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R5-154
「改定率」は毎年度見直されます。
老齢基礎年金の満額は、780,900円×改定率で計算します。
「改定率」は、毎年度見直しが行われます。
名目手取り賃金変動率と物価変動率
★改定率の改定に使われる指標は、
新規裁定者は「名目手取り賃金変動率」
既裁定者は「物価変動率」
です。
★令和5年度の改定については、
「物価変動率」=+2.5%、「名目手取り賃金変動率」=+2.8%
を用います。
マクロ経済スライドについて
マクロ経済スライドとは?
→ 公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率が設定されます。その率を、賃金と物価の変動がプラスとなる場合は、改定率から控除する仕組みです。
令和5年度の「マクロ経済スライドによるスライド調整率」は-0.3%です。
マクロ経済スライドのキャリーオーバー(未調整分)
マクロ経済スライドによって前年度よりも年金の名目額を下げないという措置は維持した上で、調整できなかった分を翌年度以降に繰り越す制度のことです。
前年度までのマクロ経済スライドの未調整分は、-0.3%です。
令和5年度の改定率
<新規裁定者>
・名目手取り賃金変動率(+2.8%)を用いて改定されます。
さらに、令和5年度のマクロ経済スライドによる調整(-0.3%)と、マクロ経済スライドの未調整分の調整(-0.3%)が行われます。
イメージ
名目手取り 賃金変動率 +2.8
| マクロ経済スライド -0.3 |
マクロ経済スライド未調整分 -0.3 | |
+2.2
|
新規裁定者の改定率=0.996(令和4年度の改定率)×1.022=1.018です。
令和5年度の年金額は780,900円×1.018=795,000円となります。
※100円未満四捨五入しています。
<既裁定者>
・物価変動率(+2.5%)を用いて改定されます。
さらに、令和5年度のマクロ経済スライドによる調整(-0.3%)と、マクロ経済スライドの未調整分の調整(-0.3%)が行われます。
イメージ
物価変動率 +2.5
| マクロ経済スライド -0.3 |
マクロ経済スライド未調整分 -0.3 | |
+1.9
|
既裁定者の改定率=0.996(令和4年度の改定率)×1.019=1.015です。
令和5年度の年金額は780,900円×1.015=792,600円となります。
※100円未満四捨五入しています。
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R5-153
第1号被保険者は、毎月、国民年金の保険料を納付する義務がありますが、収入が少ないなどの場合は、保険料の免除を受けることができます。
免除を受けた期間は保険料免除期間となり、老齢基礎年金の額ではカットされて計算されます。
しかし、保険料を「追納」することにより、保険料免除期間を保険料納付済期間にすることもできます。
今日のテーマは、「追納」です。
条文を読んでみましょう。
第94条第1項 被保険者又は被保険者であった者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、法定免除、申請免除、学生納付特例、納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料及び4分の3免除、半額免除、4分の1免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部につき追納をすることができる。 ただし、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されたときに限る。 |
・老齢基礎年金の受給権者は、追納できません。
・追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限ります。
では、過去問をどうぞ!
【R2年出題】
令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。
【解答】
【R2年出題】 〇
問題文の場合、承認の日の属する月が令和2年4月です。
追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内ですので、令和2年3月から10年以内にあるものです。
問題文の場合は、平成22年4月から平成28年3月分までが、追納できる期間です。
H18年7月 H22年4月 H28年3月
10年以内にないので、追納できない
| 追納できる |
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R5-144
国民年金の任意加入には、「任意加入被保険者」と「特例による任意加入被保険者」があります。
「任意加入被保険者」の目的は2つです。
1つ目は、老齢基礎年金の受給資格を得られない人が、「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」、2つ目は老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人が、「老齢基礎年金を増やすため」です。
なお、「特例による任意加入被保険者」の目的は、1つ目の「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」だけです。
任意加入の条件を条文で読んでみましょう。
附則第5条 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
過去問をどうぞ!
【R2問9-C】
20歳から60歳までの40年間第1号被保険者であった60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、保険料納付済期間を30年間、保険料半額免除期間を10年間有しており、これらの期間以外に被保険者期間を有していない。この者は、任意加入被保険者となることができる。なお、この者は、日本国籍を有し、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
【R2問9-C】 〇
保険料半額免除期間は、老齢基礎年金の額の計算上、4分の3(平成21年4月以降の場合)となります。
問題文の場合、老齢基礎年金の額に反映するのは、保険料納付済期間の月数(360)+保険料半額免除の月数(120月×4分の3)=450月となります。
65歳から受け取ることができる老齢基礎年金は満額ではありませんので、老齢基礎年金を増やすために、60歳から65歳までの間、任意加入することができます。
なお、月数が480に達したとき(=老齢基礎年金が満額になったとき)は、その日に任意加入被保険者の資格を喪失します。
こちらもどうぞ!
【H24問3-C】
65歳未満の任意加入被保険者は、保険料納付済期間や、いわゆる保険料の多段階免除期間(その段階に応じて規定されている月数)を合算し、満額の老齢基礎年金が受けられる480月に達したときは、本人から資格喪失の申出がなくても、被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【H24問3-C】 〇
65歳未満の任意加入被保険者は、保険料納付済期間と多段階免除期間を合算し、満額の老齢基礎年金が受けられる480月に達したときは、その日に被保険者の資格を喪失します。
本人から資格喪失の申出がなくても、自動的に資格喪失になるのがポイントです。
(法附則第5条第5項第4号)
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R5-135
寡婦年金の支給要件のうち、死亡した夫の要件を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第49条 (支給要件) 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が 10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。 ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。
60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。 |
「夫」の条件を確認しましょう。
・ 死亡日の前日に、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、10年以上あること
※保険料免除期間は、「学生納付特例期間及び納付猶予期間」以外となっていますので、「学生納付特例期間及び納付猶予期間」しか有しない場合は、寡婦年金は支給されません。
・老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けていないこと
では、過去問をどうぞ!
①【R2問9-A 】
68歳の夫(昭和27年4月2日生まれ)は、65歳以上の特例による任意加入被保険者として保険料を納付し、令和2年4月に老齢基礎年金の受給資格を満たしたが、裁定請求の手続きをする前に死亡した。死亡の当時、当該夫により生計を維持し、当該夫との婚姻関係が10年以上継続した62歳の妻がいる場合、この妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給していなければ、妻には65歳まで寡婦年金が支給される。なお、死亡した夫は、障害基礎年金の受給権者にはなったことがなく、学生納付特例の期間、納付猶予の期間、第2号被保険者期間及び第3号被保険者期間を有していないものとする。
②【R2年問4-E】
夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合には、他の要件を満たしていても、その者の妻に寡婦年金は支給されない。
【解答】
①【R2問9-A 】 ×
死亡した夫は、「第1号被保険者」としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上あることが条件です。
特例による任意加入被保険者は、寡婦年金については、「第1号被保険者」とみなされないのがポイントです。
特例による任意加入被保険者として保険料を納付した期間は計算に入りませんので、10年以上という要件を満たせません。そのため、妻に寡婦年金は支給されません。
★「任意加入被保険者」と「特例による任意加入被保険者」が第1号被保険者とみなされるか否かはポイントですので、おさえておきましょう。
<第1号被保険者とみなされるもの、みなされないもの>
| 付加保険料納付 | 寡婦年金 | 死亡一時金 | 脱退一時金 |
任意加入被保険者 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特例による 任意加入被保険者 | × | × | 〇 | 〇 |
(附則第5条第9項、H16法附則第23条第9項)
②【R2年問4-E】 ×
老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を「受けたことがある夫」が死亡したときは、寡婦年金は支給されません。
しかし、問題文のように、夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合は、夫は老齢基礎年金を「受けたことがない」ため、他の要件を満たせば、妻に寡婦年金が支給されます。
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R5-129
平成25年の国民年金の過去問についてご質問がありました。
「任意加入」がテーマの問題です。今日はご質問にお答えします。
まず、任意加入の条件を条文で読んでみましょう。
附則第5条 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
任意加入する目的は2つです。
1つ目は、老齢基礎年金の受給資格がない人が、「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」、2つ目は老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人が、「老齢基礎年金を増やすため」です。
では、過去問をどうぞ!
【H25年問8-C】
大学を22歳で卒業後就職し厚生年金保険の被保険者であった女性が、26歳で退職と同時に厚生年金保険の被保険者である会社員と結婚し被扶養配偶者となった、その後国民年金には未加入、昭和61年4月から第3号被保険者となった。この者は60歳から報酬比例部分相当の老齢厚生年金の支給が開始されるため、国民年金の任意加入の申出をしても任意加入被保険者になることはできない。
※設問の女性は昭和29年4月2日生まれとし、「現在」は平成25年4月12日とする。
【解答】
【H25年問8-C】 ×
設問の場合、国民年金の任意加入の申出をすれば、任意加入被保険者になることができます。
まず、設問の女性の年金履歴を確認しましょう。
・22歳から26歳まで → 厚生年金保険の被保険者
・26歳から昭和61年3月まで → 未加入(会社員の被扶養配偶者)
・昭和61年4月から平成26年3月まで → 第3号被保険者
なお、26歳から昭和61年3月までの未加入期間は「合算対象期間」となります。
老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていて、かつ、第1号厚生年金被保険者の期間が1年以上ありますので、60歳から「特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分」が支給されます。
ポイント!
・受給資格は満たしていますので、65歳から老齢基礎年金を受給できます。しかし、20歳から22歳までが空白になっているのと、26歳からの合算対象期間がありますので、老齢基礎年金は満額ではありません。
任意加入の目的の2つ目の「老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人」に該当しますので、保険料納付済期間を増やすため、60歳から65歳まで任意加入することができます。(法附則第5条第1項第2号に該当します)
・「特別支給の老齢厚生年金」の支給が開始されても、任意加入して老齢基礎年金を増やすことは可能です。
では、こちらの過去問をどうぞ!
【R2年問9-B】
60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和31年4月2日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができない。
【解答】
【R2年問9-B】 ×
特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中でも、任意加入することは可能です。
日本国内に住所を有していなくても日本国籍を有している場合は、法附則第5条第1項第3号「日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの」に該当しますので、任意加入被保険者の申出をすることができます。
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R5-123
法定免除事由に該当した場合、保険料が免除されるのはいつからいつまででしょうか?
では、条文を読んでみましょう。
第89条 1 被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 ① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 ② 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ③ 厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。
2 法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、法定免除の規定は適用しない。 |
法定免除の要件に該当した場合は、当然に保険料が免除されますので、免除の申請をする必要はありません。
※法定免除事由に該当するに至ったときは、当該事実があった日から14日以内に、市町村長に届書を提出する必要があります。(則第75条)
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-D】
被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者ではないものとする。)が保険料の法定免除の要件に該当するに至ったときは、その要件に該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
【解答】
【問9-D】 〇
法定免除の要件に該当するに至ったときは、保険料は当然に免除されます。
例えば、令和4年12月に要件に該当した場合は、令和4年11月(該当するに至った日の属する月の前月)から免除されます。国民年金の保険料の納期限は翌月末日ですので、免除事由に該当した12月に期限がくる11月分から免除となります。
「免除事由に該当しなくなる日の属する月」まで免除されます。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
第1号被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者を除く。)が生活保護法による生活扶助を受けるに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月からこれに該当しなくなる日の属する月の前月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
法定免除される期間は、その該当するに至った日の属する月の「前月」からこれに該当しなくなる日の属する「月」までの期間です。
なお、生活保護法には8種類の扶助がありますが、法定免除の事由に該当するのは「生活扶助」のみです。
こちらの過去問もどうぞ!
②【H26年出題】
法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。
③【R2年出題】
障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。
④【R2年出題】
第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
法定免除事由に該当すると当然に保険料は免除されますが、希望すれば、保険料を納付することができます。
③【R2年出題】 〇
②の問題と同じです。
保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができます。
④【R2年出題】 〇
法定免除事由に該当した場合、14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければなりません。法定免除事由に該当していることを、知ってもらうためです。
そのため、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、届出は不要です。
(則第75条)
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R5-122
国民年金の強制加入被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者がありますが、それぞれの資格喪失事由と喪失日を確認しましょう。
条分を読んでみましょう。
第9条 (資格喪失の時期) 被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(②に該当するに至った日に更に第2号被保険者若しくは第3号被保険者に該当するに至ったとき又は③から⑤までのいずれかに該当するに至ったとき(④については、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったときに限る。)は、その日)に、被保険者の資格を喪失する。 ① 死亡したとき。 ② 日本国内に住所を有しなくなったとき(第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)。 ③60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)。 ④ 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者となったとき(第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)。 ⑤厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したとき(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者のいずれかに該当するときを除く。)。 ⑥ 被扶養配偶者でなくなったとき(第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときを除く。)。 |
ポイント!
・例えば、40歳で会社を退職し自営業を始めた場合、国民年金の種別は第2号被保険者から第1号被保険者に変わります。その場合、「第2号被保険者資格を喪失→第1号被保険者資格を取得」という流れではなく、第1号被保険者から第2号被保険者に「種別変更」となります。
その後、第1号被保険者のまま60歳に達したときは、そこで国民年金の被保険者の資格を喪失します。
「資格喪失」とは国民年金の被保険者資格を喪失するという意味です。「種別変更」とは違いますので注意しましょう。
・第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の定義をおさえましょう。それぞれ、その条件に当てはまらなくなったときに資格を喪失します。
・「翌日喪失」か「当日喪失」かを覚えましょう。死亡による喪失の場合は「翌日」、年齢による喪失の場合は「当日」が覚えやすいです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-E】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に資格を喪失する。
【解答】
【問8-E】 〇
第1号被保険者と第3号被保険者は「20歳以上60歳未満」という年齢要件がありますので、「60歳」で資格を喪失します。
年齢で資格を喪失する場合は「当日喪失」です。また「60歳に達した日」=「60歳の誕生日の前日」です。例えば、令和4年12月28日が60歳の誕生日なら、令和4年12月27日に資格を喪失します。
なお、第2号被保険者には20歳以上60歳未満の年齢要件がありませんので、60歳に達しても資格は喪失しません。
また、死亡の場合は「翌日喪失」です。第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者共通です。
過去問をどうぞ!
【H25年出題】 ※改正による修正あり
厚生年金保険の被保険者は、60歳に達した日に国民年金の被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【H25年出題】 ×
厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)は、60歳に達しても国民年金の被保険者の資格を喪失しません。
厚生年金保険の被保険者が国民年金の第2号被保険者の資格を喪失するのは、原則として、「65歳に達した日」となります。
※老齢基礎年金等の受給権を有しない厚生年金保険の被保険者は、65歳以降も国民年金の第2号被保険者です。
(法附則第4条)
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R5-121
老齢基礎年金の受給資格は、「保険料納付済期間」+「保険料免除期間」が10年以上あることですが、10年未満の場合は、附則第9条の特例により「合算対象期間」も合算して10年以上あれば受給資格を満たします。
「合算対象期間」は、受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の額には反映しませんので、カラ期間ともいわれます。
今日のテーマは、「第2号被保険者」としての被保険者期間のうちの合算対象期間です。
では、条文を読んでみましょう。
(昭60年法附則第8条第4項) 当分の間、第2号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間を有する者の20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間に係る当該保険料納付済期間は、国民年金法第26条(老齢基礎年金の支給要件)及び第27条(老齢基礎年金の年金額)の適用については、同法第5条第1項の規定にかかわらず、保険料納付済期間に算入せず、合算対象期間に算入する。 |
老齢基礎年金の年金額は、第1号被保険者の年齢(20歳以上60歳未満)の基準に合わせています。20歳から60歳までの40年間すべて保険料納付済期間なら満額が支給される仕組みです。
しかし、第2号被保険者については、厚生年金保険の被保険者なら20歳前でも60歳以上でも原則第2号被保険者となります。
そのため、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、老齢基礎年金の受給資格や年金額について「保険料納付済期間」として扱われるのは、「20歳以上60歳未満」の期間です。20歳未満、60歳以後の期間は「合算対象期間」となります。
※例えば、18歳から63歳まで厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)だった場合
18歳 20歳 60歳 63歳
厚生年金保険の被保険者(=第2号被保険者) | ||
カラ期間 | 保険料納付済期間 | カラ期間 |
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-D】
大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
【問8-D】 ×
問題文の場合、厚生年金保険の被保険者期間のうち、60歳~65歳までの5年間は、合算対象期間です。42年間のうちその5年間は、老齢基礎年金の額の計算には算入されませんので、老齢基礎年金は満額になりません。
20歳 23歳 60歳 65歳
未加入 | 厚生年金保険の被保険者(=第2号被保険者) | |
保険料納付済期間 (37年) | 合算対象期間 (5年) |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、合算対象期間とされ、この期間は老齢基礎年金の年金額の計算に関しては保険料納付済期間に算入されない。
②【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間と60歳以後の期間は、「合算対象期間」です。老齢基礎年金の年金額を計算する場合は、保険料納付済期間には算入されません。
②【H24年出題】 ×
障害基礎年金には、合算対象期間という扱いがありません。そのため、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間も、受給資格期間・年金額の計算ともに「保険料納付済期間」とされます。
なお、遺族基礎年金も障害基礎年金と同じ扱いです。
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R5-120
付加年金の計算式を確認しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第87条の2第1項 第1号被保険者(保険料の免除を受けている者、国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、国民年金の保険料のほか、400円の付加保険料を納付する者となることができる。
第43条 付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条 付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。 |
付加保険料は月400円で、申出をした月から納付できます。
付加年金は200円×付加保険料の納付月数で計算され、老齢基礎年金に上乗せされて支給されます。
付加保険料を40年(480月)納付した場合は、付加年金の計算式は200円×480月で、年間96,000円となります。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-B】
第1号被保険者期間中に支払った付加保険料に係る納付済期間を60月有する者は、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときに、老齢基礎年金とは別に、年額で、400円に60月を乗じて得た額の付加年金が支給される。
【解答】
【問9-B】 ×
付加保険料の納付済期間が60月の場合、付加年金の額は年額で、「200円」に60月を乗じて得た額となります。
付加保険料は月400円ですが、付加年金の計算は「200円」で計算するのがポイントです。
付加保険料を60月間納付した場合、納付した付加保険料はトータルで、400円×60月=24,000円です。
一方、65歳から支給される付加年金は、200円×60月で、年額12,000円です。
付加年金を2年受給すれば、納付した付加保険料とイコールになる計算です。
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
付加保険料に係る保険料納付済期間を300か月有する者が、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときには、年額60,000円の付加年金が支給される。
②【H29年出題】
寡婦年金及び付加年金の額は、毎年度、老齢基礎年金と同様の改定率によって改定される。
【解答】
①【H27年出題】 〇
付加年金の額は、200円×300か月=年額60,000円です。
②【H29年出題】 ×
付加年金の額には、改定率による改定はありません。
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R5-100
厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となります。
第1号被保険者と第3号被保険者は、20歳以上60歳未満という年齢要件がありますが、第2号被保険者には、年齢要件がないのがポイントです。
ただし、65歳以上の厚生年金保険の被保険者については、老齢基礎年金・老齢厚生年金等の受給権の有無で扱いが変わりますので、注意しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第7条第1項第2号・法附則第3条 厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者とする。 65歳以上の者にあっては、老齢厚生年金、老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。 |
ポイント!
厚生年金保険の被保険者で65歳以上の者については、老齢基礎年金、老齢厚生年金等の受給権を有している場合は、第2号被保険者となりません。
★65歳の厚生年金保険の被保険者で老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給権がある場合
65歳 70歳
厚生年金保険の被保険者 | |
国民年金第2号被保険者 |
|
▲国民年金の資格喪失
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問7-A】
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【問7-A】 〇
65歳以上の厚生年金保険の被保険者で、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している場合は、国民年金の第2号被保険者にはなりません。
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、65歳に達したときに、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失します。
(法附則第4条)
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者の収入によって生計を維持する55歳の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
②【H26年出題】※改正による修正あり
65歳以上の厚生年金保険の被保険者は、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していなくても、障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していれば、第2号被保険者とならない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
第3号被保険者は、「第2号被保険者の配偶者」であることが条件です。
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者は、第2号被保険者ではありませんので、55歳の配偶者は第3号被保険者となりません。
②【H26年出題】 × ※改正による修正あり
老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していない65歳以上の厚生年金保険の被保険者は、第2号被保険者となります。
障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していても、老齢又は退職の年金の受給権がなければ第2号被保険者となります。
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R5-099
今日は、寡婦年金が受給できる妻の年齢について確認しましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
第49条 (寡婦年金の支給要件) ① 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。 ③ 60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。 |
寡婦年金の受給権が発生するのは、「夫との婚姻関係が10年以上継続した『65歳未満』の妻」です。
年金の支給は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月」から始まります。しかし、寡婦年金の場合、60歳未満の妻については、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から始まるのがポイントです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問3-B】
第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が25年以上あり、老齢基礎年金及び障害基礎年金の支給を受けたことがない夫が死亡した場合において、死亡の当時当該夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した妻が60歳未満であるときは、寡婦年金の受給権が発生する。
【解答】
【問3-B】 〇
寡婦年金の受給要件は「65歳未満の妻」です。「妻が60歳未満」であるときは、寡婦年金の受給権が発生します。
過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した60歳以上65歳未満の妻に限り受給権が発生する。
②【H20年出題】
夫の死亡の当時に60歳未満であった妻に支給される寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給が開始され、65歳に達した日の属する月まで支給される。
【解答】
①【H20年出題】 ×
寡婦年金の受給権が発生するのは、「65歳未満の妻」です。「60歳以上65歳未満」の妻に限りの部分が誤りです。
②【H20年出題】 〇
夫の死亡の当時に60歳未満の妻にも寡婦年金の受給権は発生しますが、支給は妻が「60歳に達した日の属する月の翌月」から開始されます。
なお、寡婦年金は老齢基礎年金が受給できるまでの有期年金ですので、65歳に達したときに失権します。支給されるのは、「65歳に達した日の属する月」までです。
(法第51条)
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R5-098
学生納付特例事務法人制度は、学生が、学生納付特例の申請手続きをしやすくするために、学生の委託を受けた大学が、学生納付特例申請の代行を行う制度です。
学生納付特例事務法人の行う事務について条文で確認しましょう。
第109条の2の2第1項(学生納付特例の事務手続に関する特例) 国及び地方公共団体並びに国立大学法人法に規定する国立大学法人、地方独立行政法人法に規定する公立大学法人及び私立学校法に規定する学校法人その他の政令で定める法人であって、厚生労働大臣がこれらの法人からの申請に基づき、学生納付特例申請に関する事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして指定するもの(以下「学生納付特例事務法人」という。)は、その設置する学校教育法に規定する大学その他の政令で定める教育施設において学生等被保険者の委託を受けて、学生等被保険者に係る学生納付特例申請をすることができる。 |
★大学等の教育施設では、学生等被保険者に係る学生納付特例申請の代行ができます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問1-A】
国民年金法第109条の2の2に規定する学生納付特例事務法人は、その教育施設の学生等である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る学生納付特例申請及び保険料の納付に関する事務を行うことができる。
【解答】
【問1-A】 ×
学生納付特例事務法人は、学生等被保険者の委託を受けて、学生納付特例申請の事務を行います。「保険料の納付」に関する事務は行うことができません。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
学生等被保険者が学生納付特例事務法人に学生納付特例申請の委託をしたときは、障害基礎年金の保険料納付要件に関しては、当該委託をした日に、学生納付特例申請があったものとみなされる。
【解答】
【H27年出題】 〇
法第109条の2の2第2項で、「学生等被保険者が学生納付特例事務法人に学生納付特例申請の委託をしたときは、当該委託をした日に、学生納付特例申請があったものとみなす。」と規定されています。
なお、第3項では、「学生納付特例事務法人は、学生等被保険者から学生納付特例申請の委託を受けたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該学生納付特例申請をしなければならない。」とされています。
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R5-078
厚生年金保険の実施者たる政府、実施機関たる共済組合等は、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担します。
条文を読んでみましょう。
第94条の2(基礎年金拠出金) ① 厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。 ② 実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。 |
次に「基礎年金拠出金」の額について条文を読んでみましょう。
第94条の3 基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者(厚生年金保険の実施者たる政府にあっては、第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とし、実施機関たる共済組合等にあっては、当該実施機関たる共済組合等に係る被保険者(国家公務員共済組合連合会にあっては当該連合会を組織する共済組合に係る第2号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とし、地方公務員共済組合連合会にあっては当該連合会を組織する共済組合に係る第3号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とし、日本私立学校振興・共済事業団にあっては第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とする。)とする。)の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。 |
基礎年金拠出金の額は、「保険料・拠出金算定対象額」に「被保険者の総数」に対する「第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)と第3号被保険者の総数」の比率を乗じて得た額となります。
令和4年の問題をどうぞ!
【問8-C】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
【解答】
【問8-C】 ×
基礎年金拠出金の額は、「被保険者の総数」に対する「第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)と第3号被保険者の総数」の比率を使って計算します。「被保険者の総数」には、第1号被保険者数も入りますが、その数は、「保険料納付済期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数」です。
「保険料全額免除期間」は入りません。保険料を全額又は一部納付している人が対象です。
(施行令第11条の3)
では、過去問もどうぞ!
①【R2年選択】
国民年金法第94条の2第1項では、「厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。」と規定しており、同条第2項では、「< A >は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。」と規定している。
②【H23年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間に限られ、保険料免除期間を有する者及び保険料未納者は除かれる。
③【R1年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者は、第1号被保険者数にあっては、保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者であり、第2号被保険者及び第3号被保険者にあってはすべての者である。
【解答】
①【R2年選択】
A 実施機関たる共済組合等
②【H23年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間と保険料一部免除期間を有する者が算入されます。除外されるのは、保険料を納付していない「保険料全額免除」及び「保険料未納者」です。
(施行令第11条の3)
③【R1年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者について
・第1号被保険者数 → 保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者
・第2号被保険者 → 20歳以上60歳未満の者
・第3号被保険者 → すべての者
となります。
第2号被保険者はすべての者ではなく年齢要件がありますので注意してください。
(施行令第11条の3)
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R5-077
老齢基礎年金の支給については、原則として保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して10年以上あることが条件です。
「学生の納付特例」の期間は、老齢基礎年金の額に反映されるでしょうか?それとも反映されないでしょうか?
まず、条文読んでみましょう。
第26条 (支給要件) 老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。 |
「保険料免除期間」が2か所出てきます。
1つめの保険料免除期間はかっこ書きで学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものが除かれています。
学生納付特例によって猶予された保険料については、老齢基礎年金の年金額の計算には反映しません。65歳で老齢基礎年金が支給されるのは、「保険料納付済期間」と「学生納付特例期間以外の保険料免除期間」を有する者だけですので注意してください。
しかし、2つ目の保険料免除期間についてはかっこ書きがありません。受給資格期間の10年には、学生納付特例期間も算入されるからです。
※「納付猶予」の期間も学生納付特例期間と同じように扱われます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-B】
国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。
【解答】
【問8-B】 ×
学生納付特例の期間、納付猶予の期間のどちらも、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映しません。
(第26条、H26法附則第14条)
過去問もどうぞ!
①【H29年出題】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料が追納されていなければ、老齢基礎年金の額には反映されない。
②【R1年出題】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間を10年以上有し、当該期間以外に被保険者期間を有していない者には、老齢基礎年金は支給されない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがないものとする。
【解答】
①【H29年出題】 〇
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料を追納すれば老齢基礎年金の額には反映しますが、追納しなければ老齢基礎年金の計算には入りません。
②【R1年出題】 〇
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間だけで10年以上有している場合、どちらも老齢基礎年金の額には反映しませんので、65歳になっても老齢基礎年金は支給されません。
※なお、婚姻していて振替加算の要件に該当する場合は、振替加算に相当する額の老齢基礎年金が支給される可能性があります。
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R5-076
障害基礎年金の受給権者に、さらに障害基礎年金の受給権が発生した場合は、前後の障害が併合されます。
条文を読んでみましょう。
第31条 (併給の調整) ① 障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ② 障害基礎年金の受給権者が前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は、消滅する。 |
★前後の障害が併合された場合、従前の障害基礎年金の受給権は消滅するのがポイントです。
では、併合の際、障害基礎年金のどちらかが支給停止されている場合の条文も読んでみましょう。
第32条 ① 期間を定めて支給を停止されている障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金は、従前の障害基礎年金の支給を停止すべきであった期間、その支給を停止するものとし、その間、その者に従前の障害を併合しない障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ② 障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が第36条第1項の規定(労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給を停止する。)によりその支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対して従前の障害基礎年金を支給する。 |
★①は前の障害基礎年金が支給停止されている場合、②は後の障害基礎年金が支給停止されている場合です。
片方が支給停止されている間は、併合しない障害基礎年金が支給されます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問5-A】
障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が国民年金法第36条第1項(障害補償による支給停止)の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対し同法第31条第1項(併合認定)の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
【解答】
【問5-A】 ×
「併合認定の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。」の部分が誤りです。
新たに取得した障害基礎年金が障害補償による支給停止の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間は、併合した障害基礎年金ではなく、「従前の障害基礎年金」が支給されます。
過去問もどうぞ!
①【R1年出題】
障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金が支給されるが、当該前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する
②【H26年出題】
精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金を30歳の時から継続して受給している者が、第1号被保険者であった45歳のときに、事故で足にけがをし、その障害認定日(平成26年4月11日)において障害等級1級の状態に該当した。この場合、精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金と足の障害による障害等級1級の障害基礎年金は、どちらかの選択となるが、年金受給選択申出書を提出しない場合は、引き続き精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金が支給される。
【解答】
①【R1年出題】 〇
第31条の「併合の調整」の条文からの出題です。前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅するのがポイントです。
②【H26年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者に、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じていますので、第31条の併合の対象となります。精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金と足の障害による障害等級1級の障害基礎年金は、どちらかの選択ではなく、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得します。この場合、従前の障害基礎年金の受給権は消滅します。
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R5-075
日本国籍を有しない人が、国民年金の資格を喪失し日本国内に住所を有しなくなった場合、脱退一時金の請求ができます。
今日は脱退一時金の請求要件を確認しましょう。
まず条文を読んでみましょう。
法附則第9条の3の2第1項 (日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給) 当分の間、保険料納付済期間等の月数(請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数をいう。)が6月以上である日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る。)であって、第26条ただし書に該当するものその他これに準ずるものとして政令で定めるものは、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 1 日本国内に住所を有するとき。 2 障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがあるとき。 3 最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき。 |
脱退一時金の請求要件
・ 請求日の前日に、第1号被保険者としての被保険者期間に係る次の期間が6月以上あること(※任意加入被保険者・特例任意加入被保険者も含みます)
「保険料納付済期間の月数」+「保険料4分の1免除期間の月数×4分の3」+「保険料半額免除期間の月数×2分の1」+「保険料4分の3免除期間の月数×4分の1」
・ 国民年金の被保険者でないこと
・ 第26条ただし書に該当するもの(老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていないこと)
・ 日本国内に住所を有していないこと
・ 障害基礎年金などの受給権を有したことがないこと
・ 最後に公的年金の被保険者の資格を喪失した日から2年経過していないこと
(資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年経過していないこと)
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問3-C】
脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。
【解答】
【問3-C】 〇
日本国内に住所を有する場合は、脱退一時金の請求はできません。
最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、請求することが条件です。
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①【R2年出題】
第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を6か月以上有する日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る。)が、日本国内に住所を有する場合、脱退一時金を受けることはできない。
②【H23年出題】
脱退一時金の支給要件の1つとして、最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過していることが必要である。
③【H30年出題】
障害基礎年金の受給権者であっても、当該障害基礎年金の支給を停止されている場合は、脱退一時金の支給を請求することができる。
【解答】
①【R2年出題】 〇
日本国内に住所を有する場合は、脱退一時金は受けられません。
②【H23年出題】 ×
最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して「2年を経過」している場合は、脱退一時金は請求できません。
最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して「2年以内」に請求することが条件です。
③【H30年出題】 ×
「障害基礎年金の受給権を有したことがあるとき」は、脱退一時金は請求できません。障害基礎年金の受給権を有した場合は、たとえ障害基礎年金の支給を停止されていても、脱退一時金は請求できません。
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R5-058
振替加算が行われるのは、大正15年4月2日~昭和41年4月1日までの間に生まれた者です。
大正15年4月1日以前生まれの者は「旧法」の対象者で老齢基礎年金が支給されませんので、振替加算も行われません。
また、昭和41年4月2日以降生まれの者にも振替加算は行われません。昭和41年4月2日以降生まれの者は、新法施行日(昭和61年4月1日)に20歳未満です。
20歳から60歳まで会社員の被扶養配偶者だったとしても、すべて第3号被保険者となり満額の老齢基礎年金が支給されるからです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-A】
老齢基礎年金のいわゆる振替加算が行われるのは、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者であるが、その額については、受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率を乗じて得た額となる。
【解答】
【問9-A】 ×
振替加算の額は、「受給権者の老齢基礎年金の額」ではなく、「224,700円×改定率」に受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率を乗じて得た額となります。
なお、224,700円×改定率は、加給年金額と同じ額です。
「受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率」は、1.000から0.067までです。
生年月日が最も古い大正15年4月2日~昭和2年4月1日生まれの率は、1.000ですので、振替加算の額は224,700円×改定率×1.000で加給年金額と同じです。
昭和36年4月2日から昭和41年4月1日以前生まれの率は、0.067です。
生年月日が若くなるほど、率が小さくなることがポイントです。20歳から60歳まで会社員に扶養される配偶者だった場合、若い人ほどカラ期間が短く、第3号被保険者期間が長くなるからです。
(S60年附則第14条)
過去問もどうぞ!
【H28年出題】
振替加算の額は、その受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額として算出される。
【解答】
【H28年出題】 ×
振替加算の額は、「224,700円×改定率」に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額です。
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R5-057
今日は、付加年金と死亡一時金の加算額の国庫負担の割合を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
S60年法附則第34条第1項第1号(国民年金事業に要する費用の負担の特例) 国庫は、当分の間、毎年度、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。 |
死亡一時金の額は、保険料納付済期間と保険料免除期間の月数に応じて、12万円から32万円で、付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である場合は、8500円が加算されます。
条文の「死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)」のかっこ書きは、「同法第52条の4第1項に定める額(12万円から32万円)の給付に要する費用を除く」となります。
この部分は、「死亡一時金の給付に要する費用(付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の加算額の給付に要する費用)」と読んでください。
令和4年の問題をどうぞ!
