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社労士受験のあれこれ
  過去記事(平成28年度)

このページは平成28年度版です。

こちらのページは平成28年度試験向けに書いた記事です。

平成28年4月9日以降の法改正は反映されていませんので、ご注意ください。

 

平成29年試験向けの「社労士受験のあれこれ」はこちらからどうぞ。

社労士受験のあれこれ(平成29年版)

 

お疲れ様でした。

H28.8.29 昨日はお疲れ様でした。 

1日たちました。

受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。

 

色々な思いがあると思います。でも、とりあえずは、今まで我慢していたことに思いっきり時間を使うというのも良いと思います。がんばりぬいた後の解放感は格別ですよね。

 

 

私も、これから今年の問題を解いて、より良い勉強方法を研究します。

研究した攻略方法もこちらのページで書いていく予定です。宜しければまたお読みください。

 

台風が来ています。ご注意くださいね。こちらも現在大雨です。

社労士受験のあれこれ

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H28.8.27  いよいよ明日です。~私の受験体験を少しご紹介~ 

私が社労士試験を受験したのは平成7年。当時は7月の最終火曜日が本試験でした。

試験当日の朝、予備校の友達と待ち合わせをして、試験会場の大学まで電車で向かいました。

 

電車の中で並んで座って、そのときカバンから何気なく取り出したプリント。

当時、改正されたばかりの在職老齢年金の説明が書かれていて、授業で習ったような気がするけど、読んでも全然分からず・・・

友達と、「全然分からないねー」と言いながら、なんとなくそのプリントを眺めていました。

 

さて、本試験が始まり、記述式(当時は選択のマークシートではなく、文字を書く記述式でした。)の問題を解いていると、なんと、さっき電車で眺めていた在職老齢年金が、そのまま問題になっているではないですか!

 

まったく理解していなかった在老の計算式でしたが、電車で眺めていたプリントに書かれていた数字を入れて、無事に、空欄を埋めることができました。

 

試験が終わった後、プリントを一緒に見ていた友達と、「あれ出てたねー!」と手を取り合いました。

その年の11月、その友達にも、私にも合格通知が届きました。

 

 

 

本試験の前日は、ひたすら「覚える」ことに集中するのも良いと思います。

最後に詰め込んだことは、本試験のときに思い出しやすいと思いますし。

そして、当日の朝の時間だって詰込みに使えます!

 

今までの勉強の成果をすべて出せますように。

そして、1人でも多くの方に合格通知が届きますように。

社労士受験のあれこれ

「国民年金法」の選択対策 

H28.8.25 「国民年金」の選択対策 

あと2日。

もうゴールが見えてきました。

 

今日は、国民年金法の選択問題です。

 

(用語の定義)

 この法律において、「政府及び実施機関」とは、厚生年金保険の実施者たる政府及び< A >をいう。

 この法律において、<「 A 」>とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は<  B  >をいう。

 

 

(基礎年金拠出金)

1 厚生年金保険の< C >は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する

2 < D >は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する

3 < E >が作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の< C >が負担し、又は< D >が納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。

 

 

 

 

 

(用語の定義)

A 実施機関たる共済組合等  B 日本私立学校振興・共済事業団

 

(基礎年金拠出金)

C 実施者たる政府  D 実施機関たる共済組合等  E 財政の現況及び見通し

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【直前】「社会保険の一般常識」の選択対策 

H28.8.24 直前!「社会保険の一般常識」の選択対策 

ラストスパートです。

あともう一息です。暑いですが頑張りましょう。

 

<国民健康保険法・審査請求>

 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、< A >に審査請求をすることができる。

 < A >は、各< B >に置く。

 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して< C >以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。

 

<介護保険法・審査請求>

 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求に関する処分及び要介護認定又は要支援認定に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金(財政安定化基金拠出金、納付金及び第157条第1項に規定する延滞金を除く。)に関する処分に不服がある者は、< D >に審査請求をすることができる。

 < D >は、各< E >に置く。

 審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して< F >以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。

 

<高齢者の医療の確保に関する法律・審査請求>

後期高齢者医療給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この章の規定による徴収金(市町村及び後期高齢者医療広域連合が徴収するものに限る。)に関する処分に不服がある者は、< G >に審査請求をすることができる。

< G >は、各< H  >に置く。

 審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して< I >以内に、文書又は口頭でしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。

 

 

 

 

A 国民健康保険審査会  B 都道府県  C 3月 

D 介護保険審査会  E 都道府県  F 3月

G 後期高齢者医療審査会  H 都道府県  I 3月

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【直前】「労働の一般常識」の選択対策 

H28.8.23 直前!「労働の一般常識」の選択対策 

スキマ時間も侮れません。

テキストや問題集が手元にないときは、頭の中で、テキストの画像を思い浮かべる練習をしてみるのもいいかもしれません。(私も時々そんな練習をしています!)

 

今日は労働の一般常識の選択問題です。

 

<障害者雇用調整金・障害者雇用納付金>

 

ちなみに、障害者雇用調整金が「もらえる」もの、障害者雇用納付金は「納める」ものです。

 

① 「障害者雇用調整金」

 ■常時雇用する労働者数が< A >人を超え、雇用する障害者数が法定雇用障害者数を超えている事業主が対象

 ■ 障害者雇用調整金の額 → 1人当たり月額< B >円

 

② 「障害者雇用納付金」

 ■ 常時雇用する労働者数が< C >人を超え、雇用する障害者数が法定雇用障害者数を下回っている事業主が対象

 ■ 障害者雇用納付金の額 → 1人当たり月額< D >円

   ※ 常時雇用する労働者数が< C >人を超え200人以下の事業主

     →H27年4月1日からH32年3月31日まで1人当たり月額< E >円

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

A 100  B 27,000  C 100  D 50,000  E 40,000

100人を超えるにも注意です。「以上」ではありません。

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【直前】「厚生年金保険法」の選択対策 

H28.8.22 直前!「厚生年金保険法」の選択対策 

無理せず、焦らず。

ひとつひとつ固めていきましょう。

 

今日は厚生年金保険法の選択問題です。

 

<国庫負担等>

1. 国庫は、毎年度、< A >が負担する基礎年金拠出金の額の2分の1に相当する額を負担する。

2. 国庫は、前項に規定する費用のほか、毎年度、予算の範囲内で、厚生年金保険事業の< B >(基礎年金拠出金の負担に関する< B >を含む。次項において同じ。)の執行(< C >(厚生労働大臣を除く。)によるものを除く。)に要する費用を負担する。

3 < C >(厚生労働大臣を除く。以下この項において同じ。)が納付する基礎年金拠出金及び< C >による厚生年金保険事業の< B >の執行に要する費用の負担については、この法律に定めるもののほか、共済各法の定めるところによる。

 

 

 

 

 

【解答】

A 厚生年金保険の実施者たる政府  B 事務  C 実施機関

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あと6日でできること。 

H28.8.21 残り6日でできること。

本試験まであと6日です。

あと6日でできること、色々あります!

 

①数字のチェック

 特に数字がポイントになる科目は、「健康保険法」と「雇用保険法」です。

②改正点のチェック

 今年の改正事項は、「必ず出る!」という前提で最終チェックをしてくださいね。

 本試験中に「やっぱり出た(^^)」と思えたらラッキーです。

 

③どうしてもわからなかったところのチェック

 苦手なところ、どうしても理解できなかったところを、「ちらっ」とチェックしてください。理解しようと思わず、本当に「ちらっ」とだけでOKです。

 ちらっと見ただけでも、案外印象に残っているものです。

 

④Cランクの個所のチェック

 テキストの中のAランクの大事なところは、何回も目を通していらっしゃると思います。余裕があれば、読み飛ばしていたCランクの個所やテキストの隅っこに書いてあることも「ちらっ」とチェックしてみてください。(あまり時間をかけないように気を付けてくださいね。)

 

 

まだまだ暑い日が続きます。

体調にも気を付けながら、頑張りましょう!

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【直前】「国民年金法」の選択対策 

H28.8.19 直前!「国民年金法」の選択対策 

まだまだ、巻き返しできます!

がんばりましょう。

 

今日は国民年金法の選択問題です。

 

<平成28年度・保険料額と保険料率>

◆ 平成28年度の保険料の額は、法律に規定された額(< A >円)に保険料改定率を乗じて得た額(その額に< B >円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、< B >円以上< C >円未満の端数が生じたときは、これを< C >円に切り上げるものとする。)とする。

 

◆ 平成28年度の保険料改定率は< D >となったため、平成28年度の保険料額は< E >円となっている。

 

◆ なお、平成28年度の保険料改定率は、前年度(平成27年度)の保険料改定率×当該年度の初日の属する年の2年前の< F >変動率×当該年度の初日の属する年の4年前の年度の< G >変動率(3年前から5年前のものの3年平均)で算出されている。 

 

 

 

 

 

 

【解答】

A 16,660  B 5  C 10

D 0.976  E 16,260

 ※平成28年度の保険料額 → 16,660円×0.976≒16,260円

F 物価  G 実質賃金

 ※ 保険料改定率は前年度の保険料改定率×「名目賃金変動率」で改定されます。(「名目手取り賃金変動率」ではないので注意してくださいね。)

 ■■名目賃金変動率 = 2年前物価変動率×4年前の年度の実質賃金変動率

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【直前】「健康保険法」の選択対策 

H28.8.18 直前!「健康保険法」の選択対策 

あと10日。まだまだ、巻き返しできます!

 

試験中に、「あーーーこれ見たことあるけど、どっちだったっけ?」と思うのは非常に悔しいので、気になった箇所は、しっかり見直しをしておきましょう。

 

 

今日は健康保険法の選択問題です。

雇用保険同様、健康保険も「数字」のチェックが必須です!

 

①標準賞与額の決定

 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに< A >円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が< B >円を超えることとなる場合には、当該累計額が< B >円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。

 

 

②入院時食事療養費

 入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して< C >が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から、平均的な家計における食費の状況及び特定介護保険施設等(介護保険法第51条の3第1項に規定する特定介護保険施設等をいう。)における食事の提供に要する平均的な費用の額を勘案して< C >が定める額(所得の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定める者については、別に定める額。以下「食事療養標準負担額」という。)を控除した額とする。

 ■食事療養標準負担額■

対象者の区分食事療養標準負担額
b,c,dのいずれにも該当しない者

1食につき460 円

(ただし、平成28 年4月1日から平成30 年3月31 日までの間においては、1食につき    < D > 円)

c,dのいずれにも該当しない小児慢性特定疾病児童等又は指定難病患者1食につき< E >
低所得者Ⅱ過去1年間の入院期間が90日以下1食につき210 円
過去1年間の入院期間が90 日超1食につき160 円
低所得者Ⅰ1食につき100円

 

 

③特例退職被保険者の標準報酬月額

  特例退職被保険者の標準報酬月額については、当該特定健康保険組合が管掌する前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の< F >の特例退職被保険者< G >全被保険者の同月の標準報酬月額を< H >を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額とする。

【選択肢】

① 3月31日  ② 9月30日  ③ 4月1日  ④ 10月1日

⑤ を含む  ⑥ 以外の

⑦ 平均した額の範囲内においてその規約で定めた額

⑧ 平均した額の範囲内において政令で定めた額

⑨ 平均した額と前年の全被保険者の標準賞与額を平均した額の12分の1に相当する額との合算額の2分の1に相当する額の範囲内において規約で定めた額

⑩ 平均した額と前年の全被保険者の標準賞与額を平均した額の12分の1に相当する額との合算額に相当する額の範囲内において規約で定めた額

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

A 1,000  B 573万

C 厚生労働大臣  D 360  E 260

F ② 9月30日  G ⑥ 以外の                      H ⑦ 平均した額の範囲内においてその規約で定めた額

社労士受験のあれこれ

【直前】「雇用保険法」の選択対策 

H28.8.17 直前!「雇用保険法」の選択対策 

試験は、8月28日。まだ、時間はあります!

あれこれ手を広げるよりも、基本をしっかり復習して迷いをなくしましょう。

 

 

今日は雇用保険法の選択問題です。

雇用保険は「数字」をしっかり覚えておくのがポイントです。

数字があやふやだと、本試験で答を出すのに時間がかかってしまいます。迷わないためにも、数字はしっかりチェックしておきましょう!

 

 

①高年齢雇用継続給付の支給限度額(H27年8月以後)

 高年齢雇用継続基本給付金に関し、ある支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の50に相当する場合、同月における給付金の額は、当該賃金の額に100分の15を乗じて得た額(ただしその額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額。)となる。(H22年出題)

★支給限度額 = < A >円(平成27年8月以後)

 

②高年齢雇用継続給付の最低限度額

 支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が、受給資格者に係る賃金日額の下限額の100分の80に相当する額を超えないときは、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は支給しない

★賃金日額の下限額の100分の80 = < B >円

 

③育児休業給付

 育児休業給付金は、被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)が、次の各号のいずれにも該当する休業(法第61条の4第3項に規定する支給単位期間において公共職業安定所長が就業をしていると認める日数が  < C >(< C >を超える場合にあつては、公共職業安定所長が就業をしていると認める時間が< D >)以下であるものに限る。)をした場合に、支給する。

以下略

 

 

 

 

 

 

【解答】

A 341,015

  ちなみにH22年の過去問の解答は○です。

B 1,840  (2300円×100分の80)

  給付金の金額が1,840円を超えない場合は、給付金は支給されません。

C 10日

D 80時間

社労士受験のあれこれ

【直前】「労災保険法」の選択対策 

H28.8.16 直前!「労災保険法」の選択対策 

本試験は、8月28日。まだ、時間はあります!

あれこれ手を広げるよりも、基本をしっかり復習して迷いをなくしましょう。

 

 

今日は労災保険法の選択問題です。

 ①<年金給付基礎日額> 

年金たる保険給付の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額(以下「年金給付基礎日額」という。)については、次に定めるところによる。

1 算定事由発生日の属する年度(4月1日から翌年3月31日までをいう。以下同じ。)の< A >以前の分として支給する年金たる保険給付については、第8条の規定により給付基礎日額として算定した額を年金給付基礎日額とする。

2 算定事由発生日の属する年度の< B >以後の分として支給する年金たる保険給付については、第8条の規定により給付基礎日額として算定した額に当該年金たる保険給付を支給すべき月の属する年度の< C >(当該月が4月から7月までの月に該当する場合にあつては、前々年度)の< D >(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者1人当たりの給与の平均額をいう。)を算定事由発生日の属する年度の< D >で除して得た率を基準として< E >が定める率を乗じて得た額を年金給付基礎日額とする。

 

②<特別加入者>

 中小事業主等の特別加入者の給付基礎日額は、最低< F >円から最高< G  >円の範囲(16階級)のうちから定める。

 

 

 

 

<解答>

①<年金給付基礎日額>

A 翌々年度の7月  B 翌々年度の8月  C 前年度  D 平均給与額     E 厚生労働大臣

 

※算定事由発生日の属する年度の翌々年度の7月以前 → スライド適用なし

   第8条の規定による給付基礎日額 = 年金給付基礎日額

 算定事由発生日の属する年度の翌々年度の8月以後 → スライド率がかかる

   第8条の規定による給付基礎日額×スライド率 = 年金給付基礎日

 

②<特別加入者>

F 3,500  G 25,000

※ ちなみに家内労働者等の下限は2,000円です。この問題では、「中小事業主等」の給付基礎日額の範囲が問われています。迷わないでくださいね。

特別加入者の給付基礎日額は、特別加入者本人の選択に基づきます。

社労士受験のあれこれ

【直前】「労働基準法」の選択対策 

H28.8.15 直前!「労基法」の選択対策 

本試験は、8月28日。まだ、時間はあります。

自信をもって答えられるよう、今まで勉強したところをひとつひとつしっかり復習していきましょう。

 

 

では、今日は労働基準法の選択問題です。

平成13年、14年の過去問からです。

 

<平成14年出題>

 労働基準法施行規則第16条第1項においては、使用者は、労働基準法第36条第1項の協定をする場合には、時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由、業務の種類、労働者の数並びに<A >及び<A >超える一定の期間についての延長することができる時間又は労働させることができる休日について協定しなければならない、と規定されている。また、「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長等に関する基準」第2条においては、労働基準法第36条第1項の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、時間外労働協定において<A >を超える一定の期間についての延長することができる時間を定めるに当たっては、当該一定の期間は、<B >及び<C >としなければならない、と規定されている。

 

<平成13年出題>

 労働基準法第36条においては、行政官庁は、同条第2項の規定に基づいて定められる基準(労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準)に関し、「第1項の協定をする使用者及び< D >に対し、必要な< E >及び指導を行うことができる」旨定められている。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

A 1日  B 1日を超え3カ月以内の期間  C 1年間

D 労働組合又は労働者の過半数を代表する者  E 助言

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【直前】「安衛法」の選択対策 第6回目

H28.8.12 直前!「安衛法」の選択対策 第6回目

労働安全衛生法は暗記科目だから、暗記すればいいだけ・・・なのですが、見ているようでなかなか覚えられないものです。

よく見ているところだけど思い出せないーというところの重点チェック、第6回目です。

 

 

では、問題です。

 

★総括安全衛生管理者

① 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を   < A >させなければならない。

一 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。       二 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。          三 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。       四 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。           五 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

② 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を< A >する者をもつて充てなければならない。

③ < B >は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に< C >することができる。

 

 

★安全管理者

① 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選任し、その者に総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうち安全に係る< D >を管理させなければならない。

② < E >は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、安全管理者の< F >ことができる。

 

(安全管理者の巡視)

 安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、< G  >等に危険のおそれがあるときは、直ちに、その危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

A 統括管理  B 都道府県労働局長  C 勧告  D 技術的事項      E 労働基準監督署長  F 増員又は解任を命ずる  G 作業方法

社労士受験のあれこれ

【直前】「安衛法」の選択対策 第5回目

H28.8.11 直前!「安衛法」の選択対策 第5回目

労働安全衛生法は暗記科目だから、暗記すればいいだけ・・・なのですが、見ているようでなかなか覚えられないものです。

よく見ているところだけど思い出せないーというところの重点チェック、第5回目です。

 

 

では、問題です。

「特別安全衛生改善計画」について、空欄を埋めてください。

 

<特別安全衛生改善計画>

 厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの(以下「重大な労働災害」という。)が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、特別安全衛生改善計画を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを< A >することができる。

重大な労働災害として厚生労働省令で定めるものとは

 厚生労働省令で定める重大な労働災害は、労働災害のうち、次の各号のいずれかに該当するものとする。

① 労働者が死亡したもの

② 労働者が負傷し、又は疾病にかかつたことにより、労働者災害補償保険法施行規則別表第1第1級から第< B >級までの身体障害欄に掲げる障害のいずれかに該当する障害が生じたもの又は生じるおそれのあるもの

 

重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合とは

 厚生労働省令で定める場合は、次の各号のいずれにも該当する場合とする。

① 重大な労働災害を発生させた事業者が、当該重大な労働災害を発生させた日から起算して< C >年以内に、当該重大な労働災害が発生した事業場以外の事業場において、当該重大な労働災害と再発を防止するための措置が同様である重大な労働災害を発生させた場合

② ①号の事業者が発生させた重大な労働災害及び当該重大な労働災害と再発を防止するための措置が同様である重大な労働災害が、いずれも当該事業者が労働安全衛生法、じん肺法若しくは作業環境測定法若しくはこれらに基づく命令の規定又は労働基準法第36条第1項ただし書(有害業務の延長時間)、第62条第1項若しくは第2項(年少者の危険有害業務の就業制限)、第63条(年少者の坑内労働の禁止)、第64条の2若しくは第64条の3第1項若しくは第2項(妊産婦等の坑内業務、危険有害業務の就業制限)若しくはこれらの規定に基づく命令の規定に違反して発生させたものである場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

A 指示  B 7  C 3

コチラの記事もどうぞ

 → 選択式対策(特別安全衛生改善計画)

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【直前】「安衛法」の選択対策 第4回目

H28.8.10 直前!「安衛法」の選択対策 第4回目

労働安全衛生法は暗記科目だから、暗記すればいいだけ・・・なのですが、見ているようでなかなか覚えられないものです。

よく見ているところだけど思い出せないーというところの重点チェック、第4回目です。

 

 

では、問題です。

「ストレスチェック」について、空欄を埋めてください。

 

①(心理的な負担の程度を把握するための検査の実施方法)

 事業者は、< A >する労働者に対し、< B >以内ごとに1回、定期に、次に掲げる事項について心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「検査」という。)を行わなければならない。

1. 職場における当該労働者の心理的な負担の< C >に関する項目

2. 当該労働者の心理的な負担による心身の< D >に関する項目

3. 職場における他の労働者による当該労働者への< E >に関する項目

※心理的な負担の程度を把握するための検査 → ストレスチェック

 

 

②(検査結果の通知)

 事業者は、検査を受けた労働者に対し、当該検査を行つた医師等から、< F >、当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。

 

 

③(結果の保存)

 事業者は、検査を受けた< G >を得て、当該検査を行つた医師等から当該労働者の検査の結果の提供を受けた場合には、当該検査の結果に基づき、当該検査の結果の記録を作成して、これを< H >保存しなければならない。

 

 

④(検査結果)

 事業者は、検査を行つた場合は、当該検査を行つた医師等に、当該検査の結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について< I >させるよう努めなければならない。

 事業者は、< I >の結果を勘案し、その必要があると認めるときは、当該集団の労働者の実情を考慮して、当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければならない

 

 

⑤(面接指導の対象となる労働者の要件)

 面接指導の対象となる労働者の要件は、検査の結果、心理的な負担の程度が高い者であつて、面接指導を受ける必要があると当該検査を行つた< J >が認めたものであることとする。

 

 

⑥(面接指導の実施方法等)

 面接指導の申出は、要件に該当する労働者が検査の結果の通知を受けた後、   < K >行うものとする。

 事業者は、要件に該当する労働者から申出があつたときは、< L >、面接指導を行わなければならない。

 検査を行つた医師等は、要件に該当する労働者に対して、申出を行うよう< M >することができる。

 

 

⑦(面接指導結果の記録の作成)

 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを< N >保存しなければならない。

 

 

⑧(面接指導の結果についての医師からの意見聴取)

 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後、< O >、医師の意見を聴かなければならない。

 

 

⑨(検査及び面接指導結果の報告)

 常時< P >以上の労働者を使用する事業者は、< Q >以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①(心理的な負担の程度を把握するための検査の実施方法)

 事業者は、<A 常時使用>する労働者に対し、<B 1年>以内ごとに1回、定期に、次に掲げる事項について心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「検査」という。)を行わなければならない。

1. 職場における当該労働者の心理的な負担の<C 原因>に関する項目

2. 当該労働者の心理的な負担による心身の<D 自覚症状>に関する項目

3. 職場における他の労働者による当該労働者への<E 支援>に関する項目

 

②(検査結果の通知)

 事業者は、検査を受けた労働者に対し、当該検査を行つた医師等から、<F 遅滞なく>、当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。

 

③(結果の保存)

 事業者は、検査を受けた<G 労働者の同意>を得て、当該検査を行つた医師等から当該労働者の検査の結果の提供を受けた場合には、当該検査の結果に基づき、当該検査の結果の記録を作成して、これを<H 5年間>保存しなければならない。

 

④(検査結果)

 事業者は、検査を行つた場合は、当該検査を行つた医師等に、当該検査の結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について<I 分析>させるよう努めなければならない。

 

 事業者は、<I 分析>の結果を勘案し、その必要があると認めるときは、当該集団の労働者の実情を考慮して、当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければならない

 

⑤(面接指導の対象となる労働者の要件)

 面接指導の対象となる労働者の要件は、検査の結果、心理的な負担の程度が高い者であつて、面接指導を受ける必要があると当該検査を行つた<J 医師等>が認めたものであることとする。

 

⑥(面接指導の実施方法等)

 面接指導の申出は、要件に該当する労働者が検査の結果の通知を受けた後、<K 遅滞なく>行うものとする。

 事業者は、要件に該当する労働者から申出があつたときは、<L 遅滞なく>、面接指導を行わなければならない。

 検査を行つた医師等は、要件に該当する労働者に対して、申出を行うよう<M 勧奨>することができる。

 

⑦(面接指導結果の記録の作成)

 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを<N 5年間>保存しなければならない。

 

⑧(面接指導の結果についての医師からの意見聴取)

 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後、<O 遅滞なく>、医師の意見を聴かなければならない。

 

⑨(検査及び面接指導結果の報告)

 常時<P 50人>以上の労働者を使用する事業者は、<Q 1年>以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

社労士受験のあれこれ

【直前】「安衛法」の選択対策 第3回目

H28.8.9 直前!「安衛法」の選択対策 第3回目

安衛法は暗記科目だから、暗記すればいいだけ・・・なのですが、見ているようでなかなか覚えられないものです。

よく見ているところだけど思い出せないーというところの重点チェック、第3回目です。

 

 

では、問題です。

空欄A、Bに入るものを選択肢から選んでください。

 

(受動喫煙の防止)

 事業者は、労働者の受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するため、当該事業者及び事業場の< A >適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

 

(国の援助)

 国は、労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るため、必要な資料の提供、作業環境測定及び健康診断の実施の促進、受動喫煙の防止のための < B >の促進、事業場における健康教育等に関する指導員の確保及び資質の向上の促進その他の必要な援助に努めるものとする。

 

<選択肢>

① 規模に応じ  ② 労働者の希望に応じ  ③ 実情に応じ  ④ 状況に応じ

⑤ 環境形成  ⑥ 設備の設置  ⑦ 教育指導  ⑧ 意識改善

 

 

 

 

 

【解答】

A ③ 実情に応じ   B ⑥ 設備の設置

社労士受験のあれこれ

【直前】「安衛法」の選択対策 第2回目

H28.8.8 直前!「安衛法」の選択対策 第2回目

安衛法は暗記科目だから、暗記すればいいだけ・・・なのですが、見ているようでなかなか覚えられないものです。

よく見ているところだけど思い出せないーというところの重点チェック、第2回目です。

 

 

では、問題です。

 

①<産業医>

 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、< A >に対し、労働者の健康管理等について必要な< B >をすることができる。

< A >は、< B >を受けたときは、これを尊重しなければならない。

 

 

②<産業医の選任>

 産業医の選任は、次に定めるところにより行なわなければならない。

ⅰ 産業医を選任すべき事由が発生した日から< C >以内に選任すること。

ⅱ 常時< D >人以上の労働者を使用する事業場又は次に掲げる業務に常時  < E >人以上の労働者を従事させる事業場にあつては、その事業場に専属の者を選任すること。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

ホ 異常気圧下における業務

ヘ さく岩機、鋲びよう打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

ト 重量物の取扱い等重激な業務

チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ 坑内における業務

ヌ < F >を含む業務

ル 水銀、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

ヲ 鉛、水銀、クロム、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

カ その他厚生労働大臣が定める業務

 

ⅲ 常時< G >人をこえる労働者を使用する事業場にあつては、2人以上の産業医を選任すること。

 

 

③<産業医の職務等>

 産業医は、労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項について、総括安全衛生管理者に対して< H >し、又は衛生管理者に対して指導し、若しくは< I >することができる。

 

 

④<産業医の定期巡視>

 産業医は、少なくとも< J >1回作業場等を巡視し、< K >又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

①<産業医>

 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、<A 事業者>に対し、労働者の健康管理等について必要な<B 勧告>をすることができる。

<A 事業者>は、<B 勧告>を受けたときは、これを尊重しなければならない。

 

 

②<産業医の選任>

 産業医の選任は、次に定めるところにより行なわなければならない。

ⅰ 産業医を選任すべき事由が発生した日から<C 14日>以内に選任すること。

ⅱ 常時<D 1000>人以上の労働者を使用する事業場又は次に掲げる業務に常時 <E 500>人以上の労働者を従事させる事業場にあつては、その事業場に専属の者を選任すること。

イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

ホ 異常気圧下における業務

ヘ さく岩機、鋲びよう打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

ト 重量物の取扱い等重激な業務

チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ 坑内における業務

ヌ <F 深夜業>を含む業務

ル 水銀、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

ヲ 鉛、水銀、クロム、砒ひ素、黄りん、弗ふつ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

カ その他厚生労働大臣が定める業務

 

ⅲ 常時<G 3000>人をこえる労働者を使用する事業場にあつては、2人以上の産業医を選任すること。

 

 

③<産業医の職務等>

 産業医は、労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項について、総括安全衛生管理者に対して<H 勧告>し、又は衛生管理者に対して指導し、若しくは<I 助言>することができる。

 

④<産業医の定期巡視>

 産業医は、少なくとも<J 毎月>1回作業場等を巡視し、<K 作業方法>又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

社労士受験のあれこれ

【直前】今日から「安衛法」の選択対策

H28.8.5 直前!今日から「安衛法」の選択対策

安衛法は暗記科目だから、暗記すればいいだけ・・・なのですが、見ているようでなかなか覚えられないものです。

今日から、安衛法の、よく見ているところだけど思い出せないーというところを重点的にチェックしましょう!

 

では、問題です。

◆◆労働災害防止計画の策定◆◆

・ 厚生労働大臣は、< A >の意見をきいて、労働災害防止計画を策定しなければならない。

・ 厚生労働大臣は、労働災害の発生状況、労働災害の防止に関する対策の効果等を考慮して必要があると認めるときは、< A >の意見をきいて、労働災害防止計画を変更しなければならない。

・ 厚生労働大臣は、労働災害防止計画を策定したときは、遅滞なく、これを   < B >しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

・ 厚生労働大臣は、労働災害防止計画の的確かつ円滑な実施のため必要があると認めるときは、事業者、事業者の団体その他の関係者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な< C >又は要請をすることができる。

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

・ 厚生労働大臣は、<A 労働政策審議会>の意見をきいて、労働災害防止計画を策定しなければならない。

・ 厚生労働大臣は、労働災害の発生状況、労働災害の防止に関する対策の効果等を考慮して必要があると認めるときは、<A 労働政策審議会>の意見をきいて、労働災害防止計画を変更しなければならない。

・ 厚生労働大臣は、労働災害防止計画を策定したときは、遅滞なく、これを<B 公表>しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

・ 厚生労働大臣は、労働災害防止計画の的確かつ円滑な実施のため必要があると認めるときは、事業者、事業者の団体その他の関係者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な<C 勧告>又は要請をすることができる。

社労士受験のあれこれ

【直前対策】目的条文(一般常識・社保)

H28.8.4 目的条文のチェック(一般常識・社保編)

今日は目的条文のチェックの最終回で「一般常識・社保編」です。

★目的条文のチェック(労働編)はコチラ

     → 【直前対策】目的条文(労基・安衛・労災・雇用)

★目的条文のチェック(社会保険編)はコチラ

     → 【直前対策】目的条文(健保・国年・厚年)

★目的条文のチェック(一般常識労働編)はコチラ

     → 【直前対策】目的条文(一般常識・労働)

 

 

 

それでは目的条文チェック「一般常識・社保編」にいきます。

<国民健康保険法>

(第1条 目的)

 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて< A >及び  < B >の向上に寄与することを目的とする。

 

 

<高齢者の医療の確保に関する法律>

コチラの記事をどうぞ → H28.4.11 高齢者医療確保法・目的等

 

 

<介護保険法>

(第1条 目的)

 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の < A >を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した< B >を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の< C >の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

 

コチラの記事もどうぞ → H28.4.9 介護保険の総則をチェック

 

 

<確定給付企業年金法>

(第1条 目的)

 この法律は、< A >の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、< B >が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって   < C >の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

こちらの記事もどうぞ → H28.3.1 確定給付企業年金法(確定拠出年金との比較)

 

 

<確定拠出年金法>

(第1条 目的)

 この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、< A >又は事業主が拠出した資金を< A >が< B  >において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって< C >の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

 

<社会保険労務士法>

(第1条 目的)

 この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の< A >と労働者等の< B >に資することを目的とする。

(第1条の2 社会保険労務士の職責)

 社会保険労務士は、常に< C >を保持し、業務に関する法令及び< D >に精通して、< E >な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

 

<国民健康保険法>

(第1条 目的)

 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて<A 社会保障>及び<B 国民保健>の向上に寄与することを目的とする。

 

★Bは「国民保健」。健康の「健」です。

 

 

<高齢者の医療の確保に関する法律>

コチラの記事をどうぞ → H28.4.11 高齢者医療確保法・目的等

 

 

<介護保険法>

(第1条 目的)

 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の  <A 医療>を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した<B 日常生活>を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の<C 共同連帯>の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

 

コチラの記事もどうぞ → H28.4.9 介護保険の総則をチェック

 

 

<確定給付企業年金法>

(第1条 目的)

 この法律は、<A 少子高齢化>の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、<B 事業主>が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって<C 公的年金>の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

こちらの記事もどうぞ → H28.3.1 確定給付企業年金法(確定拠出年金との比較)

 

 

<確定拠出年金法>

(第1条 目的)

 この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、<A 個人>又は事業主が拠出した資金を<A 個人>が<B 自己の責任>において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって<C 公的年金>の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

 

<社会保険労務士法>

(第1条 目的)

 この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もつて労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の<A 健全な発達>と労働者等の<B 福祉の向上>に資することを目的とする。

 

(第1条の2 社会保険労務士の職責)

 社会保険労務士は、常に<C 品位>を保持し、業務に関する法令及び<D 実務>に精通して、<E 公正>な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。

社労士受験のあれこれ

【直前対策】目的条文(一般常識・労働)

H28.8.3 目的条文のチェック(一般常識・労働編)

今日は目的条文のチェックの最終回で「一般常識編」です。

★目的条文のチェック(労働編)はコチラ

     → 【直前対策】目的条文(労基・安衛・労災・雇用)

★目的条文のチェック(社会保険編)はコチラ

     → 【直前対策】目的条文(健保・国年・厚年)

 

 

では、まず過去記事のご案内から。

◆ 育児休業・介護休業はコチラ

 → H28.5.19 育・介休業法/目的、基本的理念

◆ 雇用対策法、職業安定法、労働者派遣法はコチラ

 → H28.5.17 労働一般常識目的条文チェック!

◆ 労働契約法はコチラ

 → H28.5.13 目的条文は必ずチェック!(労働契約法)

 

ここからは問題です。空欄を埋めてください。

 

【労働組合法】

(第1条 目的)

 この法律は、労働者が使用者との交渉において< A >に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の< B >を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する< C >を締結するための< D >をすること及びその手続を助成することを目的とする。

 

【最低賃金法】

(第1条 目的)

 この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、 < A >の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の< B >の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 

【男女雇用機会均等法】

(第1条 目的)

 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の< A >な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

(第2条 基本的理念)

1 この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては< B >を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。

2 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従つて、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。

 

【障害者の雇用の促進等に関する法律】

(第1条 目的)

 この法律は、身体障害者又は知的障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との< A >な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する< B >を有効に発揮することができるようにするための措置、職業リハビリテーションの措置その他障害者がその< B >に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において< C >することを促進するための措置を総合的に講じ、もつて障害者の職業の安定を図ることを目的とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【労働組合法】

(第1条 目的)

 この法律は、労働者が使用者との交渉において<A 対等の立場>に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の<B 団体行動>を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する<C 労働協約>を締結するための<D 団体交渉>をすること及びその手続を助成することを目的とする。

★ポイント!

 団体行動と団体交渉を入れ替えないように注意しましょう。

 

★ここもチェック!

日本国憲法第28条(勤労者の団結権)

 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 

 

【最低賃金法】

(第1条 目的)

 この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、 <A 労働条件>の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の<B 公正な競争>の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

★ここもチェック!

(第9条 地域別最低賃金の原則)

 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。

 労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。

 

 

【男女雇用機会均等法】

(第1条 目的)

 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の<A 均等>な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

(第2条 基本的理念)

1 この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては<B 母性>を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。

2 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従つて、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。

 

 

【障害者の雇用の促進等に関する法律】

(第1条 目的)

 この法律は、身体障害者又は知的障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との<A 均等>な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する<B 能力>を有効に発揮することができるようにするための措置、職業リハビリテーションの措置その他障害者がその<B 能力>に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において<C 自立>することを促進するための措置を総合的に講じ、もつて障害者の職業の安定を図ることを目的とする。

社労士受験のあれこれ

【直前対策】目的条文(健保・国年・厚年)

H28.8.2 目的条文のチェック(社会保険編)

いよいよ8月です!

8月の頑張りが、結果につながります。

最後まで一緒に頑張りましょう!!!

今日は目的条文のチェック(社会保険編)です。

目的条文のチェック(労働編)はコチラです。

     → 【直前対策】目的条文(労基・安衛・労災・雇用)

 


【健康保険法】 

(第1条 目的)

 この法律は、労働者又はその< A >の< B >以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と< C >に寄与することを目的とする。

 

【国民年金法】

(第1条 目的)

  国民年金制度は、日本国憲法第25条第< A >項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて< B >の安定がそこなわれることを国民の< C >によつて防止し、もつて健全な< B >の維持及び向上に寄与することを目的とする。

(第2条 国民年金の給付)

 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。

 

【厚生年金保険法】

(第1条 目的)

 この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその< A >の生活の安定と< B >に寄与することを目的とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【健康保険法】 

(第1条 目的)

 この法律は、労働者又はその<A 被扶養者>の<B 業務災害>以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と<C 福祉の向上>に寄与することを目的とする。

 

ココもポイント!

第2条(基本的理念)のキーワードもチェックしておきましょう。

コチラをどうぞ → H28.3.12 健康保険基本的理念のキーワード

 

 

【国民年金法】

(第1条 目的)

  国民年金制度は、日本国憲法第25条第<A 2>項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によつて<B 国民生活>の安定がそこなわれることを国民の<C 共同連帯>によつて防止し、もつて健全な<B 国民生活>の維持及び向上に寄与することを目的とする。

(第2条 国民年金の給付)

 国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。

 

★ 国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項の理念に基づいています。第25条第1項ではありませんので注意してくださいね。

 

★★憲法も見ておきましょう。

第25条(国民の生存権、国の社会保障的義務)

第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

第2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

 

【厚生年金保険法】

(第1条 目的)

 この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその<A 遺族>の生活の安定と<B 福祉の向上>に寄与することを目的とする。

 

★厚生年金保険は「保険給付」といいますが、国民年金は「給付」で保険給付とはいいません。

この違いについてはコチラ → H28.1.28 国民年金と厚生年金保険の違い

社労士受験のあれこれ

【直前対策】目的条文(労基・安衛・労災・雇用)

H28.8.1 目的条文のチェック(労働編)

いよいよ8月です!

8月の頑張りが、結果につながります。

最後まで一緒に頑張りましょう!!!

今日は目的条文のチェック(労働編)です。

 


【労働基準法】 

(第1条 労働条件の原則)

① 労働条件は、労働者が< A >を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、< B >を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その< C >を図るように努めなければならない。

 

 

【労働安全衛生法】

(第1条 目的)

 この法律は、< A >と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び< B >の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、< C >の形成を促進することを目的とする。

 

 

【労働者災害補償保険法】

(第1条 目的)

 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な< A >を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の< B >の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の< C >に寄与することを目的とする。

 

 

【雇用保険法】

(第1条 目的)

 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が< A >場合に必要な給付を行うことにより、労働者の< B >及び雇用の安定を図るとともに、< C >を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の< D >に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の< E >を図ることを目的とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【労働基準法】 

(第1条 労働条件の原則)

① 労働条件は、労働者が<A 人たるに値する生活>を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

 

② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、<B この基準>を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その<C 向上>を図るように努めなければならない。

 

 

【労働安全衛生法】

(第1条 目的)

 この法律は、<A 労働基準法>と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び<B 自主的活動>の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、<C 快適な職場環境>の形成を促進することを目的とする。

 

 

【労働者災害補償保険法】

(第1条 目的)

 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な<A 保険給付>を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の<B 社会復帰>の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の<C 福祉の増進>に寄与することを目的とする。

 

ここもポイント!

「労働安全衛生法」と「労災保険法」の目的条文の比較

    安全と○○ 

→ こちらの記事をどうぞ! H28.1.5 目的条文(労働安全衛生法と労災保険法

 

【雇用保険法】

(第1条 目的)

 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が<A 自ら職業に関する教育訓練を受けた>場合に必要な給付を行うことにより、労働者の<B 生活>及び雇用の安定を図るとともに、<C 求職活動>を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の<D 職業の安定>に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の<E 福祉の増進>を図ることを目的とする。

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【横断】不服申し立て その2

H28.7.29 金曜日は横断 (不服申し立て その2) 

 

金曜日は「横断」です。

 

今週は、「不服申し立ての横断整理その2」で、テーマは「処分の取消しの訴え」です。

その1はこちら → 「審査請求」と「再審査請求」の期限

厚年一元化に伴う改正点はこちら → H28.7.25 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

 

※雇用保険の解答を修正しました。(H28.8.1)

 

では問題です。空欄を埋めてください。

【労災保険法】

 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

 保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての<   >に対する<    >の決定を経た後でなければ、提起することができない。

 

 

【雇用保険法】

 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給に係る失業等給付の返還命令若しくは納付命令の処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給に係る失業等給付の返還命令若しくは納付命令の処分の取消しの訴えは、当該処分についての<   >に対する<    >の決定を経た後でなければ、提起することができない。

 

 

【健康保険法】

ⅰ 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

ⅱ 保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

Ⅲ < A >の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。

◆◆<A>に入るのは次のどちらでしょう?

① 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分 

② 保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分

 

 

【国民年金法】

ⅰ 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第14条の4第1項又は第2項の規定による決定については、この限りでない。

ⅱ ⅰに規定する処分(< B >(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)に限る。)の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。

◆◆<B>に入るのは次のどちらでしょう。

① 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)

② 保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分

 

 

【厚生年金保険法】

ⅰ 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定による決定については、この限りでない。

ⅱ 厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

 < C >の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。

◆◆<C>に入るのはどちらでしょう?

① 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分

② 厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【労災保険法】

 保険給付に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての<審査請求>に対する<労働者災害補償保険審査官>の決定を経た後でなければ、提起することができない。

★「保険給付に関する処分の取消しの訴え」をするには、労働者災害補償保険審査官への審査請求を経ることが必要です。

 なお、労働保険審査会へ再審査請求をする、しないは任意です。

 

 

【雇用保険法】

 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給に係る失業等給付の返還命令若しくは納付命令の処分の取消しの訴えは、当該処分についての<審査請求>に対する<雇用保険審査官>の決定を経た後でなければ、提起することができない。

★「①確認、②失業等給付に関する処分、③不正受給に係る失業等給付の返還命令若しくは納付命令の処分の取消しの訴え」をするには、雇用保険審査官への審査請求を経ることが必要です。

 なお、労働保険審査会へ再審査請求をする、しないは任意です。

※審査請求と雇用保険審査官が入れ替わっていましたので訂正しました。(H28.8.1)

 

【健康保険法】

<A>には、「① 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分」が入ります。

★ 「被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴え」をするには、社会保険審査官への審査請求を経ることが必要です。

 なお、社会保険審査会へ再審査請求をする、しないは任意です。

★ 「保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分」については、社会保険審査会に審査請求をしないで、処分取消しの訴えをすることが可能です。

 

 

【国民年金法】

<B>には、「① 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分」が入ります。

★「① 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)」について処分取消しの訴えをするには、社会保険審査官への審査請求を経ることが必要です。

 なお、社会保険審査会へ再審査請求をする、しないは任意です。

★ 「② 保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分」については、社会保険審査官に審査請求をしないで、処分取消しの訴えをすることも可能です。

 

 

【厚生年金保険法】

<C>には、「① 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分」が入ります。

★ 「厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分の取消しの訴え」をするには、社会保険審査官への審査請求を経ることが必要です。

 なお、社会保険審査会へ再審査請求をする、しないは任意です。

★ 「厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分」については、社会保険審査会に審査請求をしないで、処分取消しの訴えをすることも可能です。

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労働保険事務組合のよく出るところ

H28.7.28 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(労働保険事務組合)

労働者を一人でも雇うと、原則として労災保険・雇用保険は強制加入となり、毎年度労働保険料の申告・納付の手続きが必要となります。

ただ、人手のない中小零細企業の場合は、毎年度の申告・納付を自身で行うのはかなりの重荷です。

労働保険事務組合とは、中小事業主から委託を受けて、労働保険事務の処理をすることができる団体のことです。

 

 

【問題①】労働保険事務組合とは?

<H19年(雇)出題>

 厚生労働大臣の認可を受けて、労働保険事務組合となった団体は、労働保険事務を専業で行わなければならない。

 

 

【問題②】労働保険事務組合に事務委託できる事業主の範囲

空欄を埋めてください。

金融業、< A >、< B >、小売業常時< D >人以下
卸売業、< C >常時< E >人以下
上記以外常時300人以下

 

 

【問題③】労働保険事務組合に委託するメリットは?

<H13年(雇)出題>

 労災保険及び雇用保険の保険関係が保険年度当初に共に成立している継続事業については、納付すべき概算保険料の額が40万円以上でなければ、延納をすることができないが、労働保険事務の処理を事務組合に委託している場合には、概算保険料の額の如何にかかわらず延納することができる。

 

<H15年(雇)出題>

 労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している継続事業の事業主は、概算保険料の申告・納付につき、その額のいかんを問わず延納することができ、その場合における納期限は、第1期から第3期までの各期において、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していない事業主と比較して14日遅く設定されている。

 

<H17年(雇)出題>

 有期事業について、労働保険料を延納する場合、労働保険事務の処理を労働保険事務組合(以下「事務組合」という。)に委託している事業主であっても、納付期限は事務組合に委託していない事業主と同じに設定されている。

 

 

【問題④】委託できないもの

<H23年(雇)出題>

 労働保険徴収法第33条第1項の規定により、事業主が労働保険事務組合に委託して処理させることができると定められている労働保険事務として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 雇用保険被保険者資格取得届を公共職業安定所長に提出する事務

B 印紙保険料納付状況報告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出する事務

C 雇用保険の適用事業所の設置の届書を所轄公共職業安定所長に提出する事務

D 労災保険の任意加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出する事務

E 労災保険の中小事業主等の特別加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出する事 

  務

 

 

【問題⑤】よく出る「期限」

NO1 労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の委託の解除があったときは、解除があった日の翌日から起算して14日以内に、労働保険事務等処理委託解除届をその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

 

NO2 労働保険事務組合は、労働保険事務組合認可申請書に添付された定款の記載に変更を生じた場合には、遅滞なく、その旨を記載した届書をその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に届け出なければならない。

 

NO3  労働保険事務組合は、労働保険事務の処理の業務を廃止しようとするときは、30日前までに、その旨の届書を、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。

 

 

【問題⑥】労働保険事務組合の役割等(政府と中小事業との橋渡し役のイメージ)

<H18年(雇)出題>

 政府は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき労働保険料の納入の告知等を、その事務組合に対してすることができるが、この場合、事務組合と委託事業主との間の委託契約の内容によっては、その告知等の効果が委託事業主に及ばないことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆解答◆◆

 

【問題①】労働保険事務組合とは?

