合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」
毎日コツコツ。継続は力なり。
令和4年度版
R4-371
空欄を埋めてみましょう。
★男女雇用機会均等法
第1条 (目的) この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。
第2条 (基本的理念) 1 この法律においては、労働者が< A >により差別されることなく、また、女性労働者にあっては< B >を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。 2 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従って、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。 |
【解答】
★男女雇用機会均等法
A 性別
B 母性
★労働組合法
第1条 (目的) この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の< C >させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の< D >を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する< E >を締結するための< F >をすること及びその手続を助成することを目的とする。 |
【解答】
★労働組合法
C 地位を向上
D 団体行動
E 労働協約
F 団体交渉
★国民健康保険法
第1条 (この法律の目的) この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって< G >に寄与することを目的とする。 |
【解答】
★国民健康保険法
G 社会保障及び国民保健の向上
★介護保険法
第1条 (目的) この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が< I >し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、< J >の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び< K >を図ることを目的とする。 |
【解答】
★介護保険法
Ⅰ 尊厳を保持
J 国民の共同連帯
K 福祉の増進
★高齢者の医療の確保に関する法律
第1条 (目的) この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、< L >の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の< M >の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もって国民保健の向上及び高齢者の< N >を図ることを目的とする。 |
【解答】
★高齢者の医療の確保に関する法律
L 国民の共同連帯
M 費用負担
N 福祉の増進
★社会保険労務士法
第1条 (目的) この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もって労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の< O >と労働者等の< P >に資することを目的とする。 |
【解答】
★社会保険労務士法
O 健全な発達
P 福祉の向上
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R4-370
空欄を埋めてみましょう。
★健康保険法
第1条 (目的) この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と< A >に寄与することを目的とする。
第2条 (基本的理念) 健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、< B >の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び< C >制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける< D >の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。 |
【解答】
★健康保険法
A 福祉の向上
B 高齢化
C 後期高齢者医療
D 医療の質
★国民年金法
第1条 (国民年金制度の目的) 国民年金制度は、< E >に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって< F >に寄与することを目的とする。 |
【解答】
★国民年金法
E 日本国憲法第25条第2項
F 健全な国民生活の維持及び向上
★厚生年金保険法
第1条 (この法律の目的) この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と< G >に寄与することを目的とする。 |
【解答】
★厚生年金保険法
G 福祉の向上
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R4-369
空欄を埋めてみましょう。
★労働基準法
第1条 (労働条件の原則) ① 労働条件は、労働者が< A >を営むための必要を充たすべきものでなければならない。 ② この法律で定める労働条件の< B >は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この< B >を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 |
【解答】
★労働基準法
A 人たるに値する生活
B 基準
★労働安全衛生法
第1条 (目的) この法律は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び< C >の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の< D >を確保するとともに、< E >を促進することを目的とする。 |
【解答】
★労働安全衛生法
C 自主的活動
D 安全と健康
E 快適な職場環境の形成
★労働者災害補償保険法
第1条 労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の< F >の確保等を図り、もって労働者の < G >に寄与することを目的とする。 |
【解答】
★労働者災害補償保険法
F 安全及び衛生
G 福祉の増進
★雇用保険法
第1条 (目的) 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が< H >をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の< I >を図ることを目的とする。 |
【解答】
★雇用保険法
H 子を養育するための休業
Ⅰ 福祉の増進
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R4-368
過去問から選択問題をチェックしましょう。
では、どうぞ!
①【H19年選択式】
労働安全衛生法第15条第1項において、元方事業者とは、「事業者で、< A >において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(当該事業の仕事の一部を請け負わせる契約が二以上あるため、その者が二以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最も先次の請負契約における注文者とする。以下「元方事業者」という。)」と定義されている。
【解答】
①【H19年選択式】
A 一の場所
②【H20年選択式】
労働者の健康の保持増進のための措置として、労働安全衛生法第69条第1項では、「事業者は、労働者に対する< B >その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない」とされている。
また、事業者の講ずるこれらの措置は、危険有害要因の除去のための措置とは異なり、その性質上、労働者の努力なくしては予期した効果を期待できないものであることから、同条第2項では、「労働者は、前項の事業者が講ずる措置を< C >して、その健康の保持増進に努めるものとする」とされている。
【解答】
②【H20年選択式】
B 健康教育及び健康相談
C 利用
③【H22年選択式】
労働安全衛生法第43条においては、「動力により駆動される機械等で、作動部分上の< D >又は動力伝導部分若しくは調速部分に厚生労働省令で定める防護のための措置が施されていないものは、譲渡し、貸与し、又は譲渡若しくは貸与の目的で < E >してはならない。」と規定されている。
【解答】
③【H22年選択式】
D 突起物
E 展示
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R4-367
「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をチェックしましょう。
★適用状況 ・ 公的年金被保険者数は、令和2年度末現在で6,756万人となっており、前年度末に比べて6万人(0.1%)減少している。 ・ 国民年金の第1号被保険者数(任意加入被保険者を含む)は、令和2年度末現在で1,449万人となっており、前年度末に比べて4万人(0.3%)減少している。 ・ 厚生年金被保険者数(第1~4号)は、令和2年度末現在で4,513万人(うち第1号4,047万人、第2~4号466万人)となっており、前年度末に比べて25万人 (0.6%)増加している。 ・ 国民年金の第3号被保険者数は、令和2年度末現在で793万人となっており、前年度末に比べて27万人(3.3%)減少している。
★厚生年金保険 適用状況 ※ この統計では基本的に、被用者年金一元化により新たに厚生年金保険の適用対象となった、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合及び日本私立学校振興・共済事業団の情報を含まない。 ・ 令和2年度末現在の適用事業所数は、250万9千か所であり、前年度末に比べて7.4万か所(3.0%)増加している。 ・ 被保険者数は、令和2年度末現在で4,047万人となっており、前年度末に比べて 10万人(0.2%)増加している。男女別にみると、男子は2,479万人(対前年度末比9万人、0.4%減)、女子は1,569万人(対前年度末比19万人、1.2%増)となっている。 ・ 短時間労働者数は、令和2年度末現在で53万人となっており、前年度末に比べて6万人(12.3%)増加している。男女別にみると、男子は14万人(対前年度末比1万人、6.6%増)、女子は39万人(対前年度末比5万人、14.4%増)となっている。 ・ 育児休業等期間中(産前産後休業期間を含む)の保険料免除者数は、令和2年度末現在で45万人であり、前年度末に比べて2万人(5.0%)増加している。男女別にみると、男子は1万人(対前年度末比3千人、35.2%増)、女子は44万人(対前年度末比2万人、4.5%増)となっている。
★国民年金 適用状況(第1号被保険者及び第3号被保険者) ・ 令和2年度末現在の第1号被保険者数(任意加入被保険者を含む)は、1,449万人となっており、前年度末に比べて4万人(0.3%)減少している。男女別にみると、男子は758万人(対前年度末比1万人、0.2%増)、女子は691万人(対前年度末比5万人、0.7%減)となっている。 ・ 令和2年度末現在の第3号被保険者数は、793万人となっており、前年度末に比べて27万人(3.3%)減少している。男女別にみると、男子は12万人(対前年度末比3千人、2.9%増)、女子は781万人(対前年度末比28万人、3.4%減)となっている。 ・ 令和2年度末現在の全額免除・猶予者数は609万人、全額免除・猶予割合は 42.6%となっている。 ・ 令和2年度末現在の一部免除者数は36万人、一部免除割合は2.5%となっている。 ・ また、令和元年度から国民年金第1号被保険者が出産した際に、出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除される「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」が施行されている。令和2年度末現在の産前産後免除者数は、1万人となっている。 |
問題を解いてみましょう。
【問題1】
国民年金の第1号被保険者数(任意加入被保険者を含む)は、令和2年度末現在で1,449万人となっており、前年度末に比べて4万人(0.3%)< A >している。
(選択肢)
① 増加
② 減少
【問題2】
短時間労働者数は、令和2年度末現在で53万人となっており、前年度末に比べて 6万人(12.3%)増加している。男女別にみると、男子は< B >万人(対前年度末比1万人、6.6%増)、女子は< C >万人(対前年度末比5万人、14.4%増)となっている。
(選択肢)
① 14
② 30
③ 39
④ 23
【問題3】
令和元年度から国民年金第1号被保険者が出産した際に、出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除される「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」が施行されている。令和2年度末現在の産前産後免除者数は、< D >万人となっている。
(選択肢)
① 1
② 10
③ 100
【解答】
【問題1】
A ② 減少
【問題2】
B ① 14
C ③ 39
【問題3】
D ① 1
参照:厚生労働省『令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106808_1.html
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R4-366
令和3年度能力開発基本調査の結果を読んでみましょう。
★労働者に求める能力・スキルについて 企業の発展にとって最も重要と考える労働者の能力・スキルについて、管理職を除く正社員では、50歳未満では、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」 ( 55.7%)、「職種に特有の実践的スキル」(41.4%)の順で、50歳以上では、「マネジメント能力・リーダーシップ」(55.6%)、「課題解決スキル(分析・思考・創造力等)」(39.3%)の順で、それぞれ多くなっている。正社員以外では、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」(56.2%)、「職種に特有の実践的スキル」(34.1%)の順で多くなっている。
★ 能力開発や人材育成に関する問題点 能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所は、76.4%となり、4分の3以上の事業所で、能力開発や人材育成に関する問題があることがうかがえる。 能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所のうち、問題点の内訳は、「指導する人材が不足している」(60.5%)が最も高く、「人材育成を行う時間がない」(48.2%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(44.0%)と続いている。
★ 自信のある能力・スキル 仕事をする上で自信のある能力・スキルがあると回答した割合は、労働者全体で87.6%であり、正社員では90.3%、正社員以外では82.7%となっている。 自信のある能力・スキルの内容については、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が最も多く、正社員で51.5%、正社員以外で57.1%となっている。次いで、「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」(正社員 41.2%、正社員以外 40.7%)が多くなっている。 また、最も少ない回答は、正社員では「語学(外国語)力」(2.4%)、正社員以外では「専門的なITの知識・能力(システム開発・運用、プログラミング等)」 (1.5%)となっている。 |
では、問題を解いてみましょう。
【問題1】
企業の発展にとって最も重要と考える労働者の能力・スキルについて、管理職を除く正社員では、50歳未満では、「< A >」( 55.7%)、「職種に特有の実践的スキル」(41.4%)の順で、50歳以上では、「マネジメント能力・リーダーシップ」(55.6%)、「課題解決スキル(分析・思考・創造力等)」(39.3%)の順で、それぞれ多くなっている。正社員以外では、「< A >」(56.2%)、「職種に特有の実践的スキル」(34.1%)の順で多くなっている。
(選択肢)
① 営業力・接客スキル
② コミュニケーション能力・説得力
③ チームワーク、協調性・周囲との協働力
【問題2】
能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所は、76.4%となり、4分の3以上の事業所で、能力開発や人材育成に関する問題があることがうかがえる。
能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所のうち、問題点の内訳は、「< B >」(60.5%)が最も高く、「人材育成を行う時間がない」(48.2%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(44.0%)と続いている。
(選択肢)
① 適切な教育訓練機関がない
② 指導する人材が不足している
③ 育成を行うための金銭的余裕がない
【問題3】
仕事をする上で自信のある能力・スキルがあると回答した割合は、労働者全体で87.6%であり、正社員では90.3%、正社員以外では82.7%となっている。
自信のある能力・スキルの内容については、「< C >」が最も多く、正社員で51.5%、正社員以外で57.1%となっている。次いで、「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」(正社員 41.2%、正社員以外40.7%)が多くなっている。
(選択肢)
① チームワーク、協調性・周囲との協働力
② コミュニケーション能力・説得力
③ 課題解決スキル(分析・思考・創造力等)
【解答】
【問題1】
A ③ チームワーク、協調性・周囲との協働力
【問題2】
B ② 指導する人材が不足している
【問題3】
C ① チームワーク、協調性・周囲との協働力
※厚生労働省『令和3年度「能力開発基本調査」の結果』を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00105.html
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R4-365
令和4年4月から、在職時改定が導入されています。
65歳以上の者は、「在職中」であっても、毎年1回、定時に年金額の改定を行うことになりました。
資格喪失時(退職時・70歳到達時)の老齢厚生年金の額の改定(退職時改定)は、もともとありましたが、今回の改正で、退職を待たずに、就労した分が早期に年金額に反映されることになりました。
穴埋め式で条文を読んでみましょう。空欄を埋めてください。
第43条 (年金額) 1 老齢厚生年金の額は、被保険者であった全期間の平均標準報酬額 (被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額に、< A >を乗じて得た額の総額を、当該被保険者期間の月数で除して得た額をいう。)の1000分の5.481に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて得た額とする。
2 受給権者が毎年< B > (以下「基準日」という。)において被保険者である場合(基準日に被保険者の資格を取得した場合を除く。)の老齢厚生年金の額は、基準日の属する< C >の被保険者であった期間をその計算の基礎とするものとし、基準日の属する< D >から、年金の額を改定する。 ただし、基準日が被保険者の資格を喪失した日から再び被保険者の資格を取得した日までの間に到来し、かつ、当該被保険者の資格を喪失した日から再び被保険者の資格を取得した日までの期間が< E >以内である場合は、基準日の属する< C >の被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、基準日の属する< D >から、年金の額を改定する。
3 被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して< E >を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、資格を喪失した日(第14条第2号から第4号までのいずれかに該当するに至った日にあっては、その日)から起算して< F >から、年金の額を改定する。 |
【解答】
A 再評価率
B 9月1日
C 月前
D 月の翌月
E 1月
F 1月を経過した日の属する月
在職時改定について
→ 第43条第2項が改正で導入された「在職時改定」です。
★在職時改定で、年金額が改定されるのは、基準日の属する月の翌月(10月分)からです。
★在職時改定が適用されるのは、「65歳以上」の老齢厚生年金の受給権者です。
65歳未満の特別支給の老齢厚生年金の受給権者には在職時改定は適用されません。
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
在職老齢年金の受給権者が平成28年1月31日付けで退職し同年2月1日に被保険者資格を喪失し、かつ被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過した場合、当該被保険者資格を喪失した月前における被保険者であった期間も老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、平成28年3月から年金額が改定される。
②【R2年出題】
被保険者である老齢厚生年金の受給権者(昭和25年7月1日生まれ)が70歳になり当該被保険者の資格を喪失した場合における老齢厚生年金は、当該被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間も老齢厚生年金の額の計算の基礎となり、令和2年8月分から年金の額が改定される。
【解答】
①【H28年出題】 ×
従来からある「退職時改定」の問題です。
退職時改定による老齢厚生年金の額は、資格を喪失した日から起算して1月を経過した日の属する月から改定されます。
ただし、第14条第2号(その事業所又は船舶に使用されなくなったとき)、第3号(適用事業所でなくする認可があったとき、任意単独被保険者の資格喪失の認可があったとき)、第4号(適用除外に該当するに至ったとき)までのいずれかに該当するに至った場合は、「その日」から起算して1月を経過した日の属する月から改定されます。
問題文の場合は、1月31日に退職(事業所に使用されなくなった)ですので、1月31日から起算して1月を経過した日(2月末日)の属する月=平成28年2月から老齢厚生年金の額が改定されます。
②【R2年出題】 ×
同じく「退職時改定」の問題です。
7月1日生まれの者が70歳になり資格を喪失するのは、70歳に達した日=6月30日です。
資格を喪失した日(6月30日)から起算して1月を経過した日(7月31日)の属する月=7月分から老齢厚生年金の額が改定されます。
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R4-364
第1号被保険者は、毎月の保険料にプラスして付加保険料を納付することができます。
穴埋め式で、条文を読んでみましょう。空欄を埋めてください。
第87条の2 1 第1号被保険者(法定免除、申請全額免除又は学生納付特例・納付猶予の規定により保険料を納付することを要しないものとされている者、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の規定によりその一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされている者及び国民年金基金の加入員を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の< A >以後の各月につき、毎月の保険料のほか、< B >円の付加保険料を納付する者となることができる。 2 付加保険料の納付は、毎月の保険料の納付が行われた月(追納の規定により保険料が納付されたものとみなされた月を除く。)又は産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月についてのみ行うことができる。 3 付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申出をした日の< C >以後の各月に係る保険料(既に納付されたもの及び前納されたもの(国民年金基金の加入員となった日の属する月以後の各月に係るものを除く。)を除く。)につき付加保険料を納付する者でなくなることができる。 4 付加保険料を納付する者となったものが、国民年金基金の加入員となったときは、その< D >日に、付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなす。 |
【解答】
A 属する月
B 400
C 属する月の前月
D 加入員となった
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険料の半額を納付することを要しないとされた者は、当該納付することを要しないとされた期間について、厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となることができる。
②【H26年出題】
保険料の追納を行い、保険料が納付されたものとみなされた月についても、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付することができる。
③【R1年出題】
付加保険料の納付は、産前産後期間の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月について行うことができない。
④【H30年出題】
付加保険料を納付する者となったものは、いつでも、厚生労働大臣に申し出て、その申し出をした日の属する月以後の各月に係る保険料に限り、付加保険料を納付する者でなくなることができる。
⑤【H27年出題】
付加保険料を納付する第1号被保険者が国民年金基金の加入員となったときは、加入員となった日に付加保険料の納付の辞退の申出をしたものとみなされる。
⑥【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
半額免除を受けている期間は、付加保険料は納付できません。
※ 法定免除、申請全額免除、一部免除、学生納付特例・納付猶予の規定で保険料を納付することを要しないものとされている者は、付加保険料は納付できません。
②【H26年出題】 ×
追納の規定により保険料が納付されたものとみなされた月は、付加保険料は納付できません。
③【R1年出題】 ×
「産前産後期間の保険料免除」を受けた月については、付加保険料を納付することができます。
④【H30年出題】 ×
付加保険料を納付する者でなくなるのは、その申し出をした日の属する月の「前月」以後の各月です。
⑤【H27年出題】 〇
国民年金基金の加入員は、付加保険料を納めることができないからです。
⑥【R2年出題】 〇
任意加入被保険者は、付加保険料を納付することができます。
※ちなみに、特例の任意加入被保険者は、付加保険料を納付できません。
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R4-363
任意継続被保険者の資格喪失を確認しましょう。
条文の空欄を埋めてみましょう。
第38条 (任意継続被保険者の資格喪失) 任意継続被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第4号から第6号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)から、その資格を喪失する。 1 任意継続被保険者となった日から起算して< A >を経過したとき。 2 死亡したとき。 3 保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったとき(納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除く。)。 4 被保険者となったとき。 5 < B >の被保険者となったとき。 6 後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 7 任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、保険者に申し出た場合において、< C >が到来したとき。 |
【解答】
A 2年
B 船員保険
C その申出が受理された日の属する月の末日
ポイント!
※第7号は改正で追加されました。
任意継続被保険者本人の申出により、資格を喪失することが可能になりました。
保険者に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したときの「翌日」(=受理された日の翌月1日)に資格を喪失します。
例えば、8月20日に資格喪失の申出が受理された場合は、9月1日が資格喪失日となります。
※「翌日」喪失が原則ですが、第4号から第6号に該当した場合は、「当日」に資格を喪失します。
・ 被保険者となったとき。→ 当日喪失
・ 船員保険の被保険者となったとき。 → 当日喪失
・ 後期高齢者医療の被保険者等となったとき。 → 当日喪失
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
任意継続被保険者は、後期高齢者医療の被保険者となった日の翌日からその資格を喪失する。
②【H30年出題】
任意継続被保険者が75歳に達し、後期高齢者医療の被保険者になる要件を満たしたとしても、任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過していない場合は、任意継続被保険者の資格が継続するため、後期高齢者医療の被保険者になることはできない。
③【H29年出題】
任意継続被保険者に関する保険料の納付期日は、初めて納付すべき保険料を除いてはその月の10日とされている。任意継続被保険者が初めて納付すべき保険料を除き、保険料を納付期日までに納めなかった場合は、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除き、その翌日に任意継続被保険者の資格を喪失する。
④【H27年出題】
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を納付期日までに納付しなかったときは、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めた場合を除き、督促状により指定する期限の翌日にその資格を喪失する。
【解答】
①【H26年出題】 ×
後期高齢者医療の被保険者となったときは、「その日」に任意継続被保険者の資格を喪失します。
②【H30年出題】 ×
任意継続被保険者が75歳に達し後期高齢者医療の被保険者となったときは、その日に任意継続被保険者の資格を喪失します。2年を経過していなくても、任意継続被保険者の資格を喪失し、後期高齢者医療の被保険者となります。
③【H29年出題】 〇
任意継続被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く)を納付期日までに納めなかった場合は、納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときを除き、その翌日に任意継続被保険者の資格を喪失します。
なお、任意継続被保険者の保険料の納付期日は、その月の10日です。
※初めて納付すべき保険料について
「初めて納付すべき保険料」の納付期日は、「保険者が指定する日」です。
「初めて納付すべき保険料をその納付期日までに納付しなかったときは、その者は、任意継続被保険者とならなかったものとみなす。ただし、その納付の遅延について正当な理由があると保険者が認めたときは、この限りでない。」とされています。
④【H27年出題】 ×
「督促状により指定する期限の翌日」ではなく、納付期日(その月の10日)の翌日に資格を喪失します。
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R4-362
今日は、「追徴金」の注意点を確認しましょう。
「追徴金」が徴収されるのは、
・「政府が確定保険料の額を認定決定したとき」と
・「政府が印紙保険料額を認定決定したとき」です。
次に、「滞納処分」と「延滞金」の条文を読んでみましょう。
第27条 (督促及び滞納処分) 1労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。 2 督促するときは、政府は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない。 3 督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によって、これを処分する。
第28条 (延滞金) 政府は、労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額に、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、労働保険料の額が1000円未満であるときは、延滞金を徴収しない。 ※令和4年の延滞金の割合は、年14.6%→年8.7%、年7.3%→年2.4%です。 |
第27条の「督促と滞納処分」は「労働保険料その他この法律の規定による徴収金」が対象、第28条の「延滞金」は「労働保険料」のみが対象になっていることに注目してください。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題(雇用保険)】
労働保険徴収法第27条第3項に定める「労働保険料その他この法律の規定による徴収金」には、法定納期限までに納付すべき概算保険料、法定納期限までに納付すべき確定保険料及びその確定不足額等のほか、追徴金や認定決定に係る確定保険料及び確定不足額も含まれる。
②【H22年出題(雇用保険)】
事業主が、追徴金について、督促状による納付の督促を受けたにもかかわらず、督促状に指定する期限までに当該追徴金を納付しないときは、当該追徴金の額につき延滞金が徴収されることがあるが、国税滞納処分の例によって処分されることはない。
③【H26年出題(雇用保険)】
所轄都道府県労働局歳入徴収官は、追徴金を納期限までに納付しない事業主に対し、期限を指定して当該追徴金の納付を督促するが、当該事業主は、その指定した期限までに納付しない場合には、未納の追徴金の額につき、所定の割合に応じて計算した延滞金を納付しなければならない。
【解答】
①【R1年出題(雇用保険)】 〇
「追徴金」が入っている点がポイントです。
「労働保険料その他この法律の規定による徴収金」とは、「労働保険料」と「その他この法律の規定による徴収金」です。
「追徴金」は労働保険料ではありませんが、「その他この法律の規定による徴収金」として、督促、滞納処分の対象になります。
(昭55.6.5発労徴40号)
②【H22年出題(雇用保険)】 ×
追徴金を納付しないときは、「国税滞納処分の例によって処分」されることはありますが、延滞金が徴収されることはありません。
第28条の延滞金が徴収されるのは、「労働保険料の納付を督促したとき」に限られます。追徴金は労働保険料ではありませんので、納付しなかったとしても延滞金は徴収されません。
③【H26年出題(雇用保険)】 ×
追徴金は労働保険料ではありませんので、納付しない場合でも延滞金は徴収されません。
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R4-361
改正された「高年齢被保険者の特例」を確認しましょう。
65歳以上のマルチジョブホルダーが雇用保険の被保険者になることができるようになりました。
「マルチジョブホルダー」とは、2以上の事業主の適用事業に雇用され、いずれの事業主においても1週間の所定労働時間が20時間未満であるが、そのうち2の事業主における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上である労働者をいう、と定義されています。
(マルチジョブホルダー業務取扱要領 1010より)
では、空欄を埋めてみましょう。
第37条の5 (高年齢被保険者の特例)
次の①から③に掲げる要件のいずれにも該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に申し出て、当該< A >から高年齢被保険者となることができる。
① 2以上の事業主の適用事業に雇用される< B >歳以上の者であること。
② 1の事業主の適用事業における1週間の所定労働時間が< C >未満であること。
③ 2の事業主の適用事業(申出を行う労働者の1の事業主の適用事業における1週間の所定労働時間が< D >以上であるものに限る。)における1週間の所定労働時間の合計が< E >以上であること。
則第65条の6 (厚生労働省令で定める申出)
法第37条の5第1項の申出は、所定の事項を記載した届書に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳その他の当該事項を証明することができる書類を添えて、個人番号登録届と併せて< F >公共職業安定所の長に提出することによって行うものとする。
【解答】
A 申出を行った日
B 65
C 20時間
D 5時間
E 20時間
F 管轄
「高年齢被保険者の特例」のポイントです!
※ここから「マルチ高年齢被保険者」といいます。
・マルチ高年齢被保険者に関する資格取得手続きは、必ず本人からの申出によることとなります。(マルチジョブホルダー業務取扱要領 1090)
・マルチ高年齢被保険者となる日は「申出を行った日」です。遡及による資格確認は行いません。
(マルチジョブホルダー業務取扱要領 1070)
・「管轄公共職業安定所の長(当該者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所の長)」に申し出ます。
・2の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれないものは、マルチ高年齢被保険者となりません。 (マルチジョブホルダー業務取扱要領 1070)
まとめ
マルチ高年齢被保険者は以下の要件をすべて満たすことが必要です。
⓵ 2以上の事業所に雇用される65歳以上の労働者
⓶ 2つの事業所(1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満であるものに限る。)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
⓷ 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること。
※ 雇用保険に加入できるのは2つの事業所までです。
※ 2つの事業所は異なる事業主であることが必要です。
(参照:厚生労働省ホームページ)
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R4-360
今日は選択式の練習です。
空欄を埋めてみましょう。
過去問をどうぞ!
①【H18年選択式】
労働者災害補償保険法による保険給付の事由となる業務災害及び通勤災害のうち業務上の疾病の範囲は、< A >で、通勤災害のうち通勤による疾病の範囲は、 < B >で定められている。
業務上の疾病として< A >の別表第1の2に掲げられている疾病のうち同表第11号に掲げられている疾病は、その他< C >である。
通勤による疾病として< B >に定められている疾病は、< D >に起因する疾病その他< E >である。
【解答】
A 労働基準法施行規則
B 労働者災害補償保険法施行規則
C 業務に起因することの明らかな疾病
D 通勤による負傷
E 通勤に起因することの明らかな疾病
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空欄を埋めてみましょう。
法第20条の3
複数事業労働者療養給付は、複数事業労働者がその従事する2以上の事業の業務を要因として負傷し、又は疾病(厚生労働省令で定めるものに限る。)にかかった場合に、当該複数事業労働者に対し、その請求に基づいて行う。
労働者災害補償保険法施行規則第18条の3の6 (複数業務要因災害による疾病の範囲)
法第20条の3第1項の厚生労働省令で定める疾病は、< F > 別表第1の2第8号及び第9号に掲げる疾病その他< G >とする。
【解答】
F 労働基準法施行規則
G 2以上の事業の業務を要因とすることの明らかな疾病
★Fについて
労働基準法施行規則別表第1の2の第8号は「過重負荷による脳・心臓疾患」、第9号は「心理的負荷による精神障害」です。
<複数業務要因災害の範囲>
複数業務要因災害による疾病の範囲は、労災則第 18 条の3の6により、労働基準法施行規則別表1の2第8号及び第9号に掲げる疾病(以下「脳・心臓疾患、精神障害」という。)及びその他2以上の事業の業務を要因とすることの明らかな疾病としており、現時点においては、脳・心臓疾患、精神障害が想定されている、とされています。
(令和2年8月 21 日 基発 0821 第1号より)
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R4-359
今日は選択式の練習です。
空欄を埋めてみましょう。
第23条
事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、< A >及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。
第29条 (元方事業者の講ずべき措置等)
1 元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な< B >を行なわなければならない。
2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な < C >を行なわなければならない。
3 2の< C >を受けた関係請負人又はその労働者は、当該< C >に従わなければならない。
第31条の4
注文者は、その請負人に対し、当該仕事に関し、その< D >に従って当該請負人の労働者を労働させたならば、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反することとなる< D >をしてはならない。
第35条 (重量表示)
一の貨物で、重量が< E >以上のものを発送しようとする者は、見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で、当該貨物にその重量を表示しなければならない。ただし、包装されていない貨物で、その重量が一見して明らかであるものを発送しようとするときは、この限りでない。
第66条第4項 健康診断
< F >は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、< G >の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を< H >することができる。
【解答】
A 風紀
B 指導
C 指示
D 指示
E 1トン
F 都道府県労働局長
G 労働衛生指導医
H 指示
★F、G、Hについて
・労働衛生指導医について
第95条第1項で、「都道府県労働局に、労働衛生指導医を置く。」と規定されています。
また、第95条第2項で、「労働衛生指導医は、第65条第5項(都道府県労働局長の指示する作業環境測定の実施)又は第66条第4項(都道府県労働局長の指示する臨時の健康診断)の規定による指示に関する事務その他労働者の衛生に関する事務に参画する。」と規定されています。
・第65条第5項も確認しておきましょう。
「都道府県労働局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。 」
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R4-358
まず、休業手当の条文を読んでみましょう。
第26条 (休業手当) 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H21年選択式】
休業手当について定めた労働基準法第26条につき、最高裁判所の判例は、当該制度は「労働者の< A >という観点から設けられたものであり、同条の「『使用者の責に帰すべき事由』の解釈適用に当たっては、いかなる事由による休業の場合に労働者の < A >のために使用者に前記[同法第26条に定める平均賃金の100分の60]の限度での負担を要求するのが社会的に正当とされるかという考量を必要とするといわなければならない」としている。
②【H27年出題】
当該労働者の労働条件は次のとおりである。
所定労働日:毎週月曜日から金曜日
所定休日:毎週土曜日及び日曜日
所定労働時間:1日8時間
賃金:日給15,000円
計算された平均賃金:10,000円
使用者の責に帰すべき事由により労働時間が4時間に短縮されたが、その日の賃金として7,500円の支払がなされると、この場合にあっては、使用者は、その賃金の支払に加えて休業手当を支払わなくても違法とならない。
③【H27年出題】
休電による休業については、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しない。
【解答】
①【H21年選択式】
A 生活保障
★休業手当は、労働者の「生活保障」のための制度です。
(昭62.7.17最高裁判所第二小法廷)
②【H27年出題】 〇
★1日の所定労働時間の一部のみ使用者の責に帰すべき事由による休業がなされた場合
↓
その日について平均賃金の100分の60に相当する金額を支払わなければなりません。
問題文は、平均賃金が10,000円で、その日の賃金として平均賃金の100分の60以上の7,500円の支払がなされていますので、使用者は、その賃金の支払に加えて休業手当を支払わなくても違法となりません。
ちなみに、現実に就労した時間に対して支払われる賃金が平均賃金の100分の60に相当する金額に満たない場合には、その差額を支払わなければなりません。
(昭27.8.7基収3445号)
③【H27年出題】 〇
休電による休業については、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しませんので、休業手当を支払わなくても26条違反になりません。
(昭26.10.11基発696号)
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R4-357
出題実績のある統計をチェックしましょう。
<令和3年度 後期高齢者医療制度被保険者実態調査> ■被保険者の年齢構成 令和3年9月30日現在の被保険者数は18,145千人となっており、うち75歳以上の被保険者数は17,852千人で、被保険者の98.4%を占めている。一定の障害の状態にあるとして認定を受けた65歳から74歳の被保険者数は293千人となっている。また、被保険者の平均年齢は82.9歳となっている。 |
<令和元年度 介護保険事業状況報告> ■要介護(要支援)認定者数 要介護(要支援)認定者(以下「認定者」という。)数は、令和元年度末現在で 669万人となっている。うち、第1号被保険者は656万人(男性204万人、女性452万人)、第2号被保険者は13万人(男性7万人、女性6万人)となっている。
認定を受けた第1号被保険者のうち、前期高齢者(65歳~75歳未満)は73万人、後期高齢者(75歳以上)は583万人で、第1号被保険者の認定者に占める割合は、それぞれ11.1%、88.9%となっている。
認定者を要介護(要支援)状態区分別にみると、要支援1:93万人、要支援2: 94万人、要介護1:135万人、要介護2:116万人、要介護3:88万人、要介護4:82万人、要介護5:60万人となっており、軽度(要支援1~要介護2)の認定者が 約65.6%を占めている。 |
では、問題をどうぞ!