【問6-D】
国庫は、当分の間、毎年度、国民年金事業に要する費用に充てるため、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。
【解答】
【問6-D】 〇
「付加年金の給付に要する費用」と「付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の加算額の給付に要する費用」の給付に要する費用については、4分の1を国庫が負担します。
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
国民年金法の付加年金及び死亡一時金の給付に要する費用は、その全額が第1号被保険者の保険料によって賄われる。
②【H26年出題】
付加年金の給付に要する費用については、その3分の1を国庫が負担する。
③【H26年出題】
付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の額の加算額の給付に要する費用については、その4分の1を国庫が負担する。
【解答】
①【H23年出題】 ×
「付加年金」と「死亡一時金の加算額」に要する費用は、4分の1が国庫負担で賄われます。
②【H26年出題】 ×
付加年金の給付に要する費用については、その「4分の1」を国庫が負担します。
③【H26年出題】 〇
死亡一時金の額の加算額(付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合の加算額)の給付に要する費用については、その「4分の1」を国庫が負担します。
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R5-056
付加保険料は月額400円です。
付加保険料を納付した人には、老齢基礎年金の受給権を取得したときに、付加年金も支給されます。
付加年金は、200円×付加保険料納付済期間の月数で計算します。
条文を読んでみましょう。
第43条 (支給要件) 付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条 (年金額) 付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
第47条 (支給停止) 付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。
第48条 (失権) 付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。 |
では、令和4年の問題をどうぞ!
①【問3-A】
付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。
②【問3-E】
老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。
【解答】
①【問3-A】 〇
付加年金は老齢基礎年金とセットになる年金です。老齢基礎年金と老齢厚生年金を併給する場合は、付加年金も支給されます。
②【問3-E】 〇
障害基礎年金を選択した場合は、老齢基礎年金は支給停止されます。老齢基礎年金が全額支給停止されている間は付加年金も支給停止されます。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
付加年金の受給権は、老齢基礎年金の受給権と同時に発生し、老齢基礎年金の受給権と同時に消滅する。また、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、付加年金も停止される。
②【H26年出題】
65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金を併給するときには、付加年金は支給停止される。
③【H21年出題】
遺族基礎年金の受給権者が65歳に達し、さらに老齢基礎年金と付加年金の受給権を取得したときは、その者の選択により遺族基礎年金か老齢基礎年金のいずれか一方が支給されるが、遺族基礎年金を選択した場合も付加年金が併せて支給される。
【解答】
①【H25年出題】 〇
付加年金は老齢基礎年金とセットです。付加年金の受給権は、老齢基礎年金と同時に発生し、老齢基礎年金の受給権と同時に消滅します。また、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、付加年金も停止されます。
②【H26年出題】 ×
老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給する場合も、老齢基礎年金が支給されているなら、付加年金も支給されます。
③【H21年出題】 ×
遺族基礎年金を選択した場合は、老齢基礎年金が支給停止されます。老齢基礎年金がその全額につき支給停止されているときは、その間、付加年金も支給停止になります。「遺族基礎年金を選択した場合も付加年金が併せて支給される。」の部分が誤りです。
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R5-055
もし、国の年金記録が事実と異なっているなら、正確な年金額が算定できません。年金記録が事実と異なると思われる場合は、国に年金記録の訂正を請求することができます。
条文を読んでみましょう。
第14条(国民年金原簿) 厚生労働大臣は、国民年金原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号その他厚生労働省令で定める事項を記録するものとする。 |
第14条の2(訂正の請求) 被保険者又は被保険者であった者は、国民年金原簿に記録された自己に係る特定国民年金原簿記録(被保険者の資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況その他厚生労働省令で定める事項の内容をいう。)が事実でない、又は国民年金原簿に自己に係る特定国民年金原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、国民年金原簿の訂正の請求をすることができる。 |
附則第7条の5 (国民年金原簿の特例等) 第14条及び第14条の2の規定の適用については、当分の間、被保険者とあるのは、「第2号被保険者のうち第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者であるものを除く。」とする。 |
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問1-B】
厚生労働大臣に対する国民年金原簿の訂正の請求に関し、第2号被保険者であった期間のうち国家公務員共済組合、地方公務員共済組合の組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者であった期間については、国民年金原簿の訂正の請求に関する規定は適用されない。
【解答】
【問1-B】 〇
第14条の2の厚生労働大臣に対する国民年金原簿の訂正の請求については、第2号被保険者であった期間のうち国家公務員共済組合、地方公務員共済組合の組合員、私立学校教職員共済制度の加入者であった期間は、除かれます。
過去問をどうぞ!
【R2年出題】
国家公務員共済組合の組合員、地方公務員共済組合の組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者に係る被保険者としての氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号その他厚生労働省令で定める事項については国民年金原簿に記録するものとされていない。
【解答】
【R2年出題】 〇
第2号被保険者のうち、国民年金原簿の記録の対象となる被保険者は、当分の間、第1号厚生年金被保険者のみです。
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R5-042
障害基礎年金は、①初診日要件、②障害認定日要件、③保険料納付要件の3つの要件を満たした場合、障害認定日に受給権が発生します。
今日のテーマは障害認定日の定義です。
では、条文を読んでみましょう。
第30条 (支給要件) ① 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 1 被保険者であること。 2 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 ② 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。 |
★障害基礎年金は、障害認定日に障害等級(1級及び2級)に該当する場合に支給されます。
障害認定日は、「初診日から起算して1年6か月を経過した日」ですが、「その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)」となります。
※ちなみに「初診日」は、「傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」です。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問10-C】
障害基礎年金は、傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日である障害認定日において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに支給される(当該障害基礎年金に係る保険料納付要件は満たしているものとする。)が、初診日から起算して1年6か月を経過した日前にその傷病が治った場合は、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)を障害認定日とする。
【解答】
【問10-C】 〇
障害認定日は、
・傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日
・傷病が治った場合は、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)
のどちらか早い方です。
障害認定日は遅くても「初診日から起算して1年6か月を経過した日」となります。
では、過去問もどうぞ!
①【H24年出題】
初診日から起算して、1年6か月を経過した日又はその期間後に傷病が治った場合は、その治った日を障害認定日とする。
②【H27年出題】
障害基礎年金の障害認定日について、当該傷病に係る初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となるが、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も傷病が治った日として取り扱われる。
【解答】
①【H24年出題】 ×
「その期間後に傷病が治った」の部分が誤りです。
「初診日から起算して、1年6か月を経過した日」又はその「期間内」に傷病が治った場合は、その治った日が障害認定日となります。
②【H27年出題】 〇
「症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日」も傷病が治った日として取り扱われます。
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R5-041
厚生年金保険の被保険者は、国民年金では第2号被保険者として位置づけられています。
第1号被保険者と第3号被保険者には「20歳以上60歳未満」の年齢要件がありますが、第2号被保険者にはその要件が無いのがポイントです。
今日のテーマは第2号被保険者の20歳未満と60歳以上の部分の扱いです。
では、条文で第2号被保険者の定義を読んでみましょう。
第7条・附則第3条 厚生年金保険の被保険者(65歳以上の者にあっては、老齢厚生年金、老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。)は国民年金の第2号被保険者とする。 |
第2号被保険者には、20歳以上60歳未満の年齢要件がありません。そのため、厚生年金保険の被保険者は20歳未満でも60歳以上でも国民年金の第2号被保険者となります。
ただし、65歳以上の厚生年金保険の被保険者で、老齢基礎年金・老齢厚生年金など「老齢又は退職を支給事由とする年金」の受給権がある場合は、第2号被保険者から除かれます。
では、次に「老齢基礎年金」の保険料納付済期間の定義を条文で読んでみましょう。
昭和60年改正法附則第8条第4項 当分の間、第2号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間を有する者の20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間に係る当該保険料納付済期間は、老齢基礎年金の規定の適用については、保険料納付済期間に算入せず、合算対象期間に算入する。
|
老齢基礎年金の年金額の計算は、第1号被保険者の年齢に合わせて20歳以上60歳未満の40年間が基本になります。
そのため厚生年金保険の被保険者の20歳未満60歳以上の期間は合算対象期間として取り扱われ、保険料納付済期間には算入されません。
※ただし、老齢厚生年金の計算には算入されます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-A】
20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となるが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間とされ、老齢基礎年金の額に反映される。
【解答】
【問8-A】 ×
20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者ですが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間ではなく「合算対象期間」とされますので、老齢基礎年金の額には反映されません。
では、こちらもどうぞ!
【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
【H24年出題】 ×
障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算については、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間も保険料納付済期間となります。
フルペンション減額方式をとっている老齢基礎年金は20歳から60歳までの40年が基本になっていますが、障害基礎年金は、フルペンション減額方式をとっていないためです。
なお、遺族基礎年金も障害基礎年金と同じ扱いです。
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R5-040
遺族基礎年金の対象になる子の要件は、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと」です。
遺族基礎年金の受給権を取得した当時は障害状態になかった子が、18歳年度末までに障害状態になった場合、その子の遺族基礎年金の受給権は18歳年度末で消滅するのでしょうか?それとも20歳まで受給できるのでしょうか?
条文を読んでみましょう。
第40条第3項 子の有する遺族基礎年金の受給権は、第1項の規定によって消滅するほか、子が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、消滅する。 1 離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなったとき。 2 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。 3 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。 4 20歳に達したとき。 |
今日は「2」の「ただし以下」に注目してください。
子の遺族基礎年金の受給権は、「18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき」に失権します。ただし、「障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。」とありますので、「18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに、障害等級に該当する障害の状態」にあるときは、その時点では失権しません。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問6-A】
子の遺族基礎年金については、受給権発生後当該子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間に障害等級に該当する障害の状態となり、以降当該子が20歳に達するまでの間障害の状態にあったときは、当該子が18歳に達する日以後の最初の3月31日を過ぎても20歳に達するまで遺族基礎年金を受給できる。なお、当該子は婚姻していないものとする。
【解答】
【問6-A】 〇
遺族基礎年金の受給権取得時には障害の状態になかった子が、その後18歳年度末までの間に障害の状態となり引き続き障害の状態にある場合は、18歳年度末時点では失権しません。
先ほど読んだ条文では、「18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに、障害等級に該当する障害の状態」あるときは失権しない、となっていました。受給権取得当時に障害状態になくても、18歳年度末に障害状態にある場合は、引き続き遺族基礎年金を受給できます。
問題文のように、「子が20歳に達するまでの間障害の状態にあった」ときは、20歳になったときに失権します。
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R5-038
障害基礎年金の受給権者に子がいる場合は、障害基礎年金に子の加算額が加算されます。
今日のテーマは、障害基礎年金に加算される加算額です。
では、条文を読んでみましょう。
第33条の2 ① 障害基礎年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、障害基礎年金にその子1人につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ 224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。 ② 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)を有するに至ったことにより、その額を加算することとなったときは、当該子を有するに至った日の属する月の翌月から、障害基礎年金の額を改定する。 |
障害基礎年金の加算の対象は「子」です。
配偶者については、1・2級の障害厚生年金の加給年金額の対象になります。
受給権を取得した当時に生計維持している子はもちろん加算額の対象ですが、受給権を取得した日後に有するに至った子も加算額の対象になります。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問5-B】
障害基礎年金の受給権者が、その権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害基礎年金に当該配偶者に係る加算額が加算される。
【解答】
【問5-B】 ×
配偶者は、障害基礎年金の加算額の対象ではありません。
それでは過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
障害基礎年金の受給権者が当該受給権を取得した後に18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある子を有することとなった場合には、その子との間に生計維持関係があっても、その子を対象として加算額が加算されることはない。
②【H21年出題】
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持している一定の要件に該当する子があるときは、子の数が何人であっても、1人につき同額の加算額が加算される。
【解答】
①【H25年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者が受給権を取得した後に一定の要件に該当する子を有することとなった場合でも、その子を対象とした加算額が加算されます。その場合、子を有するに至った日の属する月の翌月から、障害基礎年金に子の加算額が加算されます。
②【H21年出題】 ×
障害基礎年金に加算される子の加算額は、1人目2人目はそれぞれ224,700円×改定率、3人目以降はそれぞれ74,900円×改定率となります。
例えば、子が1人なら224,700円×改定率、子が2人なら224,700円×改定率×2、子が3人なら224,700円×改定率×2+74,900円×改定率となります。
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R5-028
今日のテーマは、寡婦年金と繰上げ支給の老齢基礎年金の関係です。
寡婦年金は、60歳から65歳までの有期年金です。
受給権者が繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得した場合、寡婦年金の受給権はどうなるでしょうか?
条文を読んでみましょう。
第51条・附則第9条の2 寡婦年金の受給権は、受給権者が次のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 ・ 65歳に達したとき ・ 死亡したとき。 ・ 婚姻をしたとき。 ・ 養子となったとき(直系血族又は直系姻族の養子となったときを除く。)。 ・ 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき。 |
寡婦年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金を繰上げ受給したときは、寡婦年金の受給権は消滅します。「選択」や「支給停止」ではないことがポイントです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【R4問7-E】
寡婦年金は、受給権者が繰上げ支給による老齢基礎年金の受給権を取得した場合でも支給される。
【解答】
【R4問7-E】 ×
受給権者が繰上げ支給による老齢基礎年金の受給権を取得した場合は、寡婦年金の受給権は消滅します。
過去問もどうぞ!
①【H23年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金を受けると、寡婦年金は支給停止される。
②【H29年出題】
妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給中に、一定要件を満たした第1号被保険者の夫が死亡した場合、妻には寡婦年金を受給する権利が発生し、繰上げ支給の老齢基礎年金か寡婦年金のどちらかを受給することができる。
【解答】
①【H23年出題】 ×
繰上げ支給の老齢基礎年金を受けると、寡婦年金は支給停止されるではなく「受給権が消滅」します。
②【H29年出題】 ×
老齢基礎年金の繰上げ支給を受けた者には、寡婦年金は支給されません。
(法附則第9条の2の3)
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R5-019
令和4年の国民年金法の択一式は、基本問題が中心でした。
厚生年金保険法の択一式と同様、テキストと過去問学習が役立ったと思います。
テキストと過去問の繰り返しが大切です。
今日は「遺族基礎年金の支給要件」の問題を見てみましょう。
まずは、条文を読んでみましょう。
第37条 (支給要件) 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。 ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあっては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 ※令和8年4月1日前に死亡した者については、当該死亡日の前日において当該死亡日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは保険料納付要件を満たす。ただし、当該死亡に係る者が当該死亡日において65歳以上であるときは、この限りでない。(S60年改正法附則第20条第2項) 1被保険者が、死亡したとき。 2 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。 3老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。 4保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。 |
ポイント!保険料納付要件
★1と2(短期要件)は、保険料納付要件が問われます。
被保険者期間中の滞納期間が3分の1未満であることが原則です。しかし、死亡日に65歳以上である場合を除き、令和8年4月1日前の死亡については、死亡日の直近1年間のうちに滞納期間がなければ、要件を満たします。
★3と4(長期要件)は死亡日の前日の保険料納付要件は問われません。
では、令和4年の問題をどうぞ!
①【問5-C】
保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を合算した期間を23年有している者が、合算対象期間を3年有している場合、遺族基礎年金の支給要件の規定の適用については、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であるもの」とみなされる。
②【問10-B】
保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である55歳の第1号被保険者が死亡したとき、当該死亡日の前日において、当該死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料が未納である月があった場合は、遺族基礎年金を受けることができる要件を満たす配偶者と子がいる場合であっても、遺族基礎年金は支給されない。
【解答】
①【問5-C】 〇
長期要件は、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であるもの」です。
この場合、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して25年に満たない場合は、保険料納付済期間と保険料免除期間と「合算対象期間」を合算して25年以上あれば、要件を満たします。「合算対象期間」も合算できることがポイントです。
(S60年改正法附則第12条)
②【問10-B】 ×
「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間」が25年以上ある第1号被保険者が死亡した場合は、4の長期要件を満たしますので、死亡日の前日の保険料納付要件は問われません。死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料が未納である月があった場合でも影響はありません。
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R5-009
令和4年の国民年金の選択式は、条文の穴埋め問題でした。
障害基礎年金の支給停止について
第36条第2項からの出題です。
障害基礎年金は、受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その障害の状態に該当しない間、その支給を停止する。 |
障害の状態が軽快し障害等級(1・2級)に該当しなくなったときは、「その障害の状態に該当しない間」は、障害基礎年金の支給が停止になります。
寡婦年金の額について
第50条からの出題です。
寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、第27条の老齢基礎年金の額の規定の例によって計算した額の4分の3に相当する額とする。 |
寡婦年金の額は、「第1号被保険者」の期間を基礎として計算した「老齢基礎年金」の額の4分の3です。
国民年金基金の業務について
第128条からの出題です。
1 基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関し、一時金の支給を行なうものとする。 2 基金は、加入員及び加入員であった者の福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。 |
基金は、①年金の支給を行う、②死亡一時金の支給を行う、③福祉施設をすることができるとされています。
「福祉を増進する」が問われました。
被保険者に対する情報の提供について
第14条の5からの出題です。
厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。 |
択一式で何度か出題されています。通知は、受給権者に対しではなく「被保険者に対し」ての部分がポイントです。
「ねんきん定期便」の根拠になっている条文です。
「理解を増進させ、及びその信頼を向上させる」、「分かりやすい形で通知」が問われました。
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R4-364
第1号被保険者は、毎月の保険料にプラスして付加保険料を納付することができます。
穴埋め式で、条文を読んでみましょう。空欄を埋めてください。
第87条の2 1 第1号被保険者(法定免除、申請全額免除又は学生納付特例・納付猶予の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の< A >以後の各月につき、毎月の保険料のほか、< B >円の付加保険料を納付する者となることができる。 2 付加保険料の納付は、毎月の保険料の納付が行われた月(追納の規定により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)又は産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月についてのみ行うことができる。 3 付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の< C >以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき付加保険料を納付する者でなくなることができる。 4 付加保険料を納付する者となったものが、国民年金基金の加入員となったときは、その< D >日に、付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなす。 |
【解答】
A 属する月
B 400
C 属する月の前月
D 加入員となった
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険料の半額を納付することを要しないとされた者は、当該納付することを要しないとされた期間について、厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となることができる。
②【H26年出題】
保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。
③【R1年出題】
付加保険料の納付は、産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月について行うことができない。
④【H30年出題】
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申し出をした日の属する月以後の各月に係る保険料に限り、付加保険料を納付する者でなくなることができる。
⑤【H27年出題】
付加保険料を納付する第1号被保険者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされる。
⑥【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
半額免除を受けている期間は、付加保険料は納付できません。
※ 法定免除、申請全額免除、一部免除、学生納付特例・納付猶予の規定で保険料を納付することを要しないものとされている者は、付加保険料は納付できません。
②【H26年出題】 ×
追納の規定により保険料が納付されたものとみなされた月は、付加保険料は納付できません。
③【R1年出題】 ×
「産前産後期間の保険料免除」を受けた月については、付加保険料を納付することができます。
④【H30年出題】 ×
付加保険料を納付する者でなくなるのは、その申し出をした日の属する月の「前月」以後の各月です。
⑤【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員は、付加保険料を納めることができないからです。
⑥【R2年出題】 〇
任意加入被保険者は、付加保険料を納付することができます。
※ちなみに、特例の任意加入被保険者は、付加保険料を納付できません。
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R4-354
令和4年度の国民年金の保険料は16,590円です。
国民年金の保険料には、前納制度があり、割引があるのがポイントです。
条文を読んでみましょう。
第93条 (保険料の前納) 1 被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 2 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 3 前納された保険料について保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
令第7条 (保険料の前納期間) 保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6月又は年を単位として、行うものとする。ただし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6月又は年を単位として行うことを要しない。 令第8条 (前納の際の控除額) 政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月(口座振替による納付は当該各月の翌月)までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額(この額に10円未満の端数がある場合において、その端数金額が5円未満であるときは、これを切り捨て、その端数金額が5円以上であるときは、これを10円として計算する。)を控除した額とする。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
保険料の一部の額につき納付することを要しないものとされた被保険者には、保険料の前納に関する規定は適用されない。
②【H26年出題】
保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6か月又は年を単位として行うものとされているが、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要しない。
③【H27年出題】
第1号被保険者が保険料を口座振替で納付する場合には、最大で2年間の保険料を前納することができる
④【H28年出題】
国民年金保険料を1年分前納する場合、最も割引率が高くなるのは、口座振替による支払ではなく、現金で支払った場合である。
⑤【H21年出題】
保険料の前納の際に控除される額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、当該期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月(口座振替による納付は当該各月の翌月)までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額の10円未満を端数処理した額を控除した額とする。
⑥【H30年出題】
前納された保険料について、保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされる。
【解答】
①【R2年出題】 ×
一部免除の保険料も前納することができます。
②【H26年出題】 〇
前納の期間の原則は、「6か月」単位又は「年」単位ですが、「6か月」又は「年」以外の単位の前納も可能です。
③【H27年出題】 〇
2年間の前納は、口座振替でも可能ですが、納付書による現金納付、クレジットカードでも可能です。
④【H28年出題】 ×
1年分前納する場合、割引率が高いのは、口座振替による支払の方です。
⑤【H21年出題】 〇
「年4分の利率による複利現価法」を覚えておきましょう。
⑥【H30年出題】 ×
前納に係る期間の「各月の初日が到来したとき」ではなく、「前納に係る期間の各月が経過した際」に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされます。
健康保険の任意継続被保険者の前納との違いをおさえてください。
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R4-346
まず、問題からどうぞ!
令和4年度年金額は、新規裁定年金・既裁定年金ともに、< A >に従い改定されました。
< A >がマイナス0.4%となり、かつ< B >(マイナス0.2%)を下回るため、< A >を用いて改定されます。
また、< A >がマイナスのため、< C >(マイナス0.3%)による調整は行われませんが、翌年度以降の年金額改定時に繰り越されます。
【選択肢】
① 物価変動率
② マクロ経済スライド調整率
③ 名目手取り賃金変動率
【解答】
A ③ 名目手取り賃金変動率
B ① 物価変動率
C ② マクロ経済スライド調整率
既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)の年金額は、原則として「物価変動率」に応じて改定されます。
しかし、例外的に次の3つのパターンのどれかに当てはまる場合は、「名目手取り賃金変動率」を用いて改定します。
物価 | 賃金 |
| 物価 |
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| |||||||
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| |||||||
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| 賃金 |
| 物価 | 賃金 |
① ② ③
物価も賃金もプラス 物価がプラス 物価も賃金もマイナス
物価の方が伸びが大きい 賃金がマイナス 賃金の方が落込みが大きい
令和4年度は、名目手取り賃金変動率も物価変動率もマイナスで、名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が物価変動率(▲0.2%)を下回っています。(上の図の③に当てはまります。)
そのため、新規裁定年金、既裁定年金ともに「名目手取り賃金変動率(▲0.4%)」を用いて改定されました。
また、賃金や物価による改定率がマイナスですので、マクロ経済スライドによる調整は行われません。
老齢基礎年金の額は、780,900円×改定率で計算します。
令和3年度の改定率が1.000でしたので、
令和4年度の改定率は、1.000×0.996=0.996となります。
令和4年度の老齢基礎年金の額は、
780,900円×0.996 ≒ 77万7,800円となります。
※端数処理は、50円未満切り捨て、50円以上100円未満は100円に切り上げです。
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R4-331
寡婦年金と死亡一時金の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第52条の6 (支給の調整) 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
★ 死亡一時金と寡婦年金の受給権を同時に取得した場合は、「その者の選択」によりどちらか一つが支給され、他は支給されません。
では、過去問をどうぞ!
①【H18年出題】
死亡一時金の支給を受けることができる者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けとることができるときは、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つをその者の選択により受給できる。
②【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
【解答】
①【H18年出題】 〇
「死亡一時金」と「寡婦年金」はその者の選択によりどちらか一つを受給できます。
★ 寡婦年金は、60歳から65歳までの有期年金ですので、妻の年齢によっては数か月しか受給できないこともあり得ます。その場合は、死亡一時金の方が受給額が多い可能性もあります。そのような理由から選択制になっています。
★寡婦年金と死亡一時金の受給権を同時に取得した者が、法52条の6により寡婦年金を選択した場合には、死亡一時金の受給権は消滅します。(S50.4.26庁文発1249)
②【H24年出題】 ×
死亡一時金と寡婦年金の受給権を同時に取得した場合は、その者の選択により、どちらか一つが支給されます。
もう一問どうぞ!
③【R3年出題】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
③【R3年出題】 〇
同時に、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった場合の調整の問題です。
ポイント!
「一人一年金の原則」により → 遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択
「寡婦年金と死亡一時金」 → 受給権者の選択によりどちらか一つを選択
寡婦年金を選択した場合 → 死亡一時金は支給されません。
遺族厚生年金を選択した場合 → 遺族厚生年金と死亡一時金の両方が受給できます。
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R4-330
死亡一時金の額は、保険料を納付した月数によって決まります。
条文を読んでみましょう。
第52条の4 (死亡一時金の額) ① 死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次の表に定める額とする。
② 死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、8,500円を加算した額とする。 |
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間の月数が300か月以上ある場合については、一律に32万円である。
②【R2年出題】
死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間が36か月であり、同期間について併せて付加保険料を納付している者の遺族に支給する死亡一時金の額は、120,000円に8,500円を加算した128,500円である。なお、当該死亡した者は上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
①【H26年出題】 ×
死亡一時金の額が32万円になるのは、420か月以上ある場合です。
②【R2年出題】 〇
死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間が36か月の場合の死亡一時金は120,000円です。また、付加保険料を納付した期間が36月(3年)あるので、8,500円が加算されます。
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R4-329
死亡一時金の遺族の範囲を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第52条の3 ① 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、第52条の2第3項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。 ② 死亡一時金を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による。 ③ 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
第52条の2 第3項 死亡した者の子がその者の死亡により遺族基礎年金の受給権を取得した場合(その者の死亡によりその者の配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く。)であって、その受給権を取得した当時その子と生計を同じくするその子の父又は母があることにより第41条第2項の規定によって当該遺族基礎年金の支給が停止されるものであるときは、前項の規定は適用しない。
|
死亡一時金を受けることができる遺族の順序は、①配偶者、②子、③父母、④孫、 ⑤祖父母、⑥兄弟姉妹です。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。
②【H27年出題】
死亡一時金の支給要件を満たして死亡した者とその前妻との間の子が遺族基礎年金の受給権を取得したが、当該子は前妻(子の母)と生計を同じくするため、その支給が停止されたとき、死亡した者と生計を同じくしていた子のない後妻は死亡一時金を受けることができる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
三親等内の親族は、死亡一時金を受けることができる遺族に入りません。
②【H27年出題】 〇
下の図も参考にしてください。
夫が死亡した後、子が遺族基礎年金の受給権を取得したものの、その子は前妻(子の母)と生計を同じくするため、遺族基礎年金が支給停止されている場合の死亡一時金の支給についての問題で、第52条の2第3項に該当します。
第52条の3第1項ただし書きで、「第52条の2第3項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。」となっています。
上記の場合は、死亡した者の配偶者であってその者と生計を同じくしていた者(後妻)が死亡一時金を受けることになります。
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R4-328
死亡一時金が支給されない場合を見ていきましょう。
さっそく条文を読んでみましょう。
第52条の2 ① 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。 ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。 ② ①項の規定にかかわらず、死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。 1 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 2 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であって、当該胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至ったとき。ただし、当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 |
ポイント! 「受けたことがある者」
老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を「受けたことがある者」が死亡したときは、死亡一時金は支給されません。
例えば、老齢基礎年金を受ける権利があったとしても、老齢基礎年金を受けないまま死亡した場合は、死亡一時金の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
死亡一時金は、寡婦年金と同様に遺族基礎年金が支給されないときに支給されるが、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡した場合にも支給される。
②【H28年出題】
死亡一時金は、遺族基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、その遺族に支給されない。なお、本問において死亡した者は、遺族基礎年金以外の年金の支給を受けたことはないものとする。
③【R2年出題】
死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されない。
【解答】
①【H19年出題】 ×
死亡一時金は、「老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者」が死亡した場合は支給されません。
また、遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、原則として死亡一時金は支給されません。
ちなみに、同一人物の死亡によって寡婦年金と遺族基礎年金の両方の受給権が発生することはあり得ます。しかし両方とも受給できるわけではなく、一人一年金の原則が適用されますので、どちらかの年金を選択して受給することになります。
②【H28年出題】 ×
死亡した人が遺族基礎年金の支給を受けたことがあったとしても、死亡一時金の支給要件には影響しません。
③【R2年出題】 ×
同一の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給しないこととなっています。
ただし、死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、死亡一時金が支給されます。
例えば、子が18歳に達した日の属する年度の年度末(3月)に父が死亡した場合、遺族基礎年金の受給権はその3月に発生しますが、実際、遺族基礎年金は支給されません。
このように死亡と同じ月に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、死亡一時金が支給されます。
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R4-327
国民年金の第1号被保険者として保険料を36月以上納付した人が死亡した場合、一定の遺族に対して死亡一時金が支給されます。
老齢基礎年金、障害基礎年金の支給を受けたことがない人が死亡したことが条件で、保険料の掛け捨てを防止することを趣旨としています。
条文を読んでみましょう。
第52条の2 (支給要件) 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が 36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。 ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。 |
ポイント!
★36月の数え方
「保険料納付済期間の月数」、「4分の1免除期間の月数の4分の3」、「半額免除期間の月数の2分の1」、「4分の3免除期間の月数の4分の1」を合算します。
「保険料全額免除期間」は計算に入りません。保険料の負担が全くないからです。
死亡日の属する月の前月まで
前々月ではなく「前月」までの月数で計算します。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料全額免除期間等とを合算して 36月以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。
②【H27年出題】
65歳以上の特例による任意加入被保険者が死亡した場合であっても、死亡一時金の支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給される。
【解答】
①【H24年出題】 ×
「保険料全額免除期間」は36月の計算に入りません。
②【H27年出題】 〇
65歳以上の特例による任意加入被保険者も、死亡一時金の対象になります。
★「特例による任意加入被保険者」は、「死亡一時金」と「脱退一時金」は、第1号被保険者と同じ扱いです。
しかし、「付加保険料の納付」と「寡婦年金」は「特例による任意加入被保険者」には適用されません。
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R4-326
老齢基礎年金は、繰上げて受給することもできますし、繰下げて受給することもできます。
その際、振替加算はどうなるのか確認しましょう。
今日は過去問からどうぞ!
①【H22年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合であっても、振替加算額については、受給権者が65歳に達した日以後でなければ加算は行われない。
②【H30年出題】
振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。
③【H21年出題】
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給され、当該振替加算額に政令で定める増額率を乗じて得た額が加算される。
④【R3年出題】
老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
ポイント! 老齢基礎年金の繰上げの請求をしても、振替加算は繰上げされません。振替加算は65歳から支給されます。
60歳 65歳
| 振替加算 |
繰上げ支給の老齢基礎年金 |
例えば、60歳から老齢基礎年金を繰上げ請求しても、振替加算は65歳からです。
②【H30年出題】 ×
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしても振替加算は繰上げされませんので、振替加算は「請求のあった日の属する月の翌月」からではなく、「65歳に達した日の属する月の翌月」から加算されます。
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、問題文の通り、「申出のあった日の属する月の翌月」から加算されます。
65歳 68歳
| 振替加算 |
| 繰下げ支給の老齢基礎年金 |
③【H21年出題】 ×
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給されますが、振替加算額には繰下げ増額はありません。
④【R3年出題】 〇
振替加算のポイント
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合 → 振替加算は繰上げされず65歳から
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合 → 振替加算も繰下げて支給される。ただし、振替加算額には繰下げによる増額はありません。
厚生年金保険の「加給年金額」もチェックしましょう。
例えば、加給年金額の加算の対象になっている配偶者が、老齢基礎年金を繰上げ請求した場合は、加給年金額はどうなるのでしょう?
⑤【厚生年金保険法H28年出題】
配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときは、当該配偶者については65歳に達したものとみなされ、加給年金額に相当する部分が支給されなくなる。
【解答】
⑤【厚生年金保険法H28年出題】 ×
配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときでも、加給年金額は配偶者が65歳に達するまで支給されます。
★例えば、妻が夫の受給する老齢厚生年金の加給年金額の対象になっている場合で、妻が老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合
・妻が65歳に達するまで、夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されます
・妻が65歳に達すると、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます
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R4-325
昨日の続きで、法定免除を見ていきます。
もう一度、条文を読んでみましょう。
第89条 1 被保険者(産前産後免除及び保険料の一部免除の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 ① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 ② 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ③ 厚生労働省令で定める施設(国立ハンセン病療養所等、国立保養所、その他厚生労働大臣が指定するもの)に入所しているとき。 2 1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、1項の規定は適用しない。 |
★免除される期間
「要件に該当するに至った日の属する月の前月」から「これに該当しなくなる日の属する月」までの期間です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】 ※法改正による修正あり
第1号被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者を除く。)が生活保護法による生活扶助を受けるに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月からこれに該当しなくなる日の属する月の前月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
②【H26年出題】
法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。
③【R2年出題】
第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
免除される期間は、その該当するに至った日の属する月の「前月」からこれに該当しなくなる日の属する「月」までの期間です。
例えば、令和4年7月13日に免除事由に該当した場合は、6月から免除されます。
6月分の保険料の納期限は7月末日です。免除事由に該当している7月末に納期限がくる6月分から免除される仕組みです。
②【H26年出題】 〇
法第89条第2項では、法定免除事由に該当していても、本人から保険料を納付する旨の申出があったときは、申出のあった期間に係る保険料に限って納付することができることを規定しています。
<法定免除に該当していても申出によって保険料が納付できる理由は?>
・法定免除の期間は、老齢基礎年金の計算の際に減額されるので。
・追納することもできますが、10年以内という期限があることと、10年以内でも一定期間を過ぎると加算が行われるので。
③【R2年出題】 〇
法定免除事由に該当した場合は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出する必要があります。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、提出は不要です。
(則第75条)
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R4-298
任意加入被保険者は、強制ではなく本人の申出により「任意」で加入している関係上、保険料を滞納した場合は、その資格を喪失します。
では、「保険料を滞納した場合の喪失」について、条文で確認しましょう。
任意加入被保険者の種類(法附則第5条第1項) ① 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) ② 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) ③ 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
法附則第5条第5項 ①と②について 保険料を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、その指定期限の翌日に資格を喪失する。 ③について 保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したときは、2年間が経過した日の翌日に資格を喪失する。 |
ポイント!
