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R7-029 9.23
産前産後期間の国民年金保険料の免除制度について
令和6年に4肢出題されました。
①免除される期間
②保険料免除に関する届出
③付加保険料の納付
④保険料納付済期間
問題を解きながら要点をチェックしましょう!
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R7-028 9.22
令和6年度の試験を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の択一式です。
さっそく令和6年の問題をどうぞ!
【R6年出題問9】
甲(昭和34年4月20日生まれ)は、20歳以後の学生であった期間は国民年金の加入が任意であったため加入していない。大学卒業後7年間は厚生年金保険の被保険者であったが30歳で結婚してから15年間は第3号被保険者であった。その後、45歳から20年間、再び厚生年金保険の被保険者となっていたが65歳の誕生日で退職した。甲の老齢基礎年金は満額にならないため、65歳以降国民年金に任意加入して保険料を納付することができる。
【解答】
【R6年出題問9】 ×
甲の年金加入歴を図で確認しましょう。
20歳 | 23歳 | 30歳 | 45歳 60歳 | 65歳 |
3年間 | 7年間 | 15年間 | 20年間 | |
未加入 | 厚年被保険者 | 第3号被保険者 | 厚年被保険者(第2号) | |
カラ期間 | 保険料納付済期間 | カラ期間 |
★老齢基礎年金の額は以下のよう計算します。
・ 保険料納付済期間=7年+15年+15年(45歳~59歳)=37年
・ 合算対象期間=3年間(任意加入しなかった期間)+5年間(60歳~64歳)
=8年
老齢基礎年金の額 → 780,900円×改定率×444月/480月
★甲は「65歳」ですので、任意加入するとすれば、特例による任意加入となります。
特例による任意加入の条件を確認しましょう。
H16法附則第23条第1項 昭和40年4月1日までの間に生まれた者であって、次の各号のいずれかに該当するも(第2号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、国民年金の被保険者となることができる。ただし、その者が同法による老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有する場合は、この限りでない。 (1) 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) (2) 日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満のもの |
特例による任意加入は、65歳になっても、老齢基礎年金の受給権がない者が対象です。
甲は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有しますので、特例による任意加入はできません。
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R7-020 9.14
令和6年の問題を振り返って、今後の勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金の択一式です。
令和6年問10の問題をどうぞ!
①【R6年出題】
被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者は、遺族基礎年金を受けることができる子と生計を同じくし、かつ、その当時日本国内に住所を有していなければ遺族基礎年金を受けることができない。なお、死亡した被保険者又は被保険者であった者は保険料の納付要件を満たしているものとする。
【解答】
①【R6年出題】 ×
遺族基礎年金を受ける要件に、「日本国内に住所を有している」はありません。
(法第37条の2)
②【R6年出題】
第2号被保険者である50歳の妻が死亡し、その妻により生計を維持されていた50歳の夫に遺族基礎年金の受給権が発生し、16歳の子に遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生した。この場合、子が遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給し、その間は夫の遺族基礎年金は支給停止される。
【解答】
②【R6年出題】 ×
夫と子に発生する年金を図で確認しましょう。
夫(50歳) |
| 子(16歳) |
|
| 遺族厚生年金 |
遺族基礎年金
|
| 遺族基礎年金 (支給停止) |
※夫には遺族厚生年金の受給権は発生しません。
(55歳未満のため)
夫と子の両方に遺族基礎年金の受給権が発生した場合について、条文を読んでみましょう。
第41条第2項 子に対する遺族基礎年金は、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するとき(配偶者に対する遺族基礎年金が第20条の2第1項若しくは第2項又は第41条の2第1項の規定によりその支給を停止されているときを除く。)、又は生計を同じくするその子の父若しくは母があるときは、その間、その支給を停止する。 |
夫が遺族基礎年金の受給権を有するときは、子の遺族基礎年金は支給停止されます。
問題文の場合は、子の遺族基礎年金は支給停止、子は遺族厚生年金のみ受給します。夫は遺族基礎年金を受給します。
(第41条第2項)
③【R6年出題】
死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料半額免除期間を48月有し、かつ、4分の1免除期間を12月有している者で、所定の要件を満たす被保険者が死亡した場合に、その被保険者の死亡によって遺族基礎年金又は寡婦年金を受給できる者はいないが、死亡一時金を受給できる遺族がいるときは、その遺族に死亡一時金が支給される。
【解答】
③【R6年出題】 ×
保険料半額免除期間の月数は「2分の1」、保険料4分の1免除期間は「4分の3」で計算します。
問題文にあてはめると、48月×2分の1+12月×4分の3=33月です。死亡一時金の支給要件は「36月以上あること」ですので、遺族に死亡一時金は支給されません。
(法第52条の2)
④【R6年出題】
国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準障害による障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までに、基準障害と他の障害とを併合して初めて障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態となった場合に支給される。ただし、請求によって受給権が発生し、支給は請求のあった月からとなる。
【解答】
④【R6年出題】 ×
基準障害による障害基礎年金は、請求によって受給権が発生するのではなく、「所定の要件に該当」したときに受給権が発生します。ただし、支給は「請求のあった月の翌月」からとなります。請求のあった月からではありません。
(法第30条の3)
⑤【R6年出題】
保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、督促状により期限を指定して督促することができるが、この期限については、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。
【解答】
⑤【R6年出題】 〇
条文で確認しましょう。
第96条第1項~3項 ① 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促することができる。 ② 督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ③ 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。 |
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R7-010 9.4
令和6年度の試験問題を振り返り、これからの勉強に役立てましょう。
今日は、国民年金法の選択式です。
令和6年 選択問題1
国民年金法において、被保険者の委託を受けて、保険料の納付に関する事務(以下本肢において「納付事務」という。)を行うことができる者として、国民年金基金又は国民年金基金連合会、厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした< A >、納付事務を< B >ことができると認められ、かつ、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するものに該当するコンビニエンスストア等があり、これらを< C >という。
<選択肢>
「完全かつ効率的に行う」、「申請に基づき実施する」、「適正かつ円滑に行う」
「適正かつ確実に実施する」
「市町村(特別区を含む。)」、「実施機関」、「都道府県」、「保険者」
「指定納付受託者」、「指定代理納付者」、「納付受託者」、「保険料納付確認団体」
【解答】
<A> 市町村(特別区を含む。)
<B> 適正かつ確実に実施する
<C> 納付受託者
(法第92条の3、第92条の4)
紛らわしい用語に注意しましょう
「指定代理納付者」(第92条の2の2)
厚生労働大臣に対し、被保険者の保険料を立て替えて納付する事務を適正かつ確実に実施することができると認められる者であって、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するもの(←クレジットカード)
「保険料納付確認団体」(法第109条の3)
同種の事業又は業務に従事する被保険者を構成員とする団体その他これに類する団体で政令で定めるものであって、厚生労働大臣がこれらの団体からの申請に基づき、次の業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものとして指定するもの
・ 当該団体の構成員その他これに類する者である被保険者からの委託により、当該被保険者に係る保険料が納期限までに納付されていない事実(「保険料滞納事実」という。)の有無について確認し、その結果を当該被保険者に通知する業務
納付受託者のポイント!
「納付受託者」は、被保険者の委託を受けて、保険料の納付事務を行うことができます。
・国民年金基金又は国民年金基金連合会
・納付事務を適正かつ確実に実施することができると認められ、かつ、政令で定める要件に該当する者として厚生労働大臣が指定するもの(コンビニエンスストア等)
・厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした市町村
納付受託者について過去問を解いてみましょう。
①【R1年出題】
国民年金基金は、被保険者の委託を受けて、保険料の納付に関する事務を行うことができるとされており、国民年金基金に未加入の者の保険料の納付に関する事務であっても行うことができる。
【解答】
①【R1年出題】 ×
国民年金基金又は国民年金基金連合会は、国民年金基金の加入員に限って、保険料の納付に関する事務を行うことができます。
(第92条の3第1項)
②【H22年出題】
厚生労働大臣に対し、納付事務を行う旨の申出をした市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、保険料を滞納している者であって市町村から国民健康保険法第9条第10項の規定により特別の有効期間が定められた国民健康保険の被保険者証の交付を受け、又は受けようとしているものの委託を受けて、保険料の納付事務を行うことができる。
【解答】
②【H22年出題】 〇
市町村が保険料の納付事務を行うことができるのは、保険料を滞納している者で市町村から特別の有効期間が定められた国民健康保険の被保険者証の交付を受け、又は受けようとしているものに限られます。
(第92条の3第1項)
③【H30年出題】
保険料の納付受託者は、国民年金保険料納付受託記録簿を備え付け、これに納付事務に関する事項を記載し、当該記録簿をその完結の日から5年間保存しなければならない。
【解答】
③【H30年出題】 ×
国民年金保険料納付受託記録簿は、その完結の日から「3年間」保存しなければなりません。
(法第92条の5、則第72条の7)
令和6年 選択問題2
遺族基礎年金が支給される子については、国民年金法第37条の2第1項第2号によると、「十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあるか又は二十歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に< D >こと」と規定されている。
<選択肢>
「婚姻をしていない」
「日本国内に住所を有している」
「離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなっていない」
「養子縁組をしていない」
【解答】
<D> 婚姻をしていない
過去問を解いてみましょう
【R4年出題】
子の遺族基礎年金については、受給権発生後当該子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間に障害等級に該当する障害の状態となり、以降当該子が20歳に達するまでの間障害の状態にあったときは、当該子が18歳に達する日以後の最初の3月31日を過ぎても20歳に達するまで遺族基礎年金を受給できる。なお、当該子は婚姻していないものとする。
【解答】
【R4年出題】 〇
図でイメージしましょう。
受給権発生 ▼ |
|
|
| 18歳年度末 ▼ |
| 20歳 ▼ |
遺族基礎年金 | ||||||
|
| ▲ 障害等級に該当し、20歳まで障害の状態にある |
(法第40条第3項)
令和6年 選択問題3
遺族基礎年金を受給できる者がいない時には、被保険者又は被保険者であった者が国民年金法第52条の2に規定された支給要件を満たせば、死亡した者と死亡の当時生計を同じくする遺族に死亡一時金が支給されるが、この場合の遺族とは、死亡した者の < E >であり、死亡一時金を受けるべき者の順位は、この順序による。
<選択肢>
「配偶者又は子」、「配偶者、子又は父母」、「配偶者、子、父母又は孫」
「配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹」
【解答】
<E> 配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹
過去問をどうぞ!
【R1年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族が、死亡した者の祖父母と孫のみであったときは、当該死亡一時金を受ける順位は孫が優先する。なお、当該祖父母及び孫は当該死亡した者との生計同一要件を満たしているものとする。
【解答】
【R1年出題】 〇
祖父母と孫では、死亡一時金を受ける順位は孫が優先します。
「配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹」の順番はおぼえましょう。
(法第52条の3)
令和6年の選択式 1つめは、似たような用語が多くて、覚えにくいところです。 2つめの子の要件は、択一式でもよく出ますので、対策ができていたと思います。 3つめは、遺族の範囲と順位がポイントです。死亡一時金のみならず、死亡に関する給付についての暗記必須箇所です。 |
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R6-358 8.19
20歳前傷病による障害基礎年金の超基本をお話します。
今日の内容です
・20歳前傷病による障害基礎年金とは?
・20歳前傷病による障害基礎年金の受給権発生日2つ
・20歳前傷病による障害基礎年金独自の支給停止の規定
・20歳前傷病による障害基礎年金に対する国庫負担
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R6-351 8.12
未支給年金についてお話します
★年金の受給権者が死亡した場合、必ず未支給年金があります。
年金は後払いだからです。
★未支給年金は自己の名で請求します。
★未支給年金が請求できる遺族の範囲と順位
★未支給年金を請求できる同順位者が2人以上あるとき
★遺族基礎年金の受給権者が死亡した場合、受給権者の子ではないけれど、子とみなして未支給年金が請求する場合
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R6-350 8.11
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法と厚生年金保険法です。
受給権者本人の判断で、年金の支給停止の申出をすることができます。
まず国民年金法の条文を読んでみましょう。
国民年金法第20条の2第1項 年金給付(この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金給付を除く。)は、その受給権者の申出により、その全額の支給を停止する。ただし、この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額の支給を停止する。 |
厚生年金保険にも同じ規定があります。条文を読んでみましょう。
厚生年金保険法第38条の2第1項 年金たる保険給付(この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金たる保険給付を除く。)は、その受給権者の申出により、その全額の支給を停止する。ただし、この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額の支給を停止する。 |
では、国民年金の過去問をどうぞ!
【国民年金法H28年出題】
子に対する遺族基礎年金は、原則として、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給が停止されるが、配偶者に対する遺族基礎年金が国民年金法第20条の2第1項の規定に基づき受給権者の申出により支給停止されたときは、子に対する遺族基礎年金は支給停止されない。
【解答】
【国民年金法H28年出題】 〇
子に対する遺族基礎年金は、原則として、配偶者が遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給が停止されます。
ただし、配偶者に対する遺族基礎年金が受給権者の申出により支給停止されたときは、子に対する遺族基礎年金は支給停止されません。
(法第41条第2項)
次は厚生年金保険法の過去問をどうぞ!
【厚生年金保険法H30年出題】
被保険者の死亡により、その妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止されるが、妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたときは、子に対する遺族厚生年金の支給停止が解除される。
【解答】
【厚生年金保険法H30年出題】 ×
子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止されます。
妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたときでも、子に対する遺族厚生年金の支給停止は解除されません。
国民年金法との違いに注意しましょう。
(法第66条第1項)
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R6-349 8.10
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
さっそく過去問をどうぞ!
【H30年出題】※令和6年度に合わせて問題修正しています。
令和6年度の国民年金保険料の月額は、17,000円に保険料改定率を乗じて得た額を10円未満で端数処理した16,980円である。
【解答】
【H30年出題】 〇
令和6年度の国民年金保険料の月額は、
17,000円×保険料改定率(0.999)≒16,980円です。
(法第87条第3項)
★令和元年度以後の保険料は、17,000円×保険料改定率で計算します。
端数は、5円未満は切捨て、5円以上10円未満は10円に切り上げます。
★保険料改定率について
保険料改定率は、前年度の保険料改定率×名目賃金変動率です。
保険料について過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
第1号被保険者として継続して保険料を納付してきた者が平成29年3月31日に死亡した場合、第1号被保険者としての被保険者期間は同年2月までとなり、保険料を納付することを要しないとされている場合を除き、保険料も2月分まで納付しなければならない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
★3月31日に死亡した場合、被保険者の資格は、死亡した日の翌日(4月1日)に喪失します。
★被保険者期間は、資格を取得した日の属する月から、その資格を喪失した日の属する月の前月までですので、3月までです。
・保険料は2月分までではなく「3月分」まで納付しなければなりません。
(第11条第1項、第87条第2項)
②【H28年出題】
第1号被保険者に対しては、市町村長から、毎年度、各年度の各月に係る保険料について、保険料の額、納期限等の通知が行われる。
【解答】
②【H28年出題】 ×
市町村長ではなく、「厚生労働大臣」から、通知が行われます。
(法第92条第1項)
③【H26年出題】
第1号被保険者である夫の妻は、夫の保険料を連帯して納付する義務を負う。
【解答】
③【H26年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第88条第2項、3項 ② 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。 ③ 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。 |
④【R5年出題】
厚生労働大臣は、被保険者から保険料の口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められるときに限り、その申出を承認することができる。
【解答】
④【R5年出題】 ×
「その納付が確実と認められるときに限り」ではありません。
条文を読んでみましょう。
第92条の2 厚生労働大臣は、被保険者から、保険料の口座振替納付を希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。 |
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R6-348 8.9
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
国民年金基金の基本問題10問です。
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、地域型国民年金基金の加入員となることができない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
任意加入被保険者のうち、「日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者」、「日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者」は、第1号被保険者とみなされ、国民年金基金の加入員となることができます。
(法附則第5条第11項)
②【R5年出題】
国民年金基金の加入員は、国民年金保険料の免除規定により、その全部又は一部の額について、保険料を納付することを要しないものとされたときは、該当するに至った日の翌日に加入員の資格を喪失する。
【解答】
②【R5年出題】 ×
国民年金保険料を納付することを要しないものとされたとき及びその一部の額について、保険料を納付することを要しないものとされたときは、国民年金基金の加入員の資格を喪失します。「該当するに至った日の翌日」ではなく、「当該保険料を納付することを要しないものとされた月の初日」に加入員の資格を喪失します。
(第127条第3項第3号)
③【H29年出題】
国民年金基金が徴収する掛金の額は、額の上限の特例に該当する場合を除き、1か月につき68,000円を超えることはできない。
【解答】
③【H29年出題】 〇
国民年金基金の掛金の上限は、額の上限の特例に該当する場合を除き1か月につき68,000円です。
(基金令第34条)
④【R3年出題】
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。
【解答】
④【R3年出題】 ×
国民年金基金には障害に関する一時金はありません。
条文を読んでみましょう。
第128条第1項 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関し、一時金の支給を行なうものとする。 |
⑤【R4年出題】
国民年金基金が支給する年金は、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得した時点に限り、その者に支給が開始されるものでなければならない。
【解答】
⑤【R4年出題】 ×
「老齢基礎年金の受給権を取得した時点に限り、その者に支給が開始されるものでなければならない。」が誤りです。
条文を読んでみましょう。
第129条第1項 基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない。 |
⑥【H22年出題】
国民年金基金が支給する年金額は、200円に加入員の加入月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないが、国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない。
【解答】
⑥【H22年出題】 ×
国民年金基金の支給する一時金の額にも下限が決められています。
国民年金基金が支給する一時金の額は、8,500円を超えるものでなければならない、とされています。
(法第130条第3項)
⑦【R1年出題】
老齢基礎年金の受給権者に対して支給する国民年金基金の年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されていなくても、400円に当該国民年金基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分に限り、支給を停止することができる。
【解答】
⑦【R1年出題】 ×
400円ではなく「200円」です。
条文を読んでみましょう。
第131条 老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することができない。ただし、当該年金の額のうち、200円に当該基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分については、この限りでない。(←支給を停止することができる。) |
⑧【H27年出題】
国民年金基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が国民年金法第52条の2第1項の規定による死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない。
【解答】
⑧【H27年出題】 〇
遺族基礎年金と間違えないようにしましょう。「死亡一時金」がポイントです。
(法第129条第3項)
⑨【H29年出題】
国民年金基金が支給する年金を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、国民年金基金が裁定する。
【解答】
⑨【H29年出題】 〇
「国民年金基金」が裁定するがポイントです。
(法第133条)
⑩【H30年出題】
国民年金基金(以下「基金」という。)における「中途脱退者」とは、当該基金の加入員期間の年数にかかわらず、当該基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)をいう。
【解答】
⑩【H30年出題】 ×
「基金の加入員期間の年数にかかわらず」が誤りです。
中途脱退者とは、当該基金の加入員の資格を喪失した者(当該加入員の資格を喪失した日において当該基金が支給する年金の受給権を有する者を除く。)であって、政令の定めるところにより計算したその者の当該基金の加入員期間が15年に満たないものをいいます。
(法第137条の17、基金令第45条)
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R6-338 7.30
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
老齢基礎年金の繰上げのよく出る問題をみていきましょう。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
任意加入被保険者である者は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることはできない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
任意加入被保険者は、老齢基礎年金の繰上げ請求はできません。
(法附則第9条の2)
②【R5年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げをした者には寡婦年金は支給されず、国民年金の任意加入被保険者になることもできない。
【解答】
②【R5年出題】 〇
老齢基礎年金の支給の繰上げをした者には寡婦年金は支給されませんし、任意加入被保険者になることもできません。
(法附則第9条の2の3)
③【H23年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権は、繰上げ請求のあった日の翌日に発生し、受給権発生日の属する月の翌月から支給される。
【解答】
③【H23年出題】 ×
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権は、繰上げ請求のあった「日」に発生します。(翌日ではありません。)そして、受給権発生日の属する月の翌月から支給されます。
(法附則第9条の2第3項)
④【H26年出題】
老齢基礎年金の支給繰上げの請求は、老齢厚生年金の支給繰上げの請求ができるときは、老齢厚生年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければならない。
【解答】
④【H26年出題】 〇
老齢基礎年金の支給繰上げの請求は、老齢厚生年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければなりません。
(法附則第9条の2第2項)
⑤【H22年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合であっても、振替加算額については、受給権者が65歳に達した日以後でなければ加算は行われない。
【解答】
⑤【H22年出題】 〇
老齢基礎年金の支給を繰上げても、振替加算額は繰上げされません。振替加算額は、65歳に達した日以後でなければ加算されません。
(S60法附則第14条)
⑥【H30年出題】
振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。
【解答】
⑥【H30年出題】 ×
老齢基礎年金の支給を繰上げても、振替加算額は繰上げされません。老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合でも、振替加算額は、65歳に達した日の属する月の翌月から加算されます。
なお、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げられますが、振替加算には繰下げによる増額はありません。
(S60法附則第14条)
⑦【H24年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受ける者は、65歳に達する前であっても、国民年金法第30条の2第1項の規定(いわゆる事後重症)による障害基礎年金の支給を請求することはできない。
【解答】
⑦【H24年出題】 〇
事後重症の障害基礎年金は、65歳に達する日の前日までの間、請求できます。
ただし、繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受ける者は、65歳に達する前でも、事後重症による障害基礎年金の請求はできません。
(法附則第9条の2の3)
⑧【H26年出題】
寡婦年金の受給権を有する者が支給繰上げの請求をし、老齢基礎年金の受給権を取得すると、寡婦年金の受給権は消滅する。
【解答】
⑧【H26年出題】 〇
寡婦年金の受給権は、繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したときは、消滅します。
⑨【H19年出題】
老齢基礎年金の支給を繰上げ又は繰下げる者に対して、付加年金を支給するときは、付加年金も老齢基礎年金と同様に繰上げ、繰下げて支給されるが、その際減額率、増額率は適用されない。
【解答】
⑨【H19年出題】 ×
付加年金は、老齢基礎年金に連動していますので、老齢基礎年金を繰上げ・繰下げした場合は、付加年金も老齢基礎年金と同様に繰上げ、繰下げて支給されます。また、その際、減額率、増額率も同じように適用されます。
(法附則第9条の2第6項)
⑩【H27年出題】
20歳から60歳まで国民年金のみに加入していた妻(昭和25年4月2日生まれ)は、60歳で老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした。当該夫婦は妻が30歳の時に婚姻し、婚姻以後は継続して、厚生年金保険の被保険者である夫(昭和22年4月2日生まれ)に生計を維持されている。妻が65歳に達した時点で、夫は厚生年金保険の被保険者期間の月数を240か月以上有するものの、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が配偶者加給年金額を含め全額支給停止されていた場合であっても、妻が65歳に達する日の属する月の翌月分から老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】
⑩【H27年出題】 〇
ポイントその1
振替加算は、妻自身の老齢基礎年金に加算される年金です。夫の老齢厚生年金が在職老齢年金の仕組みにより全額支給停止されていた場合でも、要件を満たせば、加算が行われます。
ポイントその2
老齢基礎年金の支給を繰り上げていても、振替加算は繰り上げられませんので、65歳に達する日の属する月の翌月分から加算されます。
(S60法附則第14条)
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R6-337 7.29
「事後重症」について国民年金・厚生年金保険、それぞれの視点でお話します。
<今日の内容>
・事後重症の条件
キーワードは、
障害認定日後65歳に達する日の前日までに障害等級に該当すること
請求で受給権が発生すること
・事後重症の障害基礎年金でも請求が不要な場合
障害厚生年金が3級から2級に改定になった場合
★65歳に達した日の前日までの条件を忘れないようにすることがポイントです。
・「障害厚生年金」の受給権者でも、障害基礎年金の受給権は無いことがあります。
★1度も1・2級に該当したことがない3級の障害厚生年金の受給権者
→ 障害基礎年金の受給権はありません
★2級だったが障害状態が軽減して現在3級の場合
→ 3級の間は障害基礎年金の支給は停止されますが、障害基礎年金の受給権はあります
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R6-327 7.19
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
支給要件の条文を読んでみましょう。
第52条の2第1項、2項 (支給要件) ① 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が 36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。 ② 死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。 (1) 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 (2) 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であって、当該胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至ったとき。ただし、当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 |
過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
付加年金、寡婦年金及び死亡一時金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を対象とした給付で、第2号被保険者としての被保険者期間は対象とされない。
【解答】
①【H19年出題】 ×
付加年金、寡婦年金、死亡一時金は、「第1号被保険者」としての被保険者期間を対象とした給付です。「第2号被保険者、第3号被保険者」としての被保険者期間は対象とされません。
(第43条、第49条、第52条の2)
②【H23年出題】
65歳以上70歳未満の任意加入被保険者は、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金等の給付に関する規定の適用については、第1号被保険者とみなされる。
【解答】
②【H23年出題】 ×
65歳以上70歳未満の特例の任意加入被保険者は、「死亡一時金、脱退一時金」については、第1号被保険者とみなされます。しかし、寡婦年金については、第1号被保険者とみなされません。
(H6法附則第11条第9項、H16法附則第23条第9項)
★ちなみに、65歳未満の任意加入被保険者は、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金について第1号被保険者とみなされます。
(法附則第5条第9項)
★「付加保険料」については、65歳未満の任意加入被保険者は、第1号被保険者とみなされ付加保険料を納付できます。65歳以上70歳未満の特例の任意加入被保険者は、付加保険料は納付できません。
寡婦年金 | 死亡一時金 | 脱退一時金 | 付加保険料 | |
任意加入被保険者 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特例の任意加入被保険者 | × | 〇 | 〇 | × |
③【R1年出題】
死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料4分の1免除期間を48月有している者であって、所定の要件を満たす被保険者が死亡した場合に、当該被保険者の死亡により遺族基礎年金又は寡婦年金を受けることができる者がなく、当該被保険者に死亡一時金の支給対象となる遺族があるときは、その遺族に死亡一時金が支給される。
【解答】
③【R1年出題】 〇
保険料4分の1免除期間は、「4分の3」相当ですので、48月×4分の3=36月となります。要件を満たしますので、死亡一時金が支給されます。
(第52条の2第1項)
④【H24年出題】
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料全額免除期間等とを合算して 36月以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。
【解答】
④【H24年出題】 ×
「保険料全額免除期間」は、保険料を全く納付していませんので、計算に入りません。
(第52条の2第1項)
⑤【R2年出題】
死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されない。
【解答】
⑤【R2年出題】 ×
(原則)
死亡した者の死亡日に、その者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給されません。
(例外)
ただし、死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、死亡一時金は支給されます。
例えば、18歳に達した日以後の最初の3月に遺族基礎年金の受給権が発生しても、同じ月に受給権が消滅し、結局遺族基礎年金は支給されません。その場合は、死亡一時金が支給されます。
次に遺族の範囲について条文を読んでみましょう。
第52条の3 (遺族の範囲及び順位等) ① 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。 ② 死亡一時金を受けるべき者の順位は、①に規定する順序による。 ③ 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。 |
過去問をどうぞ!
⑥【R1年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族が、死亡した者の祖父母と孫のみであったときは、当該死亡一時金を受ける順位は孫が優先する。なお、当該祖父母及び孫は当該死亡した者との生計同一要件を満たしているものとする。
【解答】
⑥【R1年出題】 〇
遺族の順位は決まっていて、祖父母と孫では、孫が優先します。
(第52条の3)
死亡一時金の額についての過去問をどうぞ!
⑦【H26年出題】
死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間の月数が300か月以上ある場合については、一律に32万円である。
【解答】
⑦【H26年出題】 ×
死亡一時金の額は、6段階で設定されていて、32万円が最高です。32万円支給されるのは、420月以上の場合です。
36月以上180月未満 | 120,000円 |
180月以上240月未満 | 145,000円 |
240月以上300月未満 | 170,000円 |
300月以上360月未満 | 220,000円 |
360月以上420月未満 | 270,000円 |
420月以上 | 320,000円 |
月数は、以下の月数を合算します。
死亡日の属する月の前月までの被保険者期間に係る死亡日の前日における
保険料納付済期間の月数
+
保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数
+
保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数
+
保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数
(第52条の4第1項)
⑧【H29年出題】
死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上ある者の遺族に支給される死亡一時金の額には、8,500円が加算される。
【解答】
⑧【H29年出題】 〇
付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上ある者の遺族の死亡一時金の額には、8,500円が加算されます。
(第52条の4第2項)
支給の調整について条文を読んでみましょう。
第52条の6(支給の調整) 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
過去問をどうぞ!