【問1】 (平成27年に出題された問題を修正しています。)
「令和3年度後期高齢者医療制度被保険者実態調査(厚生労働省)」によると、令和3年9月30日現在の後期高齢者医療制度の被保険者数は、5,547千人となっており、うち75歳以上の被保険者数は被保険者の79.6%を占めている。
【問2】 (平成27年に出題された問題を修正しています。)
「令和元年度介護保険事業状況報告(厚生労働省)」によると、要介護(要支援)認定者数は、令和元年度末現在で1,561万人となっており、そのうち軽度(要支援1から要介護2)の認定者が、全体の約83.5%を占めている。
【解答】
【問1】 ×
「令和3年度後期高齢者医療制度被保険者実態調査(厚生労働省)」によると、令和3年9月30日現在の後期高齢者医療制度の被保険者数は、「18,145千人」で、うち75歳以上の被保険者数は被保険者の「98.4%」を占めています。
【問2】 ×
「令和元年度介護保険事業状況報告(厚生労働省)」によると、要介護(要支援)認定者数は、令和元年度末現在で「669万人」で、そのうち軽度(要支援1から要介護2)の認定者が、全体の約「65.6%」を占めています。
※厚生労働省「後期高齢者医療制度被保険者実態調査」を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/iryouhoken/database/seido/kouki_jittai.html
※厚生労働省「令和元年度 介護保険事業状況報告」を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/19/index.html
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R4-356
令和3年就労条件総合調査「労働時間制度」のポイントを読んでみましょう。
■ 週休制 主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は 83.5%(令和2年調査 82.5%)となっており、このうち「完全週休2日制」を採用している企業割合は 48.4%(同 44.9%)となっている。 「完全週休2日制」を採用している企業を企業規模別にみると、「1,000 人以上」が 66.7%、「300~999 人」が 60.0%、「100~299 人」が 53.7%、 「30~99 人」が 45.0%となっている。
■ 変形労働時間制 変形労働時間制を採用している企業割合は 59.6%(令和2年調査 59.6%)となっている。これを企業規模別にみると、「1,000 人以上」が 76.4%、「300~999 人」が 69.5%、「100~299 人」が 63.1%、「30~99 人」が 56.9%となっており、また、変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が 31.4%、「1か月単位の変形労働時間制」が 25.0%、「フレックスタイム制」が 6.5%となっている。
■みなし労働時間制 みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は 8.2%(令和2年調査 8.9%)となっており、これをみなし労働時間制の種類別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が 6.7%、「専門業務型裁量労働制」が 1.2%、「企画業務型裁量労働制」が 0.3%となっている。 |
では、問題を解いてみましょう。
(H28年の過去問を参考にしています。)
問1から問3は、「令和3年就労条件総合調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
【問1】 何らかの週休2日制を採用している企業はどの企業規模でも8割を超えているが、完全週休2日制となると、30~99人規模の企業では3割にとどまっている。
【問2】 フレックスタイム制を採用している企業割合は、3割を超えている。
【問3】 みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は、10パーセントに達していない。
【解答】
【問1】 ×
30~99人規模の企業で、完全週休2日制を採用している割合は、45.0%です。「3割にとどまっている」は誤りです。
【問2】 ×
フレックスタイム制を採用している企業割合は、6.5%です。「3割を超えている」は誤りです。
【問3】 〇
みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は、8.2%です。10パーセントに達していません。
厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」の概況を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaikyou.pdf
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R4-355
今回のテーマは「被保険者期間」です。
条文を読んでみましょう。
第19条 1 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。 2 被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を1箇月として被保険者期間に算入する。 ただし、その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金法に規定する第2号被保険者を除く。)の資格を取得したときは、この限りでない。 3 被保険者の資格を喪失した後、更にその資格を取得した者については、前後の被保険者期間を合算する。 |
「被保険者期間」は「月」単位でカウントします。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
厚生年金保険法で定める「被保険者期間」とは、被保険者の資格を取得した日から被保険者の資格を喪失した日の前日までの日単位で計算される期間である。
②【H30年出題】
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、例えば、平成29年10月1日に資格取得した被保険者が、平成30年3月30日に資格喪失した場合の被保険者期間は、平成29年10月から平成30年2月までの5か月間であり、平成30年3月は被保険者期間には算入されない。なお、平成30年3月30日の資格喪失以後に被保険者の資格を取得していないものとする。
③【H28年出題】
適用事業所に平成28年3月1日に採用され、第1号厚生年金被保険者の資格を取得した者が同年3月20日付けで退職し、その翌日に被保険者資格を喪失し国民年金の第1号被保険者となった。その後、この者は同年4月1日に再度第1号厚生年金被保険者となった。この場合、同年3月分については、厚生年金保険における被保険者期間に算入されない。
【解答】
①【H21年出題】 ×
「被保険者であった期間」と「被保険者期間」は違いますので、注意しましょう。
資格を取得した日から被保険者の資格を喪失した日の前日までの「日単位」で計算される期間は「被保険者であった期間」です。
「被保険者期間」は、資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までの「月単位」で計算される期間です。
②【H30年出題】 〇
H29年 10月 | 11月 | 12月 | H30年 1月 | 2月 | 3月 |
資格取得 |
|
|
|
| 資格喪失 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
被保険者期間は、平成29年10月から平成30年2月までの5か月間です。
資格を取得した月(平成29年10月)からその資格を喪失した月の前月(平成30年2月)までの「月単位」で計算されます。資格を喪失した月(平成30年3月)は被保険者期間には算入されません。
③【H28年出題】 〇
平成28年3月 | |
3/1・・・・・・・・・・・3/20 | 3/21・・・・・・・・・・・・・・・・ |
厚生年金保険 被保険者 | 国民年金 第1号被保険者 |
被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したとき(同月得喪といいます)は、その月は、「1箇月」として被保険者期間に算入されます。
ただし、問題文のように、その月に更に国民年金の第1号被保険者の資格を取得したときは、被保険者期間には算入されません。
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R4-354
令和4年度の国民年金の保険料は16,590円です。
国民年金の保険料には、前納制度があり、割引があるのがポイントです。
条文を読んでみましょう。
第93条 (保険料の前納) 1 被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 2 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 3 前納された保険料について保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
令第7条 (保険料の前納期間) 保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6月又は年を単位として、行うものとする。ただし、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6月又は年を単位として行うことを要しない。 令第8条 (前納の際の控除額) 政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月(口座振替による納付は当該各月の翌月)までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額(この額に10円未満の端数がある場合において、その端数金額が5円未満であるときは、これを切り捨て、その端数金額が5円以上であるときは、これを10円として計算する。)を控除した額とする。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
保険料の一部の額につき納付することを要しないものとされた被保険者には、保険料の前納に関する規定は適用されない。
②【H26年出題】
保険料の前納は、厚生労働大臣が定める期間につき、6か月又は年を単位として行うものとされているが、厚生労働大臣が定める期間のすべての保険料(既に前納されたものを除く。)をまとめて前納する場合においては、6か月又は年を単位として行うことを要しない。
③【H27年出題】
第1号被保険者が保険料を口座振替で納付する場合には、最大で2年間の保険料を前納することができる
④【H28年出題】
国民年金保険料を1年分前納する場合、最も割引率が高くなるのは、口座振替による支払ではなく、現金で支払った場合である。
⑤【H21年出題】
保険料の前納の際に控除される額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、当該期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月(口座振替による納付は当該各月の翌月)までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額の10円未満を端数処理した額を控除した額とする。
⑥【H30年出題】
前納された保険料について、保険料納付済期間又は保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間若しくは保険料4分の1免除期間を計算する場合においては、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされる。
【解答】
①【R2年出題】 ×
一部免除の保険料も前納することができます。
②【H26年出題】 〇
前納の期間の原則は、「6か月」単位又は「年」単位ですが、「6か月」又は「年」以外の単位の前納も可能です。
③【H27年出題】 〇
2年間の前納は、口座振替でも可能ですが、納付書による現金納付、クレジットカードでも可能です。
④【H28年出題】 ×
1年分前納する場合、割引率が高いのは、口座振替による支払の方です。
⑤【H21年出題】 〇
「年4分の利率による複利現価法」を覚えておきましょう。
⑥【H30年出題】 ×
前納に係る期間の「各月の初日が到来したとき」ではなく、「前納に係る期間の各月が経過した際」に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされます。
健康保険の任意継続被保険者の前納との違いをおさえてください。
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R4-353
任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負います。
任意継続被保険者に関する保険料の納付期日は、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者が指定する日)です。
今回は、任意継続被保険者の保険料の「前納」を確認しましょう。
第165条 (任意継続被保険者の保険料の前納) 1 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。 2 前納すべき額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。 3 前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
令48条 (保険料の前納期間) 任意継続被保険者の保険料の前納は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとする。 ただし、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を取得した者又はその資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間又はその資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。
令第49条 (前納の際の控除額) 法第65条第2項の政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。 |
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。この場合において前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額の合計額である。
②【H26年出題】
任意継続被保険者が保険料を前納する場合は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとなっているが、当該6か月又は12か月の間において、任意継続被保険者の資格を喪失することが明らかである者については、当該6か月間又は12か月間のうち、その資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる。
③【H22年選択式】 ※修正あり
1 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。前納された保険料については、前納に係る期間の< A >が到来したときに、それぞれの月の保険料が納付されたものとみなす。
任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の< B >までに払い込まなければならない。
前納すべき保険料額は、当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額とする。政令で定める額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を< C >による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。
保険料の前納期間は、4月から9月まで、もしくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとされているが、例えば、任意継続被保険者の資格を取得した月が4月であった場合、最も早く前納を行うことができる前納に係る期間の初月は、< D >である。
【解答】
①【R2年出題】 ×
前納の場合、保険料の割引があります。
②【H26年出題】 〇
前納の期間の単位は、「4月から9月まで」、「10月から翌年3月まで」の6か月間又は「4月から翌年3月まで」の12か月間です。
しかし、例外もあります。
・途中で任意継続被保険者の資格を取得した者
→ 資格を取得した日の属する月の翌月分からの期間
・資格を喪失することが明らかである者
→ 資格を喪失する日の属する月の前月分までの期間
③【H22年選択式】 ※修正あり
A 各月の初日
B 初月の前月末日 (則第139条第1項)
C 年4分の利率
D 5月
Aについて
前納された保険料は、前納期間の「各月の初日」にその月分の保険料が納付されたとみなされます。
※国民年金の場合は、「各月が経過した際」に、その月分の保険料が納付されたとみなされます。
Bについて
「4月から9月までの6か月間」、「4月から翌年3月までの12か月間」の期限は、3月末日、「10月から翌年3月までの6か月間」の期限は、9月末日です。
Dについて
途中で資格取得した場合は、前納できるのは、資格を取得した日の属する月の翌月分からの期間となりますので、初月は5月となります。期間は、「5月から9月まで」又は、「5月から翌年3月まで」です。
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R4-352
徴収法では、「納付書」と「納入告知書」の区別が問われます。
「納入告知書」によるものを覚えておきましょう。
・有期事業に係るメリット制の差額の徴収 ・認定決定に係る確定保険料と追徴金 ・認定決定に係る印紙保険料と追徴金 ・特例納付保険料 |
納入告知書に係るもの以外は、「納付書」によります。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】(雇用)
事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しなかったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
②【H22年出題】(労災)
労働保険徴収法第20条に規定する有期事業のメリット制の適用により、確定保険料の額を引き上げた場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、当該引き上げられた確定保険料の額と当該事業主が既に申告・納付した確定保険料の額との差額を徴収するものとし、通知を発する日から起算して30日を経過した日を納期限と定め、当該納期限、納付すべき当該差額及びその算定の基礎となる事項を事業主に通知しなければならない。
③【H27年出題】(雇用)
厚生労働大臣による特例納付保険料の納付の勧奨を受けた事業主から当該保険料を納付する旨の申出があった場合には、都道府県労働局歳入徴収官が、通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限とする納入告知書により、当該事業主に対し、決定された特例納付保険料の額を通知する。
④【H25年出題】(雇用)
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
【解答】
①【H25年出題】(雇用) ×
「認定決定された概算保険料」の額の通知は、納入告知書ではなく、「納付書」で行われます。
なお、「認定決定された確定保険料」の額の通知は、「納入告知書」によって行われます。
(則第38条)
②【H22年出題】(労災) 〇
有期事業のメリット制が適用され、確定保険料の額を引き上げた場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、引き上げられた確定保険料の額と既に申告・納付した確定保険料の額との差額を徴収します。
問題文では触れられていませんが、この通知は、「納入告知書」によって行われます。
(法第20条、則第38条)
③【H27年出題】(雇用) 〇
特例納付保険料の額と納期限の通知は、「納入告知書」によって行われます。
(法第26条、則第38条、59条)
④【H25年出題】(雇用) 〇
認定決定による印紙保険料と追徴金の通知は「納入告知書」によって行われます。
この場合は、事業主は、雇用保険印紙ではなく、現金で納付することになります。
(法第25条、則第38条)
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R4-351
https://youtu.be/o4yVW49E-1A 高年齢雇用継続基本給付金(以下、「基本給付金」とします。)の額は、原則は、支給対象月に支払われた賃金額の15%です。
・支給対象月に支払われた賃金額が、「みなし賃金日額×30」の61%以上75%未満の場合 → 15%から一定の割合で逓減させた率で計算します。
・支給対象月に支払われた賃金+基本給付金の額が、支給限度額(360,584円)を超えるとき → 基本給付金の額は、「360,584円-支給対象月の賃金」となります。
・基本給付金の額が賃金日額の最低限度額の8割(2577円×0.8)を超えないとき → 基本給付金は支給されません。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の60に相当する場合、高年齢雇用継続基本給付金の額は、当該賃金の額に100分の15を乗じて得た額(ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額)となる。
②【H22年出題】
高年齢雇用継続基本給付金に関し、ある支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の50に相当する場合、同月における給付金の額は、当該賃金の額に100分の15を乗じて得た額(ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額。)となる。
【解答】
①【R1年出題】 〇
②【H22年出題】 〇
①と②ともに、「支給対象月に支払われた賃金の額」が、「みなし賃金日額に30を乗じて得た額」の100分の61未満であることがポイントです。
「支給対象月に支払われた賃金の額」が、「みなし賃金日額に30を乗じて得た額」の100分の61未満の場合
→ 高年齢雇用継続基本給付金の額は、「支給対象月の賃金額に100分の15を乗じて得た額」となります。
ただし、その額に支給対象月の賃金額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、「支給限度額から支給対象月の賃金額を減じて得た額」となります。
例えば、「みなし賃金日額に30を乗じて得た額(60 歳到達時の賃金月額)」が 30 万円で、「支給対象月に支払われた賃金」が 18 万円の場合、60歳時点の60%ですので、高年齢雇用継続基本給付金の支給額は、18万円×15%=2万7千円です。
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R4-350
今日は、遺族補償年金の失権事由を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第16条の4 遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が次の各号の一に該当するに至ったときは、消滅する。この場合において、同順位者がなくて後順位者があるときは、次順位者に遺族補償年金を支給する。 1 死亡したとき。 2 婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。 3 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき。 4 離縁によって、死亡した労働者との親族関係が終了したとき。 5 子、孫又は兄弟姉妹については、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(労働者の死亡の時から引き続き厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)。 6 厚生労働省令で定める障害の状態にある夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、その事情がなくなったとき(夫、父母又は祖父母については、労働者の死亡の当時60歳以上であったとき、子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるとき、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は労働者の死亡の当時60歳以上であったときを除く。)。 |
労災保険の遺族補償年金には、転給があるのがポイントです。
受給権者が失権したときに、後順位者があるときは、次順位者が受給権者になります。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、婚姻の届出はしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に至ったときは、消滅する。
②【H28年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、自分の伯父の養子となったときは、消滅する。
③【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する兄弟姉妹が労災保険法第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは、消滅する。
④【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する、労災保険法第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあった祖父母が、その障害の状態がなくなったときは、労働者の死亡の当時60歳以上であった場合であっても、消滅する。
⑤【H23年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する、労災保険法第16条の2第1項第4号の厚生労働省令で定める障害の状態にあった孫が、その障害の状態がなくなったときは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときであっても、消滅する。
【解答】
①【H23年出題】 〇
事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に至ったときでも、遺族補償年金の受給権は消滅します。
②【H28年出題】 〇
直系血族又は直系姻族以外の養子になったときは失権します。伯父は直系ではなく傍系となりますので、伯父の養子になった場合は失権事由に該当します。
③【H23年出題】 ×
労働者の死亡の時から「引き続き障害の状態にある」ときは、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了しても失権しません。
「労働者の死亡のときから引き続き」がポイントです。
労働者の死亡時に、障害要件を満たしていて引き続き障害の状態にある場合は、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了しても失権しません。
④【H23年出題】 ×
労働者の死亡の当時年齢要件を満たしている場合は、障害の状態がなくなっても受給権には影響しません。
労働者の死亡の当時60歳以上であった祖父母は、年齢要件を満たしていますので、障害の状態がなくなっても、受給権は消滅しません。
⑤【H23年出題】 ×
孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときは年齢要件を満たしていますので、障害の状態の有無は関係ありません。
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にその障害の状態がなくなったとしても、受給権は消滅しません。
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R4-349
「特定元方事業者」とは、建設業・造船業に属する事業の元方事業者です。
特定元方事業者は、同一の場所でいくつかの会社が混在して作業を行うにあたり、労働災害を防止するための措置を講じなければなりません。
条文を読んでみましょう。
第30条 (特定元方事業者等の講ずべき措置) 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。 1 協議組織の設置及び運営を行うこと。 2 作業間の連絡及び調整を行うこと。 3 作業場所を巡視すること。 4 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。 5と6は省略します。 |
特定元方事業者の講ずべき措置として、
「協議組織の設置及び運営」
「作業間の連絡及び調整」
「作業場所の巡視」
「教育に対する指導及び援助」
等があります。
では、過去問をどうぞ!
①【H18年出題】
製造業に属する事業(労働安全衛生法第15条第1項に規定する特定事業を除く。)の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、協議組織の設置及び運営を行うことに関する措置、作業間の連絡及び調整を行うことに関する措置その他必要な措置を講じなければならない。
②【H27年出題】
特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するために、作業期間中少なくとも1週間に1回、作業場所を巡視しなければならない。
③【H20年出題】
特定元方事業者が講ずべき措置の事項として、労働安全衛生法第30条第1項第4号は、「関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと」と規定しており、関係請負人である事業者は、労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づいて、作業内容を変更したときの安全又は衛生のための教育を行う必要はない。
【解答】
①【H18年出題】 ×
「協議組織の設置及び運営」を行うことに関する措置を講じなければならないのは、「特定元方事業者」です。
「製造業に属する事業(特定事業を除く。)の元方事業者」は、「協議組織の設置及び運営」を行うことに関する措置を講じる義務はありませんので、この問題は「誤」となります。
ちなみに、「製造業に属する事業(特定事業を除く。)の元方事業者」については、「作業間の連絡及び調整を行う」ことに関する措置その他必要な措置を講じなければならない、という規定はあります。(法第30条の2)
②【H27年出題】 ×
特定元方事業者の作業場所の巡視は、「毎作業日に少なくとも1回」、行わなければなりません。
(則第637条)
③【H20年出題】 ×
特定元方事業者が講ずるのは、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する「指導及び援助」を行うことです。安全衛生教育を行うことではありません。
安全衛生教育は、それぞれの事業者が行うべきものですので、関係請負人である事業者は、その労働者に対して、作業内容を変更したときの安全又は衛生のための教育を行う必要があります。
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R4-348
労働者側の当事者は、「当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合」、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは、「労働者の過半数を代表する者」となります。
今日は、「労働者の過半数を代表する者」の要件を見てみましょう。
では、条文を読んでみましょう。
則第6条の2 ① 過半数代表者は、次の各号のいずれにも該当する者とする。 1 法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。 2 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。
③ 使用者は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
④ 使用者は、過半数代表者が法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならない。 |
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
労働基準法第41条第2項に定めるいわゆる管理監督者に当たる者であっても、労働基準法第9条に定める労働者に該当し、当該事業場の管理監督者以外の労働者によって選出された場合には、労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定を締結する労働者側の当事者である過半数を代表する者になることができる。
②【H22年出題】
労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定を締結する労働者側の当事者は、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者とされており、労働者の過半数を代表する者の選出は、必ず投票券等の書面を用いた労働者による投票によって行わなければならない。
③【H25年出題】
労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場の労働者の算定に当たっては、当該事業場で雇用されて働いているパート、アルバイト等は含まれるが、当該事業場に派遣されて現に指揮命令を受けて働いている派遣労働者は含めない。
④【H19年出題】
使用者は、労働者が、労働基準法第36条第1項等に規定する労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
「管理監督者」は、労働者の過半数を代表する者になることはできません。
なお、管理監督者は、労働基準法第9条の労働者に該当します。事業場の労働者の人数には管理監督者も含まれます。
(H11.3.31基発168号、H22.5.18基発0518第1号)
②【H22年出題】 ×
則第6条の2では、「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続」と規定されています。
投票、挙手等の「等」には、労働者の話し合い、持ち回り決議等労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きが該当する、とされています。
「必ず投票券等の書面を用いた労働者による投票によって行わなければならない」ということはありません。
(H11.3.31基発169号)
③【H25年出題】 〇
「派遣労働者について」
・労働者の人数の算定
→ 派遣労働者は、派遣元の事業場の労働者に含まれます。
派遣先の事業場の労働者には派遣労働者は含まれません。
(S61.6.6基発333号)
④【H19年出題】 〇
過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、「解雇、賃金の減額、降格等労働条件について不利益取扱いをしないようにしなければならない」こととしたものであること。
「過半数代表者として正当な行為」には、法に基づく労使協定の締結の拒否、1年単位の変形労働時間制の労働日ごとの労働時間についての不同意等も含まれる」ものであること、とされています。
(H11.1.29基発45号)
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R4-347
令和元(2019)年度社会保障費用統計のポイントを確認しましょう。
・ 2019 年度の社会保障給付費(ILO 基準)の総額は 123 兆 9,241 億円であり、対前年度増加額は 2 兆 5,254 億円、伸び率は 2.1%、対 GDP 比は 22.14%であり対前年度比で 0.34%ポイント増加した。
<社会保障給付費(ILO 基準)> (1)社会保障給付費を「医療」、「年金」、「福祉その他」に分類して部門別にみると、「医療」が 40 兆 7,226 億円で総額に占める割合は 32.9%、 「年金」が 55 兆 4,520 億円で44.7%、「福祉その他」が 27 兆 7,494 億円で 22.4%である。 (2)部門別給付費の対前年度伸び率は、「医療」が 2.5%、「年金」が 0.4%、「福祉その他」が 5.1%である。 (3)子どものための教育・保育給付費交付金が増加したことなどにより、「福祉その他」の伸び率が高かった。 |
では、問題をどうぞ!
<問題>
「令和元年度社会保障費用統計(国立社会保障・人口問題研究所)」によると、令和元年度の社会保障給付費の総額は123 兆 9,241 億円であり、部門別にみると、「医療」が55 兆 4,520 億円で全体の44.7%を占めている。次いで「年金」が40 兆 7,226 億円で全体の32.9%、「福祉その他」は 27 兆 7,494 億円で 22.4%となっている。
【解答】 ×
「年金」が 55 兆 4,520 億円で全体の44.7%を占めていて、「医療」は 40 兆 7,226 億円で全体の32.9%です。
国立社会保障・人口問題研究所ホームページ(https://www.ipss.go.jp/)を参照しています
令和元年度社会保障費用統計(概要)
https://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-R01/R01-houdougaiyou.pdf
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R4-346
まず、問題からどうぞ!
令和4年度年金額は、新規裁定年金・既裁定年金ともに、< A >に従い改定されました。
< A >がマイナス0.4%となり、かつ< B >(マイナス0.2%)を下回るため、< A >を用いて改定されます。
また、< A >がマイナスのため、< C >(マイナス0.3%)による調整は行われませんが、翌年度以降の年金額改定時に繰り越されます。
【選択肢】
① 物価変動率
② マクロ経済スライド調整率
③ 名目手取り賃金変動率
【解答】
A ③ 名目手取り賃金変動率
B ① 物価変動率
C ② マクロ経済スライド調整率
既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)の年金額は、原則として「物価変動率」に応じて改定されます。
しかし、例外的に次の3つのパターンのどれかに当てはまる場合は、「名目手取り賃金変動率」を用いて改定します。
物価 | 賃金 |
| 物価 |
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| 賃金 |
| 物価 | 賃金 |
① ② ③
物価も賃金もプラス 物価がプラス 物価も賃金もマイナス
物価の方が伸びが大きい 賃金がマイナス 賃金の方が落込みが大きい
令和4年度は、名目手取り賃金変動率も物価変動率もマイナスで、名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が物価変動率(▲0.2%)を下回っています。(上の図の③に当てはまります。)
そのため、新規裁定年金、既裁定年金ともに「名目手取り賃金変動率(▲0.4%)」を用いて改定されました。
また、賃金や物価による改定率がマイナスですので、マクロ経済スライドによる調整は行われません。
老齢基礎年金の額は、780,900円×改定率で計算します。
令和3年度の改定率が1.000でしたので、
令和4年度の改定率は、1.000×0.996=0.996となります。
令和4年度の老齢基礎年金の額は、
780,900円×0.996 ≒ 77万7,800円となります。
※端数処理は、50円未満切り捨て、50円以上100円未満は100円に切り上げです。
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R4-345
条文を読んでみましょう。
第47条 (後期高齢者医療) 後期高齢者医療は、高齢者の疾病、負傷又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。
第48条 (広域連合の設立) 市町村は、後期高齢者医療の事務(保険料の徴収の事務及び被保険者の便益の増進に寄与するものとして政令で定める事務を除く。)を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(以下「後期高齢者医療広域連合」という。)を設けるものとする。
第50条 (被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者とする。 1 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者 2 後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する65歳以上75歳未満の者であって、厚生労働省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該後期高齢者医療広域連合の認定を受けたもの
第51条 (適用除外) 次の各号のいずれかに該当する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者としない。 1 生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者 2 前号に掲げるもののほか、後期高齢者医療の適用除外とすべき特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
後期高齢者医療は、高齢者の疾病又は負傷に関して必要な給付を行うものとしており、死亡に関しては給付を行わない。
②【H22年出題】
市町村(特別区を含む。以下同じ)は、後期高齢者医療の事務(保険料の徴収の事務及び被保険者の便益の増進に寄与するものとして政令で定める事務を除く。)を処理するため、都道府県の区域ごとに当該区域内のすべての市町村が加入する広域連合(以下「後期高齢者医療広域連合」という。)を設けるものとする。
③【H28年出題】
高齢者医療確保法では、生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者は、後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者としないことを規定している。
④【H23年出題】
都道府県及び市町村(特別区を含む。)は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
後期高齢者医療は、高齢者の「疾病、負傷又は死亡」に関して必要な給付を行います。死亡についても給付の対象です。
②【H22年出題】 〇
後期高齢者医療広域連合は、後期高齢者医療の運営主体です。
都道府県ごとにすべての市町村が加入して設けられています。
③【H28年出題】 〇
生活保護法による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者は、適用除外となっています。
④【H23年出題】 ×
保険料を徴収するのは、市町村(特別区を含む。)です。都道府県は徴収しません。
保険料を徴収するのは、後期高齢者医療広域連合ではないことにも注意してください。
後期高齢者医療広域連合の行う事務から、保険料の徴収の事務は除かれています。
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R4-344
「労働費用」のポイントをみてみましょう。
★労働費用総額
令和2年(平成 31(令和元)会計年度)の「労働費用総額」は常用労働者 1 人 1 か月平均 408,140円となっています。
「労働費用総額」に占める「現金給与額」の割合は 82.0%、「現金給与以外の労働費用」の割合は 18.0%となっています。
★ 現金給与以外の労働費用
「現金給与以外の労働費用」73,296 円の内訳は、「法定福利費」50,283 円(構成割合68.6%)、「退職給付等の費用」15,955 円(同 21.8%)、「法定外福利費」4,882 円(同 6.7%)などとなっています。
★ 法定福利費
「法定福利費」50,283 円の内訳は、「厚生年金保険料」27,905 円(構成割合 55.5%)、「健康保険料・介護保険料」17,496 円(同 34.8%)、「労働保険料」3,695 円(同 7.3%)などとなっています。
★ 法定外福利費
「法定外福利費」4,882 円の内訳は、「住居に関する費用」2,509 円(構成割合 51.4%)、「医療保健に関する費用」729 円(同 14.9%)、「食事に関する費用」493 円(同 10.1%)などとなっています。
問題を解いてみましょう。
問題1
「令和3年就労条件総合調査(厚生労働省)」によると、現金給与額が労働費用総額に占める割合は、< A >%である。
〈選択肢〉 ① 18.0 ② 42.0 ③ 53.0 ④ 82.0
問題2
現金給与以外の労働費用に占める法定福利費の割合は、< B >%となっている。法定福利費の中で最も大きな割合を占めているのが< C >である。
〈選択肢〉
① 38.6 ② 68.6 ③ 78.6 ④ 98.6
⑤ 健康保険料・介護保険料 ⑥ 厚生年金保険料
⑦ 児童手当拠出金 ⑧ 労働保険料
【解答】
問題1
A ④ 82.0
問題2
B ② 68.6
C ⑥ 厚生年金保険料
※令和3年就労条件総合調査(厚生労働省)を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/index.html
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R4-343
ポイントを確認しましょう。
★民間企業における雇用状況
(雇用されている障害者の数)
・ 民間企業(43.5人以上規模の企業:法定雇用率2.3%)に雇用されている障害者
の数は597,786.0人で、前年より19,494.0人増加(対前年比3.4%増)し、18年連
続で過去最高となった。
(実雇用率、法定雇用率達成企業の割合)
・ 実雇用率は、10年連続で過去最高の2.20%(前年は2.15%)、法定雇用率達成
企業の割合は47.0%(同48.6%)であった。
(法定雇用率未達成企業の状況)
・ 令和3年の法定雇用率未達成企業は56,618社。そのうち、不足数が0.5人また
は1人である企業(1人不足企業)が、63.9%と過半数を占めている。
・ また、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は32,644社であり、
未達成企業に占める割合は、57.7%となっている。
問題を解いてみましょう。
問題1
「令和3年障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)」によると、法定雇用率を達成している民間企業の割合は、< A >%であった。
【選択肢】
① 27.0 ② 47.0 ③ 87.0 ④ 97.0
問題2
「令和3年障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)」によると、法定雇用率未達成企業のうち障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は、未達成企業全体の< B >%であった。
【選択肢】
① 27.7 ② 57.7 ③ 87.7 ④ 97.7
【解答】
問題1
A ② 47.0
問題2
B ② 57.7
※厚生労働省「令和3年障害者雇用状況の集計結果」を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23014.html
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R4-342
今日は、令和3年労働組合基礎調査の結果を見てみましょう。
ポイントは3つです。
① 労働組合数、労働組合員数及び推定組織率
・労働組合数 → 23,392 組合 (前年より 369 組合(1.6%)減少しています)
・労働組合員数 → 1,007 万8千人(前年より3万8千人(0.4%)減少しています)
・推定組織率 → 16.9% (前年(17.1%)より 0.2 ポイント低下しています)
② 女性の労働組合員数及び推定組織率
・労働組合員数 → 347 万人(前年より3万4千人(1.0%)増加しています)
・推定組織率 → 12.8% (前年(12.8%)と同水準です)
③ パートタイム労働者の労働組合員数及び推定組織率
・労働組合員数 → 136 万3千人 (前年より1万2千人(0.8%)減少しています)
・全労働組合員数に占める割合は 13.6%
(前年(13.7%)より 0.1 ポイント低下しています)
・推定組織率 → 8.4% (前年(8.7%)より 0.3 ポイント低下しています)
では、問題を解いてみましょう。
問題1
「令和3年労働組合基礎調査(厚生労働省)」によると、労働組合の推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は約5割となっている。
問題2
「令和3年労働組合基礎調査(厚生労働省)」によると、女性の推定組織率(女性雇用者数に占める女性の労働組合員数の割合)は12.8%で、前年と同水準となっている。
過去問をどうぞ!