①と②は「日本国内に住所を有する」任意加入被保険者、③は「日本国内に住所を有しない」任意加入被保険者です。滞納した場合の喪失日の違いに注意しましょう。
滞納した場合の扱いは、特例による任意加入被保険者も同じです。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者が保険料を滞納した場合であって、督促状で指定した期限までに保険料を納付しないときは、その日の翌日に被保険者の資格を喪失する。
②【H29年出題】
日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者が保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したときは、その翌日に任意加入被保険者の資格を喪失する。
③【H22年出題】
日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の在外邦人で任意加入している者が保険料を滞納したとき、保険料を納付することなく2年経過した日に被保険者資格を喪失する。
【解答】
①【H21年出題】 〇
「日本国内に住所を有する」の部分がポイントです。
督促状で指定した期限の「翌日」の部分もポイントです。当日ではありませんので、注意してください。
②【H29年出題】 ×
「日本国内に住所を有する」ので、資格の喪失は、「督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、その指定期限の翌日」です。
③【H22年出題】 ×
「日本国内に住所を有しない」の部分がポイントです。
「2年経過した日」ではなく、2年間が経過した日の「翌日」に被保険者資格を喪失します。
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R4-297
任意加入被保険者も特例による任意加入被保険者も、第1号被保険者と同じように保険料を納付します。
しかし、付加保険料、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金については注意が必要です。
「任意加入被保険者」は、「付加保険料の納付」、「寡婦年金」、「死亡一時金」、「脱退一時金」については、第1号被保険者と同じように扱われます。
(法附則第5条第9項)
「特例による任意加入被保険者」は、「死亡一時金」と「脱退一時金」は、第1号被保険者と同じ扱いです。
しかし、「付加保険料の納付」と「寡婦年金」は「特例による任意加入被保険者」には適用されません。
特例による任意加入の目的は増やすことではなく受給権を得るためです。老齢基礎年金の上乗せになる付加保険料の納付ができないのは、そのためです。
保険料の掛け捨てを防止する趣旨である死亡一時金と脱退一時金は、特例による任意加入被保険者にも適用されます。
(H16法附則第23条第10項)
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
任意加入被保険者(特例による任意加入被保険者を除く。以下本問において同じ。)は、付加保険料の納付に係る規定の適用については第1号被保険者とみなされ、任意加入被保険者としての被保険者期間は、寡婦年金、死亡一時金及び脱退一時金に係る規定の適用については、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされる。
②【H23年出題】
65歳以上70歳未満の任意加入被保険者は、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金等の給付に関する規定の適用については、第1号被保険者とみなされる。
③【H27年出題】
65歳以上の特例による任意加入被保険者が死亡した場合であっても、死亡一時金の支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給される。
④【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
⑤【R2年出題】
60歳から任意加入被保険者として保険料を口座振替で納付してきた65歳の者(昭和30年4月2日生まれ)は、65歳に達した日において、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていない場合、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされ、引き続き保険料を口座振替で納付することができ、付加保険料についても申出をし、口座振替で納付することができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
任意加入被保険者は、付加保険料を納付することができ、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金については、第1号被保険者として扱われます。
②【H23年出題】 ×
65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者は、「死亡一時金」と「脱退一時金」の給付については、第1号被保険者として扱われますが、「寡婦年金」については適用されません。
③【H27年出題】 〇
死亡一時金については、特例による任意加入被保険者は第1号被保険者として扱われますので、支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給されます。
④【R2年出題】 〇
任意加入被保険者は、付加保険料を納付することができます。ただし、特例による任意加入被保険者は付加保険料を納付することはできません。
⑤【R2年出題】 ×
付加保険料の部分が誤りです。特例による任意加入被保険者は、付加保険料を納付できません。
なお、任意加入被保険者(昭和40年4月1日以前に生まれた者に限る。)が、65歳に達した日に、老齢基礎年金の受給権を有していない場合は、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされます。
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R4-296
任意加入被保険者は、年金の受給権確保等のため、月々の保険料を確実に納付する必要があります。そのため、口座振替による保険料納付が原則となっています。
よく出題されていますので、確認していきましょう。
では、条文を読んでみましょう。
法附則第5条 (任意加入被保険者) ① 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの ② ①の第1号又は第2号に該当する者が任意加入の申出を行おうとする場合には、口座振替納付を希望する旨の申出又は口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出を厚生労働大臣に対してしなければならない。 |
ポイント!
第1号又は第2号(日本国内に住所を有する者)が、任意加入の申出を行う場合は、「口座振替納付を希望する」旨の申出又は「口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨」の申出が必要です。
★特例による任意加入被保険者も同じです。
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者が、任意加入被保険者となる申出を行おうとする場合には、口座振替納付を希望する旨の申出または口座振替によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出を、厚生労働大臣に対して行わなければならない。
②【H28年出題】
日本国内に住所を有する者が任意加入の申出を行おうとする場合は、原則として、保険料は口座振替納付により納付しなければならないが、任意加入被保険者の資格を喪失するまでの期間の保険料を前納する場合には、口座振替納付によらないことができる。
③【H21年出題】
国民年金法の規定によると、日本国籍を有する者であって日本国内に住所を有しない60歳以上65歳未満のものが任意加入の申出をする場合には、正当な事由がある場合を除き、口座振替納付を希望する旨の申出を厚生労働大臣に対してしなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
任意加入被保険者、特例による任意加入被保険者の保険料の納付は、口座振替納付が原則となります。任意加入の申出を行おうとする者は、「口座振替納付を希望する旨」又は「口座振替納付によらない正当な事由に該当する旨」の申出をしなければなりません。
なお、この規定が適用されるのは、「日本国内に住所を有する」ものです。
②【H28年出題】 〇
「口座振替納付によらない正当な事由がある場合」は、則第2条の2で以下のように定められています。
①申出を行う時点において、預金口座又は貯金口座を有していない場合
②資格を喪失するまでの期間の保険料を前納する場合
③その他前2号に掲げる事由に準ずる事由により口座振替納付によらない正当な事由があると認められる場合
問題文は②に該当しますので、口座振替によらないことができます。
(則第2条の2)
③【H21年出題】 ×
「日本国内に住所を有しない」ものは、口座振替納付を希望する旨の申出は要りません。(法附則第5条第2項)
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R4-295
前回は、「任意加入被保険者」のお話をしましたが、今回のテーマは「特例による任意加入被保険者」です。
任意加入被保険者との違いをおさえましょう。
まず、「特例による任意加入被保険者」の条文を読んでみましょう。
H6法附則第11条、H16法附則第23条 (任意加入被保険者の特例) 昭和40年4月1日以前に生まれた者であって、次の各号のいずれかに該当するもの(国民年金法に規定する第2号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、国民年金の被保険者となることができる。 ただし、その者が老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有する場合は、この限りでない。 1 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満のもの |
特例による任意加入被保険者のポイント!
要件に該当すれば65歳から70歳まで特例で任意加入が認められます。ただし、「昭和40年4月1日以前生まれ」に限定されています。また、老齢基礎年金等の受給権を有する者は特例の任意加入はできません。目的は老齢基礎年金の受給権を得ること。増やす目的では、特例の任意加入はできません。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
任意加入被保険者の特例については、日本国籍を有する65歳以上70歳未満の者が、日本国内に住所を有しない場合は認められていない。
②【H27年出題】
日本国籍を有し日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の者が、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有しないときは、昭和30年4月1日以前生まれの場合に限り、厚生労働大臣に申し出て特例による任意加入被保険者となることができる。
③【R3年出題】
昭和31年4月1日生まれの者であって、日本国内に住所を有する65歳の者(第2号被保険者を除く。)は、障害基礎年金の受給権を有する場合であっても、特例による任意加入被保険者となることができる。なお、この者は老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有していないものとする。
【解答】
①【H21年出題】 ×
日本国内に住所を有しなくても、日本国籍を有する65歳以上70歳未満のものは、特例の任意加入が認められています。ただし、昭和40年4月1日以前生まれに限られます。
②【H27年出題】 ×
特例による任意加入被保険者になることができるのは、昭和40年4月1日以前生まれの場合に限られます。ちなみに、昭和30年4月1日以前生まれの場合でも、もちろん、特例の任意加入被保険者になることはできます。
③【R3年出題】 〇
障害基礎年金の受給権を有する場合でも、特例による任意加入被保険者となることができます。障害基礎年金は、障害の状態によっては、支給停止や失権の可能性があるからです。
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R4-294
国民年金法には、「任意加入被保険者」、「特例による任意加入被保険者(65歳以上70歳未満)」として、任意に国民年金に加入できる制度があります。
任意加入の目的は2つです。
1つめ 老齢基礎年金を増やす
65歳からの老齢基礎年金を満額受給するためには、20歳から60歳までの40年間(480月)すべて保険料納付済期間であることが必要です。
免除や滞納などで満額に満たない人は、任意加入して、老齢基礎年金を増やすことができます。
2つめ 老齢基礎年金の受給権を得る
また、老齢基礎年金を受給するには、保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上必要です。その期間に足りない場合は、受給権を得るために任意加入することができます。
「任意加入被保険者」は、1つ目、2つ目どちらの目的でも任意加入できます。
一方、「特例による任意加入被保険者(65歳以上70歳未満)」は、2つ目の「老齢基礎年金の受給権を得る」目的に限定されます。1つめの「老齢基礎年金を増やす」目的では加入できませんので注意しましょう。
今回のテーマは「任意加入被保険者」の加入要件です。
まず、条文を読んでみましょう。
第5条 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
1~3の人は第1号被保険者の要件に当てはまりません。しかし、厚生労働大臣に申し出て任意加入することができます。ただし、第2号被保険者、第3号被保険者は任意加入できません。(任意加入する必要もないためです)
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者は、日本国籍を有する限り、厚生労働大臣に申し出て被保険者となることができる。
②【H29年出題】
60歳で被保険者資格を喪失し日本に居住している特別支給の老齢厚生年金の受給権者(30歳から60歳まで第2号被保険者であり、その他の被保険者期間はない。)であって、老齢基礎年金の支給繰上げの請求を行っていない者は、国民年金の任意加入被保険者になることができる。
③【R2年出題】
60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和31年4月2日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができない。
【解答】
①【H25年出題】 ×
「日本国内に住所を有する」60歳以上65歳未満の者は、国籍を問わず任意加入することができます。
なお、「日本国内に住所を有しない」20歳以上65歳未満の者が任意加入する場合は、「日本国籍を有する者」に限られます。
②【H29年出題】 〇
「老齢基礎年金の繰上げ請求」を行った者は、国民年金の任意加入被保険者になることはできません。既に繰り上げて受給している老齢基礎年金を増やすことができないからです。
なお、特別支給の老齢厚生年金の受給権者は、国民年金の任意加入被保険者となって、65歳以降の老齢基礎年金を増やすことができます。
(法附則第9条の2の3)
③【R2年出題】 ×
日本国籍を有していれば、日本国内に住所を有していなくても、任意加入被保険者の申出をすることができます。
なお、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中でも任意加入被保険者になることができます。
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R4-274
国民年金の強制加入被保険者として、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つがあります。
今回は、第2号被保険者がテーマです。
条文を読んでみましょう。
第7条第1項第2号 厚生年金保険の被保険者は、第2号被保険者とする。 法附則第3条 (被保険者の資格の特例) 第7条第1項第2号の規定の適用については、当分の間、同号中「の被保険者」とあるのは、「の被保険者(65歳以上の者にあっては、老齢厚生年金、老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。)」とする。 |
ポイント!
厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となります。
年齢要件や国内居住要件がないのがポイントです。
ただし、厚生年金保険の被保険者で65歳以上で、老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権がある者は、第2号被保険者となりません。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
20歳未満の厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となる。
②【H26年出題】(改正による修正あり)
65歳以上の厚生年金保険法の被保険者は、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していなくても、障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していれば、第2号被保険者とならない。
③【H27年出題】
厚生年金保険の在職老齢年金を受給する65歳以上70歳未満の被保険者の収入によって生計を維持する20歳以上60歳未満の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
第1号被保険者と第3号被保険者には、「20歳以上60歳未満」という年齢要件がありますが、第2号被保険者には年齢要件はありません。
厚生年金保険の被保険者であれば20歳未満でも、国民年金の第2号被保険者となります。
②【H26年出題】(改正による修正あり) ×
65歳以上の厚生年金保険法の被保険者は、「老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権」を有していなければ、第2号被保険者となります。
「障害」を支給事由とする年金給付の受給権を有していても、「老齢又は退職」を支給事由とする年金給付の受給権を有していなければ、第2号被保険者となります。
③【H27年出題】 〇
第3号被保険者は、「第2号被保険者」の配偶者であることが条件です。
問題文の場合、厚生年金保険の被保険者ではありますが、65歳以上でかつ「厚生年金保険の在職老齢年金を受給中=(老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権を有する)」ですので、第2号被保険者にはなりません。
そのため、その者の配偶者は第3号被保険者とはなりません。
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R4-256
国民年金の給付の要件の1つに保険料納付要件があります。保険料納付要件をみるときに登場するのは「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」ですが、今回は「保険料納付済期間」の定義です。
条文を読んでみましょう。
第5条 国民年金法において、「保険料納付済期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定により徴収された保険料を含み、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。)に係るもの及び第88条の2の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間並びに第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。 |
<国民年金法の保険料納付済期間>
以下の期間を合算した期間です。
↓
・第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定(督促及び滞納処分)により徴収された保険料を含む、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは除く)に係るもの及び産前産後期間中の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの
+
・第2号被保険者としての被保険者期間
+
・第3号被保険者としての被保険者期間
※国民年金に保険料を納付する義務があるのは、第1号被保険者です。第2号被保険者と第3号被保険者は、個別に国民年金に保険料を納付する義務はありません。
そのため、国民年金の保険料の滞納があり得るのは第1号被保険者のみです。第2号被保険者と第3号被保険者には「滞納」があり得ないので、被保険者期間がそのまま「保険料納付済期間」となりますが、第1号被保険者は保険料を納付した期間が保険料納付済期間となります。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
保険料納付済期間には、督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む。
②【H24年出題】
保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。
③【H24年出題】
保険料全額免除期間を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
④【R2年出題】
保険料全額免除期間とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって法定免除、申請全額免除、産前産後期間の保険料免除、学生納付特例又は納付猶予の規定による保険料を免除された期間(追納した期間を除く。)を合算した期間である。
【解答】
①【H24年出題】 〇
保険料を滞納し、督促及び滞納処分を受け、それによって保険料を納付した場合は、「保険料納付済期間」となります。
②【H24年出題】 〇
例えば、4分の3免除を受けた場合は、保険料の4分の3は免除されますが、残りの4分の1は納付する義務があります。4分の3免除の規定により、その4分の1が納付された期間は、保険料納付済期間ではなく、「保険料4分の3免除期間」です。
③【H24年出題】 〇
保険料を追納した期間は、「保険料納付済期間」です。
④【R2年出題】 ×
産前産後期間の保険料免除期間は、全額免除期間ではなく「保険料納付済期間」です。
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R4-237
申請全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除、学生納付特例、納付猶予を受けるには、所得要件があります。
今回は、免除の所得要件を確認します。
保険料免除の所得基準は以下の通りです。
申請全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 | 本人・世帯主・配偶者 |
4分の3免除 | 88万円+扶養親族等の数×38万円 | 本人・世帯主・配偶者 |
半額免除 | 128万円+扶養親族等の数×38万円 | 本人・世帯主・配偶者 |
4分の1免除 | 168万円+扶養親族等の数×38万円 | 本人・世帯主・配偶者 |
学生納付特例 | 128万円+扶養親族等の数×38万円 | 本人のみ |
納付猶予 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 | 本人・配偶者 |
・ 「88万円」だけ覚えてください。40ずつ増えます。+40で「128万円」、+40で「168万円」です。
・ 学生納付特例は半額免除の基準と同額、納付猶予は全額免除の基準と同額です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】 ※改正による修正あり
単身者である第1号被保険者について、その前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については前々年の所得とする。)が168万円以下であれば保険料の4分の1免除が受けられる。
②【H26年出題】 ※改正による修正あり
夫のみに所得がある夫婦(夫42歳、妻38歳であり、ともに第1号被保険者)と3人の子(13歳、10歳、5歳)の5人世帯において、夫の前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については前々年の所得とする。)が207万円以下であれば、申請により当該夫婦の保険料は全額免除される。なお、法定免除の事由には該当しないものとする。
③【H29年選択】※改正による修正あり
国民年金法第90条の2第2項第1号及び国民年金法施行令第6条の9の規定によると、申請により保険料の半額を納付することを要しないこととできる所得の基準は、被保険者、配偶者及び世帯主について、当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については、前々年の所得とする。)が< A >に扶養親族等1人につき< B >を加算した額以下のときとされている。
なお、本問における扶養親族等は、所得税法に規定する同一生計配偶者(70歳以上の者に限る。)若しくは老人扶養親族又は特定扶養親族等ではないものとする。
④【H24年出題】
法第90条第1項に定めるいわゆる保険料の申請免除については、同一世帯における世帯主又は配偶者のいずれかが免除事由に該当しないときであっても、免除の対象となる。
⑤【H28年出題】
前年の所得(1月から3月までの月分の保険料については、前々年の所得。以下本問において同じ。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じ一定額以下の学生である第1号被保険者については、その者の世帯主又は配偶者の前年の所得にかかわらず、国民年金法第90条の3の規定による学生納付特例の適用を受けることができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇 ※改正による修正あり
扶養親族等がいない場合は、4分の1免除の所得基準は、168万円以下です。
(令第6条の9の2)
②【H26年出題】 〇 ※改正による修正あり
全額免除の所得基準は、(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円です。当てはめて計算すると、(4+1)×35万円+32万円=207万円です。207万円以下であれば、全額免除の対象です。
(令6条の7)
③【H29年選択】※改正による修正あり
半額免除の所得基準の問題です。
A128万円
B38万円
※扶養親族1人当たりの加算額は38万円が原則です。同一生計配偶者(70歳以上の者に限る。)若しくは老人扶養親族又は特定扶養親族等の場合は、加算額が変わります。
④【H24年出題】 ×
全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除は、本人・世帯主・配偶者がそれぞれ免除事由に該当することが必要です。
⑤【H28年出題】 〇
学生納付特例は、本人の所得のみで判断します。世帯主、配偶者の所得は関係ありません。
なお、納付猶予は、本人と配偶者がそれぞれ免除事由に該当することが必要です。
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R4-220
障害基礎年金の3要件は「初診日」、「保険料納付要件」、「障害認定日」です。
今日は、「保険料納付要件」を確認しましょう。
条文を読んでみましょう
第30条 (障害基礎年金の保険料納付要件) 当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。
昭和60年附則第20条 (障害基礎年金の支給要件の特例) 初診日が令和8年4月1日前にある傷病による障害については、当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは保険料納付要件を満たす。 ただし、当該障害に係る者が当該初診日において65歳以上であるときは、この限りでない。 |
ポイント!
・ 保険料納付要件を見るのは「初診日の前日」
→ 初めて病院に行った日(初診日)に保険料を納付しても間に合わない
・ 初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間が全体の3分の2以上あること
・ 初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がないものは、滞納には当たらな い(加入直後の障害の場合)
・ 初診日が令和8年4月1日前にある場合の特例
→ 直近の1年間に「保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないとき」=「1年間のすべてが保険料納付済期間と保険料免除期間(滞納がない)」場合は納付要件を満たす。(ただし、初診日に65歳以上の場合は、特例は適用しない)
例えば、令和3年1月に国民年金の資格を取得し、初診日が令和4年3月30日の場合は、保険料納付要件は令和4年1月までを見ます。
令和3年1月 |
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| 令和4年1月 | 令和4年2月 | 令和4年3月 |
資格取得月 |
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| 保険料 納期限 2月末 | 保険料 納期限 3月末 | 初診日の 属する月 |
保険料の納期限がきている1月分までの納付状況で判断します。
では、過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
障害基礎年金について、初診日が令和8年4月1日前にある場合は、当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間(当該初診日において被保険者でなかった者については、当該初診日の属する月の前々月以前における直近の被保険者期間に係る月までの1年間)に、保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がなければ保険料納付要件は満たされたものとされる。ただし、当該初診日において65歳未満であるときに限られる。
②【H22年出題】
初診日が平成22年8月30日である場合、平成22年7月分までの1年間のうちに保険料の滞納がなければ、障害基礎年金の保険料納付要件を満たす。
③【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
保険料納付要件の特例のポイント!
・初診日が令和8年4月1日前にある
・直近の1年間に「保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がない」こと。=直近の1年間に滞納期間がないこと
・初診日に65歳未満であること
②【H22年出題】 ×
保険料納付要件は「初診日の属する月の前々月までの1年間」でみますので、初診日が平成22年8月30日の場合は、平成22年「6」月分までの1年間のうちに保険料の滞納がないことが条件です。また、初診日に65歳未満であることも必要です。
③【H24年出題】 ×
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、「20歳前の期間及び60歳以降の期間」は、老齢基礎年金では、保険料納付済期間ではなく「合算対象期間」となります。老齢基礎年金の受給資格期間には入りますが、年金額の計算には入りません。
しかし、「障害基礎年金」については、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、「20歳前の期間及び60歳以降の期間」も保険料納付済期間に入ります。
また、老齢基礎年金はフルペンション減額方式ですので、40年間すべて保険料納付済期間の場合は満額受給できますが、免除、合算対象期間、滞納があるとその分、減額されます。
一方、障害基礎年金の額は、加入期間などに関係なく定額で支給されます。
ちなみに、遺族基礎年金も障害基礎年金と同じ扱いです。
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R4-219
「初診日」、「保険料納付要件」、「障害認定日」が障害基礎年金支給の3要件です。
要件を満たした場合は、障害認定日に受給権が発生します。
今日は「障害認定日」を確認しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第30条 (障害基礎年金の支給要件) 1 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 ① 被保険者であること。 ② 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 2 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。 |
障害認定日に1級、2級に該当する程度の障害状態にあると判定された場合は、障害認定日に障害基礎年金の受給権が発生します。
「障害認定日」は、「初診日から起算して1年6か月を経過した日」ですが、その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日となります。なお、治った日には、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も含まれます。
なお、障害認定日に障害の状態に該当しない場合は、障害基礎年金の受給権は発生しません。
しかし、障害認定日後65歳に達する日の前日までの間に2級以上の障害状態に該当した場合は、「事後重症の障害基礎年金」を請求することができます。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
初診日から起算して、1年6か月を経過した日又はその期間後に傷病が治った場合は、その治った日を障害認定日とする。
②【H27年出題】
障害基礎年金の障害認定日について、当該傷病に係る初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となるが、その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も傷病が治った日として取り扱われる。
③【R1年出題】
国民年金法第30条第1項の規定により、障害認定日において障害等級に該当した場合に支給する障害基礎年金の受給権の発生日は障害認定日であるが、同法第30条の2第1項の規定によるいわゆる事後重症による障害基礎年金の受給権の発生日はその支給の請求日である。
④【H29年出題】
精神の障害は、障害基礎年金の対象となる障害に該当しない。
【解答】
①【H24年出題】 ×
『その期間後に傷病が治った場合』ではなく、『その期間「内」にその傷病が治った場合』です。障害認定日は、最長で「初診日から起算して、1年6か月を経過した日」で、その前に治った場合はその治った日が障害認定日になります。
②【H27年出題】 〇
初診日から起算して1年6か月を経過した日前に、その傷病が治った場合はその治った日が障害認定日となりますが、治っていない場合でも症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日も障害認定日として取り扱われます。
③【R1年出題】 〇
・通常の障害基礎年金(第30条第1項)
→ 障害認定日に受給権が発生します
・事後重症による障害基礎年金(第30条の2第1項)
→ 支給の請求をした日に受給権が発生します
④【H29年出題】 ×
精神の障害は、障害基礎年金の対象となる障害に該当します。
「障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。」と規定されています。
施行令4条の6及び別表で障害等級表が定められていて、その中に精神の障害も載っています。
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R4-218
障害基礎年金には、「初診日」、「保険料納付要件」、「障害認定日」の3つの支給要件があります。
今日は「初診日」要件を確認しましょう。
まず条文を読んでみましょう。
第30条 (障害基礎年金の支給要件) 1 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 ① 被保険者であること。 ② 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 2 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。
|
★「初診日」とは、『傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日』のことです。
「初診日」に「被保険者であること」又は「被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること」が要件です。
60歳以上65歳未満の被保険者でないときに初診日がある場合は、「国内居住要件」があることに注意してください。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
傷病について初めて医師の診療を受けた日において、保険料の納付猶予の適用を受けている被保険者は、障害認定日において当該傷病により障害等級の1級又は2級に該当する程度の障害の状態にあり、保険料納付要件を満たしている場合でも、障害基礎年金が支給されることはない。
②【H29年出題】
被保険者であった者が60歳以上65歳未満の間に傷病に係る初診日がある場合であって、当該初診日において、日本国内に住所を有しないときには、当該傷病についての障害基礎年金が支給されることはない。なお、当該傷病以外に傷病は有しないものとする。
【解答】
①【R1年出題】 ×
初診日に「被保険者」で、「障害認定日」に障害等級の1級又は2級で、「保険料納付要件」を満たしているので、障害基礎年金の支給要件は満たしています。
初診日に保険料の納付猶予の適用を受けていることは関係ありません。
②【H29年出題】 〇
「被保険者であった者が60歳以上65歳未満の間に傷病に係る初診日」がある場合は、初診日に日本国内に住所を有することが必要です。問題文のように、初診日に日本国内に住所を有しない場合は、初診日の要件を満たさないので障害基礎年金は支給されません。
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R4-205
追納する場合、当時の保険料額に経過期間に応じた加算がつきます。
では、条文で確認しましょう。
第94条 (保険料の追納) ③ 追納すべき額は、当該追納に係る期間の各月の保険料の額に政令で定める額を加算した額とする。 |
追納する場合は、当時の保険料額に政令で定める額が加算されます。
例えば、全額免除された保険料を令和3年度中に追納する場合、以下の額になります。
数字を覚える必要はありません。古くなるほど率が高いことと、直近のR1年度とR2年度分には加算がないことがポイントです。
①政令で定める率(施行令第10条)
②当時の保険料額
③令和3年度中に追納する場合の額
| H23年度 | H24 年度 | H25 年度 | H26 年度 | H27 年度 | H28 年度 | H29 年度 | H30 年度 | R1 年度 | R2 年度 |
① | 0.022 | 0.015 | 0.009 | 0.005 | 0.004 | 0.003 | 0.002 | 0.001 | - | ― |
② | 15,020 | 14,980 | 15,040 | 15,250 | 15,590 | 16,260 | 16,490 | 16,340 | 16,410 | 16,540 |
③ | 15,350 | 15,200 | 15,180 | 15,330 | 15,650 | 16,310 | 16,520 | 16,360 | 16,410 | 16,540 |
なお、免除月が平成31年3月で、令和3年4月に追納する場合は、加算はありません。
平成31年3月は平成30年度ですので、令和3年度に追納する場合は、加算額がつくのが原則です。ただし、平成31年3月の保険料の納期限は平成30年4月末です。令和3年4月中なら納期限から2年以内ですので、加算はつきません。
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
免除月の属する年度の4月1日から起算して3年以上経過後の年度に免除月に係る保険料を追納する場合の保険料の額は、当該免除月に係る保険料額にそれぞれ経過年数に対応する追納加算率を乗じて得た額を加算した額とされる。
②【H18年出題】
保険料を追納する場合、追納すべき額は、当該追納に係る期間の各月の保険料の額に政令で定める額を加算した額となるが、免除を受けた月の属する年度の翌々年度(免除の月が3月のときは、翌々年の4月)以内ならば加算されない。
③【H28年出題】
第1号被保険者が平成25年3月分の保険料の全額免除を受け、これを平成28年4月に追納するときには、追納すべき額に国民年金法第94条第3項の規定による加算は行われない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
保険料に加算額が加算されるのは、免除月の属する年度の4月1日から起算して「3年以上経過後」の年度に追納する場合です。「3年以上経過後」がポイントです。
H30年度 | R元年度 | R2年度 | R3年度 |
例えば、平成30年度に免除月がある場合、免除月の属する年度の4月1日(平成30年4月1日)から3年以上経過後(令和3年4月1日)の年度(令和3年度)に追納する場合は、追納加算率を乗じた額が保険料に加算されます。
②【H18年出題】 〇
H30年度 | R元年度 | R2年度 | R3年度 |
・免除を受けた月の属する年度の翌々年度以内なら加算されません
→ 例えば、平成30年度に免除月がある場合は、翌々年度以内(令和2年度以内)なら、加算されません。
・免除の月が3月のときは、翌々年の4月中ならば加算されません。
→ 例えば、平成31年3月に免除を受けた場合は、翌々年の4月(令和3年4月)中なら加算されません。
③【H28年出題】 ×
免除を受けた月が平成25年3月の場合は、翌々年の4月(平成27年4月)以内なら、加算は行われません。平成28年4月が誤りです。
H24年度 | H25年度 | H26年度 | H27年度 |
H24年度に免除月がある場合は、翌々年度以内(H26年度以内)に追納するなら加算されません。H27年度以降に追納する場合は、経過年数に応じて加算されます。
例外的に、平成25年3月が免除月の場合は、平成27年4月に追納する場合は、加算は行われません。平成25年3月の保険料の納期限(平成25年4月)から2年以内だからです。
※平成25年3月は「平成24年度」です。
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R4-204
追納を行うと、保険料免除期間は「保険料納付済期間」になります。
条文で確認しましょう。
第94条 (保険料の追納) ④ 追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなす。 |
追納に係る月の保険料が納付されたものとみなされるのは、「追納が行われた日」です。
追納した場合、保険料免除期間は、追納が行われた日に「保険料納付済期間」になります。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
保険料全額免除期間を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
【解答】
①【H24年出題】 〇
保険料を追納した期間は、保険料納付済期間となります。
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R4-203
「学生納付特例」、「納付猶予」の期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には入りますが、額の計算には入りません。
そのため、追納の順序では、原則として「学生納付特例」、「納付猶予」が優先されます。
では、追納の順序を条文で確認しましょう。
第94条 (保険料の追納) ② その一部につき追納をするときは、追納は、学生納付特例又は納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料につき行い、次いで第89条第1項若しくは第90条第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料又は第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき行うものとし、これらの保険料のうちにあっては、先に経過した月の分から順次に行うものとする。 ただし、学生納付特例又は納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料より前に納付義務が生じ、第89条第1項若しくは第90第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料又は第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料があるときは、当該保険料について、先に経過した月の分の保険料から追納をすることができるものとする。 |
追納の順序
・「先に経過した月の分から(古い方から)」、順次行うのが原則です
・「学生納付特例(納付猶予)」期間がある場合
学生納付特例期間、納付猶予期間は老齢基礎年金の額の計算に入らないので、「学生納付特例期間」「納付猶予期間」を優先して追納を行います。
それ以外の期間は、先に経過した月の分から順次行います。
例えば、次のような場合は、①学生納付特例 → ②半額免除 → ③全額免除の順番で追納を行います。
古 → → → → → → → → → → →新 | ||
半額免除 | 全額免除 | 学生納付特例 |
ただし、学生納付特例より古い他の免除期間を優先できる例外も設けられています。
学生納付特例を先に追納しなければならないがために、他の免除期間が10年の追納期間に間に合わないことが出てくるためです。
そのため、学生納付特例期間より古い他の免除期間がある場合は、どちらを優先するか本人が選択することもできるようになっています。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】 ※改正による修正あり
納付することを要しないものとされた保険料の一部について納付する場合は、原則として、全額免除期間又は一部免除期間、次いで学生等の納付特例期間又は納付猶予期間の順に、それぞれ先に経過した月の分から順次行うこととされている。
②【R1年出題】
平成27年6月分から平成28年3月分まで保険料全額免除期間(学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を除く。)を有し、平成28年4月分から平成29年3月分まで学生納付特例の期間を有し、平成29年4月分から令和元年6月分まで保険料全額免除期間(学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を除く。)を有する者が、令和元年8月に厚生労働大臣の承認を受け、その一部につき追納する場合は、学生納付特例の期間の保険料から優先的に行わなければならない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
原則として、学生等の納付特例期間又は納付猶予期間が優先で、次いで、全額免除期間又は一部免除期間のそれぞれ古い分から順次行うこととされています。
②【R1年出題】 ×
平成27年6月分から 平成28年3月分 | 平成28年4月分から 平成29年3月分 | 平成29年4月分から 令和元年6月分 |
保険料全額免除期間 | 学生納付特例の期間 | 保険料全額免除期間 |
学生納付特例の期間の保険料から優先的に追納するのが原則です。
しかし、学生納付特例より古い保険料全額免除期間を先に追納する選択も可能です。
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R4-202
国民年金の保険料の免除を受けた場合、後から保険料を追納することができます。
追納の要件を条文で確認しましょう。
第94条 (保険料の追納) ① 被保険者又は被保険者であった者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、法定免除、申請免除又は学生納付特例・納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料及び4分の3免除、半額免除、4分の1免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部につき追納をすることができる。 ただし、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されたときに限る。 |
ポイント!
