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シリーズ振替加算 その1

H28.4.25 振替加算が加算される人の生年月日

年金を勉強するときは、「40年間サラリーマンだった夫」と「40年間専業主婦だった妻」をイメージしてみてください。年金制度はそのような夫婦をモデルにして設計されています。

さて、40年間厚生年金保険に加入していた夫には、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」が支給されます。生計維持関係のある妻がいる場合は「加給年金額」もプラスされます。

ところが、あるときに、加給年金額は加算されなくなります。なぜなら、妻が65歳になって老齢基礎年金を受けるようになると、加給年金額が妻の老齢基礎年金に振り替わるからです。

夫に支給されていた加給年金額が姿を変えて妻の老齢基礎年金に加算されることを「振替加算」といいます。(といっても加給年金額と振替加算の額はイコールではありませんので注意)

※ なお、「夫」と「妻」が逆になるパターンでもOKですが、ここでは、サラリーマンの夫と専業主婦の妻で話を進めていきます。

 

まず、一つ目のポイントは、振替加算が加算される妻の生年月日です。

老齢基礎年金に振替加算が加算されるのは、大正15年4月2日~昭和41年4月1日までの間に生まれた者です。

 

■■大正15年4月1日以前生まれの妻には振替加算は加算されない■■

大正15年4月1日以前生まれの者は、新法の老齢基礎年金ではなく、旧法の対象です。

旧法の考え方は、「専業主婦には年金は支給しない。その代わり夫の老齢年金に加給年金額を加算する」というものです。

加給年金額は通常は65歳未満の配偶者が対象ですが、大正15年4月1日以前生まれの配偶者のについては65歳以上でも加給年金額の対象になるのはそのためです。

ポイント 大正15年4月1日以前生まれの妻の場合は、65歳以降も夫の加給年金額の対象。老齢基礎年金も振替加算も対象外。

 

■■昭和41年4月2日以降生まれの妻には振替加算は支給されない■■

年金のモデルは「40年間専業主婦だった妻」です。

第3号被保険者制度ができたのは昭和61年4月1日の新法以降です。その前の旧法時代は、専業主婦は任意加入でした。

(第3号被保険者制度のお話はこちらから → 旧法と新法(第3号被保険者)

昭和41年4月2日以降生まれの妻は、20歳以降の期間がすべて新法です。20歳から60歳まで専業主婦なら、40年間第3号被保険者です。それで満額の老齢基礎年金が支給されます。振替加算でカバーする必要はありません。

一方、昭和41年4月1日以前生まれの妻は、昭和61年4月1日に20歳を過ぎているので、旧法時代を経験しています。専業主婦は旧法時代は任意加入でした。20歳から60歳までの間の旧法時代に任意加入しなかった場合は、その分老齢基礎年金がカットされます。振替加算はその部分をカバーするためのものです。

 

ポイント 昭和41年4月2日以降生まれの妻の場合は、40年間ずっと第3号被保険者の可能性あり。それで満額の老齢基礎年金が保障される。

 

シリーズ振替加算その2はこちらから

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