【H28年選択式】
政府は、毎年6月30日現在における労働組合数と労働組合員数を調査し、労働組合組織率を発表している。この組織率は、通常、推定組織率と言われるが、その理由は、組織率算定の分母となる雇用労働者数として「< A >」の結果を用いているからである。
【解答】
問題1 ×
労働組合の推定組織率は、16.9%です。
問題2 〇
女性の推定組織率は12.8%で、前年と同水準です。
【H28年選択式】
A 労働力調査
※厚生労働省「令和3年労働組合基礎調査の概況」を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/21/dl/gaikyou.pdf
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R4-341
使用者は、労働者に対して最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
賃金の最低限度は、最低賃金法に基づいて定められます。
条文を読んでみましょう。
第3条 (最低賃金額) 最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。)は、時間によって定めるものとする。
第4条 (最低賃金の効力) 1 使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。 2 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。 |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
最低賃金法第3条は、最低賃金額は、時間又は日によって定めるものとしている。
②【H20年選択】
最低賃金法においては、「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については< A >とする。この場合において、< A >となった部分は、最低賃金< B >定をしたものとみなす。
③【H26年出題】
最低賃金法に定める最低賃金には、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金と、特定の産業について定められる特定最低賃金があり、これらに反する労働契約の部分は無効となり、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされるが、同法違反には罰則は定められていない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
最低賃金額は、時間又は日ではなく、「時間」によって定められます。
②【H20年選択】
A 無効
B と同様の
③【H26年出題】 ×
最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。
最低賃金法第40条で、「第4条第1項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
★「地域別最低賃金」額以上の賃金を支払わなかった場合は、最低賃金法第40条で、50万円以下の罰金に処せられます。
★「特定最低賃金額」以上の賃金を支払わなかった場合は、労働基準法の全額払違反として、労働基準法第120条で、30万円以下の罰金に処せられます。→ 具体的には、特定最低賃金が適用される労働者に対して支払った賃金が、地域別最低賃金額以上特定最低賃金額未満の場合です。
※船員に適用される特定最低賃金について
船員に適用される特定最低賃金額以上の賃金を支払わなかった場合は、最低賃金法第40条の罰則が適用されます。
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R4-340
遺族厚生年金の遺族となる子、孫は、被保険者等の死亡当時、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。」です。(法第59条第1項第2号)
子・孫は一定の年齢になった、障害状態でなくなった場合は、遺族厚生年金の受給権が消滅します。
子・孫特有の失権事由を条文で確認しましょう。
法第63条第2項 子又は孫の有する遺族厚生年金の受給権は、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 ① 子又は孫について、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、子又は孫が障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にあるときを除く。 ② 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子又は孫について、その事情がやんだとき。ただし、子又は孫が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。 ③ 子又は孫が、20歳に達したとき。 |
過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
厚生年金保険法で定める障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある子又は孫が、遺族厚生年金の受給権者である場合に、その事情が止んだとき(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。)又は20歳に達したとき、遺族厚生年金の受給権は消滅する。
②【H27年出題】 ※法改正による修正あり
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間と合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者に限る)が死亡したことにより、子が遺族厚生年金の受給権者となった場合において、その子が障害等級3級に該当する障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに、子の有する遺族厚生年金の受給権は消滅する。
③【R1年出題】
障害等級2級に該当する障害の状態にある子に遺族厚生年金の受給権が発生し、16歳のときに障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに当該受給権は消滅する。一方、障害等級2級に該当する障害の状態にある子に遺族厚生年金の受給権が発生し、19歳のときに障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、20歳に達したときに当該受給権は消滅する。
【解答】
①【H19年出題】 〇
「18歳に達する日以後の最初の3月31日」までは、障害状態の有無は問われません。
1級又は2級の障害の状態にある子又は孫について、その事情が止んだときでも、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときは失権しません。
又、障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある子又は孫が、その状態のまま20歳に達したときは、遺族厚生年金の受給権は消滅します。
②【H27年出題】 〇 ※法改正による修正あり
障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態でなければ、子・孫の遺族厚生年金の受給権は、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに、消滅します。
問題文のように、障害等級3級に該当する障害の状態にあるときであっても、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに、消滅します。
③【R1年出題】 ×
・問題文の前半について
被保険者等の死亡当時、障害等級2級の障害の状態だった子が、16歳で障害等級3級に該当する障害の状態になりました。18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに3級の場合は、そこで受給権は消滅します。問題文の前半は「〇」です。
・問題文の後半について
被保険者等の死亡当時、障害等級2級の障害の状態だった子が、19歳のときに障害等級3級の障害の状態になりました。その場合は、「障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子又は孫について、その事情がやんだとき。」に該当しますので、その時点で受給権は消滅します。「20歳に達したときに当該受給権は消滅する。」の部分が「×」です。
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R4-339
遺族厚生年金の失権事由の一つに「直系血族及び直系姻族以外の者の養子となったとき」があります。
遺族厚生年金の受給権は、受給権者が次に該当するに至ったときは、消滅する。 直系血族及び直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき (法第63条第1項第3号) |
・養子となった場合でも、「直系血族、直系姻族の養子」であれば、失権しないのがポイントです。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
遺族厚生年金の受給権は、受給権発生後に直系姻族の養子となった場合であっても、消滅しない。
②【H23年出題】
被保険者であった者の死亡により、死亡した者の子(障害等級1級又は2級に該当する者を除く。)が遺族厚生年金の受給権者となった場合において、その後当該子が10歳で父方の祖父の養子となった場合でも、18歳に達する日以後の最初の3月31日が終了するまでは受給権は消滅しない。
③【H29年出題】
子の有する遺族厚生年金の受給権は、その子が母と再婚した夫の養子となったときは消滅する。
【解答】
①【H26年出題】 〇
遺族厚生年金の受給権は、「直系姻族の養子」となった場合は、消滅しません。
②【H23年出題】 〇
祖父は「直系血族」です。祖父の養子になっても失権しません。
③【H29年出題】 ×
被保険者等が死亡したことにより、生計を維持していた妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生しました。
その後、妻(子の母)が再婚し、子が妻(子の母)の夫の養子になりました。
子からみると、母と再婚した夫は直系姻族です。母と再婚した夫の養子になっても失権しません。
ちなみに、母(死亡した者の妻)の遺族厚生年金は、「婚姻した」ことにより、失権します。
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R4-338
夫の死亡当時、夫によって生計を維持していた妻には、子の有無や年齢に関係なく遺族厚生年金の受給権が発生します。
今回は、夫の死亡当時30歳未満だった妻の遺族厚生年金の失権について確認しましょう。
では、条文を読んでみましょう。
1 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満である妻が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の受給権を取得しないときは、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに消滅する。 2 遺族厚生年金と当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有する妻が30歳に到達する日前に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、当該遺族基礎年金の受給権が消滅した日から起算して5年を経過したときに消滅する。 (法第63条第1項5項) |
ポイント! 夫の死亡当時30歳未満の妻について
1について
夫の死亡当時30歳未満で子がいない場合は、遺族基礎年金の受給権は取得できませんので、遺族厚生年金の受給権のみ取得します。
その場合は、遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに失権します。
夫死亡
(妻27歳・子なし) 30歳
遺族厚生年金 |
← ← ← ← ← 5年 → → → → 失権
2について
夫の死亡当時子がある場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を取得します。
しかし、妻が30歳に到達する前に子の死亡等により、遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、遺族基礎年金の受給権が消滅した日から起算して5年を経過したときに失権します。
夫死亡
(妻27歳・子あり) 妻28歳
遺族厚生年金 | |
遺族基礎年金 | ← ← ← 5年 → → → 失権 |
子死亡
(遺族基礎年金失権)
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
厚生年金保険の被保険者の死亡により、被保険者の死亡の当時27歳で子のいない妻が遺族厚生年金の受給権者となった。当該遺族厚生年金の受給権は、当該妻が30歳になったときに消滅する。
②【H29年出題】
遺族厚生年金及び当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得した妻について、当該受給権の取得から1年後に子の死亡により当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であって、当該消滅した日において妻が30歳に到達する日前であった場合は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したときに当該遺族厚生年金の受給権は消滅する。
③【H26年出題】
遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満である妻が、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない場合、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したときに、その受給権は消滅する。
【解答】
①【R3年出題】 ×
夫の死亡の当時27歳で子のいない妻の遺族厚生年金の受給権は、当該妻が30歳になったときではなく、「遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したとき」に消滅します。
②【H29年出題】 ×
妻が30歳に到達する日前に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日ではなく、「遺族基礎年金の受給権が消滅した日」から起算して5年を経過したときに遺族厚生年金の受給権が消滅します。
③【H26年出題】 〇
夫の死亡当時30歳未満で、遺族基礎年金の受給権を取得しない妻の遺族厚生年金の受給権は、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したときに消滅します。
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R4-337
今回は2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の遺族厚生年金です。
「短期要件」と「長期要件」で異なりますので、注意しましょう。
ポイントを確認しましょう。
(短期要件の場合)
・ 被保険者が、死亡したとき。
・ 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。
・ 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
死亡日▼
第3号厚生年金被保険者 | 第1号厚生年金被保険者 |
★被保険者が死亡した場合は、死亡日に加入していた実施機関が、裁定・支給事務を行います。
(長期要件の場合)
・ 老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。
※25年の計算には合算対象期間も入ります。
★それぞれの実施機関が、それぞれの加入期間ごとに裁定・支給事務を行います。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
第1号厚生年金被保険者期間が15年、第3号厚生年金被保険者期間が18年ある老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金は、それぞれの被保険者期間に応じてそれぞれの実施機関から支給される。
②【H30年出題】
障害等級1級の障害厚生年金の受給権者(厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件には該当しないものとする。)が死亡し、その者が2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を有していた場合、遺族厚生年金の額については、その死亡した者に係る2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、1の被保険者の種別に係る被保険者であった期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして額の計算をする。なお、それぞれの期間を合算しても300か月に満たない場合は、300か月として計算する。
【解答】
①【H28年出題】 〇
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)の死亡は長期要件に該当します。
長期要件の遺族厚生年金は、それぞれの被保険者期間に応じてそれぞれの実施機関から支給されます。
問題文の場合、「第1号厚生年金被保険者期間」分は、第1号の実施機関から、「第3号厚生年金被保険者期間」分は、第3号の実施機関から支給されます。
(第78条の32第2項)
②【H30年出題】 〇
障害等級1級・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合は、「短期要件」の遺族厚生年金が支給されます。
2以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算して、遺族厚生年金の額の計算をします。
なお、1級・2級の障害厚生年金の受給権者の死亡による遺族厚生年金の裁定・支給の事務は、初診日に加入していた実施機関が行います。
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R4-336
今日は、夫に支給される遺族厚生年金を見ていきましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第65条の2 夫、父母又は祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、その支給を停止する。ただし、夫に対する遺族厚生年金については、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、夫が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、この限りでない。 |
遺族厚生年金の支給対象になる「夫、父母、祖父母」については、被保険者等の死亡当時55歳以上であることが条件です。
ただし、60歳に達するまでは支給停止され、遺族厚生年金は60歳から支給されます。
しかし、「夫」の場合は、国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有するときは、60歳未満でも遺族厚生年金は支給停止されません。
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
平成26年4月1日以後に被保険者又は被保険者であった者が死亡し、その者の夫と子に遺族厚生年金の受給権が発生した。当該夫に対する当該遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であった者の死亡について、当該夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合でも、60歳に到達するまでの間、その支給を停止する。
②【H29年出題】
15歳の子と生計を同じくする55歳の夫が妻の死亡により遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得した場合、子が18歳に達した日以後の最初の3月31日までの間は遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができるが、子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは遺族基礎年金は失権し、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は遺族厚生年金は支給停止される。なお、本問の子は障害の状態にはなく、また、設問中にある事由以外の事由により遺族基礎年金又は遺族厚生年金は失権しないものとする。
【解答】
①【R1年出題】 ×
夫に対する当該遺族厚生年金は、夫が国民年金法の規定による遺族基礎年金の受給権を有する場合は、60歳までの間でも、支給停止されません。遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給されます。
②【H29年出題】 〇
妻の死亡当時の夫の状況
・夫の年齢は55歳 → 遺族厚生年金の受給権が発生します
・15歳の子と生計を同じくしている → 遺族基礎年金の受給権が発生します。
夫の遺族厚生年金は、原則は60歳までは支給停止されますが、遺族基礎年金の受給権を有しているので、60歳前でも支給停止にならず、遺族基礎年金と遺族厚生年金を併給することができます。
しかし、子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときは遺族基礎年金の受給権が消滅します。その際、夫はまだ60歳に達していませんので、その翌月から夫が60歳に達するまでの間は、原則どおり遺族厚生年金は支給停止となります。
(妻死亡)
夫55歳
子15歳 子18歳年度末 夫60歳
遺族厚生年金 | 支給停止 | 遺族厚生年金 |
遺族基礎年金 |
|
|
遺族基礎年金失権
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R4-335
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の障害厚生年金のポイントを確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第78条の30 (障害厚生年金の額の特例) 障害厚生年金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において二以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害厚生年金の額については、その者の二以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、障害厚生年金の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定を適用する。
第78条の31 (障害手当金の額の特例) 障害手当金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において二以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害手当金の額については、前条の規定(障害厚生年金の額の特例)を準用する。
第78条の33 (障害厚生年金等に関する事務の特例) 二以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金及び障害手当金の支給に関する事務は、政令で定めるところにより、当該障害に係る初診日における被保険者の種別に応じて、それぞれの被保険者の種別ごとに定められた事務の実施機関が行う。 |
ポイント!
例えば、第3号厚生年金被保険者であった期間と第1号厚生年金被保険者であった期間を有し、初診日に第1号厚生年金被保険者であった場合
初診日▼
第3号厚生年金被保険者 | 第1号厚生年金被保険者 |
・初診日に加入していた実施機関が、年金額の計算・裁定・支給事務を行います。
・年金額の計算は、他の実施機関の加入期間分も合算して計算します。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
障害厚生年金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害厚生年金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じた実施機関が行う。
②【H29年出題】
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の額は、初診日における被保険者の種別に係る被保険者期間のみが計算の基礎とされる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の支給に関する事務は、障害認定日ではなく「初診日」における被保険者の種別に応じた実施機関が行います。
②【H29年出題】 ×
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る障害厚生年金の額は、二以上の被保険者の種別に係る被保険者であった期間を「合算」し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして計算されます。
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R4-334
障害厚生年金の受給権者に更に障害厚生年金の受給権が生じた場合は、併合認定が行われます。
条文を読んでみましょう。
第48条 (障害厚生年金の併給の調整) 1 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く)の受給権者に対して更に障害厚生年金(障害等級1級又は2級)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。 2 障害厚生年金の受給権者が前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は、消滅する。 |
併合認定のイメージ
・併合認定の対象になるのは、「1級又は2級に該当したことがある障害厚生年金」です。
・先発の年金が3級でも、障害基礎年金が支給停止になっている場合(短期間でも1級又は2級の障害状態にあったことがある場合)は、併合認定の対象になります。
・なお、障害基礎年金の受給権がない3級は対象外です。
2級 | + | 2級 | → 併合 | 1級 |
2級 | 2級 | 1級 |
3級 | + | 2級 | → 併合 | 1級 |
支給停止 | 2級 | 1級 |
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)について、更に障害等級2級に該当する障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。
②【H29年出題】
障害厚生年金の受給権を取得した当時は障害等級2級に該当したが、現在は障害等級3級である受給権者に対して、新たに障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害厚生年金を支給することとし、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。
③【R3年出題】
厚生年金保険法第48条第2項の規定によると、障害等級2級の障害厚生年金の受給権者が、更に障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたことにより、同法第48条第1項に規定する前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の支給は停止するものとされている。
【解答】
①【H27年出題】 ×
受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことがない3級の障害厚生年金の場合、障害基礎年金の受給権がありません。
先発の障害が3級の障害厚生年金(受給権を取得した当時から引き続き1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)の場合は、第48条の併合認定の対象になりません。
②【H29年出題】 〇
受給権を取得した当時は2級に該当したが、現在は3級である障害厚生年金の場合は、障害基礎年金の受給権があります。
障害厚生年金の受給権を取得した当時は2級に該当したが、現在は3級である受給権者に対して、新たに障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、併合認定の対象になります。
第48条により、前後の障害を併合した障害厚生年金を支給することとし、従前の障害厚生年金の受給権は消滅します。
3級 | + | 2級 | → 併合 | 1級 |
支給停止 | 2級 | 1級 |
③【R3年出題】 ×
2級の障害厚生年金の受給権者が、更に2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたことにより、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、「従前の障害厚生年金の受給権は消滅」します。支給停止ではありません。
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R4-333
障害厚生年金の受給権の消滅について確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第53条(失権) 障害厚生年金の受給権は、第48条第2項の規定(二以上の障害が生じた場合の併合認定)によって消滅するほか、受給権者が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。 1 死亡したとき。 2 障害等級に該当する程度の障害の状態にない者が、65歳に達したとき。 ただし、65歳に達した日において、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過していないときを除く。 3 障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく3年を経過したとき。 ただし、3年を経過した日において、当該受給権者が65歳未満であるときを除く。 |
障害厚生年金が失権するとき
・二以上の障害が生じ、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は、消滅します。
・受給権者が死亡したときは、受給権は消滅します。
・障害等級に該当しなくなったときは、65歳までは支給停止されます。
障害等級に該当しないまま65歳に達したときは、そこで失権します。※65歳時点で障害等級に該当しなくなった日から3年未満の場合は失権しません。
・障害等級に該当しないまま3年を経過したときはそこで失権します。※3年を経過した時点で、65歳未満の場合は失権しません。
★「障害等級に該当しなくなってから3年経過したとき」か「65歳に達したとき」のどちらか遅い方に失権します。
例えば、63歳のときに障害等級に該当しなくなったときは、65歳時点では、3年経過していないので、失権しません。障害等級に該当しなくなってから3年経過した日に失権します。
★厚生年金保険法の「障害等級」は1級から3級です。「障害等級に該当する程度の障害の状態にない」ということは、3級未満ということです。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者であった者が、64歳の時点で障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったために支給が停止された。その者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しないまま65歳に達したとしても、その時点では当該障害厚生年金の受給権は消滅しない。
②【R2年出題】
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者の障害の状態が障害等級に該当しなくなったため、当該障害厚生年金の支給が停止され、その状態のまま3年が経過した。その後、65歳に達する日の前日までに当該障害厚生年金に係る傷病により障害等級3級に該当する程度の障害の状態になったとしても、当該障害厚生年金は支給されない。
【解答】
①【H30年出題】 〇
障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しないまま65歳に達したとしても、障害等級に該当しなくなってから3年未満の場合は失権しません。
問題文は、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったのが64歳時点です。65歳の時点では3年未満ですので失権しません。
②【R2年出題】 ×
障害等級に該当しなくなった場合でも、少なくとも65歳までは支給停止で、受給権は消滅しません。
支給が停止されたまま3年経過したとしても、65歳に達する日の前日までに3級に該当した場合は、支給停止が解除され、3級の障害厚生年金が支給されます。
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R4-332
1級・2級の障害厚生年金には、配偶者加給年金額が加算されます。
条文を読んでみましょう。
第50条の2 1 障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者があるときは、障害厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。 2 加給年金額は、224,700円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)とする。 3 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有するに至ったことにより加給年金額を加算することとなったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額を改定する。 |
ポイント!
★配偶者加給年金額が加算されるのは、1級・2級の障害厚生年金です。3級の障害厚生年金には配偶者加給年金額は加算されません。
★65歳未満の配偶者が対象です。子については障害基礎年金の方で加算が行われます。
★受給権を取得した後に、生計を維持する配偶者を有するに至った場合も、配偶者加給年金額の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
障害等級1級又は2級の障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持している子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、当該子に係る加給年金額が加算された額とする。
②【H29年出題】
障害等級1級に該当する障害厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害厚生年金の額に加給年金額が加算される。
③【H24年出題】
障害等級3級に該当する障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進し2級に改定された場合、その受給権を取得した日以後に、その者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときであっても、配偶者加給年金額は加算されない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
子は、障害厚生年金の加給年金額の対象になりません。
子は、障害基礎年金の方で加算の対象になります。
②【H29年出題】 〇
受給権が発生した時点では、生計を維持している配偶者がいなかったとしても、その後、例えば結婚をして対象になる配偶者を有するに至ったときは、加給年金額が加算されます。
その場合は、配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、加給年金額が加算されます。
③【H24年出題】 ×
障害厚生年金の受給権を取得した日の翌日以後に生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときでも、1級・2級の障害厚生年金には、配偶者加給年金額が加算されます。
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R4-331
寡婦年金と死亡一時金の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第52条の6 (支給の調整) 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
★ 死亡一時金と寡婦年金の受給権を同時に取得した場合は、「その者の選択」によりどちらか一つが支給され、他は支給されません。
では、過去問をどうぞ!
①【H18年出題】
死亡一時金の支給を受けることができる者が、同一人の死亡により寡婦年金を受けとることができるときは、死亡一時金か寡婦年金のどちらか一つをその者の選択により受給できる。
②【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
【解答】
①【H18年出題】 〇
「死亡一時金」と「寡婦年金」はその者の選択によりどちらか一つを受給できます。
★ 寡婦年金は、60歳から65歳までの有期年金ですので、妻の年齢によっては数か月しか受給できないこともあり得ます。その場合は、死亡一時金の方が受給額が多い可能性もあります。そのような理由から選択制になっています。
★寡婦年金と死亡一時金の受給権を同時に取得した者が、法52条の6により寡婦年金を選択した場合には、死亡一時金の受給権は消滅します。(S50.4.26庁文発1249)
②【H24年出題】 ×
死亡一時金と寡婦年金の受給権を同時に取得した場合は、その者の選択により、どちらか一つが支給されます。
もう一問どうぞ!
③【R3年出題】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
③【R3年出題】 〇
同時に、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった場合の調整の問題です。
ポイント!
「一人一年金の原則」により → 遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択
「寡婦年金と死亡一時金」 → 受給権者の選択によりどちらか一つを選択
寡婦年金を選択した場合 → 死亡一時金は支給されません。
遺族厚生年金を選択した場合 → 遺族厚生年金と死亡一時金の両方が受給できます。
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R4-330
死亡一時金の額は、保険料を納付した月数によって決まります。
条文を読んでみましょう。
第52条の4 (死亡一時金の額) ① 死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数に応じて、それぞれ次の表に定める額とする。
② 死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料に係る保険料納付済期間が3年以上である者の遺族に支給する死亡一時金の額は、8,500円を加算した額とする。 |
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての保険料納付済期間の月数が300か月以上ある場合については、一律に32万円である。
②【R2年出題】
死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間が36か月であり、同期間について併せて付加保険料を納付している者の遺族に支給する死亡一時金の額は、120,000円に8,500円を加算した128,500円である。なお、当該死亡した者は上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。
【解答】
①【H26年出題】 ×
死亡一時金の額が32万円になるのは、420か月以上ある場合です。
②【R2年出題】 〇
死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間が36か月の場合の死亡一時金は120,000円です。また、付加保険料を納付した期間が36月(3年)あるので、8,500円が加算されます。
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R4-329
死亡一時金の遺族の範囲を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第52条の3 ① 死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。ただし、第52条の2第3項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。 ② 死亡一時金を受けるべき者の順位は、前項に規定する順序による。 ③ 死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
第52条の2 第3項 死亡した者の子がその者の死亡により遺族基礎年金の受給権を取得した場合(その者の死亡によりその者の配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く。)であって、その受給権を取得した当時その子と生計を同じくするその子の父又は母があることにより第41条第2項の規定によって当該遺族基礎年金の支給が停止されるものであるときは、前項の規定は適用しない。
|
死亡一時金を受けることができる遺族の順序は、①配偶者、②子、③父母、④孫、 ⑤祖父母、⑥兄弟姉妹です。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。
②【H27年出題】
死亡一時金の支給要件を満たして死亡した者とその前妻との間の子が遺族基礎年金の受給権を取得したが、当該子は前妻(子の母)と生計を同じくするため、その支給が停止されたとき、死亡した者と生計を同じくしていた子のない後妻は死亡一時金を受けることができる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
三親等内の親族は、死亡一時金を受けることができる遺族に入りません。
②【H27年出題】 〇
下の図も参考にしてください。
夫が死亡した後、子が遺族基礎年金の受給権を取得したものの、その子は前妻(子の母)と生計を同じくするため、遺族基礎年金が支給停止されている場合の死亡一時金の支給についての問題で、第52条の2第3項に該当します。
第52条の3第1項ただし書きで、「第52条の2第3項の規定に該当する場合において支給する死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものとする。」となっています。
上記の場合は、死亡した者の配偶者であってその者と生計を同じくしていた者(後妻)が死亡一時金を受けることになります。
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R4-328
死亡一時金が支給されない場合を見ていきましょう。
さっそく条文を読んでみましょう。
第52条の2 ① 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。 ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。 ② ①項の規定にかかわらず、死亡一時金は、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。 1 死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 2 死亡した者の死亡日において胎児である子がある場合であって、当該胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の配偶者が死亡した者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至ったとき。ただし、当該胎児であった子が生まれた日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く。 |
ポイント! 「受けたことがある者」
老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を「受けたことがある者」が死亡したときは、死亡一時金は支給されません。
例えば、老齢基礎年金を受ける権利があったとしても、老齢基礎年金を受けないまま死亡した場合は、死亡一時金の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
死亡一時金は、寡婦年金と同様に遺族基礎年金が支給されないときに支給されるが、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡した場合にも支給される。
②【H28年出題】
死亡一時金は、遺族基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、その遺族に支給されない。なお、本問において死亡した者は、遺族基礎年金以外の年金の支給を受けたことはないものとする。
③【R2年出題】
死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されない。
【解答】
①【H19年出題】 ×
死亡一時金は、「老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者」が死亡した場合は支給されません。
また、遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、原則として死亡一時金は支給されません。
ちなみに、同一人物の死亡によって寡婦年金と遺族基礎年金の両方の受給権が発生することはあり得ます。しかし両方とも受給できるわけではなく、一人一年金の原則が適用されますので、どちらかの年金を選択して受給することになります。
②【H28年出題】 ×
死亡した人が遺族基礎年金の支給を受けたことがあったとしても、死亡一時金の支給要件には影響しません。
③【R2年出題】 ×
同一の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給しないこととなっています。
ただし、死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、死亡一時金が支給されます。
例えば、子が18歳に達した日の属する年度の年度末(3月)に父が死亡した場合、遺族基礎年金の受給権はその3月に発生しますが、実際、遺族基礎年金は支給されません。
このように死亡と同じ月に遺族基礎年金の受給権が消滅した場合は、死亡一時金が支給されます。
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R4-327
国民年金の第1号被保険者として保険料を36月以上納付した人が死亡した場合、一定の遺族に対して死亡一時金が支給されます。
老齢基礎年金、障害基礎年金の支給を受けたことがない人が死亡したことが条件で、保険料の掛け捨てを防止することを趣旨としています。
条文を読んでみましょう。
第52条の2 (支給要件) 死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が 36月以上である者が死亡した場合において、その者に遺族があるときに、その遺族に支給する。 ただし、老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したときは、この限りでない。 |
ポイント!
★36月の数え方
「保険料納付済期間の月数」、「4分の1免除期間の月数の4分の3」、「半額免除期間の月数の2分の1」、「4分の3免除期間の月数の4分の1」を合算します。
「保険料全額免除期間」は計算に入りません。保険料の負担が全くないからです。
死亡日の属する月の前月まで
前々月ではなく「前月」までの月数で計算します。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料全額免除期間等とを合算して 36月以上ある者が死亡したとき、その遺族に支給する。
②【H27年出題】
65歳以上の特例による任意加入被保険者が死亡した場合であっても、死亡一時金の支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給される。
【解答】
①【H24年出題】 ×
「保険料全額免除期間」は36月の計算に入りません。
②【H27年出題】 〇
65歳以上の特例による任意加入被保険者も、死亡一時金の対象になります。
★「特例による任意加入被保険者」は、「死亡一時金」と「脱退一時金」は、第1号被保険者と同じ扱いです。
しかし、「付加保険料の納付」と「寡婦年金」は「特例による任意加入被保険者」には適用されません。
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R4-326
老齢基礎年金は、繰上げて受給することもできますし、繰下げて受給することもできます。
その際、振替加算はどうなるのか確認しましょう。
今日は過去問からどうぞ!
①【H22年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合であっても、振替加算額については、受給権者が65歳に達した日以後でなければ加算は行われない。
②【H30年出題】
振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。
③【H21年出題】
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給され、当該振替加算額に政令で定める増額率を乗じて得た額が加算される。
④【R3年出題】
老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
ポイント! 老齢基礎年金の繰上げの請求をしても、振替加算は繰上げされません。振替加算は65歳から支給されます。
60歳 65歳
| 振替加算 |
繰上げ支給の老齢基礎年金 |
例えば、60歳から老齢基礎年金を繰上げ請求しても、振替加算は65歳からです。
②【H30年出題】 ×
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしても振替加算は繰上げされませんので、振替加算は「請求のあった日の属する月の翌月」からではなく、「65歳に達した日の属する月の翌月」から加算されます。
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、問題文の通り、「申出のあった日の属する月の翌月」から加算されます。
65歳 68歳
| 振替加算 |
| 繰下げ支給の老齢基礎年金 |
③【H21年出題】 ×
振替加算の受給対象者が老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは、振替加算も繰下げ支給されますが、振替加算額には繰下げ増額はありません。
④【R3年出題】 〇
振替加算のポイント
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合 → 振替加算は繰上げされず65歳から
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合 → 振替加算も繰下げて支給される。ただし、振替加算額には繰下げによる増額はありません。
厚生年金保険の「加給年金額」もチェックしましょう。
例えば、加給年金額の加算の対象になっている配偶者が、老齢基礎年金を繰上げ請求した場合は、加給年金額はどうなるのでしょう?
⑤【厚生年金保険法H28年出題】
配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときは、当該配偶者については65歳に達したものとみなされ、加給年金額に相当する部分が支給されなくなる。
【解答】
⑤【厚生年金保険法H28年出題】 ×
配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときでも、加給年金額は配偶者が65歳に達するまで支給されます。
★例えば、妻が夫の受給する老齢厚生年金の加給年金額の対象になっている場合で、妻が老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合
・妻が65歳に達するまで、夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されます
・妻が65歳に達すると、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます
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R4-325
昨日の続きで、法定免除を見ていきます。
もう一度、条文を読んでみましょう。
第89条 1 被保険者(産前産後免除及び保険料の一部免除の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 ① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 ② 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ③ 厚生労働省令で定める施設(国立ハンセン病療養所等、国立保養所、その他厚生労働大臣が指定するもの)に入所しているとき。 2 1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、1項の規定は適用しない。 |
★免除される期間
「要件に該当するに至った日の属する月の前月」から「これに該当しなくなる日の属する月」までの期間です。
過去問をどうぞ!
①【H26年出題】 ※法改正による修正あり
第1号被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者を除く。)が生活保護法による生活扶助を受けるに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の翌月からこれに該当しなくなる日の属する月の前月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
②【H26年出題】
法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。
③【R2年出題】
第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。
【解答】
①【H26年出題】 ×
免除される期間は、その該当するに至った日の属する月の「前月」からこれに該当しなくなる日の属する「月」までの期間です。
例えば、令和4年7月13日に免除事由に該当した場合は、6月から免除されます。
6月分の保険料の納期限は7月末日です。免除事由に該当している7月末に納期限がくる6月分から免除される仕組みです。
②【H26年出題】 〇
法第89条第2項では、法定免除事由に該当していても、本人から保険料を納付する旨の申出があったときは、申出のあった期間に係る保険料に限って納付することができることを規定しています。
<法定免除に該当していても申出によって保険料が納付できる理由は?>
・法定免除の期間は、老齢基礎年金の計算の際に減額されるので。
・追納することもできますが、10年以内という期限があることと、10年以内でも一定期間を過ぎると加算が行われるので。
③【R2年出題】 〇
法定免除事由に該当した場合は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出する必要があります。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、提出は不要です。
(則第75条)
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R4-324
今回のテーマは「法定免除」です。
対象者を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第89条 被保険者(産前産後免除及び保険料の一部免除の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 ① 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 ② 生活保護法による生活扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けるとき。 ③ 厚生労働省令で定める施設(国立ハンセン病療養所等、国立保養所、その他厚生労働大臣が指定するもの)に入所しているとき。 |
ポイント!
★法定免除の対象は、
・障害基礎年金、1級・2級の障害厚生年金等の受給権者
→ただし、厚生年金保険法の障害等級(3級)に該当しなくなってから3年を経過した者は、法定免除の対象外になります。
・生活保護法の生活扶助を受ける人
・国立ハンセン病療養所等に入所している人
過去問をどうぞ!
①【H16年出題】
障害基礎年金の受給権は有していなくても、3級の障害厚生年金の受給権を有していれば、国民年金保険料の法定免除が適用される。
②【H27年出題】
第1号被保険者が生活保護法の保護のうち、医療扶助のみを受けた場合、保険料の法定免除の対象とされる。
【解答】
①【H16年出題】 ×
法定免除は、障害基礎年金の受給権があることが条件です。1・2級に該当したことがない3級の障害厚生年金の受給権者には、法定免除は適用されません。
②【H27年出題】 ×
生活保護には、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つの種類の扶助があります。
法定免除の対象になるのは、そのうちの「生活扶助」を受ける場合です。
医療扶助のみを受ける場合は法定免除の対象になりません。
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R4-323
被扶養者の認定には、次のような基準があります。
★「認定対象者」(被扶養者としての届出に係る者)が被保険者と同一世帯に属している場合
① 認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当する。
② ①の条件に該当しない場合でも、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入を上廻らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えない。
①について
被扶養者の収入 |
|
|
被保険者の年間収入 |
|
▲2分の1
②について
被扶養者の収入 |
| |
被保険者の年間収入 |
| |
▲2分の1
★認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合
認定対象者の年間収入が、130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合には180万円未満)で、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当する。
被扶養者の収入 |
|
被保険者からの援助 |
(昭和52.4.6保発第9号・庁保発第9号)
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】 ※改正による修正あり
認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合、当該認定対象者の年間収入が 130万円未満(認定対象者が60歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する。
(なお、認定対象者は、日本国内に住所を有している)
②【H27年出題】 ※改正による修正あり
年収250万円の被保険者と同居している母(58歳であり障害者ではない。)は、年額100万円の遺族厚生年金を受給しながらパート労働しているが健康保険の被保険者にはなっていない。このとき、母のパート労働による給与の年間収入額が120万円であった場合、母は当該被保険者の被扶養者になることができる。(なお、母は日本国内に住所を有している。)
③【H22年出題】 ※改正による修正あり
被保険者の父が障害厚生年金の受給権者で被保険者と同一世帯に属していない場合、その年間収入が150万円で、かつ、被保険者からの援助額が年間100万円であるとき、被保険者の被扶養者に該当する。(なお、父は日本国内に住所を有している。)
【解答】
①【R1年出題】 〇
認定対象者と被保険者が同一世帯に属している場合、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害者の場合は180万円未満)で、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であることが、被扶養者となる条件です。
しかし、被保険者の年間収入の2分の1以上でも、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合で、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当する者として差し支えないとされています。
※ちなみに、令和2年4月から被扶養者については「日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるもの」という要件が追加されています。
②【H27年出題】 ×
認定要件の年収には、年金や給与も含まれます。
問題文の58歳の母の年間収入は、100万円の遺族厚生年金+120万円のパート労働による給与=220万円です。年間収入130万円以上ですので、被扶養者となりません。
③【H22年出題】 ×
被保険者と同一世帯に属していない場合は、認定対象者の年間収入が、130万円未満(認定対象者が60歳以上又は障害者の場合には180万円未満)で、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ないことが条件です。
問題文の父の年間収入は、被保険者からの援助額より多いので、被扶養者に該当しません。
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R4-322
★1週間の所定労働時間及び1月の所定労働日数が、同一の事業所に使用される通常の労働者の「4分の3以上」の場合は、健康保険、厚生年金保険の被保険者として取り扱われます。
★「4分の3未満の場合」
・平成28年10月から
特定適用事業所(被保険者数が常時501人以上の企業)に、厚生年金保険・健康保険が適用されました。
・平成29年4月から
任意特定適用事業所(被保険者数が常時500人以下の企業の事業所で、短時間労働者が社会保険に加入することについて労使合意を行った事業所)にも、厚生年金保険・健康保険が適用されるようになりました。
「4分の3未満」でも適用される要件を確認しましょう。
事業所に使用される者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間または1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である者で、次の①から④の全てに該当するもの ① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。 ② 継続して1年以上使用されることが見込まれること。 ③ 報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く。)の月額が 8万8千円以上であること。 ④ 学生でないこと |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
特定適用事業所とは、事業主が同一である1又は2以上の適用事業所であって、当該1又は2以上の適用事業所に使用される特定労働者の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所のことをいう。
②【H30年出題】
特定適用事業所に使用される短時間労働者の被保険者資格の取得の要件の1つである、報酬の月額が88,000円以上であることの算定において、家族手当は報酬に含めず、通勤手当は報酬に含めて算定する。
③【R3年出題】
短時間労働者の被保険者資格の取得基準においては、卒業を予定している者であって適用事業所に使用されることとなっているもの、休学中の者及び定時制の課程等に在学する者その他これらに準ずる者は、学生でないこととして取り扱うこととしているが、この場合の「その他これらに準ずる者」とは、事業主との雇用関係の有無にかかわらず、事業主の命により又は事業主の承認を受け、大学院等に在学する者(いわゆる社会人大学院生等)としている。
【解答】
①【H29年出題】 〇
特定適用事業所とは、「常時501人以上」の企業の各適用事業所です。
(H24年法附則第46条第12項)
②【H30年出題】 ×
短時間労働者の適用条件の1つである「報酬」は、法第3条第1項9号で「報酬(最低賃金法第4条第3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除く。)について、厚生労働省令で定めるところにより、第42条第1項の規定の例により算定した額」とされています。
除外される報酬は以下の通りです。
・ 臨時に支払われる賃金 (結婚手当等)
・ 1月を超える期間ごとに支払われる賃金 (賞与等)
・ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金 (割増賃金等)
・ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
・ 深夜労働に対して支払われる賃金のうち通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
・ 最低賃金法において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
(則第23条の4、R4.3.18保保発0318第1号)
問題文の「家族手当」と「通勤手当」はともに報酬に含まないで算定します。
③【R3年出題】 ×
「事業主との雇用関係の有無にかかわらず」の部分が誤りです。
「「その他これらに準ずる者」とは、事業主との雇用関係を存続した上で、事業主の命により又は事業主の承認を受け、大学院等に在学する者(いわゆる社会人大学院生等)」とされています。
(R4.3.18保保発0318第1号)
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R4-321
日雇労働被保険者を使用する事業主は、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付することにより、印紙保険料を納付します。
事業主が印紙保険料の貼付を怠った場合は、政府は、認定決定を行います。
では、条文を読んでみましょう。
第25条 (印紙保険料の決定及び追徴金) ① 事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 ② 事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の100分の25に相当する額の追徴金を徴収する。ただし、納付を怠った印紙保険料の額が1,000円未満であるときは、この限りでない。 |
★ 追徴金は、納付すべき印紙保険料額の100分の25です。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題(雇用)】
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
②【H28年出題(雇用)】
事業主は、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10に相当する追徴金を徴収される。
③【H24年出題(雇用)】
事業主が日雇労働被保険者に対し日雇労働被保険者手帳の提出を求めないために、日雇労働被保険者がこれを提出せず、雇用保険印紙の貼付がなされなかった場合、当該事業主は追徴金を徴収されることはないが、罰則規定を適用されることがある。
④【H28年出題(雇用)】
印紙保険料を所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定したときは、納付すべき印紙保険料については、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)に納付することはできず、所轄都道府県労働局収入官吏に現金で納付しなければならない。
【解答】
①【H25年出題(雇用)】 〇
印紙保険料の認定決定の通知は、「納入告知書」により行われます。
(則第38条第5項)
②【H28年出題(雇用)】 ×
100分の10ではなく、「100分の25」です。
印紙保険料以外の労働保険料の追徴金の「100分の10」よりも高いことがポイントです。
③【H24年出題(雇用)】 ×
「事業主が日雇労働被保険者に対し日雇労働被保険者手帳の提出を求めないために、日雇労働被保険者がこれを提出せず、雇用保険印紙の貼付がなされなかった」ときは、正当な理由に当たりません。
そのため、追徴金の対象になります。
なお、「雇用保険印紙をはらず、又は消印しなかった」場合は、罰則規定が適用され、6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。
(法第46条第1号)
④【H28年出題(雇用)】 ×
認定決定に係る印紙保険料と追徴金は、日本銀行又は所轄都道府県労働局収入官吏に納付します。
雇用保険印紙ではなく、現金で納付します。
問題文の「日本銀行に納付することはできず」が誤りです。
(則第38条第3項)
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R4-320
雇用保険料は、賃金総額×雇用保険料率で計算します。
令和4年度は、年度途中で雇用保険料率が変わります。
例えば、「一般の事業」の場合、
令和4年4月1日から9月30日まで → 1000分の9.5
令和4年10月1日から令和5年3月31日まで → 1000分の13.5
となります。
内訳は、
前半の1000分の9.5については
→ 被保険者負担が1000分の3、事業主負担が1000分の6.5
後半の1000分の13.5については
→ 被保険者負担が1000分の5、事業主負担が1000分の8.5
となります。
過去問をどうぞ!