・老齢基礎年金の受給権者は追納できません。
・追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内です
・一部免除を受けた場合は、残りの納付すべき保険料が納付されていること
→ 例えば、4分の3 免除については、残りの4分の1が納付されていないと追納できません。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
保険料の免除を受けている第1号被保険者が障害基礎年金の受給権を有する場合でも、厚生労働大臣の承認を受け、免除を受けた期間の保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部を追納することができる。
②【H29年出題】
一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されていないときは、保険料の追納を行うことができない。
③【R2年出題】
令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。
【解答】
①【H24年出題】 〇
障害基礎年金の受給権を有していても、追納はできます。
障害基礎年金は受給権があっても、障害の程度が軽くなると支給停止になる可能性があるからです。追納によって将来の老齢基礎年金の額を増やすことができます。
なお、遺族基礎年金の受給権者も追納が可能です。遺族基礎年金も失権することがあるからです。
②【H29年出題】 〇
4分の3免除を受けても残りの4分の1を納付していなければ、未納期間になるので、追納はできません。
③【R2年出題】 〇
H18年7月 | ・・・ | H22年 4月 | ・・・ | H28年 3月 | ・・・ | R2年 3月 | R2年 4月 |
全 額 免 除 期 間 |
| ||||||
| 追納可能 |
| 追納 承認 |
平成18年7月から平成28年3月 → 全額免除期間
追納の承認の日の属する月 → 令和2年4月
追納ができるのは「承認の日の属する月前10年以内の期間に係るもの」に限られますので、平成22年4月から平成28年3月までとなります。
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R4-179
今回は、子に対する遺族基礎年金の支給停止です。
では、条文です。
第41条 ② 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第20条の2第1項若しくは第2項又は第41条の2第1項の規定によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。 |
子に支給する遺族基礎年金について
◇配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは支給停止
→遺族基礎年金が配偶者に支給される間は、子の遺族基礎年金は支給が停止されます。
(例外)
・配偶者に対する遺族基礎年金が第20条の2第1項若しくは第2項により支給停止されているとき
第20条の2は「受給権者の申出による支給停止」です。
配偶者が申し出ることによって、配偶者の遺族基礎年金が支給停止になっている場合は、子の遺族基礎年金は支給されます。
・第41条の2第1項の規定によりその支給を停止されているとき
第41条の2第1項は、「配偶者が所在不明の場合の支給停止」です。
子の申し出によって配偶者の遺族基礎年金の支給が停止されますが、その間は、子が遺族基礎年金を受給します。
◇生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、支給停止
例えば、夫婦が離婚し、元妻が子と生計を同じくしていた場合で、元夫が死亡した場合。
元夫から定期的に養育費が送金されるなどして生計維持関係が認められた場合、子は遺族基礎年金の受給権を取得します。元妻には遺族基礎年金の受給権は発生しません。
しかし、子が母(元妻)と生計を同じくしている場合は、子の遺族基礎年金は支給停止されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
子に対する遺族基礎年金は、原則として、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給が停止されるが、配偶者に対する遺族基礎年金が国民年金法第20条の2第1項の規定に基づき受給権者の申出により支給停止されたときは、子に対する遺族基礎年金は支給停止されない。
②【H30年出題】
夫の死亡により妻と子に遺族基礎年金の受給権が発生し、子の遺族基礎年金は支給停止となっている。当該妻が再婚した場合、当該妻の遺族基礎年金の受給権は消滅し、当該子の遺族基礎年金は、当該妻と引き続き生計を同じくしていたとしても、支給停止が解除される。
③【H30年出題】
第2号被保険者である40歳の妻が死亡したことにより、当該妻の死亡当時、当該妻に生計を維持されていた40歳の夫に遺族基礎年金の受給権が発生し、子に遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、夫の遺族基礎年金は支給停止となり、子の遺族基礎年金と遺族厚生年金が優先的に支給される。
【解答】
①【H28年出題】 〇
★原則 → 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、支給停止。
★例外 → 配偶者の遺族基礎年金が「受給権者の申出により支給停止」されたとき → 子に対する遺族基礎年金は支給停止されません。
②【H30年出題】 ×
夫の死亡で妻と子に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、第41条第2項の「子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給を停止する」に該当するので、子の遺族基礎年金は支給停止されます。
その後、妻が再婚した場合は、第40条第1項第2号「婚姻をしたとき」に該当するので、妻の遺族基礎年金の受給権は消滅します。なお、子の受給権は消滅しません。
そして、その子がその妻(母)と引き続き生計を同じくしている場合は、第41条第2項の「生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。」に該当するので、子の遺族基礎年金は支給停止されます。
③【H30年出題】 ×
第2号被保険者である40歳の妻が死亡して、生計維持されていた40歳の夫と子がある場合、40歳の夫には「遺族基礎年金」、子には「遺族基礎年金と遺族厚生年金」の受給権が発生します。
遺族基礎年金については、第42条第2項「子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給を停止する。」に当てはまるので、夫に遺族基礎年金が支給され、子の遺族基礎年金が支給停止になります。
★なお、夫の遺族厚生年金については、受給要件は55歳以上です。妻の死亡当時40歳の夫には遺族厚生年金の受給権は発生しません。
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R4-178
今回は、所在不明の場合の支給停止です。
では、条文です。
第41条の2 ① 配偶者に対する遺族基礎年金は、その者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時に遡って、その支給を停止する。 ② 配偶者は、いつでも、①の規定による支給の停止の解除を申請することができる。
第42条 ① 遺族基礎年金の受給権を有する子が2人以上ある場合において、その子のうち1人以上の子の所在が1年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時にさかのぼって、その支給を停止する。 ② ①の規定によって遺族基礎年金の支給を停止された子は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。 |
◇ 配偶者が遺族基礎年金の受給権を有している間は、子の遺族基礎年金は支給停止となります。(このことは次回お話しします。)
しかし、配偶者が1年以上所在不明の場合は、子の申請によって配偶者の遺族基礎年金が支給停止されます。
(第41条の2)
◇ 例えば、2人の子が遺族基礎年金を受けていて、1人の子が1年以上所在不明になったときは、他の子が申請を行うと、所在不明になったときにさかのぼって、所在不明の子の年金が支給停止されます。
(第42条)
では、過去問をどうぞ
①【H26年出題】
配偶者に対する遺族基礎年金は、その者の所在が6か月以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時に遡って、その支給を停止する。
②【H22年出題 】(改正による修正あり)
遺族基礎年金の受給権者である配偶者の所在が1年以上明らかでないときは、遺族基礎年金の受給権を有する子の申請によって、申請した日の属する月の翌月から、その支給が停止される。
③【H30年出題】
遺族基礎年金の受給権を有する子が2人ある場合において、そのうちの1人の子の所在が1年以上明らかでないとき、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その申請のあった日の属する月の翌月から、その支給を停止する。
④【H15年出題】(改正による修正あり)
1年以上の所在不明によって遺族基礎年金の支給を停止された配偶者又は子は、それぞれ支給停止につき、いつでもその解除の申請をすることができる。
【解答】
①【H26年出題】 ×
6か月以上ではなく、「1年以上」明らかでないときです。
②【H22年出題 】(改正による修正あり) ×
「申請した日の属する月の翌月から」ではなく、「その所在が明らかでなくなった時に遡って」、支給が停止されます。
③【H30年出題】 ×
②の問題と同じく、いつから支給停止されるかがポイントの問題です。
「申請のあった日の属する月の翌月から」ではなく、「その所在が明らかでなくなった時に遡って」、支給が停止されます。
④【H15年出題】(改正による修正あり) 〇
所在不明になった人は、いつでも支給停止の解除の申請ができます。
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R4-177
前回までは遺族基礎年金の「失権」についてお話ししました。
今回からは「支給停止」のお話です。
「失権」とは、受給権が消滅することです。例えば、婚姻した場合は、遺族基礎年金の受給権は消滅します。その後離婚したとしても、受給権は復活しません。
「支給停止」とは、何かの事由で年金がストップすることです。支給停止事由がなくなれば、年金は再開されます。
今回は「支給停止」の1回目です。
では条文をどうぞ。
第41条 (支給停止) 遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、労働基準法の規定による遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止する。 |
業務上の事由で死亡し、労働基準法の遺族補償が行われる場合は、遺族基礎年金は6年間支給が停止されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H12年出題】
遺族基礎年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について労働者災害補償保険法の規定による遺族補償が行われるべきであるときは、死亡日から6年間、その支給を停止する。
②【H20年出題】
労働者災害補償保険法による遺族補償年金が支給されるときは、遺族基礎年金は全額が支給停止される。
③【H26年出題】
遺族基礎年金の受給権者が、同一の支給事由により労災保険法の規定による遺族補償年金の支給を受けることができる場合、遺族基礎年金は支給停止されない。
【解答】
①【H12年出題】 ×
「労働者災害補償保険法の規定による遺族補償」ではなく、「労働基準法の規定による遺族補償」が行われるべきであるときは、遺族基礎年金は、死亡日から6年間、その支給が停止されます。
ポイント!
「労働基準法」と「労働者災害補償保険法」の違い
・労働基準法には、「災害補償」の規定があり、労働者の業務上の傷病等については、使用者に補償責任を負わせています。
「労働基準法の規定による遺族補償」は、労働者が業務上死亡した場合に、使用者が補償すべきものです。
・しかし、実際に、使用者が全ての補償を行うのは難しいため、労働基準法の災害補償義務を代行する保険が「労働者災害補償保険法」です。
保険料は、事業主が全額負担し、労働者の業務上の傷病等については、労災保険法から保険給付が行われます。
②【H20年出題】 ×
「労働者災害補償保険法」から「遺族補償年金」が支給されるときは、遺族基礎年金の支給は停止されません。労災保険法の遺族補償年金が減額されます。
ポイント!
国民年金・厚生年金保険の年金は、業務上外関係なく支給されます。例えば、業務上の死亡の場合は、労災保険の年金も支給されますし、国民年金・厚生年金保険からも年金が支給されます。
「同一の事由」で労災保険の年金と国民年金・厚生年金保険から年金が支給される場合は、調整のため労災保険の年金が減額されます。国民年金・厚生年金保険の年金は支給停止されません。
労災保険の保険料は全額事業主負担ですが、国民年金・厚生年金保険は、被保険者本人が保険料を負担しているためです。
(労災保険法別表第1)
③【H26年出題】 〇
②の問題と同じです。
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R4-176
前回は、配偶者、子共通の失権事由がテーマでしたが、今回は、配偶者、子それぞれ特有の失権事由です。
では、条文を見てみましょう。
第40条 ② 配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は、配偶者、子共通の失権事由の規定によって消滅するほか、子が1人であるときはその子が、子が2人以上であるときは同時に又は時を異にしてその全ての子が、加算額の減額改定事由のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 ③ 子の有する遺族基礎年金の受給権は、配偶者、子共通の失権事由の規定によって消滅するほか、子が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 1 離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなったとき。 2 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。 3 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。 4 20歳に達したとき。 |
②は配偶者特有の失権事由です。
配偶者の遺族基礎年金は子があることが条件で、必ず子の加算額がつきます。
加算事由に該当する子がいなくなった場合は、遺族基礎年金の受給権は消滅します。
③は子特有の失権事由です。
・18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了
→失権します。
ただし、障害状態にある場合は失権しません。
・障害状態でなくなったとき
→失権します。
ただし、障害状態でなくなっても18歳に達した日以後の最初の3月31日までは、失権しません。
・20歳に達したとき
→失権します。
では、過去問をどうぞ
①【H27年出題】
子の有する遺族基礎年金の受給権は、当該子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに障害等級に該当する障害の状態にあった場合は、その後、当該障害の状態に該当しなくなっても、20歳に達するまで消滅しない。
【解答】
①【H27年出題】 ×
18歳の年度末に障害の状態にあった場合で、その後、20歳になる前に障害の状態に該当しなくなった場合は、そこで遺族基礎年金の受給権は消滅します。
なお、18歳の年度末に障害の状態にあって、障害の状態のまま20歳になった場合は、20歳に達したときに遺族基礎年金の受給権は消滅します。
では、次の過去問をどうぞ!
②【H19年出題】(改正による修正あり)
配偶者に支給する遺族基礎年金は、加算事由に該当する子が1人のときは、その子が配偶者以外の養子となったときに消滅するが、その子が、直系血族又は直系姻族の養子になったときはこの限りではない。
③【H28年出題】
被保険者、配偶者及び当該夫婦の実子が1人いる世帯で、被保険者が死亡し配偶者及び子に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、その子が直系血族又は直系姻族の養子となったときには、子の有する遺族基礎年金の受給権は消滅しないが、配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅する。
【解答】
②【H19年出題】(改正による修正あり) ×
「直系血族又は直系姻族以外の」養子になった場合、遺族基礎年金の受給権は消滅します。しかし、「直系血族又は直系姻族の養子」になった場合は失権しません。
例えば、被保険者である夫が死亡し、妻と子(1人)に遺族基礎年金の受給権が発生し、その子が「直系血族又は直系姻族の養子になった」場合を考えてみます。
子が「直系血族又は直系姻族の養子」になったとしても、子の受給権は消滅しません。
では、妻の受給権はどうでしょうか?
前々回に、「配偶者の遺族基礎年金の減額改定」の条文を読みました。
減額事由の中に、「子が配偶者以外の者の養子となったとき」という規定があったのを思い出してください。「配偶者以外の者」の部分がポイントです。
子から見ると「直系血族又は直系姻族の養子」になっても失権事由にはなりませんが、配偶者から見ると、子が「配偶者以外の者の養子」となるので、減額事由に該当します。
1人だけの子が減額事由である「配偶者以外の者の養子」となった場合は、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅します。
問題文の「加算事由に該当する子が1人のときは、その子が配偶者以外の養子となったときに消滅する」の部分は正しいですが、「その子が、直系血族又は直系姻族の養子になったときはこの限りではない」の部分が誤りです。子の養子縁組が、直系血族又は直系姻族とだったとしても、配偶者の遺族基礎年金の受給権は消滅します。
③【H28年出題】 〇
②の解説と同じケースの問題です。
・ 配偶者と1人の子に遺族基礎年金の受給権が発生
↓
・ その子が直系血族又は直系姻族の養子となった
↓
・ 子の有する遺族基礎年金の受給権は消滅しない
↓
・ しかし、配偶者の有する遺族基礎年金の受給権は消滅する
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R4-175
遺族基礎年金の失権事由を確認しましょう。
まず、「配偶者」と「子」の共通の失権事由からです。
では、条文を見てみましょう。
第40条 遺族基礎年金の受給権は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 1 死亡したとき。 2 婚姻をしたとき。 3 養子となったとき(直系血族又は直系姻族の養子となったときを除く。)。 2について・・・届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。 3について・・・届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。 |
配偶者が受給する場合、子が受給する場合の共通の失権事由です。
1、2、3のいずれかに該当すれば、遺族基礎年金の受給権は消滅します。
では、過去問をどうぞ!
①【H20年出題】(改正による修正あり)
遺族基礎年金の失権事由のうち配偶者と子に共通するものは、受給権者が、死亡したとき、婚姻をしたとき、及び直系血族又は直系姻族以外の養子になったときである。
②【H30年出題】
遺族基礎年金の受給権は、受給権者が婚姻をしたときは消滅するが、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしても消滅しない。
③【R1年出題】
遺族基礎年金の受給権者である子が、死亡した被保険者の兄の養子となったとしても、当該子の遺族基礎年金の受給権は消滅しない。
④【H16年出題】
夫の死亡により遺族基礎年金の受給権者となった妻が、夫の父と養子縁組をした場合、当該遺族基礎年金の受給権は消滅しない。
【解答】
①【H20年出題】(改正による修正あり) 〇
配偶者と子に共通する失権事由は、「死亡」、「婚姻」、「直系血族又は直系姻族以外の養子」の3つです。
②【H30年出題】 〇
老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしても、遺族基礎年金の受給権は消滅しません。
③【R1年出題】 ×
受給権者である子から見ると、「死亡した被保険者の兄」は叔父にあたり、直系ではなく傍系血族です。「直系血族又は直系姻族以外」の養子になった場合は、遺族基礎年金の受給権は消滅しますので、叔父(傍系血族)の養子になった場合は、遺族基礎年金は失権します。
④【H16年出題】 〇
「夫の父」は直系姻族です。直系姻族との養子縁組ですので、当該遺族基礎年金の受給権は消滅しません。
次回、配偶者、子それぞれ特有の失権事由に続きます。
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R4-174
前回の続きです。
配偶者に支給する遺族基礎年金には、子の加算額がつきます。
子の数が増減すると遺族基礎年金の額も改定されます。
では、条文を読んでみましょう。
法第39条 ② 配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時第37条の2第1項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子とみなし、その生まれた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額を改定する。 |
遺族基礎年金が増額されるパターンです。
第37条の2第2項で、『被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなす。』となっています。「将来に向かって」ですので、生まれたときから遺族の範囲に入ります。
『生まれた日の属する月の翌月』から、遺族基礎年金の額が増額改定されます。
では、次も読んでみましょう。
法第39条 ③ 配偶者に支給する遺族基礎年金については、子が2人以上ある場合であって、その子のうち1人を除いた子の1人又は2人以上が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月から、その該当するに至った子の数に応じて、年金額を改定する。 1 死亡したとき。 2 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。 3 配偶者以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。 4 離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなったとき。 5 配偶者と生計を同じくしなくなったとき。 6 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。 7 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。 8 20歳に達したとき。 |
配偶者に対する遺族基礎年金が減額改定されるパターンです。
配偶者の遺族基礎年金には子の数に応じた加算額がつきます。
例えば、子が3人ある場合は、3人分の加算額として「224,700円×改定率+224,700円×改定率+74,900円×改定率」が加算されています。その後、子のうちの1人が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了し加算の要件に該当しなくなると、加算額は2人分の「224,700円×改定率+224,700円×改定率」に減額改定されます。
条文の「子が2人以上ある場合であって、その子のうち1人を除いた子の1人又は2人以上が・・・」の部分がポイントです。
配偶者の遺族基礎年金は子があることが条件です。例えば、子が1人のみで、その子が加算の要件に該当しなくなった場合は子がいなくなるので、遺族基礎年金は減額改定ではなく、失権します。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
配偶者に支給する遺族基礎年金は、当該配偶者が、死亡した被保険者によって生計を維持されていなかった10歳の子と養子縁組をしたときは、当該子を養子とした日の属する月の翌月から年金額が改定される。
②【H25年出題】
妻が、1人の子と生計を同じくし遺族基礎年金を受給している場合に、当該子が障害の状態に該当しないまま18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは、当該遺族基礎年金の受給権は消滅する。
【解答】
①【H29年出題】 ×
遺族基礎年金の対象になる遺族は、被保険者の死亡の当時、被保険者によって生計を維持していたことが条件です。
問題文のように、死亡した被保険者によって生計を維持されていなかった子と養子縁組をしても、遺族の範囲に入る「子」の要件に当てはまらないので、増額改定は行われません。
②【H25年出題】 〇
1人の子と生計を同じくしている妻の遺族基礎年金の額は、780,900円×改定率+224,700円×改定率です。その子が加算事由に該当しなくなると、生計を同じくしている子がいなくなるので、妻の遺族基礎年金の受給権は消滅します。
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R4-173
遺族基礎年金は「配偶者」に支給されるパターンと、「子」に支給されるパターンがあります。それぞれの遺族基礎年金の額を確認しましょう。
まず、遺族基礎年金の額を条文で見てみましょう。
第38条 (遺族基礎年金の額) 遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)とする。 |
★遺族基礎年金の基本額は、「780,900円×改定率」です。
では、「配偶者」に支給されるパターンを見てみましょう。
第39条 配偶者に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円×改定率に配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時第37条の2第1項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。 |
ポイント! 配偶者と子の両方が遺族基礎年金の受給権を取得した場合、遺族基礎年金は配偶者が受けます。
遺族基礎年金を受けることができる配偶者は、「子」と生計を同じくすることが条件です。配偶者が遺族基礎年金を受ける場合は、必ず子の数に応じた加算額がつきます。
第1子、第2子はそれぞれ224,700円×改定率、第3子以降は1人増えるごとに74,900円×改定率が加算されます。
配偶者が受ける遺族基礎年金は、基本額の780,900円×改定率のみということはあり得ず、必ず子の加算額がつくことがポイントです。
次に「子」に支給されるパターンを見てみましょう。
第39条の2 子に支給する遺族基礎年金の額は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について遺族基礎年金の受給権を取得した子が2人以上あるときは、780,900円×改定率にその子のうち1人を除いた子につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち1人については、224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額を、その子の数で除して得た額とする。 |
ポイント! 条文の「子が2人以上あるとき」の部分に注目してください。子に支給される遺族基礎年金は、子が2人以上の場合は加算額がつきますが、子が1人の場合は加算額がつかないのがポイントです。
子が1人の場合は780,900円×改定率
子が2人の場合は780,900円×改定率+224,700円×改定率
子が3人の場合は780,900円×改定率+224,700円×改定率+74,900円×改定率
となります。
個々の受給権者に支給される額は、子の数で除した額になります。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
被保険者である夫が死亡し、その妻に遺族基礎年金が支給される場合、遺族基礎年金には、子の加算額が加算される。
②【H22年出題】
子に支給する遺族基礎年金の額は、子が2人いるときは、780,900円に改定率を乗じて得た額に74,900円に改定率を乗じて得た額を加算した額を2で除して得た額となる。
③【H28年出題】
受給権者が子3人であるときの子に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額に、224,700円に改定率を乗じて得た額の2倍の額を加算し、その合計額を3で除した額を3人の子それぞれに支給する。
④【R3年出題】
遺族基礎年金の受給権者が4人の子のみである場合、遺族基礎年金の受給権者の子それぞれが受給する遺族基礎年金の額は、780,900円に子の加算として224,700円、224,700円、74,900円を合計した金額を子の数で除した金額となる。
【解答】
①【R2年出題】 〇
配偶者の遺族基礎年金には必ず子の加算額が加算されます。
②【H22年出題】 ×
受給権者が子2人のときの子に支給する遺族基礎年金の額は、「780,900円×改定率」に「224,700円×改定率」を加算した額です。合計額を2で除して得た額を2人の子それぞれに支給します。
③【H28年出題】 ×
受給権者が子3人のときの子に支給する遺族基礎年金の額は、「780,900円×改定率」+「224,700円×改定率」+「74,900円×改定率」です。その合計額を3で除した額が3人の子それぞれに支給されます。
④【R3年出題】 ×
受給権者が子4人のときの子に支給する遺族基礎年金の額は、「780,900円×改定率」に子の加算として「224,700円×改定率、74,900円×改定率、74,900円×改定率」を合計した金額を子の数の4で除した額です。
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R4-162
障害基礎年金の受給権者に子がいるときは、子の加算が行われます。
要件をどの時点でみるかが今日のテーマです。
★では、条文で確認しましょう。
第33条の2 ① 障害基礎年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、障害基礎年金にその子1人につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。 ② 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)を有するに至ったことにより、子の加算額を加算することとなったときは、当該子を有するに至った日の属する月の翌月から、障害基礎年金の額を改定する。 |
子の加算額は、「生計維持関係」があることが前提です。
障害基礎年金の受給権発生時に生計維持関係がある場合はもちろん加算されますが、受給権を取得した翌日以後に生計維持関係のある子を有することに至った場合も、子の加算が行われるのがポイントです。
ちなみに、遺族基礎年金の場合の生計維持関係は「死亡の当時」で判断されます。
第37条の2で、「遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、一定の要件に該当したものとする。」となっています。
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
障害基礎年金の加算額は、受給権者によって生計を維持されている一定の要件に該当する子があるときに加算され、配偶者に対する加算はない。
②【H25年出題】
障害基礎年金の受給権者が当該受給権を取得した後に18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子を有することとなった場合には、その子との間に生計維持関係があっても、その子を対象として加算額が加算されることはない。
③【H23年出題】
障害基礎年金に係る子の加算は、受給権者が当該受給権を取得した時点において、その者によって生計を維持する18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子がなければ、行われない。
【解答】
①【H19年出題】 〇
障害基礎年金の加算額の対象は、子だけです。配偶者については、1・2級の障害厚生年金の加給年金額の対象になります。
②【H25年出題】 ×
障害基礎年金の受給権を取得した後でも、要件を満たす子を有することになった場合は、子の加算額が加算されます。その場合は、子を有するに至った日の属する月の翌月から、障害基礎年金の額に子の加算額が加算されます。
③【H23年出題】 ×
②の問題と同じです。受給権を取得した時点で要件を満たす子がいなくても、後日、有することになった場合は、加算の対象になります。
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R4-152
3級の障害が重くなり2級に該当した場合、障害厚生年金は3級から2級に額の改定が行われます。
その場合、「障害基礎年金」は、「事後重症」になることがポイントです。
初診日に厚生年金保険の被保険者(国民年金は第2号被保険者)で、障害認定日に3級に該当した場合、「3級の障害厚生年金」の受給権が発生しますが、障害基礎年金の受給権はありません。
その後、障害の程度が増進し2級に該当した場合、障害厚生年金は3級から2級に額の改定が行われます。一方、障害基礎年金は「障害認定日」に障害等級(1・2級)に該当しなかったものが、その後障害等級(1・2級)に該当することになり、「事後重症」となります。(下の図でご確認ください)
障害厚生年金の3級から2級への額の改定は、障害基礎年金の事後重症の要件を満たす必要があるのがポイントです。
ここで、「国民年金法」の条文を読んでみましょう。
国民年金法第30条の2 (事後重症の障害基礎年金) ① 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病に係る初診日において前条第1項各号のいずれかに該当した者であって、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に障害基礎年金の支給を請求することができる。 ④ 第①項の障害基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法の規定による障害厚生年金について、同法第52条の規定によりその額が改定されたときは、そのときに①項の請求があったものとみなす。 |
★ 最後の「そのときに①項の請求があったものとみなす。」に注目してください。
事後重症の障害基礎年金は「請求」によって受給権が発生します。しかし、障害厚生年金の障害等級が3級から2級に改定された場合は、改めて請求しなくても、障害厚生年金の改定に伴い、請求が行われたとみなされます。
では、国民年金の過去問をどうぞ!
①【国民年金H30年出題】
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が、その後障害状態が悪化し障害等級2級に該当したことから、65歳に達する日の前日までに障害厚生年金の額改定請求を行い、その額が改定された場合でも、当該受給権者は当該障害厚生年金と同一の支給事由である障害基礎年金の支給を請求しない限り、障害基礎年金の受給権は発生しない。
②【国民年金H22年出題】
初診日に厚生年金保険の被保険者で、保険料納付等の要件を満たし、3級の障害厚生年金の受給権を取得した者が、その後、障害の程度が増進し2級以上となり、65歳に達する日の前日までに障害厚生年金の額の改定が行われたときは、当該者は障害基礎年金に係る事後重症の請求を行えば、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
①【国民年金H30年出題】 ×
障害厚生年金が3級から2級に改定された場合は、障害基礎年金は、事後重症の「請求があったものとみなす。」ことになっています。請求しなくても、事後重症の障害基礎年金の受給権が発生します。
②【国民年金H22年出題】 ×
①の問題と同じです。障害基礎年金に係る事後重症の請求をしなくても、受給権が発生します。
次回に続きます。
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R4-150
前回に引き続き、第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)の支給停止です。
第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)には、受給権者の所得による支給停止があります。
条文を見てみましょう。
第36条の3 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(第33条の2第1項の規定により子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止する。 |
★チェックポイント!
・ 第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)には、所得による支給停止がある。
・ 所得は「受給権者」の前年の所得で判断される
・ 停止期間は「その年の10月から翌年の9月」まで(令和3年8月改正)
・ 停止されるのは、「全部又は2分の1」
全額支給
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2分の1支給停止
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全額支給停止 |
2分の1支給 |
▲ ▲ ▲
0 370万4千円 472万1千円
※扶養親族等がいない場合、前年の所得が472万1千円を超えるときは、全額が支給停止、370万4千円を超え、472万1千円以下のときは、2分の1が支給停止されます。
(施行令第5条の4)
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】※R3年8月改正による修正あり
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者本人の前年の所得が政令で定められた金額を超えるときは、その年の10月から翌年9月までの間、年金額の全部、又は、年金額の4分の3、2分の1若しくは4分の1に相当する部分の支給が停止される。
②【H27年出題】※R3年8月改正による修正あり
20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
③【H17年出題】※R3年8月改正による修正あり
20歳前の第2号被保険者期間中に初診日のある障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、その年の10月から翌年9月までその支給を停止される。
④【H20年出題】※R3年8月改正による修正あり
いわゆる20歳前の障害に基づく障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、原則として、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給が停止される。
【解答】
①【H25年出題】※R3年8月改正による修正あり ×
支給停止されるのは、年金額の「全部又は2分の1」に相当する部分です。
②【H27年出題】※R3年8月改正による修正あり ×
「受給権者本人」の所得で判断されます。扶養親族の所得は合算しません。
③【H17年出題】※R3年8月改正による修正あり ×
20歳前の第2号被保険者期間中に初診日のある障害基礎年金は、第30条の4(20歳前傷病による障害基礎年金)ではなく、第30条の通常の障害基礎年金です。所得による支給停止はありません。
④【H20年出題】※R3年8月改正による修正あり 〇
子の加算額が加算されている20歳前傷病による障害基礎年金が、所得によって2分の1が支給停止される場合、子の加算額を控除した額の2分の1に相当する部分の支給が停止されます。
もう一問どうぞ!
⑤【H25年出題】
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、震災、風水害、火災その他これに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令に定めるその他の財産につき被害金額がその価額のおおむね3分の1以上である損害を受けた者がある場合は、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わない。
【解答】
⑤【H25年出題】 ×
被害金額がその価額のおおむね「3分の1」ではなく「2分の1」以上である損害を受けた者が対象です。
その損害を受けた月から翌年の9月までは、所得を理由とする支給停止は行われません。
(法第36条の4)
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R4-149
前回の続きです。
20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料を負担していない人に対して支給する福祉的な意味のある年金です。
そのため、通常の障害基礎年金とは違う理由で支給停止されます。
条文を読んでみましょう。
第36条の2 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第2号及び第3号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。
1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4 日本国内に住所を有しないとき。 |
ポイント!
「第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)」限定の支給停止事由です。
過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されない。
②【R1年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金を受給中である者が、労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、当該20歳前傷病による障害基礎年金は支給を停止する。
③【H25年出題】
労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。
④【R3年出題】
国民年金法第30条第1項の規定による障害基礎年金は、受給権者が刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているときには、その該当する期間、その支給が停止される。
⑤【H30年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が少年法第24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は売春防止法第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合は、その該当する期間、その支給を停止する。
⑥【H25年出題】
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは支給停止される。
【解答】
①【H20年出題】 〇
労災保険法の障害補償年金を受けることができるときに支給停止されるのは、20歳前の障害に基づく障害基礎年金だけです。
問題文は「いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く」となっています。通常の障害基礎年金について問われているので、「その支給は停止されない」で〇です。
②【R1年出題】 〇
「20歳前傷病による障害基礎年金」は、労災保険法の年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合は、その期間、支給停止されます。
なお、条文の「労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付」に注目してください。調整の対象は「年金」で、「障害」の年金に限られません。
③【H25年出題】 〇
②の問題のように20歳前傷病による障害基礎年金は、「労災保険法の年金たる給付を受給できる場合」は、その期間、支給停止されます。
ただし、労災保険法による年金たる給付の「全額が支給停止されているとき」は、20歳前傷病による障害基礎年金は原則として支給停止されません。
(法第36条の2第2項)
④【R3年出題】 ×
刑事施設、労役場等の施設に拘禁されているときに、支給が停止されるのは、第30条の4の障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)です。
問題文は、法第30条第1項の規定による障害基礎年金(通常の障害基礎年金)について問われているので、刑事施設、労役場等の施設に拘禁されている間も、支給停止にはなりません。
⑤【H30年出題】 〇
問題文の施設に収容されている間は、20歳前傷病による障害基礎年金は、支給停止されます。
(則第34条の4)
⑥【H25年出題】 〇
「30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金」について問われているので、「日本国内に住所を有しない」ときは支給停止される、で正解です。
次回に続きます。
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R4-148
通常の障害基礎年金は、初診日に「国民年金の被保険者」であることが条件です。
(又は被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、60歳以上65歳未満である場合でも要件を満たします。)
20歳前傷病による障害基礎年金は、20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金です。
20歳前に初診日があるというのは、国民年金に加入する前に初診日があるということです。
旧法では、20歳前に障害になった場合は、全額国庫負担の障害福祉年金が支給されていましたが、新法では、障害基礎年金が支給されることになりました。
ただし、国民年金加入前に初診日があるので国民年金の保険料は納付していません。 そのため、通常の障害基礎年金とは違うルールがありますので区別しましょう。
では、まず、20歳前傷病による障害基礎年金の受給権の発生日を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第30条の4 疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であった者が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。 |
・初診日が20歳未満で、
①障害認定日以後に20歳に達したとき → 20歳に達した日
②障害認定日が20歳に達した日後であるとき → 障害認定日
①は20歳に達した日、②は障害認定日に、障害等級にあれば、受給権が発生します。
★下の図も参考にしてください。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
被保険者でなかった19歳の時に初めて医療機関で診察を受け、うつ病と診断され継続して治療している現在25歳の者は、20歳に達した日の障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、その日に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生する。
②【H22年出題】
20歳未満の初診日において厚生年金保険の被保険者であって保険料納付要件を満たしている場合、障害認定日が20歳未満であってその障害認定日において障害等級に該当すれば障害厚生年金の受給権が発生するが、障害基礎年金については障害等級に該当していても受給権の発生は20歳以降である。
【解答】
①【H26年出題】 ×
初診日が19歳の時なので、障害認定日は、20歳に達した日後になります。
下の図では②に該当します。
受給権は、20歳に達した日ではなく、「障害認定日」に障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、「障害認定日」に発生します。
ちなみに、障害認定日は「初診日から起算して1年6か月を経過した日」ですが、「その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日」となるので、障害認定日が1年6か月より早くなる可能性もあります。
しかし、問題文は、25歳時点で「継続して治療中」です。(治っていない)そのため、「初診日から起算して1年6か月を経過した日」が障害認定日です。
②【H22年出題】 ×
初診日に20歳未満でも、「厚生年金保険の被保険者」である場合は、20歳前傷病による障害基礎年金ではなく、通常の障害基礎年金の受給権が発生します。
問題文の場合は、「障害認定日」に障害厚生年金と障害基礎年金の受給権が発生します。
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R4-138
前回は、年金制度の創成期のお話をしました。
その後の経済の高度成長の中で、年金制度も充実期を迎えます。
そして、加速する高齢化、経済成長の安定化から、公的年金も大きな見直しが行われました。
昭和60年改正の大きな柱は次の3つです。
① 基礎年金の導入
② 厚生年金の給付水準の適正化
③ 女性の年金権の確立
「昭和61年4月1日」前後で年金制度が大きく変わります。昭和61年4月1日前の制度を「旧法」、それ以後を「新法」といいます。
① 基礎年金の導入について
それまでの公的年金は、自営業者等が加入する「国民年金」、民間の会社員が加入する「厚生年金」、公務員等が加入する「共済年金」の大きく3つに分かれていました。
それぞれが独自に運営されていたので、給付面でも負担面でも制度間に格差があったこと、また、産業構造の変化に伴い財政基盤が不安定になる問題も起こっていました。
このため、登場したのが「全国民共通の基礎年金」です。
国民年金は「基礎年金」として、全国民共通の年金を担当することになりました。また、厚生年金等の被用者年金は基礎年金に上乗せされる報酬比例年金として位置づけられました。
「基礎年金」の導入によって、1階部分が「基礎年金」、2階部分が「厚生年金や共済年金」となる「2階建ての年金」の方式になりました。
② 厚生年金の給付水準の適正化について
加入期間が延びてもこれ以上給付水準が高くならないよう、給付乗率や定額単価も見直しが行われました。
具体的には、大正15年4月2日から昭和21年4月1日以前生まれの人の給付乗率や定額単価は、生年月日が若くなっていくほど逓減していきます。
新法施行時に40歳未満だった昭和21年4月2日以後生まれの人には新法の給付乗率や定額単価を適用しますが、40歳を過ぎていた昭和21年4月1日以前生まれの人は、旧法の水準から徐々に新法の水準に近づけていくイメージです。昭和61年4月1日を境に、給付乗率や定額単価をいきなり減らすことができないからです。
③ 女性の年金権の確立について
旧法では民間サラリーマン等の妻(専業主婦)は、国民年金には「任意で加入できる」位置づけでした。任意加入しなかった場合は、老後は、サラリーマンの夫の年金に加算される配偶者加給年金額で保障されることになっていました。
ただし、妻が任意加入していない場合は、離婚すると老齢年金が受給できない、障害になっても障害年金が受給できない問題もありました。
そのため、新法では、サラリーマン等の妻(専業主婦)も国民年金に第3号被保険者として加入することになりました。ただし、保険料は、第3号被保険者が個別に負担するのではなく、夫の加入する被用者年金制度全体で負担しています。
※妻と夫が逆の場合も同じです。
過去問をどうぞ!