<H19年(雇)出題> ×

 労働保険事務組合は、既に事業の実績のある団体が、厚生労働大臣の認可を受けることによって、事業の一環で労働保険事務の処理ができるというものです。専業で行わなければならないという規定はありません。

 

【問題②】

金融業、<A保険業>、<B不動産業>、小売業常時<D50>人以下
卸売業、<Cサービス業>常時<E100>人以下
上記以外常時300人以下

労働保険事務組合に委託できる事業主の範囲はよく出ます。こればかりは覚えておかないと解けないので、しっかり覚えておきましょう。

 

 

【問題③】労働保険事務組合に委託するメリットは?

<H13年(雇)出題> ○

 概算保険料の額の如何にかかわらず延納できることは、労働保険事務組合に委託するメリットです。

 

<H15年(雇)出題> ×

 納期限が14日延長されることも労働保険事務組合に委託するメリットで、2期目(納期限10月31日)と3期目(納期限1月31日)は、それぞれ11月14日、2月14日となります。ただし、1期目の納期限は延長されません。

 

<H17年(雇)出題> ○

 有期事業の場合は、労働保険事務組合に委託していても納期限は延長されません。

 

ここもポイント!

 中小事業主等は、労働保険事務組合に委託することによって、労災保険に特別加入することができます。 

 

 

【問題④】委託できないもの

<H23年(雇)出題> B 

印紙保険料に関する事務や労災保険及び雇用保険の保険給付に関する請求等の事務は、委託できません。

 

【問題⑤】よく出る「期限」

NO1 ×

労働保険事務組合に労働保険事務の処理の委託があったときや委託解除があったときの届出は「遅滞なく」です。

 

NO2 × 

定款の記載に変更を生じた場合の届出は、変更があった日の翌日から「14日以内」です。

★ちなみに、

労働保険事務組合認可申請書には、①定款、規約等、②労働保険事務の処理の方法を明らかにする書類、③最近の財産目録、貸借対照表及び損益計算書等資産の状況を明らかにする書類を添付することになっています。

ただし、③最近の財産目録、貸借対照表及び損益計算書等資産の状況を明らかにする書類については、変更があっても届出はいりません。

 

NO3 ×

業務を廃止しようとするときは「60日前まで」です。

 

 

【問題⑥】労働保険事務組合の役割等(政府と中小事業との橋渡し役のイメージ)

<H18年(雇)出題> ×

 「政府が労働保険事務組合に対してした労働保険料の納入の告知等は、事業主に対してしたこととみなす」とされているので、委託契約の内容に関係なく告知等の効果は委託事業主に及びます。 

社労士受験のあれこれ

選択対策/健康保険法

H28.7.27 水曜日は選択式対策!(健康保険法)

今週は健康保険法です。

 

【問題①】

 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の< A >。

 

【問題②】

 保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、< B >以内の期間を定め、その者に支給すべき< C >の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。ただし、偽りその他不正の行為があった日から< D >を経過したときは、この限りでない。

 

【問題③】

 保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書その他の物件の提出若しくは提示命令に従わず、又は職員の質問若しくは診断に対して答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の< E >。

 

【問題④】

1. < F >は、都道府県単位保険料率が、当該都道府県における健康保険事業の収支の均衡を図る上で不適当であり、協会が管掌する健康保険の事業の健全な運営に支障があると認めるときは、協会に対し、相当の期間を定めて、当該都道府県単位保険料率の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。

2. < F >は、協会が1.の期間内に申請をしないときは、< G >の議を経て、当該都道府県単位保険料率を変更することができる。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問題①】A 一部を行わないことができる

 ポイント! 「全部又は一部」ではない、「行わない」ではない。

 

【問題②】B 6月  C 傷病手当金又は出産手当金  D 1年

 

【問題③】E 全部又は一部を行わないことができる

問題①②③の解説はコチラの記事をどうぞ

  ↓ ↓ ↓

H28.5.5 全部?全部又は一部?一部?(健保・給付制限)

【問題④】 F 厚生労働大臣  G 社会保障審議会

ヒント!

 アンダーラインの「都道府県単位保険料率の変更の認可」の部分がヒントです。都道府県単位保険料率を変更しようとするときは「厚生労働大臣の認可」が必要ですよね。

ここもポイント!

 協会管掌の健康保険の一般保険料率は、支部被保険者を単位として協会が決定します。支部被保険者を単位として決定する一般保険料率を都道府県単位保険料率といいます。

(第160条)

1. 協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1000分の30から1000分の130までの範囲内において、支部被保険者を単位として協会が決定するものとする。

 ※支部被保険者 → 各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者

2. 1.の規定により支部被保険者を単位として決定する一般保険料率(「都道府県単位保険料率」という。)は、当該支部被保険者に適用する。

社労士受験のあれこれ

統計調査の概要も知っておきましょう。

H28.7.26 毎週火曜日は労働の一般常識!(統計調査について)

毎週火曜日は、労働の一般常識の労働経済について勉強してきました。

労働の一般常識(労働経済編)は今週で最終回となります。

最終回は、「統計調査」の特徴をおさえることにしましょう。

 

 

◆「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)

毎月勤労統計調査とは?(厚労省HP)」より

→ 賃金、労働時間及び雇用の変動を明らかにすることを目的に厚生労働省が実施する調査。統計法に基づく国の重要な統計調査である基幹統計調査。

 ・現金給与額  ・実労働時間、出勤日数  ・常用労働者

 

◆「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

「賃金構造統計調査の概要(厚労省HP)」より

→ 主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするもの。統計法による基幹統計

 最低賃金の決定や労災保険の給付額算定の資料、雇用・労働に係る国の政策検討の基礎資料として活用されている。

 

◆「就労条件総合調査」(厚生労働省)

「就労条件総合調査の概要(厚労省HP)」より

→ 主要産業における企業の労働時間制度、定年制等、賃金制度等について総合的に調査し、我が国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることが目的。統計法に基づく一般統計調査。

 ・労働時間制度  ・定年制等  ・賃金制度

 

◆「労働力調査」(総務省)

「労働力調査の概要(総務省統計局HP)」より

→ 我が国における就業及び不就業の状態を明らかにするための基礎資料を得ることが目的。統計法による基幹統計調査。

 労働力人口、就業者数・雇用者数、就業時間、完全失業者数(求職理由別など)、完全失業率、非労働力人口など

 

 

では、問題を解いてみましょう。

問題①

 「毎月勤労統計調査」の「現金給与総額」とは、「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」の合計額である。

 

問題②

 「労働力調査」の「労働力人口」とは、18歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたものである。

 

 

 

【解答】

問題① ○

「現金給与総額」 =「きまって支給する給与」+「特別に支払われた給与」 

「きまって支給する給与」 = 「所定内給与」+「所定外給与」

  ※「所定内給与」→ 定期給与(基本給、家族手当等)

   「所定外給与」→ 超過労働給与(時間外手当、休日出勤手当等)

「特別に支払われた給与」 → 特別給与(夏冬の賞与等)

 

問題② ×

 「労働力人口」とは、18歳以上ではなく「15歳以上」の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの。

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法練習問題

H28.7.25 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、改正厚生年金保険法からの練習問題です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう。

 

今週は不服申立てです。

空欄を埋めてください。

 

 

(審査請求及び再審査請求)

① < A >による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、< B >に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定(訂正請求に対する措置)による決定については、この限りでない。

② 次の各号に掲げる者による被保険者の資格又は保険給付に関する処分に不服がある者は、当該各号に定める者に対して審査請求をすることができる。

一 第2号厚生年金被保険者 → < C >

二 第3号厚生年金被保険者 → < D > 

三 第4号厚生年金被保険者 → < E > 

 

(審査請求)

① < A >による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は保険料等の督促及び滞納処分の規定による処分に不服がある者は、< B >に対して審査請求をすることができる。

② 第2号厚生年金被保険者、第3号被保険者に関する保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課又は徴収の処分に不服がある者は、それぞれ< C >、< D >に対して審査請求をすることができる。

③ 第4号被保険者に関する保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促若しくは国税滞納処分の例による処分に不服がある者は、< E  >に対して審査請求をすることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

A 厚生労働大臣  B 社会保険審査会

C 国家公務員共済組合審査会  D 地方公務員共済組合審査会

E 日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会

 

第1号厚生年金被保険者以外の審査機関は、名称だけ押さえておきましょう。

第2号厚生年金被保険者国家公務員共済組合審査会
第3号厚生年金被保険者地方公務員共済組合審査会
第4号厚生年金被保険者日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会

社労士受験のあれこれ

【横断】不服申し立て その1

H28.7.22 金曜日は横断 (不服申し立て その1) 

金曜日は「横断」です。

 

今週から、「不服申し立て」の横断整理に入ります。(何回かに分けてUPします。)

今週は、「審査請求」と「再審査請求」の期限を整理しましょう。

以下の問題の空欄を埋めてください。

 

【労災保険法】

① 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

② 審査請求は、審査請求人が原処分のあったことを知った日の翌日から起算して<   >を経過したときはすることができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第8条)

③ 保険給付に関する決定について審査請求をしている者は、審査請求をした日から<   >を経過しても審査請求についての決定がないときは、労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 労働保険審査会に対する再審査請求は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<   >を経過したときは、することができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第38条)

 

 

【雇用保険法】

① 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給に係る返還命令等の規定による処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

②   審査請求は、審査請求人が原処分のあったことを知った日の翌日から起算して  <    >を経過したときはすることができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第8条)

③ 審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して<   >を経過しても審査請求についての決定がないときは、雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 労働保険審査会に対する再審査請求は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<    >を経過したときは、することができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第38条)

 

 

【健康保険法】

① 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

② 審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<    >を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

③ 審査請求をした日から<    >以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 社会保険審査会に対する再審査請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<    >を経過したときは、することができない(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑤ 保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑥ ⑤の規定による審査請求は、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して<    >を経過したときは、することができない(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

 

 

【国民年金法】

① 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第14条の4第1項又は第2項の規定(訂正請求に対する措置)による決定については、この限りでない。

②  審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<    >を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

③ 審査請求をした日から<    >以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④  社会保険審査会に対する再審査請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<     >を経過したときは、することができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑤ 脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑥ 脱退一時金に関する処分に対する審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<    >を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

 

 

【厚生年金保険法】

① 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定(訂正請求に対する措置)による決定については、この限りでない。

②  審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<     >を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

③ 審査請求をした日から<    >以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 社会保険審査会に対する再審査請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<     >を経過したときは、することができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑤ 厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑥  ⑤の社会保険審査会に対する審査請求は、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して<     >を経過したときは、することができない(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑦ 脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑧ 脱退一時金に関する処分に対する審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<    >を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

<参考>

 次の各号に掲げる者による被保険者の資格又は保険給付に関する処分に不服がある者は、当該各号に定める者に対して審査請求をすることができる。

1 第2号厚生年金被保険者国家公務員共済組合審査会
2 第3号厚生年金被保険者地方公務員共済組合審査会
3 第4号厚生年金被保険者日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【労災保険法】

① 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

② 審査請求は、審査請求人が原処分のあったことを知った日の翌日から起算して  <3カ月>を経過したときはすることができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第8条)

③ 保険給付に関する決定について審査請求をしている者は、審査請求をした日から <3カ月>を経過しても審査請求についての決定がないときは、労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 労働保険審査会に対する再審査請求は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<2カ月>を経過したときは、することができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第38条)

 

 

【雇用保険法】

① 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給に係る返還命令等の規定による処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

②   審査請求は、審査請求人が原処分のあったことを知った日の翌日から起算して  <3カ月>を経過したときはすることができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第8条)

③ 審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して<3カ月>を経過しても審査請求についての決定がないときは、雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 労働保険審査会に対する再審査請求は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<2カ月>を経過したときは、することができない。(労働保険審査官及び労働保険審査会法第38条)

 

 

【健康保険法】

① 被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

② 審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

③ 審査請求をした日から<2カ月>以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 社会保険審査会に対する再審査請求は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<2カ月>を経過したときは、することができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑤ 保険料等の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑥ ⑤の規定による審査請求は、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときは、することができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

 

 

【国民年金法】

① 被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第14条の4第1項又は第2項の規定(訂正請求に対する措置)による決定については、この限りでない。

②  審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

③ 審査請求をした日から<2カ月>以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④  社会保険審査会に対する再審査請求は、決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<2カ月>を経過したときは、することができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑤ 脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑥ 脱退一時金に関する処分に対する審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

 

 

【厚生年金保険法】

① 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。ただし、第28条の4第1項又は第2項の規定(訂正請求に対する措置)による決定については、この限りでない。

②  審査請求は、原処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

③ 審査請求をした日から<2カ月>以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる。

④ 社会保険審査会に対する再審査請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して<2カ月>を経過したときは、することができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条)

⑤ 厚生労働大臣による保険料その他この法律の規定による徴収金の賦課若しくは徴収の処分又は督促及び滞納処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑥  ⑤の社会保険審査会に対する審査請求は、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときは、することができない

⑦ 脱退一時金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に対して審査請求をすることができる。

⑧ 脱退一時金に関する処分に対する審査請求は、脱退一時金に関する処分があったことを知った日の翌日から起算して<3カ月>を経過したときはすることができない。(社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条)

 

ポイント!

★労災保険・雇用保険・健康保険・国民年金・厚生年金保険 <共通>

  審査請求 → 3カ月

  再審査請求 → 2カ月

★労災保険・雇用保険

  棄却したものとみなす → 3カ月

★健康保険・国民年金・厚生年金保険

  棄却したものとみなす → 2カ月  

社労士受験のあれこれ

労災保険法<支給制限と費用徴収>

H28.7.21 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(労災保険)

◆ 例えば、「労働者」が「故意に」事故を生じさせた場合は、「保険給付は行わない」。(労働者に非があるので労働者の保険給付が制限される→労働者にペナルティ

  ※ 保険給付の支給制限についてはコチラの記事もどうぞ

    → H28.6.24 金曜日は横断 給付制限(労災保険編)

 

◆一方、例えば「事業主」が「故意又は重大な過失により」生じさせた業務災害の原因である事故は、「保険給付に要した費用の全部又は一部を事業主から徴収することができる」。

非は事業主にあるので労働者の保険給付は通常通り行われ、事業主にペナルティが課せられる。

  ※ 事業主からの費用徴収についてはこちらの記事もどうぞ

    → H28.4.22 事業主からの費用徴収

 

「特別加入者」も注意。

例えば、「保険料の滞納中の事故」は労働者の場合は「事業主から費用徴収」となるが、特別加入者の場合は「支給制限」が行われる。

 

 

では、次の過去問を解いてみましょう。

問題①H14年出題

 事業主が故意又は重大な過失により保険関係の成立に係る届出を怠っている間に生じた事故については、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

 

問題②H14年出題(問題文変えています)

 事業主が一般保険料を納付しない期間(督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故については、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

 

問題③H14年出題

 特別加入保険料が滞納されている期間中に当該特別加入者について生じた事故に係る保険給付については、政府は、その全部又は一部を行わないことができる。

 

 

 

 

 

【解答】

問題①H14年出題 ×

 事業主にペナルティが課されるパターンです。

 保険給付の支給制限ではなく、事業主から費用徴収が行われます。

 

問題②H14年出題 ×

 ①と同様、保険給付の支給制限ではなく、事業主から費用徴収が行われます。

 

問題③H14年出題 ○

<特別加入者の場合> 

以下の場合は、「保険給付の全部又は一部の支給を行わないことができる。」(事業主からの費用徴収ではないことに注意)

①特別加入保険料が滞納されている期間中に生じた事故 

②業務災害の原因である事故が事業主の故意又は重大な過失によって生じた場合

 → ②は中小事業主等の特別加入者のみ

社労士受験のあれこれ

選択対策/国民年金法(障害基礎年金)

H28.7.20 水曜日は選択式対策!(国民年金法)

今週は国民年金法です。

テーマは障害基礎年金の額の改定です。

 

それでは問題です。下の選択肢から選んでください。

 

1 < A >は、障害基礎年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、障害基礎年金の額を改定することができる。

2 障害基礎年金の受給権者は、< A >に対し、障害の程度が< B >したことによる障害基礎年金の額の改定を請求することができる。

3 第2項の請求は、障害基礎年金の受給権者の障害の程度が< B >したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は第1項の規定による< A >の診査を受けた日から起算して< C >でなければ行うことができない。

『選択肢』

① 6か月を経過した日以後  ② 変更  ③ 固定  ④ 1年を経過した日後⑤ 変化  ⑥ 市町村長  ⑦ 増進  ⑧ 保険者             ⑨ 1年6か月を経過した日後   ⑩ 1年を経過した日以後  ⑪ 厚生労働大臣 ⑫ 実施機関

 

 

 

【解答】

A ⑪ 厚生労働大臣  B ⑦ 増進  C ④ 1年を経過した日後

 

障害の程度が重くなったり軽くなったりした場合は、年金額が改定されます。

★第1項は厚生労働大臣の職権による年金額の改定です。

★第2項は障害の程度が増進した場合、受給権者から改定請求ができるという規定です。 (増進したということは年金額が増えるということ)

◆増進による改定請求のポイント 

① 1年を経過した日「以後」ではなく 、1年を経過した日「後」

② 障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合は1年以内でも請求できる。

 

 

ついでに、次の問題も解いてみましょう。

【問題】

 障害基礎年金の受給権者が行う改定請求は、受給権を取得した日又は厚生労働大臣が障害の程度を診査した日から起算して1年を経過した日から行うことができる。(障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除く。)

 

【解答】×

 受給権者から改定請求ができるのは、原則として1年を経過した「日後」からです。1年を経過した日からではありません。

社労士受験のあれこれ

「平成27年労働力調査」の結果より

H28.7.19    毎週火曜日は労働の一般常識!

今日は、「平成27年労働力調査結果」(総務省統計局)からの問題です。

この問題は、「平成27年労働力調査結果」(総務省統計局)を基に、当社会保険労務士合格研究室で作成しています。

「平成27年労働力調査結果」(総務省統計局)のURLはこちら

→ http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf

 

では、問題です。

 

【問題1】

 完全失業率は、平成27年平均で 3.4%となり、男女別にみると,男性は3.1%、女性は3.6%となり、完全失業率の男女差は 0.5 ポイントとなった。

 

【問題2】

 完全失業率とは、生産年齢人口に占める完全失業者の割合である。

 

【問題3】

 平成27年平均の正規の職員・従業員は3313万人と前年に比べ26万人増加(8年ぶりの増加)となり、非正規の職員・従業員は1980万人と18万人増加(6年連続の増加)となった。 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【問題1】 ×

 男性と女性の完全失業率が逆。男性は3.6%、女性は3.1%で男性の率の方が高いのが特徴です。

 ちなみに、完全失業率3.4%は、前年比0.2 ポイントの低下(5年連続の低下)で、男性3.6%(0.1 ポイント低下)、女性3.1%(0.3 ポイント低下)となっています。
 

 

【問題2】 ×

 完全失業率は、「労働力人口」に占める「完全失業者」の割合です。

 

■労働力調査の用語について

「労働力人口」

    15歳以上の人口のうち,「就業者」と「完全失業者」を合わせたもの

     ※18歳以上ではなく15歳以上です。注意してくださいね。

「労働力人口比率」

    15歳以上の人口に占める「労働力人口」の割合

「完全失業率」

    「労働力人口」に占める「完全失業者」の割合

 

【問題3】 ○

 正規の職員・従業員が8年ぶりの増加していることがポイントです。

 ちなみに、役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は 37.4%となっています。

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法練習問題

H28.7.18 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、改正厚生年金保険法からの練習問題です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう。

 

では、問題です。選択肢から選んでください。

(第80条 国庫負担等)

1 国庫は、毎年度、< A >が負担する< B >の額の2分の1に相当する額を負担する。

2 国庫は、1項に規定する費用のほか、毎年度、予算の範囲内で、厚生年金保険事業の事務(< B >の負担に関する事務を含む。3項において同じ。)の執行(< C >(厚生労働大臣を除く。)によるものを除く。)に要する費用を負担する。

3 < C  >(厚生労働大臣を除く。以下この項において同じ。)が納付する< B >及び< C >による厚生年金保険事業の事務の執行に要する費用の負担については、この法律に定めるもののほか、共済各法の定めるところによる。

<選択肢>

① 実施機関  ② 保険給付  ③ 厚生年金保険の実施者たる政府       ④ 国家公務員共済組合連合会  ⑤ 保険者  ⑥ 保険者等         ⑦ 日本私立学校振興・共済事業団  ⑧ 国庫納付金             ⑨ 厚生年金保険の管掌者たる政府  ⑩ 消費税                ⑪ 地方公務員共済組合連合会  ⑫ 基礎年金拠出金  

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

1 国庫は、毎年度、<A ③厚生年金保険の実施者たる政府>負担する<B ⑫基礎年金拠出金>の額の2分の1に相当する額を負担する。

 → 厚生年金保険の実施者たる政府が負担する基礎年金拠出金の2分の1が国庫負担で賄われている

 

2 国庫は、1項に規定する費用のほか、毎年度、予算の範囲内で、厚生年金保険事業の事務(<B ⑫基礎年金拠出金>の負担に関する事務を含む。3項において同じ。)の執行(<C ①実施機関>(厚生労働大臣を除く。)によるものを除く。)に要する費用を負担する。

3 <C ①実施機関>(厚生労働大臣を除く。以下この項において同じ。)が納付する<B ⑫基礎年金拠出金>及び<C ①実施機関>による厚生年金保険事業の事務の執行に要する費用の負担については、この法律に定めるもののほか、共済各法の定めるところによる。

 

基礎年金拠出金についてはこちらの記事もどうぞ 

   → <国民年金>H28.5.22 基礎年金拠出金の負担と納付

社労士受験のあれこれ

【横断】資格取得届

H28.7.15 金曜日は横断 (資格取得届) 

金曜日は「横断」です。

(2日遅れの更新で申し訳ないです。)

今週は、雇用保険法、健康保険法、国民年金法、厚生年金保険法の「資格取得届」でよく出るところを横断的に整理しましょう。

※ ちなみに、労災保険法には「資格取得届」はありません。

 

では、問題です。

 

【雇用保険法】

① 事業主は、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者となったことについて、当該事実のあった日から10日以内に、雇用保険被保険者資格取得届に必要に応じ所定の書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。

 

【健康保険法】

②(平成22年出題) 事業主が保険者等に届け出なければならない事項について、その事実があった日から5日以内に届け出なければならないのは、①新規適用事業所の届出、②被保険者の資格取得の届出、③育児休業等を終了した際の報酬月額の変更の届出などがある。

 

【国民年金法】

③(平成20年出題) 第2号被保険者が退職し第1号被保険者になったときは、当該事実があった日から14日以内に、資格取得届を市町村長に提出しなければならない。

 

④ 第3号被保険者の資格の取得・喪失等に関する届出は、厚生労働省令で定める場合を除き、第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を使用する事業主を経由して行うものとし、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由して行うものとする。

 

【厚生年金保険法】

⑤ 法第27条の規定による当然被保険者(船員被保険者を除く。)の資格の取得の届出は、当該事実があった日から10日以内に、厚生年金保険被保険者資格取得届又は当該届書に記載すべき事項を記録した磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)を日本年金機構に提出することによって行うものとする。

 

 

 

 

 

【解答】

【雇用保険法】 

① ×

 雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は、「当該事実のあった日の属する月の翌月10日まで」です。

 

 

【健康保険法】

②(平成22年出題) ×

 ①新規適用事業所の届出と②被保険者の資格取得の届出は5日以内ですが、③育児休業等を終了した際の報酬月額の変更の届出は、「速やかに」です。

★健康保険法の事業主の行う届出の提出期限は原則として「5日以内」です。

「5日以内」ではないものを覚えていくのがポイントです。

★提出期限が「速やかに」の届出

「報酬月額の変更の届出(随時改定)」、「育児休業等を終了した際の報酬月額の変更の届出」、「産前産後休業を終了した際の報酬月額の変更の届出」

 

 

【国民年金法】

③(平成20年出題) ×

 第2号被保険者が退職し第1号被保険者になったときは、資格取得届ではなく「種別変更届」を提出しなければなりません。(期限は14日以内、提出先は市町村長です。)

 

④ ○

 第3号被保険者の資格の取得・喪失等に関する届出の経由先について

・ 第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者の場合 → その配偶者である第2号被保険者を使用する事業主を経由(経由の事務の一部を当該事業主が設立する健康保険組合に委託することができる

・ 第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者の場合 → その配偶者である第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由

 

【厚生年金保険法】

⑤ ×

 当該事実があった日から10日以内ではなく「5日以内」です。(船員被保険者は10日以内)

※ 法第27条は第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者については、適用されません。

社労士受験のあれこれ

国民年金法<保険料納付済期間の定義>

H28.7.14 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(国民年金)

今週は、「保険料納付済期間」の定義を確認しましょう。

 

国民年金法第5条

 「保険料納付済期間」とは、次の3つを合算したもの

第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料に係るもの

   ⅰ 督促及び滞納処分の規定により徴収された保険料を含む

   ⅱ 保険料の一部免除の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く

第2号被保険者としての被保険者期間
第3号被保険者としての被保険者期間

 

第1号被保険者のポイント!

第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者の中で、国民年金の保険料を負担する義務があるのは第1号被保険者のみです。

そのため、第1号被保険者は、全額きっちり納付した部分が「保険料納付済期間」となります。

<一部免除の部分> 例えば半額免除については、免除された半額以外の半額を納付した場合は、保険料納付済期間ではなく保険料半額免除期間に入ります。(表のⅱの部分)

<追納した場合> 保険料の免除を受けていた期間でも、追納した場合は、保険料納付済期間になります。

 

第2号被保険者・第3号被保険者のポイント!

第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金の保険料を負担する義務がないので、(ということは滞納もあり得ないので)、第2号被保険者期間、第3号被保険者期間は、原則として、その期間がまるごと保険料納付済期間となります。

 

ここもチェック・基礎年金の給付の費用

・第1号被保険者 → 自分で直接国民年金に保険料を納付する

・第2号被保険者、第3号被保険者 → 第2号被保険者、第3号被保険者の基礎年金の給付に充てる費用として「基礎年金拠出金」という名前でまとめて厚生年金保険から国民年金にお金が送られている

 

 

問題を解いてみましょう!

 

問題①H24出題

 保険料納付済期間には、督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む。

 

問題②H24年出題

 保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。

 

問題③H23年出題 (老齢基礎年金の合算対象期間について)

 第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満及び60歳以上の期間は、合算対象期間とされる。

 

問題④H24出題

 第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳前の期間及び60歳以降の期間は、当分の間、障害基礎年金の受給資格期間及び年金額の計算の適用については、保険料納付済期間とはしない。

 

 

 

 

 

 

 

問題①H24出題 ○

 督促及び滞納処分により保険料が納付された期間も保険料納付済期間になります。

 

問題②H24年出題 ○

 例えば、次のように用語をあてはめて考えてみてください。

保険料納付済期間には、保険料の一部免除(4分の3免除)の規定により、その一部の額(4分の3)につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額(4分の1)が納付又は徴収されたものは含まない。 → 保険料納付済期間ではなく「保険料免除期間」(4分の3免除期間)です。

 

問題③H23年出題 (老齢基礎年金の合算対象期間について) ○

老齢基礎年金の保険料納付済期間には、第2号被保険者としての20歳未満・60歳以上の期間は、入りません。

 なぜなら、老齢基礎年金は第1号被保険者の基準(20歳以上60歳未満)に合わせて作られていて、20~60歳の40年で満額となるからです。

 そのため、第2号被保険者の20歳未満・60歳以上の期間は、合算対象期間(カラ期間)として扱われます。(受給資格期間の25年には入る・老齢基礎年金の年金額の計算には入らない)

 

問題④H24出題  ×

 障害基礎年金は、老齢基礎年金とは違いフルペンション方式ではないので、第2号被保険者の20歳前の期間及び60歳以降の期間も保険料納付済期間となります。(遺族基礎年金も同じ)

社労士受験のあれこれ

選択対策/健康保険法(療養の給付)

H28.7.13 水曜日は選択式対策!(健康保険法)

今週は健康保険法です。

(療養の給付)

1 療養の給付の範囲

① 診察 

② 薬剤又は治療材料の支給

③ 処置、手術その他の治療

④ 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護

⑤ 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

 

療養の給付に含まれないもの

① 「食事療養

 食事の提供である療養であって前項第⑤号(病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護に掲げる療養)と併せて行うもの(特定長期入院被保険者に係るものを除く。)

 

② 「生活療養

 次に掲げる療養であって前項第⑤号(病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護に掲げる療養)に掲げる療養と併せて行うもの(特定長期入院被保険者に係るものに限る。)

イ 食事の提供である療養

ロ 温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養

 

③ 「評価療養

 厚生労働大臣が定める< A >を用いた療養その他の療養であって、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から< B >を行うことが必要な療養(次号の< C >を除く。)として厚生労働大臣が定めるもの

 

④ 「< C >

< A >を用いた療養であって、当該療養を受けようとする者の申出に基づき、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から< B >を行うことが必要な療養として厚生労働大臣が定めるもの

⑤ 「< D >

 被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養

 

 

 

 

 

<解答>

A 高度の医療技術  B 評価  C 患者申出療養  D 選定療養

 

ここもチェック!

①「食事療養

 療養の給付と併せて受けた食事療養 → 「入院時食事療養費」を支給する

 ※入院時の食事は療養の給付(診療等)とは別に「入院時食事療養費」として支給(現物給付)される。

 

②「生活療養

 療養の給付と併せて受けた生活療養 → 「入院時生活療養費」を支給する(現物給付)

③「評価療養④「患者申出療養⑤ 選定療養

評価療養、患者申出療養、選定療養を受けたとき → 「保険外併用療養費」を支給する

 ※ 通常の治療と共通する部分(保険診適用される部分)が「保険外併用療養費」として現物給付され、保険診適用されていない部分は「自費」負担となる

社労士受験のあれこれ

「平成26年労使コミュニケーション調査」の結果より

H28.7.12    毎週火曜日は労働の一般常識!

今日は、平成26年「労使コミュニケーション調査」の結果についての問題を解いてみましょう。

この問題は、平成26年「労使コミュニケーション調査」の結果(厚生労働省)を基に、当社会保険労務士合格研究室で作成しています。

平成26年「労使コミュニケーション調査」の結果はこちら→http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/18-26gaiyou.html

 

では、問題です。

 

【問題1】

 労使関係の維持について『安定的』と認識している事業所は 86.9%となっている。また、企業規模別にみると、1,000 人以上では「安定的に維持されている」が最も多くなっている。 

※労使関係の認識は5段階の選択肢で、「安定的」は、「安定的に維持されている」と「おおむね安定的に維持さ れている」の合計

 

 

【問題2】

 労働者が事業所とどのような面での労使コミュニケーションを重視するか(複数回答)については、「日常業務改善」62.6%が最も多く、次いで「職場の人間関係」53.2%、「作業環境改善」49.9%などとなっている。

 

 

 

 

 

<解答>

【問題1】 ○

ポイント! <労使関係の認識>

<事業所調査>「安定的」と認識している事業所は86.9%

<労働者調査>「良好」※と認識している労働者は55.1%

 ※労使コミュニケーションの良好度は5段階で、「良好」は、「非常に良い」と「やや良い」の合計

 

【問題2】 ×

労働者が重視する事業所との労使コミュニケーション事項(複数回答)は、「職場の人間関係」62.6%が最も多い。次いで「日常業務改善」53.2%、「作業環境改善」49.9%など。

ポイント! <重視するコミュニケーション事項>

<事業所調査>「日常業務改善」75.3%が最も多い。

<労働者調査>「職場の人間関係」62.6%が最も多い。

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法練習問題

H28.7.11 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、改正厚生年金保険法からの練習問題です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう。

 

今週は「積立金の管理運用」です。

 

【問題】

第79条の2(運用の目的)

 積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の積立金(以下「< A >」という。)及び実施機関(< B >を除く。次条③において同じ。)の積立金のうち厚生年金保険事業(< C >の納付を含む。)に係る部分に相当する部分として政令で定める部分(以下「< D >」という。)をいう。以下同じ。)の運用は、積立金が厚生年金保険の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたつて、厚生年金保険事業の運営の安定に資することを目的として行うものとする。

第79条の3(積立金の運用)

① < A >の運用は、< B >が、前条の目的に沿つた運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、< A >を寄託することにより行うものとする。

② < B >は、①の規定にかかわらず、①の規定に基づく寄託をするまでの間、財政融資資金に< A >を預託することができる。

③ < D >の運用は、前条の目的に沿つて、実施機関が行うものとする。ただし、< D >の一部については、政令で定めるところにより、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法(以下「共済各法」という。)の目的に沿つて運用することができるものとし、この場合における同条の規定の適用については、同条中「専ら厚生年金保険」とあるのは、「厚生年金保険」とする。

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

第79条の2(運用の目的)

 積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の積立金(以下「<A 特別会計積立金>」という。)及び実施機関(<B 厚生労働大臣>を除く。次条③において同じ。)の積立金のうち厚生年金保険事業(<C 基礎年金拠出金>の納付を含む。)に係る部分に相当する部分として政令で定める部分(以下「<D 実施機関積立金>」という。)をいう。以下同じ。)の運用は、積立金が厚生年金保険の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたつて、厚生年金保険事業の運営の安定に資することを目的として行うものとする。

第79条の3(積立金の運用)

① <A 特別会計積立金>の運用は、<B 厚生労働大臣>が、前条の目的に沿つた運用に基づく納付金の納付を目的として、年金積立金管理運用独立行政法人に対し、<A 特別会計積立金>を寄託することにより行うものとする。

② B 厚生労働大臣は、①の規定にかかわらず、①の規定に基づく寄託をするまでの間、財政融資資金にA 特別会計積立金を預託することができる。

③ <D 実施機関積立金>の運用は、前条の目的に沿つて、実施機関が行うものとする。ただし、<D 実施機関積立金>の一部については、政令で定めるところにより、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法(以下「共済各法」という。)の目的に沿つて運用することができるものとし、この場合における同条の規定の適用については、同条中「専ら厚生年金保険」とあるのは、「厚生年金保険」とする。

 

★第79条の2(運用の目的)の重要用語

・特別会計積立金 → 年金特別会計の厚生年金勘定の積立金

・実施機関積立金 → 実施機関(厚生労働大臣を除く。)の積立金のうち厚生年金保険事業(基礎年金拠出金の納付を含む。)に係る部分に相当する部分として政令で定める部分

 

★第79条の3(積立金の運用)のポイント

・特別会計積立金の運用 → 厚生労働大臣が行う。

実施機関積立金の運用 → 実施機関(厚生労働大臣を除く)が行う。

社労士受験のあれこれ

横断・日雇労働者

H28.7.8 金曜日は横断 (日雇労働者/労基・雇用・健保) 

金曜日は横断です。

「日雇労働者」について過去の出題ポイントを集めました。

 

 

<労働基準法>

問題①(H11年出題)

日々雇入れられる者については、労働者名簿の調製は必要なく、また、労働契約締結時に書面で労働条件を明示する必要もない。

 

問題②(H13年出題)

日々雇入れられる者については、労働基準法第20条に定める解雇予告に関する規定は適用されることはない。

 

 

<雇用保険法>

問題③(H25年選択式)

 雇用保険法第42条は、同法第3章第4節においてA >とは、B >又はC >以内の期間を定めて雇用される者のいずれかに該当する労働者(前2月の各月において< D >以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して< E >以上雇用された者(雇用保険法第43条第2項の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう旨を規定している。

 

問題④(H20年出題) 

 日雇労働被保険者が前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合であっても、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、引き続き、日雇労働被保険者となることができる。

 

問題⑤(H20年出題)

 日雇労働被保険者となった者(日雇労働被保険者の任意加入の認可を受けた者は除く。)は、その事実のあった日から起算して10日以内に、日雇労働被保険者資格取得届を提出しなければならない。

 

問題⑥(H20年出題)

 日雇労働被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所において、雇用保険被保険者証及び日雇労働被保険者手帳の交付を受けなければならない。

 

 

<健康保険法>

問題⑦

 健康保険法の「日雇労働者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

1. 臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(同一の事業所において、イに掲げる者にあっては< A >を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる< B >を超え、引き続き使用されるに至った場合(所在地の一定しない事業所において引き続き使用されるに至った場合を除く。)を除く。)

 イ 日々雇い入れられる者

 ロ < C >以内の期間を定めて使用される者

2. 季節的業務に使用される者(継続して< D >を超えて使用されるべき場合を除く。)

3. 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して< E >を超えて使用されるべき場合を除く。)

 

問題⑧(H19年出題)

 日雇特例被保険者が療養の給付を受けるときは、保険医療機関等に日雇特例被保険者手帳を提出しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

<労働基準法>

問題①(H11年出題) ×

 日々雇入れられる者でも労働契約締結時に絶対的明示事項(昇給に関する事項は除く)は書面の交付が必要です。

 なお、日々雇入れられる者は、「労働者名簿の調製」は不要です。

 

問題②(H13年出題) ×

 日々雇入れられる者については、解雇予告の規定は原則として除外されます。

 ただし、日々雇入れられる者でも「1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合」は、解雇の予告が必要です。

 

<雇用保険法>

問題③(H25年選択式)

A 日雇労働者  B 日々雇用される者  C 30日  D 18日  E 31日

 

問題④(H20年出題) ○

次の①又は②に該当した場合は、日雇労働者でなくなります。

①前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合

②同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合

※ ただし、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、引き続き、日雇労働被保険者となることができます。

 

問題⑤(H20年出題) ×

10日以内ではなく「5日以内」です。ちなみに提出先は管轄公共職業安定所長です。

 

問題⑥(H20年出題) ×

 日雇労働被保険者には、雇用保険被保険証は交付されません。

 管轄公共職業安定所長は日雇労働被保険者資格取得届の提出を受けたとき、任意加入の認可をしたときは、「日雇労働被保険者手帳」を交付しなければならないと規定されています。

ここもポイント!

 日雇労働被保険者には「確認」の制度は適用されません。

 

 

<健康保険法>

問題⑦

A 1月  B 所定の期間   C 2月  D 4月  E 6月

 

問題⑧(H19年出題) ×

 保険医療機関等に提出するのは、「受給資格者票」です。

 

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選択対策/(労働基準法)

H28.7.7 木曜日だけど選択式対策!(労働基準法)

今週は労働基準法です。

テーマは「罰則(両罰規定)」です。

 

では、問題です。

 

(1) この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の< A  >を科する。

ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、その代表者)を事業主とする。(2)において同じ。)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない。

(2) 事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつた場合、違反行為を知り、その< B >に必要な措置を講じなかつた場合又は違反を< C >した場合においては、事業主も< D >として罰する。

【選択肢】

① 懲役刑又は罰金刑  ② 指示  ③ 更生 ④ 改善  ⑤ 拒否     ⑥ 是正  ⑦ 停止  ⑧ 教示  ⑨ 懲役刑  ⑩ 教唆  ⑪ 罰金刑  ⑫ 共犯者  ⑬ 過料  ⑭ 実行犯  ⑮ 責任者  ⑯ 行為者

 

 

 

解答に入る前に確認です。

「事業主」とは法人の場合は「法人そのもの」、個人企業の場合は「企業主個人」のこと。

 

 

 

 

<解答>

A  ⑪ 罰金刑  B ⑥ 是正  C ⑩ 教唆  D ⑯ 行為者

 

(1) この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主(事業主=法人の場合はその法人そのもの)に対しても各本条の罰金刑を科する。

(違反行為をした本人に対して罰則が適用されるのはもちろん、事業主にも罰金刑が科されます。法人に懲役刑は科せられないので罰金刑の対象になります。)

ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、その代表者)を事業主とする。(2)において同じ。)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない

(事業主(=ここでは法人の場合は代表者を事業主とする)が違反防止の措置をとった場合は、罰金刑は科せられません)

(2) 事業主(=ここでも法人の場合は代表者を事業主とする)が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつた場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する。

(事業主(法人の代表者)も行為者としての罰則が適用され、懲役刑を科せされることもありあます)

 

 

択一式の過去問もチェックしておきましょう。

(H20年出題)

 労働基準法は、同法が定める規定に違反する行為をした者に対して罰則を定めているだけでなく、その事業主に対しても罰金刑を科すものとしているが、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合においては、当該事業主に対しては罰金刑を科さないものとしている。 

 

(H10年出題)

 労働基準法違反をした事業主(事業主が法人である場合においては、その代表者)が教唆した場合、当該事業主についても行為者として罰則が適用されるが、罰金刑にとどまり、懲役刑を科せられることはない。

 

 

 

 

 

 

<答> 

(平成20年) ○

 例えば、従業者が労働基準法に違反する行為をした場合、違反行為をした本人に対して罰則が適用されるのはもちろん、事業主にも罰金刑が科されます。(両罰規定といいます) ただし、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合は、事業主に罰金刑は科さないとされています。

 

(平成10年) ×

行為者として懲役刑が科されることもあります。

社労士受験のあれこれ

【改正】厚年 / 在職老齢年金

H28.7.6 在老改正 「資格喪失月まで」→「退職月まで」に変更

H28.3.26にUPした記事ですが、内容に言葉が足りない部分がありましたので、修正し、再度UPいたします。

受験生の皆様にはご迷惑をかけますが、もう一度お読みいただければ幸いです。

 

 

在職老齢年金(在老)とは、

厚生年金保険料を負担しながら、受け取る老齢厚生年金のことです。

年金の月額と報酬との合算によっては、年金が停止になる制度です。(場合によっては、年金が全額支給されることもあるし、逆に年金が全額支給停止になることもあります。

 

さて、在職老齢年金の年金の停止額は「月単位」で算定されます。

在職老齢年金の条文は以下の通りですが、かなり長文なので、「どの月が在老の対象で支給停止になるのか」というポイントだけ読んでみてください。

(支給停止)

第46条 老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)、国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続き当該国会議員又は地方公共団体の議会の議員である者に限る。)である日又は70歳以上の使用される者(前月以前の月に属する日から引き続き当該適用事業所において第27条の厚生労働省令で定める要件に該当する者に限る。)である日が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額(国会議員又は地方公共団体の議会の議員については、その者の標準報酬月額に相当する額として政令で定める額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額として政令で定める額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とし、70歳以上の使用される者(国会議員又は地方公共団体の議会の議員を除く。次項において同じ。)については、その者の標準報酬月額に相当する額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とする。以下「総報酬月額相当額」という。)及び老齢厚生年金の額(第44条第1項に規定する加給年金額及び第44条の3第4項に規定する加算額を除く。以下この項において同じ。)を12で除して得た額(以下この項において「基本月額」という。)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下この項において「支給停止基準額」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同条第4項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとする。

 在老の規定が適用される月は、「被保険者である日が属する月」です。

 ただし、要件は、前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。」とされています。

 例えば、老齢厚生年金の受給権者が再就職して厚生年金保険の被保険者になった(前月以前から引き続いて被保険者の資格を有していないものとする)場合、再就職後の在老の規定が適用されるのは、資格取得月の翌月からとなります。

 

*では、退職し資格を喪失した場合の扱いはどうでしょう?

上記改正条文の(厚生労働省令で定める日を除く。)の部分に注目してください。

この「厚生労働省令で定める日」は施行規則第32条の2で以下のように規定されています。

 『法第46条第1項に規定する厚生労働省令で定める日は、老齢厚生年金の受給権者が法第14条の規定により被保険者の資格を喪失した日(当該被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過した場合に限る。)とする。』→ 簡単に言うと、「被保険者の資格を喪失した日」は、「被保険者である日」としないということ

 

 

●改正前は、「被保険者の資格を喪失した日」は、「被保険者である日」と扱われていたので、在老の規定は「資格を喪失した日の属する月」まで適用されていました。そのため、月末退職(翌月1日が資格喪失日)の場合は、退職月の翌月まで在老の規定が適用されていました。

●しかし、改正後は、「被保険者の資格を喪失した日」は「被保険者である日」と扱われなくなりました。

 すると、月末退職の場合翌月1日が資格喪失日なので、退職月の翌月は「被保険者である日が属する月」ではありませんよね。被保険者である日が属するのは「退職月」までとなるので、在老の規定も「退職月」までということになります。(前月から引き続いて被保険者であるという前提・次の再就職は考えずに)

 

<例> 前月から引き続いて被保険者であるという前提・次の再就職は考えずに

◆7月31日退職・8月1日資格喪失の場合

在老の適用は退職月の7月まで

◆7月6日退職・7月7日資格喪失の場合在老の適用は退職月の7月まで            (改正前も7月までだった)

★★改正のポイント!

月末退職でも、在老の適用は「退職月まで」となったこと

 

科目別 厚生年金保険法はこちら

「平成27年就労条件総合調査」の結果より

H28.7.5   毎週火曜日は労働の一般常識!

今日は、平成27年就労条件総合調査の結果についての問題を解いてみましょう。

この問題は、「平成27年就労条件総合調査(厚生労働省)」の結果を基に、当社会保険労務士合格研究室で作成しています。

平成27年「就労条件総合調査」の結果はこちら

→ http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/15/index.html

 

では問題です。

 

【問題①】

企業規模計の年次有給休暇取得率は50%を下回っており、企業規模別でみると、1,000人以上規模の企業の方が30~99人規模の企業よりも低くなっている。

 

【問題②】

 完全週休二日制を採用している企業割合は50.7%であるが、企業規模が小さくなるほど採用割合が低くなっている。

 

【問題③】

 みなし労働時間制を採用している企業の割合は13.0%だが、企業規模が小さくなるほど採用している企業の割合が高くなる傾向がみられる。

 

 

 

<解答>

【問題①】 ×

 企業規模計の取得率は47.6%。
 企業規模別 → 1,000 人以上52.2%、300~999 人47.1%、100~299
人44.9%、30~99 人43.2%。(1000人以上規模の方が高い)

【問題②】 ○

 完全週休2日制を採用している企業割合は50.7%。

 企業規模別 → 1,000 人以上69.3%、300~999 人59.5%、100~299 人54.1%、30~99 人48.3%。(規模が大きいほど割合が高い)

 産業別 → 金融業、保険業91.2%(最も高い)、鉱業、採石業、砂利採取業22.6%(最も低い)

 

【問題③】 ×

 みなし労働時間制を採用している企業の割合は13.0%。

 企業規模別 → 1,000人以上24.5%、300~999人18.5%、100~299人16.9%、30~99人11.0%。(規模が大きいほど割合が高い)

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法練習問題

H28.7.4 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、改正厚生年金保険法からの練習問題です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう。

 

【問題1】

 老齢厚生年金の受給権者が、平成28年4月6日に厚生年金保険の被保険者の資格を取得し、同年7月31日に退職しその後再就職しなかった場合、在職老齢年金の仕組みが適用されるのは、7月までである。

 

【問題2】

 1か月以上の厚生年金保険の被保険者期間を有する昭和38年4月1日生まれの男子が、60歳になった場合、その者が、老齢厚生年金の受給資格を満たし、かつ国民年金の任意加入被保険者でないときは、65歳に達する前に、実施機関に当該者の被保険者の種別に係る被保険者期間に基づく老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる。(坑内員、船員、特定警察職員等には該当しないものとする。)

 

【問題3】

 実施機関は、障害厚生年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、その程度に応じて、障害厚生年金の額を改定することができる。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【問題1】 ○

 在職老齢年金は、「被保険者である日が属する月」が対象です。改正で、「資格を喪失した日」は、「被保険者である日」とされなくなりました。

 設問の場合、7月31日退職・8月1日喪失(その後再就職なし)ですので、8月は「被保険者である日がない」ので、在職老齢年金の規定は適用されず、退職月の7月までが在老の対象です。

★★お詫びとお知らせ★★

在職老齢年金についてUPした平成28年3月26日の記事の説明に不備がありました。現在非公開にしていますが、後日訂正の上再度UPいたします。

受験勉強中の皆様にはご迷惑をおかけします。申し訳ございません。

 

【問題2】 ○

 「65歳に達する前に」がポイントです。65歳に達する前に、繰上げの請求をすることができるのは、老齢厚生年金の支給が65歳からの者(60歳台前半の老齢厚生年金が支給されない世代)であることに注意しましょう。

 

ポイント!

