基本給付金は、支給されません。
※令和6年8月から「賃金日額の最低限度額×100分の80」は、2,869円×100分の80=2,295円です。
では、過去問をどうぞ!
①【R6年出題】※令和7年4月改正に合わせて問題文を修正しています
高年齢再就職給付金の受給資格者に対して再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の100分の85に相当する額未満であるとき、当該受給資格者に対して支給される高年齢再就職給付金の額は、支給対象月に支払われた賃金の額の100分の10となる。
【解答】
①【R6年出題】 ×
高年齢再就職給付金の額が、支給対象月に支払われた賃金の額の100分の10となるのは、再就職後の支給対象月の賃金額が、基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の「100分の85に相当する額未満」ではなく、「100分の64に相当する額未満」であるときです。
(法第61条の2第3項)
②【R1年出題】※令和7年4月改正に合わせて問題文を修正しています
支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の60に相当する場合、高年齢雇用継続基本給付金の額は、当該賃金の額に100分の10を乗じて得た額(ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額)となる。
【解答】
②【R1年出題】 〇
支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の60に相当する場合(100分の64未満の場合)、高年齢雇用継続基本給付金の支給率は、「100分の10」となります。
③【R6年出題】
支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が雇用保険法第17条第4項第1号に掲げる賃金日額の最低限度額(その額が同法第18条の規定により変更されたときは、その変更された額)の100分の80に相当する額を超えないとき、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は支給されない。
【解答】
③【R6年出題】 〇
高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が賃金日額の最低限度額の100分の80に相当する額を超えないときは、高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
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R7-139 01.13
同一人に複数の年金の受給権が発生することがあります。
★原則は一人一年金です
★例外もあります
<例外の重要ポイント!>
・老齢基礎年金と付加年金はセットで支給されます
・支給事由が同じ「国民年金の年金」と「厚生年金保険の年金」は2階建てで併給されます
・支給事由が異なっていても「65歳以上限定」で併給される組合せがあります
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R7-138 01.12
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和7年1月6日から1月11日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・繰上げ支給の老齢基礎年金についてお話しします(国民年金法)
・日本最初の社会保険「健康保険法」についてお話しします
・国民年金法・厚生年金保険法「最低限おさえたい歴史」
・ 国民年金法・厚生年金保険法「目的の異なる点」
・ 退職等の際の金品の返還義務(労働基準法)
・ 特別加入者のうち「中小事業主等」について(労災保険法)
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R7-137 01.11
労災保険には「特別加入制度」があります。
・労災保険法は「労働者」を保護するための制度ですが、労働者に準じて保護するにふさわしい者は、特別加入することができます。
・また、労災保険は日本国内に限って適用されますが、日本から海外の事業場に派遣された労働者についても、特別加入することができます。
特別加入者には、「中小事業主等」、「一人親方等」、「海外派遣者」の3つの種別があります。
今回は、「中小事業主等」についてお話しします。
「中小事業主等」として特別加入できる者の要件を確認しましょう。
① 厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で「労働保険事務組合」に労働保険事務の処理を委託するものである者(事業主が法人その他の団体であるときは、代表者)
② ①の事業主が行う事業に従事する者(→家族労働者や法人企業の場合の代表権をもたない重役など)
※厚生労働省令で定める数について
金融業、保険業、不動産業、小売業 | 50人以下 |
卸売業、サービス業 | 100人以下 |
上記以外 | 300人以下 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
労災保険は、労働者の業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害に対して保険給付を行う制度であるが、業務の実態、災害の発生状況等に照らし、実質的に労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し、労災保険の適用を及ぼそうとする趣旨から、中小事業主等に特別加入の制度を設けている。
【解答】
①【H26年出題】 〇
特別加入の制度は、実質的に労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し、労災保険の適用を及ぼそうとする趣旨で設けられています。
(昭40.11.1基発第1454号)
②【H30年選択式】
労災保険法においては、労働基準法適用労働者には当たらないが、業務の実態、災害の発生状況等からみて、労働基準法適用労働者に準じて保護するにふさわしい一定の者に対して特別加入の制度を設けている。まず、中小事業主等の特別加入については、主たる事業の種類に応じ、厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で< A >に労働保険事務の処理を委託している者及びその事業に従事する者である。この事業の事業主としては、卸売業又は< B >を主たる事業とする事業主の場合は、常時100人以下の労働者を使用する者が該当する。この特別加入に際しては、中小事業主が申請をし、政府の承認を受ける必要がある。給付基礎日額は、当該事業に使用される労働者の賃金の額その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める額とされており、最高額は< C >である。
<選択肢>
A | ① 社会保険事務所 ② 商工会議所 ③ 特定社会保険労務士 ④ 労働保険事務組合 |
B | ① 小売業 ② サービス業 ③ 不動産業 ④ 保険業 |
C | ① 20,000円 ② 22,000円 ③ 24,000円 ④ 25,000円 |
【解答】
<A> ④ 労働保険事務組合
<B> ② サービス業
<C> ④ 25,000円
(法第33条第1号、第34条、則第46条の16、則第46条の20)
③【R4年出題】
厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で、労働保険徴収法第33条第3項の労働保険事務組合に同条第1項の労働保険事務の処理を委託するものである者(事業主が法人その他の団体であるときは、代表者)は労災保険に特別加入することができるが、労災保険法第33条第1号の厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
<A> 金融業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<B> 不動産業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<C> 小売業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<D> サービス業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
<E> 保険業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
【解答】
③【R4年出題】
<D> サービス業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主
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R7-136 01.10
労働者が死亡又は退職した際に、権利者の請求があった場合、使用者は請求があった日から7日以内に金品を返還しなければなりません。
労働者の足止め策に利用させないようにするためです。
第23条 (金品の返還)
① 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。 ② 賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、①の期間中に支払い、又は返還しなければならない。 |
請求する権利がある「権利者」は、退職の場合は労働者本人、死亡の場合は遺産相続人です。一般債権者は含まれません。
(昭22.9.13発基17号)
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないが、この賃金又は金品に関して争いがある場合においては、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければならない。
【解答】
①【R2年出題】 〇
労働者の死亡又は退職の際に
・ 権利者の請求があった場合 → 7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません
ただし、
・賃金又は金品に関して争いがある場合 → 異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければなりません
②【H30年出題】
労働基準法第20条第1項の解雇予告手当は、同法第23条に定める、労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にはあたらない。
【解答】
②【H30年出題】 〇
解雇予告手当は、「解雇の申し渡しと同時に支払うべきもの」です。
労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にはあたりません。
(昭23.3.17基発464号)
③【H12年出題】
使用者は、労働者が退職する場合において、労働者から請求があった場合においては、争いがある部分を除き、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称のいかんを問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。このことは、退職手当についても同様である。
【解答】
③【H12年出題】 ×
退職手当は、通常の賃金の場合と異なります。
退職手当は、予め就業規則等で定められた支払時期に支払えば足ります。
(昭26.12.27基収5483号)
④【R6年出題】
労働基準法第23条は、労働の対価が完全かつ確実に退職労働者又は死亡労働者の遺族の手に渡るように配慮したものであるが、就業規則において労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定しているときには、権利者からの請求があっても、7日以内に賃金を支払う必要はない。
【解答】
④【R6年出題】 ×
通常の賃金は、「一定期日払い」の原則がありますが、第23条はその特例で、権利者の請求があれば7日以内に支払うことを強行的に義務付けています。
そのため、就業規則で労働者の退職又は死亡の場合の賃金支払期日を通常の賃金と同一日に支払うことを規定していたとしても、請求があれば7日以内に賃金を支払わなければなりません。
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R7-135 01.09
国民年金法と厚生年金保険法の違いを条文で確認しましょう。
国民年金法の第1条と第2条です。
第1条 (国民年金制度の目的) 国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。 第2条 (国民年金の給付) 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。 |
(参考)
日本国憲法第25条
① すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基づいています。
厚生年金保険法第1条です。
第1条 (この法律の目的) この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
過去問をどうぞ!
①【国年H28年選択式】
国民年金法は、「国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の< A >がそこなわれることを国民の < B >によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。」と規定している。
【解答】
<A> 安定
<B> 共同連帯
②【国年R5年選択式】
国民年金法第2条では、「国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して< A >を行うものとする。」と規定されている。
<選択肢>
① 年金支給
② 年金の給付
③ 必要な給付
④ 保険給付
【解答】
<A> ③ 必要な給付
③【国年H26年出題】
国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとされ、国民年金法に基づくすべての給付は保険原理により行われる。
【解答】
③【国年H26年出題】 ×
国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して「必要な保険給付」ではなく、「必要な給付」を行うものとされています。
「保険原理」とは、保険料を負担することによって給付が受けられる仕組みのことですが、国民年金法の給付には、保険原理によらないものもあります。例えば、20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料の負担なく給付されるものです。
国民年金法に基づくすべての給付が保険原理により行われるものではないので、国民年金法では「保険給付」ではなく、「必要な給付」という用語を使います。
なお、厚生年金保険法では「保険給付」という用語を使います。
ちなみに法律の名称も「国民年金法」には「保険」が入っていません。「厚生年金保険法」は「保険」が入っています。
④【厚年H30年出題】
厚生年金保険制度は、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的としている。
【解答】
④【厚年H30年出題】 ×
問題文は国民年金制度の目的条文です。国民年金はすべての国民が対象ですので、「国民」という言葉が使われています。
厚生年金保険制度は「労働者」が対象ですので、「労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的」としています。
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R7-134 01.08
国民年金法、厚生年金保険法の歴史で重要な年号をまとめました。
昭和14年 | 船員保険法制定 | ・社会保険方式による日本で最初の公的年金 ・昭和15年施行 |
昭和16年 | 労働者年金保険法制定 | ・昭和17年施行 ・昭和19年に「厚生年金保険法」に改称 |
昭和34年 | 国民年金法制定 | ・昭和34年11月福祉年金(無拠出制)開始 |
昭和36年 4月 | 国民皆年金の実施 | ・国民年金(拠出制)開始 |
昭和61年 4月 | 基礎年金の導入 | ・「基礎年金」と「報酬比例」の2階建て ・基礎年金は全国民が対象 第1号被保険者(自営業等) 第2号被保険者(会社員、公務員等) 第3号被保険者(専業主婦等) |
平成27年 10月 | 被用者年金一元化 | ・被用者の年金制度が厚生年金に統一された |
年金の歴史を図でイメージしましょう。(下の図を参照してください)
ポイント!
・昭和36年4月「国民皆年金」
・昭和61年4月「基礎年金の導入」
★昭和61年4月前の制度を「旧法」、昭和61年4月以降の制度を「新法」といいます。
過去問をどうぞ!
①【H19年出題(社一)】
医療面で国民皆保険が進められるのに対応して国民皆年金の実現が強く要請されるようになり、自営業者等を対象とする国民年金法が昭和34年に制定され、昭和36年4月から全面施行された。
【解答】
①【H19年出題(社一)】 〇
国民年金法は昭和34年に制定、昭和36年4月から全面施行され、国民皆年金が実現しました。
②【H19年出題(国年)】
国民年金は、昭和34年に制定された国民年金法に基づき、同年10月から無拠出制の福祉年金の給付が開始され、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始されて、国民皆年金の体制が成立した。
【解答】
②【H19年出題(国年)】 ×
国民年金法は昭和34年に制定され、同年10月ではなく「同年11月」から無拠出制の福祉年金の給付が開始されました。また、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始されて、国民皆年金の体制が成立しました。
③【H15年選択式(国年)】
年金改正では、激変を緩和するという観点から、しばしば経過措置が設けられる。昭和60年改正によって導入された基礎年金の給付の適用を受けるのは、老齢基礎年金については< A >以降に生まれた者(施行日に旧制度の老齢・退職給付の受給権のあった者を除く。)、障害基礎年金については< B >が昭和61年4月1日以降の者(福祉年金を除く。)であり、それ以外の者には旧制度の給付が適用されている。
<選択肢>
① 大正15年4月1日
② 大正15年4月2日
③ 昭和2年4月1日
④ 昭和2年4月2日
⑤ 裁定日
⑥ 初診日
⑦ 障害認定日
⑧ 裁定請求日
【解答】
<A> ② 大正15年4月2日
<B> ⑦ 障害認定日
ポイント!
・ 「大正15年4月2日」以降生まれの人は、老齢基礎年金(新法の年金)の対象となります。ただし、施行日に旧制度の老齢・退職給付の受給権のあった人を除きます。
・ 「障害認定日」が昭和61年4月1日以降の人は、障害基礎年金(新法の年金)の対象となります。
④【R6年出題(社一)】
日本の公的年金制度は、予測することが難しい将来のリスクに対して、社会全体であらかじめ備えるための制度であり、現役世代の保険料負担により、その時々の高齢世代の年金給付をまかなう世代間扶養である賦課方式を基本とした仕組みで運営されている。賃金や物価の変化を年金額に反映させながら、生涯にわたって年金が支給される制度として設計されており、必要なときに給付を受けることができる保険として機能している。
【解答】
④【R6年出題(社一)】 〇
日本の公的年金制度は、「賦課方式」を基本とした仕組みで運営されていることがポイントです。
賦課方式とは、現役世代の保険料負担で、その時々の高齢世代の年金給付をまかなう世代間扶養の仕組みです。
(令和5年版厚生労働白書P256)
【R1年出題(社一)】※問題文修正あり
被用者年金一元化により、所定の要件に該当する国家公務員共済組合の組合員が厚生年金保険の被保険者資格を取得したのは、平成27年10月1日である。
【解答】
【R1年出題(社一)】 〇
被用者年金一元化が行われたのは、平成27年10月1日です。
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R7-133 01.07
<健康保険の歴史>
健康保険法は労働者を対象にした保険で、大正11年に制定された日本で最初の社会保険です。
しかし、大正12年に関東大震災が発生したため、全体が施行されたのは、昭和2年です。
当初の健康保険は業務上の傷病等も保険給付の対象になっていました。当時は、業務上、業務外を判別することが難しかったからです。ただし、昭和22年に労災保険法がスタートし、業務災害は労災保険の対象になりました。
ちなみに、日本で最初の社会保険方式の公的年金は、昭和14年に制定された船員保険制度の年金です。
国民皆保険が実現したのは、国民皆年金と同じ昭和36年4月です。
国民皆保険のイメージ
健 康 保 険 |
船 員 保 険 |
国家公務員共済組合 |
地方公務員共済組合 |
私立学校教職員共済 |
国民健康保険 |
後期高齢者医療(原則75歳以上) |
健康保険法の第1条を読んでみましょう。
第1条 (目的) この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年選択式(社一)】
世界初の社会保険は、< A >で誕生した。当時の< A >では、資本主義経済の発達に伴って深刻化した労働問題や労働運動に対処するため、明治16年に医療保険に相当する疾病保険法、翌年には労災保険に相当する災害保険法を公布した。
一方日本では、政府は、労使関係の対立緩和、社会不安の沈静化を図る観点から、 < A >に倣い労働者を対象とする疾病保険制度の検討を開始し、< B >に「健康保険法」を制定した。
<選択肢>
① アメリカ
② イギリス
③ ドイツ
④ フランス
⑤ 昭和13年
⑥ 昭和16年
⑦ 大正11年
⑧ 大正15年
【解答】
<A> ③ ドイツ
<B> ⑦ 大正11年
(平成23年版厚生労働白書P35)
②【H21年出題】
健康保険法は、大正11年に制定され、同時に施行された日本で最初の社会保険に関する法である。
【解答】
②【H21年出題】 ×
健康保険法は、大正11年に制定された日本で最初の社会保険に関する法ですが、制定と同時に施行されたのではありません。
施行は大正15年(保険給付及び費用の負担に関する規定は昭和2年)です。
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R7-132 01.06
繰上げ支給の老齢基礎年金のポイントは、
・請求によって受給権が発生すること
・繰り上げた月数に応じて減額されること
です。
その他さまざまな注意点があり、本試験でも頻出される箇所です。
繰り上げ支給の老齢基礎年金の注意点をYouTubeでお話ししています。
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R7-131 01.05
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月30日から令和7年1月4日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・適用除外を整理しましょう(労基、安衛、労災、雇用、健保、厚年、国年)
・各法律から適用除外されるもの(実践編)(労基、安衛、労災、雇用、健保、厚年、国年)
・労働基準法第1条を読んでみましょう(労働基準法)
・制定時の状況などから労働安全衛生法を知りましょう(労働安全衛生法)
・労災保険法の沿革をお話しします~労災保険法の歴史(労災保険法)
・雇用保険法の沿革をお話しします(雇用保険法)
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R7-130 01.04
今日は、雇用保険法についてお話しします。
<歴史>
昭和22年に「失業保険法」が施行されました。
当初の目的条文は、「失業保険は、被保険者が失業した場合に、失業保険金を支給して、その生活の安定を図ることを目的とする。」となっていて、保険の対象は「失業」のみでした。
「雇用保険法」が施行されたのは、昭和50年4月からです。「雇用保険法」の保険の対象は「失業」だけではありません。
<目的>
では、現在の目的条文を読んでみましょう。
第1条 (目的) 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。 |
第3条 (雇用保険事業) 雇用保険は、第1条の目的を達成するため、失業等給付及び育児休業給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる。 |
雇用保険事業の内容を体系図でみてみましょう。
(この記事の下に図を入れています。)
では、過去問をどうぞ!
【H28年選択式】※改正による修正あり
雇用保険法第1条は、「雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の< A >を図るとともに、< B >を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の< C >を図ることを目的とする。」と規定されている。
【解答】
<A> 生活及び雇用の安定
<B> 求職活動
<C> 福祉の増進
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R7-129 01.03
★ 労働者災害補償保険法は、昭和22年4月7日公布、同年9月1日から施行されました。
★ 労働条件の最低基準を定めた労働基準法は昭和22年9月に施行、同時に、業務上の災害を保護するため、労働者災害補償保険法が施行されました。
<その後の主な改正>
■昭和48年
「通勤災害」について、業務災害に準じた保護が加えられることになりました
■平成13年
「二次健康診断等給付」が施行されました。「二次健康診断」とその結果に基づく「特定保健指導」を労災保険の保険給付として行うことになりました。
■令和2年
「複数業務要因災害」に関する保険給付が加わりました。
条文を読んでみましょう。
第1条 労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。 |
労災保険の第1の目的は「保険給付」を行うことです。
第2の目的が、「社会復帰促進等事業」です。
第2条の2 労働者災害補償保険は、第1条の目的を達成するため、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、社会復帰促進等事業を行うことができる。 第7条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。 (1) 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付 (2) 複数事業労働者(これに類する者として厚生労働省令で定めるものを含む。)の2以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)に関する保険給付(前号に掲げるものを除く。) (3) 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付 (4) 二次健康診断等給付
第29条 政府は、この保険の適用事業に係る労働者及びその遺族について、社会復帰促進等事業として、次の事業を行うことができる。 (1) 療養に関する施設及びリハビリテーションに関する施設の設置及び運営その他業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害を被った労働者(「被災労働者」という。)の円滑な社会復帰を促進するために必要な事業 (2) 被災労働者の療養生活の援護、被災労働者の受ける介護の援護、その遺族の就学の援護、被災労働者及びその遺族が必要とする資金の貸付けによる援護その他被災労働者及びその遺族の援護を図るために必要な事業 (3) 業務災害の防止に関する活動に対する援助、健康診断に関する施設の設置及び運営その他労働者の安全及び衛生の確保、保険給付の適切な実施の確保並びに賃金の支払の確保を図るために必要な事業 |
過去問をどうぞ!
【令和元年選択式】 ※改正による修正あり
労災保険法第1条によれば、労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行うこと等を目的とする。同法の労働者とは、< A >法上の労働者であるとされている。そして同法の保険給付とは、業務災害に関する保険給付、複数業務要因災害に関する保険給付、通勤災害に関する保険給付及び< B >給付の4種類である。通勤災害に関する保険給付のうち年金として支払われるのは、障害年金、遺族年金及び< C >年金である。
<選択肢>
<A> ① 労働関係調整 ② 労働基準 ③ 労働組合 ④ 労働契約
<B> ① 求職者 ② 教育訓練 ③ 失業等 ④ 二次健康診断等
<C> ① 厚生 ② 国民 ③ 傷病 ④ 老齢
【解答】
<A> ② 労働基準
<B> ④ 二次健康診断等
<C> ③ 傷病
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R7-128 01.02
労働安全衛生法は、昭和47年に公布されました。
【労働安全衛生法制定の背景】
『近年のわが国の産業経済の発展は、世界にも類のない目ざましいものがあり、それに伴い、技術革新、生産設備の高度化等が急激に進展したが、この著しい経済興隆のかげに、今なお多くの労働者が労働災害を被っているという状況にある。』中で、労働安全衛生法は制定されました。
『1970年代に入り、従来の経済成長のあり方に反省が加えられ、国の施策の重点は国民福祉の向上へ向けられつつある。このような情勢のもとに、今後における労働災害防止対策は、人命尊重の基本的理念に立ち、この法律を軸として、より強力、より的確に推進されなければならない。』とされています。
(参照:昭和47.9.18発基第91号)
労働安全衛生法は、労働基準法から分離独立したものです。
【労働基準法との関係】
『労働安全衛生法は、形式的には労働基準法から分離独立したものとなっているが、安全衛生に関する事項は労働者の労働条件の重要な一端を占めるものというべく、第1条(目的)、労働基準法第42条等の規定により、この法律と労働条件についての一般法である労働基準法とは、一体としての関係に立つものであることが明らかにされている。』となっています。
『したがって、労働基準法の労働憲章的部分(具体的には第1条から第3条まで)は、この法律の施行にあたっても当然その基本とされなければならない。』
『賃金、労働時間、休日などの一般的労働条件の状態は、労働災害の発生に密接な関連を有することにかんがみ、かつ、この法律の第1条の目的の中で「労働基準法と相まって、……労働者の安全と健康を確保する……ことを目的とする。」と謳っている趣旨に則り、この法律と労働基準法とは、一体的な運用が図られなければならないもの』となっています。
(参照:昭和47.9.18発基第91号)
労働安全衛生法第1条(目的)を読んでみましょう。
この法律は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。 |
労働安全衛生法の目的は、「職場における労働者の安全と健康を確保」すること、「快適な職場環境の形成を促進すること」です。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年選択式】
労働安全衛生法は、その目的を第1条で「労働基準法(昭和22年法律第49号)と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、< A >の形成を促進することを目的とする。」と定めている。
【解答】
<A>快適な職場環境
②【H24年選択式】
労働安全衛生法第1条は、労働災害の防止のための< C >の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、< D >を促進することを目的とすると規定している。
【解答】
<C> 危害防止基準
<D> 快適な職場環境の形成
③【H15選択式】
労働安全衛生法と労働基準法との関係については、労働安全衛生法制定時の労働事務次官通達で明らかにされており、それによると、労働安全衛生法は形式的には労働基準法から分離独立したものとなっているが、安全衛生に関する事項は労働者の< E >の重要な一端を占めるものであり、労働安全衛生法第1条、労働基準法第42条等の規定により、労働安全衛生法と< E >についての一般法である労働基準法とは < F >関係に立つものである、とされている。
【解答】
<E> 労働条件
<F> 一体としての
④【H29年出題】
労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。
【解答】
④【H29年出題】 〇
労働安全衛生法と労働条件についての一般法である労働基準法とは、「一体としての関係」に立つものです。そのため、労働基準法の労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行にあたっても、その基本とされています。
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R7-127 01.01
労働基準法第1条を読んでみましょう。
法第1条 (労働条件の原則) ① 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。 ② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 |
<第1条のポイント!>
・ 第1条は、労働者に人格として価値ある生活を営む必要を充たすべき労働条件を保障することを宣明したものです。労働基準法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならないものです。
・ 労働者が人たるに値する生活を営むためにはその標準家族の生活をも含めて考えることとされます。
・ 第2項については労働条件の低下がこの法律の基準を理由としているか否かに重点を置いて認定されます。経済諸条件の変動に伴うものは本条に抵触するものとされません。
(昭和22.9.13発基第17号)
過去問をどうぞ!
