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R6-028
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、健康保険法です。
条文を読んでみましょう。
第99条第1項 (傷病手当金) 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。 |
傷病手当金を受けるには、連続3日間の待期期間を満たすことが必要です。
過去問をどうぞ!
【H21年出題】
傷病手当金の待期期間は、最初に療養のため労務不能となった場合のみ適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につきさらに労務不能となった場合は待期の適用は行われない。
【解答】
【H21年出題】 ○
待期は最初に1回満たせば良く、その後労務に服した後再び同じ疾病又は負傷につき労務不能となった場合には、待期は不要です。
(昭2.3.11保理1085)
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
傷病手当金の待期期間について、疾病又は負傷につき最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につき再度労務不能となった場合は、待期の適用がない。
【解答】
【R5年出題】 ○
待期は、同じ疾病又は負傷につき、1回満たせば要件を満たします。
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R6-018
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、健康保険法です。
まず、過去問からどうぞ!
【H27年出題】
高額療養費の支給要件、支給額等は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して政令で定められているが、入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は高額療養費の算定対象とならない。
【解答】
【H27年出題】 〇
入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は高額療養費の算定対象になりません。
条文を読んでみましょう。
第115条第1項 (高額療養費) 療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額(「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。 |
高額療養費は、一部負担金等の額が著しく高額なときに支給されます。
「食事療養及び生活療養を除く。」の部分がポイントです。食事療養標準負担額、生活療養標準負担額は高額療養費の算定に含まれません。
なお、保険外併用療養に係る自己負担分(差額ベッド代や先進医療にかかる費用など)も対象になりません。
では、令和5年の問題をどうぞ
【R5年出題】
高額療養費は公的医療保険による医療費だけを算定の対象にするのではなく、食事療養標準負担額、生活療養標準負担額又は保険外併用療養に係る自己負担分についても算定の対象とされている。
【解答】
【R5年出題】 ×
食事療養標準負担額、生活療養標準負担額、保険外併用療養に係る自己負担分は、算定の対象になりません。
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R6-007
令和5年度の選択式を振り返ります。
今日は健康保険法です。
Aは全国健康保険協会の業務に関する問題です。
条文を読んでみましょう。
第5条第2項 (全国健康保険協会管掌健康保険) 全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。 |
全国健康保険協会が管掌する業務のうち、①資格の取得・喪失の確認、②標準報酬月額・標準賞与額の決定、③保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)、④①~③に附帯する業務は、「厚生労働大臣」が行います。厚生年金保険と一体化している業務だからです。
なお、全国健康保険協会の任意継続被保険者の保険料の徴収は、厚生労働大臣ではなく、全国健康保険協会が行います。任意継続被保険者は厚生年金保険に加入していないからです。
Aには「厚生労働大臣」が入ります。
BからDは、高額療養費多数回該当の問題です。
高額療養費多数回該当とは、療養のあった月以前の12月以内に既に高額療養費が支給されている月数が3月以上ある場合をいいます。
70歳未満で標準報酬月額が83万円以上の場合、高額療養費算定基準額は252,600円+(医療費-842,000円)×1%ですが、多数回該当の場合は、140,100円となります。
なお、高額療養費は、管掌する保険者が変わった場合は、高額療養費の支給回数は通算されません。
Bは「12か月」、Cは「140,100円」、Dは「通算されない」が入ります。
Eは出産手当金の問題です。
条文を読んでみましょう。
第102条 (出産手当金) 被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。 |
Eには、「98」が入ります。
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R5-362
健康保険の給付制限をチェックしましょう。
条文を読んでみましょう。
第116条 被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
第117条 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第119条 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。
第121条 保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意若しくは重過失により給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は行われない。
②【H23年出題】
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その給付の全部について行わないものとする。
③【H22年出題】
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の全部または一部を行わないことができる。
④【H28年出題】
保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
①【R3年出題】 ×
被保険者又は被保険者であった者が、『自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたとき』は、当該給付事由に係る保険給付は、行わない、です。
「重過失」は入りません。
②【H23年出題】 ×
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、『その全部又は一部を行わないことができる』です。
「給付の全部について行わないものとする。」は誤りです。
③【H22年出題】 ×
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、『保険給付の一部』を行わないことができる、です。
「保険給付の全部または一部」は誤りです。
④【H28年出題】 〇
正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の『全部又は一部』を行わないことができる、です。
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R5-346
健康保険の事務費についてみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第151条 (国庫負担) 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに介護納付金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
第152条 ① 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。 ② ①の国庫負担金については、概算払をすることができる。 |
健康保険の事務費については、国が負担しています。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
健康保険事業の事務の執行に要する費用について、国庫は、全国健康保険協会に対して毎年度、予算の範囲内において負担しているが、健康保険組合に対しては負担を行っていない。
②【H23年選択式】
1 国庫は、毎年度、< A >の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに< B >の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
2 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における< C >を基準として、厚生労働大臣が算定する。
3 上記2の国庫負担金については、< D >をすることができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
健康保険事業の事務の執行に要する費用については、全国健康保険協会だけでなく、健康保険組合に対しても、国庫が負担しています。
②【H23年選択式】
A 予算
B 介護納付金
C 被保険者数
D 概算払い
★介護納付金とは?
介護保険の第2号被保険者(40歳~64歳)の介護保険料は、医療保険料と一体的に各医療保険者が徴収します。
↓
徴収した介護保険料は、「介護納付金」として社会保険診療報酬支払基金に納付します。
↓
社会保険診療報酬支払基金から、各市町村に交付されます。
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R5-345
今日は、保険医療機関・保険薬局の指定をみていきます。
★厚生労働大臣の指定を受けた病院又は診療所 → 保険医療機関
★厚生労働大臣の指定を受けた薬局 → 保険薬局
条文を読んでみましょう。
第65条第1項 保険医療機関又は保険薬局の指定は、政令で定めるところにより、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。 |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により、厚生労働大臣が行い、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失う。
②【H28年出題】
保険医個人が開設する診療所は、病床の有無に関わらず、保険医療機関の指定を受けた日から、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の指定の申出があったものとみなされる。
③【H22年出題】
保険医療機関または保険薬局は、3か月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができ、またその登録の抹消を求めることができる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
・保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により、厚生労働大臣が行います。
※「厚生労働大臣の指定」の権限は、地方厚生局長又は地方厚生支局長に委任されています。(第205条、則第159条第1項)
・指定の効力は6年間です。
(法第68条)
②【H28年出題】 ×
「病床の有無に関わらず」が誤りです。
「保険医療機関の指定を受けた日から、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の指定の申出があったものとみなされる。」のは、保険医個人が開設する診療所です。「病院又は病床を有する診療所」は除かれます。
(法第68条第2項)
③【H22年出題】 ×
保険医療機関又は保険薬局は、「1月以上の予告期間」を設けて、その指定を辞退することができます。
(法第79条第1項)
ちなみに、保険医又は保険薬剤師は、「1月以上の予告期間」を設けて、その登録の抹消を求めることができます。
(法第79条第2項)
保険医療機関・保険薬局は、「指定」、「辞退」
保険医・保険薬剤師は、「登録」、「抹消」です。
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R5-344
定時決定の条文を読んでみましょう。
第41条第1項 (定時決定) 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者にあっては、11日。随時改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定において同じ。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 |
今日は、報酬支払の基礎となった日数をみていきます。
過去問をどうぞ!
【H28年出題】
標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
【解答】
【H28年出題】 ×
4月、5月、6月における支払基礎日数の算定に当たっては、次によることとされています。
① 月給者については、各月の暦日数による。
② 月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合は、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数による。
③ 日給者については、各月の出勤日数による。
問題文の場合は、その月における暦日の数から欠勤日数を控除した日数ではなく、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から欠勤日数を控除した日数が、支払基礎日数となります。
(H18.5.12庁保険発第0512001号)
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R5-343
今日は、埋葬料と埋葬費をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第100条 ① 被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額(5万円)を支給する。 ② 埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、①の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。 |
①埋葬料のポイント!
→被保険者により生計を維持していた者に支給されます。
実際に埋葬を行うことが条件ではありません。
②埋葬費のポイント!
→被保険者により生計を維持していた者がいないとき(=埋葬料の支給を受けるべき者がいないとき)は、実際に「埋葬を行った者」に、5万円の範囲内で埋葬に要した費用(実費)が支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
埋葬料の支給要件にある「その者により生計を維持していた者」とは、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持していた者に限られず、生計の一部を維持していた者も含まれる。
②【H25年出題】
埋葬を行う者とは、埋葬を行った者をいうのであるから、被保険者が死亡し社葬を行った場合には、たとえその被保険者に配偶者がいたとしても、配偶者には埋葬料は支給されない。
③【H28年出題】
被保険者が死亡し、その被保険者には埋葬料の支給を受けるべき者がいないが、別に生計をたてている別居の実の弟が埋葬を行った場合、その弟には、埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額が支給される。
【解答】
①【H24年出題】 〇
埋葬料の支給要件の「その者により生計を維持していた者」には、生計の一部を維持していた者も含まれます。
(S8.8.7保発502)
②【H25年出題】 ×
埋葬料は、埋葬を行った事実により支給されるのではなく、被保険者の死亡により支給されるものです。
埋葬を行う者とは、実際に埋葬を行った者ではありません。埋葬を行うべき者のことですので、被保険者が死亡し社葬を行った場合で、その被保険者に配偶者がいた場合は、配偶者に埋葬料が支給されます。
③【H28年出題】 〇
被保険者が死亡し、埋葬料の支給を受けるべき者がいない場合は、実際に埋葬を行った者に実費が支給されます。
別に生計をたてている別居の実の弟が埋葬を行った場合は、実際に埋葬を行った弟に、埋葬料の金額の範囲内でその埋葬に要した費用(実費)が支給されます。
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R5-342
今日は、延滞金の計算についてみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第181条 ① 督促をしたときは、保険者等は、徴収金額に、納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から3か月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。 1 徴収金額が1000円未満であるとき。 2 納期を繰り上げて徴収するとき。 3 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がいずれも明らかでないため、公示送達の方法によって督促をしたとき。 ② 徴収金額の一部につき納付があったときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる徴収金は、その納付のあった徴収金額を控除した金額による。 ③ 延滞金を計算するに当たり、徴収金額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 ④ 督促状に指定した期限までに徴収金を完納したとき、又は延滞金の金額が100円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。 ⑤ 延滞金の金額に100円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
適用事業所の事業主が納期限が5月31日である保険料を滞納し、指定期限を6月20日とする督促を受けたが、実際に保険料を完納したのが7月31日である場合は、原則として6月1日から7月30日までの日数によって計算された延滞金が徴収されることになる。
②【H27年選択】※改正による修正あり
保険料その他健康保険法の規定による徴収金を滞納する者に督促した場合に保険者等が徴収する延滞金の割合については、同法附則第9条により当分の間、特例が設けられている。令和5年の租税特別措置法の規定による財務大臣が告示する割合は年0.4%とされたため、令和5年における延滞税特例基準割合は年1.4%となった。このため、令和5年における延滞金の割合の特例は、< A >までの期間については年< B >%とされ、< A >の翌日以後については年< C >%とされた。
【解答】
①【H28年出題】 〇
延滞金は、「納期限の翌日」から「徴収金完納又は財産差押えの日の前日」までの期間の日数に応じて算定されます。
問題文の場合は、「納期限の翌日=6月1日」から「完納の日の前日=7月30日」までの日数によって計算します。
②【H27年選択】※改正による修正あり
A 納期限の翌日から3か月を経過する日
B2.4
C8.7
※延滞金の割合の特例の条文を読んでみましょう。
附則第9条 (延滞金の割合の特例)
第181条第1項に規定する延滞金の年14.6%の割合及び年7.3%の割合は、当分の間、同項の規定にかかわらず、各年の延滞税特例基準割合が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、年14.6%の割合にあっては当該延滞税特例基準割合に年7.3%の割合を加算した割合とし、年7.3%の割合にあっては当該延滞税特例基準割合に年1%の割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.3%の割合を超える場合には、年7.3%の割合)とする。
令和5年における延滞税特例基準割合は年1.4%です。
令和5年の延滞金の割合の特例は、
3か月を経過する日までの期間→1.4%+1%=2.4%
3か月を経過する日の翌日以後の期間→1.4%+7.3%=8.7%
となります。
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R5-314
今日は、健康保険の「標準賞与額」をみていきましょう。
なお、賞与とは、「3か月を超える期間ごとに受けるもの」です。
条文を読んでみましょう。
第45条 (標準賞与額の決定) 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに1,000円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。 ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が573万円を超えることとなる場合には、当該累計額が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。 |
則第27条 (賞与額の届出) 被保険者の賞与額に関する届出は、賞与を支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。 |
第167条第2項 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度における標準賞与額の累計額が540万円(第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額。)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。
②【H29年出題】
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
③【R4年出題】
6月25日に40歳に到達する被保険者に対し、6月10日に通貨をもって夏季賞与を支払った場合、当該標準賞与額から被保険者が負担すべき一般保険料額とともに介護保険料額を控除することができる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
540万円ではなく、「573万円」です。
ポイント!
・標準賞与額は、賞与額から1000円未満を切り捨てた額です。
・年度の累計は、573万円です。累計が573万円に達した後も賞与が支給された場合は、それ以降の標準賞与額は0円となります。
②【H29年出題】 〇
前月から引き続き被保険者だった者が資格を喪失した場合、資格を喪失した月に支給された賞与については、保険料は徴収されません。
※保険料徴収の必要がない被保険者資格の喪失月でも、被保険者期間中に支払われる賞与に基づき決定される標準賞与額は、年度の累計額の573万円には算入されます。
(H19.5.1庁保険発第0501001号)
③【R4年出題】 〇
資格を取得した月に支給された賞与は、保険料の徴収の対象となります。
6月25日に介護保険の第2号被保険者となった場合は、6月に支給された賞与から、一般保険料額と介護保険料額を控除することができます。
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R5-299
少年院、刑事施設、労役場等に収容・拘禁された期間は、健康保険料は免除されます。
条文を読んでみましょう。
第158条 (保険料の徴収の特例) 前月から引き続き被保険者(任意継続被保険者を除く。)である者が第118条第1項各号のいずれかに該当するに至った場合はその月以後、被保険者がその資格を取得した月に同項各号のいずれかに該当するに至った場合はその翌月以後、同項各号のいずれかに該当しなくなった月の前月までの期間、保険料を徴収しない。 ただし、被保険者が同項各号のいずれかに該当するに至った月に同項各号のいずれかに該当しなくなったときは、この限りでない。
※第118条第1項 1 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。 |
少年院に収容された場合等は、公費で医療が行われますので、健康保険の疾病、負傷、出産に係る保険給付は行われず、また、保険料は徴収されません。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付は行われない。また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合については、原則として、その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。
②【H29年出題】
前月から引き続き任意継続被保険者である者が、刑事施設に拘禁されたときは、原則として、その月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。
【解答】
①【H27年出題】 ×
・ 前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合等
→ 免除される期間は、「該当した月」から該当しなくなった月の「前月」まで
※問題文は、「その翌月以後、拘禁されなくなった月まで」となっているので誤りです。
・ 資格を取得した月に刑事施設に拘禁された場合等
→ 免除される期間は、該当した月の「翌月」から該当しなくなった月の「前月」まで
・ 拘禁された、拘禁されなくなったのが同じ月にある場合
→ 保険料は免除されません。
②【H29年出題】 ×
任意継続被保険者は、刑事施設に拘禁されたとき等でも、保険料の免除はありません。
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R5-298
さっそく条文を読んでみましょう。
第118条 ① 被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。 1 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。 ② 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない。 |
ポイントその1
少年院に収容された場合等は、公費で医療が行われますので、健康保険の疾病、負傷、出産に係る保険給付は行われません。
「死亡」については、健康保険の保険給付が行われます。
ポイントその2
被保険者が少年院、刑事施設、労役場に収容・拘禁されたとき等でも、被扶養者がそれに該当しない場合は、被扶養者に対する保険給付は行われます。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
保険者は、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)を行わないが、被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない。
②【H29年出題】
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された場合には、被扶養者に対する保険給付を行うことができない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
被保険者が少年院等に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は行われません。
被扶養者については、被扶養者がそのような状態にない場合は、被扶養者に係る保険給付は行われます。
②【H29年出題】 ×
被保険者又は被保険者であった者が、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された場合でも、被扶養者に対する保険給付は行われます。
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R5-297
傷病手当金と老齢基礎年金・老齢厚生年金は同時に受けられるでしょうか?
条文を読んでみましょう。
法第108条第5項 傷病手当金の支給を受けるべき者(資格喪失後の継続給付により傷病手当金を受けるべき者に限る。)が、国民年金法又は厚生年金保険法による老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。 ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
則第89条第2項 ただし書の厚生労働省令で定めるところにより算定した額は、老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)を360で除して得た額(その額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)とする。 |
ポイントその1!
老齢退職年金給付と調整されるのは、「資格喪失後の継続給付により傷病手当金を受ける者」に限られます。
老齢退職年金給付を受けることができる者には、資格喪失後の傷病手当金の継続給付は、原則として支給されません。退職後に、老齢年金と傷病手当金の両方が支給されると、所得保障が重複してしまうからです。
ポイントその2!
ただし、「老齢退職年金給付の額÷360」が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるとき、老齢退職年金給付は支給されない。
②【H27年出題】
適用事業所に使用される被保険者が傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われない。
【解答】
①【H23年出題】 ×
被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢退職年金給付の支給を受けることができるとき、「老齢退職年金給付は支給されない」ではなく、「傷病手当金は支給されない」です。
ただし、「老齢退職年金給付の額÷360」が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。
②【H27年出題】 〇
「適用事業所に使用される被保険者」=在職中に傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われません。
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R5-281
被保険者が、同時に2以上の事業所に使用される場合の届出をみていきます。
条文を読んでみましょう。
則第1条の2 (選択) ① 被保険者(日雇特例被保険者を除く。)は、同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。 ② 当該2以上の事業所に係る日本年金機構の業務が2以上の年金事務所に分掌されているときは、被保険者は、その被保険者に関する機構の業務を分掌する年金事務所を選択しなければならない。ただし、①の規定により健康保険組合を選択しようとする場合はこの限りでない。
則第2条第1項 (選択の届出) 選択は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、一定の事項を記載した届書を全国健康保険協会を選択しようとするときは厚生労働大臣に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うものとする。 |
同時に2か所以上の適用事業に使用される場合、被保険者は、10日以内に選択の届出が必要です。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
被保険者が同時に2事業所に使用される場合において、それぞれの適用事業所における保険者が異なる場合は、選択する保険者に対して保険者を選択する届出を提出しなければならないが、当該2事業所の保険者がいずれも全国健康保険協会であれば、日本年金機構の業務が2つの年金事務所に分掌されていても届出は必要ない。
②【R4年選択式】
被保険者(日雇特例被保険者を除く。)は、同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。この場合は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から < A >日以内に、被保険者の氏名及び生年月日等を記載した届書を全国健康保険協会を選択しようとするときは< B >に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うものとする。
(選択肢)
① 5 ② 7 ③ 10 ④ 14
⑤ 厚生労働大臣 ⑥ 全国健康保険協会の都道府県支部
⑦ 全国健康保険協会の本部 ⑧ 地方厚生局長
【解答】
①【H27年出題】 ×
被保険者が同時に2つの事業所に使用される場合で、それぞれの適用事業所の保険者が異なる場合は、選択する保険者に対して保険者を選択する届出を提出します。
その場合、2つの事業所の保険者がどちらも全国健康保険協会であっても、管轄する年金事務所が異なる場合は、当該被保険者に関する事務を行う年金事務所を選択することになります。
②【R4年選択式】
A ③ 10
B ⑤ 厚生労働大臣
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R5-270
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合についてみていきます。
条文を読んでみましょう。
第28条 (指定健康保険組合による健全化計画の作成) ① 健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(以下「指定健康保険組合」という。)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 ② 承認を受けた指定健康保険組合は、当該承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならない。 ③ 厚生労働大臣は、承認を受けた指定健康保険組合の事業及び財産の状況により、その健全化計画を変更する必要があると認めるときは、当該指定健康保険組合に対し、期限を定めて、当該健全化計画の変更を求めることができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣より指定を受けた健康保険組合は、財政の健全化に関する計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、当該計画に従い、その事業を行わなければならない。この計画に従わない場合は、厚生労働大臣は当該健康保険組合と地域型健康保険組合との合併を命ずることができる。
②【H25年選択式】
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたものは、政令の定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下、「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならないが、その健全化計画は、厚生労働大臣の指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする< A >の計画とする。
(選択肢)
① 2年間 ② 3年間 ③ 4年間 ④ 5年間
【解答】
①【H30年出題】 ×
「健康保険組合が準用する第7条の39第1項(監督)の規定による命令に違反したとき、又は前条第2項の規定(健全化計画に従い事業を行わなければならない)に違反した指定健康保険組合、同条第3項の求め(健全化計画の変更の求め)に応じない指定健康保険組合その他政令で定める指定健康保険組合の事業若しくは財産の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該健康保険組合の解散を命ずることができる。」と規定されています。(第29条第2項)
健全化計画に従わない場合は、厚生労働大臣は「当該健康保険組合の解散を命ずることができる」です。
②【H25年選択式】
A ② 3年間
健全化計画は、厚生労働大臣の指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする「3年間」の計画とされています。
(令第30条)
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R5-253
今日は、全国健康保険協会の事業計画や業績評価などをみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第7条の27(事業計画等の認可) 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、当該事業年度開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第7条の28(財務諸表等) ① 協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結しなければならない。 ② 協会は、毎事業年度、財務諸表を作成し、これに当該事業年度の事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
第7条の30(各事業年度に係る業績評価) ① 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。 ② 厚生労働大臣は、評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結し、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
②【H30年出題】
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
③【H23年出題】
全国健康保険協会の理事長は全国健康保険協会の業績について事業年度ごとに評価を行い、当該評価の結果を遅滞なく、厚生労働大臣に対して通知するとともに、これを公表しなければならない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
毎事業年度の決算は、翌事業年度の5月31日までに完結します。
財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければなりません。
②【H30年出題】 〇
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行います。評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければなりません。
③【H23年出題】 ×
全国健康保険協会の業績について事業年度ごとに評価を行い、評価の結果を通知し、公表しなければならないのは、「全国健康保険協会の理事長」ではなく「厚生労働大臣」です。
また、評価の結果を通知するのは、全国健康保険協会に対してです。
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R5-243
例えば、災害時などに、国や地方公共団体が医療費を負担する場合があります。
そのような場合の健康保険の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第55条第4項 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わない。 |
まず、過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
公害健康被害の補償等に関する法律(以下本問において「公害補償法」という。)による療養の給付、障害補償費等の補償給付の支給がされた場合において、同一の事由について当該補償給付に相当する給付を支給すべき健康保険の保険者は、公害補償法により支給された補償給付の価額の限度で、当該補償給付に相当する健康保険による保険給付は行わないとされている。
②【H30年出題】
被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われない。
③【H16年出題】
生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付が併用される場合は、健康保険による保険給付が優先され、費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分について、医療扶助の対象となる。
【解答】
①【R3年出題】 〇
例えば水質汚濁等の公害で病気になった場合は、公害補償法の制度で療養の給付などの補償が行われます。
公害補償法で、補償給付の支給がされた場合は、公害補償法により支給された補償給付の価額の限度で、健康保険による保険給付は行わない、とされています。
(公害補償法第14条、昭50.12.8保険発第110号・庁保険発第20号)
②【H30年出題】 〇
災害救助法の目的は、「災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害により被害を受け又は被害を受けるおそれのある者の保護と社会の秩序の保全を図ること」です。
被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われません。
③【H16年出題】 〇
生活保護には、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の8種類の保護があります。
生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付では、健康保険による保険給付が優先されます。
費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分は、医療扶助の対象となります。
健康保険からの保険給付 | 自己負担分 (医療扶助の給付対象) |
(生活保護法第4条)
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R5-242
介護保険には、医療を提供するサービスもあります。
健康保険と介護保険の医療の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第55条第3項 (他の法令による保険給付との調整) 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病又は負傷について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。 |
同一の病気やけがについて、介護保険から給付を受けることができる場合は、健康保険の給付は行われません。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
被保険者に係る療養の給付は、同一の傷病について、介護保険法の規定によりこれに相当する給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われない。
②【H22年出題】
被保険者に係る療養の給付または入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費もしくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病、負傷または死亡について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わない。
③【R4年出題】
介護保険適用病床に入院している要介護被保険者である患者が、急性増悪等により密度の高い医療行為が必要となったが、当該医療機関において医療保険適用病床に空きがないため、患者を転床させずに、当該介護保険適用病床において療養の給付又は医療が行われた場合、当該緊急に行われた医療に係る療養については、医療保険から行うものとされている。
【解答】
①【H29年出題】 〇
同一の傷病で、介護保険の給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われません。
②【H22年出題】 ×
同一の「疾病、負傷または死亡」の「死亡」の部分が誤りです。介護保険には死亡に関する給付がありませんので、死亡については介護保険との調整は行われません。
③【R4年出題】 〇
介護保険適用病床に入院している要介護者である患者が、急性憎悪等により密度の高い医療行為が必要となった場合は、当該患者を医療保険適用病床に転床させて療養を行うことが原則です。
しかし、患者の状態、当該病院又は診療所の病床の空き状況等により、患者を転床させず、当該介護保険適用病床において緊急に医療行為を行う必要のある場合は、当該病床で療養の給付又は医療が行われることは可能です。
この場合の緊急に行われた医療に係る給付については、医療保険から行うものとされています。
(H12.3.31保険発第55号)
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R5-241
健康保険では、被保険者と被扶養者の「疾病、負傷、死亡、出産」について保険給付を行います。
ただし、労災保険法に規定する「業務災害」にあたるものは、健康保険の対象から除外されます。
「通勤災害」については、健康保険からは除外されていませんが、労災保険から給付を受けることができる場合は、調整が行われます。
では、条文を読んでみましょう。
第55条 第1項(他の法令による保険給付との調整) 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。 |
例えば、通勤途上で事故にあい、労災保険の通勤災害に関する保険給付の受給権を得た場合は、健康保険法からの給付は行われません。
労災保険と健康保険の調整が行われるのは、労災保険法に基づく給付を「受けることができる」ときです。「受けたとき」ではありませんので、労災保険の給付の受給権があれば調整の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給される。
②【H28年出題】
被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われる。
③【R1年出題】
労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害について、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険により給付する。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われない。
④【R3年出題】
被保険者又はその被扶養者において、業務災害(労災保険法第7条第1項第1号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)と疑われる事例で健康保険の被保険者証を使用した場合、保険者は、被保険者又はその被扶養者に対して、まずは労災保険法に基づく保険給付の請求を促し、健康保険法に基づく保険給付を留保することができる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
「同一の疾病、負傷又は死亡」について、労働者災害補償保険法の規定により給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われません。
被保険者が通勤途上の事故で死亡し、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合は、健康保険の埋葬料は支給されません。
②【H28年出題】 〇
請負で働く場合は労働契約関係にないので、労災保険の対象にはなりません。そのため、請負業務中に負傷しても労災保険から保険給付が行われません。そのような場合は、健康保険の給付が行われます。
(平成25.8.14事務連絡)
③【R1年出題】 〇
・事業所について、労災保険が適用されるべきであるにもかかわらず、その適用が行われていない場合、その間に発生した通勤災害については、遡って労災保険から給付されます。
・労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害については、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものは、健康保険から給付が行われます。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われません。
(S48.12.1保険発第105号・庁保険発第24号)
④【R3年出題】 〇
労災保険法における業務災害は、健康保険の給付の対象外です。
また、労災保険法における通勤災害は、労災保険からの給付が優先されます。
そのため、保険者は、まずは労災保険の請求を促し、健康保険の給付を留保することができます。
(平成25.8.14事務連絡)
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R5-227
健康保険組合の合併、分割、設立事業所の増減、解散に関しての手続をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第23条第1項 (合併) 健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第24条第1項~2項 (分割) ① 健康保険組合は、分割しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ② 健康保険組合の分割は、設立事業所の一部について行うことはできない。
第25条第1項 (設立事業所の増減) 健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない。
第26条 (解散) ① 健康保険組合は、次に掲げる理由により解散する。 1.組合会議員の定数の4分の3以上の多数による組合会の議決 2.健康保険組合の事業の継続の不能 3.厚生労働大臣による解散の命令 ② 健康保険組合は、前項1.又は2.に掲げる理由により解散しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 ③ 健康保険組合が解散する場合において、その財産をもって債務を完済することができないときは、当該健康保険組合は、設立事業所の事業主に対し、政令で定めるところにより、当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができる。 ④ 協会は、解散により消滅した健康保険組合の権利義務を承継する。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
健康保険組合は、合併しようとするときは、組合会において組合会議員の定数の3分の2以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
②【H30年出題】
健康保険組合は、分割しようとするときは、当該健康保険組合に係る適用事業所に使用される被保険者の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
③【R3年出題】
健康保険組合がその設立事業所を増加させ、又は減少させようとするときは、その増加又は減少に係る適用事業所の事業主の全部及びその適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない。
④【H23年出題】
健康保険組合は、①組合会議員の定数の2分の1以上の組合会の議決、②健康保険組合の事業の継続の不能、③厚生労働大臣による解散の命令、のいずれかの理由により解散する。
⑤【H29年出題】
健康保険組合が解散により消滅した場合、全国健康保険協会が消滅した健康保険組合の権利義務を承継する。
⑥【R3年出題】
健康保険組合が解散する場合において、その財産をもって債務を完済することができないときは、当該健康保険組合は、設立事業所の事業主に対し、政令で定めるところにより、当該債務を完済するために要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができる。
【解答】
①【H25年出題】 ×
合併の場合は、組合会において組合会議員の定数の「4分の3」以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。
②【H30年出題】 ×
分割の場合は、組合会において組合会議員の定数の4分の3以上の多数により議決し、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。
③【R3年出題】 〇
健康保険組合に新しく適用事業所が加入する、又は、健康保険組合に加入している設立事業所が分離するときの手続です。
そのような場合は、その増加又は減少に係る適用事業所の「事業主の全部」及びその適用事業所に使用される「被保険者の2分の1以上の同意」を得なければなりません。
④【H23年出題】 ×
健康保険組合の解散の理由は、①組合会議員の定数の「4分の3」以上の多数による組合会の議決、②健康保険組合の事業の継続の不能、③厚生労働大臣による解散の命令、の3つです。
なお、①と②は「厚生労働大臣の認可」が必要です。③は厚生労働大臣の命令による強制解散ですので、認可は要りません。
⑤【H29年出題】 〇
解散により消滅した健康保険組合の権利義務は、「全国健康保険協会」が承継します。
⑥【R3年出題】 〇
健康保険組合が解散する場合に、健康保険組合の財産をもって債務を完済できないときは、「設立事業所の事業主」に対し、債務を完済するために要する費用の全部又は一部を負担することを求めることができます。
健康保険組合と事業主との連帯責任の規定ですので、「被保険者」に対しては負担を求めることはできません。
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R5-214
60歳以上の被保険者が退職し、継続して再雇用される場合の手続をみていきます。
60歳以上の人が退職し再雇用された場合、例えば、正社員から嘱託社員に変わったり、退職金の支払いがあったとしても、1日の空白も無ければ、健康保険の被保険者の資格は継続します。
再雇用後に嘱託社員に変わった場合、報酬が下がることがあります。
通常は、報酬が下がった場合は、随時改定によって標準報酬月額が見直されます。随時改定の場合、標準報酬月額の改定は、固定的賃金の変動(報酬が下がった月)から 4か月目からになります。
そこで、60歳以上の被保険者については、退職し1日の空白も無く再雇用された場合は、被保険者資格喪失届と被保険者資格取得届を同時に提出することができます。
それによって、再雇用された月から、再雇用後の報酬に応じた標準報酬月額に決定されます。
過去問をどうぞ!
【R1年出題】
同一の事業所においては、雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合、退職金の支払いの有無又は身分関係若しくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の資格も継続するものであるが、60歳以上の者であって、退職後継続して再雇用されるものについては、使用関係が一旦中断したものとみなし、当該事業所の事業主は、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができる。
【解答】
【R1年出題】 〇
この取扱いは、「60歳」以降に退職後継続して再雇用されるものに対して適用されます。高齢者の継続雇用の支援が目的です。
(H25.1.25保保発0125第2号)
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R5-213
傷病手当金の待期期間をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第99条第1項 (傷病手当金) 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。 |
傷病手当金は、労務に服することができなくなった日から起算して「3日を経過した日」から支給されます。言い換えると、第4日目から支給されます。
傷病手当金が出るまでの3日間のことを待期といいます。
待期は、休業が連続3日で完成します。
例えば、
休 | 休 | 休 | 休 | 出 | 休 |
3日連続して休んでいますので、傷病手当金は4日目から支給されます。
休 | 休 | 休 | 出 | 休 |
3日連続して休んでいるので待期は完成しています。傷病手当金は5日目から支給されます。
休 | 出 | 休 | 休 |
休みが3日連続していないので待期は完成していません。
(参照:S32.1.31保発2号の2)
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
被保険者が就業中の午後4時頃になって虫垂炎を発症し、そのまま入院した場合、その翌日が傷病手当金の待期期間の起算日となり、当該起算日以後の3日間連続して労務不能であれば待期期間を満たすことになる。
②【H28年出題】
傷病手当金の支給要件として継続した3日間の待期期間を要するが、土曜日及び日曜日を所定の休日とする会社に勤務する従業員が、金曜日から労務不能となり、初めて傷病手当金を請求する場合、その金曜日と翌週の月曜日及び火曜日の3日間で待期期間が完成するのではなく、金曜日とその翌日の土曜日、翌々日の日曜日の連続した3日間で待期期間が完成する。
③【R1年選択】
4月1日に労務不能となって3日間休業し、同月4日に一度は通常どおり出勤したものの、翌5日から再び労務不能となって休業した場合の傷病手当金の支給期間は、 < A >起算されることになる。また、報酬があったために、その当初から支給停止されていた場合の傷病手当金の支給期間は、報酬をうけなくなった< B >又は報酬の額が傷病手当金の額より少なくなった< B >から起算されることになる。
<選択肢>
① 4月1日から ② 4月3日から ③ 4月4日から ④ 4月5日から
⑤ 日 ⑥ 日の2日後 ⑦ 日の3日後 ⑧ 日の翌日
【解答】
①【H28年出題】 ×
待期は「労務に服することができなくなった日」から起算します。
ただし、労務に服することができなくなったのが『業務終了後』の場合は「翌日」から起算します。
問題文は、労務に服することができなくなったのが就業中ですので、翌日ではなく「その日」が傷病手当金の待期期間の起算日となります。
(S5.10.13保発52号)
②【H28年出題】 〇
金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | 月曜日 | 火曜日 |
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 |
待期は、労務不能の日が連続3日で完成します。所定休日も待期に算入されます。
そのため、金曜日とその翌日の土曜日、翌々日の日曜日の連続した3日間で待期期間が完成します。
③【R1年選択】
A ④4月5日から
B ⑤日
★支給期間の起算日
4/1 | 4/2 | 4/3 | 4/4 | 4/5 |
休 | 休 | 休 | 出 | 休 |
1日から3日まで連続3日間休業していますので、待期期間が完成しています。傷病手当金は、再び休業した5日から支給されます。
傷病手当金の支給期間は、「同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して1年6月間」です。問題文の傷病手当金の支給期間は、4月5日から起算します。
★報酬があったため傷病手当金が支給停止されていた場合
報酬を受けることができる場合は、その間は傷病手当金は支給されません。
報酬を受けなくなれば傷病手当金が支給されますので、その場合の傷病手当金の支給期間は、「報酬をうけなくなった日又は報酬の額が傷病手当金の額より少なくなった日」から起算されます。
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R5-203
健康保険の強制適用事業所は、以下の通りです。
・常時5人以上の従業員を使用する個人経営の法定17業種の事業の事業所 ・国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの |
★ 国、地方公共団体の事業所も、健康保険の強制適用事業所になることがポイントです。
強制適用事業所に使用される従業員は、当然、健康保険の被保険者となります。そのため、国、地方公共団体に使用される人も健康保険の被保険者となります。
国や地方公共団体に使用される人は、健康保険の被保険者ですが、同時に共済組合の組合員でもあります。
両方から保険給付が行われることのないように、健康保険法では共済組合に関する特例が規定されています。
条文を読んでみましょう。
第200条 (共済組合に関する特例) 1 国に使用される被保険者、地方公共団体の事務所に使用される被保険者又は法人に使用される被保険者であって共済組合の組合員であるものに対しては、健康保険法による保険給付は、行わない。 2 共済組合の給付の種類及び程度は、健康保険法の給付の種類及び程度以上であることを要する。 |
共済組合の組合員に対しては、健康保険の保険給付は行われません。
※特例の対象になるのは、国家公務員共済組合の組合員、地方公務員共済組合の組合員、私立学校教職員共済の加入者です。
では、過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
法律によって組織された共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となることはない。
②【R1年出題】
国に使用される被保険者であって、健康保険法の給付の種類及び程度以上である共済組合の組合員であるものに対しては、同法による保険給付を行わない。
【解答】
①【H20年出題】 ×
共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者と「なります」。
しかし、健康保険法からの保険給付は行われません。
②【R1年出題】 〇
「共済組合の給付の種類及び程度は、健康保険法の給付の種類及び程度以上であることを要する。」と規定されています。
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R5-192
産前産後の休業期間中は、健康保険の保険料が免除されます。
条文を読んでみましょう。
第159条の3 産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。 |
ポイント!
