合格まで一緒に頑張りましょう!合言葉は「毎日コツコツ」
毎日コツコツ。継続は力なり。
令和5年度版
8月27日(日) 当日です!
毎日コツコツ頑張ってきた皆様の合格を祈ります!
R5-365
今日は、社会保険の第1条をチェックします。
条文を読んでみましょう。
<健康保険法> 第1条 この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
<国民年金法> 第1条 国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。 |
<厚生年金保険法> 第1条 この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
<国民健康保険法> 第1条 この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。 |
<児童手当法> 第1条 この法律は、子ども・子育て支援法第7条第1項に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。 |
<高齢者の医療の確保に関する法律> 第1条 この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もって国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。 |
<介護保険法> 第1条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。 |
<確定給付企業年金法> 第1条 この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と給付の内容を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
<確定拠出年金法> 第1条 この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。 |
穴埋めでチェックしましょう
★健康保険法
この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第7条第1項第1号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と< A >に寄与することを目的とする。
★国民年金法
国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを< A >によって防止し、もって < B >に寄与することを目的とする。
★厚生年金保険法
この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及び < A >の生活の安定と< B >に寄与することを目的とする。
★国民健康保険法
この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって< A >に寄与することを目的とする。
★児童手当法
この法律は、子ども・子育て支援法第7条第1項に規定する子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、< A >が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、< B >に資することを目的とする。
★高齢者の医療の確保に関する法律
この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、< A >の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もって国民保健の向上及び< B >を図ることを目的とする。
★介護保険法
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、< A >の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び< B >を図ることを目的とする。
★確定給付企業年金法
この法律は、少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、事業主が従業員と< A >を約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定給付企業年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と< B >に寄与することを目的とする。
★確定拠出年金法
この法律は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が< A >において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と< B >に寄与することを目的とする。
【解答】
★健康保険法
A 福祉の向上
★国民年金法
A 国民の共同連帯
B 健全な国民生活の維持及び向上
★厚生年金保険法
A その遺族
B 福祉の向上
★国民健康保険法
A 社会保障及び国民保健の向上
★児童手当法
A 父母その他の保護者
B 次代の社会を担う児童の健やかな成長
★高齢者の医療の確保に関する法律
A 国民の共同連帯
B 高齢者の福祉の増進
★介護保険法
A 国民の共同連帯
B 福祉の増進
★確定給付企業年金法
A 給付の内容
B 福祉の向上
★確定拠出年金法
A 自己の責任
B 福祉の向上
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R5-364
今日は、労働の一般常識の第1条をチェックしましょう。
<障害者の雇用の促進等に関する法律> 第1条 この法律は、障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置、職業リハビリテーションの措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もって障害者の職業の安定を図ることを目的とする。 |
<労働契約法> 第1条 この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。 |
<男女雇用機会均等法> 第1条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。
第2条第1項 (基本的理念) この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあっては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。 |
<短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律> 第1条 この法律は、我が国における少子高齢化の進展、就業構造の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、短時間・有期雇用労働者の果たす役割の重要性が増大していることに鑑み、短時間・有期雇用労働者について、その適正な労働条件の確保、雇用管理の改善、通常の労働者への転換の推進、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図ることを通じて短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。 |
<労働組合法> 第1条 この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。 |
<社会保険労務士法> 第1条 この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もって労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。
第1条の2(社会保険労務士の職責) 社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。 |
穴埋めでチェックしましょう
★障害者の雇用の促進等に関する法律
この法律は、障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置、< A >の措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もって障害者の< B >を図ることを目的とする。