①【H19年選択式】
労働基準法第1条第1項においては、「労働条件は、労働者< A >ための必要を充たすべきものでなければならない。」と規定されている。
【解答】
①【H19年選択式】
<A> が人たるに値する生活を営む
②【H25年出題】
労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、労働者の職場に関する一切の待遇をいいますので、賃金、労働時間、解雇、災害補償等だけでなく、安全衛生、寄宿舎等の条件も含まれます。
③【H28年出題】
労働基準法第1条は、労働保護法たる労働基準法の基本理念を宣明したものであって、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されなければならない。
【解答】
③【H28年出題】 〇
労働基準法第1条は、本法各条の解釈にあたり基本観念として常に考慮されます。
(昭和22.9.13発基第17号)
④【H25年出題】
労働基準法は労働条件の最低基準を定めたものであり、この最低基準が標準とならないように、同法は、この最低基準を理由として労働条件を低下させることを禁止し、その向上を図るように努めることを労働関係の当事者に義務づけている。
【解答】
④【H25年出題】 〇
労働基準法で定める労働条件の最低基準が標準とならないように、この最低基準を理由として労働条件を低下させることは禁止され、その向上を図るように努めることが労働関係の当事者に義務づけられています。
⑤【R3年出題】
労働基準法第1条第2項にいう「この基準を理由として」とは、労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合をいうことから、社会経済情勢の変動等他に決定的な理由があれば、同条に抵触するものではない。
【解答】
⑤【R3年出題】 〇
「この基準を理由として」とは、労働基準法に規定があることが決定的な理由となって、労働条件を低下させている場合をいいます。社会経済情勢の変動等他に決定的な理由がある場合は、労働基準法の基準が理由になっていませんので、同条に抵触しません。
(昭63.3.14基発150号)
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R7-126 12.31
前回は、各法律から適用除外されるものを整理しました。
こちらをどうぞ(YouTubeでお話ししています)
↓
https://youtu.be/dwiAd9i80bI?si=Pg9gvWQba8Od0TVL
今回は適用除外の実践編です。
過去問を解きながら、おぼえましょう。
労働基準法
①【R4年出題】
同居の親族のみを使用する事業において、一時的に親族以外の者が使用されている場合、この者は、労働基準法の労働者に該当しないこととされている。
【解答】
①【R4年出題】 ×
同居の親族のみを使用する事業で、一時的に使用される「親族以外の者」は、労働基準法の労働者に該当します。
②【H29年出題】
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者については、法人に使用される労働者であり労働基準法が適用される。
【解答】
②【H29年出題】 ×
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者は、「家事使用人」ですので、労働基準法は適用されません。
(H11.3.31基発168号)
③【H16年出題】
船員法第1条第1項に規定する船員については労働基準法は適用されず、したがって、同法第1条「労働条件の原則」、第2条「労働条件の決定」等の労働憲章的部分も、当然適用されない。
【解答】
③【H16年出題】 ×
船員にも労働基準法が一部適用されます。
船員法第1条第1項に規定する船員については、労働基準法の第1条から第11条までとそれに関連する罰則規定が適用されます。
第1条「労働条件の原則」、第2条「労働条件の決定」等の労働憲章的部分は適用されます。
(第116条)
労働安全衛生法
【R2年出題】
労働安全衛生法は、同居の親族のみを使用する事業又は事務所については適用されない。また、家事使用人についても適用されない。
【解答】
【R2年出題】 〇
労働安全衛生法は、同居の親族のみを使用する事業又は事務所、家事使用人には適用されません。
(法第2条)
労災保険法
①【H29年出題】
労災保険法は、市の経営する水道事業の非常勤職員には適用されない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
市の経営する水道事業の非常勤職員には、労災保険が適用されます。
★ 地方公務員のうち、「現業部門の非常勤職員」には、労災保険が適用されます。
なお、現業部門の「常勤職員」は、地方公務員災害補償法の規定で、労災保険の適用が排除されています。
②【H29年出題】
労災保険法は、行政執行法人の職員に適用される。
【解答】
②【H29年出題】 ×
行政執行法人の職員には、労災保険法は適用されません。行政執行法人の職員は、国家公務員災害補償制度の対象となります。
③【H29年出題】
労災保険法は、非現業の一般職の国家公務員に適用される。
【解答】
③【H29年出題】 ×
非現業の一般職の国家公務員には、労災保険は適用されません。非現業の一般職の国家公務員は、国家公務員災害補償制度の対象となります。
(法第3条)
④【H29年出題】
労災保険法は、国の直営事業で働く労働者には適用されない。
【解答】
④【H29年出題】 〇
国の直営事業は、労災保険の適用が除外されています。
(法第3条)
⑤【H29年出題】
労災保険法は、常勤の地方公務員に適用される。
【解答】
⑤【H29年出題】 ×
常勤の地方公務員には、労災保険は適用されません。
(地方公務員災害補償法の規定による)
雇用保険法
①【H27年出題】
学校教育法第1条、第124条又は第134条第1項の学校の学生又は生徒であっても、休学中の者は、他の要件を満たす限り雇用保険法の被保険者となる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
学生又は生徒は雇用保険の適用が除外されますが、「休学中の者」は、雇用保険法の被保険者となり得ます。
(法第6条第4号、則第3条の2)
②【H25年出題】
船員法第1条に規定する船員であって、漁船に乗り組むために雇用される者であっても、雇用保険法が適用される場合がある。
【解答】
②【H25年出題】 〇
船員法第1条に規定する船員であって、漁船に乗り組むために雇用される者は、雇用保険の適用が除外されますが、1年を通じて船員として適用事業に雇用される場合は、雇用保険法が適用されます。
(法第6条第5号)
健康保険法
①【R5年出題】
適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。
【解答】
①【R5年出題】 〇
「2月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの」は、健康保険の適用が除外されます。
ただし、契約の更新等により実際には最初の雇用契約の期間を超えて継続して使用されることが見込まれる場合は、最初の雇用契約の期間から被保険者資格を取得します。
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、次の(ア)又は(イ)に該当する場合は、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」に該当するものとして、最初の雇用契約に基づき使用され始めた時に被保険者資格を取得することになります。
(ア) 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
(イ) 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき使用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて使用された実績があること。
(令和4.9.9事務連絡)
②【R2年出題】
季節的業務に使用される者について、当初4か月以内の期間において使用される予定であったが業務の都合その他の事情により、継続して4か月を超えて使用された場合には使用された当初から一般の被保険者となる。
【解答】
②【R2年出題】 ×
当初4か月以内の期間において使用される予定で季節的業務に使用される者については、健康保険の被保険者になりません。業務の都合その他の事情により、継続して4か月を超えて使用された場合でも、被保険者になりません。
(法第3条第1項)
③【H20年出題】
法律によって組織された共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となることはない。
【解答】
③【H20年出題】 ×
共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となります。
④【R1年出題】
国に使用される被保険者であって、健康保険法の給付の種類及び程度以上である共済組合の組合員であるものに対しては、同法による保険給付を行わない。
【解答】
④【R1年出題】 〇
「国に使用される被保険者、地方公共団体の事務所に使用される被保険者又は法人に使用される被保険者」であって共済組合の組合員であるものに対しては、健康保険法による保険給付は、行わない、と規定されています。
また、共済組合の給付の種類及び程度は、健康保険法の給付の種類及び程度以上であることを要すると規定されています。
(法第200条)
厚生年金保険法
①【R2年出題】
特定適用事業所に使用される者は、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満であって、厚生年金保険法の規定により算定した報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
①【R2年出題】 〇
1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満で、報酬の月額が88,000円未満である場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。
(法第12条第5号)
②【H25年出題】 × ※修正あり
船舶所有者に使用される船員であって、その者が継続して4か月を超えない期間季節的業務に使用される場合は厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
船舶所有者に使用される船員の場合は、継続して4か月を超えない期間季節的業務に使用される場合でも、最初から厚生年金保険の被保険者となります。
(法第12条第3号)
③【H25年出題】※修正あり
船舶所有者に臨時に使用される船員であって、その者が引き続き1か月未満の期間日々雇入れられる場合は厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
③【H25年出題】 ×
船舶所有者に臨時に使用される船員の場合は、日々雇入れられる場合でも、厚生年金保険の被保険者となります。
(法第12条第1号)
④【H25年出題】※修正あり
巡回興行などの所在地が一定しない事業所に使用される者については、その者が引き続き6か月以上使用される場合でも厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
④【H25年出題】 〇
巡回興行などの所在地が一定しない事業所に使用される者は、使用される期間に関係なく、厚生年金保険の被保険者にはなりません。
(法第12条第2号)
⑤【H25年出題】※修正あり
臨時的事業の事業所に使用される者であって、その者が継続して6か月を超えない期間使用される場合は厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
⑤【H25年出題】 〇
臨時的事業の事業所に使用される者で、継続して6か月を超えない期間使用される場合は、厚生年金保険の被保険者になりません。
(法第12条第4号)
国民年金法
【R3年出題】
日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法の規定に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものは、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であっても第1号被保険者とならない。
【解答】
【R3年出題】〇
日本の国籍を有しない者で、次に該当する場合は、国民年金の第1号被保険者、第3号被保険者から除外されます。
・日本に相当期間滞在して、病院もしくは診療所に入院し疾病もしくは傷害について医療を受ける活動または当該入院の前後に当該疾病もしくは傷害について継続して医療を受ける活動を行う場合
・ 日本に1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行う場合
(則第1条の2)
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R7-125 12.30
各法律の適用を除外されるものを整理しましょう
★労働基準法
船員や公務員についてなど
★労働安全衛生法
労働者から除外されるものなど
★労災保険法
公務員についてなど
★雇用保険法
雇用保険から除外されるもの(学生など)
★健康保険法
短時間労働者などについて
★厚生年金保険法
臨時に使用される者、季節的業務に使用される者、臨時的事業の事業所に使用されるものなど
★国民年金法
国民年金の適用を除外すべき特別の理由がある者
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R7-124 12.29
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月23日から28日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
・死亡一時金についてお話しします(国民年金法)
・労働安全衛生調査からの出題(労働に関する一般常識)
・日雇特例被保険者に関する問題(健康保険法)
・保険医療機関・保険薬局の指定(健康保険法)
・保険医・保険薬剤師の登録(健康保険法)
・資格を取得した際の標準報酬月額の決定(厚生年金保険法)
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R7-123 12.28
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
資格取得時の標準報酬月額の決定について条文を読んでみましょう。
法第22条 (被保険者の資格を取得した際の決定) ① 実施機関は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次の各号に規定する額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 (1) 月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額 (2) 日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額 (3) (1)、(2)によって算定することが困難であるものについては、被保険者の資格を取得した月前1か月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額 (4) 前3号の2以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて、前3号の規定によって算定した額の合算額 ② 決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の8月(6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。 |
(資格取得時の標準報酬月額の有効期間)
例えば、令和6年5月15日に資格を取得した場合
定時決定(7月1日現在)
△
5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月~翌年8月 |
資格取得時の標月 | 資格取得時の標月 | 資格取得時の標月 | 資格取得時の標月 | 定時決定で定められた 標準報酬月額 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-B】
厚生年金保険法第22条によれば、実施機関は、被保険者の資格を取得した者について、月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額を報酬月額として、その者の標準報酬月額を決定する。
【解答】
【R6年問7-B】 〇
月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合 → 月給制や週給制等です。
例えば、週給の場合、週給の額÷7日(その期間の総日数)×30が「報酬月額」となります。その報酬月額を標準報酬月額等級に当てはめて、その者の標準報酬月額が決定されます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】
実施機関は、被保険者の資格を取得した者について、日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額を報酬月額として、その者の標準報酬月額を決定する。当該標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の8月(6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。
【解答】
【H30年出題】 〇
ポイントを確認しましょう。
・日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合 → 日給制や時給制など
資格を取得した月前1か月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額=報酬月額となり、標準報酬月額が決まります。
・有効期間
資格取得時の標準報酬月額の有効期間は、資格を取得した月からその年の8月までです。9月以降は、その年の定時決定で定められた標準報酬月額となります。
ただし、6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した場合は、翌年の8月までです。
6月1日から7月1日までに資格を取得した者は、その年の定時決定を行わないからです。
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R7-122 12.27
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、健康保険法の択一式です。
保険医、保険薬剤師とは?
厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師を「保険医」、薬剤師を「保険薬剤師」といいます。
保険医療機関で健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局で健康保険の調剤に従事する薬剤師は、保険医又は保険薬剤師でなければなりません。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問9-ウ】
保険医療機関において健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局において健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師又は薬剤師(以下本肢において「保険医等」という。)でなければならない。当該登録の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失うが、その登録の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医等の申請があったものとみなす。
【解答】
【R6年問9-ウ】 ×
保険医等の登録には、有効期間がありませんので誤りです。
なお、保険医療機関・保険薬局の指定には、6年間の有効期間がありますので違いに注意して下さい。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険医の登録をした医師の開設した診療所で、かつ、当該開設者である医師のみが診療に従事している場合には、当該診療所は、保険医療機関の指定があったものとみなされる。ただし、当該診療所は、第65条第3項又は第4項に規定するいわゆる指定の拒否又は一部拒否の要件に該当しないものとする。
①【H29年出題】 〇
「保険医療機関又は保険薬局のみなし指定」の規定です。
条文を読んでみましょう。
第69条 診療所又は薬局が医師若しくは歯科医師又は薬剤師の開設したものであり、かつ、当該開設者である医師若しくは歯科医師又は薬剤師のみが診療又は調剤に従事している場合において、当該医師若しくは歯科医師又は薬剤師について保険医又は保険薬剤師の登録があったときは、当該診療所又は薬局について、保険医療機関又は保険薬局の指定があったものとみなす。ただし、当該診療所又は薬局が、第65条第3項又は第4項に規定する要件に該当する場合であって厚生労働大臣が同号の指定があったものとみなすことが不適当と認められるときは、この限りでない。 |
「保険医」として登録を受けた個人の開業医が開設した診療所で、かつ、開設者である医師のみが診療に従事している場合は、保険医療機関の指定の申請をしなくても、「保険医療機関」の指定があったものとみなされます。
②【H19年出題】
保険医療機関において診療に従事する保険医又は保険薬局において調剤に従事する保険薬剤師は、健康保険の診療又は調剤のほか健康保険法以外の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律による診療又は調剤を担当する。
【解答】
②【H19年出題】 〇
保険医又は保険薬剤師は、健康保険法以外の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律による診療又は調剤も担当します。
(法第72条)
③【H19年出題】
保険医等の登録の申請があった場合において、以前に登録を取り消されたことがあり、その取消された日から10年を経過しない者であるとき、その他著しく不適当と認められるときは、登録されない。
【解答】
③【H19年出題】 ×
以前に登録を取り消されたことがあり、その取消の日から「5年」を経過しない者であるときは、厚生労働大臣は登録しないことができるとされています。
(法第71条第2項)
④【H29年出題】
厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。
【解答】
④【H29年出題】 〇
<地方社会保険医療協議会に諮問する>(法第82条第2項)
・保険医療機関、保険薬局の指定
・保険医療機関、保険薬局の指定の取り消し
・保険医、保険薬剤師の登録の取り消し
<地方社会保険医療協議会の議を経なければならない>(法第67条、第71条)
・保険医療機関、保険薬局の指定をしない
・病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)
・保険医、保険薬剤師の登録をしない
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R7-121 12.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、健康保険法の択一式です。
保険医療機関、保険薬局とは?
→ 厚生労働大臣の指定を受けた病院若しくは診療所(病床の全部又は一部を除いて指定を受けたときは、その除外された病床を除く。)又は薬局のこと
※保険医療機関、保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行われます。
※保険医療機関で健康保険の診療に従事する医師若しくは歯科医師又は保険薬局で健康保険の調剤に従事する薬剤師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師若しくは歯科医師でなければなりません。
→ 「保険医」・「保険薬剤師」といいます。
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問9-ア】
厚生労働大臣により保険医療機関の指定を受けた病院及び病床を有する診療所は、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失うが、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の申請があったものとみなす。
【解答】
①【R6年問9-ア】 ×
保険医療機関・保険薬局の指定の効力は、指定の日から起算して6年です。6年を経過したときは、効力を失います。
ただし、「その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の申請があったものとみなす。」扱いがあります。ただし、この規定から、「病院又は病床を有する診療所」は除かれています。
この規定が適用されるのは、個人開業医です。
個人開業医については、「指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間」に、「更新しない」旨の申出をしなければ、保険医療機関の申請があったものとみなされ、指定が更新されます。
(法第68条)
②【R6年問9-イ】
厚生労働大臣による保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるときは、厚生労働大臣は、保険医療機関又は保険薬局の指定をしないことができるが、厚生労働大臣は、指定をしないこととするときは、地方社会保険医療協議会の議を経なければならない。
【解答】
②【R6年問9-イ】 〇
・ 厚生労働大臣による保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行われます。
(法第65条第1項)
・ 厚生労働大臣は、申請があった場合、法第65条第3項第1号~第6号のいずれかに該当するときは、指定をしないことができます。
「申請に係る病院若しくは診療所又は薬局が、保険医療機関又は保険薬局の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないものであるとき」は、第1号に該当しますので、厚生労働大臣は、保険医療機関又は保険薬局の指定をしないことができます。
(法第65条第3項第1号)
・ 厚生労働大臣は、指定をしないこととするときは、「地方社会保険医療協議会」の議を経なければならないとされています。「中央社会保険医療協議会」と間違えないようにしてください。
(法第67条)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
厚生労働大臣は、保険医療機関又は保険薬局の指定の申請があった場合において、当該申請に係る病院若しくは診療所又は薬局の開設者又は管理者が、健康保険法その他国民の保健医療に関する法律で、政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるときは、その指定をしないことができる。
【解答】
①【R1年出題】 〇
問題文は、法第65条第3項第3号に該当しますので、厚生労働大臣は、指定をしないことができます。
②【H29年出題】
保険医療機関又は保険薬局は、14日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができ、保険医又は保険薬剤師は、14日以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。
【解答】
②【H29年出題】 ×
予告期間は、14日以上ではなく「1月以上」です。
法第79条 ① 保険医療機関又は保険薬局は、1月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。 ② 保険医又は保険薬剤師は、1月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができる。 |
③【H29年出題】
厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。
【解答】
③【H29年出題】 〇
<地方社会保険医療協議会に諮問する>(法第82条第2項)
・保険医療機関、保険薬局の指定
・保険医療機関、保険薬局の指定の取り消し
・保険医、保険薬剤師の登録の取り消し
<地方社会保険医療協議会の議を経なければならない>(法第67条、第71条)
・保険医療機関、保険薬局の指定をしない
・病床の全部若しくは一部を除いて指定(指定の変更を含む。)
・保険医、保険薬剤師の登録をしない
④【R2年選択式】
健康保険法第82条第2項の規定によると、厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局に係る同法第63条第3項第1号の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る第64条の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、< A >ものとされている。
<選択肢>
① 中央社会保険医療協議会に諮問する
② 地方社会保険医療協議会に諮問する
③ 社会保障審議会の意見を聴く
④ 都道府県知事の意見を聴く
【解答】
<A> ②地方社会保険医療協議会に諮問する
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R7-120 12.25
和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、健康保険法の択一式です。
日雇特例被保険者の保険者は、「全国健康保険協会」のみです。
条文を読んでみましょう。
第123条 ① 日雇特例被保険者の保険の保険者は、全国健康保険協会とする。 ② 日雇特例被保険者の保険の保険者の業務のうち、日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。 |
★ 日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収は、「厚生労働大臣」が行います。
では、「日雇拠出金」について条文を読んでみましょう。
第173条 (日雇拠出金の徴収及び納付義務) ① 厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収するほか、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合(以下「日雇関係組合」という。)から拠出金を徴収する。 ② 日雇関係組合は、「日雇拠出金」を納付する義務を負う。 |
日雇関係組合 ・日雇特例被保険者を使用する 事業主の設立する健康保険組合 | →→→→→→→→→ 日雇拠出金 | 厚生労働大臣 |
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用に充てるため、「保険料の徴収」と、「日雇関係組合から拠出金の徴収」を行います。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問2-E】
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等、介護納付金並びに流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用を含む。)に充てるため、健康保険法第155条の規定により保険料を徴収するほか、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金を徴収する。
【解答】
【R6年問2-E】 〇
厚生労働大臣は、日雇特例被保険者に係る健康保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収し、毎年度、日雇特例被保険者を使用する事業主の設立する健康保険組合から拠出金を徴収します。
過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
日雇特例被保険者の保険の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合である。
【解答】
①【H21年出題】 ×
日雇特例被保険者の保険の保険者は、「全国健康保険協会」のみです。
②【R1年出題】
日雇特例被保険者の保険の保険者の業務のうち、日雇特例被保険者手帳の交付、日雇特例被保険者に係る保険料の徴収及び日雇拠出金の徴収並びにこれらに附帯する業務は、全国健康保険協会が行う。
【解答】
②【R1年出題】 ×
全国健康保険協会ではなく「厚生労働大臣」が行います。
③【R4年出題】
日雇特例被保険者が、同日において、午前にA健康保険組合管掌健康保険の適用事業所で働き、午後に全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所で働いた。この場合の保険料の納付は、各適用事業所から受ける賃金額により、標準賃金日額を決定し、日雇特例被保険者が提出する日雇特例被保険者手帳に適用事業所ごとに健康保険印紙を貼り、これに消印して行われる。
【解答】
③【R4年出題】 ×
事業主は、日雇特例被保険者を使用する日ごとに、その者及び自己の負担すべきその日の標準賃金日額に係る保険料を納付する義務を負います。
ただし、日雇特例被保険者が1日に2以上の事業所に使用される場合は、初めにその者を使用する事業主が、保険料を納付する義務を負います。
問題文の場合は、午前と午後で2か所の事業所に使用されていますが、午前に働いた適用事業所(初めにその者を使用する事業主)から受ける賃金額で標準賃金日額を決定し、保険料の納付も、午前に働いた適用事業所(初めにその者を使用する事業主)が健康保険印紙を貼り、消印して行います。
(第169条第2項、第3項)
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R7-119 12.24
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労働に関する一般常識の択一式です。
令和6年は、「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)(事業所調査)(厚生労働省)」から出題されました。
※なお、令和6年7月25日に、「令和5年」の結果が公表されています。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問1-A】
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は6割を超えている。このうち、対策に取り組んでいる事業所の取組内容(複数回答)をみると、「ストレスチェックの実施」の割合が最も多く、次いで「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」となっている。
【解答】
①【R6年問1-A】 〇
<メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合>
令和5年調査では63.8%(令和4年調査63.4%)ですので、6割を超えています。
<事業所の取組内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「ストレスチェックの実施」です。
(令和5年調査65.0%、令和4年調査63.1%)
・次は、「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」です。
(令和5年調査49.6%、令和4年調査53.6%)
②【R6年問1-B】
過去1年間(令和3年11月1日から令和4年10月31日までの期間)に一般健康診断を実施した事業所のうち所見のあった労働者がいる事業所の割合は約7割となっている。このうち、所見のあった労働者に講じた措置内容(複数回答)をみると、「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」の割合が最も多くなっている。
【解答】
②【R6年問1-B】 〇
<過去1年間に一般健康診断を実施した事業所のうち所見のあった労働者がいる事業所の割合>
・約7割(令和4年調査69.8%)です。
<所見のあった労働者に講じた措置内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」です。(令和4年調査45.3%)
③【R6年問1-C】
傷病(がん、糖尿病等の私傷病)を抱えた何らかの配慮を必要とする労働者に対して、治療と仕事を両立できるような取組がある事業所の割合は約6割となっている。このうち、取組内容(複数回答)をみると、「通院や体調等の状況に合わせた配慮、措置の検討(柔軟な労働時間の設定、仕事内容の調整)」の割合が最も多く、次いで「両立支援に関する制度の整備(年次有給休暇以外の休暇制度、勤務制度等)」となっている。
【解答】
③【R6年問1-C】 〇
<治療と仕事を両立できるような取組がある事業所の割合>
・約6割(令和4年調査 58.8%)です。
<取組内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「通院や体調等の状況に合わせた配慮、措置の検討(柔軟な労働時間の設定、仕事内容の調整)」です。(令和4年調査 86.4%)
・次が「両立支援に関する制度の整備(年次有給休暇以外の休暇制度、勤務制度等)」です。(令和4年調査 35.9%)
④【R6年問1-D】
傷病(がん、糖尿病等の私傷病)を抱えた労働者が治療と仕事を両立できるような取組がある事業所のうち、取組に関し困難や課題と感じていることがある事業所の割合は約8割となっている。このうち、困難や課題と感じている内容(複数回答)をみると、「上司や同僚の負担」の割合が最も多く、次いで「代替要員の確保」となっている。
【解答】
④【R6年問1-D】 ×
<治療と仕事を両立できるような取組がある事業所のうち、取組に関し困難や課題と感じていることがある事業所の割合>
・約8割(令和4年調査 81.8%)です。
<困難や課題と感じている内容(複数回答)>
・最も割合が多いのは、「代替要員の確保」です。(令和4年調査 77.2%)
・次が「上司や同僚の負担」です。(令和4年調査 51.2%)
⑤【R6年問1-E】
転倒災害を防止するための対策に取り組んでいる事業所の割合は8割を超えている。このうち、転倒災害防止対策の取組内容(複数回答)をみると、「通路、階段、作業場所等の整理・整頓・清掃の実施」の割合が最も多く、次いで「手すり、滑り止めの設置、段差の解消、照度の確保等の設備の改善」となっている。
【解答】
⑤【R6年問1-E】 〇
<転倒災害を防止するための対策に取り組んでいる事業所の割合>
・8割を超えています。(令和4年調査 84.6%)
<転倒災害防止対策の取組内容(複数回答)>
最も割合が多いのは、「通路、階段、作業場所等の整理・整頓・清掃の実施」です。
(令和4年調査 85.4%)
次が、「手すり、滑り止めの設置、段差の解消、照度の確保等の設備の改善」です。
(令和4年調査 56.6%)
<参照>
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R7-118 12.23
YouTubeで「死亡一時金」についてお話ししました。
今日の内容です。
・死亡一時金の支給要件 → キーワードは36月
・死亡一時金が支給されないのは、どんなとき? → (ヒントは掛け捨てにならない)
・死亡一時金の遺族となるのは? → 生計維持と生計同一の違いもポイントです
・死亡一時金の額(最低と最高は覚えましょう)
・付加保険料を納付していた場合の加算
・死亡一時金と寡婦年金の両方の要件を満たしたとき
・死亡一時金と遺族厚生年金は併給できる?