【R2年出題(雇用)】
労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業に係る被保険者は、「当該事業に係る一般保険料の額」から、「当該事業に係る一般保険料の額に相当する額に二事業率を乗じて得た額」を減じた額の2分の1の額を負担するものとする。
【解答】
【R2年出題(雇用)】 ×
労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業の場合、「労災保険」に係る保険料は全額事業主負担となります。
問題文のように「当該事業に係る一般保険料の額」と書くと、労災保険と雇用保険が成立している事業の場合は、労災保険料も含まれてしまうので注意してください。
被保険者が負担するのは、「当該事業に係る一般保険料の額のうち雇用保険率に応ずる部分の額」から「当該事業に係る雇用保険率に応ずる部分の額に相当する額に二事業率を乗じて得た額」を減じた額の2分の1となります。
例えば、令和4年度前半の「一般の事業」の雇用保険率は1000分の9.5で、そのうち1000分の3.5が二事業率です。二事業率の部分は、全額事業主負担です。
「1000分の9.5」から「二事業の1000分の3.5」を減じた額の2分の1が被保険者が負担する部分です。被保険者負担分は1000分の3となります。
(法第31条)
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R4-319
日雇労働求職者給付金も必ずチェックしておきましょう。
今日は給付制限です。
条文を読んでみましょう。
第52条 (給付制限) ① 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、その拒んだ日から起算して7日間は、日雇労働求職者給付金を支給しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 1 紹介された業務が、その者の能力からみて不適当であると認められるとき。 2 紹介された業務に対する賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いとき。 3 職業安定法第20条(第2項ただし書を除く。)の規定に該当する事業所に紹介されたとき。 4 その他正当な理由があるとき。 ③ 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が、偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとしたときは、その支給を受け、又は受けようとした月及びその月の翌月から3か月間は、日雇労働求職者給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、日雇労働求職者給付金の全部又は一部を支給することができる。 |
ポイント!
・日雇労働被保険者が、公共職業安定所の紹介した業務に就くことを拒否した場合で、その拒否の理由が、法第 52 条第 1 項ただし書各号の一に該当しない場合は、その拒否した日から起算して 7 日間は、失業の認定及び日雇労働求職者給付金の支給は行われません。
★基本手当の支給の給付制限と異なり、「離職理由に基づく給付制限」は設けられていません。
(参照:行政手引90701)
・不正受給の場合の給付制限は、「支給を受け、又は受けようとした月及びその月の翌月から3か月間」です。「支給を受け、又は受けようとした日から3か月間」ではないので注意してください。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、正当な理由がある場合を除き、その拒んだ日から起算して1か月間に限り、日雇労働求職者給付金を支給しない。
②【R2年出題】
日雇労働被保険者が公共職業安定所の紹介した業務に就くことを拒否した場合において、当該業務に係る事業所が同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所である場合、日雇労働求職者給付金の給付制限を受けない。
③【H25年出題】
日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が、偽りその他不正の行為により就職促進給付の支給を受けたときは、やむを得ない理由がある場合を除き、その支給を受けた月及びその月の翌月から1か月間に限り、日雇労働求職者給付金を支給しない。
【解答】
①【H25年出題】 ×
給付制限は、その拒んだ日から起算して「7日間」です。
②【R2年出題】 〇
職業安定法第20条(同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所)に該当する事業所の場合は、日雇労働求職者給付金の給付制限を受けません。
(法第52条第1項第3号)
③【H25年出題】 ×
その支給を受けた月及びその月の翌月から「3か月間」です。
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R4-318
雇用保険法の手続きで「代理人」が登場する問題をチェックしましょう。
今日は、過去問からスタートします。どうぞ!
①【R2年出題】
基本手当の受給資格者が求職活動等やむを得ない理由により公共職業安定所に出頭することができない場合、失業の認定を代理人に委任することができる。
②【H25年出題】
受給資格者(口座振込受給資格者を除く。)が疾病、負傷、就職その他やむを得ない理由によって、支給日に管轄公共職業安定所に出頭することができないときは、その代理人が当該受給資格者に支給されるべき基本手当の支給を受けることができる。
③【H28年出題】
雇用保険法第10条の3に定める未支給失業等給付にかかるもの及び公共職業能力開発施設に入校中の場合は、代理人による失業の認定が認められている。
【解答】
①【R2年出題】 ×
ポイント! 代理人による失業の認定は不可
失業の認定は、受給資格者本人の求職の申込みによって行われるものです。そのため、代理人による失業の認定はできません。
(行政手引51252)
②【H25年出題】 〇
失業等給付の支給は、口座振込が原則です。ただし、受給資格者の申出により、やむを得ないと認められる事由がある場合に限り、現金で支払うことができます。
(則第44条、第45条)
そして、則第46条で、「受給資格者(口座振込受給資格者を除く。)が疾病、負傷、就職その他やむを得ない理由によって、支給日に管轄公共職業安定所に出頭することができないときは、その代理人が当該受給資格者に支給されるべき基本手当の支給を受けることができる。」と規定されています。
③【H28年出題】 〇
ポイント! 未支給失業等給付は代理人の認定が認められています。
則第17条の2第4項で、「未支給給付請求者は、この条の規定による請求(未支給失業等給付の請求)を、代理人に行わせることができる。」と規定されています。
例えば、遺族が幼児の可能性もあるからです。
また、公共職業能力開発施設に入校中の場合は、受給資格者が証明書を提出することによって失業の認定を受けることができます。
その場合は、先ほどの則第17条の2第4項が準用され、代理人による失業の認定が認められています。
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R4-317
基本手当は、失業している日(失業していることについて認定を受けた日に限る。)について、支給されます。
今日は、「失業の認定」を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
法第15条 ⑤ 失業の認定は、厚生労働省令で定めるところにより、受給資格者が求人者に面接したこと、公共職業安定所その他の職業安定機関若しくは職業紹介事業者等から職業を紹介され、又は職業指導を受けたことその他求職活動を行ったことを確認して行うものとする。 |
「求職活動実績」として認められる求職活動は、就職しようとする積極的な意思を具体的かつ客観的に確認し得る活動であることを要し、受給資格者と再就職の援助者との間に、就職の可能性を高める相互の働きかけがある活動及び求人への応募等がこれに該当します。
単なる職業紹介機関への登録、知人への紹介依頼、安定所・新聞・インターネット等での求人情報の閲覧等だけでは求職活動実績には該当しません。
(行政手引51254)
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
受給資格者の住居所を管轄する公共職業安定所以外の公共職業安定所が行う職業相談を受けたことは、求職活動実績として認められる。
②【H27年出題】
失業の認定に係る求職活動の確認につき、地方自治体が行う求職活動に関する指導、受給資格者の住居所を管轄する公共職業安定所以外の公共職業安定所が行う職業相談を受けたことは、求職活動実績に該当しない。
【解答】
①【R2年出題】 〇
受給資格者の住居所を管轄する公共職業安定所以外の公共職業安定所が行う職業相談、職業紹介等を受けたことは、求職活動実績として認められます。
(行政手引51254)
②【H27年出題】 ×
求職活動実績には、公共職業安定所、許可・届出のある民間需給調整機関(民間職業紹介機関、労働者派遣機関をいう。)が行う職業相談、職業紹介等が該当するほか、公的機関等(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社等)が行う求職活動に関する指導、個別相談が可能な企業説明会等が含まれます。 また、受給資格者の住居所を管轄する公共職業安定所以外の公共職業安定所が行う職業相談を受けたことも、該当します。
(行政手引51254)
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R4-316
労災保険法は、属地主義がとられていて、国内の労働者の災害だけが保護の対象です。
海外で業務に従事する場合は、通常は労災保険の保護の対象外となります。しかし、労災保険に特別加入することにより、労災保険の保護を受けることができます。
海外派遣者として特別加入できるのは、次の3つです。
① 開発途上にある地域に対する技術協力の実施の事業(有期事業を除く。)を行う団体から派遣され、開発途上にある地域で行われる事業に従事する者 ② 日本国内の事業(有期事業を除く。)から派遣され、海外において行われる事業(海外支店や工場など)で行われる事業に従事する労働者 ③ 日本国内の事業(有期事業を除く。)から派遣され、特定事業に該当する事業に従事する事業主及びその他労働者以外の者 |
★③について
「特定事業」は中小企業に該当する規模の事業のことです。
海外の事業が特定事業(中小企業の規模)の場合は、現地法人の社長として派遣される者も特別加入することができます。
★日本国内の事業が有期事業の場合は、海外派遣者の特別加入は認められません。
★日本国内の事業が継続事業なら、派遣先の海外の事業が有期事業の場合でも、特別加入させることができます。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
海外派遣者について、派遣先の海外の事業が厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業に該当する場合であっても、その事業の代表者は、労災保険の特別加入の対象とならない。
②【H26年出題】
日本に本社を有する企業であれば、その海外支店に直接採用された者についても、所轄都道府県労働局長に特別加入の申請をして承認を受けることによって、労災保険法が適用される。
【解答】
①【H24年出題】 ×
派遣先の海外の事業が中小企業(厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業)に該当する場合は、その事業の代表者も、労災保険の特別加入の対象となります。
②【H26年出題】 ×
海外支店で現地採用された者は、国内の事業からの派遣ではないので、特別加入の対象外です。
海外派遣者のポイント!
・ 新たに派遣される者に限らず、既に海外の事業に派遣されている者を特別加入させることもできます。
・ 単なる留学の目的で海外に派遣される者は、特別加入の対象となりません。
・ 海外出張者は、特別加入しなくても通常の労災保険の保護の対象となります。
(昭52.3.30基発第192号)
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R4-315
「遺族補償給付」には、「遺族補償年金」と「遺族補償一時金」があります。
今回のテーマは「遺族補償一時金」です。
条文を読んでみましょう。
法第16条の6、16条の8 遺族補償一時金は、次の場合に支給する。 ① 労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がないとき。 → 給付基礎日額の1,000日分 ② 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合において、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、当該労働者の死亡に関し支給された遺族補償年金の額及び遺族補償年金前払一時金の額の合計額が当該権利が消滅した日において前号に掲げる場合に該当することとなるものとしたときに支給されることとなる遺族補償一時金の額(給付基礎日額の1,000日分)に満たないとき。 → 「給付基礎日額の1,000日分」から「支給された遺族補償年金の額及び遺族補償年金前払一時金の額の合計額」を控除した額
法第16条の7 遺族補償一時金を受けることができる遺族は、次の各号に掲げる者とする。 1 配偶者 2 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母 3 前号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹 |
① 例えば、労働者の死亡の当時、遺族が障害状態にない50歳の夫のみだった場合、夫は、遺族補償年金を受けることはできませんが、遺族補償一時金(給付基礎日額の1,000日分)を受けられます。
② 例えば、労働者の死亡当時生計を維持されていた遺族が妻のみだった場合、妻は遺族補償年金を受けることができます。しかし、その後妻の受給権が消滅し、既に支給されていた年金が給付基礎日額の1,000日分に満たないときは、支給された年金の額の合計額との差額が支給されます。
遺族補償一時金を受ける遺族の順位
①配偶者(生計維持の有無は関係なし)
②生計維持していた子
③生計を維持していた父母
④生計を維持していた孫
⑤生計を維持していた祖父母
⑥生計を維持していなかった子
⑦生計を維持していなかった父母
⑧生計を維持していなかった孫
⑨生計を維持していなかった祖父母
⑩兄弟姉妹(生計維持の有無は関係なし)
過去問をどうぞ!
①【H10年出題】
遺族補償年金を受ける権利を有する死亡労働者の妻が再婚をした場合であっても、他に遺族補償年金の受給権者がいないときには、当該再婚をした妻は遺族補償一時金の請求権を有することがある。
②【H28年出題】
遺族補償年金の受給権を失権したものは、遺族補償一時金の受給権者になることはない。
③【H25年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、その祖父母は、当該労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。
④【H28年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、その兄弟姉妹は、当該労働者の死亡の当時、その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。
【解答】
①【H10年出題】 〇
遺族補償年金を受けている妻が再婚をした場合、遺族補償年金の受給権は失権します。その場合、既に支給された年金の合計額が給付基礎日額の1,000日未満の場合は、差額が遺族補償一時金として支給されます。
労働者との身分関係は「労働者の死亡の当時」でみることがポイントです。再婚により遺族補償年金の受給権が失権した場合でも、労働者の死亡の当時は妻だったので、遺族補償一時金の請求ができます。
②【H28年出題】 ×
①の問題のように、遺族補償年金の受給権を失権したものでも、遺族補償一時金の受給権を得ることがあります。
③【H25年出題】 〇
「遺族補償年金」は、労働者の死亡の当時その収入により生計を維持していたことが条件ですが、「遺族補償一時金」は、労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも、受給者となることがあります。
④【H28年出題】 〇
③の問題と同じです。
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R4-314
保険給付を受ける者が行政庁の命令に従わないときは、政府は保険給付の支払いを一時差し止めることができます。
条文を読んでみましょう。
法第47条の3 政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、第12条の7の規定による届出をせず、若しくは書類その他の物件の提出をしないとき、又は前2条の規定による命令(報告、出頭等の命令、受診命令)に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。 |
一時差し止められた保険給付は、差止め事由がなくなれば、差し止められていた給付の支払が行われます。
支給停止とは違いますので注意しましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、保険給付に関し必要な労災保険法施行規則で定める書類その他の物件を政府に提出しないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。
②【H25年出題】
政府は、保険給付に関して必要であると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができ、その者が命令に従わないときは、保険給付の支払を一時差し止めることができる。
③【H24年出題】
政府は、保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由なく、行政の出頭命令に従わないときは、保険給付の支給決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。
【解答】
①【H25年出題】 〇
保険給付を受ける権利を有する者が、正当な理由がなくて、保険給付に関し必要な書類その他の物件を政府に提出しないときは、政府は、保険給付の支払を一時差し止めることができます。
②【H25年出題】 〇
受診命令に従わないときは、政府は、保険給付の支払を一時差し止めることができます。
※参考 第47条の2(受診命令) 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。 |
③【H24年出題】 ×
行政の出頭命令に従わないときは、政府は、「保険給付の支払を一時差し止めること」ができます。「保険給付の支給決定を取り消し、支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。」は誤りです。
※参考 第47条(労働者及び受給者の報告、出頭等) 行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立している事業に使用される労働者若しくは保険給付を受け、若しくは受けようとする者に対して、この法律の施行に関し必要な報告、届出、文書その他の物件の提出若しくは出頭を命じ、又は保険給付の原因である事故を発生させた第三者に対して、報告等を命ずることができる。 |
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R4-313
障害等級は、1級から14級まであり、1級から7級の障害が残った場合は「障害補償年金」、8級から14級の障害が残った場合は「障害補償一時金」が支給されます。
障害補償年金を受ける労働者の障害の程度に変更があった場合は、変更後の障害等級に応じた障害補償年金又は障害補償一時金が支給されます。
条文を読んでみましょう。
法第15条の2 障害補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があったため、新たに他の障害等級に該当するに至った場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、新たに該当するに至った障害等級に応ずる障害補償年金又は障害補償一時金を支給するものとし、その後は、従前の障害補償年金は、支給しない。 |
ポイント!
★「変更があった」とは?
障害の程度が自然的経過により増進し、又は軽減したことをいいます。
※「変更」に含まれないもの→「新たな傷病で障害の程度が加重した」、「傷病が再発した後治ゆし、その後に残った障害の程度が増進又は軽度になった」場合は変更に含まれません。
★対象は「障害補償年金」のみ
主語に注目してください。変更の対象は、「障害補償年金」を受ける労働者に限定されています。
「障害補償一時金」の場合は、後から障害の程度が増進又は軽減した場合でも、変更の対象にはなりません。
★具体例
・障害等級3級が自然的経過により増進し、障害等級1級に該当するに至った場合
→ 新たに該当した「1級」の障害補償年金を支給し、その後は3級の障害補償年金は支給されません。
・障害等級5級が自然的経過により軽減し、障害等級8級に該当するに至った場合
→ 新たに該当した「8級」の障害補償一時金を支給し、その後は5級の障害補償年金は支給されません。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
障害補償年金を受ける者の障害の程度について自然的経過により変更があった場合には、新たに該当することとなった障害等級に応ずる障害補償給付が支給され、その後は、従前の障害補償年金は支給されない。
②【H30年出題】
障害補償一時金を受けた者については、障害の程度が自然的経過により増進しても、障害補償給付の変更が問題となることはない。
【解答】
①【H21年出題】 〇
「障害補償年金を受ける者」と「自然的経過により変更」がチェックポイントです。
また、「新たに該当することとなった障害等級に応ずる「障害補償給付」が支給され」の「障害補償給付」にも注目してください。「障害補償給付」には「年金」も「一時金」も含まれます。1級から7級の範囲内の変更なら年金が支給されますが、8級以下になった場合は一時金が支給されます。
②【H30年出題】 〇
「障害補償一時金」の場合は、障害の程度が自然的経過により変更しても、障害補償給付の変更が行われることはありません。
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R4-312
同一のケガや病気で障害が2つ以上残ったときは、原則として、重い方の障害等級が全体の障害等級となります。(併合といいます)
しかし、13級以上の障害が2つ以上あるときは、重い方の障害等級を1級ないし3級繰り上げます。(併合繰上げといいます。)
条文を読んでみましょう。
則第14条 ② 別表第一に掲げる身体障害が2以上ある場合には、重い方の身体障害の該当する障害等級による。 ③ 次の各号に掲げる場合には、重い方の障害等級をそれぞれ当該各号に掲げる等級だけ繰り上げた障害等級による。 1 第13級以上に該当する身体障害が2以上あるとき 1級繰り上げ 2 第8級以上に該当する身体障害が2以上あるとき 2級繰り上げ 3 第5級以上に該当する身体障害が2以上あるとき 3級繰り上げ |
(併合について)
例えば、同一事由で、14級と9級の2つの障害が残った場合は、全体として重い方の9級の障害等級となります。
重い方の障害等級が全体の障害等級となるのは、一方が14級の場合に限られます。
(併合繰上げについて)
併合繰上げが行われるのは、13級以上の障害が2つ以上残った場合です。
例えば、同一の事由で、5級と4級が残った場合は、重い方の4級が3級繰り上がって、全体として障害等級は1級となります。
しかし、例外もあります。
13級と9級が残った場合は、重い方の9級が1級繰り上がって8級となります。
8級の一時金は「503日分」、13級(101日分)と9級(391日分)を合算すると492日分です。繰り上がった結果の方が大きくなるのは、13級と9級が残った場合だけです。このため、13級と9級が残った場合は、繰り上がった8級の一時金ではなく、13級と9級を合算した492日分の一時金が支給されます。(則第14条第3項但し書き)
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
障害補償給付を支給すべき身体障害の障害等級については、同一の業務災害により身体障害が2以上ある場合で、一方の障害が第14級に該当するときは、重い方の身体障害の該当する障害等級による。
②【H30年出題】
障害等級表に該当する障害が2以上あって厚生労働省令の定める要件を満たす場合には、その障害等級は、厚生労働省令の定めに従い繰り上げた障害等級による。具体例は次の通りである。
① 第5級、第7級、第9級の3障害がある場合 第3級
② 第4級、第5級の2障害がある場合 第2級
③ 第8級、第9級の2障害がある場合 第7級
【解答】
①【R2年出題】 〇
同一の業務災害により身体障害が2以上ある場合で、一方の障害が第14級に該当するときは、全体として重い方の障害等級になります。例えば、14級と10級が残った場合は、全体として10級となります。
②【H30年出題】 ×
① 第5級、第7級、第9級の3障害がある場合は、「8級以上」が、5級と7級の2つあるので、重い方の5級が2級繰り上がって「第3級」となります。
② 第4級、第5級の2障害がある場合は、「5級以上」が、4級と5級の2つあるので、重い方の4級が3級繰り上がって「第1級」となります。
③ 第8級、第9級の2障害がある場合は、「13級以上」が8級と9級の2つあるので、重い方の8級が1級繰り上がって「第7級」となります。
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R4-311
ストレスチェックとは?
・労働者が、ストレスに関する質問票に記入して
↓
・それを集計、分析して
↓
・自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査です。
労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果に基づく医師による面接指導等を内容とする制度(以下「ストレスチェック制度」という。)で、平成27年12月から始まりました。なお、この制度は、メンタルヘルス不調の労働者を把握することを目的とした制度ではありません。
(参照:平成27.5.1基発0501第3号)
条文を読んでみましょう。
第66条の10 (心理的な負担の程度を把握するための検査等) 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。 |
過去問をどうぞ!
①【H28年選択式】 ※改正による修正あり
労働安全衛生法第66条の10により、事業者が労働者に対し実施することが求められている医師等による心理的な負担の程度を把握するための検査における医師等とは、労働安全衛生規則第52条の10において、医師、保健師のほか、検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した歯科医師、看護師、< A >又は公認心理師とされている。
②【H30年出題】
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。
③【H30年出題】
ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の職場における心理的な負担の原因に関する項目を含めなければならない。
④【H30年出題】
ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者への職場における他の労働者による支援に関する項目を含めなければならない。
⑤【H30年出題】
ストレスチェックの項目には、ストレスチェックを受ける労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目を含めなければならない。
⑥【H30年出題】
ストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならないので、ストレスチェックを受けていない労働者を把握して、当該労働者に直接、受検を勧奨してはならない。
【解答】
①【H28年選択式】 ※改正による修正あり
A 精神保健福祉士
(則第52条の10)
②【H30年出題】 〇
則第52条の9で「事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回」、ストレスチェックを行わなければならない旨規定されています。
産業医の選任が義務づけられている常時50人以上の労働者を使用する事業者が対象です。常時50人未満の事業場は、当分の間「行うように努めなければならない(努力義務)」となっています。
(法第66条の10、則第52条の9、法附則第4条)
③【H30年出題】 〇
④【H30年出題】 〇
⑤【H30年出題】 〇
検査の項目については、次の3つが定められています。
1 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
2 当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
3 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
(則第52条の9)
⑥【H30年出題】 ×
則第52条の10第2項で、「検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない。」と規定されています。
人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者が従事することができない事務は、ストレスチェックの実施に直接従事すること及び実施に関連してストレスチェックの実施者の指示のもと行われる労働者の健康情報を取り扱う事務をいいます。
「ストレスチェックを受けていない労働者に対する受検の勧奨」は、健康情報を取り扱う事務に含まれないので、人事に関して直接の権限をもつ監督的地位にある者が従事して差し支えないとされています。
(平成27.5.1基発0501第3号)
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R4-310
一定の有害な業務に従事する労働者については、その業務への配置換えの際及び6か月以内ごとに1回定期に健康診断を実施しなければなりません。
条文を読んでみましょう。
則第45条 (特定業務従事者の健康診断) 事業者は、第13条第1項第3号に掲げる業務(一定の有害業務)に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、第44条第1項各号に掲げる項目(定期健康診断の診断項目)について医師による健康診断を行わなければならない。この場合において、同項第4号の項目(胸部エックス線及び喀痰検査)については、1年以内ごとに1回、定期に、行えば足りるものとする。 |
★ 定期健康診断は1年以内ごとに1回行わなければなりませんが、特定業務従事者については、当該業務への配置換えの際及び6か月以内ごとに1回の実施が義務づけられています。
診断項目は定期健康診断の診断項目です。
では、過去問をどうぞ!
①【H17年出題】
事業者は、強烈な騒音を発する場所における業務に常時従事する労働者に対しては、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
②【H27年出題】
事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者については、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定める項目について健康診断を実施しなければならない。
【解答】
①【H17年出題】 〇
強烈な騒音を発する場所における業務は、特定業務従事者の健康診断の対象です。
(則第45条第1項)
②【H27年出題】 〇
深夜業を含む業務は、特定業務従事者の健康診断の対象です。
(則第45条第1項)
ポイント!「有害な業務の範囲」について
一定の有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、専属の産業医を選任しなければなりません。
特定業務従事者の業務の範囲は、専属の産業医が必要な「一定の有害な業務」の範囲と同じです。
その中に、「深夜業を含む業務」が入っているのがポイントです。
過去問で確認しましょう。
③【H17年出題】
深夜業を含む業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場にあっては、その事業場に専属の産業医を選任しなければならない。
【解答】
③【H17年出題】 〇
「深夜業を含む業務」に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、専属の産業医を選任しなければなりません。
ポイント! 衛生管理者の選任要件にも注意しましょう。
衛生管理者のうち少なくとも1人を専任の衛生管理者としなければならない事業場は、1 常時千人を超える労働者を使用する事業場
2 常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働基準法施行規則第18条各号に掲げる業務(一定の有害業務)に常時30人以上の労働者を従事させるもの
※2の一定の有害業務に、「深夜業」が含まれないことがポイントです。
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R4-309
事業者は、常時使用する労働者に対して、定期的に健康診断を行わなければなりません。
定期健康診断のポイントをおさえましょう。
条文を読んでみましょう。
則第44条 (定期健康診断) ① 事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。 1 既往歴及び業務歴の調査 2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査 3 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査 4 胸部エックス線検査及び喀痰検査 5 血圧の測定 6 貧血検査 7 肝機能検査 8 血中脂質検査 9 血糖検査 10 尿検査 11 心電図検査 ② 一定の項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。 |
★ 定期健康診断と雇入れ時の健康診断の項目の違い
定期健康診断は「胸部エックス線検査及び喀痰検査」ですが、雇入れ時の健康診断は「胸部エックス線検査」です。「喀痰検査」以外は雇入れ時の健康診断の項目と同じです。
★ 省略できる項目は、厚生労働大臣が定める基準に具体的に定められています。省略できるのは、「医師が必要でないと認めるとき」ですので、注意してください。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題 】
事業者は、常時使用する労働者に対し、定期に、所定の項目について医師による健康診断を行わなければならないとされているが、その費用については、事業者が全額負担すべきことまでは求められていない。
②【H27年出題】
常時使用する労働者に対して、事業者に実施することが義務づけられている健康診断は、通常の労働者と同じ所定労働時間で働く労働者であっても1年限りの契約で雇い入れた労働者については、その実施義務の対象から外されている。
③【R1年出題】
期間の定めのない労働契約により使用される短時間労働者に対する一般健康診断の実施義務は、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上の場合に課せられているが、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数のおおむね2分の1以上である者に対しても実施することが望ましいとされている。
【解答】
①【R1年出題 】 ×
「定期健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであること」とされています。
(S47.9.18基発第602号)
②【H27年出題】 ×
定期健康診断は、「常時使用する労働者」が対象です。
常時使用する短時間労働者とは次の①と②のどちらの要件も満たす者です。
① 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年(特定業務従事者の健康診断は6か月)以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
② その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
問題文の場合は、「通常の労働者と同じ所定労働時間」で「1年ちょうど」の契約で雇い入れていますので、対象となります。
(H26.7.24基発0724第2号)
③【R1年出題】 〇
1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満である短時間労働者であっても上記の①の要件(契約期間が原則1年以上)に該当し、1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数のおおむね2分の1以上である者に対しても一般健康診断を実施することが望ましい、とされています。
(H26.7.24基発0724第2号)
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R4-308
労働基準法の保護の対象になる「労働者」の定義を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第9条 (定義) この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 |
「職業の種類を問わず」、「事業又は事務所に使用され」、「賃金を支払われる者」は労働者として、労働基準法の保護の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
形式上は請負契約のようなかたちをとっていても、その実体において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たる。
②【H29年出題】
工場が建物修理の為に大工を雇う場合、そのような工事は一般に請負契約によることが多く、また当該工事における労働は工場の事業本来の目的の為のものでもないから、当該大工が労働基準法第9条の労働者に該当することはなく、労働基準法が適用されることはない。
【解答】
①【H27年出題】 〇
形式上は請負契約でも、実態として「使用従属関係が認められる」ときは、労働基準法第9条の「労働者」に当たります。
(参考)
労働基準法上の労働者性は、次の1・2を総合的に勘案することで、個別具体的に判断する、とされています。
1 使用従属性に関する判断基準
(1)指揮監督下の労働
①仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
②業務遂行上の指揮監督の有無
③拘束性の有無
④代替性の有無
(2)報酬の労務対償性
2 労働者性の判断を補強する要素
(1)事業者性の有無
(2)専属性の程度
(3)その他
★昭和60年厚生労働省「労働基準法研究会報告(労働基準法の「労働者」の判断基準について)」より
②【H29年出題】 ×
請負契約によらず雇用契約によりその事業主と大工との間に使用従属関係が認められる場合は、労働基準法の労働者ですので、労働基準法の適用を受けます。
(平11.3.31基発168号)
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R4-307
「休憩時間」は、「労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間」です。(昭22.9.13発基17号)
休憩は、「途中付与」、「一斉付与」、「自由利用」が原則です。
今回は、休憩時間の長さがテーマです。
条文を読んでみましょう。
第34条 (休憩) ① 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 ② 休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。 ③ 使用者は、休憩時間を自由に利用させなければならない。 |
過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
使用者は、所定労働時間が5時間である労働者に1時間の所定時間外労働を行わせたときは、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
②【H23年出題】
労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定を締結し、行政官庁に届け出た場合においても、使用者は、1日の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
③【H24年出題】
使用者は、1日の労働時間が8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならず、1日の労働時間が16時間を超える場合には少なくとも2時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
【解答】
①【H21年出題】 ×
労働時間が6時間を「超える」場合は45分以上、8時間を「超える」場合は1時間以上の休憩を与えなければなりません。
問題文の労働時間は6時間ちょうどですので、休憩を与える義務はありません。
②【H23年出題】 〇
36協定を締結し、行政官庁に届け出た場合でも、使用者には、休憩時間を与える義務があります。
③【H24年出題】 ×
1日の労働時間が8時間を超える場合は、1時間以上の休憩時間を与えなければなりません。1日の労働時間が16時間を超える場合でも、1時間以上の休憩を与えれば、労働基準法の条件は満たします。
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R4-306
例えば、規模の小さい飲食店を思い浮かべてください。
★1週間単位の非定型的変形労働時間制の趣旨
日ごとの業務に著しい繁閑が生じることが多く、かつ、その繁閑が定型的に定まっていない場合に、1週間を単位として、一定の範囲内で、就業規則その他これに準ずるものによりあらかじめ特定することなく、1日の労働時間を10時間まで延長することを認めることにより、労働時間のより効率的な配分を可能とし、全体としての労働時間を短縮しようとするものであること。
(昭63.1.1基発第1号)
では、条文を読んでみましょう。
第32条の5 ① 使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であって、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、第32条第2項の規定にかかわらず、1日について10時間まで労働させることができる。 ② 使用者は、①の規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働させる1週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない。 ③ 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、労使協定を行政官庁に届け出なければならない。
則第12条の5 ① 法第32条の5第1項の厚生労働省令で定める事業は、小売業、旅館、料理店及び飲食店の事業とする。 ② 法第32条の5第1項の厚生労働省令で定める数は、30人とする。 |
ポイント!