65歳に達する前に実施機関に繰上げの請求ができる者★

① 男子又は女子(第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であつて昭和36年4月2日以後生まれ(③及び④を除く。)

② 女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であつて昭和41年4月2日以後生まれ(③及び④を除く。)

③ 坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間とを合算した期間が15年以上である者であって、昭和41年4月2日以後生まれ(④を除く。)

④ 特定警察職員等である者で昭和42年4月2日以後生まれ

 

【問題3】 ○

 改正で、主語が厚生労働大臣から「実施機関」に変わりました。

社労士受験のあれこれ

【横断】時効(労働編)

H28.7.1 金曜日は横断 時効(労働編)

金曜日は「横断」です。

今週は、労働基準法、労災保険法、雇用保険法の「時効」を横断的に整理しましょう。

労災保険法は、時効の起算日や時効が関係ないものをおさえることもポイントです。

 

【労働基準法】

① この法律の規定による賃金(< A >を除く。)、災害補償その他の請求権は < B >年間、この法律の規定による< A >の請求権は< C >年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

 

【労災保険法】

② H13年出題

障害補償一時金及び遺族補償一時金を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

② H16年出題 

療養補償給付又は療養給付のうち、療養の給付を受ける権利については療養の必要が生じたときから、療養の費用の支給を受ける権利については療養の費用を支出した日の翌日から、時効が進行する。

 

③ H18年出題

 休業補償給付を受ける権利は、当該休業に係る傷病が発生した日の翌日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

④ H18年出題

 障害補償給付を受ける権利は、当該傷病が治って障害が残った日の翌日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

【雇用保険法】

⑤ 

 失業等給付の支給を受け、又はその返還を受ける権利は、3年を経過したときは、時効によって消滅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【労働基準法】

① A 退職手当  B 2  C 5

 

【労災保険法】

② H13年出題 ×

障害補償一時金、遺族補償一時金の時効は5年です。

★覚え方のポイント

「障害」「遺族」と名の付く給付(年金、一時金、差額一時金)の時効は5年

ただし、障害も遺族も「前払一時金」時効は2年

 

② H16年出題 ×

療養の給付は現物給付なので、時効は関係ないので×です。

療養の費用の支給を受ける権利の時効は、「療養の費用を支出した日の翌日」から起算して2年です。

 

③ H18年出題 ×

 休業補償給付を受ける権利の時効は、「当該傷病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない日ごとに、その翌日から」2年です。

 

④ H18年出題 ○

 障害補償給付は、「治ゆ」したときに支給される給付なので、時効の起算日も、「当該傷病が治って障害が残った日の翌日」から起算します。

 

ここもチェック!

★傷病(補償)年金は、政府の「職権」で支給決定されるので、時効はありません。

傷病(補償)年金の時効についてはコチラの記事(4月3日UP)をどうぞ。

 → 保険給付請求権の時効と会計法の時効

 

【雇用保険法】

⑤  ×

 失業等給付の支給を受け、又はその返還を受ける権利の時効は2年です。

社労士受験のあれこれ

雇用保険/支給対象月と支給単位期間の違い

H28.6.30 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(雇用保険)

高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金は「支給対象月」

育児休業給付金・介護休業給付金は「支給単位期間」

について支給されます。

 

支給対象月は「暦月」です。

例えば、高年齢雇用継続基本給付金の「支給対象月」は、「60歳に達した日の属するから65歳に達する日の属する月までの期間内にある」です。

■■6月15日が誕生日の場合(6月14日が60歳到達日)

6月7月           ~5月6月
60歳  65歳

 ↑    ↑                         ↑   ↑

   支給対象月                          支給対象月

 

支給単位期間は原則として「満1ケ月」です。

「支給単位期間」は、「休業を開始した日又は各月においてその日に応当し、かつ、当該休業をした期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下「休業開始応当日」という。)から各翌月の休業開始応当日の前日(当該休業を終了した日の属する月にあつては、当該休業を終了した日)までの各期間に区分した一の期間をいう。

■■7月4日から介護休業を開始し、9月15日に終了した場合

7月4日~

8月3日

8月4日~

9月3日

9月4日~

9月15日

支給単位期間1支給単位期間2支給単位期間3

 

 

★★過去問もチェックしておきましょう。

【問題①】H17年出題

 高年齢雇用継続基本金、高年齢再就職給付金のいずれについても、初日から末日まで被保険者である月でなければ、支給対象月とならない。

 

【問題②】H22年出題

 高年齢再就職給付金は、基本手当の支給残日数のいかんにかかわらず、当該被保険者が65歳に達する日の属する月よりも後の月について支給されることはない。

 

【問題③】H18年出題

 介護休業給付金の給付額は、休業期間中に事業主から賃金が支払われなかった場合、当該休業を終了した日の属する支給単位期間も含めて、1支給単位期間あたり、休業開始時賃金日額に30を乗じて得た額の100分の40に相当する額である。

 

 

 

 

 

<解答>

【問題①】H17年出題 ○

 支給対象月となるには、その月の初日から末日まで継続して雇用保険に加入していることが条件です。

 例えば、60歳を過ぎてから再就職(資格取得日が8月10日)の場合、8月は途中から被保険者となるので支給対象月にはなりません。支給対象月は9月からとなります。

 

ちなみに、 

 「支給対象月」の条件は、その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、育児休業給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしなかった月に限られます

 例えば、ひと月丸ごと育児休業給付金(or介護休業給付金)の支給を受けることができる月は支給対象月になりません。

 

 

【問題②】H22年出題 ○

 高年齢再就職給付金(高年齢雇用継続基本給付金も)、支給対象月は65歳に達する日の属する月までです。

 

 ちなみにこんな問題も出題されています。

   ↓

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(H25年出題)  高年齢雇用継続給付は、高年齢継続被保険者に支給されることはない。

 

 

 

答えは×です。

65歳に達する日の属する月までが支給対象月なので、高年齢継続被保険者に支給されることもあり得ます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【問題③】H18年出題 ×

 介護休業給付金は、「休業開始時賃金日額×支給日数×100分の40」で計算します。支給日数は原則は「30」ですが、休業を終了した日の属する支給単位期間は、「休業を開始した日又は休業開始応当日から当該休業を終了した日までの日数」になります。

 例えば、上の図で考えると支給単位期間1と2は支給日数は「30」で算定しますが、支給単位期間3の支給日数は9月4日~9月15日までの日数である「12」で算定します。

社労士受験のあれこれ

選択対策/雇用保険・育児休業給付金等

H28.6.29 水曜日は選択式対策!(雇用保険法)

今週は雇用保険法です。

 

【問題①】 (被保険者の個人番号の変更の届出)

 事業主は、その雇用する被保険者(日雇労働被保険者を除く。)の個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に規定する個人番号をいう。)が変更されたときは、< A >、個人番号変更届をその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。

 

【問題②】 (被保険者の育児休業開始時の賃金の届出)

 事業主は、その雇用する被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下同じ。)が育児休業を開始したときは、< B >、雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書(以下「休業開始時賃金証明書」という。)に労働者名簿、賃金台帳その他の当該休業を開始した日及びその日前の賃金の額並びに雇用期間を証明することができる書類を添えてその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。

 

【問題③】 (育児休業給付金の支給申請手続き)

 被保険者は、初めて育児休業給付金の支給を受けようとするときは、支給単位期間の初日から起算して< C >に、育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書に休業開始時賃金証明票を添えて、< D >してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由のため< D >して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、< D >しないで提出を行うことができる。

 

【問題④】 (休業の要件)

 育児休業給付金は、被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)が、一定の要件に該当する休業(支給単位期間において公共職業安定所長が就業をしていると認める日数が< E >日(< E >日を超える場合にあつては、公共職業安定所長が就業をしていると認める時間が< F >時間)以下であるものに限る。)をした場合に、支給する。

 

<選択肢>

① 翌月10日までに  ② 管轄公共職業安定所の長を経由  ③ 80     ④ 速やかに  ⑤ 4カ月以内  ⑥ 10  ⑦ 事前に  ⑧ 事業主を経由 ⑨ 5  ⑩ 20  ⑪ 当該被保険者が育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出をする日まで  ⑫ 30  ⑬ 50  ⑭ 4カ月を経過する日の属する月の末日まで  ⑮ 市町村長を経由  ⑯ 10日以内に  ⑰ 2カ月を経過する日の属する月の末日まで  ⑱ 30日以内に  ⑲ 8  ⑳ 5日以内に 

 

 

 

 

 

 

<解答>

A ④ 速やかに  B ⑪ 当該被保険者が育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出をする日まで   C ⑭ 4カ月を経過する日の属する月の末日まで  D ⑧ 事業主を経由  E ⑥ 10  F ③ 80

社労士受験のあれこれ

「平成27年労働組合基礎調査」の結果より

H28.6.28 毎週火曜日は労働の一般常識!

今日は、平成27年労働組合基礎調査の結果についての問題を解いてみましょう。

この問題は、平成27年「労働組合基礎調査」の結果(厚生労働省)を基に、当社会保険労務士合格研究室で作成しています。

平成27年「労働組合基礎調査」の結果はこちら→http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/15/

 

<ポイント>

◆ 労働組合員数 →  988 万2千人(前年より3 万3千人増加)  
◆ 推定組織率 → 17.4%(前年の 17.5%より 0.1 ポイント低下

推定組織率17.4%は数字も覚えてくださいね。

 

 

では、問題です。

 

【問題1】

 女性の労働組合員数は 312 万人で、前年に比べ6 万6 千人増加し、推定組織率(女性雇用者数に占める女性の労働組合員数の割合)は、前年より上昇し、12.5%となっている。

 

【問題2】

 労働組合員数(単位労働組合)のうち、パートタイム労働者は 102 万5千人 となっており、前年に比べると5 万5千人増加し、全労働組合員数に占める割合は 1割を超えた。

 

 

 

 

 

<解答>

 

【問題1】 ×

 女性の労働組合員数は 312 万人(前年に比べ6 万6 千人増加)

 推定組織率(女性雇用者数に占める女性の労働組合員数の割合)は、12.5%(前年と同じ)

 

【問題2】 ○

 パートタイム労働者の労働組合員数の全体の労働組合員数に占める割合は 10.4%(前年の9.9%より0.5ポイント上昇)で1割を超えています。

 なお、推定組織率(短時間雇用者数に占めるパートタイム労働者の労働組合員数の割合)は7.0%です。

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法練習問題

H28.6.27 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、改正厚生年金保険法からの練習問題です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう。

 

【問題1】

 厚生年金保険の被保険者である老齢厚生年金の受給権者について、支給される年金額を調整する仕組みは在職老齢年金と呼ばれるが、国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続き当該国会議員又は地方公共団体の議会の議員である者に限る。)である日が属する月についても在職老齢年金の仕組みが適用されることになった。 

 

【問題2】

 63歳の在職老齢年金を受給している者が適用事業所を退職したことによりその被保険者の資格喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過したときは、その資格を喪失した日から起算して1月を経過した日の属する月から、年金額が改定される。

 

【問題3】(H23年出題改)

 在職老齢年金の支給停止調整額は、法律上、賃金等の変動に応じて改定する仕組みとなっている。平成28年度の在職老齢年金の支給停止調整額については、47万円から46万円に改定された。

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

【問題1】 ○

 国会議員・地方公共団体の議会の議員も在職老齢年金の対象になりました。

 なお、国会議員又は地方公共団体の議会の議員の総報酬月額相当額は、「その者の標準報酬月額に相当する額として政令で定める額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額として政令で定める額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額」と規定されています。 

★こちらの記事もどうぞ → H28.3.27 国会議員、地方公共団体の議会議員も在老の対象に

 

【問題2】 ×

 退職時改定は、「資格を喪失した日(第14条第2号から第4号までのいずれかに至った日にあってはその日)から起算して1月を経過した日の属する月」から、行われることになりました。

 適用事業所に使用されなくなったとき(第14条第2号)は、翌日に資格を喪失しますが、退職時改定は「使用されなくなった日」から起算して1月を経過した日の属する月からとなります。

 例えば9月30日に退職した場合は10月1日に資格を喪失しますが、退職時改定は、9月30日から1月を経過した日の属する月である10月に行われます。

★こちらの記事もどうぞ → H28.3.24 退職時改定の起算日

 

【問題3】(H23年出題改) ×

 平成28年度の支給停止調整額は、平成27年度と同じ47万円です。

 ちなみに、60歳代前半の支給停止調整開始額28万円、支給停止調整変更額47万円も変更ありません。

社労士受験のあれこれ

全部?全部又は一部?一部?(労災・給付制限)

H28.6.24 金曜日は横断 給付制限(労災保険編)

先日は、健康保険法の給付制限の記事をUPしました。

5月5日の記事です。コチラ → 全部?全部又は一部?一部?(健保・給付制限)

今日は労災保険法です。健康保険法と比較してくださいね。

 

では過去問でチェックしましょう。

 

【問題① H15年選択式】

 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行うこと等を目的としており、労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその< A >となった事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない

 行政解釈によれば、この場合における故意とは<B >をいう。例えば、業務上の精神障害によって、正常な認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は<C >行為を思いとどまる精神的な抑制力が阻害されている状態で<C >が行われたと認められる場合には、<B >には該当しない。

 労働者が故意の<D >若しくは重大な<E >により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、もしくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

① 逸脱  ② 意図的な恣意  ③ 違法行為  ④ 主な原因  ⑤ 過失   ⑥ 間接の原因   ⑦ 危険行為  ⑧ 結果の発生を意図した故意       ⑨ 結果の発生を意図しない故意  ⑩ 錯乱   ⑪ 自殺  ⑫ 自暴自棄   ⑬ 重大な故意  ⑭ 直接の原因  ⑮ 犯罪行為  ⑯ 非行   ⑰ 不正 ⑱ 法令違反  ⑲ 未必の故意   ⑳ 有力な原因

 

【問題② H17年出題】

  労働者又は労働者の遺族(遺族となるべき者を含む。)を故意または重大な過失により死亡させた遺族は、遺族補償給付若しくは遺族給付又は葬祭料若しくは葬祭給付を受けることができない。

 

【問題③ H20年出題】

 労働者がその過失により負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となった事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げた場合においても、その過失が重大なものでない限り、その保険給付の支給制限は行われない。

 

【問題④ H17年出題】

 常時又は随時介護を要する状態にある労働者の障害が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたものであるときは、政府は、介護補償給付又は介護給付の全部又は一部を支給しないこととしている。

 

【問題⑤ H24年出題】

 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由なく、行政の出頭命令に従わないときは、保険給付の支給決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。

 

 

 

 

 

<解答>

【問題① H15年選択式】

A ⑭ 直接の原因  B ⑧ 結果の発生を意図した故意  C ⑪ 自殺      D ⑮ 犯罪行為  E ⑤ 過失

保険給付を行わない(絶対的支給制限)故意
保険給付の全部又は一部を行わないことができる(相対的支給制限)

・故意の犯罪行為

・重大な過失

・正当な理由がなくて療養に関する指示に従わない

健康保険法と比較してみましょう

健康保険法では

「自己の故意の犯罪行為又は故意」 → 保険給付を行わない(絶対的給付制限)

◆「正当な理由なしに療養に関する指示に従わない」 → 保険給付の一部を行わないことができる(★全部又は一部ではない)

 

【問題② H17年出題】 ×

 遺族補償給付(遺族給付)の対象となる遺族としない、と規定されているのは「故意に死亡させた者」です。「重大な過失により死亡させた者」には適用されません。

 また、葬祭料若しくは葬祭給付は、欠格規定の対象ではありません。 

 

【問題③ H20年出題】 ○ 

 「単なる過失」と「重大な過失」は扱いが違うので注意しましょう。

 よくひっかけてくるポイントです。

 

【問題④ H17年出題】 ×

<相対的支給制限の対象>になる保険給付

故意の犯罪行為・重大な過失休業補償給付(休業給付)、傷病補償年金(傷病年金)、障害補償給付(障害給付)
正当な理由がなくて療養に関する指示に従わない

休業補償給付(休業給付)、傷病補償年金(傷病年金)

 ※「療養」なので障害(補償)給付は入りません。

・支給制限の対象は、傷病や障害に対する「所得補償」に当たる保険給付です。介護補償給付(介護給付)は、支給制限の対象となりません。

 

ここもポイント!

<絶対的支給制限の対象>

 「故意」の場合は「保険給付は行わない」(絶対的支給制限)と規定されています。故意の場合は、業務や通勤との因果関係が成立しないので、全ての保険給付が支給制限の対象です。ですので、「故意に傷病等の原因となった事故を生じさせた場合」は介護補償給付(介護給付)の支給は行われません。

 

 

【問題⑤ H24年出題】 ×

 保険給付を受ける者が行政庁の命令に従わないときは保険給付の支払を「一時差し止めることができる」です。

<一時差し止め>

・ 正当な理由がなくて、第12条の7の規定による届出(年金受給権者の定期報告等)をせず、若しくは書類その他の物件の提出をしないとき

・ 報告・出頭命令、受診命令に従わないとき

 

<ちなみに、健康保険法では>

「保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。」とされています。

社労士受験のあれこれ

算入するorしない?/雇用保険法 

H28.6.23 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(雇用保険法)

 「被保険者期間」と「算定基礎期間」には、それぞれ通算のルールが設けられています。

まぎらわしいところを確認しましょう。

さっそく問題を解いてみてください。

 

 

① H26年出題(被保険者期間) 

最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が高年齢受給資格を取得したことがある場合には、当該高年齢受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間は、被保険者期間に含まれない。

 

 

② H21年出題(算定基礎期間) 

 受給資格者が、当該受給資格に係る離職をした事業主Aのところで雇用される3か月前まで、他の事業主Bに被保険者として雇用されていた場合、Bでの離職により基本手当又は特例一時金の受給資格を得ていたならば、現実にそれらの支給を受けていなくても、Bで被保険者であった期間は、今回の基本手当の算定基礎期間として通算されない。

 

 

 

 

 

 

 

<解答>

① H26年出題(被保険者期間) ○

以前に「受給資格等を取得したことがある場合」という点がポイントです。

★「被保険者期間」は受給資格の有無をみるときに使うものでしたよね。

  例えば、今回離職した会社(A社とします。)で被保険者期間をカウントする際に、以前働いていた会社(B社とします。)の被保険者であった期間を通算できるでしょうか?

答はこちら ↓

① B社で受給資格等を取得した場合   → A社と通算できない

ポイント  B社の受給資格で基本手当を受給したか否か関係なく通算できない。

② B社で受給資格等が取得できない場合 → A社と通算できる

ポイント!

★ 最新の離職票(A社の離職票)に係る被保険者となった日前に当該被保険者が受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格の決定を受けたことがある場合(B社で受給資格等の決定を受けたことがある場合)は、当該受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であった期間 (B社で被保険者であった期間)は、最新の離職票に通算できません。この場合、当該受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格(B社の受給資格等)に基づいて基本手当、高年齢求職者給付金又は特例一時金を受給したか否かは問われません。 

 

 

② H21年出題(算定基礎期間) ×

 事業主Bの離職と事業主Aの就職の間が1年以内で、かつ、事業主Bの離職で基本手当を受けていないため、事業主Bで被保険者であった期間は今回の基本手当の算定基礎期間として通算されます。

ポイント!

★ 算定基礎期間の通算のルールは、被保険者期間の通算のルールとは異なっています。

  基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある場合は、通算されないというルールですので、事業主Bの離職で受給資格を得たとしても、実際に基本手当を受けていなければ通算されます。 

 

まとめると、

★被保険者期間 → 前に受給資格等を取得した場合は通算されない。(基本手当等を受給したか否か関係なし)

★算定基礎期間 → 前に受給資格等を取得して

          ・基本手当等を実際に受給した → 通算されない

          ・基本手当等を受給していない → 通算される

社労士受験のあれこれ

国民年金法/平成28年度保険料と年金額

H28.6.22 水曜日は選択式対策/国民年金法

今週は国民年金法です。

① 保険料 (平成19年出題(改))

 国民年金の保険料は、法律で定められた平成16年度価格の保険料の額(平成28年度に属する月の月分は< A >円)に、その年度の保険料改定率を乗じて得た額とされている。保険料改定率は、平成17年度については1とされ、平成18年度以後については、それぞれの年度の前年度の保険料改定率×当該年度の初日の属する年の< B >年前の物価変動率×当該年度の初日の属する年の4年前の年度の実質賃金変動率(3年前から5年前のものの3年平均)とされている。平成28年度の保険料改定率は< C >である。

 

② 平成28年度の年金額

 老齢基礎年金の額(満額)は、780,900円に改定率を乗じて計算する。

 改定率は、毎年度改定され、新規裁定者(68歳到達年度前)は< D >に調整率を乗じて得た率を基準として改定し、既裁定者(68歳到達年度以後)は< E >に調整率を乗じて得た率を基準として改定される。

 平成28年度年金額改定に係る< D >がマイナス0.2%、< E >がプラス0.8%、マクロ経済スライド調整によるスライド調整率はマイナス0.7%となり、  < D >がマイナス、< E >がプラスとなっているため、改定率は、新規裁定者及び既裁定者ともに「1」を基準として改定される。そのためマクロ経済スライド調整も行われない。

 平成28年度の年金額の改定率は、平成27年度と同じ< F >となった。

 

 

 

 

<解答>

① 保険料 (平成19年出題(改))

A 16,660  B 2  C 0.976

★ 平成28年度保険料改定率=前年度の保険料改定率×名目賃金変動率 

  平成28年度の保険料= 16,660円×0.976 ≒ 16,260円

  (端数処理 → 5円未満は切捨て、5円以上10円未満は10円に切上げ)

 

② 平成28年度の年金額

D 名目手取り賃金変動率  E 物価変動率  F 0.999 

★ 平成28年度年金額改定の仕組みはこちらの記事をどうぞ → H28年度年金額

★ 平成28年度の老齢基礎年金の満額は、780,900円×0.999 ≒ 780,100円

  (端数処理 → 50円未満は切捨て、50円以上100円未満は100円に切上げ)

 

 

ここもポイント!

保険料改定率は「名目賃金変動率」、新規裁定者の改定率は「名目手取り賃金変動率」が基準となります。名称が似ているので間違えないようにしましょう。

 

「名目賃金変動率」 

  = ①2年前の物価変動率×②4年前の年度の実質賃金変動率

「名目手取り賃金変動率」

  =①前年の物価変動率×②3年前の年度の実質賃金変動率×③3年前の年度の可処分所得割合変化率

社労士受験のあれこれ

H27年版「賃金構造基本統計調査」より 

H28.6.21 毎週火曜日は労働の一般常識!

今日は、平成27年版賃金構造基本統計調査についての問題を解いてみましょう。

調査結果のポイントは、女性の賃金が過去最高になっていることです!

 

この問題は、平成27年版「賃金構造基本統計調査」の結果を基に、当社会保険労務士合格研究室で作成しています。

平成27年版「賃金構造基本統計調査」の結果はこちら→http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2015/index.html

 

 

【問題1】

 賃金は、男性335.1千円、女性242.0千円となっており、前年と比べるとそれぞれ増加し、女性の賃金は過去最高となっている。

 

【問題2】

 賃金がピークとなる年齢階級を企業規模別にみると、男性では、全ての企業規模において 50~54歳となっている。女性では、大企業及び小企業において 45~49歳、中企業が50~54 歳となっており、男性に比べ賃金カーブが緩やかとなっている。

 

【問題3】

 雇用形態別の賃金を年齢階級別にみると、正社員・正職員以外は、男女いずれも年齢階級が高くなっても賃金の上昇があまり見られない。 

 

【問題4】

 雇用形態別の賃金をみると、 正社員・正職員の賃金を100とすると、正社員・正職員以外の賃金は、男女計で63.9、男性で65.8、女性で69.8となり、雇用形態間賃金格差は男女計で過去最大となっている。なお、賃金格差が大きいのは、企業規模別では、小企業となっている。

 

【問題5】

 短時間労働者の1時間当たり賃金を年齢階級別にみると、最も賃金が高い年齢階級は、男性では、40~44歳で1,253円、女性では、60~64歳で1,090円となっている。 

   

 

 

 

<解答>

 

【問題1】 ○

 男女計304.0千円(前年比1.5%増)、男性335.1千円(前年比1.7%増)、女性242.0千円(1.7%増)。女性の賃金は過去最高

男女間賃金格差(男性=100)は前年(過去最小)と同水準の72.2

 

【問題2】 ○

 女性は男性に比べ賃金カーブが緩やかなことがポイント。

【問題3】 ○

正社員・正職員以外は、男女いずれも年齢階級が高くなっても賃金あまり上昇しないことがポイント。

【問題4】 ×

 雇用形態間賃金格差は男女計で過去最小

 賃金格差が大きいのは、大企業。

 

【問題5】 ×

 最も賃金が高い年齢階級は、男性60~64歳で1,253円、女性30~34歳で1,090円。 

 なお、短時間労働者の1時間当たり賃金は、男性が1,133円、女性が1,032円 。いずれも過去最高

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法 練習問題

H28.6.20 月曜日は厚生年金保険法改正個所の練習問題

毎週月曜日は、改正厚生年金保険法からの練習問題です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう。

 

【問題1】

 60歳台前半の老齢厚生年金は、原則として保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が25年以上あり、1年以上の被保険者期間を有する者に支給されるが、2以上の種別に係る被保険者であった期間を有する者の場合、合算して1年以上あれば要件を満たす。

 

【問題2】

 昭和41年4月2日以後生まれの女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)の老齢厚生年金の支給開始年齢は、原則として65歳である。

 

 

【問題3】

 厚生年金保険法附則第8条の2に定める「特例による老齢厚生年金の支給開始年齢の特例」につき、一般の男子及び女子の支給開始年齢の読み替えに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 男子又は女子(第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって、昭和27年4月2日に生まれた者は、61歳以上に該当するに至ったときに支給される。

B 男子又は女子(第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって、昭和36年4月1日に生まれた者は、64歳以上に該当するに至ったときに支給される。

C 女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって、昭和33年4月2日に生まれた者は、61歳以上に該当するに至ったときに支給される。

D 女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって、昭和36年4月2日に生まれた者は、62歳以上に該当するに至ったときに支給される。

E 女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって、昭和41年4月1日に生まれた者は、64歳以上に該当するに至ったときに支給される。

 

 

 

 

<解答>

【問題1】 ○

 60歳台前半の老齢厚生年金の要件の「1年以上の被保険者期間」は、2以上の種別に係る被保険者であった期間を有する場合は、合算して1年以上あればOKです。

 

【問題2】 ○

★老齢厚生年金の支給開始年齢が65歳以上になる者(60歳代前半の老齢厚生年金が支給されない)の生年月日はおさえておきましょう。

・ 男子又は女子第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。) → 昭和36年4月2日以後生まれ

・ 女子第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)→ 昭和41年4月2日以後生まれ

・ 坑内員、船員の特例 → 昭和41年4月2日以後生まれ

・ 特定警察職員等 → 昭和42年4月2日以後生まれ

 

【問題3】 Aが誤り  61歳以上ではなく「60歳以上」です

 支給開始年齢の引き上げの生年月日は必ず覚えておきましょう。

 「男子又は女子(第2号、第3号、第4号)」の生年月日をまず押さえて、「女子(第1号)」はプラス5年で覚えましょう。

女子については2パターンあることがポイント。! 

パターン①第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。」とパターン②第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。」に分かれています。

 長文ですが、赤字の部分<女子「第2号第3号第4号」と女子「第1号」>だけしっかり見てくださいね。一字一句読まなくてもいいです。

詳しくはこちらをクリック

国・地方公共団体の扱い  

H28.6.17 金曜日は横断 (国・地方公共団体の扱い) 

金曜日は横断です。

国・地方公共団体の扱いについて過去の出題ポイントを集めました。

 

【労災保険法】

 ① H11年記述

労働者災害補償保険法は、労働者を使用する事業を適用事業としているが、国の直営事業や< A >の事業(労働基準法別表第1に掲げる事業を除く。)については、適用されない。

 

② H20年出題

 労災保険法は、国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法別表第1に掲げる事業を除く。)には適用されないが、独立行政法人(行政執行法人を除く。)の職員には適用される。

 

【雇用保険法】

③ H22年出題

 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業は、いかなる場合も適用事業とならない。

 

④ H27年出題

 国家公務員退職手当法第2条第1項に規定する常時勤務に服することを要する者として国の事業に雇用される者のうち、離職した場合に法令等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付、就職促進給付の内容を超えると認められる者は、雇用保険の被保険者とはならない。

 

【健康保険法】

⑤ H14年出題

 健康保険法の適用される法人の事業所には、市町村等の地方公共団体を含まない。

 

⑥ H20年出題

 法律によって組織された共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となることはない。

 

【厚生年金保険法】

 適用事業所に使用される70歳未満の者であっても、その者が私立学校教職員共済制度の加入者であるときは、厚生年金保険の被保険者とはならない。

 

 

 

<解答>

 

【労災保険法】

 ① H11年記述  A 官公署

 労働者を1人でも使用する事業は業種関係なく原則として労災保険法の適用事業となります。

 ただし、国の直営事業(現在当てはまる事業はありません)、官公署の事業(労働基準法別表第1に掲げる事業を除く。)= 非現業の官公署のことは、労災保険法から除外されています。国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法で保護されるからです。

さらにポイント!

都道府県、市町村の現業部門は、労災保険法上では適用除外になっていませんが、「常勤職員」は地方公務員災害補償法の規定で労災保険法の適用が除外されています。

 また、都道府県、市町村の現業部門の「非常勤職員」は、地方公務員災害補償法の適用が受けられないので、労災保険法の適用を受けることになります。

 

さらにさらにポイント!!

 労災保険法は「国」の事業は全面的に適用除外ですが、「都道府県、市町村」の事業の場合は、「現業部門の非常勤職員」に労災保険法が適用されます。

 労働保険徴収法で「二元適用事業」になるのは、「都道府県及び市町村の行う事業」で、国の行う事業は二元適用事業にはなりませんよね。「国」の行う事業は、そもそも労災保険が成立することがないからです。

 

② H20年出題 ○

 行政執行法人の職員 → 国家公務員災害補償法が適用され、労災保険法は適用除外

 行政執行法人以外の独立行政法人の職員 → 労災保険法適用

 

【雇用保険法】

③ H22年出題 ×

 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業は、原則として雇用保険法の適用事業です。

 

④ H27年出題 ○

 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業には雇用保険が適用されます。しかし、公務員が離職した場合は、法令、条例、規則等で確実な保障が設けられているため、その諸給与の内容が、求職者給付、就職促進給付の内容を超えると認められ、一定の要件を満たした者は、雇用保険の適用は除外されます。

<適用除外されるもの>

■国又は行政執行法人の事業に雇用される者(非常勤職員で国家公務員退職手当法の規定により職員とみなされないものを除く。)

■都道府県等の事業に雇用される者であって、当該都道府県等の長が法を適用しないことについて、厚生労働大臣に申請し、その承認を受けたもの

■市町村等の事業に雇用される者であって、当該市町村等の長が法を適用しないことについて、都道府県労働局長に申請し、厚生労働大臣の定める基準によつて、その承認を受けたもの

ポイント!

「都道府県等」と「市町村等」は、雇用保険の適用除外の「承認を受けること」が要件です。

 

【健康保険法】

⑤ H14年出題 ×

  国、地方公共団体の事業所も強制適用事業所に含まれます。

 

⑥ H20年出題 ×

 先ほどの問題でも勉強したように、国、地方公共団体の事業所も強制適用事業所です。そして、国や地方公共団体に使用される者は、健康保険法上適用除外になっていないので、法律によって組織された共済組合の組合員は、共済組合の組合員資格を有したまま健康保険の被保険者となります

 ただし、健康保険法第200条(共済組合に関する特例)で、「共済組合の組合員に対しては、この法律による保険給付は行わない」と規定されているため、実際は健康保険給付の保険給付(保険料の徴収も)は行われません。

 <まとめ>

 共済組合の組合員(国家公務員、地方公務員)は適用除外されていないため、健康保険法の被保険者となります。ただし、保険給付は行われないし、保険料も徴収されません。

 私立学校教職員共済制度の加入者も同じ扱いです。

 

【厚生年金保険法】

⑦ ×

 私立学校教職員共済制度の加入者は厚生年金保険の第4号厚生年金被保険者となります。

◆厚生年金保険の被保険者は4種類

1.2.から4.までに規定する被保険者以外の厚生年金保険の被保険者 → 第1号厚生年金被保険者

2.国家公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者 → 第2号厚生年金被保険者

3.地方公務員共済組合の組合員たる厚生年金保険の被保険者 → 第3号厚生年金被保険者

4.私立学校教職員共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者たる厚生年金保険の被保険者 → 第4号厚生年金被保険者

 

 

社労士受験のあれこれ

一括有期事業開始届と一括有期事業報告書(徴収法)

H28.6.16 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(徴収法・一括有期事業)

「一括有期事業」とは、規模の小さい有期事業の労働保険料の納付・申告をまとめて継続事業と同様に保険年度ごとに行う仕組みです。

<手続き>

■ 有期事業の一括が始まるとき ■

「保険関係成立届」(成立した日(翌日起算)から10日以内)と「概算保険料申告書」を提出します。

 

■ 毎月の手続き ■

どこでどのような有期事業が行われているかを行政が把握する必要があるので、一括有期事業の対象になる有期事業が開始されたら、毎月、「一括有期事業開始届」を提出することになっています。(その月に始まった有期事業を翌月10日までに届け出ます。

 

■ 確定精算のとき(年度更新・一括有期事業の終了で保険関係が消滅するとき)

 前年度中又は保険関係が消滅した日までに終了又は廃止したそれぞれの事業を報告するため、「一括有期事業報告書」を提出することになっています。期限は「確定保険料申告書」と同じで、次の保険年度の6月1日から起算して40日以内、又は保険関係が消滅した日から起算して50日以内です。

 

★★「一括有期事業開始届」と「一括有期事業報告書」。名称が似ているので間違えないでくださいね。

 

 

では、過去問を解いてみましょう。

 

①H17年出題

一括される有期事業についての事業主は、それぞれの事業を開始したときは、その開始の日から10日以内に、一括有期事業開始届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

②H23年出題

一括有期事業報告書は、前年度中又は保険関係が消滅した日までに終了又は廃止したそれぞれの一括された事業の明細を報告するものであり、確定保険料申告書の提出に加え、所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

①H17年出題  ×

 10日以内ではなく「開始の日の属する月の翌月10日まで」です。一括有期事業開始届はよく出題されていますが、すべて「期限」を問う問題でした。覚えてしまいましょう。

 

②H23年出題  ○

 「確定保険料申告書」と一緒に提出するので、期限・提出先は「確定保険料申告書」と同じです。

社労士受験のあれこれ

選択式対策(特別安全衛生改善計画)

H28.6.15 水曜日は選択式対策(労働安全衛生法)

「特別安全衛生改善計画」は、今年の改正事項です。

しっかりおさえるべきポイントです。

空欄を選択肢から選んで埋めてください。

 

1.  <  A  >は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの(以下「重大な労働災害」という。)が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(以下「特別安全衛生改善計画」という。)を作成し、これを<  A  >に提出すべきことを<  B  >することができる。

2. 事業者は、特別安全衛生改善計画を作成しようとする場合には、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者<  C  >

3. 事業者及びその労働者は、特別安全衛生改善計画を守らなければならない。

4. <  A  >は、特別安全衛生改善計画が重大な労働災害の再発の防止を図る上で適切でないと認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該特別安全衛生改善計画を変更すべきことを<  B  >することができる。

5. <  A  >は、1.若しくは4.の規定による<  B  >を受けた事業者がその<  B  >従わなかつた場合又は特別安全衛生改善計画を作成した事業者が当該特別安全衛生改善計画を守つていないと認める場合において、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを<  D  >することができる。

6. <  A  >は、5.の規定による<  D  >を受けた事業者がこれに従わなかつたときは、その旨を<  E  >することができる。

【選択肢】

① 指示 ② の同意を得なければならない  ③ 勧奨  ④ 労働基準監督署長 ⑤ 公表  ⑥ 指導  ⑦ 命令  ⑧ 勧告  ⑨ 都道府県労働局長     ⑩ の意見を聴かなければならない  ⑪ と書面による協定を締結しなければならない   ⑫ 厚生労働大臣  ⑬ 通告  ⑭ 公開  ⑮ 助言

 

 

 

【解答】

A ⑫ 厚生労働大臣  B ① 指示  C ⑩ の意見を聴かなければならない   D ⑧ 勧告  E ⑤ 公表

「特別安全衛生改善計画」は、一定期間内に重大な労働災害を繰り返し発生させた企業が対象です。

作成指示等に従わなかった場合等は厚生労働大臣が勧告することができ、勧告を受けた企業が従わない場合は、その旨を公表することができることになっています。

社労士受験のあれこれ

平成26年雇用動向調査(厚生労働省)より

H28.6.14 毎週火曜日は労働の一般常識!

入職と離職に関する問題を解いてみましょう。

この問題は、「平成26年雇用動向調査結果の概況」をもとに、社会保険労務士合格研究室で作成しています。

厚生労働省ホームページ → http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/15-2/index.html

 

【問題1】

 平成26年1年間の女について結婚、出産・育児の理由による離職率を年齢階級別にみると、結婚の理由による離職率は25~29歳で最も高く、出産・育児の理由による離職率は、30~34歳で最も高くなっている。

 

【問題2】

 平成26年1年間の転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した者の割合は31.6%(前年33.8%)、「減少」した者の割合は36.6%(前年31.8%)、「変わらない」とした者の割合は29.5%(前年32.9%)となっていて、「減少」が「増加」を上回った。

 

【問題3】

 平成26年1年間の転職入職者の就業形態間の移動状況は、「一般労働者から一般労働者へ移動」した割合は53.0%、「パートタイム労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合は25.5%となっていて、「パートタイム労働者から一般労働者へ移動」した割合・「一般労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合よりも高い。

 

 

 

 

 

 

<解答>

【問題1】 ○

 ちなみに、「介護・看護」の理由による離職率は、男は年齢階級別の差はほとんどなく、女では50~54歳及び60~64歳は他の年齢階級に比べると高くなっています。

 

【問題2】 ×

 「増加」と「減少」が逆になっています。

 「増加」の割合が36.6%(前年31.8%)で前年より4.8ポイント上昇、「減少」の割合が31.6%(前年33.8%)で前年より2.2ポイント低下、その結果「増加」が「減少」を上回っています。

 

【問題3】 ○

 一般労働者だった人は一般労働者として、パートタイム労働者だった人はパートタイム労働者として転職する割合が、異なる就業形態へ転職する割合より高いことがポイント。

 なお、「パートタイム労働者から一般労働者へ移動」した割合は8.9%、「一般労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合は10.4%です。

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法 練習問題

H28.6.13 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、厚生年金保険法の改正箇所からの練習問題の日です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう!

 

【問題1】

 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によつて、実施機関が定める。

 

【問題2】

 保険給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、厚生労働大臣が裁定する。

 

【問題3】

空欄を埋めてください。

 政府は、第2条の4第1項の規定により財政の現況及び見通しを作成するに当たり、厚生年金保険事業の財政が、財政均衡期間の終了時に保険給付の支給に支障が生じないようにするために必要な積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の積立金及び第79条の2に規定する<  A  >をいう。)を<  B  >が保有しつつ当該財政均衡期間にわたつてその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、保険給付の額を調整するものとし、政令で、保険給付の額を調整する期間(以下「調整期間」という。)の開始年度を定めるものとする。

 

【問題4】

 保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。

 

【問題5】

 年金は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれその前月分までを支払うが、支払額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り上げるものとする。

 

【問題6】

 一定の要件を満たした老齢厚生年金には加給年金額が加算されるが、加給年金額は、配偶者については224,700円に改定率を乗じて得た額(その額に50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げるものとする。)とし、子については1人につき74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げるものとする。)とする。

 

 

 

 

 

 

【解答】

【問題1】 ×

 現物給与の価額は、実施機関ではなく厚生労働大臣が定める。(変更なし)

 

【問題2】 ×

 厚生労働大臣ではなく「実施機関」が裁定する。

 

【問題3】 A 実施機関積立金  B 政府等

※「政府等」は第32条(保険給付の種類)で登場します。

この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く。第34条第1項、第40条、第79条第1項及び第2項、第81条第1項、第84条の5第2項並びに第84条の6第2項並びに附則第23条の3において「政府等」という。)が行う。

1. 老齢厚生年金

2. 障害厚生年金及び障害手当金

3. 遺族厚生年金

 

※「実施機関積立金」は第79条の2(運用の目的)で登場します。

 積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の積立金(以下「特別会計積立金という。)及び実施機関(厚生労働大臣を除く。)の積立金のうち厚生年金保険事業(基礎年金拠出金の納付を含む。)に係る部分に相当する部分として政令で定める部分(以下「実施機関積立金」という。)をいう。)の運用は、積立金が厚生年金保険の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたつて、厚生年金保険事業の運営の安定に資することを目的として行うものとする。

 

 

【問題4】 ×

 端数処理は1円単位です。「50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げる」です。

ちなみに、「保険給付の額を計算する過程」の端数処理は、令3条で「保険給付の額を計算する過程において、50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げることができる。」と定められています。

 

【問題5】 ×

 年金は年6期に分けて偶数月に前月までの2カ月分が支給されますが、支払期月ごとの支払額の端数は「1円未満切り捨て」です。

 ちなみに、毎年3月から翌年2月までの切り捨てた金額の合計額(1円未満の端数は切り捨てた額)は、翌年2月の支払期月の年金額に加算されることになりました。

 

【問題6】 ×

 加給年金額は100円単位の端数処理です。50円未満の端数は切り捨て、50円以上100円未満の端数は100円に切り上げます。

 例えば平成28年度の配偶者の加給年金額は、224,700円×0.999(改定率)=224475.3≒224,500円となります。

社労士受験のあれこれ

書類の保存期間 2年3年4年5年

H28.6.10 金曜日は横断 書類の保存期間

書類の保存期間は2年、3年、4年、5年、それ以外と各法律さまざまです。

でも、覚えておけば得点できます。どんどん覚えましょう。

では、過去問をどうぞ。

 

① 労働基準法(H22年出題)

 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。

 

② 労働安全衛生法(H22年出題)

 事業者は、建設用リフトの運転の業務に労働者を就かせるときは、その業務に関する特別の安全衛生教育を行わなければならないが、その業務に関する特別の安全衛生教育を行ったときは、当該教育の受講者、科目等の記録を作成して、3年間保存しておかなければならない。

 

③ 労働安全衛生法(H19年出題)

 事業者は、労働安全衛生規則に基づいて作成すべき健康診断個人票を、5年間保存しなければならない。

 

④ 労働安全衛生法(H21年出題)

 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。また、当該記録は、労働安全衛生規則第52条の5に定める事項のほか、当該労働者の健康を保持するために必要な措置についての医師の意見を記載したものでなければならない。

 

⑤ 労災保険法

 労災保険に係る保険関係が成立し、若しくは成立していた事業の事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体は、労災保険に関する書類(徴収法又は労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則による書類を除く。)を、その完結の日から2年間保存しなければならない。

 

⑥ 雇用保険法(H25年出題)

 事業主及び労働保険事務組合は、雇用保険に関する書類(雇用安定事業又は能力開発事業に関する書類及び労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類を除く。)をその完結の日から2年間(被保険者に関する書類にあっては4年間)保管しなければならない。

 

⑦ 徴収法(H19年出題)

 事業主もしくは事業主であった者又は労働保険事務組合もしくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類を、その完結の日から1年間保存しなければならない。

 

⑧ 徴収法(H22年出題)

 労働保険事務組合が備え付けておく雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿の保存期間は4年である。

 

⑨ 健康保険法(H22年出題)

 事業主は、健康保険に関する書類を、その完結の日より5年間保存しなければならない。

 

⑩ 厚生年金保険法(H20年出題)

 事業主は、厚生年金保険法に関する書類のうち、被保険者の資格の取得及び喪失に関するものは、その完結の日から5年間、保険料に関するものは、その完結の日から2年間、保存しなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

① 労働基準法(H22年出題) ○

ポイント

・ その他労働関係に関する重要な書類 → タイムカード等の記録、残業命令書等が該当する

・ 企画業務型裁量労働制の実施状況にかかる労働者ごとの記録 → 決議の有効期間中+その満了後3年間)

 

② 労働安全衛生法(H22年出題) ○

・ 雇入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育、特別教育、職長教育のうち、保存義務があるのは特別教育のみ。

・ 安全委員会、衛生委員会、安全衛生委員会の議事で重要なものに係る記録も保存期間は3年

③ 労働安全衛生法(H19年出題) ○

④ 労働安全衛生法(H21年出題) ○

・ 保存期間が5年のもの →  健康診断個人票、面接指導の結果の記録(長時間労働、ストレスチェック)

 

⑤ 労災保険法 ×

 2年間ではなく、3年間保存しなければならない。

 

⑥ 雇用保険法(H25年出題) ○

 ・ 雇用保険に関する書類(雇用保険二事業及び労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類を除く。) → 2年間

 ・ 被保険者に関する書類 → 4年間

 

⑦ 徴収法(H19年出題) ×

⑧ 徴収法(H22年出題) ○

 ・ 労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則による書類 →その完結の日から3年間

 ・ 雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿 → 4年間

ポイント

 ・ 労働保険事務組合が備えておかなければならない帳簿もおさえておきましょう。

   ① 労働保険事務等処理委託事業主名簿

   ② 労働保険料等徴収及び納付簿

   ③ 雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿

   ①と②は3年間、③は4年間保存

 

⑨ 健康保険法(H22年出題) ×

 5年間ではなく「2年間」保存しなければならない。

 

⑩ 厚生年金保険法(H20年出題) ×

 厚生年金保険法に関する書類 → その完結の日から2年間保存

  健康保険法と同じなのでおぼえやすいです。

条文を読むと分かることもある/国民年金

H28.6.9 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(国民年金)

◆◆なんとなくモヤ~っとしていることも、条文を読むとパーッとすっきりすることがあります。

分からないと思ったら、基本に戻って条文を読んでみるのも効果があるかもしれません。

 

◆◆まず、「基本権」と「支分権」の違いを確認しましょう。

基本権は「年金を受ける権利」、支分権は「年金の支給を受ける権利(2カ月に1回年金を受け取る権利)」です。

 

 

◆◆老齢基礎年金の「基本権」は、以下の要件を満たすと自動的に発生します。(法第26条)

  老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び30歳未満の保険料納付猶予制度の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年に満たないときは、この限りでない。

 ★老齢基礎年金の受給権は、「保険料納付済期間+保険料免除期間」が25年以上ある(原則)、65歳に達した、という条件が揃えば自動的に発生します。(基本権)

 ただし、実際に2カ月に1回の年金を受ける(支分権)ためには、要件が満たされているという確認を受けるために、「裁定請求」が必要です。

 

◆◆「繰上げ支給の老齢基礎年金」の場合は、自動的ではなく「請求」によって基本権が発生することがポイントです。(附則第9条の2)

 保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び30歳未満の保険料納付猶予制度の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者であつて、60歳以上65歳未満であるもの(任意加入被保険者でないものに限る。)は、当分の間、65歳に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができる。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年に満たないときは、この限りでない。

 原則として、保険料納付済期間と保険料免除期間が合わせて25年以上ある場合は、65歳に達すれば自動的に受給権が発生しますが、「早く受けたい」という人は60歳~64歳の間に老齢基礎年金の繰上げ請求をすることができます。繰上げの場合、「請求すること」によって基本権が発生します。

◆◆65歳に達したときは「支給する」(第26条)となっていますが、繰上げの場合は「請求することができる」(附則第9条の2)となっていますよね。

60~64歳の間に自動的に老齢基礎年金の基本権が発生することはなく、繰上げの「請求」によって受給権が発生するということです。

老齢基礎年金の繰上げを請求した場合は、「請求があった日」に受給権が発生(基本権)し、その翌月から実際に年金が支払われます。

 

◆◆ついでに

障害基礎年金も同じように読んでください。

第30条の通常の障害基礎年金は、初診日、保険料納付要件、障害認定日の3つの要件を満たせば、当然に受給権が発生します。

一方、事後重症の場合は、「請求できる」と規定されていて、請求することにより受給権が発生します。

では、次の問題を解いてみましょう。(H18年出題)

 保険料納付等の要件を満たしているが、障害認定日において障害の程度が2級以上に該当しなかった者が、65歳に達する日の前日までに障害の程度が悪化し、2級以上の状態に該当したときは、請求することによって、いわゆる事後重症による障害基礎年金が支給される。

 

 

 

 

【解答】○

「請求することによって」の部分がポイント。事後重症は請求によって受給権が発生します。

ただし、請求しなくても「請求があったものとみなして」支給される例外もあります。この話はまた後日。

社労士受験のあれこれ

「H28選択式」/傷病手当金(健康保険法)

H28.6.8 水曜日は選択式対策(傷病手当金)

毎週水曜日は選択式の練習です。

今日は傷病手当金です。改正事項ですので、完璧におぼえましょう。

次のAからHまでに入る語句を選択肢の中から選んでください。

 

 

 

1 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して  A  を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。

2 傷病手当金の額は、1日につき、  B  日の属する月以前の直近の継続した  C  間の各月の標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る。以下この項において同じ。)を平均した額の30分の1に相当する額(その額に、  D  ものとする。)の  E  に相当する金額(その金額に、  F  ものとする。)とする。ただし、同日の属する月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が  C  に満たない場合にあっては、次の各号に掲げる額のうちいずれか  G  額の  E  に相当する金額(その金額に、  F  ものとする。)とする。

(1)   B  日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額(その額に、  D  ものとする。)

(2)   B  日の属する年度の前年度の  H  における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額の30分の1に相当する額(その額に、  D  ものとする。)

<選択肢>

① 100分の60  ② 6月 ③ 少ない ④ 10月31日 ⑤ 5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10未満の端数があるときは、これを10円に切り上げる  ⑥ 4日 ⑦ 多い ⑧ 50円未満の端数があるときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数があるときは、これを100円に切り上げる  ⑨ 10円未満を切り捨てる  ⑩ 傷病手当金の支給を始める  ⑪ 1円未満を切り捨てる⑫ 9月30日  ⑬ 3日  ⑭ 12月  ⑮ 9月1日  ⑯ 4月1日     ⑰ 療養を開始した  ⑱ 50銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときは、これを1円に切り上げる ⑲ 3分の2       ⑳ 資格を取得した  ㉑ 7月1日 

 

 

 

 

【解答】

A ⑬ 3日  B ⑩ 傷病手当金の支給を始める  C ⑭ 12月         D ⑤ 5円未満の端数があるときは、これを切り捨て、5円以上10未満の端数があるときは、これを10円に切り上げる  E ⑲ 3分の2  F ⑱ 50銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数があるときは、これを1円に切り上げる  G ③ 少ない  H ⑫ 9月30日

 

以前の記事もどうぞ。改正事項の解説です。

H28.3.17 傷病手当金・出産手当金の日額の計算式

H28.3.18 傷病手当金と出産手当金は同額とは限らなくなる

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H28対策「労働一般常識」(介護休業)

H28.6.7 毎週火曜日は労働の一般常識!(介護休業)

 来年、育児介護休業法の改正が予定されていること、「介護」に関して注目度が高まっていること、などを踏まえて、労働の中での「介護」の現況をチェックしておきましょう。

 では、さっそく問題を解いてみましょう!