⑨【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
【解答】
⑨【H24年出題】×
寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした場合は、その者の選択によりどちらか一つが支給され、他は支給されません。
例えば、死亡一時金を選択した場合は、死亡一時金が支給され、寡婦年金は支給されません。
(第52条の6)
⑩【R3年出題】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
⑩【R3年出題】 〇
・1人1年金の原則
遺族厚生年金と寡婦年金はどちらか選択です。
・寡婦年金を選択した場合
死亡一時金は支給されません
・遺族厚生年金を選択した場合
死亡一時金も支給されます。
(第20条、第52条の6)
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R6-315 7.7
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
被保険者期間の計算について条文を読んでみましょう。
第11条 (被保険者期間の計算) ① 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の属する月の前月までをこれに算入する。 ② 被保険者がその資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間に算入する。ただし、その月にさらに被保険者の資格を取得したときは、この限りでない。 ③ 被保険者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得した者については、前後の被保険者期間を合算する。 |
被保険者期間は月単位で計算します。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
平成11年4月1日生まれの者が20歳に達したことにより第1号被保険者の資格を取得したときは、平成31年4月から被保険者期間に算入される。
【解答】
①【R1年出題】 ×
平成11年4月1日生まれの者は平成31年3月31日に20歳に達し、その日に資格を取得します。被保険者期間に算入されるのは、資格を取得した日の属する月からですので、平成31年3月からです。
(第11条)
②【H26年出題】
昭和29年4月1日生まれの第1号被保険者は、平成26年に60歳に達するが、その際、引き続いて任意加入被保険者又は第2号被保険者とならない場合、平成26年3月までが被保険者期間に算入される。
【解答】
②【H26年出題】 ×
昭和29年4月1日生まれの場合、60歳に達するのは、平成26年3月31日です。被保険者期間に算入されるのは、「資格を喪失した日の属する月の前月」までですので、平成26年2月までです。
(第11条)
③【H29年出題】
平成29年3月2日に20歳となり国民年金の第1号被保険者になった者が、同月27日に海外へ転居し、被保険者資格を喪失した。この場合、同年3月は、第1号被保険者としての被保険者期間に算入される。なお、同月中に再度被保険者資格を取得しないものとする。
【解答】
③【H29年出題】 〇
同じ月に取得と喪失がある場合は、その月は1か月として、被保険者期間に算入されます。
(第11条)
④【H26年出題】
4月1日に被保険者の資格を取得した者について、同年4月30日にその資格を喪失した場合は1か月が被保険者期間に算入され、同年5月31日にその資格を喪失した場合にも同様に1か月が被保険者期間に算入される。なお、いずれの場合も資格を喪失した月にさらに被保険者の資格を取得していないものとする。
【解答】
④【H26年出題】〇
・ 4月1日に資格取得・4月30日に資格喪失の場合は1か月が被保険者期間に算入されます。
・ 4月1日に資格取得・同年5月31日に資格喪失の場合、資格を喪失した日の属する月の前月が4月ですので、1か月が被保険者期間に算入されます。
(第11条)
⑤【R5年出題】
被保険者が、被保険者の資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間に算入するが、その月に更に被保険者の資格を取得したときは、前後の被保険者期間を合算し、被保険者期間を2か月として被保険者期間に算入する。
【解答】
⑤【R5年出題】 ×
同じ月に、資格取得と資格喪失があるときは、その月は1か月として被保険者期間に算入されますが、その月に更に被保険者の資格を取得したときは、「後の被保険者期間」で1か月として被保険者期間に算入されます。「前後を合算」は誤りです。
(第11条)
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R6-314 7.6
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
さっそく過去問をどうぞ!
【H28年選択式】
国民年金法第90条の3第1項に規定する学生の保険料納付特例につき、保険料を納付することを要しないものとされる厚生労働大臣が指定する期間は、申請のあった日の属する月の< A >(同法第91条に規定する保険料の納期限に係る月であって、当該納期限から2年を経過したものを除く。)前の月から当該申請のあった日の属する年の翌年3月(申請のあった日の属する月が1月から3月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の3月)までの期間のうち必要と認める期間とする。
<選択肢>
① 1年2か月 ② 1年6か月 ③ 2年2か月 ④ 2年6か月
【解答】
A ③ 2年2か月
免除される期間は、「厚生労働大臣の指定する期間」です。
具体的にみてみましょう。
1.申請免除及び納付猶予の対象となる厚生労働大臣が指定する期間
申請のあった日の属する月の2年2月前(納期限から2年を経過した期間を除く。)の月から当該申請のあった日の属する年の翌年6月(申請のあった日の属する月が1月から6月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の6月)までの期間のうち必要と認める期間
2.学生納付特例の対象となる厚生労働大臣が指定する期間
申請のあった日の属する月の2年2月前(納期限から2年を経過した期間を除く。)の月から当該申請のあった日の属する年の翌年3月(申請のあった日の属する月が1月から3月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の3月)までの期間のうち必要と認める期間
(平成26年厚生労働省告示第191号)
国民年金保険料の免除がさかのぼって申請できるのは、保険料の納期限から2年を経過していない期間です。
例えば、令和4年8月分の保険料の納付期限は令和4年9月30日です。令和6年9月30日までに免除の申請をすれば、2年1か月前の分まで遡って免除されます。
※「2年2か月」遡及できる場合
なお、保険料の納期限は翌月末日ですが、その日が土日等の場合は、翌々月の第1営業日が納付期限になります。
例えば、令和4年6月の保険料は、7月31日が日曜日だったため、8月1日が納期限となります。そのため、令和4年6月分の免除申請の期限は令和6年8月1日となります。この場合は2年2月前の分まで遡って免除されます。
択一式の過去問もどうぞ!
①【H28年出題】
前年の所得(1月から3月までの月分の保険料については、前々年の所得。以下本問において同じ。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じ一定額以下の学生である第1号被保険者については、その者の世帯主又は配偶者の前年の所得にかかわらず、国民年金法第90条の3の規定による学生納付特例の適用を受けることができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
学生納付特例の適用を受けるには所得要件がありますが、世帯主又は配偶者の所得は問われず、本人の所得要件のみが問われるのがポイントです。
(第90条の3第1項)
所得要件を確認しましょう
| 本人 | 世帯主 | 配偶者 |
申請免除(全額・一部) | 〇 | 〇 | 〇 |
学生納付特例 | 〇 | ― | ― |
納付猶予 | 〇 | ― | 〇 |
②【R3年出題】
国民年金法による保険料の納付猶予制度及び学生納付特例制度は、令和12年6月までの時限措置である。
【解答】
②【R3年出題】 ×
納付猶予制度は法附則に規定される時限措置で、有効期間は令和12年6月までです。
(H26年法附則第14条の3)
学生納付特例制度は、国民年金法本則に規定される恒久的な制度で、時限措置ではありません。
(第90条の3)
③【H28年出題】
国民年金法第90条第1項に規定する申請による保険料の全額免除の規定について、学生である期間及び学生であった期間は、その適用を受けることができない。
【解答】
③【H28年出題】 〇
学生等は、申請全額免除・一部免除・納付猶予の対象から除外されています。
ただし、法定免除は学生等にも適用されます。
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R6-313 7.5
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
まず、選択式からどうぞ!
【H26年選択式】
故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて< A >ことにより、障害若しくはその原因となった事故を生じさせ、又は障害の程度を増進させた者の当該障害については、これを支給事由とする給付は、その< B >ことができる。
<選択肢>
① 医師の診療を拒んだ ② 全額の支給を停止する
③ 全部を一時差し止める ④ 全部又は一部を一時差し止める
⑤ 全部又は一部を行わない ⑥ 当該職員の指導に従わない
⑦ 当該職員の診断を拒んだ ⑧ 療養に関する指示に従わない
【解答】
A ⑧ 療養に関する指示に従わない
B ⑤ 全部又は一部を行わない
「全部又は一部を行わないことができる」の条文を読んでみましょう。
第70条 故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくはその原因となった事故を生じさせ、又は障害の程度を増進させた者の当該障害については、これを支給事由とする給付は、その全部又は一部を行わないことができる。自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、死亡又はその原因となった事故を生じさせた者の死亡についても、同様とする。 |
では、択一式の過去問もどうぞ!
①【R5年出題】
故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金を支給する。
【解答】
①【R5年出題】 ×
「障害基礎年金は支給しない」です。
「支給しない」の条文を読んでみましょう。
第69条 故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は、支給しない。 |
「故意」の場合は、「全部又は一部を行わないことができる」ではなく「支給しない」です。
②【R1年出題】
遺族基礎年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。
【解答】
②【R1年出題】 〇
遺族基礎年金の受給権が「消滅する」条文を読んでみましょう。
第71条第2項 遺族基礎年金の受給権は、受給権者が他の受給権者を故意に死亡させたときは、消滅する。 |
③【R1年出題】
被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべきものを故意に死亡させた者には、遺族基礎年金又は死亡一時金は支給しない。
【解答】
③【R1年出題】 〇
「支給しない」条文を読んでみましょう。
第71条第1項 遺族基礎年金、寡婦年金又は死亡一時金は、被保険者又は被保険者であった者を故意に死亡させた者には、支給しない。被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様とする。 |
④【R2年出題】
遺族基礎年金の受給権者である配偶者が、正当な理由がなくて、指定日までに提出しなければならない加算額対象者と引き続き生計を同じくしている旨等を記載した届書を提出しないときは、当該遺族基礎年金は支給を停止するとされている。
【解答】
④【R2年出題】 ×
「支給を停止する」ではなく、「年金給付の支払を一時差し止めることができる」です。
差止めの場合、届出を提出すれば、差止められていた年金がさかのぼって支払われます。
「一時差し止めることができる」の条文を読んでみましょう。
第73条 受給権者が、正当な理由がなくて、第105条第3項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。 |
⑤【R1年出題】
受給権者が、正当な理由がなくて、国民年金法第107条第1項に規定する受給権者に関する調査における命令に従わず、又は当該調査における職員の質問に応じなかったときは、年金給付の額の全部又は一部につき、その支給を一時差し止めることができる。
【解答】
⑤【R1年出題】 ×
「一時差し止めることができる」ではなく、「その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる」です。
差し止めと違い、支給停止の場合は、停止された年金は支払われません。
条文を読んでみましょう。
第72条 年金給付は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。 (1) 受給権者が、正当な理由がなくて、第107条第1項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかったとき。 (2) 障害基礎年金の受給権者又は第107条第2項に規定する子が、正当な理由がなくて、同項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだとき。 |
⑥【R4年出題】
国民年金法第107条第2項に規定する障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、同項の規定による受診命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。
【解答】
⑥【R4年出題】 ×
受診命令に従わず、職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を「一時差し止めることができる」ではなく、「その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる」です。
(第72条第2号)
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R6-309 7.1
先日は、遺族基礎年金の3つの基本をお話しました。
↓
https://youtu.be/4cv6AR25kZk?si=ziNHPLdWhmSHUjQC
今回は、遺族基礎年金の額についてもう少し詳しくお話します。
★遺族基礎年金の額
・配偶者が受給する場合
・子が受給する場合
★死亡当時胎児だった子が生まれた場合
★子の数が減った場合
★配偶者の遺族基礎年金が失権するとき
★応用編
・ すべての子が直系血族又は直系姻族の養子になった場合の遺族基礎年金の受給権
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R6-303 6.25
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
さっそく過去問をどうぞ!
①【R2年選択式】
国民年金法第4条では、「この法律による年金の額は、< A >その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに< B >の措置が講ぜられなければならない。」と規定している。
<選択肢>
① 国民生活の現況 ② 国民生活の状況 ③ 国民の生活水準
④ 国民生活の安定 ⑤ 改定 ⑥ 所要 ⑦ 是正 ⑧ 訂正
【解答】
A ③ 国民の生活水準
B ⑤ 改定
(法第4条)
年金額の改定の規定です。
②【H26年選択式】
政府は、少なくとも< A >年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びに国民年金法による給付に要する費用の額その他の国民年金事業の財政に係る収支についてその現況及び< B >期間における見通しを作成しなければならない。
この< B >期間は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね < C >年間とする。
<選択肢>
① 3 ② 5 ③ 7 ④ 10 ⑤ 25 ⑥ 30
⑦ 50 ⑧ 100 ⑨ 財政均衡 ⑩ 財政計画
⑪ 収支均衡 ⑫ 将来推計
【解答】
A ② 5
B ⑨ 財政均衡
C ⑧ 100
(第4条の3第1項)
年金の財政は、有限均衡方式がとられています。長期的な財政の均衡が義務づけられています。
条文を読んでみましょう。
第4条の2 (財政の均衡) 国民年金事業の財政は、長期的にその均衡が保たれたものでなければならず、著しくその均衡を失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。 |
財政均衡期間は約100年で、この期間で給付と負担のバランスを図ることになっています。
政府は、給付と負担のバランスを確認するため、少なくとも5年ごとに財政検証を行っています。
③【R3年選択式】
国民年金法第16条の2第1項の規定によると、政府は、国民年金法第4条の3第1項の規定により財政の現況及び見通しを作成するに当たり、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に< A >ようにするために必要な年金特別会計の国民年金勘定の積立金を保有しつつ当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる給付(付加年金を除く。)の額(以下本問において「給付額」という。)を< B >するものとし、政令で、給付額を< B >する期間の < C >を定めるものとする。
<選択肢>
① 給付額に不足が生じない ② 給付の支給に支障が生じない
③ 財政窮迫化をもたらさない ④ 財政収支が保たれる
⑤ 改定 ⑥ 減額 ⑦ 調整 ⑧ 変更
⑨ 開始年度 ⑩ 終了年度 ⑪ 開始年度及び終了年度 ⑫ 年限
【解答】
A ② 給付の支給に支障が生じない
B ⑦ 調整
C ⑨ 開始年度
(第16条の2第1項)
調整期間とは、マクロ経済スライドが適用される期間のことです。
政均衡期間に均衡を保つことができないと見込まれる場合には、給付額を調整するため、マクロ経済スライドを行い、給付水準を調整します。
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R6-302 6.24
遺族基礎年金の3つの基本をお話しします。
①死亡した人の要件
・短期要件と長期要件があります。
・保険料納付要件が必要な場合と、不要な場合があります。
②遺族基礎年金を受けることができる遺族
死亡した者に生計を維持されていた「配偶者又は子」です。
ただし、配偶者は、「子と生計を同じくすること」が条件です。
③遺族基礎年金の額
「配偶者」に支給される場合と、「子」に支給される場合で分けて、おさえましょう。
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R6-295 6.17
障害基礎年金発生の3つの要件を確認しましょう。
①初診日
・初診日とは?
・初診日の要件
②保険料納付要件
・初診日の前日
・初診日の属する月の前々月
・特例が適用される条件
③障害認定日
・1年6か月と治った日
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R6-294 6.16
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
今日は選択式の過去問です。
では、過去問をどうぞ!
【H21年選択式】※改正による修正あり
① 保険料納付済期間又は保険料免除期間(いわゆる「学生納付特例」又は「納付猶予」の期間を除く。)を有する者であって、< A >であるもの(< B >でないものに限るものとし、法附則第9条の2の2第1項に規定する老齢基礎年金の一部の支給繰上げの請求をすることができるものを除く。)は、当分の間、< C >に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができる。ただし、当該請求があった日の前日において、当該請求に係る者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。
【解答】
<A> 60歳以上65歳未満
<B> 任意加入被保険者
<C> 65歳
(法附則第9条の2第1項)
繰上げのポイント!
★繰上げ請求ができるのは、60歳から65歳になるまでの間です
★任意加入被保険者は繰上げ請求できません
② 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が< C >に達したときに、他の年金たる給付(他の年金給付(< D >を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付 (< E >を支給事由とするものを除く。)をいう。以下同じ。)の受給権者であったとき、又は< C >に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。
【解答】
<D> 付加年金
<E> 老齢
(第28条第1項)
繰下げのポイント!
★66歳に達する前に老齢基礎年金を請求していない
★65歳に達したときに他の年金たる給付の受給権者でない
★65歳に達した日から66歳に達した日までの間に他の年金たる給付の受給権者となっていない
「他の年金たる給付」とは
↓
(国民年金法の)他の年金給付(付加年金を除く。)
又は
厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)
こちらの問題もどうぞ!
①【R1年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げについては国民年金法第28条において規定されているが、老齢基礎年金の支給繰下げについては、国民年金法附則において当分の間の措置として規定されている。
【解答】
①【R1年出題】 ×
老齢基礎年金の支給の繰上げは、国民年金法附則で当分の間の措置として規定されています。
老齢基礎年金の支給繰下げは、国民年金法第28条で規定されています。
(第28条、附則第9条の2)
②【R1年出題】
65歳に達し老齢基礎年金の受給権を取得した者であって、66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求しなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において障害基礎年金の受給権者となったときは、当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない。
【解答】
②【R1年出題】 〇
65歳に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付(他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)の受給権者となったときは、繰下げの申出はできません。
※他の年金たる給付は、簡単に書きますと、障害や遺族の年金です。
問題文のように、65歳に達した日から66歳に達した日までの間に、「障害基礎年金」の受給権者となったときは、支給繰下げの申出をすることができません。
(第28条第1項)
③【R1年出題】
老齢厚生年金を受給中である67歳の者が、20歳から60歳までの40年間において保険料納付済期間を有しているが、老齢基礎年金の請求手続きをしていない場合は、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をすることで増額された年金を受給することができる。なお、この者は老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権を有していたことがないものとする。
③【R1年出題】 〇
「66歳前に老齢基礎年金を請求していない」、「65歳に達したときに他の年金たる給付の受給権者でない」、「65歳に達した日から66歳に達した日までの間に他の年金たる給付の受給権者となっていない」場合は、老齢基礎年金の繰下げの申出ができます。
「他の年金たる給付」から、老齢厚生年金は除かれますので、問題文の場合は、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をすることができます。
(第28条第1項)
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R6-290 6.12
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
過去問を解きながら重要ポイントをチェックしましょう。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければならない。ただし、国税徴収の例により、翌月末日が、日曜日や国民の祝日に関する法律に規定する休日その他一般の休日又は土曜日等の国税通則法施行令に定める日に当たるときは、その翌日をもって期限とみなす。
【解答】
①【H24年出題】 〇
第91条で、「毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければならない。」とされています。
ただし、翌月末日が、日曜日、休日、土曜日等の場合は、その翌日が期限となります。
例えば、令和6年5月分の国民年金の保険料の納期限は、翌月末日(令和6年6月30日)が日曜日ですので、その翌日(令和6年7月1日)となります。
(第91条、国税通則法第10条第2項)
②【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
②【H24年出題】 ×
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、障害基礎年金の要件では、「保険料納付済期間」となります。
<第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間>
★老齢基礎年金★
「合算対象期間」となります。
受給資格期間の計算には入りますが、年金額には反映しません。
★障害基礎年金・遺族基礎年金★
「保険料納付済期間」となります。
(第5条第1項)
③【H24年出題】
保険料納付済期間には、督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む。
【解答】
③【H24年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第5条第1項 「保険料納付済期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(督促及び滞納処分により徴収された保険料を含み、保険料の一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。)に係るもの及び産前産後期間中に納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間並びに第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。 |
「督促及び滞納処分により保険料が納付された期間」も保険料納付済期間に含まれます。
④【H24年出題】
保険料全額免除を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
【解答】
④【H24年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第5条第3項 「保険料全額免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって法定免除、申請全額免除、学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち、追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。
※「納付猶予」の期間も保険料全額免除期間に含まれます。(H16法附則第19条) |
保険料を追納した期間は、保険料全額免除期間から除かれ、保険料納付済期間とされます。
⑤【H24年出題】
保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まれない。
【解答】
⑤【H24年出題】 〇
条文を読んでみましょう。
第5条第1項 「保険料納付済期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(督促及び滞納処分により徴収された保険料を含み、保険料の一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。)に係るもの及び産前産後期間中に納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間並びに第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。 |
例えば、保険料4分の1免除をうけた場合、残りの4分の3は納付する義務があります。
残りの4分の3を納付した期間は、「保険料納付済期間」ではなく、「保険料4分の1免除期間」となります。
条文を読んでみましょう。
第5条第6項 「保険料4分の1免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であってその4分の1の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の1の額以外の4分の3の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。 |
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R6-289 6.11
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
過去問を解きながら重要ポイントをチェックしましょう。
では過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病の初診日において被保険者であり、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、障害認定日後65歳に達する日の前日までの間において、同一の傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態になったときは、その者の年齢に関わりなく障害基礎年金の支給を請求することができる。
【解答】
①【H21年出題】 ×
「事後重症」の問題です。
「その者の年齢に関わりなく障害基礎年金の支給を請求することができる。」が誤りです。
条文を読んでみましょう。
第30条の2第1項 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病に係る初診日において前条第1項各号のいずれかに該当した者であって、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に障害基礎年金の支給を請求することができる。 |
事後重症の障害基礎年金は、「65歳に達する日の前日までの間」に、請求することができます。
★事後重症のポイント!
・初診日の要件を満たしていること
・初診日の前日に保険料納付要件を満たしていること
・障害認定日に障害等級に不該当であること(=障害基礎年金の受給権は発生しない)
・障害認定日後65歳に達する日の前日までの間に障害等級に該当したこと
・65歳に達する日の前日までの間に請求すること
↓
事後重症の障害基礎年金は、「請求」によって受給権が発生します。
②【H21年出題】
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持している一定の要件に該当する子があるときは、子の数が何人であっても、1人につき同額の加算額が加算される。
【解答】
②【H21年出題】 ×
「子の数が何人であっても、1人につき同額の加算額が加算される。」が誤りです。
障害基礎年金に加算される額は、以下の額です。
1人目、2人目の子は、1人につき224,700円×改定率
3人目以降は、1人につき74,900円×改定率
(第33条の2第1項)
③【H23年出題】
障害基礎年金に係る子の加算は、受給権者が当該受給権を取得した時点において、その者によって生計を維持する18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子がなければ、行われない。
【解答】
③【H23年出題】 ×
受給権を取得した日の翌日以後に子を有するに至った場合でも、加算が行われます。
条文を読んでみましょう。
第33条の2第2項 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にある子に限る。)を有するに至ったことにより、子の加算を加算することとなったときは、当該子を有するに至った日の属する月の翌月から、障害基礎年金の額を改定する。 |
④【H21年出題】
被保険者であった者が、日本国内に住所を有し、かつ60歳以上65歳未満である間に初診日のある傷病により、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態に該当している場合であっても、障害認定日が65歳を超えている場合には、障害基礎年金は支給されない。
【解答】
④【H21年出題】 ×
初診日の要件、障害認定日の要件、保険料納付要件を満たしていれば、障害認定日に65歳を超えていても、障害基礎年金の受給権は発生します。
ちなみに「初診日」の要件は、初診日に次のどちらかに該当していることです。
(1) 被保険者であること。
(2) 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。
問題文は初診日に(2)の要件を満たしていますので、障害認定日が65歳を超えていても、障害基礎年金が支給されます。
(第30条)
⑤【H21年出題】
昭和61年3月31日において、旧国民年金法による障害福祉年金の受給権を有していた者のうち、昭和61年4月1日において障害の状態が障害基礎年金の障害等級に該当する程度の障害の状態にある者には、障害基礎年金が支給される。
【解答】
⑤【H21年出題】 〇
旧国民年金法の「障害福祉年金」とは、拠出制の障害年金の要件に該当しない場合などに支給された年金で、費用は全額国庫負担でした。
昭和61年3月31日に、障害福祉年金の受給権を有していた者が、昭和61年4月1日に障害等級1、2級に該当する場合は、障害福祉年金ではなく「障害基礎年金」として支給されます。
なお、支給される障害基礎年金は、「第30条の4の障害基礎年金=20歳前に初診日がある障害基礎年金」です。
(昭60法附則第25条第1項)
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R6-288 6.10
老齢基礎年金の額の計算の原則のお話をします。
・老齢基礎年金の満額の額は?
・満額支給されるのはどのような場合?
→20歳から60歳までの480月すべてが保険料納付済期間であること
・保険料納付済期間とは?
第1号被保険者期間+第2号被保険者期間+第3号被保険者期間
→第1号被保険者期間のうち、保険料納付済期間に算入されるのは?
→第2号被保険者期間のうち、保険料納付済期間に算入されるのは?
・老齢基礎年金が減額される例
→未納期間がある場合
・保険料免除期間がある場合
→免除の種類によって老齢基礎年金の額に反映される割合が決まります
・過去問を解いてみましょう
→学生納付特例期間と納付猶予期間の扱い
→第2号被保険者期間のうち老齢基礎年金の額に反映される期間
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R6-278 5.31
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
まず、寡婦年金の条文を読んでみましょう。
第49条第1項、3項(支給要件) ① 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。 ③ 60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。 |
ポイント!
第1号被保険者だけでなく「任意加入被保険者」の期間も含みます。特例任意加入被保険者は含まれません。
夫の死亡時に60歳未満の妻については、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給されます。寡婦年金が支給されるのは、60歳から65歳になるまでです。
では、過去問を解いてみましょう
①【H24年出題】
寡婦年金の受給権者である寡婦が65歳に達したときに老齢基礎年金の受給資格を満たしていなかった場合でも、寡婦年金の受給権は消滅する。
【解答】
①【H24年出題】 〇
65歳に達したときは、寡婦年金の受給権は消滅します。
寡婦年金の失権について条文を読んでみましょう。
第51条(失権) 寡婦年金の受給権は、受給権者が65歳に達したとき、又は第40条第1項各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 (第40条第1項) (1) 死亡したとき。 (2) 婚姻をしたとき。 (3) 養子となったとき(直系血族又は直系姻族の養子となったときを除く。)。 なお、繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したときも、寡婦年金の受給権は消滅します。 附則第9条の2第5項 寡婦年金の受給権は、受給権者が繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したときは、消滅する。 |
②【H24年出題】
寡婦年金の受給権は、受給権者が直系血族又は直系姻族の養子となったとしても、それを理由に、消滅することはない。
【解答】
②【H24年出題】 〇
寡婦年金の受給権は、養子となったときは消滅しますが、直系血族又は直系姻族の養子となったときは除かれます。そのため、受給権者が直系血族又は直系姻族の養子となったとしても、それを理由に、消滅することはありません。
(第51条)
③【H24年出題】
付加保険料の納付者が死亡した場合における妻に対する寡婦年金の額は、夫が受けるはずであった老齢基礎年金の付加年金部分の2分の1相当額が加算される。
【解答】
③【H24年出題】 ×
寡婦年金の額には、付加保険料の納付分は反映しません。
寡婦年金の額は、夫の第1号被保険者(任意加入被保険者も含みます)の期間で計算した老齢基礎年金の4分の3です。
条文を読んでみましょう。
第50条 (年金額) 寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、老齢基礎年金の額の規定の例によって計算した額の4分の3に相当する額とする。 |
④【H24年出題】
寡婦年金の額の算定には、死亡した夫が第2号被保険者としての被保険者期間を有していたとしても、当該期間は反映されない。
【解答】
④【H24年出題】 〇
寡婦年金の額の算定には、第2号被保険者・第3号被保険者としての被保険者期間は反映しません。
(第50条)
⑤【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
【解答】
⑤【H24年出題】 ×
寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした場合は、寡婦年金が優先されるのではありません。寡婦年金と死亡一時金のどちらか選択となります。
条文を読んでみましょう。
第52条の6 (支給の調整) 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されません。
死亡一時金を選択した場合は、寡婦年金は支給されません。
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R6-277 5.30
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
まず、振替加算の条件を確認しましょう。
下のイメージ図をご覧ください。
なお、振替加算が支給されるのは、大正15年4月2日~昭和41年4月1日生まれ
の人に限られることにも注意しましょう。
過去問を解きながら重要ポイントをチェックしましょう。
過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
遺族基礎年金の支給を受けている者に老齢基礎年金の受給権が発生したときは、いずれかを選択することになるが、遺族基礎年金を選択した場合であっても、振替加算の加算要件を満たす場合には、当該遺族基礎年金の額に振替加算相当額が加算される。
【解答】
①【H21年出題】 ×
遺族基礎年金には振替加算額は加算されません。
条文を読んでみましょう。
昭60年附則第14条第1項 老齢基礎年金の額は、受給権者が、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65歳に達した日において、次の各号のいずれかに該当するその者の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)によって生計を維持していたとき(当該65歳に達した日の前日において当該配偶者がその受給権を有する次の各号に掲げる年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていた場合に限る。)は、老齢基礎年金の額に、224,700円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)にその者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額を加算した額とする。ただし、その者が老齢厚生年金、退職共済年金その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるものを受けることができるときは、この限りでない。 (1) 老齢厚生年金又は退職共済年金の受給権者(その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が原則として240以上であるもの (2) 障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者(1級又は2級) |
振替加算は「老齢基礎年金の額」に加算されます。
遺族基礎年金を選択した場合は、振替加算相当額は加算されません。
②【H21年出題】
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有するときに、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合においても、振替加算に相当する部分の支給は停止される。
【解答】
②【H21年出題】 ×
障害基礎年金の全額が支給停止されている場合は、振替加算に相当する部分は支給停止されません。
条文を読んでみましょう。
昭60年附則第16条第1項 振替加算が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間振替加算に相当する部分の支給を停止する。 |
障害基礎年金等の給付を受けることができる場合は、振替加算は支給停止されます。
障害基礎年金が全額支給停止されている(=受けることができない)場合は、支給停止されません。
③【H21年出題】
振替加算の受給対象者であって、保険料納付済期間と保険料免除期間(いわゆる学生納付特例と納付猶予の期間は除く。)を合算して1月以上1年未満の者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、65歳に達した月において振替加算相当額のみの老齢基礎年金が支給される。
【解答】
③【H21年出題】 ×
合算対象期間と学生納付特例期間のみで10年以上の場合でも、老齢基礎年金の受給資格期間は満たします。しかし、どちらも老齢基礎年金の額には反映しませんので、老齢基礎年金の額はゼロになります。
老齢基礎年金の額自体はゼロでも、振替加算の要件に該当する場合は、「振替加算相当額のみの老齢基礎年金」が支給されます。
問題文の場合は、老齢基礎年金の額に反映する期間が1月以上1年未満ありますので、振替加算相当額のみではなく、1月以上1年未満の分が反映された老齢基礎年金と振替加算が支給されます。
(昭60年附則第15条第1項)
④【H21年出題】
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が、配偶者である老齢厚生年金の受給権者と離婚したことを事由として、振替加算は支給停止とはならない。
【解答】
④【H21年出題】 〇
配偶者と離婚しても、振替加算は支給停止されません。
⑤【H21年出題】
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給され、当該振替加算額に政令で定める増額率を乗じて得た額が加算される。
【解答】
⑤【H21年出題】 ×
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給されます。しかし、増額はされません。
(昭60年附則第14条第4項)
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R6-274 5.27
年金制度の歴史をお話します。
<厚生年金保険と国民年金の誕生>
①船員保険制度
昭和14年制定、昭和15年施行
社会保険方式による日本初の公的年金制度
など
②厚生年金保険法
労働者年金保険法としてスタート
など
③国民年金法
昭和36年4月より拠出制がスタートしたことによって
国民皆年金の実現!