★1週間の非定型的変形労働時間制が導入できる事業は、規模30人未満の小売業、旅館、料理店及び飲食店に限定されています。
★労使協定の締結が必要です。(所轄労働基準監督署長に届け出が必要です。)
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
労働基準法第32条の5に定めるいわゆる1週間単位の非定型的変形労働時間制は、小売業、旅館、料理店若しくは飲食店の事業の事業場、又は、常時使用する労働者の数が30人未満の事業場、のいずれか1つに該当する事業場であれば採用することができる。
②【H22年出題】
労働基準法第32条の5に定めるいわゆる1週間単位の非定型的変形労働時間制については、日ごとの業務の繁閑を予測することが困難な事業に認められる制度であるため、1日の労働時間の上限は定められていない。
【解答】
①【H28年出題】 ×
1週間単位の非定型的変形労働時間制を採用できるのは、小売業、旅館、料理店、飲食店の事業で、「かつ」、常時使用する労働者の数が30人未満の事業場です。
事業と規模の両方に該当する必要があります。
②【H22年出題】 ×
1週間単位の非定型的変形労働時間制については、1日の労働時間の上限は「10時間」と定められています。
また、1週間の所定労働時間は40時間以下で定めなければなりません。特例事業場でも44時間は適用されません。
なお、事前通知については、則第12条の5第3項で以下のように定められています。
(原則) 1週間の各日の労働時間の通知は、少なくとも、当該1週間の開始する前に、書面により行わなければならない。
(例外) 緊急でやむを得ない事由がある場合には、使用者は、あらかじめ通知した労働時間を変更しようとする日の前日までに書面により当該労働者に通知することにより、当該あらかじめ通知した労働時間を変更することができる。
原則として、1週間が始まる前に、1週間の各日の労働時間を書面で通知することにより、1日10時間まで労働させることができます。
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R4-305
労働者が退職する場合に、賃金など労働者の権利に属する金品の返還が遅くなると、労働者の生活に支障をきたします。そのような不便を防ぐための規定です。
では、条文を読んでみましょう。
第23条 (金品の返還) ① 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。 ② 賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、①の期間中に支払い、又は返還しなければならない。
|
「権利者」とは、労働者が退職の場合は労働者本人、労働者が死亡した場合は、その労働者の相続人です。(昭22.9.13発基第17号)
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならないが、この賃金又は金品に関して争いがある場合においては、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければならない。
②【H30年出題】
労働基準法第20条第1項に定める解雇予告手当は、同法第23条に定める、労働者の退職の際、その請求に応じて7日以内に支払うべき労働者の権利に属する金品にはあたらない。
③【H12年出題】
使用者は、労働者が退職する場合において、労働者から請求があった場合においては、争いがある部分を除き、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称のいかんを問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。このことは、退職手当についても同様である。
【解答】
①【R2年出題】 〇
賃金又は金品について労使で争いがある場合は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還すればよいことになっています。
②【H30年出題】 〇
解雇予告手当は、「解雇の申し渡しと同時に支払うべきもの」とされています。
(昭23.3.17基発464号)
③【H12年出題】 ×
退職手当は、通常の賃金とは異なり、予め就業規則で定められた支払時期に支払えば足りるとされています。
(昭26.12.27基収5483号)
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R4-304
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、要介護者や要支援者の人の相談や心身の状況に応じるとともに、訪問介護、デイサービスなどのサービスを受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)の作成や市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行います。 (参考:厚生労働省ホームページ)
条文を読んでみましょう。
第69条の2 (介護支援専門員の登録) 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者であって、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、かつ、介護支援専門員実務研修の課程を修了したものは、厚生労働省令で定めるところにより、当該都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、一定の事由に該当する者については、この限りでない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
厚生労働省令で定める実務の経験を有する者であって、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に合格し、かつ、都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う研修(介護支援専門員実務研修)の課程を修了したものは、厚生労働省令で定めるところにより、介護支援専門員として当該都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、介護保険法第69条の2第1項各号に掲げる者に該当する場合については、その限りでない。
②【H26年出題】
介護支援専門員証の有効期間は、5年とする。ただし、介護保険法第69条の7第5項の規定により、登録の移転に伴い交付されたものを除く。
【解答】
①【H22年出題】 〇
(参考)介護保険法第69条の2第1項各号に掲げられているのは、「心身の故障により介護支援専門員の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの」、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者」等です。
②【H26年出題】 〇
登録を受けている者は、都道府県知事に対し、「介護支援専門員証」の交付を申請することができます。介護支援専門員証の有効期間は、5年です。ただし、法第69条の7第5項の規定により、登録の移転に伴い交付されたものは除かれます。
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R4-303
「雇用均等基本調査」は、男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に実施しています。
参照:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査:調査の概要」
今回は、「育児休業制度の利用状況」から、「 育児休業者の割合」を読んでみましょう。
① 女性 平成30年10月1日から令和元年9月30日までの1年間に在職中に出産した女性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む。)の割合は 81.6%と、前回調査(令和元年度 83.0%)より 1.4 ポイント低下した。 ② 男性 平成30年10月1日から令和元年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む。)の割合は 12.65%と、前回調査(令和元年度 7.48%)より 5.17 ポイント上昇した。この内、育休期間が5日未満の取得者の割合は 28.33%だった。 参照:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査:調査の概要」 |
では、問題を解いてみましょう。
【問題①】
平成30年10月1日から令和元年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む。)の割合は81.6%だった。
【問題②】
平成30年10月1日から令和元年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む。)の割合は 12.65%で、この内、育休期間が5日未満の取得者の割合は28.33%だった。
【解答】
【問題①】 ×
「12.65」%です。81.6%は女性の取得率です。
細かい数字まで覚える必要はありません。ざっくりで結構です。
【問題②】 〇
育休期間が5日未満の取得者の割合は 28.33%です。
参照:厚生労働省「「令和2年度雇用均等基本調査」の結果概要https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r02/07.pdf
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R4-302
就労条件総合調査は、主要産業における企業の労働時間制度、賃金制度等について総合的に調査し、我が国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として実施されています。
今回は、令和3年就労条件総合調査の概況から、「労働者1人平均年次有給休暇の取得状況」をみてみましょう。
令和2年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1 人平均は 17.9 日(令和2年調査 18.0 日)、このうち労働者が取得した日数は 10.1 日(同 10.1日)で、取得率は 56.6%(同 56.3%)となっており、昭和 59 年以降過去最高となっている。 取得率を産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が 73.3%と最も高く、「宿泊業,飲食サービス業」が 45.0%と最も低くなっている。 参照:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況」 |
では、問題を解いてみましょう。
【問題①】
令和2年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1 人平均は 17.9 日、このうち労働者が取得した日数は 10.1 日で、取得率は 56.6%となっており、昭和 59 年以降過去最低となっている。
【問題②】
年次有給休暇の取得率を産業別にみると、「宿泊業,飲食サービス業」が 73.3%と最も高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」が 45.0%と最も低くなっている。
【解答】
【問題①】 ×
昭和 59 年以降過去最低ではなく、昭和 59 年以降過去最高となっています。
【問題②】 ×
「宿泊業,飲食サービス業」と「電気・ガス・熱供給・水道業」が逆です。「電気・ガス・熱供給・水道業」が 73.3%と最も高く、「宿泊業,飲食サービス業」が 45.0%と最も低くなっています。
参照:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaikyou.pdf
では、過去問もどうぞ!
【R2年選択式】
我が国の労働の実態を知る上で、政府が発表している統計が有用である。年齢階級別の離職率を知るには< A >、年次有給休暇の取得率を知るには< B >、男性の育児休業取得率を知るには< C >が使われている。
【解答】
A 雇用動向調査
B 就労条件総合調査
C 雇用均等基本調査
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R4-301
令和4年4月から、60歳台前半の在職老齢年金の計算式が改正されました。確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
法附則第11条 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者等である日が属する月において、その者の総報酬月額相当額と老齢厚生年金の額を12で除して得た額(以下「基本月額」という。)との合計額が支給停止調整額を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、総報酬月額相当額と基本月額との合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下「支給停止基準額」という。)に相当する部分の支給を停止する。 ただし、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとする。 |
用語の定義を確認しましょう。
★総報酬月額相当額
(その月の標準報酬月額) + (その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12
★基本月額
老齢厚生年金の額(加給年金額を除く) ÷ 12
★支給停止調整額
令和4年度は47万円
① 「基本月額+総報酬月額相当額」が47万円以下の場合は、全額支給されます。
② 「基本月額+総報酬月額相当額」が47万円を超える場合は、
(「基本月額+総報酬月額相当額」-47万円)の2分の1が支給停止されます。
③ 支給停止基準額「(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)×2分の1」が、老齢厚生年金の額以上の場合は、全額支給停止されます。
※上記の計算式は月額です。支給停止基準額は、正確には12を乗じた額となります。
例えば、基本月額が20万円、総報酬月額相当額が32万円の場合は、20万円+32万円=52万円で47万円を超えますので、一部が支給停止になります。
(20万円+32万円-47万円)×2分の1=2万5千円が支給停止されます。
過去問をどうぞ!
【H25年出題】
在職老齢年金の支給停止額を計算する際の「総報酬月額相当額」とは、その者の標準報酬月額と直前の7月1日以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額である。
【解答】
【H25年出題】 ×
「総報酬月額相当額」とは、その者の標準報酬月額と「その月以前」の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額です。
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R4-300
今日のテーマは、65歳以上の人が「老齢厚生年金」と「遺族厚生年金」の受給権を得た場合の調整です。
条文を読んでみましょう。
第64条の2 遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止する。 |
ポイント!
65歳以上で老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権がある場合
→ 本人の老齢厚生年金が支給されます。(老齢厚生年金が優先です)本人が納付した保険料を年金額に反映させるためです。
→ 遺族厚生年金の額が、老齢厚生年金より高い場合は、差額が受けられます。
→ 老齢厚生年金が遺族厚生年金より高い場合は、遺族厚生年金は全額支給停止されます。
例えば、老齢厚生年金が30万円、遺族厚生年金が40万円の場合、遺族厚生年金のうち30万円は支給停止され、差額の10万円が遺族厚生年金として支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】※改正による修正あり
遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止する。
②【H29年出題】
昭和27年4月2日生まれの遺族厚生年金の受給権者が65歳に達し、老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該遺族厚生年金は、当該老齢厚生年金の額(加給年金額が加算されている場合は、その額を除く。)に相当する部分の支給が停止される。
【解答】
①【H22年出題】 〇 ※改正による修正あり
65歳以上で、老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権があるときは、老齢厚生年金を支給し、遺族厚生年金は、「当該老齢厚生年金の額に相当する部分」の支給が停止されます。
遺族厚生年金が老齢厚生年金より高ければ、その差額が支給されます。
また、遺族厚生年金が老齢厚生年金より低ければ、遺族厚生年金は全額支給停止となります。
②【H29年出題】 〇
老齢厚生年金に加給年金額が加算されている場合は、加給年金の額は除かれることに注意してください。
(法第60条第1項第2号ロ、法第64条の2)
★ポイント!
「65歳に達している」がポイントです。
65歳前の「特別支給の老齢厚生年金」と「遺族厚生年金」はどちらかを選択します。
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R4-299
遺族厚生年金は、報酬比例部分×4分の3で計算します。※報酬比例部分は、死亡した人の被保険者期間や報酬をベースに計算します。
ただし、老齢厚生年金の受給権がある65歳以上の配偶者が受給する遺族厚生年金については、注意が必要です。
では、条文を読んでみましょう。
第60条、法附則第17条の2 (年金額) 遺族厚生年金の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。 ただし、遺族厚生年金の受給権者が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けるときは、①に定める額とする。 ① 第59条第1項に規定する遺族(次号に掲げる遺族を除く。)が遺族厚生年金の受給権を取得したとき → 死亡した被保険者又は被保険者であった者の被保険者期間を基礎として第43条第1項の規定(老齢厚生年金の年金額)の例により計算した額の4分の3に相当する額。 ただし、短期要件に該当することにより支給される遺族厚生年金については、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として計算した額とする。 ② 遺族のうち、老齢厚生年金の受給権を有する配偶者(65歳に達している者に限る。)が遺族厚生年金の受給権を取得したとき → ①に定める額又は次のイ及びロに掲げる額を合算した額のうちいずれか多い額 イ ①に定める額に3分の2を乗じて得た額 ロ 当該遺族厚生年金の受給権者の老齢厚生年金の額(加給年金額が加算された老齢厚生年金にあっては、加給年金額は除く。)に2分の1を乗じて得た額
|
ポイント!
遺族厚生年金の額は、「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分×4分の3」で計算するのが原則です。
ただし、65歳以上で、老齢厚生年金の受給権を有する人が、配偶者の死亡により遺族厚生年金の受給権を有する場合の年金額は、
次の①と②の額を比較し、高い方になります。
① 死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分×4分の3
② 「①の計算式の額×3分の2」と「自身の老齢厚生年金(子の加給年金額は除く)の額×2分の1」を合計した額
例えば、夫(老齢厚生年金(報酬比例部分)の額が80万円)、妻(65歳以上・老齢厚生年金の額が70万円)の場合であてはめると、夫が死亡した場合の妻の遺族厚生年金の額は、以下のようになります。
① 80万円×4分の3=60万円
② 「60万円×3分の2」+「70万円×2分の1」=75万円
①と②の高い方になりますので、妻の遺族厚生年金は②の75万円となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
被保険者が死亡したことによる遺族厚生年金の額は、死亡した者の被保険者期間を基礎として同法第43条第1項の規定の例により計算された老齢厚生年金の額の4分の3に相当する額とする。この額が、遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額に満たないときは、当該4分の3を乗じて得た額を遺族厚生年金の額とする。
②【R3年出題】
63歳の被保険者の死亡により、その配偶者(老齢厚生年金の受給権を有し、65歳に達している者とする。)が遺族厚生年金を受給したときの遺族厚生年金の額は、死亡した被保険者の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の額の4分の3に相当する額と、当該遺族厚生年金の受給権者の有する老齢厚生年金の額に3分の2を乗じて計算した額のうちいずれか多い額とする。
【解答】
①【H28年出題】 ×
遺族厚生年金の額は、死亡した者の被保険者期間を基礎として計算した「老齢厚生年金の額の4分の3」に相当する額です。しかし、遺族基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額を最低保障とする規定はありません。
②【R3年出題】 ×
配偶者(老齢厚生年金の受給権を有し、65歳に達している者とする。)の遺族厚生年金の額は①と②のどちらか多い方です。
①死亡した被保険者の被保険者期間を基礎として計算した老齢厚生年金の額の4分の3
②①の額の3分の2+配偶者本人の老齢厚生年金の額の2分の1
ワンポイント!
第60条第1項に、「ただし、遺族厚生年金の受給権者が当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けるときは、①に定める額とする。」と規定されています。
65歳以上で老齢厚生年金の受給権を有する配偶者でも、同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の支給を受けるときは、遺族厚生年金の額は①で計算します。
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R4-298
任意加入被保険者は、強制ではなく本人の申出により「任意」で加入している関係上、保険料を滞納した場合は、その資格を喪失します。
では、「保険料を滞納した場合の喪失」について、条文で確認しましょう。
任意加入被保険者の種類(法附則第5条第1項) ① 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) ② 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) ③ 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
法附則第5条第5項 ①と②について 保険料を滞納し、督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、その指定期限の翌日に資格を喪失する。 ③について 保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したときは、2年間が経過した日の翌日に資格を喪失する。 |
ポイント!
①と②は「日本国内に住所を有する」任意加入被保険者、③は「日本国内に住所を有しない」任意加入被保険者です。滞納した場合の喪失日の違いに注意しましょう。
滞納した場合の扱いは、特例による任意加入被保険者も同じです。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者が保険料を滞納した場合であって、督促状で指定した期限までに保険料を納付しないときは、その日の翌日に被保険者の資格を喪失する。
②【H29年出題】
日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者が保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したときは、その翌日に任意加入被保険者の資格を喪失する。
③【H22年出題】
日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の在外邦人で任意加入している者が保険料を滞納したとき、保険料を納付することなく2年経過した日に被保険者資格を喪失する。
【解答】
①【H21年出題】 〇
「日本国内に住所を有する」の部分がポイントです。
督促状で指定した期限の「翌日」の部分もポイントです。当日ではありませんので、注意してください。
②【H29年出題】 ×
「日本国内に住所を有する」ので、資格の喪失は、「督促状の指定期限までに、その保険料を納付しないときは、その指定期限の翌日」です。
③【H22年出題】 ×
「日本国内に住所を有しない」の部分がポイントです。
「2年経過した日」ではなく、2年間が経過した日の「翌日」に被保険者資格を喪失します。
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R4-297
任意加入被保険者も特例による任意加入被保険者も、第1号被保険者と同じように保険料を納付します。
しかし、付加保険料、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金については注意が必要です。
「任意加入被保険者」は、「付加保険料の納付」、「寡婦年金」、「死亡一時金」、「脱退一時金」については、第1号被保険者と同じように扱われます。
(法附則第5条第9項)
「特例による任意加入被保険者」は、「死亡一時金」と「脱退一時金」は、第1号被保険者と同じ扱いです。
しかし、「付加保険料の納付」と「寡婦年金」は「特例による任意加入被保険者」には適用されません。
特例による任意加入の目的は増やすことではなく受給権を得るためです。老齢基礎年金の上乗せになる付加保険料の納付ができないのは、そのためです。
保険料の掛け捨てを防止する趣旨である死亡一時金と脱退一時金は、特例による任意加入被保険者にも適用されます。
(H16法附則第23条第10項)
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
任意加入被保険者(特例による任意加入被保険者を除く。以下本問において同じ。)は、付加保険料の納付に係る規定の適用については第1号被保険者とみなされ、任意加入被保険者としての被保険者期間は、寡婦年金、死亡一時金及び脱退一時金に係る規定の適用については、第1号被保険者としての被保険者期間とみなされる。
②【H23年出題】
65歳以上70歳未満の任意加入被保険者は、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金等の給付に関する規定の適用については、第1号被保険者とみなされる。
③【H27年出題】
65歳以上の特例による任意加入被保険者が死亡した場合であっても、死亡一時金の支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給される。
④【R2年出題】
日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができる。
⑤【R2年出題】
60歳から任意加入被保険者として保険料を口座振替で納付してきた65歳の者(昭和30年4月2日生まれ)は、65歳に達した日において、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていない場合、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされ、引き続き保険料を口座振替で納付することができ、付加保険料についても申出をし、口座振替で納付することができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
任意加入被保険者は、付加保険料を納付することができ、寡婦年金、死亡一時金、脱退一時金については、第1号被保険者として扱われます。
②【H23年出題】 ×
65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者は、「死亡一時金」と「脱退一時金」の給付については、第1号被保険者として扱われますが、「寡婦年金」については適用されません。
③【H27年出題】 〇
死亡一時金については、特例による任意加入被保険者は第1号被保険者として扱われますので、支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給されます。
④【R2年出題】 〇
任意加入被保険者は、付加保険料を納付することができます。ただし、特例による任意加入被保険者は付加保険料を納付することはできません。
⑤【R2年出題】 ×
付加保険料の部分が誤りです。特例による任意加入被保険者は、付加保険料を納付できません。
なお、任意加入被保険者(昭和40年4月1日以前に生まれた者に限る。)が、65歳に達した日に、老齢基礎年金の受給権を有していない場合は、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされます。
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R4-296
任意加入被保険者は、年金の受給権確保等のため、月々の保険料を確実に納付する必要があります。そのため、口座振替による保険料納付が原則となっています。
よく出題されていますので、確認していきましょう。
では、条文を読んでみましょう。
法附則第5条 (任意加入被保険者) ① 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの ② ①の第1号又は第2号に該当する者が任意加入の申出を行おうとする場合には、口座振替納付を希望する旨の申出又は口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出を厚生労働大臣に対してしなければならない。 |
ポイント!
第1号又は第2号(日本国内に住所を有する者)が、任意加入の申出を行う場合は、「口座振替納付を希望する」旨の申出又は「口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨」の申出が必要です。
★特例による任意加入被保険者も同じです。
過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者が、任意加入被保険者となる申出を行おうとする場合には、口座振替納付を希望する旨の申出または口座振替によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出を、厚生労働大臣に対して行わなければならない。
②【H28年出題】
日本国内に住所を有する者が任意加入の申出を行おうとする場合は、原則として、保険料は口座振替納付により納付しなければならないが、任意加入被保険者の資格を喪失するまでの期間の保険料を前納する場合には、口座振替納付によらないことができる。
③【H21年出題】
国民年金法の規定によると、日本国籍を有する者であって日本国内に住所を有しない60歳以上65歳未満のものが任意加入の申出をする場合には、正当な事由がある場合を除き、口座振替納付を希望する旨の申出を厚生労働大臣に対してしなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
任意加入被保険者、特例による任意加入被保険者の保険料の納付は、口座振替納付が原則となります。任意加入の申出を行おうとする者は、「口座振替納付を希望する旨」又は「口座振替納付によらない正当な事由に該当する旨」の申出をしなければなりません。
なお、この規定が適用されるのは、「日本国内に住所を有する」ものです。
②【H28年出題】 〇
「口座振替納付によらない正当な事由がある場合」は、則第2条の2で以下のように定められています。
①申出を行う時点において、預金口座又は貯金口座を有していない場合
②資格を喪失するまでの期間の保険料を前納する場合
③その他前2号に掲げる事由に準ずる事由により口座振替納付によらない正当な事由があると認められる場合
問題文は②に該当しますので、口座振替によらないことができます。
(則第2条の2)
③【H21年出題】 ×
「日本国内に住所を有しない」ものは、口座振替納付を希望する旨の申出は要りません。(法附則第5条第2項)
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R4-295
前回は、「任意加入被保険者」のお話をしましたが、今回のテーマは「特例による任意加入被保険者」です。
任意加入被保険者との違いをおさえましょう。
まず、「特例による任意加入被保険者」の条文を読んでみましょう。
H6法附則第11条、H16法附則第23条 (任意加入被保険者の特例) 昭和40年4月1日以前に生まれた者であって、次の各号のいずれかに該当するもの(国民年金法に規定する第2号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、国民年金の被保険者となることができる。 ただし、その者が老齢基礎年金、厚生年金保険法による老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有する場合は、この限りでない。 1 日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満のもの |
特例による任意加入被保険者のポイント!
要件に該当すれば65歳から70歳まで特例で任意加入が認められます。ただし、「昭和40年4月1日以前生まれ」に限定されています。また、老齢基礎年金等の受給権を有する者は特例の任意加入はできません。目的は老齢基礎年金の受給権を得ること。増やす目的では、特例の任意加入はできません。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
任意加入被保険者の特例については、日本国籍を有する65歳以上70歳未満の者が、日本国内に住所を有しない場合は認められていない。
②【H27年出題】
日本国籍を有し日本国内に住所を有しない65歳以上70歳未満の者が、老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有しないときは、昭和30年4月1日以前生まれの場合に限り、厚生労働大臣に申し出て特例による任意加入被保険者となることができる。
③【R3年出題】
昭和31年4月1日生まれの者であって、日本国内に住所を有する65歳の者(第2号被保険者を除く。)は、障害基礎年金の受給権を有する場合であっても、特例による任意加入被保険者となることができる。なお、この者は老齢基礎年金、老齢厚生年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付の受給権を有していないものとする。
【解答】
①【H21年出題】 ×
日本国内に住所を有しなくても、日本国籍を有する65歳以上70歳未満のものは、特例の任意加入が認められています。ただし、昭和40年4月1日以前生まれに限られます。
②【H27年出題】 ×
特例による任意加入被保険者になることができるのは、昭和40年4月1日以前生まれの場合に限られます。ちなみに、昭和30年4月1日以前生まれの場合でも、もちろん、特例の任意加入被保険者になることはできます。
③【R3年出題】 〇
障害基礎年金の受給権を有する場合でも、特例による任意加入被保険者となることができます。障害基礎年金は、障害の状態によっては、支給停止や失権の可能性があるからです。
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R4-294
国民年金法には、「任意加入被保険者」、「特例による任意加入被保険者(65歳以上70歳未満)」として、任意に国民年金に加入できる制度があります。
任意加入の目的は2つです。
1つめ 老齢基礎年金を増やす
65歳からの老齢基礎年金を満額受給するためには、20歳から60歳までの40年間(480月)すべて保険料納付済期間であることが必要です。
免除や滞納などで満額に満たない人は、任意加入して、老齢基礎年金を増やすことができます。
2つめ 老齢基礎年金の受給権を得る
また、老齢基礎年金を受給するには、保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上必要です。その期間に足りない場合は、受給権を得るために任意加入することができます。
「任意加入被保険者」は、1つ目、2つ目どちらの目的でも任意加入できます。
一方、「特例による任意加入被保険者(65歳以上70歳未満)」は、2つ目の「老齢基礎年金の受給権を得る」目的に限定されます。1つめの「老齢基礎年金を増やす」目的では加入できませんので注意しましょう。
今回のテーマは「任意加入被保険者」の加入要件です。
まず、条文を読んでみましょう。
第5条 (任意加入被保険者) 次の各号のいずれかに該当する者(第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。)は、厚生労働大臣に申し出て、被保険者となることができる。 1 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 2 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。) 3 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの |
1~3の人は第1号被保険者の要件に当てはまりません。しかし、厚生労働大臣に申し出て任意加入することができます。ただし、第2号被保険者、第3号被保険者は任意加入できません。(任意加入する必要もないためです)
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者は、日本国籍を有する限り、厚生労働大臣に申し出て被保険者となることができる。
②【H29年出題】
60歳で被保険者資格を喪失し日本に居住している特別支給の老齢厚生年金の受給権者(30歳から60歳まで第2号被保険者であり、その他の被保険者期間はない。)であって、老齢基礎年金の支給繰上げの請求を行っていない者は、国民年金の任意加入被保険者になることができる。
③【R2年出題】
60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和31年4月2日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができない。
【解答】
①【H25年出題】 ×
「日本国内に住所を有する」60歳以上65歳未満の者は、国籍を問わず任意加入することができます。
なお、「日本国内に住所を有しない」20歳以上65歳未満の者が任意加入する場合は、「日本国籍を有する者」に限られます。
②【H29年出題】 〇
「老齢基礎年金の繰上げ請求」を行った者は、国民年金の任意加入被保険者になることはできません。既に繰り上げて受給している老齢基礎年金を増やすことができないからです。
なお、特別支給の老齢厚生年金の受給権者は、国民年金の任意加入被保険者となって、65歳以降の老齢基礎年金を増やすことができます。
(法附則第9条の2の3)
③【R2年出題】 ×
日本国籍を有していれば、日本国内に住所を有していなくても、任意加入被保険者の申出をすることができます。
なお、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中でも任意加入被保険者になることができます。
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R4-293
「標準報酬月額」は、保険料の計算、傷病手当金などの計算に使われます。
標準報酬月額は、毎年7月1日に見直しをします。「定時決定」といいます。
★「報酬」、「報酬月額」、「標準報酬月額」と似たような用語が登場します。
「報酬」は、労働の対償として受けるもののことで、時給制の人もいれば、月給制の人もいて様々です。
報酬を月ベースになおしたものを「報酬月額」といいます。
報酬月額を1等級から50等級まで50段階に区分したものを「標準報酬月額」といいます。
では、条文を読んでみましょう。
第41条 (定時決定) ① 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者にあっては、11日。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 ② ①の規定によって決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年の8月までの各月の標準報酬月額とする。 ③ ①の規定は、6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者及び随時改定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定により7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年に限り適用しない。 |
定時決定のポイント!
★毎年7月1日現在で行います
★「4月+5月+6月の報酬の総額÷その期間の月数」で計算した額が「報酬月額」です。
・ ただし、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者の場合は11日)未満の月は除いて計算します。分母の「その期間の月数」は「3」と限りません。「2」になることも「1」になることもありますので注意しましょう。
・ 例えば、4月、5月、6月の報酬(報酬支払基礎日数は17日以上)が、それぞれ、188,500円、196,200円、182,300円だったとすると、(188,500円+196,200円+182,300円)÷3で、「報酬月額」は189,000円です。この額を標準報酬月額等級表にあてはめ、「標準報酬月額」は190,000円となります。
★決定された標準報酬月額の有効期間は、その年の9月から翌年の8月までです。
★定時決定を行わない者
・ 6月1日から7月1日までの間に被保険者の資格を取得した者
・ 7月から9月までのいずれかの月に随時改定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定が行われる者
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
賃金の計算上の締切日を毎月末日、支払日を翌月の15日としている事業所の標準報酬月額の定時決定に用いる報酬とされるのは、3月分、4月分及び5月分の賃金である。(なお、この選択肢において、「X月分の賃金」とは、X月に賃金を締切った賃金のこととする。)
②【H29年出題】
標準報酬月額の定時決定について、賃金計算の締切日が末日であって、その月の25日に賃金が支払われる適用事業所において、6月1日に被保険者資格を取得した者については6月25日に支給される賃金を報酬月額として定時決定が行われるが、7月1日に被保険者資格を取得した者については、その年に限り定時決定が行われない。
③【R3年出題】
毎年7月1日現に使用する被保険者の標準報酬月額の定時決定の届出は、同月末日までに、健康保険被保険者報酬月額算定基礎届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行う。
【解答】
①【H19年出題】 〇
定時決定は、4月・5月・6月に支払われた報酬で算定します。
問題文のように、毎月末日締め、翌月15日支払いの場合は、4月15日払い(3月分)、5月15日払い(4月分)、6月15日払い(5月分)で算定します。
②【H29年出題】 ×
6月1日から7月1日に資格を取得したものは、その年の定時決定の対象から除外されます。問題文の6月1日に被保険者資格を取得した者は、その年の定時決定は行いません。
③【R3年出題】 ×
定時決定の届出の提出期限は、7月10日です。
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R4-292
建設の事業が数次の請負で行われている場合は、下請負事業が元請負事業に一括され、徴収法上、元請負人のみが事業主として取り扱われます。
しかし、一定規模以上の下請負事業は、元請負人の請負に係る事業から分離し、保険関係を独立させることができます。
条文を読んでみましょう。
第8条 (請負事業の一括) ① 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業が数次の請負によって行なわれる場合には、この法律の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とする。
② ①に規定する場合において、元請負人及び下請負人が、当該下請負人の請負に係る事業に関して①の規定の適用を受けることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、当該請負に係る事業については、当該下請負人を元請負人とみなして①の規定を適用する。
則第8条 (下請負人をその請負に係る事業の事業主とする認可申請) 法第8条第2項の認可を受けようとする元請負人及び下請負人は、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、「下請負人を事業主とする認可申請書」を所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。 ただし、やむを得ない理由により、この期限内に当該申請書の提出をすることができなかったときは、期限後であっても提出することができる。
則第9条 (下請負人をその請負に係る事業の事業主とする認可の基準) 法第8条第2項の認可を受けるためには、下請負人の請負に係る事業が第6条第1項各号(有期事業の一括の要件)に該当する事業以外の事業でなければならない。 |
下請負事業の分離のポイント!
・請負事業の一括は法律上当然に行われますが、下請負人を分離させる場合は、厚生労働大臣(都道府県労働局長に権限が委任されています)の認可が必要です。
・有期事業の一括の要件に該当しない規模のものが分離の対象です。
分離の要件=概算保険料が160万円以上、又は請負金額が1億8千万円以上であること
過去問をどうぞ!
①【H27年出題(労災)】
厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けるためには、当該下請負人の請負に係る事業が建設の事業である場合は、その事業の規模が、概算保険料を算定することとした場合における概算保険料の額に相当する額が160万円未満、かつ、請負金額が1億8千万円未満でなければならない。
②【H27年出題(労災)】
厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けようとするときは、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内であれば、そのいずれかが単独で、当該下請負人を事業主とする認可申請書を所轄都道府県労働局長に提出して、認可を受けることができる。
③【H27年出題(労災)】
厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の下請負人を事業主とする認可申請書については、天災、不可抗力等の客観的理由により、また、事業開始前に請負方式の特殊性から下請負契約が成立しない等の理由により期限内に当該申請書を提出できない場合を除き、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
【解答】
①【H27年出題(労災)】 ×
「厚生労働省令で定める事業」とは、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち「建設の事業」のことです。
下請負事業の分離の認可を受けるためには、当該下請負人の事業の規模が、概算保険料が160万円以上、又は、請負金額が1億8千万円以上でなければなりません。
②【H27年出題(労災)】 ×
下請負事業の分離の認可は、いずれかが単独で行うことはできません。元請負人と下請負人が共同で、「下請負人を事業主とする認可申請書」を所轄都道府県労働局長に提出しなければなりません。
③【H27年出題(労災)】 〇
「下請負人を事業主とする認可申請書」は、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、所轄都道府県労働局長に提出しなければなりません。
しかし、例外で、「やむを得ない理由により、この期限内に当該申請書の提出をすることができなかったときは、期限後であっても提出することができる。」と定められています。
やむを得ない理由とは、「天災、不可抗力等の客観的理由により、また、事業開始前に請負方式の特殊性から下請負契約が成立しない等」とされています。
(昭47.11.24労徴発41号)
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R4-291
建設の事業が数次の請負で行われている場合は、下請負事業が元請負事業に一括され、徴収法上、元請負人のみが事業主として取り扱われます。
条文を読んでみましょう。
第8条 (請負事業の一括) 厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行なわれる場合には、この法律の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とする。 則第7条 法第8条第1項の厚生労働省令で定める事業は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち建設の事業とする |
請負事業の一括のポイント!
一括の対象になるのは、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち「建設の事業」です。
法律上当然に一括されます。
過去問をどうぞ!