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R7-117 12.22
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月16日から21日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
寡婦年金についてお話しします(国民年金法)
労働基準法の適用単位(労働基準法)
複数事業労働者の休業(補償)等給付について(労災保険法)
自己の労働によって収入を得た場合(雇用保険法)
偽りその他不正の行為により支給を受けた場合(雇用保険法)
追徴金の額・納期限など(労働保険徴収法)
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R7-116 12.21
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労働保険徴収法の択一式です。
「追徴金」について条文を読んでみましょう。
法第21条第1項、2項 (追徴金) ① 政府は、事業主が認定決定された確定保険料又は不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合は、この限りでない。 ② 認定決定された確定保険料又はその不足額が1,000円未満であるときは、追徴金を徴収しない。
法第25条第1項、2項 ① 事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 ② 事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、①により認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の100分の25に相当する額の追徴金を徴収する。ただし、納付を怠った印紙保険料の額が1,000円未満であるときは、この限りでない。 |
★追徴金が徴収される場合
確定保険料の額を認定決定した場合 | 100分の10 |
印紙保険料の額を認定決定した場合 | 100分の25 |
※「概算保険料の額」を認定決定した場合は、追徴金は徴収されません。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問10-E(雇用)】
労働保険徴収法第21条の規定により追徴金を徴収しようとする場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、事業主が通知を受けた日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、納入告知書により、事業主に当該追徴金の額、その算定の基礎となる事項及び納期限を通知しなければならない。
【解答】
【R6年問10-E(雇用)】 ×
追徴金の納期限は、「事業主が通知を受けた日」から起算して30日ではなく「通知を発する日から起算して30日を経過した日」です。
また、追徴金は、「納付書」ではなく「納入告知書」で通知することもポイントです。
(法第21条第3項、則第26条)
★認定決定された保険料の納期限について
認定決定された概算保険料(納付書) | その通知を受けた日から15日以内 |
認定決定された確定保険料(納入告知書) |
過去問をどうぞ!
①【H26年出題(雇用)】
事業主が、所定の期限までに概算保険料申告書を提出しなかったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官より納付すべき労働保険料の額の通知を受けたときは、当該事業主は、通知された労働保険料の額及び当該保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を納付しなければならない。
【解答】
①【H26年出題(雇用)】 ×
認定決定された概算保険料については、追徴金は徴収されません。
②【R4年出題(労災)】
事業主が所定の納期限までに確定保険料申告書を提出したが、当該事業主が法令の改正を知らなかったことによりその申告書の記載に誤りが生じていると認められるとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官が正しい確定保険料の額を決定し、その不足額が1,000円以上である場合には、労働保険徴収法第21条に規定する追徴金が徴収される。
【解答】
②【R4年出題(労災)】 〇
以下の場合は、追徴金は徴収されません。
■事業主が天災その他やむを得ない理由により、認定決定された確定保険料又はその不足額を納付しなければならなくなった場合
■認定決定された確定保険料又はその不足額が1,000円未満であるとき
→「天災その他やむを得ない理由」とは、地震、火災、洪水、暴風雨等不可抗力的なできごと及びこれに類する真にやむを得ない客観的な事故をいいます。「法令の不知、営業の不振、資金難等」は含まれません。
問題文のように「事業主が法令の改正を知らなかった」場合は、追徴金が徴収されます。
③【H28年出題(雇用)】
事業主は、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10に相当する追徴金を徴収される。
【解答】
③【H28年出題(雇用)】 ×
追徴金は、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10ではなく「100分の25」です。
④【H25年出題(雇用)】
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
【解答】
④【H25年出題(雇用)】 〇
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、「納入告知書」によって行われます。
(法第25条、則第38条第5項)
⑤【H28年出題(雇用)】
印紙保険料を所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定したときは、納付すべき印紙保険料については、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)に納付することはできず、所轄都道府県労働局収入官吏に現金で納付しなければならない。
【解答】
⑤【H28年出題(雇用)】 ×
認定決定された印紙保険料と追徴金は、雇用保険印紙ではなく、日本銀行又は所轄都道府県労働局収入官吏に「現金」で納付します。日本銀行に納付することもできます。
(則第38条第3項第2号)
⑥【H26年出題(雇用)】
所轄都道府県労働局歳入徴収官は、追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促するが、当該事業主は、その指定した期限までに納付しない場合には、未納の追徴金の額につき、所定の割合に応じて計算した延滞金を納付しなければならない。
【解答】
⑥【H26年出題(雇用)】 ×
追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促します。ただし、追徴金については、延滞金は徴収されません。
(法第27条、第28条)
条文を読んでみましょう。
法第27条第1項 労働保険料その他この法律の規定による徴収金(→追徴金も含まれます)を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。 法第28条 政府は、労働保険料(→追徴金は含まれません)の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。 |
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R7-115 12.20
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、雇用保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
法第34条第1項、2項 ① 偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、基本手当を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、基本手当の全部又は一部を支給することができる。 ② ①に規定する者が①に規定する日以後新たに受給資格を取得した場合には、その新たに取得した受給資格に基づく基本手当を支給する。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-オ】
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者にやむを得ない理由がある場合、基本手当の全部又は一部を支給することができる。
【解答】
【R6年問5-オ】 〇
基本手当は、「求職者給付」の中の一つです。
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けた者には、基本手当の支給を受けた日以後、基本手当を支給しないのが原則です。ただし、やむを得ない理由がある場合には、基本手当の全部又は一部を支給することができるとされています。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
偽りその他不正な行為により就職促進給付を受けたことにより処分を受けた者が、給付を受けた日以後新たに受給資格を取得した場合には、その受給資格に基づく就職促進給付を受けることができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第60条第1項、第2項 ① 偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、就職促進給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、就職促進給付の全部又は一部を支給することができる。 ② ①に規定する者が①に規定する日以後新たに受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した場合には、その受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格に基づく就職促進給付を支給する。 |
②【H25年出題】
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けようとした者には、やむを得ない理由がある場合を除き、当該基本手当の支給を受けようとした日から起算して1か月に限り、基本手当を支給しない。
【解答】
②【H25年出題】 ×
偽りその他不正の行為により基本手当の支給を受けようとした者には、やむを得ない理由がある場合を除き、「以後、基本手当を支給しない」となります。「1か月に限り」は誤りです。
(法第34条)
③【R2年出題】
不正な行為により基本手当の支給を受けようとしたことを理由として基本手当の支給停止処分を受けた場合であっても、その後再就職し新たに受給資格を取得したときには、当該新たに取得した受給資格に基づく基本手当を受けることができる。
【解答】
③【R2年出題】 〇
再就職し新たに受給資格を取得したときには、新たに取得した受給資格に基づく基本手当は支給されます。
(法第34条第2項)
④【R2年出題】
偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金の給付制限を受けた者は、当該被保険者がその後離職した場合に当初の不正の行為を理由とした基本手当の給付制限を受けない。
【解答】
④【R2年出題】 〇
条文を読んでみましょう
法第61条の3 偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年齢雇用継続給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、当該高年齢雇用継続給付の全部又は一部を支給することができる。 (1) 高年齢雇用継続基本給付金 → 高年齢雇用継続基本給付金 (2) 高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付若しくは就職促進給付 → 高年齢再就職給付金 |
偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金を受けた者は、受けた日以後高年齢雇用継続基本給付金は支給されません。
偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金の給付制限を受けた被保険者が、その後離職した場合、当初の不正の行為を理由とした基本手当の給付制限は受けません。
(法第34条)
⑤【H22年出題】
不正な行為により基本手当の支給を受けたとして、基本手当に係る支給停止処分を受けた受給資格者は、やむを得ない理由がない限り、60歳に達した日以後、当該受給資格に基づく基本手当の支給日数を100日以上残して安定した職業に就いたとしても、高年齢再就職給付金の支給を受けることはできない。
【解答】
⑤【H22年出題】 〇
不正な行為により「高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付若しくは就職促進給付」の支給を受けた者には、以後、高年齢再就職給付金は支給されません。
問題文の場合は、不正な行為により基本手当の支給を受けていますので、60歳に達した日以後、当該受給資格に基づく基本手当の支給日数を100日以上残して安定した職業に就いたとしても、高年齢再就職給付金の支給を受けることはできません。
(法第61条の3第2号)
⑥【R3年出題】
偽りその他不正の行為により教育訓練給付金の支給を受けたことから教育訓練給付金を受けることができないとされた者であっても、その後新たに教育訓練給付金の支給を受けることができるものとなった場合には、教育訓練給付金を受けることができる。
【解答】
⑥【R3年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
法第60条の3 ① 偽りその他不正の行為により教育訓練給付金の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付金の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、教育訓練給付金の全部又は一部を支給することができる。 ② ①の規定により教育訓練給付金の支給を受けることができない者とされたものが、①に規定する日以後、新たに教育訓練給付金の支給を受けることができる者となった場合には、教育訓練給付金を支給する。 |
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R7-114 12.19
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、雇用保険法の択一式です。
「自己の労働によって収入を得た」場合について、条文を読んでみましょう。
法第19条第1項、第3項 (基本手当の減額) ① 受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合には、その収入の基礎となった日数(以下「基礎日数」という。)分の基本手当の支給については、次に定めるところによる。 ① 「収入の1日分に相当する額-控除額」+「基本手当の日額」(=「合計額」) → 「合計額」が賃金日額の100分の80以下の場合 → 基本手当の日額に基礎日数を乗じて得た額を支給する。(減額されません) ② 「合計額」が賃金日額の100分の80に相当する額を超えるとき → その超える額(超過額)を基本手当の日額から控除した残りの額×基礎日数を支給する。(減額されます) ③ 超過額が基本手当の日額以上の場合 → 基礎日数分の基本手当を支給しない。(基礎日数分の基本手当は支給されません)
③ 受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によって収入を得たときは、厚生労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。 |
※「控除額」は、令和6年8月1日以後、1,331円→ 1,354円に引き上げられています。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-ア】
基本手当の受給資格者が自己の労働によって収入を得た場合、当該収入が基本手当の減額の対象とならない額であっても、これを届け出なければ不正の行為として取り扱われる。
【解答】
【R6年問5-ア】 ×
自己の労働によって収入を得たときは、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければなりません。
管轄公共職業安定所の長は、届出をしない受給資格者について、自己の労働による収入があったかどうかを確認するために調査を行う必要があると認めるときは、失業の認定日において失業の認定をした日分の基本手当の支給の決定を次の基本手当を支給すべき日(以下「支給日」という。)まで延期することができることになっています。
「これを届け出なければ不正の行為として取り扱われる」という規定はありません。
(則第29条第2項)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
失業の認定に係る期間中に得た収入によって基本手当が減額される自己の労働は、原則として1日の労働時間が4時間未満のもの(被保険者となる場合を除く。)をいう。
【解答】
①【R1年出題】 〇
自己の労働による収入とは短時間就労による収入で、原則として1日の労働時間が 4時間未満のもの(被保険者となる場合を除く。)で、就職とはいえない程度のものをいいます。(雇用関係の有無は問われません)。また「自己の労働による収入」ですので、衣服、家具等を売却して得た収入、預金利息等は含みません。
(行政手引51652(2))
②【H26年出題】
受給資格者が失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合、その収入の1日分に相当する額に雇用保険法第19条第2項に定める額を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の100分の80に相当する額を超えないときは、基本手当の日額に100分の80を乗じ、基礎日数を乗じて得た額を支給する。
【解答】
②【H26年出題】 ×
その収入の1日分に相当する額から控除額を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の100分の80に相当する額を超えないときは、基本手当は減額されません。
「基本手当の日額に100分の80を乗じ」ではなく、「基本手当の日額」に基礎日数を乗じて得た額が支給されます。
③【H26年出題】
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得たときは、収入を得るに至った日の後における最初の失業の認定日に、管轄公共職業安定所長にその収入の額を届け出なければならない。
【解答】
③【H26年出題】 〇
条文で確認しましょう。
則第29条 ① 受給資格者が自己の労働によって収入を得た場合に行う届出は、その者が自己の労働によって収入を得るに至った日の後における最初の失業の認定日に、失業認定申告書により管轄公共職業安定所の長にしなければならない。 ② 管轄公共職業安定所の長は、届出をしない受給資格者について、自己の労働による収入があったかどうかを確認するために調査を行う必要があると認めるときは、失業の認定日において失業の認定をした日分の基本手当の支給の決定を次の基本手当を支給すべき日まで延期することができる。 |
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R7-113 12.18
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労災保険法の択一式です。
■複数事業労働者の給付基礎日額の算定方法を確認しましょう。
法第8条第3項 複数事業労働者の業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は複数事業労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡により、当該複数事業労働者、その遺族その他厚生労働省令で定める者に対して保険給付を行う場合における給付基礎日額は、当該複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額を基礎として、厚生労働省令で定めるところによって政府が算定する額とする。 |
複数事業労働者の給付基礎日額は、複数の就業先ごとに算定した給付基礎日額に相当する額を合算した額となります。
■「部分算定日」定義を確認しましょう。
★療養のために所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日
★賃金が支払われる休暇(有給休暇、通勤手当・住宅手当等が支給される休業日)
例えば、給付基礎日額が10,000円、午前中の労働に対する賃金が4,000円の場合、休業(補償)等給付の額は以下の式で計算します。
(10,000円-4,000円)×60%=3,600円
・(給付基礎日額-部分算定日に対して実際に支払われた賃金)×60%です。
「複数事業労働者」についての通達を確認しましょう。
<複数事業労働者に係る休業(補償)等給付の支給要件について>
(1) 休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付(以下「休業(補償)等給付」という。)の給付事由
①「療養のため」
②「労働することができない」ために
③「賃金を受けない日」という3要件を満たした日の
第4日目から支給されます。
(2) 「労働することができない」とは
必ずしも負傷直前と同一の労働ができないという意味ではなく、一般的に働けないことをいいます。したがって、軽作業に就くことによって症状の悪化が認められない場合、あるいはその作業に実際に就労した場合には、給付の対象とはなりません。 |
★複数事業労働者について
複数就業先における全ての事業場における就労状況等を踏まえて、休業(補償)等給付に係る支給の要否を判断する必要があります。
→ 例えば、複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労した場合には、原則、「労働することができない」とは認められないことから、「賃金を受けない日」に該当するかの検討を行う必要はなく、休業(補償)等給付に係る保険給付については不支給決定となります。
→ ただし、複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労しているものの、他方の事業場において通院等のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがあります。
(3) 「賃金を受けない日」について
「賃金を受けない日」には、賃金の全部を受けない日と一部を受けない日があります。 →賃金の一部を受けない日とは ① 所定労働時間の全部について「労働することができない」場合で、平均賃金の 60%未満の金額しか受けない日 ② 通院等のため所定労働時間の一部について「労働することができない」場合で、当該一部休業した時間について全く賃金を受けないか、又は「平均賃金と実労働時間に対して支払われる賃金との差額の60%未満の金額」しか受けない日 |
★複数事業労働者については
複数の就業先のうち、一部の事業場において、年次有給休暇等により当該事業場における平均賃金相当額(複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した平均賃金に相当する額をいう。)の60%以上の賃金を受けることにより賃金を受けない日に該当しない状態でありながら、他の事業場において、傷病等により無給での休業をしているため、賃金を受けない日に該当する状態があり得ます。
したがって、複数事業労働者の休業(補償)等給付に係る「賃金を受けない日」の判断については、まず複数就業先における事業場ごとに行うこととされています。
その結果、一部の事業場でも賃金を受けない日に該当する場合には、当該日は「賃金を受けない日」に該当するものとして取り扱うこととなっています。
一方、全ての事業場において賃金を受けない日に該当しない場合は、当該日は「賃金を受けない日」に該当せず、保険給付を行わないこととなっています。
(令和3年3月18日/基管発0318第1号/基補発0318第6号/基保発0318第1号/)
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問4-A】
休業補償給付が支給される三要件のうち「労働することができない」に関して、業務災害に被災した複数事業労働者が、現に一の事業場において労働者として就労しているものの、他方の事業場において当該業務災害に係る通院のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない場合には、「労働することができない」に該当すると認められることがある。
【解答】
①【R6年問4-A】 〇
A社では労働者として就労している。しかし、B社では業務災害に係る通院のため、所定労働時間の全部又は一部について労働することができない。
→「労働することができない」に該当すると認められることがある。
②【R6年問4-B】
休業補償給付が支給される三要件のうち「賃金を受けない日」に関して、被災した複数事業労働者については、複数の就業先のうち、一部の事業場において、年次有給休暇等により当該事業場における平均賃金相当額(複数事業労働者を使用する事業ごとに算定した平均賃金に相当する額をいう。)の60%以上の賃金を受けることにより「賃金を受けない日」に該当しない状態でありながら、他の事業場において、当該業務災害による傷病等により無給での休業をしているため、「賃金を受けない日」に該当する状態があり得る。
【解答】
②【R6年問4-B】 〇
A社では、年次有給休暇等により平均賃金相当額の60%以上の賃金を受けることにより「賃金を受けない日」に該当しない状態である。しかし、B社では無給での休業をしている
→ 「賃金を受けない日」に該当する状態があり得る。
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R7-112 12.17
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう
今日は、労働基準法の択一式です。
労働者の定義を条文で読んでみましょう。
第9条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 |
労働基準法の「労働者」は、「事業」に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。
「事業」のイメージです。
〇〇株式会社 | ||||
本社
|
|
工場 |
|
営業所 |
〇〇株式会社全体が事業となるのではなく、「本社」、「工場」、「営業所」それぞれが事業となります。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問2-ア】
労働基準法において一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定するが、例えば工場内の診療所、食堂等の如く同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区別され、かつ、主たる部門と切り離して適用を定めることによって労働基準法がより適切に運用できる場合には、その部門を一の独立の事業とするとされている。
【解答】
【R6年問2-ア】 〇
|
|
|
| 工 場 |
|
|
| 診療所 |
<原則>
・一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定する
→ 同一場所にあるものは原則として1個の事業とする
→ 場所的に分散しているものは原則として別個の事業とする
<例外>
・ 例えば工場内の診療所、食堂のように同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合は?