<旧法から新法へ>
④基礎年金の登場 昭和61年4月
・昭和61年4月1日前を「旧法」、昭和61年4月1日以後を「新法」といいます
・年金制度が2階建てになりました
・国民年金の被保険者が第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者に区分されました
⑤新法と旧法の違い
1 旧法は「縦割り」、新法は「2階建て」
2 専業主婦は旧法では任意加入、新法では第3号被保険者として強制加入です
3 船員保険は旧法では独立していましたが、新法では厚生年金に統合されました
詳しくは、YouTubeでお話ししています。
YouTubeをご覧ください
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https://youtu.be/UMR4m6jvQr4?si=Be9bRoLQwbXNt3vy
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R6-264 5.17
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
第1号被保険者は、国民年金の保険料を納付しなければなりませんが、第2号被保険者と第3号被保険者には保険料の納付義務はありません。
条文を読んでみましょう。
第94条の6 (第2号被保険者及び第3号被保険者に係る特例) 第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間については、政府は、保険料を徴収せず、被保険者は、保険料を納付することを要しない。 |
第2号被保険者、第3号被保険者にも、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金が支給されますが、給付に必要な費用は、「基礎年金拠出金」を通して行われます。
そのため、第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金の保険料を納付する必要はありません。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
政府は、第1号被保険者と任意加入被保険者から国民年金の保険料を徴収するが、第2号被保険者及び第3号被保険者から国民年金の保険料を徴収していない。
【解答】
①【H24年出題】 〇
第1号被保険者と任意加入被保険者には国民年金保険料の納付義務があります。
第2号被保険者及び第3号被保険者には国民年金保険料の納付義務はありません。
(第88条第1項、第94条の6)
②【H30年出題】
被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。
【解答】
②【H30年出題】 ×
国民年金保険料の納付義務があるのは「第1号被保険者」です。第2号被保険者と第3号被保険者は国民年金保険料を納付することを要しません。
(第88条第1項、第94条の6)
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R6-263 5.16
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
第1号被保険者は、付加保険料(月額400円)を納付することができます。以下の給付には、付加保険料の納付が反映されます。
★付加年金
老齢基礎年金に上乗せして「付加年金」が支給されます。
付加年金は200円×付加保険料に係る保険料納付済期間の月数で計算します。
★死亡一時金の加算額
死亡した者の付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上ある場合、死亡一時金に8500円が加算されます。
今回は、付加年金と死亡一時金の加算額の費用に対する国庫負担をみていきます。
条文を読んでみましょう。
S60年法附則第34条第1項第1号 (国民年金事業に要する費用の負担の特例) 国庫は、当分の間、毎年度、国民年金事業に要する費用に充てるため、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。 |
★付加年金の給付に要する費用、死亡一時金の加算額に要する費用の「4分の1」を国庫が負担します。
※第52条の4第1項に定める額とは、12万円から32万円まで6段階で設定されている死亡一時金の額のことです。
その額は「除く」としていますので、4分の1の国庫負担が行われるのは、死亡一時金に加算される額(=8500円)に対してです。
では、過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
国庫は、当分の間、毎年度、国民年金事業に要する費用に充てるため、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。
【解答】
①【R4年出題】 〇
「付加年金の給付に要する費用」と「死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)=死亡一時金に加算される額(8500円)のこと」の総額の4分の1に相当する額を国庫が負担します。
(S60年法附則第34条第1項第1号)
②【H26年出題】
付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の額の加算額の給付に要する費用については、その4分の1を国庫が負担する。
【解答】
②【H26年出題】 〇
付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に死亡一時金に加算される額(8,500円)の給付に要する費用については、4分の1を国庫が負担します。
(S60年法附則第34条第1項第1号)
③【H26年出題】
付加年金の給付に要する費用については、その3分の1を国庫が負担する。
【解答】
③【H26年出題】 ×
付加年金の給付に要する費用の国庫負担は、3分の1ではなく「4分の1」です。
(S60年法附則第34条第1項第1号)
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R6-248 5.1
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
「第3号被保険者」について条文を読んでみましょう。
第7条第1項第3号 第2号被保険者の配偶者(日本国内に住所を有する者又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者として厚生労働省令で定める者に限る。)であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち20歳以上60歳未満のもの(以下「第3号被保険者」という。)
則第1条の3 法第7条第1項第3号の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。 (1) 外国において留学をする学生 (2) 外国に赴任する第2号被保険者に同行する者 (3) 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 (4) 第2号被保険者が外国に赴任している間に当該第2号被保険者との身分関係が生じた者であって、(2)に掲げる者と同等と認められるもの (5) 渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者 |
第3号被保険者のポイントは?
■第2号被保険者に扶養される配偶者
■20歳以上60歳未満
■日本国内に住所を有する(原則)
※外国において留学する学生、外国に赴任する第2号被保険者に同行する者などは、国内居住要件の例外が認められます
なお、日本国籍を有しない者で、「医療滞在」や「観光等を目的とするロングステイ」の場合は、第1号被保険者・第3号被保険者から除外されます。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
被保険者の資格として、第1号被保険者は国籍要件、国内居住要件及び年齢要件のすべてを満たす必要があるのに対し、第2号被保険者及び第3号被保険者は国内居住要件及び年齢要件を満たす必要があるが、国籍要件を満たす必要はない。
【解答】
①【R1年出題】 ×
★国籍要件について
第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者、全て、「国籍要件」はありません。
★年齢要件(20歳以上60歳未満)について
第1号被保険者、第3号被保険者は年齢要件があります。
第2号被保険者は年齢要件はありません。
★国内居住要件について
第1号被保険者は、「国内居住要件」があります。
第2号被保険者は、「国内居住要件」はありません。
第3号被保険者は、原則は「国内居住要件」がありますが、例外もあります。
(第7条第1項)
②【H17年出題】※改正による修正あり
60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者は、被扶養配偶者であっても、第3号被保険者とならない。
【解答】
②【H17年出題】 ×
60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者でも、要件を満たせば第3号被保険者となります。
なお、「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」は第1号被保険者からは除外されます。
(第7条第1項)
③【R3年出題】
第3号被保険者が、外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったときは、第3号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
③【R3年出題】 ×
第3号被保険者は、国内居住が原則ですが、外国に赴任する第2号被保険者に同行するため日本国内に住所を有しなくなったときは、海外特例により第3号被保険者として認定されます。第3号被保険者の資格は喪失しません。
(第7条第1項、則第1条の3)
④【R3年出題】
第2号被保険者の被扶養配偶者であって、観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の者は、第3号被保険者となることができる。
【解答】
④【R3年出題】 〇
第2号被保険者の被扶養配偶者であって、観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する場合は、海外特例により、第3号被保険者となることができます。
(第7条第1項、則第1条の3第3号)
⑤【H27年出題】
第3号被保険者の要件である「主として第2号被保険者の収入により生計を維持する」ことの認定は、健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法における被扶養者の認定の取扱いを勘案して、日本年金機構が行う。
【解答】
⑤【H27年出題】 〇
「日本年金機構」が行うの部分がポイントです。
(令第4条)
⑥【R3年出題】
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者の収入によって生計を維持する55歳の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
【解答】
⑥【R3年出題】 〇
「老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者」は国民年金の第2号被保険者ではないことがポイントです!
厚生年金保険の被保険者は、原則として国民年金の第2号被保険者です。
ただし、「65歳以上」で「老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権」を有する場合は、第2号被保険者となりません。
問題の「老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者」は第2号被保険者ではありません。
第3号被保険者は、「第2号被保険者の配偶者」であることが条件です。問題の配偶者は第2号被保険者の配偶者ではないので、第3号被保険者になりません。
(第7条、附則第3条)
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R6-247 4.30
国民年金の第1号被保険者から除外される「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」についてご質問がありました。
まず、第1号被保険者の定義を条文で読んでみましょう。
第7条第1項第1号 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。以下「第1号被保険者」という。) |
「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」は、第1号被保険者から除外されます。
20歳以上60歳未満で、「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」とは、どんな人でしょう?
例えば、昭和15年4月1日以前生まれで一定の要件を満たした女性の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、「55歳から59歳まで」の間でした。
早ければ55歳から特別支給の老齢厚生年金を受けることができました。その場合、「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる」者になりますので、第1号被保険者から除外されます。
他に、坑内員、船員も一定要件を満たせば、早ければ55歳から老齢厚生年金を受けることができました。
注意しましょう
「受給資格期間を満たしている者」ではありませんので、注意してください。
例えば、現在、55歳の人で保険料納付済期間+保険料免除期間が10年以上ある場合は、受給資格期間を満たしています。しかし、実際に老齢厚生年金を「受けることはできない」ので、第1号被保険者からは除外されません。
「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」は国民年金に「任意加入」できます。
条文を読んでみましょう。
附則第5条第1項 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 (1) 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) (2) 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) (3) 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
第1号被保険者から除外される「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」は、(1)の規定で国民年金に任意加入できます。
先ほどの例の昭和15年4月1日以前生まれの女性で、「55歳から59歳まで」の間に特別支給の老齢厚生年金を受けることができたとしても、65歳からの老齢基礎年金は満額支給されるとは限りません。
老齢基礎年金を満額にしたい又は満額に近づけたい場合は、国民年金に任意加入して保険料を納付することができます。
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R6-229 4.12
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
「申請全額免除」の条文を読んでみましょう。
第90条第1項 次の各号のいずれかに該当する被保険者等から申請があったときは、厚生労働大臣は、その指定する期間(4分の3免除、半額免除期、4分の1免除期間の適用を受ける期間又は学生等である期間若しくは学生等であった期間を除く。)に係る保険料につき、既に納付されたものを除き、これを納付することを要しないものとし、申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間(追納が行われた場合にあっては、当該追納に係る期間を除く。)に算入することができる。ただし、世帯主又は配偶者のいずれかが次の各号のいずれにも該当しないときは、この限りでない。 (1) 当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については、前々年の所得とする。)が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるとき。 (2) 被保険者又は被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 (3) 地方税法に定める障害者、寡婦その他の同法の規定による市町村民税が課されない者として政令で定める者であって、当該保険料を納付することを要しないものとすべき月の属する年の前年の所得が政令で定める額以下であるとき。 (4) 保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由があるとき。 |
保険料の全額免除の申請をした場合は、「申請のあった日以後、当該保険料に係る期間を保険料全額免除期間に算入することができる」という部分に注目してください。
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
20歳に到達した日から第1号被保険者である者が、資格取得時より保険料を滞納していたが、22歳の誕生月に国民年金保険料の全額免除の申請を行い、その承認を受け、第1号被保険者の資格取得月から当該申請日の属する年の翌年6月までの期間が保険料全額免除期間となった。当該被保険者は21歳6か月のときが初診日となるけがをし、その後障害認定日において当該けがが障害等級2級に該当していた場合、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
【H28年出題】 ×
障害基礎年金の受給権は発生しません。初診日の前日の「保険料納付要件」を満たしていないからです。
★保険料が免除される期間は、「厚生労働大臣が指定する期間」です。
厚生労働大臣が指定する期間は、申請免除の場合、「申請のあった日の属する月の2年2月前(納期限から2年を経過した期間を除く。)の月から当該申請のあった日の属する年の翌年6月(申請のあった日の属する月が1月から6月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の6月)までの期間のうち必要と認める期間」となります。
→遡って保険料の免除を申請することができるのは、保険料の納付期限から2年を経過していない期間です。
★ただし、保険料全額免除期間に算入されるのは、「申請のあった日以後」です。
★障害基礎年金の保険料納付要件は、「初診日の前日」で判断されます。
22歳の誕生月に国民年金保険料の全額免除の申請をして、第1号被保険者の資格取得月から当該申請日の属する年の翌年6月までの期間が保険料全額免除期間となったとしても、「保険料全額免除期間」に算入されるのは、申請のあった日以後です。
初診日の前日の時点では、すべての期間が「滞納」で保険料納付要件を満たしませんので、障害基礎年金の受給権は発生しません。
(法第30条第1項、第90条第1項)
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R6-228 4.11
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
国民年金の任意加入被保険者は、原則として、口座振替で保険料を納付しなければなりません。
条文を読んでみましょう。
附則第5条第1項、2項(任意加入被保険者) ① 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 (1) 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) (2) 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) (3) 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの ② ①(1)又は(2)に該当する者が任意加入の申出を行おうとする場合には、口座振替納付を希望する旨の申出又は口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出を厚生労働大臣に対してしなければならない。 |
★ (3)日本国籍を有する者で日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のものは、口座振替の申出をする必要はありません。
★ 特例による任意加入被保険者も、原則として口座振替で保険料を納付しなければなりません。(H6附則第11条第2項)
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】※改正による修正あり
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)が、任意加入被保険者となる申出を行おうとする場合には、口座振替納付を希望する旨の申出または口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出を、厚生労働大臣に対して行わなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
日本国内に住所を有する者が、任意加入被保険者となる申出を行おうとする場合は、「口座振替納付を希望する旨の申出」または「口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出」が必要です。
(附則第5条第2項)
②【H28年出題】
日本国内に住所を有する者が任意加入の申出を行おうとする場合は、原則として、保険料は口座振替納付により納付しなければならないが、任意加入被保険者の資格を喪失するまでの期間の保険料を前納する場合には、口座振替納付によらないことができる。
【解答】
②【H28年出題】 〇
日本国内に住所を有する任意加入被保険者は口座振替納付が原則ですが、任意加入被保険者の資格を喪失するまでの期間の保険料を前納する場合には、口座振替納付によらないことができます。
(則第2条の2第2号)
③【H21年出題】
国民年金法の規定によると、日本国籍を有する者であって日本国内に住所を有しない60歳以上65歳未満のものが任意加入の申出をする場合には、正当な事由がある場合を除き、口座振替納付を希望する旨の申出を厚生労働大臣に対してしなければならない
【解答】
③【H21年出題】 ×
日本国籍を有する者であって日本国内に住所を有しない者(海外に在住している場合)は、口座振替納付を希望する旨の申出は不要です。
(附則第5条第2項)
④【R2年出題】
60歳から任意加入被保険者として保険料を口座振替で納付してきた65歳の者(昭和30年4月2日生まれ)は、65歳に達した日において、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていない場合、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされ、引き続き保険料を口座振替で納付することができ、付加保険料についても申出をし、口座振替で納付することができる。
【解答】
④【R2年出題】 ×
特例による任意加入被保険者は付加保険料を納付できないので、誤りです。
なお、任意加入被保険者(昭和40年4月1日以前に生まれた者に限る)が、65歳に達した日に、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていない場合は、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされます。
(H16附則第23条)
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R6-214
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
「付加保険料」の納付について条文を読んでみましょう。
第87条の2 ① 第1号被保険者(法定免除、全額免除、学生納付特例、納付猶予、一部免除を受けている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、国民年金保険料のほか、400円の付加保険料を納付する者となることができる。 ② 付加保険料の納付は、国民年金保険料の納付が行われた月(追納により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)又は産前産後期間の免除により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月についてのみ行うことができる。 ③ 付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月の前月以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき付加保険料を納付する者でなくなることができる。 ④ 付加保険料を納付する者となったものが、国民年金基金の加入員となったときは、その加入員となった日に、③の申出をしたものとみなす。 |
第1号被保険者は、毎月の国民年金保険料に400円の付加保険料を上乗せして納付することができます。付加保険料を納付した場合、老齢基礎年金に付加年金がプラスされます。
過去問をどうぞ!
これまで過去問①②の次に解答①②としてきましたが、リクエストを頂きましたので、今回から過去問①解答①→過去問②解答②の順番にします。 |
①【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
①【R2年出題】 〇
「任意加入被保険者」は付加保険料の納付については第1号被保険者とみなされ、付加保険料を納付できます。
なお、特例任意加入被保険者は付加保険料を納付できません。
(法附則第5条第9項)
②【R1年出題】
付加保険料の納付は、産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月について行うことができない。
【解答】
②【R1年出題】 ×
産前産後期間の保険料免除の期間は、付加保険料を納付することができます。
(第87条の2第2項)
③【H29年出題】
保険料の半額を納付することを要しないものとされた者は、当該納付することを要しないとされた期間について、厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
③【H29年出題】 ×
保険料の免除(法定免除、全額免除、学生納付特例、納付猶予、一部免除)を受けている者は、付加保険料は納付できません。
(第87条の2第1項)
④【H26年出題】
保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。
【解答】
④【H26年出題】 ×
追納によって保険料が納付されたものとみなされた月は、付加保険料は納付できません。
(法第87条の2第1項)
⑤【H27年出題】
付加保険料を納付する第1号被保険者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされる。
【解答】
⑤【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員は付加保険料を納付できません。
そのため、付加保険料を納付する者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされます。
(法第87条の2第4項)
⑥【H30年出題】
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申し出をした日の属する月以後の各月に係る保険料に限り、付加保険料を納付する者でなくなることができる。
【解答】
⑥【H30年出題】 ×
付加保険料の納付は、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、納付をやめることができます。
やめることができるのは、その申し出をした日の属する月以後の各月ではなく、申出をした日の属する月の前月以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)です。
(法第87条の2第3項)
ちなみに、付加保険料の納付を始めるときは、「その申出をした日の属する月以後の各月」からとなります。
⑦【H26年出題】
付加保険料については、任意に申出を行い納付するものであるため、納期限までにその保険料を納付しなかった場合は、その納期限の日に付加保険料の納付を辞退したものとみなされる。
【解答】
⑦【H26年出題】 ×
付加保険料を納期限までに納付しなかった場合でも、納付を辞退したものとはみなされません。
付加保険料を納期限までに納付しなかった場合でも、国民年金の保険料と同様、納期限から2年以内は納付することができます。
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R6-198
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
今日のテーマは「基礎年金拠出金」の算定です。
・厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。
・実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。
(第94条の2第1項、2項)
条文を読んでみましょう。
第94条の3第1項、2項 ① 基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。 ※政府及び実施機関に係る被保険者の総数とは ・ 厚生年金保険の実施者たる政府 →第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者 ・ 実施機関たる共済組合等 → 当該実施機関たる共済組合等に係る被保険者 ■国家公務員共済組合連合会 →当該連合会を組織する共済組合に係る第2号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者 ■地方公務員共済組合連合会 →当該連合会を組織する共済組合に係る第3号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者 ■日本私立学校振興・共済事業団 →第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者 ② 被保険者の総数並びに政府及び実施機関に係る被保険者の総数は、第1号被保険者、第2号被保険者及び第3号被保険者の適用の態様の均衡を考慮して、これらの被保険者のうち政令で定める者を基礎として計算するものとする。
令第11条の3 法第94条の3第2項に規定する政令で定める者は、第1号被保険者にあっては保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者、第2号被保険者にあっては20歳以上60歳未満の者、第3号被保険者にあってはすべての者とする |
基礎年金拠出金の額の出し方
基礎年金の給付に 要する費用 | × | 第2号被保険者+第3号被保険者 |
国民年金の被保険者の総数 |
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者は、第1号被保険者数にあっては、保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者であり、第2号被保険者及び第3号被保険者にあってはすべての者である。
②【R4年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
③【H30年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料免除期間及び保険料未納期間を有する者の総数である。
【解答】
①【R1年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者について
・第1号被保険者数 → 保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者
・第2号被保険者 → 20歳以上60歳未満の者
・第3号被保険者 → すべての者
「第2号被保険者にあってはすべての者」は誤りです。
(第94条の3第1項、2項、令11条の4第1項)
②【R4年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、「保険料納付済期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者」の総数です。
保険料の負担がない保険料全額免除期間は入りません。
(第94条の3第1項、2項、令11条の4第1項)
③【H30年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、「保険料納付済期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者」の総数です。
保険料全額免除期間、保険料未納期間は入りません。
(第94条の3第1項、2項、令11条の4第1項)
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R6-197
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
「死亡一時金」と「寡婦年金」の両方の受給権を取得した場合の調整のルールをみていきます。
条文を読んでみましょう。
第52条の6(支給の調整) 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
死亡一時金と寡婦年金の両方を受けることはできません。「その者の選択」により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、どちらか一つが支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H18年出題】
死亡一時金の支給を受けることができる者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けとることができるときは、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つをその者の選択により受給できる。
②【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
③【R3年出題】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
①【H18年出題】 〇
同一人の死亡で、死亡一時金と寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つを受給します。
(第52条の6)
②【H24年出題】 ×
寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした場合は、「その者の選択」により、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つが支給されます。
寡婦年金が優先されるわけではありません。
(第52条の6)
③【R3年出題】 〇
遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった場合の調整についての問題です。
★ポイント1 「一人一年金の原則」
2つ以上の年金の受給権が発生した場合は、原則として、一つの年金を選択し受給します。
遺族厚生年金と寡婦年金は併給できませんので、どちらか一つを選択します。
(第20条)
★ポイント2 「寡婦年金と死亡一時金は選択」
寡婦年金と死亡一時金はどちらかを選択します。寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されません。死亡一時金を選択した場合は、寡婦年金は支給されません。
(第52条の6)
・寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されません。
・遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されます。(遺族厚生年金と死亡一時金には調整規定がないからです。)
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R6-196
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第52条の2 第2項 死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。 (1) 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 (2) 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であって、当該胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至ったとき。ただし、当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 |
同一の死亡で遺族基礎年金が支給される場合は、死亡一時金は原則として支給されません。
では、過去問をどうぞ!