【H15年選択式】
年金改正では、激変を緩和するという観点から、しばしば経過措置が設けられる。昭和60年改正によって導入された基礎年金の給付の適用を受けるのは、老齢基礎年金については< A >以降に生まれた者(施行日に旧制度の老齢・退職給付の受給権のあった者を除く。)、障害基礎年金については< B >が昭和61年4月1日以降の者(福祉年金を除く。)であり、それ以外の者には旧制度の給付が適用されている。
【解答】
A 大正15年4月2日
★「基礎年金」という名称が登場するのは新法からです。
新法の「老齢基礎年金」が支給されるのは、昭和61年4月1日に60歳未満だった大正15年4月2日以降生まれの人です。ただし、大正15年4月2日以降生まれでも、昭和61年3月31日に旧法の老齢・退職給付の受給権があった場合は、そのまま旧法が適用されます。
B 障害認定日
★障害基礎年金は障害認定日に受給権が発生します。障害認定日(受給権の発生日)が昭和61年4月1日以降なら、新法の障害基礎年金が支給されます。
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R4-137
今日は、厚生年金保険法・国民年金法の創成期のお話です。
・昭和17年 労働者年金保険法発足
(昭和19年厚生年金保険法に改称)
・昭和29年 厚生年金保険法全面改正
(「定額部分+報酬比例部分」という2階建ての給付方式を採用)
・昭和36年 国民年金法全面施行
(国民皆年金の実現)
★昭和17年にスタートした労働者年金は、工場等で働く男子労働者を被保険者としていました。労働力の保全強化を図ることなどが背景にありました。
昭和19年に名称が厚生年金保険法に改められ、被保険者の範囲は、事務職員や女性にも広がりました。
報酬比例部分のみだった養老年金が、「定額部分」と「報酬比例部分」の2階建ての老齢年金になったのが、昭和29年の改正です。
★民間の会社員や公務員には公的な年金制度があり、老後の所得が保障されていましたが、自営業者等には、そのような制度が無いことが問題になっていました。
しかし、自営業者等にも老後の保障が必要だということで、国民年金法が制定されたのが昭和34年です。拠出制の国民年金制度が昭和36年に施行され、国民皆年金が実現しました。
「国民皆年金」とは、民間の会社員、公務員だけでなく、それ以外の自営業者等もすべての人が職業に関係なく公的年金の保護の対象になるという意味です。
なお、拠出制は昭和36年からですが、無拠出制の福祉年金制度は昭和34年からスタートしていました。
既に高齢になっている人、障害のある人等には、全額国庫負担の老齢福祉年金、障害福祉年金、母子福祉年金等が支給されました。
★老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間(480月)の全てが保険料納付済期間なら満額の年金が支給されます。
しかし、大正15年4月2日から昭和16年4月1日以前生まれの人は、480月ではなく、加入可能年数×12で計算します。
なぜなら、国民年金制度が発足した昭和36年4月1日に既に20歳になっているからです。その年代の人は、昭和36年4月1日から60歳までの間の全てが保険料納付済期間なら、満額の老齢基礎年金が支給されます。
例えば大正15年4月2日~昭和2年4月1日の間に生まれた人は「25年」、昭和15年4月2日~昭和16年4月1日の間に生まれた人は39年が加入可能年数です。
20歳から60歳まで40年間加入できるのは、昭和16年4月2日以後生まれの人です。
★創成期の年金のポイントは以下の通りです。
(創成期の年金の特徴)
・「縦割り」の運営でした
制度ごとに支給要件や給付水準が設定されていて、統一されていませんでした。
・加入が「任意」な人もいました
例えば、会社員の妻などは任意加入でした。
過去問をどうぞ!
【H19年出題】
国民年金は、昭和34年に制定された国民年金法に基づき、同年10月から無拠出制の福祉年金の給付が開始され、昭和36年4月から拠出制の年金制度が開始されて、国民皆年金の体制が成立した。
【解答】
【H19年出題】 ×
無拠出制の福祉年金の給付の開始は、昭和34年11月からです。10月ではありません。
(法附則第1条)
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R4-126
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
「寡婦年金」の条文を読んでみましょう。
第49条(寡婦年金の支給要件) 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。 |
1行目の「死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての」に注目してください。
「死亡日の属する月の前月まで」で前々月ではありません。
例えば、令和3年12月25日に死亡したとすると、「10年」は令和3年11月まででみることになります。
死亡が12月25日なら資格喪失は12月26日で、「被保険者期間」は11月までです。
寡婦年金の場合、保険料納付済期間、保険料免除期間に応じて年金額が計算されるので、最後の11月分まで計算に入れる方が、有利になるからです。
では、過去問をどうぞ
①【H28年出題】
寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、国民年金法第27条の老齢基礎年金の額の規定の例によって計算した額とされている。
②【H24年出題】
寡婦年金の額の算定には、死亡した夫が第2号被保険者としての被保険者期間を有していたとしても、当該期間は反映されない。
【解答】
①【H28年出題】 ×
寡婦年金の額は、「老齢基礎年金の額の規定の例によって計算した額」ではなく、「老齢基礎年金の額の規定の例によって計算した額の4分の3」です。
②【H24年出題】 〇
寡婦年金の額に反映するのは、「第1号被保険者」としての期間だけです。
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R4-125
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
「障害基礎年金」の条文を読んでみましょう。
第30条 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 1 被保険者であること。 2 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 |
保険料納付要件の「初診日の属する月の前々月までに」に注目してください。
例えば、初診日が令和3年12月24日だとすると、保険料納付要件は、令和3年10月までの被保険者期間でみます。
国民年金の保険料の納期限は、以下のようになります。
令和3年10月分の保険料 → 納期限は令和3年11月末日
令和3年11月分の保険料 → 納期限は令和3年12月末日
令和3年12月23日の時点で、保険料の納期限がきているのは10月分までです。「納付しなければならない保険料」を納付しているかどうかをみるので、「前々月」となっています。
11月分はまだ納期限がきていませんので、保険料納付要件には入れません。
では、過去問をどうぞ
①【H28年出題】
平成2年4月8日生まれの者が、20歳に達した平成22年4月から大学を卒業する平成25年3月まで学生納付特例の適用を受けていた。その者は、卒業後就職せず第1号被保険者のままでいたが、国民年金の保険料を滞納していた。その後この者が24歳の誕生日を初診日とする疾病にかかり、その障害認定日において障害等級2級の状態となった場合、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
①【H28年出題】 〇
ポイント
・平成26年4月8日が初診日
・保険料納付要件をみる期間
平成22年4月(資格取得日の属する月)から平成26年2月(初診日の属する月の前々月)まで(3年11か月)
・保険料納付済期間+保険料免除期間が、そのうちの3分の2以上あればよい
3年11か月のうち、保険料免除期間が3年間。
3分の2以上の要件を満たしているので、障害基礎年金の受給権が発生します。
★遺族基礎年金で保険料納付要件をみるときも、「前々月」までです。
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R4-123
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
では、こちらの条文を読んでみましょう。
国民年金法第35条 (失権) 障害基礎年金の受給権は、第31条第2項の規定によって消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 1 死亡したとき。 2 厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にない者が、65歳に達したとき。ただし、65歳に達した日において、同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過していないときを除く。 3 厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとき。ただし、3年を経過した日において、当該受給権者が65歳未満であるときを除く。 |
「厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級」という表現に注意してください。
国民年金法の条文で単に「障害等級」と書いてあれば、「1級・2級」のことです。
一方、国民年金法の条文で「厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級」と書いてある場合は、「1級・2級・3級」のことです。
では、過去問を解いてみましょう。
①【H20年出題―国民年金法】
障害基礎年金の受給権者が63歳の時点で、厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していたときは、その時点で当該障害基礎年金の受給権が消滅する。
【解答】
①【H20年出題―国民年金法】 ×
「厚生年金保険法に規定する障害等級」は「3級」も入ることに注意してください。
障害基礎年金の受給権者が63歳の時点で、3級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していても、その時点では障害基礎年金の受給権は消滅しません。
障害基礎年金の受給権が消滅するのは、次のどちらか遅い方です。
・3級程度の障害の状態に該当しなくなって3年経過
・65歳
少なくとも65歳までは失権しません。
次に厚生年金保険法の条文を読んでみましょう。
厚生年金保険法第53条(失権) 障害厚生年金の受給権は、第48条第2項の規定によって消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 1 死亡したとき。 2 障害等級に該当する程度の障害の状態にない者が、65歳に達したとき。ただし、65歳に達した日において、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過していないときを除く。 3 障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとき。ただし、3年を経過した日において、当該受給権者が65歳未満であるときを除く。
|
こちらは厚生年金保険法の条文ですので、「障害等級」は、1級、2級、3級です。
消滅する時期は国民年金法と同じです。
では、厚生年金保険法の過去問も解いてみましょう。
②【H15年出題―厚生年金保険法】
障害厚生年金の受給権は、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日からそのまま該当することなく3年を経過した日において、その者が65歳以上であるときはその日に、その者が65歳未満のときはその後65歳に達した日に消滅する。
【解答】
②【H15年出題―厚生年金保険法】 〇
こちらは、「厚生年金保険法」ですので、単に「障害等級」と書いてあれば、「1級・2級・3級」のことです。
消滅の時期は、国民年金の障害基礎年金と同じです。
・3級に該当しなくなった日からそのまま該当することなく3年を経過した日に65歳以上のとき → その日に消滅
・3級に該当しなくなった日からそのまま該当することなく3年を経過した日に65歳未満のとき → その後65歳に達した日に消滅
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R4-122
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
では、条文を読んでみましょう。
国民年金法第30条 1 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 ① 被保険者であること。 ② 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 2 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。 |
厚生年金保険法第47条 1 障害厚生年金は、疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において被保険者であった者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)があるときは、その日とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 2 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級、2級及び3級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。 |
★ 「障害基礎年金」も「障害厚生年金」も、「初診日」「保険料納付要件」「障害認定日」の3つの要件を満たすことが必要です。
★ 国民年金法の「障害等級」は、1級・2級、厚生年金保険法の「障害等級」は、1級・2級・3級です。
同じ「障害等級」という用語でも、範囲が違うことに注意しましょう。
(例1) 例えば、「初診日」に40歳・厚生年金保険の被保険者だった場合、同時に「国民年金の第2号被保険者」でもあります。
そして、障害認定日に、「1級」に該当した場合は、障害基礎年金と障害厚生年金の2階建ての年金が支給されます。
障害厚生年金 1級 |
障害基礎年金 1級 |
(例2) 例えば、例1と同じく「初診日」に40歳・厚生年金保険の被保険者(同時に「国民年金の第2号被保険者」)だった場合。
障害認定日に「3級」に該当した場合は、3級の障害厚生年金が支給されます。障害基礎年金には3級がないので、障害基礎年金は支給されません。
障害厚生年金 3級 |
では、「厚生年金保険法」の過去問を解いてみましょう。
①【H22年出題ー厚生年金保険法】
障害等級は、障害の程度に応じて軽度のものから1級、2級及び3級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。
【解答】
①【H22年出題―厚生年金保険法】 ×
「軽度のものから」ではなく、「重度のものから1級、2級及び3級」です。
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R4-114
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
早速、条文を読んでみましょう
第26条 (支給要件) 老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第90条の3第1項(学生納付特例)の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。 ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。 |
★老齢基礎年金の支給要件のポイントは次の2つです。
① 保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して10年以上あること
② 65歳に達したこと
★注意するポイントは次の2つです。
① 合算対象期間
保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて10年に満たない場合でも、「合算対象期間」を合算して10年以上あれば支給要件を満たします。 (附則第9条第1項)
②学生納付特例期間
1行目の「保険料免除期間(第90条の3第1項(学生納付特例)の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)」に注目してください。
学生納付特例期間は、老齢基礎年金の年金額の計算に入りません。年金の計算上はゼロになるので、例えば40年間ずっと学生納付特例期間だった場合は、老齢基礎年金は支給されません。年金額の計算に入らないので、1行目の保険料免除期間から学生納付特例期間は除かれています。
しかし、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年」の部分の保険料免除期間から学生納付特例期間は除かれていません。
学生納付特例期間は受給資格をみるときの10年には算入されるからです。
※なお、「納付猶予期間」も学生納付特例期間と同じ扱いです。
では、過去問を解いてみましょう
①【R1年出題】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間を10年以上有し、当該期間以外に被保険者期間を有していない者には、老齢基礎年金は支給されない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがないものとする。
②【H29年出題】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料が追納されていなければ、老齢基礎年金の額には反映されない。
③【H30年出題】
65歳に達したときに、保険料納付済期間と保険料免除期間(学生納付特例期間及び納付猶予期間を除く。)とを合算した期間を7年有している者は、合算対象期間を5年有している場合でも、老齢基礎年金の受給権は発生しない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間は老齢基礎年金の額には反映しません。ですので、当該期間以外に被保険者期間を有していない場合は、老齢基礎年金の額はゼロ、老齢基礎年金は支給されません。
②【H29年出題】 〇
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間は、老齢基礎年金の額には反映されません。しかし、10年以上の受給資格期間には算入されます。
③【H30年出題】 ×
65歳に達したときに、保険料納付済期間と保険料免除期間と合算対象期間を合わせて10年以上ある場合は、老齢基礎年金の受給権が発生します。
では、年金の支給期間の条文を穴埋めで確認しましょう。
第18条 (年金の支給期間及び支払期月)
1 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の< A >から始め、権利が消滅した日の< B >で終るものとする。
2 年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の < A >からその事由が消滅した日の< B >までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。
3 年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの< C >までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。
【解答】
A 属する月の翌月
B 属する月
C 前月
例えば、昭和31年12月11日生まれの人は、令和3年12月10日に65歳に達し、要件を満たせば、令和3年12月10日に老齢基礎年金の受給権が発生します。
年金の支給は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月」からですので、令和4年1月から支給が始まります。
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R4-113
社労士受験勉強のファーストステップ
ファーストステップについては
では、条文を読んでみましょう。
第8条 (資格取得の時期) 第7条の規定による被保険者は、第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない者については①から③までのいずれかに該当するに至った日に、20歳未満の者又は60歳以上の者については④に該当するに至った日に、その他の者については④又は⑤のいずれかに該当するに至った日に、それぞれ被保険者の資格を取得する。 ① 20歳に達したとき。 ② 日本国内に住所を有するに至ったとき。 ③ 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者でなくなったとき。 ④ 厚生年金保険の被保険者の資格を取得したとき。 ⑤ 被扶養配偶者となったとき。 |
第9条 (資格喪失の時期) 第7条の規定による被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(②に該当するに至った日に更に第2号被保険者若しくは第3号被保険者に該当するに至ったとき又は③から⑤までのいずれかに該当するに至ったとき(④については、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったときに限る。)は、その日)に、被保険者の資格を喪失する。 ① 死亡したとき。 ② 日本国内に住所を有しなくなったとき(第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)。 ③ 60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)。 ④ 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者となったとき(第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)。 ⑤ 厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したとき(第7条第1項各号のいずれかに該当するときを除く。)。
⑥ 被扶養配偶者でなくなったとき(第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときを除く。)。 |
★〇〇歳に達するのはいつでしょう?
「年齢に関する法律」では、「年齢は出生の日より之を起算す」と規定されています。
年齢の計算は、初日を算入することがポイントです。
例えば、令和3年4月1日午後1時に生まれた場合は、令和3年4月1日0時から起算し、令和4年3月31日24時をもって満1年となります。令和4年3月31日24時を暦日で考えて、1歳に達するのは令和4年3月31日となります。
では、過去問を解いてみましょう
①【H30年出題】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達したときに該当するに至った日に被保険者の資格を喪失する。
②【R1年出題】
平成11年4月1日生まれの者が20歳に達したことにより第1号被保険者の資格を取得したときは、平成31年4月から被保険者期間に算入される。
③【H26年出題】
昭和29年4月1日生まれの第1号被保険者は、平成26年に60歳に達するが、その際、引き続いて任意加入被保険者又は第2号被保険者とならない場合、平成26年3月までが被保険者期間に算入される。
【解答】
①【H30年出題】 〇
第1号被保険者・第3号被保険者は、「60歳に達したとき」に資格を喪失します。
「60歳に達したときに該当するに至った日(当日)」に資格を喪失しますが、「60歳に達した日」は60歳の誕生日の前日です。
②【R1年出題】 ×
平成11年4月1日生まれの者が20歳に達するのは、平成31年3月31日です。
被保険者期間は、「資格を取得した日の属する月」からスタートしますので、被保険者期間に算入されるのは、平成31年3月からです。
(法第11条)
③【H26年出題】 ×
昭和29年4月1日生まれの者が60歳に達するのは、平成26年3月31日です。
被保険者期間は、「資格を喪失した日の属する月の前月まで」ですので、被保険者期間に算入されるのは、平成26年2月までです。
(法第11条)
では、「被保険者期間」の条文を穴埋めで確認しましょう。
第11条 (被保険者期間の計算)
1 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した日の< A >からその資格を喪失した日の< B >までをこれに算入する。
2 被保険者がその資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときは、その月を< C >として被保険者期間に算入する。ただし、その月にさらに被保険者の資格を取得したときは、この限りでない。
3 被保険者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得した者については、前後の被保険者期間を合算する。
【解答】
A 属する月
B 属する月の前月
C 1か月
例えば、「昭和36年4月1日生まれ」の第1号被保険者の場合、資格取得は20歳に達する日(昭和56年3月31日)、資格喪失は60歳に達する日(令和3年3月31日)です。
被保険者期間に算入されるのは、昭和56年3月から令和3年2月までです。
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R4-100
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「障害基礎年金の併合認定」です。
では、どうぞ!
①【R3年問9A】
障害等級2級の障害基礎年金の受給権者が、その障害の状態が軽減し障害等級に該当しなくなったことにより障害基礎年金が支給停止となっている期間中に、更に別の傷病により障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給し、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。
【解答】
①【R3年問9A】 〇
障害基礎年金の受給権者に更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金が支給されます。
「障害の状態が軽減し障害等級に該当しなくなったことにより障害基礎年金が支給停止となっている期間中」でも、障害基礎年金の受給権者であることに注意してください。
(法第31条)
もう一問どうぞ!
②【H26年出題】
精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金を30歳の時から継続して受給している者が、第1号被保険者であった45歳のときに、事故で足にけがをし、その障害認定日(平成26年4月11日)において障害等級1級の状態に該当した。この場合、精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金と足の障害による障害等級1級の障害基礎年金は、どちらかの選択となるが、年金受給選択申出書を提出しない場合は、引き続き精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金が支給される。
【解答】
②【H26年出題】 ×
どちらかを選択するのではなく、前後の障害が併合されます。
精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金の受給権者に、更に足の障害による障害等級1級の障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金が支給されます。
前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得した場合は、従前の障害基礎年金の受給権は消滅します。
(法第31条)
条文を穴埋めで確認しましょう
第31条 (併給の調整)
障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、< A >した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
障害基礎年金の受給権者が< A >した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は、< B >する。
【解答】
A 前後の障害を併合
B 消滅
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R4-099
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「時効消滅不整合期間」です。
では、どうぞ!
①【R3年問3E】
被保険者又は被保険者であった者が、第3号被保険者としての被保険者期間の特例による時効消滅不整合期間について厚生労働大臣に届出を行ったときは、当該届出に係る時効消滅不整合期間は、当該届出の行われた日以後、国民年金法第89条第1項に規定する法定免除期間とみなされる。
【解答】
①【R3年問3E】 ×
「法定免除期間」ではなく、「学生納付特例期間」とみなされます。年金の受給資格期間には算入されますが、年金の額には反映しません。
★「時効消滅不整合期間」とは?
例えば、夫が会社員(第2号被保険者)、妻が専業主婦(第3号被保険者)の夫婦で、夫が退職し自営業になった場合の国民年金の種別を考えてみましょう。
夫は第2号被保険者から第1号被保険者に、妻は第3号被保険者から第1号被保険者に種別変更になります。
その際、妻が第3号から第1号への種別変更の届出をしていなかったとすると、実態は国民年金の第1号被保険者であったにもかかわらず、記録上は第3号被保険者のままになってしまいます。その期間のことを「不整合期間」といいます。
3号不整合記録を1号に切り替えると保険料を納付しなければなりませんが、2年の時効が経過した期間は保険料を納められません。その期間を「時効消滅不整合期間」といいます。
救済措置として「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」があります。この届出によって、「時効消滅不整合期間」は「特定期間」となります。
特定期間は「学生納付特例期間」とみなされ、年金の受給資格期間に算入されることになります。
なお、「特定期間」の対象は、昭和61年4月から平成25年6月までの間です。
(法附則第9条の4の2)
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R4-085
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「国民年金基金加入員資格の喪失」です。
では、どうぞ!
①【R3年問4エ】
基金の加入員は、いつでも基金に申し出て、加入員の資格を喪失することができる。
(注)基金=国民年金基金のことです。
【解答】
①【R3年問4エ】 ×
国民年金基金には、申し出による資格喪失の規定はありません。
(法第127条)
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②【H25年出題】
第1号被保険者は、国民年金基金に対し加入員となる申出をした日に当該加入員の資格を取得し、加入員資格の喪失の申出が受理された日にその加入員の資格を喪失する。
③【H29年出題】
国民年金基金の加入員が第2号被保険者となったときは、その日に加入員の資格を喪失する。
④【H27年出題】
国民年金基金の加入員が、保険料免除の規定により国民年金保険料の全部又は一部の額について保険料を納付することを要しないものとされたときは、その月の初日に加入員の資格を喪失する。
【解答】
②【H25年出題】 ×
「加入員となる申出をした日に当該加入員の資格を取得する」の部分は正しいです。しかし①の問題で見たように、申出による資格喪失はできませんので、「喪失の申出が受理された日にその加入員の資格を喪失」の部分が誤りです。
(法第127条)
③【H29年出題】 〇
第2号被保険者は国民年金基金に加入できませんので、第2号被保険者となったときは、加入員の資格を喪失します。資格を喪失するのは「その日」がポイントです。
(法第127条)
④【H27年出題】 〇
国民年金保険料の全部又は一部について免除された時は、加入員の資格を喪失します。「その月の初日」に加入員の資格を喪失するのがポイントです。
(法第127条)
条文を穴埋めで確認しましょう!
第127条第3項
加入員は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第一号又は第四号に該当するに至ったときは、その日とし、第三号に該当するに至ったときは、当該保険料を納付することを要しないものとされた< A >とする。)に、加入員の資格を喪失する。
一 被保険者の資格を喪失したとき、又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者となったとき。
二 地域型基金の加入員にあっては、当該基金の地区内に住所を有する者でなくなったとき、職能型基金の加入員にあっては、当該事業又は業務に従事する者でなくなったとき。
三 保険料免除の規定によりその全部又は一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされたとき。
四 < B >の被保険者となったとき。
五 当該基金が< C >したとき。
【解答】
A 月の初日
B 農業者年金
C 解散
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R4-084
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「国民年金と厚生年金の調整」です。
では、どうぞ!
①【R3年問9D】
父が死亡したことにより遺族基礎年金を受給中である10歳の子は、同居中の厚生年金保険の被保険者である66歳の祖父が死亡したことにより遺族厚生年金の受給権を取得した。この場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらかを選択することとなる。
【解答】
①【R3年問9D】 〇
基礎年金と厚生年金は支給事由が同じなら、2階建てで併給できます。
父が死亡したことによる「遺族基礎年金」と、祖父が死亡したことによる「遺族厚生年金」は、支給事由が異なります。そのため、問題文の遺族基礎年金と遺族厚生年金は併給されず、どちらかを選択することになります。
(法第20条)
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②【H24年出題】※改正による修正あり
遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者の死亡について厚生年金保険法から同一の支給事由による年金たる保険給付を受けるときは、その間、その額の5分の2に相当する額が支給される。
【解答】
②【H24年出題】 ×
遺族基礎年金は、同一の支給事由による遺族厚生年金と併給されます。その場合、 遺族基礎年金も遺族厚生年金も、全額が支給されます。
(法第20条)
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R4-083
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「寡婦年金と死亡一時金」です。
では、どうぞ!
①【R3年問9E】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
①【R3年問9E】 〇
同一人に、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権が発生した場合の問題です。
ポイントその1
「一人一年金の原則」がありますので、「遺族厚生年金」と「寡婦年金」はどちらかを選択します。
ポイントその2
死亡一時金と寡婦年金については、「その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない」となっていますので、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されません。
なお、遺族厚生年金と死亡一時金は調整されませんので、両方とも支給されます。
(法第20条、第52条の6)
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②【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
【解答】
②【H24年出題】 ×
「その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない」です。
(法第20条、第52条の6)
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③【H25年出題】
『ある男性が学校を卒業後20歳で会社に就職し、厚生年金保険に7年間加入し会社を退職した。また、退職後は第1号被保険者として国民年金の保険料を27年間支払った。この男性が54歳で死亡した場合の死亡に関する給付について。なお、男性は障害基礎年金の受給権を取得したことがない。』
男性が死亡した当時、生計を維持していた者が結婚して以後25年間同居していた50歳の妻だけである場合、妻は遺族として、寡婦年金と死亡一時金と遺族厚生年金の受給権を取得するが、寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方のみを選択することとなり、死亡一時金を選択した場合、遺族厚生年金も受給できる。
【解答】
③【H25年出題】 〇
寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方のみの選択になります。
死亡一時金と遺族厚生年金はどちらも受給できます。
(法第20条、第52条の6)
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R4-082
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたとき」です。
では、どうぞ!
①【R3年問6B】
配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時遺族基礎年金の遺族の範囲に該当し、かつ、死亡した被保険者又は被保険者であった者と生計を同じくした子とみなされるため、遺族基礎年金の額は被保険者又は被保険者であった者の死亡した日の属する月の翌月にさかのぼって改定される。
【解答】
①【R3年問6B】 ×
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、『将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなす』と規定されています。
生まれたときから遺族になりますので、遺族基礎年金の額の改定は、「生まれた日の属する月の翌月から」となります。被保険者又は被保険者であった者の死亡した日までさかのぼりません。
(法第37条の2、第39条)
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②【H30年出題】
夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、当該受給権の発生日は当該夫の死亡当時に遡ることとなり、当該遺族基礎年金は当該子が出生するまでの期間、支給停止され、当該子の出生により将来に向かって支給停止が解除される。なお、当該子以外に子はいないものとする。
③【H13年出題】
妻が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、妻と生計を同じくした子とみなし、その子の生まれた日の属する月の翌月から、妻に対する遺族基礎年金の額を改定する。
【解答】
②【H30年出題】 ×
夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、生まれたときに受給権が発生します。そして、「生まれた日の属する月の翌月から」遺族基礎年金の額が改定されます。
(法第37条の2、第39条)
③【H13年出題】 〇
「その子の生まれた日の属する月の翌月から、妻に対する遺族基礎年金の額を改定する」の部分がポイントです。
(法第37条の2、第39条)
条文を穴埋めで確認しましょう
第37条の2 (遺族の範囲)
1 遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子(以下単に「配偶者」又は「子」という。)であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって< A >し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。
一 配偶者については、被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によって< A >し、かつ、次号に掲げる要件に該当する子と< B >すること。
二 子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。
2 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、1の規定の適用については、< C >、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって< A >していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と< B >していたものとみなす。
【解答】
A 生計を維持
B 生計を同じく
C 将来に向かって
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R4-081
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「一人一年金の原則(併給の調整)」です。
では、どうぞ!
①【R3年問10B】
併給の調整に関し、国民年金法第20条第1項の規定により支給を停止されている年金給付の同条第2項による支給停止の解除の申請は、いつでも、将来に向かって撤回することができ、また、支給停止の解除の申請の回数について、制限は設けられていない。
【解答】
①【R3年問10B】 〇
一人に対して、複数の年金の受給権が発生することがあります。年金は、「一人一年金」の原則があります。例えば、障害基礎年金と老齢基礎年金が支給されるときは、まず、両方の年金の支給が停止されます。障害基礎年金の受給を選択した場合は、障害基礎年金の支給停止が解除され、老齢基礎年金はそのまま支給停止となります。
その後、老齢基礎年金に選択替えをすることもできます。その場合、問題文のように、「支給停止の解除の申請は、いつでも、将来に向かって撤回することができ、また、支給停止の解除の申請の回数について、制限は設けられていない。」となります。
(法第20条)
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②【H23年出題】
障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金を支給し、他方の年金の受給権は消滅する。
③【H25年出題】
併給の調整により支給を停止された年金給付について、いわゆる選択替えをすることができるのは、毎年、厚生労働大臣が受給権者に係る現況の確認を行う際に限られる。
【解答】
②【H23年出題】 ×
「他方の年金の受給権は消滅」が誤りです。選択しなかった他方の年金は「支給停止」になります。
(法第20条)
③【H25年出題】 ×
いわゆる選択替えは、「いつでも、将来に向かって撤回することができる」と規定されています。「毎年、厚生労働大臣が受給権者に係る現況の確認を行う際に限られる」は誤りです。
(法第20条)
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R4-080
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「国民年金基金の中途脱退者」です。
では、どうぞ!
①【R3年問4ア】
国民年金基金(以下「基金」という。)における中途脱退者とは、基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)であって、政令の定めるところにより計算したその者の当該基金の加入員期間(加入員の資格を喪失した後、再び元の基金の加入員の資格を取得した者については、当該基金における前後の加入員期間(国民年金法附則第5条第12項の規定により被保険者とみなされた場合に係る加入員期間を除く。)を合算した期間)が15年に満たない者をいう。
【解答】
①【R3年問4ア】 〇
国民年金基金における中途脱退者の要件は、
・基金の加入員資格を中途で喪失している
・資格を喪失した日に、当該基金が支給する年金の受給権を有しない
・当該基金の加入員期間が15年に満たない
の3つです。
(法第137条の17、基金令第45条)
★なお、国民年金基金連合会は、基金から年金の現価相当の移換を受け、中途脱退者及びその会員である基金に係る解散基金加入員に対し、年金又は死亡を支給事由とする一時金の支給を行います。
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②【H30年出題】
国民年金基金(以下「基金」という。)における「中途脱退者」とは、当該基金の加入員期間の年数にかかわらず、当該基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)をいう。
③【H23年出題】
A県の地域型国民年金基金に20歳から30歳まで加入していた者が第2号被保険者となったため加入員資格を喪失した。その後40歳で第1号被保険者に種別変更し、再び当該国民年金基金に40歳から50歳まで加入したが、50歳から第3号被保険者になったため加入員資格を再び喪失した(以後60歳まで第3号被保険者)。この場合、加入員期間は通算して20年になるため、年金又は一時金の支給はA県の地域型国民年金基金から受ける。
【解答】
②【H30年出題】 ×
中途脱退者とは、「当該基金の加入員期間の年数にかかわらず」ではなく、「15年に満たない者」をいいます。
(基金令第45条)
③【H23年出題】 〇
基金の加入員期間は通算して20年になるので、中途脱退者ではありません。そのため、年金又は一時金の支給は、国民年金基金連合会からではなく、A県の地域型国民年金基金から受けることになります。
(法第137条の17)
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R4-079
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「国民年金~年金の支払調整(内払)」です。
では、どうぞ!
①【R3年問2A】
同一人に対して障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)の支給を停止して老齢基礎年金を支給すべき場合に、その支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として当該障害厚生年金が支払われたときは、その支払われた障害厚生年金は当該老齢基礎年金の内払とみなすことができる。
【解答】
①【R3年問2A】 〇
「内払」は「同一人」に対する年金間の調整です。
国民年金と厚生年金保険は制度が違いますが、内払調整の対象となります。
同一人に対して障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)の支給を停止して老齢基礎年金を支給すべき場合に、その支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降も障害厚生年金が支払われたときは、障害厚生年金を返還し、改めて老齢基礎年金を支給するのではなく、その支払われた障害厚生年金は当該老齢基礎年金の内払とみなすことができる、という規定です。
(法第21条)
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②【H22年出題 改正による修正あり】
障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)の支給を停止し、老齢基礎年金を支給すべき場合に、支給を停止すべき月の翌月以降の分として障害厚生年金が支払われた場合であっても、両年金は、異なる制度の年金であるので、障害厚生年金を老齢基礎年金の内払とみなすことはできない。
【解答】
②【H22年出題 改正による修正あり】 ×
障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)と老齢基礎年金は、異なる制度の年金ですが、利便性に資するため、内払調整の対象となります。①の問題と同じです。
条文を穴埋めで確認しましょう!
第21条 第3項
同一人に対して厚生年金保険法による年金たる保険給付(< A >が支給するものに限る。以下同じ。)の支給を停止して年金給付を支給すべき場合において、年金給付を支給すべき事由が生じた日の属する< B >以降の分として同法による年金たる保険給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる保険給付は、年金給付の< C >とみなすことができる。
【解答】
A 厚生労働大臣
B 月の翌月
C 内払
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R4-078
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「国民年金種別の変更」です。
★ 被保険者の種別とは、第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者のいずれであるかの区分を言います。
では、どうぞ!
①【R3年問2C】
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点において、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、種別の変更となり、国民年金の被保険者資格は喪失しない。
【解答】
①【R3年問2C】 〇
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなったときは、翌日に被保険者の資格を喪失します。しかし、その時点で、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、資格喪失ではなく、「種別の変更」となります。
(法第9条)
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②【H20年出題】
第2号被保険者が退職し第1号被保険者になったときは、当該事実があった日から14日以内に、資格取得届を市町村長に提出しなければならない。
【解答】
②【H20年出題】 ×
第2号被保険者から第1号被保険者になるのは「種別変更」です。資格取得届ではなく「種別変更届」を、当該事実があった日から14日以内に、市町村長に提出しなければなりません。
(法第12条、則第6条の2)
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③【H30年出題】
被保険者期間の計算において、第1号被保険者から第2号被保険者の種別の変更があった月と同一月に更に第3号被保険者への種別の変更があった場合、当該月は第2号被保険者であった月とみなす。なお、第3号被保険者への種別の変更が当該月における最後の種別の変更であるものとする。
【解答】
③【H30年出題】 ×
同一月に、第1号被保険者から第2号被保険者に種別の変更があり、更に第3号被保険者への種別の変更があった場合は、その月は第2号被保険者ではなく、最後の種別の「第3号被保険者」であった月とみなされます。
(法第11条の2)
条文を穴埋めで確認しましょう!
第1号被保険者としての被保険者期間、第2号被保険者としての被保険者期間又は第3号被保険者としての被保険者期間を計算する場合には、被保険者の種別(第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者のいずれであるかの区別をいう。)に変更があった月は、< A >の種別の被保険者であった月とみなす。同一の月において、2回以上にわたり被保険者の種別に変更があったときは、その月は< B >の種別の被保険者であった月とみなす。
【解答】
A 変更後
B 最後
(法第11条の2)
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R4-077
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「用語の定義~保険料免除期間」です。
では、どうぞ!