→ その部門を一の独立の事業とする
・ 場所的に分散しているものであっても、出張所や支社等で、一の事業という程度の独立性がないものは?
→ 直近上位の機構と一括して一の事業として取り扱う
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
労働基準法第9条にいう「事業」とは、経営上一体をなす支店、工場等を総合した全事業を指称するものであって、場所的観念によって決定されるべきものではない。
①【H26年出題】 ×
労働基準法第9条にいう「事業」とは、場所的観念によって決定されるべきものです。支店、工場等それぞれが事業となりますので、それぞれで労働基準法が適用されます。
②【H29年出題】
何ら事業を営むことのない大学生が自身の引っ越しの作業を友人に手伝ってもらい、その者に報酬を支払ったとしても、当該友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しないので、当該友人に労働基準法は適用されない。
【解答】
②【H29年出題】 〇
労働基準法の労働者は、「事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいいます。
事業とは、「工場、鉱山、事務所、店舗等の如く一定の場所において相関連する組織のもとに業として継続的に行われる作業の一体をいう」とされています。
何ら事業を営むことのない大学生が、引っ越しの作業を手伝ってもらった友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しません。
(昭22.9.13発基17号など)
③【R4年出題】
明確な契約関係がなくても、事業に「使用」され、その対償として「賃金」が支払われる者であれば、労働基準法の労働者である。
【解答】
③【R4年出題】 〇
事業に「使用」され、その対償として「賃金」が支払われる者は、労働基準法の労働者となります。
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R7-111 12.16
今日は寡婦年金についてお話ししています。
寡婦年金は「第1号被保険者」独自の給付です。
・死亡した夫の要件
・妻の要件
・寡婦年金の額の計算方法
・寡婦年金の失権 などがポイントです。
特に、「繰上げ支給の老齢基礎年金」との関係、「死亡一時金」との関係もよく出題されますので注意してください。
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R7-110 12.15
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月9日から14日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
合算対象期間の「基本」についてお話しします(国民年金法)
障害・遺族基礎年金と労働基準法の災害補償との調整(国民年金法)
保険料の督促・滞納処分、延滞金(厚生年金保険法)
産前産後休業中の保険料免除(厚生年金保険法)
標準報酬月額の最高等級(厚生年金保険法)
未支給の保険給付(厚生年金保険法)
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R7-109 12.14
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第37条第1項、3項~5項 (未支給の保険給付) ① 保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の3親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。 ③ 死亡した受給権者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときは、①に規定する者は、自己の名で、その保険給付を請求することができる。 ④ 未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、政令で定める。 ⑤ 未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。 |
★ 年金は、後払い(例えば、12月に支給される年金は10月分と11月分です)で、受給権が消滅した月まで支給されます。
そのため、年金の受給権者が死亡した場合は、必ず未支給の年金が発生します。
★ 国民年金との違い
厚生年金保険法は「未支給の保険給付」
→ 「死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったもの」ですので、年金だけでなく一時金も対象です。
国民年金法は「未支給年金」
→ 「死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったもの」となりますので、「年金」だけが対象です。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問8-D】
未支給の保険給付の支給を請求できる遺族として、死亡した受給権者とその死亡の当時生計を同じくしていた妹と祖父がいる場合、祖父が先順位者になる。
【解答】
【R6年問8-D】 〇
未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、「死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の3親等内の親族の順序」とされています。妹と祖父がいる場合は、祖父が先順位者になります。
(令第3条の2)
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
保険給付の受給権者が死亡し、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときにおいて、未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対しての支給は、全員に対してしたものとみなされる。
【解答】
①【R4年出題】 〇
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、そのうち1人が代表で請求します。
②【H23年出題】
保険給付の受給権者の死亡に係る未支給の保険給付がある場合であって、当該未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、当該同順位者の数で按分した額をそれぞれに支給する。
【解答】
②【H23年出題】 ×
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、同順位者の数で按分した額をそれぞれに支給するのではなく、代表の者に全額支給されます。
③【H26年出題】
脱退一時金を請求した者が、当該脱退一時金を受給する前に死亡した場合、一定の遺族は未支給の脱退一時金を請求することができる。
【解答】
③【H26年出題】 〇
脱退一時金も未支給の保険給付の請求の対象となります。
(法附則第29条第9項)
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R7-108 12.13
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
法第20条第2項 毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-A】
令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限について、政令によって読み替えて法の規定を適用することとされており、変更前の最高等級である第31級の上に第32級が追加された。第32級の標準報酬月額は65万円である。
【解答】
【R6年問7-A】 〇
令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限は、「第32級」です。第32級の標準報酬月額は65万円です。
「平成28年3月以降、全厚生年金被保険者の平均標報の2倍が、当時の最高等級(第31級:62万円)を超える状況が続き、令和2年3月末においても、全厚生年金被保険者の平均標報の2倍が62万円を超えていたことから、令和2年9月より、政令改正により標準報酬月額の上限を引き上げる(第32級(65万円)を加える)こととした。」とされています。
(厚生労働省ホームページより)
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】※改正による修正あり
厚生年金保険の標準報酬月額は標準報酬月額等級の第1級88,000円から第32級650,000円まで区分されており、この等級区分については毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の4月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができるのは、その年の4月1日からではなく、その年の9月1日からです。
②【R5年出題】
毎年12月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行わなければならない。
【解答】
②【R5年出題】 ×
「毎年12月31日」ではなく「毎年3月31日」における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、「その年の9月1日から」、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の「改定を行わなければならない」ではなく、「改定を行うことができる。」です。
<比較>健康保険法の条文も読んでみましょう。
法第40条第2項、第3項 ② 毎年3月31日における標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の被保険者総数に占める割合が100分の1.5を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日から、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。ただし、その年の3月31日において、改定後の標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の同日における被保険者総数に占める割合が100分の0.5を下回ってはならない。 ③ 厚生労働大臣は、政令の制定又は改正について立案を行う場合には、社会保障審議会の意見を聴くものとする。 |
健康保険法の標準報酬月額の上限は、「第50等級1,390,000円」で、全被保険者に対する上限該当者の割合は、0.79%です。
(厚生労働省ホームページより)
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R7-107 12.12
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第81条の2の2(産前産後休業期間中の保険料の徴収の特例) ① 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間に係るものの徴収は行わない。 ② 第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る保険料について、①の規定を適用する場合においては、「被保険者が使用される事業所の事業主」とあるのは、「被保険者」とする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問7-E】
産前産後休業をしている被保険者に係る保険料については、事業主負担分及び被保険者負担分の両方が免除される。
【解答】
【R6年問7-E】 〇
事業主負担分と被保険者負担分の両方が免除されます。
過去問をどうぞ!
①【R4年選択式】
厚生年金保険法第81条の2の2第1項の規定によると、産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、同法第81条第2項の規定にかかわらず当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を< A >からその産前産後休業が< B >までの期間に係るものの徴収は行わないとされている。
【解答】
<A> 開始した日の属する月
<B> 終了する日の翌日が属する月の前月
②【H29年出題】
産前産後休業期間中の保険料の免除の申出は、被保険者が第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者である場合には当該被保険者が使用される事業所の事業主が、また第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者である場合には当該被保険者本人が、主務省令で定めるところにより実施機関に行うこととされている。
【解答】
②【H29年出題】 〇
産前産後休業期間中の保険料の免除の申出について
・第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者
→ 当該被保険者が使用される事業所の事業主が行う
・第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者
→ 被保険者本人が行う
③【H30年出題】
産前産後休業期間中の保険料の免除の適用を受ける場合、その期間中における報酬の支払いの有無は問われない。
【解答】
③【H30年出題】 〇
産前産後休業期間中の報酬の支払いの有無は問われません。
④【R1年出題】
適用事業所の事業主は、第1号厚生年金被保険者であって、産前産後休業期間中や育児休業期間中における保険料の免除が適用されている者に対して、当該休業期間中に賞与を支給した場合は、賞与額の届出を行わなければならない。
【解答】
④【R1年出題】 〇
産前産後休業期間中や育児休業期間中の保険料の免除が適用されている者に対して、賞与を支給した場合でも、賞与額の届出は必要です。
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R7-106 12.11
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
督促と延滞金を図でイメージしましょう。
納期限 ▼ |
| 督促状 ▼ |
| 督促状の指定期限 ▼ |
| 完納 ▼ | |
|
| 10日以上経過した日 |
|
| |||
納期限の翌日 |
|
|
|
|
| 完納又は財産差押えの日の前日 | |
条文を読んでみましょう。
法第86条 (保険料等の督促及び滞納処分) ① 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、繰上徴収により保険料を徴収するときは、この限りでない。 ② 督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ③ 督促状は、納付義務者が、健康保険法第180条の規定によって督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。 ④ 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。 ⑤ 厚生労働大臣は、納付義務者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができる。 (1) 督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないとき。 (2) 納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。 ⑥ 市町村は、処分の請求を受けたときは、市町村税の例によってこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
法第87条 (延滞金) ① 督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から3月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。 (1) 保険料額が1000円未満であるとき。 (2) 納期を繰り上げて徴収するとき。 (3) 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によって督促したとき。 ② 保険料額の一部につき納付があったときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる保険料は、その納付のあった保険料額を控除した金額による。 ③ 延滞金を計算するにあたり、保険料額に1000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 ④ 督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は延滞金の額が100円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。 ⑤ 延滞金の金額に100円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 |
※延滞税特例基準割合(1.4%)に基づく令和6年中の延滞金の割合は以下の通りです。
・納期限の翌日から3月を経過する日までの期間 → 年2.4%
・納期限の翌日から3月を経過する日の翌日以後 → 年8.7%
では、令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問2-B】
厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われたときは、原則として延滞金が徴収されるが、納付義務者の住所及び居所がともに明らかでないため公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されない。
【解答】
①【R6年問2-B】 〇
公示送達の方法によって督促したときは、延滞金は徴収されません。
②【R6年問2-C】
厚生年金保険の保険料を滞納した者に対して督促が行われた場合において、督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した金額が1,000円未満であるときは、延滞金は徴収しない。
【解答】
②【R6年問2-C】 ×
厚生年金保険法第87条第1項から第3項までの規定によって計算した額(=延滞金の金額)が1,000円未満ではなく「100円未満」であるときは、延滞金は徴収されません。
③【R6年問2-D】
保険料の納付の督促を受けた納付義務者がその指定の期限までに保険料を納付しないときは、厚生労働大臣は、自ら国税滞納処分の例によってこれを処分することができるほか、納付義務者の居住地等の市町村(特別区を含む。以下本肢において同じ。)に対して市町村税の例による処分を請求することもできる。後者の場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
【解答】
③【R6年問2-D】 ×
納付義務者の居住地等の市町村に対して市町村税の例による処分を請求した場合、厚生労働大臣は徴収金の100分の5ではなく「100分の4」に相当する額を当該市町村に交付しなければなりません。
④【R6年問2-E】
滞納処分等を行う徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから厚生労働大臣が任命する。
【解答】
④【R6年問2-E】 ×
徴収職員は、滞納処分等に係る法令に関する知識並びに実務に必要な知識及び能力を有する日本年金機構の職員のうちから、厚生労働大臣の認可を受けて、日本年金機構の理事長が任命する、とされています。
(第100条の6第2項)
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R7-105 12.10
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第36条第1項 障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給を停止する。
第41条第1項 遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止する。
第52条 寡婦年金は、当該夫の死亡について労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止する。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問3-B】
労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときにおける障害基礎年金並びに同法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときにおける遺族基礎年金又は寡婦年金については、6年間、その支給を停止する。
【解答】
【R6年問3-B】 〇
・ 労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときにおける障害基礎年金は、6年間、支給が停止されます。
・ 労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、遺族基礎年金又は寡婦年金については、6年間、支給が停止されます。
「労働基準法の障害補償(遺族補償)」との調整規定です。「労働者災害補償保険法の障害(補償)年金、遺族(補償)年金」ではありませんので注意しましょう。
過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
労働者災害補償保険法による遺族補償年金が支給されるときは、遺族基礎年金は全額が支給停止される。
【解答】
①【H20年出題】 ×
同一の支給事由で、労働者災害補償保険法による遺族補償年金と遺族基礎年金が支給されるときは、遺族補償年金が減額され、遺族基礎年金は全額支給されます。
(労災保険法別表第1)
同一事由で労災保険法から年金が支給されても、国民年金・厚生年金は、本人が保険料を負担していますので、減額されません。
労災保険の保険料は全額事業主負担ですので、同一事由で、労災保険の年金と国民年金・厚生年金が支給される場合は、労災保険の年金が減額されます。
②【H26年出題】
遺族基礎年金の受給権者が、同一の支給事由により労災保険法の規定による遺族補償年金の支給を受けることができる場合、遺族基礎年金は支給停止されない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
遺族基礎年金の受給権者が、同一の支給事由により労災保険法の規定による遺族補償年金の支給を受けることができる場合、労災保険法の遺族補償年金が減額され、遺族基礎年金は支給停止されません。
③【H20年出題】
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されない。
【解答】
③【H20年出題】 〇
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときは、障害補償年金が減額され、障害基礎年金は全額支給されます。
(労災保険法別表第1)
こちらの問題もどうぞ!
①【R1年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金を受給中である者が、労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、当該20歳前傷病による障害基礎年金は支給を停止する。
【解答】
①【R1年出題】 〇
「20歳前傷病による障害基礎年金」独自の支給停止事由です。
労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されます。
条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項、第2項 ① 第30条の4の規定による障害基礎年金(=20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するときは、その該当する期間、その支給を停止する。 (1) 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 (2)以下省略します ② (1)に規定する給付が、その全額につき支給を停止されているときは、支給停止されない。 |
②【H25年出題】
労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。
【解答】
②【H25年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるときは、その該当する期間、その支給が停止されます。
ただし、労働者災害補償保険法による年金たる給付の全額が支給停止されているときは、原則として、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されません。
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R7-104 12.09
合算対象期間の「基本」についてお話しします。
合算対象期間は「カラ期間」ともいわれます。
老齢基礎年金の受給資格期間の10年の計算には入りますが、 老齢基礎年金の「年金額」の計算には入らないからです。
合算対象期間の代表例で、よく出題される期間をみていきます。
・厚生年金保険等の加入期間のうち、合算対象期間になる期間
・日本国籍を有する者が海外に在住している期間のうち合算対象期間になる期間
・会社員、公務員の被扶養配偶者だった期間のうち合算対象期間になる期間
などです。
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R7-103 12.08
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年12月2日から7日までの動画の総集編です。
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☟
国民年金の任意加入被保険者についてお話しします(国民年金法)
労基法上の賃金の解釈(労働基準法)
全国健康保険協会の事業(健康保険法)
全国健康保険協会の一般保険料率(健康保険法)
基礎年金拠出金の算定(国民年金法)
国民年金基金の加入員(国民年金法)
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R7-102 12.07
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
国民年金基金には、「地域型国民年金基金」(地域型基金)と「職能型国民年金基金」職能型基金)があります。
国民年金基金の加入について条文を読んでみましょう。
第127条 (加入員) ① 第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。 ② 申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得するものとする。 ③ 加入員は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日((1)又は(4)に該当するに至ったときは、その日とし、(3)に該当するに至ったときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日とする。)に、加入員の資格を喪失する。 (1) 被保険者の資格を喪失したとき、又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者となったとき。 (2) 地域型基金の加入員にあっては、当該基金の地区内に住所を有する者でなくなったとき、職能型基金の加入員にあっては、当該事業又は業務に従事する者でなくなったとき。 (3) 保険料を納付することを要しないものとされたとき(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む。) (4) 農業者年金の被保険者となったとき。 (5) 当該基金が解散したとき。 ④ 加入員の資格を取得した月にその資格を喪失した者は、その資格を取得した日にさかのぼって、加入員でなかったものとみなす。 |
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6問2-エ】
国民年金基金の加入の申出をした者は、その申出をした日に、加入員の資格を取得するものとする。
【解答】
①【R6問2-エ】 〇
「申出をした日」(当日)に、加入員の資格を取得します。
②【R6問2-オ】
国民年金基金の加入員が、第1号被保険者の資格を喪失したときは、その被保険者の資格を喪失した日の翌日に、加入員の資格を喪失する。
【解答】
②【R6問2-オ】 ×
第1号被保険者の資格を喪失したときは、その被保険者の資格を「喪失した日」に、加入員の資格を喪失します。翌日喪失ではなく当日喪失です。
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
基金の加入員は、いつでも基金に申し出て、加入員の資格を喪失することができる。
【解答】
①【R3年出題】 ×
国民年金基金の加入は任意ですが、加入後に任意に資格を喪失することはできません。
②【H29年出題】
国民年金基金の加入員が第2号被保険者となったときは、その日に加入員の資格を喪失する。
【解答】
②【H29年出題】 〇
国民年金基金の加入員が第2号被保険者となったときは、その日に加入員の資格を喪失します。当日喪失がポイントです。
③【H29年出題】
国民年金基金の加入員が農業者年金の被保険者となったときは、その日に、加入員の資格を喪失する。
【解答】
③【H29年出題】 〇
国民年金基金の加入員が農業者年金の被保険者となったときは、その日に、加入員の資格を喪失します。当日喪失がポイントです。
④【H27年出題】
国民年金基金の加入員が、保険料免除の規定により国民年金保険料の全部又は一部の額について保険料を納付することを要しないものとされたときは、その月の初日に加入員の資格を喪失する。
【解答】
④【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員が、保険料を納付することを要しないものとされたときは、その月の初日に加入員の資格を喪失します。
⑤【R2年出題】
日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、その者が住所を有していた地区に係る地域型国民年金基金又はその者が加入していた職能型国民年金基金に申し出て、地域型国民年金基金又は職能型国民年金基金の加入者となることができる。
【解答】
⑤【R2年出題】 〇
任意加入被保険者のうち、次の者は、国民年金基金の加入員となることができます。
■ 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)
■ 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの
(法附則第5条第11項)
⑥【H29年出題】
日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、地域型国民年金基金の加入員となることができない。
【解答】
⑥【H29年出題】 ×
地域型国民年金基金の加入員となることができます。
「日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者」は、その者が住所を有していた地区に係る地域型国民年金基金又はその者が加入していた職能型国民年金基金に申し出て、地域型国民年金基金又は職能型国民年金基金の加入者となることができます。
⑦【H24年出題】
第1号被保険者が従事する職業において職能型国民年金基金が設立されている場合、当該被保険者は職能型国民年金基金に加入することとなり、地域型国民年金基金には加入できない。
【解答】
⑦【H24年出題】×
「第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。」となっていますので、地域型か職能型のどちらかを選択できます。
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R7-101 12.06
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金保険料を負担しませんが、第2号被保険者と第3号被保険者にも、基礎年金が支給されます。
第2号被保険者と第3号被保険者に支給される基礎年金の費用に充てるため、厚生年金保険の保険者は、基礎年金拠出金を負担します。
「基礎年金拠出金」について条文を読んでみましょう。
第91条の2 (基礎年金拠出金) ① 厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。 ② 実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。 ③ 財政の現況及び見通しが作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の実施者たる政府が負担し、又は実施機関たる共済組合等が納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。
第94条の3 基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。 ② 被保険者の総数並びに政府及び実施機関に係る被保険者の総数は、第1号被保険者、第2号被保険者及び第3号被保険者の適用の態様の均衡を考慮して、これらの被保険者のうち政令で定める者を基礎として計算するものとする。 ③ 実施機関たる共済組合等に係る基礎年金拠出金の納付に関し必要な事項は、政令で定める。 |
<基礎年金拠出金の計算式>
|
| 政府及び実施機関に係る被保険者の総数 (第2号被保険者+第3号被保険者) |
保険料・拠出金算定対象額
| × |
国民年金の被保険者の総数 |
★政府及び実施機関に係る被保険者の総数
■厚生年金保険の実施者たる政府 → 第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者+その被扶養配偶者である第3号被保険者
■実施機関たる共済組合等
・国家公務員共済組合連合会 → 第2号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者
・地方公務員共済組合連合会 → 第3号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者
・日本私立学校振興・共済事業団 → 第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問1-D】
基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。
【解答】
【R6問1-D】 〇
基礎年金拠出金の額は、「国民年金(1号、2号、3号)の被保険者数」と「第2号+第3号の被保険者数」の人数比で按分されます。
過去問をどうぞ!