【R2年出題】
死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されない。
【解答】
【R2年出題】 ×
死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給されません。
ただし、例外的に、死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、死亡一時金が支給されます。
例えば、子が18歳に達した日の属する年度の年度末(3月)に被保険者が死亡した場合、遺族基礎年金の受給権は発生しますが、同一月に受給権が消滅するため、結局遺族基礎年金は支給されません。
そのため、死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、死亡一時金を支給する例外が設けられています。
(第52条の2第2項第1号)
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R6-183
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
昨日は、「振替加算が行われないとき」をみましたが、今日は振替加算の支給停止をみていきます。
★ 振替加算が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間、振替加算に相当する部分の支給が停止されます。 (第16条第1項) |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。
②【R1年出題】
障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで第2号被保険者期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。
③【R3年出題】
振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算された額に相当する部分の支給が停止される。
【解答】
①【H30年出題】 〇
振替加算が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金等を受けることができるときは、その間、振替加算に相当する部分の支給が停止されます。
ただし、障害基礎年金、障害厚生年金等が全額支給停止になっている場合は、振替加算は支給停止されません。
(昭60年法附則第14条第1項、経過措置令第28条)
②【R1年出題】 〇
障害基礎年金を受給している間は、振替加算は支給停止されます。
ただし、障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合は、障害基礎年金は全額支給停止になりますので、老齢基礎年金と振替加算が支給されます。
(昭60年法附則第14条第1項、経過措置令第28条)
③【R3年出題】 ×
振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときでも、振替加算は支給停止されません。
(昭60年法附則第14条第1項)
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R6-182
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
振替加算が行われる者の条件を確認しましょう。
・大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者 ・配偶者の年金の加給年金額の対象になっていたこと (配偶者が次の年金の受給権者であること(加給年金額が加算されるもの)) (1) 老齢厚生年金又は退職共済年金(その額の計算の基礎となる期間の月数が原則として240以上であるものに限る。)の受給権者 (2) 障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者(当該障害厚生年金又は当該障害共済年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有する者に限る。=1・2級) ・振替加算の額 224,700円×改定率×その者の生年月日に応じて政令で定める率 |
今日は、「振替加算が行われないとき」のルールをみていきます。
★ 老齢厚生年金、退職共済年金その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるものを受けることができるときは、振替加算は加算されません。
(昭60年法附則第14条第1項)
加給年金額と振替加算のイメージ図
(例)夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算され、妻に振替加算が加算される場合
(63歳) (65歳)
夫 | 報酬比例部分 | 老齢厚生年金(240月以上) | |
|
| 老齢基礎年金 | |
|
| 加給年金額 |
|
|
|
| 65歳 |
妻 |
|
| 老齢厚生年金 |
|
|
| 老齢基礎年金 |
|
|
| 振替加算 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題 】
老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されない。
②【H27年出題】
67歳の夫(昭和23年4月2日生まれ)と66歳の妻(昭和24年4月2日生まれ)が離婚をし、妻が、厚生年金保険法第78条の2の規定によるいわゆる合意分割の請求を行ったことにより、離婚時みなし被保険者期間を含む厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上となった場合、妻の老齢基礎年金に加算されていた振替加算は行われなくなる。
【解答】
①【H30年出題 】 〇
老齢厚生年金、退職共済年金その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるものを受けることができるときは、振替加算は加算されません。
政令で定められている老齢厚生年金は、その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上(20年以上)あるものです。
なお、中高齢の期間短縮特例を満たす場合は、15~19年となります。
老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されません。
(昭60年法附則第14条第1項、経過措置令第25条)
②【H27年出題】 〇
老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、老齢基礎年金に振替加算は加算されません。
この期間には、「離婚時みなし被保険者期間」も算入します。
離婚時みなし被保険者期間を含む厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上となった場合、妻の老齢基礎年金に加算されていた振替加算は行われなくなります。
(昭60年法附則第14条第1項、経過措置令第25条)
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R6-172
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第37条 (支給要件) 遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。 ただし、(1)又は(2)に該当する場合にあっては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 (1) 被保険者が、死亡したとき。 (2) 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。 (3) 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。 (4) 保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。 |
★遺族基礎年金の保険料納付要件
(1)か(2)に該当する場合は、保険料納付要件が問われます。
(原則)
死亡日の前日に、死亡日の属する月の前々月までの被保険者期間に、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あること
(特例) S60法附則第20条第2項
・死亡日が令和8年4月1日前にあること
・死亡日の前日に、死亡日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がないこと
・死亡日において65歳未満であること
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
平成30年4月2日に第1号被保険者が死亡した場合、死亡した者につき、平成30年4月1日において、平成29年3月から平成30年2月までの期間に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは、遺族基礎年金の保険料納付要件を満たす。
②【R4年出題】
保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である55歳の第1号被保険者が死亡したとき、当該死亡日の前日において、当該死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料が未納である月があった場合は、遺族基礎年金を受けることができる要件を満たす配偶者と子がいる場合であっても、遺族基礎年金は支給されない。
【解答】
①【H30年出題】 〇
問題文は、保険料納付要件の特例を満たします。
■死亡日が令和8年4月1日前にあること
↓
死亡日は平成30年4月2日
■死亡日の前日に、死亡日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の未納期間がないこと
↓
平成30年4月1日(死亡日の前日)に、平成29年3月から平成30年2月までの期間(死亡日の属する月の前々月までの1年間)に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がない(保険料の未納期間がない)
H30年4月 | H30年3月 | H30年2月 | ~~~~~~ | H29年3月 |
死亡 |
| 死亡日の属する月の前々月までの1年間 |
■死亡日において65歳未満であること
↓
第1号被保険者が死亡(死亡日に20歳以上60歳未満)
(S60法附則第20条第2項)
②【R4年出題】 ×
保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である55歳の第1号被保険者の場合は、第37条の(4)の条件を満たします。
(3)、(4)に該当する場合は、保険料納付要件は問われませんので、死亡日の前日に、当該死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料が未納である月があった場合でも、遺族基礎年金は支給されます。
(第37条第4号)
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R6-162
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
まず、国民年金基金の業務について条文を読んでみましょう。
第128条第1項 国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関し、一時金の支給を行なうものとする。 |
★基金の年金について
・基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときには、その者に支給されるものでなければならない、とされています。
(法第129条第1項)
★基金の一時金について
・基金が支給する一時金は、少なくとも、当該基金の加入員又は加入員であった者が死亡した場合において、その遺族が死亡一時金を受けたときには、その遺族に支給されるものでなければならない、とされています。
(法第129条第3項)
給付の支給のルールについて条文を読んでみましょう。
第130条 ① 基金が支給する年金は、政令の定めるところにより、その額が算定されるものでなければならない。 ② 老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金の額は、200円に納付された掛金に係る当該基金の加入員であった期間(第87条の規定による保険料に係る保険料納付済期間である期間に限る。以下「加入員期間」という。)の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならない。 ③ 基金が支給する一時金の額は、8,500円を超えるものでなければならない。
第131条 老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することができない。ただし、当該年金の額のうち、200円に当該基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分については、この限りでない。 |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の障害に関し、一時金の支給を行うものとされている。
②【R4年出題】
国民年金基金が支給する年金は、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得した時点に限り、その者に支給が開始されるものでなければならない。
③【H22年出題】
国民年金基金が支給する年金額は、200円に加入員の加入月数を乗じて得た額を超えるものでなければならないが、国民年金基金の支給する一時金の額については下限は定められていない。
④【R1年出題】
老齢基礎年金の受給権者に対して支給する国民年金基金の年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されていなくても、400円に当該国民年金基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分に限り、支給を停止することができる。
⑤【R3年出題】
繰下げ支給の老齢基礎年金の受給権者に対し国民年金基金(以下本問において「基金」という。)が支給する年金額は、200円に国民年金基金令第24条第1項に定める増額率を乗じて得た額に、納付された掛金に係る当該基金の加入員期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければならない。
【解答】
①【R3年出題】 ×
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者の老齢に関し年金の支給を行い、あわせて加入員又は加入員であった者の「死亡」に関し、一時金の支給を行うものとされています。
「障害」に関する支給はありません。
(第128条第1項)
②【R4年出題】 ×
国民年金基金が支給する年金は、少なくとも、「老齢基礎年金の受給権を取得したとき」には、支給されるものでなければならない、と規定されています。老齢基礎年金の受給権を取得した時点には限られません。
(法第129条第1項)
③【H22年出題】 ×
国民年金基金が支給する年金額は、200円に加入員の加入月数を乗じて得た額を超えるものでなければなりません。
また、国民年金基金の支給する一時金の額にも下限が定められています。
基金が支給する一時金の額は、「8,500円」を超えるものでなければなりません。
(法第130条第3項)
④【R1年出題】 ×
老齢基礎年金の受給権者に対し基金が支給する年金は、当該老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されている場合を除いては、その支給を停止することはできません。
ただし、当該年金の額のうち、「200円」に当該基金に係る加入員期間の月数を乗じて得た額を超える部分については、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されていなくても、支給を停止することができます。
(法第131条)
⑤【R3年出題】 〇
繰下げ支給の老齢基礎年金の受給権者に対し国民年金基金が支給する年金額は、200円に増額率を乗じて得た額に、納付された掛金に係る当該基金の加入員期間の月数を乗じて得た額を超えるものでなければなりません。
(法第130条第2項、基金令第24条第1項)
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R6-152
過去問から学びましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第21条 ① 乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。
② 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。障害基礎年金又は遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の障害基礎年金又は遺族基礎年金が支払われた場合における当該障害基礎年金又は遺族基礎年金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。
③ 同一人に対して厚生年金保険法による年金たる保険給付(厚生労働大臣が支給するものに限る。)の支給を停止して年金給付を支給すべき場合において、年金給付を支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として同法による年金たる保険給付の支払が行われたときは、その支払われた同法による年金たる保険給付は、年金給付の内払とみなすことができる。 |
①について
例えば、寡婦年金の受給権者が繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したため、寡婦年金の受給権が消滅しました。しかし、寡婦年金の受給権が消滅した日の属する月の翌月以降の分として、寡婦年金の支払が行われました。その場合、支払われた寡婦年金は、繰上げ支給の老齢基礎年金の内払とみなされます。
消滅
寡婦年金(乙年金) | 内払 |
↓
繰上支給の老齢基礎年金(甲年金) |
寡婦年金を返還して、改めて老齢基礎年金を支給するのではなく、内払調整によって支払われた寡婦年金は、繰上げ支給の老齢基礎年金の内払とみなされます。
では、過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。
②【R2年出題】
遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の遺族基礎年金が支払われた場合における当該遺族基礎年金の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき遺族基礎年金の内払とみなすことができる。
③【R3年出題】
同一人に対して障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)の支給を停止して老齢基礎年金を支給すべき場合に、その支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として当該障害厚生年金が支払われたときは、その支払われた障害厚生年金は当該老齢基礎年金の内払とみなすことができる。
【解答】
①【H20年出題】 〇
年金の支給を停止すべき事由が生じました。
↓
にもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われました。
↓
支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができます。
(法第21条第2項)
②【R2年出題】 〇
遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じました。
↓
にもかかわらず、翌月以降も減額しない額の遺族基礎年金が支払われました
↓
減額すべきであった部分は、その後に支払うべき遺族基礎年金の内払とみなすことができます。
(法第21条第2項)
③【R3年出題】 〇
障害厚生年金(厚生労働大臣が支給するものに限る。)を受けていた者が、その後、老齢基礎年金を受けることを選択した場合、障害厚生年金は支給停止されます。
しかし、翌月以降も障害厚生年金が支払われたときは、その支払われた障害厚生年金は老齢基礎年金の内払とみなすことができます。
(法第21条第3項)
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R6-144
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第21条の2 年金給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
則第86条の2 年金たる給付の支払金の金額の過誤払による返還金債権への充当は、次の各号に掲げる場合に行うことができる。 (1) 年金たる給付の受給権者の死亡を支給事由とする遺族基礎年金の受給権者が、当該年金たる給付の受給権者の死亡に伴う当該年金たる給付の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者であるとき。 (2) 遺族基礎年金の受給権者が同一の支給事由に基づく他の遺族基礎年金の受給権者の死亡に伴う当該遺族基礎年金の支払金の金額の過誤払による返還金債権に係る債務の弁済をすべき者であるとき |
(1)の例をみてみましょう。
例えば、老齢基礎年金を受給している夫が令和6年1月18日に死亡しました。老齢基礎年金は受給権が消滅した月(令和6年1月)まで支給されますが、死亡の翌月以後も、老齢基礎年金が過誤払されました。この場合、過誤払いされた年金は、本来なら妻が返還しなければなりません。しかし、夫の死亡により妻に遺族基礎年金が支給される場合は、妻に支払う遺族基礎年金の金額を過誤払による返還金債権の金額に充当することができます。
死亡
夫 | 老齢基礎年金 | 過誤払 |
↑返還金債権の金額に充当できる
妻 |
| 遺族基礎年金 |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
夫婦ともに老齢基礎年金のみを受給していた世帯において、夫が死亡しその受給権が消滅したにもかかわらず、死亡した月の翌月以降の分として老齢基礎年金の過誤払が行われた場合、国民年金法第21条の2の規定により、死亡した夫と生計を同じくしていた妻に支払う老齢基礎年金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
②【H29年出題】
遺族である子が2人で受給している遺族基礎年金において、1人が婚姻したことにより受給権が消滅したにもかかわらず、引き続き婚姻前と同額の遺族基礎年金が支払われた場合、国民年金法第21条の2の規定により、過誤払として、もう1人の遺族である子が受給する遺族基礎年金の支払金の金額を返還すべき年金額に充当することができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
妻に支払う「老齢基礎年金」の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することはできません。
充当することができるのは、「年金たる給付の受給権者の死亡を支給事由とする遺族基礎年金の受給権者」です。夫の死亡に伴う遺族基礎年金が妻に支払われる場合は、充当の対象になります。
(則第86条の2第1号)
②【H29年出題】 ×
過誤払として、もう1人の遺族である子が受給する遺族基礎年金の支払金の金額を返還すべき年金額に充当することができるのは、「他の遺族基礎年金の受給権者の死亡に伴う」場合です。
婚姻で受給権が消滅した場合は、充当の対象になりません。
(則第86条の2第2号)
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
国民年金法第21条の2によると、年金給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、その過誤払が行われた年金給付は、債務の弁済をすべき者の年金給付の内払とみなすことができる。
【解答】
【R5年出題】 ×
「その過誤払が行われた年金給付は、債務の弁済をすべき者の年金給付の内払とみなすことができる。」が誤りです。
「当該年金給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。」となります。
「死亡」によって受給権が消滅したにもかかわらず、翌月以降も年金が過誤払された場合に、過誤払による返還金に係る債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付で調整する場合は、内払ではなく「充当」という用語を使います。
「充当」は死亡した人と残された人の年金との調整ですが、「内払」は1人の年金間での調整です。
(法第21条の2)
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R6-131
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
S60年附則第8条第4項 当分の間、第2号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間を有する者の20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間に係る当該保険料納付済期間は、国民年金法第26条(老齢基礎年金の支給要件)及び第27条(老齢基礎年金の年金額)並びに同法附則第9条第1項、第9条の2第1項及び第9条の2の2第1項の規定の適用については、同法第5条第1項の規定にかかわらず、保険料納付済期間に算入せず、合算対象期間に算入する。 |
例えば、18歳から63歳まで厚生年金保険の被保険者だった場合、その間はすべて国民年金第2号被保険者となります。ただし、老齢基礎年金の適用については、20歳前の期間と60歳以後の期間は、保険料納付済期間ではなく「合算対象期間」に算入されます。
18歳 20歳 60歳 63歳
厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者) | ||
合算対象期間 | 保険料納付済期間 | 合算対象期間 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、合算対象期間とされ、この期間は老齢基礎年金の年金額の計算に関しては保険料納付済期間に算入されない。
②【R4年出題】
大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。
③【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間・60歳以後の期間は、合算対象期間(カラ期間)となり、老齢基礎年金の支給要件の「10年以上」の期間には算入されますが、老齢基礎年金の年金額の計算には算入されません。
(S60年附則第8条第4項)
②【R4年出題】 ×
60歳から65歳までの期間が「合算対象期間」になるため、老齢基礎年金は満額になりません。
20歳 23歳 60歳 65歳
未加入 | 厚生年金保険の被保険者(国民年金第2号被保険者) | |
保険料納付済期間(37年間) | 合算対象期間 |
老齢基礎年金の額に反映するのは、23歳から60歳までの期間です。
(S60附則第8条第4項)
③【H24年出題】 ×
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間が「合算対象期間」になるのは、「老齢基礎年金」のみです。
障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、「保険料納付済期間」となります。ちなみに、遺族基礎年金も同様に保険料納付済期間となります。
(S60附則第8条第4項)
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、老齢基礎年金の年金額の計算に関しては保険料納付済期間に算入され、合算対象期間に算入されない。
【解答】
【R5年出題】 ×
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、老齢基礎年金の年金額の計算に関しては「合算対象期間」に算入され、保険料納付済期間には算入されません。
(S60附則第8条第4項)
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R6-130
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第26条 (支給要件) 老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。 |
老齢基礎年金の受給権は、「保険料納付済期間+保険料免除期間」を10年以上有する者が65歳に達したときに発生します。
条文では、「保険料免除期間」が2か所出てきます。
1つめの「保険料免除期間」からは、「学生納付特例及び納付猶予」の期間が除かれています。学生納付特例期間と納付猶予期間は、老齢基礎年金の年金額に反映しないからです。
2つめの「保険料免除期間」では、学生納付特例期間と納付猶予期間は除外されていません。そのため、10年以上の計算には、学生納付特例期間と納付猶予期間が含まれます。
また、附則第9条第1項で、老齢基礎年金の支給要件の特例が規定されています。
特例により、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年未満でも、「合算対象期間」を合算した期間が10年以上あれば、老齢基礎年金の要件を満たします。
過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
65歳に達したときに、保険料納付済期間と保険料免除期間(学生納付特例期間及び納付猶予期間を除く。)とを合算した期間を7年有している者は、合算対象期間を5年有している場合でも、老齢基礎年金の受給権は発生しない。
②【R4年出題】
国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。
【解答】
①【H30年出題】 ×
保険料納付済期間と保険料免除期間(学生納付特例期間及び納付猶予期間を除く。)を合算した期間を7年、合算対象期間を5年有している場合は、65歳に達したときに、老齢基礎年金の受給権が発生します。
(法第26条、附則第9条)
②【R4年出題】 ×
納付猶予期間も学生納付特例期間も、保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されません。
(第27条、H16附則第19条第4項、H26附則第14条第3項)
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
国民年金法第26条によると、老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給される。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。なお、その者は合算対象期間を有しないものとする。
【解答】
【R5年出題】 〇
老齢基礎年金の支給を受けるには、保険料納付済期間と保険料免除期間と、合算対象期間を合算した期間が10年以上必要です。
(法第26条)
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R6-129
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
まず、条文を読んでみましょう。
第20条第1項、附則第9条の2の4 年金給付(老齢基礎年金及び障害基礎年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)並びに付加年金を除く。)は、その受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く。以下この条において同じ。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。 老齢基礎年金の受給権者(65歳に達している者に限る。)が他の年金給付(付加年金を除く。)又は同法による年金たる保険給付(遺族厚生年金を除く。)を受けることができる場合における当該老齢基礎年金及び障害基礎年金の受給権者(65歳に達している者に限る。)が他の年金給付(付加年金を除く。)を受けることができる場合における当該障害基礎年金についても、同様とする。 |
ポイント!
年金は、「一人一年金」が原則です!
例外的に「併給できる」パターンをおさえましょう。
過去問でみていきましょう。
①【H21年出題】
遺族基礎年金の受給権者が65歳に達し、さらに老齢基礎年金と付加年金の受給権を取得したときは、その者の選択により遺族基礎年金か老齢基礎年金のいずれか一方が支給されるが、遺族基礎年金を選択した場合も付加年金が併せて支給される。
②【R4年出題】
老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。
③【R4年出題】
付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。
④【H26年出題】
65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金を併給するときには、付加年金は支給停止される。
⑤【H30年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、65歳に達するまでは、繰上げ支給の老齢基礎年金と遺族厚生年金について併給することができないが、65歳以降は併給することができる。
【解答】
①【H21年出題】 ×
国民年金の年金には、「老齢基礎年金」、「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」、「寡婦年金」、「付加年金」があります。
★同時に2つ以上の年金の受給権を取得することもあります。
その場合は、「一人一年金の原則」が適用され、一つの年金を選択して受給します。その際、選択しなかった年金は、「支給停止」となります。「失権」ではありませんので、注意しましょう。
★例外で、「付加年金」は、「老齢基礎年金」と併給できます。
→問題文は、「遺族基礎年金」、「老齢基礎年金」、「付加年金」の受給権を取得しています。一人一年金の原則で、「遺族基礎年金」か「老齢基礎年金」のいずれか一方を選択して受給します。
老齢基礎年金を選択した場合は「付加年金」も支給されます。
遺族基礎年金を選択した場合は、老齢基礎年金が支給停止になりますので、付加年金も支給停止となります。
②【R4年出題】 〇
老齢基礎年金、障害基礎年金、付加年金の受給権を取得した場合で、「障害基礎年金」の受給を選択したときは、「老齢基礎年金と付加年金」は、障害基礎年金を受給する間、支給が停止されます。
③【R4年出題】 〇
「基礎年金」と「厚生年金」は同一の支給事由の場合は併給されます。
老齢厚生年金
|
| 障害厚生年金 |
| 遺族厚生年金 |
老齢基礎年金
| 障害基礎年金 | 遺族基礎年金 |
付加年金は老齢基礎年金と併給できます。そのため、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給されます。
④【H26年出題】 ×
「基礎年金」と「厚生年金」の支給事由が異なっていても、65歳以上の場合は、併給できる場合があります。
65歳以上の「老齢基礎年金」と「遺族厚生年金」
65歳以上の「障害基礎年金」と「老齢厚生年金」
65歳以上の「障害基礎年金」と「遺族厚生年金」
★65歳以上に限って併給できるパターン
遺族厚生年金
|
| 老齢厚生年金 |
| 遺族厚生年金 |
老齢基礎年金
| 障害基礎年金 | 障害基礎年金 |
65歳以上の老齢基礎年金の受給権者は、遺族厚生年金を併給することができます。老齢基礎年金を受給する場合は、付加年金も併給できます。
⑤【H30年出題】 〇
65歳以降は、「老齢基礎年金」と「遺族厚生年金」を併給することができます。
ただし、65歳前は併給できません。そのため、繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した場合は、65歳に達するまでは、繰上げ支給の老齢基礎年金と遺族厚生年金のどちらかを選択して受給することになります。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
65歳以上の場合、異なる支給事由による年金給付であっても併給される場合があり、例えば老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。一方で、障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は併給されることはない。
【解答】
【R5年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者が65歳に達した後、遺族厚生年金の受給権を取得した場合は、併給できます。
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R6-128
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
まず、過去問からどうぞ!
【R3年出題】
国民年金法による保険料の納付猶予制度及び学生納付特例制度は、令和12年6月までの時限措置である。
【解答】
【R3年出題】 ×
「学生納付特例制度」は、法第90条の3に規定されていて、時限的な措置ではなく恒久的な措置です。
一方、「保険料の納付猶予制度」は、平成16年法附則第19条、平成26年法附則第14条に規定されている「令和12年6月まで」の時限的な措置です。
なお、保険料の納付猶予制度は、50歳に達する日の属する月の前月までが対象です。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
国民年金法による保険料の納付猶予制度及び学生納付特例制度は、いずれも国民年金法本則に規定されている。
【解答】
【R5年出題】 ×
学生納付特例制度は、本則(第90条の3)に規定されています。
保険料の納付猶予制度は、本則ではなく、法附則(平成16年法附則第19条、平成26年法附則第14条)に規定されている時限措置です。「令和12年6月まで」にも注意しましょう。年度末の3月まではなく、6月までがポイントです。
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R6-127
今日は国民年金法です。
国庫負担と老齢基礎年金の額との関係をみていきます。
さっそく、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
保険料の全額免除期間については、保険料の全額免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料をその後追納しなくても老齢基礎年金の年金額に反映されるが、それは免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用について国庫が負担しているからであり、更に、平成15年4月1日以降、国庫負担割合が3分の1から2分の1へ引き上げられたことから年金額の反映割合も免除の種類に応じて異なっている。
【解答】
【R5年出題】 ×
・保険料納付済期間の月数は、老齢基礎年金の年金額には「1」で反映されますが、そのうち「2分の1」は国庫負担です。
保険料 |
国庫負担 |
・保険料全額免除期間は、老齢基礎年金の年金額には原則「2分の1」で反映されます。
免除 |
国庫負担 |
→ 問題文の、「保険料の全額免除期間については、保険料の全額免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料をその後追納しなくても老齢基礎年金の年金額に反映されるが、それは免除期間に係る老齢基礎年金の給付に要する費用について国庫が負担しているから」の部分です。
※ちなみに、学生納付特例・50歳未満の納付猶予期間には国庫負担がありませんので、年金額には反映しません。
なお、「国庫負担割合が3分の1から2分の1へ引き上げられた」のは、「平成21年4月1日」以降です。「平成15年4月1日以降」の部分が誤りです。
全額免除期間は、平成21年4月以降は、年金額には「2分の1」が反映しますが、平成21年3月までは「3分の1」が反映します。
(第27条、H16法附則第9条)
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R6-126
今日は国民年金法です。
保険料の額の改定についてみていきます。
★「令和元年度以後」の年度に属する月の保険料は、
「17,000円」に保険料改定率を乗じて得た額となります。
(その額に5円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げます。)
(第87条第3項)
★保険料改定率は、「前年度の保険料改定率」×「名目賃金変動率」で計算します。
なお、「名目賃金変動率」の内訳は、「物価変動率」×「実質賃金変動率」です。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
令和5年度の実際の国民年金保険料の月額は、平成29年度に引き上げが完了した上限である16,900円(平成16年度水準)に、国民年金法第87条第3項及び第5項の規定に基づき名目賃金の変動に応じて改定された。
【解答】
【R5年出題】 ×
令和5年度の実際の国民年金保険料の月額は、「令和元年度以後」の年度に属する月の月分の保険料として定められている「17,000円」に「保険料改定率」を乗じて得た額となります
保険料改定率は、「前年度の保険料改定率」×「名目賃金変動率」で計算します。
令和5年度の保険料改定率は、以下の計算式で計算します。
・前年度の保険料改定率 → 0.976
・物価変動率 → 0.998
・実質賃金変動率 → 0.998
保険料改定率は、0.976×名目賃金変動率(0.998×0.998)=0.972です。
令和5年度の保険料額は、17,000円×保険料改定率(0.972) ≒ 16,520円です。
★ 計算の基礎となる保険料の額は、平成16年改正によって導入された保険料水準固定・給付水準自動調整の仕組みにより、平成17年度から平成29年度まで毎年度280円ずつ引き上げられ、平成29年度以降は月額16,900円で固定されることになっていました。
しかし、産前産後期間の保険料免除制度の施行に伴って、令和元年度以降の計算の基礎となる保険料の額は100円引き上げられ、月額17,000円となっています。
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R6-125
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第36条の3第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から加算する額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止する。
第36条の4第1項 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の9月までの第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)については、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給の停止は、行わない。 |
「第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)」は、「受給権者の所得」による支給停止があります。
「20歳前傷病による障害基礎年金」には、所得による支給停止以外に、以下の事由による支給停止があります。
① 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。
② 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
③ 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。
④ 日本国内に住所を有しないとき。
通常の障害基礎年金にはない支給停止事由ですので、注意しましょう。
今日は「所得による支給停止」をみていきます。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】※改正による修正あり
20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権者及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
②【H30年出題】※改正による修正あり
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者に子はおらず、扶養親族等もいない場合、前年の所得が370万4千円を超え472万1千円以下であるときは2分の1相当額が、前年の所得が472万1千円を超えるときは全額が、その年の10月から翌年の9月まで支給停止される。なお、被災により支給停止とならない場合を考慮する必要はない。
③【H25年出題】
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金については、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額がその価格のおおむね3分の1以上である損害を受けた者がある場合は、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わない。
【解答】
①【H27年出題】 ×
所得は、「受給権者の前年の所得」で判断します。「所得は受給権者及び当該扶養親族の所得を合算して算出」の部分が誤りです。
(第36条の3第1項)
②【H30年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金の所得による支給停止のポイント
★前年の所得が370万4千円を超え472万1千円以下のとき(扶養親族等がいないとき)
→ 2分の1が支給停止される
★前年の所得が472万1千円を超えるとき(扶養親族等がいないとき)
→ 全額が支給停止される
★支給停止期間は「その年の10月から翌年の9月まで」
全額支給
|
|
全額支給停止 |
2分の1支給停止
|
(370万4千円) (472万1千円)
(令第5条の4)
③【H25年出題】 ×
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金については、震災、風水害、火災等の災害で、住宅、家財等の財産について被害金額がその価格のおおむね「2分の1」以上の損害を受けた場合は、所得を理由とする支給停止は行われません。
3分の1ではなく「2分の1」です。
(第36条の4第1項)
では、令和5年の問題をどうぞ!
①【R5年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は3分の1に相当する部分の支給が停止される。
②【R5年出題】
震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の9月までの20歳前傷病による障害基礎年金については、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給の停止は、行わない。
【解答】
①【R5年出題】 ×
「全部又は3分の1」ではなく、「全部又は2分の1」です。
(第36条の3第1項)
②【R5年出題】 〇
チェックポイントは、「2分の1以上」、その損害を受けた月から「翌年の9月まで」です。
(第36条の4第1項)
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R6-101
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
「受給権の保護」について条文を読んでみましょう。
第24条 (受給権の保護) 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。 |
★国民年金の給付を受ける権利は、保護されていて、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることはできません。
例外的に、老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利は、国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることができます。
次は、「公課の禁止」について条文を読んでみましょう。
第25条 (公課の禁止) 租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。 |
★国民年金の給付は、原則として課税されません。
例外的に、老齢基礎年金及び付加年金は課税対象となります。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
原則として、給付を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課することはできないが、老齢基礎年金及び付加年金には、公課を課することができる。
②【R3年選択式】
国民年金法第25条では、「租税その他の公課は、< A >として、課することができない。ただし、< B >については、この限りでない。」と規定している。
【解答】
①【H25年出題】 〇
老齢基礎年金及び付加年金は、課税対象となります。
②【R3年選択式】
A 給付として支給を受けた金銭を標準
B 老齢基礎年金及び付加年金
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
国民年金の給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、老齢基礎年金又は遺族基礎年金を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
【解答】
【R5年出題】 ×
国民年金の給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることはできません。
例外的に、「老齢基礎年金又は付加年金」を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押えることはできますが、「担保に供する」ことはできません。
また、遺族基礎年金については、例外なく、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることはできません。
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R6-093
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
厚生年金保険の被保険者は、原則として国民年金第2号被保険者です。
条文を読んでみましょう。
第7条第1項第2号 厚生年金保険の被保険者は国民年金の被保険者とする。(「第2号被保険者」という。) 法附則第3条 第7条第1項第2号の規定の適用については、当分の間、同号中「の被保険者」とあるのは、「の被保険者(65歳以上の者にあっては、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。)」とする。 |
厚生年金保険の被保険者は、国民年金第2号被保険者となります。
ただし、当分の間は、65歳以上の厚生年金保険の被保険者で、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有する者は、第2号被保険者にはなりません。
★65歳以上の厚生年金保険の被保険者でも、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有しない者は、第2号被保険者となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
20歳未満の厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となる。
②【R4年出題】
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失する。
③【R3年出題】
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者の収入によって生計を維持する55歳の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
厚生年金保険の被保険者は、原則として国民年金の第2号被保険者です。20歳未満でも厚生年金保険の被保険者であれば国民年金の第2号被保険者です。
第1号被保険者と第3号被保険者には「20歳以上60歳未満」という年齢枠がありますが、第2号被保険者には「20歳以上60歳未満」の年齢枠がないのがポイントです。
②【R4年出題】 〇
厚生年金保険の被保険者でも、65歳以上で老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給権を有する者は、第2号被保険者にはなりません。
そのため、厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者であったとしても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失します。
(法附則第4条)
③【R3年出題】 〇
「第3号被保険者」になるには、「第2号被保険者の配偶者」であることが条件です。
「老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者」は、厚生年金保険の被保険者であっても、国民年金の第2号被保険者ではありません。
問題文の55歳の配偶者は、第2号被保険者の配偶者ではありませんので、第3号被保険者になりません。
(法第7条第1項第3号)
では令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
62歳の特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、厚生年金保険の被保険者である場合、第2号被保険者にはならない。
【解答】
【R5年出題】 ×
老齢厚生年金の受給権者の厚生年金保険の被保険者でも、65歳未満の場合は、第2号被保険者になります。問題文は、「62歳」の特別支給の老齢厚生年金の受給権者ですので、第2号被保険者です。
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R6-087
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第52条の4 (死亡一時金の額) ① 死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次に定める額とする。
② 死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、8,500円を加算した額とする。 |
・死亡一時金の額は、「保険料納付済期間の月数」+「保険料4分の1免除期間の月数の4分の3」+「保険料半額免除期間の月数の2分の1」+「保険料4分の3免除期間の月数の4分の1」を合算した月数に応じて12万円から32万円まで6段階設定されています。
・付加保険料納付済期間が3年以上ある者の場合は、死亡一時金の額に8,500円が加算されます。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料全額免除期間等とを合算して 36月以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。
②【H29年出題】
死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上ある者の遺族に支給される死亡一時金の額には、8,500円が加算される。
③【R2年出題】
死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間が36か月であり、同期間について併せて付加保険料を納付している者の遺族に支給する死亡一時金の額は、120,000円に8,500円を加算した128,500円である。なお、当該死亡した者は上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。
④【H21年出題】
寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金額の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が付加保険料納付済期間を3年以上有していた場合には、当該額に8,500円を加算した額である。
【解答】
①【H24年出題】 ×
死亡一時金の支給要件と死亡一時金の額の計算には、「保険料全額免除期間」は入りません。
死亡一時金は保険料が掛け捨てになることを防ぐための給付です。そのため、一部免除の期間は計算に入りますが、全額免除の期間は計算に入りません。
(法第52条の2)
②【H29年出題】 〇
付加保険料納付済期間が3年以上ある者の遺族に支給される死亡一時金の額には、8,500円が加算されます。
③【R2年出題】 〇
保険料納付済期間が36月間で、併せて付加保険料を36月間(3年間)納付している者の遺族に支給する死亡一時金の額は、120,000円+8,500円で128,500円となります。
④【H21年出題】 ×
夫が付加保険料納付済期間を3年以上有していたとしても、寡婦年金の額には加算はありません。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
寡婦年金の額は、死亡した夫の老齢基礎年金の計算の例によって計算した額の4分の3に相当する額であるが、当該夫が3年以上の付加保険料納付済期間を有していた場合には、上記の額に8,500円を加算した額となる。
【解答】
【R5年出題】 ×
夫が3年以上の付加保険料納付済期間を有していた場合でも、寡婦年金の額には加算はありません。
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R6-080
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第87条の2第1項 第1号被保険者(法定免除、申請免除、学生納付特例、納付猶予の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、保険料一部免除の規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、国民年金の保険料のほか、400円の付加保険料を納付する者となることができる。
第43条 (付加年金の支給要件) 付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条 (付加年金の年金額) 付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
|
・付加保険料(月400円)を納付することができるのは、第1号被保険者のみです。なお、65歳未満の任意加入被保険者も付加保険料を納付できます。
・保険料の免除を受けている者は付加保険料を納付できません。
・国民年金基金の加入員も付加保険料を納付できません。
・付加年金は、付加保険料の保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、老齢基礎年金の上乗せで支給されます。
・付加年金の年金額は、「200円×付加保険料に係る保険料納付済期間の月数」です。
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
付加年金、寡婦年金及び死亡一時金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を対象とした給付で、第2号被保険者としての被保険者期間は対象とされない。
②【R4年出題】
第1号被保険者期間中に支払った付加保険料に係る納付済期間を60月有する者は、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときに、老齢基礎年金とは別に、年額で、400円に60月を乗じて得た額の付加年金が支給される。
【解答】
①【H19年出題】 ×
付加年金、寡婦年金、死亡一時金は、「第1号被保険者」としての被保険者期間を対象とした給付です。
第2号被保険者、第3号被保険者としての被保険者期間は対象になりません。
②【R4年出題】 ×
付加保険料に係る納付済期間を60月有する者が、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給される付加年金の額は、年額で、「200円」に60月を乗じて得た額です。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
付加年金は、第1号被保険者及び第3号被保険者としての被保険者期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されるが、第2号被保険者期間を有する者について、当該第2号被保険者期間は付加年金の対象とされない。
【解答】
【R5年出題】 ×
付加保険料の額は月400円で、付加年金の額は「200円」×付加保険料に係る納付済期間の月数で計算します。付加年金は、月400円の付加保険料を納付していることが前提です。
そのため、付加年金は、「付加保険料」の保険料納付済期間を有する者(=付加保険料を納付した者)が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、付加保険料の納付済期間の月数に応じて支給されます。
なお、第2号被保険者、第3号被保険者は付加保険料を納付することはできません。
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R6-074
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第52条の2第1項 (死亡一時金の支給要件) 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が 36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。
第52条の3(遺族の範囲及び順位等) ① 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、前条第3項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。 ② 死亡一時金(①ただし書に規定するものを除く。)を受けるべき者の順位は、①に規定する順序による。 ③ 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。 |
死亡一時金を受けることができる遺族の範囲は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で、その者の死亡の当時その者と「生計を同じくしていた」ものです。
また、受ける順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順です。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。
②【R1年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族が、死亡した者の祖父母と孫のみであったときは、当該死亡一時金を受ける順位は孫が優先する。なお、当該祖父母及び孫は当該死亡した者との生計同一要件を満たしているものとする。
【解答】
①【H28年出題】 ×
死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。これらの者以外の三親等内の親族は、死亡一時金の遺族になりません。
②【R1年出題】 〇
祖父母と孫では、死亡一時金を受ける順位は孫が優先します。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
死亡した甲の妹である乙は、甲の死亡当時甲と生計を同じくしていたが、甲によって生計を維持していなかった。この場合、乙は甲の死亡一時金の支給を受けることができる遺族とはならない。なお、甲には、乙以外に死亡一時金をうけることができる遺族はいないものとする。
【解答】
【R5年出題】 ×
死亡した甲の妹は、甲の死亡当時甲と生計を同じくしていた場合は、生計を維持していなくても死亡一時金の支給を受けることができます。
「生計維持」の要件には「収入要件」がありますが、「生計同一」には収入要件はありません。
死亡一時金の対象になる遺族は、「生計を同じくしていること」ですので、生計維持要件は問われません。
(参照:H23.3.23年発0323第1号)
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R6-067
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第89条第1項 被保険者(産前産後の保険料免除及び保険料一部免除の規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 1 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に同法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態(以下「障害状態」という。)に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 2 生活保護法による生活扶助を受けるとき。 3 厚生労働省令で定める施設(国立ハンセン病療養所など)に入所しているとき。 |
★法定免除から除外される被保険者
・産前産後免除の要件を満たしている場合は、法定免除の対象から除外されます。産前産後免除期間は保険料納付済期間に算入されるからです。
・4分の3免除、半額免除、4分の1免除を受けている間は、法定免除の対象から除外されます。
★法定免除が適用される期間
法定免除事由に該当するに至った日の属する月の前月
~
該当しなくなる日の属する月まで
・例えば、11月2日に法定免除の要件に該当した場合は、前月(10月)から免除されます。10月の保険料納期限は11月末で、まだ期限が到来していないからです。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者を除く。)が保険料の法定免除の要件に該当するに至ったときは、当該被保険者の世帯主又は配偶者の所得にかかわらず、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
②【R2年出題】
第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
法定免除事由に該当すれば、当然に保険料を納付する義務がなくなります。法定免除には所得要件はありません。
②【R2年出題】 〇
保険料の法定免除事由に該当した場合、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から当然に保険料が免除になります。ただし、「届出」が必要です。法定免除事由に該当した日から14日以内に届書を市町村に提出しなければなりません。なお、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、届出は要りません。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
学生納付特例による保険料納付猶予の適用を受けている第1号被保険者が、新たに保険料の法定免除の要件に該当した場合には、その該当するに至った日の属する月の前月から、これに該当しなくなる日の属する月までの期間、法定免除の対象となる。
【解答】
【R5年出題】 〇
学生納付特例の適用を受けている第1号被保険者が、法定免除の要件に該当した場合は、法定免除の対象になります。法定免除の期間は、その該当するに至った日の属する月の前月から、これに該当しなくなる日の属する月までです。
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R6-061
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
法第5条第2項~6項 ② 「保険料免除期間」とは、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を合算した期間をいう。 ③ 「保険料全額免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって法定免除、申請免除、学生納付特例、納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち、追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。 ④ 「保険料4分の3免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であってその4分の3の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の3の額以外の4分の1の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。 ⑤ 「保険料半額免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であってその半額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた半額以外の半額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。 ⑥ 「保険料4分の1免除期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間であってその4分の1の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の1の額以外の4分の3の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。 |
ポイント!