・免除の要件
→ 事業主が保険者等に申出をすること
・免除される期間
→休業を開始した日の属する月から休業が終了する日の翌日が属する月の前月まで
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。
②【R1年出題】
産前産後休業期間中における保険料の免除については、例えば、5月16日に出産(多胎妊娠を除く。)する予定の被保険者が3月25日から出産のため休業していた場合、当該保険料の免除対象は4月分からであるが、実際の出産日が5月10日であった場合は 3月分から免除対象となる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
免除されるのは、産前産後休業を開始した日の「属する月」からその産前産後休業が終了する日の「翌日が属する月の前月」までです。
「属する月」と「前月」がチェックポイントです。
ちなみに、事業主負担分、被保険者負担分ともに免除されます。
②【R1年出題】 〇
産前産後休業は、出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)、出産日後56日です。
・5月16日が出産予定日で3月25日から休業していました。
5月16日が出産予定日の場合、出産日以前42日は4月5日~ですので、産前産後休業を開始した日の属する月の「4月」から保険料が免除されます。
・しかし、実際は、予定日より前の5月10日に出産しました。
その場合は、実際の出産日以前42日は、3月30日からとなります。
3月25日から休業していますので、保険料免除の開始は、産前産後休業を開始した日の属する月の「3月」に変更されます。
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R5-181
健康保険の被保険者となる「短時間労働者」の範囲を確認しましょう。
同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間又は1月の所定労働日数が4分の3未満で、次の要件に当てはまる人です。
①週の所定労働時間が20時間以上
②賃金の月額が8.8万円以上
③学生でない
④特定適用事業所又は任意特定適用事業所に使用されている
では、定時決定の条文を読んでみましょう。
第41条第1項 (定時決定) 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者にあっては、11日。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 |
定時決定は、4月、5月、6月の報酬の平均をとるのが原則です。ただし、その中に報酬支払の基礎となった日数が17日未満の月がある場合は、その月は除かれます。
短時間労働者の場合は、17日が「11日」となります。短時間労働者の定時決定は、「11日未満の月」を除いて平均を出します。
※随時改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定についても、短時間労働者は「11日」となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
特定適用事業所において被保険者である短時間労働者の標準報酬月額の定時決定は、報酬支払いの基礎となった日数が11日未満である月があるときは、その月を除いて行う。また、標準報酬月額の随時改定は、継続した3か月間において、各月とも報酬支払いの基礎となった日数が11日以上でなければ、その対象とはならない。
※本問における短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である者又は1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満である者のことをいう。
②【R3年出題】
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者の報酬支払の基礎となった日数が4月は11日、5月は15日、6月は16日であった場合、報酬支払の基礎となった日数が15日以上の月である5月及び6月の報酬月額の平均額をもとにその年の標準報酬月額の定時決定を行う。
【解答】
①【H29年出題】 〇
・短時間労働者の定時決定
→ 報酬支払いの基礎となった日数が11日未満の月は、除きます。
・短時間労働者の随時改定
→ 継続した3か月間の各月とも報酬支払いの基礎となった日数が11日以上でなければ、随時改定は行われません。
②【R3年出題】 ×
短時間労働者の定時決定では、報酬支払いの基礎となった日数が11日未満の月は除いて行われます。
問題文の場合、4月は11日、5月は15日、6月は16日で、すべて11日以上ですので、4月・5月・6月の報酬月額の平均額をもとにその年の標準報酬月額の定時決定を行います。
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R5-169
高額介護合算療養費制度とは?
→ 健康保険と介護保険の自己負担の合算額が、限度額を超えた場合に、限度額を超えた額が支給される制度です。
・毎年8月1日から翌年7月31日の1年間が計算期間です。
まず、高額介護合算療養費の条文を読んでみましょう。
第115条の2第1項 (高額介護合算療養費) 一部負担金等の額(高額療養費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)並びに介護保険法第51条第1項に規定する介護サービス利用者負担額(同項の高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)及び同法第61条第1項に規定する介護予防サービス利用者負担額(同項の高額介護予防サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額を控除して得た額)の合計額が著しく高額であるときは、当該一部負担金等の額に係る療養の給付又は保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額介護合算療養費を支給する。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
高額介護合算療養費は、計算期間(前年8月1日から7月31日までの1年間)の末日において健康保険の被保険者及びその被扶養者についてそれぞれ個別に算定し支給する。
②【H30年出題】
高額介護合算療養費は、健康保険法に規定する一部負担金等の額並びに介護保険法に規定する介護サービス利用者負担額及び介護予防サービス利用者負担額の合計額が、介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。高額介護合算療養費は、健康保険法に基づく高額療養費が支給されていることを支給要件の1つとしており、一部負担金等の額は高額療養費の支給額に相当する額を控除して得た額となる。
③【R2年出題】
高額介護合算療養費に係る自己負担額は、その計算期間(前年の8月1日からその年の7月31日)の途中で、医療保険や介護保険の保険者が変更になった場合でも、変更前の保険者に係る自己負担額と変更後の保険者に係る自己負担額は合算される。
④【H25年選択】
高額介護合算療養費は、介護合算一部負担金等世帯合算額が介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超えた場合に支給される。この支給基準額とは、高額介護合算療養費の支給の事務の執行に要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額のことであり、その額は< A >円である。
70歳未満で標準報酬月額が360,000円の被保険者の場合、介護合算算定基準額は < B >円である。
【解答】
①【H25年出題】 ×
高額介護合算療養費は、健康保険の被保険者とその被扶養者で個別にするのではなく、健康保険上の世帯単位(被保険者とその被扶養者)で算定します。
(令43条の2)
②【H30年出題】 ×
高額介護合算療養費は、健康保険法の高額療養費が支給されていることは条件ではありません。なお、高額療養費が支給されている場合は、一部負担金等の額から高額療養費は控除されます。
(令43条の2)
③【R2年出題】 〇
高額介護合算療養費に係る自己負担額は、その計算期間の途中で、医療保険や介護保険の保険者が変更になった場合でも、変更前と変更後の自己負担額は合算されます。
(令43条の2)
④【H25年選択】
<A>500
<B>670,000
★高額介護合算療養費が支給されるのは、
「介護合算一部負担金等世帯合算額」が「介護合算算定基準額+支給基準額(500円)を超えた場合です。
「支給基準額」とは、高額介護合算療養費の支給の事務の執行に要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額です。
高額介護合算療養費が支給されるのは、「介護合算一部負担金等世帯合算額」から「介護合算算定基準額」を控除した額が500円を超える場合に限ります。
(H20年厚生労働省告示225号)
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R5-161
傷病手当金の支給要件を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第99条第1項 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。 |
傷病手当金の支給要件は次の3つです。
・療養中であること
・労務に服することができないこと
・連続3日間の待期期間を満たしていること
今日は、要件の1つ「労務に服することができない」をみていきましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
傷病手当金は、労務不能でなければ支給要件を満たすものではないが、被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しない。また、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合も同様に労務不能には該当しない。
②【R2年出題】
伝染病の病原体保有者については、原則として病原体の撲滅に関し特に療養の必要があると認められる場合には、自覚症状の有無にかかわらず病原体の保有をもって保険事故としての疾病と解するものであり、病原体保有者が隔離収容等のため労務に服することができないときは、傷病手当金の支給の対象となるものとされている。
③【H25年出題】
傷病手当金は、傷病が休業を要する程度でなくとも、遠隔地であり、通院のため事実上働けない場合には支給される。
【解答】
①【R1年出題】 ×
「被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ労務不能に該当するかどうかの判断をされたい」とされています。
・被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能でも、職場転換などで就労可能な他の比較的軽微な労務に服して相当額の報酬を得ている場合
→ 労務不能には該当しません。
・本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業や内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することで賃金を得る場合等
→ 労務不能に「該当します」。
問題文の後半が誤りです。
(H15.2.25保保発第0225007号/庁保険発第4号)
②【R2年出題】 〇
自覚症状の有無にかかわらず病原体の保有をもって保険事故としての疾病と解されます。病原体保有者が隔離収容等のため労務に服することができないときは、傷病手当金の支給の対象となります。
(S29.10.25保険発第261号)
③【H25年出題】 〇
傷病が休業を要する程度でなくても、病院が遠隔地で、通院のため事実上働けない場合には、傷病手金が支給されます。
(S2.5.10保理2211)
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R5-152
健康保険の適用事業所に使用される者は、被保険者となります。
しかし、一定の者は、健康保険の適用が除外されています。
除外されるものの一つに「季節的業務に使用される者」があります。
「季節的業務に使用される者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。」とされています。季節的業務に使用される者は、健康保険の一般の被保険者からは除外されます。
しかし、「継続して4か月を超えて使用されるべき場合を除く。」という例外があります。季節的業務でも当初から継続して4か月を超える予定で使用される場合は、当初から一般の被保険者となります。
(法第3条第1項第4号)
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
季節的業務に使用される者について、当初4か月以内の期間において使用される予定であったが業務の都合その他の事情により、継続して4か月を超えて使用された場合には使用された当初から一般の被保険者となる。
②【H25年出題】
季節的業務に使用される者が、当初4か月未満使用される予定であったが、業務の都合により、継続して4か月以上使用されることになった場合には、そのときから被保険者となる。
【解答】
①【R2年出題】 ×
季節的業務に当初4か月以内の予定で使用された場合は、一般の被保険者から除外されます。業務の都合等で継続して4か月を超えたとしても一般の被保険者にはなりません。
(S9.4.17保発191)
②【H25年出題】 ×
季節的業務に当初4か月未満の予定で使用された場合は、業務の都合で、継続して4か月以上使用されることになった場合でも被保険者にはなりません。
(S9.4.17保発191)
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R5-143
健康保険の被扶養者として認定されるには、原則として、国内に居住していることが条件です。
条文を読んでみましょう。
第3条第7項 「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。 ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。 1 被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、孫及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの 2 被保険者の3親等内の親族で1に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの 3 被保険者の配偶者で届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるものの父母及び子であって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの 4 3の配偶者の死亡後におけるその父母及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの |
被扶養者の認定基準として、原則として「日本国内に住所を有すること」という条件があります。例外として、日本国内に住所がない場合でも、「外国に一時的に留学する学生など、日本国内に生活の基礎があると認められる者」があります。
過去問をどうぞ!
①【R2問9-A】
被扶養者の認定において、被保険者が海外赴任することになり、被保険者の両親が同行する場合、「家族帯同ビザ」の確認により当該両親が被扶養者に該当するか判断することを基本とし、渡航先国で「家族帯同ビザ」の発行がない場合には、発行されたビザが就労目的でないか、渡航が海外赴任に付随するものであるかを踏まえ、個別に判断する。
②【R2問3-オ】
被保険者(海外に赴任したことがない被保険者とする。)の被扶養者である配偶者に日本国外に居住し日本国籍を有しない父がいる場合、当該被保険者により生計を維持している事実があると認められるときは、当該父は被扶養者として認定される。
【解答】
①【R2問9-A】 〇
まず、「外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるもの」を確認しましょう。
施行規則第37条の2で次のように定められています。
① 外国において留学をする学生
② 外国に赴任する被保険者に同行する者
③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者であって、②に掲げる者と同等と認められるもの
⑤ そのほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者
問題文は、②外国に赴任する被保険者に同行する者に該当します。
「家族帯同ビザ」の確認により当該両親が被扶養者に該当するか判断することを基本とします。
(令元11.13保保発1113 第 1 号)
②【R2問3-オ】 ×
配偶者の父母が被扶養者となるには、生計維持関係があることと、同一世帯に属することが条件です。
問題文の場合、被保険者は国内に居住していて、配偶者の父は国外に居住しているので、同一世帯要件を満たしていません。また問題文の父は、日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものにも該当していません。
(則第37条の2)
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R5-134
労働者災害補償保険法の休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、業務外の傷病を併発し、その傷病についても労務不能の場合、労災の休業補償給付と、健康保険の傷病手当金は併給できるでしょうか?
では、過去問をどうぞ
【R2問10-A】
労災保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって労務不能の状態になった場合、休業補償給付が支給され、傷病手当金が支給されることはない。
【解答】
【R2問10-A】 ×
労災保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によっても労務不能の状態になった場合は、原則として、傷病手当金は支給されません。休業補償給付も傷病手当金も生活保障が目的で、両方併せて受けると、就労して受ける収入よりも多くなってしまうからです。
ただし、休業補償給付の額が傷病手当金の額より少ないときは、その差額分は支給されます。差額分の傷病手当金が支給されることがあるので、「休業補償給付が支給され、傷病手当金が支給されることはない。」が誤りです。
(昭和33年7月8日保険発第95号の2)
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R5-119
減給制裁が行われた場合、随時改定の対象になるでしょうか?
まず、随時改定の条文を読んでみましょう。
第43条 (随時改定) 保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。 |
随時改定の要件は次の3つです。
①昇給や降給等で固定的賃金に変動があったこと。
②変動月からの3カ月間の報酬(残業手当等の非固定的賃金を含みます)の平均に該当する標準報酬月額と従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたこと。
③3カ月とも報酬支払基礎日数が17日(短時間労働者は11日)以上であること。
※要件を満たした場合、報酬が変動した月から起算して4カ月目の標準報酬月額から改定されます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-A】
被保険者Aは、労働基準法第91条の規定により減給の制裁が6か月にわたり行われることになった。そのため、減給の制裁が行われた月から継続した3か月間(各月とも、報酬支払基礎日数が17日以上あるものとする。)に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった従前の報酬月額に比べて2等級以上の差が生じたため、標準報酬月額の随時改定の手続きを行った。なお、減給の制裁が行われた月以降、他に報酬の変動がなかったものとする。
【解答】
【問8-A】 ×
減給制裁は固定的賃金の変動に当たりませんので、随時改定の対象とはなりません。随時改定の手続はできません。
(厚生労働省「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」)
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R5-118
令和元年に成立した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」に対する附帯決議として、「年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること」が付されました。
今日は、上記の附帯決議を踏まえた令和3年の通知で、「夫婦共同扶養の場合の被扶養者の認定」をみていきましょう。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問4-C】
夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定については、夫婦とも被用者保険の被保険者である場合には、被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、健康保険被扶養者(異動)届が出された日の属する年の前年分の年間収入の多い方の被扶養者とする。
【解答】
【問4-C】 ×
「健康保険被扶養者(異動)届が出された日の属する年の前年分の年間収入の多い方」ではなく、「被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。)が多い方の被扶養者とする、とされています。
(令和3年4月30日保保発 0430 第 2 号)
改正前は昭和60年通知が基準になっていましたが、現在は令和3年通知に基づきます。
昭和60年通知と令和3年通知を比較してみましょう。
令和3年通知 | 昭和60年通知(廃止) |
被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。)が多い方の被扶養者とする。
夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。 | 年間収入(当該被扶養者届が提出された日の属する年の前年分の年間収入とする。)の多い方の被扶養者とすることを原則とすること。
夫婦双方の年間収入が同程度である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とすること |
※昭和60年通知は廃止されました。
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R5-117
まず、「保険外併用療養費」の制度を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第86条第1項 (保険外併用療養費) 被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関等のうち自己の選定するものから、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、評価療養、患者申出療養又は選定療養を受けたときは、その療養に要した費用について、保険外併用療養費を支給する。
第63条第2項3号~5号 ・「評価療養」とは → 厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるもの (例 先進医療など) ・「患者申出療養」とは → 高度の医療技術を用いた療養であって、当該療養を受けようとする者の申出に基づき、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるもの ・「選定療養」とは → 被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養 (例 差額ベッドなど) |
例えば、自己負担割合3割の被保険者が先進医療を受け、トータルの医療費が80万円でそのうち先進医療に係る費用が30万円だった場合で考えてみましょう。
保険診療 50万円 | 先進医療 30万円 |
・保険給付される部分(保険外併用療養費) 35万円 ・一部負担金に当たる額 15万円 |
全額自己負担 |
通常の治療なら「療養の給付」として支給される部分が、「保険外併用療養費」として支給されます。
本人は、15万円+30万円=45万円を負担します。
ちなみに、保険診療の一部負担金に当たる部分は、高額療養費の対象となります。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問4-D】
患者自己負担割合が3割である被保険者が保険医療機関で保険診療と選定療養を併せて受け、その療養に要した費用が、保険診療が30万円、選定療養が10万円であるときは、被保険者は保険診療の自己負担額と選定療養に要した費用を合わせて12万円を当該保険医療機関に支払う。
【解答】
【問4-D】 ×
保険診療と選定療養を併せて受けた場合は保険外併用療養費の対象となります。
保険診療30万円のうち自己負担額は3割の9万円で、21万円が保険外併用療養費として支給されます。また、選定療養の10万円は全額自己負担です。
被保険者が保険医療機関に支払う額は、9万円+10万円=19万円です。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
被保険者が予約診療制をとっている病院で予約診療を受けた場合には、保険外併用療養費制度における選定療養の対象となり、その特別料金は、全額自己負担となる。
②【H28年出題】
患者申出療養とは、高度の医療技術を用いた療養であって、当該療養を受けようとする者の申出に基づき、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるものをいい、被保険者が厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関のうち、自己の選定するものから患者申出療養を受けたときは、療養の給付の対象とはならず、その療養に要した費用については保険外併用療養費が支給される。
【解答】
①【H28年出題】 〇
予約診療は選定療養の対象となります。
特別料金は全額自己負担です。通常の治療の部分は、一部負担金に相当する部分は本人が負担しますが、残りは保険外併用療養費として保険給付が行われます。
②【H28年出題】 〇
患者申出療養を受けたときは、療養の給付の対象にはなりません。療養の給付と同じ範囲の部分は、保険外併用療養費として支給されます。
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R5-116
全国健康保険協会が管掌する健康保険の一般保険料率は、1000分の30から1000分の130の範囲で支部被保険者を単位として協会が決定します。
※ 支部被保険者とは → 各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいいます。
※ 支部被保険者を単位として決定する一般保険料率のことを「都道府県単位保険料率」といいます。
今日は、都道府県単位保険料率の変更の手続を見ていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第160条第6項、7項、8項 6 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければならない。 7 支部長は、意見を求められた場合のほか、都道府県単位保険料率の変更が必要と認める場合には、あらかじめ、当該支部に設けられた評議会の意見を聴いた上で、理事長に対し、当該都道府県単位保険料率の変更について意見の申出を行うものとする。 8 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 |
支部長 | 意見を求められた場合 都道府県単位保険料率の変更が必要と認める場合 | 予め評議会の意見を聴く |
↓ | 理事長に対し意見の申出を行う | |
理事長 | 支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経る | |
↓ | 保険料率の変更について認可を申請する | |
厚生労働大臣 | 保険料率の変更について認可する |
★運営委員会 → 事業主及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に置かれます。
★評議会 → 都道府県ごとの実情に応じた業務の適正な運営に資するため、支部ごとに設けられます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問3-ウ】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、協会の理事長が当該変更に係る都道府県に所在する協会支部の支部長の意見を聴いたうえで、運営委員会の議を経なければならない。その議を経た後、協会の理事長は、その変更について厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
【解答】
【問3-ウ】 〇
協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときのプロセスです。
①あらかじめ、理事長が支部長の意見を聴く
↓
②運営委員会の議を経る
↓
③理事長は、変更について厚生労働大臣の認可を受ける
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において、支部被保険者を単位として協会が決定する。なお、支部被保険者とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。
②【H23年出題】
全国健康保険協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、運営委員会が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いたうえで、理事長に対しその変更について意見の申出を行う。
③【R1年出題】
全国健康保険協会は政府から独立した保険者であることから、厚生労働大臣は、事業の健全な運営に支障があると認める場合には、全国健康保険協会に対し、都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができるが、厚生労働大臣がその保険料率を変更することは一切できない。
【解答】
①【H26年出題】※改正による修正あり 〇
協会が管掌する健康保険の一般保険料率(都道府県単位保険料率)は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲で、都道府県ごとに設定されます。
②【H23年出題】 ×
全国健康保険協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、「×運営委員会 → 〇理事長」が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いたうえで、「×理事長に対しその変更について意見の申出を行う →〇運営委員会の議を経なければならない」となります。
③【R1年出題】 ×
「厚生労働大臣がその保険料率を変更することは一切できない。」が誤りです。
法第160条第10項と11項で以下のように定められています。
第10項 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における健康保険事業の収支の均衡を図る上で不適当であり、協会が管掌する健康保険の事業の健全な運営に支障があると認めるときは、協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
第11条 厚生労働大臣は、協会が10項の期間内に同項の申請をしないときは、社会保障審議会の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。
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R5-115
入社することになったものの、入社日から自宅待機となった場合、健康保険の被保険者の資格はどのように扱われるのでしょうか?
資格取得日について条文を読んでみましょう。
第35条 (資格取得の時期) 被保険者(任意継続被保険者を除く。)は、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は適用除外に該当しなくなった日から、被保険者の資格を取得する。 |
「適用事業所に使用されるに至った日」、「事業所が適用事業所となった日」、「適用除外に該当しなくなった日」に被保険者の資格を取得します。
適用事業所に入社した場合は、その日に健康保険の被保険者の資格を取得します。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問2-B】
適用事業所に新たに使用されることになったが、使用されるに至った日から自宅待機とされた場合は、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われるときには、その休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得する。また、当該資格取得時における標準報酬月額の決定については、現に支払われる休業手当等に基づき決定し、その後、自宅待機が解消したときは、標準報酬月額の随時改定の対象とする。
【解答】
【問2-B】 〇
当初から自宅待機でも健康保険の被保険者の資格は取得します。
・休業手当は報酬ですので、休業手当の支払いの対象となった日の初日に資格を取得します。
・資格取得時の標準報酬月額は、現に支払われる休業手当等に基づき決定されます。
・休業手当で標準報酬月額が決定した後に、自宅待機が解消したときは、標準報酬月額の随時改定の対象となります。
(S50.3.29保険発第25号・庁保険発第8号)
過去問をどうぞ!
【R3年出題 】
一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当が支払われることとなり、その状態が継続して3か月を超える場合には、固定的賃金の変動とみなされ、標準報酬月額の随時改定の対象となる。
【解答】
【R3年出題 】 〇
★一時帰休に伴って低額な休業手当等が支払われることになった場合
→ 固定的賃金の変動とみなして、随時改定の対象となります。※ただし、報酬のうち固定的賃金が減額され支給される場合で、かつ、その状態が継続して3か月を超える場合に限ります。
★休業手当等をもって標準報酬の決定又は改定を行った後に一時帰休の状況が解消し、通常の報酬が支払われるようになったとき
→ 随時改定の対象となります。
(S50.3.29保険発第25号・庁保険発第8号)
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R5-114
健康保険組合の設立には、任意設立と強制設立の2種類ありますが、本日は任意設立を見ていきます。
条文を読んでみましょう。
第11条 1 一又は二以上の適用事業所について常時700人以上の被保険者を使用する事業主は、当該一又は二以上の適用事業所について、健康保険組合を設立することができる。 2 適用事業所の事業主は、共同して健康保険組合を設立することができる。この場合において、被保険者の数は、合算して常時3000人以上でなければならない。
第12条 1 適用事業所の事業主は、健康保険組合を設立しようとするときは、健康保険組合を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得て、規約を作り、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 2 二以上の適用事業所について健康保険組合を設立しようとする場合においては、同意は、各適用事業所について得なければならない。 |
健康保険組合は、1社単独で設立する単一組合と、2社以上が共同で設立する総合組合があります。人数要件があり、単独で設立する場合は常時700人以上、共同で設立する場合は常時3000人以上の被保険者が必要です。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問5-B】
適用事業所の事業主は、健康保険組合を設立しようとするときは、健康保険組合を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得て、規約を作り、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。また、2以上の適用事業所について健康保険組合を設立しようとする場合においては、被保険者の同意は、各適用事業所について得なければならない。
【解答】
【問5-B】 〇
健康保険組合を設立するときは、「被保険者の2分の1以上の同意」が必要です。また、規約を作り、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。
2以上の適用事業所で健康保険組合を設立する場合、それぞれの適用事業所ごとに被保険者の2分の1以上の同意を得なければなりません。
なお、健康保険組合は、「設立の認可を受けた時に成立」します。(法第15条)
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
健康保険組合の設立の認可に係る厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長又は地方厚生支局長に委任されている。
②【R3年出題】
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び特例退職被保険者をもって組織する。
【解答】
①【H27年出題】 ×
第205条で、「健康保険法に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。」と規定されています。しかし、健康保険組合の設立の認可に係る厚生労働大臣の権限は、地方厚生局長又は地方厚生支局長には委任されていません。
ちなみに、健康保険組合の設立の認可の申請は、設立しようとする健康保険組合の主たる事務所を設置しようとする地を管轄する地方厚生局長又は地方厚生支局長を経由して行います。(則第3条第2項)
②【R3年出題】 ×
第8条で、「健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者及び任意継続被保険者をもって組織する。」と規定されています。特例退職被保険者ではなく、任意継続被保険者です。
ちなみに、「日雇特例被保険者」は入りませんので注意してください。日雇特例被保険者の保険者は全国健康保険協会のみだからです。
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R5-097
資格喪失後に、継続して傷病手当金・出産手当金を受けることができます。その条件として、「資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であった」ことがあります。
今日は、1年の算定ルールを確認しましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
第104条 (傷病手当金又は出産手当金の継続給付) 法附則第3条第6項 被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。 |
資格喪失後の傷病手当金・出産手当金を受けるには、資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったことが条件です。ただし、この「1年以上被保険者であった」の被保険者には、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者は除かれます。
では、令和4年の問題をどうぞ
【問9-C】
共済組合の組合員として6か月間加入していた者が転職し、1日の空白もなく、A健康保険組合の被保険者資格を取得して7か月間加入していた際に、療養のため労務に服することができなくなり傷病手当金の受給を開始した。この被保険者が、傷病手当金の受給を開始して3か月が経過した際に、事業所を退職し、A健康保険組合の任意継続被保険者になった場合でも、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていることから、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金の給付を受けることができる。
【解答】
【問9-C】 ×
資格喪失後の傷病手当金を受けるには、資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったことが必要です。ただし、この期間には、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者は除かれます。
問題文の場合は、資格喪失の日の前日までの被保険者であった期間は、共済組合の組合員の期間を除くと、10か月しかありません。そのため、傷病手当金の継続給付を受けることはできません。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
資格喪失後の継続給付としての傷病手当金を受けるためには、資格喪失日の前日まで引き続き1年以上被保険者であったことが要件の1つとされているが、転職等により異なった保険者における被保険者期間(1日の空白もなく継続しているものとする。)を合算すれば1年になる場合には、その要件を満たすものとされている。なお、これらの被保険者期間には、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者の期間は含まれないものとする。
②【H23年出題】
継続して1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者及び共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができる。ただし、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合は、その傷病手当金を受けることはできない。
③【H27年出題】
継続して1年以上健康保険組合の被保険者(任意継続被保険者又は特例退職被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、資格喪失後に任意継続被保険者となった場合でも、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができるが、資格喪失後に特例退職被保険者となった場合には、傷病手当金の継続給付を受けることはできない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
保険者が異なっていても、資格喪失日の前日まで1日の空白も無く1年以上被保険者であった場合は、資格喪失後も継続して傷病手当金を受けることができます。
②【H23年出題】 ×
資格喪失後に任意継続被保険者となった場合でも、要件を満たせば、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができます。
③【H27年出題】 〇
資格喪失後に任意継続被保険者となった場合は、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができます。
一方、資格喪失後に特例退職被保険者となった場合には、傷病手当金の継続給付を受けることはできません。
(法附則第3条第5項)
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R5-096
介護休業期間中でも、出産手当金は支給されるでしょうか?
まず、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-B】
被保険者が出産手当金の支給要件に該当すると認められれば、その者が介護休業期間中であっても当該被保険者に出産手当金が支給される。
【解答】
【問9-B】 〇
出産手当金の支給要件に該当すると認められる者には、介護休業期間中でも、出産手当金が支給されます。
※ちなみに、「傷病手当金」も同じです。支給要件に該当すれば、介護休業期間中でも、傷病手当金が支給されます。
(H11.3.31保険発46・庁保険発9)
では、次の条文を読んでみましょう。
第108条 (傷病手当金又は出産手当金と報酬等との調整) ① 疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、第99条第2項の規定により算定される額より少ないとき(第103条第1項又は第3項若しくは第4項に該当するときを除く。)は、その差額を支給する。 ② 出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。 |
報酬の全部又は一部を受けることができる場合は、その期間は、傷病手当金は支給されません。ただし、受けることができる報酬の額が、傷病手当金の額より少ないときは、差額が支給されます。
出産手当金も同じ扱いです。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
被保険者が介護休業期間中に出産手当金の支給を受ける場合、その期間内に事業主から介護休業手当で報酬と認められるものが支給されているときは、その額が本来の報酬と出産手当金との差額より少なくとも、出産手当金の支給額について介護休業手当との調整が行われる。
②【H23年出題】
介護休業期間中に病気にかかり、その病気の状態が勤務する事業所における労務不能の程度である場合には、傷病手当金が支給される。この場合、同一期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金の支給額について調整を行うこととされている。
【解答】
①【H27年出題】 〇
要件に該当すれば、介護休業期間中でも出産手当金が支給されます。また、その期間内に事業主から介護休業手当で報酬と認められるものが支給されているときは、出産手当金の支給額について報酬(介護休業手当)との調整が行われます。
(H11.3.31保険発46・庁保険発9)
②【H23年出題】 〇
要件に該当すれば、介護休業期間中でも傷病手当金が支給されます。また、その期間に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金の支給額について報酬(介護休業手当等)との調整が行われます。
(H11.3.31保険発46・庁保険発9)
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R5-095
保険料の額や傷病手当金・出産手当金は「標準報酬月額」を使って計算します。
「標準報酬月額」は、「報酬月額」に基づいて決まります。報酬月額は1月当たりの報酬の額のことです。
今日のテーマは、「報酬」の定義です。
では、条文を読んでみましょう。
第3条 5 健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。 6 健康保険法において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、3月を超える期間ごとに受けるものをいう。 |
「報酬」とは → 労働者が、労働の対償として受けるすべてのもの
※「臨時」に受けるもの、「3月を超える期間ごと」に受けるものは、報酬から除かれます。
「3月を超える期間ごとに受けるもの」とは、年3回以下の賞与などのことです。
「賞与」とは → 「3月を超える期間ごと」に受けるもの
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問7-B】
健康保険法第3条第5項によると、健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。したがって、名称は異なっても同一性質を有すると認められるものが、年間を通じ4回以上支給される場合において、当該報酬の支給が給与規定、賃金協約等によって客観的に定められており、また、当該報酬の支給が1年間以上にわたって行われている場合は、報酬に該当する。
【解答】
【問7-B】 〇
3か月を超える期間ごとに受けるものは報酬から除外されます。
3か月を超える期間ごとに受ける報酬に該当するものは、年間を通じ4回以上支給される報酬以外の報酬となります。ですので、名称は異なっても同一性質を有すると認められるものが、『年間を通じ4回以上』支給される場合は、報酬に該当します。
(S36.1.26保発第5号)
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
この法律において報酬とは、臨時に受けるもの等を除き、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるものであり、通勤手当は、自宅と勤務場所との往復にかかる交通費の実費弁償的な手当のため報酬には含まれない。
②【R1年出題】
保険料徴収の対象となる賞与とは、いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として3か月を超える期間ごとに支給されるものをいうが、6か月ごとに支給される通勤手当は、賞与ではなく報酬とされる。
【解答】
①【H24年出題】 ×
通勤手当は、「報酬」に含まれます。
②【R1年出題】 〇
通勤手当は6か月ごとに支給されても、実態は毎月の通勤に対し支給され、被保険者の通常の生計費の一部に当てられるものですので、報酬となります。
(昭和27.12.4保文発7241)
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R5-094
今日のテーマは、健康保険組合の役員です。
まず、「組合会」について条文を読んでみましょう。
第18条 (組合会) 1 健康保険組合に、組合会を置く。 2 組合会は、組合会議員をもって組織する。 3 組合会議員の定数は、偶数とし、その半数は、設立事業所の事業主において設立事業所の事業主(その代理人を含む。)及び設立事業所に使用される者のうちから選定し、他の半数は、被保険者である組合員において互選する。
|
組合会は、健康保険組合の議決機関で、組合会議員で組織されています。
組合会議員の定数は偶数で、事業主が選定する選定議員と被保険者である組合員が互選する互選議員がそれぞれ半数ずつです。
次に「役員」について条文を読んでみましょう。
第21条 (役員) 1 健康保険組合に、役員として理事及び監事を置く。 2 理事の定数は、偶数とし、その半数は設立事業所の事業主の選定した組合会議員において、他の半数は被保険者である組合員の互選した組合会議員において、それぞれ互選する。 3 理事のうち一人を理事長とし、設立事業所の事業主の選定した組合会議員である理事のうちから、理事が選挙する。 4 監事は、組合会において、設立事業所の事業主の選定した組合会議員及び被保険者である組合員の互選した組合会議員のうちから、それぞれ一人を選挙する。 5 監事は、理事又は健康保険組合の職員と兼ねることができない。 |
健康保険組合には、役員として理事及び監事を置くことになっています。
理事は組合の執行機関、監事は監査機関です。
理事の定数は、偶数で、事業主の選定した選定議員が半数、被保険者である組合員の互選した互選議員が半数です。
理事長は健康保険組合の代表者です。事業主の選定した組合会議員である理事のうちから、理事の選挙で決められます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問5-C】
健康保険組合の監事は、組合会において、健康保険組合が設立された適用事業所(設立事業所)の事業主の選定した組合会議員及び被保険者である組合員の互選した組合会議員のうちから、それぞれ1人を選挙で選出する。なお、監事は、健康保険組合の理事又は健康保険組合の職員と兼ねることができない。
【解答】
【問5-C】 〇
健康保険組合の監事の任務は、「健康保険組合の業務の執行及び財産の状況を監査」することです(第22条第4項)
事業主の選定した選定議員と被保険者である組合員の互選した互選議員のうちから、それぞれ1人が選出されます。
監事には中立が求められるため、理事又は健康保険組合の職員と兼務できません。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
健康保険組合の理事の定数は偶数とし、その半数は健康保険組合が設立された適用事業所(以下「設立事業所」という。)の事業主の選定した組合会議員において、他の半数は被保険者である組合員の互選した組合会議員において、それぞれ互選する。理事のうち1人を理事長とし、設立事業所の事業主の選定した組合会議員である理事のうちから、事業主が選定する。
②【H22年出題】
健康保険組合の監事は、組合会において、設立事業所の事業主の選定した組合会議員及び被保険者である組合員の互選した組合会議員のうちから、それぞれ1人を選挙することになっており、監事のうち一人は理事または健康保険組合の職員を兼ねることができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
健康保険組合の理事は、事業主の選定した組合会議員と被保険者である組合員の互選した組合会議員が半々で構成されています。代表者である理事長は、設立事業所の事業主の選定した組合会議員である理事のうちから、「理事が選挙」します。「事業主が選定」は誤りです。
②【H22年出題】 ×
中立的な立場が求められる監事については、理事または健康保険組合の職員を兼ねることはできません。
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R5-068
出産手当金は、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は、98日)から出産の日後56日までの間、労務に服さなかった期間について支給されます。
資格喪失時に、出産手当金を受けている(又は受ける条件を満たしている)場合は、要件を満たせば退職後も継続して出産手当金を受けることができます。
条文を読んでみましょう。
第104条 (傷病手当金又は出産手当金の継続給付) 被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。 |
※被保険者の資格を喪失した日まで1年以上被保険者であった者で、資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けているもの(又は支給要件を満たしているもの)は、退職後も、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から出産手当金の給付を受けることができます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問5-D】
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特定退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者ではないものとする。)であった者が、被保険者の資格を喪失した日より6か月後に出産したときに、被保険者が当該出産に伴う出産手当金の支給の申請をした場合は、被保険者として受けることができるはずであった出産手当金の支給を最後の保険者から受けることができる。
【解答】
【問5-D】 ×
出産手当金の支給を受けることはできません。「その資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けている」という要件を満たしていないからです。
過去問をどうぞ!