①【R2年出題(労災)】
請負事業の一括は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業又は立木の伐採の事業が数次の請負によって行われるものについて適用される。
②【R2年出題(労災)】
請負事業の一括は、元請負人が、請負事業の一括を受けることにつき所轄労働基準監督署長に届け出ることによって行われる。
③【H26年出題(労災)】
労災保険の保険関係が成立している建設の事業が数次の請負によって行われる場合であって、労働保険徴収法の規定の適用については、元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合においても、雇用保険に係る保険関係については、元請負人のみが当該事業の事業主とされることなく、それぞれの事業ごとに労働保険徴収法が適用される。
④【R2年出題(労災)】
請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含め、そのすべてについて事業主として保険料の納付の義務を負い、更に労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となる。
【解答】
①【R2年出題(労災)】 ×
請負事業の一括が適用されるのは、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、「建設の事業」が数次の請負によって行われるものです。「立木の伐採」の事業には適用されません。
(則第7条)
②【R2年出題(労災)】 ×
請負事業の一括は、法律上当然に行われます。「届け出」や「認可」などの手続きは要りません。
(法第8条)
③【H26年出題(労災)】 〇
「雇用保険」に係る保険関係は一括されません。それぞれの「事業単位」で、労働保険徴収法が適用されます。
④【R2年出題(労災)】 ×
請負事業の一括が行われた場合、元請負人は、その請負に係る事業については、下請負をさせた部分を含めて、事業主として保険料の納付の義務を負います。
しかし、労働関係の当事者として下請負人やその使用する労働者に対して使用者となることはありません。
次回は、下請負事業の分離の要件です。
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R4-290
受給資格者が疾病又は負傷のため公共職業安定所に出頭することができない場合で、その期間が継続して15日未満の場合は、「証明書」で失業の認定を受け、「基本手当」を受けることができます。
継続して15日以上の場合は、基本手当の代わりに、傷病手当を受けることができます。
今回は、疾病又は負傷の理由で、引き続き30日以上職業に就くことができない場合の「受給期間の延長」がテーマです。
雇用保険の基本手当の受給期間は、離職の日の翌日から1年(所定給付日数が330日の場合は1年+30日、360日の場合は1年+60日)が原則です。
しかし、この受給期間内に、妊娠、出産等の理由で引き続き30日以上職業に就くことができない場合は、申し出により、受給期間を離職日の翌日から最長4年まで延長することができます。
「疾病又は負傷」により引き続き30日以上職業に就くことができない場合も、受給期間の延長の対象になります。
★その際のポイントは以下の通りです★
・当該傷病を理由として傷病手当の支給を受ける場合は、当該傷病に係る期間については、受給期間の延長の措置の対象とされません。
そのため、受給期間の延長を申請した後に、同一の傷病を理由として傷病手当の支給を申請した場合には、受給期間の延長の措置が取り消されます。
(行政手引50271)
★「傷病手当」と「受給期間の延長」の関係の注意点です★
・公共職業安定所に出頭し、求職の申込みを行う以前に疾病又は負傷により職業に就くことができない状態にある場合は、傷病手当の対象にはなりません。しかし、受給期間の延長の申出をすることはできます。
・疾病又は負傷を理由として受給期間を延長した場合でも、その後受給資格者が当該疾病又は負傷を理由として傷病手当の支給を申請したときは、受給期間の延長が当初からなかったものとみなされ、傷病手当の支給が行われます。
なお、その場合の傷病手当の支給日数は、当該疾病又は負傷を理由とする受給期間の延長が無いものとした場合の支給できる日数が限度です。
(行政手引53002)
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
離職前から引き続き傷病のため職業に就くことができない状態にある者について、一定の要件を満たす場合には、その者の申出により当該離職に係る受給期間を延長することは可能であるが、当該離職の日までの傷病期間に相当する日数は受給期間の延長の対象とはならない。
②【H28年出題】
求職の申込後に疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合において、その期間が継続して15日未満のときは、証明書により失業の認定を受け、基本手当の支給を受けることができるので、傷病手当は支給されない。
③【H22年出題】
受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭して求職の申込みを行う前に、疾病又は負傷によって職業に就くことができない状態になった場合でも、そのような状態が30日以上継続したことについて公共職業安定所長の認定を受ければ、傷病手当を受給することができる。
【解答】
①【H24年出題】 〇
例えば、離職前から引き続き240日間、傷病のために職業につくことができない場合は、申し出により受給期間を延長することができます。
240日間について、離職日までが150日、離職日の翌日以後が90日の場合は、離職の日までの150日間は、受給期間の延長の対象にはなりません。原則の受給期間に加えることができるのは離職の翌日以後の90日間となります。
(行政手引50272)
②【H28年出題】 〇
疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない期間が継続して15日未満のときは、証明書により失業の認定を受け、基本手当の支給を受けることができます。
傷病手当は支給されません。
(行政手引53003)
③【H22年出題】 ×
傷病手当の条件は疾病又は負傷のために職業に就くことができない状態が「求職の申込み後」において生じたものであることです。
問題文のように「求職の申込みを行う前に、疾病又は負傷によって職業に就くことができない状態になった場合」は、傷病手当は支給されません。
(行政手引53002)
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R4-289
疾病又は負傷により職業に就くことができない場合、その期間が継続して15日未満なら、「証明書」による失業の認定で基本手当を受けることができます。
その期間が継続して15日以上の場合は、基本手当の代わりに「傷病手当」を受けることができます。
今回のテーマは「傷病手当」です。
では、条文を読んでみましょう。
第37条 ① 傷病手当は、受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした後において、疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、受給期間内の当該疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができない日(疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができないことについての認定を受けた日に限る。)について、第4項の規定による日数に相当する日数分を限度として支給する。 ② ①の認定は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長が行う。 ③ 傷病手当の日額は、基本手当の日額に相当する額とする。 ④ 傷病手当を支給する日数は、①の認定を受けた受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数とする。 ⑤ 給付制限の規定により基本手当を支給しないこととされる期間については、傷病手当を支給しない。 ⑥ 傷病手当を支給したときは、この法律の規定(第10条の4及び第34条の規定を除く。)の適用については、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当を支給したものとみなす。 ⑧ ①の認定を受けた受給資格者が、当該認定を受けた日について、健康保険法の規定による傷病手当金、労働基準法の規定による休業補償、労働者災害補償保険法の規定による休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付その他これらに相当する給付であって法令により行われるもののうち政令で定めるものの支給を受けることができる場合には、傷病手当は、支給しない。 ⑨ 自己の労働による収入を得た場合の減額、待期、未支給の請求手続き、並びに不正受給による給付制限の規定は、傷病手当について準用する。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
疾病又は負傷のため職業に就くことができない状態が当該受給資格に係る離職前から継続している場合には、他の要件を満たす限り傷病手当が支給される。
②【H28年出題】
傷病手当の日額は、雇用保険法第16条の規定による基本手当の日額に100分の80を乗じて得た額である。
③【R2年出題】
訓練延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者が疾病又は負傷のため公共職業訓練等を受けることができなくなった場合、傷病手当が支給される。
④【H24年出題】
広域延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当が支給されることはない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
「離職前から継続」している場合は、傷病手当は支給されません。
傷病手当は、次の要件に該当した場合に支給されます。
1 受給資格者であること
2 離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしていること
3 疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合であること
4 疾病又は負傷のために職業に就くことができない状態が「求職の申込み後」において生じたものであること
★4がポイントです。
疾病又は負傷のため職業に就くことができない状態が、当該受給資格に係る離職前から継続している場合、又は係る状態が当該受給資格に係る離職後に生じた場合であっても、公共職業安定所に出頭し求職の申込みを行う前に生じその後も継続している場合は、傷病手当の対象となりません。
(行政手引53302)
②【H28年出題】 ×
傷病手当の日額は基本手当の日額に相当する額(基本手当の日額と同じ額)です。
なお、傷病手当を支給する日数は、受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数です。
また、傷病手当の支給があったときは、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当の支給があったものとみなされます。
(法第37条第3項、第4項、第6項)
③【R2年出題】 ×
②の解説でお話ししましたように、傷病手当を支給する日数は、受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数です。
「所定給付日数-既に基本手当を支給した日数」が傷病手当を支給する日数ですので、延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当は支給されません。
(行政手引53004)
④【H24年出題】 〇
③と同じです。延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者については、傷病手当が支給されることはありません。
(行政手引53004)
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R4-288
基本手当は、受給資格者が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給されます。
失業の認定は、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行われるのが原則です。
ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定は、1月に1回、直前の月に属する各日(既に失業の認定の対象となった日を除く。)について行われます。
今日のテーマは、失業の認定日の変更です。
法第15条第3項で、厚生労働省令で定める受給資格者については別段の定めをすることができる、と規定されています。
厚生労働省令を読んでみましょう。
則第23条 法第15条第3項の厚生労働省令で定める受給資格者は、次のとおりとする。 ① 職業に就くためその他やむを得ない理由のため失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができない者であって、その旨を管轄公共職業安定所の長に申し出たもの ② 管轄公共職業安定所の長が、行政機関の休日に関する法律に規定する行政機関の休日、労働市場の状況その他の事情を勘案して、失業の認定日を変更することが適当であると認める者 |
受給資格者が職業に就くためその他やむを得ない理由のため、所定の失業の認定日に公共職業安定所に出頭できない場合は、受給資格者の申出により、公共職業安定所長が失業の認定日を変更することができます。
★「職業に就くためその他やむを得ない理由」については、行政手引51351でいくつか掲げられています。
・「就職」する場合(公共職業安定所の紹介によると否とを問わない。)
・ 法第15条第4項各号(証明書による失業の認定)に該当する場合
・公共職業安定所の紹介によらないで求人者に面接する場合
・各種国家試験、検定等の資格試験を受験する場合
等々 (以下省略します。)
過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
職業に就くためその他やむを得ない理由のため失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができない者は、管轄公共職業安定所長に対し、失業の認定日の変更を申し出ることができる。
②【H28年出題】
中学生以下の子弟の入学式又は卒業式等へ出席するため失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができない受給資格者は、原則として事前に申し出ることにより認定日の変更の取扱いを受けることができる。
③【H27年出題】
受給資格者が配偶者の死亡のためやむを得ず失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができなかったことを失業の認定日後に管轄公共職業安定所長に申し出たとき、当該失業の認定日から当該申出をした日の前日までの各日について失業の認定が行われることはない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
受給資格者の申出により、公共職業安定所長が失業の認定日を変更することができます。
②【H28年出題】 〇
「子弟の入学式又は卒業式等への出席」の場合は、申し出ることによって失業の認定日の変更の取扱いを受けることができます。
失業の認定日変更の申出は、原則として、事前に行うこととされています。
ただし、変更事由が突然生じた場合、失業の認定日前に就職した場合等であって、事前に変更の申出を行わなかったことについてやむを得ない理由があると認められるときは、次回の所定認定日の前日までに申し出て、失業の認定日の変更の取扱いを受けることができます。
(行政手引51351)
③【H27年出題】 ×
親族の傷病についての介護、危篤、死亡、葬儀の場合は、申し出ることによって失業の認定日の変更の取扱いを受けることができます。
申出を受けた日が失業の認定日後の日であるときは、当該失業の認定日における失業の認定の対象となる日及び当該失業の認定日から当該申出を受けた日の前日までの各日について、失業の認定が行われます。
(則第24条第2項第2号、行政手引51351)
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R4-287
基本手当は、受給資格者が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給されます。
失業の認定を受けようとする受給資格者は、離職後、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければなりません。
今回のテーマは「失業の認定日」です。
条文を読んでみましょう。
第15条 (失業の認定) ① 基本手当は、受給資格者が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。 ② 失業の認定を受けようとする受給資格者は、離職後、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。 ③ 失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行うものとする。 |
失業の認定は、離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の 28日の各日について行うのが原則ですが、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定は、1月に1回、直前の月に属する各日(既に失業の認定の対象となった日を除く。)について行います。 (則第24条)
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、原則として受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行われる。
②【R1年出題】
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受ける受給資格者に係る失業の認定は、当該受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行う。
【解答】
①【H27年出題】 〇
失業の認定は、前回の認定日以後、当該認定日の前日までの期間について行われます。
②【R1年出題】 ×
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受ける受給資格者に係る失業の認定は、1月に1回、直前の月に属する各日(既に失業の認定の対象となった日を除く。)について行われます。
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R4-286
受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭し、失業認定申告書に受給資格者証を添えて提出しなければなりません。
しかし、一定の理由の場合は、「証明書」で失業の認定を行うことができます。
今回のテーマは「証明書による失業の認定」です。
条文を読んでみましょう。
第15条 (失業の認定) ④ 受給資格者は、次の各号のいずれかに該当するときは、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭することができなかった理由を記載した証明書を提出することによって、失業の認定を受けることができる。 1 疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができなかった場合において、その期間が継続して15日未満であるとき。 2 公共職業安定所の紹介に応じて求人者に面接するために公共職業安定所に出頭することができなかったとき。 3 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために公共職業安定所に出頭することができなかったとき。 4 天災その他やむを得ない理由のために公共職業安定所に出頭することができなかったとき。
|
証明書による失業の認定が受けられるのは、上の1から4の場合に限られます。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
受給資格者が病気のために公共職業安定所に出頭することができなかった場合、その期間が継続して20日であるときは、公共職業安定所に出頭することができなかった理由を記載した証明書を提出することによって、失業の認定を受けることはできない。
②【H28年出題】
求職の申込後に疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合において、その期間が継続して15日未満のときは、証明書により失業の認定を受け、基本手当の支給を受けることができるので、傷病手当は支給されない。
③【H25年出題】
受給資格者は、失業の認定日に、民間の職業紹介事業者の紹介に応じて求人者に面接するために公共職業安定所に出頭することができなかったときは、その理由を記載した証明書を提出することによって、公共職業安定所に出頭しなくても、失業の認定を受けることができる。
④【R1年出題】
受給資格者が天災その他やむを得ない理由により公共職業安定所に出頭することができなかったときは、その理由がなくなった最初の失業認定日に出頭することができなかった理由を記載した証明書を提出した場合、当該証明書に記載された期間内に存在した認定日において認定すべき期間をも含めて、失業の認定を行うことができる。
【解答】
①【H21年出題】 〇
疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合で証明書による失業の認定を受けることができるのは、その期間が継続して15日未満の場合です。
②【H28年出題】 〇
なお、疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合でその期間が継続して15日以上の場合は、傷病手当の対象になります。ただし、その状態が「求職の申込み後」に生じたことが条件です。
③【H25年出題】 ×
証明書による失業の認定が受けられるのは、「公共職業安定所の紹介」に応じて求人者に面接する場合です。民間の職業紹介事業者の紹介の場合は対象外です。
ちなみに、「公共職業安定所の紹介によらないで」求人者に面接する場合は、「失業の認定日の変更」の申出ができます。
(行政手引51351)
④【R1年出題】 〇
例えば、地震などで受給資格者が出頭できない場合は、官公署の証明書などを受け、事故がやんだ後における最初の失業の認定日に公共職業安定所に出頭して証明書を提出したときは、証明書に記載された期間内に存在した認定日において認定すべき期間も含めて、失業の認定を受けることができます。
(行政手引51401)
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R4-285
通勤災害で療養給付を受けた場合、労働者は一部負担金を納付しなければなりません。
一部負担金は、200円(健康保険法の日雇特例被保険者は100円)で、休業給付から控除されます。
なお、業務災害の療養補償給付の場合は、一部負担金は徴収されません。業務災害は、使用者に補償義務があるからです。
では、条文を読んでみましょう。
第31条 ② 政府は、療養給付を受ける労働者(厚生労働省令で定める者を除く。)から、 200円を超えない範囲内で厚生労働省令で定める額を一部負担金として徴収する。 ③ 政府は、労働者から徴収する一部負担金に充てるため、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に支払うべき保険給付の額から当該一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
則第44条の2 (一部負担金) ① 法第31条第2項の厚生労働省令で定める者(一部負担金が徴収されない者)は、次の各号に掲げる者とする。 1 第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者 2 療養の開始後3日以内に死亡した者その他休業給付を受けない者 3 同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者 ② 一部負担金の額は、200円(健康保険法に規定する日雇特例被保険者である労働者については、100円)とする。ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合には、当該現に療養に要した費用の総額に相当する額とする。 ③ 法第31条第3項の規定による控除は、休業給付を支給すべき場合に、当該休業給付について行う。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
療養給付を受ける労働者は、一部負担金を徴収されることがある。
②【H24年出題】
政府は、療養給付を受ける労働者(法令で定める者を除く。)から、200円(健康保険法に規定する日雇特例被保険者である労働者については100円)を一部負担金として徴収する。ただし、現に療養に要した費用の総額がこの額に満たない場合は、現に療養に要した費用の総額に相当する額を徴収する。
③【H24年出題】
第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者についても、一部負担金は徴収される。
④【H25年出題】
政府は、療養の開始後3日以内に死亡した者からは、一部負担金を徴収する。
⑤【H25年出題】
政府は、同一の通勤災害に係る療養給付について既に一部負担金を納付した者からは、一部負担金を徴収しない。
⑥【H24年出題】
療養給付を受ける労働者から一部負担金を徴収する場合には、労働者に支給すべき休業給付の額から、一部負担金の額に相当する額を控除することができる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
一部負担金は、通勤災害の「療養給付」が対象です。
②【H24年出題】 〇
一部負担金の額は、200円(健康保険法に規定する日雇特例被保険者である労働者については100円)です。
③【H24年出題】 ×
第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者からは、一部負担金は徴収しません。
④【H25年出題】 ×
療養の開始後3日以内に死亡した者からは、一部負担金は徴収しません。
⑤【H25年出題】 〇
休業給付の初回の給付額から、一部負担金が控除されます。
⑥【H24年出題】 〇
休業給付で最初に支給すべき事由の生じた日に係るものの額から、一部負担金の額に相当する額が控除されます。
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R4-284
今回のテーマは総括安全衛生管理者を選任する事業場です。
まず、条文を読んでみましょう。
第10条 (総括安全衛生管理者) ① 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項(救護に関する措置)の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。 1 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。 2 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。 3 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。 4 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。 5 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの ② 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない |
総括安全衛生管理者は「事業場ごと」に選任します。
第10条第2項で、「総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。」と規定されています。イメージとしては、工場長や作業所長などです。
ちなみに、労働安全衛生法は、労働基準法と同様に「事業場単位」で適用されます。一の事業場であるか否かは、「場所的観念」で決定されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
労働安全衛生法における事業場の業種の区分については、その業態によって個別に決するものとし、経営や人事等の管理事務をもっぱら行っている本社、支店などは、その管理する系列の事業場の業種とは無関係に決定するものとしており、たとえば、製鉄所は製造業とされるが、当該製鉄所を管理する本社は、製造業とはされない。
②【R3年出題】
総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令で定める業種の事業場の企業全体における労働者数を基準として、企業全体の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられている。
③【R2年出題】
総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならないが、必ずしも安全管理者の資格及び衛生管理者の資格を共に有する者のうちから選任しなければならないものではない。
④【H24年出題】
常時120人の労働者を使用する清掃業の事業場の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
総括安全衛生管理者は、政令で定める規模の「事業場ごとに」選任します。
事業場の業種の区分は、例えば、〇〇製鉄株式会社の場合、「製鉄所」は製造業ですが、別の場所にある管理事務部門の本社や支店は「その他の業種」となります。
ちなみに、総括安全衛生管理者の選任義務があるのは、「製造業」では労働者数が常時300人以上の事業場、「その他の業種」では、労働者数が常時1,000人以上の事業場です。
(S47.9.18発基第91号)
②【R3年出題】 ×
企業全体における労働者数ではなく、事業場の労働者数が基準になり、企業全体ではなくその事業場の安全衛生管理を統括管理します。
(令第2条)
③【R2年出題】 〇
総括安全衛生管理者の選任の要件は、「当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」です。安全管理者の資格や衛生管理者の資格は問われません。
④【H24年出題】 〇
常時100人以上の労働者を使用する清掃業の事業場は、総括安全衛生管理者を選任する義務があります。
総括安全衛生管理者のキーワードは「統括管理」です。名前は総括安全衛生管理者だけど、仕事は総括管理ではなく統括管理です。
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R4-283
労働契約を締結する際に、使用者には労働条件を明示する義務があります。
明示すべき労働条件の範囲は厚生労働省令で定められていて、前回お話ししたように、絶対的明示事項と相対的明示事項があります。
今回は、明示する方法を確認します。
もう一度、法第15条を読んでみましょう。
第15条 (労働条件の明示) 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
施行規則第5条 ③ 法第15条第1項後段の厚生労働省令で定める事項は、絶対的明示事項(昇給に関す事項を除く。)とする。 ④ 法第15条第1項後段の厚生労働省令で定める方法は、書面の交付とする。 ただし、当該労働者が次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる。 1 ファクシミリを利用してする送信の方法 2 電子メール等の送信の方法(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
|
★絶対的明示事項のうち昇給以外は、書面の交付等による明示が義務付けられています。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
労働基準法第15条により、使用者が労働契約の締結に際し書面で行うこととされている労働条件の明示については、当該労働条件を記載した就業規則を交付することではその義務を果たすことはできない。
②【R3年出題】
労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」について、労働者にとって予期せぬ不利益を避けるため、将来就業する可能性のある場所や、将来従事させる可能性のある業務を併せ、網羅的に明示しなければならない。
③【R2年出題】
労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき賃金に関する事項及び書面について、交付すべき書面の内容としては、労働者の採用時に交付される辞令等であって、就業規則等(労働者への周知措置を講じたもの)に規定されている賃金等級が表示されたものでもよい。
【解答】
①【H24年出題】 ×
書面で明示しなければならない労働条件について、「当該労働者に適用する部分を明らかにして就業規則を交付すること」は差し支えないとされています。
(H11.1.29基発第45号)
②【R3年出題】 ×
「雇入れ直後の」就業の場所及び従事すべき業務を明示すれば足りる、とされています。しかし、将来の就業場所や従事させる業務を併せ、網羅的に明示することは差し支えありません。
(H11.1.29基発第45号)
③【R2年出題】 〇
交付すべき書面の内容としては、就業規則と併せて賃金に関する事項がその労働者について確定できるものであればよい、とされています。
ですので、労働者の採用時に交付される辞令等で、就業規則等に規定されている賃金等級が表示されたものでも差し支えありません。この場合、就業規則等が労働者に周知されていることが必須です。
(H11.3.31基発168号)
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R4-282
前回の続きです。
労働契約を締結する際、使用者は労働者に労働条件を明示することが義務づけられています。
明示事項には、絶対的明示事項(必ず明示しなければならない事項)と相対的明示事項(制度を設ける場合は明示しなければならない事項)があり、明示すべき労働条件の範囲は、厚生労働省令で定められています。
では、明示すべき労働条件の範囲を確認しましょう。
施行規則第5条 <絶対的明示事項> 1 労働契約の期間 2 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準 (期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限る) 3 就業の場所、従事すべき業務 4 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換 5 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切り・支払の時期、昇給 6 退職(解雇の事由を含む。)
<相対的明示事項> 7 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払の方法、退職手当の支払の時期 8 臨時に支払われる賃金、賞与等、最低賃金額 9 労働者に負担させるべき食費、作業用品等 10 安全及び衛生 11 職業訓練 12 災害補償及び業務外の傷病扶助 13 表彰及び制裁 14 休職 |
1から6の絶対的明示事項は、必ず明示する義務がありますが、7~14の相対的明示事項については、制度を設けていない場合は、明示義務はありません。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
労働契約の期間に関する事項は、書面等により明示しなければならないが、期間の定めをしない場合においては期間の明示のしようがないので、この場合においては何ら明示しなくてもよい。
②【H25年出題】
使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付により明示しなければならない。
③【H18年出題】
使用者は、労働基準法第15条(労働条件の明示)の規定に基づき、労働契約の締結に際し、労働者に対して、「所定労働時間を超える労働の有無」及び「所定労働日以外の労働の有無」について、書面の交付により明示しなければならないこととされている。
④【H24年出題】
使用者は、「表彰に関する事項」については、それに関する定めをする場合であっても、労働契約の締結に際し、労働者に対して、労働基準法第15条の規定に基づく明示をする必要はない。
【解答】
①【R1年出題】 ×
「労働契約の期間」については、「期間の定めがある労働契約」の場合は「契約期間」を、「期間の定めのない労働契約」の場合は、「期間の定めのない旨」の明示が必要です。
(平11.1.29基発45号)
②【H25年出題】 〇
「期間の定めのある労働契約」で、更新する場合があるものの締結の場合は、更新する場合の基準を明示する義務があります。
契約更新の判断基準として、契約期間満了時の業務量 ・勤務成績、態度 ・能力・会社の経営状況 ・従事している業務の進捗状況等があります。
(平24.10.26基発1026第2号)
③【H18年出題】 ×
「所定労働時間を超える労働の有無」は絶対的明示事項ですが、「所定労働日以外の労働の有無」は明示すべき事項には入っていません。
④【H24年出題】 ×
「表彰に関する事項」は相対的明示事項です。表彰に関する制度を設けている場合は、労働契約を締結する際に明示する必要があります。
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R4-281
労働契約を締結する際、使用者は労働者に労働条件を明示することが義務づけられています。
労働条件がはっきりしないまま働くことによるトラブルを防止するためです。
では、条文を読んでみましょう。
第15条 (労働条件の明示) 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。 |
明示する事項と方法は、厚生労働省令で定められています。内容は次回お話します。
では、過去問をどうぞ!
①【H16年出題】
労働基準法第15条に基づいて明示すべき労働条件の範囲は、同法第1条「労働条件の原則」及び第2条「労働条件の決定」でいう労働条件の範囲とは異なる。
②【H29年出題】
派遣労働者に対する労働条件の明示は、労働者派遣法における労働基準法の適用に関する特例により派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用することとされている労働時間、休憩、休日等については、派遣先の使用者がその義務を負う。
【解答】
①【H16年出題】 〇
労働基準法第1条と第2条の「労働条件」は、広く解釈され、賃金、労働時間、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件をすべて含んだ「労働者の職場における一切の待遇」をいう、とされています。
一方、第15条に基づいて明示すべき労働条件の範囲は、施行規則第5条で具体的に定められています。
問題文の通り、第1条・第2条の労働条件と第15条の労働条件は範囲が異なります。
②【H29年出題】 ×
派遣労働者に対する労働条件の明示は、労働契約関係にある「派遣元」の使用者が明示する義務を負っています。
労働者派遣法における労働基準法の適用に関する特例により、派遣元が労基法の義務を負わない労働時間、休憩、休日等も含めて、労働条件の明示をする必要があります。
(昭61.6.6基発333号)
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R4-280
労働基準法は、労働者を保護するために労働条件の最低ラインを定めるもので、強行法規としての効力をもちます。
労働基準法に違反する労働契約を締結した場合、その効力はどうなるのでしょうか?
条文を読んでみましょう。
第13条 (この法律違反の契約) この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。 |
例えば、使用者と労働者が、「時間外労働をさせた場合でも、割増賃金を支給しない」と契約した場合で考えてみましょう。
労働基準法では、1日8時間を超えて労働させた場合は、使用者に2割5分増の割増賃金を支払う義務を課しています。
ですので、労働契約上の「割増賃金を支給しない」の部分は無効になります。無効になった部分は、労働基準法の規準により、「時間外労働をさせた場合は割増賃金を支給する」という内容に置き換わります。
なお、無効になるのは労働基準法の基準に達していない「割増賃金を支給しない」の部分のみです。それ以外の労働契約の部分は有効です。労働契約全体を無効にすると労働者の労働の機会そのものが無くなってしまうからです。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。
②【H27年出題】
労働協約に定める基準に違反する労働契約の部分を無効とする労働組合法第16条とは異なり、労働基準法第13条は、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とすると定めている。
【解答】
①【H25年出題】 〇
「無効となった部分は、この法律で定める基準による。」の部分で、無効となった部分は、労働基準法の基準どおりに補充されることになります。
②【H27年出題】 〇
労働基準法第13条で無効になるのは、基準に「達しない」労働条件です。労働基準法の基準よりも有利な労働条件は有効です。
一方、労働組合法第16条は、『労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。この場合において無効となった部分は、基準の定めるところによる。労働契約に定がない部分についても、同様とする。』と規定されています。
労働協約で定める労働条件に「違反する」(→「達しない」ではありません。)労働契約の部分は、無効です。
★「労働条件の力関係」をおさえましょう。
労働基準法 > 労働協約 > 就業規則 > 労働契約
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R4-279
■介護保険の保険給付には、「介護給付」「予防給付」「市町村特別給付」があります。
「介護給付」は要介護状態にある者に対しての保険給付です。
■育児・介護休業法の「介護休業」は、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するための休業です。
それぞれの「要介護状態」の定義を比較しましょう。
まず、介護保険法の条文を読んでみましょう。
第7条 (定義) 介護保険法において「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。 施行規則第3条 厚生労働省令で定める期間は、6月間とする。 |
次に、育児・介護休業法の条文を読んでみましょう。
第2条 (定義) 要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。
施行規則第2条 厚生労働省令で定める期間は、2週間以上の期間とする。 |
介護保険法の要介護状態は、「6月間」にわたり継続して、常時介護を要する状態、育児介護休業法の要介護状態は、「2週間以上の期間」にわたり常時介護を必要とする状態です。
法律によって違いますので、注意しましょう。
では、過去問をどうぞ!
「労災保険法」の問題です。
労災【H25年出題】
女性労働者が1週間に数回、やむを得ない事情により、就業の場所から帰宅途中に最小限の時間、要介護状態にある夫の父を介護するために夫の父の家に立ち寄っている場合に、介護終了後、合理的な経路に復した後は、再び通勤に該当する。
【解答】
労災【H25年出題】 〇
合理的な通勤経路を逸脱・中断した場合は、逸脱・中断の間とその後の移動は通勤になりません。
しかし、逸脱・中断が日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、合理的な経路に戻ってからの移動は通勤となります。(この場合でも、逸脱・中断の間は通勤になりません。)
問題文は、日常生活上必要な行為に該当しますので、介護終了後、合理的な経路に復した後は、再び通勤に該当します。
■ ここでも「要介護状態」という用語が出てきます。定義は「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」をいいます。
(則第7条、第8条)
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R4-278
短期間の有期労働契約を反復更新することは、雇止めに関するトラブルにつながりやすくなります。
最初からその有期契約労働者を使用しようとする期間を契約期間とする等によって、全体として契約期間を長期化し、契約更新の回数そのものを減少させる配慮が必要です。
条文を読んでみましょう。
第17条第2項 (契約期間についての配慮) 使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。 |
法第17条第2項では、その有期労働契約により労働者を使用する目的に応じて適切に契約期間を設定するよう、使用者は配慮しなければならないことを規定しています。
(平24.8.10基発0810第2号)
過去問をどうぞ!
【H23年出題】 ※法改正による修正あり
使用者は、有期労働契約について、その有期労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その有期労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならないとされている。
【解答】
【H23年出題】 〇 ※法改正による修正あり
ポイントを穴埋めでチェックしましょう。
・契約期間についての配慮(法第17条第2項関係)
有期労働契約については、短期間の契約が< A >された後に雇止めされることによる紛争がみられるところであるが、短期間の有期労働契約を< A >するのではなく、当初からその有期契約労働者を使用しようとする期間を契約期間とする等により全体として契約期間が< B >することは、雇止めに関する紛争の端緒となる契約更新の回数そのものを減少させ、紛争の防止に資するものである。
このため、法第17条第2項において、その有期労働契約により労働者を使用する目的に応じて適切に契約期間を設定するよう、使用者は配慮しなければならないことを規定したものであること。
(平24.8.10基発0810第2号)
【解答】
A 反復更新
B 長期化
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R4-277
民法第628条では、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」と規定されています。
民法で明らかにされていない「やむを得ない事由があるときに該当しない場合」の取扱いを定めているのが、労働契約法第17条です。
条文を読んでみましょう。
第17条 (契約期間中の解雇) 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 |
ポイント!
■ 労働契約法第17条第1項は、使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間中は有期契約労働者を解雇することができないことを規定しています。
■ 「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されています。
(平24.8.10基発0810第2号)
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
使用者は、期間の定めのある労働契約については、やむを得ない事由がある場合であっても、その契約が満了するまでの間においては、労働者を解雇することができない。
②【H28年出題】
使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないが、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される。
③【R1年出題】
有期労働契約の契約期間中であっても一定の事由により解雇することができる旨を労働者及び使用者が合意していた場合、当該事由に該当することをもって労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があると認められるものではなく、実際に行われた解雇について「やむを得ない事由」があるか否かが個別具体的な事案に応じて判断される。
【解答】
①【H22年出題】 ×
「やむを得ない事由がある」場合は、契約が満了するまでの間でも、労働者を解雇することができます。
(民法第628条)
②【H28年出題】 〇
労働契約法第16条で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されています。
「やむを得ない事由」があると認められる場合は、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されています。
③【R1年出題】 〇
実際に行われた解雇について「やむを得ない事由」があるか否かが個別具体的な事案に応じて判断されます。
(平24.8.10基発0810第2号)
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R4-276
障害厚生年金の計算式は以下の通りです。
1級 → 報酬比例の年金額×1.25(+配偶者の加給年金額)
2級 → 報酬比例の年金額(+配偶者の加給年金額)
3級 → 報酬比例の年金額(最低保障額あり)
障害厚生年金の受給権の発生以降も厚生年金保険の被保険者期間がある場合、障害厚生年金の額の計算に算入されるのはどこまででしょう?
条文を読んでみましょう。
第51条 障害厚生年金の額については、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としない。 |
障害認定日の属する月「後」の被保険者であった期間は、計算に入りません。
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
障害厚生年金の額については、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月の前月までの被保険者であった期間を、その計算の基礎とする。
②【H29年出題】
傷病に係る初診日が平成27年9月1日で、障害認定日が平成29年3月1日である障害厚生年金の額の計算において、平成29年4月以後の被保険者期間はその計算の基礎としない。なお、当該傷病以外の傷病を有しないものとする。
③【H28年出題】
被保険者である障害厚生年金の受給権者が被保険者資格を喪失した後、被保険者となることなく1か月を経過したときは、資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から障害厚生年金の額が改定される。
【解答】
①【H22年出題】 ×
障害認定日の属する「月の前月」までではなく、「障害認定日の属する月」までが、その計算の基礎とされます。
|
| 障害認定日 |
|
|
条文の「障害認定日の属する月後」の「後」に注目してください。計算に入れるのは障害認定日の属する月までです。
②【H29年出題】 〇
障害認定日が平成29年3月1日ですので、障害厚生年金の額の計算に入れるのは平成29年3月までです。平成29年4月以後の被保険者期間はその計算の基礎とされません。
③【H28年出題】 ×
障害厚生年金には退職時改定の仕組みはありません。
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R4-275
初診日に厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)だった場合、障害等級1・2級の場合は障害基礎年金と障害厚生年金の2階建てで支給されますが、3級の場合は、障害厚生年金のみ支給されます。
障害基礎年金を受けることができない場合の障害厚生年金には最低保障額があります。
条文を読んでみましょう。
第50条 (障害厚生年金の額) 1 障害厚生年金の額は、第43条第1項(老齢厚生年金の額)の規定の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300とする。 2 障害の程度が障害等級の1級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、1項の規定にかかわらず、1項に定める額の100分の125に相当する額とする。 3 障害厚生年金の給付事由となった障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が国民年金法第33条第1項に規定する障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを 100円に切り上げるものとする。)に満たないときは、前2項の規定にかかわらず、当該額をこれらの項に定める額とする。 |
★ 国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合の障害厚生年金の最低保障額は、777,800円(令和4年度)×4分の3=583,350円を端数処理(50円未満切り捨て、50円以上100円未満を100円に切り上げ)して、58万3400円です。
★ポイント1・2級でも障害基礎年金が支給されない場合があります。
「厚生年金保険の被保険者」でも、65歳以上で老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合は、国民年金の第2号被保険者となりません。
(詳細は前回の記事をどうぞ→R4.5.23 国年の第2号被保険者)
そのため、初診日に厚生年金保険の被保険者でも国民年金の第2号被保険者でない場合は、障害等級1・2級でも、障害厚生年金のみの支給となります。
その場合でも、障害厚生年金の最低保障額が適用されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の額が、障害等級2級の障害基礎年金の額に3分の2を乗じて得た額に端数処理をして得た額に満たないときは、障害等級2級の障害基礎年金の額に3分の2を乗じて得た額に端数処理をして得た額を支給する。
②【R2年出題】
障害等級3級の障害厚生年金には、配偶者についての加給年金額は加算されないが、最低保障額として障害等級2級の障害基礎年金の年金額の3分の2に相当する額が保障されている。
③【H29年出題】
障害の程度が障害等級3級に該当する者に支給される障害厚生年金の額は、障害等級2級に該当する者に支給される障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)に満たないときは、当該額とする。
【解答】
①【H25年出題】 ×
最低保障額は、障害等級2級の障害基礎年金の額に「4分の3」を乗じて得た額です。
②【R2年出題】 ×
①と同じです。最低保障額は、障害等級2級の障害基礎年金の年金額の4分の3に相当する額です。
③【H29年出題】 〇
障害厚生年金の最低保障額は、2級の障害基礎年金の額×4分の3に端数処理(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)をした額です。
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R4-274
国民年金の強制加入被保険者として、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3つがあります。
今回は、第2号被保険者がテーマです。
条文を読んでみましょう。
第7条第1項第2号 厚生年金保険の被保険者は、第2号被保険者とする。 法附則第3条 (被保険者の資格の特例) 第7条第1項第2号の規定の適用については、当分の間、同号中「の被保険者」とあるのは、「の被保険者(65歳以上の者にあっては、老齢厚生年金、老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。)」とする。 |
ポイント!
厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となります。
年齢要件や国内居住要件がないのがポイントです。
ただし、厚生年金保険の被保険者で65歳以上で、老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権がある者は、第2号被保険者となりません。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
20歳未満の厚生年金保険の被保険者は、国民年金の第2号被保険者となる。
②【H26年出題】(改正による修正あり)
65歳以上の厚生年金保険法の被保険者は、老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していなくても、障害を支給事由とする年金給付の受給権を有していれば、第2号被保険者とならない。
③【H27年出題】
厚生年金保険の在職老齢年金を受給する65歳以上70歳未満の被保険者の収入によって生計を維持する20歳以上60歳未満の配偶者は、第3号被保険者とはならない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
第1号被保険者と第3号被保険者には、「20歳以上60歳未満」という年齢要件がありますが、第2号被保険者には年齢要件はありません。
厚生年金保険の被保険者であれば20歳未満でも、国民年金の第2号被保険者となります。
②【H26年出題】(改正による修正あり) ×
65歳以上の厚生年金保険法の被保険者は、「老齢又は退職を支給事由とする年金給付の受給権」を有していなければ、第2号被保険者となります。
「障害」を支給事由とする年金給付の受給権を有していても、「老齢又は退職」を支給事由とする年金給付の受給権を有していなければ、第2号被保険者となります。
③【H27年出題】 〇
第3号被保険者は、「第2号被保険者」の配偶者であることが条件です。
問題文の場合、厚生年金保険の被保険者ではありますが、65歳以上でかつ「厚生年金保険の在職老齢年金を受給中=(老齢又は退職を支給事由とする年金の受給権を有する)」ですので、第2号被保険者にはなりません。
そのため、その者の配偶者は第3号被保険者とはなりません。
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R4-273
事業主は被保険者負担分の保険料を、報酬から控除できます。
控除のルールを条文で読んでみましょう。
第167条 (保険料の源泉控除) 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。 |
ポイント!