・保険料免除期間は、「第1号被保険者」のみに適用されます。
・保険料免除期間には、以下の期間があります。
保険料全額免除期間
保険料4分の3免除期間
保険料半額免除期間
保険料4分の1免除期間
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
国民年金法第5条第3項に規定される保険料全額免除期間には、学生納付特例の規定により保険料を納付することを要しないとされた期間(追納された保険料に係る期間を除く。)は含まれない。
②【R3年出題】
保険料の一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収された期間、例えば半額免除の規定が適用され免除されない残りの部分(半額)の額が納付又は徴収された期間は、保険料納付済期間ではなく保険料半額免除期間となる。
③【H24年出題】
保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。
④【H24年出題】
保険料全額免除を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
保険料全額免除期間には、学生納付特例の規定により保険料を納付することを要しないとされた期間(追納された保険料に係る期間を除く。)を含みます。
②【R3年出題】 〇
例えば半額免除については、保険料の半額は免除されますが、残りの部分(半額)は納付義務があります。残りの部分(半額)を納付すると、「保険料半額免除期間」となります。
保険料の一部免除については、免除されていない残りの部分が納付されることにより、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間となります。
③【H24年出題】 〇
保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間となります。
保険料納付済期間にはなりません。
④【H24年出題】 〇
保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間は、保険料を追納することができます。
追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなされ、「保険料納付済期間」となります。
問題文のように、保険料全額免除を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間となります。
(第94条)
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
保険料の一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料について、保険料4分の1免除の規定が適用されている者は、免除されないその残余の4分の3の部分(額)が納付又は徴収された場合、当該納付又は徴収された期間は、保険料納付済期間となる。
【解答】
【R5年出題】 ×
保険料4分の1免除の規定が適用され、免除されないその残余の4分の3の部分が納付又は徴収された場合は、その期間は、「保険料4分の1免除期間」となります。保険料納付済期間ではありません。
なお、免除された4分の1を追納により納付した場合は、保険料納付済期間となります。
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R6-056
過去問で解ける問題をみていきましょう。
今日は国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第94条第1項 (保険料の追納) 被保険者又は被保険者であった者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、法定免除、申請免除又は学生納付特例・納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料及び保険料4分の3免除、保険料半額免除、保険料4分の1免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部につき追納をすることができる。ただし、保険料4分の3免除、保険料半額免除、保険料4分の1免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されたときに限る。 |
★ポイントを確認しましょう。
・老齢基礎年金の受給権者は追納できません。
・承認を受けた月の前10年以内の期間内に限って追納することができます。
・「一部免除」の期間については、免除の部分以外が納付されていなければ、追納できません。例えば、半額免除の場合は、免除されていない残りの半額が納付されていることが条件です。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
保険料の免除を受けている第1号被保険者が障害基礎年金の受給権を有する場合でも、厚生労働大臣の承認を受け、免除を受けた期間の保険料(承認の日の属する月前 10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部を追納することができる。
②【H29年出題】
一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されていないときは、保険料の追納を行うことができない。
【解答】
①【H24年出題】 〇
障害基礎年金の受給権を有する者、遺族基礎年金の受給権を有する者でも、追納は可能です。障害基礎年金、遺族基礎年金は、支給停止や失権する可能性があるためです。
なお、老齢基礎年金の受給権者は追納できません。
②【H29年出題】 〇
例えば、4分の3免除は、残りの4分の1を納付することにより、保険料4分の3免除期間となります。4分の1を納付しない場合は、保険料4分の3免除期間には算入されません。
追納についても、一部免除の保険料については、その残余の額が納付されていないときは、追納はできません。
令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
保険料の全額免除の規定により、納付することを要しないとの厚生労働大臣の承認を受けたことのある老齢基礎年金の受給権者が、当該老齢基礎年金を請求していない場合、その承認を受けた日から10年以内の期間に係る保険料について追納することができる。
【解答】
【R5年出題】 ×
老齢基礎年金の受給権者は、保険料の追納はできません。
老齢基礎年金を請求していなくても、老齢基礎年金の受給権者は追納できません。
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R6-047
過去問で解ける問題をみていきます。
今日は、国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第49条第1項 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が 10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。 |
★死亡した夫の要件を確認しましょう。
・夫の第1号被保険者としての保険料納付済期間+保険料免除期間が10年以上あること
※学生納付特例・納付猶予の期間は年金額には反映しません
・夫が、老齢基礎年金又は障害基礎年金を受けたことがあるときは、寡婦年金は支給されません。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を5年と合算対象期間を5年有する夫が死亡した場合、所定の要件を満たす妻に寡婦年金が支給される。なお、当該夫は上記期間以外に第1号被保険者としての被保険者期間を有しないものとする。
②【H28年出題】
任意加入被保険者(特例による任意加入被保険者を除く。以下本問において同じ。)は、付加保険料の納付に係る規定の適用については第1号被保険者とみなされ、任意加入被保険者としての被保険者期間は、寡婦年金、死亡一時金及び脱退一時金に係る規定の適用については、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされる。
③【R2年出題】
夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合には、他の要件を満たしていても、その者の妻に寡婦年金は支給されない。
④【H28年出題】
寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、国民年金法第27条の老齢基礎年金の額の規定の例によって計算した額とされている。
⑤【H24年出題】
寡婦年金の額の算定には、死亡した夫が第2号被保険者としての被保険者期間を有していたとしても、当該期間は反映されない。
【解答】
①【R1年出題】 ×
死亡した夫は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年以上あることが条件です。ただし、その期間に、合算対象期間は算入できません。
問題文は、第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が5年あるだけですので、寡婦年金は支給されません。
②【H28年出題】 〇
★任意加入被保険者は付加保険料が納付できます。また、寡婦年金、死亡一時金及び脱退一時金については第1号被保険者としての被保険者期間とみなされます。
(法附則第5条第9項)
★なお、特例による任意加入被保険者は、付加保険料は納付できません。また、寡婦年金については、第1号被保険者としての被保険者期間とはみなされません。
死亡一時金、脱退一時金については、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされます。
(H16法附則第23条第9項)
③【R2年出題】 ×
年金の支給は、受給権を取得した月の翌月から始まります。
夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合は、その夫は、老齢基礎年金を「受けていません」。そのため、要件を満たした妻に寡婦年金が支給されます。
④【H28年出題】 ×
寡婦年金の額について条文を読んでみましょう。
第50条 寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、第27条の老齢基礎年金の額の規定例によって計算した額の4分の3に相当する額とする。 |
問題文は、「4分の3」が抜けているので誤りです。
なお、「第1号被保険者としての被保険者期間」だけで計算することがポイントです。
⑤【H24年出題】 〇
寡婦年金の額の算定には、「第1号被保険者」としての被保険者期間のみが反映します。第2号被保険者・第3号被保険者としての被保険者期間は反映されません。
(法第50条)
令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
国民年金第2号被保険者としての保険料納付済期間が15年であり、他の被保険者としての保険料納付済期間及び保険料免除期間を有しない夫が死亡した場合、当該夫の死亡当時生計を維持し、婚姻関係が15年以上継続した60歳の妻があった場合でも、寡婦年金は支給されない。なお、死亡した夫は、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがないものとする。
【解答】
【R5年出題】 〇
寡婦年金の支給要件は「第1号被保険者期間」のみで判断されます。第2号被保険者としての保険料納付済期間が15年のみの場合は、寡婦年金の支給要件を満たしません。
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R6-038
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
第30条の4 疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であった者が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。 |
20歳前に初診日がある場合(=国民年金加入前の傷病という意味です。)の障害基礎年金の受給権の発生日を確認しましょう。
★①★障害認定日が20歳前にある場合
初診日 | 障害認定日 |
| 20歳 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「20歳に達した日」に障害基礎年金の受給権が発生します
★②★障害認定日が20歳後にある場合
初診日 |
| 20歳 | 障害認定日 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「障害認定日」に障害基礎年金の受給権が発生します
では、過去問をどうぞ!
【H26年出題】
被保険者でなかった19歳の時に初めて医療機関で診察を受け、うつ病と診断され継続して治療している現在25歳の者は、20歳に達した日の障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、その日に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
【H26年出題】 ×
まず、「障害認定日」の定義を確認しましょう。
障害認定日は「初診日から起算して1年6か月を経過した日」ですが、「その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日」となるので、障害認定日が1年6か月より早くなる可能性もあります。
しかし、問題文は、25歳時点で「継続して治療中(治っていない)」です。そのため、「初診日から起算して1年6か月を経過した日」が障害認定日です。
初診日が19歳の時なので、障害認定日は、20歳に達した日後になります。
先ほどの図の②に該当します。
★②★障害認定日が20歳後にある場合
初診日 |
| 20歳 | 障害認定日 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「障害認定日」に障害基礎年金の受給権が発生します
受給権は、20歳に達した日ではなく、「障害認定日」に障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、「障害認定日」に発生します。
では、令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
被保険者ではなかった19歳のときに初診日のある傷病を継続して治療中の者が、その傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した当該傷病による障害認定日(20歳に達した日後とする。)において、当該傷病により障害等級2級以上に該当する程度の障害の状態にあるときには、その者に障害基礎年金を支給する。
【解答】
【R5年出題】 ○
初診日が19歳で継続して治療中ですので、障害認定日は、20歳に達した日後となります。障害認定日に障害等級2級以上に該当する程度の障害の状態にあるときには、障害認定日に受給権が発生します。
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R6-029
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、国民年金法です。
条文を読んでみましょう。
法附則第9条の2第5項 (老齢基礎年金の支給の繰上げ) 寡婦年金の受給権は、受給権者が繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したときは、消滅する。
法附則第9条の2の3 第30条第1項(第2号に限る。)、第30条の2、第30条の3、第30条の4第2項、第34条第4項、第36条第2項ただし書及び第49条並びに附則第5条(任意加入被保険者)の規定は、当分の間、繰上げ支給の老齢齢基礎年金の受給権者については、適用しない。 |
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
寡婦年金は、受給権者が繰上げ支給による老齢基礎年金の受給権を取得した場合でも支給される。
②【H23年出題】
繰上げ支給による老齢基礎年金を受けると、寡婦年金は支給停止される。
③【H19年出題】
国民年金の任意加入被保険者については、生年月日にかかわらず老齢基礎年金の支給繰上げ請求をすることはできず、また繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、任意加入被保険者になることができない。
【解答】
①【R4年出題】 ×
繰上げ支給による老齢基礎年金の受給権を取得した場合は、寡婦年金の受給権は消滅します。
②【H23年出題】 ×
繰上げ支給による老齢基礎年金を受けると、寡婦年金は「支給停止される」のではなく「受給権が消滅」します。
③【H19年出題】 ○
<国民年金の任意加入と老齢基礎年金の繰上げとの関係>
・国民年金の任意加入被保険者については、生年月日にかかわらず老齢基礎年金の支給繰上げ請求はできません。 (法附則第9条の2第1項)
・繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、任意加入被保険者になることができません。
令和5年の問題をどうぞ!
【R5年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げをした者には寡婦年金は支給されず、国民年金の任意加入被保険者になることもできない。
【解答 】
【R5年出題】 ○
老齢基礎年金の支給の繰上げをした場合は、寡婦年金の受給権は消滅しますので、寡婦年金は支給されません。
また、老齢基礎年金の支給繰上げをした場合は、国民年金の任意加入被保険者になることもできません。
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R6-019
「過去問」で解ける問題を解説していきます。
今日は、国民年金法です。
まず、過去問からどうぞ!
★今日の過去問は「厚生年金保険法」です。
①【H28年出題(厚生年金保険)】
平成19年4月1日以後に老齢厚生年金の受給権を取得した者の支給繰下げの申出は、必ずしも老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行うことを要しない。
②【H19年出題(厚生年金保険法)】
老齢厚生年金の支給繰下げの申出は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行わなければならない。
【解答】
①【H28年出題(厚生年金保険)】 〇
老齢厚生年金の支給繰下げの申出は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行わなくても構いません。別々に繰下げの申出をすることができます。
(厚生年金保険法第44条の3)
②【H19年出題(厚生年金保険法)】 ×
老齢厚生年金の支給繰下げの申出は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行う必要はありません。
では、令和5年の問題をどうぞ!
★国民年金法です。
【R5年出題】
老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有する者であって支給繰下げの申出をすることができるものが、老齢基礎年金の支給繰下げの申出を行う場合、老齢厚生年金の支給繰下げの申出と同時に行わなければならない。
【解答】
【R5年出題】 ×
老齢基礎年金の支給繰下げの申出と、老齢厚生年金の支給繰下げの申出は、同時に行う必要はありません。
(法第28条)
比較しましょう こちらの過去問もどうぞ!
【H26年出題】
老齢基礎年金の支給繰上げの請求は、老齢厚生年金の支給繰上げの請求ができるときは、老齢厚生年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければならない。
【解答】
【H26年出題】 〇
支給繰上げの請求は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行わなければなりません。
(附則第9条の2第2項)
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R6-008
令和5年度の選択式を振り返ります。
今日は国民年金法です。
AからCは、国民年金事業の円滑な実施を図るための措置からの問題です。
条文を読んでみましょう。
第74条第1項 政府は、国民年金事業の円滑な実施を図るため、国民年金に関し、次に掲げる事業を行うことができる。 (1) 教育及び広報を行うこと。 (2) 被保険者、受給権者その他の関係者(以下「被保険者等」という。)に対し、相談その他の援助を行うこと。 (3) 被保険者等に対し、被保険者等が行う手続に関する情報その他の被保険者等の利便の向上に資する情報を提供すること。 |
令和5年度は、A 教育及び広報、B 相談その他の援助、C 利便の向上が入ります。
なお、平成23年に同じ問題が出題されています。
【H23年選択式】
政府は、国民年金事業の円滑な実施を図るため、国民年金に関し、次に掲げる事業を行うことができる。
(1) <A 教育及び広報>を行うこと。
(2) 被保険者、受給権者その他の関係者(以下「被保険者等」という。)に対し、 <B 相談その他の援助>を行うこと。
(3) 被保険者等に対し、被保険者等が行う手続に関する<C 情報>その他の被保険者等の利便の向上に資する<C 情報>を提供すること。
★★選択式も過去問対策が大切です。
Dは、国民年金の給付からの問題です。
条文を読んでみましょう。
第2条 (国民年金の給付) 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。 |
Dは「必要な給付」が入ります。保険給付ではありませんので注意しましょう。
過去問を確認しましょう。
【H26年出題】
国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとされ、国民年金法に基づくすべての給付は保険原理により行われる。
【解答】 ×
必要な保険給付ではなく、「必要な給付」です。
保険原理とは、負担した保険料に応じた保険給付が行われるというものです。国民年金法の給付には、例えば、保険料の負担が求められない20歳前の障害基礎年金など、保険原理によらないものもあります。
そのため、国民年金は「保険給付」ではなく、「必要な給付」とされています。
なお、厚生年金保険法は、「保険給付」となります。
Eは被保険者の要件の問題です。
第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の共通点は、「国籍要件」が問われない点です。
Eには、国籍が入ります。
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R5-352
国民年金の「死亡一時金」と厚生年金保険法の「障害手当金」は年金ではなく一時金で支給されます。
それぞれの時効を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
【国民年金法】 第102条第1項、第4項 ① 年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき、当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利は、当該日の属する月の翌月以後に到来する当該年金給付の支給に係る支払期月の翌月の初日から5年を経過したときは、時効によって、消滅する。 ④ 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。 |
時効のポイント!
・年金給付を受ける権利 → 5年
・死亡一時金を受ける権利 → 2年
・保険料等を徴収・還付を受ける権利 → 2年
【厚生年金保険法】 第92条第1項 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したとき、保険給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき、当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利は、当該日の属する月の翌月以後に到来する当該保険給付の支給に係る支払期月の翌月の初日から5年を経過したとき、保険給付の返還を受ける権利は、これを行使することができる時から5年を経過したときは、時効によって、消滅する。 |
時効のポイント!
・保険給付を受ける権利 → 5年
・保険料等を徴収・還付を受ける権利 → 2年
では、過去問をどうぞ!
①国民年金法【H27年出題】※改正による修正あり
年金給付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。
②厚生年金保険法【H29年出題】※改正による修正あり
障害手当金の給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
【解答】
①国民年金法【H27年出題】 ×
年金給付を受ける権利→その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき
死亡一時金を受ける権利→これを行使することができる時から2年を経過したとき
に、時効によって消滅します。
「年金給付(5年)」と「死亡一時金(2年)」の時効の違いに注意してください。
②厚生年金保険法【H29年出題】 ×
保険給付を受ける権利→その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき
に時効によって消滅します。
「保険給付」には年金だけでなく一時金(障害手当金)も含まれます。
障害手当金を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅します。
ポイント!