①【R2年選択式】
国民年金法第94条の2第1項では、「厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。」と規定しており、同条第2項では、「< A >は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。」と規定している。
【解答】
①【R2年選択式】
<A> 実施機関たる共済組合等
★実施機関たる共済組合等の定義も確認しましょう。
「実施機関たる共済組合等」とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。
(法第5条第9項)
②【R4年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
【解答】
②【R4年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、「保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者」とされています。
納付者が対象ですので、「保険料全額免除」を受けている者や滞納している者は算入されません。
(令第11条の3)
③【R1年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者は、第1号被保険者数にあっては、保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者であり、第2号被保険者及び第3号被保険者にあってはすべての者である。
【解答】
③【R1年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者について
・第1号被保険者数 → 保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者
・第2号被保険者数 → 20歳以上60歳未満の者
・第3号被保険者数 → すべての者
となります。
第2号被保険者数は、すべての者ではなく、第1号被保険者の年齢の範囲に合わせて、「20歳以上60歳未満の者」です。
(令第11条の3)
④【H30年出題】
被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。
【解答】
④【H30年出題】 ×
国民年金保険料を納付しなければならないのは、第1号被保険者のみです。
第2号被保険者・第3号被保険者は、国民年金保険料を納付する必要はありません。
条文を読んでみましょう。
法第94条の6 第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間については、政府は、保険料を徴収せず、被保険者は、保険料を納付することを要しない。 |
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R7-100 12.05
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
全国健康保険協会の一般保険料率は、1000分の30から1000分の130までの範囲内で、支部被保険者を単位として協会が決定します。
支部被保険者を単位として決定する一般保険料率を「都道府県単位保険料率」といい、その支部被保険者に適用されます。
条文を読んでみましょう。
法第160条第5項 協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額、保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む。)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問3-オ】
協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額、保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む。)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、厚生労働大臣に届け出るものとする。
【解答】
【R6問3-オ】 ×
健康保険事業の収支の見通しを作成し、「厚生労働大臣に届け出る」ではなく、「公表するものとする。」です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において、支部被保険者を単位として協会が決定する。なお、支部被保険者とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。
【解答】
①【H26年出題】 〇
協会の一般保険料率は、「1,000分の30から1,000分の130までの範囲内」で、支部被保険者を単位として「協会」が決定します。支部被保険者とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいいます。
(法第160条第1項)
②【R4年出題】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、協会の理事長が当該変更に係る都道府県に所在する協会支部の支部長の意見を聴いたうえで、運営委員会の議を経なければならない。その議を経た後、協会の理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
【解答】
②【R4年出題】 〇
条文で確認しましょう。
「登場人物」に特に注意してください。
法第160条第6項~9項 ⑥ 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければならない。 ⑦ 支部長は、意見を求められた場合のほか、都道府県単位保険料率の変更が必要と認める場合には、あらかじめ、当該支部に設けられた評議会の意見を聴いた上で、理事長に対し、当該都道府県単位保険料率の変更について意見の申出を行うものとする。 ⑧ 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ⑨ 厚生労働大臣は、認可をしたときは、遅滞なく、その旨を告示しなければならない。 |
③【R1年出題】
全国健康保険協会は政府から独立した保険者であることから、厚生労働大臣は、事業の健全な運営に支障があると認める場合には、全国健康保険協会に対し、都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができるが、厚生労働大臣がその保険料率を変更することは一切できない。
【解答】
③【R1年出題】 ×
厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率を変更することができます。
条文を読んでみましょう。
法第160条第10項、11項 ⑩ 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における健康保険事業の収支の均衡を図る上で不適当であり、協会が管掌する健康保険の事業の健全な運営に支障があると認めるときは、協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。 ⑪ 厚生労働大臣は、協会が期間内に申請をしないときは、社会保障審議会の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。 |
④【H24年選択式】
1 全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、 < A >の範囲内において、都道府県に設置した各支部の被保険者を単位として < B >が決定する。その都道府県単位保険料率は、法に掲げる額に照らし、各事業年度において財政の均衡を保つことができるように設定される。そのため全国健康保険協会は、2年ごとに、< C >についての健康保険の事業の収支見通し等を作成し、その結果を公表することになっている。
2 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における< D >を図る上で不適当であり、全国健康保険協会が管掌する健康保険事業の健全な運営に支障があると認めるときは、全国健康保険協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更を申請すべきことを命ずることができる。厚生労働大臣は、全国健康保険協会が上記の期間内に申請をしないときは、< E >の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。
【解答】
④【H24年選択式】
<A>1,000分の30から1,000分の130
<B> 全国健康保険協会
<C> 翌事業年度以降5年間
<D> 健康保険事業の収支の均衡
<E> 社会保障審議会
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R7-099 12.04
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
条文を読んでみましょう。
第7条の28 第1項、2項 (財務諸表等) ① 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結しなければならない。 ② 協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下「事業報告書等」という。)を添え、監事及び次条第2項の規定により選任された会計監査人の意見を付けて、決算完結後2月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
第7条の29第1項~3項 (会計監査人の監査) ① 協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。 ② 会計監査人は、厚生労働大臣が選任する。 ③ 会計監査人は、公認会計士(公認会計士法に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。
第7条の30(各事業年度に係る業績評価) ① 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。 ② 厚生労働大臣は、評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6問2-D】
全国健康保険協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、厚生労働大臣が選任する会計監査人である公認会計士又は監査法人から監査を受けなければならない。
【解答】
①【R6問2-D】 〇
全国健康保険協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければなりません。
会計監査人は厚生労働大臣が選任し、また、会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければなりません。
②【R6問1-A】
全国健康保険協会は、厚生労働大臣から事業年度ごとの業績について評価を受け、その評価の結果を公表しなければならない。
【解答】
②【R6問1-A】 ×
厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について評価を行い、遅滞なく、協会に対し、「評価の結果を通知」するとともに、これを「公表」しなければなりません。
評価の結果を公表するのは厚生労働大臣です。全国健康保険協会ではありません。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結し、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
協会の毎事業年度の決算は翌事業年度の5月31日までに完結しなければなりません。
また、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければなりません。
②【H30年出題】
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
【解答】
②【H30年出題】 〇
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行う
↓
評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、公表する
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R7-098 12.03
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
「賃金」の定義を条文で読んでみましょう。
第11条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。 |
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
【R6問1-E】
労働者に支給される物又は利益にして、所定の貨幣賃金の代わりに支給するもの、即ち、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは労働基準法第11条にいう「賃金」とみなさない。
【解答】
【R6問1-E】 ×
問題文の場合は、「賃金」とみなすとされています。
通達を確認しましょう。
① 労働者に支給される物又は利益にして、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなすこと。
(1) 所定貨幣賃金の代りに支給するもの、即ちその支給により貨幣賃金の減額を伴うもの。
(2) 労働契約において、予め貨幣賃金の外にその支給が約束されているもの。
② 右に掲げるものであっても、次の各号の一に該当するものは、賃金とみなさないこと。
(1)代金を徴収するもの、但しその代金が甚だしく低額なものはこの限りでない。
(2) 労働者の厚生福利施設とみなされるもの。
③ 退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であって労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。
(昭22.9.13発基第17号)
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
退職手当で、労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確なものは、労働基準法上の「賃金」となり、「臨時に支払われる賃金」に当たります。
(昭22.9.13発基第17号)
②【R1年出題】
私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。
【解答】
②【R1年出題】 ×
社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は「実費弁償」に当たります。賃金ではありません。
(昭63.3.14基発150号)
③【H26年出題】
賞与、家族手当、いわゆる解雇予告手当及び住宅手当は、労働基準法第11条で定義する賃金に含まれる。
【解答】
③【H26年出題】 ×
賞与、家族手当、住宅手当は、労働基準法第11条の賃金に当たりますが、「解雇予告手当」は賃金ではありません。
(昭23.8.18基収2520号)
④【R3年出題】
労働者が法令により負担すべき所得税等(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等を含む。)を事業主が労働者に代わって負担する場合、当該代わって負担する部分は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、労働基準法第11条の賃金とは認められない。
【解答】
④【R3年出題】 ×
労働者が法令により負担すべき所得税等を事業主が労働者に代わって負担することは、労働者が法律上当然生ずる義務を免れることとなりますので、事業主が労働者に代わって負担する部分は、福利厚生ではなく、「賃金」となります。
(昭63.3.14基発150号)
⑤【R2年出題】
食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊の場合のものを除く。)は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。
【解答】
⑤【R2年出題】 〇
食事の供与は、食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、次の要件を満たす場合は、原則として賃金ではなく「福利厚生」として取り扱われます。
①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと
②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと
③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること
(昭30.10.10基発644号)
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R7-097 12.02
国民年金の強制被保険者(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者)に該当しない場合は、任意加入することができます。
任意加入する目的は次の2つです。
①老齢基礎年金の額を増やすため
(満額にするor満額に近づける)
②老齢基礎年金等の受給資格期間を満たすため
任意加入被保険者には、「任意加入被保険者」と「特例による任意加入被保険者」の2種類あります。
★「任意加入被保険者」は①と②のどちらの目的でも加入できます。
★「特例による任意加入被保険者」は、②の目的のみです。老齢基礎年金等の受給権がある場合は、任意加入できません。
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R7-096 12.01
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月25日から11月30日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
高齢任意加入被保険者についてお話しします(厚生年金保険法)
厚生年金保険料の納期限(厚生年金保険法)
厚生年金保険法の脱退一時金(厚生年金保険法)
学生納付特例制度について(国民年金法)
遺族基礎年金の支給要件(国民年金法)
付加保険料の納付(国民年金法)
YouTubeでお話ししています
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R7-095 11.30
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
付加保険料の納付について条文を読んでみましょう。
第87条の2 ① 第1号被保険者(保険料の免除を受けている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、400円の付加保険料を納付する者となることができる。 ② 付加保険料の納付は、国民年金の保険料の納付が行われた月(追納により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)又は産前産後の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月についてのみ行うことができる。 ③ 付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月の前月以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき付加保険料を納付する者でなくなることができる。 ④ 付加保険料を納付する者となったものが、国民年金基金の加入員となったときは、その加入員となった日に、③の申出をしたものとみなす。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問8-ウ】
付加保険料の納付は、国民年金法第88条の2の規定により保険料を納付することを要しないものとされた第1号被保険者の産前産後期間の各月については行うことができないとされている。
【解答】
【R6年問8-ウ】 ×
産前産後期間で保険料を納付することを要しないものとされた各月についても、付加保険料を納付することができます。
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険料の半額を納付することを要しないものとされた者は、当該納付することを要しないとされた期間について、厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
保険料の免除を受けている者(法定免除、申請全額免除、学生納付特例、納付猶予、一部免除)は、付加保険料を納付できません。
②【H26年出題】
保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。
【解答】
②【H26年出題】 ×
追納を行った月については、付加保険料を納付できません。
③【H30年出題】
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申し出をした日の属する月以後の各月に係る保険料に限り、付加保険料を納付する者でなくなることができる。
【解答】
③【H30年出題】 ×
付加保険料の納付は、申出によってやめることができます。「その申し出をした日の属する月以後」ではなく、「その申出をした日の属する月の前月以後」の各月の付加保険料を納付する者でなくなることができます。
④【H27年出題】
付加保険料を納付する第1号被保険者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料を納付の辞退の申出をしたものとみなされる。
【解答】
④【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員は付加保険料を納付することができません。国民年金基金の加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされます。
⑤【R4年出題】
厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。
【解答】
⑤【R4年出題】 ×
付加保険料の納期限は、翌月末日です。
納期限までに納付しなかったときでも、納付期限から2年間は付加保険料を納付できます。
問題文のような扱いはありません。
⑥【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
⑥【R2年出題】 〇
「任意加入被保険者」も、付加保険料を納付できます。
(法附則第5条第9条)
ちなみに「特例による任意加入被保険者」は、付加保険料を納付できません。
(H6法附則第11条)
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R7-094 11.29
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
遺族基礎年金の支給要件について条文を読んでみましょう。
法第37条 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。 ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあっては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 (1) 被保険者が、死亡したとき。 (2) 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。 (3) 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。 (4) 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。 |
(1)と(2)を「短期要件」、(3)と(4)を長期要件といいます。
ポイント!
★(1)と(2)は保険料納付要件が問われます。
★(3)と(4)の25年の計算には、合算対象期間も含みます。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問6-D】
老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上ある場合(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算して10年以上ある場合を含む。)は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
【解答】
①【R6年問6-D】 ×
老齢基礎年金の受給権者であった者が死亡した時には、「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間」が25年以上あることが必要です。
老齢基礎年金は、「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間」が10年以上あれば受給権が発生しますが、長期要件の遺族基礎年金の場合は25年以上必要です。
②【R6年問6-E】
国民年金の被保険者である者が死亡した時には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の3分の2以上ある場合は、死亡した者の配偶者又は子に遺族基礎年金が支給される。
【解答】
②【R6年問6-E】 〇
国民年金の被保険者である者が死亡した時(=短期要件)の場合は、保険料納付要件が問われます。「死亡日の前日」に、死亡日の属する月の「前々月」までの被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、当該被保険者期間の「3分の2以上」ある場合は、保険料納付要件を満たします。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
平成30年4月2日に第1号被保険者が死亡した場合、死亡した者につき、平成30年4月1日において、平成29年3月から平成30年2月までの期間に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは、遺族基礎年金の保険料納付要件を満たす。
【解答】
①【H30年出題】 〇
保険料納付要件の特例を満たしています。
「死亡日」が令和8年4月1日前にあり、死亡した者が65歳未満であれば、保険料納付要件の特例が適用されます。特例の要件は、「死亡日の前日」に、「死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料の未納がない」ことです。
問題文の場合は、平成30年4月2日に第1号被保険者が死亡(60歳未満)、死亡日の前日(平成30年4月1日)に、死亡日の属する月の前々月までの1年間(平成29年3月から平成30年2月までの期間)に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がない(=未納がない)ので、特例の要件を満たします。
(S60法附則第20条第2項)
②【R4年出題】
保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を合算した期間を23年有している者が、合算対象期間を3年有している場合、遺族基礎年金の支給要件の規定の適用については、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であるもの」とみなされる。
【解答】
②【R4年出題】 〇
長期要件の「25年以上」の計算には、合算対象期間も含みます。
(法附則第9条)
③【H30年出題】
第1号被保険者としての保険料納付済期間を15年有し、当該期間以外に保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を有しない老齢基礎年金を受給中の66歳の者が死亡した。死亡の当時、その者に生計を維持されていた子がいる場合は、当該子に遺族基礎年金が支給される。
※本問における子は18歳に達した日以後の最初の3月31日に達していないものとする。)
【解答】
③【H30年出題】 ×
老齢基礎年金を受給中の66歳の者が死亡した場合、短期要件には該当しないので、「長期要件」で要件をみます。
長期要件の場合、「保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間」が25年以上必要です。
問題文の者は、保険料納付済期間を15年有するのみですので、遺族基礎年金は支給されません。
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R7-093 11.28
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
「学生納付特例制度」について条文を読んでみましょう。
法第90条の3第1項 次の各号のいずれかに該当する学生等である被保険者又は学生等であった被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間(学生等である期間又は学生等であった期間に限る。)に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)に算入することができる。 (1) 当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき。 (2) 第90条第1項第2号及び第3号に該当するとき。 ・ 被保険者又は被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ・ 地方税法に定める障害者、寡婦その他の同法の規定による市町村民税が課されない者として政令で定める者であって、当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得が135万円以下であるとき。 (3) 保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由があるとき。 |
(1)の前年の所得について
扶養親族等がないときは、「128万円」となります。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-B】
学生納付特例制度を利用することができる学生には高等学校に在籍する生徒も含まれるが、定時制及び通信制課程の生徒は、学生納付特例制度を利用することができない。
【解答】
【R6問5-B】 ×
定時制及び通信制課程の生徒も、学生納付特例制度を利用することができます。
(令第6条の6)
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
前年の所得(1月から3月までの月分の保険料については、前々年の所得。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じ一定額以下の学生である第1号被保険者については、その者の世帯主又は配偶者の前年の所得にかかわらず、国民年金法第90条の3の規定による学生納付特例の適用を受けることができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
学生納付特例の所得要件は、学生本人のみの所得で判断します。
「世帯主又は配偶者」の所得は問われないのがポイントです。
②【H28年選択式】
国民年金法第90条の3第1項に規定する学生の保険料納付特例につき、保険料を納付することを要しないものとされる厚生労働大臣が指定する期間は、申請のあった日の属する月の< A >(同法第91条に規定する保険料の納期限に係る月であって、当該納期限から2年を経過したものを除く。)前の月から当該申請のあった日の属する年の翌年3月(当該申請のあった日の属する月が1月から3月までである場合にあっては、当該申請のあった日の属する年の3月)までの期間のうち必要と認める期間とする。
<選択肢>
① 1年2か月
② 1年6か月
③ 2年2か月
④ 2年6か月
【解答】
<A> ③ 2年2か月
(平成26年3月31日年管発0331第9号)
免除の申請は、保険料の納期限から2年を経過していない期間について行うことができます。
例えば、令和4年9月分の納期限は、令和4年10月31日です。免除の申請期限は、令和6年10月31日までとなります。申請時点から2年1か月前までの期間について、さかのぼって免除等を申請できます。
しかし、休日等の関係で納期限が翌々月になることがあります。その場合は2年2か月前までが対象となります。
厚生労働大臣が指定する期間は、申請のあった日の属する月の2年2か月前の月から申請のあった日の属する年の翌年3月までが対象です。
④【H28年出題】
国民年金法第90条第1項に規定する申請による保険料の全額免除の規定について、学生である期間及び学生であった期間は、その適用を受けることができない。
④【H28年出題】 〇
申請全額免除の対象から、学生は除外されています。
(法第90条第1項)
⑤【R5年出題】
学生納付特例による保険料納付猶予の適用を受けている第1号被保険者が、新たに保険料の法定免除の要件に該当した場合には、その該当するに至った日の属する月の前月から、これに該当しなくなる日の属する月までの期間、法定免除の対象となる。
【解答】
⑤【R5年出題】 〇
保険料の法定免除の要件に該当した場合は、学生も法定免除の適用を受けることができます。
(法第89条)
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R7-092 11.27
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
★脱退一時金は、「日本国籍を有しない者」が対象で、日本を出国した場合に請求できます。
なお、国民年金にも同じく脱退一時金の制度があります。
では、脱退一時金について条文を読んでみましょう。
法附則第29条第1項~第6項 (日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給) ① 当分の間、被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)であって、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていない者等は、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 (1) 日本国内に住所を有するとき。 (2) 障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるとき。 (3) 最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき。 ② 請求があったときは、その請求をした者に脱退一時金を支給する。 ③ 脱退一時金の額は、被保険者であった期間に応じて、その期間の平均標準報酬額(被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、当該被保険者期間の月数で除して得た額をいう。)に支給率を乗じて得た額とする。 ④ 支給率は、最終月(最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月をいう。)の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1月から8月までの場合にあっては、前々年10月の保険料率)に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じて政令で定める数を乗じて得た率とし、その率に小数点以下1位未満の端数があるときは、これを四捨五入する。 ⑤ 脱退一時金の支給を受けたときは、支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなす。 ⑥ 厚生労働大臣による脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。 |
★脱退一時金の計算式
「被保険者であった期間の平均標準報酬額」×「支給率」
★支給率とは
「最終月の属する年の前年10月の保険料率」×「2分の1」×「被保険者期間の区分に応じた支給率計算に用いる数」
★被保険者期間の区分に応じた支給率計算に用いる数
被保険者であった期間 | 支給率計算に用いる数 | 支給率 |
6月以上12月未満 | 6 | 0.5 |
12月以上18月未満 | 12 | 1.1 |
18月以上24月未満 | 18 | 1.6 |
24月以上30月未満 | 24 | 2.2 |
30月以上36月未満 | 30 | 2.7 |
36月以上42月未満 | 36 | 3.3 |
42月以上48月未満 | 42 | 3.8 |
48月以上54月未満 | 48 | 4.4 |
54月以上60月未満 | 54 | 4.9 |
60月以上 | 60 | 5.5 |
例えば、被保険者期間が60月以上の場合の支給率は、
1000分の183×2分の1×60≒5.5となります。(小数点以下1位未満の端数は四捨五入)
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6問8-A】
脱退一時金の支給額は、被保険者であった期間の平均標準報酬額に支給率を乗じた額である。この支給率は、最終月(最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月)の属する年の前年10月(最終月が1月から8月までの場合は、前々年10月)の保険料率に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じて政令で定める数を乗じて得た率である。なお、当該政令で定める数の最大値は60である。
【解答】
【R6問8-A】 〇
脱退一時金の支給額の計算に使う「支給率」について確認しましょう。
支給率=「最終月の属する年の前年10月の保険料率」×「2分の1」×「被保険者であった期間に応じて政令で定める数」で計算します。
ちなみに、最終月は、「最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月」です。
最終月の属する年の前年「10月」の保険料率を使いますが、最終月が1月から8月までの場合は、前々年10月の保険料率を使います。
また、「被保険者であった期間に応じて政令で定める数」の最大値は60です。
(令第12条の2)
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
障害厚生年金の支給を受けたことがある場合でも、障害の状態が軽減し、脱退一時金の請求時に障害厚生年金の支給を受けていなければ脱退一時金の支給を受けることができる。
【解答】
①【R2年出題】 ×
「障害厚生年金その他政令で定める保険給付の受給権を有したことがあるとき」は、脱退一時金の支給は受けられません。
②【H30年出題】
脱退一時金は、最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているときは、請求することができない。
【解答】
②【H30年出題】 〇
脱退一時金の請求要件は、「最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日から2年経過していないこと」です。また、国民年金の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過していないことです。
③【R3年出題】
ある日本国籍を有しない者について、最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過しており、かつ、最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して1年が経過した。この時点で、この者が、厚生年金保険の被保険者期間を6か月以上有しており、かつ、障害厚生年金等の受給権を有したことがない場合、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能である。
【解答】
③【R3年出題】 〇
最後に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から起算して2年が経過していても、「最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)」から起算して2年経過していない場合は、脱退一時金の請求が可能です。
問題文は、「最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日から1年が経過」となっていますので、厚生年金保険法に定める脱退一時金の請求が可能です。
④【H27年出題】
脱退一時金の額の計算に用いる支給率は、最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月の属する年の前年9月の保険料率に2分の1を乗じて得た率に、被保険者であった期間に応じた数を乗じて得た率とする。
【解答】
④【H27年出題】 ×
最後に被保険者の資格を喪失した日の属する月の前月の属する年の「前年9月」ではなく「前年10月」です。
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R7-091 11.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
保険料の納期限について条文を読んでみましょう。
第82条第1項、2項(保険料の負担及び納付義務) ① 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担する。 ② 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
法第83条第1項 (保険料の納付) 毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問7-C】
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。高齢任意加入被保険者の場合は、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うことがあるが、その場合も、保険料の納期限は翌月末日である。
【解答】
【R6問7-C】 〇
厚生年金保険の保険料は、被保険者と事業主が、それぞれ半額を負担します。また、事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負い、納期限は翌月末日です。
「適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者」の場合は、事業主の同意がない場合、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負います。その場合も、保険料の納期限は翌月末日です。
(法第82条、法附則第4条の3)
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
厚生年金保険の毎月の保険料は、当月末日までに、納付しなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