★労働契約法
この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が< A >により成立し、又は変更されるという< A >の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、< B >労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、< C >に資することを目的とする。
★男女雇用機会均等法
この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して < A >の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。
★短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
この法律は、我が国における少子高齢化の進展、就業構造の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、短時間・有期雇用労働者の果たす役割の重要性が増大していることに鑑み、短時間・有期雇用労働者について、その適正な労働条件の確保、雇用管理の改善、通常の労働者への転換の推進、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図ることを通じて短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図り、あわせて< A >に寄与することを目的とする。
★労働組合法
この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより< A >を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する< B >を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
★社会保険労務士法
この法律は、社会保険労務士の制度を定めて、その業務の適正を図り、もって労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の< A >と労働者等の< B >に資することを目的とする。
【解答】
★障害者の雇用の促進等に関する法律
A 職業リハビリテーション
B 職業の安定
★労働契約法
A 合意
B 合理的な
C 個別の労働関係の安定
★男女雇用機会均等法
A 妊娠中及び出産後の健康
★短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
A 経済及び社会の発展
★労働組合法
A 労働者の地位
B 労働協約
★社会保険労務士法
A 健全な発達
B 福祉の向上
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R5-363
労基法、安衛法、労災保険法、雇用保険法の第1条をチェックします。
条文を読んでみましょう。
労働基準法 第1条 (労働条件の原則) ① 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。 ② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。 |
労働安全衛生法 第1条 (目的) この法律は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。 |
労働者災害補償保険法 第1条 労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
第2条 労働者災害補償保険は、政府が、これを管掌する。
第2条の2 労働者災害補償保険は、第1条の目的を達成するため、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に関して保険給付を行うほか、社会復帰促進等事業を行うことができる。 |
雇用保険法 第1条 (目的) 雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。
第2条 (管掌) ① 雇用保険は、政府が管掌する。 ② 雇用保険の事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
第3条 (雇用保険事業) 雇用保険は、第1条の目的を達成するため、失業等給付及び育児休業給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる。 |
では、穴埋めで確認しましょう
★労働基準法
① 労働条件は、労働者が< A >を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
② この法律で定める労働条件の< B >は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この< B >を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
★労働安全衛生法
この法律は、< A >と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の< B >を確保するとともに、< C >を促進することを目的とする。
★労働者災害補償保険法
労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない2以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の < A >の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の< B >の確保等を図り、もって労働者の< C >に寄与することを目的とする。
★雇用保険法
雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が< A >をした場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の< B >に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の< C >を図ることを目的とする。
【解答】
★労働基準法
A 人たるに値する生活
B 基準
★労働安全衛生法
A 労働基準法
B 安全と健康
C 快適な職場環境の形成
★労働者災害補償保険法
A 社会復帰
B 安全及び衛生
C 福祉の増進
★雇用保険法
A 子を養育するための休業
B 職業の安定
C 福祉の増進
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R5-362
健康保険の給付制限をチェックしましょう。
条文を読んでみましょう。
第116条 被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。
第117条 被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
第119条 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。
第121条 保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。 |
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意若しくは重過失により給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は行われない。
②【H23年出題】
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その給付の全部について行わないものとする。
③【H22年出題】
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の全部または一部を行わないことができる。
④【H28年出題】
保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【解答】
①【R3年出題】 ×