被保険者の当月分の給料から控除できるのは、前月分の被保険者負担分の保険料です。
ただし、被保険者が月末に退職し、当月分の保険料が徴収される場合は、前月分と当月分を控除することができます。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
5月23日に被保険者資格を取得した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月20日締め、当月末日払いの場合、事業主は、最初の給与(5月23日から6月20日までの期間に係るもの)で5月分の健康保険料を控除することができるが、毎月末日締め、当月25日払いの場合、最初の給与(5月23日から5月末日までの期間に係るもの)では健康保険料を控除することができない。
②【R1年出題】
給与計算の締切り日が毎月15日であって、その支払日が当該月の25日である場合、7月30日で退職し、被保険者資格を喪失した者の保険料は7月分まで生じ、8月25日支払いの給与(7月16日から7月30日までの期間に係るもの)まで保険料を控除する。
③【H26年出題】
勤務していた適用事業所を5月31日で退職し、被保険者資格を喪失した者の健康保険料の源泉控除について、その者の給与支払方法が月給制であり、毎月末日締め、当月25日払いの場合、事業主は、5月25日支払いの給与(5月1日から5月31日までの期間にかかるもの)で4月分及び5月分の健康保険料を控除することができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
保険料は、資格を取得した月から徴収されますので、5月23日に被保険者資格を取得した場合は5月分から徴収されます。
給与から控除できるのは、前月分です。
月給制で、毎月20日締め、当月末日払いの場合、6月に支給される最初の給与(5月23日から6月20日までの期間に係るもの)で前月分の5月分の保険料を控除できます。
しかし、毎月末日締め、当月25日払いの場合、当月の5月に支給される最初の給与(5月23日から5月末日までの期間に係るもの)では保険料を控除できません。翌月の6月に支給される給与から控除します。
②【R1年出題】 ×
7月30日退職の場合は、翌日の7月31日に資格を喪失します。
第156条で、「前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない」と規定されていますので、資格喪失月は保険料が生じないのがポイントです。
7月30日に退職した場合、保険料が生じるのは6月分までです。7月25日支払いの給与(6月16日から7月15日までの期間に係るもの)で、6月分の保険料を控除します。
③【H26年出題】 〇
5月31日退職の場合は、資格喪失日が6月1日で、保険料は5月分まで生じます。
末日退職の場合の健康保険料の源泉控除は、前月分と当月分を控除できますので、毎月末日締め、当月25日払いの場合、5月25日支払いの給与(5月1日から5月31日までの期間にかかるもの)で前月の4月分と当月の5月分の保険料を控除することができます。
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R4-272
賞与の保険料額の計算式は、以下の通りです。
・介護保険第2号被保険者
→ 「標準賞与額×一般保険料率」+「標準賞与額×介護保険料率」
・介護保険第2号被保険者以外
→ 「標準賞与額×一般保険料率」
★ 事業主と被保険者が2分の1ずつ負担します。事業主は、被保険者の負担分を賞与から控除できます。条文を読んでみましょう。
第167条 (保険料の源泉控除) ② 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を賞与から控除することができる。
②【H29年出題】
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
③【R3年出題】
前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与を50万円支給された者が、同月20日に退職した場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はないが、標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。
【解答】
①【H24年出題】 〇
事業主は、賞与から、被保険者の負担する標準賞与額に係る保険料を控除することができます。
②【H29年出題】 〇
資格を喪失した月の保険料については、第156条第3項で次のように定められています。
「前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は、算定しない。」
問題文のように、前月から引き続き被保険者である者が、7月25日に退職し26日に資格を喪失した場合は、7月分の保険料は算定されませんので、事業主は納付する義務はありません。
資格喪失月に支給された賞与についても、保険料は算定されませんので、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はありません。
(法第156条第3項)
③【R3年出題】 〇
前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与が支給され、同月20日に退職した場合、当該賞与に係る保険料は徴収されません。
しかし、「保険料徴収の必要がない被保険者資格の喪失月であっても、被保険者期間中に支払われる賞与に基づき決定される標準賞与額は、年度の累計額に算入する。被保険者資格の喪失月であり資格喪失日の前日までに支払われる賞与額についても被保険者賞与支払届の提出を徹底すること。標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。」とされています。
(H19.5.1庁保険発第0501001号)
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R4-271
健康保険の保険料は、原則として被保険者と事業主がそれぞれ2分の1を負担します。
また、保険料の納付義務を負うのは、事業主です。
条文を読んでみましょう。
第161条 (保険料の負担及び納付義務) 1 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担する。ただし、任意継続被保険者は、その全額を負担する。 2 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。 3 任意継続被保険者は、自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
第162条 (健康保険組合の保険料の負担割合の特例) 健康保険組合は、前条第1項の規定にかかわらず、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。 |
ポイント!
任意継続被保険者は、本人が保険料の全額を負担し、保険料の納付義務も本人が負います。
では、過去問をどうぞ!
①【H15年出題】
事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うが、任意継続被保険者の負担する保険料を納付する義務を負わない。
②【H30年出題】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担すべき一般保険料額又は介護保険料額の負担の割合を増加することができる。
③【H19年出題】
健康保険組合は、規約で定めるところにより、一般保険料額だけではなく、介護保険料額についても事業主の負担割合を被保険者よりも高くすることができる。
【解答】
①【H15年出題】 〇
任意継続被保険者の保険料は、本人が納付義務を負います。
②【H30年出題】 〇
保険料額は、事業主と被保険者が2分の1ずつ負担するのが原則ですが、健康保険組合は、規約で定めるところにより、事業主の負担割合を増加することができます。
ポイント!
・健康保険組合だけの特例です。全国健康保険協会には適用されません。
・負担割合を増加できるのは「事業主の負担分」です。被保険者の負担割合は増加できません。
③【H19年出題】 〇
「健康保険組合」は、規約で定めるところにより、介護保険料額についても事業主の負担割合を被保険者よりも高くすることができます。
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R4-270
労働保険の保険料は、保険年度当初に概算で申告・納付し、保険年度が終了してから確定精算する仕組みになっています。(継続事業の場合)
しかし、年度の途中で、事業規模が拡大したなどの理由で、賃金総額の見込額が増加し、一定の要件に当てはまった場合は、「増加概算保険料」を申告・納付することになっています。
今回のテーマは「増加概算保険料」です。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H23年出題(労災)】
労災保険に係る保険関係のみ成立していた事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料に係る保険料率が変更した場合において、当該変更後の保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければならない。
②【H23年出題(労災)】
継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなり、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、当該賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行わなければならないが、有期事業の事業主の場合であっても、申告・納付の期限は同じである。
③【H22年出題(労災)】
継続事業の事業主は、増加概算保険料について延納を申請した場合には、増加前の概算保険料を延納していないときであっても、増加後の概算保険料の額が40万円を超えるときは、当該増加概算保険料を延納することができる。
【解答】
①【H23年出題(労災)】 〇
増加概算保険料の申告・納付の要件は、以下の2つです。
1 労働者数の増加等によって、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が増加した
→ 増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上である
2 労災保険に係る保険関係のみ成立している事業又は雇用保険に係る保険関係のみ成立している事業が労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため一般保険料率が変更した
→ 変更後の一般保険料率に基づき算定した概算保険料の額が既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であることとする。
問題文は2に該当しますので、増加概算保険料の申告・納付が必要です。
(法第16条、則第25条、法附則第5条、則附則第4条)
②【H23年出題(労災)】 〇
増加概算保険料の申告・納付の期限は、継続事業も有期事業も同じです。賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内です。
(法第16条)
③【H22年出題(労災)】 ×
増加概算保険料も延納できますが、もともとの概算保険料を延納していることが条件です。問題文のように、増加前の概算保険料を延納していないときは、増加概算保険料の延納はできません。
(則第30条)
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R4-269
雇用保険の被保険者は、「離職した日の翌日」又は「死亡した日の翌日」から被保険者資格を喪失します。
また、被保険者であった者が被保険者として取り扱われない取締役等となった場合、又、 被保険者として取り扱われない所定労働時間となった場合は、それぞれ当該事実のあった日に被保険者資格を喪失します。
(行政手引20601)
今日のテーマは被保険者の資格を喪失したときの手続きです。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
事業主は、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなったことについて、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)に必要に応じ所定の書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
②【R2年出題】
公共職業安定所長は、雇用保険被保険者資格喪失届の提出があった場合において、被保険者でなくなったことの事実がないと認めるときは、その旨につき当該届出をした事業主に通知しなければならないが、被保険者でなくなったことの事実がないと認められた者に対しては通知しないことができる。
③【R2年出題】
法人(法人でない労働保険事務組合を含む。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、雇用保険法第7条に規定する届出の義務に違反する行為をしたときは、その法人又は人に対して罰金刑を科すが、行為者を罰することはない。
【解答】
①【H24年出題】 〇
「事実のあった日」は、被保険者資格を喪失した日のことで、離職の場合は「離職した日の翌日」です。例えば、5月31日に離職した場合は、資格喪失日は6月1日です。資格喪失届は「事実のあった日の翌日から起算して10日以内」に提出しなければなりませんので、期限は、6月2日から起算して10日以内です。
②【R2年出題】 ×
「被保険者でなくなったことの事実がないと認められた者に対しては通知しないことができる。」の部分が誤りです。
則第11条(被保険者となったこと又は被保険者でなくなったことの事実がない場合の通知)には、次のように定められています。
公共職業安定所長は、資格取得届又は資格喪失届の提出があった場合において、被保険者となったこと又は被保険者でなくなったことの事実がないと認めるときは、その旨を被保険者となったこと又は被保険者でなくなったことの事実がないと認められた者及び当該届出をした事業主に通知しなければならない。
被保険者でなくなったことの事実がないと認められた者にも通知しなければなりません。
(則第11条)
③【R2年出題】 ×
「行為者を罰することはない」の部分が誤りで、行為者は罰則の対象です。
条文で確認しましょう。
第86条
法人(法人でない労働保険事務組合を含む。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
※行為者は罰せられ、法人又は人に対しても罰金刑が科されます。
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R4-268
労働者が業務上死亡した場合、一定の遺族に「遺族補償年金」が支給されます。
前回は、遺族補償年金の対象になる遺族の第一の条件である「生計維持」についてお話しました。
さらに、「妻以外」の者は、年齢要件か障害要件を満たす必要があります。今回のテーマは「障害要件」です。
条文を読んでみましょう。
第16条の2 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものとする。 ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者にあっては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。 1 夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、父母又は祖父母については、60歳以上であること。 2 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること。 3 兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること又は60歳以上であること 4 前3号の要件(年齢要件)に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。 |
遺族補償年金を受ける遺族の条件として、「妻」以外の者は、労働者の死亡の当時 1号から3号の「年齢要件」又は4号の「障害要件」に該当しなければなりません。
今回は、「厚生労働省令で定める障害の状態」がテーマです。
「厚生労働省令で定める障害の状態」については、次のように定められています。
則第15条 (遺族補償年金を受ける遺族の障害の状態) 法第16条の2第1項第4号(法第20条の6第3項において準用する場合を含む。)及び法別表第一(法第20条の6第3項において準用する場合を含む。)遺族補償年金の項の厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に別表第一の障害等級の第5級以上に該当する障害がある状態又は負傷若しくは疾病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態とする。 |
ポイントは、「5級以上」の部分と「労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上」の部分です。
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】 ※改正による修正あり
遺族補償年金(複数事業労働者遺族年金において準用する場合を含む。)又は遺族年金の受給資格要件の一つである厚生労働省令で定める障害の状態は、身体に障害等級第5級以上に該当する障害がある状態又は傷病が治らないで、身体の機能若しくは精神に、労働が高度の制限を受けるか、若しくは労働に高度の制限を加えることを必要とする程度以上の障害がある状態である。
【解答】
①【H19年出題】 〇
労働の高度の制限とは、「完全な労働不能で長期間にわたる高度の安静と常時の監視又は介護を要するものよりも軽いが、労働の著しい制限よりは重く、長期間にわたり中等度の安静を要すること」をいうとされています。
(昭41.1.31基発73号)
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R4-267
労働者が業務上死亡した場合、一定の遺族に「遺族補償年金」が支給されます。
条文を読んでみましょう。
第16条の2 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものとする。 ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)以外の者にあっては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。 1 夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、父母又は祖父母については、60歳以上であること。 2 子又は孫については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること。 3 兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること又は60歳以上であること 4 前3号の要件(年齢要件)に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。 |
今日のポイント!
遺族補償年金を受けることができる遺族の第1条件は、労働者の死亡当時その収入によって「生計を維持していた」ものです。
今回のテーマは「生計維持」です。
「生計維持」の認定については、則第14条の4で次のように定められています。
則第14条の4 (遺族補償給付等に係る生計維持の認定) 遺族補償年金及び遺族補償一時金(複数事業労働者遺族給付及び遺族給付において準用する場合を含む。)に規定する労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたことの認定は、当該労働者との同居の事実の有無、当該労働者以外の扶養義務者の有無その他必要な事項を基礎として厚生労働省労働基準局長が定める基準によって行う。 |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合には、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた妻は、遺族補償年金を受けることができる。
②【H17年出題】
遺族補償年金を受けることができる遺族の要件としての「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた」ことが認められるためには、単に労働者と生計を一にしていただけでは足りず、労働者の収入によって消費生活の大部分を営んでいたことが必要である。
③【H28年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、当該労働者と同程度の収入があり、生活費を分担して通常の生活を維持していた妻は、一般に「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた」ものにあたらないので、遺族補償年金を受けることはできない。
④【H18年出題】
遺族補償給付を受けることができる遺族は、死亡した労働者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものでなければならない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
「妻」以外の者は、労働者の死亡の当時、「年齢要件」又は「障害要件」に該当する必要がありますが、妻は年齢、障害の要件は問われません。妻は「生計を維持していた」場合は、遺族補償年金を受けることができます。
②【H17年出題】 ×
「労働者の収入によって消費生活の大部分を営んでいたことが必要」の部分が誤りです。「もっぱら又は主として労働者の収入によって生計を維持されていることを要せず、労働者の収入によって生計の一部を維持されていれば足りる。したがって、いわゆる共稼ぎもこれに含まれる。」とされています。
(昭41.1.31基発第73号)
③【H28年出題】 ×
②と同じ考え方です。
「労働者の収入によって生計の一部を維持されていれば足りる」、「いわゆる共稼ぎもこれに含まれる。」という解釈ですので、労働者と同程度の収入があり、生活費を分担していた妻も、遺族補償年金を受けることができます。
④【H18年出題】 ×
「遺族補償給付」には、「遺族補償年金」と「遺族補償一時金」があります。
「遺族補償年金」は、「労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた」ものでなければなりませんが、「遺族補償一時金」は、「生計を維持していない」ものでも対象になり得ます。
(法第16条の7)
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R4-266
労働者を新しく雇い入れたとき、労働者の作業内容を変更したときは、安全衛生教育を行わなければなりません。
条文を読んでみましょう。
第59条 (安全衛生教育) 1 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。 2 1項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。 |
過去問をどうぞ!
①【H17年出題】
労働安全衛生法上、雇入れ時の健康診断の対象となる労働者と雇入れ時の安全衛生教育の対象となる労働者は、いずれも常時使用する労働者である。
②【H22年出題】
事業者は、労働者を雇い入れたときは、労働安全衛生規則に定める事項について安全衛生教育を行わなければならないが、業種が燃料小売業である場合は、雇入れた労働者すべてを対象として、①機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること、②安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること、③作業手順に関すること、④作業開始時の点検に関することについては安全衛生教育を省略することができる。
③【H22年出題】
事業者は、労働者の作業内容を変更したときは、労働安全衛生規則に定める事項について安全衛生教育を行わなければならないが、当該事項の全部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者であっても、その全部の事項についての安全衛生教育を省略することはできない。
【解答】
①【H17年出題】 ×
雇入れ時の健康診断の対象は「常時使用する労働者」ですが、雇入れ時の安全衛生教育は、常時使用する労働者だけでなく臨時に使用する労働者も含む「全労働者」が対象です。
※「雇入れ時の健康診断」については、「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目(項目は省略します。)について医師による健康診断を行わなければならない」と規定されています。(則第43条)
※一方、「雇入れ時の安全衛生教育」については、「事業者は、労働者を雇い入れたときは・・・」となっていますので、全ての労働者が対象です。
②【H22年出題】 ×
労働者を雇い入れたときは、則第35条で、①から⑧の事項について安全衛生教育を行うことが義務付けられています。
①から⑧のうち、①から④の事項については、「その他の業種」(総括安全衛生管理者の選任要件である労働者数が常時1,000人以上の事業場)の場合は、省略することができます。その他の業種では機械などを扱う事がほとんど無いからです。
問題文の「燃料小売業」は、その他の業種ではありませんので、①から④の事項を省略することはできません。
③【H22年出題】 ×
「事業者は、教育する事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができる。」と規定されていますので、問題文のように当該事項の「全部」に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、「全部」の事項についての安全衛生教育を省略することができます。
ちなみに、特別教育、職長教育にも同じ規定があります。
(則第35条第2項、則第37条、則第40条第3項)
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R4-265
今回のテーマは、解雇予告の適用が除外される労働者です。
条文を読んでみましょう。
第21条 前条の規定(解雇の予告)は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。 1 日日雇い入れられる者 2 2か月以内の期間を定めて使用される者 3 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者 4 試の使用期間中の者 但し、第1号に該当する者が1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。 |
ポイント!
原則と例外をおさえてください。
「日日雇入れられる者」には、原則として解雇の予告の規定は適用されませんが、「1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合」は、解雇の予告の規定が適用されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年選択式】
日日雇い入れられる者には労働基準法第20条の解雇の予告の規定は適用されないが、その者が< A >を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。
②【H23年出題】
労働基準法第20条所定の予告期間及び予告手当は、6か月の期間を定めて使用される者が、期間の途中で解雇される場合には適用されることはない。
③【H23年出題】
労働基準法第20条所定の予告期間及び予告手当は、3か月の期間を定めて試みの使用をされている者には適用されることはない。
④【H26年出題】
試みの使用期間中の労働者を、雇入れの日から起算して14日以内に解雇する場合は、解雇の予告について定める労働基準法第20条の規定は適用されない。
【解答】
①【H30年選択式】
A1か月
②【H23年出題】 ×
「6か月」の期間を定めて使用される者には、第20条(予告期間及び予告手当)が適用されますので、期間の途中で解雇される場合は予告が必要です。
③【H23年出題】 ×
「試みの使用期間」の長さに制限はありませんので、例えば3か月でも6か月でも差し支えありません。
ただし、「試みの使用期間中」であっても、「14日」を超えて引き続き使用されるに至った場合は、解雇予告制度が適用されます。
(昭24.5.14基収1498号)
④【H26年出題】 〇
試みの使用期間中に、雇入れの日から起算して14日以内に解雇する場合は、解雇の予告は不要です。
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R4-264
例えば、5月1日に5月31日の終了をもって解雇する旨を予告していたが、その予告期間中に業務上の負傷をし、療養のため休業した場合、解雇予告の効力はどうなるのでしょうか?
第19条を確認しておきましょう。
第19条 (解雇制限) 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。(ただし・・・以下省略) |
※「業務上の負傷又は疾病の療養のため休業する期間とその後30日間」、「産前産後の休業期間中とその後30日間」は解雇できません。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
使用者が労働者を解雇しようとする日の30日前に解雇の予告をしたところ、当該労働者が、予告の日から5日目に業務上の負傷をし療養のため2日間休業した。当該業務上の負傷による休業期間は当該解雇の予告期間の中に納まっているので、当該負傷については労働基準法第19条の適用はなく、当該解雇の効力は、当初の予告どおりの日に発生する。
②【H30年出題】
労働基準法では、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないと規定しているが、解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合には、この解雇制限はかからないものと解されている。
【解答】
①【H24年出題】 ×
解雇予告期間 |
|
|
| ||||||
● 解雇 予告 |
| ● 業務上 負傷 |
|
|
| ● 解雇 予定日 |
|
|
|
|
| (解雇制限)業務上の傷病による療養のための休業期間+30日間 | |||||||
|
解雇予告期間中に、労働者が業務上負傷し又は疾病にかかり休業を要する場合、それがたとえ1日か2日の軽度の負傷又は疾病であっても、第19条の解雇制限の適用があります。
問題文のように業務上の負傷をし療養のため2日間休業した場合は、休業期間中とその後30日間は解雇できません。
問題文の場合は、労働基準法第19条が適用され、当初の解雇予定日は解雇制限期間中となり、解雇できません。(解雇の効力は予告通りの日に発生しません。)
(昭和26.6.25基収2609号)
②【H30年出題】 ×
①の問題と同じです。解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合でも、第19条の解雇制限の対象になります。
なお、解雇制限期間が満了すると解雇できますが、改めて解雇予告が必要かどうかについては、行政通達では以下のようになっています。
「負傷し又は疾病にかかり休業したことによって、前の解雇予告の効力の発生自体は中止されるだけであるから、その休業期間が長期にわたり解雇予告としての効力を失うものと認められる場合を除き治癒した日に改めて解雇予告をする必要はない」とされています。
(昭和26.6.25基収2609号)
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R4-263
前回の続きです。
労働者を解雇する場合は、30日前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりませんが、予告などが除外される例外があります。
条文を読んでみましょう。
第20条 (解雇の予告) ① 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。 但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。 ② ①の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。 ③ 前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。 ※前条第2項 → その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。 |
解雇予告等が除外される場合
① 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
② 労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合
※①②ともに「所轄労働基準監督署長の認定」を受けなければなりません。
「天災事変その他やむを得ない事由」
→ 事業場が火災により焼失・震災に伴う事業場の倒壊など
「労働者の責に帰すべき事由」
→ 盗取、横領、傷害など
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても、使用者は、労働基準法第20条所定の予告手当を支払うことなく、労働者を即時に解雇しようとする場合には、行政官庁の認定を受けなければならない。
②【R2年出題】
使用者は、労働者を解雇しようとする場合において、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には解雇の予告を除外されるが、「天災事変その他やむを得ない事由」には、使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合も含まれる。
③【H18年出題】
労働基準法第20条第1項ただし書の事由に係る行政官庁の認定(以下「解雇予告除外認定」という。)は、原則として解雇の意思表示をなす前に受けるべきものではあるが、それは、同項ただし書に該当する事実があるか否かを確認する処分であって、認定されるべき事実がある場合には使用者は有効に即時解雇をなし得るものと解されるので、そのような事実がある場合には、即時解雇の意思表示をした後、解雇予告除外認定を得たときは、その解雇の効力は使用者が即時解雇の意思表示をした日に発生すると解されている。
④【H24年出題】
労働者によるある行為が労働基準法第20条第1項ただし書の「労働者の責に帰すべき事由」に該当する場合において、使用者が即時解雇の意思表示をし、当日同条第3項の規定に基づいて所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定の申請をして翌日その認定を受けたときは、その即時解雇の効力は、当該認定のあった日に発生すると解されている。
【解答】
①【H23年出題】 〇
「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」でも、予告手当無しで即時解雇しようとする場合には、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受ける必要があります。
②【R2年出題】 ×
事業場が火災により焼失した場合は、「天災事変その他やむを得ない事由」に該当しますが、「使用者の重過失」に基づく場合は、除かれます。
(昭63.3.14基発第150号)
③【H18年出題】 〇
解雇予告除外認定は、解雇の意思表示をする前に受けることが原則です。
解雇予告除外認定は、ただし書に該当する事実があるか否かを確認する処分です。認定されるべき事実がある場合は、仮に認定を受けなかったとしても、使用者は有効に即時解雇ができる点がポイントです。
即時解雇の意思表示をした後、解雇予告除外認定を得たときは、その解雇の効力は使用者が「即時解雇の意思表示をした日」に発生するとされています。「解雇予告除外認定を得た日」ではありませんので、注意してください。
(昭63.3.14基発150号)
④【H24年出題】 ×
解雇の意思表示の後に解雇予告除外認定を受けたとしても、認定されるべき事実がある場合は、有効に即時解雇ができるとされています。即時解雇の効力は、「当該認定のあった日」ではなく、「即時解雇の意思表示をした日」に発生します。
(昭63.3.14基発150号)
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R4-262
労働者を解雇する場合は、「少なくとも30日前に予告する」、又は「30日分以上の平均賃金の支払い」が必要です。
条文を読んでみましょう。
第20条 (解雇の予告) ① 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し・・・(以下今回は省略します。) ② 予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。 |
ポイント!
30日分以上の平均賃金を支払えば、即時解雇が可能です。
②について → 予告の一部を平均賃金で支払い、その分予告期間を短縮する方法(予告手当と予告期間の併用)も可能です。
過去問をどうぞ!
①【H16年出題】
労働基準法第20条の規定に基づき、解雇の予告に代えて支払われる平均賃金(解雇予告手当)を算定する場合における算定すべき事由の発生した日は、労働者に解雇の通告をした日である。
②【R1年出題】
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならないが、予告期間の計算は労働日で計算されるので、休業日は当該予告期間には含まれない。
③【H26年出題】
平成26年9月30日の終了をもって、何ら手当を支払うことなく労働者を解雇しようとする使用者が同年9月1日に当該労働者にその予告をする場合は、労働基準法第20条第1項に抵触しない。
④【H26年出題】
労働基準法第20条に定める解雇の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
⑤【H24年出題】
使用者は、ある労働者を8月31日の終了をもって解雇するため、同月15日に解雇の予告をする場合には、平均賃金の14日分以上の解雇予告手当を支払わなければならない。
【解答】
①【H16年出題】 〇
解雇予告手当を算定する場合の算定すべき事由の発生した日は、「労働者に解雇の通告をした日」です。
(昭39.6.12基収2316号)
②【R1年出題】 ×
30日間は、労働日ではなく暦日で計算されますので、休業日も含みます。
③【H26年出題】 ×
9月30日の終了をもって解雇するためには、8月31日には解雇の予告をしなければなりません。
民法の一般原則によって、解雇予告を行った日は、解雇予告期間に算入されないため、予告期間は予告を行った日の翌日から計算されます。
④【H26年出題】 〇
予告の一部を平均賃金で支払い、その分予告期間を短縮する方法(予告手当と予告期間の併用)も可能です。
⑤【H24年出題】 〇
予告の一部を平均賃金で支払い、その分予告期間を短縮する方法(予告手当と予告期間の併用)も可能です。
8月15日に解雇の予告をした場合、翌日の16日から31日までの16日間が予告期間となるので、平均賃金の14日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。
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R4-261
前回の続きです。
有期労働契約は、労働者を長期に拘束することを避けるため、原則3年以内と定められています。
ただし、「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」は、例外的に、3年を超える契約が認められています。
また、「専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就かせる場合に限る。)」、「満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約」は、最長5年までの契約期間が認められています。
今回は、「5年」が認められる要件をみていきましょう。
では、再度第14条を読んでみましょう。
第14条 (契約期間等) 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならない。 1 専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約 2 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。) |
「高度の専門的知識等を有する者として厚生労働大臣が定める基準」の中には、「社会保険労務士の資格を有する者」も入っています。
ただし、社会保険労務士の国家資格を有しているだけでは足りず、「当該国家資格の名称を用いて当該国家資格に係る業務を行うことが労働契約上認められている等」が必要です。(H15.10.22基発第10220001号)
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
使用者は、労働者が高度の専門的知識等を有していても、当該労働者が高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、契約期間を5年とする労働契約を締結してはならない。
②【H18年選択式】
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(一定の労働契約については5年)を超える期間について締結してはならないこととされている。そこで、例えば、システムエンジニアの業務に就こうとする者であって、一定の学校において就こうとする業務に関する学科を修めて卒業し、就こうとする業務に一定期間以上従事した経験を有し、かつ、労働契約の期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額を1年当たりの額に換算した額が< A >ものとの間に締結される労働契約にあっては、5年とすることができる。
③【H25年出題】
使用者は、満60歳以上の労働者との間に、5年以内の契約期間の労働契約を締結することができる。
④【H29年出題】
満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約について、労働契約期間の上限は当該労働者が65歳に達するまでとされている。
⑤【H30年出題】
労働基準法第14条第1項第2号に基づく、満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(期間の定めがあり、かつ、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものではない労働契約)について、同条に定める契約期間に違反した場合、同法第13条の規定を適用し、当該労働契約の期間は3年となる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
契約期間を5年とする労働契約を締結できる「専門的知識等であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者」は、「当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者」に限られます。
(法第14条第1項第1号)
②【H18年選択式】
A 1075万円を下回らない
一定の学歴と実務経験を有し、年収が1075万円以上である「システムエンジニアの業務に就こうとする者」との間に締結される労働契約は最長5年とすることができます。
(高度の専門的知識等を有する者として厚生労働大臣が定める基準 H15.10.22厚生労働省告示第356号)
③【H25年出題】 〇
満60歳以上の労働者との間の労働契約の契約期間は最長5年です。
(法第14条第1項第2号)
④【H29年出題】 ×
満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約の契約期間の上限は5年です。65歳に達するまでという規定はありません。
⑤【H30年出題】 ×
「満60歳以上」の労働者との間に締結される労働契約ですので、第14条に定める契約期間に違反し同法第13条の規定が適用された場合、当該労働契約の期間は3年ではなく「5年」となります。
労働基準法第13条も確認しておきましょう。
「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。」
第13条が適用されると、基準に達しない部分は「無効」、無効となった部分は、「この法律で定める基準」になります。
(平15.10.22第1022001号)
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R4-260
労働契約には、「期間の定めのない労働契約」と「期間の定めのある労働契約」があります。
「期間の定めのない労働契約」は、労働者側からいつでも自由に解約できますので、労働基準法上の制限はありません。
一方、「期間の定めのある労働契約」は、契約期間中は原則として解約できません。例えば、契約期間を20年にすると、20年の間、労働者は退職できず、長期にわたり労働者を拘束することになってしまいます。そのため、労働基準法では、「期間の定めのある労働契約」は、原則として最長3年という制限を設けています。
では、条文で確認しましょう。
第14条 (契約期間等) 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならない。 1 専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約 2 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。) |
<有期労働契約のポイント!>
★原則 → 3年を超えてはならない
☆例外その1・・・3年を超えて契約できるもの
・一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの
例えば、土木工事の事業で、その工事の終期までの期間を定める契約
・職業訓練のための訓練期間(第70条)
☆例外その2・・・5年まで契約できるもの
・専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約
(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就かせる場合に限る。)
・満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約
過去問をどうぞ!
①【H16年出題】
労働基準法第14条第1項では、労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(弁護士、社会保険労務士等に係る労働契約で同項第1号に該当するもの、又は同項第2号に該当するものについては5年)を超える期間について締結してはならないこととされている。この労働基準法第14条第1項に規定する期間を超える期間を定めた労働契約を締結した場合は、同条違反となり、当該労働契約の期間は、同項第1号又は第2号に該当するものについては5年、その他のものについては3年となる。
②【H23年出題】
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(労働基準法第14条第1項の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結してはならず、また、期間を定める労働契約の更新によって継続雇用期間が10年を超えることがあってはならない。
【解答】
①【H16年出題】 〇
労働基準法第13条で、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による。」と規定されています。
第14条違反には第13条が適用され、基準に達しない部分は「無効」、無効となった部分は、「この法律で定める基準」になります。ですので、問題文の労働契約の期間は、「同項第1号又は第2号に該当するものについては5年、その他のものについては3年」となります。
(法第13条、平15.10.22第1022001号)
②【H23年出題】 ×
有期労働契約の更新は可能です。更新による継続雇用期間については制限はありません。
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R4-259
今回は、国民健康保険の審査請求です。
条文を読んでみましょう。
第91条 (審査請求) ① 保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金(附則第10条第1項に規定する拠出金を除く。)に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。 ② 審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。 第92条 (審査会の設置) 国民健康保険審査会は、各都道府県に置く。 |
ポイント!