厚生年金保険の毎月の保険料は、当月末日ではなく「翌月末日」までに、納付しなければなりません。
②【H27年出題】
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者は、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、当該保険料の納期限の日に、その資格を喪失する。なお、当該適用事業所の事業主は、保険料を半額負担し、かつ、その保険料納付義務を負うことについて同意していないものとする。
【解答】
②【H27年出題】 ×
「適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者」の場合は、事業主の同意がない場合、被保険者が保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負います。
その場合の保険料の納期限は翌月末日です。
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者が、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、「納期限の日」ではなく「納期限の属する月の前月の末日」に、その資格を喪失します。
(法附則第4条の3)
③【R2年出題】
厚生年金保険の保険料は、被保険者の資格を取得した月についてはその期間が1日でもあれば徴収されるが、資格を喪失した月については徴収されない。よって月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は徴収されない。
【解答】
③【R2年出題】 ×
月末日で退職したときは退職した日が属する月の保険料は「徴収されます」。
条文を読んでみましょう。
法第19条第1項 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。 法第81条第2項 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。 |
<令和6年4月10日に資格取得、11月26日に退職(11月27日に資格喪失)の場合>
被保険者期間は、令和6年4月~10月まで、保険料の徴収も令和6年4月分から10月分までとなります。
<令和6年4月10日に資格取得、11月30日に退職(12月1日に資格喪失)の場合>
被保険者期間は、令和6年4月~11月まで、保険料の徴収も令和6年4月分から11月分までとなります。
月末退職の場合は、翌月1日が資格喪失となります。保険料は資格を喪失した月の前月まで徴収されますので、月末退職の場合、退職した日の属する月の保険料は徴収されます。
④【H22年出題】
事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所または船舶に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。
【解答】
④【H22年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第84条第1項 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所又は船舶に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。 |
事業主は、被保険者負担分の保険料を報酬から控除できますが、控除できるのは、「前月の標準報酬月額に係る保険料」です。
また、退職の場合は、「前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料」を報酬から控除することができます。
例えば、11月30日に退職した場合は、11月分まで保険料が徴収されます。
11月支払の報酬から、10月分(前月分)と11月分(当月分)の保険料を控除することができます。
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R7-090 11.25
厚生年金保険の「高齢任意加入被保険者」についてお話しします。
厚生年金保険の被保険者を整理してみましょう。
適用事業所 | 適用事業所以外の事業所 | |
70歳未満 | 当然被保険者 | 任意単独被保険者 |
70歳以上 | 高齢任意加入被保険者 | 高齢任意加入被保険者 |
・「高齢任意加入被保険者」とは、「70歳以上で老齢年金の受給権がない人」です。
・高齢任意加入被保険者には、「厚生年金保険の適用事業所」に使用される者と「適用事業所以外の事業所」に使用される者の2つのパターンがあります。
・加入の手続き、喪失事由、保険料の負担と納付義務などをおさえましょう。
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R7-089 11.24
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月18日から11月23日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
★任意継続被保険者のすべてをお話しします(健康保険法)
★再就職手当と高年齢再就職給付金(雇用保険法)
★健康保険の資格取得と喪失(健康保険法)
★資格喪失後の傷病手当金の継続給付(健康保険法)
★一人一年金の原則(厚生年金保険法)
★遺族厚生年金の遺族の要件(厚生年金保険法)
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R7-088 11.23
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
遺族厚生年金の遺族について条文を読んでみましょう。
法第59条第1項、2項 ① 遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時(失踪の宣告を受けた被保険者であった者にあっては、行方不明となった当時。)その者によって生計を維持したものとする。ただし、妻以外の者にあっては、次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。 (1) 夫、父母又は祖父母については、55歳以上であること。 (2) 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。 ② 父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-ウ】
厚生年金保険の被保険者が死亡したときに、被保険者によって生計を維持されていた遺族が50歳の父と54歳の母だけであった場合、父には遺族厚生年金の受給権は発生せず、母にのみ遺族厚生年金の受給権が発生する。
【解答】
【R6問5-ウ】 ×
「父母」は、被保険者の死亡当時「55歳以上」であることが要件です。
50歳の父と54歳の母については、どちらにも遺族厚生年金の受給権は発生しません。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上ある者とする。)が行方不明になり、その後失踪の宣告を受けた場合、失踪者の遺族が遺族厚生年金を受給するに当たっての生計維持に係る要件については、行方不明となった当時の失踪者との生計維持関係が問われる。
【解答】
①【R2年出題】 〇
生計維持関係は、「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時」 で判断するのが原則です。
ただし、失踪の宣告を受けた被保険者であった者については、「行方不明となった当時」の生計維持関係が問われます。
②【R1年出題】
被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。
【解答】
②【R1年出題】 ×
54歳の夫と21歳の子は、どちらも遺族厚生年金を受けることができる遺族ではありません。
③【R2年出題】
遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時、当該被保険者によって生計維持されていた55歳以上の夫が受給権者になることはあるが、子がいない場合は夫が受給権者になることはない。
【解答】
③【R2年出題】 ×
55歳以上の夫は受給権者になり得ます。子の有無は問われません。
④【R2年出題】
被保険者の死亡当時10歳であった遺族厚生年金の受給権者である被保険者の子が、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したことによりその受給権を失った場合において、その被保険者の死亡当時その被保険者によって生計を維持していたその被保険者の父がいる場合でも、当該父が遺族厚生年金の受給権者となることはない。
【解答】
④【R2年出題】 〇
遺族厚生年金には転給がありません。
遺族厚生年金を受けることができる遺族の順位を確認しましょう。
① | 配偶者又は子 |
② | 父母 |
③ | 孫 |
④ | 祖父母 |
例えば、被保険者等の死亡当時、「配偶者又は子」がいる場合は、父母以下は遺族厚年金を受けることはできません。
問題文の場合、被保険者の子が遺族厚生年金の受給権を取得した場合は、被保険者の父は遺族となりません。その後、子の受給権が消滅したとしても、父に受給権が転給することもありません。
⑤【R5年出題】
遺族厚生年金を受けることができる遺族のうち、夫については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であることが要件とされており、かつ、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されるため、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときも、55歳から遺族厚生年金を受給することはない。
【解答】
⑤【R5年出題】 ×
夫は、被保険者等の死亡の当時その者によって生計を維持していた者で、55歳以上であれば遺族厚生年金の受給権者となりますが、60歳に達するまでの期間はその支給が停止されます。
ただし、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、遺族厚生年金の支給停止は解除され、遺族厚生年金を受給することができます。
条文を読んでみましょう。
第65条の2 夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止する。ただし、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。 |
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R7-087 11.22
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
年金の併給調整について条文を読んでみましょう。
第38条第1項、法附則第17条 (併給の調整) 障害厚生年金は、その受給権者が他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金を除く。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。 老齢厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)を除く。)又は同法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)を受けることができる場合における当該老齢厚生年金についても同様とする。 遺族厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(老齢厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)を除く。)又は同法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)、障害基礎年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)並びに当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される遺族基礎年金を除く。)を受けることができる場合における当該遺族厚生年金についても、同様とする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-イ】
厚生年金保険の被保険者である甲は令和2年1月1日に死亡した。甲の死亡時に甲によって生計を維持されていた遺族は、妻である乙(当時40歳)と子である丙(当時10歳)であり、乙が甲の死亡に基づく遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給していた。しかし、令和6年8月1日に、乙も死亡した。乙は死亡時に厚生年金保険の被保険者であった。また、乙によって生計を維持されていた遺族は丙だけである。この場合、丙が受給権を有する遺族厚生年金は、甲の死亡に基づく遺族厚生年金と乙の死亡に基づく遺族厚生年金である。丙は、そのどちらかを選択して受給することができる。
【解答】
【R6問5-イ】 〇
1人に対して、複数の年金の受給権が発生することがあります。
問題文の丙には、「甲の死亡に基づく遺族厚生年金」と「乙の死亡に基づく遺族厚生年金」の受給権が発生していますが、同じ遺族厚生年金でも、甲の死亡に基づくものと乙の死亡に基づくものは別です。
「1人1年金の原則」に基づいて、丙は、そのどちらかを選択して受給することになります。ちなみに、選択しなかった方の年金は、支給停止されます。
(法第38条)
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
次のアからオの記述のうち、厚生年金保険法第38条第1項及び同法附則第17条の規定によってどちらか一方の年金の支給が停止されるものの組合せとして正しいものはいくつあるか。ただし、いずれも、受給権者は65歳に達しているものとする。
ア 老齢基礎年金と老齢厚生年金
イ 老齢基礎年金と障害厚生年金
ウ 障害基礎年金と老齢厚生年金
エ 障害基礎年金と遺族厚生年金
オ 遺族基礎年金と障害厚生年金
【解答】
①【R4年出題】
ア 老齢基礎年金と老齢厚生年金 → 併給できる
イ 老齢基礎年金と障害厚生年金 → 併給できない
ウ 障害基礎年金と老齢厚生年金 → 併給できる
エ 障害基礎年金と遺族厚生年金 → 併給できる
オ 遺族基礎年金と障害厚生年金 → 併給できない
どちらか一方の年金の支給が停止されるもの組み合わせは、イとオの2つです。
②【H23年出題】
障害厚生年金は、老齢基礎年金及び付加年金並びに当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金と併給できるが、遺族基礎年金とは併給できない。
【解答】
②【H23年出題】 ×
障害厚生年金は、当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金と併給できます。
障害厚生年金は、「老齢基礎年金及び付加年金」、「遺族基礎年金」とは併給できません。
②【H26年出題】
障害基礎年金の受給権者である男性が65歳で遺族厚生年金の受給権を得た場合、それぞれを併給することができる。
【解答】
②【H26年出題】 〇
「65歳以上」の場合、「障害基礎年金」と「遺族厚生年金」は、併給することができます。
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R7-086 11.21
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
資格喪失後の継続給付について条文を読んでみましょう。
第104条 (傷病手当金又は出産手当金の継続給付) 被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。 |
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6問4-E】
被保険者(任意継続被保険者を除く。)の資格を喪失した日以後に傷病手当金の継続給付の規定により傷病手当金の支給を始める場合においては、その資格を喪失した日の前日において当該被保険者であった者が属していた保険者等により定められた直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を傷病手当金の額の算定の基礎に用いる。
【解答】
【R6問4-E】 〇
資格喪失後の傷病手当金の継続給付は、被保険者の資格を喪失した日の前日において被保険者であった者が属していた保険者等により定められた直近の継続した12か月間の各月の標準報酬月額が、傷病手当金の額の算定の基礎に用いられます。
(法第84条の2)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるためには、資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったことが要件の1つとされているが、転職等により異なった保険者における被保険者期間(1日の空白もなく継続しているものとする。)を合算すれば1年になる場合には、その要件を満たすものとされている。なお、これらの被保険者期間には、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者の期間は含まれないものとする。
【解答】
①【R1年出題】 〇
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるための要件に、「資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと」があります。
転職等で異なった保険者における被保険者期間だったとしても、合算して1年になれば、要件を満たします。なお、1日の空白もなく継続していなければなりません。
また、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者の期間は含みません。
(法第104条)
②【R4年出題】
共済組合の組合員として6か月間加入していた者が転職し、1日の空白もなく、A健康保険組合の被保険者資格を取得して7か月間加入していた際に、療養のため労務に服することができなくなり傷病手当金の受給を開始した。この被保険者が、傷病手当金の受給を開始して3か月が経過した際に、事業所を退職し、A健康保険組合の任意継続被保険者になった場合でも、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていることから、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金の給付を受けることができる。
【解答】
②【R4年出題】 ×
図にしてみましょう。
退職
共済組合 6か月 | A健康保険組合 10か月 | |
|
| 傷病手当金 |
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるためには、「資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったこと」が必要です。「1年以上」には、共済組合の組合員であった期間は含みません。
問題文は、A健康保険組合の期間が10か月しかありませんので、傷病手当金の継続給付は受けられません。
(法第104条)
③【H27年出題】
継続して1年以上健康保険組合の被保険者(任意継続被保険者又は特例退職被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合でも、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができるが、資格喪失後に特例退職被保険者となった場合には、傷病手当金の継続給付を受けることはできない。
【解答】
③【H27年出題】 〇
・資格喪失後に任意継続被保険者になった場合
→ 資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることができます。
・資格喪失後に特例退職被保険者となった場合
→ 資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることはできません。
(法第104条、法附則第3条第5項)
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R7-085 11.20
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
【R6問1-C】
一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者が、派遣就業に係る雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか遅い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は被保険者資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではない。
【解答】
【R6問1-C】 ×
派遣労働者の社会保険は、雇用関係にある「派遣元事業主(派遣会社)」で、適用されます
★登録型派遣労働者の適用
→ 派遣就業に係る一の雇用契約の終了後、最大1か月以内に、同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれるときは、使用関係が継続しているものとして取り扱い、被保険者資格は喪失させないこととして差し支えないとされています。
★被保険者資格の喪失手続等
→ 登録型派遣労働者について、1か月以内に次回の雇用契約が締結されなかった場合には、その雇用契約が締結されないことが確実となった日又は当該1か月を経過した日のいずれか早い日をもって使用関係が終了したものとし、その使用関係終了日から5日以内に事業主は資格喪失届を提出する義務が生じるものであって、派遣就業に係る雇用契約の終了時に遡って被保険者資格を喪失させるものではないこととされています。
問題文では、その雇用契約が締結されないことが確実になった日又は当該1か月を経過した日のいずれか「遅い日をもって」、の部分が誤りです。
ちなみに、「一般労働者派遣事業(許可制)」と「特定労働者派遣事業(届出制)」の区別は廃止されています。すべての労働者派遣事業が「許可制」となっています。
(H27.9.30保保発0930第9号、年管管発0930第11号)
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
適用事業所に期間の定めなく採用された者について、就業規則に2か月の試用期間が定められている場合は、その間は被保険者とならず、試用期間を経過した日の翌日から被保険者となる。
【解答】
①【H26年出題】 ×
被保険者は、「適用事業に使用されるに至った日」から資格を取得します。
試用期間だとしても、適用事業に使用されていますので、試用期間を経過した日の翌日からではなく、入社した日に資格を取得します。
(法第35条)
②【R2年出題】
新たに適用事業所に使用されることになった者が、当初から自宅待機とされた場合の被保険者資格については、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われているときは、その休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得するものとされている。
【解答】
②【R2年出題】 〇
当初から自宅待機とされた場合は、雇用契約が成立している、かつ、休業手当が支払われているときは、休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得します。
(昭50.3.29保険発第25号・庁保険発第8号)
③【R5年出題】
事業所の休業にかかわらず、事業主が休業手当を健康保険の被保険者に支給する場合、当該被保険者の健康保険の被保険者資格は喪失する。
【解答】
③【R5年出題】 ×
一時帰休中の者の被保険者資格については、休業手当が支払われるときは、被保険者の資格は存続するものとされています。
(昭50.3.29保険発第25号・庁保険発第8号)
④【H27年出題】
被保険者が解雇され(労働法規又は労働協約に違反することが明らかな場合を除く。)、事業主から資格喪失届が提出された場合、労使双方の意見が対立し、当該解雇について裁判が提起されたときにおいても、裁判において解雇無効が確定するまでの間は、被保険者の資格を喪失したものとして取り扱われる。
【解答】
④【H27年出題】 〇
解雇行為が労働法規又は労働協約に違反することが明らかな場合を除いて、事業主から被保険者資格喪失届の提出があったときは、裁判が提起されたときでも、一応資格を喪失したものとしてこれを受理し、被保険者証の回収等、所定の手続をなすこととされています。
(昭25.10.9保発第68号)
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R7-085 11.19
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、雇用保険法の択一式です。
「再就職手当」の要件をみてみましょう。
法第56条の3第1項第1号ロ 厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であるもの |
「高年齢再就職給付金」の要件をみてみましょう。
第61条の2第1項 高年齢再就職給付金は、受給資格者(その受給資格に係る離職の日における算定基礎期間が5年以上あり、かつ、当該受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある者に限る。)が60歳に達した日以後安定した職業に就くことにより被保険者となった場合において、当該被保険者に対し再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、当該基本手当の日額の算定の基礎となった賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下るに至ったときに、当該再就職後の支給対象月について支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 (1) 当該職業に就いた日の前日における支給残日数が、100日未満であるとき。 (2) 再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、支給限度額以上であるとき。 |
「再就職手当」と「高年齢再就職給付金」の両方の要件にあてはまった場合はどうなるでしょう?
第61条の2第4項 高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が、同一の就職につき就業促進手当(第56条の3第1項第1号ロに該当する者に係るもの(=再就職手当)に限る。)の支給を受けることができる場合において、その者が就業促進手当の支給を受けたときは高年齢再就職給付金を支給せず、高年齢再就職給付金の支給を受けたときは就業促進手当を支給しない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問6-B】
就業促進手当(厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であるものに限る。)を受けたときは、当該就業促進手当に加えて同一の就職につき高年齢再就職給付金を受けることができる。
【解答】
【R6問6-B】 ×
就業促進手当(厚生労働省令で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上であるものに限る。)とは、再就職手当のことです。
「再就職手当」を受けたときは、高年齢再就職給付金は支給されません。「当該就業促進手当に加えて同一の就職につき高年齢再就職給付金を受けることができる。」は誤りです。
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が同一の就職につき再就職手当の支給を受けることができる場合、その者の意思にかかわらず高年齢再就職給付金が支給され、再就職手当が支給停止となる。
【解答】
①【R4年出題】 ×
高年齢再就職給付金の支給を受けることができる者が同一の就職につき再就職手当の支給を受けることができる場合、「その者の意思にかかわらず高年齢再就職給付金が支給され、再就職手当が支給停止となる。」ではなく、「再就職手当の支給を受けたときは高年齢再就職給付金を支給せず、高年齢再就職給付金の支給を受けたときは再就職手当を支給しない。」となります。
②【R1年出題】
厚生労働省で定める安定した職業に就いた者であって、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の3分の1以上あるものは、就業手当を受給することができる。
【解答】
②【R1年出題】 ×
「安定した職業」に就いた者で、基本手当の支給残日数が「3分の1以上」あるものが受給できるのは、就業手当ではなく「再就職手当」です。
ちなみに、「就業手当」を受給できるのは、「職業に就いた者(安定した職業に就いた者を除く。)」で、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数の「3分の1以上かつ45日以上」であるものです。
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R7-084 11.18
任意継続被保険者のすべてをお話しします。
①任意継続被保険者の要件
「申出」の期限は?
②任意継続被保険者の資格の喪失
「翌日喪失」or「当日喪失」がポイント
任意継続被保険者をやめる申出
③任意継続被保険者の標準報酬月額
④任意継続被保険者の保険料
保険料を納付期日までに納付しなかったとき
前納について
⑤任意継続被保険者の保険給付
傷病手当金、出産手当金の扱い
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R7-083 11.17
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月11日から11月16日までの動画の総集編です。
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☟
★国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者についてお話しします
★基準障害による障害基礎年金について(国民年金法)
★テレワークと事業場外みなし労働時間制(労働基準法)
★高度プロフェッショナル制度の導入(決議の届出)(労働基準法)
★年次有給休暇の発生要件である出勤率(労働基準法)
★労災特別加入(海外派遣者)について(労災保険法)
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R7-082 11.16
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の択一式です。
特別加入には、次の3つの種類があります。
中小事業主及びその事業に従事する労働者以外の者(役員等) |
一人親方その他の自営業者及びその者が行う事業に従事する労働者以外の者(家族従事者等) 特定作業従事者 |
海外派遣者 |
今日は、「海外派遣者」についてみていきます。
海外派遣者として特別加入できるものの範囲を確認しましょう。(労災保険法第33条)
■独立行政法人国際協力機構など開発途上地域に対する技術協力の実施の事業(有期事業を除く)を行う団体から派遣されて、開発途上地域で行われている事業に従事する者
■日本国内の事業主(有期事業を除く)から、海外で行われる事業に労働者として派遣される者
※「労働者として派遣される者」と「海外にある中小規模の事業に事業主等として派遣される者」があります。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6問6-A】
海外派遣者は、派遣元の団体又は事業主が、海外派遣者を特別加入させることについて政府の承認を申請し、政府の承認があった場合に特別加入することができる。
【解答】
①【R6問6-A】 〇
海外派遣者は、派遣元の団体又は事業主が、政府の承認を申請し、政府の承認があった場合に特別加入することができます。
(法第36条)
②【R6問6-B】
海外派遣者と派遣元の事業との雇用関係が、転勤、在籍出向、移籍出向等のいずれの形態で処理されていても、派遣元の事業主の命令で海外の事業に従事し、その事業との間に現実の労働関係をもつ限りは、特別加入の資格に影響を及ぼすものではない。
【解答】
②【R6問6-B】 〇
海外派遣者と派遣元の事業との雇用関係は、転勤、在籍出向、移籍出向など様々な形態で処理されていたとしても、派遣元の事業主の命令で海外の事業に従事し、その事業との間に現実の労働関係をもつ限りは、特別加入の資格に影響を及ぼすものではありません。
(S52.330労働省発労徴第21号・基発第192号)
ちなみに、「海外出張」については、特別加入しなくても、国内の所属の事業場の労災保険から保険給付が行われます。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
海外派遣者について、派遣先の海外の事業が厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業に該当する場合であっても、その事業の代表者は、労災保険の特別加入の対象とならない。
【解答】
①【H24年出題】 ×
派遣先の海外の事業が中小規模の場合は、その事業の代表者は、労災保険の海外派遣者として特別加入の対象となります。
中小規模の事業(特定事業といいます)は以下の通りです。
業 種 | 労働者数 |
金融業・保険業・不動産業・小売業 | 50人以下 |
卸売業・サービス業 | 100人以下 |
上記以外の業種 | 300人以下 |
なお、特定事業に該当しない場合は、代表者などは特別加入できません。労働者のみが対象となります。
②【H26年出題】
日本に本社を有する企業であれば、その海外支店に直接採用された者についても、所轄都道府県労働局長に特別加入の申請をして承認を受けることによって、労災保険法が適用される。
【解答】
②【H26年出題】 ×
現地採用者は、海外派遣者特別加入制度の趣旨及びその加入の要件からみて、特別加入の資格がない、とされています。
問題文の海外支店に直接採用された者は、特別加入できません。
(S52.330労働省発労徴第21号・基発第192号)
③【R3年出題】
日本国内で行われている有期事業でない事業を行う事業主から、海外(業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に関する保護制度の状況その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める国の地域を除く。)の現地法人で行われている事業に従事するため派遣された労働者について、急な赴任のため特別加入の手続きがなされていなかった。この場合、海外派遣されてからでも派遣元の事業主(日本国内で実施している事業について労災保険の保険関係が既に成立している事業主)が申請すれば、政府の承認があった場合に特別加入することができる。
【解答】
③【R3年出題】 〇
海外派遣者として特別加入できるのは、新たに派遣される者に限りません。既に海外の事業に派遣されている者を特別加入させることも可能である、とされています。
海外派遣されてからでも派遣元の事業主が申請すれば、政府の承認があった場合に特別加入することができます。
(S52.330労働省発労徴第21号・基発第192号)
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R7-081 11.15
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
年次有給休暇の発生要件について条文を読んでみましょう。
第39条第1項 使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。 |
年次有給休暇の発生には
・6か月間継続勤務していること
・出勤率が8割以上あること
今回は、「出勤率」をみていきます。
出勤率は「全労働日(労働義務のある日)」に対する「出勤した日」の割合です。
出勤した日 |
全労働日 |
で算定します。
★出勤したとみなされる期間があります。
法第39条第10項 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間は、これを出勤したものとみなす。 |
また、「年次有給休暇」を取得した日も、出勤したものとみなされます。
(H6.3.31基発181号)
★出勤率の基礎となる全労働日について
① 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいい、各労働者の職種が異なること等により異なることもあり得る。
したがって、所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれないものである。
② 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、③に該当する場合を除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものとする。
例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日が考えられる。
③ 労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日であっても、次に掲げる日のように、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれないものとする。
(1) 不可抗力による休業日
(2) 使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
(3) 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日
(H25.7.10基発0710第3号)
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問6-E】
産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間及び生理日の就業が著しく困難な女性が同法第68条の規定によって就業しなかった期間は、同法第39条第1項「使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」の適用においては、これを出勤したものとみなす。
【解答】
【R6年問6-E】 ×
生理日の就業が著しく困難な女性が就業しなかった期間」は、労働基準法上出勤したものとみなされませんが、「当事者の合意によって出勤したものとみなすことも差し支えない」とされています。
(H22.5.18基発0518第1号)
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
年次有給休暇を取得した日は、出勤率の計算においては、出勤したものとして取り扱う。
【解答】
①【H28年出題】 〇
年次有給休暇を取得した日は、「出勤した」ものとして出勤率を計算します。
②【H28年出題】
全労働日と出勤率を計算するに当たり、法定休日を上回る所定の休日に労働させた場合におけるその日は、全労働日に含まれる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
「所定の休日に労働させた」場合におけるその日は、全労働日に「含まれません」。
(H25.7.10基発0710第3号)
③【H26年選択式】
最高裁判所は、労働基準法39条に定める年次有給休暇権の成立要件に係る「全労働日」(同条第1項、2項)について、次のように判示した。
「法39条1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は,法の制定時の状況等を踏まえ,労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項及び2項の規定の趣旨に照らすと,前年度の総暦日の中で,就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは,不可抗力や使用者側に起因する経営,管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものは別として,上記出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に< A >と解するのが相当である。
無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり,このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから,法39条1項及び2項における出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に< A >というべきである。」
<選択肢>
① 影響を与えない ② 影響を与えるもの
③ 含まれない ④ 含まれるもの
【解答】
A ④ 含まれるもの
(平成25年6月6日 第一小法廷判決)
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R7-081 11.14
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
「高度プロフェッショナル制度」の導入手順を確認しましょう。
①労使委員会を設置する
↓
②労使委員会で決議をする
※委員の5分の4以上の多数による決議がなされていることが条件です。
↓
③労使委員会の決議を所轄労働基準監督署長に届け出る
↓
④対象労働者の同意を書面で得る
↓
⑤対象労働者を対象業務に就かせる
条文を読んでみましょう。
第41条の2第1項 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により定められた事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、対象労働者であって書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における一定の業務に就かせたときは、労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第3号から第5号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。 (以下省略します) |
高度プロフェッショナル制度の対象になる労働者には、労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定が適用されません。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-オ】
労働基準法第41条の2に定めるいわゆる高度プロフェッショナル制度は、同条に定める委員会の決議が単に行われただけでは足りず、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、この制度を導入することができる。
【解答】
【R6年問5-オ】 〇
高度プロフェッショナル制度の導入については、労使委員会の決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、効力が生じます。
単に労使委員会の決議が行われただけでは、導入できません。
過去問をどうぞ!