※ この問題は、厚生労働省から公表されている「平成26年度雇用均等基本調査(確報版)」をもとに、社会保険労務士合格研究室で作成しています。

厚生労働省「平成26年度雇用均等基本調査(確報版)」はこちら

→ http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-26r-07.pdf

 

【問題①】

 介護休業制度の規定がある事業所を規模別にみると、規模が小さくなるほど規定がある事業所の割合が高くなっている。

 

【問題②】

 介護休業制度の規定がある事業所において、介護休業の期間について「期間の最長限度を定めている」とする事業所割合は97.5%となっているが、その期間をみると「1年間」が82.9%で最も高くなっている。

 

【問題③】

 介護のための所定労働時間の短縮措置等の各種制度の導入状況(複数回答)をみると、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」が57.5%で最も高くなっている。

 

 

 

 

【問題①】 ×

 規模が大きくなるほど、介護休業制度の規定がある事業所の割合が高くなる。

 500人以上・99.2%、100~499人・96.9%、30~99人・85.7%、5~29人・62.2%です。

 

【問題②】 ×

 前半は正しい。後半が誤り。

 介護休業の期間の最長限度は、「通算して93日まで」(法定どおり)が82.9%で最も高くなっています。なお最長限度を1年としている割合は11.1%です。

 

【問題③】 ×

 介護のための所定労働時間の短縮措置等の各種制度の導入状況(複数回答)は、「短時間勤務制度」57.5%、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」が27.6%、「介護の場合に利用できるフレックスタイム制度」11.5%、「介護に要する経費の援助措置」3.2%、「在宅勤務・テレワーク」2.2%の順になっています。

 

 

介護休業のポイント

・原則として、対象家族1人につき一の要介護状態ごとに1回

・上限 → 介護休業をした日数+対象家族の介護のための所定労働時間の短縮等の措置が講じれらた日数=93日

・対象家族の介護のための所定労働時間の短縮等の措置(次のどれかの方法で講じなければなりません。)

 1 短時間勤務制度

 2 フレックスタイム制度

 3 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ制度

 4 労働者が利用する介護サービスの費用の助成の制度その他これに準ずる制度

社労士受験のあれこれ

【改正】厚生年金保険法 練習問題 

H28.6.6 月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、厚生年金保険法の改正箇所からの練習問題の日です。

問題を解きながら改正ポイントを身につけましょう!

 

【問題1】

 同一の適用事業所において使用される被保険者について、第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者のいずれであるかの区別に変更があった場合は、資格の取得と喪失の規定は、被保険者の種別ごとに適用される。

 

【問題2】

 第1号厚生年金被保険者が同時に第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者の資格を有するに至ったときは、その日の翌日に、当該第1号厚生年金被保険者の資格を喪失する。

 

【問題3】

 第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失についても、資格の得喪についての確認の規定が、適用される。

 

【問題4】

被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失し、その月に更に国民年金法に規定する第3号被保険者の資格を取得した場合には、その月は1月の被保険者期間として算入される。

 

 

 

 

■■アドバイス■■

種別ごとに管理されるというイメージで解いてもらえば大丈夫だと思います。

 

<解答>

【問題1】 ○

 例えば、同一の適用事業所で、ある被保険者について、常勤職員(第2号厚生年金被保険者)から短時間勤務職員(第1号厚生年金被保険者)に変更があった場合は、第2号厚生年金被保険者の資格を喪失し、第1号厚生年金被保険者の資格を取得することになります。

 同一の適用事業所でも取得・喪失の規定が適用(2号喪失・1号取得)されることがポイントです。

 

【問題2】 ×

 「翌日」ではなく「その日」です。

 第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者が、同時に第1号厚生年金被保険者の資格を有することはありません。(2号、3号、4号と1号が重複することはない)

 第1号厚生年金被保険者が同時に第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者の資格を有するに至ったときは、その日に第1号厚生年金被保険者の資格を喪失します。

 

ここもポイント!

厚生年金保険の「被保険者期間」は、被保険者の種別ごとに適用されます。

・ 第1号厚生年金被保険者であった期間 → 第1号厚生年金被保険者期間

・ 第2号厚生年金被保険者であった期間   →   第2号厚生年金被保険者期間

・ 第3号厚生年金被保険者であった期間   →   第3号厚生年金被保険者期間

・ 第4号厚生年金被保険者であった期間   →   第4号厚生年金被保険者期間

 

 

【問題3】 ×

 第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者及び第4号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失については、資格の得喪の確認は不要です。

 

【問題4】 ×

 この場合、厚生年金保険の被保険者期間は0箇月となります。

 厚生年金保険法第19条第2項では、「被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を1箇月として被保険者期間に算入する。ただし、その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金法第7条第1項第2号に規定する第2号被保険者を除く。)資格を取得したときは、この限りでない。」と規定されています。

<原則> 被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したとき 

       → 1箇月として被保険者期間に算入

<例外> 

・その月に更に厚生年金保険の被保険者の資格を取得したとき

       → 後の分のみを被保険者期間に算入

・その月に更に国民年金の被保険者(第1号被保険者、第3号被保険者)の資格を取得したときは

       → 被保険者期間には算入しない(0箇月) <改正点>

★参考★

以前の記事はコチラ → 被保険者期間の計算(同一月内の取得と喪失)

社労士受験のあれこれ

横断 国民年金と厚生年金保険の時効

H28.6.3 金曜日は横断  /国年と厚年

国民年金法、厚生年金保険法の時効として「2年」と「5年」があります。

国民年金と厚生年金保険の違う点を意識してください。

では、まず国民年金法から。

(国民年金法)

(時効)

年金給付を受ける権利(当該権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる給付の支給を受ける権利を含む。)は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によつて、消滅する。

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によつて消滅する。

 

<問題 H18年出題> 

 給付を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは時効によって消滅する。

 

 

 

【解答】 ×

「給付」を受ける権利ではなく「年金給付」を受ける権利の時効は5年です。

★★注意しましょう★★

国民年金の「給付」は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、付加年金、寡婦年金、死亡一時金。「給付」の内容には「年金」と「一時金」があります。

「給付」と「年金給付」では範囲が違うことに注意してください。

給付のうち、「年金給付」の時効は5年、「死亡一時金」の時効は2年です。

 

次は厚生年金保険です。

(厚生年金保険法)

(時効)

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、2年を経過したとき、保険給付を受ける権利(当該権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利を含む。)は、5年を経過したときは、時効によつて、消滅する。

 

<問題 H23年出題>

 保険給付を受ける権利は、5年を経過したとき、時効により消滅する。

 

【解答】 ○

★★ポイント★★

「保険給付」を受ける権利の時効は5年です。「保険給付」ですので、年金も一時金も両方とも時効は5年です。

 

<国年と厚年の時効の比較>

 2年5年
国民年金法

保険料その他国民年金法の規定による徴収金を徴収し、又は還付を受ける権利

死亡一時金を受ける権利

年金給付を受ける権利
厚生年金法保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金を徴収し、又は還付を受ける権利

保険給付を受ける権利

科目別 国民年金法

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二次健康診断等給付のまぎらわしいところ

H28.6.2 木曜日はまぎらわしいところをチェック!(二次健康診断等給付)

二次健康等給付には、①二次健康診断と②特定保健指導の二つがあります。

二次健康診断等給付の規定自体はそれほど難しくありませんが、なかなか覚えにくい箇所があります。

今日は、そんなところをチェックしていきます!

 

では、平成21年の問題から。

(H21年出題)

 二次健康診断等給付は、社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所において行われるが、その請求は、一次健康診断の結果を知った日から3か月以内に行わなければならない。

 

 

 

 

【解答】

答は「×」です。一次健康診断の結果を知った日から3か月以内ではなく、一次健康診断を受けた日から3か月以内です。

 

<まぎらわしいところ一覧表・請求関係>

請求期限一次健康診断を受けた日から3か月以内
事業者へ結果を証明する書類の提出二次健康診断の実施の日から3か月以内
医師からの意見聴取書面が事業者に提出された日から

2か月以内

※ ちなみに、事業者へ結果を証明する書類の提出の期限(3か月)と、医師からの意見聴取の期限(2か月)は、労働安全衛生法の「自発的健康診断」の規定と同じです。

 

<まぎらわしいところ一覧表・時効関係>

二次健康診断等給付の時効は2年

 ちなみに、

  時効が問題になるのは「特定保健指導」

  なぜなら、二次健康診断等給付は、一次健康診断を受けた日から3か月以内に請求しないといけないので。

一次健康診断の結果を了知し得る日の翌日

※ 「請求期限の起算日」と「時効の起算日」を間違えないようにしてくださいね。

 

それでは次の問題も解いてみましょう。

(H16年出題)

 二次健康診断等給付を受ける権利の時効は、労災保険法第26条の定める検査において異常な所見があると診断された日の属する月の翌月の初日から進行する。

 

 

【解答】

答は「×」です。一次健康診断の結果を了知し得る日の翌日から進行します。

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H28選択式/雇用保険法(審査請求)

H28.6.1 水曜日は選択式対策(雇用保険・不服申立て)

平成28年4月に改正された不服申立の条文の空欄を選択肢の中から埋めてください。

(不服申立て)

1 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給による返還命令等の規定による処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、  A  に対して再審査請求をすることができる。

2 1の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して  B  を経過しても審査請求についての決定がないときは、  C  ことができる。

 

(審査請求と訴訟との関係)

 確認、失業等給付に関する処分又は不正受給による返還命令等の規定による処分の取消しの訴えは、当該処分についての  D  を経た後でなければ、提起することができない。

 

<選択肢>  

① 労働保険審査会  ② 厚生労働大臣  ③ 60日 ④ 2カ月      ⑤ 3カ月  ⑥ 雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなす       ⑦ 当該審査請求に係る処分について、決定を経ないで、労働保険審査会に再審査請求をする    ⑧ 再審査請求に対する労働保険審査会の裁決           ⑨ 審査請求に対する雇用保険審査官の決定

 

 

 

【解答】

A ① 労働保険審査会  ※この部分は変更なし

 

B ⑤ 3カ月  C ⑥ 雇用保険審査官が審査請求を棄却したものとみなす

※ 審査請求をした日の翌日から3カ月を経過しても審査請求についての決定がないとき → 処分取消しの訴えを提起する 又は 労働保険審査会に再審査請求をする、どちらかを選択できるようになりました。

 

D ⑨  審査請求に対する雇用保険審査官の決定

※ 改正前は、「審査請求 → 再審査請求 → 処分取消しの訴え」と再審査請求を経なければ訴訟できませんでしたが、改正後は労働保険審査会へ再審査請求をしないで、「審査請求 → 処分取消しの訴え」ができるようになりました。

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H28対策「労働一般常識」第1回目(女性の雇用)

H28.5.31 毎週火曜日は労働の一般常識!

本日のテーマは「女性の雇用」です。問題を解きながらポイントを押さえましょう。

M字カーブや男女の格差などがポイントです。

 

※なお、この記事の問題は、内閣府ホームページ 「男女共同参画白書平成27年版」(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h27/zentai/index.htmlをもとに、当社会保険労務士合格研究室で、作成しています。

 

【問題①】

 一般労働者における男女の平均所定内給与額の差は,長期的に見ると拡大傾向にあり、平成26年は、男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準は72.2と、前年に比べ0.9ポイント拡大した。

 

 

【問題②】

 女性の年齢階級別労働力率について昭和50年からの変化を見ると、現在も「M字カーブ」を描いているものの、そのカーブは以前に比べて浅くなっている。M字の底となる年齢階級も上昇しており、昭和50年は25~29歳がM字の底となっていたが、平成26年では79.3%で、年齢階級別で最も高くなっている。

 

 

【問題③】

 男女ともパート・アルバイト等の非正規雇用者の割合は上昇傾向にあり,特に女性はその割合が昭和60年の32.1%から平成26年には56.7%にまで上昇しており,過半数を占めるに至っている。

 

 

★解答★

【問題①】 ×

 一般労働者における男女の平均所定内給与額の差は,長期的に見ると拡大傾向ではなく「縮小傾向」にある。平成26年は、男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準は72.2で、前年に比べ0.9ポイント「拡大した」ではなく「縮小した」です。

参照 平成26年度男女共同参画社会の形成の状況  第2節 雇用の場における女性

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h27/zentai/html/honpen/b1_s02_02.html  (内閣府男女共同参画局ホームページ)

【問題②】 ○

 女性の年齢階級別労働力率は「M字カーブ」を描いているが、そのカーブは以前に比べて浅くなっていること、M字の底となる年齢階級も上昇していることがポイント。

昭和50年は25~29歳の労働力率は42.6%でM字の底だったが、25~29歳の労働力率は次第に上がり平成26年では79.3%で年齢階級別で最も高い

ちなみに、26年のM字の底は35~39歳(70.8%)となっています。

参照 平成26年度男女共同参画社会の形成の状況  第1節 就業をめぐる状況

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h27/zentai/html/honpen/b1_s02_01.html  (内閣府男女共同参画局ホームページ)

 

【問題③】 ○

平成26年の女性の雇用者全体の正規の職員、従業員の割合は43.4%、パート・アルバイト等の非正規雇用者の割合は56.7%で、非正規雇用者が過半数を占めています。

参照 平成26年度男女共同参画社会の形成の状況  第1節 就業をめぐる状況

http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h27/zentai/html/honpen/b1_s02_01.html  (内閣府男女共同参画局ホームページ)

 

 

★★労働経済の分野は、幅広くたくさん勉強するのではなく、模擬試験や答案練習で印象に残った問題だけをしっかりおぼえておきましょう。

たとえ同じ問題が出なくても、問題を解くヒントになるかもしれません。

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【改正】厚生年金保険法 練習問題 第1回目

H28.5.30 毎週月曜日は厚生年金保険改正個所の練習問題

毎週月曜日は、厚生年金保険法の今年の改正個所から作成した問題を出します。

1年目はさらりと基本事項が出題されることが多いので、本試験に改正個所が出たらlucky★です。

 

 

【選択式】

①第2条 厚生年金保険法は、  A  が管掌する。

②第2条の5 厚生年金保険法の実施機関は、被保険者の種別ごとに次のように定められています。

「第1号厚生年金被保険者」に係る事務 →  B  

「第2号厚生年金被保険者」に係る事務 → 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会

「第3号厚生年金被保険者」に係る事務 → 地方公務員共済組合、  C  及び地方公務員共済組合連合会

「第4号厚生年金被保険者」に係る事務 →  D  

 

③附則第4条の3

適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、老齢基礎年金等の受給権を有しないもの(厚生年金保険法の規定により被保険者としないとされた者を除く。)が、高齢任意加入被保険者の資格を取得するためには、事業主の同意は必ずしも要しないが、  E  

<Eの選択肢>

ⅰ 厚生労働大臣の認可を受ける必要がある

ⅱ 実施機関に申し出る必要がある

 

【択一式】

適用事業所に使用される70歳未満の者であっても、その者が私立学校教職員共済制度の加入者であるときは、厚生年金保険の被保険者とはならない。

 

 

 

 

【解答】

A  政府

★ここは改正されていません。財政面・管理運営面で責任を負うのは国(厚生労働省)です。「実施機関」ではありませんー。

 

B  厚生労働大臣

C  全国市町村職員共済組合連合会

D  日本私立学校振興・共済事業団

 

③ ⅱ 実施機関に申し出る必要がある

★厚生労働大臣に申し出から実施機関に申し出に改正されました。

「適用事業所」なので、事務を担当する実施機関が存在するからです。

ちなみに、任意単独被保険者、適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者は「厚生労働大臣の認可」で変更はありません。

そもそも厚生年金保険に加入していない「適用事業所以外」なので実施機関は関係ないですよね。

 

【択一式】  ×

平成18年に出題された問題で、当時は「○」でしたが、現在は「×」です。

改正前は、共済組合の組合員、私学教職員共済制度の加入者は、厚生年金保険は適用除外でしたが、現在は、被用者年金一元化で厚生年金保険の被保険者となっています。

社労士受験のあれこれ

お知らせ

H28.5.28 月~金は毎日UP。しばらく土日のUPはお休みします。

社会保険労務士合格研究室のホームページ開設から5カ月たちました。

5か月間、毎日休まずに記事をUPしてきました。

そして、このホームページをもっとパワーアップさせたいと考えています。

週末に見直しなど行っていきますので、「社労士受験のあれこれ」の記事は月~金までは毎日UPしますが、土日はお休みさせていただきます。

もっと読みやすく、使いやすく工夫していきます。どうぞよろしくお願いします。

ちなみに「シャロゴ日記」は土日関係なく毎日更新します!

遺族(補償)給付と生計維持(労災保険)

H28.5.27 遺族(補償)年金と遺族(補償)一時金の大きな違い

労災保険の遺族(補償)給付には、「遺族(補償)年金」と「遺族(補償)一時金」があります。

早速ですが、次の問題を解いてみてください。

 

① H17年出題

 遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(妻以外の者にあっては、一定の年齢要件又は障害要件に該当する者に限る。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものに限られる。

 

② H25年出題

 労働者が業務災害により死亡した場合、その祖父母は、当該労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。

 

 

 

 

【解答】

①  H17年出題 ○

遺族(補償)年金の受給者となるには、死亡労働者との間に「生計維持関係」があったことが大前提です。

 

② H25年出題 ○

遺族(補償)一時金は、死亡労働者との間に生計維持関係がなかった者でも受給できる可能性があります。

★遺族(補償)一時金を受けるべき遺族の順序は、配偶者は生計維持関係の有無を問わず1位で、兄弟姉妹は生計維持関係の有無を問わず最後ですが、子、父母、孫、祖父母は、生計維持関係があった方が優先です。

 

 

 

では、次の問題も解いてみてください。

③ H13年出題

 遺族補償給付を受けることができる遺族は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(妻以外の者にあっては、一定の要件に該当する者に限る。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものに限られる。

 

 

 

【解答】

③ H13年出題 ×

冒頭の「遺族補償給付」に注意してください。

遺族補償給付には年金と一時金があります。

「遺族補償年金」としてなら正しい文章ですが、「遺族補償一時金」の場合は、生計維持関係がなくても支給される可能性があります。

典型的なひっかけ問題ですので、「給付」なのか「年金」なのか「一時金」なのかはしっかりチェックしてください。

社労士受験のあれこれ

厚生年金と労災保険 併給調整その3

H28.5.26 厚年「障害手当金」と労災保険の保険給付

社会保険と労災保険の調整のルールを2回お話ししました。

 

第1回目はコチラ → 同一事由で国年・厚年と労災保険から給付を受けられるとき

第2回目はコチラ → 第30条の4の障害基礎年金と労災保険の調整

 

★第3回目は、厚生年金保険法の「障害手当金」と労災保険の障害(補償)給付等の併給調整についてです。

 

まず、厚生年金保険法をチェックしてみましょう。

 障害の程度を定めるべき日において次の①~③のいずれかに該当する者には、障害手当金の支給要件を満たしていても、障害手当金は支給されません

 

① 年金たる保険給付の受給権者(最後に障害状態に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)を除く。)

 

② 国民年金法による年金たる給付の受給権者(最後に障害状態に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)

 

③ 当該傷病について国家公務員災害補償法地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律若しくは労働基準法第七十七条の規定による障害補償労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付若しくは障害給付又は船員保険法による障害を支給事由とする給付を受ける権利を有する者

 

③に注目してください。

同じ傷病が原因で、労働基準法の障害補償、労働者災害補償保険法の障害(補償)給付を受ける権利がある場合は、障害手当金は支給されない、と規定されています。

 

では、次の過去問を解いてみましょう。

H25年出題(厚年)

障害手当金は、障害の程度を定めるべき日において、当該障害の原因となった傷病について労働基準法の規定による障害補償を受ける権利を有する者には支給されないが、労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付を受ける権利を有する者には支給される。

 

 

 

 

【解答】×

労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付を受ける権利を有する者にも、支給されません。

 

 

ついでにここもチェック

先ほどの①と②についてもついでに見ておきましょう

① 年金たる保険給付の受給権者(最後に障害状態に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)を除く。)

→ 厚生年金保険の年金(老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金)の受給権者には障害手当金は支給しない、ということ。

<例外> 障害厚生年金の受給権者でも、最後に障害状態に該当しなくなってから3年経過している者には、要件に合えば障害手当金が支給される

② 国民年金法による年金たる給付の受給権者(最後に障害状態に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)

→ 厚生年金保険の年金と同じ考え方。国民年金の年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)の受給権者には障害手当金は支給しない、ということ。

例外の考え方も同じです。

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年次有給休暇(計画的付与)

H28.5.25 5日を超える部分が計画的付与の対象

年次有給休暇の計画的付与は、年次有給休暇の取得率UPのためにも活用できる制度です。

例えば、今年のゴールデンウィークは、5月2日(月)と5月6日(金)が平日でした。この日に年次有給休暇を計画的付与すれば、4月29日(祝)から5月8日(日)まで、10連休の設定ができることになります。

計画的付与の本試験のポイント

★ 導入手続は「労使協定」

★ 5日を超える部分が対象。

  計画的付与の対象になると時季指定権も時季変更権も使えなくなります。そのため、労働者が自由に使えるように5日は残しておいて、それ以外を計画的付与の対象にできます。例えば、年次有給休暇の権利が18日ある場合は、計画的付与の対象は13日までとなります

★ 付与の方法は限定されていない

  事業場全体で一斉付与する、班別に交替制で付与する、個人別に付与するなどの方法があります。

 

 

では、過去問を解いてみましょう。

①平成20年出題 

 労働基準法第39条第6項の規定に基づき、労使協定により年次有給休暇の計画的付与の定めがなされた場合には、使用者は、年次有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、労働者の時季指定にかかわらず、当該労使協定の定めに従って年次有給休暇を付与することができる。

 

②平成17年出題 

 いわゆる年次有給休暇の計画的付与の対象となる年次有給休暇の日数については、前年度から繰り越された有給休暇日数は含まれないところから、前年度から年次有給休暇日数が3日繰り越され、当年度に新たに12日分の権利が発生した労働者については、当年度に新たに発生した12日分の権利のうち5日を超える部分である7日に限り計画的付与の対象とすることができる。

 

③平成22年出題 

 労働基準法第39条第6項に定める年次有給休暇の計画的付与は、当該事業場の労使協定に基づいて年次有給休暇を計画的に付与しようとするものであり、個々の労働者ごとに付与時期を異なるものとすることなく、事業場全体で一斉に付与しなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

①平成20年出題 ○

 ポイントは、「労働者の時季指定にかかわらず」の部分。計画的付与の対象になると、労働者の時季変更権は使えません。労使協定で定めた通りに年次有給休暇が付与されます。

 ちなみに、平成15年には、「使用者の時季変更権も使えない」という論点が出題されています。

○計画的付与の場合は、時季指定権も時季変更権も使えなくなることがポイント。

 

②平成17年出題 ×

 計画的付与の対象になる年次有給休暇の日数には、前年度から繰り越された日数も含まれます。問題の場合は、前年度から繰り越された3日と当年度に新たに発生した12日の合計の15日分のうち、5日を残した10日が計画的付与の対象となります。

 

③平成22年出題 ×

 計画的付与の方法は、事業場全体で一斉に付与の方法に限られません。個々の労働者で付与時期が異なる方法もあり得ます。

 

 

 

 

ちなみに、ちょっと難しいですが、こんな問題も出題されています。

 

④平成17年出題

 労働基準法第39条第6項の規定に基づくいわゆる労使協定による有給休暇を与える時季に関する定めは、免罰的効力を有するにすぎないので、同条第5項の規定に基づく個々の労働者のいわゆる時季指定権の行使を制約するには、さらに就業規則上の根拠を必要とする。

 

【解答】×

計画的付与の労使協定には免罰的効力だけでなく、時季指定権、時季変更権の行使を制約する効力があります。ですので、就業規則上の根拠はいりません。

例えば、三六協定の効力(免罰的効力しかない)とは違いますので、注意してくださいね。

社労士受験のあれこれ

シリーズ振替加算 その5(最終回)

H28.5.24 振替加算相当額の老齢基礎年金

リーズ振替加算 その1

シリーズ振替加算 その2

シリーズ振替加算 その3

シリーズ振替加算 その

シリーズ振替加算その5です。

最終回は、「振替加算相当額の老齢基礎年金」です!

 

さて、老齢基礎年金の受給資格は、保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が25年以上あることです。ただし、25年の計算には入るけど、老齢基礎年金の額の計算には入らない期間がありますよね。

学生納付特例期間、30歳未満の納付猶予期間、合算対象期間は、受給資格の有無の25年を見るときには入りますが、老齢基礎年金の額には反映しません。

例えば、合算対象期間と学生納付特例期間のみで25年を満たした人の場合は、老齢基礎年金の受給資格はあるけれど、老齢基礎年金の額としてはゼロになります。

そして、そのような人が、「振替加算」の要件に該当している場合は、「振替加算相当額のみの老齢基礎年金」が支給されるのです。

 

では、代表的な問題を2つ解いてみましょう。

① H20年出題

大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65歳に達した日において、合算対象期間といわゆる学生納付特例による被保険者期間を合計した期間が25年あり、かつそれ以外の被保険者期間はすべて保険料未納期間である者が、振替加算の要件に該当する場合は、振替加算相当額の老齢基礎年金が支給される。

 

② H17年出題

振替加算の支給対象者であって、保険料納付済期間が1年未満であり、合算対象期間と合わせて老齢基礎年金の受給権を取得した者には、振替加算の額のみの老齢基礎年金が支給される。

 

【解答】

① H20年出題  ○

合算対象期間といわゆる学生納付特例による被保険者期間を合計した期間が25年で、「それ以外の被保険者期間はすべて保険料未納期間」というのがポイント。この場合の老齢基礎年金はゼロになってしまいますが、振替加算の要件に該当している場合は振替加算と同額の老齢基礎年金が支給されます。

 

② H17年出題  × 

例えば、保険料納付済期間が1月でそれ以外はすべて合算対象期間で受給資格を満たした場合は、1月で計算した老齢基礎年金とそれに振替加算が加算されます。振替加算の額のみの老齢基礎年金ではありません。

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選択対策/社会保険労務士法

H28.5.23 社会保険労務士の業務【改正】

社会保険労務士の業務として、1号業務、2号業務、3号業務の3つが規定されています。基本的な用語は押さえておきましょう。

少しだけ改正点があります。

 

次の空欄を埋めてください。

 

社会保険労務士法第2条(社会保険労務士の業務) 

 社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。

①の1 労働社会保険諸法令に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、再審査請求書その他の書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。以下同じ。)を作成すること

①の2 申請書等について、その  A  に関する手続を代わつてすること。

①の3 労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、再審査請求その他の事項(以下「申請等」という。)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等に対してする主張若しくは陳述について、  B  すること。(以下「事務代理」という。)

①の4 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に規定する紛争調整委員会における  C  の手続並びに障害者の雇用の促進等に関する法律、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に規定する  D  の手続について、紛争の当事者を  B  すること。

①の5 地方自治法の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争(一定の紛争を除く。)に関する  C  の手続について、紛争の当事者を  B  すること。

①の6 個別労働関係紛争(紛争の目的の価額が  E  円を超える場合には、    F  が同一の依頼者から受任しているものに限る。)に関する民間紛争解決手続であつて、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、紛争の当事者を  B  すること。

② 労働社会保険諸法令に基づく     G     (その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。

③ 事業における  H  その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること。

 

 

 

【解答】

A 提出  B 代理  C あっせん  D 調停  E 120万  F 弁護士

G 帳簿書類  H 労務管理

①の1から①の6までが1号業務、②が2号業務、③が3号業務です。

3号業務(相談、指導)は、社会保険労務士以外でも、業として行うことができます。

 

 

ちなみに改正点は、

申請等から異議申立てがなくなったこと(行政不服審査法の改正により)と、調停の対象に「障害者の雇用の促進等に関する法律」が加わったことです。

 

 

 

ここもチェック

 

 ①の4から①の6までの業務を、「紛争解決手続代理業務」といいます。紛争解決手続代理業務を行うことができるのは、紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、第14条の11の3第1項の規定による付記を受けた社会保険労務士(以下「特定社会保険労務士」という。)に限られています。

<紛争解決手続代理業務に含まれる事務>

Ⅰ ①の4のあっせんの手続及び調停の手続、①の5のあっせんの手続並びに①の6の厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続(以下「紛争解決手続」という。)について相談に応ずること

Ⅱ 紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間に和解の交渉を行うこと。

Ⅲ 紛争解決手続により成立した和解における合意を内容とする契約を締結すること。

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【改正】国民年金法/選択対策

H28.5.22 基礎年金拠出金の負担と納付

被用者年金一元化に伴って、国民年金法の用語も改正されています。

次の空欄を埋めてみましょう。

 

国民年金法第5条(用語の定義)

8 この法律において、「政府及び実施機関」とは、厚生年金保険の  A  及び  B  をいう。

9 この法律において、「  B  」とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会、  C  又は  D  をいう。

 

国民年金法第94条の2 (基礎年金拠出金)

1 厚生年金保険の  A  は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。

2   B  は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。

3 財政の現況及び見通しが作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の   A  負担し、又は  B  納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。

 

 

 

【解答】

A 実施者たる政府  B 実施機関たる共済組合等 

C 地方公務員共済組合連合会  D 日本私立学校振興・共済事業団

 

 

■■ちなみに「基礎年金拠出金」とは?

第2号被保険者・第3号被保険者の「基礎年金」の費用のために、実施者たる政府と実施機関たる共済組合等が負担(納付)するもの。 

 

★国民年金第2号被保険者(厚生年金被保険者)と第3号被保険者は、国民年金に保険料を納付する義務はありませんが、第2号被保険者・第3号被保険者にも老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金は支給されますよね?基礎年金拠出金はその費用に充てるためのものです。

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国年と労災保険  併給調整その2

H28.5.21 第30条の4の障害基礎年金と労災保険の調整

 

併給調整その1はこちら → 

 

今日は併給調整その2。労災保険法の年金と国民年金の30条の4の障害基礎年金との調整です。

30条の4の障害基礎年金(20歳前に初診日がある障害基礎年金)は、国民年金に加入前の傷病によって支給されるもので、国庫負担の率が高いので、通常の障害基礎年金とは異なる支給停止事由がありましたよね。

確認してみましょう。

 

国民年金法第36条の2

第30条の4の規定による障害基礎年金は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第2号及び第3号に該当する場合にあつては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する

1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であつて政令で定めるものを受けることができるとき

2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。

3 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。

4 日本国内に住所を有しないとき。

 

★<原則>上記1号に注目して下さい。

労災保険法の規定による年金を受けることができるときは、労災保険法の年金は全額支給され、「第30条の4の障害基礎年金」は支給停止されます。(同一事由であるかどうかは問われません。)

 

★<例外>ただし、以下のような例外規定があります。

2 前項第1号に規定する給付(労災保険法の年金)が、その全額につき支給を停止されているときは、同項の規定を適用しない。 → 労災保険法の年金が全額支給停止されているときは、第30条の4の障害基礎年金は支給停止にならず、支給されます。

 

 

では過去問を解いてみましょう。

H25年出題(国年)

労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。

 

 

 

 

 

 

【解答】 ○

労災保険法の年金が全額支給停止のときは、第30条の4の障害基礎年金は支給されます。

 

 

 

【参考】労災保険法附則第59条、第60条のお話

労災保険法の、「障害(補償)年金」、「遺族(補償)年金」には「前払一時金」の制度があります。

前払一時金を受けると、一定額までは障害(補償)年金、遺族(補償)年金の支給が停止されます。でも、その場合でも月々の年金をまとめて前払いしているだけで、実際は年金が支給されているのと同じです。

ですので、前払一時金を受けて労災保険の年金が支給停止されている場合は、第30条の4の障害基礎年金は原則どおり支給停止となります。

 

労災保険の年金第30条の4 障害基礎年金
支給支給停止

全額支給停止

 

支給
※前払一時金を受けたことにより年金が停止される場合支給停止

 

併給調整その3に続きます。

 

その他労災保険法はコチラ

その他国民年金法はコチラ

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シリーズ振替加算 その4

H28.5.20 振替加算が行われなくなるとき

シリーズ振替加算 その1

シリーズ振替加算 その2

シリーズ振替加算 その3

シリーズ振替加算その4です。

これまで勉強してきたように、専業主婦の年金は旧法と新法で異なります。そもそも振替加算とは、旧法・任意加入→新法・第3号被保険者強制加入という制度の移り変わりで老齢基礎年金が満額にならない人をカバーするためのものです。

ですので、年金が十分に支給される人には、振替加算がつかない場合もあります。

 

~~ちなみに、旧法で任意加入して保険料を納付した+新法は全て第3号被保険者だった人の場合、老齢基礎年金が満額になりますが、その場合でも要件に合えば振替加算は加算されます。~~

 

 

★振替加算が行われないパターン → 妻も厚生年金保険に加入していたことがあり老齢厚生年金を受けることができるとき

ただし、これは厚生年金保険の被保険者期間が240月以上(中高齢の特例含む)で計算される老齢厚生年金が対象です。

逆に、老齢厚生年金を受けることができる妻でも、厚生年金保険の被保険者期間が原則として240月未満(20年未満)の場合は、振替加算が加算されます。

 

★振替加算が支給停止されるパターン → 妻が障害基礎年金、障害厚生年金等の給付を受けることができるとき

障害基礎年金等なら保険料納付済期間の月数に関わらず満額支給されますよね。振替加算でカバーする必要がないからです。

 

 

では、問題を解いてみましょう!!

① H20年出題(改)

 老齢基礎年金の受給権者が、厚生年金保険法による老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受給できる場合は、振替加算は行われない。

 

② H21年出題

 振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有するときに、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合においても、振替加算に相当する部分の支給は停止される。

 

③ H21年出題

 遺族基礎年金の支給を受けている者に老齢基礎年金の受給権が発生したときは、いずれかを選択することになるが、遺族基礎年金を選択した場合であっても、振替加算の加算要件を満たす場合には、当該遺族基礎年金の額に振替加算相当額が加算される。

 

 

【解答】

① H20年出題(改) ○

 「被保険者期間の月数が240以上」が最大のポイントです。

 

② H21年出題  ×

 障害基礎年金が全額支給停止されている場合は、振替加算は支給停止されません。

昭60法附則第16条では次のように規定されています。

「振替加算が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める額を受けることができるときはその間振替加算に相当する部分の支給を停止する」

障害を支給事由とする年金を「受けることができるとき」はその間振替加算に相当する部分が停止されますが、障害基礎年金が全額支給停止(受けることができない)の場合は、振替加算は支給停止されません。

◇◇ちなみに、平成21年には次のような問題も出ています。

振替加算が加算された老齢基礎年金を受給している者であって、その者が障害基礎年金等の障害を事由とする年金給付を受給できるとき(当該障害基礎年金は支給停止されていない。)は、その間当該加算に相当する額が支給停止される。

障害基礎年金等を受給できる(支給停止されていない)とあるので、その間、振替加算は支給停止されます。答えは○です。

 

③ H21年出題 ×

 振替加算は老齢基礎年金に加算されるものです。遺族基礎年金に振替加算額が加算されることはありません。

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選択対策/育児休業、介護休業法

H28.5.19 育・介休業法/目的、基本的理念

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の(目的)と(基本的理念)の空欄を埋めてください。

 

第1条(目的)

 この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため  A  等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の  B  に寄与することを通じて、これらの者の  C  を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。

 

第3条(基本的理念)

 この法律の規定による子の養育又は家族の介護を行う労働者等の  C  は、これらの者がそれぞれ  D  の全期間を通じてその能力を有効に発揮して充実した

  D  を営むとともに、育児又は介護について  E  の一員としての役割を円滑に果たすことができるようにすることをその本旨とする。

2 子の養育又は家族の介護を行うための休業をする労働者は、その休業後における就業を円滑に行うことができるよう必要な努力をするようにしなければならない。

 

 

 

 

 

【解答】

A 所定労働時間  B 職業生活と家庭生活との両立  C 福祉の増進

D 職業生活  E 家族

 

解説(平21.12.28職発1228第4号)より

「職業生活と家庭生活との両立」はキーワード。「両立」とはともに並び立つことを重視すること。「調和」も同じような趣旨で使われるが、「調和」は全体としての釣り合いを重視する。

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国年・厚年と労災保険 併給調整その1

H28 .5.18 同一事由で国年・厚年と労災保険から給付を受けられるとき

まず、労災保険、国民年金、厚生年金保険の目的を確認してみるとこんな感じになります。

労災保険国民年金厚生年金保険

業務上・通勤による

負傷、疾病、障害、死亡

老齢、障害、死亡

(業務上外は問わない)

老齢、障害、死亡

(業務上外は問わない)

 

 

例えば、民間企業のサラリーマンが業務上や通勤により死亡した場合は、労災保険と国民年金と厚生年金保険から、遺族に対して遺族年金が支給されることになります。が、すべて100%ずつ支給されるわけではありません。

 

ポイント!

「同一の事由」で労災保険の年金給付と社会保険(国民年金・厚生年金保険)が支給される場合は、労災保険の年金給付が減額されます。

 

※社会保険は本人が保険料を負担しているので減額するのは問題ありです。一方、労災保険の保険料は全額事業主負担(本人負担なし)なので労災保険の方を減額しましょうという考え方です。

 

ということでポイントは

「同一事由」による労災保険の年金給付と社会保険(国年・厚年)の調整
労災保険の年金給付   → 減額支給
社会保険(国年・厚年) → 全額支給

 

 

では、問題を解いてみましょう!

 

① H14年出題(労災)  

同一の事由により厚生年金保険法の規定による遺族厚生年金又は国民年金法の規定による遺族基礎年金若しくは寡婦年金と併給される場合における遺族補償年金又は遺族年金の額は、政令所定の率を乗じて減額調整された額(政令所定の額を下回るときは、当該政令所定の額)となる。

 

② H12年出題(労災)  

 休業補償給付の額は、原則として1日につき給付基礎日額の100分の60に相当する額であるが、休業補償給付を受ける労働者が同一の事由について厚生年金保険法の規定による障害厚生年金又は国民年金法の規定による障害基礎年金を受けることができるときは、その額が調整されて減額されることになる。

 

③ H12年出題(労災)  

 労災保険の各種年金給付の額は、その受給者が同時に厚生年金保険法の規定による老齢厚生年金又は国民年金法の規定による老齢基礎年金を受けることができる場合でも、これらとは給付事由が異なるので、これらの事由により調整されて減額されることはない。

 

④ H26出題(国年) 

遺族基礎年金の受給権者が、同一の支給事由により労災保険法の規定による遺族補償年金の支給を受けることができる場合、遺族基礎年金は支給停止されない。

 

⑤ H12年出題(国年) 

障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは、6年間、その支給を停止する。

 

 

 

 

 

【解答】

① H14年出題(労災)  ○

「同一の事由」で社会保険(国年・厚年)の年金と労災保険の年金給付が支給される場合は、労災の年金給付が減額調整されるので○です。

なお、国民年金法の寡婦年金も「死亡」によって支給される年金ですので忘れないでくださいね。

 

② H12年出題(労災)  ○

休業補償給付(休業給付)と厚生年金保険法の障害厚生年金又は国民年金法の障害基礎年金が同一事由で支給されることもあり得ます。その場合は、休業補償給付(休業給付)が減額調整されます。

労災保険は年金給付だけでなく、休業補償給付(休業給付)も減額調整の対象ですので押さえてくださいね。

 

③ H12年出題(労災)  ○

労災保険の年金給付が減額調整されるのは「同一事由」の社会保険(国年・厚年)の年金です。老齢厚生年金・老齢基礎年金と同一事由の労災保険の年金給付はありませんので、同時に受ける労災の年金給付も減額調整されません。

 

④ H26出題(国年)  ○

同一事由で、遺族基礎年金と労災保険法の遺族補償年金を受けることができる場合は、労災保険法の遺族補償年金が減額調整され、遺族基礎年金は全額支給されます。

 

⑤ H12年出題(国年) ○

労災保険の年金給付との調整と間違えないようにしてくださいね。

 

併給調整その2に続きます!

 

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選択対策/労働の一般常識

H28.5.17 労働一般常識目的条文チェック!