同じ「一時金」でも、国民年金の「死亡一時金」の時効は2年、厚生年金保険の「障害手当金」の時効は5年です。
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R5-348
国民年金の保険料の納付義務について、条文を読んでみましょう。
第87条第1項、第2項 (保険料) ① 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。 ② 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。
第94条の6 第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間については、政府は、保険料を徴収せず、被保険者は、保険料を納付することを要しない。 |
第1号被保険者は、国民年金の保険料を納付する義務があります。
第2号被保険者、第3号被保険者は、国民年金の保険料を納付する義務はありません。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
政府は、第1号被保険者と任意加入被保険者から国民年金の保険料を徴収するが、第2号被保険者及び第3号被保険者から国民年金の保険料を徴収していない。
②【H30年出題】
被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。
【解答】
①【H24年出題】 〇
第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金の保険料は負担しません。
第2号被保険者は、厚生年金保険に保険料を納付しています。その保険料の一部が基礎年金拠出金となっています。
基礎年金拠出金は、第2号被保険者と第3号被保険者の基礎年金の給付に要する費用に充てられます。
②【H30年出題】 ×
「第2号被保険者」と「第3号被保険者」としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しません。
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R5-348
国民年金の保険料の納付義務について、条文を読んでみましょう。
第87条第1項、第2項 (保険料) ① 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。 ② 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。
第94条の6 第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間については、政府は、保険料を徴収せず、被保険者は、保険料を納付することを要しない。 |
第1号被保険者は、国民年金の保険料を納付する義務があります。
第2号被保険者、第3号被保険者は、国民年金の保険料を納付する義務はありません。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
政府は、第1号被保険者と任意加入被保険者から国民年金の保険料を徴収するが、第2号被保険者及び第3号被保険者から国民年金の保険料を徴収していない。
②【H30年出題】
被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。
【解答】
①【H24年出題】 〇
第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金の保険料は負担しません。
第2号被保険者は、厚生年金保険に保険料を納付しています。その保険料の一部が基礎年金拠出金となっています。
基礎年金拠出金は、第2号被保険者と第3号被保険者の基礎年金の給付に要する費用に充てられます。
②【H30年出題】 ×
「第2号被保険者」と「第3号被保険者」としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しません。
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R5-347
法定免除の期間については、申出により保険料を納付することもできます。
条文を読んでみましょう。
第89条 ① 被保険者(産前産後の免除及び保険料の一部免除の規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 1 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態(以下「障害状態」という。)に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 2 生活保護法による生活扶助を受けるとき。 3 前3号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。 厚生労働省令で定める施設→国立ハンセン病療養所等、国立保養所、厚生労働大臣が指定するもの ② 法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、法定免除の規定は適用しない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料については、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。
②【R2年出題】
障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。
③【H29年出題】
国民年金法第89条第2項に規定する、法定免除の期間の各月につき保険料を納付する旨の申出は、障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除とされている者又は生活保護法による生活扶助を受けていることにより法定免除とされている者のいずれであっても行うことができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
法定免除の要件に該当していても、被保険者又は被保険者であった者から保険料を納付する旨の申出があったときは、申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができます。
②【R2年出題】 〇
障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、保険料を納付する旨の申出により、申出のあった期間に係る保険料を納付することができます。
③【H29年出題】 〇
法定免除の期間の各月につき保険料を納付する旨の申出は、「障害基礎年金の受給権者」も「生活保護法による生活扶助を受けていることにより法定免除とされている者」のどちらも行うことができます。
★保険料を納付する申出ができる理由
法定免除を受けている期間は、老齢基礎年金の額の計算上は、2分の1となります。
法定免除に該当していても、将来の老齢基礎年金を増額するために、保険料納付の申出をすることができます。
障害基礎年金の受給権者でも、障害の程度が軽くなり障害基礎年金が支給停止になり、老齢基礎年金を選択する可能性があります。
また、法定免除を受けていた期間は、追納することもできますが、追納は10年以内でないとできませんし、当時の保険料額に加算が行われることもあるためです。
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R5-319
年金の受給権者が死亡した場合の未支給年金をみていきましょう。
まず、年金の支給期間と支払期月を見ていきましょう。
第18条 (年金の支給期間及び支払期月) ① 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。 ② 年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。 ③ 年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。 |
★年金は、年6回に分けて偶数月に支給されます。
年金は「後払い」です。例えば、8月に支給されるのは、6月分と7月分です。
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
老齢基礎年金の支給を受けている者が平成29年2月27日に死亡した場合、未支給年金請求者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年1月分と2月分の年金を未支給年金として請求することができる。なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。
【解答】
【H29年出題】 ×
年金は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月」から「権利が消滅した日の属する月」まで月単位で支給されます。
受給権者が死亡した場合は、「死亡日の属する月」まで支給されます。
平成29年2月27日に死亡した場合は、老齢基礎年金は「2月分」まで支給されます。
平成29年2月に、12月分と1月分が支給されていますので、未支給年金請求者が請求できるのは、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない「2月分」となります。
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R5-318
遺族基礎年金は、死亡した被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子に支給されます。
配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者に生計を維持していたことが条件です。
遺族基礎年金は、配偶者に支給されるパターンと、子に支給されるパターンがありますが、今日は配偶者に支給されるパターンをみていきます。
では、配偶者の条件を条文で読んでみましょう。
(遺族の範囲) 第37条の2 ① 遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。 1 配偶者については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次号に掲げる要件に該当する子と生計を同じくすること。 2 子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。 ② 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなす。 |
★配偶者は、「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持されていた子と生計を同じくすること」が条件です。
配偶者は子と生計を同じくすることが条件ですので、配偶者に支給する遺族基礎年金には、必ず子の数に応じた加算が行われるのがポイントです。
配偶者に対する遺族基礎年金について、条文を読んでみましょう。
第39条第1項、2項 ① 配偶者に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)に配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時第37条の2第1項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。 ② 配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時第37条の2第1項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子とみなし、その生まれた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額を改定する。
|
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、当該受給権の発生日は当該夫の死亡当時に遡ることとなり、当該遺族基礎年金は当該子が出生するまでの期間、支給停止され、当該子の出生により将来に向かって支給停止が解除される。なお、当該子以外に子はいないものとする。
②【R3年出題】
配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時遺族基礎年金の遺族の範囲に該当し、かつ、死亡した被保険者又は被保険者であった者と生計を同じくした子とみなされるため、遺族基礎年金の額は被保険者又は被保険者であった者の死亡した日の属する月の翌月までさかのぼって改定される。
③【H29年出題】
配偶者に支給する遺族基礎年金は、当該配偶者が死亡当時被保険者によって生計を維持されていなかった10歳の子と養子縁組をしたときは、当該子を養子とした日の属する月の翌月から年金額が改定される。
【解答】
①【H30年出題】 ×
夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生するのは、「子が生まれたとき」です。
受給権の発生日は夫の死亡当時には遡りません。
②【R3年出題】 ×
配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、遺族基礎年金の加算の対象になります。
胎児であった子が生まれたときは、「将来に向かって」、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなすとされていますので、遺族基礎年金の額は、「その生まれた日の属する月の翌月から」改定されます。
③【H29年出題】 ×
「死亡当時被保険者によって生計を維持されていなかった子」は遺族基礎年金の対象になりません。問題文のように養子縁組をしても、年金額が改定されません。
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R5-317
今日は、死亡一時金と寡婦年金の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第52条の6 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
死亡一時金と寡婦年金は、併給できません。
本人の「選択」で、どちらか一方を受けることになります。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
②【R3年出題】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
①【H24年出題】 ×
寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした場合は、妻本人の選択によって、死亡一時金と寡婦年金のどちらかが支給されます。死亡一時金を選択した場合は寡婦年金は支給されない、寡婦年金を選択した場合は死亡一時金は支給されない、となります。
②【R3年出題】 〇
・一人一年金の原則
複数の年金の受給権が発生した場合は、原則として、選択した一の年金を受けることになります。
遺族厚生年金と寡婦年金の受給権が発生した場合は、どちらかを選択します。
・死亡一時金と寡婦年金
死亡一時金と寡婦年金は、どちらかを選択します。
問題文のように、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されません。一人一年金の原則により遺族厚生年金は支給停止となります。
また、遺族厚生年金と死亡一時金は支給調整されませんので、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金が支給されます。
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R5-316
今日は、申請免除と初診日の関係をみていきます。
まず、「申請免除」で、保険料が免除される期間を確認しましょう。
<申請免除の対象となる厚生労働大臣が指定する期間> 申請のあった日の属する月の2年2か月前(納期限から2年を経過した期間を除く。)の月から当該申請のあった日の属する年の翌年6月(申請のあった日の属する月が1月から6月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の6月)までの期間のうち必要と認める期間 |
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
20歳に到達した日から第1号被保険者である者が、資格取得時より保険料を滞納していたが、22歳の誕生月に国民年金保険料の全額免除の申請を行い、その承認を受け、第1号被保険者の資格取得月から当該申請日の属する年の翌年6月までの期間が保険料全額免除期間となった。当該被保険者は21歳6か月のときが初診日となるけがをし、その後障害認定日において当該けがが障害等級2級に該当していた場合、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
【H28年出題】 ×
障害基礎年金の受給権は発生しません。
・保険料免除期間に算入されるのは「申請のあった日以後」です。過去に遡って、未納が保険料免除期間になるわけではありません。
・保険料納付要件は「初診日の前日」でみます。
初診日の前日の時点では、20歳からの期間がすべて滞納期間です。
・保険料納付要件を満たしていませんので、障害基礎年金の受給権は発生しません。
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R5-315
障害基礎年金の受給権の発生要件をみていきましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
第30条(支給要件) 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 1 被保険者であること。 2 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 |
★障害基礎年金の受給権の発生要件は
①初診日
②障害認定日
③保険料納付要件
の3つです。
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
平成2年4月8日生まれの者が、20歳に達した平成22年4月から大学を卒業する平成25年3月まで学生納付特例の適用を受けていた。その者は、卒業後就職せず第1号被保険者のままでいたが、国民年金の保険料を滞納していた。その後この者が24歳の誕生日を初診日とする疾病にかかり、その障害認定日において障害等級2級の状態になった場合、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
【H28年出題】 〇
受給権の発生要件を確認しましょう。
①初診日要件について
初診日に、国民年金第1号被保険者です。
初診日に「被保険者であること。」の要件を満たしています。
②保険料納付要件について
初診日は、平成26年4月8日です。
20歳に達した月(平成22年4月)から初診日の属する月の前々月(平成26年2月)までの納付状況をみることになります。
47か月のうち、平成22年4月から平成25年3月までの36か月が学生納付特例期間、平成25年4月から平成26年2月までの11か月が滞納期間です。
47カ月のうち、3分の2以上が保険料免除期間(学生納付特例期間)ですので、保険料納付要件を満たします。
③障害認定日について
障害認定日において障害等級2級の状態になった場合は、障害認定日に受給権が発生します。
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R5-303
引き続き、20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止をみていきます。
初診日が国民年金に加入する前の障害に対する年金で、保険料を負担していないことが特徴です。そのため、通常の障害基礎年金とは違う支給停止事由が設定されています。
条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第2号及び第3号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4日本国内に住所を有しないとき。 |
今日は、4日本国内に住所を有しないときをみていきます。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは支給停止される。
②【R4年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。
③【H28年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が日本国籍を有しなくなったときは、その支給が停止される。
【解答】
①【H25年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは支給が停止されます。
②【R4年出題】 ×
受給権者が日本国内に住所を有しないときに支給が停止されるのは、20歳前傷病による障害基礎年金です。
しかし、通常の障害基礎年金(事後重症による障害基礎年金も)は、日本国内に住所を有しないときでも、支給停止されません。
③【H28年出題】 ×
20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止事由に、「日本国籍を有しなくなったとき」はありません。
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R5-302
引き続き、20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止をみていきます。
初診日が国民年金に加入する前の障害に対する年金で、保険料を負担していないことが特徴です。そのため、通常の障害基礎年金とは違う支給停止事由が設定されています。
条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項、2項 ① 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第2号及び第3号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4 日本国内に住所を有しないとき。 ② 1に規定する給付が、その全額につき支給を停止されているときは、同項の規定を適用しない。ただし、その支給の停止が前条第1項(労働基準法の規定による障害補償)又は第41条第1項に規定する給付(労働基準法の規定による遺族補償)が行われることによるものであるときは、この限りでない。 |
今日は、1をみていきます。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金を受給中である者が、労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、当該20歳前傷病による障害基礎年金は支給を停止する。
②【H25年出題】
労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。
③【H20年出題】
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるときは、支給が停止されます。
②【H25年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるときは、支給が停止されます。
ただし、「労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付が、その全額につき支給を停止されているときは、同項の規定を適用しない。」となっていますので、労働者災害補償保険法による年金たる給付の全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されません。
③【H20年出題】 〇
労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときに支給が停止されるのは、20歳前の障害に基づく障害基礎年金です。
通常の障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されません。
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R5-301
前回は、20歳前傷病による障害基礎年金の「所得による支給停止」をみました。
今日は、刑事施設等に拘禁されているときの支給停止をみていきます。
では、条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(2及び3に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4 日本国内に住所を有しないとき。 |
今日は、2と3をみていきます。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が少年法第24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は売春防止法第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合は、その該当する期間、その支給を停止する。
②【H28年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が刑事施設等に拘禁されている場合であっても、未決勾留中の者については、その支給は停止されない。
【解答】
①【H30年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が「少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき」は支給停止されますが、厚生労働省令で定める場合に限られています。
厚生労働省令では、「少年法24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は売春防止法第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合」と規定されています。
(則第34条の4)
②【H28年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が「刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき」は支給停止されていますが、こちらも厚生労働省令で定める場合に限られています。
刑事施設等に拘禁されている場合であっても、有罪が確定するまでは、その支給は停止されません。
(則第34条の4)
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R5-300
20歳前傷病による障害基礎年金は、国民年金加入前に初診日があるため、保険料を拠出せずに支給される年金です。
そのため、通常の障害基礎年金と異なる理由で支給停止が行われます。
今日は、「所得」による支給停止をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第36条の3第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から加算する額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止する。
第36条の4第1項 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の9月までの第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)については、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給の停止は、行わない。 |
★扶養親族等がいない場合は、前年の所得が370万4千円を超え472万1千円以下の場合は2分の1が支給停止、472万1千円を超える場合は全額停止となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H20年出題】※改正による修正あり
いわゆる20歳前の障害に基づく障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、原則として、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給が停止される。
②【H25年出題】※問題文修正あり
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者本人の前年の所得が政令で定められた金額を超えるときは、その年の10月から翌年9月までの間、年金額の全部、又は、年金額の4分の3、2分の1若しくは4分の1に相当する部分の支給が停止される。
③【H27年出題】※問題文修正あり
20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権者及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
④【H25年出題】※問題文修正あり
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金については、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令に定めるその他の財産につき被害金額がその価格のおおむね3分の1以上である損害を受けた者がある場合は、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わない。
【解答】
①【H20年出題】※改正による修正あり 〇
前年の所得に基づいて支給停止される期間は、その年の10月から翌年の9月までです。
②【H25年出題】※問題文修正あり ×
支給停止されるのは、年金額の全部又は2分の1(子の加算額が加算されている場合は、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)です。
③【H27年出題】※問題文修正あり ×
所得は「受給権者」のみの所得です。扶養親族の所得を合算しません。
④【H25年出題】※問題文修正あり ×
被害金額がその価格のおおむね「2分の1以上」である損害を受けた者がある場合です。
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R5-283
老齢基礎年金の満額は780,900円×改定率です。
保険料納付済期間の月数が480の場合は満額支給されますが、480未満の場合は、その分、年金額が減額されます。
保険料納付済期間の月数は1で計算しますが、免除期間は以下のように計算します。
保険料4分の1免除期間 → 8分の7
保険料半額免除期間 → 4分の3
保険料4分の3免除期間 → 8分の5
保険料全額免除期間 → 2分の1
この割合は、国庫負担との関係で決まります。
1 |
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8分の7 |
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2分の1 |
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| 国庫負担 | 保険料 |
※ 保険料納付済期間の月数は1で計算しますが、2分の1は国庫負担です。
※ 保険料全額免除期間については保険料はゼロですが、特別国庫負担が入り、老齢基礎年金の額には2分の1が反映します。ちなみに、学生納付特例、納付猶予期間には国庫負担が入りませんので、老齢基礎年金の額の計算ではゼロになります。
※ 国庫負担は平成21年3月までは3分の1でした。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】 ※問題文を修正しています
国民年金の被保険者期間に係る保険料納付状況が以下のとおりである者(昭和25年4月2日生まれ)が、65歳から老齢基礎年金を受給する場合の年金額の計算式として、正しいものはどれか。
【国民年金の被保険者期間に係る保険料納付状況】
・昭和45年4月~平成12年3月(360月)・・・保険料納付済期間
・平成12年4月~平成22年3月(120月)・・・保険料全額免除期間(追納していない)
(A)780,900円×改定率×(360月+120月×1/2)÷480月
(B)780,900円×改定率×(360月+120月×1/3)÷480月
(C)780,900円×改定率×(360月+108月×1/2+12月×1/3)÷480月
(D)780,900円×改定率×(360月+108月×1/3+12月×2/3)÷480月
(E)780,900円×改定率×(360月+108月×1/3+12月×1/2)÷480月
【解答】
(E)780,900円×改定率×(360月+108月×1/3+12月×1/2)÷480月
全額免除期間の計算は、国庫負担の割合で変わります。国庫負担は平成21年3月までは3分の1でした。
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| 国庫負担 |
H12年4月~H21年3月 | 108か月 | 3分の1 |
H21年4月~H22年3月 | 12か月 | 2分の1 |
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R5-282
国民年金の任意加入被保険者は、第1号被保険者と同様に、国民年金保険料を負担します。
ただし、任意加入被保険者については、保険料を滞納した場合、被保険者資格を喪失することがあるのがポイントです。
まず、任意加入被保険者を確認しましょう。次の3種類です。(法附則第5条)
①日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)
②日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)
③日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの
任意加入被保険者が保険料を滞納した場合の扱いについて、条文を読んでみましょう。
附則第5条第6項第4号 上記①、②の被保険者は、次に該当するに至った日の翌日に、被保険者の資格を喪失する。 ・ 保険料を滞納し、督促状の指定の期限までに、その保険料を納付しないとき。
附則第6条第8項第4号 上記③の被保険者は、次に該当するに至った日の翌日に、被保険者の資格を喪失する。 ・ 保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したとき。 |
①、②の被保険者は「日本国内に住所を有する」、③の被保険者は「日本国内に住所を有しない」がポイントです。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者が保険料を滞納した場合であって、督促状で指定した期限までに保険料を納付しないときは、その日の翌日に被保険者の資格を喪失する。
②【H29年出題】
日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者が保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したときは、その翌日に任意加入被保険者の資格を喪失する。
③【H22年出題】
日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の在外邦人で任意加入している者が保険料を滞納したとき、保険料を納付することなく2年が経過した日に被保険者資格を喪失する。
④【H27年出題】
海外に居住する20歳以上65歳未満の日本国籍を有する任意加入被保険者は、保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく1年間が経過した日の翌日に、被保険者資格を喪失する。
【解答】
①【H21年出題】 〇
「日本国内に住所を有する」任意加入被保険者が保険料を滞納した場合の資格喪失日は、「督促状で指定した期限の日の翌日」です。
②【H29年出題】 ×
「日本国内に住所を有する」任意加入被保険者が保険料を滞納し、督促状で指定した期限までに保険料を納付しないときは、「その指定した期限の日の翌日」に被保険者の資格を喪失します。
特例による任意加入被保険者も同じ扱いです。
③【H22年出題】 ×
「日本国内に住所を有しない」任意加入被保険者が保険料を滞納したときは、その後、保険料を納付することなく2年間が経過した日の「翌日」に、被保険者資格を喪失します。
日本国内に住所を有しない場合は、保険料の徴収の時効が過ぎると、任意加入被保険者資格を喪失します。
④【H27年出題】 ×
海外に居住する任意加入被保険者は、保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく「2年間が経過した日の翌日」に、被保険者資格を喪失します。
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R5-271
「繰上げ支給」の受給権の発生について、ご質問がありました。
今回のテーマは、繰上げ支給の条文の読み方です。
老齢基礎年金の受給権は、要件を満たせば65歳に達した日に発生します。
しかし、請求することにより、60歳から65歳になるまでの間に、繰り上げて受給することもできます。
条文を読んでみましょう。
附則第9条の2第1項~4項 (老齢基礎年金の支給の繰上げ) ① 保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者であって、60歳以上65歳未満であるもの(任意加入被保険者でないものに限る。)は、当分の間、65歳に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができる。ただし、その者が、その請求があった日の前日において、第26条ただし書に該当したときは、この限りでない。 ② 繰上げの請求は、老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる者にあっては、当該請求と同時に行わなければならない。 ③ 繰上げの請求があったときは、第26条の規定にかかわらず、その請求があった日から、その者に老齢基礎年金を支給する。 ④ 繰上げにより支給する老齢基礎年金の額は、第27条の規定にかかわらず、同条に定める額から政令で定める額を減じた額とする。 |
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権は請求することによって発生します。
★「③ 繰上げの請求があったときは、第26条の規定にかかわらず、その請求があった日から、その者に老齢基礎年金を支給する。」について
・第26条では、老齢基礎年金は、「65歳に達したとき」に支給する、と規定されています。繰上げ請求をした場合は、第26条の規定にかかわらず、「請求があった日」に老齢基礎年金の受給権が発生するという意味です。
こちらの条文も読んでみましょう。
第18条第1項 (年金の支給期間) 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。 |
・年金の支給については、第18条第1項で、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から」始める、とありますので、繰上げ支給の老齢基礎年金の支給は、請求があった日の属する月の翌月から始まります。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
繰上げ支給の受給権は、繰上げ請求のあった日の翌日に発生し、受給権発生日の属する月の翌月から支給される。
②【H29年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金は、60歳以上65歳未満の者が65歳に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしたときに、その請求があった日の属する月の分から支給する。
【解答】
①【H23年出題】 ×
繰上げ支給の受給権は、繰上げ請求のあった日の「翌日」ではなく、「繰上げ請求のあった日」に発生します。
年金の支給は、「受給権発生日(繰上げ請求のあった日)の属する月の翌月」からです。
②【H29年出題】 ×
繰上げ支給の老齢基礎年金の支給は、その請求があった日の属する月の「翌月」分からです。
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R5-259
障害基礎年金などの支給を受けることができるときは、その間、振替加算は支給停止されます。
条文を読んでみましょう。
S60年法附則第16条第1項 振替加算額が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間、振替加算額に相当する部分の支給を停止する。 |
★ 「障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの」は、障害基礎年金、障害厚生年金などで、その全額につき支給を停止されている給付は除かれます。
(S61年経過措置政令第28条)
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。
②【H21年出題】
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有するときに、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合においても、振替加算に相当する部分の支給は停止される。
③【R1年出題】
障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで、第2号被保険者期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。
【解答】
①【H30年出題】 〇
障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算額の支給は停止されます。
②【H21年出題】 ×
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が、障害基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算額の支給は停止されます。
しかし、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合は、振替加算の支給は停止されません。
③【R1年出題】 〇
障害基礎年金を受給している間は、振替加算の支給は停止されます。
しかし、障害基礎年金の全額が支給停止されている場合は、振替加算の支給は停止されません。
問題文のように、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、障害基礎年金は全額支給停止となりますので、老齢基礎年金と振替加算が支給されます。
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R5-258
合算対象期間、学生納付特例期間は老齢基礎年金の額には反映しません。
例えば、20歳から60歳まですべて合算対象期間の場合は、老齢基礎年金の支給期間は満たしているものの、年金額はゼロです。しかし、振替加算の要件に該当する場合は、「振替加算に相当する額の老齢基礎年金」が支給されます。
条文を読んでみましょう。
(S60年法附則第15条第1項) 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65歳に達した日において、保険料納付済期間及び保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有さず、かつ、次の各号のいずれかに該当するものが、同日において加給年金額が加算される老齢厚生年金又は障害厚生年金の受給権者である配偶者によって生計を維持していたとき(当該65歳に達した日の前日において当該配偶者がその受給権を有する年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていた場合に限る。)は、老齢基礎年金の支給要件に該当するものとみなして、その者に老齢基礎年金を支給する。ただし、その者が前条第1項ただし書に該当するときは、この限りでない。 1. 合算対象期間と保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものに限る。)とを合算した期間が、10年以上であること。 2. 附則第12条第1項第2号から第7号まで及び第18号から第20号までのいずれかに該当すること。 |
「振替加算に相当する額の老齢基礎年金」が支給される要件のポイント!
・「保険料納付済期間」及び「保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く)」を有しない。
・「合算対象期間」と「保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものに限る。)」とを合算した期間が、10年以上あること
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
日本国籍を有する甲(昭和27年4月2日生まれの女性)は、20歳から60歳まで海外に居住し、その期間はすべて合算対象期間であった。また、60歳以降も国民年金に加入していなかった。その後、甲が61歳の時に、厚生年金保険の被保険者期間の月数を240か月以上有する乙(昭和24年4月2日生まれの男性)と婚姻し、65歳まで継続して乙に生計を維持され、乙の老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっていた場合、甲が65歳になると老齢基礎年金の受給要件に該当するものとみなされ、振替加算額に相当する額の老齢基礎年金が支給される。
【解答】
【H27年出題】 〇
甲は、40年間全て合算対象期間ですので老齢基礎年金の額はゼロです。
しかし振替加算の支給要件には該当しますので、老齢基礎年金の受給要件に該当するものとみなされ、振替加算額に相当する額のみの老齢基礎年金が支給されます。
★注意しましょう★
例えば、20歳から60歳までの間に、保険料納付済期間を1か月有し、他は全て合算対象期間の人が、老齢基礎年金の受給権を有した場合は、480分の1で計算された老齢基礎年金が支給されます。
そのような人が、振替加算の支給要件に該当している場合は、480分の1の老齢基礎年金と振替加算が支給されます。
振替加算額に相当する額のみの老齢基礎年金が支給されるのは、老齢基礎年金の額に反映しない合算対象期間と学生納付特例の期間のみを有する人です。
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R5-257
老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金、退職共済年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるもの又は中高齢の期間短縮特例を満たしているものに限る。)を受けることができる場合は、振替加算は加算されません。
(国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第25条)
さっそく、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されない。
②【R3年出題】
41歳から60歳までの19年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有している70歳の妻(昭和26年3月2日生まれ)は、老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給中である。妻には、22歳から65歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有している夫(昭和31年4月2日生まれ)がいる。当該夫が65歳になり、老齢厚生年金の受給権が発生した時点において、妻の年間収入が850万円未満であり、かつ、夫と生計を同じくしていた場合は、当該妻に振替加算が行われる。
【解答】
①【H30年出題】 〇
老齢基礎年金の受給権者が、厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上で計算される老齢厚生年金又は中高齢の期間短縮特例を満たした老齢厚生年金を受けることができるときは、老齢基礎年金に振替加算は加算されません。
★老齢厚生年金を受けていても、被保険者期間の月数が240月未満の場合又は中高齢の期間短縮特例を満たしていない場合は、振替加算が加算されます。
(国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第25条)
②【R3年出題】 ×
昭和26年3月2日生まれの女性の場合、35歳以降の厚生年金保険の被保険者期間が19年あれば、中高齢の期間短縮特例を満たします。
問題文の妻は、41歳から60歳までの19年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有し、中高齢の期間短縮特例に該当しますので振替加算は行われません。
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R5-256
振替加算を受けるための手続をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
則第17条の3 老齢基礎年金の受給権者は、昭和60年改正法附則第14条第2項又は第18条第3項の規定に該当するに至ったときは、一定の事項を記載した届書に一定の書類を添えて、速やかに、これを機構に提出しなければならない。 |
「昭和60年改正法附則第14条第2項」では、老齢基礎年金の受給権者が65歳に達した後に、配偶者が厚生年金保険の被保険者期間が240月(中高齢の期間短縮特例の場合も含みます)を満たした老齢厚生年金を受けられるようになった場合は、老齢基礎年金に振替加算が加算されると規定されています。
夫
65歳 退職時改定
(240月未満) (240月)
|
|
老齢厚生年金 | |
老齢基礎年金 |
妻(老齢基礎年金の受給権者)
65歳
| 振替加算 |
老齢基礎年金 |
このような場合は、振替加算の支給を受けるために、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出しなければなりません。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
在職老齢年金を受給していた67歳の夫(昭和23年4月2日生まれ)が、厚生年金保険法第43条第3項に規定する退職時の年金額の改定により初めて老齢厚生年金の加給年金額が加算される被保険者期間の要件を満たした場合、夫により生計を維持されている老齢基礎年金のみを受給している66歳の妻(昭和24年4月2日生まれ)は、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出することにより、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】
【H27年出題】 〇
妻が65歳に達した後に、夫が退職時改定により、加給年金額が加算される被保険者期間の要件を満たしたことがポイントです。
この場合、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出することによって、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
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R5-255
老齢基礎年金は要件を満たせば、65歳に達したときに受給権が発生しますが、繰り上げて受給することもできますし、繰下げて受給することもできます。
老齢基礎年金を繰上げ・繰下げした場合、振替加算はどのようになるのでしょうか?
振替加算はいつから加算されるのか、条文を読んでみましょう。
S60年法附則第14条第4項 振替加算を開始すべき事由又は廃止すべき事由が生じた場合における老齢基礎年金の額の改定は、それぞれ当該事由が生じた月の翌月から行う。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合であっても、振替加算額については、受給権者が65歳に達した日以後でなければ加算は行われない。
②【H30年出題】
振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。
③【R3年出題】
老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合でも、振替加算額は繰上げされません。振替加算は、受給権者が65歳に達した日以後でなければ行われません。
夫
60歳 65歳
報酬比例部分 | 老齢厚生年金 | |
| 老齢基礎年金 | |
| 加給年金額 |
|
妻
60歳 65歳
| 振替加算 |
繰上げ支給の老齢基礎年金 |
例えば、老齢基礎年金の受給権者である妻が60歳で老齢基礎年金の繰上げの請求をした場合でも、振替加算が加算されるのは65歳からです。
なお、夫の老齢厚生年金に加算されている加給年金額は、妻が老齢基礎年金を繰上げした場合でも、65歳になるまで支給されます。
②【H30年出題】 ×
振替加算について
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合 → 65歳に達した日の属する月の翌月から加算されます。(問題文の「請求のあった日の属する月の翌月から加算」は誤りです。)
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合 → 振替加算も繰下げて支給されますので、問題文の通り、申出のあった日の属する月の翌月から加算されます。
③【R3年出題】 〇
老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されます。ただし、振替加算額は繰下げによる増額はありません。
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R5-254
老齢基礎年金に振替加算が加算され得るのは、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた人です。
「生年月日」のポイント!
大正15年4月2日以降生まれ→ 新法の対象者です。
昭和41年4月1日以前生まれ → 新法施行日の昭和61年4月1日に20歳以上です。
まず、過去問からどうぞ!
【H30年出題】
45歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を19年有し、このほかには被保険者期間を有しない老齢厚生年金の受給権者である68歳の夫(昭和25年4月2日生まれ)と、当該夫に生計を維持されている妻(昭和28年4月2日生まれ)がいる。当該妻が65歳に達し、老齢基礎年金の受給権を取得した場合、それまで当該夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されていれば、当該妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】
【H30年出題】 〇
まず、問題文の夫婦の年金を図でイメージしましょう。
(注)妻は、厚生年金保険の被保険者期間を有しないと仮定しています。
夫(昭和25年4月2日生まれ)
60歳 65歳
報酬比例部分 | 老齢厚生年金 | |
| 老齢基礎年金 | |
| 加給年金額 |
|
妻(昭和28年4月2日生まれ)
65歳
振替加算 |
老齢基礎年金 |
★夫について(昭和25年4月2日生まれ)
・60歳から64歳まで → 報酬比例部分のみ支給されます
・65歳から → 老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給されます。
また生計維持関係のある妻がいるため、加給年金額が加算されます。
加給年金額が加算される要件を確認しましょう。
原則として、厚生年金保険の被保険者期間が20年(240月)以上あることが条件です。
問題文の夫の被保険者期間は20年未満ですが、「45歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間が19年」で中高齢の期間短縮特例を満たします。240月以上とみなされて加給年金額が加算されます。
★妻について(昭和28年4月2日生まれ)
夫に加算されている加給年金額は、妻が65歳に達したときに終了します。
加給年金額の対象になっていた妻が65歳になり、老齢基礎年金を受けるようになると、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
振替加算が加算される要件を確認しましょう
<老齢基礎年金の受給権者(問題文では「妻」)の要件>
・大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であること
・65歳に達した日に、配偶者によって生計を維持していた(65歳に達した日の前日に配偶者が受給権を有する年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていたこと)
・ただし、妻自身が被保険者期間が原則240月以上で計算される老齢厚生年金、退職共済年金を受けることができるときは、振替加算は加算されません。
<配偶者(問題では「夫」)の要件>
・老齢厚生年金又は退職共済年金(その額の計算の基礎となる月数が原則として240以上であるもの)の受給権者
・障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者(当該障害厚生年金又は当該障害共済年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有する者に限る。)
※加給年金額が加算される年金の受給権者であることが条件です。
振替加算の額を確認しましょう
振替加算の額は、224,700円×改定率×政令で定める率で計算します。
政令で定める率は、大正15年4月2日生まれ~昭和2年4月1日以前生まれが1.000で、年齢が若くなるほど小さくなります。昭和36年4月2日~昭和41年4月1日生まれは、0.067です。
なお、問題文の昭和28年4月2日生まれの妻の振替加算の額は、224,700円×改定率×0.280です。
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R5-244
20歳前に初診日がある場合(=国民年金加入前に初診日がある場合)は、第30条の4の20歳前傷病による障害基礎年金が支給されます。
20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料を拠出しないで支給される年金ですので、通常の障害基礎年金とは異なる支給停止事由が設定されているのが特徴です。
では、条文を読んでみましょう。
第30条の4第1項 疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であった者が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。 |
★障害認定日が20歳前にある場合
初診日 | 障害認定日 |
| 20歳 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「20歳に達した日」に障害基礎年金の受給権が発生します
★障害認定日が20歳後にある場合
初診日 |
| 20歳 | 障害認定日 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「障害認定日」に障害基礎年金の受給権が発生します
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
傷病の初診日において19歳であった者が、20歳で第1号被保険者の資格を取得したものの当該被保険者の期間が全て未納期間であった場合、初診日から1年6か月経過後の障害認定日において障害等級1級又は2級に該当していたとしても、障害基礎年金の受給権は発生しない。
②【H26年出題】
被保険者でなかった19歳の時に初めて医療機関で診察を受け、うつ病と診断され継続して治療している現在25歳の者は、20歳に達した日の障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、その日に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生する。
③【H22年出題】
20歳未満の初診日において厚生年金保険の被保険者であって保険料納付要件を満たしている場合、障害認定日が20歳未満であってその障害認定日において障害等級に該当すれば障害厚生年金の受給権が発生するが、障害基礎年金については障害等級に該当していても受給権の発生は20歳以降である。
【解答】
①【H30年出題】 ×
傷病の初診日に19歳の者に支給されるのは「20歳前傷病による障害基礎年金」です。「20歳前傷病による障害基礎年金」は、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がないので、保険料納付要件は問われません。
20歳で第1号被保険者の資格を取得した後の未納期間は、20歳前の傷病による障害基礎年金の受給要件には関係ありません。
問題文の場合は、初診日から1年6か月経過後の障害認定日に障害等級1級又は2級に該当していた場合は、20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生します。
②【H26年出題】 ×
障害認定日は、「初診日から起算して1年6か月を経過した日」又は、「1年6か月以内に傷病が治った場合その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)」です。
問題文の場合、初診日から継続して治療しています(治っていない)ので、障害認定日は「初診日から起算して1年6か月を経過した日」となります。
初診日が19歳ですので、障害認定日は20歳に達した後になります。
初診日 |
| 20歳 | 障害認定日 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「20歳に達した日」ではなく、「障害認定日」に障害等級1級又は2級に該当していれば、「障害認定日」に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生します。
③【H22年出題】 ×
初診日に20歳未満でも、厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)である場合は、障害基礎年金の初診日要件(初診日に国民年金の被保険者であること)を満たしています。
そのため、20歳前傷病による障害基礎年金ではなく、通常の障害基礎年金の受給権が発生します。
障害認定日が20歳未満でも「障害認定日」に、「障害基礎年金と障害厚生年金」の受給権が発生します。
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R5-229
まず、「保険料納付済期間」の定義を条文で確認しましょう。
第5条第1項 「保険料納付済期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定により徴収された保険料を含み、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。)に係るもの及び産前産後期間の保険料の免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間並びに第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。 |
■任意加入被保険者について
第2号被保険者でもなく、第3号被保険者でもなく、しかし第1号被保険者にも該当しない人は、国民年金に任意加入することができます。
条文を読んでみましょう。
附則第5条第1項 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1. 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2. 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3. 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
★任意加入被保険者は、第1号被保険者と同じように保険料を納付します。(ただし、免除は受けられません。)
また、任意加入被保険者として保険料を納付した期間は、第1号被保険者とみなされ、「保険料納付済期間」に算入されます。
■第2号被保険者について
厚生年金保険の被保険者は、国民年金では第2号被保険者となります。
第2号被保険者は、第1号被保険者・第3号被保険者とは異なり、20歳以上60歳未満の年齢枠がないのがポイントです。
第2号被保険者としての被保険者期間は、保険料納付済期間に算入されます。
しかし、「老齢基礎年金」については、保険料納付済期間に算入されるのは、「20歳以上60歳未満」の期間だけで、20歳未満、60歳以後の期間は「合算対象期間」となります。
条文を読んでみましょう。
昭60年法附則第8条第4項 当分の間、第2号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間を有する者の20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間に係る当該保険料納付済期間は、老齢基礎年金の支給要件及び老齢基礎年金の年金額については、保険料納付済期間に算入せず、合算対象期間に算入する。 |
※なお、「障害基礎年金」と「遺族基礎年金」については、第2号被保険者の20歳前、60歳以後も保険料納付済期間として扱われます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】
60歳から64歳まで任意加入被保険者として保険料を納付していた期間は、老齢基礎年金の年金額を算定する際に保険料納付済期間として反映されるが、60歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者であった期間は、老齢基礎年金の年金額を算定する際に保険料納付済期間として反映されない。
【解答】
【H30年出題】 〇
60歳から64歳まで任意加入被保険者として保険料を納付していた期間は、第1号被保険者とみなされ、老齢基礎年金の年金額には、保険料納付済期間として反映します。
60歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者(=国民年金第2号被保険者)であった期間は、老齢基礎年金の規定では、「合算対象期間」となり、老齢基礎年金の支給要件期間の10年には算入されますが、老齢基礎年金の年金額には反映しません。
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R5-228
国民年金の保険料についてみていきましょう。
国民年金の保険料の額は、令和5年度に属する月の月分については、17,000円に保険料改定率を乗じて得た額(その額に5円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、5円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げるものとする。)となります。
(第87条第3項)
保険料改定率は、前年度保険料改定率×名目賃金変動率で算定します。
※名目賃金変動率=前々年の物価変動率×4年前の年度の実質賃金変動率です。
令和5年度の指標は以下の通りです。
前年度保険料改定率 | 0.976 |
前々年の物価変動率 | 0.998 (-0.20%) |
4年前の年度の実質賃金変動率 | 0.998 (-0.20%) |
令和5年度の保険料改定率は、0.976×(0.998×0.998)=0.972となります。
では、問題を解いてみましょう。
(平成30年の過去問を参考にしています。)
【問題】
令和5年度の国民年金保険料の月額は、17,000円に保険料改定率を乗じて得た額を10円未満で端数処理した16,520円である。
【解答】 〇
令和5年度の国民年金保険料の月額は、
17,000円×保険料改定率(0.972)=16,524円の5円未満を切り捨てた16,520円です。
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R5-217
遺族基礎年金の遺族の範囲を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第37条の2第1項 (遺族の範囲) 遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。 ① 配偶者については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、②に掲げる要件に該当する子と生計を同じくすること。 ② 子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。 |
配偶者のポイント!