被保険者又は被保険者であった者が、『自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたとき』は、当該給付事由に係る保険給付は、行わない、です。
「重過失」は入りません。
②【H23年出題】 ×
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、『その全部又は一部を行わないことができる』です。
「給付の全部について行わないものとする。」は誤りです。
③【H22年出題】 ×
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、『保険給付の一部』を行わないことができる、です。
「保険給付の全部または一部」は誤りです。
④【H28年出題】 〇
正当な理由なしに、文書の提出等の命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の『全部又は一部』を行わないことができる、です。
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R5-361
徴収法の「賃金」の定義を条文を読んでみましょう。
第2条第2項、3項 ② 徴収法において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。 ③ 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。 |
徴収法上の賃金には、通貨だけでなく、一定の範囲の現物給付も入ります。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】(労災)
労働者が在職中に、退職金相当額の全部又は一部を給与や賞与に上乗せするなど前払いされる場合は、原則として、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入する。
②【H26年出題】(労災)
慶弔見舞金は、就業規則に支給に関する規定があり、その規定に基づいて支払われたものであっても労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含めない。
③【H26年出題】(労災)
雇用保険料その他社会保険料の労働者負担分を、事業主が、労働協約等の定めによって義務づけられて負担した場合、その負担額は賃金と解することとされており、労働保険料等の算定基礎となる賃金総額に含める。
④【H29年出題】(労災)
労働者の退職後の生活保障や在職中の死亡保障を行うことを目的として事業主が労働者を被保険者として保険会社と生命保険等厚生保険の契約をし、会社が当該保険の保険料を全額負担した場合の当該保険料は、賃金とは認められない。
⑤【H29年出題】(労災)
住居の利益は、住居施設等を無償で供与される場合において、住居施設が供与されない者に対して、住居の利益を受ける者との均衡を失しない定額の均衡手当が一律に支給されない場合は、当該住居の利益は賃金とならない。
【解答】
①【H29年出題】 〇(労災)
前払退職金は、原則として、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入されます。
※なお、退職を事由として支払われる退職金で、退職時に支払われるもの又は事業主の都合等で退職前に一時金として支払われるものは、一般保険料の算定基礎となる賃金総額に算入しません。
(平成15.10.1基徴発1001001号)
②【H26年出題】 〇(労災)
祝金、見舞金など個人的、臨時的な吉凶禍福に対して支給されるものは、労働協約等で事業主に支給義務があったとしても、労働保険料の算定基礎となる賃金総額に含まれません。
(昭和25.2.16基発127号)
③【H26年出題】 〇(労災)
雇用保険料その他社会保険料の労働者負担分を、事業主が、労働協約等の定めによって義務づけられて負担した場合、その負担額は賃金となり、労働保険料等の算定基礎となる賃金総額に含めます。
(昭和51.3.31労徴発12号)
④【H29年出題】 〇(労災)
会社が全額負担する生命保険の掛金は、賃金になりません。
(昭30.3.31基災1239号)
⑤【H29年出題】 〇(労災)
則第3条で「賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲は、食事、被服及び住居の利益のほか、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長の定めるところによる。」と規定されていますので、住居の利益は賃金になります。
ただし、問題文のように、住居施設等を無償で供与される場合で、住居施設が供与されない者に対して、住居の利益を受ける者との均衡を失しない定額の均衡手当が一律に支給されない場合は、当該住居の利益は賃金となりません。
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R5-360
日雇労働被保険者のポイントをチェックしましょう。
条文を読んでみましょう。
第42条 (日雇労働者) 日雇労働者とは、次の各号のいずれかに該当する労働者(前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された者(引き続き日雇労働被保険者として取り扱われる旨の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう。 1 日々雇用される者 2 30日以内の期間を定めて雇用される者
第43条第1項 (日雇労働被保険者) ① 被保険者である日雇労働者であって、次の各号のいずれかに該当するもの(以下「日雇労働被保険者」という。)が失業した場合には、日雇労働求職者給付金を支給する。 1 特別区若しくは公共職業安定所の所在する市町村の区域(厚生労働大臣が指定する区域を除く。)又はこれらに隣接する市町村の全部又は一部の区域であつて、厚生労働大臣が指定するもの(以下「適用区域」という。)に居住し、適用事業に雇用される者 2 適用区域外の地域に居住し、適用区域内にある適用事業に雇用される者 3 適用区域外の地域に居住し、適用区域外の地域にある適用事業であって、日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づいて厚生労働大臣が指定したものに雇用される者 4 1~3に掲げる者のほか、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けた者 |
過去問をどうぞ!
①【H25年選択式】
雇用保険法第42条は、同法第3章4節において< A >とは、< B >又は < C >以内の期間を定めて雇用される者のいずれかに該当する労働者(前2月の各月において< D >以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び同一の事業主の適用事業に継続して< E >以上雇用された者(雇用保険法第43条第2項の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう旨を規定している。
②【H29年選択式】
雇用保険法第43条第2項は、「日雇労働被保険者が前< A >の各月において < B >以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合又は同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用された場合において、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、その者は、引き続き、日雇労働被保険者となることができる。」と規定している。
③【H29年出題】
日雇労働被保険者に関しては、被保険者資格の確認の制度が適用されない。
【解答】
①【H25年選択式】
A 日雇労働者
B 日々雇用される者
C30日
D18日
E31日
日雇労働者とは次のどちらかに該当する者です。
・日々雇用される者
・30日以内の期間を定めて雇用される者
ちなみに、この日雇労働者が、連続する前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用されたとき及び同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されたときは、日雇労働者とされません。