空欄を埋めてください。

【雇用対策法】

第1条 目的

 この法律は、国が、少子高齢化による人口構造の変化等の経済社会情勢の変化に対応して、雇用に関し、その政策全般にわたり、必要な施策を総合的に講ずることにより、労働市場の機能が適切に発揮され、労働力の需給が質量両面にわたり均衡することを促進して、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、これを通じて、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上とを図るとともに、    A  並びに  B  の達成に資することを目的とする。

 

【職業安定法】

第1条 目的

 この法律は、  C  法と相まつて、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割にかんがみその適正な運営を確保すること等により、各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え、及び産業に必要な労働力を充足し、もつて職業の安定を図るとともに、  A  に寄与することを目的とする。

 

【労働者派遣法】

第1条 目的

 この法律は、  D  法と相まつて労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の  E  等を図り、もつて派遣労働者の雇用の安定その他  F  に資することを目的とする。

 

 

 

【解答】

A 経済及び社会の発展  B 完全雇用  C 雇用対策   D 職業安定

E 保護  F 福祉の増進

 

キーワードから法律の趣旨をイメージしてください。

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シリーズ振替加算 その3

H28.5.16  生年月日で変わる振替加算の額

シリーズ振替加算その1はこちら

シリーズ振替加算その2はこちら

 

振替加算は夫の老齢厚生年金に加算されていた加給年金額が、妻の老齢基礎年金に振り替わるというイメージですが、加給年金額イコール振替加算の額ではありません。

加給年金額は、224,700円×改定率ですが、振替加算は224,700円×改定率に生年月日に応じて定められた乗率(1.000~0.067)をかけて計算します。

 

ちなみに、生年月日に応じて定められた乗率が1.000になるのは、大正15年4月2日~昭和2年4月1日までに生まれた妻で0.067になるのは昭和36年4月2日~昭和40年4月1日までに生まれた妻です。

 

ポイントは、生年月日の若い妻(昭和41年生まれに近づく)ほど、乗率が小さくなることです。

 

シリーズ振替加算のその1でもお話ししたように、振替加算のモデルは20歳から60歳までずっとサラリーマンの妻(専業主婦)だった人です。

 

例えば、新法の対象者は大正15年4月2日生まれからですが、大正15年4月2日生まれに近い人ほど、旧法の期間が長い(その当時任意加入していなければカラ期間になる)ため、老齢基礎年金の額が小さくなります。そこをカバーするため、大正15年4月2日に近づくほど振替加算の乗率は乗率は1.000に近づきます。

 

では、昭和41年4月1日生まれの妻はどうでしょう?昭和41年4月1日生まれの人は昭和61年3月に20歳に達するので、旧法期間は1か月だけです。仮に任意加入しなかったとしても、昭和61年4月からは第3号被保険者ですので、満額に近い老齢基礎年金が支給されます。

とすると、振替加算は少なくてもいいですよね。ですので、乗率は0.067と小さくなります。

 

大正15年4月生まれに近づくほど旧法が長く(カラ期間が長い)、昭和41年4月1日に近づくほど旧法が短い(第3号被保険者期間が長い)ことをしっかり押さえてください。カラ期間が長い生年月日ほど、振替加算の額も高く設定されています

 

では、最後に問題を解いてみましょう。

H18年出題

振替加算の金額は、224,700円に改定率を乗じて得た額に、老齢厚生年金等の受給権者である配偶者の生年月日に応じて定められた率を乗じた額である。

 

 

【解答】 ×

乗率は、老齢厚生年金等の受給権者(夫)の生年月日ではなく、老齢基礎年金の受給権者(妻)の生年月日に応じて定められています。

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【横断】「死亡(葬儀等)」の給付

H28.5.15 労災(葬祭料)・健保(埋葬料)比較

死亡したときの給付として、労災保険には葬祭料(葬祭給付)、健康保険には埋葬料(埋葬費)があります。

健康保険の埋葬料は「埋葬」の費用ですが、労災保険の葬祭料(葬祭給付)は、埋葬だけでなく葬式全般の費用を補償するものなので、労災保険の方が手厚い額になります。

 

では、比べてみましょう。

 

労災保険葬祭料(葬祭給付)

受給者時効

315,000円+給付基礎日額30日分

(最低保障 給付基礎日額60日分)

葬祭を行う者2年

 

健康保険埋葬料、埋葬に要した費用に相当する金額(埋葬費)、家族埋葬料

 受給者時効
埋葬料5万円生計を維持していた者であって埋葬を行う者2年
埋葬費埋葬料の範囲内で埋葬にかかった費用

埋葬料の支給を受けるべき者がない場合

埋葬を行った者

2年
家族埋葬料

5万円

(被扶養者が死亡したとき)

被保険者2年

 

 

では、過去問を解いてみましょう。

①労災(H12年出題)

 葬祭料は、遺族補償給付を受けることができる遺族のうち最先順位の者に支給される。

 

②労災(H14年出題)

 葬祭料又は葬祭給付を受ける権利の時効は、葬祭が行われた日の翌日から進行する。

 

③健保(H25年出題)

 死亡した被保険者により生計を維持されていなかった兄弟姉妹は、実際に埋葬を行った場合であっても、埋葬費の支給を受ける埋葬を行った者に含まれない。

 

④健保(H26年出題)

 埋葬料は埋葬が実際に行われていなくても埋葬を行うべき者に給付されるものであり、埋葬費は死亡の事実があっても埋葬が行われなければ給付されないと解される。したがって、埋葬料は死亡した日、埋葬費は埋葬した日が保険事故発生の日となる。

 

 

【解答】

①労災(H12年出題) ×

 葬祭料は、「葬祭を行う者」に支給されます。遺族補償給付を受けることができる遺族とイコールになるとは限りません。

②労災(H14年出題) ×

 葬祭料又は葬祭給付を受ける権利の時効→死亡した日の翌日から進行

 葬祭料(葬祭給付)は「葬祭を行った」ことに支給されるのではなく、「死亡」したことに対して支給されるからです。

 

③健保(H25年出題)  ×

 親族でも、生計を維持されていなかった場合は「埋葬料」の対象にはなりません。が、実際に埋葬を行った場合は、埋葬費の対象になります。

 

④健保(H26年出題) ○

埋葬料→「死亡」について給付。(実際に埋葬しなくても給付される)

埋葬費→「埋葬を行った」ことについて給付。

時効の起算日も、埋葬料は死亡した日の翌日、埋葬費は埋葬した日の翌日となります。

 

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改正 不服申立 ~国民年金編~

H28.5.14 平成28年4月不服申立改正(国年)

条文を読みながら、改正点をチェックしましょう!

 

<審査請求>

■国民年金法第101条

被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求し、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる

◆社会保険審査官及び社会保険審査会法第4条 (審査請求期間)

審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したときは、することができない。ただし、正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。

 

ポイント! 審査請求は3月以内

審査請求できる期間が、60日から3か月に延長され、使いやすくなりました。

 

<再審査請求>

◆社会保険審査官及び社会保険審査会法第32条 (再審査請求期間等)

再審査請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2月を経過したときは、することができない。

ポイント! 再審査請求する、しないは「任意」

改正前は、審査請求→再審査請求という流れでしたが、改正後は、再審査請求する、しないは任意となりました。ただし、再審査請求をする場合は、「審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2月以内」となっています。

 

■国民年金法第101条第2項

 審査請求をした日から2月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができる

ポイント!

 改正前は、「審査請求をした日から60日以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなして、社会保険審査会に対して再審査請求をしすることができる」となっていました。

 改正後は、2月以内に決定がないときは、審査請求人は、社会保険審査官が審査請求を棄却したものとみなすことができ、そのあとは再審査請求を選択することもできますが、再審査請求をせずに処分取消しの訴えをすることも可能です。

 

 

<審査請求と訴訟との関係>

■国民年金法第101条の2

 前条第1項に規定する処分(被保険者の資格に関する処分又は給付に関する処分(共済組合等が行つた障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)に限る。)の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。

 

ポイント! 社会保険審査会の裁決を経なくても処分取消しの訴えができる

 改正前は、「処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求に対する社会保険審査会の採決を経た後でなければ、提起することができない」となっていましたが、改正で、「審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ、提起することができない。」となり、審査請求に対する社会保険審査官の決定があれば(社会保険審査会へ再審査請求をしなくても)処分取消しの訴えができるようになりました。

 ただし、「保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分」は、この規定から除外されていて、審査請求しなくても処分取消しの訴えができます。

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選択対策 「労働契約法」目的条文

H28.5.13 目的条文は必ずチェック!(労働契約法)

労働契約法第1条の目的条文の空欄を埋めてください。

 

労働契約法第1条 (目的)

 この法律は、労働者及び使用者の  A  な交渉の下で、労働契約が  B  により成立し、又は変更されるという  B  の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、  C  な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、  D  に資することを目的とする。

 

 

 

【解答】

A 自主的  B 合意  C 合理的  D 個別の労働関係の安定

 

どの法律も、目的条文はしっかり覚えてくださいね。

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任意継続被保険者チェック (健保)

H28.5.12 任継のポイントはココ!

任意継続被保険者の条文の空欄を埋めてみてください。

第3条第4項

 「任意継続被保険者」とは、適用事業所に使用されなくなったため、又は第1項ただし書に該当するに至った(適用除外に該当した)ため被保険者(  A  を除く。)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで  B  して  C  月以上被保険者(  A  、任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったもののうち、   D  に申し出て、  B  して当該  D  の被保険者となった者をいう。ただし、  E  又は後期高齢者医療の被保険者等である者は、この限りでない。

 

第37条

 第3条第4項の申出は、被保険者の資格を喪失した日から  F  日以内にしなければならない。ただし、保険者は、正当な理由があると認めるときは、この期間を経過した後の申出であっても、受理することができる。

 

過去問も解いてみましょう。(H22年出題)

 任意継続被保険者は、①任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき、②死亡したとき、③保険料を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)、④被保険者となったとき、⑤船員保険の被保険者となったとき、⑥後期高齢者医療の被保険者等となったときのいずれかに該当するに至ったときは、その日からその資格を喪失する。

 

 

 

 

【解答】

A 日雇特例被保険者

B 継続 (「通算」ではありません)

C 2

D 保険者

E 船員保険の被保険者

F 20

ここもポイント!

任意継続被保険者は、適用事業所を退職した、又は適用除外に該当したため資格を喪失した者が対象です。

任意適用事業所の認可の取り消しで資格を喪失した場合は、任意継続被保険者にはなれません。

 

H22年過去問  ×

①②③に該当したときはその日ではなく「翌日」に資格を喪失します。(④⑤⑥はその日に資格を喪失します。)

④の例 (例えば5月12日付で大阪支社から東京本社に転勤になった場合)

10日11日

12日

13日14日
大阪大阪

大阪 喪失

東京 取得

東京東京

12日に東京の適用事業所で資格を取得し、その日(12日)に大阪の資格を喪失します。

大阪の資格が翌日喪失(13日喪失)になると、12日の資格が大阪と東京で重複してしまうからです。

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業務災害と解雇制限

H28.5.11  業務上の傷病と解雇制限   ~労災保険編~

業務上の負傷、疾病で療養のために休業している間は「解雇できない」こととその例外が労働基準法で規定されていることをお話ししました。

業務上の傷病と解雇制限   その1 ~労基法編~ はこちら

業務上の傷病と解雇制限   その2 ~労基法編~ はこちら

 

労働基準法では使用者に「災害補償」(業務上の負傷や疾病等について使用者に補償する責任がある)が課せらています。といっても、現実的に使用者が全責任を負うことは経済面からも不可能ですよね。

「労働者災害補償保険」はその点をカバーするために存在する保険です。事業主が労災保険に加入することにより、労働基準法の「災害補償」責任を「労災保険」に代行してもらえるという仕組みです。

災害補償責任は実際は労災保険が代行してくれるため、原則として使用者が労働基準法の災害補償を行うことはありません。

ということは労働基準法の「打切補償」を支払って補償義務を免れるということも実際はないわけです。

 

そこで、労災保険法では、「打切補償を支払ったとものとみなす」(イコール解雇制限が解除される)という規定が設けられています。条文を確認してみましょう。

第19条 

 業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなつた場合には、労働基準法第19条第1項の規定の適用については、当該使用者は、それぞれ、当該3年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなつた日において、同法第81条の規定により打切補償を支払つたものとみなす

 

「打切補償を支払つたもの」とみなし、解雇が可能になるという規定です。

 打切補償を支払ったとみなされるのは次の2つです。

① 療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合

② 療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けることとなつた場合

「3年」がポイント。労働基準法の「打切補償」が認められる時期とリンクしているので押さえておいてくださいね。

あとは、「傷病補償年金」を受けているということは「まだ治っていない」ため、本来は解雇ができない時期だなーというのも意識してください。

 

 

では、問題を解いてみましょう。

 

① H16年出題

 休業補償給付又は休業給付の支給を受けている労働者が療養開始後3年を経過したときは、労働基準法第19条第1項の規定による解雇制限が解除される。

 

② オリジナル

 傷病年金の支給を受けている労働者が療養開始後3年を経過したときは、労働基準法第19条第1項の規定による解雇制限が解除される。

 

③ H17年出題

 業務上の傷病に係る療養の開始後3年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなった場合には、労働基準法第19条第1項の規定の適用については、当該使用者は、それぞれ、当該3年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなった日において、同法により打切補償を支払ったものとみなされる。

 

 

 

 

【解答】

① H16年出題  ×

 休業補償給付受けていて療養開始後3年を経過しても解雇制限は解除されません。また「休業給付」は通勤災害の場合です。通勤災害の場合はそもそも解雇制限されません。

 

② オリジナル  ×

 「傷病年金」は通勤災害の場合です。通勤災害については使用者の補償責任はありませんので、解雇制限も適用されません。

 

③ H17年出題  ○

 キーワードは、「療養の開始後3年」、「傷病補償年金」です。「打切補償を支払ったものとみなされる」と解雇制限が解除されます。

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選択式の練習 ~雇用保険法~

H28.5.10 一般被保険者の求職者給付

空欄を埋めてください。

則第56条

 技能習得手当は、  A  及び  B  とする。

則第57条

  A  は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けた日(基本手当の支給の対象となる日(法第19条第1項の規定により基本手当が支給されないこととなる日を  C  。)に限る。)について、  D  日分を限度として支給するものとする。

2   A  の日額は、  E  円とする。

 

 

 

【解答】

A 受講手当  B 通所手当  C 含む  D 40  E 500

 

一般被保険者の求職者給付は、基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当の4種類です。「技能習得手当」には、受講手当と通所手当があります。

受講手当は日額、通所手当と寄宿手当は月額です。

 

ちなみに

「法第19条第1項の規定により基本手当が支給されないこととなる日」とは、「自己の労働によって収入を得た」場合です。

「自己の労働によって収入を得た」場合、基本手当は、①全額支給、②減額支給、③支給されないの3つのパターンに分かれますが、受講手当が支給される日には③支給されない日を「含む」と規定されています。

 

平成15年にはこんな問題が出題されています。

   ↓

 受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けた日であって、基本手当の支給対象となるものについて支給されるが、当該受給資格者に自己の労働による収入があったため基本手当が減額計算により支給されないことになった日については、受講手当の支給が認められている。

 

答えは「○正しい」です。

ついでに、寄宿手当の問題も解いてみてください。

則第60条 

 寄宿手当は、受給資格者が公共職業訓練等を受けるため、親族と別居して寄宿している場合に、当該親族と別居して寄宿していた期間について、支給するものとする。

2 寄宿手当の月額は、  F  円とする。ただし、受給資格者が親族と別居して寄宿していない日又は前条第五項各号に掲げる日のある月の寄宿手当の月額は、その日数のその月の現日数に占める割合を  F  円に乗じて得た額を減じた額とする。

 

【解答】

F 10700

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シリーズ振替加算 その2

H28.5.9 振替加算はいつから加算される?

シリーズ振替加算その2です。

その1(振替加算が加算される人の生年月日)はこちら → 振替加算その1

 

振替加算は老齢基礎年金に加算されるので、妻が65歳に達した日の属する月の翌月から行われます。(原則)

ただし、振替加算の開始時期は条件によって変わります。よく出るところを押さえましょう。

 

① H18年出題(夫よりも妻が年上の場合)

 老齢厚生年金の受給権者の配偶者が、当該老齢厚生年金の受給権が発生した当時、65歳を超えている場合は振替加算の対象とされない。

 

② H13年出題(老齢基礎年金を繰上げた場合)

 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けた場合、振替加算も同時に繰り上げて支給される。

 

③ H21年出題(老齢基礎年金を繰り下げた場合)

 振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給され、当該振替加算額に政令で定める増額率を乗じて得た額が加算される。

 

【解答】

① H18年出題(夫よりも妻が年上の場合) ×

 夫の老齢厚生年金の受給権が発生した当時に妻が65歳を超えている場合は、夫の老齢厚生年金が支給されるときから、妻の年金に振替加算が加算されます。(夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算される代わりに妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されるイメージ)

 

② H13年出題(老齢基礎年金を繰上げた場合) ×

 老齢基礎年金を繰上げたとしても、振替加算は65歳からです。

 

③ H21年出題(老齢基礎年金を繰り下げた場合) ×

 老齢基礎年金を繰り下げた場合は振替加算も繰下げ支給されますが、振替加算額は増額されません。

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業務災害と解雇の関係

H28.5.8  業務上の傷病と解雇制限   その2 ~労基法編~

今日は、業務上の負傷と解雇制限その2です。

その1はこちら → 「業務上の傷病と解雇制限   その1 ~労基法編~」

 

もう一度労働基準法第19条を見てみましょう。

 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

 

業務上の傷病で療養のために休業する期間+30日間は解雇が禁止されていますが、2つの例外が設けられています。

① 打切補償を支払う場合 (認定不要)

② 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合(行政官庁の認定が必要)

①か②の場合は、解雇が可能になります。

 

ここでチェック 打切補償とは?

第81条

 第75条の規定(療養補償)によつて補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の1200日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。 

業務上の傷病については治るまで使用者が補償するのが原則ですが、療養開始後3年を経過しても治らない場合は、打切補償(平均賃金の1200日分)を行えば、その後は補償義務がなくなる、という規定です。

 

★★解雇制限との関係★★ 療養後3年経過して打切補償を行った → 補償義務がなくなる → 解雇も可能になる、という考え方です。

 

 

では、平成13年出題の問題を解いてみましょう。

 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業している労働者については、使用者が労働基準法第81条の規定によって打切補償を支払った場合(労働者災害補償保険法第19条によって打切補償を支払ったものとみなされた場合を含む。)にのみ労働基準法第19条1項の解雇制限の規定の適用が除外される。

 

 

 

 

 

【解答】 ×

打切補償を支払った場合のみではなく、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合にも、解雇制限の規定の適用が除外されます。

ちなみに、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合は、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定が必要です。(打切補償の場合は認定不要です。)

 

 

さて、労働基準法の「災害補償」の義務は、実際は「労働者災害補償保険法」が代行しています。

労災保険法と解雇制限の関係については、次回お話ししますね。

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業務災害と解雇の関係

H28.5.7 業務上の傷病と解雇制限   その1 ~労基法編~

労働基準法には、「災害補償」という規定があり、労働者が業務上負傷した又は疾病にかかった場合は、使用者に補償責任が課せられています。

例えば、労働基準法第75条を読むと、

「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。」と規定されています。(例えば、使用者が費用を負担して労働者を入院させて治療を受けさせる等をする義務があるということ)

 

 

「業務上の傷病については使用者には補償責任がある」ため、労働基準法第19条では、業務上の傷病で療養中の労働者を解雇することが禁止されています。

「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。」

 

ここもチェック!

★ 解雇が禁止されるのは、「療養のために休業する期間」です。治療中でも休業しないで出勤している場合は、解雇は可能です。

★ 休業期間の長短は問われないので、例えば1日だけの休業でも、休業後30日間は解雇できません。

 

では、H15年に出題された問題を解いてみてください。

 一定の期間を契約期間とする労働契約により雇入れられた労働者が、契約期間の途中で業務上負傷し、療養のため休業する場合には、使用者は、少なくとも当該休業期間中及びその後30日間は、当該契約を終了させることのないよう当該労働契約の契約期間を更新し、又は延長しなければならない。

 

 

【解答】 ×

第19条で禁止されているのは、「解雇」です。

契約期間の満了による労働契約の終了は解雇ではありませんよね。

業務上の傷病による療養で休業中に契約期間が満了になった場合は、そこで終了しても問題ありません。

 

第19条には例外規定がありますが、そのお話はまた後日。→後日の記事はコチラ

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みなし労働時間のルール ~労基法~

H28.5.6 みなし労働時間制のときの休憩・休日・深夜など

労働働基準法には、「事業場外労働のみなし労働時間制」、「専門業務型裁量労働制」、「企画業務型裁量労働制」の3つのみなし労働時間制があります。

この3つは対象者や導入手続はそれぞれ違いますが、実際に何時間労働したかではなく、「定められた労働時間」労働したものと「みなす」という点は共通です。

例えば専門業務型裁量労働制は、労使協定でみなし労働時間を10時間と定めれば、実際に7時間で帰ろうが、12時間労働しようが関係なく10時間労働したとみなされます。

 

 

今日は、この3つに共通のルールを確認しましょう。(昭和63.1.1基発1号)

★事業場外・専門業務型・企画業務型共通/みなしの適用範囲

「みなし労働時間制に関する規定は、法第4章の労働時間に関する規定の範囲に係る労働時間の算定について適用されるものであり、第6章の年少者及び第6章の2の女性の労働時間に関する規定に係る労働時間の算定については適用されないものであること。

また、みなし労働時間制に関する規定が適用される場合であっても、休憩、深夜業、休日に関する規定の適用は排除されないものであること。」

 

年少者・女性の労働時間にはみなし労働時間は適用されないので、実際の労働時間でカウントします。

例えば、第66条では妊産婦から請求があった場合は時間外労働はさせられないことが規定されています。ここにはみなし労働時間は適用されないので、実際に労働させる時間が1日に8時間を超えることはできないということです。

※みなし労働時間制をとっていても、休憩、深夜業、休日は法定どおりに適用しなければなりません。休日や深夜に労働させた場合は割増賃金が必要です。

 

 

では問題を解いてみましょう!

① 平成17年出題

 労働基準法第38条の3及び第38条の4の規定に基づく裁量労働制に係る労働時間のみなしに関する規定は、同法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用されるとともに、同法第6章の2の女性の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定についても適用される。

 

② 平成19年出題

 労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制を採用しようとする場合において、労働時間の算定については労使協定で定めるところによることとした場合に、当該協定に定めるべき時間は、1日当たりの労働時間であり、休憩、深夜業及び休日に関する規定の適用は排除されないので、法定休日に労働させた場合には、当該休日労働に係る割増賃金を支払う必要がある。

 

 

 

【解答】

① 平成17年出題 ×

 労働時間のみなしに関する規定は、女性の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定についても「適用されない」です。

 

② 平成19年出題 ○

 休憩、深夜業及び休日に関する規定は適用されるので、休日労働の場合には、割増賃金が必要です。

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給付制限 ~健康保険編~

H28.5.5 全部?全部又は一部?一部?(健保・給付制限)

どの科目でも給付制限の問題はしっかり覚えておけば得点源です。

これは慣れるが勝ちです!

今日は健康保険法の給付制限に慣れましょう。

さっそく、問題を解いてみましょう!

 

① H11年出題

被保険者の死亡の原因が自殺である場合、故意に事故を起こしたものとして、埋葬料は支給されない。

 

② H23年出題

 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その給付の全部について行わないものとする。

 

③ オリジナル

 保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書その他の物件の提出若しくは提示命令に従わず、又は職員の質問若しくは診断に対して答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付は、行わない。

 

④ H22年出題

 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の全部または一部を行わないことができる。

 

⑤ H14年出題

 保険者は、偽りその他の不正の行為によって保険給付を受け又は受けようした者に対して、保険給付の全部又は一部を6か月間以内の期間において不支給とすることができるとされているが、この給付制限は傷病手当金と出産手当金に限られ、また、偽りその他の不正の行為があった日から1年を経過したときは不支給の対象とはならない。

 

 

 

 

【解答】

① H11年出題  ×

★故意の犯罪行為又は故意 → 保険給付は行わない(絶対的給付制限)

ポイント

・ 自殺の場合 → 自殺は故意に基づく事故。しかし、埋葬料は支給される。

・ 自殺未遂の場合 → 精神疾患等が原因の場合は、「故意」には当たらないので保険給付は行われる。

 

② H23年出題 ×

「全部について行わない」ではなく、「全部又は一部を行わないことができる」

★闘争、泥酔、著しい不行跡 →全部又は一部を行わないことができる

給付制限をする・しないなどは保険者が任意に決めることができる。

 

③ オリジナル ×

「保険給付は行わない(絶対的給付制限)」ではなく、「全部又は一部を行わないことができる」

★命令に従わない場合等 → 全部又は一部を行わないことができる

 

④ H22年出題 ×

「全部または一部」ではなく「一部」を行わないことができる。

★療養に関する指示に従わない → 一部を行わないことができる

療養の指示に従わず治癒を遅らせた場合等は、保険者は保険給付の一部の給付制限はできるが、全部の給付制限はできない。

 

⑤ H14年出題 ○

★不正行為 → 傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部の給付制限ができる

偽りその他の不正の行為に対する給付制限のチェックポイント

・ 支給制限の対象は「傷病手当金と出産手当金」

・ 不支給の期間は6か月間以内」

・ 支給制限の決定ができるのは、偽りその他の不正の行為があった日から1年以内

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遺族の失権 ~国年・厚年~

H28.5.4 子(孫)の失権の時期■国年・厚年

遺族基礎年金(国年)、遺族厚生年金(厚年)の子、孫(孫は厚年のみ)の失権の時期をチェックしましょう。

ちなみに労災保険の遺族(補償)年金の子、孫、兄弟姉妹の失権時期はこちらから → 

では、遺族基礎年金の子、遺族厚生年金の子、孫の要件から確認してみることにしましょう。

<国民年金>

については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であつて障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

<厚生年金保険>

子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

※ ちなみに国民年金法では「障害等級」と表現されますが、厚生年金保険法では「障害等級の1級又は2級」と表現されます。厚生年金保険法の場合、「障害等級」は「1級から3級」までですよね。3級は含まない「1級又は2級」限定という意味です。

 

子(又は孫)の要件に該当しなくなったときに遺族基礎(厚生)年金の受給権が消滅します。

<国民年金>

① 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。

→ 原則は高校卒業の年度末で失権。ただし、そのときに障害状態にある場合は失権しない。

② 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。

→ 障害状態に該当しなくなっても高校卒業の年度末までは失権しない。

③ 20歳に達したとき。

→ 遺族基礎年金は20歳で失権(20歳以降は、本人に30条の4(20歳前にあ初診日がある)の障害基礎年金が支給される)

※厚生年金保険は「子、孫」、「障害等級の1級又は2級」に読み替えてください。

 

 

では、問題を解いてみましょう。

①国年H16年出題

 遺族基礎年金を20歳まで受給できる子には、当該遺族基礎年金の受給権発生後18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間に障害等級に該当する障害の状態となり、同日以後も引き続き障害等級に該当する障害の状態にある子が含まれる。

 

②厚年H22年出題

 老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより当該死亡者の子または孫が遺族厚生年金の受給権者となった場合において、当該子または孫が障害等級の3級に該当する障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに当該遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 

【解答】

①国年H16年出題  ○

被保険者等の死亡当時に障害状態になく、その後障害状態になった場合でも18歳年度末に障害状態にあれば20歳まで遺族基礎年金を受給できます。

 

比較してみましょう! 

労災保険は、死亡当時に障害状態にあれば障害状態にある限り受給できます。違いに注意してくださいね。労災保険はこちら→ 

 

②厚年H22年出題  ○

18歳年度末に障害状態(1級又は2級)にあれば20歳まで受給できますが、3級の場合は原則どおり18歳年度末で失権です。

 

その他国民年金法はこちら

その他厚生年金保険法はこちら

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遺族の失権 ~労災保険法~

H28.5.3 子孫兄弟姉妹の失権の時期■労災■

今日は、労災保険の遺族(補償)年金の「子、孫、兄弟姉妹」の失権の時期について、勉強しましょう。

◆◆まず、子、孫、兄弟姉妹について、遺族(補償)年金の受給者になる要件は、労働者の死亡当時「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること」又は「厚生労働省令で定める障害の状態にあること」でしたよね。(労働者の死亡当時、「年齢」か「障害状態」のどちらかに当てはまれば、受給者になるのがポイント)

 

逆に、この要件に該当しなくなると受給権が消滅することになります。

「子、孫、兄弟姉妹」は次の①②のときに受給権が消滅します。

① 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。

→ 高校卒業の年度末に遺族(補償)年金の受給権は消滅します。ただし、労働者の死亡当時に障害状態にあった場合は、障害状態にある限りは失権しません。

② 厚生労働省令で定める障害の状態にある子、孫、兄弟姉妹については、その事情がなくなったとき(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。)。

→ 障害の状態でなくなっときは、遺族(補償)年金の受給権は消滅します。ただし、障害の状態でなくなっても年齢要件に当てはまる間(高校卒業の年度末まで)は失権しません。

 

では、次の過去問を解いてみてください。

H23年出題

 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する、労災保険法第16条の21項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあった孫が、その障害の状態がなくなったときは、18歳に達する日以後の最初の331日までの間にあるときであっても、消滅する。

 

 

 

【解答】 ×

子、孫、兄弟姉妹は障害状態でなくなったときでも、18歳に達する日以後の3月31日までは失権しません。

 

比較してみましょう!

国民年金(子)、厚生年金保険(子、孫)の失権はこちらから → 

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選択式の練習 ~労働組合法~

H28.5.2 労働組合法の選択式対策

労働組合法の条文の空欄を埋めてください。

第14条

 労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する  A  は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。

 

第15条

  A  には、  B  をこえる有効期間の定をすることができない。

2   B  をこえる有効期間の定をした  A  は、  B  の有効期間の定をした労働協約とみなす。

3 有効期間の定がない  A  は、当事者の一方が、署名し、又は記名押印した文書によつて相手方に予告して、解約することができる。一定の期間を定める労働協約であつて、その期間の経過後も期限を定めず効力を存続する旨の定があるものについて、その期間の経過後も、同様とする。

4 前項の予告は、解約しようとする日の少くとも  C  前にしなければならない。

 

第16条

  A  に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する     D  の部分は、無効とする。この場合において無効となつた部分は、基準の定めるところによる。  D  に定がない部分についても、同様とする。

 

第17条

 一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の  E  以上の数の労働者が一の  A  の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該  A  が適用されるものとする。

 

 

【解答】

A 労働協約  B 3年  C 90日  D 労働契約  E 4分の3

 

※ちなみに、Dは労働契約で、就業規則ではありません。

 

就業規則と労働協約の関係は労働基準法第92条で次のように規定されています。

第92条

 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

② 行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。

効力の強さは、法令→労働協約→就業規則→労働契約の順番です。

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選択式の練習 ~労働安全衛生法~

H28.5.1  安衛法第88条・計画の届出

択一式で問われた箇所が、選択式で登場することもあります。

平成18年に択一式で出題された論点を使って、選択式の練習をしてみましょう。

 

第88条(計画の届出等)

 事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の  A  日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならないただし、第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、厚生労働省令で定めるところにより労働基準監督署長が認定した事業者については、この限りでない

※第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置とは、「第28条の2第1項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置並びに労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針に従って事業者が行う自主的活動」

 

労働安全衛生規則第87条の6

 労働安全衛生法第88条第1項ただし書の規定による労働基準監督署長の認定は、   B  ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

 

労働安全衛生規則第87条の7

労働安全衛生法第88条第1項ただし書の規定による労働基準監督署長の認定を受けた事業者は、認定に係る事業場ごとに、  C  以内ごとに1回、実施状況等報告書に労働安全衛生規則第87条の措置の実施状況について行つた監査の結果を記載した書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

【解答】

A 30  B 3年  C 1年

 

要点をまとめると

 一定の機械等を設置するとき等は、計画を工事開始の日の30日前までに労働基準監督署長に届けなければなりません。

 ただし、危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置並びに労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針に従って事業者が行う自主的活動を講じているものとして労働基準監督署長が認定した事業者は、機械等の設置等の計画の届出が免除されます。

労働基準監督署長の認定の有効期間は3年。

労働基準監督署長の認定を受けた事業者は1年以内ごとに1回報告義務がある。

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徴収法 現物給与の範囲と評価

H28.4.30 賃金には、現物給与も含まれる

労働保険徴収法でいう「賃金」には、「通貨以外のもの」で支払われるもの(現物給与)も含まれます。

 

さっそくですが「通貨以外のもの」で支払われる賃金の範囲について、次の問題を解いてみてください。

H19年出題

 労働保険徴収法における「賃金」は、通貨で支払われるもののみに限られず、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものも含むものとされている。

 

 

【解答】 ○

「現物給与の範囲」についての問題です。

食事、被服、住居の利益は当然に賃金の範囲に入りますが、それ以外に、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるものも現物給与の範囲に含まれるということです。

ここもポイント!

「現物給与の評価」についてもおさえておきましょう。

「賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。」

 

「現物給与の範囲」 → 所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長

「現物給与の評価」 → 厚生労働大臣

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割増賃金の単価

H28.4.29 割増賃金の単価に算入しなくてもいい賃金

家族手当や通勤手当も「労働の対償として支払われるもの」ですので、労働基準法上の賃金です。

ただし、家族手当は「家族の数」に応じて支払われるものですし、通勤手当は「通勤にかかる費用」に応じて支払われるもの。労働の対価ではあるけれど仕事内容には直接関係ありません。

そのため、割増賃金の基礎には算入しなくてもよいことになっています。

ちなみに受験生のときに教えてもらった、割増賃金の基礎に算入しなくてよい賃金の語呂合わせ「かつべしんいち」をずっと覚えています。(その後住宅手当が加わったので「かつべしんいちの住宅」にアレンジしました。)語呂合わせは苦手なので、覚えているのはこれだけですが。

か(家族手当)つ(通勤手当)べ(別居手当)し(子女教育手当)ん(臨時に支払われる賃金)一(1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)、じゅうたく(住宅手当)

 

 

では、問題を解いてみましょう!

① H23年出題 

 労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり、家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから、家族数に関係なく一律に支給されている賃金は、算定基礎賃金に含める必要はない。

 

② H26年出題 

 通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。

 

③ H19年出題

 労働基準法第37条第5項及び労働基準法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には家族手当、住宅手当等は算入されないこととされており、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当は、同規則第21条でいう住宅手当に該当し、同法第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。

 

【解答】

① H23年出題 × 含める必要がある

② H26年出題   ○

③ H19年出題 × 割増賃金の基礎となる賃金に算入する

「家族手当」「通勤手当」「住宅手当」という名称だからといって、すべてが割増賃金の基礎賃金に算入しなくてもいいというわけではありません。 

家族数に関係なく一律で支給されている家族手当、通勤手当でも距離に関係なく支払われている部分、住宅の形態ごとに一律に定額で支給されている住宅手当等は、割増賃金の基礎賃金に算入することになります。

例えば、扶養家族が1人の労働者にも扶養家族が3人の労働者にも一律の家族手当を支給している場合、その家族手当の額は労働者の個人的事情(家族数)に応じて決められているわけではないからです。

割増賃金の基礎から除外できるのは、あくまでも「労働者の個人的事情」に基づくものです。

 

割増賃金の単価の計算方法もチェック!

例えば、月給制の場合、割増賃金の基礎となる賃金は、

「月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異る場合には、1年間における一月平均所定労働時間数)で除した金額」と規定されています。

 

※以下の要件で計算してみましょう。

・基本給20万円、皆勤手当1万円、職務手当3万円、通勤手当1万5千円

・1年間の1か月平均所定労働時間数169時間

 

割増賃金の基礎となる賃金の計算式は、

(20万円+1万円+3万円)÷169です。

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障害基礎年金の支給停止と失権

H28.4.28 2級に該当しなくなったら障害基礎年金はどうなる?

障害基礎年金は、障害等級(1・2級)に該当する程度の障害の状態に該当するときに支給されます。

 

では、障害が軽くなって1・2級に該当しない程度になった場合、障害基礎年金の受給権はどうなるのでしょうか?

 

ここでは、「支給停止」と「失権」という用語の違いを意識してください。

支給停止とは → 受給権はあるが事情によって支給が止まっている状態。支給停止事由がなくなれば再開される。

失権とは   → 受給権が消滅すること。再開されることはない。

 

具体的に過去問でチェックしてみましょう。

 

「2級以上に該当しなくなった場合」

①H18年出題

 障害基礎年金は、受給権者が2級以上の状態に該当しない程度の障害に軽快したときは、その間、支給が停止される。

 

「受給権が消滅する時期について」

②H20年出題

 障害基礎年金の受給権者が63歳の時点で、厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過していたときは、その時点で当該障害基礎年金の受給権が消滅する。

 

 

 

【解答】

ポイント! 2級以上に該当しなくなってもいきなり失権はしない。

①H18年出題 ○

 2級以上の状態に該当しない程度の障害に軽快したときは、その間、支給が停止されます。「失権(受給権が消滅)する」ではありません。「支給停止」されているだけですので、また2級以上の状態に該当すれば障害基礎年金の支給が再開します。

 

ポイント! 受給権は少なくとも65歳までは失権しない。

②H20年出題 ×

 ※問題文の中の「厚生年金保険法に規定する障害等級」とは1級・2級・3級のことです。国民年金の障害等級は1・2級、厚生年金保険の障害等級は1・2・3級ですので注意してくださいね。

 

 障害基礎年金の受給権は、①3級に該当しない状態のまま3年経過した又は②3級に該当しない状態のまま65歳になった、①か②のどちらか遅い方で失権します。少なくとも65歳までは失権しません

 問題文では、「63歳の時点で、3級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して3年を経過」となっています。3級に該当しなくなってから3年経過していますが、65歳前ですので、この時点では受給権は消滅しません。

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横断 最低保障額(労基・雇用保険)

H28.4.27  「平均賃金(労基)」と「賃金日額(雇保)」の最低保障を比較する

労働基準法の平均賃金は、原則として「3か月間の賃金の総額」÷「3か月間の総日数」で算定します。

ただし、日給制、時給制、出来高払い制等の場合は、原則の計算式で算定すると低くなる場合があるため、最低保障額が設けられています。

 

また、雇用保険法では基本手当の日額は「賃金日額×給付率」で算定しますが、賃金日額は原則として「6か月間の賃金総額」÷「180日」で算定します。

こちらも、日給制、時給制、出来高払い等の場合の最低保障額が設けられています。

 

■■では、最低保障額についての過去問をチェックしましょう。

① 労働基準法 (H19年出題)

平均賃金は、原則として、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算定するものとされているが、賃金がいわゆるパートタイマーに多くみられるように労働した時間によって算定される場合には、その金額は、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60を下ってはならないこととされている。

 

② 雇用保険法 (H18年選択(改))

 賃金日額は、原則として、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額であるが、賃金が労働した時間により算定されていた場合、上記の最後の6か月間に支払われた賃金の総額を A で除して得た額の100分の B に相当する額の方が高ければ、後者の額が賃金日額となる。

 

 

 

【解答】

① 労働基準法 (H19年出題)  ○

② 雇用保険法 (H18年選択)

 A 当該最後の6か月間に労働した日数  B 70

 

ポイント!

 

労働基準法 「平均賃金」雇用保険法 「賃金日額」
3か月間の賃金総額6か月間の賃金総額

原  則 → 総日数で除す

最低保障 → 労働した日数で除した金額の100分の60

原  則 → 180で除す

最低保障 → 労働した日数で除した額の100分の70

ちなみに、

・総日数とは暦上の日数(例えば4月は30日間、5月は31日間)のこと

総日数と労働した日数はイコールではありません。

 

その他労働基準法はこちら

その他雇用保険法はこちら

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横断 前納(健保・国年)

H28.4.26 健保(任継)・国年の前納比較

健康保険法の任意継続被保険者と国民年金の第1号被保険者(任意加入被保険者含む)には前納制度があります。

 

 

比較してみましょう。空欄を埋めてください。

<健康保険法 ・ 任意継続被保険者の保険料の前納>

 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。

 前納された保険料については、前納に係る期間の  A  ときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。

 任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の  B  までに払い込まなければならない。

 

<国民年金法 ・ 前納>

 被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。

 前納された保険料について保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の  C  際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。

 

 

 

【解答】

A 各月の初日が到来した  B 初月の前月末日  C 各月が経過した

 

 

ここもチェック!

→ 割引額は年利4%の複利原価法によって計算される(共通)

 

→ 前納期間の原則

<健保> 4月~9月まで若しくは10月~翌年3月までの6か月間

     4月~翌年3月までの12か月間

<国年> 6月又は年単位

・・・・ただし例外あり。過去問でチェック!・・・・・

(健保 H26年出題)

 任意継続被保険者が保険料を前納する場合は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとなっているが、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。

 

 

<解答> ○

 6月又は12月の間に、

 ・任意継続被保険者の資格を取得した → 6月間又は12月間のうち、その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間の保険料を前納できる

(例)4月に資格を取得した場合、5月~9月又は5月~翌年3月までの期間で前納可

 ・資格を喪失することが明らか → 6月間又は12月間のうち、その資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料を前納できる

(例)9月に資格を喪失することが明らかな場合、4月~8月までの期間で前納可

 

(国年 H26年出題)

保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6か月又は年を単位として行うものとされているが、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(すでに前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要しない。

 

 

<解答> ○

 

その他健康保険法はこちら

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シリーズ振替加算 その1

H28.4.25 振替加算が加算される人の生年月日

年金を勉強するときは、「40年間サラリーマンだった夫」と「40年間専業主婦だった妻」をイメージしてみてください。年金制度はそのような夫婦をモデルにして設計されています。

さて、40年間厚生年金保険に加入していた夫には、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」が支給されます。生計維持関係のある妻がいる場合は「加給年金額」もプラスされます。

ところが、あるときに、加給年金額は加算されなくなります。なぜなら、妻が65歳になって老齢基礎年金を受けるようになると、加給年金額が妻の老齢基礎年金に振り替わるからです。

夫に支給されていた加給年金額が姿を変えて妻の老齢基礎年金に加算されることを「振替加算」といいます。(といっても加給年金額と振替加算の額はイコールではありませんので注意)

※ なお、「夫」と「妻」が逆になるパターンでもOKですが、ここでは、サラリーマンの夫と専業主婦の妻で話を進めていきます。

 

まず、一つ目のポイントは、振替加算が加算される妻の生年月日です。

老齢基礎年金に振替加算が加算されるのは、大正15年4月2日~昭和41年4月1日までの間に生まれた者です。

 

■■大正15年4月1日以前生まれの妻には振替加算は加算されない■■

大正15年4月1日以前生まれの者は、新法の老齢基礎年金ではなく、旧法の対象です。

旧法の考え方は、「専業主婦には年金は支給しない。その代わり夫の老齢年金に加給年金額を加算する」というものです。

加給年金額は通常は65歳未満の配偶者が対象ですが、大正15年4月1日以前生まれの配偶者のについては65歳以上でも加給年金額の対象になるのはそのためです。

ポイント 大正15年4月1日以前生まれの妻の場合は、65歳以降も夫の加給年金額の対象。老齢基礎年金も振替加算も対象外。

 

■■昭和41年4月2日以降生まれの妻には振替加算は支給されない■■

年金のモデルは「40年間専業主婦だった妻」です。

第3号被保険者制度ができたのは昭和61年4月1日の新法以降です。その前の旧法時代は、専業主婦は任意加入でした。

(第3号被保険者制度のお話はこちらから → 旧法と新法(第3号被保険者)

昭和41年4月2日以降生まれの妻は、20歳以降の期間がすべて新法です。20歳から60歳まで専業主婦なら、40年間第3号被保険者です。それで満額の老齢基礎年金が支給されます。振替加算でカバーする必要はありません。

一方、昭和41年4月1日以前生まれの妻は、昭和61年4月1日に20歳を過ぎているので、旧法時代を経験しています。専業主婦は旧法時代は任意加入でした。20歳から60歳までの間の旧法時代に任意加入しなかった場合は、その分老齢基礎年金がカットされます。振替加算はその部分をカバーするためのものです。

 

ポイント 昭和41年4月2日以降生まれの妻の場合は、40年間ずっと第3号被保険者の可能性あり。それで満額の老齢基礎年金が保障される。

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改正 ~障害者雇用促進法~

H28.4.24 障害者雇用促進法・選択式対策

平成28年4月より、障碍者雇用促進法が改正されています。

選択式の練習も兼ねて、改正点をチェックしましょう。

 

(第1条)

 この法律は、身体障害者又は知的障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との  A  機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置、  B  の措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において  C  することを促進するための措置を総合的に講じ、もつて障害者の  D  を図ることを目的とする。

 

(第34条)

 事業主は、労働者の  E  について、障害者に対して、障害者でない者と

  A  機会を与えなければならない

 

(第35条)

 事業主は、  F  の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と  G  差別的取扱いをしてはならない

 

(第36条の2)

 事業主は、労働者の  E  について、障害者と障害者でない者との  A  機会の確保の支障となつている事情を改善するため、労働者の  E  に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して  H  を及ぼすこととなるときは、この限りでない。

 

(第36条の3)

 事業主は、障害者である労働者について、障害者でない労働者との  A  待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となつている事情を改善するため、その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、事業主に対して  H  を及ぼすこととなるときは、この限りでない。

 

 

 

 

【解答】

A 均等な  B 職業リハビリテーション  C 自立  D 職業の安定

E 募集及び採用  F 賃金  G 不当な  H 過重な負担

ポイント!

・ 雇用の分野における障害者に対する差別は禁止

・ 障害者が職場で能力を発揮できるよう、事業主は施設の整備の改善など必要な措置を講じなければならない(ただし、事業主に過重な負担を及ぼすときはこの限りでない)

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第2号被保険者のポイント

H28.4.23 国民年金第2号被保険者のよく出るところ

厚生年金保険の被保険者のことを国民年金では「第2号被保険者」といいます。

国民年金法第7条第1項第2号で以下のように定義されています。

厚生年金保険の被保険者を「第2号被保険者」という。」

■■国民年金第2号被保険者は、国民年金(基礎年金・1階部分)と厚生年金保険(2階部分)の2階建てで年金に加入し、年金給付も国民年金(基礎年金)と厚生年金保険の2階建てです。加入も給付も2階建てになることをしっかりイメージしてくださいね。

 

では、過去問をチェックしてみましょう。

第1号被保険者、第3号被保険者と比較しながら解いてください。

 

①H15年出題

 第1号被保険者、第2号被保険者及び第3号被保険者ともに国籍要件を問わない。

 

②H15年出題

 第2号被保険者及び第3号被保険者は、住所が外国であっても被保険者となる。

 

③H14年出題

 厚生年金保険法の被保険者は、60歳に達した日に、国民年金の被保険者資格を喪失する。

 

①H15年出題 ○

 第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者ともに国籍要件はありません。

 

②H15年出題 ○

 第1号被保険者は「国内に居住していること」が要件ですが、第2号被保険者と第3号被保険者には、国内居住要件はありません。海外転勤になっても第2号被保険者、第3号被保険者のままです。

 

③H14年出題 ×

 第1号被保険者と第3号被保険者は20歳以上60歳未満という年齢要件があるので、60歳に達したときに資格を喪失します。

 第2号被保険者には20歳以上60歳未満という年齢要件がないので、60歳になっても国民年金の被保険者資格は喪失しません。

 ■■60歳以上でも20歳未満でも、厚生年金保険の被保険者なら国民年金第2号被保険者となります。

 ※なお、65歳以上の被保険者で老齢又は退職を支給事由とする年金給付であって政令で定める給付の受給権がある場合は、65歳以上は国民年金第2号被保険者でなくなります。

比較してみましょう!

第1号被保険者のポイントはこちら

第3号被保険者のポイントはこちら

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選択式の練習 ~労災保険法~

H28.4.22 事業主からの費用徴収

労災保険法第31条(事業主からの費用徴収)の空欄を埋めてください。

 

 

労災保険法第31条(事業主からの費用徴収)

 政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあつては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度又は  A  の規定による災害補償のうち労働基準法の規定による災害補償に相当する災害補償の価額の限度で、通勤災害に関する保険給付にあつては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる

① 事業主が  B  により徴収法の規定による  C  を提出していない期間(政府が当該事業について徴収法の規定による認定決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故

② 事業主が徴収法の一般保険料を納付しない期間(督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故

③ 事業主が  B  により生じさせた業務災害の原因である事故

施行規則第44条

 法第31条第1項の規定(事業主からの費用徴収)による徴収金の額は、  D  が保険給付に要した費用、保険給付の種類、一般保険料の納入状況その他の事情を考慮して定める基準に従い、所轄都道府県労働局長が定めるものとする。

 

 

【解答】

A 船員法  B 故意又は重大な過失  C 保険関係成立届  

D 厚生労働省労働基準局長

 

■■労働者を雇えば、当然に労災保険は成立します。その場合、事業主は成立した日から10日以内に保険関係成立届を提出しなければならないことになっています。

では、もし、事業主が提出期限を過ぎても保険関係成立届をしてなかった場合はどうなるでしょう?(保険関係成立届を提出していないということは保険料も納付していないということです)

事業主が保険関係成立届を提出していなくても労災保険は当然に成立しています。ですので事故があった場合、労働者は労災保険から保険給付を受けることができます。

ただし、故意又は重大な過失で保険関係成立届を提出していなかった事業主には、ペナルティーとして保険給付にかかった費用の全部又は一部を払ってもらいます!ということです。

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選択式の練習 ~労働安全衛生法~

H28.4.21 ○○の講ずべき措置等

 

労働安全衛生法第29条の条文の空欄を埋めてください。

1   A  は、関係請負人及び関係請負人の  B  が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な  C  を行なわなければならない。

2   A  は、関係請負人又は関係請負人の  B  が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な  D  を行なわなければならない。

3 2の  D  を受けた関係請負人又はその  B  は、当該  D  に従わなければならない。

 

 

 

 

【解答】

A 元方事業者  B 労働者  C 指導  D 指示  

※ 元方事業者には事業全般について権限と責任があり、関係請負人とその労働者に対して、法律遵守に関し指導や指示を行う義務が課せられています。

過去問のポイント!