・「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれます。
・被保険者又は被保険者であった者(=死亡した人のことです)の死亡の当時その者によって生計を維持していること、かつ、子と生計を同じくすることが条件です。
では、過去問をどうぞ!
【R1年出題】
平成31年4月に死亡した第1号被保険者の女性には、15年間婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある第1号被保険者の男性との間に14歳の子がいた。当該女性が死亡時に当該子及び当該男性を生計維持し、かつ所定の要件が満たされている場合であっても、遺族基礎年金の受給権者は子のみであり、当該男性は、当該子と生計を同じくしていたとしても遺族基礎年金の受給権者になることはない。
【解答】
【R1年出題】 ×
配偶者には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者も含まれます。
問題文の男性は、女性の死亡時に生計を維持し、かつ、14歳の子と生計を同じくしていますので、遺族基礎年金の受給権者となります。
女性の死亡により遺族基礎年金の受給権者になるのは、当該男性と子です。
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R5-216
国民年金には「任意加入」の制度があります。
任意加入の対象は、「老齢基礎年金の受給資格がない(受給資格期間を満たしていない)人」や、「保険納付済期間が40年ないため、満額の老齢基礎年金が受給できない(老齢基礎年金を増やしたい)人」です。
今日は、「特例による任意加入被保険者」の制度をみていきます。
「特例の任意加入」は、65歳以上70歳未満の人で、「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない人」のみが対象です。受給資格期間を満たしていて、老齢基礎年金を増やしたい人は、特例の任意加入はできません。
では、条文を読んでみましょう。
H6法附則第11条、H16法附則第23条 (任意加入被保険者の特例) 昭和40年4月1日以前に生まれた者であって、次の各号のいずれかに該当するもの(第2号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、国民年金の被保険者となることができる。 ただし、その者が老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有する場合は、この限りでない。 ① 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) ② 日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満のもの |
任意加入被保険者の特例のポイント!
★生年月日の条件があります。
昭和40年4月1日以前に生まれた者
★老齢基礎年金等、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有する場合は、任意加入できません。
★年齢は、65歳以上70歳未満です。
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
特例による任意加入被保険者が、70歳に達する前に厚生年金保険法の被保険者の資格を取得したとき、又は老齢若しくは退職を支給事由とする年金給付の受給権を取得したときは、それぞれその日に被保険者の資格を喪失する。
②【R1年出題】
67歳の男性(昭和27年4月2日生まれ)が有している保険料納付済期間は、第2号被保険者期間としての8年間のみであり、それ以外に保険料免除期間及び合算対象期間を有していないため、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。この男性は、67歳から70歳に達するまでの3年間についてすべての期間、国民年金に任意加入し、保険料を納付することができる。
【解答】
①【H27年出題】 ×
特例による任意加入被保険者が、厚生年金保険法の被保険者の資格を取得したときは「その日」に、被保険者の資格を喪失します。
老齢若しくは退職を支給事由とする年金給付の受給権を取得したときは、「その日の翌日」に被保険者の資格を喪失します。
ポイント!
特例による任意加入は、「老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権」を有しないことです。
老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を取得するのが目的です。そのため、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を取得したときは、その翌日に資格を喪失します。
(H6法附則第11条)
②【R1年出題】 ×
第2号被保険者期間が8年間ありますので、あと2年間保険料納付済期間があれば、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得できます。
特例による任意加入被保険者は、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を取得すると、その日の翌日に資格を喪失します。
そのため、問題文の男性が、任意加入し、保険料を納付することができるのは、67歳から2年間です。
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R5-215
老齢基礎年金の受給資格は、原則として「保険料納付済期間」+「保険料免除期間」が10年以上あることです。
保険料納付済期間+保険料免除期間が10年未満の場合は、「合算対象期間」も入れて10年以上になれば、受給資格を満たします。
条文を読んでみましょう。
第28条 (支給要件) 老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。 ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。 |
第28条は老齢基礎年金の原則の受給資格についての規定です。
「保険料免除期間」が2回出てきます。
学生納付特例及び納付猶予の期間は、ただし書(2回目の保険料免除期間)では除外されていませんので、10年の受給資格期間には算入されます。
しかし、1回目の保険料免除期間からは除かれています。老齢基礎年金の年金額の計算に入らないからです。
「合算対象期間」については、附則第9条で、「保険料納付済期間」+「保険料免除期間」に「合算対象期間」も合算して10年以上あれば受給資格期間を満たすと規定されています。ただし、合算対象期間は「カラ期間」といい、老齢基礎年金の年金額には反映しません。
今回は合算対象期間をみていきます。
今回、出てくる合算対象期間は
・第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満及び60歳以降のもの
・日本国籍を有している人が海外に居住していた期間のうち、国民年金に任意加入しなかった期間のうち20歳以上60歳未満の期間
です。
では、過去問をどうぞ!
【R1年出題】
日本国籍を有している者が、18歳から19歳まで厚生年金保険に加入し、20歳から60歳まで国民年金には加入せず、国外に居住していた。この者が60歳で帰国し、再び厚生年金保険に65歳まで加入した場合、65歳から老齢基礎年金が支給されることはない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがなく、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
【R1年出題】 〇
18歳~19歳 | 20歳 60歳 | 60歳~65歳 |
厚年 | 海外居住(日本国籍有)で任意加入しなかった | 厚年 |
カラ期間 | カラ期間 | カラ期間 |
・18歳から19歳までの厚生年金保険の加入期間、20歳から60歳まで国民年金には任意加入しなかった期間、60歳から65歳までの厚生年金保険の加入期間、すべて「合算対象期間」です。
合算対象期間のみで10年以上でも、老齢基礎年金の受給資格期間は満たしますが、老齢基礎年金の額には反映しません。結果として65歳から老齢基礎年金が支給されることはありません
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R5-204
国民年金の第3号被保険者は、第2号被保険者の被扶養配偶者です。
資格取得届などの提出先や提出期限などを確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第12条第5項~9項 5 第3号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、氏名及び住所の変更に関する事項であって厚生労働省令で定めるものについては、この限りでない。 6 届出は、厚生労働省令で定める場合を除き、第1号厚生年金被保険である第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を使用する事業主を経由して行うものとし、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由して行うものとする。 7 第2号被保険者を使用する事業主とは、第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者を使用する事業所の事業主をいう。 8 第2号被保険者を使用する事業主は、経由に係る事務の一部を当該事業主が設立する健康保険組合に委託することができる。 9 届出が第2号被保険者を使用する事業主又は国家公務員共済組合、地方公務員共済組合若しくは日本私立学校振興・共済事業団に受理されたときは、その受理されたときに厚生労働大臣に届出があったものとみなす。 |
ポイント!
・ 第3号被保険者の届出先は「厚生労働大臣」です。
・ 届出は、事業主、共済組合等を経由します。
「第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者」の場合 →第2号被保険者を使用する事業主を経由します。
「第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者」の場合 → 国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団を経由します。
・ 第2号被保険者を使用する事業主は、経由に係る事務の「一部」を「健康保険組合」に委託できます。→委託できるのは事務の「一部」です。「全部」は委託できませんので注意して下さい。
・ 届出が事業主又は国家公務員共済組合、地方公務員共済組合若しくは日本私立学校振興・共済事業団に受理されたときは、その受理されたときに厚生労働大臣に届出があったものとみなされます。
では、過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
被保険者資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項の届出が必要な場合には、第1号被保険者は市町村長(特別区の区長を含む。)に、第3号被保険者は厚生労働大臣に、届け出なければならない。
②【H29年出題】
第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者が20歳に達し、第3号被保険者となるときは、14日以内に資格取得の届出を日本年金機構に提出しなければならない。
③【R1年出題】
第3号被保険者の資格取得の届出が、第2号被保険者を使用する事業主又は国家公務員共済組合、地方公務員共済組合若しくは日本私立学校振興・共済事業団に受理されたときは、その受理されたときに厚生労働大臣に届出があったものとみなされる。
④【H29年出題】
第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者を使用する事業主は、当該第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者に係る資格の取得及び喪失並びに種別の変更等に関する事項の届出に係る事務の一部を全国健康保険協会に委託することができるが、当該事業主が設立する健康保険組合に委託することはできない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
★被保険者資格の取得及び喪失並びに種別の変更等に関する届出について
・第1号被保険者は → 市町村長(特別区の区長を含む。)に届け出ます。
・第3号被保険者は → 厚生労働大臣に届け出ます。
②【H29年出題】 〇
資格取得の届出は、14日以内に日本年金機構に提出しなければなりません。
※日本年金機構は、厚生労働大臣から権限を委任されて、取得の手続を行います。
(則第1条の4)
以下の届出の提出期限は、第1号被保険者・第3号被保険者ともに「14日以内」です。
・資格取得の届出
・資格喪失の届出
・種別変更の届出
・住所変更の届出
・氏名変更の届出
③【R1年出題】 〇
第3号被保険者の届出のイメージ
第3号被保険者 |
→ → | 事業主 共済組合等 経由 |
→ → → | 厚生労働大臣 (日本年金機構) |
|
| ※受理されたときに厚生労働大臣に届出があったものとみなされます。 |
|
|
④【H29年出題】 ×
届出に係る事務の一部を「健康保険組合」に委託することがきます。全国健康保険協会には委託できません。
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R5-193
老齢基礎年金の繰下げの要件をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第28条第1項 老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。 ただし、その者が65歳に達したときに、他の年金たる給付(他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)の受給権者であったとき、又は65歳に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。 |
繰下げ申出ができる要件のポイント!
・66歳に達する前に老齢基礎年金を請求していないこと
・65歳に達したときに、他の年金たる給付の受給権者でないこと
・65歳に達した日から66歳に達した日までの間に他の年金たる給付の受給権者となっていないこと
※「他の年金たる給付」とは
他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(老齢を支給事由とするものを除く。)をいいます。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
65歳に達し老齢基礎年金の受給権を取得した者であって、66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求しなかった者が、65歳に達した日から66歳に達した日までの間において障害基礎年金の受給権者となったときは、当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない。
②【H24年出題】
寡婦年金の受給権者であった者は、老齢基礎年金の繰下げ支給を受けることはできない。
③【R1年出題】
老齢厚生年金を受給中である67歳の者が、20歳から60歳までの40年間において保険料納付済期間を有しているが、老齢基礎年金の請求手続きをしていない場合は、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をすることで増額された年金を受給することができる。なお、この者は老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権を有していたことがないものとする。
④【H30年出題】
65歳に達した日後に老齢基礎年金の受給権を取得した場合には、その受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢基礎年金を請求していなかったもの(当該老齢基礎年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者でなく、かつ当該老齢基礎年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となっていないものとする。)であっても、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
65歳に達した日から66歳に達した日までの間に他の年金たる給付の受給権者となったときは、繰下げの申出はできません。
65歳に達した日から66歳に達した日までの間において「障害基礎年金」の受給権者となった(=他の年金たる給付の受給権者となったということです)ときは、老齢基礎年金の支給繰下げの申出はできません。
②【H24年出題】 ×
寡婦年金の受給権は65歳に達したときに消滅します。
寡婦年金の受給権者であった者も、老齢基礎年金の繰下げ支給を受けられます。
③【R1年出題】 〇
ポイントその1 「他の年金たる給付」から、「老齢厚生年金」は除かれます。
そのため、「65歳に達したとき」に老齢厚生年金の受給権者でも、また、65歳に達した日から66歳に達した日までの間に老齢厚生年金の受給権者となっても、老齢基礎年金を繰下げることができます。
ポイントその2 老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げできます。
老齢厚生年金を65歳から受給し、老齢基礎年金を67歳から繰下げて受けることも可能です。
④【H30年出題】 ×
65歳に達した日後に老齢基礎年金の受給権を取得した場合でも、老齢基礎年金の支給繰下げの申出ができます。
条件は次の通りです。
・老齢基礎年金の受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に老齢基礎年金を請求していないこと
・老齢基礎年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者でなく、かつ
当該老齢基礎年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において他の年金たる給付の受給権者となっていないこと
(S60 法附則第18条第5項)
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R5-182
国民年金の被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つの種別があります。
例えば、日本国内に居住する23歳の大学生は第1号被保険者です。卒業し民間企業に就職すると厚生年金保険の被保険者となり、国民年金は第2号被保険者となります。
この場合、第1号被保険者の資格を喪失→第2号被保険者の資格を取得ではなく、第1号被保険者から第2号被保険者に「種別変更」となります。
条文を読んでみましょう。
第11条の2 第1号被保険者としての被保険者期間、第2号被保険者としての被保険者期間又は第3被保険者としての被保険者期間を計算する場合には、被保険者の種別(第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者のいずれであるかの区別をいう。)に変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなす。同一の月において、2回以上にわたり被保険者の種別に変更があったときは、その月は最後の種別の被保険者であった月とみなす。 |
例えば、ある月に、第1号被保険者から第3号被保険者に種別が変更した場合は、その月は、変更後の第3号被保険者であった月とみなされます。
また、ある月に、第2号被保険者→第3号被保険者→第1号被保険者と、2回以上種別に変更があったときは、その月は最後の種別の第1号被保険者であった月とみなされます。
では、過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点において、第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときは、種別の変更となり、国民年金の被保険者資格は喪失しない。
②【H30年出題】
被保険者期間の計算において、第1号被保険者から第2号被保険者に種別の変更があった月と同一月に更に第3号被保険者への種別の変更があった場合、当該月は第2号被保険者であった月とみなす。なお、第3号被保険者への種別の変更が当該月における最後の種別の変更であるものとする。
③【H24年出題】
被保険者期間の計算において、同一の月に種別変更が1回あり、第1号被保険者から第3号被保険者になった月につき、すでに第1号被保険者としての保険料が納付されている場合は、当該月は第1号被保険者とみなす。
【解答】
①【R3年出題】 〇
例えば、第3号被保険者が被扶養配偶者でなくなった時点で、第1号被保険者に該当するときは、第1号被保険者に種別の変更となります。国民年金の被保険者資格は喪失しません。
その後、第1号被保険者のまま60歳に達したときは、60歳に達した日に国民年金の資格を喪失します。
②【H30年出題】 ×
同一の月に、2回以上、被保険者の種別に変更があったときは、その月は最後の種別の被保険者であった月とみなされます。問題文の場合は、「第3号被保険者」であった月とみなされます。
③【H24年出題】 ×
第1号被保険者から第3号被保険者になった月は、「第3号被保険者」であった月とみなされます。すでに第1号被保険者としての保険料が納付されている場合でも、第1号被保険者とはみなされません。
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R5-170
障害基礎年金の受給権者は、障害の程度が増進した場合は、年金額の改定請求ができます。
条文を読んでみましょう。
第34条第2項、3項 ② 障害基礎年金の受給権者は、厚生労働大臣に対し、障害の程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定を請求することができる。
③ 請求は、障害基礎年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。 |
障害の程度が増進したことによる年金額の改定請求は、「受給権を取得した日」又は「障害の程度の診査を受けた日」から1年を経過した日を過ぎていることが条件です。
ただし、厚生労働省令で定める障害の程度が増進したことが明らかな場合は、1年たたなくても額の改定を請求することができます。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
障害基礎年金の額の改定請求は当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。ただし、障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除く。
②【R2年出題】
障害等級2級の障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して6か月を経過した日に人工心臓(補助人工心臓を含む。)を装着した場合には、障害の程度が増進したことが明らかな場合として年金額の改定の請求をすることができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合は、1年たたずに額の改定請求が可能です。
②【R2年出題】 〇
「心臓を移植したもの又は人工心臓(補助人工心臓を含む。)を装着したもの」は、「障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合」に当たります。受給権を取得した日から起算して6か月しか経過していなくても、年金額の改定の請求をすることができます。
(則第33条の2の2)
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R5-162
今日のテーマは国民年金基金です。
国民年金基金は、「加入員の老齢に関して必要な給付を行なうものとする」とされています。
国民年金基金は、加入員又は加入員であった者に対し、年金の支給を行ない、あわせて加入員又は加入員であった者の死亡に関し、一時金の支給を行ないます。
また、国民年金基金には、地域型国民年金基金と職能型国民年金基金の2種類があります。
今日は、国民年金基金の加入員をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第127条 ① 第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。 ② 申出をした者は、その申出をした日に加入員の資格を取得するものとする。 附則第5条第11項 「日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)」、「日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のものは、第116条第1項及び第2項(国民年金基金の組織)並びに第127条第1項の規定(国民年金基金の加入員)の適用については、第1号被保険者とみなす。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、その者が住所を有していた地区に係る地域型国民年金基金又はその者が加入していた職能型国民年金基金に申し出て、地域型国民年金基金又は職能型国民年金基金の加入者となることができる。
②【H29年出題】
日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、地域型国民年金基金の加入員となることができない。
③【H24年出題】
第1号被保険者が従事する職業において職能型国民年金基金が設立されている場合、当該被保険者は職能型国民年金基金に加入することとなり、地域型国民年金基金には加入できない。
【解答】
①【R2年出題】 〇
国民年金基金の加入者になることができるのは、第1号被保険者です。
任意加入被保険者のうち、「日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者」と「日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)」も、国民年基金の加入者となることができます。
(法附則第5条)
②【H29年出題】 ×
日本国籍を有し、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、国民年金基金に加入できます。
ちなみに、任意加入被保険者のうち、「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)」は、国民年金基金の加入員から除外されています。
(法附則第5条)
③【H24年出題】 ×
第127条第1項で、「第1号被保険者は、その者が住所を有する地区に係る地域型基金又はその従事する事業若しくは業務に係る職能型基金に申し出て、その加入員となることができる。ただし、他の基金の加入員であるときは、この限りでない。」と規定されていますので、同時に2つの基金には加入できません。
しかし、問題文のように、職能型国民年金基金の方が優先するということはありません。
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R5-154
「改定率」は毎年度見直されます。
老齢基礎年金の満額は、780,900円×改定率で計算します。
「改定率」は、毎年度見直しが行われます。
名目手取り賃金変動率と物価変動率
★改定率の改定に使われる指標は、
新規裁定者は「名目手取り賃金変動率」
既裁定者は「物価変動率」
です。
★令和5年度の改定については、
「物価変動率」=+2.5%、「名目手取り賃金変動率」=+2.8%
を用います。
マクロ経済スライドについて
マクロ経済スライドとは?
→ 公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率が設定されます。その率を、賃金と物価の変動がプラスとなる場合は、改定率から控除する仕組みです。
令和5年度の「マクロ経済スライドによるスライド調整率」は-0.3%です。
マクロ経済スライドのキャリーオーバー(未調整分)
マクロ経済スライドによって前年度よりも年金の名目額を下げないという措置は維持した上で、調整できなかった分を翌年度以降に繰り越す制度のことです。
前年度までのマクロ経済スライドの未調整分は、-0.3%です。
令和5年度の改定率
<新規裁定者>
・名目手取り賃金変動率(+2.8%)を用いて改定されます。
さらに、令和5年度のマクロ経済スライドによる調整(-0.3%)と、マクロ経済スライドの未調整分の調整(-0.3%)が行われます。
イメージ
名目手取り 賃金変動率 +2.8
| マクロ経済スライド -0.3 |
マクロ経済スライド未調整分 -0.3 | |
+2.2
|
新規裁定者の改定率=0.996(令和4年度の改定率)×1.022=1.018です。
令和5年度の年金額は780,900円×1.018=795,000円となります。
※100円未満四捨五入しています。
<既裁定者>
・物価変動率(+2.5%)を用いて改定されます。
さらに、令和5年度のマクロ経済スライドによる調整(-0.3%)と、マクロ経済スライドの未調整分の調整(-0.3%)が行われます。
イメージ
物価変動率 +2.5
| マクロ経済スライド -0.3 |
マクロ経済スライド未調整分 -0.3 | |
+1.9
|
既裁定者の改定率=0.996(令和4年度の改定率)×1.019=1.015です。
令和5年度の年金額は780,900円×1.015=792,600円となります。
※100円未満四捨五入しています。
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R5-153
第1号被保険者は、毎月、国民年金の保険料を納付する義務がありますが、収入が少ないなどの場合は、保険料の免除を受けることができます。
免除を受けた期間は保険料免除期間となり、老齢基礎年金の額ではカットされて計算されます。
しかし、保険料を「追納」することにより、保険料免除期間を保険料納付済期間にすることもできます。
今日のテーマは、「追納」です。
条文を読んでみましょう。
第94条第1項 被保険者又は被保険者であった者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、法定免除、申請免除、学生納付特例、納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料及び4分の3免除、半額免除、4分の1免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料(承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部につき追納をすることができる。 ただし、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されたときに限る。 |
・老齢基礎年金の受給権者は、追納できません。
・追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内の期間に係るものに限ります。
では、過去問をどうぞ!
【R2年出題】
令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。
【解答】
【R2年出題】 〇
問題文の場合、承認の日の属する月が令和2年4月です。
追納できるのは、承認の日の属する月前10年以内ですので、令和2年3月から10年以内にあるものです。
問題文の場合は、平成22年4月から平成28年3月分までが、追納できる期間です。
H18年7月 H22年4月 H28年3月
10年以内にないので、追納できない
| 追納できる |
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R5-144
国民年金の任意加入には、「任意加入被保険者」と「特例による任意加入被保険者」があります。
「任意加入被保険者」の目的は2つです。
1つ目は、老齢基礎年金の受給資格を得られない人が、「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」、2つ目は老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人が、「老齢基礎年金を増やすため」です。
なお、「特例による任意加入被保険者」の目的は、1つ目の「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」だけです。
任意加入の条件を条文で読んでみましょう。
附則第5条 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
過去問をどうぞ!
【R2問9-C】
20歳から60歳までの40年間第1号被保険者であった60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、保険料納付済期間を30年間、保険料半額免除期間を10年間有しており、これらの期間以外に被保険者期間を有していない。この者は、任意加入被保険者となることができる。なお、この者は、日本国籍を有し、日本国内に住所を有しているものとする。
【解答】
【R2問9-C】 〇
保険料半額免除期間は、老齢基礎年金の額の計算上、4分の3(平成21年4月以降の場合)となります。
問題文の場合、老齢基礎年金の額に反映するのは、保険料納付済期間の月数(360)+保険料半額免除の月数(120月×4分の3)=450月となります。
65歳から受け取ることができる老齢基礎年金は満額ではありませんので、老齢基礎年金を増やすために、60歳から65歳までの間、任意加入することができます。
なお、月数が480に達したとき(=老齢基礎年金が満額になったとき)は、その日に任意加入被保険者の資格を喪失します。
こちらもどうぞ!
【H24問3-C】
65歳未満の任意加入被保険者は、保険料納付済期間や、いわゆる保険料の多段階免除期間(その段階に応じて規定されている月数)を合算し、満額の老齢基礎年金が受けられる480月に達したときは、本人から資格喪失の申出がなくても、被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【H24問3-C】 〇
65歳未満の任意加入被保険者は、保険料納付済期間と多段階免除期間を合算し、満額の老齢基礎年金が受けられる480月に達したときは、その日に被保険者の資格を喪失します。
本人から資格喪失の申出がなくても、自動的に資格喪失になるのがポイントです。
(法附則第5条第5項第4号)
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R5-135
寡婦年金の支給要件のうち、死亡した夫の要件を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第49条 (支給要件) 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が 10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例期間及び納付猶予期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。 ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。
60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。 |
「夫」の条件を確認しましょう。
・ 死亡日の前日に、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、10年以上あること
※保険料免除期間は、「学生納付特例期間及び納付猶予期間」以外となっていますので、「学生納付特例期間及び納付猶予期間」しか有しない場合は、寡婦年金は支給されません。
・老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けていないこと
では、過去問をどうぞ!
①【R2問9-A 】
68歳の夫(昭和27年4月2日生まれ)は、65歳以上の特例による任意加入被保険者として保険料を納付し、令和2年4月に老齢基礎年金の受給資格を満たしたが、裁定請求の手続きをする前に死亡した。死亡の当時、当該夫により生計を維持し、当該夫との婚姻関係が10年以上継続した62歳の妻がいる場合、この妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給していなければ、妻には65歳まで寡婦年金が支給される。なお、死亡した夫は、障害基礎年金の受給権者にはなったことがなく、学生納付特例の期間、納付猶予の期間、第2号被保険者期間及び第3号被保険者期間を有していないものとする。
②【R2年問4-E】
夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合には、他の要件を満たしていても、その者の妻に寡婦年金は支給されない。
【解答】
①【R2問9-A 】 ×
死亡した夫は、「第1号被保険者」としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上あることが条件です。
特例による任意加入被保険者は、寡婦年金については、「第1号被保険者」とみなされないのがポイントです。
特例による任意加入被保険者として保険料を納付した期間は計算に入りませんので、10年以上という要件を満たせません。そのため、妻に寡婦年金は支給されません。
★「任意加入被保険者」と「特例による任意加入被保険者」が第1号被保険者とみなされるか否かはポイントですので、おさえておきましょう。
<第1号被保険者とみなされるもの、みなされないもの>
| 付加保険料納付 | 寡婦年金 | 死亡一時金 | 脱退一時金 |
任意加入被保険者 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
特例による 任意加入被保険者 | × | × | 〇 | 〇 |
(附則第5条第9項、H16法附則第23条第9項)
②【R2年問4-E】 ×
老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を「受けたことがある夫」が死亡したときは、寡婦年金は支給されません。
しかし、問題文のように、夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合は、夫は老齢基礎年金を「受けたことがない」ため、他の要件を満たせば、妻に寡婦年金が支給されます。
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R5-129
平成25年の国民年金の過去問についてご質問がありました。
「任意加入」がテーマの問題です。今日はご質問にお答えします。
まず、任意加入の条件を条文で読んでみましょう。
附則第5条 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
任意加入する目的は2つです。
1つ目は、老齢基礎年金の受給資格がない人が、「老齢基礎年金の受給資格要件を満たすため」、2つ目は老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人が、「老齢基礎年金を増やすため」です。
では、過去問をどうぞ!
【H25年問8-C】
大学を22歳で卒業後就職し厚生年金保険の被保険者であった女性が、26歳で退職と同時に厚生年金保険の被保険者である会社員と結婚し被扶養配偶者となった、その後国民年金には未加入、昭和61年4月から第3号被保険者となった。この者は60歳から報酬比例部分相当の老齢厚生年金の支給が開始されるため、国民年金の任意加入の申出をしても任意加入被保険者になることはできない。
※設問の女性は昭和29年4月2日生まれとし、「現在」は平成25年4月12日とする。
【解答】
【H25年問8-C】 ×
設問の場合、国民年金の任意加入の申出をすれば、任意加入被保険者になることができます。
まず、設問の女性の年金履歴を確認しましょう。
・22歳から26歳まで → 厚生年金保険の被保険者
・26歳から昭和61年3月まで → 未加入(会社員の被扶養配偶者)
・昭和61年4月から平成26年3月まで → 第3号被保険者
なお、26歳から昭和61年3月までの未加入期間は「合算対象期間」となります。
老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていて、かつ、第1号厚生年金被保険者の期間が1年以上ありますので、60歳から「特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分」が支給されます。
ポイント!
・受給資格は満たしていますので、65歳から老齢基礎年金を受給できます。しかし、20歳から22歳までが空白になっているのと、26歳からの合算対象期間がありますので、老齢基礎年金は満額ではありません。
任意加入の目的の2つ目の「老齢基礎年金の受給資格はあるけれど満額ではない人」に該当しますので、保険料納付済期間を増やすため、60歳から65歳まで任意加入することができます。(法附則第5条第1項第2号に該当します)
・「特別支給の老齢厚生年金」の支給が開始されても、任意加入して老齢基礎年金を増やすことは可能です。
では、こちらの過去問をどうぞ!