①【R3年問6E】
保険料の一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収された期間、例えば半額免除の規定が適用され免除されない残りの部分(半額)の額が納付又は徴収された期間は、保険料納付済期間ではなく保険料半額免除期間となる。
【解答】
①【R3年問6E】 〇
「保険料免除期間」には、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間の4種類があります。
そのうち、保険料の一部が免除されるのは、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間の3種類です。
例えば、「保険料半額免除期間」とは、その半額につき納付することを要しないものとされた保険料に係るものをいいますが、「納付することを要しないものとされた半額以外の半額につき納付されたものに限る。」とされています。
例えば、令和3年度の国民年金の保険料は、16610円です。半額免除の場合、8,300円が免除され、残りの8,310円を納付した期間は、「保険料半額免除期間」となります。「保険料納付済期間」ではありませんので、注意しましょう。
なお、残りの8,310円を納付しない場合は未納期間となります。
(法第5条)
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②【H28年出題】
保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由がある被保険者からの申請に基づいて、厚生労働大臣は、その指定する期間に係る保険料につき、すでに納付されたものを除き、その一部の額を納付することを要しないものとすることができるが、当該保険料につきその残余の額が納付されたものに係る被保険者期間(追納はされていないものとする。)は、保険料納付済期間とされない。
③【H24年出題】
保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。
④【H24年出題】
保険料全額免除を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
【解答】
②【H28年出題】 〇
その一部の額が免除された保険料については、その残余の額が納付されたものに係る被保険者期間(追納はされていないものとする。)は、保険料納付済期間ではなく、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間のどれかとなります。
(法第5条)
③【H24年出題】 〇
②の問題と同じです。保険料納付済期間ではなく保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間のどれかとなります。
(法第5条)
④【H24年出題】 〇
法第94条第4項で「追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなす」と規定されています。保険料全額免除を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間となります。
条文を穴埋めで確認しましょう!
第5条 (用語の定義)
国民年金法において、「< A >」とは、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を合算した期間をいう。
「保険料半額免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって第90条の2第2項の規定によりその半額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた半額以外の半額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項の規定(< B >)により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。
【解答】
A 保険料免除期間
B 追納
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R4-076
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「第1号被保険者の条件」です。
では、どうぞ!
①【R3年問3C】
日本の国籍を有しない者であって、出入国管理及び難民認定法の規定に基づく活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うものは、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であっても第1号被保険者とならない。
【解答】
①【R3年問3C】 〇
「日本の国籍を有しない者」で、次の①又は②に該当する場合は、国民年金の第1号被保険者から除外されます。
①在留資格が特定活動(医療滞在又は医療滞在者の付添人) (ア)本邦に相当期間滞在して、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの (イ)(ア)の活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの |
②在留資格が特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在又は長期滞在者の配偶者) 本邦において1年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの |
問題文は②に該当するので、第1号被保険者からは除外されます。
※なお、①又は②に該当する場合は、第3号被保険者からも除外されます。
(則第1条の2)
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②【R1年出題】
被保険者の資格として、第1号被保険者は国籍要件、国内居住要件及び年齢要件のすべてを満たす必要があるのに対し、第2号被保険者及び第3号被保険者は国内居住要件及び年齢要件を満たす必要があるが、国籍要件を満たす必要はない。
【解答】
②【R1年出題】 ×
国籍、年齢、国内居住要件は整理しておきましょう。
国籍 | 年齢 | 国内居住 | |
第1号被保険者 | 問わない | 20歳~60歳 | あり |
第2号被保険者 | 問わない | なし | |
第3号被保険者 | 20歳~60歳 | あり (例外あり) |
条文を穴埋めで確認しましょう!
第7条(被保険者の資格)
次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。
1 < A >を有する< B >の者であって第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるもの(以下「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」という。)を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「第1号被保険者」という。)
2 < C >の被保険者(以下「第2号被保険者」という。)
3 第2号被保険者の配偶者(< A >を有する者又は外国において留学をする学生その他の< A >を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち< B >のもの(以下「第3号被保険者」という。)
【解答】
A 日本国内に住所
B 20歳以上60歳未満
C 厚生年金保険
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R4-068
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「第3号被保険者の国内居住要件」です。
では、どうぞ!
①【R3年問3A】
第3号被保険者が、外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったときは、第3号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
①【R3年問3A】 ×
外国に赴任する第2号被保険者に同行するため海外に行く場合は、第3号被保険者の資格は喪失しません。
★第3号被保険者には、健康保険法の被扶養者の認定要件と同様、国内居住要件があります。
ただし、日本国内に住所がなくても、「外国に留学をする学生」、「外国に赴任する被保険者に同行する者」、「観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的での一時的な海外渡航者」など、日本国内に生活の基礎があると認められる者は、国内居住要件の例外として認められます。
(法第7条、則第1条の3、R元.11.13保保発1113第1号)
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②【R3年問3B】
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者の収入によって生計を維持する55歳の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
【解答】
②【R3年問3B】 〇
「第3号被保険者」は、第2号被保険者の被扶養配偶者です。
厚生年金保険法の被保険者は第2号被保険者となります。ただし、厚生年金保険の被保険者でも、「65歳以上で、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有する者」は第2号被保険者になりません。
問題文の「老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者」は第2号被保険者ではないので、その収入によって生計を維持していても、55歳の配偶者は、第3号被保険者ではなく、第1号被保険者となります。
(法第7条、法附則第3条)
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R4-065
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は「事後重症の障害基礎年金の事例問題」です。
では、どうぞ!
①【R3年問10C】
22歳から30歳まで第2号被保険者、30歳から60歳まで第3号被保険者であった女性(昭和33年4月2日生まれ)は、59歳の時に初診日がある傷病により、障害等級3級に該当する程度の障害の状態となった。この者が、当該障害の状態のまま、61歳から障害者の特例が適用され定額部分と報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金を受給していたが、その後当該障害の状態が悪化し、障害等級2級に該当する程度の障害の状態になったため、63歳の時に国民年金法第30条の2第1項(いわゆる事後重症)の規定による請求を行ったとしても障害基礎年金の受給権は発生しない。
【解答】
①【R3年問10C】 ×
事後重症の障害基礎年金の受給権は発生します。
※事後重症の条件は、「65歳に達する日の前日まで」の間に障害等級(1級又は2級)に該当すること+「65歳に達する日の前日まで」に請求することです。
ちなみに、この女性の年金についてもう少し見てみましょう
・特別支給の老齢厚生年金について(第1号厚生年金被保険者の女性の場合)
昭和33年4月2日生まれの場合、61歳から、「報酬比例部分」のみの老齢厚生年金が支給されます。
ただし、「障害者の特例」が適用され、「障害等級3級以上の障害の状態にある」+「被保険者でない」+「請求する」ことによって、「定額部分」も支給されます。
・障害基礎年金について
初診日 → 国民年金の被保険者である(問題文の場合は第3号被保険者)
保険料納付要件 → 初診日の属する月の前々月までの被保険者期間について、保険料納付済期間だけで3分の2以上ある
※第2号被保険者と第3号被保険者には「保険料免除期間」も「未納」もありません。
障害認定日に障害等級(1級又は2級)に該当しなくても、要件を満たせば、事後重症の障害基礎年金の請求が可能です。
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②【H21年出題】
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病の初診日において被保険者であり、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、障害認定日後65歳に達する日の前日までの間において、同一の傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態になったときは、その者の年齢に関わりなく障害基礎年金の支給を請求することができる。
③【H24年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受ける者は、65歳に達する前であっても、国民年金法第30条の2第1項の規定(いわゆる事後重症)による障害基礎年金の支給を請求することはできない。
【解答】
②【H21年出題】 ×
事後重症の障害基礎年金を請求できるのは、65歳に達する日の前日までの間です。
(法第30条の2)
③【H24年出題】 〇
繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受ける者は、事後重症の障害基礎年金は請求できません。
(法附則第9条の2の3)
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R4-057
令和3年の問題から国民年金法を学びましょう。
今日は併給できる年金、できない年金です。
では、どうぞ!
①【R3年問9C】
老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給中の67歳の厚生年金保険の被保険者が、障害等級2級の障害厚生年金の受給権者(障害基礎年金の受給権は発生しない。)となった。老齢厚生年金の額より障害厚生年金の額の方が高い場合、この者は、障害厚生年金と老齢基礎年金の両方を受給できる。
【解答】
①【R3年問9C】 ×
★ポイント①
65歳未満でも65歳以上でも年齢に関係なく、「老齢基礎年金」と「障害厚生年金」は併給できませんので、この問題は誤りです。
★ポイント②
(2級なのに障害基礎年金の受給権が発生しない理由)
65歳以上の厚生年金保険の被保険者で、かつ老齢の年金の受給権がある場合は、国民年金の第2号被保険者にはなりません。
初診日に厚生年金保険の被保険者であるものの、65歳以上で老齢年金の受給権がある場合は、国民年金の被保険者ではありません。そのため、障害等級2級に該当しても、「障害厚生年金」の受給権は発生しますが、「障害基礎年金」の受給権は発生しません。
★ポイント③
問題文の場合、「老齢基礎年金+老齢厚生年金」と「2級の障害厚生年金」のどちらかを選択することになります。
(法第7条、法第20条、法附則第3条)
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②【H29年出題】
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が65歳となり老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給権を取得した場合、この者は、障害等級3級の障害厚生年金と老齢基礎年金を併給して受けることを選択することができる。
③【H26年出題(改正による修正あり)】
65歳以上の厚生年金保険の被保険者は、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していなくても、障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していれば、第2号被保険者とならない。
【解答】
②【H29年出題】 ×
65歳以上でも65歳未満でも、「障害厚生年金」と「老齢基礎年金」は併給できません。
(法第20条)
③【H26年出題】 ×
原則として、厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者です。
ただし、65歳以上で「老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有している」場合は、第2号被保険者から除外されます。
問題文のように、65歳以上で、「老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権なし、障害の年金給付の受給権あり」の場合は、第2号被保険者となります。
(法第7条、法附則第3条)
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R4-048
令和3年の問題から、応用問題を振り返りましょう。
今日は国民年金法です。
では、どうぞ!
①【R3年問5E】
国庫は、当該年度における20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用について、当該費用の100分の20に相当する額と、残りの部分(100分の80)の4分の1に相当する額を合計した、当該費用の100分の40に相当する額を負担する。
【解答】
①【R3年問5E】 ×
20歳前の傷病による障害基礎年金は、他の年金と比較して国庫負担率を高くすることになっています。
まず、給付費の100分の20を特別に国庫負担することになっています。
残りの部分(100分の80)については、原則どおりの「2分の1」の国庫負担が行われます。
合計して、国庫負担率は100分の60となります。
(法第85条)
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②【H26年出題】
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用については、その7割を国庫が負担することとなる。
【解答】
②【H26年出題】 ×
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金の給付に要する費用については、100分の20(特別国庫負担)+(100分の80×2分の1)で、6割が国庫負担となります。
(法第85条)
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R4-038
令和3年の問題から、よくでるところを振り返りましょう。
今日は国民年金法です。
では、どうぞ!
①【R3年問1C】
任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者は、老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権を取得した日の翌日に資格を喪失する。
【解答】
①【R3年問1C】 ×
老齢基礎年金又は老齢厚生年金の受給権を取得した日の翌日に資格を喪失するのは、「特例よる任意加入被保険者」です。任意加入被保険者は、その事由では資格喪失しません。
ポイント!「任意加入する目的」をおさえましょう。
「任意加入被保険者」は、「老齢年金の受給権を得るため」、「老齢基礎年金の額を増やすため」に任意加入することができます。ですので、老齢年金の受給権ができても資格は喪失しません。
一方、「特例による任意加入被保険者」の目的は「老齢年金の受給権を得るため」だけです。そのため、目的が達成すると(老齢年金の受給権を取得すると)その翌日に資格を喪失します。「老齢基礎年金の額を増やす」目的では特例による任意加入はできませんので、注意しましょう。
(法附則第5条、H6法附則第11条)
では、こちらもどうぞ!
②【H27年出題】
日本国籍を有し日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の者が、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有しないときは、昭和30年4月1日以前生まれの場合に限り、厚生労働大臣に申し出て特例による任意加入被保険者となることができる。
【解答】
②【H27年出題】 ×
「特例による任意加入被保険者」となることができるのは、「昭和40年4月1日以前生まれ」に限られます。
ポイント!
「特例による任意加入被保険者」は「昭和40年4月1日以前生まれ」という生年月日の要件がつきますが、「任意加入被保険者」には生年月日の要件はありません。
(H16法附則第23条)
次はこちらをどうぞ!
③【H28年出題】
任意加入被保険者(特例による任意加入被保険者を除く。以下本問において同じ。)は、付加保険料の納付に係る規定の適用については第1号被保険者とみなされ、任意加入被保険者としての被保険者期間は、寡婦年金、死亡一時金及び脱退一時金に係る規定の適用については、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされる。
【解答】
③【H28年出題】 〇
任意加入被保険者と特例による任意加入被保険者の違いをチェックしておきましょう。
任意加入被保険者 | 特例による任意加入被保険者 | |
付加保険料 | 〇 納付できる | × 納付できない |
寡婦年金 | 〇 支給される | × 支給されない |
死亡一時金 | 〇 支給される | 〇 支給される |
脱退一時金 | 〇 支給される | 〇 支給される |
(法附則第5条、H6法附則第11条)
★ワンポイントアドバイス 覚え方★
死亡一時金と脱退一時金は、生活保障というよりも掛捨て防止の意味合いが大きいです。掛捨て防止の給付は、特例による任意加入被保険者も対象になる、と覚えましょう。
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R4-028
令和3年の問題から、定番問題を振り返ります。
今日は国民年金法です。
では、どうぞ!
①【R3年問1B】
保険料4分の1免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用については、480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度として国庫負担の対象となるが、保険料の学生納付特例及び納付猶予の期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)は国庫負担の対象とならない。
【解答】
①【R3年問1B】 〇
老齢基礎年金の国庫負担のポイント!
・保険料4分の1免除期間 → (480-保険料納付済期間の月数)を限度として国庫負担の対象となる
・学生納付特例及び納付猶予の期間 → 国庫負担の対象とならない
(法第85条)
では、こちらもどうぞ!
②【H19問7D】
保険料4分の1免除期間については、当該期間の月数(480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする。)の8分の5に相当する月数が年金額に反映される。
③【H29問7B】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料が追納されていなければ、老齢基礎年金の額には反映されない。
【解答】
②【H19問7D】 ×
保険料4分の1免除期間については、8分の7が老齢基礎年金の額に反映されます。
(480-保険料納付済期間の月数が限度)
なお、60歳以降に国民年金に任意加入して、保険料納付済期間+保険料免除期間の月数が480月を超えることがあります。
4分の1免除期間について国庫負担が入るのは(480-保険料納付済期間の月数)が限度です。それを超える4分の1免除期間は、国庫負担がないため「8分の3」で計算されます。(下図参照)
(法第27条)
③【H29問7B】 〇
学生納付特例の期間と納付猶予の期間については国庫負担がないので、老齢基礎年金は、「ゼロ」で計算されます。
保険料が追納されていれば、保険料納付済期間としてフルで計算されます。
(法第27条)
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R4-021
第53回試験を振り返ってみましょう。
★★☆ 問題文が長いのが特徴です。(国民年金法に限りませんが・・・)「ポイント」を早く見つけないと、問題を解くのに時間がかかってしまいます。日々、勉強をする際に、「納得」することが必要なのでは?と思います。「これはこういうことなんだ」と納得すると、頭に入りやすいし、本試験でもポイントが見つけやすく、そして応用も効くと思います。
【R3年問8】令和3年度の給付額について
(問8-A)
20歳から30歳までの10年間第1号被保険者としての保険料全額免除期間及び30歳から60歳までの30年間第1号被保険者としての保険料納付済期間を有し、60歳から65歳までの5年間任意加入被保険者としての保険料納付済期間を有する者(昭和31年4月2日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は、満額(780,900円)となる。
(問8-B)
障害等級1級の障害基礎年金の額(子の加算はないものとする。)は、障害等級2級の障害基礎年金の額を1.25倍した976,125円に端数処理を行った、976,100円となる。
(問8-C)
遺族基礎年金の受給権者が4人の子のみである場合、遺族基礎年金の受給権者の子それぞれが受給する遺族基礎年金の額は、780,900円に子の加算として224,700円、224,700円、74,900円を合計した金額を子の数で除した金額となる。
(問8-D)
国民年金の給付は、名目手取り賃金変動率(-0.1%)によって改定されるため、3年間第1号被保険者としての保険料納付済期間を有する者が死亡し、一定範囲の遺族に死亡一時金が支給される場合は、12万円に(1-0.001)を乗じて得た額が支給される。なお、当該期間のほかに保険料納付済期間及び保険料免除期間は有していないものとする。
(問8-E)
第1号被保険者として令和3年6月まで50か月保険料を納付した外国籍の者が、令和3年8月に脱退一時金を請求した場合、受給できる脱退一時金の額は、16,610円に2分の1を乗じて得た額に48を乗じて得た額とする。なお、当該期間のほかに保険料納付済期間及び保険料免除期間は有していないものとする。
【解答】
(問8-A) ×
昭和31年4月2日生まれの者が、満額の老齢基礎年金を受給するためには、保険料納付済期間が480月あることが条件です。
問題文の場合、保険料納付済期間が、360月(30年)+60月(5年)=420月、保険料全額免除期間が120月(10年)です。
全額免除期間の計算を考えてみましょう。
問題文の場合、
・保険料全額免除期間は平成21年3月以前の期間なので、3分の1で計算される
・3分の1で計算されるのは、480月から保険料納付済期間(420月)を控除した月数(60月)が限度となる
そのため、老齢基礎年金の額は満額になりません。
(法第27条、H16附則第9条)
(問8-B) ×
障害等級1級の障害基礎年金の額は、976,125円です。問題文のような端数処理は行いません。
条文を確認しましょう。
法第33条 ① 障害基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)とする。 ② 障害の程度が障害等級の1級に該当する者に支給する障害基礎年金の額は、①の規定にかかわらず、①に定める額の100分の125に相当する額とする。 |
2級の障害基礎年金は、780,900円×改定率ですが、100円単位になるよう端数処理を行います。
1級の障害基礎年金は2級の額×1.25ですが、100円単位の端数処理の規定がついていないので、原則のルールである1円単位で計算します。
(法第33条、法第17条)
(問8-C) ×
遺族基礎年金の受給権者が子のみの場合、1人目には加算がつかないのがポイントです。
例えば、子が1人の場合は、遺族基礎年金の額は780,900円です。
2人目から加算がつき、問題文の場合は、2人目224,700円+3人目74,900円+4人目74,900円が加算されます。
(法第39条の2)
(問8-D) ×
死亡一時金の額には、改定率は適用されません。
(法第52条の4)
(問8-E) 〇
脱退一時金は、「基準月の属する年度の保険料額×2分の1×保険料納付済期間等の月数に応じて政令で定める数」で計算します。
この問題は、「50か月」保険料を納付しているので、「48」を掛ける点がポイントです。
詳細はこちらの記事をどうぞ→ 国年【令和3年4月改正】脱退一時金の改正 (R3.6.27【国年】脱退一時金の支給上限年数の引上げ)
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R4-010
第53回試験を振り返ってみましょう。
★★★ 難しい
★★☆ やや難しい
★☆☆ 暗記が肝心、消去法で解く
☆☆☆ どうにか解ける
今日は、「国民年金法」の選択式です。
問題1 調整期間(第16条の2)
調整期間の条文は、15年前の平成18年にも選択式で出題されています。選択式も過去問のチェックは欠かせません。
とはいいましても、Aの選択肢は、文脈で考えてしまって、結果として迷った方も多かったのではないでしょうか?
財政均衡期間に財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合は、給付額を調整するため、マクロ経済スライドを適用しますが、給付額を調整する期間(調整期間)の開始年度は政令で定めることとなっています。
なお、調整期間の開始年度は、政令(施行令第4条の2の2)で、「平成17年度」とされています。
問題1 ★☆☆ 暗記が肝心
問題2 公課の禁止(第25条)
こちらも見慣れた条文ですが、「基準」か「標準」かで迷いませんでしたか?
一字一句覚えていれば迷わないのですが、なかなかそこまで覚えるのは難しいので。
「老齢基礎年金と付加年金」は例外的に課税対象になるという点は、解けたと思います。
問題2 ★☆☆ 暗記が肝心
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R3-357
今日は国民年金の選択対策。テーマは「老齢基礎年金の繰上げと繰下げ」です!
ではどうぞ!
空欄を埋めてください。
<H21年選択式 出題> ※改正による修正あり
1 保険料納付済期間又は保険料免除期間(いわゆる「学生納付特例」又は「納付猶予」の期間を除く。)を有する者であって、< A >であるもの(< B >でないものに限るものとし、法附則第9条の2の2第1項に規定する老齢基礎年金の一部の支給繰上げの請求をすることができるものを除く。)は、当分の間、< C >に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができる。ただし、当該請求があった日の前日において、当該請求に係る者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。
2 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が、< C >に達したときに、他の年金たる給付(他の年金給付(< D >を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付 (< E >を支給事由とするものを除く。)をいう。以下同じ。)の受給権者であったとき、又は< C >に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。
【解答】
A 60歳以上65歳未満
B 任意加入被保険者
C 65歳
D 付加年金
E 老齢
(法附則第9条の2、法第28条)
では、過去問もどうぞ!
①<H23年出題>
繰上げ支給及び繰下げ支給は、いずれも国民年金法の附則において当分の間の措置として規定されている。
②<H26年出題>
任意加入被保険者である者は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることはできない。
③<H23年出題>
繰上げ支給を受けると、寡婦年金は支給停止される。
【解答】
①<H23年出題> ×
繰上げ支給は、「国民年金法の附則において当分の間の措置」として規定されています。一方、繰下げ支給は、附則ではなく本則で規定されています。
繰上げ → 法附則9条の2
繰下げ → 法第28条
②<H26年出題> 〇
任意加入被保険者は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求はできません。
(法附則第9条の2)
③<H23年出題> ×
「支給停止」が誤り。寡婦年金の受給権は「消滅」します。
寡婦年金の受給権を有する者が、老齢基礎年金の繰上げの請求をして、老齢基礎年金の受給権を取得したときは、寡婦年金の受給権は消滅します。
(法附則第9条の2第5項)
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R3-339
今日のテーマは「国民年金基金の給付」です。
では条文をチェックしましょう!
空欄を埋めてください。
第115条 (基金の給付)
国民年金基金(以下「基金」という。)は、第1条の目的を達成するため、加入員の< A >に関して必要な給付を行なうものとする。
第128条 (基金の業務)
基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であった者の< B >に関し、一時金の支給を行なうものとする。
【解答】
A 老齢
B 死亡
(法第115条、第128条)
では、こちらをどうぞ!
①<H15年出題>
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢、死亡に関して必要な給付を行うが、障害に関する給付は行わない。
②<H29年出題>
国民年金基金が支給する年金を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、国民年金基金が裁定する。
【解答】
①<H15年出題> 〇
国民年金基金は、老齢に関して「年金」、死亡に関して「一時金」の給付を行います。障害や脱退に関する給付は行いません。
②<H29年出題> 〇
国民年金基金が支給する年金を受ける権利は、「国民年金基金」が裁定するのがポイントです。厚生労働大臣ではありませんので注意しましょう。
(法第133条)
では、こちらもどうぞ
③<H22年出題>
国民年金基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときから3年を限度に、その者に支給されるものでなければならない。
④<H16年出題>
基金が支給する一時金は、少なくとも当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金又は遺族基礎年金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。
⑤<H22年出題>
国民年金基金が支給する年金額は、200円に加入員の加入月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないが、国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない。
【解答】
③<H22年出題> 〇
基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が『老齢基礎年金の受給権を取得したとき』には、その者に支給されるものでなければならない、とされています。
また、老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該『老齢基礎年金の受給権の消滅事由以外の事由によって、その受給権を消滅させるものであってはならない』とされています。
老齢基礎年金の上乗せのイメージです。
(法第129条)
④<H16年出題> ×
「死亡一時金又は遺族基礎年金」ではなく、『その遺族が死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない』とされています。
(法第129条)
⑤<H22年出題> ×
一時金の額については下限が定められていて、『基金が支給する一時金の額は、8,500円を超えるものでなければならない』とされています。
(法第130条)
最後にポイントを穴埋めでチェックしましょう
第129条 (基金の給付の基準)
1 基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が< A >の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。
2 < A >の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該< A >の受給権の消滅事由以外の事由によって、その受給権を消滅させるものであってはならない。
3 基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が< B >を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。
第130条
1 基金が支給する年金は、政令の定めるところにより、その額が算定されるものでなければならない。
2 老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金の額は、< C >円に加入員期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならない。
3 基金が支給する一時金の額は、< D >円を超えるものでなければならない。
【解答】
A 老齢基礎年金
B 死亡一時金
C 200
D 8,500
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R3-338
「20歳前傷病による障害基礎年金」は、保険料の負担なく受給できる年金です。そのため、一般の障害基礎年金には無い、独自の支給停止ルールがあります。
昨日の続きです。
ではこちらからどうぞ!
①<H25年出題>
国民年金法第34条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者本人の前年の所得が政令で定められた金額を超えるときは、その年の8月から翌年7月までの間、年金額の全部、又は、年金額の4分の3、2分の1若しくは4分の1に相当する部分の支給が停止される。
②<H27年出題>
20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の8月から翌年の7月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権者及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
【解答】
①<H25年出題> ×
支給停止されるのは、「全部、又は、年金額の4分の3、2分の1若しくは4分の1」ではなく、「全部又は2分の1」に相当する部分です。
20歳前傷病による障害基礎年金のポイント
★所得による支給制限がある
前年の所得額(扶養親族等がいない場合)
4,621,000円を超える → 年金の全額が支給停止
3,604,000円を超え4,621,000円以下 → 2分の1の年金額が支給停止
3,604,000円以下 → 全額支給される(支給停止なし)
(法第36条の3)
②<H27年出題> ×
「受給権者」の前年の所得で判断されます。扶養親族の所得は合算しません。
では、こちらもどうぞ
③<H25年出題>
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、震災、風水害、火災その他これに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令に定めるその他の財産につき被害金額がその価額のおおむね3分の1以上である損害を受けた者がある場合は、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わない。
【解答】
③<H25年出題> ×
3分の1以上ではなく「2分の1」以上です。
20歳前傷病による障害基礎年金は、所得による支給制限がありますが、被災し、住宅、家財又はその他の財産について、おおむね2分の1以上の損害を受けた場合は、当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わないことになっています。
(法第36条の4)
最後にこちらをどうぞ
④<H17年出題>
20歳前の第2号被保険者期間中に初診日のある障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、その年の8月から翌年7月までその支給を停止される。
【解答】
④<H17年出題> ×
20歳前に初診日があっても、初診日に第2号被保険である場合は、20歳前の傷病による障害基礎年金ではなく、一般の障害基礎年金が支給されます。ですので、所得による支給停止はありません。
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R3-337
「20歳前傷病による障害基礎年金」は、保険料の負担なく受給できる年金です。そのため、一般の障害基礎年金には無い、独自の支給停止ルールがあります。
ではこちらからどうぞ!
①<H25年出題>
国民年金法第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは支給停止される。
【解答】
①<H25年出題> 〇
20歳前傷病による障害基礎年金のポイント
★日本国内に住所を有しないときは支給停止
(一般の障害基礎年金は、日本国内に住所を有しなくても支給停止にはなりません。)
(法第36条の2)
次はこちらをどうぞ
②<H30年出題>
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が少年法第24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は売春防止法第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合は、その該当する期間、その支給を停止する。
【解答】
②<H30年出題> 〇
20歳前傷病による障害基礎年金のポイント
★「刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき」、「少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき」は支給停止
(一般の障害基礎年金は、このような施設に収容されていても支給停止になりません。)
(法第36条の2、則第34条の4)
次はこちらを!
③<R1年出題>
20歳前傷病による障害基礎年金を受給中である者が、労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、当該20歳前傷病による障害基礎年金は支給を停止する。
④<H25年出題>
労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。
⑤<H20年出題>
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されない。
【解答】
③<R1年出題> 〇
20歳前傷病による障害基礎年金のポイント
★「労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる」ときは支給停止
(一般の障害基礎年金はこの理由では支給停止になりません)
④<H25年出題> 〇
③の問題でみたように、「労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる」ときは20歳前の傷病による障害基礎年金は支給停止になります。しかし、労災保険法の年金たる給付が全額支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は原則として支給停止されません。
⑤<H20年出題> 〇
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、労災保険法の障害補償年金を受けることができるときでも、その支給は停止されません。
明日も続きます!
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R3-336
今日のテーマは、「20歳前傷病による障害基礎年金」の受給要件です。
では条文チェックからどうぞ!
空欄を埋めてください。
第32条の4第1項(20歳前傷病による障害基礎年金)
疾病にかかり、又は負傷し、その< A >において20歳未満であった者が、障害認定日以後に20歳に達したときは< B >において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその< C >において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。
【解答】
A 初診日
B 20歳に達した日
C 障害認定日
20歳前傷病による障害基礎年金のポイント!
●初診日に20歳未満である=国民年金の被保険者でない
●受給権の発生
・ 障害認定日以後に20歳に達した
→ 20歳に達した日に1級または2級の障害状態にあれば20歳に達した日
・ 障害認定日が20歳に達した日後
→ 障害認定日に1級または2級の障害状態にあれば障害認定日
では、こちらをどうぞ!
①<H26年出題>
被保険者でなかった19歳の時に初めて医療機関で診察を受け、うつ病と診断され継続して治療している現在25歳の者は、20歳に達した日の障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、その日に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生する。
②<H30年出題>
傷病の初診日において19歳であった者が、20歳で第1号被保険者の資格を取得したものの当該被保険者の期間が全て未納期間であった場合、初診日から1年6か月経過後の障害認定日において障害等級1級又は2級に該当していたとしても、障害基礎年金の受給権は発生しない。
③<H22年出題>
20歳未満の初診日において厚生年金保険の被保険者であって保険料納付要件を満たしている場合、障害認定日が20歳未満であってその障害認定日において障害等級に該当すれば障害厚生年金の受給権が発生するが、障害基礎年金については障害等級に該当していても受給権の発生は20歳以降である。
【解答】
①<H26年出題> ×
問題文の場合、「20歳に達した日」ではなく「障害認定日」です。
「20歳に達した日」、「障害認定日」どちらが後に来るかがポイントです。
「障害認定日」は初診日から1年6か月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合は治った日)です。
問題文の場合、25歳現在、「継続して治療している」状況なので、障害認定日は、初診日から1年6カ月を経過した日となります。
そして、初診日に19歳なので、障害認定日は20歳に達した日よりも後になります。
ですので、「20歳に達した日」ではなく「障害認定日」の障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、「障害認定日」に「20歳前傷病による障害基礎年金」の受給権が発生します。
②<H30年出題> ×
「初診日」に19歳であったこと(国民年金の被保険者ではない)がポイントです。
「初診日に国民年金の被保険者でない」、「障害認定日に障害等級1級、2級に該当している」ので、20歳前の傷病による障害基礎年金の受給権が発生します。
第1号被保険者の資格を取得した後、全て未納期間であったことは関係ありません。
③<H22年出題> ×
「障害基礎年金については障害等級に該当していても受給権の発生は20歳以降」の部分が誤りです。
初診日が20歳未満でも、その初診日において「厚生年金保険の被保険者」だったことがポイントです。
初診日に厚生年金保険の被保険者(=国民年金の第2号被保険者)ですので、障害認定日に障害等級に該当していれば、「障害認定日」に障害基礎年金と障害厚生年金の受給権が発生します。
初診日に国民年金の被保険者ですので、20歳前傷病による障害基礎年金ではなく、通常の障害基礎年金の受給権が発生します。
★明日は、「通常の障害基礎年金」と「20歳前の傷病による障害基礎年金」の違いをお話しします。
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R3-335
厚生年金保険の被保険者は、国民年金法の第2号被保険者です。
第2号被保険者のポイントは以下の3つです。
・国籍要件なし
・国内居住要件なし
・年齢要件(20歳以上60歳未満)なし
ではどうぞ!
①<H29年出題>
20歳未満の厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となる。
②<H20年出題>
すべての強制被保険者は、60歳に達したときは、その日に被保険者の資格を喪失する。
【解答】
①<H29年出題> 〇
第1号被保険者と第3号被保険者は年齢要件(20歳以上60歳未満)がありますが、第2号被保険者にはそれがないので、20歳未満でも厚生年金保険の被保険者なら国民年金の第2号被保険者です。
(法第7条)
②<H20年出題> ×
第2号被保険者は60歳に達しても資格は喪失しません。
★第1号被保険者と第3号被保険者は、60歳に達した日に資格を喪失します。
では、こちらをどうぞ!
③<H25年出題>改正による修正あり
厚生年金保険の高齢任意加入被保険者は国民年金の第2号被保険者であり、当該高齢任意加入被保険者の収入により生計を維持する日本国内に住所を有する配偶者(第2号被保険者である者その他国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)のうち20歳以上60歳未満の者は、第3号被保険者となる。
④<H27年出題>
厚生年金保険の在職老齢年金を受給する65歳以上70歳未満の被保険者の収入によって生計を維持する20歳以上60歳未満の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
【解答】
★厚生年金保険の被保険者は、適用事業所に使用される「70歳未満」の者です。
といっても、厚生年金保険の被保険者すべてが国民年金の第2号被保険者となるわけではありません。
厚生年金保険の被保険者が第2号被保険者になる要件として、「65歳以上の者にあっては、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有しない被保険者に限る。」という規定が法附則第3条にありますので注意してください。
③<H25年出題> 〇
ポイントその1
★厚生年金保険の高齢任意加入被保険者(70歳以上)は国民年金の第2号被保険者。
なぜなら、「老齢基礎年金、老齢厚生年金等」の受給権がないから。
ポイントその2
第3号被保険者は「第2号被保険者」の配偶者。
問題文の場合、第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満ですので、第3号被保険者となります。
④<H27年出題> 〇
問題文の場合、年齢が「65歳以上」で「厚生年金保険の在職老齢年金を受給する」(老齢の年金の受給権がある)ため、第2号被保険者ではありません。
ですので、生計を維持する20歳以上60歳未満の配偶者でも、「第2号被保険者」の被扶養配偶者ではないので、第3号被保険者とはなりません。
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R3-312
老齢基礎年金の満額は、780,900円×改定率です。
令和3年度の改定率は「1.000」ですので、令和3年度の年金額は、780,900円×1.000=780,900円となります。
今日のテーマは、改定率が「1.000」になった根拠です。
まずは、こちらからどうぞ!