①【H17年出題】
労働基準法第38条の4に規定するいわゆる企画業務型裁量労働制を採用するために行われる同条第1項の委員会の決議は、所轄労働基準監督署長に届出をしなければならないが、これはあくまでも取締規定であり、届出をしないからといって、同項による企画業務型裁量労働制の効力発生に影響するものではない。
【解答】
①【H17年出題】 ×
企画業務型裁量労働制を採用するための労使委員会の決議は、所轄労働基準監督署長に届出をしなければなりません。届出を行わない場合は、企画業務型裁量労働制の効力は発生しません。
(法第38条の4、H12.1.1基発第1号)
②【H24年出題】
労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定は、これを所轄労働基準監督署長に届け出てはじめて使用者が労働者に適法に時間外労働又は休日労働を行わせることを可能とするのであって、法定労働時間を超えて労働させる場合、単に同協定を締結したのみでは、労働基準法違反の責めを免れない。
【解答】
②【H24年出題】 〇
36協定は、所轄労働基準監督署長に届け出てはじめて、時間外労働等を行わせることが適法となります。単に同協定を締結したのみでは、労働基準法違反の責めを免れません。
(法第36条第1項)
条文で確認しましょう。
第36条第1項 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。 |
③【R3年出題】
令和3年4月1日から令和4年3月31日までを有効期間とする書面による時間外及び休日労働に関する協定を締結し、これを令和3年4月9日に厚生労働省令で定めるところにより所轄労働基準監督署長に届け出た場合、令和3年4月1日から令和3年4月8日までに行われた法定労働時間を超える労働は、適法なものとはならない。
【解答】
③【R3年出題】 〇
36協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、時間外労働等は適法となります。
令和3年4月9日に所轄労働基準監督署長に届け出た場合は、効力が発生するのはその日以降ですので、令和3年4月1日から令和3年4月8日までに行われた法定労働時間を超える労働は、労働基準法違反となります。
④【R4年出題】
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。
【解答】
④【R4年出題】 ×
1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合は、労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
ただし、届出は労使協定の効力の発生要件ではありません。届出をしていなくても、労使協定が締結されていれば1か月単位の変形労働時間制の効力が発生します。
なお、届出をしなくても効力は発生しますが、届出を怠ったことに対して罰則が適用されます。
(法第32条の2)
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R7-080 11.13
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
★在宅勤務については、事業主が労働者の私生活にむやみに介入すべきではない自宅で勤務が行われ、労働者の勤務時間帯と日常生活時間帯が混在せざるを得ない働き方であることから、一定の場合には、労働時間を算定し難い働き方として、労働基準法第38条の2で規定する事業場外労働のみなし労働時間制(以下「みなし労働時間制」という。)を適用することができる。 在宅勤務についてみなし労働時間制が適用される場合は、在宅勤務を行う労働者が就業規則等で定められた所定労働時間により勤務したものとみなされることとなる。業務を遂行するために通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合には、当該必要とされる時間労働したものとみなされ、労使の書面による協定があるときには、協定で定める時間が通常必要とされる時間とし、当該労使協定を労働基準監督署長へ届け出ることが必要となる(労働基準法第38条の2)。 (H20.7.28基発第0728001号) |
では、事業場外みなし労働時間制の条文を読んでみましょう。
第38条の2 ① 労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。 ② ①のただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。 ③ 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、労使協定を行政官庁に届け出なければならない。 則第24条の2第3項 労使協定の届出は、所轄労働基準監督署長にしなければならない。ただし、労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該協定を届け出ることを要しない。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問5-ウ】
労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)においては、「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」さえ満たせば、労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外みなし労働時間制を適用することができる。
【解答】
【R6問5-ウ】 ×
「テレワーク」に、事業場外みなし労働時間制を適用できる条件を確認しましょう。
★次に掲げるいずれの要件をも満たす形態で行われる在宅勤務(労働者が自宅で情報通信機器を用いて行う勤務形態をいう。)については、原則として、労働基準法第38条の2に規定する事業場外労働に関するみなし労働時間制が適用されます。
①当該業務が、起居寝食等私生活を営む自宅で行われること。
②当該情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
③当該業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。
(H16.3.5基発第0305001号)
「情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと」のみでは、適用されません。
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし制は、情報通信機器を用いて行う在宅勤務の場合、どのような要件の下でも、結局は当該通信機器を通じて使用者の管理を受けることとなるため、適用されない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
上の令和6年の問題の解説のように、要件を満たした場合、情報通信技術を利用して行う事業場外勤務(テレワーク)にも、労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制が適用されます。
②【H18年出題】
労働基準法第38条の2の規定によれば、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、原則として所定労働時間労働したものとみなされるが、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされる。この場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間が、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とされる。
【解答】
②【H18年出題】 〇
・労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合で、労働時間を算定し難いとき
↓
<原則>所定労働時間労働したものとみなされる
<業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合>
当該業務に関しては、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされる。
<労使協定があるとき>
労使協定で定める時間が、当該業務の遂行に通常必要とされる時間とされる
③【R1年出題】
労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。
【解答】
③【R1年出題】 〇
事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定は、所轄労働基準監督署長に届け出なければなりませんが、労使協定で定める時間が法定労働時間以下の場合は、労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はありません。
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R7-079 11.12
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
基準障害による障害基礎年金とは?
・複数の障害があるが、単独では障害等級1・2級に該当しない
↓
・併合して初めて障害等級1・2級に該当すると、障害基礎年金が支給される仕組み
↓
・併合のきっかけになる傷病が「基準傷病」、基準傷病にかかる障害が「基準障害」
↓
・基準障害の障害認定日が基準障害による障害基礎年金の障害認定日になる
↓
・初診日、保険料納付要件は、「基準障害」について問われる
第1の傷病 | ● ● 初診日 障害認定日 | |||||
|
|
|
|
| 併合 初めて2級以上に該当 | |
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|
|
|
| ||
基準傷病 |
| ● ● 初診日 障害認定日 |
基準障害による障害基礎年金の条文を読んでみましょう。
第30条の3 ① 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下「基準傷病」という。)に係る初診日において第30条第1項各号のいずれかに該当した者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ③ 基準障害による障害基礎年金の支給は、当該障害基礎年金の請求があった月の翌月から始めるものとする。 |
★保険料納付要件は、「基準傷病」に係る初診日の前日で判断されます。
(法第30条の3第2項)
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問10-D】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに、基準障害と他の障害とを併合して初めて障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態となった場合に支給される。ただし、請求によって受給権が発生し、支給は請求のあった月からとなる。
【解答】
【R6問10-D】 ×
基準障害による障害基礎年金は、請求によって受給権が発生するのではなく、1・2級に該当した日に受給権が発生します。ただし、支給は請求のあった「月の翌月」からです。請求のあった月からではありません。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準傷病による障害基礎年金は、基準傷病以外の傷病の初診日において被保険者でなかった場合においては、基準傷病に係る初診日において被保険者であっても、支給されない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
初診日要件は、「基準傷病に係る初診日」で判断されます。基準傷病以外の傷病については、初診日要件は問われません。
②【H29年出題】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに基準障害と他の障害を併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当したとしても、その請求を65歳に達した日以後に行うことはできない。
【解答】
②【H29年出題】 ×
基準障害による障害基礎年金は、「65歳に達する日の前日までに基準障害と他の障害を併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当」することが条件ですが、請求は、65歳に達した日以後でも行うことができます。
③【H20年出題】
いわゆる基準障害の規定による障害基礎年金は、所定の要件に該当すれば受給権は発生するため、当該障害基礎年金の請求は65歳に達した日以後でも行うことができるが、支給は当該障害基礎年金の受給権が発生した月の翌月から開始される。
【解答】
③【H20年出題】 ×
基準障害の規定による障害基礎年金について
・所定の要件に該当すれば受給権は発生します
・障害基礎年金の請求は65歳に達した日以後でも行うことができます
・支給は「請求のあった月の翌月から」開始されます。「当該障害基礎年金の受給権が発生した月の翌月から」ではありません。
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R7-078 11.11
今日の内容です。
・第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の定義をおさえましょう
・「国内居住要件」の有無、「年齢要件」の有無がポイントです。
・第1号被保険者と第3号被保険者から除外されるものをおぼえましょう。
・第3号被保険者は、国内に住所を有することが原則ですが、海外特例に該当すると、国内に住所を有しなくても第3号被保険者となります。
YouTubeでお話ししています。
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R7-077 11.10
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年11月4日から11月9日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
遺族厚生年金の短期要件と長期要件についてお話しします。
配偶者以外の者が遺族厚生年金の受給権者の場合(厚生年金保険法)
年金の内払調整(厚生年金保険法)
障害基礎年金の支給要件についての基本問題(国民年金法)
国民年金保険料の前納(国民年金法)
国民年金の適用(技能実習、海外に居住する場合など)(国民年金法)
YouTubeでお話ししています。
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R7-076 11.09
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
国民年金の強制被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの種類があります。
国民年金の強制被保険者の要件について条文を読んでみましょう。
第7条 次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。 (1) 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。「第1号被保険者」という。) (2) 厚生年金保険の被保険者(「第2号被保険者」という。) (3) 第2号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。「被扶養配偶者」という。)のうち20歳以上60歳未満のもの(「第3号被保険者」という。)
則第1条の2 (第1号被保険者、第3号被保険者の適用を除外される者) (1) 日本の国籍を有しない者であって、入管法に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦に相当期間滞在して、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの(=在留資格が「特定活動(医療滞在または医療滞在者の付添人)」の場合) (2) 日本の国籍を有しない者であって、入管法に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの (=在留資格が「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在または長期滞在者の同行配偶者)」の場合)
則第1条の3 (国内居住要件の特例) 第3号被保険者の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。 (1) 外国において留学をする学生 (2) 外国に赴任する第2号被保険者に同行する者 (3) 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 (4) 第2号被保険者が外国に赴任している間に当該第2号被保険者との身分関係が生じた者であって、(2)に掲げる者と同等と認められるもの (5) 前各号に掲げる者のほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者 |
令和6年の問題を解いてみましょう
①【R6年問4-A】
技能実習の在留資格で日本に在留する外国人は、実習実施者が厚生年金保険の適用事業所の場合、講習期間及び実習期間は厚生年金保険の対象となるため、国民年金には加入する必要はない。
【解答】
①【R6年問4-A】 ×
技能実習の在留資格で日本に在留する外国人も公的年金に加入しなければなりません。実習実施者が厚生年金保険の適用事業所の場合
・講習期間中 → 「国民年金」に加入します
・実習期間中 → 「厚生年金保険」に加入します ※厚生年金保険の適用事業所でない場合は、引き続き国民年金に加入します
「講習期間及び実習期間は厚生年金保険の対象となるため、国民年金には加入する必要はない。」ではなく、「講習期間は国民年金、実習期間は厚生年金保険の対象となる」となります。
(参照:厚生労働省HPhttps://www.mhlw.go.jp/content/000721075.pdf)
②【R6年問4-B】
日本から外国に留学する20歳以上65歳未満の日本国籍を有する留学生は、留学前に居住していた市町村(特別区を含む。)の窓口に、海外への転出届を提出して住民票を消除している場合であっても、国民年金の被保険者になることができる。
【解答】
②【R6年問4-B】 〇
第1号被保険者は、「国内居住要件」がありますので、海外に居住する場合は、資格を喪失します。ただし、「20歳以上65歳未満」の「日本国籍を有する者」は、国民年金の任意加入被保険者になることができます。
③【R6年問4-D】
第3号被保険者が配偶者を伴わずに単身で日本から外国に留学すると、日本国内居住要件を満たさなくなるため、第3号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
③【R6年問4-D】 ×
第3号被保険者は、日本国内に住所を有することが原則です。
ただし、「外国において留学をする学生」は、国内居住要件の例外が認められますので第3号被保険者の資格は喪失しません。
(則第1条の3第1号)
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法の規定に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものは、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であっても第1号被保険者とならない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
外国人も国民年金の対象となります。
ただし、「本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの」は、除外されます。
(則第1条の2第2号)
②【R3年出題】
第3号被保険者が、外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったときは、第3号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
②【R3年出題】 ×
第3号被保険者は「国内居住要件」を満たすことが原則ですが、「外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったとき」は、海外特例で第3号被保険者の資格は喪失しません。
(則第1条の3)
③【R3年出題】
第2号被保険者の被扶養配偶者であって、観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の者は、第3号被保険者となることができる。
【解答】
③【R3年出題】 〇
第3号被保険者は、国内居住要件を満たすことが原則ですが、「観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する」場合は、海外特例で、第3号被保険者となることができます。
(則第1条の3)
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R7-075 11.08
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
国民年金の保険料の納付期限は、翌月末日が原則ですが、前払い(前納)することもできます。
保険料の前納について条文を読んでみましょう。
第93条 ① 被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 ② 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 ③ 前納された保険料について保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問1-C】
国民年金法第93条第1項の規定による保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、月を単位として行うものとし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要する。
【解答】
【R6年問1-C】 ×
条文で確認しましょう。
令第7条 (保険料の前納期間) 保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6か月又は年を単位として、行うものとする。ただし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要しない。 |
★前納は「6か月」又は「年」を単位とするのが原則ですが、それ以外の期間も可能です。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
国民年金の保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6月又は年を単位として行うものとされていることから、例えば、昭和34年8月2日生まれの第1号被保険者が、平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月間をまとめて前納することは、厚生労働大臣が定める期間として認められることはない。
【解答】
①【R1年出題】 ×
昭和34年8月2日生まれの者は、60歳に達した日(令和元年8月1日)に資格を喪失し、被保険者期間は令和元年7月までとなります。
平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月間をまとめて前納することができます。
②【R2年出題】
保険料の一部の額につき納付することを要しないものとされた被保険者には、保険料の前納に関する規定は適用されない。
【解答】
②【R2年出題】 ×
一部免除の保険料も、前納することができます。
③【H30年出題】
前納された保険料について、保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされる。
【解答】
③【H30年出題】 ×
前納に係る期間の「各月の初日が到来したとき」ではなく、「各月が経過した際に」、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされます。
④【H29年出題】
第1号被保険者が保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前に第2号被保険者となった場合は、その者の請求に基づいて、前納した保険料のうち未経過期間に係る保険料が還付される。
【解答】
④【H29年出題】 〇
第1号被保険者が保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前に「被保険者の資格を喪失した場合」、「第2号被保険者又は第3号被保険者となった場合」は、その者の請求に基づいて、前納した保険料のうち未経過期間に係る保険料が還付されます。
(令第9条)
⑤【H24年出題】
国民年金保険料を1年間分前納する場合、最も割引率が高くなるのは、口座振替による支払ではなく、現金で支払った場合である。
【解答】
⑤【H24年出題】 ×
国民年金保険料を前納する方法で、最も割引率が高くなるのは、「口座振替による支払」です。
(令第8条)
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R7-074 11.07
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
障害基礎年金の受給権発生要件は、次の3つです。
①初診日
②保険料納付要件
③障害認定日
条文を読んでみましょう。
第30条 ① 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 (1) 被保険者であること。 (2) 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 ② 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。 昭60法附則第20条第1項 初診日が令和8年4月1日前にある傷病による障害については、当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間(当該初診日において被保険者でなかった者については、当該初診日の属する月の前々月以前における直近の被保険者期間に係る月までの1年間)のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がなければ保険料納付要件を満たすものとする。ただし、当該初診日において65歳未満であるときに限られる。 |
★3つの要件を満たした場合は、障害認定日に障害基礎年金の受給権が発生します。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問2-ア】
障害基礎年金を受けることができる者とは、初診日に、被保険者であること又は被保険者であった者であって日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であることのいずれかに該当する者であり、障害認定日に政令で定める障害の状態にある者である。なお、保険料納付要件は満たしているものとする。
【解答】
①【R6年問2-ア】 〇
「初診日」要件についての問題です。
初診日に①か②のどちらかに該当していることです。
① 国民年金の被保険者であること
② 国民年金の被保険者であった者であって日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること
②【R6年問2-ウ】
障害基礎年金を受けることができる者とは、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上である者、あるいは初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間(当該初診日において被保険者でなかった者については、当該初診日の属する月の前々月以前における直近の被保険者期間に係る月までの1年間)に保険料の未納期間がない者である。なお、障害認定日に政令で定める障害の状態にあるものとする。
【解答】
②【R6年問2-ウ】 〇
「保険料納付要件」についての問題です。
「保険料納付要件」の原則
・ 初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上である
「保険料納付要件」の特例
・ 初診日が令和8年4月1日前にある
・ 初診日に65歳未満
・ 初診日の前日に、初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がない(=保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないこと)
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
被保険者であった者が60歳以上65歳未満の間に傷病に係る初診日がある場合であって、当該初診日において、日本国内に住所を有しないときには、当該傷病についての障害基礎年金が支給されることはない。なお、当該傷病以外に傷病は有しないものとする。
【解答】
①【H29年出題】 〇
初診日に、「被保険者であった者(かつて被保険者だったが、初診日には被保険者ではない)」の場合、初診日に「日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。」が条件です。
問題文の場合は、「日本国内に住所を有しない」となっているので、障害基礎年金は支給されません。
②【H27年出題】
障害基礎年金の障害認定日について、当該傷病に係る初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となるが、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も傷病が治った日として取り扱われる。
【解答】
②【H27年出題】 〇
障害認定日は「初診日から起算して1年6か月を経過した日」です。
ただし、初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となります。なお、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も傷病が治った日として取り扱われます。
③【H29年出題】
精神の障害は、障害基礎年金の対象となる障害に該当しない。
【解答】
③【H29年出題】 ×
精神の障害は、障害基礎年金の対象となる障害に該当します。
(令第4条の6)
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R7-073 11.06
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
今日のテーマは「内払」です。
「内払」とは、「払いすぎた額を今後支払う年金額から減額すること」です。(参照:日本年金機構のホームページ)
条文を読んでみましょう。
第39条 ① 乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。 ② 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金が支払われた場合における当該年金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。 ③ 同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。 |
(例)①について
消滅
乙年金 | 支払い |
|
|
|
| 甲年金の内払とみなす ↓ |
| ||
| 甲年金 |
・乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得した
↓
・そのため乙年金の受給権が消滅したにも関わらず
↓
・翌月以後の分として、乙年金の支払が行われた
↓
・払いすぎた乙年金を返還させて改めて甲年金を支払うのではなく
↓
・支払われた乙年金は、甲年金の「内払とみなす」ことになっています。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問3-A】
同一人に対して国民年金法による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。以下本肢において同じ。)を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法による年金たる給付の支払いが行われたときは、その支払われた同法による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
【解答】
【R6年問3-A】 〇
同一人に対する「国民年金法による年金たる給付」と「厚生年金保険法の年金たる保険給付」も内払の調整を行うことができます。ただし「厚生年金保険法の年金たる保険給付」は、厚生労働大臣が支給するものに限られます。
(法第39条第3項)
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得し、障害厚生年金の支給を選択した場合において、遺族厚生年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として遺族厚生年金の支払が行われたときは、その支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の内払とみなす。
【解答】
①【H25年出題】 〇
・遺族厚生年金の受給権者が障害厚生年金の受給権を取得
↓
・障害厚生年金の支給を選択
↓
・にもかかわらず、遺族厚生年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として遺族厚生年金の支払が行われた
↓
・支払われた遺族厚生年金は、障害厚生年金の内払とみなす。
支給停止
遺族厚生年金 | 支払い |
|
|
|
| 障害厚生年金の内払とみなす ↓ |
| ||
選択→ | 障害厚生年金 |
(法第39条第1項)
②【H25年出題】(※改正による修正あり)
同一人に対して国民年金法による寡婦年金の支給を停止して60歳台前半の老齢厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。以下同じ。)を支給すべき場合において、老齢厚生年金を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として寡婦年金の支払が行われたときは、その寡婦年金は、老齢厚生年金の内払とみなすことができる。
【解答】
②【H25年出題】 〇
支給停止
寡婦年金 | 支払い |
|
|
|
| 老齢厚生年金の 内払とみなすことができる。 ↓ |
| ||
選択→ | 60歳台前半の老齢厚生年金 |
(法第39条第3項)
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R7-072 11.05
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給するときのルールを確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第60条第2項 配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が2人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、受給権者ごとに算定した額を受給権者の数で除して得た額とする。 第61条第1項 配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金の額を改定する。 |
例えば、遺族厚生年金の受給権者が、父と母の場合、それぞれの遺族厚生年金の額は、年金の額を2で割った額となります。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-エ】
夫(70歳)と妻(70歳)は、厚生年金保険の被保険者期間を有しておらず、老齢基礎年金を受給している。また、夫妻と同居していた独身の子は厚生年金保険の被保険者であったが、3年前に死亡しており、夫妻は、それに基づく遺族厚生年金も受給している。この状況で夫が死亡し、遺族厚生年金の受給権者の数に増減が生じたときは、増減が生じた月の翌月から、妻の遺族厚生年金の年金額が改定される。
【解答】
【R6年問5-エ】 〇
遺族厚生年金の受給権者が2人(死亡した者からみると父と母)ですので、それぞれに、遺族厚生年金の額を2で割った額が支給されます。
その後、夫(父)が死亡した場合、遺族厚生年金の受給権者は2人から1人に減少します。その場合、減少が生じた月の翌月から、母(妻)の遺族厚生年金の年金額が改定されます。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者の数に増減を生じたときは、増減を生じた月の翌月から、年金額を改定する。
【解答】
①【R2年出題】 〇
増減を生じた月の「翌月から」、年金額が改定されます。「翌月から」がポイントです。
②【H26年出題】
遺族厚生年金の受給権者である子が2人いる場合において、そのどちらかが死亡したときは、他の受給権者に支給される遺族厚生年金の額は、受給権者の数に減少が生じた月の翌月から改定される。
【解答】
②【H26年出題】 〇
例えば、遺族厚生年金の受給権者である子がAとBの2人いる場合で、Aが死亡したときは、Bに支給される遺族厚生年金の額は、受給権者の数に減少が生じた月の翌月から改定されます。
ちなみに、Bの年金額は、Aと2分の1ずつだったものが、Aの死亡によりBが1人で受けることになりますので、Bの年金額は増額します。
③【H21年出題】
被保険者期間が300月以上である被保険者の死亡により、配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合において、受給権者が2人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、死亡した被保険者の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額の計算の例により計算した額の4分の3に相当する額を受給権者の数で除して得た額である。
【解答】
③【H21年出題】 〇
配偶者以外の者に遺族厚生年金を支給する場合で、受給権者が2人以上であるときは、それぞれの遺族厚生年金の額は、受給権者の数で除して得た額となります。
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R7-071 11.04
遺族厚生年金には短期要件と長期要件があります。
・短期要件とは?