・ 業種を問わず全ての元方事業者に適用される。

   ※「元方事業者」と「特定元方事業者」の違いに注意しましょう。

     →「元方事業者」とは事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(業種は問わない)

     →「特定元方事業者」とは建設業・造船業の元方事業者

・ 元方事業者は、「関係請負人」だけでなく、関係請負人が雇っている労働者に対しても、直接指導及び指示を行うことができる。

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横断 労災保険法と厚生年金保険法の遺族

H28.4.20 転給 → 労災(有)、厚年(無)

労災保険 遺族(補償)年金

厚生年金保険  遺族厚生年金

労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(妻以外の者は、一定の年齢要件又は障害要件に該当すること)

 

被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母(兄弟姉妹は入らない)

妻以外の者は、一定の年齢要件に該当すること)

(注)H8.4.1前に死亡した者の夫、父母、祖父母の場合は死亡当時一定の障害状態に該当していれば遺族となっていた

    ○共通点○   「妻」には、年齢要件も障害要件もつかない

「受給資格者」のうち最先順位者が「受給権者」となる。

受給権者が失権した場合、転給の制度がある。(転給=受給資格者の中で受給権が移っていく制度)

最先順位者のみ受給権を取得。

後順位者は遺族の範囲に入らない。(遺族厚生年金は受けられない。)

転給制度なし。

 

問題を解いてみましょう。

 

<労災保険法>

①H17年出題

 遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(妻以外の者にあっては、一定の年齢要件又は障害要件に該当するものに限る。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた者に限られる。

 

②H18年出題

 遺族補償年金を受けるべき遺族の順位は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順である。  

 

<厚生年金保険法>

③H16年出題

 夫婦とも被保険者であり、妻が死亡した場合に死亡当時夫婦の収入によって生計を維持されていた障害等級に該当しない18歳未満の子及び60歳以上の母がいる場合、当該子が受給権者となったときは、その者が18歳に達する日以降の最初の3月31日を終了して失権しても、60歳以上の母は受給権者となることはできない。

 

④H23年出題

 被保険者の死亡により遺族厚生年金の受給権者となった妻が、再婚したことによってその受給権を失ったとき、被保険者の死亡当時その者によって生計を維持していた母がいる場合は、当該母がその遺族厚生年金を受給することができる。

 

 

 

【解答】

<労災保険法>

①H17年出題 ○

遺族補償年金又は遺族年金を受けることができる遺族(受給資格者)の要件

・ 労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(妻以外は、一定の年齢要件又は障害要件あり)

・ 労働者の死亡の当時生計を維持されていたこと

 

②H18年出題 ○

受給資格者の内の順位です。

受給資格者の中で最先順位者が受給権者(年金を受ける権利がある者)となります。

例えば、死亡当時生計を維持されていた妻と母(60歳)がいる場合、受給資格者は妻と母の2人です。受給資格者の内の順位は①妻、②母となり、「受給権者」は最先順位の妻となります。

その後、妻の受給権が失権した場合は、次の順位の母に受給権が移ります。このことを転給といいます。

ポイント!

受給資格者のうち、最先順位者が受給権者となります。

 

<厚生年金保険法>

③H17年出題 ○

 死亡当時子と母がいた場合、先順位の子だけが遺族厚生年金の受給権者になり、後順位の母は遺族厚生年金の対象にはなりません。転給の制度もないので、子が失権した後に母が受給権者になることもありません。

 

④H23年出題 ×

 上の③H16年の問題と同じです。死亡当時妻と母がいた場合、妻が遺族厚生年金の受給権者になり、母は遺族厚生年金の対象にはなりません。転給の制度もありませんので、母に受給権が移ることもありません。

 

ポイント!

厚生年金保険法第59条2項

 「父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。」

遺族厚生年金の順位は、①配偶者又は子、②父母、③孫、④祖父母です。

例えば「①配偶者又は子」が受給権を取得したら、②父母③孫④祖父母は遺族厚生年金の対象から外れるということです。

 

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第3号被保険者のポイント

H28.4.19 国民年金第3号被保険者のよく出るところ

第3号被保険者とは、第2号被保険者に扶養されている配偶者です。

国民年金法では以下のように定義されています。

国民年金法第7条第1項第3号(第3号被保険者の定義)

第2号被保険者の配偶者であっ主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち20歳以上60歳未満のもの

ポイント

① 第2号被保険者の配偶者であること

   ※自営業の夫(第1号被保険者)に扶養される妻は第3号ではなく第1号被保険者

② 20歳以上60歳未満

③ 主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定について

   ※健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法における被扶養者の認定の取扱いを勘案して日本年金機構が行う。(令第4条 ) 

 

 

では、過去問をチェックしてみましょう。

①H27年出題

 日本国内に住所を有しない20歳以上60歳未満の外国籍の者は、第2号被保険者の被扶養配偶者となった場合でも、第3号被保険者とはならない。  

 

②H27年出題

 18歳の厚生年金保険の被保険者に19歳の被扶養配偶者がいる場合、当該被扶養配偶者が20歳に達した日に第3号被保険者の資格を取得する。

 

③H17年出題

 60歳未満で厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者は、被扶養配偶者であっても、第3号被保険者とならない。

 

④H27年出題

 厚生年金保険の在職老齢年金を受給する65歳以上70歳未満の被保険者の収入によって生計を維持する20歳以上60歳未満の配偶者は、第3号被保険者とはならない。

 

⑤H25年出題

 厚生年金保険の高齢任意加入被保険者は国民年金の第2号被保険者であり、当該高齢任意加入被保険者の収入により生計を維持する配偶者(第2号被保険者を除く。)のうち20歳以上60歳未満の者は、第3号被保険者となる。

 

【解答】

①H27年出題  ×

 第3号被保険者には、「国内居住」、「国籍」要件は問われません。

 設問のように、「日本国内に住所を有しない外国籍の者」でも、20歳以上60歳未満で、第2号被保険者の被扶養配偶者となった場合は、第3号被保険者になり得ます。  

 

②H27年出題 ○

 第3号被保険者には「20歳以上60歳未満」という年齢要件があります。第2号被保険者に扶養される19歳の配偶者は第3号被保険者にはなりません。その被扶養配偶者が20歳に達した日に第3号被保険者になります。

 

③H17年出題 ×

 「厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者」は、第1号被保険者からは除外されています。が、第3号被保険者の場合は、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができても、第3号被保険者となり得ます。

 

★★第1号被保険者と比較してみてください。★★ 

→ 「第1号被保険者のポイント」はこちら

 

 

④H27年出題 ○

 厚生年金保険の被保険者でも「65歳以上」で、「老齢又は退職を支給事由とする年金給付であって政令で定める給付」の受給権がある場合は、国民年金の第2号被保険者になりません。

 設問の場合、仮に「在職老齢年金を受給」している方を夫とすると、老齢年金の受給権がある・年齢が「65歳以上70歳未満」なので、夫は国民年金の第2号被保険者ではありません。

 第3号被保険者とは「第2号被保険者の被扶養配偶者」です。設問の妻は、夫が第2号被保険者ではないので、妻は第3号被保険者ではなく、要件に合えば第1号被保険者となります。

 

⑤H25年出題 ○

 「厚生年金保険の高齢任意加入被保険者」だということは老齢年金の受給権がないということ。ですので、70歳以上でも国民年金の第2号被保険者となります。

 高齢任意加入被保険者(=国民年金第2号被保険者)の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者は、第3号被保険者となります。

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横断 所定労働時間の一部休業

H28.4.18 労基「休業手当」と労災「休業(補償)給付」の違い

所定労働時間の一部を休業した日について、労基「休業手当」と労災「休業(補償)給付」を比べてみましょう。

<労基 休業手当の場合>

・平均賃金 10,000円

・1日の所定労働時間 8時間

【問】使用者の責めに帰すべき事由で労働時間が4時間に短縮された。その日の賃金として実際に労働した4時間分に対する5,000円を支払えば問題ないか

 

 

【答】×間違い

1日の所定労働時間の一部を使用者の責めに帰すべき事由で休業させた場合でも、その日の保障として、平均賃金の100分の60以上を支払う必要があります。問の場合は、平均賃金の100分の60(6000円)と労働分の賃金5000円との差額の1000円をプラスしなければなりません。

 

<労災 休業(補償)給付の場合>

・ 給付基礎日額 10,000円

・ 1日の所定労働時間 8時間

【問】所定労働時間のうち4時間労働して、4時間が労働不能だった。その日の4時間分の労働に対して5,000円支払われた場合、休業(補償)給付の額は?

 

 

【答】休業(補償)給付の額は3,000

給付基礎日額(10,000円)と労働に対する賃金(5,000円)との差額の60%が支給されます。(10,000円-5,000円)×100分の60=3,000円。

★労働不能だった時間の60%が労災保険から支給されるという考え方です。

 

労基法 休業手当労災保険法 休業(補償)給付

使用者は、労働した時間分の賃金+休業分の保障として、平均賃金の100分の60以上は支払わなけばならない。

休業(補償)給付として、労働不能分の給付基礎日額の100分の60が支給される

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遺族の範囲

H28.4.17 国民年金の遺族の範囲

国民年金で「死亡」についての給付は、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金です。それぞれ遺族の範囲が違います。チェックしましょう。

 

【遺族基礎年金】

<遺族の範囲> 被保険者(又は被保険者であった者)の配偶者又は子

被保険者(又は被保険者であった者)の死亡当時、死亡した者に生計維持されていた

配偶者の要件

 子と生計を同じくしている

子の要件(現に婚姻をしていないこと)

 ①18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある(高校卒業の年度末まで)

 ② 20歳未満で障害等級(1・2級)に該当する障害の状態にある

 

【寡婦年金】

<遺族の範囲> 妻(夫に寡婦年金が支給されることはありません)

妻の要件

 ①夫の死亡の当時夫に生計維持されていた

 ②夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続していた

 ③夫の死亡当時65歳未満

 

【死亡一時金】

<遺族の範囲> 死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹

死亡当時、死亡した者と生計を同じくしていた

 *生計維持ではない

 

それでは、過去問で練習してみましょう。

①H16年出題

遺族基礎年金を20歳まで受給できる子には、当該遺族基礎年金の受給権発生後18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間に障害等級に該当する障害の状態となり、同日以後も引き続き障害等級に該当する障害の状態にある子が含まれる。

 

②H23年出題

配偶者に対する遺族基礎年金については、配偶者がその権利を取得した当時、遺族の範囲に属し、かつ、その者と生計を同じくしていなかった子が生計を同じくするに至ったときは、その至った日の属する月の翌月から当該年金額が改定される。

 

H14年出題

寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持され、事実上の婚姻関係が10年以上である65歳未満の妻に支給され、子に対する遺族基礎年金は、養子縁組をしていなくても事実上の親子関係にあれば支給される。

 

④H20年出題

寡婦年金は、夫の死亡当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが事実上の婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した60歳以上65歳未満の妻に限り受給権が発生する。

 

⑤H22年出題

死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、祖父母または兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。

 

 

【解答】

①H16年出題 ○

被保険者の死亡当時に障害等級に該当していなくても、18歳年度末までに障害等級に該当すれば、20歳まで「子」として遺族基礎年金を受給できます。

*遺族厚生年金の「子、孫」も同じ扱いです。

*労災保険法の遺族(補償)年金の子、孫、兄弟姉妹は、国年、厚年とは違う扱いです。(また後日、書きます。)

②H23年出題 ×

配偶者が遺族基礎年金を受けるには、被保険者(又は被保険者であった者)の死亡の当時、その者によつて生計を維持し、かつ、子と生計を同じくしていたことが要件です。

被保険者の死亡当時に生計を同じくしていなかった子は、年金額の計算には入りません。

(※死亡当時に胎児であった子が出生したときは、死亡当時に生計を同じくしていたとみなされます。)

こちらの問題、誤って〇にしていましたが、解答は「×」です。

令和4年2月28日に訂正しました。

 

 

③H14年出題 ×

養子縁組をしていない事実上の親子関係」の場合は、「被保険者又は被保険者であった者の子」には含まれず、遺族基礎年金は支給されません。

ちなみに、

養子縁組をしている場合は遺族基礎年金が支給されます。

※例えば内縁の妻の連れ子には、遺族基礎年金は支給されません。

 

④H20年出題 ×

60歳以上65歳未満ではなく、「65歳未満」の妻が対象です。

夫の死亡当時妻が60歳未満でも受給権は発生します。その場合、寡婦年金は、60歳に達した日の属する月の翌月から支給されます。

 

⑤H22年出題 ×

孫が抜けています。正しくは、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹で、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものです。

「配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹」は他の科目でも出てきますので、順番通りに覚えておきましょう。

社労士受験のあれこれはこちら

休業手当を解くコツ

H28.4.16 休業手当の4つのポイント

社労士試験では、重要論点は繰り返し出題されています。なので、過去問を解いていると、「どこかで見たような・・・?」と思うことがよくありますよね?

繰り返し出題されるのは重要だから。重要論点を知っておくと、問題文を隅々まで読まなくてもよくなるので、楽に早く勉強できます。

 

それでは、労働基準法の過去問を解きながら休業手当の重要論点をチェックしていきましょう!

 

<ポイントその1>  そもそも休業手当は「何を保障」する制度?

H21年選択

 休業手当について定めた労働基準法第26条につき、最高裁判所の判例は、当該制度は「労働者の  A  という観点から設けられたもの」であり、同条の「『使用者の責に帰すべき事由』の解釈適用に当たっては、いかなる事由による休業の場合に労働者の  A  のために使用者に前記[同法第26条に定める平均賃金の100分の60]の限度での負担を要求するのが社会的に正当とされるかという考量を必要とするといわなければならない」としている。

 

<ポイントその2> 民法第536条第2項の「債権者の責めに帰すべき事由」との違い

H17年出題

 最高裁の判例によると、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」は、取引における一般原則たる過失責任主義とは異なる観点をも踏まえた概念というべきであって、民法第536条第2項の「債権者の責めに帰すべき事由」より広く、使用者側に起因する経営、管理上の障害を含むものと解するのが相当であるとされている。

 

H26年出題

 労働基準法第26条の定める休業手当の趣旨は、使用者の故意又は過失により労働者が休業を余儀なくされた場合に、労働者の困窮をもたらした使用者の過失責任を問う、取引における一般原則たる過失責任主義にあるとするのが、最高裁判所の判例である。

 

H22年出題

 労働基準法第26条に定める休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払が義務付けられるものであり、例えば、親工場の経営難により、下請工場が資材、資金を獲得できず休業した場合、下請工場の使用者は休業手当の支払義務を負わない。

 

<ポイントその3> 休業手当は労働基準法の「賃金」に当たるか?

H13年出題

 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払われるべき休業手当については、労働の対償として使用者が労働者に支払う賃金には該当せず、必ずしも労働基準法第24条で定める方法により支払う必要はない。

 

<ポイントその4> 派遣労働者の適用は派遣元か派遣先か?

H13年出題

 派遣中の労働者について、当該労働者派遣契約が派遣先の事業場の事情によって中途で解約された場合においても、労働基準法第26条の休業手当に関する規定の適用については、同条の「使用者の責に帰すべき事由」があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。

 

H18年出題

 労働者派遣中の労働者の休業手当について、労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。したがって、派遣先の事業場が天災事変等の不可抗力によって操業できないために、派遣されている労働者を当該派遣先の事業場で就業させることができない場合であっても、それが使用者の責に帰すべき事由に該当しないこととは必ずしもいえず、派遣元の使用者について、当該労働者を他の事業場に派遣する可能性等を含めて判断し、その責に帰すべき事由に該当しないかどうかを判断することとなる。

 

【解答】 

<ポイントその1> 

H21年選択式 A 生活保障

使用者の責めに帰すべき事由で労働者を休業させる場合、使用者は労働者の「生活保障」のために休業手当を支給する義務がある。

休業手当は、労働者の「生活保障」のための制度。

 

<ポイントその2>

H17年出題 ○

民法第536条2項(債権者の責めに帰すべき事由)より労働基準法(使用者の責めに帰すべき事由)の方が、範囲が広い

*民法の考え方(債権者の責めに帰すべき事由)→ 故意・過失があること

*労働基準法の考え方(使用者の責めに帰すべき事由) → 使用者側に起因する経営・管理上の障害も含まれる

この考え方を知っておけば、次の問題も解けます。

 

H26年出題 ×

民法の一般原則である過失責任主義(故意又は過失がある場合に責任を問われる)より広いのがポイント。使用者側に起因する経営・管理上の障害も含まれます。

 

H22年出題 ×

設問のような経営障害も「使用者の責めに帰すべき事由」に含まれます。(親工場の経営難について下請工場には故意も過失もありませんが、使用者は労働者の生活保障のために休業手当を支払う義務がある。)

 

<ポイントその3>

H13年出題 ×

休業手当は、労働基準法上の「賃金」です。

「賃金」なので、賃金支払いの原則どおり、毎月1回以上一定期日に支払わなければなりません。

また、休業手当は所定休日については支払う義務はありません。

 

<ポイントその4>

H13年出題 ○

H18年出題 ○

派遣労働者についての「使用者の責めに帰すべき事由」があるかどうかの判断は、「派遣元の使用者」に適用されます。

 

 

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契約期間満了による離職

H28.4.15 特定受給資格者or特定理由離職?

 

契約期間満了による離職については、特定受給資格者又は特定理由離職者に該当する場合があります。

特定受給資格者になる場合、特定理由離職者になる場合、それぞれの要件を確認しましょう。

 

【特定受給資格者に該当するパターン】

契約更新で3年以上続けて働いていて、本人も更新を希望していたにもかかわらず更新されなかった場合

(則36条第7号)

 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至つた場合において当該労働契約が更新されないこととなつたこと。

 

労働契約時に契約更新する旨が約束されていて、本人も更新を希望していたにもかかわらず契約更新されなかった場合(継続3年未満の場合) 

(則36条第7号の2)

期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなつたこと。(3年未満の場合)

 

【特定理由離職者に該当するパターン】

労働契約時に「契約を更新する場合がある」など更新の可能性がある旨明示されていて、本人が更新を申し出たにもかかわらず契約更新されなかった場合(継続3年未満)

*第13条で特定理由離職者とは「特定受給資格者に該当する者以外」と規定されています。ですので、特定受給資格者に当たる場合(更新で3年以上継続雇用されているor更新の確約がある)は特定理由離職者にはなりません。継続3年未満で更新の確約まではなかったパターンが特定理由離職者に当たります。

*なお、当初から「契約の更新はしない」と明示されている場合は、基本的には特定理由離職者には当たりません。

(則19条の2)

期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかつた場合に限る。)

 

それでは、平成22年に出題された問題を解いてみましょう。

 契約期間を1年とし、期間満了に当たり契約を更新する場合がある旨を定めた労働契約を、1回更新して2年間引き続き雇用された者が、再度の更新を希望したにもかかわらず、使用者が更新に合意しなかったため、契約期間の満了により離職した場合は、特定理由離職者に当たる。

 

 

【解答】 ○

<チェックポイント>

・ 「更新をする場合がある」 → 確約まではない

・ 1回更新して2年間雇用  → 3年未満

・ 更新を希望したが更新されなかった

特定受給資格者ではなく「特定理由離職者」に該当します。

高額療養費でおぼえること

H28.4.14 所得段階別の高額療養費算定基準額

額療養費の計算問題も気になりますが、まずは、所得段階別の高額療養費算定基準額の数字を覚えることが先決です。

ちなみに・・・

「高額療養費算定基準額」と「高額療養費」は似た名称ですので注意してください。

「高額療養費算定基準額」は「自己負担限度額」のこと。自分で負担する額の上限です。

「高額療養費」は窓口負担のうち自己負担限度額を超えた部分。償還払い(一定の場合は現物給付)される額のことです。

 

では、次の問題を解いてみてください。

① 平成19年出題(改)

70歳未満の者のみの世帯で標準報酬月額が28万円の被保険者又はその被扶養者が、同一の月にそれぞれ1つの保険医療機関から受けた療養に係る一部負担金等のうち、21,000円以上のものを世帯で合算した額が、80,100円+((医療費-267,000円)×1%)を超えたときは、その超過額が高額療養費として支給される(高額療養の多数該当の場合を除く。)。

 

② 

70歳未満の者に係る高額療養費の自己負担限度額は、所得区分により設定されている。このうち、標準報酬月額83万円以上で世帯合算や多数該当に該当しない場合の自己負担限度額は、252,600円+(医療費-A円)×B%である。

③ H19年出題 

70歳未満の被保険者で、療養の給付を行った月の属する年度分の市区町村民税を免除されている者については、原則として、当該給付に係る一部負担金の限度額(額療養費算定基準額)は24,600である。

 

【解答】

① 平成19年出題 → ○

チェックポイント!

「年齢」チェック70歳未満

* 70歳以上になると高額療養費算定基準額(自己負担限度額)が別に設定されている。

・ 「標準報酬月額」チェック28万円

* 標準報酬月額が28万円以上53万円未満の区分で答える

・ 「一部負担金等の額が21,000円以上チェック

* 70歳未満の場合、世帯合算の対象になる一部負担金等は21,000円以上のもののみ。70歳以上の場合は、額を問わず合算される。

 

 

② <解答> A 842,000  B 1

Aの額は252,600円×3分の10で計算できます。

医療費全体が842,000円で、その3割の252,600円が一部負担金という関係です。

※ とすると、一部負担金から医療費全体の額を計算するときは、一部負担金×3分の10で計算できるということです。一部負担金の額から医療費全体の額を計算させる問題もあるので押さえておいてください。

 

 

③ H19年出題  → ×

市町村民税が非課税の者の高額療養費算定基準額は原則として35,400円。多数該当に該当する場合は「24,600円」です。 

国民年金 第1号被保険者のポイント

H28.4.13 国民年金第1号被保険者のよく出るところ

自営業者、学生等は国民年金の第1号被保険者です。

第1号被保険者の定義は以下のとおりです。

(国民年金法第7条第1項1号)

日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であつて第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しないもの(厚生年金保険法に基づく老齢を支給事由とする年金たる保険給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であつて政令で定めるもの(以下「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」という。)を受けることができる者を除く。)

ポイント

・ 日本国内に住所があること

・ 20歳以上60歳未満

・ 第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しないこと

・ 厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができる者でないこと

 

では、過去問をチェックしてみましょう!

H22年出題

 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で、第2号被保険者及び第3号被保険者のいずれにも該当しない外国人は、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができない場合、原則として第1号被保険者となる。

 

H21年出題

 国民年金の被保険者のうち、国内居住要件が問われるのは第1号被保険者及び第3号被保険者である。

 

【解答】

<H22年出題> ○

 国籍要件はありませんので、外国人でも要件にあえば、原則として第1号被保険者になります。

<H21年出題> ×

 国内居住要件が問われるのは第1号被保険者のみで、第2号被保険者とび第3号被保険者は国内居住要件はありません。

 例えば会社員が海外転勤などで国内にいなくても、第2号被保険者のまま、また、夫(又は妻)に伴って海外に住む妻(又は夫)も第3号被保険者のままです。

 

ここもチェック

厚生年金保険法に基づく老齢給付等を「受けることができる」者とは?

例えば、坑内員や船員について早くて55歳から老齢厚生年金を支給する特例がありますよね。

そのように60歳前でも老齢給付等を「受けることができる」場合があります。その場合、もう保険料は納めなくてもよいという意味で、第1号被保険者から除外されます。(強制加入からは除外されますが、任意加入することはできます。)

 

★★例えば20歳から45歳まできっちり保険料を納めていると、保険料納付済期間が25年になり老齢基礎年金の受給資格は満たしますが、まだ実際に老齢年金は「受けられません」。この場合は、第1号被保険者から除外されず、強制加入です。

横断 国民年金と厚生年金保険の任意加入

H28.4.12 老齢年金の受給権を有しない者の任意加入

国民年金、厚生年金には、老齢年金の受給権のない者の任意加入の制度があります。

国民年金と厚生年金の主な違いは次の点です。

 

<老齢年金の受給権がない者の任意加入>

 国民年金(特例任意加入被保険者)厚生年金(高齢任意加入被保険者)
生年月日昭和40年4月1日以前生まれ要件なし
年齢

65歳以上70歳未満

70歳以上

過去問でチェックしてみましょう。

<国民年金>H27年出題

 日本国籍を有し日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の者が、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有しないときは、昭和30年4月1日以前生まれの場合に限り、厚生労働大臣に申し出て特例による任意加入被保険者となることができる。

 

 

<厚生年金>H20年出題

 適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、老齢基礎年金等の受給権を有しないもの(厚生年金保険法の規定により被保険者としないとされた者を除く。)が、高齢任意加入被保険者の資格を取得するためには、事業主の同意は必ずしも要しないが、実施機関に申し出る必要がある。

 

<厚生年金>H26年出題

 適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者が高齢任意加入被保険者になるには、事業主の同意を得たうえで、厚生労働大臣に対して申出を行うこととされており、その申出が受理された日に資格を取得する。

 

 

 

 

<国民年金>H27年出題  ×

昭和30年4月1日以前ではなく「昭和40年4月1日以前」生まれが対象

 

<厚生年金>H20年出題 ○

<厚生年金>H26年出題 ×

「適用事業所以外」の場合は、厚生労働大臣に申し出ではなく厚生労働大臣の「認可」を受け、「認可があった日」に資格を取得する。

 

ポイント!

厚生年金・高齢任意加入被保険者は、「適用事業所」か「適用事業所以外」かで違う。どちらの問題なのか確認してから解答しましょう!

適用事業所の高齢任意加入被保険者適用事業所以外の高齢任意加入被保険者

実施機関に申し出る

*事業主の同意はなくてもよい

厚生労働大臣の認可を受ける

事業主の同意を得る

申出が受理された日に資格を取得認可があった日に資格を取得

 

選択式の練習 ~目的条文~

H28.4.11 高齢者医療確保法・目的等 

「高齢者の医療の確保に関する法律」の第1条(目的)と第2条(基本的理念)の空欄を埋めてください。

 

 この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び  A  による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の  B  の理念等に基づき、  C  に係る  A   間の費用負担の調整、  D  に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もつて国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。

 

 国民は、  E  の精神に基づき、自ら加齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、高齢者の医療に要する費用を  F  に負担するものとする。

 国民は、年齢、心身の状況等に応じ、  G  若しくは地域又は  H  において、高齢期における健康の保持を図るための適切な保健サービスを受ける機会を与えられるものとする。

 

 

【解答】

A 保険者  B 共同連帯  C 前期高齢者  D 後期高齢者

E 自助と連帯  F 公平  G 職域  H 家庭

横断 保険料の納付期限

H28.4.10 健・国年・厚年の保険料納付期限

健康保険・国民年金・厚生年金の保険料の納付期限を整理しましょう。

表は、左から「納付義務者」「納付期限」「負担義務」です。

 

健康保険

事業主翌月末日

(原則)事業主と被保険者が

2分の1ずつ負担

任意継続被保険者

当月10日

(初回分は保険者が指定する日)

*前納制度あり

(前納に係る期間の初月の前月末日)

全額任意継続被保険者が負担

 

国民年金

第1号被保険者

任意加入被保険者

特例任意加入被保険者

翌月末日

*前納制度あり

世帯主・配偶者の一方は

被保険者の保険料を連帯して納付する義務あり

 

厚生年金保険

事業主

当然被保険者

任意単独被保険者

高齢任意加入被保険者

(適用事業書・事業主の同意あり)

高齢任意加入被保険者

(適用事業所以外)

翌月末日事業主と被保険者が2分の1ずつ負担

高齢任意加入被保険者

(適用事業所・事業主の同意なし)

翌月末日

*前納制度

なし

全額被保険者が負担

 

過去問で練習してみましょう

<健保H13年出題>

 任意継続被保険者は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として保険料を前納することができるが、保険料を前納しようとする場合は、前納しようとする額を前納に係る期間の初月の1までに払い込まなければならない。

 

<健保H15年出題>

 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うが、任意継続被保険者の負担する保険料を納付する義務を負わない

 

<国年H18年出題>

 毎月の保険料は、原則として翌月末日までに納付しなければならないが、特例による任意加入被保険者はその月の10日までに納付しなければならない。

 

<厚年H21年出題>

 適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者で、事業主の同意が得られなかったために保険料を全額負担している者は、当該保険料をその月の10日までに納付しなければならない。

 

【解答】

<健保H13年出題> ×

 前納の場合は、前納しようとする額を前納に係る期間の初月の前月末日までに払い込まなければならない。

 

<健保H15年出題> ○

 任意継続被保険者は、保険料の納付は本人の義務。保険料も本人が全額負担する。

 

<国年H18年出題> ×

 任意加入被保険者も保険料の納付期限は翌月末日。

 

<厚年H21年出題> ×

 適用事業所の高齢任意加入被保険者で、事業主の同意が得られなかったために保険料を全額負担している者も、保険料の納付期限は翌月末日。

選択式の練習 ~介護保険~

H28.4.9 介護保険の総則をチェック

空欄を埋めてください。

<介護保険>

1 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態(以下「要介護状態等」という。)に関し、必要な保険給付を行うものとする。

2 1の保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、  A  との連携に十分配慮して行われなければならない。

3 1の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の  B  に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。

4 1の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その  C  において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。

 

<保険者>

  D  は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする。

 

<努力及び義務>

1   E  は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。

2   E  は、  F  の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。

 

<責務>

1   G  は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

2   H  は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。

3   G  及び  I  は、被保険者が、可能な限り、  J  でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。

<協力>

  K  は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない。

 

 

 

【解答】

A 医療  B 選択  C 居宅  D 市町村及び特別区  E 国民

F 共同連帯  G 国  H 都道府県  I 地方公共団体  

J 住み慣れた地域  K 医療保険者

国民年金 「法定免除」

H28.4.8 法定免除の要件

 

国民年金制度には、「法定免除」と「申請免除」があります。

「申請免除」は、被保険者等から「申請」があったとき、「厚生労働大臣の指定する期間」、保険料の全額(又は一部)が免除される制度です。

では、「法定免除」の要件はどうでしょう?

今日は法定免除についてお話しします。

 

★★法定免除の事由★★

① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であつて政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険に規定する障害等級(1級、2級、3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。

ポイント!

・ 障害等級1・2級の受給権者が対象→1回も1・2級に該当したことがない3級の受給権者は対象外

・ 3級にも該当しないまま3年経過すると法定免除の対象から除外される

1級2級3級3級未満
          障害基礎年金 支給停止
       3年   
   法定免除されなくなくなる
法定免除

■1・2級の受給権者が3級になっても3級未満になっても、少なくとも65歳までは失権しません。(失権するまでは1・2級の受給権はある)

ただし、3級に該当しなくなってそのまま3年経過した場合は、法定免除の対象から除外され、保険料の免除は行われなくなります。

② 生活保護法による生活扶助等を受けるとき。

ポイント!

・ 生活保護法の「生活扶助以外の扶助」は、「申請免除」の対象

③ 国立ハンセン病療養所、国立保養所等に入所しているとき。

 

★★法定免除の期間★★

「該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間」

・ 例えば、生活保護法の生活扶助を受けることになった場合は、受け始めた日の属する月の前月から免除されます。

 4月に受け始めた場合は3月から免除。(3月の保険料の納付期限が4月末なので。4月はもう生活扶助を受け始めている)

 

★★手続き★★

法定免除事由に該当するに至ったときは、所定の届書を14日以内に、日本年金機構に提出する。(厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない)

・ 「申請」ではないので注意してください。

 

ここもチェック!

「納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であつた者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があつたときは、当該申出のあつた期間に係る保険料に限り、同項の規定は適用しない。」

・ 法定免除される期間でも、本人が「納付します」という申し出をすれば、申出のあった期間の保険料を納付することができます。

通勤による疾病の範囲

H28.4.7 業務上の疾病の範囲と通勤による疾病の範囲の違い

通勤災害のうち、通勤による疾病の範囲は、「労働者災害補償保険法施行規則」で定められています。

労働者災害補償保険法施行規則第18条の4では、通勤による疾病を次のように定めています。空欄を埋めてください。

通勤による  A  疾病その他通勤に起因することの  B  疾病とする。

 

【解答】

A 負傷に起因する  B 明らかな

 

 

過去問のポイントもチェクしてみましょう。

◇◇平成13年出題

通勤による疾病は、通勤による負傷に起因することの明らかな疾病に限られる。」

答えは「×」

通勤による負傷に起因する疾病だけでなく、通勤に起因することの明らかな疾病も通勤による疾病に含まれます。

 

◇◇平成13年出題

通勤による疾病は、厚生労働省令で定めるものに限られる。」

 

答えは「○」

通勤による疾病は、「厚生労働省令」(さきほど空欄を埋めた労働者災害補償保険法施行規則第18条の4)で定めるものに限られています。

 

◇◇平成14年出題

「通勤による疾病の範囲は、通勤による負傷に起因する疾病のほか、業務上の疾病の範囲に準じて厚生労働大臣告示において具体的に疾病の種類が列挙されている。」

答えは「×」

業務上の疾病とは違い、通勤による疾病については、具体的な疾病の種類は列挙されていません。

 

 

★ここもポイント★

業務上の疾病の範囲 → 労働基準法施行規則で定められている

      ・労働基準法施行規則別表第1の2に業務上の疾病が例示列挙されている

通勤による疾病の範囲 → 労働者災害補償保険法施行規則で定められている

選択式の練習 ~労災保険法~

H28.4.6 適用事業・適用除外

労働者災害補償保険法の「適用事業・適用除外」について、次の空欄を埋めてください。

 

<適用事業及び適用除外>

第3条 この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。

② 前項の規定にかかわらず、  A  及び  B  (労働基準法別表第一に掲げる事業を除く。)については、この法律は、適用しない。

 

 

 

【解答】

A 国の直営事業

B 官公署の事業

選択式の練習 ~健康保険法~

H28.4.5 全国健康保険協会の事業計画等

次の文章の空欄を埋めてください。

※「協会」とは全国健康保険協会のことです。

 

<第7条の27>

 協会は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、  A  に、厚生労働大臣

  B  。これを変更しようとするときも、同様とする。

■選択肢■

①当該事業年度開始後  ②当該事業年度開始前  ③に届け出なければならない

④の認可を受けなければならない

 

<第7条の28>

 協会は、毎事業年度の決算を  C  に完結しなければならない。

2 協会は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他厚生労働省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これに当該事業年度の事業報告書及び決算報告書(以下「事業報告書等」という。)を添え、監事及び7条の29第2項の規定により選任された  D  の意見を付けて、  E  に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。

<第7条の29>

 協会は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、監事の監査のほか、  D  の監査を受けなければならない。

2   D  は、厚生労働大臣が選任する。

■選択肢■

①翌事業年度の5月31日まで  ②事業年度終了後6月以内

③会計監査人  ④理事長  ⑤役員  

⑥決算完結後2月以内  ⑦決算完結後1月以内  ⑧決算完結後6月以内

<第7条の30>

 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、  F  に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。

■選択肢■

①政府  ②協会  ③日本年金機構

 

 

 

 

【解答】

A ②当該事業年度開始前  B ④の認可を受けなければならない

C ①翌事業年度の5月31日まで  D ③会計監査人  E ⑥決算完結後2月以内

F ②協会

 

期限など数字は暗記が必要です。

※「健康保険組合」の規定と混同しないように注意してくださいね。

雇用保険料率

H28.4.4 H28年度の雇用保険料率

平成28年4月より雇用保険料率は以下のように引き下げられます。

 雇用保険料率労働者負担事業主負担
 
一般の事業1000分の111000分の4

1000分の7

(雇用保険二事業分) 1000分の3

農林水産

清酒製造の事業

1000分の131000分の5

1000分の8

(雇用保険二事業分) 1000分の3

建設の事業1000分の141000分の5

1000分の9

(雇用保険二事業分) 1000分の4

 

<ポイント>

一般の事業の場合、雇用保険料率は1000分の11です。

1000分の11のうち、「1000分の3」は雇用保険二事業の保険料率で、事業主が負担します。残りの1000分の8を、労働者と事業主で1000分の4ずつ負担します。

雇用保険料率(1000分の11)を労使で折半するのではありません。雇用保険料率のうち二事業分は全額事業主負担です。

傷病(補償)年金

H28.4.3 保険給付請求権の時効と会計法の時効

 

労災保険法第42条では、時効について次のように規定しています。

  療養補償給付、休業補償給付、葬祭料、介護補償給付、療養給付、休業給付、葬祭給付、介護給付及び二次健康診断等給付を受ける権利は、2年を経過したとき、障害補償給付、遺族補償給付、障害給付及び遺族給付を受ける権利は、5年を経過したときは、時効によつて消滅する

 

労災保険法の保険給付は、原則として、労働者(又は遺族、葬祭を行う者)が、請求することによって行われます。

第42条の時効で消滅するのは、「保険給付を支給決定を受ける権利」(基本権)です。(実体としては請求書の提出期限)

「傷病(補償)年金」は請求ではなく、「職権」で支給決定されるので、42条の時効の問題は生じない、ということでしたよね。

 

では、政府に保険給付を請求し、政府が支給決定した後はどうなるのでしょう?

支給が決定された保険給付の支払請求権(年金の場合は、支払期月ごとに生ずる支分権)については、労災保険法ではなく「会計法」の規定により5年で時効消滅します。

 

 

それでは、次の問題を解いてみましょう。

【H11年出題】

 請求をして支給決定が行われた保険給付の支払を受ける権利(年金の場合は、各支払期月ごとに生ずる支払請求権)については、労働者災害補償保険法の規定によらず、公法上の金銭債権として会計法第30条の規定が適用されるので、その消滅時効は5年となる。

 

【H15年出題】

 傷病補償年金又は傷病年金は、政府の職権によって支給が決定されるものであるから、これを受ける権利に関して労災保険法では時効について定めていないが、支給が決定された年金の支払期ごとに生ずる請求権については、会計法上の時効の規定が適用される。

 

<解答>

【H11年出題】 → ○

【H15年出題】 → ○

  * 傷病(補償)年金について

    基本権 → 時効の定め無し

    支分権 → 会計法の規定が適用され5年で時効消滅

資格の得喪の確認 ~健康保険法~

H28.4.2 保険者等の「等」がポイント

健康保険法の保険者の定義は、「全国健康保険協会」と「健康保険組合」です。

 

が、資格の得喪の確認は「保険者等」が行います。「等」とは??

 

第39条では次のように規定されています。

(資格の得喪の確認)

第39条 被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては厚生労働大臣、被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては当該健康保険組合をいう。)の確認によって、その効力を生ずる

 

協会が管掌する健康保険の被保険者 → 厚生労働大臣

★健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者 → 当該健康保険組合

協会の場合は、厚生年金保険とセットで厚生労働大臣が確認するというイメージです。

厚生労働大臣は保険者ではありませんので、「保険者等」という表現になります。

 

ちなみに、先ほどの第39条第1項には、例外的に確認が不要とされるパターンがあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ただし、第36条第4号(任意適用事業所の適用の取消について厚生労働大臣の認可を受けた)に該当したことによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者の資格の取得及び喪失は、この限りでない。

<例外 得喪の確認がいらないパターン>

★任意適用事業所の適用の取消について厚生労働大臣の認可を受けたことによる被保険者の資格の喪失

  → 厚生労働大臣の認可を受けて任意適用事業所ごと脱退するので、重ねて確認はいらないから。

★任意継続被保険者の資格の取得及び喪失

  → 事業主との関係が終了しているので、入社日・退社日でもめることがないから。

 

過去問を解いてみましょう。

①平成21年出題

 被保険者の資格の取得及び喪失は、健康保険組合の被保険者については当該健康保険組合が、全国健康保険協会の被保険者については全国健康保険協会が、それぞれ確認することによってその効力を生ずるが、任意継続被保険者及び特例退職被保険者の被保険者資格の得喪については、保険者等の確認は行われない。

 

②平成26年出題 

任意適用事業所の適用の取消しによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる。

 

【解答】

①平成21年出題 → ×

全国健康保険協会の被保険者の確認は、全国健康保険協会ではなく「厚生労働大臣」が確認する。後半は正しい。特例退職被保険者も任意継続被保険者と同じ考え方。

②平成26年出題 → ×

任意適用事業所の適用取消で資格を喪失する場合は確認は不要。

ただし、任意適用事業所の適用の認可を受けて資格を取得する場合は確認は必要。

年次有給休暇 

H28.4.1 年次有給休暇の比例付与

パートやアルバイトのように、所定労働日数や所定労働時間数が少ない労働者にも、年次有給休暇の権利は発生します。

ただし、年次有給休暇の付与日数は、通常の労働者の所定労働日数との比率によって、決まります。(比例付与といいます。)

では、次の事例を考えてみましょう。

以下のAとBは同時に採用され、6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤しています。AとBの付与日数はそれぞれ何日でしょう?

A (1日4時間・週5日勤務 → 週所定労働時間20時間)

B (1日10時間・週3日勤務 → 週所定労働時間30時間)

 

 

答は、A、Bともに付与日数は「10労働日」です。

A、Bともに比例付与の対象ではないのがポイントです。

比例付与の対象になるのは、

「週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満」の労働者です。(*週以外で労働日数が定められている場合は、年間の所定労働日数が216日以下かつ週所定労働時間が30時間未満」)

Aは週5日勤務、Bは週30時間勤務なので、どちらも比例付与の対象にはなりません。

★週所定労働日数が5日以上又は週所定労働時間が30時間以上の場合は、通常の付与日数となります。

 

この事例は平成19年に出題されていますが、比例付与の対象者の事例はよく出題されています。4日以下(又は年間216日以下)かつ30時間未満が「比例」付与の対象です。数字はもちろんですが、「かつ、以下、未満」もしっかりチェックしてくださいね。

 

なお、比例付与の日数は、通常の労働者の週所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(5.2日)との比率で決められています。

例えば、比例付与の対象者で、週所定労働日数4日の場合だと6か月経過日の付与日数は、

10日×4日/5.2日 ≒ 7労働日(1未満切り捨て)となります。

労災保険率 ~徴収法~

H28.3.31 労災保険率の決定方法

労災保険率の決定のルールです。空欄を埋めてください。

 

労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付及び  A  に要する費用の予想額に照らし、将来にわたつて、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならないものとし、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去  B  年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに  C  に要した費用の額、  A  として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して  D  が定める。

 

【解答】

A 社会復帰促進等事業  B 3  C 二次健康診断等給付  D 厚生労働大臣

 

労災保険率は過去3年間の災害率などを考慮して、3年ごとに見直されています。

 

問題を解くポイントは、労災保険の事業の枠組みをしっかり把握しておくことです。

労災保険は、「保険給付」と「社会復帰促進等事業」の二つの事業を行っています。メインの事業は「保険給付」です。

そして、「保険給付」としては、1業務災害に関する保険給付、2通勤災害に関する保険給付、3二次健康診断等給付の3つがあります。

労災保険

保険給付(メイン)・・・1 業務災害に関する保険給付

            2 通勤災害に関する保険給付

            3 二次健康診断等給付

社会復帰促進等事業・・・1 社会復帰促進事業

            2 被災労働者等援護事業

            3 安全衛生確保等事業

 

平成24年には次のような問題が出題されています。

 労災保険率は、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。

先ほどの空欄部分の用語をチェックしながら解いてください。

 

 

 

 

答は「○正しい」です。

1か月単位の変形労働時間制

H28.3.30 1か月単位の変形労働時間制の導入手続

例えば、月末が忙しい事業場などでは1か月単位の変形労働時間制が効果的です。

変形期間1か月(暦日31日の月の場合)、1か月の法定労働時間の総枠は、以下の式で計算できます。

40時間×変形期間の暦日数(31日)÷7 ≒ 177.1時間

(※ポイント 特例措置対象事業場は40ではなく「44時間」で計算します)

 

実際に1か月単位の変形労働時間制を組んでみると下の例のようになります。

1

2

6

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

11

29

30

31

 
111111

忙しい月末の4日間は1日11時間労働(11時間×4日=44時間)、それ以外は1日7時間労働を19日(7時間×19日=133時間)で、1か月の総労働時間は177時間。平均すると週の法定労働時間内におさまります。

月末に1日の法定労働時間(8時間)を超える日が設定されていますが、各日、各週の労働時間を具体的に特定していますし、総労働時間が法定労働時間の総枠(この場合は約177.1時間)内におさまっているので、OKです。

忙しい月末の労働時間が長いですが、1か月全体で平均をとるので、時間外労働ではありませんし割増賃金も不要です。

 

【導入手続】

1か月単位の変形労働時間制を導入するためには、

「労使協定または就業規則その他これに準ずるものによる定め」が必要です。

※「または」がポイント!

 

「労使協定」で定めるか、「就業規則その他これに準ずるもの」で定めるか、どちらの方法でも導入できます。

 

ただし、「就業規則その他これに準ずるもの」の場合、10人以上規模の事業場の場合は、就業規則の作成義務があるので、「就業規則」によることが必要です。(就業規則に準ずるものは不可

10人未満の事業場の場合は、就業規則の作成義務がないので、「就業規則に準ずるもの」で定めることにより導入することができます。

 

10人以上の事業場 → 労使協定 又は 就業規則

10人未満の事業場 → 労使協定 又は 就業規則その他これに準ずるもの

選択式の練習 ~男女雇用機会均等法~

H28.3.29 婚姻・妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止等

男女雇用機会均等法第9条です。

空欄を埋めてください。

 

(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

第9条 事業主は、女性労働者が  A  し、妊娠し、又は出産したことを  B  理由として予定する定めをしてはならない。

2 事業主は、女性労働者が  A  したことを理由として、  C  してはならない。

3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法第65条第1項の規定による休業(産前休業)を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業(産前産後休業)をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して  C  その他不利益な取扱いをしてはならない。

4 妊娠中の女性労働者及び  D  女性労働者に対してなされた  C  は無効とする。ただし、事業主が当該  C  が前項に規定する事由を理由とする  C  でないことを  E  したときはこの限りでない。

 

 

A 婚姻  B 退職  C 解雇  D 出産後1年を経過しない

E 証明

 

※Eについて

妊娠中の女性労働者、出産後1年を経過しない女性労働者の解雇について、妊娠、出産等を理由とする解雇でないことを証明する責任は、「事業主」にある。労働者が証明するものではありません。

【H28.4.1改正】高齢者の医療の確保に関する法律

H28.3.28 全国医療費適正化計画・都道府県医療費適正化計画

 平成28年4月1日より、医療費適正化計画の規定が改正されます。

空欄部分がポイントですので、チェックしてください。

(医療費適正化基本方針・全国医療費適正化計画)

第8条 厚生労働大臣は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から、医療に要する費用の適正化(以下「医療費適正化」という。)を総合的かつ計画的に推進するため、医療費適正化に関する施策についての基本的な方針(以下「医療費適正化基本方針」という。)を定めるとともに、  A  年ごとに、  A  年を一期として、医療費適正化を推進するための計画(以下「全国医療費適正化計画」という。)を定めるものとする。

 

(都道府県医療費適正化計画)

第9条 都道府県は、医療費適正化基本方針に即して、  A  年ごとに、  A  年を一期として、当該都道府県における医療費適正化を推進するための計画(以下「都道府県医療費適正化計画」という。)を定めるものとする。

 

A 6

「5年ごとに、5年を一期として」が「6年ごとに、6年を一期として」に改正されています。

 

ちなみに、「特定健康診査等実施計画」は「5年ごとに、5年を一期として」のままです。

(特定健康診査等実施計画)

第19条 保険者は、特定健康診査等基本指針に即して5年ごとに、5年を一期として、特定健康診査等の実施に関する計画(以下「特定健康診査等実施計画」という。)を定めるものとする。

 

■■ところで、主語の「保険者」の定義は押さえていらっしゃいますか?