<R2年出題>
年金額の改定は、受給権者が68歳に到達する年度よりも前の年度では、物価変動率を基準として、また68歳に到達した年度以後は名目手取り賃金変動率を基準として行われる。
【解答】 ×
改定の基準が逆です。正しくは次の通りです。
・68歳に到達する年度前(新規裁定者)→ 名目手取り賃金変動率
・68歳に到達した年度以後(既裁定者) → 物価変動率
(法第27条の2)
今回の指標は、
・ 物価変動率 → 0.0%
・ 名目手取り賃金変動率 → ▲0.1%
となりました。賃金がマイナスになっていることに注目してください。
ポイント!
既裁定者は原則として「物価変動率」が基準ですが、令和3年4月より、『物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、「名目手取り賃金変動率」を基準とする。』と改正されています。(法第27条の3)
今回は、「名目手取り賃金変動率がマイナス0.1%、物価変動率は0.0%」です。物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回っていますので上の条件に当てはまり、既裁定者も「名目手取り賃金変動率」を基準に改定されています。
つまり、令和3年度は、新規裁定者・既裁定者とも、『名目手取り賃金変動率(▲0.1%)』を基準に改定されています。
令和2年度の改定率が「1.001」でしたので、そこからマイナス0.1%して、今年度の改定率は「1.000」です。
ちなみに、名目手取り賃金変動率がマイナスですので、マクロ経済スライドは行われません。
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R3-309
令和3年度の国民年金保険料の計算根拠が今日のテーマです。
まずはこちらをどうぞ!
令和元年度以後の年度に属する月の月分の保険料の額は、< A >に保険料改定率を乗じて得た額(その額に< B >円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、< B >円以上< C >円未満の端数が生じたときは、これを< C >円に切り上げるものとする。)とする。
【解答】
A 17,000
B 5
C 10
令和元年度以後の保険料は、「17,000円×保険料改定率」で計算します。
端数は、5円未満切捨て、5円以上10円未満は10円に切り上げます。(保険料額は10円単位まで)
さて、令和3年度の保険料改定率は「0.977」ですので、
令和3年度の国民年金の保険料は、17,000円×0.977
10円未満を四捨五入で端数処理して、「16,610円」です。
★「保険料改定率」の改定基準は?
保険料改定率は、「前年度保険料改定率 × 名目賃金変動率」となります。
名目賃金変動率は、簡単に言うと「物価変動率 × 実質賃金変動率」です。
保険料の改定は「保険料改定率」。保険料改定率は、名目賃金変動率を基準にしています。
一方、年金額の改定は「改定率」。改定率は、原則として、新規裁定者は「名目手取り賃金変動率」、既裁定者は「物価変動率」が基準になります。
名目手取り賃金変動率は、簡単に言うと、「物価変動率 × 実質賃金変動率×可処分所得割合変化率」です。
「名目賃金変動率」と「名目手取り賃金変動率」は違うので注意してください。
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R3-308
令和3年4月の脱退一時金の改正が今日のテーマです。
脱退一時金の支給額の計算に使う月数の上限が36月(3年)から60月(5年)に引き上げられました。
特定技能1号の創設で期限付きの在留期間の最長期間が5年となったこと、短期滞在の外国人の状況に変化が生じていること等による見直しです。
まずは条文の穴埋めをどうぞ!
附則第9条の3の2 (日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給)
第3項 脱退一時金の額は、基準月(請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間のうち請求の日の前日までに当該期間の各月の保険料として納付された保険料に係る月のうち直近の月をいう。)の属する年度における保険料の額に< A >を乗じて得た額に保険料納付済期間等の月数に応じて政令で定める数を乗じて得た額とする。
【解答】
A 2分の1
◇脱退一時金の額の計算式
基準月の保険料額×2分の1×保険料納付済期間等の月数に応じて政令で定める数
政令で定める数は施行令14条の3の2に次のように規定されています。
6月以上12月未満 | 6 |
12月以上18月未満 | 12 |
18月以上24月未満 | 18 |
24月以上30月未満 | 24 |
30月以上36月未満 | 30 |
36月以上42月未満 | 36 |
42月以上48月未満 | 42 |
48月以上54月未満 | 48 |
54月以上60月未満 | 54 |
60月以上 | 60 |
6の倍数なので覚えやすいです。
★例えば、基準月が令和3年度にあり、保険料納付済期間等の月数が60月の場合の脱退一時金の額は、
16,610円(令和3年度の保険料額)×2分の1×60=498,300円となります。
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R3-307
今日は、「寡婦年金」の改正点をチェックしましょう。
まずは条文の穴埋めをどうぞ!
第49条 寡婦年金の支給要件
寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が < A >年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が< A >年以上継続した< B >の妻があるときに、その者に支給する。
ただし、老齢基礎年金又は< C >の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。
【解答】
A 10
B 65歳未満
C 障害基礎年金
令和3年4月の改正点は?
・改正前
死亡した夫が、「障害基礎年金の受給権者であったことがあるとき、又は老齢基礎年金の支給を受けていたとき」は寡婦年金は支給されない
↓
・改正後
「老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したとき」は寡婦年金は支給されない
◇改正で、死亡した夫の障害基礎年金の受給状況の条件が、老齢基礎年金と同じになりました。
◇改正前は、死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるときは、実際に障害基礎年金を受けていなくても、寡婦年金は支給されませんでした。(夫が障害基礎年金の受給権者であったというだけで寡婦年金は支給されなかった)
改正後は、夫に障害基礎年金の受給権があったとしても、実際に障害基礎年金を受けていない場合は、寡婦年金は支給されることになりました。
ちなみに、「障害基礎年金の受給権があるが、実際に障害基礎年金を受けていない」ってどんなとき? → 『障害基礎年金の受給権発生日と死亡日が同じ月』のときです。
こちらもどうぞ!
①<H20年出題>
寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した60歳以上65歳未満の妻に限り受給権が発生する。
②<H20年出題>
夫の死亡の当時に60歳未満であった妻に支給される寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給が開始され、65歳に達した日の属する月まで支給される。
【解答】
①<H20年出題> ×
「60歳以上65歳未満の妻」ではなく「65歳未満の妻」が対象です。
妻が60歳未満の場合は、60歳から寡婦年金が支給されます。(②の問題)
(法第49条)
②<H20年出題> 〇
寡婦年金は60歳から65歳まで支給される有期年金です。
年金は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月」から、「権利が消滅した日の属する月」まで支給されます。
寡婦年金は夫の死亡によって支給されるので、60歳以上の妻の場合は、「夫の死亡した日の属する月の翌月」から支給されます。夫の死亡当時に妻が60歳未満の場合は、「妻が60歳に達した日の属する月の翌月」から支給を始める、と規定されています。
そして寡婦年金は65歳で失権しますので、最大で「65歳に達した日の属する月」まで支給されます。
(法第18条、第49条3項、51条)
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R3-280
障害認定日に障害等級3級だった人がその後2級になった場合、「国民年金」「厚生年金保険」でそれぞれ視点が違います。
今日は、国民年金の視点に戻ります。
事後重症は「65歳に達する日の前日まで」に障害等級に該当、その期間内に請求するという条件がポイントでした。
※ 国民年金の「障害等級」は1級、2級です。(厚生年金保険の「障害等級」は1級、2級、3級です。)
では、どうぞ!
①<H22年出題>
初診日に厚生年金保険の被保険者で、保険料納付等の要件を満たし、3級の障害厚生年金の受給権を取得した者が、その後、障害の程度が増進し2級以上となり、65歳に達する日の前日までに障害厚生年金の額の改定が行われたときは、当該者は障害基礎年金に係る事後重症の請求を行えば、障害基礎年金の受給権が発生する。
②<H30年出題>
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が、その後障害状態が悪化し障害等級2級に該当したことから、65歳に達する日の前日までに障害厚生年金の額改定請求を行い、その額が改定された場合でも、当該受給権者は当該障害生年金と同一の支給事由である障害基礎年金の支給を請求しない限り、障害基礎年金の受給権は発生しない。
【解答】
①<H22年出題> ×
問題文の場合、障害基礎年金に係る事後重症の請求は要りません。
障害の程度が増進し障害厚生年金の額が改定されたときは、そのときに事後重症の請求があったものとみなすことになっているからです。ですので、事後重症の請求をしなくても障害基礎年金が支給されます。(図1参照)
(法第30条の2)
②<H30年出題> ×
①の問題と同じく「障害基礎年金の支給を請求しない限り、障害基礎年金の受給権は発生しない」の部分が誤りです。
障害厚生年金が3級から2級に改定されたときに、事後重症の請求をしたものとみなされます。
(法第30条の2)
社労士受験のあれこれ
R3-278
障害認定日に障害等級3級だった人がその後2級になった場合、「国民年金」「厚生年金保険」でそれぞれ視点が違います。
今日は、国民年金の視点で見ていきましょう。
国民年金の場合、「障害認定日に障害等級に該当していない」その後「障害等級に該当した」ということで「事後重症」になります。
※ 国民年金の「障害等級」は1級、2級です。(厚生年金保険の「障害等級」は1級、2級、3級です。)
では、どうぞ!
①<H18年出題>
保険料納付等の要件を満たしているが、障害認定日おいて障害の程度が2級以上に該当しなかった者が、65歳に達する日の前日までに障害の程度が悪化し、2級以上の状態に該当したときは、請求することによって、いわゆる事後重症による障害基礎年金が支給される。
②<H21年出題>
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病の初診日において被保険者であり、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、障害認定日後65歳に達する日の前日までの間において、同一の傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態になったときは、その者の年齢に関わりなく障害基礎年金の支給を請求することができる。
③<R1年出題>
国民年金法第30条第1項の規定により、障害認定日において障害等級に該当した場合に支給する障害基礎年金の受給権の発生日は障害認定日であるが、同法第30条の2第1項の規定によるいわゆる事後重症による障害基礎年金の受給権の発生日はその支給の請求日である。
【解答】
①<H18年出題> 〇
この問題の事後重症のポイント!
■65歳に達する日の前日(65歳の誕生日の前々日)までに
・障害の程度が2級以上の状態に該当すること
・請求すること
(法第30条の2)
②<H21年出題> ×
「その者の年齢に関わりなく」が誤りです。
事後重症の障害基礎年金は、障害認定日後『65歳に達する日の前日まで』の間に請求することが条件です。
③<R1年出題> 〇
受給権が発生する日をおさえましょう。
(通常の障害基礎年金)障害認定日に障害等級に該当 → 障害認定日に受給権発生
事後重症の障害基礎年金 → 支給請求日に受給権発生
※事後重症の障害基礎年金は、請求日に受給権が発生し、請求日が属する月の翌月分から支給されます。請求が遅れると、支給開始時期も遅くなります。
(法第30条の2)
社労士受験のあれこれ
R3-277
今日のテーマは国民年金「受給権者の届出と機構保存本人確認情報の関係」です。
まずこちらからどうぞ!
①<H24年出題>
厚生労働大臣は、法第18条第3項に規定する年金の支払期月の前月において、住民基本台帳法の規定による当該支払期月に支給する老齢基礎年金の受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受け、必要な事項について確認を行うものとする。
【解答】 ×
「年金の支払期月の前月」ではなく「毎月」行います。
住所や氏名の異動情報の取得を、月に1回行っています。
(則第18条)
次はこちらを
②<H25年出題>
老齢基礎年金の受給権者は、住所又は氏名を変更したときは、日本年金機構に所定の事項を記載した届書を提出しなければならないが、厚生労働大臣が住民基本台帳ネットワークシステムにより当該受給権者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることができる者については、当該届書を提出する必要はない。
【解答】
②<H25年出題> 〇
年金の受給権者は、氏名又は住所を変更したときは、14日以内に日本年金機構に所定の事項を記載した届書を提出しなければなりません。
しかし、氏名変更届、住所変更届については、厚生労働大臣が住民基本台帳法の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けることができる場合は、提出する必要はありません。
(則第19条、20条)
こちらもどうぞ!
③<H24年出題>
住民基本台帳法の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けることができる受給権者の死亡について、受給権者の死亡の日から7日以内に当該受給権者に係る戸籍法の規定による死亡の届出をした場合は、国民年金法の規定による死亡の届出は要しない。
④<H27年出題>
老齢基礎年金を受給していた夫が死亡した場合、その死亡当時、生計を同じくしていた妻が、未支給年金を受給するためには、「年金受給権者死亡届」と「未支給年金請求書」を日本年金機構に提出しなければならないが、厚生労働大臣が住民基本台帳法の規定により夫、妻双方の機構保存本人確認情報の提供を受けることができる場合には、これらの提出は不要となる。
【解答】
③<H24年出題> 〇
受給権者が死亡した場合は、戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、14日以内に日本年金機構に所定の事項を記載した届書を提出しなければなりません。
ただし、厚生労働大臣が住民基本台帳法の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けることができ、受給権者の死亡の日から7日以内に当該受給権者に係る戸籍法の規定による死亡の届出をした場合は、国民年金法の規定による死亡の届出は不要です。
(法第105条、則第24条)
④<H27年出題> ×
「年金受給権者死亡届」の提出は省略できますが、「未支給年金請求書」の提出は省略できません。
(則第24条、25条)
社労士受験のあれこれ
R3-275
今日のテーマは「年金の支給期間」です。
まず条文の確認からどうぞ!
法第18条 (年金の支給期間及び支払期月)
1 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の< A >から始め、権利が消滅した日の< B >で終るものとする。
2 年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の < A >からその事由が消滅した日の< B >までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。
3 年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの< C >までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。
【解答】
A 属する月の翌月
B 属する月
C 前月
※年金は、月単位で支給されます。
ではこちらをどうぞ!
①<H27年出題>
遺族基礎年金を受給している子が、婚姻したときは遺族基礎年金は失権し、婚姻した日の属する月の前月分までの遺族基礎年金が支給される。
②<H23年出題>
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権は、繰上げ請求のあった日の翌日に発生し、受給権発生日の属する月の翌月から支給される。
【解答】
①<H27年出題> ×
婚姻した日の属する月の前月分までの部分が誤りです。
年金は、支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から、権利が消滅した日の属する月まで支給されます。
婚姻で遺族基礎年金が失権した場合は、『婚姻した日の属する月』分までの遺族基礎年金が支給されます。
(法第18条)
②<H23年出題> ×
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権は、『繰上げ請求のあった日』に発生します。翌日に発生の部分が誤りです。
なお、支給は「受給権発生日の属する月の翌月から」で合ってます。
(法第18条)
こちらもどうぞ!
③<H29年出題>
老齢基礎年金の支給を受けている者が平成29年2月27日に死亡した場合、未支給年金請求者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年1月分と2月分の年金を未支給年金として請求することができる。なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。
④<H29年出題>
65歳に達したときに老齢基礎年金の受給資格を満たしていたが、裁定を受けていなかった68歳の夫が死亡した場合、生計を同じくしていた65歳の妻は、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金を未支給年金として受給することができる。この場合、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金は、妻自身の名で請求し、夫が65歳に達した日の属する月の翌月分から死亡月の分までの受け取るはずであった年金を受け取ることになる。
【解答】
③<H29年出題> ×
1月分と2月分の年金の部分が誤りです。
平成29年2月27日に死亡した場合、年金は「権利が消滅した日の属する月」までですので、2月分まで支給されます。
また年金は、「年6期、偶数月、後払い」と覚えましょう。問題文の場合、平成29年2月に12月分と1月分が支払われています。
未支給年金請求者が請求できるのは、2月分のみとなります。
(法第18条、第19条)
④<H29年出題> 〇
未支給年金として請求できるのは、夫が受けるはずだった『65歳に達した日の属する月の翌月分から死亡月の分』までとなります。
未支給年金のポイントを穴埋め式で確認しましょう
第19条 (未支給年金)
1 年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の< A >であって、その者の死亡の当時その者と< B >ものは、< C >で、その未支給の年金の支給を請求することができる。
2 1の場合において死亡した受給権者が死亡前にその年金を請求していなかったときは、1に規定する者は、< C >で、その年金を請求することができる。
【解答】
A 三親等内の親族
B 生計を同じくしていた
C 自己の名
社労士受験のあれこれ
R3-272
引き続き、国民年金保険料の前納のルールを見ていきましょう。
では、どうぞ!
①<H27年出題>
被保険者が保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前に保険料額の引上げが行われることとなった場合に、前納された保険料のうち当該保険料額の引上げが行われることとなった後の期間に係るものは、当該期間の各月につき納付すべきこととなる保険料に、先に到来する月の分から順次充当される。
【解答】
①<H27年出題> 〇
保険料が前納された後、前納期間の経過前に保険料の額の引上げがあった場合は、前納保険料のうち未経過分については、引上げ後に納付すべきこととなる保険料に、先に到来する月の分から順次充当されます。
(令第8条の2)
こちらもどうぞ!
②<H21年出題>
保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前において被保険者がその資格を喪失した場合又は第1号被保険者が第2号被保険者若しくは第3号被保険者となった場合においては、その者(死亡喪失の場合においては、その者の相続人)の請求に基づき、前納した保険料のうち未経過期間に係るものを還付する。
③<H25年出題>
保険料を前納した後、当該前納に係る期間の経過前において被保険者がその資格を喪失した場合又は保険料の免除を受けた場合は、その者の請求に基づき、前納した保険料のうち未経過期間に係るものを還付する。
【解答】
②<H21年出題> 〇
前納期間の途中で、資格を喪失した場合や第2号被保険者、第3号被保険者になった場合は、その者(死亡喪失の場合においては、その者の相続人)の請求に基づき、未経過期間分が還付されます。
(令第9条)
③<H25年出題> 〇
保険料を前納した後、途中で保険料の免除を受けた場合も、未経過期間分が還付の対象となります。
(令第9条)
社労士受験のあれこれ
R3-271
国民年金保険料の前納のルールを見ていきましょう。
前納とは、まとめて前払いをする制度です。
では、どうぞ!
①<R1年出題>
国民年金の保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6月又は年を単位として行うものとされていることから、例えば、昭和34年8月2日生まれの第1号被保険者が、平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月間をまとめて前納することは、厚生労働大臣が定める期間として認められることはない。
②<H27年出題>
第1号被保険者が保険料を口座振替で納付する場合には、最大で2年間の保険料を前納することができる。
【解答】
①<R1年出題> ×
平成31年4月分から令和元年7月分までの4か月間をまとめて前納することは可能です。
保険料の前納は、「6月」単位又は「年」単位で行うのが原則です。
ただし、例外もあり、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合は、6月又は年以外の単位も可能です。
6月又は年以外の単位の場合は、任意の月分から当年度末または翌年度末までの期間となりますが、問題文の昭和34年8月2日生まれの第1号被保険者は、60歳に達する令和元年8月1日に資格を喪失するので、平成31年4月から令和元年7月分までの4か月間をまとめることができます。
(令7条)
②<H27年出題> 〇
2年前納は口座振替でできます。また、口座振替のみならず、現金・クレジットカード納付でも2年前納ができます。
(令7条)
では、こちらもどうぞ
③<H21年出題>
保険料の前納の際に控除される額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、当該期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月(口座振替による納付は当該各月の翌月)までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額の10円未満を端数処理した額を控除した額とする。
④<H24年出題>
国民年金保険料を1年間分前納する場合、最も割引率が高くなるのは、口座振替による支払ではなく、現金で支払った場合である。
【解答】
③<H21年出題> 〇
割引があるのが前納のメリットです。割引額は年利4%の複利現価法で計算します。4分という利率を覚えておきましょう。
(令8条)
④<H24年出題> ×
国民年金保険料を1年間分前納する場合、現金よりも口座振替による支払の方が割引率は高くなります。
(参考) 令和3年度の国民年金保険料は月16,610円ですが、1年分前納した場合、「現金」、「クレジットカード」だと195,780円(3,540円割引)、「口座振替」だと195,140円(4,180円割引)となります。
(令8条)
最後にこちらをどうぞ!
⑤<H30年出題>
前納された保険料について、保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされる。
【解答】
⑤<H30年出題> ×
「前納に係る期間の各月の初日が到来したとき」が誤りです。
『「前納に係る期間の各月が経過した際」に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす』です。
(法第93条)
社労士受験のあれこれ
R3-270
引き続き、テーマは「学生納付特例」です。
では、どうぞ!
①<H29年出題>
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料が追納されていなければ、老齢基礎年金の額には反映されない。
【解答】
①<H29年出題> 〇
学生納付特例の期間は、老齢基礎年金の受給資格期間の10年以上の計算には入りますが、老齢基礎年金の額の計算には反映されないのがポイントです。納付猶予の期間も同じです。
(法第26条、第27条)
こちらもどうぞ!
②<H30年出題>
被保険者又は被保険者であった者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料につき、厚生労働大臣の承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限り、追納することができる。
③<R1年出題>
平成27年6月分から平成28年3月分まで保険料全額免除期間(学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を除く。)を有し、平成28年4月分から平成29年3月分まで学生納付特例の期間を有し、平成29年4月分から令和元年6月分まで保険料全額免除期間(学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を除く。)を有する者が、令和元年8月に厚生労働大臣の承認を受け、その一部につき追納する場合は、学生納付特例の期間の保険料から優先的に行わなければならない。
【解答】
②<H30年出題> 〇
学生納付特例期間は老齢基礎年金の額の計算には反映されませんが、追納すれば保険料納付済期間となり年金の額が増えます。
なお、追納できるのは、厚生労働大臣の承認の日の属する月前10年以内の期間に限れられることにも注意してください。
(法第94条)
③<R1年出題> ×
「学生納付特例の期間の保険料から優先的に行わなければならない」が誤りです。
学生納付特例期間(納付猶予も含む)は、老齢基礎年金の額に反映されませんので、一部につき追納する場合は、まず学生納付特例期間(納付猶予)を優先し、それ以外の免除を古い順番に行うのが原則です。
ただし、問題文のように学生納付特例より前に納付義務が生じた保険料があるときは、古い保険料から追納することができます。
問題文の場合
・ 平成27年6月分から平成28年3月分 保険料全額免除期間
・ 平成28年4月分から平成29年3月分まで学生納付特例の期間
・ 平成29年4月分から令和元年6月分まで保険料全額免除期間
となっていますので、学生納付特例の期間よりも古い平成27年6月分から平成28年3月分の保険料全額免除期間の保険料を先に追納することができます。
(法第94条)
最後にこちらもどうぞ!
国民年金制度創設当初は、学生は任意加入だったが、< A >4月1日から強制加入に改められた。
【解答】
A 平成3年
社労士受験のあれこれ
R3-269
テーマは「学生納付特例」です。
では、どうぞ!
①<H28年出題>
国民年金法第90条第1項に規定する申請による保険料の全額免除の規定について、学生である期間及び学生であった期間は、その適用を受けることができない。
②<H28年出題>
前年の所得(1月から3月までの月分の保険料については、前々年の所得。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じ一定額以下の学生である第1号被保険者については、その者の世帯主又は配偶者の前年の所得にかかわらず、国民年金法第90条の3の規定による学生納付特例の適用を受けることができる。
【解答】
①<H28年出題> 〇
申請全額免除は、学生には適用されません。
・4分の3免除、半額免除、4分の1免除も学生には適用されません。
・「法定免除」は、学生にも適用されます。
(法第90条)
②<H28年出題> 〇
学生納付特例は、学生本人の前年の所得のみで判断されます。世帯主や配偶者の前年の所得は関係ありません。
(法第90条の3)
こちらもどうぞ!
③<H24年出題>
学生の保険料納付特例の申請を行い承認された者が、承認期間中に学校を退学した場合は、学生納付特例不該当届を提出しなければならない。
④<H23年出題>
学生納付特例事務法人は、その教育施設の学生等である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る学生納付特例の申請に関する事務及び保険料の納付に関する事務をすることができる。
⑤<H27年出題>
学生等被保険者が学生納付特例事務法人に学生納付特例申請の委託をしたときは、障害基礎年金の保険料納付要件に関しては、当該委託をした日に、学生納付特例申請があったものとみなされる。
【解答】
③<H24年出題> 〇
退学等の理由で学生でなくなった場合は、学生納付特例不該当届を提出しなければなりません。なお、卒業の場合は提出不要です。
(則第77条の9)
④<H23年出題> ×
学生納付特例事務法人は、保険料の納付に関する事務はできません。
学生納付特例事務法人とは、学生が学生納付特例の手続きをしやすくするために、大学等が学生の委託を受けて、申請の代行を行う制度のことです。
(法第109条の2の2)
⑤<H27年出題> 〇
「学生納付特例事務法人に学生納付特例申請の委託をした日」がポイントです。
学生納付特例事務法人は、学生等被保険者から学生納付特例申請の委託を受けたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該学生納付特例申請をしなければならない、とされています。
(法第109条の2の2)
社労士受験のあれこれ
R3-268
まず、国民年金法第14条を確認しておきましょう。
第14条 (国民年金原簿)
厚生労働大臣は、国民年金原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号(政府管掌年金事業の運営に関する事務その他当該事業に関連する事務であって厚生労働省令で定めるものを遂行するために用いる記号及び番号であって厚生労働省令で定めるものをいう。)その他厚生労働省令で定める事項を記録するものとする。
では、どうぞ!
①<H28年出題>
厚生労働大臣は、国民年金原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号その他厚生労働省令で定める事項を記録することとされているが、当分の間、第2号被保険者について記録する対象となる被保険者は、厚生年金保険法に規定する第1号厚生年金被保険者に限られている。
【解答】
①<H28年出題> 〇
当分の間、第2号被保険者のうち、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者は、国民年金原簿の記録管理は行われていません。
(法第14条、附則第7条の5)
次はこちらをどうぞ!
②<H30年出題>
寡婦年金を受けることができる妻は、国民年金原簿に記録された死亡した夫に係る特定国民年金原簿記録が事実でない、又は国民年金原簿に死亡した夫に係る特定国民年金原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、国民年金原簿の訂正の請求をすることができる。
【解答】
②<H30年出題> 〇
「年金記録が事実と異なる」と思う場合は、厚生労働大臣に年金記録の訂正請求ができます。例えば、国民年金の保険料を納付していたのに記録がない、とか、会社で働いていた期間の厚生年金保険の記録がない、などの場合です。
訂正請求ができるのは、本人(被保険者又は被保険者であった者)で、自己の特定国民年金原簿記録についてですが、本人が死亡している場合は、遺族が請求できます。
※ただし、本人の死亡に伴う未支給年金または遺族年金等を受けることができる人に限定されています。
寡婦年金の場合は、「妻」が「死亡した夫」に係る特定国民年金原簿記録について、国民年金原簿の訂正請求をすることができます。
ちなみに、特定国民年金原簿記録とは、「被保険者の資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況その他厚生労働省令で定める事項の内容」です。
(法第14条の2)
では、こちらをどうぞ!
③<R2年出題>
国民年金原簿の訂正請求に係る国民年金原簿の訂正に関する方針を定め、又は変更しようとするときは、厚生労働大臣は、あらかじめ、社会保険審査会に諮問しなければならない。
【解答】
③<R2年出題> ×
社会保険審査会ではなく、「社会保障審議会」に諮問しなければならない、です。
なお、「社会保険審査会」は行政不服審査を行う機関で、「社会保障審議会」は厚生労働大臣の諮問機関です。
(法第14条の2)
最後はこちらを
④<H27年選択式>
被保険者又は被保険者であった者は、国民年金原簿に記録された自己に係る特定国民年金原簿記録(被保険者の資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況その他厚生労働省令で定める事項の内容をいう。)が事実でない、又は国民年金原簿に自己に係る特定国民年金原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、国民年金原簿の訂正の請求をすることができる。厚生労働大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る国民年金原簿の訂正をする旨を決定しなければならず、これ以外の場合は訂正をしない旨を決定しなければならない。
これらの決定に関する厚生労働大臣の権限は< A >に委任されており、 < A >が決定しようとするときは、あらかじめ< B >に諮問しなければならない。
【解答】
A 地方厚生局長又は地方厚生支局長
B 地方年金記録訂正審議会
(法第14条の4、第109条の9、令11条の12の2)
※地方厚生(支)局長が、年金記録の訂正請求に対して、その訂正(不訂正)の決定を行うときは、あらかじめ地方年金記録訂正審議会に諮問しなければなりません。
社労士受験のあれこれ
R3-267
国民年金の被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの
種別があります。
例えば、40歳の会社員が退職して自営業を始めた場合、国民年金は第2号被保険者から第1号被保険者に種別が変わります。
この場合のポイントは、第2号被保険者の資格を喪失して第1号被保険者の資格を取得するのではなく、第2号被保険者から第1号被保険者への「種別変更」となる点です。
では、どうぞ!
①<H22年出題>
被保険者の種別ごとに被保険者期間を計算する場合には、被保険者の種別に変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなし、同月中に2回以上の種別変更があったときは、その月は最後の種別の被保険者であった月とみなす。
②<H30年出題>
被保険者期間の計算において、第1号被保険者から第2号被保険者に種別の変更があった月と同一月に更に第3号被保険者への種別の変更があった場合、当該月は第2号被保険者であった月とみなす。なお、第3号被保険者への種別の変更が当該月における最後の種別の変更であるものとする。
③<H24年出題>
被保険者期間の計算において、同一の月に種別変更が1回あり、第1号被保険者から第3号被保険者になった月につき、すでに第1号被保険者としての保険料が納付されている場合は、当該月は第1号被保険者とみなす。
【解答】
①<H22年出題> 〇
★被保険者の種別に変更があった月★
・変更後の種別の被保険者であった月とみなす。
・同月中に2回以上の種別変更があったときは、その月は最後の種別の被保険者であった月とみなす。
(法第11条の2)
②<H30年出題> ×
同一月に、第1号被保険者→第2号被保険者→第3号被保険者への種別の変更があった場合、その月は「最後の種別の被保険者であった月」とみなすので、当該月は第3号被保険者であった月とみなします。
(法第11条の2)
③<H24年出題> ×
第1号被保険者から第3号被保険者になった月は、第3号被保険者であった月とみなします。すでに第1号被保険者としての保険料が納付されていても、関係ありません。
(法第11条の2)
では、こちらもどうぞ
④<H20年出題>
第2号被保険者が退職し第1号被保険者になったときは、当該事実があった日から14日以内に、資格取得届を市町村長に提出しなければならない。
【解答】
④<H20年出題> ×
「資格取得届」が誤りです。
第2号被保険者から第1号被保険者への「種別変更」ですので、「種別変更の届出」を、当該事実があった日から14日以内に市町村長に提出しなければなりません。
(則第6条の2)
最後にこちらをどうぞ!
⑤<H27年出題>
第1号被保険者であった者が就職により厚生年金保険の被保険者の資格を取得したため第2号被保険者となった場合、国民年金の種別変更に該当するため10日以内に市町村長へ種別変更の届出をしなければならない。
【解答】
⑤<H27年出題> ×
第2号被保険者には、国民年金法の届出の規定は適用されません。
ですので、第1号被保険者から第2号被保険者に種別変更した場合の種別変更の届出は不要です。
(法附則第7条の4)
社労士受験のあれこれ
R3-266
引き続き、第3号被保険者の届出いろいろです。
では、どうぞ!
①<H29年出題>
第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者が20歳に達し、第3号被保険者となるときは、14日以内に資格取得の届出を日本年金機構に提出しなければならない。
【解答】
①<H29年出題> 〇
ポイント! 第3号被保険者の資格取得の届出 → 提出期限(14日以内)と提出先(日本年金機構)がポイントです。
次はこちらをどうぞ
②<H27年出題>
第2号被保険者の夫とその被扶養配偶者となっている第3号被保険者の妻が離婚したことにより生計維持関係がなくなった場合、妻は、第3号被保険者に該当しなくなるため、市町村長(特別区の区長を含む。以下本問において同じ。)へ第1号被保険者の種別の変更の届出を行うとともに、離婚した夫が勤務する事業所の事業主を経由して日本年金機構へ「被扶養配偶者非該当届」を提出しなければならない。なお、夫が使用される事業所は健康保険組合管掌健康保険の適用事業所であり、当該届出の経由に係る事業主の事務は健康保険組合に委託されていないものとする。
【解答】
②<H27年出題> 〇
第2号被保険者の夫と第3号被保険者の妻が離婚した場合
・「第1号被保険者の種別の変更の届出」を市町村長(特別区の区長を含む。)に提出
・「被扶養配偶者非該当届」を離婚した夫が勤務する事業所の事業主を経由して日本年金機構へを提出
★「被扶養配偶者非該当届」のポイント
・「全国健康保険協会管掌」の健康保険の適用事業所に使用される第2号被保険者の被扶養配偶者であった者については、被扶養配偶者非該当届の提出は不要。
・ 配偶者である第2号被保険者が退職等により第2号被保険者でなくなったことにより第3号被保険者でなくなった場合、第3号被保険者が被用者年金制度に加入した又は死亡したことにより第3号被保険者でなくなった場合は、被扶養配偶者非該当届の提出は不要
・ 被扶養配偶者非該当届の提出が必要なのは、(1)第3号被保険者の収入が基準額以上に増加し、扶養から外れた場合、(2)離婚した場合です。
(H26年11月1日 年管管発1101第1号)
社労士受験のあれこれ
R3-265
今日は、第3号被保険者の届出色々です。
現在は、会社員や公務員の被扶養配偶者(第3号被保険者)に該当した場合は、第2号被保険者の事業主等を経由して届け出を行うので、届出もれは基本的にありません。
しかし、事業主経由で第3号被保険者の届出を行うようになったのは平成14年4月からです。
第3号被保険者制度ができた昭和61年4月から平成14年3月までは、自分自身で市町村に届出を提出しなければならず、その届出をしなかった人が多数存在しました。
届出をしなかった期間は、未納期間となり、年金の受給資格ができない、あるいは受給額が減るという不利益が生じてしまいます。
今日は、このような人たちを救済するための特例がテーマです。
では、どうぞ!
①<H19年出題>
特例として、第3号被保険者又は第3号被保険者であった者は、第3号被保険者期間のうち、届出の遅滞により保険料納付済期間に算入されない平成17年4月1日以後の期間について、その届出の遅滞がやむを得ないと認められるときは、厚生労働大臣にその旨の届出をすることができる。
②<H22年出題>
第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった期間(平成17年4月1日以後の期間に限る。)は、原則として、届出をした日の属する月の前々月までの2年間を除いて、保険料納付済期間に算入しない。
③<H29年出題>
平成26年4月1日を資格取得日とし、引き続き第3号被保険者である者の資格取得の届出が平成29年4月13日に行われた。この場合、平成27年3月以降の各月が保険料納付済期間に算入されるが、平成26年4月から平成27年2月までの期間に係る届出の遅滞についてやむを得ない事由があると認められるときは、厚生労働大臣にその旨を届け出ることによって、届出日以後、当該期間の各月についても保険料納付済期間に算入される。
【解答】
この問題のポイント!