【H24年出題】
被保険者資格が喪失日(任意継続被保険者の資格を取得した者にあっては、その資格を取得した日)の前日までの間引き続き1年以上であった者が、被保険者の資格喪失後6か月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から出産手当金を受けることができる。
【解答】
【H24年出題】 ×
資格喪失後の出産手当金の継続給付は、「資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けている」ことが条件です。問題文のような「資格喪失後6か月以内に出産」だけでは要件は満たしません。
★なお、資格喪失後6月以内に出産した場合は、要件を満たせば、『出産育児一時金』の支給が受けられます。
条文を読んでみましょう。
第106条 (資格喪失後の出産育児一時金の給付) 1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。 |
最後の保険者から受けることができるのは、出産手当金ではなく、「出産育児一時金」ですので注意してください。
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R5-067
まず、健康保険の被保険者に関する保険料額を確認しましょう
・介護保険第2号被保険者である被保険者 → 一般保険料額と介護保険料額との合算額
・介護保険第2号被保険者である被保険者以外の被保険者 → 一般保険料額
※「一般保険料額」は、各被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ一般保険料率(基本保険料率+特定保険料率)を乗じて得た額です。
※「介護保険料額」は、各被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ介護保険料率を乗じて得た額です。
(法第156条)
今日のテーマは「介護保険料率」の定め方です。
条文を読んでみましょう。
第160条第16条 介護保険料率は、各年度において保険者が納付すべき介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)の額を当該年度における当該保険者が管掌する介護保険第2号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の見込額で除して得た率を基準として、保険者が定める。 |
介護保険第2号被保険者は、介護保険法で、40歳以上65歳未満の医療保険加入者と定義されています。介護保険第2号被保険者である健康保険の被保険者は、健康保険料といっしょに介護保険料を徴収されます。
そのため、介護保険料率は、「介護保険第2号被保険者」である被保険者の総報酬額の総額をもとに定められます。
では令和4年の問題をどうぞ!
【問4-C】
全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に係る介護保険料率は、各年度において保険者が納付すべき介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)の額を前年度における当該保険者が管掌する介護保険第2号被保険者である被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の合算額で除して得た率を基準として、保険者が定める。
【解答】
【問4-C】 ×
介護保険料率は、「介護納付金」÷「当該年度における介護保険第2号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の見込額」で得た率を基準として、保険者が定めます。
分子は、前年度の実績ではなく、「当該年度」における当該保険者が管掌する介護保険第2号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の「見込額」となります。
なお、「総報酬額」とは、「標準報酬月額及び標準賞与額の合計額」です。
※介護保険第2号被保険者の介護保険料の流れを確認しましょう。
介護保険第2号被保険者 |
↓介護保険料 |
健康保険 |
↓介護納付金 |
社会保険診療報酬支払基金 |
↓介護給付費交付金 |
市町村 |
介護保険第2号被保険者の介護保険料は、医療保険者が徴収し、社会保険診療報酬支払基金を通して、市町村に交付されます。
なお、介護保険第1号被保険者の保険料は、介護保険法のルールによって、市町村が徴収します。
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】※改正による修正あり
介護保険料率は、各年度において保険者が納付すべき介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)の額を当該年度における当該保険者が管掌する介護保険第2号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の見込額で除して得た率を基準として、保険者が定める。なお、本問において特定被保険者に関する介護保険料率の算定の特例を考慮する必要はない。
【解答】
【H29年出題】※改正による修正あり 〇
介護保険料率は、毎年度、決定されます。
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R5-066
「出産手当金」と「傷病手当金」の両方の支給要件を満たした場合、どちらの支給が優先されるでしょうか?
条文を読んでみましょう。
第103条 (出産手当金と傷病手当金との調整) 1 出産手当金を支給する場合(第108条第3項又は第4項に該当するときを除く。)においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。 ただし、その受けることができる出産手当金の額(同条第2項ただし書の場合においては、同項ただし書に規定する報酬の額と同項ただし書の規定により算定される出産手当金の額との合算額)が、第99条第2項の規定により算定される額より少ないときは、その差額を支給する。 2 出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金(前項ただし書の規定により支払われたものを除く。)は、出産手当金の内払とみなす。 |
出産手当金と傷病手当金の両方を受給できる期間は、出産手当金を優先し、出産手当金が支給され、傷病手当金は支給されません。
ただし、傷病手当金と出産手当金は、支給を始める日が違いますので、1日あたりの支給額が異なる場合があります。その場合、出産手当金の額が傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問2-C】
出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合は、出産手当金の支給が優先され、支給を受けることのできる出産手当金の額が傷病手当金の額を上回っている場合は、当該期間中の傷病手当金は支給されない。
【解答】
【問2-C】 〇
出産手当金と傷病手当金の両方の支給要件を満たした期間は、出産手当金の支給が優先されます。
・出産手当金の額 > 傷病手当金の額 → その期間中の傷病手当金は支給されません
・出産手当金の額 < 傷病手当金の額 → 差額が支給されます
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、傷病手当金の支給が優先され、その期間中は出産手当金の支給は停止される。
②【H30年出題】
出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合、いずれかを選択して受給することができる。
【解答】
①【H24年出題】 ×
傷病手当金と出産手当金が逆です。
傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、「出産手当金」の支給が優先され、その期間中は「傷病手当金」の支給は停止されます。
②【H30年出題】 ×
出産手当金と傷病手当金の両方の支給要件を満たした期間は出産手当金が優先されます。選択制ではありません。
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R5-065
健康保険の保険給付は「労災保険法の規定による業務災害」以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して行われます。労災保険からの給付が受けられない場合は、健康保険の給付が受けられます。
なお、労災保険は労働者を保護するための保険ですので、法人の役員としての業務に起因する傷病等については、労災保険からは保険給付が行われません。
しかし、被保険者等が法人の役員である場合は、法人の役員としての業務に起因する負傷等は、健康保険の保険給付でも対象外となっています。
法人の役員の業務上の負傷は、使用者側の責に帰すべきものなので、労使折半の健康保険から保険給付を行うことが適当でないと考えられるからです。
(参考:H25.8.14事務連絡 全国健康保険協会あて厚生労働省保険局保険課通知)
では、条文を読んでみましょう。
第53条の2(法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例) 被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。 |
被保険者等(被扶養者も含みます)が法人の役員である場合に、その法人の役員としての業務に起因する負傷等については、原則として保険給付の対象外となります。
ただし例外に注意してください。「被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務で厚生労働省令で定めるもの」は保険給付の対象になります。
ちなみに、厚生労働省令で定めるものは、『厚生労働省令で定める業務は、当該法人における従業員(同条に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとする。』とされています。(則第52条の2)
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問2-A】
被保険者の数が5人以上である適用事業所に使用される法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関しては、傷病手当金を含めて健康保険から保険給付が行われる。
【解答】
【問2-A】 ×
法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して健康保険から保険給付が行われるのは、被保険者の数が「5人未満」である適用事業所に使用される場合です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関しては、傷病手当金を含めて健康保険から保険給付が行われる。
②【H30年出題】
被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者は、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても健康保険による保険給付の対象となる場合があるが、当該法人における従業員(健康保険法第53条の2に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとされている。
【解答】
①【H26年出題】 〇
傷病手当金も保険給付の対象になるのがポイントです。
②【H30年出題】 〇
役員の業務内容が、当該法人の従業員が従事する業務と同一であると認められない場合は、健康保険の給付対象にはなりません。
(H25.8.14事務連絡 全国健康保険協会あて厚生労働省保険局保険課通知)
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R5-051
任意継続被保険者は健康保険の保険料を納付する義務があります。
今日は、任意継続被保険者の保険料をみていきましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第157条 (任意継続被保険者の保険料) 任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月から算定する。
第161条 (保険料の負担及び納付義務) 1 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担する。ただし、任意継続被保険者は、その全額を負担する。 2 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 3 任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
第164条 (保険料の納付) 被保険者に関する毎月の保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。ただし、任意継続被保険者に関する保険料については、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)までとする。
|
例えば、健康保険の被保険者が10月17日に退職した場合、その翌日に資格を喪失します。資格喪失日の前日まで継続して2か月以上被保険者であって、資格を喪失した日から20日以内に保険者に申出をした場合、10月18日に任意継続被保険者の資格を取得します。
その場合、任意継続被保険者の保険料は、10月から算定されます。初めて納付すべき保険料(10月分)の納期限は、保険者が指定する日です。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問2-D】
任意継続被保険者となるためには、被保険者の資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)でなければならず、任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月から算定する。
【解答】
【問2-D】 〇
任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月から算定されます。
例えば10月17日に退職した場合は、在職中の保険料は資格喪失月の前月の9月分まで徴収され、任意継続被保険者としての保険料は10月分からとなります。
過去問をどうぞ!
【H30年出題】
一般の被保険者に関する保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。任意継続被保険者に関する毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければならないが、初めて納付すべき保険料については、被保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出をした日に納付しなければならない。
【解答】
【H30年出題】 ×
任意継続被保険者に関する保険料について、初めて納付すべき保険料については、「保険者が指定した日」までに納付しなければなりません。
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R5-037
今日のテーマは、健康保険法・審査請求と訴訟との関係です。
では、条文を読んでみましょう。
第189条 (審査請求及び再審査請求) ① 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。 ② 審査請求をした日から2月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。 ③ 審査請求及び再審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。 ④ 被保険者の資格又は標準報酬に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく保険給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。
第192条 (審査請求と訴訟との関係) 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。
第190条 保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。 |
今日は、「審査請求と訴訟との関係」に注目します。
・第189条について
「被保険者の資格」、「標準報酬」、「保険給付」に関する処分に不服がある場合は→社会保険審査官に審査請求→社会保険審査会に再審査請求という流れになっています。
・第192条について
「被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。」となっていて、審査請求に対する社会保険審査官の決定に不服がある場合は、再審査請求をしないで、「処分の取り消しの訴え」を提起することができます。
・ちなみに第190条について
「保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。」とされています。こちらは、社会保険審査会に審査請求をしないで、直接、処分の取り消しの訴えを提起することができます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問7-C】
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。当該処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定前でも提起することができる。
【解答】
【問7-C】 ×
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての「審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後」でなければ、提起することができません。
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定の後は、「社会保険審査会に再審査請求」をすることもできますが、再審査請求せずに、処分の取消しの訴えを提起することもできます。
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R5-036
同一の疾病又は負傷について、介護保険法の規定による給付を受けることができるときは、健康保険の給付は行われません。
今日は、健康保険と介護保険の調整を確認しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第55条第3項 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病又は負傷について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。 |
「介護保険法」の給付が優先されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
被保険者に係る療養の給付は、同一の傷病について、介護保険法の規定によりこれに相当する給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われない。
②【H22年出題】
被保険者に係る療養の給付または入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費もしくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病、負傷または死亡について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
同一の傷病について、介護保険法の給付を受けることができる場合には、介護保険が優先し、健康保険の療養の給付は行われません。
②【H22年出題】 ×
問題文の「同一の疾病、負傷または死亡」に注目してください。介護保険法には、「死亡」に関する給付がありませんので、死亡については健康保険との調整は行われません。
では令和4年の問題をどうぞ!
【問1-D】
介護保険適用病床に入院している要介護被保険者である患者が、急性増悪等により密度の高い医療行為が必要となったが、当該医療機関において医療保険適用病床に空きがないため、患者を転床させずに、当該介護保険適用病床において療養の給付又は医療が行われた場合、当該緊急に行われた医療に係る療養については、医療保険から行うものとされている。
【解答】
【問1-D】 〇
介護保険適用病床に入院している要介護被保険者である患者が、急性増悪等により密度の高い医療行為が必要となった場合については、当該患者を医療保険適用病床に転床させて療養を行うことが原則です。
しかし、患者の状態、当該病院又は診療所の病床の空き状況等により,患者を転床させず、当該介護保険適用病床において緊急に医療行為を行う必要のあることが想定され、このような場合については,当該病床において療養の給付又は医療が行われることは可能であり、この場合の当該緊急に行われた医療に係る給付については、医療保険から行うものであること、とされています。
(平成18年4月28日 老老発第0428001号・保医発第0428001号)
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R5-027
今日のテーマは「移送費」です。
さっそく条文を読んでみましょう。
第97条 ① 被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養を含む。)を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、移送費として、厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支給する。 ② 移送費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要であると認める場合に限り、支給するものとする。
則第80条 (移送費の額) 法第97条第1項の厚生労働省令で定めるところにより算定した金額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により算定した金額とする。ただし、現に移送に要した費用の金額を超えることができない。
則第81条 (移送費の支給が必要と認める場合) 保険者は、被保険者が次の各号のいずれにも該当すると認める場合に移送費を支給する。 1 移送により法に基づく適切な療養を受けたこと。 2 移送の原因である疾病又は負傷により移動をすることが著しく困難であったこと。 3 緊急その他やむを得なかったこと。 |
★移送費とは?
負傷、疾病等により移動が困難な患者が医師の指示により一時的、緊急的な必要性があって移送された場合に、その経済的な出費について補填を行い、必要な医療が受けられることを可能にするとの考え方から、現金により支給されます。
なお、通院など一時的、緊急的とは認められない場合については、移送費の支給の対象とはなりません。
参照:H6.9.9保険発第119号・庁保険発第9号
令和4年の問題をどうぞ!
【R4問3-イ】
被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養を含む。)を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、保険者が必要であると認める場合に限り、移送費が支給される。移送費として支給される額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により保険者が算定した額から3割の患者自己負担分を差し引いた金額とする。ただし、現に移送に要した金額を超えることができない。
【解答】
【R4問3-イ】 ×
移送費には一部負担金はありませんので、「3割の患者自己負担分を差し引いた」の部分が誤りです。
なお、移送費は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用に基づいて算定した額の範囲での実費が支給されます。
では、過去問もどうぞ!
【H24年出題】
被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養を含む。)を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、保険者が必要であると認める場合に限り、移送費が支給される。この金額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により算定した金額となるが、現に移送に要した費用の金額を超えることができない。
【解答】
【H24年出題】 〇
移送費の金額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用で算定した額の範囲内での実費です。
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R5-017
令和4年の健康保険の択一式は、長文問題が多く12ページのボリュームでした。
問題文を読むときは、まず「キーワード」を見つけ出すことが大切です。
では、今日は、「被保険者証」の問題を解いてみましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
則第47条(被保険者証の交付) 1 協会は、厚生労働大臣から、被保険者の資格の取得の確認を行った又は事業所整理記号及び被保険者整理番号の変更を行った旨の情報の提供を受けたときは、被保険者証を被保険者に交付しなければならない。ただし、当該情報の提供が、同一の都道府県の区域内における事業所の所在地の変更に伴い行われたものであるときは、この限りでない。 2 健康保険組合は被保険者の資格の取得の確認を行ったとき、又は被保険者等記号・番号を変更したときは、被保険者証を被保険者に交付しなければならない。 3 保険者は、被保険者(任意継続被保険者を除く。)に被保険者証を交付しようとするときは、これを事業主に送付しなければならない。ただし、保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができる。 4 前項本文の規定による被保険者証の送付があったときは、事業主は、遅滞なく、これを被保険者に送付しなければならない。 5 保険者は、任意継続被保険者に被保険者証を交付しようとするときは、これを任意継続被保険者に送付しなければならない。 |
被保険者の資格取得の確認を行ったときは、協会(又は健康保険組合)は、被保険者証を被保険者に交付します。
被保険者証は「保険者から事業主に送付」→「事業主から被保険者に送付」の流れが原則です。
ただし、保険者が支障がないと認めるときは、保険者から直接、被保険者に送付することもできます。(テレワークの普及等に対応した柔軟な事務手続きを可能とするため、令和3年に改正されました。)
また、任意継続被保険者については、保険者から直接任意継続被保険者に送付されます。
則第51条 (被保険者証の返納) 事業主は、被保険者が資格を喪失したとき、その保険者に変更があったとき、又はその被扶養者が異動したときは、遅滞なく、被保険者証を回収して、これを保険者に返納しなければならない。この場合(被保険者が任意継続被保険者である場合を除く。)において、協会に返納するときは厚生労働大臣を経由して行うものとする。 2 前項の場合において、被保険者が任意継続被保険者であるときは、当該被保険者は、5日以内に、これを保険者に返納しなければならない。 4 被保険者は、その資格を喪失したとき、その保険者に変更があったとき、又はその被扶養者が異動したときは、5日以内に、被保険者証を事業主に提出しなければならない。 |
資格喪失の場合は、事業主は遅滞なく被保険者証を回収し、保険者に返納します。この場合、被保険者は5日以内に被保険者証を事業主に提出しなければなりません。
任意継続被保険者の場合は、本人が、5日以内に保険者に返納します。
では、令和4年の問題をどうぞ!
①【R4年問1-C】
事業主は、被保険者が資格を喪失したときは、遅滞なく被保険者証を回収して、これを保険者に返納しなければならないが、テレワークの普及等に対応した事務手続きの簡素化を図るため、被保険者は、被保険者証を事業主を経由せずに直接保険者に返納することが可能になった。
②【R4年問2-E】
保険者は、被保険者(任意継続被保険者を除く。)に被保険者証を交付しようとするときは、これを事業主に送付しなければならないとされているが、保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができる。
【解答】
①【R4年問1-C】 ×
(被保険者証の返納の問題)
資格喪失の場合は、事業主が遅滞なく被保険者証を回収して、これを保険者に返納しなければなりません。返納の場合は、後半部分の「被保険者は、被保険者証を事業主を経由せずに直接保険者に返納することが可能になった。」という例外規定はありません。
②【R4年問2-E】 〇
(被保険者証の交付の問題)
被保険者証の交付については、テレワークの普及等に対応した柔軟な事務手続きを可能とするため、保険者が支障がないと認めるときは、保険者から被保険者に対して被保険者証を直接交付することが可能です。
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R5-007
令和4年の健康保険の選択式は、4つが数字でした。
短時間労働者に対する適用について
短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大が平成28年10月1日より実施されています。
◎「1週の所定労働時間」及び「1月の所定労働日数」が、同一の事業所に使用される通常の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3基準」といいます。)である労働者については、厚生年金保険・健康保険の被保険者となります。
◎ 4分の3基準を満たさない場合でも、以下の①から⑤までの5つの要件を満たす短時間労働者については、厚生年金保険・健康保険の被保険者となります。
① 1週の所定労働時間が20時間以上であること。
② 雇用期間が継続して1年以上見込まれること。
③ 月額賃金が8.8万円以上であること。
④ 学生でないこと。
⑤ 以下のいずれかの適用事業所に使用されていること
(i) 特定適用事業所
(ii) 労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定適用事業所以外の適用事業所(国又は地方公共団体の適用事業所を除く。)
(iii) 国又は地方公共団体の適用事業所
令和4年10月以降の改正について
※②の雇用期間要件が廃止されます。
※「特定適用事業所」の企業規模要件が、500人超える企業から、「100人」を超える企業に引き下げられます。
参照:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いに関するQ&A集の送付について(令和4年3月18日事務連絡)
★令和4年は、「88,000円以上」が問われました。
保険外併用療養費について
保険外併用療養費は、評価療養、患者申出療養、選定療養を受けたときが対象です。
令和4年の選択式では、厚生労働省告示に掲げられている第1号から第11号までの選定療養のうち、4号と7号からの出題でした。
4号は「病床数が200以上の病院について受けた初診(他の病院又は診療所からの文書による紹介がある場合及び緊急その他やむを得ない事情がある場合に受けたものを除く。)」、7号は、「別に厚生労働大臣が定める方法により計算した入院期間が180日を超えた日以後の入院及びその療養に伴う世話その他の看護(別に厚生労働大臣が定める状態等にある者の入院及びその療養に伴う世話その他の看護を除く。)」です。
★「200以上」と「180日」が問われました。
同時に2以上の事業所に使用される場合の手続きについて
被保険者が同時に2以上の事業所に使用される場合の手続の問題です。
保険者が2以上ある場合は、被保険者は、被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければなりません。
その場合、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・2以上事業所勤務届」を、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に提出します。提出先は、全国健康保険協会を選択しようとするときは「厚生労働大臣」に、健康保険組合を選択しようとするときは、「健康保険組合」です。
全国健康保険協会の適用と徴収の業務は、厚生年金保険とセットになりますので、「厚生労働大臣」が行います。
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R4-363
任意継続被保険者の資格喪失を確認しましょう。
条文の空欄を埋めてみましょう。
第38条 (任意継続被保険者の資格喪失) 任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第4号から第6号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失する。 1 任意継続被保険者となった日から起算して< A >を経過したとき。 2 死亡したとき。 3 保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。 4 被保険者となったとき。 5 < B >の被保険者となったとき。 6 後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 7 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、< C >が到来したとき。 |
【解答】
A 2年
B 船員保険
C その申出が受理された日の属する月の末日
ポイント!
※第7号は改正で追加されました。
任意継続被保険者本人の申出により、資格を喪失することが可能になりました。
保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したときの「翌日」(=受理された日の翌月1日)に資格を喪失します。
例えば、8月20日に資格喪失の申出が受理された場合は、9月1日が資格喪失日となります。
※「翌日」喪失が原則ですが、第4号から第6号に該当した場合は、「当日」に資格を喪失します。
・ 被保険者となったとき。→ 当日喪失
・ 船員保険の被保険者となったとき。 → 当日喪失
・ 後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 → 当日喪失
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
任意継続被保険者は、後期高齢者医療の被保険者となった日の翌日からその資格を喪失する。
②【H30年出題】
任意継続被保険者が75歳に達し、後期高齢者医療の被保険者になる要件を満たしたとしても、任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過していない場合は、任意継続被保険者の資格が継続するため、後期高齢者医療の被保険者になることはできない。
③【H29年出題】
任意継続被保険者に関する保険料の納付期日は、初めて納付すべき保険料を除いてはその月の10日とされている。任意継続被保険者が初めて納付すべき保険料を除き、保険料を納付期日までに納めなかった場合は、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除き、その翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。
④【H27年出題】
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったときは、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めた場合を除き、督促状により指定する期限の翌日にその資格を喪失する。
【解答】
①【H26年出題】 ×
後期高齢者医療の被保険者となったときは、「その日」に任意継続被保険者の資格を喪失します。
②【H30年出題】 ×
任意継続被保険者が75歳に達し後期高齢者医療の被保険者となったときは、その日に任意継続被保険者の資格を喪失します。2年を経過していなくても、任意継続被保険者の資格を喪失し、後期高齢者医療の被保険者となります。
③【H29年出題】 〇
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く)を納付期日までに納めなかった場合は、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除き、その翌日に任意継続被保険者の資格を喪失します。
なお、任意継続被保険者の保険料の納付期日は、その月の10日です。
※初めて納付すべき保険料について
「初めて納付すべき保険料」の納付期日は、「保険者が指定する日」です。
「初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなす。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りでない。」とされています。
④【H27年出題】 ×
「督促状により指定する期限の翌日」ではなく、納付期日(その月の10日)の翌日に資格を喪失します。
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R4-353
任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負います。
任意継続被保険者に関する保険料の納付期日は、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)です。
今回は、任意継続被保険者の保険料の「前納」を確認しましょう。
第165条 (任意継続被保険者の保険料の前納) 1 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 2 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 3 前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
令48条 (保険料の前納期間) 任意継続被保険者の保険料の前納は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとする。 ただし、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を取得した者又はその資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間又はその資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。
令第49条 (前納の際の控除額) 法第65条第2項の政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。 |
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。この場合において前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額の合計額である。
②【H26年出題】
任意継続被保険者が保険料を前納する場合は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとなっているが、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。
③【H22年選択式】 ※修正あり
1 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。前納された保険料については、前納に係る期間の< A >が到来したときに、それぞれの月の保険料が納付されたものとみなす。
任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の< B >までに払い込まなければならない。
前納すべき保険料額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を< C >による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。
保険料の前納期間は、4月から9月まで、もしくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとされているが、例えば、任意継続被保険者の資格を取得した月が4月であった場合、最も早く前納を行うことができる前納に係る期間の初月は、< D >である。
【解答】
①【R2年出題】 ×
前納の場合、保険料の割引があります。
②【H26年出題】 〇
前納の期間の単位は、「4月から9月まで」、「10月から翌年3月まで」の6か月間又は「4月から翌年3月まで」の12か月間です。
しかし、例外もあります。
・途中で任意継続被保険者の資格を取得した者
→ 資格を取得した日の属する月の翌月分からの期間
・資格を喪失することが明らかである者
→ 資格を喪失する日の属する月の前月分までの期間
③【H22年選択式】 ※修正あり
A 各月の初日
B 初月の前月末日 (則第139条第1項)
C 年4分の利率
D 5月
Aについて
前納された保険料は、前納期間の「各月の初日」にその月分の保険料が納付されたとみなされます。
※国民年金の場合は、「各月が経過した際」に、その月分の保険料が納付されたとみなされます。
Bについて
「4月から9月までの6か月間」、「4月から翌年3月までの12か月間」の期限は、3月末日、「10月から翌年3月までの6か月間」の期限は、9月末日です。
Dについて
途中で資格取得した場合は、前納できるのは、資格を取得した日の属する月の翌月分からの期間となりますので、初月は5月となります。期間は、「5月から9月まで」又は、「5月から翌年3月まで」です。
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R4-324
今回のテーマは「法定免除」です。
対象者を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第89条 被保険者(産前産後免除及び保険料の一部免除の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 ① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 ② 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ③ 厚生労働省令で定める施設(国立ハンセン病療養所等、国立保養所、その他厚生労働大臣が指定するもの)に入所しているとき。 |
ポイント!
★法定免除の対象は、
・障害基礎年金、1級・2級の障害厚生年金等の受給権者
→ただし、厚生年金保険法の障害等級(3級)に該当しなくなってから3年を経過した者は、法定免除の対象外になります。
・生活保護法の生活扶助を受ける人
・国立ハンセン病療養所等に入所している人
過去問をどうぞ!
①【H16年出題】
障害基礎年金の受給権は有していなくても、3級の障害厚生年金の受給権を有していれば、国民年金保険料の法定免除が適用される。
②【H27年出題】
第1号被保険者が生活保護法の保護のうち、医療扶助のみを受けた場合、保険料の法定免除の対象とされる。
【解答】
①【H16年出題】 ×
法定免除は、障害基礎年金の受給権があることが条件です。1・2級に該当したことがない3級の障害厚生年金の受給権者には、法定免除は適用されません。
②【H27年出題】 ×
生活保護には、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つの種類の扶助があります。
法定免除の対象になるのは、そのうちの「生活扶助」を受ける場合です。
医療扶助のみを受ける場合は法定免除の対象になりません。
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R4-323
被扶養者の認定には、次のような基準があります。
★「認定対象者」(被扶養者としての届出に係る者)が被保険者と同一世帯に属している場合
① 認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当する。
② ①の条件に該当しない場合でも、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えない。
①について
被扶養者の収入 |
|
|
被保険者の年間収入 |
|
▲2分の1
②について
被扶養者の収入 |
| |
被保険者の年間収入 |
| |
▲2分の1
★認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
認定対象者の年間収入が、130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合には180万円未満)で、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当する。
被扶養者の収入 |
|
被保険者からの援助 |
(昭和52.4.6保発第9号・庁保発第9号)
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】 ※改正による修正あり
認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合、当該認定対象者の年間収入が 130万円未満(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する。
(なお、認定対象者は、日本国内に住所を有している)
②【H27年出題】 ※改正による修正あり
年収250万円の被保険者と同居している母(58歳であり障害者ではない。)は、年額100万円の遺族厚生年金を受給しながらパート労働しているが健康保険の被保険者にはなっていない。このとき、母のパート労働による給与の年間収入額が120万円であった場合、母は当該被保険者の被扶養者になることができる。(なお、母は日本国内に住所を有している。)
③【H22年出題】 ※改正による修正あり
被保険者の父が障害厚生年金の受給権者で被保険者と同一世帯に属していない場合、その年間収入が150万円で、かつ、被保険者からの援助額が年間100万円であるとき、被保険者の被扶養者に該当する。(なお、父は日本国内に住所を有している。)
【解答】
①【R1年出題】 〇
認定対象者と被保険者が同一世帯に属している場合、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害者の場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であることが、被扶養者となる条件です。
しかし、被保険者の年間収入の2分の1以上でも、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合で、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する者として差し支えないとされています。
※ちなみに、令和2年4月から被扶養者については「日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるもの」という要件が追加されています。
②【H27年出題】 ×
認定要件の年収には、年金や給与も含まれます。
問題文の58歳の母の年間収入は、100万円の遺族厚生年金+120万円のパート労働による給与=220万円です。年間収入130万円以上ですので、被扶養者となりません。
③【H22年出題】 ×
被保険者と同一世帯に属していない場合は、認定対象者の年間収入が、130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合には180万円未満)で、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ないことが条件です。
問題文の父の年間収入は、被保険者からの援助額より多いので、被扶養者に該当しません。
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R4-322
★1週間の所定労働時間及び1月の所定労働日数が、同一の事業所に使用される通常の労働者の「4分の3以上」の場合は、健康保険、厚生年金保険の被保険者として取り扱われます。
★「4分の3未満の場合」
・平成28年10月から
特定適用事業所(被保険者数が常時501人以上の企業)に、厚生年金保険・健康保険が適用されました。
・平成29年4月から
任意特定適用事業所(被保険者数が常時500人以下の企業の事業所で、短時間労働者が社会保険に加入することについて労使合意を行った事業所)にも、厚生年金保険・健康保険が適用されるようになりました。
「4分の3未満」でも適用される要件を確認しましょう。
事業所に使用される者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間または1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である者で、次の①から④の全てに該当するもの ① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。 ② 継続して1年以上使用されることが見込まれること。 ③ 報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く。)の月額が 8万8千円以上であること。 ④ 学生でないこと |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
特定適用事業所とは、事業主が同一である1又は2以上の適用事業所であって、当該1又は2以上の適用事業所に使用される特定労働者の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所のことをいう。
②【H30年出題】
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件の1つである、報酬の月額が88,000円以上であることの算定において、家族手当は報酬に含めず、通勤手当は報酬に含めて算定する。
③【R3年出題】
短時間労働者の被保険者資格の取得基準においては、卒業を予定している者であって適用事業所に使用されることとなっているもの、休学中の者及び定時制の課程等に在学する者その他これらに準ずる者は、学生でないこととして取り扱うこととしているが、この場合の「その他これらに準ずる者」とは、事業主との雇用関係の有無にかかわらず、事業主の命により又は事業主の承認を受け、大学院等に在学する者(いわゆる社会人大学院生等)としている。
【解答】
①【H29年出題】 〇
特定適用事業所とは、「常時501人以上」の企業の各適用事業所です。
(H24年法附則第46条第12項)
②【H30年出題】 ×
短時間労働者の適用条件の1つである「報酬」は、法第3条第1項9号で「報酬(最低賃金法第4条第3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除く。)について、厚生労働省令で定めるところにより、第42条第1項の規定の例により算定した額」とされています。
除外される報酬は以下の通りです。
・ 臨時に支払われる賃金 (結婚手当等)
・ 1月を超える期間ごとに支払われる賃金 (賞与等)
・ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金 (割増賃金等)
・ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
・ 深夜労働に対して支払われる賃金のうち通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
・ 最低賃金法において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
(則第23条の4、R4.3.18保保発0318第1号)
問題文の「家族手当」と「通勤手当」はともに報酬に含まないで算定します。
③【R3年出題】 ×
「事業主との雇用関係の有無にかかわらず」の部分が誤りです。
「「その他これらに準ずる者」とは、事業主との雇用関係を存続した上で、事業主の命により又は事業主の承認を受け、大学院等に在学する者(いわゆる社会人大学院生等)」とされています。
(R4.3.18保保発0318第1号)
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R4-293
「標準報酬月額」は、保険料の計算、傷病手当金などの計算に使われます。
標準報酬月額は、毎年7月1日に見直しをします。「定時決定」といいます。
★「報酬」、「報酬月額」、「標準報酬月額」と似たような用語が登場します。
「報酬」は、労働の対償として受けるもののことで、時給制の人もいれば、月給制の人もいて様々です。
報酬を月ベースになおしたものを「報酬月額」といいます。
報酬月額を1等級から50等級まで50段階に区分したものを「標準報酬月額」といいます。
では、条文を読んでみましょう。
第41条 (定時決定) ① 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者にあっては、11日。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 ② ①の規定によって決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの各月の標準報酬月額とする。 ③ ①の規定は、6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者及び随時改定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定により7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない。 |
定時決定のポイント!
★毎年7月1日現在で行います
★「4月+5月+6月の報酬の総額÷その期間の月数」で計算した額が「報酬月額」です。
・ ただし、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者の場合は11日)未満の月は除いて計算します。分母の「その期間の月数」は「3」と限りません。「2」になることも「1」になることもありますので注意しましょう。
・ 例えば、4月、5月、6月の報酬(報酬支払基礎日数は17日以上)が、それぞれ、188,500円、196,200円、182,300円だったとすると、(188,500円+196,200円+182,300円)÷3で、「報酬月額」は189,000円です。この額を標準報酬月額等級表にあてはめ、「標準報酬月額」は190,000円となります。
★決定された標準報酬月額の有効期間は、その年の9月から翌年の8月までです。
★定時決定を行わない者
・ 6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者
・ 7月から9月までのいずれかの月に随時改定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定が行われる者
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
賃金の計算上の締切日を毎月末日、支払日を翌月の15日としている事業所の標準報酬月額の定時決定に用いる報酬とされるのは、3月分、4月分及び5月分の賃金である。(なお、この選択肢において、「X月分の賃金」とは、X月に賃金を締切った賃金のこととする。)
②【H29年出題】
標準報酬月額の定時決定について、賃金計算の締切日が末日であって、その月の25日に賃金が支払われる適用事業所において、6月1日に被保険者資格を取得した者については6月25日に支給される賃金を報酬月額として定時決定が行われるが、7月1日に被保険者資格を取得した者については、その年に限り定時決定が行われない。
③【R3年出題】
毎年7月1日現に使用する被保険者の標準報酬月額の定時決定の届出は、同月末日までに、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。
【解答】
①【H19年出題】 〇
定時決定は、4月・5月・6月に支払われた報酬で算定します。
問題文のように、毎月末日締め、翌月15日支払いの場合は、4月15日払い(3月分)、5月15日払い(4月分)、6月15日払い(5月分)で算定します。
②【H29年出題】 ×
6月1日から7月1日に資格を取得したものは、その年の定時決定の対象から除外されます。問題文の6月1日に被保険者資格を取得した者は、その年の定時決定は行いません。
③【R3年出題】 ×
定時決定の届出の提出期限は、7月10日です。
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R4-273
事業主は被保険者負担分の保険料を、報酬から控除できます。
控除のルールを条文で読んでみましょう。
第167条 (保険料の源泉控除) 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。 |
ポイント!