「高齢者の医療の確保に関する法律」でいう「保険者」とは、

「保険者」→ 医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会健康保険組合、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

★★保険者とは「後期高齢者医療広域連合」のことではないので注意してくださいね★★

【改正】厚生年金保険法

H28.3.27 国会議員、地方公共団体の議会議員も在老の対象に

昨日、在老の改正についてお話ししました。

昨日の記事はこちら → 資格喪失月の在職老齢年金

 

「在職老齢年金」は「厚生年金の被保険者」でありかつ「老齢厚生年金の受給権者」が対象です。

ただし、70歳になると厚生年金保険の被保険者資格を喪失しますが、一定の要件に該当する場合は、「70歳以上の使用される者」(被保険者とは言わないので注意)として在老の適用を受けます。

 

 

★それに加えて、改正により、「国会議員、地方公共団体の議会の議員」も、在職老齢年金の対象になりました。

昨日と同じく第46条を載せます。今日は、「国会議員、地方公共団体の議会の議員」の部分だけ読んでみてください。

 

第46条 老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)、国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員(前月以前の月に属する日から引き続き当該国会議員又は地方公共団体の議会の議員である者に限る。)である日又は70歳以上の使用される者(前月以前の月に属する日から引き続き当該適用事業所において第27条の厚生労働省令で定める要件に該当する者に限る。)である日が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額(国会議員又は地方公共団体の議会の議員については、その者の標準報酬月額に相当する額として政令で定める額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額として政令で定める額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とし、70歳以上の使用される者(国会議員又は地方公共団体の議会の議員を除く。次項において同じ。)については、その者の標準報酬月額に相当する額とその月以前の1年間の標準賞与額及び標準賞与額に相当する額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額とする。以下「総報酬月額相当額」という。)及び老齢厚生年金の額(第44条第1項に規定する加給年金額及び第44条の3第4項に規定する加算額を除く。以下この項において同じ。)を12で除して得た額(以下この項において「基本月額」という。)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下この項において「支給停止基準額」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同条第4項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとする。

選択式の練習 ~高齢者の医療の確保に関する法律~

H28.3.25 後期高齢者医療・保険料

「高齢者の医療の確保に関する法律」第104条では、保険料について規定しています。空欄を埋めてください。

 

 

1   A  は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

2 1の保険料は、  B  が被保険者に対し、  B  の全区域にわたつて均一の保険料率であることその他の政令で定める基準に従い  B    C  で定めるところにより算定された保険料率によつて算定された保険料額によつて課する。ただし、当該  B  の区域のうち、離島その他の医療の確保が著しく困難である地域であつて厚生労働大臣が定める基準に該当するものに住所を有する被保険者の保険料については、政令で定める基準に従い別に  B    C  で定めるところにより算定された保険料率によつて算定された保険料額によつて課することができる。

3 2の保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用の予想額、第116条第1項第2号の規定による都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額、保健事業に要する費用の予定額、被保険者の所得の分布状況及びその見通し、国庫負担並びに第100条第1項の後期高齢者交付金等の額等に照らし、おおむね  D  年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

 

 

【解答】

A 市町村          保険料を「徴収」するのは市町村

B 後期高齢者医療広域連合  保険料を「課す」のは後期高齢者医療広域連合

C 条例

D 2 

選択式の練習 ~賃金等の支払の確保等に関する法律~

H28.3.23 未払い賃金の立替払い

倒産などによって、賃金が払われないまま退職した労働者に対して、国が賃金の一部を立て替えて支払う「未払い賃金の立替払」の制度があります。

 

さて、それでは次の空欄を埋めてください。(全て数字です)

 法第7条の政令で定める範囲内の未払賃金に係る債務は、同条の未払賃金に係る債務のうち、同条の請求をする者に係る未払賃金総額(その額が、次の各号に掲げる同条の請求をする者の区分に応じ、当該各号に定める額を超えるときは、当該各号に定める額)の  A  に相当する額に対応する部分の債務とする。

一 基準退職日(前条に規定する期間内にした当該事業からの退職(当該退職前の労働に対する労働基準法第24条第2項本文の賃金又は当該退職に係る退職手当がこれらの支払期日の経過後まだ支払われていない場合の退職に限る。)の日をいうものとし、当該退職が2以上ある場合には、これらのうち最初の退職の日をいうものとする。以下同じ。)において30歳未満である者   B  万円

二 基準退職日において30歳以上45歳未満である者   C  

三 基準退職日において45歳以上である者   D  

2 前項の「未払賃金総額」とは、基準退職日以前の労働に対する労働基準法第24条第2項本文の賃金及び基準退職日にした退職に係る退職手当であつて、基準退職日の6月前の日から法第7条の請求の日の前日までの間に支払期日が到来し、当該支払期日後まだ支払われていないものの額(当該額に不相当に高額な部分の額として厚生労働省令で定める額がある場合には、当該厚生労働省令で定める額を控除した額)の総額をいうものとし、当該総額が  E  万円未満であるものを除くものとする。

 

 

 

A 100分の80  B 110  C 220  D 370  E 2

例えば、30歳未満の場合、未払い賃金の総額の上限は110万円ですが、立替払されるのは、その100分の80の88万円です。

「賃金総額の上限」と「立替払の上限」を間違えないように。

「確認」

H28.3.22 健・厚・雇にはあるが、国、労災にはない

厚生年金保険法では、「被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる」と規定されています。(ただし例外有)

健康保険法、雇用保険法にも「確認」について規定があります。

厚生年金保険法・健康保険法・雇用保険法の共通点は、資格の取得や喪失について、事業主に「届出」が義務づけられている点です。

何月何日に誰が入社して、何月何日に誰が退職したのかをチェックするのが確認です。

 

一方、「国民年金法」、「労災保険法」には確認の規定はありません。

国民年金法、労災保険法には、資格の得喪について事業主からの届出義務はありませんよね。労災保険は、労働者なら誰でも保護が受けられるので、個人ごとに得喪を届け出る必要はありません。

シャロゴクイズ ~労働安全衛生法~

H28.3.21 「衛生管理者」の資格

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、業種を問わず、「衛生管理者」を選任しなければなりません。

 

衛生管理者は、「都道府県労働局長の免許を受けた者」、「その他厚生労働省令で定める資格を有する者」のうちから選任することになります。

【問題】

都道府県労働局長の免許の区分を3つあげてください。

 

 

【解答】

1 第1種衛生管理者免許  2 第2種衛生管理者免許  3 衛生工学衛生管理者免許

 

過去に出題されたポイント★

●第2種衛生管理者免許では、有害業務との関連が強い業種(例えば製造業など)の事業場の衛生管理者には選任できない。(H24択一)

常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働基準法施行規則第18条第1号、第3号から第5号まで若しくは第9号に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させるものにあっては、衛生管理者のうち一人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任すること。(H25選択)

 

 

ちなみに、「その他厚生労働省令で定める資格を有する者」については、都道府県労働局長の免許がなくても衛生管理者に選任できます。具体的には、医師、歯科医師、労働衛生コンサルタント、その他厚生労働大臣の定めるものです。

 

厚生労働省ホームページより

H28.3.20 平成26年度個別労働紛争解決制度施行状況

昨日、「個別労働労働紛争の解決の促進に関する法律」の制度について勉強しました。

昨日の記事はこちらから →  3月19日の記事 

 

平成27年6月12日に、「平成26年度個別労働紛争解決制度施行状況」が公表されています。

制度としては、①総合労働相談、②都道府県労働局長の助言・指導、③紛争調整委員会のあっせんの3つです。

* 平成26年度は、3つとも前年度と比べると件数は減少している

* 総合労働相談件数は100万件を超えている(103万3047件)

   → そのうち民事上の個別労働紛争相談件数が23万8806件で相談内容のトップを占めるのは、「いじめ・嫌がらせ」

* 都道府県労働局長の助言・指導、紛争調整委員会のあっせんでもトップを占めるのは、「いじめ・嫌がらせ」

 

■■平成27年度の施行状況については、公表された際に、記事にしますね。■■

個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律

H28.3.19 職場の労使のトラブル解決を行政が無料でサポート

 労働者と事業主とのトラブルを解決するためのサポートの制度が設けられています。

「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」です。空欄を埋めながらチェックしてください。

 

1 原則は「自主的解決」(第2条)

  個別労働関係紛争が生じたときは、当該個別労働関係紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、  A  を図るように努めなければならない。

 

2 専門家への相談や、労働問題に関する情報提供が受けられる(第3条)

  B  は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、  C  又は事業主に対し、労働関係に関する事項並びに労働者の  D  に関する事項についての  E  の提供、  F  その他の援助を行うものとする。

 

3 当事者の話し合いで解決できるよう解決の方向への助言が受けられる(第4条)

  B  は、個別労働関係紛争(労働関係調整法に規定する労働争議に当たる紛争及び行政執行法人の労働関係に関する法律に規定する紛争を除く。)に関し、当該個別労働関係紛争の当事者の  G  からその解決につき援助を求められた場合には、当該個別労働関係紛争の当事者に対し、必要な  H  をすることができる。

 

4 専門家が間に入り、解決に向けたあっせんを受けることができる(第5条)

  B  は、第4条に規定する個別労働関係紛争(労働者の  D  に関する事項についての紛争を除く。)について、当該個別労働関係紛争の当事者(以下「紛争当事者」という。)の  G  から  I  の申請があった場合において当該個別労働関係紛争の解決のために必要があると認めるときは、  J    I  を行わせるものとする。

 

 

 

【解答】

1 A 自主的な解決

2 B 都道府県労働局長 C 求職者  D 募集及び採用  E 情報  F 相談

  ※専門家に法律を教えてもらったり、労働関係についての情報を提供してもらえば解決できるトラブルも多いので設けられた制度。

   「個別労働関係紛争」には、労働関係に入る前の「求職者(募集・採用に関する事項)」も含まれる。

3 B 都道府県労働局長  G 双方又は一方  H 助言又は指導

  ※助言・指導の制度では、解決の方向性が示される。何かを強制されるわけではない。

4 B 都道府県労働局長  D 募集及び採用  G 双方又は一方  I  あっせん

J 紛争調整委員会

  ※ 「募集及び採用」はあっせんの対象からは除外される

    紛争調整委員会の委員は、弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家。紛争調整委員会は都道府県労働局ごとに設置されている。

【改正】健康保険法

H28.3.18 傷病手当金と出産手当金は同額とは限らなくなる

傷病手当金と出産手当金が同時に支給される場合は、「出産手当金が優先」され、出産手当金を支給する期間は、傷病手当金は支給しない、という論点が過去に何回も出題されています。

平成28年3月までは、傷病手当金と出産手当金の単価は同額ですが、平成28年4月からは、「支給を始める日の属する月以前直近12カ月」の平均で計算しますので、支給開始月が違う場合、傷病手当金と出産手当金の単価が異なる可能性があります。

改正の解説はこちらから(3/17の記事)

そのため、傷病手当金と出産手当金の調整方法が以下のように改正されています。

(第103条 出産手当金と傷病手当金との調整)

出産手当金を支給する場合(第108条第3項又は第4項に該当するときを除く。)においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる出産手当金の額(同条第2項ただし書の場合においては、同項ただし書に規定する報酬の額と同項ただし書の規定により算定される出産手当金の額との合算額)が、第99条第2項(傷病手当金の額)の規定により算定される額より少ないときは、その差額を支給する。

2 出産手当金を支給すべき場合において傷病手当金が支払われたときは、その支払われた傷病手当金(前項ただし書の規定により支払われたものを除く。)は、出産手当金の内払とみなす。

 

例外が改正のポイント!

原則 → 出産手当金を支給する場合、その期間傷病手当金は支給しない

例外 → 出産手当金が傷病手当金より少ない場合はその差額が支給される

      ■■傷病手当金 > 出産手当金 → 差額が支給される

【改正】健康保険法 H28年4月~

H28.3.17 傷病手当金・出産手当金の日額の計算式

<平成28年3月までの傷病手当金・出産手当金の日額>

「標準報酬日額(標準報酬月額×30分の1)」×3分の2

<平成28年4月からの傷病手当金・出産手当金の日額>

「傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額×30分の1」×3分の2

ポイント 支給開始月以前12カ月の標準報酬月額の平均で計算されるようになった。

 

・・・・・・・・・・

ちなみに、支給開始月以前に12カ月未満の場合は、①と②のどちらか少ない方になります。

① 「傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額を平均した額×30分の1」×3分の2

② 「前年度の9月30日の全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額×30分の1」×3分の2

 

ここもポイント!

・ 「支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間」と「以前」とあるので、支給を始める日の属する月も入れて12カ月間の平均をとります。

例えば、平成28年7月1日に支給開始で12カ月ある場合は、平成27年8月から平成28年7月までの平均額です。

・ 標準賞与額は計算には入りません。

・ 端数処理の方法 

 「傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額×30分の1」×3分の2

 → で5円未満切り捨て、5円以上10円未満10円に切り上げ

→ で50銭未満切り捨て、50銭以上1円未満1円に切り上げ

パートタイム労働法

H28.3.16 労働基準法の絶対的明示事項+α

労働基準法では、労働契約時に必ず明示しなければならない労働条件(絶対的明示事項)が規定されています。

そして、絶対的明示事項については、「書面の交付」が必要でしたよね。(注 「昇給以外」)

さて、パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)では、短時間労働者に対して、労働基準法で書面の交付が必要な事項以外に、文書の交付等で明示しなければならない事項があります。

(パートタイム労働法 第6条)

 事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(「特定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない

では、「特定事項」を4つあげてください。

 

 

 

 

 

【解答】

① 昇給の有無  ② 退職手当の有無  ③ 賞与の有無  

④ 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

 

 

ついでに、短時間労働者の定義を確認!

 この法律において「短時間労働者」とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(当該事業所に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の1週間の所定労働時間に比し短い働者をいう。

 

短時間労働者の定義は、法律によって違います。(後日、横断で整理しますね)

パートタイム労働法の短時間労働者は、1週間の所定労働時間が通常の労働者よりわずかでも短い労働者が対象です。

例えば30時間未満とか1割未満などという具体的な数字が使われていないことに注意してください。

用語の整理 ~雇用保険法~

H28.3.15 雇用保険法は似たような用語が多いので注意

■問題1■

雇用保険法は、「失業等給付」と「雇用保険二事業」の2種類の事業を行っています。

「失業等給付」の給付は4つ。1つは「求職者給付」。あと3つあげてください。

 

■問題2■

被保険者の種類は4つ。1つは「一般被保険者」。あと3つあげてください。

 

 

■問題3■

「一般被保険者」に係る求職者給付は4つ。1つは「基本手当」。あと3つあげてください。

 

 

<解答>

問題1

「失業等給付」

1 求職者給付  2 就職促進給付  3 教育訓練給付  4 雇用継続給付

 

問題2

「被保険者」

1 一般被保険者(2、3、4以外)

2 高年齢継続被保険者  3 短期雇用特例被保険者  4 日雇労働被保険者

 

問題3

「一般被保険者に係る求職者給付」

1 基本手当

2 技能習得手当

   * 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合

   * 基本手当にプラスされる

   * 技能習得手当には「受講手当」(日額)と「通所手当」(月額)の2種類がある

3 寄宿手当

   * 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、その者により生計を維持されている同居の親族と別居して寄宿する場合

   * 基本手当にプラスされる

4 傷病手当

   * 離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込をした後、15日以上引き続いて疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合

   * 基本手当の代わりに支給される(基本手当の日額と同額)

用語の意味 ~労働契約法~

H28.3.14 労働契約法第15条

次の文章は、労働契約法第15条に関する行政通達です。(平成24.8.10基発0810第2号)

 

空欄○○に入る用語は何でしょう?

(1) 趣旨

○○は、使用者が企業秩序を維持し、企業の円滑な運営を図るために行われるものであるが、○○の権利濫用が争われた裁判例もみられ、また、○○は労働者に労働契約上の不利益を生じさせるものであることから、権利濫用に該当する○○による紛争を防止する必要がある。

このため、法第15条において、権利濫用に該当するものとして無効となる○○の効力について規定したものであること。

(2) 内容

ア 法第15条は、使用者が労働者を○○することができる場合であっても、その○○が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には権利濫用に該当するものとして無効となることを明らかにするとともに、権利濫用であるか否かを判断するに当たっては、労働者の行為の性質及び態様その他の事情が考慮されることを規定したものであること。

イ 法第15条の「○○」とは、労働基準法第89条第9号の「制裁」と同義であり、同条により、当該事業場に懲戒の定めがある場合には、その種類及び程度について就業規則に記載することが義務付けられているものであること。

 

 

 

【解答】 懲戒

労働基準法第89条の就業規則作成に出てくる「制裁」と同じ意味で、就業規則の「相対的必要記載事項」だということも注意してくださいね。懲戒をする場合は、「懲戒の種類と程度」を就業規則に定めておかなければなりません。

懲戒とは「労働者に労働契約上の不利益を生じさせる」ものです。そんな懲戒権を、何の根拠もなく使うことはできないんだと考えてください。

 

 

<参考>労働契約法第15条

 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

平成27年就労条件総合調査の概況より

H28.3.13 年次有給休暇の取得状況

平成27年10月15日、厚生労働省より、「平成27年就労条件総合調査の概況」が公表されています。

その内容より、「年次有給休暇の取得状況」についての問題を解いてみてください。

【問題】

 「平成27年就労条件総合調査の概況」によると、平成26年(又は平成25年会計年度)1年間の企業規模計の年次有給休暇の取得率は、50%を上回っている。

 

 

【解答】 ×

企業規模計の年次有給休暇の取得率は47.6%で、50%を下回っています。

ポイント

<取得率について>

1000人以上規模の企業は52.2%、30~99人規模の企業は43.2%。規模が大きい企業の方が取得率が高いことが特徴です。

 

選択式の練習 ~健康保険法~

H28.3.12 健康保険基本的理念のキーワード

次の空欄A~Dに入るものを選択肢の中から選んでください。

(基本的理念)

 健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、  A  の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び  B  制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して  C  検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の  D  並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。

<選択肢>

① 適正化  ② 少子高齢化  ③ 減少  ④ 2年ごとに  ⑤ 介護保険

⑥ 人口減少  ⑦ 超高齢化  ⑧ 5年ごとに  ⑨ 後期高齢者医療

⑩ 高齢化  ⑪ 軽減化  ⑫ 随時  ⑬ 国民健康保険  ⑭ 常に

⑮ 労働者災害補償保険  ⑯ 抑制

 

 

【解答】

A ⑩ 高齢化 *少子高齢化ではない

B ⑨ 後期高齢者医療

C ⑭ 常に

D ① 適正化

選択式の練習 ~労働基準法~

H28.3.11 司法警察官の職務

次の空欄にはすべて同じ用語が入ります。何が入るでしょう?

 

第101条

①   A  は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。

② ①の場合において、  A  は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。

 

第102条

  A  は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。

 

第104条

① 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は  A   に申告することができる。

② 使用者は、①の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

 

 

【解答】 労働基準監督官

【改正】厚生年金保険法

H28.3.10 2つ以上の厚生年金被保険者期間がある場合の年金の計算

例えば、サラリーマンだった期間と地方公務員だった期間がある人の場合、被保険者であった期間が2種類になります。(第1号厚生年金被保険者期間と第3号厚生年金被保険者期間)

このように2以上の種別の被保険者であった期間がある場合の年金の計算のルールは以下のとおりです。

■老齢厚生年金■

 第1号から第4号まで、それぞれの厚生年金被保険者期間ごとに年金額を計算する

 ※例えば、第1号厚生年金被保険者期間が10年、第2号厚生年金被保険者期間が15年の場合は、日本年金機構から10年分、国家公務員共済組合から15年分が計算されます。

■障害厚生年金・障害手当金■

合算して年金額を計算する

 ※例えば、初診日に第1号厚生年金被保険者で、ほかに第2号厚生年金被保険者期間もある場合は、初診日の実施機関である日本年金機構が第2号厚生年金被保険者期間の分も合算して年金を計算します。

■遺族厚生年金■

 短期要件 → 合算して年金額を計算する

        (障害厚生年金と同じ。初診日を死亡日に読み替える)

 長期要件 → 第1号から第4号まで、それぞれの厚生年金被保険者期間ごとに年金額を計算する

労働経済の用語

H28.3.9 「労働力調査」で登場する用語

次の問題を解いてください。

<問題1>

労働力人口とは、18歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者を足したものである。

 

<問題2>

完全失業率とは15歳以上の人口に占める完全失業者の割合である。

 

<問題3>

労働力人口比率とは、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合である。

 

■■解答■■

<問題1> ×

18歳以上ではなく15歳以上

15歳以上人口のうち、就業者+完全失業者=労働力人口

<問題2> ×

完全失業率の分母は、15歳以上の人口ではなく「労働力人口」

完全失業率 = 労働力人口に占める完全失業者の割合

<問題3> ○

ポイント!

労働力人口、完全失業者数、完全失業率などは総務省統計局で行う「労働力調査」の結果に基づいて発表されています。

傷病(補償)年金の手続

H28.3.8 「傷病の状態等に関する届」と「傷病の状態等に関する報告書」

労災保険の保険給付は「請求」にも基づいて行われるのが原則です。ただし、「傷病(補償)年金」は例外で、請求ではなく労働基準監督署長の「職権」で支給決定されます。

労働者側の手続としては、「傷病の状態等に関する届」と「傷病の状態等に関する報告書」があります。どちらも「請求書」という名称ではありませんので注意してくださいね。

■提出のタイミング■

・療養開始後1年6か月を経過した日に治っていないとき

  → 同日以後1か月以内に「傷病の状態等に関する届」を提出する

<傷病(補償)年金の支給要件に該当していない場合>              引き続き休業(補償)給付が支給される

<療養開始後1年6か月を経過した後>                     

毎年1月1日から1月31日までの間、休業(補償)給付の請求書に添えて、「傷病の状態等に関する報告書」を提出する

 

ポイント!

休業(補償)給付、傷病(補償)年金は「治ゆ」するまでの保険給付

傷病(補償)年金の支給決定のタイミングは

①療養開始後1年6か月を経過した日に支給要件に該当するとき

②療養開始後1年6か月を経過した日「後」に支給要件に該当することとなったとき

当日?翌日? ~労働保険徴収法~

H28.3.7 保険関係の成立と消滅(強制適用事業)

<強制適用事業の保険関係の成立>

第3条・第4条

 労災保険法第三条第一項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき労災保険に係る保険関係が成立する。

 雇用保険法第五条第一項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき雇用保険に係る保険関係が成立する。

ポイント!

労災保険も雇用保険も労働者を一人でも使用(雇用)すれば、原則として自動的に保険関係が成立します。

例えば、3月7日に初めて労働者を一人雇った場合、初日に業務上のケガをするかもしれませんよね。保険関係は、労働者を初めて使用(雇用)した「当日」に成立します。ですので、その日から保険給付を受けることができます。(保険料も当然その日から計算されます。)

 

<強制適用事業の保険関係の消滅>

第5条 

 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。

ポイント!

保険関係は、廃止(継続事業)又は終了(有期事業)の「翌日」に消滅します。例えば、廃止又は終了の日(最終日)はまだ業務をしていて、その日いっぱいは保険関係が存在している。なので消滅は「翌日」と考えればしっくりきます。

★★出題ポイント★★

保険関係が成立した場合は、「保険関係成立届」を提出する義務がありますが、「保険関係消滅届」なるものはありません。

消滅の場合は、「確定保険料申告書」を提出し、消滅した日までの労働保険料を精算しなければなりません。「保険関係消滅届」を提出するとひっかける問題が、何度も出題されていますので注意してくださいね。

社労士受験のあれこれ 過去記事はこちらから

選択式の練習 ~雇用保険法~

H28.3.6 全国延長給付に出てくる数字

全国延長給付について、次のA、B、Cの空欄を埋めてください。なお、A、B、C全て数字が入ります。

 

<全国延長給付>

 厚生労働大臣は、失業の状況が全国的に著しく悪化し、政令で定める基準に該当するに至つた場合において、受給資格者の就職状況からみて必要があると認めるときは、その指定する期間内に限り、第三項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて受給資格者に基本手当を支給する措置を決定することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、政令で定める日数を限度とするものとする。

政令で定める基準(全国延長給付が発動される基準)■

 連続する  A  月間(以下この項において「基準期間」という。)の失業の状況が次に掲げる状態にあり、かつ、これらの状態が継続すると認められることとする。

① 基準期間内の各月における基本手当の支給を受けた受給資格者の数を、当該受給資格者の数に当該各月の末日における被保険者の数を加えた数で除して得た率が、それぞれ  B  を超えること。

② 基準期間内の各月における初回受給者の数を、当該各月の末日における被保険者の数で除して得た率が、基準期間において低下する傾向にないこと。

政令で定める日数(延長できる日数の限度)■

 延長できる日数の限度は  C  日とする。

 

 

 

 

 

【解答】

A 4  B 100分の4  C 90

ポイント

※全国延長給付が発動する基準に使われている数字は、「4」です。

●失業の状況をみる期間(基準期間) → 「4」月間

●基準期間内の各月の基本手当の支給を受けた受給資格者の数÷(当該受給資格者の数+当該各月の末日における被保険者の数) → それぞれ「100分の4」を超えること

 

※延長できるのは「90」日が限度

●受給期間も所定の受給期間+90日

社労士受験のあれこれ 過去の記事はこちら

選択式の練習 ~労働安全衛生法~

H28.3.5 作業環境測定と臨時の健康診断

次の空欄AとBを埋めてください。

なお、1.と2.のA、1.と2.のBはそれぞれ同じ用語が入ります。

1.作業環境測定

 A は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、 B の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。

2.臨時の健康診断

 A は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、 B の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。

 

 

 

A 都道府県労働局長(1.と2.共通)

B 労働衛生指導医(1.と2.共通)

「都道府県労働局長」と「労働衛生指導医」の組み合わせが出てくる箇所です。何回か出題されているので覚えておいてください。

 

<労働衛生指導医とは>

・都道府県労働局に置かれている

・労働衛生に関し学識経験を有する医師のうちから厚生労働大臣が任命する

過半数代表者の選び方 ~労働基準法~

H28.3.4 労使協定・管理監督者の位置づけ

労働基準法第41条の管理監督者(例えば、部長や支店長など)も、事業に使用されて賃金を受ける者なので、もちろん労働者です。ただし、「経営者と一体的な立場にある」という位置付けで、労働時間、休憩、休日の適用は除外されています。

さて、労使協定は、労働者の過半数で組織する労働組合があればその労働組合と協定しますが、そのような労働組合がなければ、労働者の過半数を代表する者と協定を結びます。

労働者だけど経営者と一体的な立場にある第41条の管理監督者は、労使協定の過半数代表者を選出する場合にどのように扱うのでしょうか?労働基準法施行規則で以下のように規定されています。

労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)は、次の各号のいずれにも該当する者とする。

 

一 法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。

 

二 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること。

 

過半数代表者は、「法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。」が条件になっていますよね?経営者と一体的な立場にある管理監督者は労働者代表として協定を結ぶにはふさわしくないということです。

では、平成13年に出題された問題を解いてみましょう。

 労働者の過半数で組織する労働組合がない事業場において36協定を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、そもそも労働時間の規定の適用がない労働基準法第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者は含まれない。

 

 

【解答】×

第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者も労働者です。労働者の過半数を代表する者の「労働者」の範囲には含まれます。

 

ポイント!

第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者の扱い

・ 労働者の数には含まれる。

・ 労働者の過半数を代表する者にはなれない

過去問よく出る論点~労災保険法~

H28.3.3 介護(補償)給付のよく出る所

次の問題の正誤を考えてみてください。

<平成21年出題>

 介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者がその受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害のため、現に常時又は随時介護を受けているときは、その障害の程度にかかわらず、当該介護を受けている間(所定の障害者支援施設等に入所している間を除く。)、当該労働者の請求に基づいて行われる。

 

【解答】×

現に介護を受けているだけでは支給されない。厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあって、かつ現に常時又は随時介護を受けていることが条件。

→ 現に介護を受けているだけではダメということ。常時又は随時介護を要する状態にあることも必要。

 

■条文もチェック ポイントは「かつ」!

 介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であつて厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。

一 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害者支援施設(以下「障害者支援施設」という。)に入所している間(生活介護を受けている場合に限る。)

二 障害者支援施設(生活介護を行うものに限る。)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間

三 病院又は診療所に入院している間

■厚生労働省令で定める程度のものとは?■

障害等級・傷病等級1級 すべて

障害等級・傷病等級2級 精神神経・胸腹部臓器の障害

 

さらにポイント

一、二、三に該当する場合は介護(補償)給付は支給されない。

例えば、病院に入院している場合は、十分な介護が提供される。そのため、介護(補償)給付の対象にはならないということ。

【改正】厚生年金保険法

H28.3.2 保険給付の端数処理

厚生年金保険法第35条です。空欄を埋めてください。

 保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に A 未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、 A 以上 B 未満の端数が生じたときは、これを B に切り上げるものとする。

 

 

 

 

【解答】

A 50銭  B 1円

改正前は50円と100円でしたよね。改正前は100円単位でしたが、改正後は1円単位で裁定、改定されます。

※ 改正後の端数処理は、平成27年10月以後に裁定・改定された保険給付に適用されます。

※ 国民年金法も同様に端数処理方法が改正されています。

※ ただし、老齢基礎年金の満額(780,900円×改定率)などは、50円未満切り捨て50円以上100円未満は100円に切り上げる端数処理(100円単位)です。気をつけてくださいね。

選択式の練習

H28.3.1 確定給付企業年金法

次の「確定給付企業年金法」の目的条文の空欄に入る文章を、選択肢の中から選んでください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、 A にするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

【選択肢】

① 事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるよう

② 個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるよう

 

 

【解答】①

確定給付企業年金は、将来の給付額が約束されている「確定給付型」の年金です。

キーワードは、事業主が従業員と「給付の内容を約していること、高齢期に従業員が「その内容に基づいた給付」を受けることができること。従業員は、事業主と約束した給付内容を将来うけとることができるのがポイントです。

選択肢②は「確定拠出年金法」の目的です。確定拠出年金は、将来の給付内容は約束されておらず、自分の運用しだいで将来の給付内容が決まるタイプの年金です。

キーワードは、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行うこと、高齢期にその結果に基づいた給付を受けること。将来の給付額はあくまでも自己責任、事業主は給付内容については保障しないというのがポイントです。

年金制度の歴史

H28.2.29 厚生年金、共済年金、いつからスタートしたの?

平成27年10月より、被用者年金が一元化されています。

一元化された厚生年金、共済年金など、これまでの年金の歴史をおさえておきましょう。

被用者(会社員、船員など)

昭和14年

船員保険法制定

 ・昭和15年6月施行

 ・昭和61年4月 厚生年金保険法に統合

昭和16年

労働者年金保険法制定

 ・昭和17年6月施行

 ・昭和19年 厚生年金保険法に改称

被用者(公務員など)

昭和23年

国家公務員共済組合法制定

 ・昭和23年7月施行

昭和28年

私立学校教職員共済法制定(当時の名称は私立学校教職員共済組合法)

 ・昭和29年1月施行

昭和37年

地方公務員等共済組合法制定

 ・昭和37年12月施行

自営業者など

昭和34年

国民年金法制定

 ・昭和34年11月 無拠出制スタート

 ・昭和36年  4月 拠出制スタート

今日のポイント!

被用者年金(厚生年金、共済年金)のほうが、国民年金よりも歴史が古い。

療養の費用の支給 ~労災保険法~

H28.2.28 「療養(補償)給付」には療養の給付と療養の費用の支給があるが・・・

労災保険法の「療養補償給付」(通勤災害の場合は「療養給付」)は、原則は「療養の給付」(現物給付)で行われます。

現物給付とは、労災病院や都道府県労働局長が指定する医療機関等で、自己負担なしで治療を受ける方法です。

一方、「療養の費用の支給」は現金給付です。病院等でかかった治療費をいったん立替て支払い、後日かかった費用が払い戻される方法です。

「療養の費用の支給」が行われるのは、次の2点です。

1 療養の給付をすることが困難な場合

2 療養の給付を受けないことについて労働者に相当の理由がある場合

 

「1 療養の給付をすることが困難な場合」とは、「政府側の事情」

  *当該地区に指定病院がないなど

「2 療養の給付を受けないことについて労働者に相当の理由がある場合」とは、「労働者側の事情」

  *最寄りの病院等が指定病院等でないなど

条文の読み方 ~厚生年金保険法~

H28.2.27 障害厚生年金の受給権者

厚生年金保険法第47条では、障害厚生年金の受給要件が規定されています。

 

アンダーラインの①被保険者と②国民年金の被保険者の違いを考えてみましょう。

 

 障害厚生年金は、疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において①被保険者であつた者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。以下同じ。)があるときは、その日とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて、その者に支給する。

 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに②国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。

2 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級、2級及び3級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。

国民年金法でも厚生年金保険法でも、保険に加入している人のことを「被保険者」といいます。

・ 国民年金法で「被保険者」といえば、国民年金に加入している人のこと

  ↓

(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者、国民年金の任意加入被保険者)

 

・厚生年金保険法で「被保険者」といえば、厚生年金に加入している人のこと

  ↓

(会社員や公務員など)

 

ポイント

同じ「被保険者」という用語でも、国民年金法と厚生年金保険法では定義が違う

さて、冒頭の条文は、「厚生年金保険法」第47条です。

「①被保険者」厚生年金保険法で定義されている被保険者のこと(会社員や公務員など)です。

「②国民年金の被保険者」期間については、「国民年金の」被保険者とわざわざ書いていますので、厚生年金だけでなく「国民年金」の被保険者期間全体をさしています。

ということは、

障害厚生年金の受給の要件は、「初診日」に「厚生年金保険の被保険者である」こと、「保険料納付要件」は国民年金の被保険者期間があるときは、「国民年金全体の保険料納付状況で判断される」ことがポイントです。

今日のポイント

障害厚生年金は、初診日に「厚生年金保険に加入」していることが条件

違いを意識する ~労働基準法~

H28.2.26 就業規則と労使協定

次の問題の正誤を考えてください。

 

◆ 年次有給休暇の時間単位での取得は、労働基準法第39条第1項所定の事項を記載した就業規則の定めをおくことを要件に、年5日の範囲内で認められている。

 

【解答】 ×

年次有給休暇の時間単位の取得は、就業規則の定めではなく「労使協定」を定めることが要件です。

→ 使用者が一方的に就業規則でルール化するのではなく、労使で協定を結んだうえで導入してください、という考え方です。

 

では、次の問題も解いてみてください。平成12年に出題された問題です。

◆ 専門業務型裁量労働制においては、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が、当該業務に従事する労働者に対し具体的指示をしないこと等を労使協定で定めることが要件とされているが、この要件は、就業規則にその旨を明記することにより労使協定の定めに代えることができる。

 

 

【解答】 ×

専門業務型裁量労働制の採用の要件は「労使協定」です。就業規則に明記するだけでは採用できません。

横断 確定拠出年金法と確定給付企業年金法

H28.2.25 給付の種類

◇給付の種類◇

次の問題を解いてみてください。

確定給付企業年金

【問題1 平成15年出題】

 確定給付企業年金の給付は、老齢給付金及び死亡一時金を基本とし、規約の定めにより、障害給付金や遺族給付金の給付も行うことができる。

確定拠出年金

【問題2 平成20年出題】

 企業型年金の給付は、老齢給付金、障害給付金及び死亡一時金があるほか、当分の間、確定拠出年金法の定める一定の要件に該当する者は、脱退一時金の支給を請求することができるとされている。

 

 


【解答】

【問題1 平成15年出題】 ×

 ※老齢給付金及び死亡一時金を基本ではなく、老齢給付金及び「脱退一時金」を基本とする。

【問題2 平成20年出題】 ○

 ※企業型年金も個人型年金も給付の種類は同じ。(脱退一時金の要件に違いがある)

<給付の種類>

確定給付企業年金確定拠出年金

老齢給付金、脱退一時金

(障害給付金、遺族給付金も行うことができる)

老齢給付金、障害給付金、死亡一時金、脱退一時金

ちなみに、確定給付企業年金は「遺族給付金」、確定拠出年金は「死亡一時金」です。

健康保険法改正 (平成28年4月)

H28.2.24 【改正】標準報酬月額の等級区分

◆平成28年4月より、標準報酬月額の等級区分が、47等級から50等級に改正されます。

最高等級は第50級(標準報酬月額139万円)に引き上げられます。

 

◆等級区分の改定のルールも改正されます。次の空欄をチェックしてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 毎年3月31日における標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の被保険者総数に占める割合が100分の1.5を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の9月1日から、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。ただし、その年の3月31日において、改定後の標準報酬月額等級の最高等級に該当する被保険者数の同日における被保険者総数に占める割合が  A  を下回ってはならない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】 A 100分の0.5

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆標準賞与額の上限も改正されます。

  保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに1000円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が  B  円を超えることとなる場合には、当該累計額が  B  円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】 B 573万

 

改正点は、その年の本試験に出題される!と思って覚えてください。改正点が出たらラッキーです。

似た用語

H28.2.23 介護保険法 ○○審査会

次の空欄を以下の選択肢から埋めてください。

◆選択肢◆

1 介護認定審査会

2 介護保険審査会

 

【問題1】

 第38条第2項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に A を置く。

 

【問題2】

保険給付に関する処分(被保険者証の交付の支給に関する処分及び要介護認定又は要支援認定に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金(財政安定化基金拠出金、納付金及び第157条第1項に規定する延滞金を除く。)に関する処分に不服がある者は、 B に審査請求をすることができる。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【解答】

問題1A 審査判定業務は → 1 介護認定審査会

問題2B 審査請求は → 2 介護保険審査会

名称が似ているので引っかからないように注意してください。

ちなみに、「介護認定審査会」は市町村、「介護保険審査会」は都道府県に置かれます。

過去問チェック

H28.2.22 労災保険法 第三者行為による事故のポイント

次の二つは、どちらも、第三者行為の事故についての損害賠償と保険給付の調整の問題です。

正誤を考えてみてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【平成18年問7B】

 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、その価額の限度で保険給付をしないことができる。

 

【平成15年問5D】

 保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けることができるときは、政府は、その価額の限度において保険給付をしないことができる。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】

【平成18年問7B】 ○

【平成15年問5D】 ×

■チェックポイント■

【平成18年問7B】は、 「当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたとき」(現実に損害賠償を受けた)、【平成15年問5D 】は、「当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けることができるとき」(損害賠償を受けることはできるが、まだ現実に損害賠償を受けていない)

 

◆◆政府が保険給付をしないことができるのは、「当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたとき」=現実に損害賠償を受けたときです。

選択式の練習 ~国民年金法~

H28.2.21 国民年金 財政の現況及び見通しの作成

次の空欄を埋めてください。

 

1 政府は、少なくとも A ごとに、保険料及び B の額並びにこの法律による給付に要する費用の額その他の国民年金事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通し(「財政の現況及び見通し」という。)を作成しなければならない。

2 1項の財政均衡期間は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね C 間とする。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】

A 5年  B 国庫負担  C 100年

本日の新聞記事より

H28.2.20 「同一労働同一賃金」非正規社員の待遇改善

本日(平成28年2月20日)の日経新聞に、「同じ仕事なら同じ水準の賃金を支払う同一労働同一賃金制度の実現」に向けた指針を政府がまとめるという記事が載っていました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この指針の内容自体は、H28年度の試験には出ないと思いますが、「職務給」と「職能給」の違いは、よく出題されているので、この機会におさえてしまいましょう。

 

■例えば、平成12年には以下のような問題が出題されました。

 どの企業でも、従業員のやる気を引き出すには、適切な賃金管理が欠かせない。そのために職能給や職務給が導入されてきた。職能給は、従業員の担当する職務の難易度や責任度の高さに応じて決める賃金項目であり、職務給は従業員の職務遂行能力の高さに応じて決める賃金項目である。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】×

「職務給」と「職能給」の説明が逆です。

職能給 → 従業員の職務遂行能力の高さで決まる(人の能力で決まる)

職務給 → 職務の難易度や責任度の高さに応じて決まる(仕事の難しさで決まる)

※現在の日本では、「職能給」の方が一般です。

厚生労働省ホームページより 

H28.2.19 平成27年「賃金構造基本統計調査」の結果公表

平成28年2月18日、厚生労働省から平成27年「賃金構造基本統計調査」の結果が公表されました。

 

一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の女性の賃金月額は242,000円で過去最高。

短時間労働者の1時間当たり賃金は、男性1,133円、女性1,032円で、どちらも過去最高。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下は、過去に出題された論点です。正誤を答えてください。

 

 厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査結果の概況」によれば、「正社員・正職員」と「正社員・正職員以外」との賃金についての雇用形態格差を企業規模別にみると、大企業の方が小企業に比べ、当該格差が大きくなっている。

 

 

【答】 ○

「正社員・正職員」の賃金を100とすると、「正社員・正職員以外」の賃金は、大企業56.9、中企業65.0、小企業71.7。大企業の方が小企業に比べ、格差が大きくなっています。

健康保険法改正 (平成28年4月)

H28.2.18 【改正】一般保険料率の上限の引き上げ

次の空欄を埋めてください。

<健康保険法第160条>

 協会が管掌する健康保険の被保険者に関する一般保険料率は、1000分の  A  から1000分の  B  までの範囲内において、支部被保険者(各支部の都道府県に所在する適用事業所に使用される被保険者及び当該都道府県の区域内に住所又は居所を有する任意継続被保険者をいう。以下同じ。)を単位として協会が決定するものとする。

2 前項の規定により支部被保険者を単位として決定する一般保険料率(以下「都道府県単位保険料率」という。)は、当該支部被保険者に適用する。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】A 30  B 130

<改正点> 一般保険料率の上限が1000分の120から1000分の130に引き上げられます。(平成28年4月より)

<ここもポイント!>

健康保険組合の一般保険料率の上限も同じく改正され、1000分の30から1000分の130までの範囲内で決定されます。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに、

平成28年2月10日に平成28年度の都道府県単位保険料率が発表されています。

一番高いのは佐賀県の1000分の103.3、一番低いのは新潟県の1000分の97.9です。(覚えなくていいです。参考まで)

労災保険法 保険給付と特別支給金

H28.2.17 業務上の傷病による休業中に支給されるもの

労働者が

・業務上の(又は通勤による)負傷又は疾病による療養のため

・労働することができない

・賃金を受けない日の第4日目から

支給されるものは次の2つです。

 

1 保険給付として → 休業補償給付(休業給付)

           (給付基礎日額の100分の60)

2 特別支給金として → 休業特別支給金

           (給付基礎日額の100分の20)

1と2の合計で給付基礎日額の100分の80の給付が行われます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに、「特別加入者」の場合も、休業補償給付(休業給付)と休業特別支給金が支給されます。

※ 特別加入者の場合は、入院などで全部労働不能の状態であることが要件。所得喪失の有無は問われません。

シャロゴクイズ ~労働安全衛生法~

H28.2.16 義務それとも努力義務?

次の空欄に入るものを選択肢の中から選んでください。

 

◆◇選択肢◇◆

① 努めなければならない  

② しなければならない

③ 配慮しなければならない  

 

【問題】

1 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するように  A  。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するように  A  

 

2 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように  B  

 

3 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように  C  

 

4 労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように  D  

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】

A ② しなければならない  (義務)

B ① 努めなければならない (努力義務)

C ③ 配慮しなければならない(配慮義務)

D ① 努めなければならない (努力義務)

 

■□アドバイス□■

択一式・選択式どちらでもよく出題されているところです。主語と述語(義務なのか努力義務なのかなど)の関係を中心に、単語もひとつひとつみておいてくださいね。

労働基準法 似た用語

H28.2.15 休業手当と休業補償

■休業手当とは(第26条)

使用者の責めに帰すべき休業の場合>

休業期間中、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

※会社都合で労働者を休業させる場合は休業手当を支払う義務がある

 

■休業補償とは(第76条)

<労働者が業務上の負傷、疾病による療養のため労働できないために賃金を受けない場合>

療養中、平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない。

※業務上の負傷、疾病等については、使用者に補償責任がある(災害補償)

 実際は、この使用者の補償責任は、「労働者災害補償保険法(労災保険法)」でカバーされている

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★ポイント

・「休業手当」は労働基準法上の「賃金」に当たる。所定の賃金支払日に支払うべき

・「休業補償」は労働基準法上の「賃金」ではない(労働の対償でないから)

労働基準法 三六協定

H28.2.14 三六協定・割増賃金が必要な時間外労働とは

次の問題は〇×どちらでしょう?

【問題1】

1日7時間労働制の労働者に1時間以内の時間外労働をさせるには、三六協定が必要である。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【問題1 答】×

三六協定は不要です。

「法定労働時間」を超えて労働させる場合、三六協定の締結・届出が必要です。

この問題のように、所定労働時間が1日7時間の場合、1時間時間外労働させたとしても実労働時間は8時間労働で法定労働時間内におさまります。故に三六協定は必要ありません。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【問題2】

1日7時間労働制の労働者に1時間の時間外労働をさせた場合、その時間外労働の1時間については、原則として通常の労働時間の賃金を支払わなければならない。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【問題2 答】○

7時間+1時間で実労働時間が法定労働時間(8時間)以内なので、1時間の時間外労働について割増賃金を支払う必要はありません。ただし、1時間分の通常の賃金(通常の1時間当たりの賃金×1.00)は必要です。

選択式の練習 労働安全衛生法

H28.2.13 特定元方事業者等の講ずべき措置

次の空欄を埋めてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。

一   A  の設置及び運営を行うこと。

二 作業間の連絡及び調整を行うこと。

三 作業場所を巡視すること。

四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための  B  を行うこと。

五 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。

六 その他当該労働災害を防止するため必要な事項

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】

A 協議組織  

※「特定元方事業者」と「協議組織」はセットでおぼえてください。

■特定元方事業者は協議組織を設置しなければなりません。

 <協議組織>

・特定元方事業者と関係請負人すべてが参加する

・定期的に会議を開催する

 

B 教育に対する指導及び援助 

※特定元方事業者が講ずるのは、教育を行う場所の提供や資料の提供など、関係請負人が行う安全衛生教育に対する「指導及び援助」です。あくまでも「指導及び援助」で、直接教育を行うわけではないことに注意してください。

■関係請負人の労働者に対する安全衛生教育は雇い主の「関係請負人」が行います。特定元方事業者は、関係請負人の労働者に対して安全衛生教育を行う義務はありません。**択一式で何度か出題されているポイントです。**

選択式の練習 雇用保険法

H28.2.12 雇用保険の事務

次の空欄を埋めてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

雇用保険は、政府が管掌する。

雇用保険の事務の一部は、政令で定めるところにより、  A  が行うこととすることができる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

【答】 A 都道府県知事

雇用保険の保険者は政府です。

雇用保険の業務は、厚生労働省・都道府県労働局・公共職業安定所のラインで行っています。雇用保険の適用や給付などの窓口になっているのが公共職業安定所(ハローワーク)です。

 

そのラインとは別に、政令で定めるところにより雇用保険の事務を行うこととすることができるとされているのは、「都道府県知事」です。

■では、都道府県知事が行っている事務は?