【R2年問9-B】
60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和31年4月2日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができない。
【解答】
【R2年問9-B】 ×
特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中でも、任意加入することは可能です。
日本国内に住所を有していなくても日本国籍を有している場合は、法附則第5条第1項第3号「日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの」に該当しますので、任意加入被保険者の申出をすることができます。
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R5-123
法定免除事由に該当した場合、保険料が免除されるのはいつからいつまででしょうか?
では、条文を読んでみましょう。
第89条 1 被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 ① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 ② 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ③ 厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。
2 法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、法定免除の規定は適用しない。 |
法定免除の要件に該当した場合は、当然に保険料が免除されますので、免除の申請をする必要はありません。
※法定免除事由に該当するに至ったときは、当該事実があった日から14日以内に、市町村長に届書を提出する必要があります。(則第75条)
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-D】
被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者ではないものとする。)が保険料の法定免除の要件に該当するに至ったときは、その要件に該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
【解答】
【問9-D】 〇
法定免除の要件に該当するに至ったときは、保険料は当然に免除されます。
例えば、令和4年12月に要件に該当した場合は、令和4年11月(該当するに至った日の属する月の前月)から免除されます。国民年金の保険料の納期限は翌月末日ですので、免除事由に該当した12月に期限がくる11月分から免除となります。
「免除事由に該当しなくなる日の属する月」まで免除されます。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
第1号被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者を除く。)が生活保護法による生活扶助を受けるに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月からこれに該当しなくなる日の属する月の前月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
法定免除される期間は、その該当するに至った日の属する月の「前月」からこれに該当しなくなる日の属する「月」までの期間です。
なお、生活保護法には8種類の扶助がありますが、法定免除の事由に該当するのは「生活扶助」のみです。
こちらの過去問もどうぞ!
②【H26年出題】
法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。
③【R2年出題】
障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。
④【R2年出題】
第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
【解答】
②【H26年出題】 〇
法定免除事由に該当すると当然に保険料は免除されますが、希望すれば、保険料を納付することができます。
③【R2年出題】 〇
②の問題と同じです。
保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができます。
④【R2年出題】 〇
法定免除事由に該当した場合、14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければなりません。法定免除事由に該当していることを、知ってもらうためです。
そのため、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、届出は不要です。
(則第75条)
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R5-122
国民年金の強制加入被保険者には、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者がありますが、それぞれの資格喪失事由と喪失日を確認しましょう。
条分を読んでみましょう。
第9条 (資格喪失の時期) 被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(②に該当するに至った日に更に第2号被保険者若しくは第3号被保険者に該当するに至ったとき又は③から⑤までのいずれかに該当するに至ったとき(④については、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったときに限る。)は、その日)に、被保険者の資格を喪失する。 ① 死亡したとき。 ② 日本国内に住所を有しなくなったとき(第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)。 ③60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)。 ④ 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者となったとき(第2号被保険者又は第3号被保険者に該当するときを除く。)。 ⑤厚生年金保険の被保険者の資格を喪失したとき(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者のいずれかに該当するときを除く。)。 ⑥ 被扶養配偶者でなくなったとき(第1号被保険者又は第2号被保険者に該当するときを除く。)。 |
ポイント!
・例えば、40歳で会社を退職し自営業を始めた場合、国民年金の種別は第2号被保険者から第1号被保険者に変わります。その場合、「第2号被保険者資格を喪失→第1号被保険者資格を取得」という流れではなく、第1号被保険者から第2号被保険者に「種別変更」となります。
その後、第1号被保険者のまま60歳に達したときは、そこで国民年金の被保険者の資格を喪失します。
「資格喪失」とは国民年金の被保険者資格を喪失するという意味です。「種別変更」とは違いますので注意しましょう。
・第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の定義をおさえましょう。それぞれ、その条件に当てはまらなくなったときに資格を喪失します。
・「翌日喪失」か「当日喪失」かを覚えましょう。死亡による喪失の場合は「翌日」、年齢による喪失の場合は「当日」が覚えやすいです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-E】
第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に資格を喪失する。
【解答】
【問8-E】 〇
第1号被保険者と第3号被保険者は「20歳以上60歳未満」という年齢要件がありますので、「60歳」で資格を喪失します。
年齢で資格を喪失する場合は「当日喪失」です。また「60歳に達した日」=「60歳の誕生日の前日」です。例えば、令和4年12月28日が60歳の誕生日なら、令和4年12月27日に資格を喪失します。
なお、第2号被保険者には20歳以上60歳未満の年齢要件がありませんので、60歳に達しても資格は喪失しません。
また、死亡の場合は「翌日喪失」です。第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者共通です。
過去問をどうぞ!
【H25年出題】 ※改正による修正あり
厚生年金保険の被保険者は、60歳に達した日に国民年金の被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【H25年出題】 ×
厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)は、60歳に達しても国民年金の被保険者の資格を喪失しません。
厚生年金保険の被保険者が国民年金の第2号被保険者の資格を喪失するのは、原則として、「65歳に達した日」となります。
※老齢基礎年金等の受給権を有しない厚生年金保険の被保険者は、65歳以降も国民年金の第2号被保険者です。
(法附則第4条)
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R5-121
老齢基礎年金の受給資格は、「保険料納付済期間」+「保険料免除期間」が10年以上あることですが、10年未満の場合は、附則第9条の特例により「合算対象期間」も合算して10年以上あれば受給資格を満たします。
「合算対象期間」は、受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の額には反映しませんので、カラ期間ともいわれます。
今日のテーマは、「第2号被保険者」としての被保険者期間のうちの合算対象期間です。
では、条文を読んでみましょう。
(昭60年法附則第8条第4項) 当分の間、第2号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間を有する者の20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間に係る当該保険料納付済期間は、国民年金法第26条(老齢基礎年金の支給要件)及び第27条(老齢基礎年金の年金額)の適用については、同法第5条第1項の規定にかかわらず、保険料納付済期間に算入せず、合算対象期間に算入する。 |
老齢基礎年金の年金額は、第1号被保険者の年齢(20歳以上60歳未満)の基準に合わせています。20歳から60歳までの40年間すべて保険料納付済期間なら満額が支給される仕組みです。
しかし、第2号被保険者については、厚生年金保険の被保険者なら20歳前でも60歳以上でも原則第2号被保険者となります。
そのため、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、老齢基礎年金の受給資格や年金額について「保険料納付済期間」として扱われるのは、「20歳以上60歳未満」の期間です。20歳未満、60歳以後の期間は「合算対象期間」となります。
※例えば、18歳から63歳まで厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)だった場合
18歳 20歳 60歳 63歳
厚生年金保険の被保険者(=第2号被保険者) | ||
カラ期間 | 保険料納付済期間 | カラ期間 |
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-D】
大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
【問8-D】 ×
問題文の場合、厚生年金保険の被保険者期間のうち、60歳~65歳までの5年間は、合算対象期間です。42年間のうちその5年間は、老齢基礎年金の額の計算には算入されませんので、老齢基礎年金は満額になりません。
20歳 23歳 60歳 65歳
未加入 | 厚生年金保険の被保険者(=第2号被保険者) | |
保険料納付済期間 (37年) | 合算対象期間 (5年) |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳に達した日の属する月前の期間及び60歳に達した日の属する月以後の期間は、合算対象期間とされ、この期間は老齢基礎年金の年金額の計算に関しては保険料納付済期間に算入されない。
②【H24年出題】
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間と60歳以後の期間は、「合算対象期間」です。老齢基礎年金の年金額を計算する場合は、保険料納付済期間には算入されません。
②【H24年出題】 ×
障害基礎年金には、合算対象期間という扱いがありません。そのため、第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間も、受給資格期間・年金額の計算ともに「保険料納付済期間」とされます。
なお、遺族基礎年金も障害基礎年金と同じ扱いです。
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R5-120
付加年金の計算式を確認しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第87条の2第1項 第1号被保険者(保険料の免除を受けている者、国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の属する月以後の各月につき、国民年金の保険料のほか、400円の付加保険料を納付する者となることができる。
第43条 付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条 付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。 |
付加保険料は月400円で、申出をした月から納付できます。
付加年金は200円×付加保険料の納付月数で計算され、老齢基礎年金に上乗せされて支給されます。
付加保険料を40年(480月)納付した場合は、付加年金の計算式は200円×480月で、年間96,000円となります。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-B】
第1号被保険者期間中に支払った付加保険料に係る納付済期間を60月有する者は、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときに、老齢基礎年金とは別に、年額で、400円に60月を乗じて得た額の付加年金が支給される。
【解答】
【問9-B】 ×
付加保険料の納付済期間が60月の場合、付加年金の額は年額で、「200円」に60月を乗じて得た額となります。
付加保険料は月400円ですが、付加年金の計算は「200円」で計算するのがポイントです。
付加保険料を60月間納付した場合、納付した付加保険料はトータルで、400円×60月=24,000円です。
一方、65歳から支給される付加年金は、200円×60月で、年額12,000円です。
付加年金を2年受給すれば、納付した付加保険料とイコールになる計算です。
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
付加保険料に係る保険料納付済期間を300か月有する者が、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときには、年額60,000円の付加年金が支給される。
②【H29年出題】
寡婦年金及び付加年金の額は、毎年度、老齢基礎年金と同様の改定率によって改定される。
【解答】
①【H27年出題】 〇
付加年金の額は、200円×300か月=年額60,000円です。
②【H29年出題】 ×
付加年金の額には、改定率による改定はありません。
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R5-100
厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となります。
第1号被保険者と第3号被保険者は、20歳以上60歳未満という年齢要件がありますが、第2号被保険者には、年齢要件がないのがポイントです。
ただし、65歳以上の厚生年金保険の被保険者については、老齢基礎年金・老齢厚生年金等の受給権の有無で扱いが変わりますので、注意しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第7条第1項第2号・法附則第3条 厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者とする。 65歳以上の者にあっては、老齢厚生年金、老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。 |
ポイント!
厚生年金保険の被保険者で65歳以上の者については、老齢基礎年金、老齢厚生年金等の受給権を有している場合は、第2号被保険者となりません。
★65歳の厚生年金保険の被保険者で老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給権がある場合
65歳 70歳
厚生年金保険の被保険者 | |
国民年金第2号被保険者 |
|
▲国民年金の資格喪失
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問7-A】
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、引き続き厚生年金保険の被保険者資格を有していても、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失する。
【解答】
【問7-A】 〇
65歳以上の厚生年金保険の被保険者で、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している場合は、国民年金の第2号被保険者にはなりません。
厚生年金保険の被保険者が、65歳に達し老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権を取得したときは、65歳に達したときに、国民年金の第2号被保険者の資格を喪失します。
(法附則第4条)
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者の収入によって生計を維持する55歳の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
②【H26年出題】※改正による修正あり
65歳以上の厚生年金保険の被保険者は、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していなくても、障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していれば、第2号被保険者とならない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
第3号被保険者は、「第2号被保険者の配偶者」であることが条件です。
老齢厚生年金を受給する66歳の厚生年金保険の被保険者は、第2号被保険者ではありませんので、55歳の配偶者は第3号被保険者となりません。
②【H26年出題】 × ※改正による修正あり
老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していない65歳以上の厚生年金保険の被保険者は、第2号被保険者となります。
障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していても、老齢又は退職の年金の受給権がなければ第2号被保険者となります。
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R5-099
今日は、寡婦年金が受給できる妻の年齢について確認しましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
第49条 (寡婦年金の支給要件) ① 寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上である夫(保険料納付済期間又は学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある夫が死亡したときは、この限りでない。 ③ 60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、その支給を始める。 |
寡婦年金の受給権が発生するのは、「夫との婚姻関係が10年以上継続した『65歳未満』の妻」です。
年金の支給は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月」から始まります。しかし、寡婦年金の場合、60歳未満の妻については、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から始まるのがポイントです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問3-B】
第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が25年以上あり、老齢基礎年金及び障害基礎年金の支給を受けたことがない夫が死亡した場合において、死亡の当時当該夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した妻が60歳未満であるときは、寡婦年金の受給権が発生する。
【解答】
【問3-B】 〇
寡婦年金の受給要件は「65歳未満の妻」です。「妻が60歳未満」であるときは、寡婦年金の受給権が発生します。
過去問をどうぞ!
①【H20年出題】
寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した60歳以上65歳未満の妻に限り受給権が発生する。
②【H20年出題】
夫の死亡の当時に60歳未満であった妻に支給される寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給が開始され、65歳に達した日の属する月まで支給される。
【解答】
①【H20年出題】 ×
寡婦年金の受給権が発生するのは、「65歳未満の妻」です。「60歳以上65歳未満」の妻に限りの部分が誤りです。
②【H20年出題】 〇
夫の死亡の当時に60歳未満の妻にも寡婦年金の受給権は発生しますが、支給は妻が「60歳に達した日の属する月の翌月」から開始されます。
なお、寡婦年金は老齢基礎年金が受給できるまでの有期年金ですので、65歳に達したときに失権します。支給されるのは、「65歳に達した日の属する月」までです。
(法第51条)
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R5-098
学生納付特例事務法人制度は、学生が、学生納付特例の申請手続きをしやすくするために、学生の委託を受けた大学が、学生納付特例申請の代行を行う制度です。
学生納付特例事務法人の行う事務について条文で確認しましょう。
第109条の2の2第1項(学生納付特例の事務手続に関する特例) 国及び地方公共団体並びに国立大学法人法に規定する国立大学法人、地方独立行政法人法に規定する公立大学法人及び私立学校法に規定する学校法人その他の政令で定める法人であって、厚生労働大臣がこれらの法人からの申請に基づき、学生納付特例申請に関する事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして指定するもの(以下「学生納付特例事務法人」という。)は、その設置する学校教育法に規定する大学その他の政令で定める教育施設において学生等被保険者の委託を受けて、学生等被保険者に係る学生納付特例申請をすることができる。 |
★大学等の教育施設では、学生等被保険者に係る学生納付特例申請の代行ができます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問1-A】
国民年金法第109条の2の2に規定する学生納付特例事務法人は、その教育施設の学生等である被保険者の委託を受けて、当該被保険者に係る学生納付特例申請及び保険料の納付に関する事務を行うことができる。
【解答】
【問1-A】 ×
学生納付特例事務法人は、学生等被保険者の委託を受けて、学生納付特例申請の事務を行います。「保険料の納付」に関する事務は行うことができません。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
学生等被保険者が学生納付特例事務法人に学生納付特例申請の委託をしたときは、障害基礎年金の保険料納付要件に関しては、当該委託をした日に、学生納付特例申請があったものとみなされる。
【解答】
【H27年出題】 〇
法第109条の2の2第2項で、「学生等被保険者が学生納付特例事務法人に学生納付特例申請の委託をしたときは、当該委託をした日に、学生納付特例申請があったものとみなす。」と規定されています。
なお、第3項では、「学生納付特例事務法人は、学生等被保険者から学生納付特例申請の委託を受けたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、当該学生納付特例申請をしなければならない。」とされています。
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R5-078
厚生年金保険の実施者たる政府、実施機関たる共済組合等は、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担します。
条文を読んでみましょう。
第94条の2(基礎年金拠出金) ① 厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。 ② 実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。 |
次に「基礎年金拠出金」の額について条文を読んでみましょう。
第94条の3 基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に当該年度における被保険者の総数に対する当該年度における当該政府及び実施機関に係る被保険者(厚生年金保険の実施者たる政府にあっては、第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とし、実施機関たる共済組合等にあっては、当該実施機関たる共済組合等に係る被保険者(国家公務員共済組合連合会にあっては当該連合会を組織する共済組合に係る第2号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とし、地方公務員共済組合連合会にあっては当該連合会を組織する共済組合に係る第3号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とし、日本私立学校振興・共済事業団にあっては第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者及びその被扶養配偶者である第3号被保険者とする。)とする。)の総数の比率に相当するものとして毎年度政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額とする。 |
基礎年金拠出金の額は、「保険料・拠出金算定対象額」に「被保険者の総数」に対する「第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)と第3号被保険者の総数」の比率を乗じて得た額となります。
令和4年の問題をどうぞ!
【問8-C】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
【解答】
【問8-C】 ×
基礎年金拠出金の額は、「被保険者の総数」に対する「第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)と第3号被保険者の総数」の比率を使って計算します。「被保険者の総数」には、第1号被保険者数も入りますが、その数は、「保険料納付済期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数」です。
「保険料全額免除期間」は入りません。保険料を全額又は一部納付している人が対象です。
(施行令第11条の3)
では、過去問もどうぞ!
①【R2年選択】
国民年金法第94条の2第1項では、「厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。」と規定しており、同条第2項では、「< A >は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。」と規定している。
②【H23年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間に限られ、保険料免除期間を有する者及び保険料未納者は除かれる。
③【R1年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者は、第1号被保険者数にあっては、保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者であり、第2号被保険者及び第3号被保険者にあってはすべての者である。
【解答】
①【R2年選択】
A 実施機関たる共済組合等
②【H23年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間と保険料一部免除期間を有する者が算入されます。除外されるのは、保険料を納付していない「保険料全額免除」及び「保険料未納者」です。
(施行令第11条の3)
③【R1年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者について
・第1号被保険者数 → 保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者
・第2号被保険者 → 20歳以上60歳未満の者
・第3号被保険者 → すべての者
となります。
第2号被保険者はすべての者ではなく年齢要件がありますので注意してください。
(施行令第11条の3)
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R5-077
老齢基礎年金の支給については、原則として保険料納付済期間と保険料免除期間を合算して10年以上あることが条件です。
「学生の納付特例」の期間は、老齢基礎年金の額に反映されるでしょうか?それとも反映されないでしょうか?
まず、条文読んでみましょう。
第26条 (支給要件) 老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。 |
「保険料免除期間」が2か所出てきます。
1つめの保険料免除期間はかっこ書きで学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものが除かれています。
学生納付特例によって猶予された保険料については、老齢基礎年金の年金額の計算には反映しません。65歳で老齢基礎年金が支給されるのは、「保険料納付済期間」と「学生納付特例期間以外の保険料免除期間」を有する者だけですので注意してください。
しかし、2つ目の保険料免除期間についてはかっこ書きがありません。受給資格期間の10年には、学生納付特例期間も算入されるからです。
※「納付猶予」の期間も学生納付特例期間と同じように扱われます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問8-B】
国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。
【解答】
【問8-B】 ×
学生納付特例の期間、納付猶予の期間のどちらも、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映しません。
(第26条、H26法附則第14条)
過去問もどうぞ!
①【H29年出題】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料が追納されていなければ、老齢基礎年金の額には反映されない。
②【R1年出題】
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間を10年以上有し、当該期間以外に被保険者期間を有していない者には、老齢基礎年金は支給されない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがないものとする。
【解答】
①【H29年出題】 〇
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間については、保険料を追納すれば老齢基礎年金の額には反映しますが、追納しなければ老齢基礎年金の計算には入りません。
②【R1年出題】 〇
学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間だけで10年以上有している場合、どちらも老齢基礎年金の額には反映しませんので、65歳になっても老齢基礎年金は支給されません。
※なお、婚姻していて振替加算の要件に該当する場合は、振替加算に相当する額の老齢基礎年金が支給される可能性があります。
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R5-076
障害基礎年金の受給権者に、さらに障害基礎年金の受給権が発生した場合は、前後の障害が併合されます。
条文を読んでみましょう。
第31条 (併給の調整) ① 障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ② 障害基礎年金の受給権者が前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は、消滅する。 |
★前後の障害が併合された場合、従前の障害基礎年金の受給権は消滅するのがポイントです。
では、併合の際、障害基礎年金のどちらかが支給停止されている場合の条文も読んでみましょう。
第32条 ① 期間を定めて支給を停止されている障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金は、従前の障害基礎年金の支給を停止すべきであった期間、その支給を停止するものとし、その間、その者に従前の障害を併合しない障害の程度による障害基礎年金を支給する。 ② 障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が第36条第1項の規定(労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給を停止する。)によりその支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対して従前の障害基礎年金を支給する。 |
★①は前の障害基礎年金が支給停止されている場合、②は後の障害基礎年金が支給停止されている場合です。
片方が支給停止されている間は、併合しない障害基礎年金が支給されます。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問5-A】
障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が国民年金法第36条第1項(障害補償による支給停止)の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対し同法第31条第1項(併合認定)の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
【解答】
【問5-A】 ×
「併合認定の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。」の部分が誤りです。
新たに取得した障害基礎年金が障害補償による支給停止の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間は、併合した障害基礎年金ではなく、「従前の障害基礎年金」が支給されます。
過去問もどうぞ!
①【R1年出題】
障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金が支給されるが、当該前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する
②【H26年出題】
精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金を30歳の時から継続して受給している者が、第1号被保険者であった45歳のときに、事故で足にけがをし、その障害認定日(平成26年4月11日)において障害等級1級の状態に該当した。この場合、精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金と足の障害による障害等級1級の障害基礎年金は、どちらかの選択となるが、年金受給選択申出書を提出しない場合は、引き続き精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金が支給される。
【解答】
①【R1年出題】 〇
第31条の「併合の調整」の条文からの出題です。前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅するのがポイントです。
②【H26年出題】 ×
障害基礎年金の受給権者に、更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じていますので、第31条の併合の対象となります。精神の障害による障害等級2級の障害基礎年金と足の障害による障害等級1級の障害基礎年金は、どちらかの選択ではなく、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権を取得します。この場合、従前の障害基礎年金の受給権は消滅します。
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R5-075
日本国籍を有しない人が、国民年金の資格を喪失し日本国内に住所を有しなくなった場合、脱退一時金の請求ができます。
今日は脱退一時金の請求要件を確認しましょう。
まず条文を読んでみましょう。
法附則第9条の3の2第1項 (日本国籍を有しない者に対する脱退一時金の支給) 当分の間、保険料納付済期間等の月数(請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数をいう。)が6月以上である日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る。)であって、第26条ただし書に該当するものその他これに準ずるものとして政令で定めるものは、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 1 日本国内に住所を有するとき。 2 障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがあるとき。 3 最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき。 |
脱退一時金の請求要件
・ 請求日の前日に、第1号被保険者としての被保険者期間に係る次の期間が6月以上あること(※任意加入被保険者・特例任意加入被保険者も含みます)
「保険料納付済期間の月数」+「保険料4分の1免除期間の月数×4分の3」+「保険料半額免除期間の月数×2分の1」+「保険料4分の3免除期間の月数×4分の1」
・ 国民年金の被保険者でないこと
・ 第26条ただし書に該当するもの(老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていないこと)
・ 日本国内に住所を有していないこと
・ 障害基礎年金などの受給権を有したことがないこと
・ 最後に公的年金の被保険者の資格を喪失した日から2年経過していないこと
(資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年経過していないこと)
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問3-C】
脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。
【解答】
【問3-C】 〇
日本国内に住所を有する場合は、脱退一時金の請求はできません。
最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、請求することが条件です。
過去問もどうぞ!
①【R2年出題】
第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を6か月以上有する日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る。)が、日本国内に住所を有する場合、脱退一時金を受けることはできない。
②【H23年出題】
脱退一時金の支給要件の1つとして、最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過していることが必要である。
③【H30年出題】
障害基礎年金の受給権者であっても、当該障害基礎年金の支給を停止されている場合は、脱退一時金の支給を請求することができる。
【解答】
①【R2年出題】 〇
日本国内に住所を有する場合は、脱退一時金は受けられません。
②【H23年出題】 ×
最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して「2年を経過」している場合は、脱退一時金は請求できません。
最後に被保険者の資格を喪失した日(同日に日本国内に住所を有していた者にあっては、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して「2年以内」に請求することが条件です。
③【H30年出題】 ×
「障害基礎年金の受給権を有したことがあるとき」は、脱退一時金は請求できません。障害基礎年金の受給権を有した場合は、たとえ障害基礎年金の支給を停止されていても、脱退一時金は請求できません。
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R5-058
振替加算が行われるのは、大正15年4月2日~昭和41年4月1日までの間に生まれた者です。
大正15年4月1日以前生まれの者は「旧法」の対象者で老齢基礎年金が支給されませんので、振替加算も行われません。
また、昭和41年4月2日以降生まれの者にも振替加算は行われません。昭和41年4月2日以降生まれの者は、新法施行日(昭和61年4月1日)に20歳未満です。
20歳から60歳まで会社員の被扶養配偶者だったとしても、すべて第3号被保険者となり満額の老齢基礎年金が支給されるからです。
では、令和4年の問題をどうぞ!
【問9-A】
老齢基礎年金のいわゆる振替加算が行われるのは、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた者であるが、その額については、受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率を乗じて得た額となる。
【解答】
【問9-A】 ×
振替加算の額は、「受給権者の老齢基礎年金の額」ではなく、「224,700円×改定率」に受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率を乗じて得た額となります。
なお、224,700円×改定率は、加給年金額と同じ額です。
「受給権者の生年月日に応じて政令で定められた率」は、1.000から0.067までです。
生年月日が最も古い大正15年4月2日~昭和2年4月1日生まれの率は、1.000ですので、振替加算の額は224,700円×改定率×1.000で加給年金額と同じです。
昭和36年4月2日から昭和41年4月1日以前生まれの率は、0.067です。
生年月日が若くなるほど、率が小さくなることがポイントです。20歳から60歳まで会社員に扶養される配偶者だった場合、若い人ほどカラ期間が短く、第3号被保険者期間が長くなるからです。
(S60年附則第14条)
過去問もどうぞ!
【H28年出題】
振替加算の額は、その受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額として算出される。
【解答】
【H28年出題】 ×
振替加算の額は、「224,700円×改定率」に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額です。
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R5-057
今日は、付加年金と死亡一時金の加算額の国庫負担の割合を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
S60年法附則第34条第1項第1号(国民年金事業に要する費用の負担の特例) 国庫は、当分の間、毎年度、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。 |
死亡一時金の額は、保険料納付済期間と保険料免除期間の月数に応じて、12万円から32万円で、付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である場合は、8500円が加算されます。
条文の「死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)」のかっこ書きは、「同法第52条の4第1項に定める額(12万円から32万円)の給付に要する費用を除く」となります。
この部分は、「死亡一時金の給付に要する費用(付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の加算額の給付に要する費用)」と読んでください。
令和4年の問題をどうぞ!
【問6-D】
国庫は、当分の間、毎年度、国民年金事業に要する費用に充てるため、当該年度における国民年金法による付加年金の給付に要する費用及び同法による死亡一時金の給付に要する費用(同法第52条の4第1項に定める額に相当する部分の給付に要する費用を除く。)の総額の4分の1に相当する額を負担する。
【解答】
【問6-D】 〇
「付加年金の給付に要する費用」と「付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の加算額の給付に要する費用」の給付に要する費用については、4分の1を国庫が負担します。
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
国民年金法の付加年金及び死亡一時金の給付に要する費用は、その全額が第1号被保険者の保険料によって賄われる。
②【H26年出題】
付加年金の給付に要する費用については、その3分の1を国庫が負担する。
③【H26年出題】
付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合に支給される死亡一時金の額の加算額の給付に要する費用については、その4分の1を国庫が負担する。
【解答】
①【H23年出題】 ×
「付加年金」と「死亡一時金の加算額」に要する費用は、4分の1が国庫負担で賄われます。
②【H26年出題】 ×
付加年金の給付に要する費用については、その「4分の1」を国庫が負担します。
③【H26年出題】 〇
死亡一時金の額の加算額(付加保険料の保険料納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合の加算額)の給付に要する費用については、その「4分の1」を国庫が負担します。
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R5-056
付加保険料は月額400円です。
付加保険料を納付した人には、老齢基礎年金の受給権を取得したときに、付加年金も支給されます。
付加年金は、200円×付加保険料納付済期間の月数で計算します。
条文を読んでみましょう。
第43条 (支給要件) 付加年金は、付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者が老齢基礎年金の受給権を取得したときに、その者に支給する。
第44条 (年金額) 付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額とする。
第47条 (支給停止) 付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。
第48条 (失権) 付加年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。 |
では、令和4年の問題をどうぞ!
①【問3-A】
付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。
②【問3-E】
老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。
【解答】
①【問3-A】 〇
付加年金は老齢基礎年金とセットになる年金です。老齢基礎年金と老齢厚生年金を併給する場合は、付加年金も支給されます。
②【問3-E】 〇
障害基礎年金を選択した場合は、老齢基礎年金は支給停止されます。老齢基礎年金が全額支給停止されている間は付加年金も支給停止されます。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
付加年金の受給権は、老齢基礎年金の受給権と同時に発生し、老齢基礎年金の受給権と同時に消滅する。また、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、付加年金も停止される。
②【H26年出題】
65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金を併給するときには、付加年金は支給停止される。
③【H21年出題】
遺族基礎年金の受給権者が65歳に達し、さらに老齢基礎年金と付加年金の受給権を取得したときは、その者の選択により遺族基礎年金か老齢基礎年金のいずれか一方が支給されるが、遺族基礎年金を選択した場合も付加年金が併せて支給される。
【解答】
①【H25年出題】 〇
付加年金は老齢基礎年金とセットです。付加年金の受給権は、老齢基礎年金と同時に発生し、老齢基礎年金の受給権と同時に消滅します。また、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、付加年金も停止されます。
②【H26年出題】 ×
老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給する場合も、老齢基礎年金が支給されているなら、付加年金も支給されます。
③【H21年出題】 ×
遺族基礎年金を選択した場合は、老齢基礎年金が支給停止されます。老齢基礎年金がその全額につき支給停止されているときは、その間、付加年金も支給停止になります。「遺族基礎年金を選択した場合も付加年金が併せて支給される。」の部分が誤りです。
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