被保険者の当月分の給料から控除できるのは、前月分の被保険者負担分の保険料です。
ただし、被保険者が月末に退職し、当月分の保険料が徴収される場合は、前月分と当月分を控除することができます。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
5月23日に被保険者資格を取得した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月20日締め、当月末日払いの場合、事業主は、最初の給与(5月23日から6月20日までの期間に係るもの)で5月分の健康保険料を控除することができるが、毎月末日締め、当月25日払いの場合、最初の給与(5月23日から5月末日までの期間に係るもの)では健康保険料を控除することができない。
②【R1年出題】
給与計算の締切り日が毎月15日であって、その支払日が当該月の25日である場合、7月30日で退職し、被保険者資格を喪失した者の保険料は7月分まで生じ、8月25日支払いの給与(7月16日から7月30日までの期間に係るもの)まで保険料を控除する。
③【H26年出題】
勤務していた適用事業所を5月31日で退職し、被保険者資格を喪失した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月末日締め、当月25日払いの場合、事業主は、5月25日支払いの給与(5月1日から5月31日までの期間にかかるもの)で4月分及び5月分の健康保険料を控除することができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
保険料は、資格を取得した月から徴収されますので、5月23日に被保険者資格を取得した場合は5月分から徴収されます。
給与から控除できるのは、前月分です。
月給制で、毎月20日締め、当月末日払いの場合、6月に支給される最初の給与(5月23日から6月20日までの期間に係るもの)で前月分の5月分の保険料を控除できます。
しかし、毎月末日締め、当月25日払いの場合、当月の5月に支給される最初の給与(5月23日から5月末日までの期間に係るもの)では保険料を控除できません。翌月の6月に支給される給与から控除します。
②【R1年出題】 ×
7月30日退職の場合は、翌日の7月31日に資格を喪失します。
第156条で、「前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない」と規定されていますので、資格喪失月は保険料が生じないのがポイントです。
7月30日に退職した場合、保険料が生じるのは6月分までです。7月25日支払いの給与(6月16日から7月15日までの期間に係るもの)で、6月分の保険料を控除します。
③【H26年出題】 〇
5月31日退職の場合は、資格喪失日が6月1日で、保険料は5月分まで生じます。
末日退職の場合の健康保険料の源泉控除は、前月分と当月分を控除できますので、毎月末日締め、当月25日払いの場合、5月25日支払いの給与(5月1日から5月31日までの期間にかかるもの)で前月の4月分と当月の5月分の保険料を控除することができます。
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R4-272
賞与の保険料額の計算式は、以下の通りです。
・介護保険第2号被保険者
→ 「標準賞与額×一般保険料率」+「標準賞与額×介護保険料率」
・介護保険第2号被保険者以外
→ 「標準賞与額×一般保険料率」
★ 事業主と被保険者が2分の1ずつ負担します。事業主は、被保険者の負担分を賞与から控除できます。条文を読んでみましょう。
第167条 (保険料の源泉控除) ② 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を賞与から控除することができる。
②【H29年出題】
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
③【R3年出題】
前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与を50万円支給された者が、同月20日に退職した場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はないが、標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。
【解答】
①【H24年出題】 〇
事業主は、賞与から、被保険者の負担する標準賞与額に係る保険料を控除することができます。
②【H29年出題】 〇
資格を喪失した月の保険料については、第156条第3項で次のように定められています。
「前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない。」
問題文のように、前月から引き続き被保険者である者が、7月25日に退職し26日に資格を喪失した場合は、7月分の保険料は算定されませんので、事業主は納付する義務はありません。
資格喪失月に支給された賞与についても、保険料は算定されませんので、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はありません。
(法第156条第3項)
③【R3年出題】 〇
前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与が支給され、同月20日に退職した場合、当該賞与に係る保険料は徴収されません。
しかし、「保険料徴収の必要がない被保険者資格の喪失月であっても、被保険者期間中に支払われる賞与に基づき決定される標準賞与額は、年度の累計額に算入する。被保険者資格の喪失月であり資格喪失日の前日までに支払われる賞与額についても被保険者賞与支払届の提出を徹底すること。標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。」とされています。
(H19.5.1庁保険発第0501001号)
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R4-271
健康保険の保険料は、原則として被保険者と事業主がそれぞれ2分の1を負担します。
また、保険料の納付義務を負うのは、事業主です。
条文を読んでみましょう。
第161条 (保険料の負担及び納付義務) 1 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担する。ただし、任意継続被保険者は、その全額を負担する。 2 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 3 任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
第162条 (健康保険組合の保険料の負担割合の特例) 健康保険組合は、前条第1項の規定にかかわらず、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。 |
ポイント!
任意継続被保険者は、本人が保険料の全額を負担し、保険料の納付義務も本人が負います。
では、過去問をどうぞ!
①【H15年出題】
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うが、任意継続被保険者の負担する保険料を納付する義務を負わない。
②【H30年出題】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。
③【H19年出題】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、一般保険料額だけではなく、介護保険料額についても事業主の負担割合を被保険者よりも高くすることができる。
【解答】
①【H15年出題】 〇
任意継続被保険者の保険料は、本人が納付義務を負います。
②【H30年出題】 〇
保険料額は、事業主と被保険者が2分の1ずつ負担するのが原則ですが、健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担割合を増加することができます。
ポイント!
・健康保険組合だけの特例です。全国健康保険協会には適用されません。
・負担割合を増加できるのは「事業主の負担分」です。被保険者の負担割合は増加できません。
③【H19年出題】 〇
「健康保険組合」は、規約で定めるところにより、介護保険料額についても事業主の負担割合を被保険者よりも高くすることができます。
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R4-255
高額介護合算療養費とは??
「健康保険」の一部負担金と「介護保険」の利用者負担額を合算して、「介護合算算定基準額+支給基準額」を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。超えた金額は、健康保険と介護保険の自己負担額の比率で按分して支給されます。
計算期間は、1年間(8月1日から翌年7月31日)です。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年選択式】
高額介護合算療養費は、介護合算一部負担金等世帯合算額が介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。この支給基準額とは、高額介護合算療養費の支給の事務の執行に要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額のことであり、その額は< A >円である。
70歳未満で標準報酬月額が360,000円の被保険者の場合、介護合算算定基準額は < B >円である。
②【H25年出題】
高額介護合算療養費は、計算期間(前年8月1日から7月31日までの1年間)の末日において健康保険の被保険者及びその被扶養者についてそれぞれ個別に算定し支給する。
③【H28年出題】
70歳未満の被保険者又は被扶養者の受けた療養について、高額療養費を算定する場合には、同一医療機関で同一月内の一部負担金等の額が21,000円未満のものは算定対象から除かれるが、高額介護合算療養費を算定する場合には、それらの費用も算定の対象となる。
④【H30年出題】
高額介護合算療養費は、健康保険法に規定する一部負担金等の額並びに介護保険法に規定する介護サービス利用者負担額及び介護予防サービス利用者負担額の合計額が、介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。高額介護合算療養費は、健康保険法に基づく高額療養費が支給されていることを支給要件の1つとしており、一部負担金等の額は高額療養費の支給額に相当する額を控除して得た額となる。
【解答】
①【H25年選択式】
A 500
B 670,000
(平成20年厚生労働省告示第225号、令43条の3)
高額介護合算療養費は、「介護合算一部負担金等世帯合算額-介護合算算定基準額」が、500円を超える場合に限り、支給されます。
②【H25年出題】 ×
「個別に」算定ではなく、「世帯」単位で算定します。
(H21.4.30保保発0430001)
③【H28年出題】 ×
高額介護合算療養費を算定する場合も、70歳未満の21,000円未満のものは算定対象から除かれます。
(H21.4.30保保発0430001)
④【H30年出題】 ×
「健康保険法に基づく高額療養費が支給されていること」は要件ではありません。
なお、合算する場合は、健康保険の一部負担金等の額から高額療養費は除かれ、また、介護保険の利用者負担額から高額介護サービス費は除かれます。
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R4-254
75歳になり後期高齢者医療の被保険者の資格を取得した場合、健康保険の資格は喪失します。
今日のテーマは、月の途中で後期高齢者医療の被保険者になった場合の高額療養費の自己負担限度額についてです。
月の途中(2日~末日)に、後期高齢者医療の被保険者になった月は、その月に受けた療養は、「健康保険」、「後期高齢者医療」の自己負担限度額をそれぞれ「2分の1」にして、支給要件を見ることになります。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
被保険者が月の初日以外の日に75歳に達したことにより後期高齢者医療の被保険者となり、健康保険の被保険者の資格を喪失した場合、その月の一部負担金等について健康保険と後期高齢者医療制度でそれぞれ高額療養費算定基準が適用されることとなるため、特例により個人単位で両制度のいずれにおいても通常の基準額の2分の1の額を設定することとされている。
②【R1年出題】
標準報酬月額が28万円以上53万円未満である74歳の被保険者で高額療養費多数回該当に当たる者であって、健康保険の高額療養費算定基準額が44,400円である者が、月の初日以外の日において75歳に達し、後期高齢者医療制度の被保険者の資格を取得したことにより、健康保険の被保険者資格を喪失したとき、当該月における外来診療に係る個人単位の健康保険の高額療養費算定基準額は22,200円とされている。
【解答】
①【H25年出題】 〇
★月の初日以外の日に75歳に達した場合のポイント!
・健康保険と後期高齢者医療制度でそれぞれ高額療養費算定基準が適用される
・個人単位で両制度のいずれも通常の基準額の2分の1の額を設定する
②【R1年出題】 〇
健康保険と後期高齢者医療でそれぞれ2分の1の高額療養費算定基準額が適用されるので、問題文の場合は、外来診療に係る個人単位の健康保険の高額療養費算定基準額は22,200円です。
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R4-253
長期間にわたり高額な医療費がかかる特定疾病については、自己負担限度額の特例が設けられています。負担軽減のためです。
特定疾病については施行令第41条第9項で以下の要件が定められています。
1 費用が著しく高額な一定の治療として厚生労働大臣が定める治療を要すること。
2 1の治療を著しく長期間にわたり継続しなければならないこと。
要件に基づき、指定されているのが次の3つです。
① 人工腎臓を実施する慢性腎不全 (人工透析)
② 血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害及び先天性血液凝固第Ⅸ因子障害 (血友病)
③ 抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群
(血液製剤に起因するHIV感染症)
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
標準報酬月額が56万円である60歳の被保険者が、慢性腎不全で1つの病院から人工腎臓を実施する療養を受けている場合において、当該療養に係る高額療養費算定基準額は10,000円とされている。
②【H28年出題】
70歳以上の被保険者が人工腎臓を実施する慢性腎不全に係る療養を受けている場合、高額療養費算定基準額は、当該被保険者の所得にかかわらず、20,000円である。
【解答】
①【R2年出題】 ×
★長期高額疾病(特定疾病)に係る自己負担限度額の特例
・自己負担限度額は月額1万円です。※限度額を超える分は高額療養費が現物給付で支給されます。
・ただし、「慢性腎不全」のうち「70歳未満」の「上位所得者(標準報酬月額53万円以上)」については自己負担限度額は2万円です。
問題文の高額療養費算定基準額は1万円ではなく「2万円」です。
(昭59.9.28厚告156)
②【H28年出題】 ×
2万円ではなく「1万円」です。
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R4-252
高額療養費に該当する月以前12か月間に、高額療養費が支給されている月が3回以上ある場合、4回目以降の自己負担限度額が下がります。自己負担を軽減するためです。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
高額療養費多数回該当の場合とは、療養のあった月以前の12か月以内に既に高額療養費が支給されている月数が2か月以上ある場合をいい、3か月目からは一部負担金等の額が多数回該当の高額療養費算定基準額を超えたときに、その超えた分が高額療養費として支給される。
②【H28年選択式】
55歳で標準報酬月額が83万円である被保険者が、特定疾病でない疾病による入院により、同一の月に療養を受け、その療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用が1,000,000円であったとき、その月以前の12か月以内に高額療養費の支給を受けたことがない場合の高額療養費算定基準額は、252,600円+(1,000,000円- < A >)×1%の算定式で算出され、当該被保険者に支給される高額療養費は < B >となる。また、当該被保険者に対し、その月以前の12か月以内に高額療養費が支給されている月が3か月以上ある場合(高額療養費多数回該当の場合)の高額療養費算定基準額は、< C >となる。
③【H18年出題】
転職により、健康保険組合の被保険者から全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に変更した場合であっても、高額療養費の算定にあたっての支給回数は通算される。
【解答】
①【H26年出題】 ×
多数回該当の場合とは、療養のあった月以前の12か月以内に既に高額療養費が支給されている月数が3か月以上ある場合をいいます。4か月目からは高額療養費算定基準額が「多数回該当」の上限額になります。
②【H28年選択式】
A 842,000円
B 45,820円
C 140,100円
■70歳未満の被保険者(標準報酬月額83万円)の場合
(高額療養費算定基準額)
・252,600円+(医療費-842,000円)×1%
・多数回該当の場合 140,100円
ポイント!
842,000円について → 842,000円の30%が252,600円です。
計算式!
・高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
252,600円+(100万円-84万2千円)×1% = 25万4,180円
・高額療養費
30万円 - 25万4,180円 = 4万5,820円
③【H18年出題】 ×
健康保険組合の被保険者から協会健保の被保険者に変わる等、管掌する保険者が変わった場合は、支給回数は通算されないことになっています。
(昭59.9.29保険発第74号・庁保険発第18号)
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R4-251
高額療養費は、「1人単位」で計算するのが原則ですが、同一世帯で、複数人が医療機関にかかった場合は、一部負担金等を合算して計算することができます。
また、同一人物でも、高額療養費は医療機関ごとに計算するのが原則ですが、同一人物が同一月に複数の医療機関にかかった場合も、世帯合算が適用されます。
合算の対象になるのは、「70歳未満」の場合は21,000円以上の自己負担額です。「70歳以上」の場合は、合算の対象に制限はありませんので、すべての自己負担額を合算できます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】
高額療養費の算定における世帯合算は、被保険者及びその被扶養者を単位として行われるものであり、夫婦がともに被保険者である場合は、原則としてその夫婦間では行われないが、夫婦がともに70歳以上の被保険者であれば、世帯合算が行われる。
【解答】
【H30年出題】 ×
夫婦がともに被保険者の場合は、70歳未満、70歳以上関係なく、世帯合算の対象になりません。
世帯合算の単位は、「被保険者+その被扶養者」のまとまりです。
<計算事例>
・70歳未満の被保険者A(標準報酬月額32万円)
→ 医療費20万円(一部負担金 6万円)
・70歳未満の被扶養者B
→ 医療費3万円(窓口負担 9千円)
・70歳未満の被扶養者C
→ 医療費100万円(窓口負担 30万円)
世帯合算の対象になるのは「2万1千円以上」の被保険者Aと被扶養者Cの負担分です。被扶養者Bは2万1千円未満なので、世帯合算されません。
①高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
8万100円+(120万円-26万7千円)×1% = 8万9430円
②高額療養費
36万円 - 8万9430円 = 27万570円
となります。
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R4-250
例えば、病気で入院し、1か月間で医療費が100万円かかった場合、一部負担金は3割の30万円となります。
このうちの自己負担限度額を超えた部分が「高額療養費」として払い戻されます。(限度額適用認定証を提示し、払い戻しではなく現物給付として受ける方法もあります。)
70歳未満の被保険者(標準報酬月額28万円)、医療費100万円の場合の高額療養費
①自己負担限度額(高額療養費算定基準額)
8万100円+(100万円-26万7千円)×1% = 8万7430円
②高額療養費
30万円-8万7430円 = 21万2570円
→ 21万2570円が高額療養費として払い戻されます。
医療費総額 100万円 | ||
療養の給付
70万円 | 一部負担金 30万円 | |
自己負担限度額 8万7430円 | 高額療養費 21万2570円 |
条文を読んでみましょう
第115条 (高額療養費) ① 療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額(「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。 ② 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。 |
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
高額療養費の支給要件、支給額等は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して政令で定められているが、入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は高額療養費の算定対象とならない。
②【H23年出題】
高額療養費の支給要件の取扱いでは、同一の医療機関であっても入院診療分と通院診療分はそれぞれ区別される。
③【H27年出題】
同一の月に同一の保険医療機関において内科及び歯科をそれぞれ通院で受診したとき、高額療養費の算定上、1つの病院で受けた療養とみなされる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は、高額療養費の計算には入りません。
★高額療養費の算定対象とならない負担
・食事療養標準負担額
・生活療養標準負担額
・保険外のもの
保険外併用療養費に係る自費負担分など
②【H23年出題】 〇
★高額療養費の支給要件の取扱いポイント
・暦月単位で計算
例えば、3月15日から4月10日まで入院療養を受けた場合は、「3月15日から3月31日まで」と「4月1日から4月10日まで」に区別します。
・1人ずつ計算
・医療機関ごとに計算
・医科、歯科別で計算
・入院と通院はそれぞれで計算
問題文のように、同一の医療機関でも入院診療分と通院診療分は、それぞれ区別します。
③【H27年出題】 ×
内科と歯科は、それぞれ区別して算定します。
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R4-236
保険医療機関や保険薬局で治療などを受けた場合、70歳未満の場合は、かかった医療費の3割を一部負担金として支払います。
今回のテーマは一部負担金です。
条文を読んでみましょう。
第74条 (一部負担金) 保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者は、その給付を受ける際、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、療養の給付に要する費用の額に当該各号に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関又は保険薬局に支払わなければならない。 1 70歳に達する日の属する月以前である場合 100分の30 2 70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合(3に掲げる場合を除く。) 100分の20 3 70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、政令で定めるところにより算定した報酬の額が政令で定める額以上であるとき 100分の30 |
一部負担金の割合は以下の通りです。
①70歳未満 → 100分の30 (←誤っていたので修正しました)
②70歳以上(③を除く) → 100分の20
③70歳以上の現役並所得者 → 100分の30
では、過去問をどうぞ!
①【R2年選択式】
保険医療機関又は保険薬局から療養の給付を受ける者が負担する一部負担金の割合については、70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合であって、療養の給付を受ける月の< A >以上であるときは、原則として、療養の給付に要する費用の額の100分の30である。
<選択肢>
① 前月の標準報酬月額が28万円
② 前月の標準報酬月額が34万円
③ 標準報酬月額が28万円
④ 標準報酬月額が34万円
【解答】
A ③ 標準報酬月額が28万円
70歳以上の現役並み所得者の一部負担金の割合は100分の30です。
現役並み所得については、施行令第34条で、「療養の給付を受ける月の標準報酬月額が28万円以上」と規定されています。
(令第34条)
つぎはこちらをどうぞ!
②【H27年選択式】
平成26年4月1日以降に70歳に達した被保険者が療養の給付を受けた場合の一部負担金の割合は、< B >から療養の給付に要する費用の額の2割又は3割となる。
例えば、標準報酬月額が28万円以上である70歳の被保険者(昭和19年9月1日生まれ)が平成27年4月1日に療養の給付を受けるとき、当該被保険者の被扶養者が67歳の妻のみである場合、厚生労働省令で定める収入の額について< C >であれば、保険者に申請することにより、一部負担金の割合は2割となる。なお、過去5年間に当該被保険者の被扶養者となった者は妻のみである。
本問において、災害その他の特別の事情による一部負担金の徴収猶予又は減免の措置について考慮する必要はない。
<選択肢>
① 70歳に達する日 ②70歳に達する日の属する月
③ 70歳に達する日の属する月の翌月 ④ 70歳に達する日の翌日
⑤ 被保険者と被扶養者の収入を合わせて算定し、その額が383万円未満
⑥ 被保険者と被扶養者の収入を合わせて算定し、その額が520万円未満
⑦ 被保険者のみの収入により算定し、その額が383万円未満
⑧ 被保険者のみの収入により算定し、その額が520万円未満
【解答】
②【H27年選択式】
B ③ 70歳に達する日の属する月の翌月
C ⑦ 被保険者のみの収入により算定し、その額が383万円未満
★Bについて
一部負担金の割合が2割か3割になる「70歳以上」とは、「70歳に達する日の属する月の翌月」からとなります。
★Cについて
70歳以上で、標準報酬月額が28万円以上の場合は、原則として一部負担金の割合は3割です。
ただし、標準報酬月額が28万円以上でも、
・「被保険者」と「その被扶養者(70歳以上の場合に限る。)」の収入が合わせて520万円未満
・当該被扶養者がいない場合は、「被保険者」の収入が383万円未満
の場合は、申請により一部負担金の割合が2割になります。
問題文の場合は、被扶養者である妻が70歳未満ですので、被扶養者の収入は合算しません。「被保険者のみ」の収入が383万円未満の場合は、申請により一部負担金の額が2割となります。
(施行令第34条)
最後にもう一問どうぞ!
③【H24年出題】※改正による修正あり
70歳以上で標準報酬月額が28万円以上の被保険者が、70歳以上の被扶養者の分もあわせて年収が520万円未満の場合、療養の給付に係る一部負担金は申請により2割負担となる。
【解答】
③【H24年出題】 〇 ※改正による修正あり
70歳以上の被保険者の標準報酬月額が28万円以上でも、被保険者と70歳以上の被扶養者の収入を合わせて520万円未満の場合、申請により2割負担となります。
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R4-217
資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることができる者が、老齢退職年金給付の支給を受けることができる場合は、どちらが優先されるでしょう?
では、条文を読んでみましょう。
第108条第5項 傷病手当金の支給を受けるべき者(資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることができる者に限る。)が、老齢退職年金給付の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。 ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
則第89条第2項 法第108条第5項ただし書の厚生労働省令で定めるところにより算定した額は、同項に規定する者の受けるべき老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)を360で除して得た額(その額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)とする。 |
資格喪失後の傷病手当金の継続給付を受けることができる者が、老齢退職年金給付の支給を受けることができるときは、傷病手当金は支給されません。老齢退職年金給付が優先されます。
ただし、老齢退職年金給付の額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。
なお、傷病手当金の額は「日単位」ですが、年金の額は「年単位」です。老齢退職年金給付は360で割った日額で傷病手当金と比較します。365ではありませんので注意してください。
老齢退職年金給付÷360が傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるとき、老齢退職年金給付は支給されない。
②【H27年出題】
適用事業所に使用される被保険者が傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われない。
③【H17年出題】
適用事業所に使用される常勤職員であって傷病手当金の支給を受けることができる者が、老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合算額を360で除して得た額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給される。
【解答】
①【H23年出題】 ×
老齢退職年金給付が優先されますので、「傷病手当金は支給されない」となります。
②【H27年出題】 〇
傷病手当金と老齢退職年金給付が調整されるのは、「資格喪失後の継続給付の傷病手当金」の場合です。退職していることが前提です。
問題文は、「適用事業所に使用される被保険者」です。在職中の傷病手当金は、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われません。
③【H17年出題】 ×
②と同様に、③も「適用事業所に使用される常勤職員」ですので、「傷病手当金」と「老齢基礎年金・老齢厚生年金」の調整は行われません。
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R4-201
報酬と出産手当金との調整のルールを確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第108条 (出産手当金と報酬との調整) ② 出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。 |
報酬を受けることができる場合 → 出産手当金は支給されません
ただし、報酬の額が、出産手当金の額より少ない場合は、その差額が支給されます。
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
出産手当金について、出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
②【H27年出題】
被保険者が介護休業期間中に出産手当金の支給を受ける場合、その期間内に事業主から介護休業手当で報酬と認められるものが支給されているときは、その額が本来の報酬と出産手当金との差額より少なくとも、出産手当金の支給額について介護休業手当との調整が行われる。
【解答】
①【H23年出題】 〇
報酬が出産手当金より少ないときは、差額が支給されます。
②【H27年出題】 〇
介護休業期間中でも、要件に該当する場合は、傷病手当金又は出産手当金が支給されます。
傷病手当金又は出産手当金が支給される場合で、同じ期間内に事業主から介護休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、傷病手当金又は出産手当金の支給額について調整が図られます。
(平成11.3.31保険発第46号・庁保険発第9号)
次に、出産手当金と傷病手当金の支給調整を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第103条 (出産手当金と傷病手当金との調整) ① 出産手当金を支給する場合(第108条第3項又は第4項に該当するときを除く。)においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。 ただし、その受けることができる出産手当金の額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。 ② 出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金は、出産手当金の内払とみなす。 |
出産手当金と傷病手当金の両方が支給される場合は、出産手当金が優先され、その期間は傷病手当金は支給されません。
ただし、出産手当金の額が、傷病手当金より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。
では、過去問をどうぞ!
③【H24年出題】
傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、傷病手当金の支給が優先され、その期間中は出産手当金の支給は停止される。
④【H30年出題】
出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合、いずれかを選択して受給することができる。
【解答】
③【H24年出題】 ×
出産手当金が優先されます。
傷病手当金の受給中に出産手当金が支払われるときは、出産手当金の支給が優先され、その期間中は傷病手当金の支給は停止されます。
④【H30年出題】 ×
③の問題と同じです。選択制ではなく、出産手当金が優先されます。
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R4-200
被保険者が出産した場合、産前産後の休業中は健康保険から出産手当金が支給されます。
出産手当金の支給要件を確認しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第102条 (出産手当金) 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。 |
出産手当金が支給されるのは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日です。
「出産日当日」は産前?産後?
条文の「出産の日以前42日」と「出産の日後56日」に注目してください。42日には「出産の日」を含み、56日は出産の日の翌日からとなります。出産当日は「産前」に入ります。
「出産予定日」より出産が遅れた場合は?
産前休業は、出産予定日6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得できます。
条文の『出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日以前42日』の部分に注目してください。
出産が予定日よりも遅れた場合は、出産予定日以前42日から出産日後56日が支給期間となるので、遅れた日数分も出産手当金が支給されます。
予定日以前42日 | 遅れた日数分 | 出産の日後56日間 | |||||||
|
| 予定日 |
|
| 出産日 |
|
|
|
|
「任意継続被保険者」には支給される?
任意継続被保険者には出産手当金は支給されません。
なお、同様に、特例退職被保険者にも出産手当金は支給されません。(附則第3条)
では、過去問をどうぞ!
①【H30年選択式】
健康保険法第102条第1項では、「被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)< A >(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日< B >までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。」と規定している。
②【R2年出題】
被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産の日以前42日から出産の日後56日までの間において、通常の労務に服している期間があった場合は、その間に支給される賃金額が出産手当金の額に満たない場合に限り、その差額が出産手当金として支給される。
③【H18年出題】
被保険者が出産予定日の42日前から出産休暇をとったところ、予定日より5日遅れて出産した場合、出産日以前の出産手当金の支給日数は47日となり、また、5日の超過日数が出産日後の56日から差し引かれることはない。
【解答】
①【H30年選択式】
A 以前42日
B 後56日
「前」ではなく「以前」、「以後」ではなく「後」なのがポイントです。
出産日当日は、「産前」に含まれることに注意してください。
②【R2年出題】 ×
出産手当金が支給されるのは、「労務に服さなかった期間」です。
問題文の「通常の労務に服している期間」があった場合は、その間は出産手当金は支給されません。
③【H18年出題】 〇
予定日より遅れた日数分も支給されます。
問題文のように予定日より5日遅れて出産した場合、支給期間は、産前は42日+5日、産後は出産の翌日から56日です。
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R4-172
入院の場合、診察や手術などは「療養の給付」として現物給付が行われます。そして入院時の食事についても現物給付が行われます。
今日は、入院時の食事がテーマです。
診察や手術については、療養に要した費用の原則100分の30を一部負担金として本人が負担し、残りが療養の給付として健康保険から現物給付されます。
一部負担金 | 療養の給付 |
食事については、食費の一部を「食事療養標準負担額」として本人が負担し、残りが「入院時食事療養費」として健康保険から現物給付されます。
食事療養標準負担額 | 入院時食事療養費 |
では、「入院時食事療養費」を条文で確認しましょう。
第85条 (入院時食事療養費) 被保険者(特定長期入院被保険者を除く。)が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関等である病院又は診療所のうち自己の選定するものから、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。 |
「療養の給付」と併せて受けた食事療養に要した費用の部分がポイントです。入院時食事療養費は療養の給付とセットになります。
また、「特定長期入院被保険者」は、入院時の食事は「入院時生活療養費」として給付が行われますので、入院時食事療養費の対象から除かれています。
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
被保険者(特定長期入院被保険者を除く。以下本肢において同じ。)が保険医療機関である病院又は診療所から食事療養を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり当該病院又は診療所に支払うことができ、この支払があったときは、被保険者に対し入院時食事療養費の支給があったものとみなされる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
本当なら、被保険者本人が食事療養に要した費用を病院に支払い、そして入院時食事療養費は、保険者から被保険者に支給すべきものです。
しかし、実際は、入院時食療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度で、被保険者に代わって保険者から病院等に支払う方式をとっています。そして、この支払があったときは、被保険者に対し入院時食事療養費の支給があったものとみなされ、結果として現物給付になる、という仕組みです。
(法第85条第5項、第6項)
次に、入院時食事療養費の額を確認しましょう。
第85条 ② 入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から、平均的な家計における食費の状況及び特定介護保険施設等(介護保険法に規定する特定介護保険施設等をいう。)における食事の提供に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める額(所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に定める額。以下「食事療養標準負担額」という。)を控除した額とする。 ③ 厚生労働大臣は、②の基準を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。 |
★入院時食事療養費の計算式は以下の通りです。
入院時食事療養費の額 =
厚生労働大臣が定める食事療養の費用の額* - 食事療養標準負担額
*厚生労働大臣が定める額より実費の方が少ない場合は実費
では、過去問をどうぞ!
②【H23年出題】
入院時食事療養費の額は、その食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して、中央社会保険医療協議会が定める基準により算定した費用の額(その額が現にその食事療養に要した費用の額を超えるときは、その現に食事療養に要した費用の額)から、食事療養標準負担額を控除した額とする。
③【H27年出題】(改正による修正あり)
入院時食事療養費に係る食事療養標準負担額は、原則として、1食につき460円とされているが、被保険者及び全ての被扶養者が市区町村民税非課税であり、かつ、所得が一定基準に満たないことについて保険者の認定を受けた高齢受給者については、1食につき100円とされている。
【解答】
②【H23年出題】 ×
中央社会保険医療協議会が定める基準ではなく、「厚生労働大臣」が定める基準です。
③【H27年出題】(改正による修正あり) 〇
食事療養標準負担額は、平均的な家計の食費の状況、特定介護保険施設等の食事の提供に要する平均的な費用の額を勘案して、厚生労働大臣が定めることになっています。
食事療養標準負担額は、原則として、1食につき460円です。内容は、食材費相当額プラス調理費相当額です。
しかし、「所得の状況」その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に額が定められていて、問題文のような「住民税非課税世帯に属しかつ所得が一定基準に満たない70才以上の高齢受給者」は、1食につき100円となっています。
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R4-161
健康保険法の保険給付は、「業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産」に関して行われます。
「業務災害以外の」がポイントです。
例えば、被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合、労働者でないため労災保険法の業務災害にはなりません。そのような労災保険の給付の対象にならない負傷は、原則として健康保険の給付が受けられます。
では、例えば社長が業務中に負傷した場合はどうでしょう?
社長の場合、特別加入していなければ労災保険の給付は受けられません。健康保険の目的条文をそのまま適用すると、「労災保険法の業務災害以外の負傷」ということで健康保険の保険給付の対象になってしまいます。
しかし、社長は業務災害については補償責任を負う立場です。また、健康保険の保険料は労使折半です。そのため、社長の業務上の負傷等について健康保険から保険給付を行うのは適当でないということから、健康保険の給付は行わないことになっています。
★条文を読んでみましょう。
第52条の2 (法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例) 被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。
則第52条の2(法第53条の2の厚生労働省令で定める業務) 法第53条の2の厚生労働省令で定める業務は、当該法人における従業員(同条に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとする。 |
法人の役人については、原則として、その法人の役員としての業務に起因する疾病、負傷又は死亡については健康保険の保険給付は行われません。
なお、法人の役員としての業務とは、法人の役員がその法人のために行う業務全般を指します。
ただし、「法人の役員の業務」から「被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるもの」は除かれます。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われる。
②【H26年出題】
被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関しては、傷病手当金を含めて健康保険から保険給付が行われる。
③【H30年出題】
被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者は、業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても健康保険による保険給付の対象となる場合があるが、当該法人における従業員(健康保険法第53条の2に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとされている。
【解答】
①【H28年出題】 〇
労災保険の業務災害にならない請負業務中の負傷等については、原則として健康保険の給付が行われます。
(法第1条、平成25.8.14事務連絡)
②【H26年出題】 〇
法人の役人については、原則として、その法人の役員としての業務に起因する負傷等については健康保険の保険給付は行われません。
しかし、例外で、被保険者が5人未満の適用事業所の法人の役員については、業務遂行の過程で業務に起因して生じた傷病についても健康保険の保険給付の対象になります。
傷病手当金も支給されます。
(平成25.8.14事務連絡)
③【H30年出題】 〇
健康保険の給付対象となる業務は、「当該法人における従業員(同条に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるもの」と定められています。(則第52条の2)
役員の業務内容が当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められない場合には健康保険の給付対象になりません。
(平成25.8.14事務連絡)
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R4-147
健康保険は、個人ごとに加入するのではなく、「事業所単位」で適用を受けます。
健康保険の適用を受ける事業所を「適用事業所」といい、強制的に適用される「強制適用事業所」と、厚生労働大臣の認可を受けて任意に適用を受ける「任意適用事業所」があります。
強制でも任意でも「適用事業所」に使用される者は、健康保険の被保険者となります。
今日は、「強制適用事業所」の要件をみていきます。
強制適用事業所は、法第3条で以下のように規定されています。
① 法定16業種の事業を行っている事業所で、常時5人以上の従業員を使用するもの (個人経営の事業所) ② 国、地方公共団体又は法人の事業所で、常時従業員を使用するもの |
問題を解くときに最初にチェックするポイントは「個人経営」?それとも「法人」?です。
「法人」なら、業種関係なく、常時1人でも従業員がいれば強制適用事業所です。
「個人経営」なら、法定16業種か否か、5人以上か5人未満で、適用が変わります。
| 個人経営 | 法人 | ||
従業員数 | 5人以上 | 5人未満 | 1人以上 | |
業種 | 法定16業種 | 〇 | × | 〇 |
法定16業種以外 | × | × | 〇 |
〇の事業所が強制適用事業所です。
×の事業所は強制適用ではありませんが、任意で加入することができます。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
常時10人の従業員を使用している個人経営の飲食業の事業所は強制適用事業所とはならないが、常時3人の従業員を使用している法人である土木、建築等の事業所は強制適用事業所となる。
②【R1年出題】
代表者が1人の法人の事業所であって、代表者以外に従業員を雇用していないものについては、適用事業所とはならない。
③【H24年出題】
健康保険法では常時5人以上の従業員を使用している事業所を適用事業所としているが、事業所における従業員の員数の算定においては、当該事業所に常時雇用されている者であっても、適用除外の規定によって被保険者とすることができない者は除かれる。
【解答】
①【H23年出題】 〇
・常時10人の従業員を使用している個人経営の飲食業の事業所
→飲食業は法定16業種以外の業種ですので、個人経営の場合は人数に関係なく、強制適用事業所になりません。
・常時3人の従業員を使用している法人である土木、建築等の事業所
→法人の場合は、業種に関係なく、常時従業員が1人でもいれば、強制適用事業所です。
(法第3条)
②【R1年出題】 ×
法人の代表者は、法人に使用される者として、健康保険・厚生年金保険の被保険者になります。
法人の場合は、常時1人以上の従業員がいれば強制適用です。代表者1人の法人でも強制適用事業所になります。
(昭24.7.28保発第74号)
③【H24年出題】 ×
適用除外の規定で被保険者になることができない者でも、常時雇用されている者なら、「常時5人以上」の人数に算入されます。
(昭18.4.5保発905号)
もう1問どうぞ!