・長期要件とは?
・短期要件と長期要件の両方に当てはまる場合があります
・短期要件と長期要件の計算式の違い
についてお話ししています。
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R7-070 11.03
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年10月28日から11月2日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
【労災保険法】 通勤の定義についてお話しします
【労災保険法】 通勤災害と認められた事例・認められなかった事例
【国民健康保険法】の問題を解いてみましょう
【健康保険法】 労災と出産育児一時金との関係
【健康保険法】 保険料の負担と納付義務
【健康保険法】 育児休業期間中の保険料免除
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R7-069 11.02
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
育児休業期間の保険料免除について条文を読んでみましょう。
第159条第1項 育児休業等をしている被保険者(産前産後休業期間の保険料免除の適用を受けている被保険者を除く。)が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める月の当該被保険者に関する保険料(その育児休業等の期間が1か月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る。)は、徴収しない。 (1) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合 → その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月 (2) その育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一であり、かつ、当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところにより計算した日数が14日以上である場合 → 当該月 |
★(1)について(開始日の属する月と終了する日の翌日が属する月が異なる)
開始日 |
|
|
| 終了日の翌日 |
免 除 | 免 除 | 免 除 | 免 除 |
|
★(2)について(開始日の属する月と終了する日の翌日が属する月が同一)
| 開始日 終了日の翌日 |
|
| 14日以上 免 除 |
|
★賞与について
育児休業等の期間が1か月以下の場合は、「標準報酬月額」に係る保険料に限って免除されます。賞与の保険料は、1か月を超える育児休業等を取得している場合に限り、免除の対象となります。
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問10-C】
被保険者乙の配偶者が令和5年8月8日に双生児を出産したことから、被保険者乙は令和5年10月1日から令和5年12月31日まで育児休業を取得した。この場合、令和6年1月分の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
【R6問10-C】 ×
保険料が徴収されないのは、育児休業等を開始した日の属する月(令和5年10月)から育児休業等が終了する日の翌日(令和6年1月1日)が属する月の前月(令和5年12月)までの月です。
令和6年1月分の保険料は、免除されません(=徴収されます)
過去問をどうぞ!
①【R5年出題】
被保険者乙の育児休業等開始日が令和5年1月10日で、育児休業等終了日が令和5年3月31日の場合は、令和5年1月から令和5年3月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
①【R5年出題】 〇
育児休業等を開始した日の属する月(令和5年1月)から育児休業等が終了する日の翌日(令和5年4月1日)が属する月の前月(令和5年3月)までの月の保険料は徴収されません。
②【R5年出題】
被保険者丙の育児休業等開始日が令和5年1月4日で、育児休業等終了日が令和5年1月16日の場合は、令和5年1月の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。
【解答】
②【R5年出題】 ×
育児休業等を開始した日の属する月と育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが同一の場合は、育児休業等の日数が14日以上あることが必要です。
問題文の育児休業期間は、令和5年1月4日~16日で13日しかありません。
そのため、令和5年1月分の保険料は免除されません(徴収されます)。
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R7-068 11.01
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
保険料について条文を読んでみましょう。
第161条第1項~3項(保険料の負担及び納付義務) ① 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担する。ただし、任意継続被保険者は、その全額を負担する。 ② 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 ③ 任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
第162条 (健康保険組合の保険料の負担割合の特例) 健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。
第164条第1項 (保険料の納付) 被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。ただし、任意継続被保険者に関する保険料については、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)までとする。 |
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問7-A】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増減することができる。
【解答】
【R6問7-A】 ×
一般保険料額又は介護保険料額は、被保険者と事業主が2分の1ずつ負担するのが原則です。
ただし、健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき割合を「増減」ではなく「増加」することができます。
ポイント!
・「増加」できるのは、事業主の負担割合です。被保険者の負担割合は増加できません。
・規約で「増加」できるのは、「健康保険組合」のみです。全国健康保険協会には、適用されません。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。
【解答】
①【H30年出題】 〇
重要キーワードは、「健康保険組合」、「事業主の負担割合」、「増加」です。
②【H30年出題】
一般の被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。任意継続被保険者に関する毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければならないが、初めて納付すべき保険料については、被保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出をした日に納付しなければならない。
【解答】
②【H30年出題】×
任意継続被保険者の初めて納付すべき保険料は、「保険者が指定する日」までに納付しなければなりません。
表にまとめました。
| 負担割合 | 納付義務 | 納付期日 |
一般の被保険者 | 2分の1 | 事業主 | 翌月末日 |
任意継続被保険者 | 全 額 | 自 己 | その月の10日 初めて納付すべき保険料は、 「保険者が指定する日」 |
③【R1年出題】
被保険者の長期にわたる休職状態が続き実務に服する見込みがない場合又は公務に就任しこれに専従する場合においては被保険者資格を喪失するが、被保険者の資格を喪失しない病気休職の場合は、賃金の支払停止は一時的であり、使用関係は存続しているため、事業主及び被保険者はそれぞれ賃金支給停止前の標準報酬に基づく保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負う。
【解答】
③【R1年出題】 〇
被保険者の資格を喪失しない病気休職の場合は、使用関係は存続しているため、保険料を負担しなければなりません。事業主及び被保険者は保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負います。
(昭和26.3.9保文発第619号)
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R7-067 10.31
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、健康保険法の択一式です。
出産育児一時金の条文を読んでみましょう。
第101条 (出産育児一時金) 被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。 |
被保険者が出産したときは、出産育児一時金が支給されます。
出産育児一時金の額は、
★産科医療補償制度に加入している医療機関等で出産した場合
↓
1児につき50万円
★産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合
↓
1児につき48万8千円
令和6年の問題をどうぞ!
【R6問8-B】
被保険者が、妊娠6か月の身体をもって業務中に転倒強打して早産したときは、健康保険法に規定される保険事故として、出産育児一時金が支給される。
【解答】
【R6問8-B】 〇
業務中に転倒強打したことに対して、労災保険法から補償が行われたとしても、健康保険法に規定される保険事故(出産)として、出産育児一時金が支給されます。
(昭24.3.26保文発523)
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
妊娠4か月を過ぎてから業務上の事故により流産し、労災保険法の療養補償給付を受けた場合、健康保険から出産育児一時金の支給は行われない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
労災保険法の療養補償給付を受けたとしても、「出産」に対して、健康保険から出産育児一時金の支給が行われます。
なお、流産でも妊娠4か月以上の場合は、健康保険法の出産となります。
(昭24.3.26保文発523)
②【R5年出題】
令和5年4月1日以降、被保険者の被扶養者が産科医療補償制度に加入する医療機関等で医学的管理の下、妊娠週数22週以降に双子を出産した場合、家族出産育児一時金として、被保険者に対し100万円が支給される。
【解答】
②【R5年出題】 〇
産科医療補償制度に加入する医療機関等で医学的管理の下、妊娠週数22週以降に出産した場合は、出産育児一時金(家族出産育児一時金)は、1児につき50万円支給されます。双子の場合は100万円となります。
また、家族出産育児一時金は、被扶養者ではなく、「被保険者に対し」支給されることにも注意して下さい。
(法第101条、104条、令第36条、令和5.3.30保保発0330第8号)
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R7-066 10.30
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民健康保険法の択一式です。
国民健康保険法の問題を解いてみましょう。
押さえておきたいのは、①と④の問題です。
①【R6問8-A】重要!
市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)は、国民健康保険事業の運営が適切かつ円滑に行われるよう、国民健康保険組合(以下「国保組合」という。)その他の関係者に対し、必要な指導及び助言を行うものとする。
【解答】
①【R6問8-A】重要! ×
国民健康保険組合に指導及び助言を行うのは、「市町村(特別区を含む)」ではなく「都道府県」です。
国、都道府県、市町村の責務を条文で確認しましょう。
第4条 ① 国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講ずるとともに、第1条に規定する目的の達成に資するため、保健、医療及び福祉に関する施策その他の関連施策を積極的に推進するものとする。 ② 都道府県は、安定的な財政運営、市町村の国民健康保険事業の効率的な実施の確保その他の都道府県及び当該都道府県内の市町村の国民健康保険事業の健全な運営について中心的な役割を果たすものとする。 ③ 市町村は、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項、国民健康保険の保険料の徴収、保健事業の実施その他の国民健康保険事業を適切に実施するものとする。 ④ 都道府県及び市町村は、前2項の責務を果たすため、保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策その他の関連施策との有機的な連携を図るものとする。 ⑤ 都道府県は、国民健康保険事業の運営が適切かつ円滑に行われるよう、国民健康保険組合その他の関係者に対し、必要な指導及び助言を行うものとする。 |
②【R6問8-B】
国保組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。
【解答】
②【R6問8-B】 〇
国民健康保険組合は、「組合員及び組合員の世帯に属する者」を被保険者としますので、世帯単位で適用されるのが原則です。
また、「国民健康保険組合は、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としないことができる。」と定められています。
(法第19条)
③【R6問8-C】
国保組合が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、監事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は組合会において監事以外の者を選任したときは、この限りでない。
【解答】
③【R6問8-C】 ×
監事ではなく理事です。
条文で確認しましょう。
第32条の4 (清算人) 国民健康保険組合が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は組合会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。 |
④【R6問8-D】重要!
国民健康保険審査会は、各都道府県に置かれ、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び保険医又は保険薬剤師を代表する委員各3人をもって組織される。
【解答】
④【R6問8-D】 ×
国民健康保険審査会は、各都道府県に置かれ、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び「公益」を代表する委員各3人をもって組織されます。
国民健康保険審査会について条文を読んでみましょう。
第91条第1条 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。
第92条(審査会の設置) 国民健康保険審査会は、各都道府県に置く。
第93条 (組織) ① 国民健康保険審査会は、被保険者を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員各3人をもって組織する。 ② 委員は、非常勤とする。 |
⑤【R6問8-E】
市町村若しくは国保組合又は国民健康保険団体連合会は、厚生労働省令で定めるところにより、事業状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。
【解答】
⑤【R6問8-E】 ×
厚生労働大臣ではなく都道府県知事です。
条文を読んでみましょう。
第107条(事業状況の報告) 次の各号に掲げる者は、厚生労働省令で定めるところにより、事業状況を、それぞれ当該各号に定める者に報告しなければならない。 (1) 都道府県 → 厚生労働大臣 (2) 市町村若しくは国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会 → 当該市町村若しくは国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会をその区域内に含む都道府県を統括する都道府県知事 |
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R7-065 10.29
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労災保険法の択一式です。
通勤災害と認められた事例と認められなかった事例をみていきます。
令和6年の問題をどうぞ!
①【R6年問2-A】
マイカー通勤をしている労働者が、勤務先会社から市道を挟んだところにある同社の駐車場に車を停車し、徒歩で職場に到着しタイムカードを打刻した後、フォグライトの消し忘れに気づき、徒歩で駐車場へ引き返すべく市道を横断する途中、市道を走ってきた軽自動車にはねられ負傷した場合、通勤災害とは認められない。
【解答】
①【R6年問2-A】 ×
通勤災害と認められます。
・ マイカー通勤者が車のライトの消し忘れなどに気づき、駐車場に引き返すことは一般にあること。
・ いったん事業場に入った後でも、まだ時間の経過もほとんどないことから通勤に通常随伴する行為と認められる。
(昭和49.6.19基収第1739号)
②【R6年問2-B】
マイカー通勤をしている労働者が、同一方向にある配偶者の勤務先を経由するため、通常通り自分の勤務先を通り越して通常の通勤経路を450メートル走行し、配偶者の勤務先で配偶者を下車させて自分の勤務先に向かって走行中、踏切で鉄道車両と衝突して負傷した場合、通勤災害とは認められない。
【解答】
②【R6年問2-B】 ×
通勤災害と認められます
・ 妻の勤務先が同一方向にあり、かつ、夫の通勤経路からそれほど離れていない
・ 通勤をマイカーで行い、妻の勤務先を経由することは通常おこなわれるもの
・ 当該経路は合理的な経路として取り扱うのが妥当
(昭和49.3.4基収第289号)
③【R6年問2-C】
頸椎を手術した配偶者の看護のため、手術後1か月ほど姑と交替で1日おきに病院に寝泊まりしていた労働者が、当該病院から徒歩で出勤する途中、横断歩道で軽自動車にはねられ負傷したした場合、当該病院から勤務先に向かうとすれば合理的である経路・方法をとり逸脱・中断することなく出勤していたとしても、通勤災害とは認められない。
【解答】
③【R6年問2-C】 ×
通勤災害と認められます。
・入院中の夫の看護のため、妻が病院に寝泊まりすることは社会慣習上、通常行われること
・手術当日から長期間継続して寝泊まりしていた事実がある
・被災当日の当該病院は、被災労働者にとって就業のための拠点としての「住居」と認められる
(昭和52.12.23基収第981号)
④【R6年問2-D】
労働者が、退勤時にタイムカードを打刻し、更衣室で着替えをして事業場施設内の階段を降りる途中、ズボンの裾が靴に絡んだために足を滑らせ、階段を5段ほど落ちて腰部を強打し負傷した場合、通勤災害とは認められない。
【解答】
④【R6年問2-D】 〇
通勤災害とは認められません。
・事業主の支配下にある事業場施設の状況により生じた災害である
(昭和49.4.9基収第314号)
⑤【R6年問2-E】
長年営業に従事している労働者が、通常通りの時刻に通常通りの経路を徒歩で勤務先に向かっている途中に突然倒れ、急性心不全で死亡した場合、通勤災害と認められる。
【解答】
⑤【R6年問2-E】 ×
通勤災害とは認められません。
・ 発病の原因となるような通勤による負傷又は通勤に関連する突発的なできごとなどが認められないため「通勤に通常伴う危険が具体化したもの」とは認められない
・ 通勤を単なるきっかけとして偶然に生じたものに過ぎない
(昭和50.6.9基収第4039号)
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R7-064 10.28
「通勤」の定義は、選択式でも択一式でも、よく出題されます。
用語の意義など、一つずつ解説します。
「通勤」とは、 労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
(1) 住居と就業の場所との間の往復
(2) 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
(3) 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
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R7-063 10.27
毎週日曜日は総集編をお届けします。
今回は、令和6年10月21日から26日までの動画の総集編です。
まとめて見ることができますので、ご活用ください。
☟
【国民年金法】 国民年金の法定免除についてお話しします
【厚生年金保険法】 遺族厚生年金の原則の計算式
【厚生年金保険法】 不服申立ての超基本問題
【厚生年金保険法】 老齢厚生年金の繰下げの条件
【労働基準法】 1か月単位の変形労働時間制の導入要件
【労働基準法】 専門業務型裁量労働制の適用手順
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R7-062 10.26
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
「専門業務型裁量労働制」の導入には、「労使協定」の締結が必要です。
労使協定で、対象業務やみなし労働時間を定めます。
条文を読んでみましょう。
第38条の3 ① 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を対象業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第2号に掲げる時間労働したものとみなす。 (1) 業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下「対象業務」という。) (2) 対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間 (3) 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。 (4) 対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。 (5) 対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。 (6) 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項 ② 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。 |
★専門業務型裁量労働制の「対象業務」は、厚生労働省令・告示によって20業務が定められています。
★対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間は、「1日当たりの労働時間」を定めます。(みなし労働時間といいます)
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-エ】
使用者は、労働基準法第38条の3に定めるいわゆる専門業務型裁量労働制を適用するに当たっては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、専門業務型裁量労働制を適用することについて「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければならない。
【解答】
【R6年問5-エ】 〇
専門業務型裁量労働制を適用することについて、労使協定で、「当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。」を定めなければなりません。
また、「適用労働者の同意の撤回に関する手続き」も協定する必要があります。
(則第24条の2の2第3項)
過去問をどうぞ!
【H19年出題】
労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制を採用しようとする場合において、労働時間の算定については労使協定で定めるところによることとした場合に、当該協定に定めるべき時間は、1日当たりの労働時間であり、休憩、深夜業及び休日に関する規定の適用は排除されないので、法定休日に労働させた場合には、当該休日労働に係る割増賃金を支払う必要がある。
【解答】
【H19年出題】 〇
ポイントを確認しましょう。
★労使協定に定めるべき時間は、「1日当たり」の労働時間です。
★休憩、深夜業及び休日に関する規定は適用されます。そのため、例えば、法定休日に労働させた場合には、割増賃金の支払いが必要です。
(H12.1.1基発第1号)
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R7-061 10.25
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、労働基準法の択一式です。
1か月単位の変形労働時間制について条文を読んでみましょう。
第32条の2 ① 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間(法定労働時間)を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。 ② 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、①の労使協定を行政官庁に届け出なければならない。 |
★ 1か月単位の変形労働時間制を導入するには、「労使協定」又は「就業規則その他これに準ずるもの」が必要です。
なお、常時10人以上の労働者を使用する使用者は「就業規則」の作成と届出義務があります。
そのため、1か月単位の変形労働時間制を導入する手続きは以下のようになります。
常時使用する労働者数 | 導入要件 |
10人以上 | 労使協定 又は 就業規則 |
10人未満 | 労使協定 又は 就業規則その他これに準ずるもの |
労使協定で導入する場合は、届出が必要です。
★ 1か月以内の一定の期間(変形期間といいます)を平均して、1週間当たりの労働時間が1週間の法定労働時間(原則40時間・特例の事業場は44時間)を超えないようにしなければなりません。
変形期間の労働時間の総枠は次の式で計算します。
1週間の法定労働時間(40時間又は44時間)×変形期間の暦日数÷7
たとえば、法定労働時間が原則の40時間で、変形期間を1か月とした場合、
31日の月の労働時間の総枠は、40時間×31日÷7=177.1時間
30日の月の労働時間の総枠は、40時間×30日÷7=171.4時間
となります。
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問5-ア】
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を適用するに当たっては、常時10人未満の労働者を使用する使用者であっても必ず就業規則を作成し、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定めをしなければならない。
【解答】
【R6年問5-ア】 ×
常時10人未満の労働者を使用する使用者が1か月単位の変形労働時間制を適用するには、「労使協定」又は「就業規則その他これに準ずるもの」のどちらか必要です。
「必ず就業規則を作成」が誤りです。「労使協定」で導入することもできますし、「就業規則に準ずるもの」で導入することもできます。
なお、「1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定め」とありますが、特例の事業場の場合は「44時間」となります。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
1か月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものによる定めだけでは足りず、例えば当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合と書面により協定し、かつ、当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、採用することができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
1か月単位の変形労働時間制は、労使の話合いによる制度の導入を促進するため、また、1か月単位の変形労働時間制以外の変形労働時間制の導入要件は労使協定により定めることとされていることも勘案し、就業規則その他これに準ずるものによる定め又は労使協定による定めのいずれによっても導入できるとされています。
就業規則その他これに準ずるものによる定めがある場合は、労使協定は不要です。
また、労使協定で採用する場合は、所轄労働基準監督署長への届出が必要ですが、届出によって効力が発生するわけではありません。そのため、「当該協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることによって、採用することができる」も誤りです。
(H11.1.29基発第45号)
②【R4年出題】
労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を労使協定を締結することにより採用する場合、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。
【解答】
②【R4年出題】 ×
1か月単位の変形労働時間制を労使協定で採用する場合は、労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。しかし、1か月単位の変形労働時間制の効力は労使協定の締結で発生しますので、「労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出ないときは1か月単位の変形労働時間制の効力が発生しない。」は誤りです。
③【H19年出題】
1か月単位の変形労働時間制を採用した場合、変形期間を平均し1週間当たりの労働時間が週法定労働時間以内となるようにするために行う、変形期間における所定労働時間の総枠の計算は、次の式によって行う。
その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7
【解答】
③【H19年出題】 〇
変形期間の所定労働時間の総枠の計算式のポイントも確認しましょう。
「その事業場の週法定労働時間×変形期間の暦日数÷7」
・週法定労働時間は40時間が原則ですが、特例の事業場は44時間です。
・暦日数は、暦上の日数です。労働日数ではありません。
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R7-060 10.24
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、厚生年金保険法の択一式です。
老齢厚生年金の繰下げの要件について条文を読んでみましょう。
第44条の3第1項 (支給の繰下げ) 老齢厚生年金の受給権を有する者であってその受給権を取得した日から起算して 1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。 ただし、その者が当該老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付(他の年金たる保険給付又は国民年金法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。)をいう。)の受給権者であったとき、又は当該老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。 |
<老齢厚生年金の繰下げの申し出の条件です>
・老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に老齢厚生年金を請求していないこと
・老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者でないこと
・老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間に他の年金たる給付の受給権者となっていないこと
★他の年金たる給付とは?
・他の年金たる保険給付 → 障害厚生年金、遺族厚生年金
又は
・国民年金法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。) → 遺族基礎年金
では、令和6年の問題をどうぞ!
【R6年問4】
次の記述のうち、老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができないものはいくつあるか。
なお、いずれも、老齢厚生年金の支給繰下げの申出に係るその他の条件を満たしているものとする。
ア 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害厚生年金の受給権者であった者。
イ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに遺族厚生年金の受給権者であった者。
ウ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに老齢基礎年金の受給権者であった者。
エ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害基礎年金の受給権者であった者。
オ 老齢厚生年金の受給権を取得したときに遺族基礎年金の受給権者であった者。
【解答】
ア 老齢厚生年金の受給権を取得したときに障害厚生年金の受給権者であった者は、繰下げの申出はできません。
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