<第3号被保険者の取得の届出が遅れた場合の取扱い>
★平成17年4月1日前
第3号被保険者に該当したが届け出をしていなかった(未納期間)
↓
届出を行うことによって「保険料納付済期間」となる
※届出の遅滞の理由の有無は問わない
★平成17年4月1日以後
第3号被保険者に該当したが届け出をしていなかった(未納期間)
↓
届出の遅滞がやむを得ないと認められるとき
↓
届出を行うことによって「保険料納付済期間」となる
①<H19年出題> 〇
「平成17年4月1日以後の期間」がポイントです。
第3号被保険者期間のうち、届出の遅滞によって保険料納付済期間に算入されない平成17年4月1日以後の期間については、届出の遅滞がやむを得ないと認められるときは、その旨の届出をすることができます。
届出が行われた日以後、届出に係る期間が保険料納付済期間に算入されます。
(法附則第7条の2)
②<H22年出題> 〇
平成17年4月1日以後については、第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった期間は、原則として保険料納付済期間に算入されません。(届け出の遅滞がやむを得ないと認められるときは、届出をすることができます。)
ちなみに、「届出をした日の属する月の前々月までの2年間」は保険料納付済期間に算入されます。
(疑問その1 届け出をした日の属する月の前月はどうなるのか?)
例えば、2019年4月1日に第3号被保険者の資格を取得したものの届出が遅れて、2021年5月14日に届出を行った場合、2021年4月は保険料納付済期間となります。
国民年金の保険料の納期限は翌月末日です。2021年4月分は5月末までに納付すればいいので、3号の取得も5月14日に届け出れば、2021年4月は保険料納付済期間に算入できるという理屈です。
(疑問その2 なぜ2年間なのか?)
保険料の納付の時効の期間に合わせた扱いです。
2019年4月1日に第3号被保険者の資格を取得したものの届出が遅れて、2021年5月14日に届出を行った場合は、2021年3月までの2年間も保険料納付済期間となります。
(法附則第7条の2)
③<H29年出題> 〇
資格取得日 → 平成26年4月1日
資格取得の届出 → 平成29年4月13日
・ 届け出をした日の属する月の前々月までの2年間は「保険料納付済期間」となる。(平成27年3月~平成29年2月まで、平成29年3月も)
・ 平成26年4月から平成27年2月までの期間は、届出の遅滞についてやむを得ない事由があると認められるとき → その旨を届け出れば → 届出日以後、保険料納付済期間に算入される。
(法附則第7条の2)
社労士受験のあれこれ
R3-226
今日のテーマは、付加年金のよく出るところです。
では、どうぞ!
まずは穴埋め式からどうぞ!
第43条(支給要件)
付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が< A >の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条(年金額)
付加年金の額は、< B >円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
【解答】
A 老齢基礎年金
B 200
では、こちらをどうぞ
①<H19年出題>
付加年金、寡婦年金及び死亡一時金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を対象とした給付で、第2号被保険者としての被保険者期間は対象とされない。
【解答】 ×
「付加年金、寡婦年金、死亡一時金」は、「第1号被保険者」としての被保険者期間が対象です。第2号被保険者、第3号被保険者としての被保険者期間は対象になりません。
こちらもどうぞ!
②<H27年出題>
付加保険料に係る保険料納付済期間を300か月有する者が、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときには、年額60,000円の付加年金が支給される。
【解答】 〇
付加年金の額は、200円×300か月=年額60,000円で計算します。
なお、この場合納付した付加保険料は400円×300か月=120,000円です。付加年金を2年間受給したら、納付した付加保険料と同額となります。
(第44条(年金額))
では、こちらをどうぞ
③<H19年出題>
政府は、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に給付の支給に支障が生じないようにするため必要な積立金を保有しつつ、当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる給付(付加年金を含む。)の額を調整するものとする。
④<H29年出題>
寡婦年金及び付加年金の額は、毎年度、老齢基礎年金と同様の改定率によって改定される。
【解答】
③<H19年出題> ×
(付加年金を含む。)が誤り。付加年金は除かれます。
④<H29年出題> ×
付加年金の額には、改定率による改定はありません。
(第16条の2)
最後にこちらをどうぞ!
⑤<H19年出題>
老齢基礎年金の支給を繰上げ又は繰下げる者に対して、付加年金を支給するときは、付加年金も老齢基礎年金と同様に繰上げ、繰下げて支給されるが、その際減額率、増額率は適用されない。
⑥<H25年出題>
付加年金の受給権は、老齢基礎年金の受給権と同時に発生し、老齢基礎年金の受給権と同時に消滅する。また、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、付加年金も停止される。
【解答】
⑤<H19年出題> ×
減額率、増額率は、付加年金も老齢基礎年金と同じように適用されます。
※老齢基礎年金の支給を繰上げ又は繰下げる場合
→ 付加年金も老齢基礎年金と同様に繰上げ、繰下げて支給され、減額率、増額率も同じように適用されます。
(第46条、附則第9条の2)
⑥<H25年出題> 〇
第47条で「付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。」と定められています。
「全額」に注意してください。「全部又は一部」と出題されたら誤りです。
第48条で「付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。」と定められていて、老齢基礎年金同様付加年金も終身年金です。
社労士受験のあれこれ
R3-225
引き続き、付加保険料のことです。
今日のテーマは、付加保険料の納付の辞退です。
では、どうぞ!
まずは穴埋め式からどうぞ!
第87条の2
第3項
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する< A >以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び第93条第1項の規定により< B >されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき付加保険料を納付する者でなくなることができる。
【解答】
A 月の前月
B 前納
では、こちらをどうぞ
①<H30年出題>
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月に係る保険料に限り、付加保険料を納付する者でなくなることができる。
【解答】 ×
「申出をした日の属する月以後」ではなく、「申出をした日の属する月の前月以後」です。
例えば、4月5日に申出をした場合は、納付の辞退は、3月分からです。
3月分の納期限は4月末日。申出時点ではまだ期限が来ていないからです。
また、既に納付されたもの、前納されたものは除かれます。
こちらもどうぞ!
②<H26年出題>
付加保険料については、任意に申出を行い納付するものであるため、納期限までにその保険料を納付しなかった場合は、その納期限の日に付加保険料の納付を辞退したものとみなされる。
【解答】 ×
「辞退したものとみなされる。」が誤りです。
平成26年3月までは、納期限までに付加保険料を納付しなかった場合は、付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされ、以後納付できなくなっていました。
しかし、平成26年4月以降は、『辞退の申出をしたものとみなさない』ことになっていて、現在は、納期限を経過しても、2年間は付加保険料を納付することができます。
では、最後にこちらをどうぞ
③<H27年出題>
付加保険料を納付する第1号被保険者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされる。
④<R1年出題>
平成31年4月分から令和2年3月分まで付加保険料を前納していた者が、令和元年8月に国民年金基金の加入員となった場合は、その加入員となった日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたとみなされるため、令和元年7月分以後の各月に係る付加保険料を納付する者でなくなり、請求により同年7月分以後の前納した付加保険料が還付される
【解答】
③<H27年出題> 〇
国民年金基金の加入員は付加保険料を納付できないので、国民年金基金の加入員になったときは、加入員になった日に付加保険料納付の辞退の申出をしたものとみなされます。
(第87条の2第4項)
④<R1年出題> ×
「令和元年7月分以後」が誤りです。
令和元年8月に国民年金基金の加入員になった場合は、その加入員となった日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたとみなされます。
しかし、問題文の「平成31年4月分から令和2年3月分まで付加保険料を前納」していた点に注目してください。
第87条の2第3項では、付加保険料の辞退の対象から、『既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。』とされています。
令和元年7月分は前納されているので、辞退できません。
国民年金基金の加入員となった日の属する月以後(令和元年8月以後)は付加保険料を納付できないので、辞退の対象となります。
社労士受験のあれこれ
R3-224
今日は国民年金法です。
今日のテーマは、付加保険料を納付できる場合とできない場合です。
★付加年金
付加保険料を納付すると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされて支給されます。
では、どうぞ!
まずは穴埋め式からどうぞ!
第87条の2
第1号被保険者(第89条第1項、第90条第1項又は第90条の3第1項の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び< A >を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、保険料のほか、< B >円の保険料を納付する者となることができる。
【解答】
A 国民年金基金の加入員
→(付加保険料と国民年金基金は、老齢基礎年金の上乗せという目的が同じなので、国民年金基金の加入員は付加保険料は納付できません)
B 400
★ 保険料の免除を受けている者、国民年金基金の加入員は付加保険料を納付できません。
では、こちらをどうぞ
①<R1年出題>
付加保険料の納付は、産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月について行うことができない。
②<H29年出題>
保険料の半額を納付することを要しないものとされた者は、当該納付することを要しないとされた期間について、厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となることができる。
③<H26年出題>
保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。
④<H23年出題>
独立行政法人農業者年金基金法に基づく農業者年金の被保険者のうち付加保険料を納付することができる者は、すべて、農業者年金の被保険者となったときに、付加保険料を納付する者となる。
【解答】
①<R1年出題> ×
産前産後期間の保険料免除の期間の各月については、付加保険料を納付することができます。
★付加保険料を納付できる月
・国民年金の保険料の納付が行われた月(追納の規定により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)
・産前産後の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月
(第87条の2第2項)
②<H29年出題> ×
半額免除期間は付加保険料の納付はできません。
★以下の保険料免除期間は付加保険料の納付はできません。
・法定免除
・申請全額免除
・学生納付特例、納付猶予期間
・4分の3免除、半額免除、4分の1免除
(第87条の2第1項)
③<H26年出題> ×
保険料の追納を行った月は、付加保険料を納付することはできません。
(第87条の2第2項)
④<H23年出題> 〇
独立行政法人農業者年金基金法第17条で以下のように定められています。
「農業者年金の被保険者のうち国民年金法第87条の2第1項の規定による保険料(付加保険料)を納付することができる者は、すべて、農業者年金の被保険者となった時に、付加保険料を納付する者となる。」
社労士受験のあれこれ
R3-212
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、振替加算がつくタイミング「応用編」です。
では、どうぞ!
①<H27年出題>
20歳から60歳まで国民年金のみに加入していた妻(昭和25年4月2日生まれ)は、60歳で老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした。当該夫婦は妻が30歳の時に婚姻し、婚姻以後は継続して、厚生年金保険の被保険者である夫(昭和22年4月2日生まれ)に生計を維持されている。妻が65歳に達した時点で、夫は厚生年金保険の被保険者期間の月数を240か月以上有するものの、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が配偶者加給年金額を含め全額支給停止されていた場合であっても、妻が65歳に達する日の属する月の翌月分から老齢基礎年金に振替加算が加算される。
②<H27年出題>
特例による任意加入被保険者である妻(昭和23年4月2日生まれ)は、厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上ある老齢厚生年金の受給権者である夫(昭和22年4月2日生まれ)に継続して生計を維持されている。夫の老齢厚生年金には、妻が65歳に達するまで加給年金額が加算されていた。妻は、67歳の時に受給資格期間を満たし、老齢基礎年金の受給権を取得した場合、妻の老齢基礎年金に振替加算は加算されない。
【解答】
①<H27年出題> 〇
(この問題のポイント)
・妻が60歳で老齢基礎年金の支給を繰上げても、振替加算は繰上げされないので、振替加算の加算は65歳以後。
・在職老齢年金の仕組みで老齢厚生年金が全額支給停止になると、配偶者加給年金額も支給停止となる。
・配偶者加給年金額が支給停止されていた場合でも、妻が65歳になると振替加算が加算される
・振替加算は、65歳に達する日の属する月の翌月分から加算。翌月分からの部分がポイントです。
②<H27年出題> ×
妻の老齢基礎年金に振替加算は加算されないではなく「加算されます」。
(問題文の妻の現状)
・65歳時点で、保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年未満で、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていなかった
・65歳以後、特例による任意加入被保険者として保険料を納付した
・67歳で老齢基礎年金の受給権を取得した
この妻は振替加算の要件を満たしているので、67歳から受給する老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
(昭和60年国民年金法附則第18条)
社労士受験のあれこれ
R3-211
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、振替加算がつくタイミング(基礎編)です。
まずこちらからどうぞ!
①<H18年出題>
老齢厚生年金の受給権者の配偶者が、当該老齢厚生年金の受給権が発生した当時、65歳を超えている場合は振替加算の対象とされない。
【解答】 ×
例えば、夫が老齢厚生年金(被保険者期間の月数が240以上)の受給権を取得した当時、妻が65歳未満なら、夫の老齢厚生年金に妻が65歳になるまで加給年金額が加算され、妻が65歳になると妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
問題文のように、夫が老齢厚生年金(被保険者期間の月数が240以上)の受給権を取得した当時、妻が65歳以上で振替加算の要件を満たしている場合は、夫の老齢厚生年金には加給年金額は加算されず、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
(昭和60年国民年金法附則第14条第2項)
では、こちらをどうぞ!
②<H27年出題>
在職老齢年金を受給していた67歳の夫(昭和23年4月2日生まれ)が、厚生年金保険法第43条第3項に規定する退職時の年金額の改定により初めて老齢厚生年金の加給年金額が加算される被保険者期間の要件を満たした場合、夫により生計を維持されている老齢基礎年金のみを受給している66歳の妻(昭和24年4月2日生まれ)は、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出することにより、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】 〇
退職時改定で、夫が初めて老齢厚生年金の加給年金額が加算される被保険者期間の要件を満たした場合、妻が65歳未満なら夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されますが、問題文のように妻が66歳の場合は、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
なお、問題文のように、妻が65歳になった後に、夫が240月(原則)の要件を満たした場合は、振替加算の要件を満たしているか確認を受けるために、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」の提出が必要です。
(昭和60年国民年金法附則第14条第2項)
社労士受験のあれこれ
R3-210
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、振替加算だけの老齢基礎年金です。
まずこちらからどうぞ!
①<R1年出題>
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間を10年以上有し、当該期間以外に被保険者期間を有していない者には、老齢基礎年金は支給されない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがないものとする。
【解答】 〇
老齢基礎年金は、保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上あれば受給資格ができます。
ただし、保険料全額免除期間のうち、「学生納付特例期間」と「納付猶予期間」は注意が必要です。
「学生納付特例期間」と「納付猶予期間」は受給資格の10年以上の計算には入りますが、老齢基礎年金の額の計算は「ゼロ」となります。(合算対象期間と同じ扱いです。)
問題文のように、「学生納付特例の期間及び納付猶予の期間だけで10年以上」の場合、老齢基礎年金の受給資格はありますが、老齢基礎年金の計算はゼロとなりますので支給されません。
(国民年金法第26条)
先ほどの問題をおさえたら、こちらをどうぞ!
②<H20年出題(修正)>
大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65歳に達した日において、合算対象期間といわゆる学生納付特例による被保険者期間を合計した期間が10年あり、かつ、それ以外の被保険者期間はすべて保険料未納期間である者が、振替加算の要件に該当する場合は、振替加算相当額の老齢基礎年金が支給される。
【解答】 〇
「合算対象期間+学生納付特例」のみで10年の場合、老齢基礎年金の受給資格はありますが、老齢基礎年金はゼロとなります。
しかし、振替加算の要件に該当する場合は、「振替加算相当額の老齢基礎年金」(=振替加算のみの老齢基礎年金)が支給されます。
(昭和60年国民年金法附則第15条)
なお、良く出題される典型的な問題として、例えば『「保険料納付済期間が1か月+合算対象期間で10年以上ある場合」は、「振替加算相当額のみの老齢基礎年金」が支給される』というパターンがあります。これは「×」です。
このような場合は、保険料納付済期間1か月で計算した老齢基礎年金に振替加算が加算されることになりますので、注意しましょう。
ではこちらも!
③<H27年出題>
日本国籍を有する甲(昭和27年4月2日生まれの女性)は、20歳から60歳まで海外に居住し、その期間はすべて合算対象期間であった。また、60歳以降も国民年金に加入していなかった。その後、甲が61歳の時に、厚生年金保険の被保険者期間の月数を240か月以上有する乙(昭和24年4月2日生まれの男性)と婚姻し、65歳まで継続して乙に生計を維持され、乙の老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっていた場合、甲が65歳になると老齢基礎年金の受給要件に該当するものとみなされ、振替加算額に相当する額の老齢基礎年金が支給される。
【解答】 〇
問題文の場合、甲は40年間すべて合算対象期間ですので、老齢基礎年金の受給資格はありますが、老齢基礎年金の額はゼロです。
しかし、振替加算の要件に該当していますので、65歳から「振替加算相当額の老齢基礎年金」が支給されます。
最後にもう一問どうぞ!
④<R1年出題>
合算対象期間及び学生納付特例の期間を合算した期間のみ10年以上有する者であって、所定の要件を満たしている者に支給する振替加算相当額の老齢基礎年金については、支給の繰下げはできない。
【解答】 〇
振替加算のみの老齢基礎年金は繰下げできません。
(昭和60年国民年金法附則第15条第4項)
社労士受験のあれこれ
R3-209
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、障害年金との関係です。
こちらの問題をどうぞ!
①<H21年出題>
振替加算が加算された老齢基礎年金を受給している者であって、その者が障害基礎年金等の障害を事由とする年金給付を受給できるとき(当該障害基礎年金は支給停止されていない。)は、その間当該加算に相当する額が支給停止される。
②<H30年出題>
振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。
【解答】
①<H21年出題> 〇
②<H30年出題> 〇
どちらの問題も同じです。
振替加算は、『障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの』の支給を受けることができるときは、その間、振替加算に相当する部分は支給停止となります。
(昭和60年国民年金法附則第16条)
では、もう一問どうぞ!
③<H21年出題>
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有するときに、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合においても、振替加算に相当する部分の支給は停止される。
【解答】 ×
最後が誤りで、「振替加算に相当する部分の支給は停止されない」です。
先ほどの問題で、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金等障害を支給事由とする年金を受けることができる場合は、その間、振替加算に相当する部分は支給停止になることを勉強しました。
では、その障害基礎年金等が支給停止になっている場合は、振替加算はどうなるのか?というのがこの問題のテーマです。
障害基礎年金等が全額支給停止されている場合は、振替加算に相当する部分の支給は停止されません。
(昭和60年国民年金法附則第16条)
最後にもう一問どうぞ!
④<R1年出題>
障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで第2号被保険者期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。
【解答】 〇
66歳の女性の現状
・障害基礎年金を受給中
・配偶者に生計維持されている。65歳に達するまで配偶者の老齢厚生年金に配偶者加給年金額が加算されていた。
・障害等級が3級程度に軽減し、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した
この女性が、障害基礎年金を受給している間は、振替加算は支給停止です。しかし、障害の程度が3級程度に軽減すると、障害基礎年金は全額支給停止となり、振替加算は支給停止ではなくなります。
この女性は、老齢基礎年金を受給することに変更するのですが、その場合、65歳時点で配偶者に生計維持されており、他の振替加算の要件も満たしているので、老齢基礎年金に振替加算が加算されることになります。
社労士受験のあれこれ
R3-208
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、振替加算の額です。
こちらの問題をどうぞ!
①<H18年出題>
振替加算の金額は、224,700円に改定率を乗じて得た額に、老齢厚生年金等の受給権者である配偶者の生年月日に応じて定められた率を乗じた額である。
②<H28年出題>
振替加算の額は、その受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額として算出される。
【解答】
①<H18年出題> ×
振替加算の額は、「224,700円×改定率」×「生年月日に応じて定められた率」で計算しますが、「生年月日」は「老齢厚生年金等の受給権者である配偶者の生年月日」ではなく、「老齢基礎年金の受給権者」の生年月日です。
②<H28年出題> ×
振替加算の額は、「老齢基礎年金の額」ではなく「224,700円×改定率」に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額となります。
(昭和60年国民年金法附則第14条)
★もう少し詳しくみましょう。
振替加算の額は「224,700円×改定率」×「老齢基礎年金の受給権者の生年月日に応じて定められた率」で計算します。
「224,700円×改定率」は「加給年金額」と同じですが、その額がそのまま振替加算になるのではなく、その額に「生年月日に応じて定められた率」を乗じるのがポイントです。
「生年月日に応じて定められた率」が一番大きい「1.000」になるのは「大正15年4月2日~昭和2年4月1日まで」生まれで、生年月日が若くなるほど率は小さくなり、一番小さくなるのが「昭和40年4月2日~昭和41年4月1日まで」生まれの「0.067」となります。
振替加算は、旧法時代に任意加入だった「カラ期間」をカバーするための制度です。
第3号被保険者制度ができた「昭和61年4月1日」に、20歳に近いほど第3号被保険者期間が長い(カラ期間が少ない)ので、振替加算が少なくなり、「昭和61年4月1日」に60歳に近いほどカラ期間は多い(第3号被保険者期間が短い)ので振替加算が多くなります。
社労士受験のあれこれ
R3-207
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、老齢基礎年金の繰上げ・繰下げとの関係です。
こちらの問題をどうぞ!
①<H21年出題>
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給され、当該振替加算額に政令で定める増額率を乗じて得た額が加算される。
②<H22年出題>
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合であっても、振替加算額については、受給権者が65歳に達した日以後でなければ加算は行われない。
【解答】
①<H21年出題> ×
老齢基礎年金を繰下げた場合は振替加算も繰下げ支給されますが、振替加算については増額されません。
②<H22年出題> 〇
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合でも、振替加算については繰上げされません。振替加算の加算は、受給権者が65歳に達した日以後となります。
(昭和60年国民年金法附則第14条)
もう一問どうぞ
③<H30年出題>
振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。
【解答】 ×
「老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算」の部分が誤りです。
(振替加算が加算される時期)
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合
→ 振替加算は申出のあった日の属する月の翌月から加算
(振替加算も繰下げて支給される)
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合
→ 65歳に達した日の属する月の翌月から加算
(振替加算は繰上げされない)
社労士受験のあれこれ
R3-206
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、老齢厚生年金との関係です。
こちらの問題をどうぞ!
①<H30年出題>
老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されない。
【解答】 〇
この問題のテーマは、「老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けることができるときに、振替加算は加算されるのか?」です。
問題文のポイントは、老齢厚生年金の額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の「月数が240以上」であることです。
振替加算が加算されないのは、被保険者期間の月数が240以上で計算される老齢厚生年金を受けることができるときです。
単に老齢厚生年金を受けることができる、ではなく、240月以上(中高齢期間短縮特例の場合は15~19年)で計算される老齢厚生年金であることに注意してください。
(昭和60年国民年金法附則第14条)
もう一問どうぞ
②<厚生年金保険 H24年出題>
(離婚時における厚生年金保険の保険料納付記録の分割について)
振替加算の支給停止要件(配偶者自身の厚生年金保険の被保険者期間240月以上)となる被保険者期間には、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間が含まれる。
③<H27年出題>
67歳の夫(昭和23年4月2日生まれ)と66歳の妻(昭和24年4月2日生まれ)が離婚をし、妻が、厚生年金保険法第78条の2の規定によるいわゆる合意分割の請求を行ったことにより、離婚時みなし被保険者期間を含む厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上となった場合、妻の老齢基礎年金に加算されていた振替加算は行われなくなる。
【解答】
②<厚生年金保険 H24年出題> 〇
「みなし被保険者期間」も含んで算定した厚生年金保険の被保険者期間が240月以上の場合、振替加算は行われません。「みなし被保険者期間」も含まれるのがポイントです。
(厚生年金保険法平成24年の出題です。)
③<H27年出題> 〇
上の②と同じです。「みなし被保険者期間」も含んで算定した厚生年金保険の被保険者期間が240月以上になった場合は、振替加算は行われなくなります。
では、こちらもどうぞ!
④<H21年出題>
遺族基礎年金の支給を受けている者に老齢基礎年金の受給権が発生したときは、いずれかを選択することになるが、遺族基礎年金を選択した場合であっても、振替加算の加算要件を満たす場合には、当該遺族基礎年金の額に振替加算相当額が加算される。
【解答】 ×
遺族基礎年金と老齢基礎年金の両方の受給権が発生したときは、どちらかを選択することになり、遺族基礎年金を選択した場合は、振替加算は加算されません。振替加算は老齢基礎年金に加算されるものだからです。
最後にこちらもどうぞ!
⑤<H21年出題>
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が、配偶者である老齢厚生年金の受給権者と離婚したことを事由として、振替加算は支給停止とはならない。
【解答】 〇
振替加算は老齢基礎年金と同様、受給権者本人の権利に基づいているので、離婚したとしても支給停止にはなりません。
明日も振替加算です。
社労士受験のあれこれ
R3-205
年金の仕組みを勉強しましょう。
テーマは「振替加算」です。
今日は、「振替加算の対象となる生年月日」です。
こちらの問題をどうぞ!
①<H22年出題>
老齢厚生年金又は障害厚生年金の加給年金額の計算の基礎となっていた配偶者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の老齢基礎年金の額に加算額を加算する特例が設けられている。
【解答】 〇
「老齢基礎年金の額に加算額を加算する特例」とは振替加算のことです。
老齢厚生年金、障害厚生年金に加算される配偶者加給年金額は、配偶者が65歳に達したときに加算されなくなります。
65歳に達したときに、配偶者自身が老齢基礎年金の受給権を取得し、今まで相手の老齢厚生年金に加算されていた加給年金額が振り替わって、自身の老齢基礎年金に加算される仕組みになっています。
ポイント! 振替加算の対象は「大正15年4月2日~昭和41年4月1日以前生まれ」
振替加算の対象は、大正15年4月2日以後から昭和41年4月1日以前生まれです。
◆なぜ大正15年4月2日生まれ以降?
振替加算は「老齢基礎年金(新法)」に加算されるものだからです。新法の対象者が大正15年4月2日~生まれだからです。
大正15年4月1日以前生まれの場合は旧法の対象となるので、65歳以降も、相手の老齢年金に加給年金額が加算され続けます。
◆なぜ昭和41年4月1日以前まで?
昭和41年4月2日以降生まれには振替加算はつきません。なぜなら「第3号被保険者」の制度ができた「昭和61年4月1日」に20歳未満だったからです。
仮に20歳から60歳までの40年間被扶養配偶者だった場合、その間ずっと第3号被保険者で、65歳から満額の老齢基礎年金が受給できるので、振替加算でカバーする必要がないからです。
昭和41年4月1日以前生まれの場合は、「昭和61年4月1日」に20歳を過ぎています。同じように40年間被扶養配偶者だった場合、「任意加入」だった旧法時代にカラ期間ができてしまい、満額の老齢基礎年金が受給できない場合があります。
振替加算はそのようなカラ期間をカバーするための制度です。
(昭和60年国民年金法附則第14条)
では、もう一問どうぞ
②<H30年出題>
45歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を19年有し、このほかには被保険者期間を有しない老齢厚生年金の受給権者である68歳の夫(昭和25年4月2日生まれ)と、当該夫に生計を維持されている妻(昭和28年4月2日生まれ)がいる。当該妻が65歳に達し、老齢基礎年金の受給権を取得した場合、それまで当該夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されていれば、当該妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】 〇
この問題のチェックポイント!
<夫(老齢厚生年金の受給権者)の要件>
◆夫の生年月日
大正15年4月2日以降生まれであること(新法の対象者であること)
→旧法の対象者だと旧法のルールが適用され、配偶者が65歳になっても加給年金額が加算されるからです。
◆夫の老齢厚生年金が加給年金額が加算される要件を満たしていること
原則として被保険者期間が240月以上あることが条件ですが、昭和25年4月2日~昭和26年4月1日生まれの場合は、40歳以降の第1号厚生年金被保険者期間が19年以上あればOKです。
<妻(振替加算の対象)の要件>
◆妻の生年月日
大正15年4月2日~昭和41年4月1日生まれであること
◆65歳に達した日に夫に生計を維持されていること
→65歳に達した日の前日に、夫の年金の加給年金額の対象になっていたこと
(対象になる夫の年金)
・老齢厚生年金又は退職共済年金(被保険者期間の月数が原則として240月以上)
・障害厚生年金又は障害共済年金(1級又は2級)
「振替加算」は、夫婦とも新法の対象であるときに行われます。片方が旧法の場合は、旧法のルール(配偶者が65歳になっても引き続き加給年金額が加算される)が適用されるので、振替加算は行われません。
明日も振替加算です。
社労士受験のあれこれ
R3-204
年金の仕組みを勉強しましょう。
引き続き、テーマは「加給年金額」です。
今日は、「届出」についてです。
こちらの問題をどうぞ!
①<H21年出題>
老齢厚生年金の受給権者は、加給年金額の対象者である配偶者が65歳に達したとき、子(障害等級1級又は2級に該当する子を除く。)が、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき又は子が20歳に達したときは、10日以内に必要事項を記載した届書を日本年金機構に提出しなければならない。
【解答】 ×
問題文の場合、不該当の届出は要りません。
ポイント! 加給年金額対象者の不該当の理由が「年齢」の場合は届出不要
配偶者又は子が、加給年金額の対象から外れるのは次のいずれかに該当した場合です。
1 死亡したとき。
2 受給権者による生計維持の状態がやんだとき。
3 配偶者が、離婚又は婚姻の取消しをしたとき。
4 配偶者が、65歳に達したとき。
5 子が、養子縁組によって受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき。
6 養子縁組による子が、離縁をしたとき。
7 子が、婚姻をしたとき。
8 子(障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子を除く。)について、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。
9 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子を除く。)について、その事情がやんだとき。
10 子が、20歳に達したとき。
★ 加給年金額対象者が不該当になった場合は、10日以内に必要事項を記載した届書を日本年金機構に提出しなければなりませんが、不該当の事由が「年齢」の場合(上記4、8、10の場合)は、届出は要りません。
例えば、配偶者が離婚した場合は届け出が必要です。(届け出がないと、日本年金機構は、誰がいつ離婚したかを把握できないからです)
(厚生年金保険法第44条第4項、施行規則第32条)
では、こちらの問題をどうぞ
②<H18年出題>
老齢厚生年金の受給権者であって、大正15年4月2日以後から昭和41年4月1日以前生まれの者については、その者の配偶者が65歳に達したときに加給年金額が加算されなくなり、振替加算も行われない。
【解答】 ×
老齢厚生年金の受給権者の配偶者が65歳に達したときは、加給年金額が加算されなくなるという部分は正しいです。
しかし、その配偶者が大正15年4月2日以後から昭和41年4月1日以前生まれの場合は、その配偶者の老齢基礎年金に振替加算が行われます。
今日で加給年金額のお話は終わります。明日からのテーマは「振替加算」です。
社労士受験のあれこれ
R3-195
年金の歴史についてお話しています。
今日は、旧法の「老齢年金」です。
既にお話していますように、昭和61年3月までの旧制度では、「国民年金」「厚生年金保険」「共済年金」がそれぞれ独立して運営されていました。
例えば、「老齢年金」の支給要件や支給開始年齢は、旧国民年金法と旧厚生年金保険法では以下のように異なっていました。
・旧国民年金法の場合
→支給要件(保険料納付済期間+免除期間が原則として25年以上ある)を満たした者に、65歳から「老齢年金」を支給
・旧厚生年金保険法の場合
→支給要件(原則として被保険者期間が20年以上ある)を満たした者に、60歳から「老齢年金」を支給(ただし、女性と坑内員は55歳から支給)
では一旦ここで旧法の話は終わりまして、国民年金法(新法)の「第1号被保険者」の定義をみてみましょう。
第1号被保険者とは ① 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者 ② 第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない ③ 厚生年金保険法に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるもの(厚生年金保険法に基づく老齢給付等)を受けることができる者は除く。 ④ 国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。 |
③に注目してください。「(厚生年金保険法に基づく老齢給付等)を受けることができる者」は第1号被保険者から除外されます。
20歳以上60歳未満でそのような人がいるんですか?とよく聞かれますが、旧法では、女性や坑内員などのように55歳から老齢年金を受けることができる人がいて、新法になってからも経過措置として残っていました。
60歳前から老齢給付等を受けられる場合は、もう第1号被保険者として保険料を納付する必要はないので除外とされています。
※「受給資格期間を満たした」と「受けることができる」は違いますので注意してください。
※ちなみに・・・
日本国内に住所を有し20歳以上60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者は、第1号被保険者からは除外されますが、「任意加入」することはできます。
こちらの問題をどうぞ!
<H17年出題>
60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者は、被扶養配偶者であっても、第3号被保険者とならない。
【解答】 ×
厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者でも、被扶養配偶者の場合は第3号被保険者となります。
「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」が除外されるのは、第1号被保険者の場合です。
社労士受験のあれこれ
R3-194
年金の歴史についてお話しています。
旧法では、「会社員の夫と専業主婦の妻」が年金モデルになっていて、老後は夫が老齢年金を受給し、夫の年金に妻の加給年金額が加算されるという仕組みでした。そして、妻は国民年金への加入は任意でした。
旧法のポイント会社員等に扶養される配偶者は、国民年金の加入は任意だった
しかし、妻が任意加入しなかった場合、老後に妻名義の年金が支給されない点などが問題になっていました。
そのため、昭和61年4月1日からは「第3号被保険者」として、会社員等の被扶養配偶者も国民年金に強制加入することになりました。ただし、個別に保険料を負担するのではなく、会社員等が加入する厚生年金保険や共済組合で負担することになりました。
例えば、昭和29年4月2日生まれの女性で、20歳から60歳まで会社員の夫に扶養されていた場合
■昭和49年4月(20歳)~昭和61年3月まで
・国民年金は任意加入
国民年金に任意加入していなかった場合 → 合算対象期間
■昭和61年4月~平成26年3月まで
・国民年金は強制加入(第3号被保険者) → 保険料納付済期間
こちらの問題をどうぞ!
①<H23年出題>
昭和60年改正前の国民年金法の規定により任意加入できた期間のうち任意加入しなかった20歳以上65歳未満の期間は、合算対象期間とされる。
②<H26年出題>
昭和29年4月2日生まれの女性が、厚生年金保険の被保険者であった夫の被扶養配偶者として国民年金の任意加入被保険者になっていた間の保険料を納付していなかった期間については、合算対象期間となる。
【解答】
①<H23年出題> ×
20歳以上「65歳未満」ではなく、20歳以上「60歳未満」です。
先ほど書きました会社員等の被扶養配偶者がこの規定に該当します。任意加入できるけれど任意加入しなかった期間は合算対象期間となりますが、「20歳以上60歳未満」という枠がありますので注意してください。
また「昭和60年改正前の国民年金法」の期間は、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの間です。
(昭和60年法附則第8条第5項)
②<H26年出題> 〇
国民年金の任意加入被保険者になっていたが、保険料を滞納していた期間については、合算対象期間となります。(20歳以上60歳未満の期間に限ります)
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