④【R1年出題】
国に使用される被保険者であって、健康保険法の給付の種類及び程度以上である共済組合の組合員であるものに対しては、同法による保険給付を行わない。
【解答】
④【R1年出題】 〇
健康保険法第3条では、「国、地方公共団体又は法人の事業所で、常時従業員を使用するもの」は強制適用事業所です。
国、地方公共団体も健康保険の強制適用事業所になることに注意してください。
共済組合の組合員は、同時に健康保険の被保険者でもあります。(適用除外されていません。)
ただし、法第200条で、「国に使用される被保険者、地方公共団体の事務所に使用される被保険者又は法人に使用される被保険者であって共済組合の組合員であるものに対しては、この法律による保険給付は、行わない。」と規定されています。
共済組合と健康保険の両方から二重に保険給付を受けるのではなく、共済組合の組合員には健康保険の保険給付を行わないことになっています。なお、保険料も徴収されません。
(法第200条)
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R4-136
健康保険法・・・大正11年制定、大正15年7月施行、昭和2年1月全面施行
(制定から全面施行までの期間が長いのがポイントです)
「保険料を負担」することによって「保険給付を受けられる」ことが保険の仕組みです。
「保険者」とは、保険の運営主体のことで、健康保険法の場合は、「全国健康保険協会」と「健康保険組合」です。
「被保険者」とは保険料を負担する義務と保険給付を受ける権利がある人のことです。
被保険者は「保険料」を納付することによって、保険事故(業務災害以外の負傷、疾病若しくは死亡又は出産)の際は、保険給付を受けることができます。
ケガや病気の場合は、保険医療機関で診察や薬を受けたり、場合によっては入院や手術のこともありますが、それも保険給付の1つで「療養の給付」といいます。
さて、健康保険は、個人で加入するのではなく、「事業所」単位で加入するのがポイントです。
法律上当然に健康保険の適用を受ける事業所を「強制適用事業所」、厚生労働大臣の認可を受けて任意に加入した事業所を「任意適用事業所」といいます。
強制でも任意でも健康保険の「適用事業所」で使用される者は、健康保険の被保険者となります。(ただし、被保険者になるには、一定の条件があります。)
よく出るポイントを過去問で確認しましょう。
①【H18年出題】
船員保険の被保険者及び疾病任意継続被保険者は、健康保険の被保険者になることができない。
②【H20年出題】
健康保険の被保険者が75歳に達したときは、健康保険の被保険者資格を有したまま後期高齢者医療の被保険者となる。
【解答】
①【H18年出題】 ×
「船員保険」は船員を対象とした医療保険ですので、「船員保険の被保険者」は健康保険の被保険者から除外されます。しかし、疾病任意継続被保険者は、健康保険の被保険者になることができます。
(法第3条)
②【H20年出題】 ×
後期高齢者医療の被保険者は健康保険の被保険者から除外されますので、健康保険の資格は喪失します。
(法第3条)
★日本は「国民皆保険制度」をとっていますので、すべての人が公的な医療保険で治療を受けることができます。
医療保険には、「健康保険」、「船員保険」、「共済組合(国家公務員、地方公務員)」、「私立学校教職員共済」、「国民健康保険」があり、健康保険がその中心になっています。
また、原則として75歳以上の人は「後期高齢者医療」の被保険者となりますので、各医療保険からは除外されます。
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R4-128
社労士受験勉強のファーストステップ
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では、条文を読んでみましょう。
第116条 被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
第117条 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第119条 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。 |
第116条の「行わない」は絶対的給付制限で、「絶対に支給しない」という意味です。保険者の裁量で、「行う」、「行わない」を決めることはできません。
第117条は、「その全部又は一部を行わないことができる」で保険者が適用するか否かを決めます。「行う」、「行わない」又は「全部」なのか「一部」なのかは保険者が判断します。
第119条は、「行わないことができる」ですが、「全部又は一部」ではなく「一部」になっているのがポイントです。「全部を停止する」ことはできません。
では、過去問をどうぞ
①【R3年出題】
被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意若しくは重過失により給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は行われない。
②【H23年出題】
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その給付の全部について行わないものとする。
③【H22年出題】
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
①【R3年出題】 ×
絶対的給付制限が適用されるのは、「自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたとき」です。「重過失」は含まれません。
②【H23年出題】 ×
「闘争、泥酔、著しい不行跡」の場合は、「全部について行わない」ではなく、「その全部又は一部を行わないことができる」です。
③【H22年出題】 ×
「正当な理由なしに療養に関する指示に従わない」ときは、「全部または一部」ではなく、保険給付の「一部」を行わないことができる、です。
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R4-112
社労士受験勉強のファーストステップ
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では、昨日の復習から始めましょう。
次の「報酬」の定義について、条文の空欄を埋めてください。
第3条第5項(報酬の定義)
健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、< A >として受けるすべてのものをいう。ただし、< B >に受けるもの及び< C >を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
【解答】
A 労働の対償
B 臨時
C 3か月
今日は、報酬に含まれるもの、含まれないものを過去問から具体的に学びましょう
①【H24年出題】
この法律において報酬とは、臨時に受けるもの等を除き、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるものであり、通勤手当は、自宅と勤務場所との往復にかかる交通費の実費弁償的な手当のため報酬には含まれない。
②【H26年出題】
労働基準法に基づく解雇予告手当又は退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの若しくは事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるものは報酬又は賞与には含まれない。
③【R1年出題】
退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるものは報酬又は賞与として扱うものではないが、被保険者の在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、労働の対償としての性格が明確であり、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有することから、原則として、報酬又は賞与に該当する。
【解答】
①【H24年出題】 ×
「通勤手当」は報酬に当たります。
なお、通勤手当が3か月ごとや6か月ごとに支給されているとしても、実態は、毎月の通勤に対し支給されるもので、被保険者の通常の生計費の一部に当てられているものなので、報酬となります。
(昭27.12.4保文発2741)
②【H26年出題】 〇
「労働基準法に基づく解雇予告手当」、「退職を事由に支払われる退職金で、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等により退職前に一時金として支払われるもの」は、報酬又は賞与には含まれません。
(昭24.6.24保文発1175号、平15.10.1保保発第1001002号/庁保険発第1001001号)
③【R1年出題】 〇
今日のポイント(退職金)
・退職を事由に支払われる退職金であって、退職時に支払われるもの
→報酬又は賞与には該当しません
・在職時に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合
→報酬又は賞与に該当します。(労働の対償としての性格が明確で、被保険者の通常の生計にあてられる経常的な収入としての意義を有するから)
(平15.10.1保保発第1001002号/庁保険発第1001001号)
次に、「現物給与」の過去問を解いてみましょう
④【H28年出題】
報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合において、その価額は、その地方の時価によって都道府県知事が定めることになっている(健康保険組合が規約で別段の定めをした場合を除く。)。
【解答】
④【H28年出題】 ×
都道府県知事ではなく、「厚生労働大臣」が定めます。
「通貨以外のもの」(現物給与)も報酬又は賞与に含まれます。
現物給与の価額は、その地方の時価によって「厚生労働大臣」が定めることになっていますが、健康保険組合は、規約で別の定めをすることができます。
(法第46条)
最後に「現物給与の価額」の条文を穴埋めで確認しましょう。
第46条 (現物給与の価額)
① 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、< A >が定める。
② < B >は、前項の規定にかかわらず、規約で別段の定めをすることができる。
【解答】
A 厚生労働大臣
B 健康保険組合
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R4-111
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では、条文で用語の定義を読んでみましょう。
第3条 ⑤ この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
⑥ この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、3月を超える期間ごとに受けるものをいう。 |
報酬は、保険料の計算や傷病手当金、出産手当金の基になり、また、賞与も保険料の計算の基になります。
「報酬」は、「労働の対償として受けるすべてのもの」と定義されていて、通勤手当、住宅手当なども報酬となります。
しかし、「臨時に受けるもの」と「3月を超える期間ごとに受けるもの」は報酬から除外されます。
「臨時に受けるもの」は、大入り袋など常態として受ける報酬以外のもの、「3月を超える期間ごとに受けるもの」は、年3回以下の回数で支給される賞与のことです。
なお、「報酬」、「報酬月額」、「標準報酬月額」の違いにも注意しましょう。
「報酬」は労働の対償として受けるすべてのもの、「報酬月額」はそれを月ベースに換算したもの、「標準報酬月額」は、報酬月額を標準報酬月額等級(健康保険の場合1級から50級)にあてはめて簡単な数字にしたものです。
次に「賞与」は、「3月を超える期間ごとに受けるもの」と定義されていて、年3回以下の賞与のことです。もし、賞与が年間を通して4回以上支給されている場合は「報酬」に入ります。
「標準賞与額」は、「賞与額」の1,000円未満を切り捨てた額です。
ただし、年度の賞与額の累計額は573万円が上限です。
では、過去問を解いてみましょう。
①【H23年出題】
健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいうが、臨時に受けるもの及び3か月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
②【H22年出題】 ※改正による修正あり
標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、50等級区分によって定められるが、最低は第1級の58,000円であり、最高は第50級の1,390,000円である。
③【H28年出題】
保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度における標準賞与額の累計額が540万円(第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額。)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。
【解答】
①【H23年出題】 〇
「臨時に受けるもの」及び「3か月を超える期間ごとに受けるもの」は、報酬に含まれないのがポイントです。
②【H22年出題】 〇
標準報酬月額は、50等級に区分されていて、最低は第1級の58,000円、最高は第50級の1,390,000円です。
(法第42条)
③【H28年出題】 ×
年度の上限は、540万円ではなく、「573万円」です。
標準賞与額のポイント
・賞与額の1,000円未満の端数は切り捨てて、その月の標準賞与額を決定します
・その年度(毎年4月1日~翌年3月31日まで)の標準賞与額の累計額の上限は573万円です
・573万円を超えることとなる場合は、累計額が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度はその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額はゼロ円になります。
ちょっと話は変わりますが・・・
「労働基準法」「労災保険法」「雇用保険法」「徴収法」では、「労働の対償として使用者が労働者に支払うもの」は「賃金」といいます。
労働基準法を例にとりますと、 「臨時の賃金」、「3か月を超える期間ごとの賃金」も「賃金」に含まれます。
しかし、平均賃金を算定するときは、 「臨時の賃金」、「3か月を超える期間ごとの賃金(年3回以下の賞与)」は、賃金の総額から控除します。
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R4-067
令和3年の問題から健康保険法を学びましょう。
今日は「訪問看護療養費のこと」です。
では、どうぞ!
①【R3年問1E】
訪問看護事業とは、疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助(保険医療機関等又は介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設若しくは同条第29項に規定する介護医療院によるものを除く。)を行う事業のことである。
【解答】
①【R3年問1E】 〇
「訪問看護事業」の定義についての問題です。
この問題文のポイントを、穴埋めで見てみましょう。空欄を埋めてください。
『訪問看護事業とは、疾病又は負傷により、< A >において継続して療養を受ける状態にある者(< B >がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、その者の< A >において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助(< C >等又は介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設若しくは同条第29項に規定する介護医療院によるものを除く。)を行う事業のことである。
【解答】
A 居宅
B 主治の医師
C 保険医療機関
(法第88条)
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②【H25年出題】
自宅において療養している被保険者が、保険医療機関の看護師から療養上の世話を受けたときは、訪問看護療養費が支給される。
③【H24年出題】
訪問看護は、医師、歯科医師又は看護師のほか、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士が行う。
④【H28年選択式】改正による修正あり
訪問看護療養費は、健康保険法第88条第2項の規定により、厚生労働省令で定めるところにより、< A >が必要と認める場合に限り、支給するものとされている。この指定訪問看護を受けようとする者は、同条第3項の規定により、厚生労働省令で定めるところにより、< B >の選定する指定訪問看護事業者から、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、当該指定訪問看護を受けるものとする。
【解答】
②【H25年出題】 ×
「保険医療機関」の看護師から療養上の世話を受けたときは、訪問看護療養費ではなく、「療養の給付」の対象となります。
法第88条で、「保険医療機関等又は介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設若しくは同条第29項に規定する介護医療院によるもの」は、訪問看護事業から除かれています。
保険医療機関等によるものは「療養の給付」の対象、介護保険法の介護老人保健施設、介護医療院によるものは介護保険の対象です。
(法第88条)
③【H24年出題】 ×
訪問看護は、「療養上の世話又は必要な診療の補助」ですので、医師、歯科医師は入りません。
(法第88条、則第68条)
④【H28年選択式】改正による修正あり
A 保険者
B 自己
(法第88条)
最後に穴埋め問題をどうぞ!
訪問看護は、看護師のほか、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び< D >が行う。
【解答】
D 言語聴覚士
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R4-064
令和3年の問題から健康保険法を学びましょう。
今日は「傷病手当金「療養」の意味」です。
では、どうぞ!
①【R3年問9D】
傷病手当金の支給要件に係る療養は、一般の被保険者の場合、保険医から療養の給付を受けることを要件としており、自費診療による療養は該当しない。
【解答】
①【R3年問9D】 ×
傷病手当金は、「療養のため」労務に服することができないときに支給されます。
この「療養」とは、保険医から療養の給付を受けることだけでなく、自費診療による療養も含まれます。
(S2.2.26保発345)
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②【H23年出題】
傷病手当金は、療養のため労務に服することができないときに支給されるが、その場合の療養は、健康保険で診療を受けることができる範囲の療養であれば、保険給付として受ける療養に限らず、自費診療で受けた療養、自宅での療養や病後の静養についても該当し、傷病手当金は支給される。
【解答】
②【H23年出題】 〇
「自費診療で受けた療養」、「自宅での療養」、「病後の静養」についても、傷病手当金の要件である「療養」に該当するので、傷病手当金の支給対象となります。
※美容整形手術による療養は、健康保険で診療を受けることができる範囲には入りませんので、傷病手当金も支給されません。
(S2.2.26保発345)
比較しましょう/日雇特例被保険者の傷病手当金
③【H23年出題】
日雇特例被保険者に対する傷病手当金の支給に当たっては、労務不能となった際にその原因となった傷病について療養の給付を受けていることで足り、労務不能期間のすべてにおいて当該傷病につき療養の給付を受けていることを要しない。
【解答】
③【H23年出題】 〇
一般の被保険者の傷病手当金は、療養の給付を受けていることが要件ではなく自費療でも対象になりますが、日雇特例被保険者の傷病手当金の場合は、「療養の給付を受けていること」が要件で、自費診療等の場合は傷病手当金は支給されません。
ただし、労務不能となった際にその原因となった傷病について療養の給付を受けていればよく、労務不能期間のすべてに療養の給付を受けていることを要しない、とされています。
(H15.2.25庁保発1)
条文を穴埋めで確認しましょう
第99条 (傷病手当金)
被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため< A >ができないときは、その< A >ができなくなった日から起算して< B >を経過した日から < A >ができない期間、傷病手当金を支給する。
【解答】
A 労務に服すること
B 3日
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R4-056
令和3年の問題から健康保険法を学びましょう。
今日は資格喪失後の出産手当金の継続給付です。
では、どうぞ!
①【R3年問9B】
1年以上の継続した被保険者期間(任意継続被保険者であった期間、特例退職被保険者であった期間及び共済組合の組合員であった期間を除く。)を有する者であって、出産予定日から起算して40日前の日に退職した者が、退職日において通常勤務していた場合、退職日の翌日から被保険者として受けることができるはずであった期間、資格喪失後の出産手当金を受けることができる。
【解答】
①【R3年問9B】 ×
「退職日において通常勤務していた」の部分がポイントです。 退職日に勤務したときは、資格喪失後の出産手当金は支給されません。
「資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けている」ことが、出産手当金の継続給付の要件です。なお、実際に支給を受けていなくても「受ける条件」を満たしている場合は、「支給を受けている」こととなります。
出産手当金は「労務に服さなかった」ことが条件です。退職日に勤務していたということは、その条件を満たしていません。
そのため、資格喪失後の出産手当金は支給されません。
(法第104条)
こちらもどうぞ!
②【H26年出題】
5月25日が出産予定日(多胎妊娠ではない。)である被保険者が、同年3月20日に勤務していた適用事業所を退職し、被保険者の資格を喪失した場合、資格喪失日の前日において引き続き1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者期間、特例退職被保険者期間又は共済組合の組合員である期間を除く。)があれば、資格喪失後に出産手当金の継続給付を受けることができる。
③【H24年出題】
被保険者資格が喪失日(任意継続被保険者の資格を取得した者にあっては、その資格を取得した日)の前日までの間引き続き1年以上であった者が、被保険者の資格喪失後6か月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から出産手当金を受けることができる。
【解答】
②【H26年出題】 ×
出産手当金(多胎妊娠ではない。)は、出産予定日以前42日からが対象です。
5月25日が出産予定日の場合は4月14日~となり、3月20日に退職した場合は、資格喪失時に出産手当金を受ける条件を満たしていないので、資格喪失後に出産手当金の継続給付は受けられません。
(法第104条)
③【H24年出題】 ×
資格喪失後6月以内の出産の規定は、資格喪失後の「出産育児一時金」が当てはまります。
★確認しましょう。(資格喪失後の出産育児一時金)
「1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。」
(法第106条)
条文を穴埋めでチェックしましょう!
第104条(傷病手当金又は出産手当金の継続給付)
被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して< A >からその給付を受けることができる。
第106条 (資格喪失後の出産育児一時金の給付)
1年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後< B >以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を< C >から受けることができる。
【解答】
A 同一の保険者
B 6月
C 最後の保険者
★第106条の「1年以上被保険者であった者」は、第104条の条件と同じです。
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R4-047
令和3年の問題から、応用問題を振り返りましょう。
今日は健康保険法です。
では、どうぞ!
①【R3年問9E】
被保険者又はその被扶養者において、業務災害(労災保険法第7条第1項第1号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)と疑われる事例で健康保険の被保険者証を使用した場合、保険者は、被保険者又はその被扶養者に対して、まずは労災保険法に基づく保険給付の請求を促し、健康保険法に基づく保険給付を留保することができる。
【解答】
①【R3年問9E】 〇
被保険者が副業として行う請負業務中の負傷や、被扶養者の請負業務やインターンシップ中の負傷などのように、労災保険の給付が受けられない場合は、原則として健康保険の給付が行われます。
問題文のテーマは、「業務災害・通勤災害と疑われる事例で健康保険の被保険者証を使用した場合、健康保険の保険者は、まずは労災保険への請求を促し、健康保険の給付を留保することができるか?」というものです。
回答は、
・ 労災保険法の業務災害については健康保険の給付の対象外であり、また、労災保険法における通勤災害については労災保険からの給付が優先される。そのため、まずは労災保険の請求を促し、健康保険の給付を留保することができる。
・ ただし、保険者において、健康保険の給付を留保するに当たっては、関係する医療機関等に連絡を行うなど、十分な配慮を行うこと。
とされています。
(法第1条 平成25.8.1事務連絡)
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②【H28年出題】
被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われる。
③【H30年出題】
被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給される。
【解答】
②【H28年出題】 〇
請負業務中に負傷した場合、「業務」ではあっても労働者ではないので労災保険の給付の対象にはなりません。このような労災保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われます。
(法第1条 平成25.8.1事務連絡)
③【H30年出題】 ×
「通勤災害」は健康保険の対象ですが、労災保険からの給付が優先されます。労災保険の給付を受けることができる場合には、健康保険の保険給付は行われませんので、問題文の場合は、埋葬料は支給されません。
(法第55条)
穴埋めで条文を確認しましょう!
第1条 (目的)
健康保険法は、労働者又はその被扶養者の業務災害(< A >第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
第55条 (他の法令による保険給付との調整)
被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の< B >について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。
【解答】
A 労働者災害補償保険法
B 疾病、負傷又は死亡
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R4-037
令和3年の問題から、よくでるところを振り返りましょう。
今日は健康保険法です。
では、どうぞ!
①【R3年問1D】
前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与を50万円支給された者が、同月20日に退職した場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はないが、標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。
【解答】
①【R3年問1D】 〇
ポイント!
(資格喪失月に支払われた賞与について)
・原則として保険料は徴収されません
・標準賞与額として決定され、その年度の標準賞与額の累計額に算入されます
法第156条、(H19.5.1 庁保険発第0501001号)
では、こちらもどうぞ!
②【H29年出題】
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
③【H25年出題】
前月から引き続き被保険者であり、12月10日にその年度で初めての賞与として30万円を支給された者が、同月20日に退職した場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
【解答】
②【H29年出題】 〇
③【H25年出題】 〇
資格喪失月に支給された賞与について、原則として保険料を納付する義務はありません。
※年度の標準賞与額の累計額には算入されます。
では、最後にこちらをどうぞ!
第45条 (標準賞与額の決定)
保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに< A >円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。
ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が< B >万円を超えることとなる場合には、当該累計額が< B >万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。
【解答】
A 1,000
B 573
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R4-027
令和3年の問題から、定番問題を振り返ります。
今日は健康保険です。
では、どうぞ!
①【R3年問1A】
一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当が支払われることとなり、その状態が継続して3か月を超える場合には、固定的賃金の変動とみなされ、標準報酬月額の随時改定の対象となる。
【解答】
①【R3年問1A】 〇
低額な休業手当が支払われることとなった場合は、随時改定の対象となります。ただし、固定的賃金が減額され支給される場合で、かつ、その状態が継続して3か月を超える場合に限られます。
ちなみに、休業手当等をもって標準報酬月額の決定又は改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象となります。
(S50.3.29保険発25・H15.2.25庁保険発3)
では、こちらもどうぞ!
②【R3問1B】
賃金が月末締め月末払いの事業所において、2月19日から一時帰休で低額な休業手当等の支払が行われ、5月1日に一時帰休の状況が解消した場合には、2月、3月、4月の報酬を平均して2等級以上の差が生じていれば、5月以降の標準報酬月額から随時改定を行う。
【解答】
②【R3問1B】 ×
①の問題の解説にも書きましたように、一時帰休に伴う随時改定は、低額な休業手当等の支払が継続して『3か月を超える』場合に行われます。
この『3か月』は「暦日単位」ではなく「月単位」で計算します。
問題文の場合は、一時帰休の開始が2月19日ですので、2、3、4月で3か月です。5月1日が「3か月を超える場合」に該当し、2月、3月、4月の報酬を平均して2等級以上の差が生じていれば、5月以降の標準報酬月額から随時改定を行います。
しかし、問題文では、「5月1日に一時帰休の状態が解消している」ということですので、3か月を超えません。そのため随時改定は行いません。
(参照:H29.6.2付け厚生労働省年金局事業管理課長 事務連絡)
では、随時改定の条文を確認しましょう。
① 保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した3月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、< A >日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を< B >で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった < C >に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を< C >として、その著しく高低を生じた月の< D >から、標準報酬月額を改定することができる。
② ①の規定によって改定された標準報酬月額は、その年の8月(< E >までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とする。
【解答】
A 17
B 3
C 報酬月額
D 翌月
E 7月から12月
(法第43条)
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R4-019
第53回試験を振り返ってみましょう。
★★☆ 細かい知識を問われる問題が目立ちました。しかし、テキストや過去問で強調されているところをおさえていれば、問題は解けます。難問に引きずられることがないよう、基本で勝負できるようにしましょう。
【R3年問10】
(問10-A)
賃金が時間給で支給されている被保険者について、時間給の単価に変動はないが、労働契約上の1日の所定労働時間が8時間から6時間に変更になった場合、標準報酬月額の随時改定の要件の1つである固定的賃金の変動に該当する。
(問10-B)
7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額が改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年における標準報酬月額の定時決定を行わないが、7月から9月までのいずれかの月に育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定若しくは産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定が行われた場合は、その年の標準報酬月額の定時決定を行わなければならない。
(問10-C)
事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。ただし、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。
(問10-D)
倒産、解雇などにより離職した者及び雇止めなどにより離職された者が任意継続被保険者となり、保険料を前納したが、その後に国民健康保険法施行令第29条の7の2に規定する国民健康保険料(税)の軽減制度について知った場合、当該任意継続被保険者が保険者に申し出ることにより、当該前納を初めからなかったものとすることができる。
(問10-E)
療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。
【解答】
(問10-A) 〇
時間給の単価に変動はない、しかし、勤務体系に変更(1日の所定労働時間が8時間から6時間になった)があった場合、「固定的賃金の変動に該当」し、随時改定の対象となります。
(参照:「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正について〔健康保険法〕 R3.4.1事務連絡)
(問10-B) ×
7月から9月までのいずれかの月から、「随時改定」、「育児休業を終了した際の改定」、「産前産後休業を終了した際の改定」が行われた場合は、その年の定時決定は行われません。
(法第41条)
(問10-C) 〇
保険料控除のポイント
①「前月分」の保険料を報酬から控除することができる
②被保険者がその事業所に使用されなくなった場合(退職の場合)
→前月分と当月分の保険料を報酬から控除することができる
※月の途中で退職した場合 → 前月分のみ控除することができる
※月末に退職した場合 → 前月分と今月分の2か月分を控除することができる
(法第167条)
(問10-D) 〇
・国民健康保険には、倒産・解雇などにより離職した者(雇用保険の特定受給資格者)及び雇止めなどにより離職された者(雇用保険の特定理由離職者)の国民健康保険料(税)を軽減する制度があります。
・そのため、失業後に、任意継続被保険者となった場合よりも、国民健康保険の保険料が低くなる場合もあります。
・しかし、任意継続被保険者が保険料を前納した場合、前納に係る期間の経過前には、その資格を喪失したとき(他の健康保険の被保険者となったとき、死亡したとき等)以外は、前納された保険料を還付する取扱いはありません。
・このため、特定受給資格者等である任意継続被保険者が、保険料を前納した後に国民健康保険の軽減制度について知った場合は、当該任意継続被保険者が保険者に申し出ることによって、前納を初めからなかったものとすることができるようになっています。
(参照:H22.3.24 保保発0324第2号)
(問10-E) 〇
療養費として支給される額は、「健康保険の療養に要する費用の額の算定方法(診療報酬点数表)」に基づいて計算した額」から、「一部負担金の割合を乗じて得た額」を差し引いた額となります。「実際に支払った額」が基準になるわけではないので注意してください。また、食事療養や生活療養を受けた場合も同じように計算します。
(法第87条)
■この問題のポイントを穴埋めでチェックしておきましょう。
療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を< A >。)について算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、< B >が定める。
【解答】
A 除く
B 保険者
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R4-008
第53回試験を振り返ってみましょう。
★★★ 難しい
★★☆ やや難しい
★☆☆ 暗記が肝心、消去法で解く
☆☆☆ どうにか解ける
今日は、「健康保険法」の選択式です。
問題1 一般保険料率(第156条、第160条)
第156条では、保険料額について、介護保険第2号被保険者は、「一般保険料額+介護保険料額」、介護保険第2号被保険者以外は「一般保険料額」とされています。
「一般保険料額」は、標準報酬月額と標準賞与額にそれぞれ「一般保険料率」を乗じて計算します。
「一般保険料率」の内訳は、「基本保険料率+特定保険料率」となります。
特定保険料率は、後期高齢者医療制度への支援金等に充てるための保険料率で、特定保険料率の計算式は、
「(前期高齢者納付金等の額、後期高齢者支援金等の額)÷総報酬額の総額の見込額」で得た率を基準として、保険者が定めることになっています。
協会けんぽの場合、分子は(前期高齢者納付金等の額、後期高齢者支援金等の額-国庫補助額)となります。
ちなみに、
国庫補助額を「控除」か「加算」かで迷いませんでしたか?保険者は国庫補助額の分、負担が減ると考えると「控除」が選べます。
「総報酬額」か「総報酬額の総額」かで迷いませんでしたか?「総報酬額」は個別の標準報酬月額と標準賞与額の合計です。保険者全体の総額を使うので、「総報酬額の総額」となります。
問題1 ★☆☆ 暗記が肝心
問題2 標準報酬月額(第40条)
この問題は、ばっちり解けると思います。
問題2 ☆☆☆ どうにか解ける
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R3-356
今日は健康保険の選択対策。テーマは保険料率です!
ではどうぞ!
空欄を埋めてください。
第160条(保険料率)
1 全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、 < A >までの範囲内において、< B >を単位として< C >が決定するものとする。
5 全国健康保険協会は、< D >ごとに、翌事業年度以降の< E >年間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額、保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む。)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとする。
6 全国健康保険協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、 < F >の議を経なければならない。
10 厚生労働大臣は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における健康保険事業の収支の均衡を図る上で不適当であり、全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業の健全な運営に支障があると認めるときは、全国健康保険協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
11 厚生労働大臣は、協会が第10項の期間内に申請をしないときは、< G >の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。
【解答】
A 1,000分の30から1,000分の130
B 支部被保険者
※支部被保険者とは → 各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。
C 全国健康保険協会
D 2年
E 5
F 運営委員会
G 社会保障審議会
(健康保険法第160条第1項、5項、6項、10項、11項)
では、過去問もどうぞ!
①<H26年出題>
全国健康保険協会(以下「協会」という。)が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1,000分の30から1,000分の130までの範囲内において、支部被保険者を単位として協会が決定する。なお、支部被保険者とは、各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。
②<H29年出題>
介護保険料率は、各年度において保険者が納付すべき介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)の額を当該年度における当該保険者が管掌する介護保険第2号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の見込額で除して得た率を基準として、保険者が定める。なお、本問において特定被保険者に関する介護保険料率の算定の特例を考慮する必要はない。
【解答】
①<H26年出題> 〇
「1,000分の30から1,000分の130」までの範囲内、「支部被保険者を単位」、「協会が決定」がポイントです。
(法第160条第1項)
なお、第2項では、「支部被保険者を単位として決定する一般保険料率(以下「都道府県単位保険料率」という。)は、当該支部被保険者に適用する」と規定されています。
②<H29年出題> 〇
「介護保険第2号被保険者」、「保険者が定める」の部分がポイントです。
(法第160条第16項)
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R3-334
今日は、健康保険法「埋葬料と埋葬費の違い」です。
では、条文からどうぞ!
空欄を埋めてください
第100条 埋葬料
1 被保険者が死亡したときは、その者により< A >者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額を支給する。
2 1の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、< B >者に対し、1の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。
【解答】
A 生計を維持していた
B 埋葬を行った
対 象 | 金 額 | |
埋葬料 | 生計を維持していた者であって、埋葬を行うもの | 5万円 |
埋葬費 | 埋葬を行った者 (埋葬料の支給を受けるべき者がない場合) | 埋葬に要した費用 (5万円の範囲内) |
では、こちらをどうぞ!
①<H24年出題>
埋葬料の支給要件にある「その者により生計を維持していた者」とは、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持していた者に限られず、生計の一部を維持していた者も含まれる。
②<H25年出題>
埋葬を行う者とは、埋葬を行った者をいうのであるから、被保険者が死亡し社葬を行った場合には、たとえその被保険者に配偶者がいたとしても、配偶者には埋葬料は支給されない。
③<H25年出題>
死亡した被保険者により生計を維持されていなかった兄弟姉妹は、実際に埋葬を行った場合であっても、埋葬費の支給を受ける埋葬を行った者に含まれない。
【解答】
①<H24年出題> 〇
「生計の一部を維持していた者」も埋葬料の対象になります。被扶養者とは別の概念です。
(参照 昭8.8.7保発502)
②<H25年出題> ×
埋葬を行う者とは、「社会通念上」埋葬を行うべき人のことで、実際に埋葬を行うかどうかではありません。問題文の場合は、配偶者は埋葬料の支給対象となり得ます。
③<H25年出題> ×
生計を維持されていなかった兄弟姉妹が実際に埋葬を行った場合は、埋葬費の支給対象となります。
(参照 昭26.6.28保文発162)
こちらもどうぞ!
④<H26年出題>
埋葬料は埋葬が実際に行われていなくても埋葬を行うべき者に給付されるものであり、埋葬費は死亡の事実があっても埋葬が行われなければ給付されないと解される。したがって、埋葬料は死亡した日、埋葬費は埋葬した日が保険事故発生の日となる。
【解答】
④<H26年出題> 〇
ポイント!
・埋葬料 → 埋葬が実際に行われていなくても埋葬を行うべき者に給付される
保険事故発生の日は「死亡した日」
・埋葬費 → 死亡の事実があっても埋葬が行われなければ給付されない
保険事故発生の日は「埋葬した日」
★時効の起算日(保険事故発生の日の翌日)
埋葬料 | 死亡した日の翌日 |
埋葬費 | 埋葬を行った日の翌日 |
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R3-333
今日は、「出産育児一時金」のポイントをチェックします!
では、問題をどうぞ!
①<H21年出題>
(出産育児一時金又は家族出産育児一時金に関する問題)被保険者又は被保険者の被扶養者が出産したときは、父が不明の婚外子出産を含めて、被保険者期間の要件なく支給される。
②<H21年出題>
(出産育児一時金又は家族出産育児一時金に関する問題)妊娠85日以後の出産であれば、生産、死産、流産(人工妊娠中絶を含む。)又は早産を問わず、支給される。
③<H26年出題>
妊娠4か月を過ぎてから業務上の事故により流産し、労災保険法の療養補償給付を受けた場合、健康保険から出産育児一時金の支給は行われない。
【解答】
①<H21年出題> 〇
私生児の出産でも支給されます。なぜなら、主として「母体を保護する」ことが、出産に関する給付の目的だからです。
(参照 昭2.3.17保理792)
②<H21年出題> 〇
出産に関する給付は、妊娠4か月以上の出産が対象です。
1月は28日で計算するので、28日×3月+1日=85日。85日目が4か月目に入った日になるため、妊娠85日以降が出産に関する給付の対象となります。
(参照 昭3.3.16保発11)
また、生産、死産、流産(人工妊娠中絶を含む。)、早産を問いません。
(参照 昭27.6.16保文発2427)
③<H26年出題> ×
労災保険法の療養補償給付を受けたとしても、出産育児一時金の支給は行われます。
(参照 昭24.3.26保文発第523号)
こちらもどうぞ!
④<H27年出題>
出産育児一時金の額は、公益財団法人日本医療機能評価機構が運営する産科医療補償制度に加入する医療機関等の医学的管理下における在胎週数22週に達した日以後の出産(死産を含む。)であると保険者が認めたときには42万円、それ以外のときには40万4千円である。
⑤<H21年出題>
被保険者が死産児を出産した場合、出産育児一時金及び家族埋葬料が支給される。
⑥<H21年出題>
(出産育児一時金又は家族出産育児一時金に関する問題)双子等の出産の場合には、胎盤数にかかわらず、一産児排出を一出産と認め、胎児数に応じて支給される。
【解答】
④<H27年出題> 〇
出産育児一時金の額は一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外の出産の場合は40万4千円)です。
(施行令第36条)
⑤<H21年出題> ×
妊娠4か月以降の死産の場合は出産育児一時金は支給されます。しかし、死産児は被扶養者ではないので、家族埋葬料は支給されません。
(参照 昭23.12.2保文発898)
⑥<H21年出題> 〇
例えば、双子の場合は42万円×2=84万円となります。(産科医療補償制度の対象外の出産の場合は404,000円×2=808,000円)
(参照 平20.12.17保保発1217004)
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R3-332
「入院時生活療養費」は選択式で出題実績があります。
チェックしておきましょう!
では、問題をどうぞ!
①<H19選択>
療養病床に入院する65歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者を < A >といい、その者が健康保険法第63条第3項各号に掲げる病院又は診療所のうち< B >から、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、< C >として現物で支給する。< C >の額は、原則として当該生活療養につき生活療養に要する平均的な費用の額を勘案して< D >が定めた基準により算定した額から< E >を控除した額とする。
【解答】
A 特定長期入院被保険者
B 自己の選定するもの
C 入院時生活療養費
D 厚生労働大臣
E 生活療養標準負担額
(法第85条の2)
ポイント!