「能力開発事業」のなかの、職業訓練を行う事業主等に対する助成の事業の実施に関する事務は都道府県知事が行うことになっています。

キーワードは「能力開発事業」です。覚えておいてくださいね。

一般常識で出題実績あり 社会保険労務士法 罰則

H28.2.11 社会保険労務士法 罰則

社会保険労務士法の次の2つの条文を見てください。

(第15条 不正行為の指示等の禁止)

社会保険労務士は、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険給付を受けること、不正に労働社会保険諸法令に基づく保険料の賦課又は徴収を免れることその他労働社会保険諸法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。

 

(第16条 信用失墜行為の禁止)

社会保険労務士は、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

不正行為の指示をすること等や信用失墜する行為をすることは社会保険労務士として禁止されています。

では、これらの禁止事項に違反した場合の罰則はどのようになっているでしょうか?次の1~4のうちから選んでください。

1 (第15条 不正行為の指示等の禁止)、(第16条 信用失墜行為の禁止)両方とも罰則あり

2 (第15条 不正行為の指示等の禁止)、(第16条 信用失墜行為の禁止)両方とも罰則なし

3 (第15条 不正行為の指示等の禁止)のみ罰則あり

4 (第16条 信用失墜行為の禁止)のみ罰則あり

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】3 (第15条 不正行為の指示等の禁止)のみ罰則あり

第15条の不正行為の指示等の禁止規定に違反した場合は、「3年以下の懲役又は200万円以下の罰金」の罰則が規定されています。社会保険労務士法上で一番重い罰則です。

一方、第16条の信用失墜行為の禁止規定には罰則規定はありません。

出題実績がある個所なので、注意してくださいね。

横断 健康保険法と厚生年金保険法

H28.2.10 強制適用事業所(健康保険と厚生年金の違い)

【健康保険法 強制適用事業所】

1 法定16業種で常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所

2 国・地方公共団体・法人の事業所で常時従業員を使用するもの

【厚生年金保険法 強制適用事業所】

1 法定16業種で常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所

2 国・地方公共団体・法人の事業所で常時従業員を使用するもの

3 船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用されるものが乗り組む船舶

 

■厚生年金は「船舶」が強制適用■

厚生年金の場合、船員が乗り組む「船舶」が強制適用事業所になることがポイントです。

 

■船員法第1条の船員は、船員保険法の被保険者■

船員法第1条に規定する船員は、「船員保険法」の対象です。

船員保険法は、船員又はその被扶養者の職務外の事由による疾病、負傷、死亡、出産に関して保険給付を行います。

アンダーラインの部分に注目してください。船員法第1条の船員は職務外の傷病等については船員保険法で保障されています。そのため健康保険法は適用除外となります。

一方の年金について。公的年金の歴史で一番古い制度は、実は船員保険法です。かつては、船員は船員保険法で老後の年金などが保障されていました。が、船員の数の減少などにより昭和61年4月に船員保険法から年金部門がなくなり、年金部門は厚生年金保険法に統合されました。

そのため、現在の船員保険法には年金部門がありません。船員は会社員と同様に厚生年金保険に加入することになっています。船員法第1条に規定する船員が乗り組む船舶が厚生年金の強制適用事業所となっているのはそのためです。

ポイント

船員 → 職務外の疾病等は「船員保険法」、老齢・障害・死亡は「厚生年金保険法」

 

ちなみに・・・

船員保険法には、「労働者災害補償保険法と併せて船員の職務上の事由又は通勤による疾病、負傷、障害又は死亡に関して保険給付を行う」という目的もありますが、この点はまた別の機会にお話しします。

選択出題実績

H28.2.9 労働一般常識 選択出題実績

H28.1.9に、平成12年から平成18年の労働の一般常識の選択式の一覧表を載せました。今日はその続きで平成19年~の労働の一般常識も出題実績にいってみます。

平成12年~平成18年の出題実績はこちら

平成19年

社会保険労務士法 (紛争解決手続代理業務試験、特定(社会保険労務士)など)

(ポイント)

※ 社労士法の条文の重要用語からの出題。社会保険労務士法は社会保険の一般常識で出題されることが多いが、労働の一般常識で出題されることもある。

ちなみに、この年に出題されている目的条文は、平成27年の社会保険の一般常識の選択式でも出題されている。

平成20年

最低賃金法 (建議する、と同様のなど)

(ポイント)

※ 最低賃金法の条文と労働経済白書の組み合わせの問題。

平成21年

労働組合 (団体行動、争議行為など)

(ポイント)

※ 「団体行動」と「団体交渉」の違い、「争議行為」と「労働争議」の違いをおさえておかないと解けない。きちんと勉強しておかないと難しい出題。

平成22年

男女雇用機会均等法 (高齢化、母性など)

(ポイント)

※ 男女雇用機会均等対策基本方針からの出題。平成19年4月に施行された改正点を確認する内容。                          

平成23年

労務管理の用語 (職務給制度、職能資格制度など)

(ポイント)

※ 電産型賃金制度など見慣れない用語が登場。が、択一式でも出題される「職務給」と「職能給」の特徴をおさえていれば点はとれる。

ちなみに、本試験の時間帯が、択一が午前、選択が午後に変わったのはこの年から。

平成24年

最低賃金法 (地域、賃金支払能力など)

(ポイント)

※ 平成20年と同じく最低賃金法からの出題。テキストの太字部分を中心に覚えておけば解ける。

平成25年

障害者の雇用の促進等に関する法律 (50、障害者雇用推進者など)

(ポイント)

※ 障害者の雇用の促進等に関する法律の条文と障害者雇用状況の集計結果の組み合わせの問題。条文と労働経済がセットで出題されるパターンは平成20年と同じ。例えば、法定雇用率のことを勉強をしたら、実際に法定雇用率を達成している民間企業はどの程度の割合なのか、というように法律の勉強と労働経済をうまく組み合わせて勉強できれば効果的。

平成26年

労働経済の用語 (約2%、毎月勤労統計調査など)

(ポイント)

※ 平成16年の出題と似たタイプ。「毎月勤労統計調査」、「労働力調査」、「就労条件総合調査」それぞれ、「何を」調査しているのかを知っておくことが必要。

平成27年

労働経済 (ほぼ横ばいで推移している、30~34歳から35~39歳に移行したなど)

(ポイント)

※ M字カーブの底の問題以外、すべて難しい。「仕事と介護の両立」について出題されている。最近、介護離職という言葉をよく耳にする。世間で話題になっていることを全部覚えるのは不可能だけど、少し気に留めておくだけでも役にたつはず。

平成12年~平成18年の出題実績はこちら

厚生労働省ホームページより

H28.2.8 毎月勤労統計調査平成27年分結果速報(実質賃金)

平成28年2月8日、毎月勤労統計調査平成27年分結果速報が公表されました。

「実質賃金」指数の前年比は、0.9%です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成26年、27年は「名目賃金」は増加していますが、「消費者物価指数」が名目賃金を上回って増加しています。

つまり賃金は増えてもそれ以上に物価が上がっているので購買力は低下した 

 = 「実質賃金は減少した」ということです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「名目賃金」と「実質賃金」については、平成13年に出題されているので確認しておきましょう。

H13年問4-C

 賃金には名目賃金と実質賃金という概念がある。ある時点の賃金が月額20万円で、その1年後に月額22万円に増加したとする。この場合、名目賃金が10%増加したのであって、これだけでは実質賃金がどれほど増加したのかは分からない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】○

名目賃金が10%増加しても、物価が20%増加したら実質賃金は減少します。問題文では物価の変動が分からないので、実質賃金が増加したのか減少したのかも分かりません。

派遣法改正

H28.2.7 派遣法改正その1 許可制

平成27年9月30日、派遣法が改正されました。

改正前は、特定労働者派遣事業は「届出」、一般労働者派遣事業は「許可」になっていましたが、改正で、特定派遣と一般派遣の区別がなくなり、労働者派遣事業はすべて「許可制」となりました。

 

【例題】次の問題の正誤を考えてみてください。

労働者派遣事業を行おうとする者は、一定の事項を記載した届出書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】×

厚生労働大臣に届け出ではなく、厚生労働大臣の「許可」を受けなければなりません。

選択式の練習

H28.2.6 介護保険法 実施主体など

介護保険法について、次の空欄を埋めてください。

■介護保険の実施主体(保険者)は?

  A  は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】 A 市町村及び特別区

住民に身近な市町村が保険者となり、介護保険の保険給付や保険料の徴収を行います。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■では、市町村を支える役割をもつものは?■

・    B  は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他必要な各般の措置を講じなければならない。 

・    C は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。  

・    D  は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】B 国  C都道府県  D医療保険者

○ポイント

問題文の太字のアンダーラインに注目してください。「国」は制度全般について必要な措置を講ずる役割、「都道府県」は助言と援助をする役割です。「国」と「都道府県」を逆にする問題がよく出ますので注意です。

医療保険者は「協力」です。

 

○ちなみに「医療保険者」とは?

医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

厚生年金保険法改正

H28.2.5 特別支給の老齢厚生年金
     (二以上の種別の被保険者であった期間を有する場合)

今日は、特別支給の老齢厚生年金(60歳台前半の老齢厚生年金)についてお話ししますね。

■■4つの種別の厚生年金被保険者■■

被用者年金の一元化により、厚生年金保険の被保険者は、第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者の4つの種別に分けられるようになりました。

例えば、民間企業のサラリーマンと国家公務員の両方を経験した場合は、第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者の2つの種別の厚生年金被保険者期間があることになります。

■■2つ以上の種別の厚生年金被保険者期間がある場合の特別支給の老齢厚生年金■■

特別支給の老齢厚生年金の要件のひとつに、「1年以上の被保険者期間を有すること」があります。

2つ以上の種別の厚生年金被保険者期間がある場合は、合算して「1年以上」あれば、要件を満たします。

■■特別支給の老齢厚生年金額の計算■■

それぞれの種別の厚生年金被保険者期間ごとに計算し、それぞれの実施機関から支給されます。

労働安全衛生法 改正

H28.2.4 ストレスチェックその2

■ストレスチェックの結果は医師等から労働者に対して通知される■

※ 事業者への検査の結果の提供について

・労働者の同意を得ない場合

 → 医師等は事業者には検査の結果を提供できない

・事業者は労働者の同意を得れば、検査の結果の提供を受けられる → この場合検査の結果の記録を作成し5年間保存

 

■面接指導の実施について■

面接指導の対象になる労働者>

心理的な負担の程度が高い者で面接指導を受ける必要があると医師等が認めたもの

・要件に該当する労働者が面接指導を受けることを希望する旨の申し出をした

           ↓

 事業主は、医師による面接指導を行わなければならない

「ポイント」 

 事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

 

<面接指導の結果の記録を作成>

5年間保存

 

<面接指導の結果について医師からの意見聴取>

事業者は、労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない。

「ポイント」 

意見聴取は、面接指導が行われた後、遅滞なく行わなければならない。

○ここもチェック○

心理的な負担の程度を把握するための検査を実施するのは「医師等」ですが、面接指導を行うのは「医師」(等はつかない)です。

 

<面接指導の事後措置>

事業者は、医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。

※長時間労働者への面接指導の事後措置と同じです。

 

■検査及び面接指導結果の報告義務あり■

(対象)常時50人以上の労働者を使用する事業者

            ↓

1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出

労働安全衛生法改正

H28.2.3 ストレスチェックその1

労働安全衛生法が改正され、平成2712月よりストレスチェックが義務化されています。

 

~「ストレスチェック」とは~

「事業者が労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査」のこと

(厚生労働省リーフレットより)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

ストレスチェックの義務化は労働安全衛生法第66条の10に規定されています。

66条の10 (心理的な負担の程度を把握するための検査等)

 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

【ポイント】

・ 「常時」使用する労働者が対象

・ 1年以内ごとに1回、定期に、行わなければならない

・ 検査の実施者

 ① 医師

 ② 保健師

 ③  検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師又は精神保健福祉士

・ 検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない

・ 常時50人未満の事業場は、当分の間、「行うよう努めなければならない」とされており、当分の間はストレスチェックは努力義務

 

その2に続きます。

条文を読む ~高年齢者雇用安定法~

定年(高年齢者雇用安定法)

「事業主が定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「定年の定めをする場合」とあるので、定年制を定めなくても構いませんが、定年制を定める場合は、定年年齢は60歳以上とすることが条件です。

【参考】

「平成27年就労条件総合調査の概況」によると、定年制を定めている企業割合は92.6%。そして、一律定年制を定めている企業のうち、定年年齢を「65歳以上」にしている企業割合は16.9%。(定年年齢を「60歳」にしている企業割合は80.6%)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(ここもポイント)

定年年齢を60歳以上にしなければならないという規定から例外されている業務は、「坑内作業」の業務。

国民年金 保険料

H28.2.1 平成28年度国民年金保険料

平成28年度の国民年金保険料は16260円です。

まだ2月。数字を暗記する時期ではありません。

平成28年度の国民年金保険料の計算式だけチェックしておきましょう。

平成28年度の国民年金保険料は、

「平成28年度の法定の保険料額(16660円)」×「保険料改定率」で算出されます。

厚生労働省ホームページより

H28.1.31 平成28年度年金額

平成28年1月29日、厚生労働省より平成28年度の年金が発表されました。

平成28年度の年金額は平成27年度と同額になるということです。

物価スライドも賃金スライドも行われません。

スライドの仕組みについては、またお話ししますね。

条文を読む 国民年金法

H28.1.30 「給付」と「年金給付」

給付①を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金給付②を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アンダーライン「①給付」と「②年金給付」は範囲が異なります。「死亡一時金」が入るかどうかがポイントです。

 

まず、国民年金法の「給付」は、

老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、付加年金、寡婦年金、死亡一時金と規定されています。(この中で「年金」ではなく「一時金」で支給されるのは死亡一時金だけですよね。)

ということは「①給付」のように単に「給付」と表現されている場合は、死亡一時金も入っています。

一方、「②年金給付」という表現は年金として給付されるものだけを指しますので、死亡一時金は入りません。

厚生労働省ホームページより

H28.1.29 平成27年有効求人倍率

 

本日(平成28129日)、厚生労働省より、平成27年平均の有効求人倍率が発表されました。 

それによると、平成27年平均の有効求人倍率は1.20倍。前年が1.09倍だったので0.11イント上昇しています。

数字を細かく覚える必要はありません。

1を超えていること、前年よりも上昇していることで、「活気づいているなー」というイメージでとらえておけばOKです。 

求人倍率は、求人数(働いてくれる人を求めている会社の数)を求職者数(仕事を探している人の数)で割って出る数字です。求人倍率が1を超えるということは、仕事のほうが多いということです。

用語のチェック

H28.1.28 国民年金と厚生年金保険の違い

国民年金法と厚生年金保険法という法律の名称。厚生年金保険は「保険」という用語が入っていますが、国民年金は国民年金保険とは言いません。

また、厚生年金は、「保険給付」と言いますが、国民年金は「給付」でやはり保険給付とは言いません。

国民年金法も、原則は、保険料を払った人だけが払った分に応じて年金を受け取る、一方保険料を払わなかった人には年金は出ないという「保険」の仕組みをとっています。

でも、国民年金には、免除などで保険料を払わなかった人に対しても年金が支払われるという面があり、保険ではない部分もあります。

ですので、国民年金保険、保険給付とは言わず「国民年金法」「給付」という用語が使われています。

※とはいっても、国民年金も「被保険者」、「保険料」という用語は使います。国民年金も基本は「保険」です。

労働の対償

H28.1.27 賃金・報酬、賞与

■労働の対償→賃金・報酬、賞与

「労働の対償として受けるもの」は一般的に言うと給料ですが、受験勉強では、まず法律ごとの呼び方を押さえることから始めます。

・労働基準法、雇用保険法、労働保険徴収法では、「賃金」といいます。

*例えば、雇用保険法の基本手当の日額や、徴収法の労働保険料は「賃金」を基に計算します。

・健康保険法、厚生年金保険法では、「報酬、賞与」といいます。

*例えば、厚生年金保険法では会社員として支払う厚生年金保険料や将来受けとる年金額は、「報酬、賞与」を基に計算します。

■ポイント

・「賃金」、「報酬、賞与」は「労働の対償」として支払われるもの

・しかし、保険料や給付額の計算に賃金の全てを算入するわけではない

 *例えば、労働基準法の平均賃金は賃金をもとに計算しますが、賃金を全て算入するのではなく、夏・冬のボーナスなど平均賃金の計算から除外される賃金があります。

どの科目でも現物給与、臨時に支払われるものの扱いなどは頻出事項です。過去問で練習して慣れていきましょう。

条文を読む 労働基準法

H28.1.26  解雇予告

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成12年に、「5月31日の終了をもって解雇の効力を発生させるためには、遅くとも5月1日には解雇の予告をしなければならない。」という問題が出題されました。答えは〇です。

 

解雇する場合は、少なくとも30日前の予告が必要ですが、予告をした日は30日の計算に入れないのがポイントです。仮に5月1日の午前11時に解雇予告した場合、5月1日という日は既に11時間過ぎていて残り13時間しかないですよね。ですので1日としてカウントされないと考えてみてください。

横断の勉強

H28.1.25 日雇労働者の定義(雇用保険法・健康保険法)

雇用保険法、健康保険法には「日雇労働者」という区分があり、「印紙保険料」など一般の労働者とは別の扱いが規定されています。

しかし、同じ「日雇労働者」という用語を使っていますが、雇用保険法と健康保険法では定義が違うのがやっかいなところです。

まずは、それぞれの法律の「日雇労働者」の定義の違いをおさえてみましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(雇用保険法・日雇労働者)

日雇労働者とは、次のいずれかに該当する労働者(2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された者(次条第2項の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう。

1   A  雇用される者

2   B  以内の期間を定めて雇用される者

 

 (健康保険法・日雇労働者)

 この法律において「日雇労働者」とは、次のいずれかに該当する者をいう。

1   C  に使用される者であって、次に掲げるもの(同一の事業所において、イに掲げる者にあっては1月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合(所在地の一定しない事業所において引き続き使用されるに至った場合を除く。)を除く。)

 イ   D  雇い入れられる者

 ロ   E  以内の期間を定めて使用される者

2   F  業務に使用される者(継続して  G  を超えて使用されるべき場合を除く。)

3   H  事業の事業所に使用される者(継続して  I  を超えて使用されるべき場合を除く。) 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【解答】

A日々 B30日 C臨時 D日々 E2月 F季節的 G4月 H臨時的 I6

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【さらにアドバイス】

日雇労働者の定義の原則をおさえたら、例外もきちんとチェックしましょう。

条文で「除く」となっている部分が例外です。例外規定の方がよく出題されますが、まずは原則をおさえてから「例外」にいきましょう。

「例外規定」の方は、過去問を解いてみると、ポイントがよく分かりますので、また日を改めて、解説しますね。

選択式の練習 労災保険法

H28.1.24 療養の給付の範囲

次の文章の空欄をうめてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・療養補償給付は、療養の給付とする。

・療養の給付の範囲は、次の各号(  A  が必要と認めるものに限る。)による。

1 診察

2 薬剤又は治療材料の支給

3 処置、手術その他の治療

4 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護

5 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

6 移送

・政府は、療養の給付をすることが困難な場合その他厚生労働省令で定める場合には、療養の給付に代えて療養の費用を支給することができる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【解答】 政府

※ 医師、使用者などと間違えないように注意してください。

 

(さらにポイント)

療養補償給付は、原則は「療養の給付」(現物給付)です。

「療養の費用の支給」(現金給付)は例外です。

条文を読む 雇用保険法

H28.1.23 一般被保険者と高年齢継続被保険者

「被保険者であって、同一の事業主の適用事業に65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されているもの(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下「高年齢継続被保険者」という。)が失業した場合には、高年齢求職者給付金を支給する。」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一般被保険者が失業した場合は「基本手当」、高年齢継続被保険者が失業した場合は「高年齢求職者給付金」が支給されます。

 

では、いつから「高年齢継続被保険者」になるのでしょう?

条文を見ると、「高年齢継続被保険者」とは、「同一の事業主の適用事業に65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されているもの」と定義されています。

簡単に言うと、65歳に達した日の前後同じ会社で引き続いて働いている場合、65歳に達した日の前日までは一般被保険者、65歳に達した日以後は高年齢継続被保険者になるということです。

 

(ここもポイント)

65歳に達した日 → 65歳の誕生日の前日

65歳に達した日以後新たに雇用された場合 → 雇用保険は適用除外

 (※短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者には当てはまる場合がある)

条文を読む

H28.1.22 就業規則作成義務

「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。」

 

常時10人以上の労働者を使用する場合、使用者は、就業規則を作成・届出する義務がありますが、「10人」以上という人数は、どういう単位で計算するのでしょうか?

 

 例えば、大阪本社で8人、神戸工場で5人の労働者を使用する「○○株式会社」(企業全体では13人)は就業規則の作成・届出義務はありません。

 

労働基準法は「事業単位」で適用されます。「事業」とは「企業」ではなく、「事業場」(場所単位)を指すのでしたよね。

就業規則の作成・届出も事業場単位で考えてください。

○○株式会社は、事業場単位で見ると、大阪8人、神戸5人。それぞれ10人未満なので、就業規則を作成する義務も届出をする義務もないということです。

 

 

(ポイント)

労働基準法の適用単位は「事業」ごと。

事業とは、一企業全体ではなく、原則として本店、支店など場所ごとにとらえる。

シャロゴクイズ ~労働安全衛生法~

H28.1.21 労働安全衛生法「労働時間」クイズ

労働安全衛生法に規定されている次のもののうち、当然に労働時間となるものはどれでしょう?(一つとは限りません。)

 

1 雇入れ時・作業内容変更時の教育

2 特別教育

3 職長教育

4 一般健康診断

5 特殊健康診断

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【答】

当然に労働時間となるのは、1・2・3・5です。

1・2・3の安全衛生教育や5の特殊健康診断が法定時間外に行われたとするなら、使用者は当然に割増賃金を支払わなければなりません。

4の一般健康診断は、労働者の一般的な健康管理のために行うもの。業務との関連がないので、当然に労働時間とはされません。

条文を読む

H28.1.20 労働基準法「船員の適用について」

「第1条から第11条まで、次項、第117条から第119条まで及び第121条の規定を除き、この法律は、船員法第1条第1項に規定する船員については、適用しない。」

 

◆船員法とは?◆

  一定の船舶に乗り組む船員を保護するための法律です。

 

◆船員法に規定する船員についての労働基準法の適用は?◆

  労働基準法は一部だけ適用されます。 

(試験のポイント)

「労働基準法は、船員法第1条に規定する船員については、全面的に適用しない」は誤りです。適用される部分もあります。

 

◆船員法に規定する船員にも適用される労働基準法の規定は?◆

  労働基準法の総則部分(第1条から第11条まで)とそれに関係する罰則規定は船員

法第1条に規定する船員にも適用されます。それ以外は適用除外です。

   (船員に適用される部分)

第1条       労働条件の原則

第2条       労働条件の決定

第3条       均等待遇

第4条       男女同一賃金の原則

第5条       強制労働の禁止

第6条       中間搾取の排除

第7条       公民権行使の保障

9条  労働者の定義

    第10条 使用者の定義

11条 賃金の定義

    罰 則

ちょっと休憩

H28.1.19 気分転換

勉強することは楽しいけど、ときには、落ち込んだり、飽きたりすることもありますよね。

私ももちろん、しょっちゅうあります。

私の気分転換は、市川海老蔵さんのブログを読むこと。

ほぼ1~2時間おきに更新されるブログからは、楽しい気分、悲しい気分、いろいろな気が伝わってきます。大劇場を満員にするような歌舞伎役者でも落ちむことがあるんだなーと、ちょっと身近に感じることもあります。

しょっちゅうアップされるかわいいかわいいお嬢さんと息子さんの写真も楽しみですし♪

海老蔵さんのブログをひらくと、ニコッと笑顔になってしまいます。

こういうのを癒しというんでしょうね。

条文を読む

H28.1.18 健康保険法「保険者」

 「健康保険(日雇特例被保険者の保険を除く。)の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合とする」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 保険者とは保険の運営主体のこと。保険料の徴収や保険給付を行います。健康保険の保険者は、全国健康保険協会と健康保険組合の2つがあります。

 

が、カッコ内で(日雇特例被保険者の保険を除く。)とありますよね。

日雇特例被保険者の保険の保険者は、「全国健康保険協会」一つです。健康保険組合はありません。

 

過去に繰り返し出題されているポイントです。 

例えば、平成17年の問題はこんな感じです。

「健康保険の保険者には全国健康保険協会と健康保険組合があるが、日雇特例被保険者の保険の保険者は全国健康保険協会のみである。」

 

答えはもちろん○です。

条文を読む

H28.1.17 年金額の改定

年金は、日々の生活を保障するために支給されるもの。

国民の生活水準は、上がったり下がったりと変動があります。年金の額も、生活水準が上がればアップ、下がればダウンさせる必要があります。

 

国民年金法、厚生年金保険法、それぞれに年金額の改定についての規定がありますが、国民年金法と厚生年金保険法で違う点、分かりますか?

 

<国民年金法>

この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。

 

<厚生年金保険法>

この法律による年金たる保険給付の額は、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

国民年金は「国民の生活水準」ですが、厚生年金保険は「国民の生活水準、賃金」となっていますよね。

厚生年金保険法は「労働者」が対象の年金制度なので、賃金の変動も、年金額の改定に影響します。

 

 

また、国民年金は「年金」、厚生年金保険法は「年金たる保険給付」となっています。この違いはまた別の日にお話しします。

条文を読む

H28.1.16 国民年金法と厚生年金保険法の目的条文

国民年金法と厚生年金保険法の目的条文の空欄を埋めてください。

<国民年金法第1条>

国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって   A   生活の安定がそこなわれることを   A   の共同連帯によって防止し、もって健全な   A   生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。

  

<厚生年金保険法第1条>

この法律は、  B   の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、

  B   及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

国民年金は全国民が対象の年金制度なので、空欄Aには「国民」が入ります。

厚生年金保険は、会社員や公務員など雇われて働く人が対象なので、空欄Bには「労働者」が入ります。

シャロゴクイズ~労働安全衛生法~

H28.1.15 巡視義務クイズ

【問題】

次の空欄に入るのは、「安全管理者」「衛生管理者」「産業医」「安全衛生推進者」のうちどれでしょう?

 

は、少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【答】

衛生管理者

キーワードは次の2つです。

・「毎週1回」以上作業場等の巡視義務がある。

・設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときに所要の措置を講ずる必要がある。

 

ポイント

・安全管理者 → 作業場等の巡視義務はあるが頻度は規定されていない。

・産業医   → 「毎月1回」以上作業場等の巡視義務がある。

  作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときに所要の措置を講ずる必要がある。(衛生管理者と違い「設備」は入らない)

・安全衛生推進者、衛生推進者 → 作業場等の巡視義務は規定されていない。

厚生年金保険法改正

H28.1.14 被保険者期間の計算(同一月内の取得と喪失)

「被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間に算入する。ただし、その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金法に規定する第2号被保険者を除く。)の資格を取得したときは、この限りでない。」

 アンダーライン部分が改正箇所です。

 

■被保険者期間は月単位で計算

 例えば、114日(資格取得)~525日(資格喪失)の場合、被保険者期間は資格を取得した月(1月)から喪失した月の前月(4月)までの4か月間です。資格喪失月は被保険者期間の計算に入らないのが原則です。

 

■同一月に資格取得と喪失がある場合は1か月で計算

 被保険者期間は資格を喪失した月の前月までで計算するのが原則ですが、例えば、114日(資格取得)~125日(喪失)のように同一月に取得と喪失がある場合は1か月で計算され1か月分の保険料を納付しなければなりません。(ほんの数日だけ働いた場合でも1か月分の保険料がかかるということです。)

同一月

 

取得              喪失

 

・被保険者期間は1か月として計算する

 

<例外 同一月にさらに厚生年金保険の資格を取得した場合>

 被保険者期間は、あとの事業所の期間で1か月で計算します。

同一月

A事業所(取得・喪失)

B事業所(取得)

・被保険者期間はB事業所の期間で1か月として計算する

 

<例外 平成2710月の改正点>

 同一月に国民年金第1号被保険者、第3号被保険者の資格を取得した場合の取り扱い

<改正前>

同一月

厚生年金保険(取得・喪失)

国民年金第1号被保険者

・厚生年金保険料・国民年金保険料ともに納付する必要があった

  ↓

<改正後>

同一月

厚生年金保険(取得・喪失)

国民年金第1号被保険者

・この月は国民年金保険料のみ納付すればよいことになった

 

【改正のポイント】

 同じ月に厚生年金保険の資格取得と喪失があり、その後同じ月内に国民年金(第1号被保険者、第3号被保険者)の資格を取得した場合

  • 改正前 → 厚生年金保険の被保険者期間は1か月で計算

        (保険料がかかった)

  • 改正後 → 厚生年金保険の被保険者期間は計算されない

        (保険料もかからない)

横断

H28.1.13 年齢

 60歳、65歳、70歳、75歳。法律によって年齢の基準が違うので頭の中がごちゃごちゃしませんか?

次の空欄を埋めて整理してみてください。

 

■雇用保険法

<高年齢継続被保険者>

同一の事業主の適用事業に ①  歳に達した日の前日から引き続いて  ②  歳に達した日以後の日において雇用されているもの

 

■徴収法

<雇用保険料の免除の対象になる高年齢労働者>

 保険年度の初日に  ③   歳以上の労働者

 

■健康保険法

<一部負担金>

1    ④  歳に達する日の属する月以前         → 100分の30

2    ⑤  歳に達する日の属する月の翌月以後 (3の場合を除く。)

100分の20

3    ⑥  歳に達する日の属する月の翌月以後の一定以上所得者 

                              → 100分の30

 

■厚生年金保険法

<被保険者>

 適用事業所に使用される  ⑦  歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

 

■高齢者の医療の確保に関する法律

<後期高齢者医療の被保険者>

1 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する  ⑧  歳以上の者

2 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する  ⑨  歳以上  ⑩  歳未満の者で、一定の障害の状態にある旨の後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの 

 

■介護保険法

<介護保険の被保険者>

・第1号被保険者

 市町村の区域内に住所を有する  ⑪  歳以上の者

・第2号被保険者

  市町村の区域内に住所を有する  ⑫  歳以上  ⑬  歳未満の医療保険加入者

 

 

 

 

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【解答】

①65  ②65  ③64  ④70  ⑤70  ⑥70  ⑦70  ⑧75  ⑨65  ⑩75  ⑪65  ⑫40  ⑬65 

厚生労働省ホームページより

H28.1.12 平成26年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

平成27年12月22日に、厚生労働省より「平成26年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が発表されました。

それによると、平成26年度末現在の公的年金加入者数は6713万人。前年度末に比べると4万人減少しているそうです。

 

では、「平成26年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から作った次の問題を考えてみてください。

【問題】

 「平成26年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平成26年度末現在の第1号被保険者数と第3号被保険者数は前年度末に比べると増加しているが、被用者年金被保険者数は、前年度末に比べると減少している。

 

 

 

 

 

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「平成26年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、

・第1号被保険者数   1742万人(前年度末に比べて63万人減少)

・第3号被保険者数   932万人(前年度末に比べて13万人減少)

・被用者年金被保険者数 4039万人(前年度末に比べて73万人増加)

【解答】 ×

シャロゴクイズ~労働安全衛生法~

H28.1.11 作業主任者クイズ

①ボイラー(小型ボイラーを除く。)の取扱いの作業で作業主任者を選任しなかった場合、②50人以上の建設業の事業場について安全管理者を選任しなかった場合、それぞれ罰則が適用されます。

①と②の罰則で違う点は何でしょうか?

ヒント どちらがより重い罰則ですか?

 

 

 

 

 

 

 

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①作業主任者を選任しなかった場合は「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」で、「懲役」の可能性があること。

 

総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医を選任しなかった場合は、「50万円以下の罰金」で懲役はありません。

平成11年に出題された問題のポイントです。

年金制度

H28.1.10   旧法と新法(第3号被保険者)

■旧法と新法

昭和61年4月1日に全国民共通の基礎年金制度がスタートしました。

基礎年金が導入される前の年金制度を「旧法」、基礎年金が導入された後の現在の年金制度を「新法」といいます。

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■第3号被保険者は昭和61年4月1日からできた制度

第3号被保険者制度は新法の制度です。

サラリーマンに扶養される妻(妻と夫が逆でも可です)は、昭和61年4月1日以降は第3号被保険者として国民年金に強制加入し、第3号被保険者期間についても保険料納付済期間として扱われるので、要件を満たせば老齢基礎年金も支給されます。

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■旧法時代のサラリーマンに扶養される妻の年金

では、第3号被保険者制度がなかった旧法時代は、サラリーマンに扶養される妻の年金はどうだったのでしょう?

旧法時代は、サラリーマンに扶養される妻の国民年金への加入は、「任意」でした。老後は夫の老齢年金、夫の死後は遺族年金が支給されるので、あえて妻は強制加入しなくてもいいでしょう、という考え方です。

夫婦が一生連れ添っていればそれでも構いませんが、離婚したり、あるいは事故で障害を負ってしまった場合でも、国民年金に加入していない妻には全く年金が支給されませんでした。

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■制度が変わると年金も少々複雑に

このことは、老齢基礎年金の「合算対象期間」、「振替加算」などを勉強するうえでも大切なポイントになります。

合算対象期間も振替加算も難しくて・・・という声を聞きます。でも、制度の背景が分かるととても面白く分かりやすい箇所なんです。

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■ポイント

サラリーマンに扶養される妻(20歳~60歳)は、旧法では「任意加入」、新法では第3号被保険者として強制加入

過去問研究

H28.1.9 ★労働一般常識 選択★

労働の一般常識の選択式。ここで1点とれるかとれないかで合否が左右される受験生泣かせの科目です。

私たち講師も、例年なんとか予想しようとしているのですが、相当難しいです。講師泣かせの科目でもあります。

本試験が記述式から選択式に変わったのが平成12年です。これまでどのような問題が出題されていたのかを知ることも意義があると思います。平成12年から平成18年までの出題実績を振り返ってみます。平成19年以降はまた別の日に書きます。

平成12年

労務管理の用語 (年俸制、ドラッカーなど)

(ポイント)

※ 年功制賃金を脱却し、成果主義賃金に注目が集まった頃。

平成13年

労務管理の用語 (テーラー、雇用調整など)

(キーワード)

※ 企業業績の悪化、不況期

平成14年

労働組合 (労働協約、監督的地位にある労働者)

(ポイント)

※ 労働組合法の条文を暗記していれば得点できる。

平成15年

男女雇用機会均等法 (勤労婦人福祉法、定年、退職理由など)

(ポイント)

※ 男女雇用機会均等法の流れが垣間見れて、興味深い

  • 男女雇用機会均等法は、従前からあった勤労婦人福祉法が改正され、昭和60年に制定された(当時は、募集・採用、配置・昇進について女性と男性を差別する扱いを禁止することについては努力義務規定だった)
  • 募集・採用、配置・昇進について、女性と男性の差別禁止が義務化されたのは平成11年のこと                                   
平成16年

労働経済の用語 (労働力調査、完全失業率など)

(ポイント)

※ 「労働力調査」、「毎月勤労統調査」など、いろいろな調査があるが、どの調査から「どこから(厚生労働省からなのか総務省からなのか等」「どんな内容」が発表されているか、「完全失業率」とは何と何の割合なのかなど、発表される数値だけでなく定義もおさえておく必要がある。

平成17年

労働経済 (M字型カーブなど)

(ポイント)

※ 女性のライフスタイルについて。日本の女性の労働力率のカーブの描き方が特徴的であること。M字型カーブのピークとボトムの年齢層は要チェック。

平成18年

派遣法 (労働者派遣契約など)

(ポイント)

※ 派遣法からの基本的な問題。労働者派遣の概念が図で表されている。

 

平成27年「労働組合基礎調査」の結果より

H28.1.8 ★推定組織率は17.4%★

平成27年12月24日、厚生労働省より平成27年「労働組合基礎調査」の結果が公表されました。

推定組織率は17.4%で前年(17.5%)より低下しています。

この数字は頭に入れておいてくださいね。

なお、推定組織率とは、雇用者数に占める労働組合員数の割合です。

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では、次の問題の正誤を考えてみてください。

  1.  厚生労働省「平成27年労働組合基礎調査」によると、平成27年6月30日現在の労働組合数や労働組合員数はともに前年に比べて減少している。
  2.  厚生労働省「平成27年労働組合基礎調査」によると、平成27年6月30日現在の労働組合員数のうち、パートタイム労働者の労働組合員数が全体の労働組合員数に占める割合は1割を超えた。

 

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【解答】

1. ×  

前年に比べ、労働組合数は減少していますが、労働組合員数は増加しています。

2. ○

パートタイム労働者の労働組合員数が全体の労働組合員数に占める割合は前年の9.9%から上昇し10.4%になりました。

勉強の方法

H28.1.7 ★雇用保険法 待期★

雇用保険法第21条

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して7日に満たない間は、支給しない。

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社労士試験は、コツをつかめば、楽に早く問題を解くことができます。

何回も問題を解いて練習をすれば慣れてくるので、例えば、上記の「待期」に関する問題なら、論点は「ここ!」という箇所が分かるので、問題文を全部読まなくても○×がすぐ判断できます。

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「待期」の条文の重要ポイントは以下の青字の部分です。

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して7日に満たない間は、支給しない。

過去に何度も出題されているのは、カッコ内の(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)の部分です。

例えば平成12年の問題は、こんな感じです。ちなみ解答は○です。

 「基本手当は、受給資格者が失業して求職申込みをした日以後において、失業している日通算して7に満たない間は支給されないが、この7日には、負傷のため職業に就くことができない日も算入される。」

他の年はもう少しアレンジされた文章で出題されていますが、「待期の7日間には、疾病や負傷のため職業に就くことができない日も算入される」というポイントをおさえておけば解けるので大丈夫です。

あとは、求職の申し込みをした日からスタートすること、7日間は連続していなくても通算(とぎれていてもいい)して7日間でOKという点をチェックすれば、待期の勉強は終了です。

選択式の練習

H28.1.5 目的条文(労働安全衛生法と労災保険法)

労働安全衛生法と労災保険法の目的条文です。

AとBをそれぞれ埋めてください。

 

<労働安全衛生法>

この法律は、労働基準法と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の   A    を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

<労災保険法>

労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の   B    の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<解答>

 

 

 

A 安全と健康

B 安全及び衛生

法律の名前は労働安全衛生法ですが、目的として、労働者の安全と「健康」(衛生ではない)を確保することが掲げられています。

逆に、労災保険法の目的条文では、健康ではなく、安全及び「衛生」となっているので、注意しましょうね。

条文を読む

H28.1.4 割増賃金の率

 時間外労働をさせた場合は2割5分増し、休日労働をさせた場合は3割5分増しの割増賃金を支払わなければなりません。

 2割5分、3割5分という割増賃金の率は、「法律」ではなく「政令」で定められています。

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労働基準法第37条

「使用者が、第33条又は第36条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が1カ月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 法律と命令(政令や省令)をあわせて「法令」と呼ばれます。

 法律は「国会」が定めるものですので、それなりの手続きや時間が必要で、制定にしろ改正にしろ、そう簡単にはいきません。

 一方、政令は内閣が、省令は大臣が制定するもので、法律よりも軽い位置づけです。

 時間外労働や休日労働の割増賃金の率は、経済情勢などによって率を変える必要も出てくるかもしれません。そんなときに、割増賃金の率が法律できっちり決まっていると、改正に時間がかかってしまいます。

 その点、政令なら、内閣で決めることができるので、割増率を変えることも柔軟にできる、という考え方です。

条文を読む

H28.1.3 老齢厚生年金の失権

附則第10条

 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権は、死亡により消滅するほか、受給権者が65歳に達したときに消滅する。

第45条

 老齢厚生年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。

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老齢厚生年金は、60歳から65歳まで支給される「60歳台前半の老齢厚生年金」、65歳から支給される「本来の老齢厚生年金」の2種類があります。

それぞれルールが違う(ということは、そこでひっかける問題は作りやすい)ので、問題文を読むときはどちらの老齢厚生年金なのか確認することがまずはポイントです。

65歳からの「本来の老齢厚生年金」は「終身年金」なので失権事由は「死亡」のみです。(死ぬまで支給されるということ)

60歳台前半の老齢厚生年金は「有期年金」なので、死亡で失権するだけではなく、65歳に達したときに失権します。

 

【ポイント】

60歳台前半の老齢厚生年金と65歳からの老齢厚生年金は、「別のもの」です。

60歳台前半の老齢厚生年金の支給を受けるときには「裁定請求」することにより支給が始まりますが65歳で受給権が消滅します。

65歳になると、本来の老齢厚生年金の受給権が発生しますが、改めて本来の老齢厚生年金について「裁定請求」が必要です。

60歳代前半の老齢厚生年金を受けるときと、65歳からの本来の老齢厚生年金を受けるときの2回、裁定請求が必要です。

厚生年金保険法改正

H28.1.2 裁定

「保険給付を受ける権利は、その権利を有する者(以下「受給権者」という。)の請求に基づいて、実施機関が裁定する。」

改正前は、「厚生労働大臣」でしたが、一元化により「実施機関」となりました。

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例えば、老齢厚生年金は、原則として①厚生年金保険の被保険者期間が1月以上、②保険料納付済期間と免除期間が合わせて25年以上、③65歳以上という条件が揃えば、自動的に受給権が発生します。(基本権といいます。)

でも、受給権者は毎日毎日星の数ほど発生します。実施機関でそれを全て把握して年金を支給するのは不可能です。

年金は受給権ができても自動的に支給されるわけではないのです。何もしなければいつまでたっても年金は支給されません。

 

受給権が発生した場合は、受給権者本人から「受給権ができたので年金を支給してください」と請求し、それを実施機関が確認して初めて年金が支給されます。このことを「裁定」といいます。

裁定は「実施機関」が行います。

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【実施機関】

第1号厚生年金被保険者 → 厚生労働大臣(日本年金機構)

第2号厚生年金被保険者 → 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会

第3号厚生年金被保険者 → 地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会

              及び 地方公務員共済組合連合会

第4号厚生年金被保険者 → 日本私立学校振興・共済事業団

社会保険労務士のこと

H28.1.1 社労士の勉強を始めたきっかけ

結婚で東京に行くことになり、2年半で会社を退職しました。

そのとき私は25歳。誰も知り合いがいない東京での生活は寂しく、今、何をすればいいのか迷っていました。

ある日、道を歩いていると、「社会保険労務士受験講座」という文字がなんとなく目に入り、こういう学校に行けば、毎週定期的に通う場所ができる!とひらめき、新聞広告やチラシで受験講座の学校を色々調べてみました。(平成6年当時、インターネットはまだまだ普及していなかった)

それまで「社会保険労務士」という言葉も聞いたことがないし、試験内容も合格率も、そもそも何をする資格なのかも全く知らなかったんですが、今思えば運命的なものを感じたのでしょうか。

すぐに予備校に申込み、平成6年12月から通い始めました。

当時は試験日が7月の第4火曜日でしたが、半年の受験勉強で合格できるかどうかとか、そんなことも全く考えていませんでした。

「社会保険労務士になる」とか「絶対に合格する」という気持ちではなく、受験講座に通うことを決心したという感じでした。

 

でも、勉強を始めてみると、思いがけず楽しかったんですよね。

条文を読む

H27.12.31 雇用保険法【目的】

 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。

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 雇用保険では、「失業等給付」と「雇用保険二事業」の二つの事業を行っています。

メインの失業等給付には、①求職者給付、②就職促進給付、③雇用継続給付、④教育訓練給付の4つの給付があります。

 目的条文の前半を見てください。

 労働者が、「失業した場合」は①求職者給付と②就職促進給付、「雇用の継続が困難となる事由が生じた場合」は③雇用継続給付、「自ら職業に関する教育訓練を受けた場合」は④教育訓練給付が雇用保険から支給されます。

 雇用保険は「失業」したときの保障だけではなく、失業以外のことも保障することが特徴です。ですので、「失業給付」ではなく「失業等給付」といいます。「等」を忘れないでくださいね。

 

 失業等給付は「労働者」のための給付ですが、目的条文の「あわせて」以下後半部分は雇用保険二事業のこと。雇用保険二事業では主に事業主に対する助成金の支給などの事業を行っています。

 例えば、経済的な事情で事業活動を縮小する際に、労働者を解雇して失業者を出すのではなく、労働者を休業させることにより雇用を守った事業主には助成金が支給されます。目的条文にも「失業の予防」という用語が入っていますよね。

なお、雇用保険二事業には「雇用安定事業」と「能力開発事業」があります。

厚生年金保険法改正

H27.12.30 厚生年金保険の被保険者

被用者年金一元化により、平成27年10月より、公務員や私立学校教職員も厚生年金保険の被保険者になりました。

そのため、厚生年金保険の被保険者が、第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者の4つに区分されています。

 ① 第1号厚生年金被保険者  → 2号から4号以外の被保険者

                 (民間企業のサラリーマンやOL)

 ② 第2号厚生年金被保険者  → 国家公務員共済組合の組合員

 ③ 第3号厚生年金被保険者  → 地方公務員共済組合の組合員

 ④ 第4号厚生年金被保険者  → 私立学校教職員共済制度の加入者

 

民間企業のサラリーマンは、「国民年金」では「第2号被保険者」、「厚生年金保険」では「第1号厚生年金被保険者」です。名称が似ているので読み間違えないように注意がいりますね。

 

【改正前】 被用者年金は、大きく分けて厚生年金と共済年金の2つ

厚生年金      

共済年金

(国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済)

国民年金(基礎年金)

【改正後】 被用者年金は厚生年金のみ

厚生年金

(第1号厚生年金被保険者、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者、第4号厚生年金被保険者)

国民年金(基礎年金)

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   ごあいさつ

 伊藤直子と申します。 
 よろしくお願いします。

ごあいさつ