国民健康保険審査会は、各都道府県に置かれます。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
保険給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他国民健康保険法の規定による徴収金(同法附則第10条第1項に規定する療養給付費等拠出金及び事務費拠出金を除く。)に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。
②【H18年出題】
国民健康保険の保険給付に関する処分又は保険料その他国民健康保険法の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、社会保険審査会に審査請求をすることができる。
③【H29年出題】
国民健康保険の保険料に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
審査請求先は、「国民健康保険審査会」です。
②【H18年出題】 ×
審査請求先は、社会保険審査会ではなく「国民健康保険審査会」です。
③【H29年出題】 〇
第103条で、『第91条第1項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。』と規定されています。
訴訟は、審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起できません。
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R4-258
労働協約の適用範囲は、原則として、労働協約を締結した労働組合とその構成員です。しかし、労働組合法第17条では、要件を満たす場合は、その労働組合に加入していない労働者にも拡張することが規定されています。
条文を読んでみましょう。
第17条 (一般的拘束力) 一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H13年出題】
ある工場において、常時使用される同種の労働者の3分の2以上の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときには、同じ工場で使用される非組合員である同種の労働者にも、当該労働協約が適用されることとなる。
②【H30年出題】
ある企業の全工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の者が一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場において、その労働協約の適用を受ける者の数が当該工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合、当該工場事業場においては、当該労働協約は一般的拘束力をもたない。
③【H23年出題】
労働協約は、それを締結した労働組合の組合員の労働契約を規律するものであり、当該労働組合に加入していない労働者の労働契約を規律する効力をもつことはあり得ない。
【解答】
①【H13年出題】 ×
労働協約が拡張適用される条件は、常時使用される同種の労働者の「4分の3以上」の労働者が、同一の労働協約の適用を受けるに至ったときです。
②【H30年出題】 〇
第17条は、「一の工場事業場」ごとに適用されることがポイントです。
「一の工場事業場」とは、個々の工場事業場のことです。一つの企業が複数の工場事業場を有する場合は、その企業内の個々の工場事業場の各々が「一の工場事業場」となります。
ある企業に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数のものが一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場で、その労働協約の適用を受ける者の数がその工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合は、その工場事業場においては、一般的拘束力は適用されません。
(昭29.4.7労発第111号)
③【H23年出題】 ×
第17条の一般的拘束力が適用され、当該労働組合に加入していない労働者の労働契約を規律する効力をもつこともあります。
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R4-257
年金は、その事由が生じた月の翌月から権利が消滅した月まで、月単位で支給されます。
条文を読んでみましょう。
第36条(年金の支給期間) 年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終るものとする。 |
5月 | 6月 | ・・・・・ | 10月 | 11月 |
支給事由 発生 |
| ・・・・・
| 権利消滅 |
|
年金の支給期間は、事由が生じた月の翌月(6月)から、権利が消滅した月(10月)までです。
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合の障害厚生年金は、原則として障害認定日の属する月の翌月分から支給される。ただし、障害認定日が月の初日である場合にはその月から支給される。
②【H30年出題】
第1号厚生年金被保険者が月の末日に死亡したときは、被保険者の資格喪失日は翌月の1日になるが、遺族厚生年金の受給権は死亡した日に発生するので、当該死亡者の遺族が遺族厚生年金を受給できる場合には、死亡した日の属する月の翌月から遺族厚生年金が支給される。
【解答】
①【H28年出題】 ×
「初診日要件」、「保険料納付要件」を満たし、障害認定日に障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合は、障害認定日に受給権が発生し、障害厚生年金は、障害認定日の属する月の翌月分から支給されます。障害認定日が月の初日であっても同じです。
「ただし、障害認定日が月の初日である場合にはその月から支給される。」が誤りです。
②【H30年出題】 〇
厚生年金保険の被保険者が死亡した場合は、死亡した日の翌日に資格を喪失します。
また、遺族厚生年金の受給権は、被保険者等が死亡した日に発生し、死亡した日の属する月の「翌月」から支給されます。
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R4-256
国民年金の給付の要件の1つに保険料納付要件があります。保険料納付要件をみるときに登場するのは「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」ですが、今回は「保険料納付済期間」の定義です。
条文を読んでみましょう。
第5条 国民年金法において、「保険料納付済期間」とは、第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定により徴収された保険料を含み、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。)に係るもの及び第88条の2の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの、第2号被保険者としての被保険者期間並びに第3号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。 |
<国民年金法の保険料納付済期間>
以下の期間を合算した期間です。
↓
・第1号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定(督促及び滞納処分)により徴収された保険料を含む、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは除く)に係るもの及び産前産後期間中の保険料免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもの
+
・第2号被保険者としての被保険者期間
+
・第3号被保険者としての被保険者期間
※国民年金に保険料を納付する義務があるのは、第1号被保険者です。第2号被保険者と第3号被保険者は、個別に国民年金に保険料を納付する義務はありません。
そのため、国民年金の保険料の滞納があり得るのは第1号被保険者のみです。第2号被保険者と第3号被保険者には「滞納」があり得ないので、被保険者期間がそのまま「保険料納付済期間」となりますが、第1号被保険者は保険料を納付した期間が保険料納付済期間となります。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
保険料納付済期間には、督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む。
②【H24年出題】
保険料納付済期間には、保険料の一部免除の規定により、その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき、その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない。
③【H24年出題】
保険料全額免除期間を受けた期間のうち保険料を追納した期間は、保険料納付済期間とされる。
④【R2年出題】
保険料全額免除期間とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって法定免除、申請全額免除、産前産後期間の保険料免除、学生納付特例又は納付猶予の規定による保険料を免除された期間(追納した期間を除く。)を合算した期間である。
【解答】
①【H24年出題】 〇
保険料を滞納し、督促及び滞納処分を受け、それによって保険料を納付した場合は、「保険料納付済期間」となります。
②【H24年出題】 〇
例えば、4分の3免除を受けた場合は、保険料の4分の3は免除されますが、残りの4分の1は納付する義務があります。4分の3免除の規定により、その4分の1が納付された期間は、保険料納付済期間ではなく、「保険料4分の3免除期間」です。
③【H24年出題】 〇
保険料を追納した期間は、「保険料納付済期間」です。
④【R2年出題】 ×
産前産後期間の保険料免除期間は、全額免除期間ではなく「保険料納付済期間」です。
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R4-255
高額介護合算療養費とは??
「健康保険」の一部負担金と「介護保険」の利用者負担額を合算して、「介護合算算定基準額+支給基準額」を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。超えた金額は、健康保険と介護保険の自己負担額の比率で按分して支給されます。
計算期間は、1年間(8月1日から翌年7月31日)です。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年選択式】
高額介護合算療養費は、介護合算一部負担金等世帯合算額が介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。この支給基準額とは、高額介護合算療養費の支給の事務の執行に要する費用を勘案して厚生労働大臣が定める額のことであり、その額は< A >円である。
70歳未満で標準報酬月額が360,000円の被保険者の場合、介護合算算定基準額は < B >円である。
②【H25年出題】
高額介護合算療養費は、計算期間(前年8月1日から7月31日までの1年間)の末日において健康保険の被保険者及びその被扶養者についてそれぞれ個別に算定し支給する。
③【H28年出題】
70歳未満の被保険者又は被扶養者の受けた療養について、高額療養費を算定する場合には、同一医療機関で同一月内の一部負担金等の額が21,000円未満のものは算定対象から除かれるが、高額介護合算療養費を算定する場合には、それらの費用も算定の対象となる。
④【H30年出題】
高額介護合算療養費は、健康保険法に規定する一部負担金等の額並びに介護保険法に規定する介護サービス利用者負担額及び介護予防サービス利用者負担額の合計額が、介護合算算定基準額に支給基準額を加えた額を超える場合に支給される。高額介護合算療養費は、健康保険法に基づく高額療養費が支給されていることを支給要件の1つとしており、一部負担金等の額は高額療養費の支給額に相当する額を控除して得た額となる。
【解答】
①【H25年選択式】
A 500
B 670,000
(平成20年厚生労働省告示第225号、令43条の3)
高額介護合算療養費は、「介護合算一部負担金等世帯合算額-介護合算算定基準額」が、500円を超える場合に限り、支給されます。
②【H25年出題】 ×
「個別に」算定ではなく、「世帯」単位で算定します。
(H21.4.30保保発0430001)
③【H28年出題】 ×
高額介護合算療養費を算定する場合も、70歳未満の21,000円未満のものは算定対象から除かれます。
(H21.4.30保保発0430001)
④【H30年出題】 ×
「健康保険法に基づく高額療養費が支給されていること」は要件ではありません。
なお、合算する場合は、健康保険の一部負担金等の額から高額療養費は除かれ、また、介護保険の利用者負担額から高額介護サービス費は除かれます。
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R4-254
75歳になり後期高齢者医療の被保険者の資格を取得した場合、健康保険の資格は喪失します。
今日のテーマは、月の途中で後期高齢者医療の被保険者になった場合の高額療養費の自己負担限度額についてです。
月の途中(2日~末日)に、後期高齢者医療の被保険者になった月は、その月に受けた療養は、「健康保険」、「後期高齢者医療」の自己負担限度額をそれぞれ「2分の1」にして、支給要件を見ることになります。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
被保険者が月の初日以外の日に75歳に達したことにより後期高齢者医療の被保険者となり、健康保険の被保険者の資格を喪失した場合、その月の一部負担金等について健康保険と後期高齢者医療制度でそれぞれ高額療養費算定基準が適用されることとなるため、特例により個人単位で両制度のいずれにおいても通常の基準額の2分の1の額を設定することとされている。
②【R1年出題】
標準報酬月額が28万円以上53万円未満である74歳の被保険者で高額療養費多数回該当に当たる者であって、健康保険の高額療養費算定基準額が44,400円である者が、月の初日以外の日において75歳に達し、後期高齢者医療制度の被保険者の資格を取得したことにより、健康保険の被保険者資格を喪失したとき、当該月における外来診療に係る個人単位の健康保険の高額療養費算定基準額は22,200円とされている。
【解答】
①【H25年出題】 〇
★月の初日以外の日に75歳に達した場合のポイント!
・健康保険と後期高齢者医療制度でそれぞれ高額療養費算定基準が適用される
・個人単位で両制度のいずれも通常の基準額の2分の1の額を設定する
②【R1年出題】 〇
健康保険と後期高齢者医療でそれぞれ2分の1の高額療養費算定基準額が適用されるので、問題文の場合は、外来診療に係る個人単位の健康保険の高額療養費算定基準額は22,200円です。
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R4-253
長期間にわたり高額な医療費がかかる特定疾病については、自己負担限度額の特例が設けられています。負担軽減のためです。
特定疾病については施行令第41条第9項で以下の要件が定められています。
1 費用が著しく高額な一定の治療として厚生労働大臣が定める治療を要すること。
2 1の治療を著しく長期間にわたり継続しなければならないこと。
要件に基づき、指定されているのが次の3つです。
① 人工腎臓を実施する慢性腎不全 (人工透析)
② 血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第Ⅷ因子障害及び先天性血液凝固第Ⅸ因子障害 (血友病)
③ 抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群
(血液製剤に起因するHIV感染症)
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
標準報酬月額が56万円である60歳の被保険者が、慢性腎不全で1つの病院から人工腎臓を実施する療養を受けている場合において、当該療養に係る高額療養費算定基準額は10,000円とされている。
②【H28年出題】
70歳以上の被保険者が人工腎臓を実施する慢性腎不全に係る療養を受けている場合、高額療養費算定基準額は、当該被保険者の所得にかかわらず、20,000円である。
【解答】
①【R2年出題】 ×
★長期高額疾病(特定疾病)に係る自己負担限度額の特例
・自己負担限度額は月額1万円です。※限度額を超える分は高額療養費が現物給付で支給されます。
・ただし、「慢性腎不全」のうち「70歳未満」の「上位所得者(標準報酬月額53万円以上)」については自己負担限度額は2万円です。
問題文の高額療養費算定基準額は1万円ではなく「2万円」です。
(昭59.9.28厚告156)
②【H28年出題】 ×
2万円ではなく「1万円」です。
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R4-252
高額療養費に該当する月以前12か月間に、高額療養費が支給されている月が3回以上ある場合、4回目以降の自己負担限度額が下がります。自己負担を軽減するためです。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
高額療養費多数回該当の場合とは、療養のあった月以前の12か月以内に既に高額療養費が支給されている月数が2か月以上ある場合をいい、3か月目からは一部負担金等の額が多数回該当の高額療養費算定基準額を超えたときに、その超えた分が高額療養費として支給される。
②【H28年選択式】
55歳で標準報酬月額が83万円である被保険者が、特定疾病でない疾病による入院により、同一の月に療養を受け、その療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用が1,000,000円であったとき、その月以前の12か月以内に高額療養費の支給を受けたことがない場合の高額療養費算定基準額は、252,600円+(1,000,000円- < A >)×1%の算定式で算出され、当該被保険者に支給される高額療養費は < B >となる。また、当該被保険者に対し、その月以前の12か月以内に高額療養費が支給されている月が3か月以上ある場合(高額療養費多数回該当の場合)の高額療養費算定基準額は、< C >となる。
③【H18年出題】
転職により、健康保険組合の被保険者から全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に変更した場合であっても、高額療養費の算定にあたっての支給回数は通算される。
【解答】
①【H26年出題】 ×
多数回該当の場合とは、療養のあった月以前の12か月以内に既に高額療養費が支給されている月数が3か月以上ある場合をいいます。4か月目からは高額療養費算定基準額が「多数回該当」の上限額になります。
②【H28年選択式】
A 842,000円
B 45,820円
C 140,100円
■70歳未満の被保険者(標準報酬月額83万円)の場合
(高額療養費算定基準額)
・252,600円+(医療費-842,000円)×1%
・多数回該当の場合 140,100円
ポイント!
842,000円について → 842,000円の30%が252,600円です。
計算式!
・高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
252,600円+(100万円-84万2千円)×1% = 25万4,180円
・高額療養費
30万円 - 25万4,180円 = 4万5,820円
③【H18年出題】 ×
健康保険組合の被保険者から協会健保の被保険者に変わる等、管掌する保険者が変わった場合は、支給回数は通算されないことになっています。
(昭59.9.29保険発第74号・庁保険発第18号)
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R4-251
高額療養費は、「1人単位」で計算するのが原則ですが、同一世帯で、複数人が医療機関にかかった場合は、一部負担金等を合算して計算することができます。
また、同一人物でも、高額療養費は医療機関ごとに計算するのが原則ですが、同一人物が同一月に複数の医療機関にかかった場合も、世帯合算が適用されます。
合算の対象になるのは、「70歳未満」の場合は21,000円以上の自己負担額です。「70歳以上」の場合は、合算の対象に制限はありませんので、すべての自己負担額を合算できます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】
高額療養費の算定における世帯合算は、被保険者及びその被扶養者を単位として行われるものであり、夫婦がともに被保険者である場合は、原則としてその夫婦間では行われないが、夫婦がともに70歳以上の被保険者であれば、世帯合算が行われる。
【解答】
【H30年出題】 ×
夫婦がともに被保険者の場合は、70歳未満、70歳以上関係なく、世帯合算の対象になりません。
世帯合算の単位は、「被保険者+その被扶養者」のまとまりです。
<計算事例>
・70歳未満の被保険者A(標準報酬月額32万円)
→ 医療費20万円(一部負担金 6万円)
・70歳未満の被扶養者B
→ 医療費3万円(窓口負担 9千円)
・70歳未満の被扶養者C
→ 医療費100万円(窓口負担 30万円)
世帯合算の対象になるのは「2万1千円以上」の被保険者Aと被扶養者Cの負担分です。被扶養者Bは2万1千円未満なので、世帯合算されません。
①高額療養費算定基準額(自己負担限度額)
8万100円+(120万円-26万7千円)×1% = 8万9430円
②高額療養費
36万円 - 8万9430円 = 27万570円
となります。
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R4-250
例えば、病気で入院し、1か月間で医療費が100万円かかった場合、一部負担金は3割の30万円となります。
このうちの自己負担限度額を超えた部分が「高額療養費」として払い戻されます。(限度額適用認定証を提示し、払い戻しではなく現物給付として受ける方法もあります。)
70歳未満の被保険者(標準報酬月額28万円)、医療費100万円の場合の高額療養費
①自己負担限度額(高額療養費算定基準額)
8万100円+(100万円-26万7千円)×1% = 8万7430円
②高額療養費
30万円-8万7430円 = 21万2570円
→ 21万2570円が高額療養費として払い戻されます。
医療費総額 100万円 | ||
療養の給付
70万円 | 一部負担金 30万円 | |
自己負担限度額 8万7430円 | 高額療養費 21万2570円 |
条文を読んでみましょう
第115条 (高額療養費) ① 療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養(食事療養及び生活療養を除く。)に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額(「一部負担金等の額」という。)が著しく高額であるときは、その療養の給付又はその保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給を受けた者に対し、高額療養費を支給する。 ② 高額療養費の支給要件、支給額その他高額療養費の支給に関して必要な事項は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して、政令で定める。 |
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
高額療養費の支給要件、支給額等は、療養に必要な費用の負担の家計に与える影響及び療養に要した費用の額を考慮して政令で定められているが、入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は高額療養費の算定対象とならない。
②【H23年出題】
高額療養費の支給要件の取扱いでは、同一の医療機関であっても入院診療分と通院診療分はそれぞれ区別される。
③【H27年出題】
同一の月に同一の保険医療機関において内科及び歯科をそれぞれ通院で受診したとき、高額療養費の算定上、1つの病院で受けた療養とみなされる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
入院時生活療養費に係る生活療養標準負担額は、高額療養費の計算には入りません。
★高額療養費の算定対象とならない負担
・食事療養標準負担額
・生活療養標準負担額
・保険外のもの
保険外併用療養費に係る自費負担分など
②【H23年出題】 〇
★高額療養費の支給要件の取扱いポイント
・暦月単位で計算
例えば、3月15日から4月10日まで入院療養を受けた場合は、「3月15日から3月31日まで」と「4月1日から4月10日まで」に区別します。
・1人ずつ計算
・医療機関ごとに計算
・医科、歯科別で計算
・入院と通院はそれぞれで計算
問題文のように、同一の医療機関でも入院診療分と通院診療分は、それぞれ区別します。
③【H27年出題】 ×
内科と歯科は、それぞれ区別して算定します。
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R4-249
・ 自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇されたとき
・ 正当な理由がないと認められるにもかかわらず自己の都合によって退職したとき
→ 待期満了後1か月以上3か月以内の間 、基本手当は支給されません。
では、条文を読んでみましょう。
第33条 (離職理由による給付制限) 被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、待期期間の満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。 ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わった日後の期間については、この限りでない。 |
「離職理由の判定については、客観的資料、関係者の証言、離職者の申立等を基に慎重に判断する」とされています。 (行政手引52201)
過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合、その者が当該離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日の後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間(ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わった日後の期間は除く。)は、基本手当が支給されない。
②【H28年出題】
自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合は、待期の満了の日の翌日から起算して1か月以上3か月以内の間、基本手当は支給されないが、この間についても失業の認定を行わなければならない。
③【H26年出題】
上司、同僚等から故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことにより退職した場合は、自己の都合によって退職した場合であっても、正当な理由があるためこれを理由とする給付制限は行われない。
④【H29年出題】
配偶者と別居生活を続けることが家庭生活の上からも、経済的事情からも困難となり、配偶者と同居するために住所を移転したことにより事業所への通勤が不可能となったことで退職した場合、退職に正当な理由がないものとして給付制限を受ける。
⑤【H26年出題】
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合であっても、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練の受講開始日以後は、他の要件を満たす限り基本手当が支給される。
【解答】
①【H23年出題】 ×
給付制限期間の起算日が誤っています。
「離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日の後」ではなく、「待期期間の満了後」1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間です。
②【H28年出題】 ×
行政手引によると、「失業の認定を行う必要はない」となっています 。
なお、給付制限は、所定給付日数が短縮されるものではありません。
(行政手引52205)
③【H26年出題】 〇
問題文の場合は、「正当な理由あり」に該当するので、給付制限は行われません。
ちなみに、「正当な理由」とは、被保険者の状況(健康状態、家庭の事情等)、事業所の状況 (労働条件、雇用管理の状況、経営状況等)その他からみて、その退職が真にやむを得ないものであることが客観的に認められる場合をいいます。被保険者の主観的判断は考慮されません。
(行政手引52203)
④【H29年出題】 ×
問題文の場合は、「正当な理由あり」に該当しますので、給付制限は受けません。
(行政手引52203)
⑤【H26年出題】 〇
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練の受講開始日以後は、給付制限が解除されますので、要件を満たせば、基本手当が支給されます。
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R4-248
労災保険の保険給付には、「治ゆ前」に支給されるものと「治ゆ後」に支給されるものがあます。
今日のテーマは、療養補償給付、休業補償給付、傷病補償年金ですが、この3つは「治ゆ前」に支給されるものです。
それぞれが、併給されるか否かが良く問われます。
まずは図でイメージしましょう。
・病気やけがの治療
→ 治ゆするまで「療養補償給付」が受けられます。
・所得補償
→休業4日目から「休業補償給付」が受けられます。
→療養開始後1年6か月が経過した日(又は同日後)に、傷病が治っておらず、傷病等級1~3級に該当した場合は、「傷病補償年金」に切り替わります。
療養補償給付 | 治 ゆ | |
休業補償給付 | 傷病補償年金 | |
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
療養の給付は、その傷病が療養を必要としなくなるまで行われるので、症状が安定して疾病が固定した状態になり、医療効果が期待しえない状態になっても、神経症状のような傷病の症状が残っていれば、療養の給付が行われる。
②【H24年出題】
療養補償給付は、休業補償給付と併給される場合がある。
③【H24年出題】
療養補償給付は、傷病補償年金と併給される場合がある。
④【H27年出題】
傷病補償年金は、休業補償給付と併給されることはない。
⑤【H30年出題】
休業補償給付と傷病補償年金は、併給されることはない。
【解答】
①【H27年出題】 ×
「症状が安定して疾病が固定した状態」、「医療効果が期待しえない状態」の場合は、症状が残っていても、療養の必要はなくなったものとされ、療養の給付は行われません。
(昭23.1.13基災発第3号)
②【H24年出題】 〇
治療としての「療養補償給付」と労働することができない期間の所得補償である「休業補償給付」は併給されます。
③【H24年出題】 〇
治療としての「療養補償給付」と、治ゆ前の所得補償である「傷病補償年金」は併給されます。
④【H27年出題】 〇
⑤【H30年出題】 〇
休業補償給付と傷病補償年金は、どちらも所得補償ですので、併給されることはありません。
ポイント!
「年金」は「支給事由が生じた月の翌月」から、「権利が消滅した月」まで「月単位」で支給されます。
傷病補償年金の受給権が生じた月は、「休業補償給付」が支給され、その翌月から傷病補償年金の支給が始まります。
また、傷病等級に該当しなくなり傷病補償年金の受給権が消滅した場合は、消滅した月まで傷病補償年金が支給され、要件に合えば、その翌月から休業補償給付が支給されます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
| 傷病補償年金 受給権発生 |
|
|
|
| 傷病補償年金 受給権消滅 |
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休 | 休 | 傷 | 傷 | 傷 | 傷 | 傷 | 休 |
休 → 休業補償給付
傷 → 傷病補償年金
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R4-247
今回は、「研究開発業務に従事する労働者」、「高度プロフェッショナル制度により労働する労働者」に対する面接指導です。
条文を読んでみましょう。
第66条の8の2 「新技術・新商品等の研究開発の業務に従事する者」 事業者は、その労働時間が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める時間を超える労働者(労働基準法第36条第11項に規定する業務(新技術・新商品等の研究開発の業務)に従事する者(同法第41条各号に掲げる者及び第66条の8の4第1項に規定する者を除く。)に限る。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。
則第52条の7の2 法第66条の8の2第1項の厚生労働省令で定める時間は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間について、1月当たり 100時間とする。 |
ポイント!
対象は、労働基準法第36条第11項(新技術・新商品等の研究開発の業務)に従事する者に限られます。
では、こちらの条文も読んでみましょう
第66条の8の4「高度プロフェッショナル制度により労働する労働者」 事業者は、労働基準法第41条の2第1項の規定(高度プロフェッショナル制度)により労働する労働者であって、その健康管理時間が当該労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める時間を超えるものに対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。 則第52条の7の4 法第66条の8の4第1項の厚生労働省令で定める時間は、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間とする。
|
ポイント!
労働基準法第41条の2第1項の規定により労働する労働者(いわゆる高度プロフェッショナル制度により労働する労働者)が対象です。
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
事業者は、研究開発に係る業務に従事する労働者については、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超えた場合は、労働者からの申出の有無にかかわらず面接指導を行わなければならない。
②【R2年出題】
事業者は、労働基準法第41条の2第1項の規定により労働する労働者(いわゆる高度プロフェッショナル制度により労働する労働者)については、その健康管理時間(同項第3号に規定する健康管理時間をいう。)が1週間当たり40時間を超えた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超えるものに対し、労働者からの申出の有無にかかわらず医師による面接指導を行わなければならない。
【解答】
①【R2年出題】 ×
・新技術・新商品等の研究開発の業務に従事する労働者について
時間外・休日労働が1月当たり「100時間」を超えた場合は、「労働者からの申出の有無にかかわらず」面接指導を行わなければなりません。
なお、時間外・休日労働が1月当たり「80時間」を超え、かつ疲労の蓄積が認められる場合は、「長時間労働者に対する面接指導」の対象となりますが、この場合は「労働者の申出」が必要です。
②【R2年出題】 〇
・高度プロフェッショナル制度により労働する労働者について
1週間当たり40時間を超える健康管理時間が、1月当たり100時間を超える場合は、「労働者からの申出の有無にかかわらず」、面接指導を行わなければなりません。
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R4-246
前回の続きです。
休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月あたり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対して、事業者は、面接指導を行わなければなりません。
今回は事後措置などを確認します。
では、条文を読んでみましょう。
第66条の8 (面接指導等) ③ 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、面接指導の結果を記録しておかなければならない。 則第52条の6 (面接指導結果の記録の作成) 事業者は、面接指導の結果に基づき、面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない |
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
事業者は、面接指導の結果に基づき、法定の事項を記載した当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
【解答】
①【H25年出題】 〇
面接指導の結果の記録の保存期間は、5年間です。
では、条文の続きをどうぞ
第66条の8 (面接指導等) ④ 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
⑤ 事業者は、④の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
則第52条の7 (面接指導の結果についての医師からの意見聴取) 面接指導の結果に基づく医師からの意見聴取は、当該面接指導が行われた後、遅滞なく行わなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
②【H21年出題】
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない。
③【H25年出題】
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
④【H25年出題】
事業者は、面接指導の結果に基づく医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
【解答】
②【H21年出題】 〇
面接指導の結果について、医師から意見を聴取しなければなりません。
③【H25年出題】 〇
医師からの意見聴取は、厚生労働省令(則第52条の7)で、「面接指導が行われた後、遅滞なく」、と規定されています。
④【H25年出題】 〇
ポイントを穴埋めで確認しましょう。
事業者は、面接指導の結果に基づく医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、 < A >の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の< B >又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
【解答】
A 深夜業
B 衛生委員会若しくは安全衛生委員会
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R4-245
長時間労働による「脳・心臓疾患」の発症を予防するため、事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月あたり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対して、面接指導を行わなければなりません。
今回は「面接指導その1」です。
条文を読んでみましょう。
第66条の8 (面接指導等) ① 事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。)を行わなければならない。
則第52条の2 (面接指導の対象となる労働者の要件等) ① 法第66条の8第1項の厚生労働省令で定める要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。 ② ①の超えた時間の算定は、毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。 ③ 事業者は、①の超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者に対し、当該労働者に係る当該超えた時間に関する情報を通知しなければならない。
則第52条の3 (面接指導の実施方法等) ① 面接指導は、要件に該当する労働者の申出により行うものとする。 ② ①の申出は、超えた時間の算定の期日後、遅滞なく、行うものとする。 ③ 事業者は、労働者から申出があったときは、遅滞なく、面接指導を行わなければならない。 ④ 産業医は、要件に該当する労働者に対して、申出を行うよう勧奨することができる。 |
過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり60時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者から申出があった場合は、面接指導を行わなければならない。
②【H21年出題】 ※改正による修正あり
事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対しては、本人の申出の有無にかかわらず、面接指導を実施しなければならない。
③【H18年選択式】 ※改正による修正あり
労働安全衛生法第66条の8の規定に基づき、事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者に対し、当該労働者の申出により、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。)を行わなければならない。また、労働安全衛生規則第52条の3第4項においては、産業医は、当該労働者に対して、当該申出を行うよう < A >することができる旨規定されている。
【解答】
①【R2年出題】 ×
長時間労働者の面接指導は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり「80時間」を超えていることが要件です。
★長時間労働者の面接指導のポイント!
・休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり「80時間」を超えている
かつ
・疲労の蓄積が認められる
・労働者の「申出」が必要
②【H21年出題】 ×
長時間労働者の面接指導は、「本人の申出の有無にかかわらず」ではなく、「本人の申出により」、実施しなければならない、です。
③【H18年選択式】
A 勧奨
長時間労働者に対する面接指導に関し、産業医は、所定の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができます。
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R4-244
賃金を1年単位で決定している制度を、年俸制といいます。
労働者の成果や能力に対する評価で決定されます。
年俸制の労働者にも、労働基準法の賃金のルールは適用されますし、また、時間外労働等をさせた場合は、割増賃金の支払いも必要です。
今回は、年俸制のルールを確認します。
では、早速過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
労働基準法では、年俸制をとる労働者についても、賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないが、各月の支払いを一定額とする(各月で等分して支払う)ことは求められていない。
【解答】
①【H30年出題】 〇
年俸制にも賃金支払い五原則が適用されますので、「毎月1回以上、一定の期日を定めて」支払わなければなりません。
毎月、年俸額の12分の1を支払い、各月の支払いを一定額にする方法もありますが、年俸額の一部を賞与の時期に支払う方法(例えば、毎月、年俸額の16分の1を支払い、16分の4を2等分して賞与として支給する等)もとれます。各月の支払いを一定額とすることは求められていません。
では、もう一問どうぞ!
②【H17年出題】
年間賃金額を予め定めるいわゆる年俸制を採用する事業場において、就業規則により、決定された年俸の16分の1を月例給与とし、決定された年俸の16分の4を2分して6月と12月にそれぞれ賞与として支給し、他に交通費実費分の通勤手当を月々支給することを定めて支給しているような場合には、割増賃金の支払いは、月例給与に賞与部分を含めた年俸額を基礎として計算をして支払わなければならない。
【解答】
②【H17年出題】 〇
<この問題文の支払い方法>
毎月 → 年俸の16分の1+通勤手当
6月と12月 → 年俸の16分の2ずつを賞与として支給
時間外労働等を行った場合は、年俸制の労働者にも割増賃金を支払わなければなりません。
その際、「6月と12月に賞与として支払われている賃金」をどのように扱うのかがポイントです。
通達では、「施行規則第21条第4号の「臨時に支払われた賃金」及び第5号の「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」のいずれにも該当しないものであるから、割増賃金の算定基礎から除外できない」とされています。
ですので、賞与の部分も含めて計算しなければなりません。
なお、通勤手当は算定基礎に含めませんので、割増賃金の支払いは、問題文のように「月例給与に賞与部分を含めた年俸額」を基礎として計算します。
(H12.3.8基収78号)
★年俸制の平均賃金について
割増賃金と同じように扱います。賞与部分を含めた年俸額の12分の1を1か月分の賃金として平均賃金を算定します。
(H12.3.8基収78号)
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R4-243
割増賃金は、1時間当たりの単価×割増率で計算します。
今回は、1時間当たりの単価の出し方がテーマです。
計算のルールを条文で読んでみましょう。
則第19条 法第37条第1項の規定による通常の労働時間又は通常の労働日の賃金の計算額は、次の各号の金額に延長した労働時間数若しくは休日の労働時間数又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時)までの労働時間数を乗じた金額とする。 1 時間によって定められた賃金については、その金額 2 日によって定められた賃金については、その金額を1日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異なる場合には、1週間における1日平均所定労働時間数)で除した金額 3 週によって定められた賃金については、その金額を週における所定労働時間数(週によって所定労働時間数が異なる場合には、4週間における1週平均所定労働時間数)で除した金額 4 月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1月平均所定労働時間数)で除した金額 5 月、週以外の一定の期間によって定められた賃金については、前各号に準じて算定した金額 6 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金については、その賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間)において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における、総労働時間数で除した金額 7 労働者の受ける賃金が前各号の2以上の賃金よりなる場合には、その部分について各号によってそれぞれ算定した金額の合計額 |
例えば、月給制の場合は、通常の労働時間1時間当たりの賃金額は、『月ぎめの賃金÷月の所定労働時間数』で計算します。
では、過去問をどうぞ!
①【H15年出題】
労働基準法第37条は、使用者が第33条又は第36条第1項の規定により労働時間を延長した場合においては、その時間の労働については、一定の方法により計算した割増賃金を支払わなければならない旨規定しているが、これは当然に通常の労働時間に対する賃金を支払うべきことを前提とするものであるから、月給制により賃金が支払われる場合であっても、当該時間外労働については、その労働時間に対する通常の賃金を支払わなければならない。
②【H28年出題】
労働基準法第37条に定める時間外、休日及び深夜の割増賃金を計算するについて、労働基準法施行規則第19条に定める割増賃金の基礎となる賃金の定めに従えば、通常の労働時間1時間当たりの賃金額を求める計算式のうち、正しいものはどれか。
なお、当該労働者の労働条件は次のとおりとする。
賃金:基本給のみ 月額300,000円
年間所定労働日数:240日
計算の基礎となる月の所定労働日数:21日
計算の対象となる月の暦日数:30日
所定労働時間:午前9時から午後5時まで
休憩時間:正午から1時間
A 300,000円÷(21×7)
B 300,000円÷(21×8)
C 300,000円÷(30÷7×40)
D 300,000円÷(240×7÷12)
E 300,000円÷(365÷7×40÷12)
【解答】
①【H15年出題】 〇
月給制で賃金が支払われる場合でも、時間外労働は、その労働時間に対する通常の賃金1.00が必要ですので、割増賃金は「通常の労働時間1時間当たりの賃金額×1.25」で計算します。
②【H28年出題】 D
月給制の場合は、その金額を原則として月の所定労働時間数で除します。しかし、「月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1月平均所定労働時間数」で除します。
問題文の場合は、月によって所定労働時間数が異なりますので、年間平均1か月の所定労働時間数で除します。
年間平均1か月の所定労働時間数は、年間所定労働日数×1日の所定労働時間数÷12か月で計算します。問題文の場合は、240日×7時間÷12か月ですので、計算式は300,000円÷(240×7÷12)です。
こちらもどうぞ!
③【H16年出題】
その賃金が完全な出来高払制その他の請負制によって定められている労働者については、その賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金算定期間における総所定労働時間数で除した金額を基礎として、割増賃金の計算の基礎となる通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額を計算する。
④【H18年出題】 ※改正による修正あり
賃金が出来高払制その他の請負制によって定められている者が、労働基準法第36条第1項又は第33条の規定によって法定労働時間を超えて労働をした場合、当該法定労働時間を超えて労働をした時間については、使用者は、その賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該法定労働時間を超えて労働をした時間数を乗じた金額の2割5分(1か月60時間を超える時間外労働については、その超えた時間については5割)を支払えば足りる。
【解答】
③【H16年出題】 ×
出来高払制の場合は、賃金の総額を、当該期間における「総労働時間数」で除した金額を基礎とします。「総所定労働時間数」ではありませんので注意してください。
④【H18年出題】 〇 ※改正による修正あり
出来高払制の場合の割増賃金の計算式は、
「当該期間の出来高払制の賃金の総額」÷「当該期間の総労働時間数」×0.25(又は0.5)、0.35です。
1.25(又は1.5)、1.35ではなく、0.25(又は0.5)、0.35で差し支えないとされています。
(H11.3.31基発168号)
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R4-242
時間外労働、休日労働、深夜労働をさせた場合、使用者には割増賃金を支払う義務があります。
例えば、時間外労働の場合は、1時間当たりの賃金×1.25で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
今回のテーマは、割増賃金の計算の基礎になる1時間当たりの賃金の計算に算入しない賃金です。
条文を読んでみましょう。
第37条 (時間外、休日及び深夜の割増賃金) ⑤ 割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。 則第21条 法第37条第5項の規定によって、家族手当及び通勤手当のほか、次に掲げる賃金は、割増賃金の基礎となる賃金には算入しない。 1 別居手当 2 子女教育手当 3 住宅手当 4 臨時に支払われた賃金 5 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金 |
1時間当たりの賃金は、手当も含めて計算します。しかし、「家族手当」、「通勤手当」、「別居手当」、「子女教育手当」、「住宅手当」、「臨時に支払われた賃金」、「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」の7つの手当などは計算に入れません。
家族手当は「家族の有無」、通勤手当は「交通機関の運賃」で決まり、労働とは関係ないからです。
また、賞与など(「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当する)も計算に入れません。
なお、覚え方は、「か つ べ し ん 一 住宅」です。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
通勤手当は、労働とは直接関係のない個人的事情に基づいて支払われる賃金であるから、労働基準法の第37条の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないこととされている。
②【H23年出題】
労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基