・入院時生活療養費は「現物」で支給される
・「厚生労働大臣の算出基準による生活療養費」から、「生活療養標準負担額」を控除したものが「入院時生活療養費」として現物給付されます。
次はこちらをどうぞ!
②<H26選択>改正による修正あり
入院時生活療養費の額は、当該生活療養につき生活療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該生活療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に生活療養に要した費用の額)から、平均的な家計における食費及び光熱水費の状況並びに病院及び診療所における生活療養に要する費用について< A >に規定する食費の基準費用額及び居住費の基準費用額に相当する費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める額(所得の状況、病状の程度、治療の内容その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に定める額。以下「生活療養標準負担額」という。)を控除した額とする。
厚生労働大臣が告示で定める生活療養標準負担額は、低所得者以外の者については、以下の額となっている。なお、1日の生活療養標準負担額のうち食事の提供に係るものの額は、3食に相当する額を限度とする。
(1)下記(2)(3)以外の者 → 1日につき< B >円と1食につき< C >円又は420円との合計額
(2)病状の程度が重篤な者又は常時の若しくは集中的な医学的処置、手術その他の治療を要する者として厚生労働大臣が定める者 → 1日につき< B >円と1食につき< C >円又は420円との合計額
(3)難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病の患者 → 1日につき< D >円と1食につき260円との合計額
【解答】
A 介護保険法
B 370
C 460
D 0
★生活療養標準負担額は、「居住費(光熱水費)」と「食費」の合計です。
※生活療養標準負担額(低所得者以外)
生活療養標準負担額 | ||
(1) (2)(3)以外 | 居住費(1日) 370円 | 食費(1食) 460円又は420円 ※管理栄養士等を配置している保険医機関の場合は460円となる。 |
(2)病状の程度が重篤な者等 | 同上 | 同上 |
(3)指定難病の患者 | 0円 | 1食 260円 |
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R3-306
今日のテーマは、被保険者証のフローです。
従業員が入社した場合、事業主は資格取得届を提出します。
提出先は、「全国健康保険協会」(協会けんぽ)の場合は日本年金機構へ、「健康保険組合」の場合は「健康保険組合」です。
昨日お話しましたように、資格取得届が提出されると、協会けんぽの場合、厚生労働大臣が確認を行います。協会けんぽは、その情報の提供を受けて、被保険者証を交付します。
健康保険組合の場合は、健康保険組合で資格取得の確認を行い、被保険者証を交付します。
まずはこちらからどうぞ!
①<H23年出題>
厚生労働大臣は、全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者に対し、健康保険法施行規則の規定による被保険者証の交付、返付又は再交付が行われるまでの間に当該被保険者を使用する事業主又は当該被保険者から求めがあった場合において、当該被保険者又はその被扶養者が療養を受ける必要があると認めたときに限り、被保険者資格証明書を有効期間を定めて交付するものとする。
②<H26年出題>
被保険者資格証明書の交付を受けた全国健康保険協会が管掌する健康保険の一般被保険者が、被保険者証の交付、返付若しくは再交付を受けたとき、又は被保険者資格証明書が有効期限に至ったときは、直ちに、被保険者資格証明書を事業主を経由して厚生労働大臣に返納しなければならない。
【解答】
①<H23年出題> 〇
ポイント! 「被保険者資格証明書」は協会けんぽのみ。健保組合にはありません
「協会けんぽ」の場合、年金機構に資格取得届を提出して、厚生労働大臣が確認→協会けんぽに情報提供→協会けんぽから被保険者証を交付、という流れになるので、被保険者証の交付まで時間がかかります。
「被保険者資格証明書」は、被保険者証が交付されるまでの間に病院で療養を受ける必要がある場合、事業主又は被保険者からの求めがあった場合に交付されます。
被保険者資格証明書は、協会けんぽではなく「厚生労働大臣」が交付する点にも注意してください。
(則第50条の2)
②<H26年出題> 〇
被保険者資格証明書は、被保険者証の交付を受けたときなどは使えなくなるので、返納します。返納は、事業主を経由することがポイントです。
(則第50条の2)
こちらもどうぞ!
③<R1年出題>
保険者は、毎年一定の期日を定め、被保険者証の検認又は更新をすることができるが、この検認又は更新を行った場合において、その検認又は更新を受けない被保険者証は無効である。
④<H27年出題>
健康保険法施行規則においては、保険者は3年ごとに一定の期日を定め、被扶養者に係る確認をすることができることを規定している。
【解答】
③<R1年出題> 〇
施行規則第50条で、「保険者は、毎年一定の期日を定め、被保険者証の検認若しくは更新又は被扶養者に係る確認をすることができる。」と規定されています。
④<H27年出題> ×
3年ごとではなく「毎年一定の期日を定め」です。被扶養者が就職するなどで扶養の状況は変化することもあるので、現に扶養に該当するかどうかチェックできるという仕組みです。
(則第50条)
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R3-305
今日のテーマは、資格得喪の確認です。
ところで、健康保険には「確認」の制度がありますが、労災保険には「確認」はありません。
なぜなら、労災保険は「労働者」であれば全て保護されるからです。そのため、労災保険には資格取得届もありません。
(ちなみに、国民年金にも「確認」という制度はありません。)
まずは穴埋めで確認しましょう!
第39条 資格得喪の確認
被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては< A >、被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては当該健康保険組合をいう。)の確認によって、その効力を生ずる。
ただし、任意適用の取消しによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者及び特例退職被保険者の資格の取得及び喪失は、この限りでない。
確認は、資格の取得及び喪失の届出若しくは被保険者又は被保険者であった者からの請求により、又は職権で行うものとする。
【解答】
A 厚生労働大臣
この条文で「保険者等」とは厚生労働大臣と健康保険組合を指します。厚生労働大臣は保険者ではないので、「等」がついています。
(法第39条、附則第3条)
★例えば、6月24日に入社しても、事業主が届出をしないままだと、保険者等は入社の事実を知らないので、健康保険の資格は取得できません。
「確認」とは、事業主からの届出等によって入社の事実を保険者等に知ってもらい、それによって、健康保険の被保険者としての効力が発生するというものです。(退職の場合も同じ)
確認の方法は、①事業主からの届出、②被保険者又は被保険者であった者からの請求、③職権の3つです。
★「任意適用の取消しによる被保険者の資格の喪失」の場合は、任意適用取消しの厚生労働大臣の認可があった日の翌日に資格を喪失すると決まっているので、確認の必要はありません。
また、任意継続被保険者と特例退職被保険者は、資格得喪の理由が入社や退職ではないので、こちらも確認はいりません。
こちらもどうぞ!
①<H21年出題>
被保険者の資格の取得及び喪失は、健康保険組合の被保険者については当該健康保険組合が、全国健康保険協会の被保険者については全国健康保険協会が、それぞれ確認することによってその効力を生ずるが、任意継続被保険者及び特例退職被保険者の被保険者資格の得喪については保険者等の確認は行われない。
②<H26年出題>
任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる。
③<H30年出題>
任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者及び特例退職被保険者の資格の喪失の要件に該当した場合は、被保険者が保険者等に資格喪失の届書を提出しなければならず、当該資格喪失の効力は、保険者等の確認によって生ずる。
【解答】
①<H21年出題> ×
全国健康保険協会の被保険者の確認は全国健康保険協会ではなく「厚生労働大臣」が行います。(上の穴埋めの部分です。)
法第5条で、『全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。』と規定されています。
※なぜ「厚生労働大臣」が出てくるのか?
適用事業所に入社した場合、健康保険と厚生年金保険はセットで加入します。厚生年金保険と健康保険で重なる事務は、厚生年金保険の事務を行う厚生労働大臣がまとめて行うということです。
( )で、任意継続被保険者が除かれているのは、任意継続被保険者は、退職しているため厚生年金保険とセットで加入することが無いからです。
②<H26年出題> ×
確認は要りません。
③<H30年出題> ×
同じく、保険者等の確認は要りません。
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R3-304
今日のテーマは、「任意継続被保険者の標準報酬月額」です。
ではどうぞ!
①<R1選択>
任意継続被保険者の標準報酬月額については、次のアとイに掲げる額のうちいずれか少ない額をもって、その者の標準報酬月額とする。
ア 当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額
イ 前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の< A >全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額(健康保険組合が当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額)を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
【解答】
A 9月30日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する
(法第47条)
※令和3年度の、協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は令和2年度と同じ30万円です。(令和2年9月30日時点の標準報酬月額の平均額は290,274円だそうです。)
こちらもどうぞ!
②<H15年出題>
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うが、任意継続被保険者の負担する保険料を納付する義務を負わない。
③<H30年出題>
一般の被保険者に関する保険料は、翌月末日までに、納付しなければならない。任意継続被保険者に関する毎月の保険料は、その月の10日までに納付しなければならないが、初めて納付すべき保険料については、被保険者が任意継続被保険者の資格取得の申出をした日に納付しなければならない。
【解答】
②<H15年出題> 〇
★在職中
保険料の負担 | 被保険者と事業主は、それぞれ2分の1を負担 |
納付義務 | 事業主が負う |
★退職後(任意継続被保険者)
保険料の負担 | 任意継続被保険者が全額負担 |
納付義務 | 任意継続被保険者が負う |
(法第161条)
③<H30年出題> ×
初めて納付すべき保険料の期限が誤りです。
★保険料の納期限
在職中 | 翌月末日 |
任意継続被保険者 | その月の10日 ※初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日 例えば、6月23日に任意継続被保険者の資格を取得した場合、6月から任意継続被保険者として保険料が徴収されるが、既に6月10日を過ぎているから。 |
(法第164条)
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R3-264
今日は、標準賞与額に係る保険料です。
「賞与」の定義からどうぞ!
①<R1年出題>
保険料徴収の対象となる賞与とは、いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として3か月を超える期間ごとに支給されるものをいうが、6か月ごとに支給される通勤手当は、賞与ではなく報酬とされる。
【解答】
①<R1年出題> 〇
賞与の定義は「3か月を超える期間ごと」に受けるものです。
なお、「臨時に」受けるものは、報酬にも賞与にも入りません。
「3か月を超える期間ごと」に受けるものとは、年3回以下の回数で支給されるいわゆるボーナスのことです。
6か月ごとに支給される通勤手当は、支払の便宜上6か月間を一括して支給するものですので、賞与ではなく報酬となります。
(法第3条、昭26.9.18保文発3603、昭40.8.4庁保険発38)
次は「標準賞与額」をどうぞ!
②<R1年出題>
全国健康保険協会管掌健康保険における同一の事業所において、賞与が7月150万円、12月250万円、翌年3月200万円であった場合の被保険者の標準賞与額は、7月150万円、12月250万円、3月173万円となる。一方、全国健康保険協会管掌健康保険の事業所において賞与が7月150万円であり、11月に健康保険組合管掌健康保険の事業所へ転職し、賞与が12月250万円、翌年3月200万円であった場合の被保険者の標準賞与額は、7月150万円、12月250万円、3月200万円となる。
【解答】
②<R1年出題> 〇
標準賞与額とは
・賞与の額から1,000円未満の端数を切り捨てた額
・上限あり → 年度(4月1日~翌年3月31日)の標準賞与額の累計額が573万円を超える場合は、累計額が573万円となるよう決定される
ポイント!賞与の累計は、保険者単位で行われます
問題文の前段は、年度の累計が573万円になるよう、3月は173万円となります。
後段は、年度の途中で保険者が変わっているので、賞与の累計は保険者単位となります。全国健康保険協会管掌健康保険分は、7月150万円、健康保険組合管掌健康保険分は、12月250万円、3月200万円となります。
(法第45条、H18年8月18日付け事務連絡)
最後に、こちらもどうぞ!
③<H24年出題>
事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を賞与から控除することができる。
④<H29年出題>
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
【解答】
③<H24年出題> 〇
被保険者負担分の標準賞与額に係る保険料を賞与から控除することができます。
(法第167条第2項)
④<H29年出題> 〇
資格を喪失した月は、標準賞与額に係る保険料についても納付する義務はありません。
なお、資格を喪失した月は、保険料徴収の必要はありませんが、被保険者期間中に支払われる賞与に基づき決定される標準賞与額は、年度の累計額573万円に算入されます。
(法第156条、H19.5.1庁保険発第0501001号)
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R3-263
今日は、家族療養費です。
こちらからどうぞ!
①<R1年出題>
67歳の被扶養者が保険医療機関である病院の療養病床に入院し、療養の給付と併せて生活療養を受けた場合、被保険者に対して入院時生活療養費が支給される。
【解答】
①<R1年出題> ×
被保険者に対して支給されるのは、入院時生活療養費ではなく「家族療養費」です。
(法第110条)
★被扶養者に関する給付 | 被保険者に関する給付 |
家族療養費 | 療養の給付 療養費 入院時食事療養費 入院時生活療養費 保険外併用療養費 |
家族訪問看護療養費 | 訪問看護療養費 |
家族移送費 | 移送費 |
家族埋葬料 | 埋葬料 |
家族出産育児一時金 | 出産育児一時金 |
こちらもどうぞ!
②<H19年出題>
被扶養者が保険医療機関において評価療養を受けた場合には、被保険者に対して家族療養費が支給される。
③<H23年出題>
被保険者の被扶養者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、当該被扶養者に対して、その指定訪問看護に要した費用について、家族訪問看護療養費が支給される。
【解答】
②<H19年出題> 〇
家族療養費は「被保険者」に対して支給されるのがポイントです。「被扶養者に対して」ではありません。
(法第110条)
③<H23年出題> ×
家族訪問看護療養費は、「当該被扶養者に対して」ではなく、「被保険者に対して」支給されます。
(法第111条)
ポイント!
被扶養者に関する給付(家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費、家族埋葬料、家族出産育児一時金)は、被保険者に対して支給されます。(被扶養者に対してではありません。)
では、こちらもどうぞ!
④<H24年出題>
被保険者が死亡した場合、家族療養費はその当日から支給されない。
【解答】
④<H24年出題> ×
「当日から」支給されない、ではなく「翌日から」支給されなくなります。
家族療養費は、被保険者に対して支給されるので、被保険者が死亡した場合は家族療養費は支給されなくなります。
被保険者が死亡した場合、資格の喪失は死亡日の翌日です。ですので、家族療養費が支給されなくなるのは、死亡の日の翌日からとなります。
社労士受験のあれこれ
R3-262
今日は、「現物給付」と「現金給付」です。
健康保険法の保険給付の代表「療養の給付」。例えば、病気で病院に行き、診察を受ける、注射を打ってもらう、入院する、手術を受ける等々は「現物給付」です。現金が支給されるわけではありません。
一方、「療養費」は現金給付です。近くに保険医療機関がないなどの理由で、保険医療機関等以外で治療などを受けた場合は、現物給付ではなく、費用が支払われます。
「現物給付」と「現金給付」についての問題をみていきましょう。
こちらからどうぞ!
①<H29年出題>
被保険者(特定長期入院被保険者を除く。以下本肢において同じ。)が保険医療機関である病院又は診療所から食事療養を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり当該病院又は診療所に支払うことができ、この支払があったときは、被保険者に対し入院時食事療養費の支給があったものとみなされる。
②<H24年出題>(修正)
被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医用機関等から評価療養、患者申出療養又は選定療養を受けたときは、その療養に要した費用について、保険外併用療養費が支給される。この場合、被保険者に支給すべき保険外併用療養費は、その病院若しくは診療所又は薬局に対して支払うものとする。
③<R1年出題>
被保険者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該指定訪問看護事業者に支払うべき当該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費として被保険者に支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該指定訪問看護事業者に支払うことができる。この支払いがあったときは、被保険者に対し訪問看護療養費の支給があったものとみなす。
【解答】
①<H29年出題> 〇
入院時食事療養費は第85条で第1項で、「療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。」と定められていますが、実際は現物給付となっています。
同条第5項で、「保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき食事療養に要した費用について、入院時食事療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該病院又は診療所に支払うことができる。」とされているからです。
第5項を解体して流れを書きますと、被保険者が療養の給付と併せて食事療養を受けた場合、
・ 本来は被保険者が病院又は診療所に食事療養に要した費用を支払う
↓
・ 保険者から被保険者に対して食事療養の費用を入院時食事療養費として支給する
ここまでだと現金給付になるのですが、
↓
・ 保険者は、「入院時食事療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度で、被保険者に代わり、当該病院又は診療所に支払うことができる」、とされていて、保険者から病院等に食事に要した費用を直接支払うことによって、結果として現物給付になるという仕組みです。
(法第85条)
②<H24年出題>(修正) 〇
保険外併用療養費も「現物給付」で行われます。
先ほどの入院時食事療養費と同じです。
第86条第1項では、「その療養に要した費用について、保険外併用療養費を支給する。」となっているのですが、実際は、保険者から保険医療機関等に、直接費用を払うことができるので、結果として現物給付となっています。
(法第86条)
③<R1年出題> 〇
訪問看護療養費も、第88条第1項で、「被保険者が指定訪問看護を受けたときは、その指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。」と規定されています。
しかし、同条第6項で保険者が被保険者に代わり、当該指定訪問看護事業者に支払うことができる、とされていて、保険者が被保険者に代わって、指定訪問看護事業者に直接費用を支払うことによって、結果として現物給付になっています。
(法第88条)
では、現金給付の問題もどうぞ!
④<H24年出題>
被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養を含む。)を受けるため、病院又は診療所に移送されたときは、保険者が必要であると認める場合に限り、移送費が支給される。この金額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用により算定した金額となるが、現に移送に要した費用の金額を超えることができない。
【解答】
④<H24年出題> 〇
移送費は「現金給付」です。
移送費の額は、最も経済的な通常の経路及び方法により移送された場合の費用の範囲内で算定されます。(ただし、実費を超えることはできません。)
(法第97条)
社労士受験のあれこれ
R3-223
引き続き健康保険法です。
今日のテーマは、報酬支払基礎日数と翌月払いの賃金です。
では、どうぞ!
①<H19年出題>
賃金の計算上の締切日を毎月末日、支払日を翌月の15日としている事業所の標準報酬月額の定時決定に用いる報酬とされるのは、3月分、4月分及び5月分の賃金である。(なお、この選択肢において、「X月分の賃金」とは、X月に賃金を締切った賃金のこととする。)
【解答】 〇
定時決定は、支払月が4月、5月、6月の賃金で行います。
問題文の場合、定時決定に用いる報酬は、3月分、4月分、5月分の賃金となります。
3月分(3月1日~31日)→4月15日支払い
4月分(4月1日~30日)→5月15日支払い
5月分(5月1日~31日)→6月15日支払い
では、報酬支払基礎日数の問題もどうぞ
②<H25年出題>
標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、就業規則、給与規定等に基づき、事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
③<H28年出題>
標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
【解答】
②<H25年出題> 〇
③<H28年出題> ×
「暦日の数」から当該欠勤日数を控除した日数が誤りです。
★報酬支払基礎日数の算定については以下のように取り扱います。
① 月給者 → 各月の暦日数による
② 月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合 → 就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数による
③ 日給者 → 各月の出勤日数による
(平18.5.12庁保険発第0512001号)
社労士受験のあれこれ
R3-222
引き続き健康保険法です。
定時決定は毎年7月1日時点に行われますが、その際休職している場合などはどうするの?が今日のテーマです。
では、どうぞ!
①<H30年出題>
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者について、標準報酬月額の定時決定に際し、4月、5月、6月のいずれかの1か月において休職し、事業所から低額の休職給を受けた場合、その休職給を受けた月を除いて報酬月額を算定する。
【解答】 〇
報酬月額を算定する際に「低額の休職給を受けた月を除く」のがポイントです。
例えば、4月に低額の休職給を受けた場合は、5月と6月の報酬で報酬月額を算定します。
(昭和37.6.28保険発第71号)
なお、4月、5月、6月すべての月が低額の休職給だった場合は、従来の報酬月額をそのまま用います。
では、こちらの問題もどうぞ
②<H16年出題>
被保険者の休職期間中に、給与の支給がなされる場合、標準報酬月額はその給与に基づき算定する。
【解答】 ×
休職期間中の給与による標準報酬月額ではなく、休職前の標準報酬月額によります。
(昭和27.1.25保文発420号)
こちらもどうぞ!
③<H20年出題>
介護休業期間中の標準報酬月額は、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき算定した額とされる。
④<R1年出題>
介護休業期間中の標準報酬月額は、その休業期間中に一定の介護休業手当の支給があったとしても、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき算定した額とされる。
【解答】
③<H20年出題> 〇
④<R1年出題> 〇
介護休業中の標準報酬月額は、休業直前の標準報酬月額の算定の基礎となった報酬に基づき算定します。
(育児休業中も同様です)
(平11.3.31保険発46・庁保険発9)
社労士受験のあれこれ
R3-221
今日は健康保険法です。
60歳以上で定年になり、引き続き再雇用されたとき、報酬が下がることが一般的に多いです。
今日は、そのような場合の標準報酬月額の決定方法がテーマです。
では、どうぞ!
<R1年出題>
同一の事業所においては、雇用契約上一旦退職した者が1日の空白もなく引き続き再雇用された場合、退職金の支払いの有無又は身分関係若しくは職務内容の変更の有無にかかわらず、その者の事実上の使用関係は中断することなく存続しているものであるから、被保険者の資格も継続するものであるが、60歳以上の者であって、退職後継続して再雇用されるものについては、使用関係が一旦中断したものとみなし、当該事業所の事業主は、被保険者資格喪失届及び被保険者資格取得届を提出することができる。
【解答】 〇
定年退職後引き続き再雇用する際に、報酬を下げる会社が一般的に多くみられます。
その際、健康保険の資格は継続しますので、報酬が下がった場合は、固定的賃金の変動として本来なら随時改定の対象です。
しかし随時改定の場合、標準報酬月額の改定は、固定的賃金の変動から4か月目からです。そうなるとしばらく定年退職前の高い報酬による標準報酬月額が続くことなります。
この問題のポイントは、対象が「60歳以降に退職後継続して再雇用」される人であることです。
使用関係が一旦中断したものとみなし、随時改定ではなく「被保険者資格喪失届」と「被保険者資格取得届」を提出することによって、下がった報酬による標準報酬月額がすぐに適用される点でメリットがあります。高齢者の継続雇用を支援するための仕組みです。
(H25.1.25保保発0125第1号)
社労士受験のあれこれ
R3-187
各法律の第1条をチェックしています。
各法律の第1条を読むと、その法律の目的(目指すところ)や理念が見えてきます。
今日は健康保険法です。
条文をチェックしましょう!
<第1条 目的>
健康保険法は、労働者又はその被扶養者の< A >(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する< A >をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
【解答】
A 業務災害
『労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産』とは?
労働者が業務上負傷した場合、業務災害として労災保険の保険給付が受けられます。
一方、例えば、被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合や、被扶養者が請負業務中に負傷した場合は、業務であったとしても「労働者」ではないので、労災保険の対象になりません。
このように労災保険の給付が受けられない場合には、原則として健康保険の保険給付が受けられます。
(参照:平成25.8.14事務連絡 全国健康保険協会あて厚生労働省保険局保険課通知)
では、こちらもどうぞ
①<H21年出題>
健康保険法は、大正11年に制定され、同時に施行された日本で最初の社会保険に関する法である。
②<H28年選択(社一)>
世界初の社会保険は、< B >で誕生した。当時の< B >では、資本主義経済の発達に伴って深刻化した労働問題や労働運動に対処するため、明治16年に医療保険に相当する疾病保険法、翌年には労災保険に相当する災害保険法を公布した。
一方日本では、政府は、労使関係の対立緩和、社会不安の沈静化を図る観点から < B >に倣い労働者を対象とする疾病保険制度の検討を開始し、< C >に「健康保険法」を制定した。
【解答】
①<H21年出題> ×
健康保険法は、大正11年に制定されましたが、全面施行は昭和2年です。
なお、「日本で最初の社会保険」の部分は正しいです。健康保険のポイントです。
②<H28年選択(社一)>
B ドイツ
C 大正11年
日本の社会保障制度には大きく分けて「社会保険方式」と「公的扶助方式」があります。健康保険は「保険」の仕組みで運営されている「社会保険方式」です。
なお、財源が公費である「公的扶助方式」の代表例は生活保護です。
(参照:平成23年版 厚生労働白書)
社労士受験のあれこれ
R3-175
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問2-選択>
50歳で標準報酬月額が41万円の被保険者が1つの病院において同一月内に入院し治療を受けたとき、医薬品など評価療養に係る特別料金が10万円、室料など選定療養に係る特別料金が20万円、保険診療に要した費用が70万円であった。この場合、保険診療における一部負担金相当額は21万円となり、当該被保険者の高額療養費算定基準額の算定式は「80,100円+(療養に要した費用-267,000円)×1%」であるので、高額療養費は< A >となる。
【解答】
A 125,570円
【高額療養費の計算問題のチェックポイント!】
●年齢 → 70歳未満か70歳以上かで高額療養費算定基準額が違うので
●標準報酬月額 → 同じく高額療養費算定基準額が違うので
●高額療養費の計算に入れないもの
・特別料金(評価療養、患者申出療養、選定療養)
・食事療養標準負担額
・生活療養標準負担額
●問題文では、高額療養費算定基準額(自己負担限度額)・高額療養費、どちらを問われているのか?
問題文の場合
年齢50歳、標準報酬月額41万円
高額療養費の対象→保険診療に要した費用70万円(一部負担金相当額21万円)
※評価療養に係る特別料金10万円、選定療養に係る特別料金20万円は対象外
<高額療養費算定基準額(自己負担限度額)の算定式>
80,100円+(700,000円(療養に要した費用)-267,000円)×1%
= 84,430円(自己負担限度額)
<高額療養費>
210,000円-84,430円 = 125,570円
この問題では「高額療養費」が問われているので、答えは125,570円です。
こちらの問題もどうぞ!
①<H27年出題>
高額療養費の支給要件、支給額等は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して政令で定められているが、入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は高額療養費の算定対象とならない。
②<H27年出題>
70歳未満で標準報酬月額が53万円以上83万円未満の被保険者が、1つの病院等で同一月内の療養の給付について支払った一部負担金の額が、以下の式で算定した額を超えた場合、その超えた額が高額療養費として支給される(高額療養費多数回該当の場合を除く。)。
167,400円+(療養に要した費用-558,000円)×1%
③<H28年選択>
55歳で標準報酬月額が83万円である被保険者が、特定疾病でない疾病による入院により、同一の月に療養を受け、その療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用が1,000,000円であったとき、その月以前の12か月以内に高額療養費の支給を受けたことがない場合の高額療養費算定基準額は、252,600円+(1,000,000円-< A >)×1%の算定式で算出され、当該被保険者に支給される高額療養費は< B >となる。また、当該被保険者に対し、その月以前の12か月以内に高額療養費が支給されている月が3か月以上ある場合(高額療養費多数回該当の場合)の高額療養費算定基準額は、< C >となる。
【解答】
①<H27年出題> 〇
特別料金(評価療養、患者申出療養、選定療養)、食事療養標準負担額、生活療養標準負担額は高額療養費の算定対象となりません。
②<H27年出題> 〇
ちなみに、558,000円の30%が167,400円です。
③<H28年選択>
A 842,000円
B 45,820円
C 140,100円
Aの額 → 252,600円÷0.3=842,000円
・当該被保険者の一部負担金
1,000,000円×0.3=300,000円
・高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
252,600円+(1,000,000円-842,000円)×1%=254,180円
・高額療養費
300,000円-254,180円=45,820円
社労士受験のあれこれ
R3-172
今日は健康保険です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問2-D>
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件である「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」の算定において、短時間労働者の所定労働時間が1か月の単位で定められ、特定の月の所定労働時間が例外的に長く又は短く定められているときは、当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とする。
【解答】 〇
★1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満、又は1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満の場合は、原則として健康保険は適用除外です。
ただし、4分の3未満でも一定の要件を満たせば、被保険者となります。
<被保険者になる要件>
①週の所定労働時間が20時間以上
②継続して1年以上使用されることが見込まれる
③報酬の月額が88,000円以上
④学生でない
⑤特定適用事業所に使用される(事業主が同一である1または2以上の適用事業所で、特定労働者の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所のこと)
①「1週間の所定労働時間が 20 時間以上」という要件がありますが、例えば、所定労働時間が1ヵ月単位で定められている場合、1週間の所定労働時間は「1ヵ月の所定労働時間を 12 分の 52 で除して算出することとなっています。
・1年間を 52 週、1ヵ月を 12 分の 52 週とする → 1か月の所定労働時間を12 分の 52 で除すことで1週間の所定労働時間を算出できる。
問題文の「特定の月の所定労働時間が例外的に長く又は短く定められている」とは、例えば、夏季休暇等のため夏季の特定の月の所定労働時間が例外的に短く定められているような場合です。そのような場合、『当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を 12 分の52で除して』1週間の所定労働時間を算出します。
(参考:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集」)
こちらの問題もどうぞ!
①<H30年出題その1>
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件の1つである、1週間の所定労働時間が20時間以上であることの算定において、1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し、通常の週の所定労働時間が一通りでない場合は、当該周期における1週間の所定労働時間の平均により算定された時間を1週間の所定労働時間として算定することとされている。
②<H30年出題その2>
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件の1つである、報酬の月額が88,000円以上であることの算定において、家族手当は報酬に含めず、通勤手当は報酬に含めて算定する。
【解答】
①<H30年出題その1> 〇
令和2年度と同様、所定労働時間20時間以上のカウントについての問題です。
問題文の「1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し、通常の週の所定労働時間が一通りでない」とは、例えば、4週5休制等のような場合です。そのような場合は、『当該周期における1週間の所定労働時間の平均により算定された時間』を1週間の所定労働時間として算定します。
②<H30年出題その2> ×
「報酬の月額が88,000円以上」の算定のルールです。
88,000円は、基本給と諸手当で算定します。
ただし、次の①から④までの賃金は算入しません。
① 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
② 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
③ 時間外労働、休日労働、深夜労働に対する賃金(割増賃金等)
④ 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
※④のように、最低賃金に算入されない賃金は88,000円に含みません。ですので、問題文の場合、家族手当も通勤手当も算定の対象にはなりません。
(参考:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集」)
社労士受験のあれこれ
解説動画です!
R3-151
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問6-D>
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに診療担当者より受けた診断書、意見書等により一般に療養の指示と認められる事実があったにもかかわらず、これに従わないため、療養上の障害を生じ著しく給付の増加をもたらすと認められる場合には、保険給付の一部を行わないことができる。
【解答】 〇
問題文が長いですが、キーワードは 『正当な理由なしに』『療養の指示』『従わない』です。このような場合は、『保険給付の一部を行わないことができる』です。
(健康保険法第119条)
では、こちらの問題もどうぞ!
<H22年出題>
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の全部または一部を行わないことができる。
<H23年出題>
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その給付の全部について行わないものとする。
<H28年出題>
保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
<H22年出題> ×
令和2年度の問題と同じです。
「正当な理由なしに療養に関する指示に従わないとき」は、保険給付の『一部を行わないことができる』です。「全部又は一部」ではないので注意しましょう。
(健康保険法第119条)
<H23年出題> ×
『闘争、泥酔又は著しい不行跡』の場合は、『全部又は一部を行わないことができる』です。問題文の「全部について行わない」は間違いです。
(健康保険法第117条)
<H28年出題> 〇
文書の提出等の命令に従わない、答弁や受診を拒んだ、そんなときは、『全部又は一部を行わないことができる』です。
(健康保険法第121条)
穴埋めで条文もチェック!
<第116条> 被保険者又は被保険者であった者が、自己の< A >により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
<第117条> 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その< B >。
<第119条> 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の< C >。
<第120条> 保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、< D >以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から< E >を経過したときは、この限りでない。
<第121条> 保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の< G >。
【解答】
A 故意の犯罪行為 (第116条)
B 全部又は一部を行わないことができる (第117条)
C 一部を行わないことができる (第119条)
D 6月 (第120条)
E 1年 (第120条)
F 全部又は一部を行わないことができる (第121条)
社労士受験のあれこれ
説明動画を作ってみました。よかったらどうぞ。
R3-150
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問8-E>
被保険者が海外にいるときに発生した保険事故に係る療養費等に関する申請手続等に添付する証拠書類が外国語で記載されている場合は、日本語の翻訳文を添付することとされており、添付する翻訳文には翻訳者の氏名及び住所を記載させることとされている。
【解答】 〇
海外で療養等を受けた場合は、療養費の対象になります。
療養費の申請手続の添付書類が外国語で記載されていたら・・・『日本語の翻訳文を添付してください、何か問い合わせすることがあるかもしれないので、翻訳者の氏名及び住所を記載してください』という感じで読んでみてください。
(参照:昭和56年2月25日 保険発第10号・庁保険発第2号)
では、こちらの問題もどうぞ!
<H21年出題>
現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせるものとし、その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて算定した療養費等を保険者が直接当該被保険者に送金することになっている。
【解答】 ×
最後の「保険者が直接当該被保険者に送金することになっている。」が間違いです。『その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。』ことになっています。
支給申請や受領を、海外にいる被保険者と保険者が直接やり取りするのは、効率が悪いからです。
なお、この問題文には他にもポイントがあります。
・ 現に海外にある被保険者からの療養費等の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせること (支給申請は原則事業主経由)
・ 海外における療養費等の支給額の算定に用いる邦貨換算率は、その支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いること
(療養を受けた日、申請をした日ではないので注意しましょう。)
(参照:昭和56年2月25日 保険発第10号・庁保険発第2号)
条文もチェック!
<療養費>
保険者は、療養の給付等を行うことが< A >であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者が< B >ものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。
【解答】
A 困難
B やむを得ない
(健康保険法第87条)
社労士受験のあれこれ
R3-149
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問5-オ>
事業主は、被保険者に支払う報酬がないため保険料を控除できない場合でも、被保険者の負担する保険料について納付する義務を負う。
【解答】 〇
たとえ、被保険者に支払う報酬が無くて保険料を控除できない場合であっても、事業主には、被保険者負担分の保険料を保険者に納付する義務があります。(会社から受け取る報酬が無くても、被保険者は健康保険料を負担する義務があるということ)
(参照:昭和2年2月18日 保理第578号)
では、こちらの問題もどうぞ!
<H25年出題>
被保険者に支払う報酬から控除した保険料の額が被保険者の負担すべき額に満たない場合には、事業主は被保険者の負担すべき保険料の不足部分の納付義務はない。
<H23年出題>
被保険者資格を喪失した者に係る保険料で、その者に支払う報酬がないため控除できない場合は、事業主は被保険者負担相当分を除いた額を納付する。
【解答】
<H25年出題> ×
令和2年度の問題と同じように考えればいいと思います。
報酬から控除した保険料の額が、本来、被保険者の負担すべき額に足りなかったとしても、事業主には保険料の全額を納付する義務があります。
<H23年出題> ×
この問題も同じです。報酬がなくて保険料を控除できなくても、事業主には、保険料(事業主負担分+被保険者負担分)を納付する義務があります。
では、こちらもどうぞ!
<H26年出題>
勤務していた適用事業所を5月31日で退職し、被保険者資格を喪失した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月末日締め、当月25日払いの場合、事業主は5月25日支払いの給与(5月1日から5月31日までの期間にかかるもの)で4月分及び5月分の健康保険料を控除することができる。
【解答】 〇
報酬から控除できる被保険者負担分の保険料は、「前月の標準報酬月額に係る」保険料のみです。
ただし、例外的に、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合(退職の場合)は、前月と当月の2か月分の保険料を控除できます。
例外が当てはまるのは、問題文のような月末退職の場合です。5月31日退職の場合、6月1日資格喪失となり、保険料は5月分まで徴収されます。
そのため、5月支払の給与から、4月分(前月分)と5月分(当月分)の2か月分の保険料を控除することができます。
(参照:健康保険法第167条)
社労士受験のあれこれ
R3-148
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問5-イ>
任意継続被保険者の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならず、保険者は、いかなる理由がある場合においても、この期間を経過した後の申出は受理することができない。
【解答】 ×
「いかなる理由がある場合においても」が誤り。
例外として、『正当な理由があると認めるとき』は、保険者は期限を経過した後の申出ででも、受理することができます。
(参照:健康保険法第37条)
では、こちらの問題もどうぞ!
<H25年出題>
任意継続被保険者の資格取得の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならないが、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても受理することができる。なお、判例によると「法律の不知」によるという主張は、この場合の正当な理由にあたらないものと解されている。
<H23年出題>
任意継続被保険者の資格取得の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内にしなければならない。なお、その申出をした者が、初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めない限り、任意継続被保険者とならなかったものとみなす。
【解答】
<H25年出題> 〇
令和2年度の出題と同じ趣旨です。
問題文にあるように、「法律の不知」という主張は、正当な理由にあたりません。「知りませんでした」ではダメということ。
なお、「正当な理由」とされるのは、「天災事変」「交通ストライキ」等です。
(判例:昭和36年2月24日 最高裁判所第二小法廷)
<H23年出題> 〇
任意継続被保険者の初回分の保険料を納付期日までに納付しなかったときは、任意継続被保険者とならなかったものとみなされます。(正当な理由がある場合以外)
(健康保険法第37条)
※ついでにこちらもチェック!
・ 2回目以降の保険料を納付期日までに納付しなかったときは、その翌日に資格を喪失します。
・ 任意継続被保険者の保険料の納付期日は、「当月10日」です。初回分は、「保険者が指定する日」です。
(健康保険法第38条、第164条)
社労士受験のあれこれ
R3-147
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問3-イ>
指定訪問看護は、末期の悪性腫瘍などの厚生労働大臣が定める疾病等の利用者を除き、原則として利用者1人につき週5日を限度として受けられるとされている。
【解答】 ×
原則として、週3日が限度です。
なお、末期の悪性腫瘍などの厚生労働大臣が定める疾病等の利用者については、週4日以上の訪問看護が可能です。
(参照:令和2年3月5日 保発0305第3号)
こちらの問題もどうぞ!
~訪問看護事業の定義を穴埋めで確認しましょう。~
訪問看護事業とは、
・疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者(< A >がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、
・その者の居宅において看護師、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び< B >が行う療養上の< C >又は必要な診療の< D >を行う事業のこと
・< E >等又は介護保険法に規定する介護老人保健施設若しくは< F >によるものを除く
【解答】
A 主治の医師
B 言語聴覚士
C 世話
D 補助
E 保険医療機関
F 介護医療院
(参照:健康保険法第88条、施行規則第68条)
もう一問どうぞ!
<H19年出題>
70歳未満の被保険者が訪問看護を受けたとき、厚生労働大臣が定める基準により算定した指定訪問看護の費用から訪問看護療養費支給額を差し引いた額と、当該被保険者の選定に基づいて提供された指定訪問看護等に要する平均的な時間を超える指定訪問看護等及び指定訪問看護ステーションが定める営業日以外の日又は営業時間以外の時間における指定訪問看護等の利用料がある場合はその費用とを負担しなければならない。
【解答】 〇
指定訪問看護を受けた被保険者は、基本利用料(厚生労働大臣が定める基準により算定した指定訪問看護の費用から訪問看護療養費支給額を差し引いた額)を負担します。
また、基本利用料のほか、その他の利用料を負担することもあります。
その他の利用料とは?
・ 訪問看護ステーションが定める営業日以外の日又は営業時間以外の時間における指定訪問看護
・ 交通費、おむつ代等に要する費用(実費)
(参照)
・令和2年3月5日 保発0305第3号
・指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(H12.3.31厚生省令第80号)
社労士受験のあれこれ
R3-146
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問8-A>
健康保険被保険者報酬月額算定基礎届の届出は、事業年度開始の時における資本金の額が1億円を超える法人の事業所の事業主にあっては、電子情報処理組織を使用して行うものとする。ただし、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子情報処理組織を使用することが困難であると認められる場合で、かつ、電子情報処理組織を使用しないで当該届出を行うことができると認められる場合は、この限りでない。
【解答】 〇
■■おさえるポイントは電子申請の義務がある法人の規模と届出の種類
【電子申請が義務となる『特定法人』とは?】
・事業年度開始の時の資本金等が1億円を超える法人
・保険業法に規定する相互会社
・投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資法人
・資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社
【対象の届出は3つ】
・報酬月額算定基礎届(定時決定)
・報酬月額変更届(随時改定)
・賞与支払届
※参照条文:健康保険法施行規則第25条、第26条、第27条
ちなみに、厚生年金保険法も同様です。
こちらの問題もどうぞ!
<H30年出題>
全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所の事業主は、被保険者に賞与を支払った場合は、支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構に提出しなければならないとされている。
【解答】 〇
覚えるポイントは期限。「5日以内」です。
なお、賞与支払届の提出は、特定法人(資本金1億円を超える法人等)は、原則として電子申請で行わなければなりません。
(健保法施行規則第27条)
社労士受験のあれこれ
R3-145
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問1-B>
被保険者が同一疾病について1年6か月間傷病手当金の支給を受けたが疾病が治癒せず、その療養のため労務に服することができず収入の途がない場合であっても、被保険者である間は保険料を負担する義務を負わなければならない。
【解答】 〇
傷病手当金の受給終了後も引き続き休業し、報酬の支払いが無かったとしても、健康保険の被保険者である間は、保険料(事業主&被保険者ともに)を負担する義務があります。(産前産後休業や育児休業中は保険料の免除制度があるけれど、病気やケガなどの休業については免除の制度が無い。)
こちらの問題もどうぞ!
<H24年出題>
被保険者が傷病手当金の支給を受けたが、その支給期間が終わっても治癒せず、その療養のために労務に服しなかったため収入がなかった場合は、当該被保険者負担分の保険料は免除され事業主負担分のみ納付する義務を負う。
<R1年出題>
被保険者の長期にわたる休職状態が続き実務に服する見込がない場合又は公務に就任しこれに専従する場合においては被保険者資格を喪失するが、被保険者の資格を喪失しない病気休職の場合は、賃金の支払停止は一時的であり、使用関係は存続しているため、事業主及び被保険者はそれぞれ賃金支給停止前の標準報酬に基づく保険料を折半負担し、事業主はその納付義務を負う。
【解答】
<H24年出題> ×
令和2年度の出題と同じ趣旨です。
病気休職中でも保険料は免除されませんので、事業主負担分、被保険者負担分ともに負担義務があります。
<R1年出題> 〇
この問題も同じです。
病気休職中でも、事業主も被保険者も保険料を負担する義務はあります。また、その際の保険料は、賃金支給停止前の標準報酬に基づき算定されます。
では、こちらもどうぞ!
<H27年出題>
被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付は行われない。また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合については、原則として、その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。
<H26年出題>
産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。
【解答】
<H27年出題> ×
被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷、出産に係る保険給付は行われなくなり、保険料も徴収されません。
また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合、保険料を徴収されない期間は、その月以後、拘禁されなくなった月の前月までの期間です。問題文中の徴収されない期間が誤りです。
例えば、令和2年3月に被保険者の資格を取得、刑事施設に拘禁されたのが令和2年4月、拘禁されなくなったのが8月の場合、保険料を徴収しない期間は、4月から7月までとなります。
ちなみに・・・
被保険者がその資格を取得した月に刑事施設に拘禁された場合は、その翌月以後、拘禁されなくなった月の前月までの期間となります。
<H26年出題> 〇
産前産後休業、育児休業の保険料の免除の期間を確認しておきましょう。
開始 | 終了 | |
産前産後休業 | 開始した日の属する月から | 終了する日の翌日が属する月の前月まで |
育児休業 | 開始した日の属する月から | 終了する日の翌日が属する月の前月まで |
(例)産前産後休業の場合
出産日5月1日、産前休業3月21日~5月1日、産後休業5月2日~6月26日の場合、保険料が免除される期間は、3月から5月までとなります。
社労士受験のあれこれ
R3-144
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問9-D>
全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者資格を取得した際の標準報酬月額の決定について、固定的賃金の算定誤りがあった場合には訂正することはできるが、残業代のような非固定的賃金について、その見込みが当初の算定額より増減した場合には訂正することができないとされている。
【解答】 〇
<被保険者資格を取得した際の標準報酬月額>
・ 固定的賃金の算定誤り等があった → 訂正できる
・ 残業代のような非固定的賃金の見込みが当初の算定額より増減した → 訂正できない
こちらの問題もどうぞ!
<H27年出題>
月、週その他一定期間によって報酬が定められている被保険者に係る資格取得時の標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した日現在の報酬の額をその期間における所定労働日数で除して得た額の30倍に相当する額を報酬月額として決定される。
【解答】 ×
その期間における『所定労働日数』ではなく、その期間の『総日数』で除します。
例えば、週給制の場合は、週給÷7(1週間の総日数)×30が報酬月額となります。
資格取得時決定の条文を穴埋めで確認しておきましょう
(被保険者の資格を取得した際の決定)
保険者等は、被保険者の資格を取得した者があるときは、次に掲げる額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。
① 月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の< A >で除して得た額の< B >倍に相当する額
② 日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められる場合には、被保険者の資格を取得した月前< C >月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額
③ ①、②の規定によって算定することが困難であるものについては、被保険者の資格を取得した月前< C >月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額
④ ①、②、③のうち2以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて、①、②、③の規定によって算定した額の合算額
決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の< D >月(6月1日から12月31日までの間に被保険者の資格を取得した者については、翌年の< D >月)までの各月の標準報酬月額とする。
【解答】
A 総日数
B 30
C 1
D 8
社労士受験のあれこれ
R3-143
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問9-C>
育児休業取得中の被保険者について、給与の支払いが一切ない育児休業取得中の期間において昇給があり、固定的賃金に変動があった場合、実際に報酬の支払いがないため、育児休業取得中や育児休業を終了した際に当該固定的賃金の変動を契機とした標準報酬月額の随時改定が行われることはない。
【解答】 ×
(問題の要旨)
育児休業に昇給があった → しかし育児休業中は一切給与の支払いがない → このような場合、随時改定はどうなるのか?
問題文では、「標準報酬月額の随時改定が行われることはない。」となっていますが、そこが誤りです。
(答)
産休等の無給期間中に固定的賃金に変動があった場合 → 実際に変動後の報酬を受けた月を起算月として随時改定の対象となります。
こちらの問題もどうぞ!
<H26年出題>
月給制の被保険者について3月に行うべき昇給が、事業主の都合により5月に行われ、3月に遡った昇給差額が5月に支払われた場合、随時改定の対象になるのは5月、6月及び7月の3か月間に受けた報酬の総額(昇給差額を除く。)を3で除して得た額であり、それが随時改定の要件に該当したときは8月から標準報酬月額が改定される。
【解答】 〇
随時改定は、『固定的賃金の変動が報酬に反映された月』を起算とします。
問題文の場合、昇給分が実際に報酬に反映されたのは5月なので、5月、6月、7月の3か月間で要件をみます。また、3か月の平均をとる際は、昇給差額分は除外されます。
随時改定の条文を穴埋めで確認しておきましょう
(随時改定)
保険者等は、被保険者が現に使用される事業所において継続した< A >月間(各月とも、報酬支払の基礎となった日数が、17日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を< A >で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となった< B >に比べて、< C >を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を< B >として、その< C >を生じた月の < D >から、標準報酬月額を改定することができる。
【解答】
A 3
B 報酬月額
C 著しく高低
D 翌月
社労士受験のあれこれ
R3-142
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問9-B>
給与の支払方法が月給制であり、毎月20日締め、同月末日払いの事業所において、被保険者の給与の締め日が4月より20日から25日に変更された場合、締め日が変更された4月のみ給与計算期間が3月21日から4月25日までとなるため、標準報酬月額の定時決定の際には、3月21日から3月25日までの給与を除外し、締め日変更後の給与制度で計算すべき期間(3月26日から4月25日まで)で算出された報酬を4月の報酬とする。
【解答】 〇
(問題の要旨)
4月から、給与の締め日が、毎月20日締め(末日払い)から25日締めに変更になった。
締め日が変更された4月は、給与計算期間が3月21日から4月25日までとなってしまう。このままだと支払い基礎日数が暦日よりも多くなってしまう。
定時決定の際は、どのように扱えばいいのか?
(答)
3月21日~4月25日までの報酬で算定すると、通常よりも多くなってしまうので、『超過分の報酬を除外』し、その他の月の報酬との平均を算出して、標準報酬月額を保険者算定する。
問題文の通り、超過分の3月21日~3月25日の給与を除外し、締め日変更後の給与の計算期間(3月26日~4月25日)で算出された報酬を4月の報酬とする。
ちなみに、支払基礎日数が減少した場合はどうする?
・給与締め日の変更によって給与支給日数が減少した場合
→ 支払基礎日数が17日以上なら、通常の定時決定の方法で算定する。
→ 支払基礎日数が17日未満となった場合は、その月を除外して報酬の平均を算出し、標準報酬月額を算定する。
こちらの問題もどうぞ!
<R1年出題>
4月、5月、6月における定時決定の対象月に一時帰休が実施されていた場合、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していれば、休業手当等を除いて標準報酬月額の定時決定を行う。例えば、4月及び5月は通常の給与の支払いを受けて6月のみ一時帰休による休業手当等が支払われ、7月1日の時点で一時帰休の状況が解消していた場合には、6月分を除いて4月及び5月の報酬月額を平均して標準報酬月額の定時決定を行う。
【解答】 〇
まず、一時帰休の際に支払われる休業手当は「報酬」ですので、休業手当が支払われた日は、支払基礎日数に含まれることに注意してくださいね。
この問題のポイントは、「7月1日の時点で一時帰休の状況が解消」(=現在、低額な休業手当は支払われていないということ)している点です。このような場合、休業手当はどのように扱うのでしょうか?
→ 7月1日時点で元に戻っている。なので、低額な休業手当を除いて標準報酬月額を決定する。
→ 問題文のように、4月と5月は通常の給与、6月のみ一時帰休による休業手当という場合は、6月分を除いて4月と5月の報酬月額を平均して定時決定を行う。
※ちなみに、7月1日現在で一時帰休の状況が解消していない場合は?
→ 例えば、4・5・6月のうち、4・5月は通常の給与、6月のみ一時帰休による休業手当が支払われた場合には、6月分の休業手当を含めて、4・5・6月の報酬月額を平均して標準報酬月額を決定します。
社労士受験のあれこれ
R3-141
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問10-C>
任意適用事業所において被保険者の4分の3以上の申出があった場合、事業主は当該事業所を適用事業所でなくするための認可の申請をしなければならない。
【解答】 ×
被保険者から任意適用事業所の脱退を希望する申出があったとしても、事業主には脱退の申請をする義務はありません。
こちらの問題もどうぞ!
<H28年出題>
任意適用事業所に使用される者(被保険者である者に限る。)の4分の3以上が事業主に対して任意適用取消しの申請を求めた場合には、事業主は当該申請を厚生労働大臣に対して行わなければならない。
<H24年出題>
従業員が15人の個人経営の理髪店で、被保険者となるべき者の2分の1以上が希望した場合には、事業主に速やかに適用事業所とすべき義務が生じる。
【解答】
<H28年出題> ×
令和2年度の出題と同じ趣旨です。事業主には任意適用取消しの申請をする義務はありません。
<H24年出題> ×
被保険者となるべき者の希望があったとしても、事業主には適用事業所とすべき義務はありません。
比較してみましょう!
加入の義務 | 脱退の義務 | |
---|---|---|
労災保険 | あり 過半数の希望があった場合 | なし |
雇用保険 | あり 2分の1以上の希望があった場合 | |
健康保険 厚生年金保険 | なし | なし |
社労士受験のあれこれ
R3-140
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問7-B>
全国健康保険協会の短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならないが、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。この借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
【解答】 〇
・ 協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合は、厚生労働大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
・ 短期借入金は、その事業年度内に償還しなければならない。
・ 資金の不足のため償還できないときは、その金額に限って、厚生労働大臣の認可を受けて、借り換えができる。
・ 借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
コチラの問題もどうぞ!
<H22年出題>
全国健康保険協会は、その業務に要する費用に充てるため必要な場合において、運営委員会の議を経て短期借入金をすることができる。その場合、理事長はあらかじめ厚生労働大臣に協議しなければならない。
<H26年出題>
全国健康保険協会(以下「協会」という。)の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結し、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
<H24年出題>
全国健康保険協会は、厚生労働省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供したときは、厚生労働大臣に報告しなければならない。
【解答】
<H22年出題> ×
短期借入金をするとき → 厚生労働大臣の認可
<H26年出題> 〇
財務諸表、事業報告書等 → 厚生労働大臣の承認
<H24年出題>
重要な財産の譲渡、担保 → 厚生労働大臣の認可(報告ではない)
社労士受験のあれこれ
R3-139
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問10-E>
被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産の日以前42日から出産の日後56日までの間において、通常の労務に服している期間があった場合は、その間に支給される賃金額が出産手当金の額に満たない場合に限り、その差額が出産手当金として支給される。
【解答】 ×
出産手当金は、「労務に服さなかった」期間支給されます。
問題文は、「通常の労務に服している」期間の話ですので、出産手当金は支給されません。
出産手当金の条文を穴埋めで確認しましょう
被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が< A >後であるときは、< A >))以前42日(多胎妊娠の場合においては、< B >日)から出産の日後56日までの間において< C >期間、出産手当金を支給する。
【解答】
A 出産の予定日
B 98
C 労務に服さなかった
コチラの問題もどうぞ!
<H23年出題>
出産手当金について、出産した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、出産手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が、出産手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
<H27年出題>
被保険者が介護休業期間中に出産手当金の支給を受ける場合、その期間内に事業主から介護休業手当で報酬と認められるものが支給されているときは、その額が本来の報酬と出産手当金との差額より少なくとも、出産手当金の支給額について介護休業手当との調整が行われる。
【解答】
<H23年出題> 〇
出産手当金のルール
・ 報酬の全部又は一部を受けることができる場合 → 出産手当金は支給しない
※報酬の額が、出産手当金の額より少ないとき → 差額を支給する
<H27年出題> 〇
事業主から介護休業手当で報酬と認められるものが支給されているとき → 出産手当金の支給額は介護休業手当との調整が行われる。(上記H23年出題の問題と同じ趣旨です。)
社労士受験のあれこれ
R3-138
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問10-A>
労災保険法に基づく休業補償給付を受給している健康保険の被保険者が、さらに業務外の事由による傷病によって労務不能の状態になった場合、休業補償給付が支給され、傷病手当金が支給されることはない。
【解答】 ×
「労災保険の休業補償給付」、「健康保険の傷病手当金」の目的はどちらも「生活保障」。仮に、両方同時に受給すると、働いて得る賃金を超えてしまいます。
ですので、労災保険法による休業補償給付を受けている間に、業務外の事由で労務不能になったとしても、傷病手当金は支給されません。
ただし、労災の休業補償給付の額が、傷病手当金の額に満たない場合は差額が支給されます。
この問題のポイント!
労災の休業補償給付の額より、健保の傷病手当金の額の方が高い場合は、差額の傷病手当金が支給されます。問題文の「傷病手当金が支給されることはない。」が間違い。差額の傷病手当金が支給されることがあるからです。
社労士受験のあれこれ
R3-137
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問8-D>
保険者は、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けた被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金の支払を免除することができる。
【解答】 〇
災害等の特別の事情があり、一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対して、保険者は次の3つの措置を採ることができます。
① 一部負担金の減額
② 一部負担金の支払の免除
③ 一部負担金の徴収の猶予
こちらの問題もどうぞ!
<H23年出題>
保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められる者に対して、次の措置を採ることができる。①一部負担金を減額すること、②一部負担金の支払を免除すること、③保険医療機関又は保険薬局に対する支払に代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること。
<H25年出題>
災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情により、保険医療機関又は保険薬局に支払う一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする者は、あらかじめ保険者に対し申請書を提出しなければならない。保険者はその徴収猶予又は減免の決定をした場合には、速やかに証明書を申請者に交付するものとする。
【解答】
<H23年出題> 〇
令和2年度の出題と同じ趣旨です。
<H25年出題> 〇
一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとするときは、あらかじめ申請が必要。
→ 徴収猶予又は減免の決定をした場合、保険者は速やかに証明書を交付する
→ 療養の給付等を受けようとするときは、「証明書」を健康保険被保険者証に添えて当該保険医療機関等に提出する。
社労士受験のあれこれ
R3-136
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問7-E>
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。この場合において前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額の合計額である。
【解答】 ×
任意継続被保険者の前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額の「合計額」ではなく、合計額から「割引」があります。(詳しくは下の問題でどうぞ)
こちらの問題もどうぞ!
<H22年選択>
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。前納された保険料については、前納に係る期間の< A >が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の< B >までに払い込まなければならない。
前納すべき保険料額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を< C >による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。
保険料の前納期間は、4月から9月まで、もしくは10月から翌年3月までの6か月間または4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとされているが、例えば、任意継続被保険者の資格を取得した月が4月であった場合、最も早く前納をおこなうことができる前納に係る期間の初月は、< D >である。
【解答】
A 各月の初日
※国民年金の前納は、それぞれの月の保険料が納付されたものとみなされるのは、「各月が経過した際」です。区別して覚えましょう。
B 初月の前月末日
※例えば、4月分から9月分までの6か月分を前納する場合は、納付期限は「前納に係る期間の初月の前月末日」=3月末日までとなります。
C 年4分の利率
※前納については割引があります。
D 5月
※前納の期間は、
社労士受験のあれこれ
R3-135
今日は健康保険法です!
令和2年度の問題をどうぞ!
<問6-A>
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、その資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者が、その資格を喪失後に特例退職被保険者の資格を取得した場合、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
【解答】 ×
資格喪失後に「特例退職被保険者」になった場合は、資格喪失後の傷病手当金の継続給付は受けられません。
※「特例退職被保険者」といえば、定年退職後で老齢厚生年金を受けている世代なので、二重の保障は不要と考えてみてください。
こちらの問題もどうぞ!
<H23年出題>
継続して1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者及び共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができる。ただし、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合は、その傷病手当金を受けることはできない。
<H26年出題>
被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、傷病手当金又は出産手当金の継続給付、資格喪失後の死亡に関する給付及び資格喪失後の出産育児一時金の給付は行われない。
【解答】
<H23年出題> ×
資格喪失後に任意継続被保険者になった場合は、傷病手当金の継続給付を受けることはできます。
資格喪失後の傷病手当金の継続給付
・任意継続被保険者になった場合 → 受けられる
・特例退職被保険者になった場合 → 受けられない
<H26年出題> 〇
資格喪失後に船員保険の被保険者となったとき
→ 「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」、「資格喪失後の出産育児一時金」→ の給付は行われない。
※船員保険法の方で給付が行われるからです。
社労士受験のあれこれ
R3-109
令和2年の問題をどうぞ!
<厚年 問6‐E>
株式会社の代表取締役は、70歳未満であっても被保険者となることはないが、代表取締役以外の取締役は被保険者となることがある。
【解答】 ×
★ 代表取締役も被保険者となります。
法人の理事、監事、取締役等法人の代表者又は業務執行者であっても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は被保険者になります。
ちなみに、事業主1人で経営している法人は、強制適用事業所となります。
また、個人事業主は、個人事業主本人が事業主体となるので、厚生年金保険の被保険者にはなりません。
では、こちらもどうぞ!(健康保険法の問題です)
健保 H22年出題
法人の理事、監事、取締役、代表社員等の法人役員は、事業主であり、法人に使用される者としての被保険者の資格はない。
健保 H29年出題
従業員が3人の任意適用事業所で従業員と同じような仕事に従事している個人事業所の事業主は、健康保険の被保険者となることができる。
【解答】
健保 H22年出題 ×
法人役員は、法人(事業主)から、労務の対償として報酬を受けている者として、被保険者の資格を取得します。(厚生年金保険と同じです。)
健保 H29年出題 ×
個人事業所の事業主は、本人が事業主なので、被保険者となることはできません。(こちらも厚生年金保険と同じです。)
では、次は「雇用保険法」の問題をどうぞ!
雇用保険 H30年出題
株式会社の取締役であって、同時に会社の部長としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められる場合、他の要件を満たす限り被保険者となる。
雇用保険 H24年出題
株式会社の代表取締役が被保険者になることはない。
【解答】
雇用保険 H30年出題 〇
なお、問題文のような人が失業した場合は基本手当を受けることができますが、基本手当の基になる賃金には、取締役としての地位に基づく役員報酬は含まれません。あくまでも労働の対償としての賃金で計算されます。
雇用保険 H24年出題 〇
株式会社の代表取締役は、雇用関係にないので、失業することも考えられませんよね。株式会社の代表取締役は被保険者になることはありません。
社労士受験のあれこれ
R3-098
令和2年の問題をどうぞ!
<問2‐B>
高額介護合算療養費に係る自己負担額は、その計算期間(前年の8月1日からその年の7月31日)の途中で、医療保険や介護保険の保険者が変更になった場合でも、変更前の保険者に係る自己負担額と変更後の保険者に係る自己負担額は合算される。
【解答】 〇
高額介護合算療養費の計算期間の途中で、医療保険や介護保険の保険者が変更になった場合でも、変更前と変更後の自己負担額は合算されます。
★高額介護合算療養費とは?
計算期間(毎年8月~1年間)の医療保険と介護保険の自己負担額を合計した額が、自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額が支給されます。
こちらもどうぞ!
<H28年出題>
70歳未満の被保険者又は被扶養者の受けた療養について、高額療養費を算定する場合には、同一医療機関で同一月内の一部負担金等の額が21,000円未満のものは算定対象から除かれるが、高額介護合算療養費を算定する場合には、それらの費用も算定の対象となる。
<H25選択>
高額介護合算療養費は、介護合算一部負担金等世帯合算額が介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。この支給基準額とは、高額介護合算療養費の支給の事務の執行に要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額のことであり、その額は< A >円である。
70歳未満で標準報酬月額が360,000円の被保険者の場合、介護合算算定基準額は
< B >円である。
【解答】
<H28年出題> ×
70歳未満の場合、高額療養費と同様に、21,000円未満のものは算定対象から除かれます。
<H25選択>
A 500
B 670,000
Aについて → 高額介護合算療養費は、自己負担合算額が介護合算算定基準額を超えた場合に支給されますが、支給基準額(500円)を超えない場合は、支給されません。
社労士受験のあれこれ
R3-088
令和2年の出題から、「覚えるところ」をつかみましょう。
ではどうぞ!
<問5-ウ>
季節的業務に使用される者について、当初4か月以内の期間において使用される予定であったが業務の都合その他の事情により、継続して4か月を超えて使用された場合には使用された当初から一般の被保険者となる。
【解答】 ×
季節的業務の場合、業務の都合で4か月を超えて使用された場合でも、一般の被保険者にはなりません。
★ 季節的業務とは → 例えば、清酒の醸造、製茶、製氷など
季節的業務のポイント!
・当初から4か月を超える予定で使用された → 当初から一般被保険者になる
・当初は4か月以内の予定 → 業務の都合でたまたま4か月を超えた場合でも → 一般の被保険者にならない。
では、関連問題をどうぞ!
<H19年出題>
臨時に使用される者であって、5週間の雇用契約で働いていた日雇特例被保険者が、5週間を超えて引き続き使用されるに至った場合、5週間を超えたときから一般被保険者となる。
【解答】 〇
2か月以内の雇用契約で使用される場合は、一般被保険者にはならず、原則として日雇特例被保険者となります。
ただし、所定の期間(当初の契約期間=問題文の場合は5週間)を超えて引き続き使用されるようになった場合は、そのときから一般被保険者となります。
では、選択式の練習をどうぞ!
この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。
1 < A >の被保険者(< A >法に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)
2 臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(イに掲げる者にあっては < B >を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)
イ 日々雇い入れられる者
ロ < C >以内の期間を定めて使用される者
3 事業所で所在地が一定しないものに使用される者
4 季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除く。)
5 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して< D >を超えて使用されるべき場合を除く。)
6 国民健康保険組合の事業所に使用される者
7 後期高齢者医療の被保険者等
8 厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険者でないことにより国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る。)
【解答】
A 船員保険
B 1月
C 2月
D 6月
社労士受験のあれこれ
R3-078
令和2年の出題から、問題の意図を考えましょう。
出題される問題には必ず意味がある!
ではどうぞ!
<問4-C>
被保険者の資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者ではないものとする。)であった者が、その被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に出産した場合、出産したときに、国民健康保険の被保険者であっても、その者が健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受ける旨の意思表示をしたときは、健康保険法の規定に基づく出産育児一時金の支給を受けることができる。
【解答】 〇
問題の意図は、資格喪失後国民健康保険の被保険者になり、出産した場合の、健保の資格喪失後の出産育児一時金と国民健康保険の出産育児一時金の調整方法です。(両方から受けるのは不可です。)
★対象者の意思表示で決まります。
・健康保険法の出産育児一時金の支給を受ける旨の
・意思表示をしたとき → 健康保険法の出産育児一時金の支給を受けることができる。(国民健康保険からは支給しない)
・意思表示をしないとき → 国民健康保険から支給が受けられる
こちらもどうぞ!
H28年出題
引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者がその被保険者の資格を喪失し、国民健康保険組合(規約で出産育児一時金の支給を行うこととしている。)の被保険者となった場合、資格喪失後6か月以内に出産したときには、健康保険の保険者がその者に対して出産育児一時金を支給することはない。
H25年出題
引き続き1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者期間、特例退職被保険者期間又は共済組合の組合員である期間を除く。)を有し、資格喪失後6か月以内に出産した者が、健康保険の被扶養者になっている場合、請求者の選択により被保険者本人としての出産育児一時金、又は被扶養者としての家族出産育児一時金のいずれかを受給できることとなる。
H26年出題
被保険者であった者が船員保険の被保険者となったときは、傷病手当金又は出産手当金の継続給付、資格喪失後の死亡に関する給付及び資格喪失後の出産育児一時金の給付は行われない。
【解答】
H28年出題 ×
★資格喪失後に国民健康保険の被保険者になった場合
上記の令和2年の問題と同じ意図の問題です。「健康保険の保険者がその者に対して出産育児一時金を支給することはない」は誤り。健康保険の出産育児一時金を受ける旨の意思表示をすれば、健康保険から出産育児一時金が支給されます。
H25年出題 〇
★資格喪失後に被扶養者になった場合
被保険者本人としての出産育児一時金か被扶養者としての家族出産育児一時金のいずれかは本人の選択によります。
H26年出題 〇
★資格喪失後に船員保険の被保険者になった場合
資格喪失後に船員保険の被保険者となったときは船員保険を優先。
(健康保険の「傷病手当金又は出産手当金の継続給付」、「資格喪失後の死亡に関する給付」、「資格喪失後の出産育児一時金」の給付は行われない。)
社労士受験のあれこれ
R3-067
令和2年の択一式の問題から、選択式の勉強に活かせる問題をピックアップしました。
キーワードを< >で空欄にしています。
空欄を埋めてください。
R2年のアレンジ問題です
空欄<A>、<B>を埋めてください。
日雇特例被保険者が療養の給付を受けるには、これを受ける日において当該日の属する月の前2か月間に通算して< A >日分以上又は当該日の属する月の前6か月に通算して< B >日分以上の保険料が納付されていなければならない。
(参考:問7A)
【解答】
A 26
B 78
日雇特例被保険者が療養の給付を受けるには、保険料納付要件を満たさなければなりません。
例えば、2020年11月に療養の給付を受けるには、2020年9月・10月の2か月間で通算26日分以上納付されているか、2020年5月~10月ので6か月間で通算78日分以上の納付が必要です。
なお、日雇特例被保険者の保険料の納付は、日雇特例被保険者手帳に、健康保険印紙を貼付し消印する方法で行われます。
関連問題をどうぞ!
<日雇特例被保険者の出産>
空欄< C >を埋めてください。
日雇特例被保険者が出産した場合において、その出産の日の属する月の前< C >月間に通算して26日分以上の保険料がその者について納付されているときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。
【解答】
C 4
出産の場合は、前4月間に通算して26日分以上でOKです。出産直前まで労働して保険料を納付するのは大変なので、前4か月間に条件が緩和されます。
では、もう一問どうぞ
初めて日雇特例被保険者手帳の交付を受けた者に対する特別療養費の支給期間は、日雇特例被保険者手帳の交付を受けた日の属する月の初日から起算して< D >か月間(月の初日に日雇特例被保険者手帳の交付を受けた者については< E >か月間)である。
(参考:H26年択一式問題)
【解答】
D 3
E 2
日雇特例被保険者が療養の給付を受けるには、前2月間に26日分以上の保険料が必要なので、初めて日雇特例被保険者手帳を交付されたときは、まだ療養の給付が受けられません。
そのため、日雇特例被保険者手帳の交付を受けた日の属する月の初日から起算して3か月間(月の初日に日雇特例被保険者手帳の交付を受けた者については2か月間)は特別療養費が支給されます。
★例えば
・10月29日に交付を受けた場合はその年の12月31日まで支給される
・11月1日に交付を受けた場合はその年の12月31日まで支給される
最低暦月で2月あれば療養の給付が受けられるので、特別療養費はその間の保障だと考えてください。
社労士受験のあれこれ
R3-058
R2年の問題から定番問題をどうぞ!
R2年の問題です
R2問4より
新たに適用事業所に使用されることになった者が、当初から自宅待機とされた場合の被保険者資格については、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われているときは、その休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得するものとされている。
【解答】 〇
被保険者資格は、「適用事業所に使用されるに至った日」に取得します。
使用されるに至った日とは、事実上の使用関係に入った日のことですので、自宅待機で出社していなくても、休業手当(給料)の支払いの対象になった日から、健康保険の被保険者の資格を取得します。
では、類似問題をどうぞ!
<H25年出題>
適用事業所に使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日であり、事業所調査の際に資格取得届のもれが発見された場合は、すべて事実の日にさかのぼって資格取得させるべきものである。
<H30年出題>
適用事業所に使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日であるが、事業所調査の際に資格取得の届出もれが発見された場合は、調査の日を資格取得日としなければならない。
【解答】
<H25年出題> 〇
<H30年出題> ×
上記で解説しましたように、適用事業所に使用されるに至った日とは、事実上の使用関係の発生した日です。
事業所調査の際に資格取得の届出もれが発見された場合は、「すべて事実の日にさかのぼって資格取得させるべき」ものとされますので、調査の日を資格取得日とするのは誤りです。
では、最後にもう一問どうぞ!
<H22年出題>
被保険者(任意継続被保険者を除く。)は、①適用事業所に使用されるに至った日、②その使用される事業所が適用事業所となった日、③適用除外に該当しなくなった日のいずれかに該当した日から、被保険者の資格を取得するが、①の場合、試みに使用される者については適用されない。
【解答】 ×
試みの使用される者にも適用されます。
たとえ試用期間であったとしても、雇用関係に入っているからです。
社労士受験のあれこれ
R3-048
一式の問題は、7科目×10問で合計70問です。
1問の中には5つの選択肢。全体では、350の選択肢(問題文)が出題されています。
この350の問題文の中には、「試験対策としては難しすぎる」=「解けなくていい」問題文が含まれています。
受験勉強するにあたって、「ここまでやらないとダメなのかな・・・」と不安になってしまって、重箱の隅まで勉強してしまうのは、効率が悪く、そして続かないので。。。
意識してほしいのは、「満点とらなくても合格できる」ということ。
今日から、R2年の問題から「難問」とその解決策をお話していきます!
R2年の問題です
<R2問6より>
被保険者が道路交通法違反である無免許運転により起こした事故のため死亡した場合には、所定の要件を満たす者に埋葬料が支給される。
【解答】 〇
まず、第116条の条文を見てみましょう。
「被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。」
↓
無免許運転は、道路交通法違反で処罰される行為ですが、
・死亡は最終的1回限りの絶対的な事故であること
・埋葬を行う者に対する救済または弔意を目的として支給するものであること
から、所定の要件を満たす者に埋葬料が支給されることになっています。
同じ論点の問題をどうぞ!
<H23年出題>
被保険者が故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は行われないため、自殺により死亡した場合の埋葬料は支給されない。
<H25年出題>
被保険者が道路交通法規違反によって処罰されるべき行為中に起こした事故により死亡した場合、健康保険法第116条に定める給付制限事由に該当するものとして、埋葬料は支給されない。
【解答】
<H23年出題> ×
自殺は最終的1回限りの絶対的な事故のため、埋葬料は支給されます。
<H25年出題> ×
上記R2年度の問題と同じです。埋葬料は支給されます。
では、こちらもどうぞ。
<H29年出題>
被保険者が、故意に給付事由を生じさせたときは、その給付事由に係る保険給付は行われないこととされているが、自殺未遂による傷病について、その傷病の発生が精神疾患等に起因するものと認められる場合は、故意に給付事由を生じさせたことに当たらず、保険給付の対象となる。
【解答】 〇
自殺未遂による傷病については、療養の給付、傷病手当金は支給されません。
ただし、精神疾患等に起因する場合は、故意に給付事由を生じさせたとはいえないので、保険給付の対象となります。
では、選択の練習をどうぞ!
被保険者又は被保険者であった者が、自己の< A >により、又は < B >に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その< C >。
【解答】
A 故意の犯罪行為
B 故意
C 全部又は一部を行わないことができる
社労士受験のあれこれ
R3-038
今日のテーマは
入社する前(健康保険の資格を取得する前)からの傷病の場合、傷病手当金の支給は受けられる?受けられない?
<R2年問2E>
被保険者資格を取得する前に初診日がある傷病のため労務に服することができず休職したとき、療養の給付は受けられるが、傷病手当金は支給されない。
【解答】 ×
入社前から治療を受けていた傷病についても、保険給付の対象となります。
資格取得前の傷病でも、療養の給付、傷病手当金ともに支給されます。
★適正に資格を取得したならば、健康保険の保障が受けられると考えてください。
では、同じパターンの問題をどうぞ!
<H22年出題>
被保険者の資格取得が適正である場合、その資格取得前の疾病又は負傷については、6か月以内のものに限り保険給付を行う。
<H23年出題>
被保険者資格(任意継続被保険者及び特例退職被保険者を除く。)を取得する前にかかった疾病又は負傷の資格取得後の療養について、療養の給付を受けることはできるが、傷病手当金は支給されない。
【解答】
<H22年出題> ×
6か月以内という制限はありません。
<H23年出題> ×
傷病手当金も支給されます。
社労士受験のあれこれ
R3-028
受験勉強で大切なのは、過去の論点を知ること。
なぜなら、何回も繰り返し出題されるからです。
出題傾向をつかめば、勉強が格段に楽になります。
「歴史は繰り返す」
地域型健康保険組合
問題<H21年出題>
合併により設立された健康保険組合又は合併後存続する健康保険組合のうち地域型健康保険組合に該当する組合は、当該合併が行われた日の属する年度及びこれに続く3か年度に限り、一定の範囲内において、不均一の一般保険料率を決定することができる。
問題<H21年出題>
地域型健康保険組合が、不均一の一般保険料率の決定の認可を受けようとするときは、合併前の健康保険組合を単位として不均一の一般保険料率を設定することとし、当該一般保険料率並びにこれを適用すべき被保険者の要件及び期間について、組合会において組合会議員の定数の2分の1以上の多数により議決しなければならない。
【解答】
問題<H21年出題> ×
3か年度ではなく「5か年度」です。
合併が行われた日の属する年度及びこれに続く5か年度に限って、不均一の一般保険料率の設定が認められています。
問題<H21年出題> ×
2分の1以上ではなく、「3分の2」以上です。
不均一の一般保険料率の決定の認可を受けようとするときは、組合会で組合会議員の定数の3分の2以上の多数による議決が必要。
「地域型健康保険組合」ときたら数字です!「5か年度」と「3分の2」
「地域型健康保険組合」→ 同一都道府県内の健康保険組合の再編・統合の受け皿。企業・業種を超えての設立が認められている。
では、令和2年度の問題をどうぞ!
<R2問1E>
地域型健康保険組合は、不均一の一般保険料率に係る厚生労働大臣の認可を受けようとするときは、合併前の健康保険組合を単位として不均一の一般保険料率を設定することとし、当該一般保険料率並びにこれを適用すべき被保険者の要件及び期間について、当該地域型健康保険組合の組合会において組合会議員の定数の3分の2以上の多数により議決しなければならない。
【解答】 〇
平成21年と同じ問題です。
「数字」がポイントだと知っていれば、問題文を全部読む必要ありません。
社労士受験のあれこれ
R3-020
第52回社労士試験の択一式の感想を書いていきます。
令和2年度 健保 択一式
感想を一言で表すと、「難しかった!」。
テキストで「見たことない」と焦った方も多かったと思います。
「テキストで見たことない」記述は、「もしかしたら、そんな規定もあるかもしれない」と思ってしまうので、本当に難しいですね。
しかし、難しい中にも、探せばヒントは隠れています。
例えば、高額長期疾病(「人工透析」「血友病」「後天性免疫不全症候群」の3つ)は負担軽減のため、自己負担限度額が1万円となっていますが、「人工透析」のみ、70歳未満・標準報酬月額53万円以上の者は2万円となっています。
過去にも出題されたポイントですので、ここが分かれば、問4は解けます。
ア 被扶養者の要件について、「被保険者が世帯主であることは要しない」
イ 任意継続被保険者の申出は資格を喪失した日から20日以内。ただし、正当な理由があるときは期間経過後でも受理できるという例外あり。
ウ 4カ月以内の季節的業務に使用される者は、たまたま業務の都合で4か月を超えても被保険者にはならない。
アイウが×と判断できるので、問5は解けます。
資格喪失後の傷病手当金の継続給付は、「特例退職被保険者」には支給されない。この規定も過去に出題されたポイントです。これが分かれば問6も解けます。
任意継続被保険者は保険料の前納ができます。前納の額は、「年4分の利率による複利現価法により、前納期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額」です。「割引」はよく出題されるポイントです。
「前納に係る期間の各月の保険料の額の合計額」ではなく、割引があることをおさえていれば問7も解けます。
過去問の基本事項だけでも4問は解けました。
全体的に 勉強はまんべんなく。重箱の隅はほっておく。基本事項をおさえていれば、合格ラインに届く。
社労士受験のあれこれ
R3-010
第52回社労士試験、選択式問題を解いていきます。
次の合格のためにも、振り返りは大切なのです。
令和2年度 健保 選択式
1 社会保険医療協議会への諮問からの出題
「地方社会保険医療協議会」「中央社会保険医療協議会」の役割の違いをおさえていればOKな問題でした。
「中央社会保険医療協議会」→ 厚生労働省に置く
「地方社会保険医療協議会」→ 各地方厚生局(地方厚生支局を含む。)に置く。
※ 地方社会保険医療協議会は、『保険医療機関及び保険薬局の指定及び指定の取消し並びに保険医及び保険薬剤師の登録の取消しについて、厚生労働大臣の諮問に応じて審議し、及び文書をもって答申するか、自ら厚生労働大臣に、文書をもって建議することができる。』
2 一部負担金の割合についての出題
70歳以上の一部負担金の割合の問題ですが、5年前の平成27年にも選択式で出題されていました。
70歳以上の一部負担金の規定はポイントになる数字が多いので、選択式の問題が作りやすい。このような規定は、定期的に出題される可能性が高いと思います。
3 高額療養費の計算についての出題
この問題のポイントは、
・「高額療養費」と「高額療養費算定基準額(自己負担限度額)」を間違えない
・評価療養や選定療養は、高額療養費の対象外となる
4 資格喪失届の提出についての出題
令和2年1月1日施行の改正からの問題でした。
・資格取得の届出→所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長を経由できる
・資格喪失の届出→所轄公共職業安定所長を経由できる
5 協会による広報及び保険料の納付の勧奨等についての出題
条文そのままの問題ですが、丸暗記は無理。このような問題は、前後の文脈、言葉の意味などを考えて当てはめてゆく方法で。
ポイント! テキストは「ポイント」を意識しながら読む。日々の積み重ねが大事。
社労士受験のあれこれ
R2-261
目的条文は要チェック!
本日は、「健保・国年・厚年/目的条文などまとめてチェック」です。
では、どうぞ!
問1 「健康保険法」
(目的)
第1条 この法律は、労働者又はその被扶養者の< A >(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する< A >をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と< B >に寄与することを目的とする。
(基本的理念)
第2条 健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、< C >の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び< D >並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して< E >検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。
【解答】
A 業務災害
B 福祉の向上
C 高齢化
D 後期高齢者医療制度
E 常に
問2 「国民年金法」
(国民年金制度の目的)
第1条 国民年金制度は、< A >に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって< B >の維持及び向上に寄与することを目的とする。
(国民年金の給付)
第2条 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。
(管掌)
第3条 国民年金事業は、政府が、管掌する。
2 国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合(単に「共済組合」という。)、国家公務員共済組合連合会、 < C >、地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた< D >(以下「共済組合等」という。)に行わせることができる。
3 国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、< E >が行うこととすることができる。
【解答】
A 日本国憲法第25条第2項
B 健全な国民生活
C 全国市町村職員共済組合連合会
D 日本私立学校振興・共済事業団
E 市町村長(特別区の区長を含む。)
問3 「厚生年金保険法」
(目的)
第1条 この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の< A >の安定と< B >に寄与することを目的とする。
(管掌)
第2条 厚生年金保険は、< C >が、管掌する。
【解答】
A 生活
B 福祉の向上
C 政府
社労士受験のあれこれ
R2-259
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「審査請求を棄却したものとみなすことができる」です。
では、どうぞ!
問1 「労災保険法」
① 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
② ①の審査請求をしている者は、審査請求をした日から< A >を経過しても審査請求についての決定がないときは、労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
【解答】
A 3か月
問2 「雇用保険法」
① 資格取得・喪失の確認、失業等給付及び育児休業給付(以下「失業等給付等」という。)に関する処分又は不正受給に係る返還命令等に関する処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
② ①の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して < B >を経過しても審査請求についての決定がないときは、雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
【解答】
B 3か月
問3 「健康保険法」
被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
審査請求をした日から< C >以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、< D >に対して審査請求をすることができる。
【解答】
C 2月
D 社会保険審査会
問4 「国民年金法」
被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は< E >その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第14条の4第1項又は第2項の規定による決定については、この限りでない。
審査請求をした日から< F >以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
【解答】
E 保険料
F 2月
問5 「厚生年金保険法」
① 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定による決定については、この限りでない。
② ①の審査請求をした日から< G >以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は滞納処分に不服がある者は、< H >に対して審査請求をすることができる。
【解答】
G 2月
H 社会保険審査会
棄却したものとみなすことができる | |
労災保険 雇用保険 | 審査請求をした日から3カ月を経過しても審査請求についての決定がないとき |
健康保険 国民年金 厚生年金保険 | 審査請求をした日から2月以内に決定がないとき |
では、こちらをどうぞ!
①<国民年金 H30年出題>
給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)について、社会保険審査官に対して審査請求をした場合において、審査請求をした日から2か月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。
②<厚生年金保険法 H29年出題>
第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者は社会保険審査官に対して、また、第1号厚生年金被保険者に係る脱退一時金に関する処分に不服がある者は社会保険審査会に対して、それぞれ審査請求をすることができる。
【解答】
①<国民年金 H30年出題> 〇
「2か月」がポイントです!
②<厚生年金保険法 H29年出題> ×
・第1号厚生年金被保険者に係る厚生労働大臣による保険料の滞納処分に不服がある者の審査請求は、社会保険審査官ではなく「社会保険審査会」に対して行います。
・脱退一時金については、「社会保険審査会」で〇です。
(国民年金も「脱退一時金」は、「社会保険審査会」に対して審査請求ができます。
社労士受験のあれこれ
R2-258
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「課税されるもの、されないもの」です。
では、どうぞ!
問1 「労災保険法」
<H24年出題>
租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。
【解答】 〇
労災保険法では、「租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。」と規定されています。
※ 労災保険の保険給付には、「現金給付」と「現金給付」があるので「金品」
問2 「雇用保険法」
<H28年出題>
租税その他の公課は、常用就職支度手当として支給された金銭を標準として課することができる。
【解答】 ×
雇用保険法では「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。」とされています。
常用就職支度手当は失業等給付の中に入っていますので、課税できません。
※雇用保険法には現物給付がないので「金銭」となっています。
なお、雇用保険二事業の助成金等は失業等給付ではありませんので、公課を課することができます。
問3 「健康保険法」
<H18年出題>
出産手当金及び出産育児一時金は、課税対象となる収入には含まれない。
【解答】 〇
健康保険法では、「租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。」とされています。
保険給付(もちろん出産手当金出産育児一時金も含まれます。)は、課税されません。
問4 「国民年金法」
<H25年出題>
原則として、給付を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課することはできないが、老齢基礎年金及び付加年金には公課を課することができる。
【解答】 〇
国民年金法のルールは、以下の通り。
原則 → 租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、公課を課することができる。
問5 「厚生年金保険法」
障害厚生年金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課すことはできない。
【解答】 〇
厚生年金保険法のルールは以下の通り。
原則 → 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
ただし、老齢厚生年金については、公課を課することができる。
※ 「老齢厚生年金」は課税されますが、障害厚生年金は課税されません。
社労士受験のあれこれ
R2-257
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「療養に関する指示に従わないときの制限」です。
では、どうぞ!
問1 「労災保険法」
空欄を埋めてください。
労働者が故意の犯罪行為若しくは< A >により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの< B >となった事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の< C >。
【解答】
A 重大な過失
B 原因
C 全部又は一部を行わないことができる
問2 「健康保険法」
空欄を埋めてください。
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の< D >。
【解答】
D 一部を行わないことができる
「全部又は一部」ではなく、「一部」なので注意してください。
問3 「国民年金法」
空欄を埋めてください。
故意の犯罪行為若しくは< E >により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくはその< F >となった事故を生じさせ、又は障害の程度を増進させた者の当該障害については、これを支給事由とする給付は、その< G >。
自己の故意の犯罪行為若しくは< E >により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、死亡又はその< F >となった事故を生じさせた者の死亡についても、同様とする。
【解答】
E 重大な過失
F 原因
G 全部又は一部を行わないことができる
問4 「厚生年金保険法」
空欄を埋めてください。
被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為若しくは< H >により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの< I >となった事故を生ぜしめ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、保険給付の< J >。
障害厚生年金の受給権者が、< K >若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、実施機関の診査による改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、改定を行うことができる。
【解答】
H 重大な過失
I 原因
J 全部又は一部を行わないことができる
K 故意
こちらもどうぞ!
問1労災保険法
労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
問2 健康保険法
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
問3 国民年金法(R元年出題)
被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者には、遺族基礎年金又は死亡一時金は支給しない。
問4 厚生年金保険法(R元年出題)
被保険者が故意に障害を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は支給されない。また、被保険者が重大な過失により障害を生ぜしめたときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
問1労災保険法 ×
キーワードは、「故意に」「直接の原因」。
全部又は一部を行わないことができるではなく、「保険給付を行わない」です。
問2 健康保険法 ×
キーワードは、「闘争、泥酔又は著しい不行跡」。
行わないではなく、「全部又は一部を行わないことができる」です。
問3 国民年金法(R元年出題) 〇
キーワードは、「故意に」。
故意に死亡させた者には支給しない。
問4 厚生年金保険法(R元年出題) 〇
故意に障害 → 障害厚生年金又は障害手当金は支給しない。
重大な過失 → 保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
社労士受験のあれこれ
R2-256
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「支給制限「行わない」のはどんなとき?」です。
では、どうぞ!
問1 「労災保険法」
空欄を埋めてください。
労働者が、< A >負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその< B >となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
【解答】
A 故意に
B 直接の原因
問2 「健康保険法」
空欄を埋めてください。
被保険者又は被保険者であった者が、< C >により、又は< D >給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
【解答】
C 自己の故意の犯罪行為
D 故意に
問3 「国民年金法」
空欄を埋めてください。
< E >障害又はその< F >となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は、支給しない。
遺族基礎年金、寡婦年金又は死亡一時金は、被保険者又は被保険者であった者を < E >死亡させた者には、支給しない。
被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によっ遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を< E >死亡させた者についても、同様とする。
遺族基礎年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を< E >死亡させたときは、消滅する。
【解答】
E 故意に
F 直接の原因
問4 「厚生年金保険法」
空欄を埋めてください。
被保険者又は被保険者であった者が、< G >、障害又はその< H >となった事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は、支給しない。
遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であった者を< G >死亡させた者には、支給しない。
被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族厚生年金の受給権者となるべき者を< G >死亡させた者についても、同様とする。
遺族厚生年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を< G >死亡させたときは、消滅する。
【解答】
G 故意に
H 直接の原因
社労士受験のあれこれ
R2-255
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「受給権の保護」です。
では、どうぞ!
「労災保険法」
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
(例外あり)
年金たる保険給付を受ける権利を独立行政法人福祉医療機構法の定めるところにより独立行政法人福祉医療機構に担保に供する場合は、担保に供することができる。
※年金を受ける権利を、独立行政法人福祉医療機構が行っている年金担保貸付事業の担保に供することができる。(年金のみ・国年、厚年も同様)
「雇用保険法」
失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
(例外なし)
「健康保険法」
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
(例外なし)
「国民年金法」
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
(例外あり)
・ 年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供することができる
※年金を受ける権利を、独立行政法人福祉医療機構が行っている年金担保貸付事業の担保に供することができる。(年金のみ・労災、厚年も同様)
・ 老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることができる。
※老齢基礎年金、付加年金は、国税滞納処分による差し押さえの対象になる
「厚生年金保険法」
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
(例外あり)
・ 年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供することができる。
※年金を受ける権利を、独立行政法人福祉医療機構が行っている年金担保貸付事業の担保に供することができる。(年金のみ・労災、国年も同様)
・ 老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることができる。
※老齢厚生年金は、国税滞納処分による差し押さえの対象になる
では、問題をどうぞ!
労災保険法<H24年出題>
保険給付を受ける権利は、譲り渡すことができない。
雇用保険法<H23年出題>
教育訓練給付の支給を受ける権利は、他人に譲り渡し、又は担保に供することができない。
健康保険法<H24年出題>
保険給付を受ける権利は、健康保険法上、必要と認める場合には、譲渡や担保に供したり又は差し押さえることができる。
国民年金法<H28年出題>
給付を受ける権利は、原則として譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないが、脱退一時金を受ける権利については国税滞納処分の例により差し押さえることができる。
厚生年金保険法<H26年出題>
遺族厚生年金を受ける権利は、国税滞納処分により差し押さえることができる。
厚生年金保険法<H28年選択>
政府は、政府が支給する厚生年金保険法に基づく年金たる給付の受給権者に対するその受給権を担保とする小口の資金の貸付けを、< A >に行わせるものとされている。
【解答】
労災保険法<H24年出題> 〇
雇用保険法<H23年出題> 〇
健康保険法<H24年出題> ×
保険給付を受ける権利は、譲渡、担保、差し押さえ、すべてできません。
国民年金法<H28年出題> 〇
脱退一時金を受ける権利は国税滞納処分の例により差し押さえの対象になります。
※厚生年金保険でも、脱退一時金は国税滞納処分の例により差し押さえの対象になります。
厚生年金保険法<H26年出題> ×
遺族厚生年金を受ける権利は、国税滞納処分による差し押えの対象にはなりません。
厚生年金保険法<H28年選択>
A 独立行政法人福祉医療機構
社労士受験のあれこれ
R2-252
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「健保と厚年~標準賞与額どう違う?」です。
では、どうぞ!
まずは「健康保険法」から
空欄を埋めてください。
保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに< A >円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。
ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が< B >円を超えることとなる場合には、当該累計額が< B >円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。
【解答】
A 1,000
B 573万
健康保険<H27年出題>
全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所であるA社で、3月に200万円、6月に280万円の賞与が支給され、それぞれ標準賞与額が200万円及び280万円に決定された被保険者が、A社を同年8月31日付で退職し、その翌日に資格喪失した。その後、同年9月11日に健康保険組合管掌健康保険の適用事業所であるB社で被保険者資格を取得し、同年12月に100万円の賞与の支給を受けた。この場合、「健康保険標準賞与額累計申出書」を当該健康保険組合に提出することにより、当該被保険者の標準賞与額は60万円と決定される。
【解答】 ×
・ 標準賞与額の累計額は、「年度」で573万円が限度。
(3月までと4月以降では年度が違う。3月分の賞与は4月以降分と累計しない。)
・ 標準賞与額の累計は「保険者」単位で行う。
(A社(協会けんぽ)、B社(健保組合)の賞与は累計しない。)
この問題の場合は、12月の標準賞与額は「100万円」となります。
次は、厚生年金保険です!
空欄を埋めてください。
実施機関は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに< C >円未満の端数を生じたときはこれを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。
この場合において、当該標準賞与額が< D >円を超えるときは、これを < D >円とする。
【解答】
C 1,000
D 150万
厚生年金保険の標準所与額は、月150万円が上限です。
社労士受験のあれこれ
R2-251
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「標準報酬月額・健保と厚年の違いは??」です。
では、どうぞ!
まずは「健康保険法」から
空欄を埋めてください。
健康保険の標準報酬月額の最低は、第1級の< A >円で、
最高は第< B >級の< C >円となっている。
【解答】
A 58,000
B 50
C 1,390,000
空欄を埋めてください。
毎年< D >における標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の被保険者総数に占める割合が< E >を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の< F >から、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。
ただし、その年の< D >において、改定後の標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の同日における被保険者総数に占める割合が< G >を下回ってはならない。
【解答】
D 3月31日
E 100分の1.5
F 9月1日
G 100分の0.5
次は、厚生年金保険です!
空欄を埋めてください。
厚生年金保険の標準報酬月額の最低は、第1級の< A >円で、
最高は第< B >級の< C >円となっている。
【解答】
A 88,000
B 31
C 620,000
空欄を埋めてください。
毎年< D >における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の < E >に相当する額が標準報酬月額等級の< F >の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の< G >から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該< F >の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。
【解答】
D 3月31日
E 100分の200
F 最高等級
G 9月1日
社労士受験のあれこれ
R2-250
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「「日雇労働者」の定義は雇用保険と健康保険で違う」です。
では、どうぞ!
「雇用保険法」の日雇労働者の定義
雇用保険
空欄を埋めてください。
日雇労働者とは、次の各号のいずれかに該当する労働者をいう。
一 < A >雇用される者
二 < B >以内の期間を定めて雇用される者
ただし、前2月の各月において< C >以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して< D >以上雇用された者(雇用保険法第43条第2項の認可を受けた者を除く。)は、日雇労働者とならない。
【解答】
A 日々
B 30日
C 18日
D 31日
では、「日雇労働被保険者」とは?
被保険者である日雇労働者であって、①から④のいずれかに該当するものを「日雇労働被保険者」といいます。
日雇労働被保険者が失業した場合には、日雇労働求職者給付金が支給されます。
① 適用区域に居住し、適用事業に雇用される者
② 適用区域外の地域に居住し、適用区域内にある適用事業に雇用される者
③ 適用区域外の地域に居住し、適用区域外の地域にある適用事業であつて、日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づいて厚生労働大臣が指定したものに雇用される者
④ ①~③のほか、公共職業安定所長の認可を受けた者
次は健康保険法の「日雇労働者」です
健康保険
健康保険法において「日雇労働者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 臨時に使用される者であって、次に掲げるもの
イ 日々雇い入れられる者(1月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)
ロ 2月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)
二 季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除く。)
三 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6月を超えて使用されるべき場合を除く。)
さらに!
「日雇特例被保険者」 → 適用事業所に使用される日雇労働者
※ ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者、又は次のいずれかに該当する者として厚生労働大臣の承認を受けたものは、除外されます。
・ 引き続く2月間に通算して26日以上使用される見込みのないことが明らかであるとき。
・任意継続被保険者であるとき。
・その他特別の理由があるとき。
ちなみに、健保「日雇特例被保険者」でおさえておきたいのはこの問題!
問題<H15年出題>
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者、任意継続被保険者及び日雇特例被保険者で組織される。
【解答】 ×
健康保険組合は、適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者、任意継続被保険者で組織され、日雇特例被保険者は入りません。
日雇特例被保険者の「保険者」は全国健康保険協会のみだからです。
社労士受験のあれこれ
R2-244
毎年、好評の横断編にいきます!
本日は、「健保と厚生年金「船員」の適用で違うところ」です。
では、どうぞ!
問 題
<健康保険法>
船員保険の被保険者(疾病任意継続被保険者を除く。)は、日雇特例被保険者となる場合を除き、健康保険の被保険者となることができない。
<厚生年金保険法>
船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。
【解答】
<健康保険法> 〇
船員保険の被保険者は、健康保険の被保険者にはなりません。なぜなら、職務外の事由による疾病、負傷、死亡、出産については「船員保険」から保険給付が受けられるからです。
なお、船員保険の疾病任意継続被保険者は、健康保険の被保険者となることができるので注意してください。
<厚生年金保険法> 〇
船員は厚生年金保険の被保険者となります。
こちらもどうぞ!
①<厚生年金保険法・H30年出題>
船員法に規定する船員として船舶所有者に2か月以内の期間を定めて臨時に使用される70歳未満の者は、当該期間を超えて使用されないときは、厚生年金保険の被保険者とならない。
②<厚生年金保険法・H25年出題>
船舶使用者に使用される船員であって、その者が継続して4か月を超えない期間季節的業務に使用される場合は、厚生年金保険の被保険者とならない。
【解答】
①<厚生年金保険法・H30年出題> ×
「当該期間を超えて使用されないとき」でも、厚生年金保険の被保険者となる。
・通常
2月以内の期間を定めて使用される者 → 厚生年金保険の被保険者にならない
※ただし、所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合は被保険者となる
・船員
「2月以内の期間」の定めであっても、当初から被保険者となる。(所定の期間を超えなくてもOK)
②<厚生年金保険法・H25年出題> ×
船員の場合は、継続して4か月を超えない季節的業務に使用されても、厚生年金保険の被保険者となります。
社労士受験のあれこれ
R2-237
選択式の練習も大切です。
サラッと読み飛ばしている箇所も、穴埋め式になると意外と迷うものです。
本日は、「協会けんぽの一般保険料率」です。
では、どうぞ!
問 題1
協会 → 全国健康保険協会のことです。
協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、< A >までの範囲内において、< B >(各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。)を単位として協会が決定するものとする。
【選択肢】
① 1000分の10から1000分の120 ② 1000分の20から1000分の130
③ 1000分の30から1000分の130 ④ 支部被保険者
⑤ 協会被保険者 ⑥ 都道府県被保険者
【解答】
A ③ 1000分の30から1000分の130
※健康保険組合管掌の一般保険料率も1000分の30から1000分の130までの範囲内で、健康保険組合ごとに決定します。
B ④ 支部被保険者
※支部被保険者単位で決定する一般保険料率を「都道府県単位保険料率」といいます。
問 題2
協会は、< C >ごとに、翌事業年度以降の< D >間についての協会が管掌する健康保険の被保険者数及び総報酬額の見通し並びに保険給付に要する費用の額、保険料の額(各事業年度において財政の均衡を保つことができる保険料率の水準を含む。)その他の健康保険事業の収支の見通しを作成し、公表するものとする。
【選択肢】
① 1年 ② 2年 ③ 3年 ④ 4年 ⑤ 5年 ⑥ 6年
【解答】
C ② 2年
D ⑤ 5年
※協会は、2年ごとに、翌事業年度以降の5年間について
・被保険者数
・総報酬額の見通し
・保険給付に要する費用の額
・保険料の額
・その他
の収支の見通しを公表するものとされています。
問 題3
協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、理事長が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、< E >の議を経なければならない。
協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、理事長は、その変更について< F >。
【選択肢】
① 評議会 ② 運営委員会 ③ 社会保障審議会
④ 地方社会保険医療協議会の議を経なければならない
⑤ 厚生労働大臣の承認を得なければならない
⑥ 厚生労働大臣の認可を受けなければならない
【解答】
E ② 運営委員会
※ 「運営委員会」は協会に置かれる
「評議会」は支部ごとに設けられる
※ 協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするとき→事前に理事長は各支部の支部長の意見を聴いた上で、運営委員会の議を経なければなりません。
F ⑥ 厚生労働大臣の認可を受けなければならない
こちらもどうぞ!
<H23年出題>
全国健康保険協会が都道府県単位保険料率を変更しようとするときは、あらかじめ、運営委員会が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、理事長に対しその変更について意見の申出を行う。
【解答】 ×
あらかじめ、「理事長」が当該変更に係る都道府県に所在する支部の支部長の意見を聴いた上で、「運営委員会の議を経なければならない」です。
社労士受験のあれこれ
R2-227
選択式の練習も大切です。
サラッと読み飛ばしている箇所も、穴埋め式になると意外と迷うものです。
本日は、「定時決定について」です。
では、どうぞ!
問 題
<定時決定>
保険者等は、被保険者が毎年< A >現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(厚生労働省令で定める者にあっては、11日。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額を< B >で除して得た額を 報酬月額として、標準報酬月額を決定する。
定時決定によって決定された標準報酬月額は、その年の< C >までの各月の標準報酬月額とする。
定時決定は、< D >までの間に被保険者の資格を取得した者及び随時改定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定の規定により < E >までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない。
【選択肢】
① 6月1日 ② 4月1日 ③ 7月1日
④ 6 ⑤ その期間の月数 ⑥ 12
⑦ 9月から翌年の8月 ⑧ 10月から翌年の9月 ⑨ 8月から翌年の7月
⑩ 5月1日から6月1日 ⑪ 6月1日から7月1日 ⑫ 7月1日から8月1日
⑬ 5月から8月 ⑭ 6月から9月 ⑮ 7月から9月
【解答】
A ③ 7月1日
B ⑤ その期間の月数
C ⑦ 9月から翌年の8月
D ⑪ 6月1日から7月1日
E ⑮ 7月から9月
こちらもどうぞ!
<H29年出題>
特定事業所において被保険者である短時間労働者の標準報酬月額の定時決定は、報酬支払いの基礎となった日数が11日未満である月があるときは、その月を除いて行う。また、標準報酬月額の随時改定は、継続した3か月間において、各月とも報酬支払いの基礎となった日数が11日以上でなければ、その対象とはならない。
※ 短時間労働者とは
1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である者又は1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満である者のこと
【解答】 〇
定時決定、随時改定、育児休業を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定については、報酬支払の基礎となった日数が17日以上か17日未満かがポイントになりますが、短時間労働者の場合は17日ではなく11日となります。
こちらもどうぞ!
<H24年出題>
7月1日に被保険者資格を取得した者については、標準報酬月額の定時決定を行わず、資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として翌年の6月30日までの1年間用いることになっている。
【解答】 ×
7月1日に被保険者資格を取得した者 → 定時決定は行わない。
資格取得時に決定された標準報酬月額を、原則として翌年の8月31日まで用いる。
「翌年の6月30日までの1年間用いる」が誤りです。
社労士受験のあれこれ
R2-217
選択式の練習も大切です。
サラッと読み飛ばしている箇所も、穴埋め式になると意外と迷うものです。
本日は、「全国健康保険協会のこと」です。
健康保険の保険者は、「全国健康保険協会」と「健康保険組合」の2つです。
今日は、「全国健康保険協会」について。
ではどうぞ!
問 題
全国健康保険協会について(以下「協会」という。)
協会に、役員として、理事長1人、理事6人以内及び監事2人を置く。
理事長は、協会を代表し、その業務を執行する。
理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、協会の業務を執行することができる。
監事は、協会の業務の執行及び財務の状況を監査する。
理事長及び監事は、< A >が任命する。
理事は、理事長が任命する。
事業主及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に< B >を置く。
< B >の委員は、9人以内とし、事業主、被保険者及び協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、< A >が各同数を任命する。
【選択肢】
① 内閣総理大臣 ② 厚生労働大臣 ③ 社会保障審議会
④運営委員会 ⑤ 評議会 ⑥ 理事会
【解答】
A ② 厚生労働大臣
B ④運営委員会
協会に置かれるのが「運営委員会」、支部ごとに設けられるのが「評議会」です。
引き続きこちらも!
協会の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
協会は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、当該事業年度開始前に、 < C >。これを変更しようとするときも、同様とする。
協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の< D >までに完結しなければならない。
協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後< E >以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
【選択肢】
① 厚生労働大臣に届け出なければならない
② 厚生労働大臣の許可を受けなければならない
③ 厚生労働大臣の認可を受けなければならない
④ 4月30日 ⑤ 5月31日 ⑥ 6月30日
⑦ 1か月 ⑧ 2か月 ⑨ 3か月
【解答】
C ③ 厚生労働大臣の認可を受けなければならない
B ⑤ 5月31日
C ⑧ 2か月
こちらもどうぞ!
<H23年出題>
全国健康保険協会の理事長は全国健康保険協会の業績について事業年度ごとに評価を行い、当該評価の結果を遅滞なく、厚生労働大臣に対して通知するとともに、これを公表しなければならない。
【解答】 ×
厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。
厚生労働大臣は、評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
★評価をするのは厚生労働大臣。評価を行ったら、協会にフィードバックし、公表する。
社労士受験のあれこれ
R2-207
選択式の練習も大切です。
サラッと読み飛ばしている箇所も、穴埋め式になると意外と迷うものです。
本日は、「埋葬料と埋葬費どこが違う?」です。
★埋葬料と埋葬費の違いをしっかり確認しましょう。
ではどうぞ!
問題
① 被保険者が死亡したときは、< A >であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、< B >円を支給する。
② ①により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、< C >に対し、< B >円の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。
【選択肢】
① その者と生計を同じくしていた者 ② 被扶養者
③ その者により生計を維持していた者
④ 30万 ⑤ 10万 ⑥ 5万
⑦ 埋葬を行うべき者 ⑧ 埋葬を行った者 ⑨ 埋葬を行おうとする者
【解答】
A ③ その者により生計を維持していた者
B ⑥ 5万
C ⑧埋葬を行った者
こちらもどうぞ!
<H23年出題>
被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって埋葬を行うものに対して、埋葬料として、政令で定める金額を支給するが、埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対して、前述の埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。
【解答】 〇
埋葬料 → 政令で定める金額(定額5万円)
埋葬費 → 5万円以内で実際に埋葬にかかった費用
では、もう一問
<H28年出題>
被保険者が死亡し、その被保険者には埋葬料の支給を受けるべき者がいないが、別に生計をたてている別居の実の弟が埋葬を行った場合、その弟には、埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額が支給される。
【解答】 〇
死亡した被保険者により生計を維持していた者がいない場合、「埋葬料の支給を受けるべき者」がいませんので、実際に埋葬を行った者に5万円以内で実費が支給されます。問題文の場合は、別に生計をたてている実弟が実際に埋葬を行っていますので、その弟に埋葬費が支給されます。
ちなみに、埋葬料も埋葬費も時効は2年ですが、起算日が異なります。
埋葬料 → 被保険者の「死亡」に対して支給される。時効の起算日は、「死亡日の翌日」
埋葬費 → 実際に埋葬を行ったことに対して支給される。時効の起算日は、「埋葬を行った日の翌日」
社労士受験のあれこれ
R2-197
選択式の練習も大切です。
サラッと読み飛ばしている箇所も、穴埋め式になると意外と迷うものです。
本日は、「短時間労働者の健康保険の適用」です。
・ 平成28年10月1日→ 特定適用事業の短時間労働者に対する適用のルール
・ 平成29年4月1日 → 任意特定適用事業所のルール
がそれぞれ始まりました。
ではどうぞ!
問題
<健康保険の被保険者資格の取得基準>
短時間労働者については、1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数が、同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数の< A >以上である者は、健康保険の被保険者として取り扱う。
【選択肢】
① 2分の1 ② 3分の2 ③ 4分の3
【解答】
A ③ 4分の3
「4分の3基準」といいます。
こちらもどうぞ!
<4分の3基準を満たさない者について>
4分の3基準を満たさない者でも、次の①から⑤までの5つの要件を満たすも