ただし、雇用保険法第43条第2項の認可(引き続き日雇労働被保険者として取り扱われる旨の認可)を受けたときは、引き続いて日雇労働被保険者として取り扱われます。
②【H29年選択式】
A2月
B18日
③【H29年出題】 〇
日雇労働被保険者には、「確認」の制度は適用されません。
(法第43条第4項)
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R5-359
労災保険の保護の対象になる労働者を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第3条 ① この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。 ② 国の直営事業及び官公署の事業(労働基準法別表第一に掲げる事業を除く。)については、この法律は、適用しない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【R1年選択式】 ※改正による修正あり
労災保険法第1条によれば、労働者災害補償保険は、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行うこと等を目的とする。同法の労働者とは、< A >法上の労働者であるとされている。そして同法の保険給付とは、業務災害に関する保険給付、複数業務要因災害に関する保険給付、通勤災害に関する保険給付及び< B >給付の4種類である。保険給付の中には一時金ではなく年金として支払われるものもあり、通勤災害に関する保険給付のうち年金として支払われるのは、障害年金、遺族年金及び< C >年金である。
②【H26年出題】
2以上の労災保険適用事業に使用される労働者は、それぞれの事業における労働時間数に関係なくそれぞれの事業において、労災保険法の適用がある。
③【H26年出題】
ある事業に雇用される労働者が、その雇用関係を存続したまま、他の事業の業務に従事する、いわゆる出向の場合における当該労働者に係る保険関係が出向元事業と出向先事業とのいずれにあるかは、出向の目的及び出向元事業主と出向先事業主とが当該出向労働者の出向につき行った契約並びに出向先事業における出向労働者の労働の実態等に基づき、当該労働者の労働関係の所在を判断して、決定する。
④【H26年出題】
船員法上の船員については労災保険法は適用されない。
⑤【R1年出題】
派遣労働者の保険給付の請求に当たっては、保険給付請求書の事業主の証明は派遣先事業主が行うこととされている。
【解答】
①【R1年選択式】
A 労働基準
B 二次健康診断等
C 傷病
★労災保険法の労働者とは、労働基準法上の労働者です。
②【H26年出題】 〇
労働者は、労働時間に関係なく労災保険が適用されます。また、2以上の適用事業所に使用される場合は、それぞれの事業で、労災保険法が適用されます。
③【H26年出題】 〇
出向労働者の保険関係の所在については、出向の目的及び出向元事業主と出向先事業主とが当該出向労働者の出向につき行った契約並びに出向先事業における出向労働者の労働の実態等に基づき、当該労働者の労働関係の所在を判断して、決定されます。
(昭和35.11.2基発第932号)
④【H26年出題】 ×
船員法上の船員には、労災保険法が適用されます。
⑤【R1年出題】 ×
労働者派遣事業の労災保険の適用は、派遣元事業主の事業が適用事業となります。
派遣労働者の保険給付の請求に当たり、保険給付請求書の事業主の証明は「派遣元事業主」が行います。
(昭和61.6.30発労徴41・基発383号)
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R5-358
選択式の過去問をチェックしましょう。
条文を読んでみましょう。
第65条の3 (作業の管理) 事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。 |
第65条の4(作業時間の制限) 事業者は、潜水業務その他の健康障害を生ずるおそれのある業務で、厚生労働省令で定めるもの(高圧室内業務)に従事させる労働者については、厚生労働省令で定める作業時間についての基準に違反して、当該業務に従事させてはならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H29年選択式】
労働安全衛生法第65条の3は、いわゆる労働衛生の3管理の一つである作業管理について、「事業者は、労働者の< A >に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。」と定めている。
②【H16年選択式】
いわゆる過労自殺に関する最高裁判所のある判決によれば、「労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは、周知のところである。労働基準法は、労働時間に関する制限を定め、労働安全衛生法65条の3は、作業の内容等を特に限定することなく、同法所定の事業者は労働者の健康に配慮して、労働者< B >を適切に< C >するように努めるべき旨を定めているが、それは、右のような危険が発生するのを防止することをも目的とするものと解される。」と述べられている。
③【H23選択式】
労働安全衛生法第65条の4においては、「事業者は、< D >その他の健康障害を生ずるおそれのある業務で、厚生労働省令で定めるものに従事させる労働者については、厚生労働省令で定める作業時間についての基準に違反して、当該業務に従事させてはならない。」と規定されている。
(選択肢)
① 深夜業 ② 潜水業務 ③ 粉じん作業に係る業務
【解答】
①【H29年選択式】
A 健康
ちなみに、労働衛生の3管理とは、「作業環境管理」、「作業管理」、「健康管理」です。
②【H16年選択式】
B の従事する作業
C 管理
(H12.3.24最高裁判所第二小法廷)
③【H23選択式】
D ② 潜水業務
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R5-357
賃金支払5原則の一つに、「全額払いの原則」があります。
今日は、全額払の原則と賃金債権放棄の意思表示についてみていきます。
賃金支払の原則は次の5つです。
(1) 通貨払い (2) 直接払い (3) 全額払い (4) 毎月1回以上払い (5) 一定期日払い |
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
賃金にあたる退職金債権放棄の効力について、労働者が賃金にあたる退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該意思表示は有効であるとするのが最高裁判所の判例である。
②【H25年出題】
退職金は労働者にとって重要な労働条件であり、いわゆる全額払の原則は強行的な規制であるため、労働者が退職に際し退職金債権を放棄する意思表示をしたとしても、同原則の趣旨により、当該意思表示の効力は否定されるとするのが、最高裁判所の判例である。
③【H27年出題】
退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなくこれを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、これが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則の趣旨に反し無効であるとするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
①【R1年出題】 〇
・就業規則で支給条件が明確に定められている退職金は、労働基準法上の賃金に該当し、「全額払の原則」が適用されます。
・「全額払の原則」の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活をおびやかすことのないようにしてその保護をはかろうとするものです。
・賃金にあたる退職金債権放棄の効力について、労働者が賃金にあたる退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、当該意思表示は有効である、とされています。
(昭和48.1.19最高裁判所第二小法廷 シンガー・ソーイング・メシーン事件)
②【H25年出題】 ×
労働者が退職に際し退職金債権を放棄する意思表示をした場合、それが労働者の「自由な意思」に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、「当該意思表示は有効」とするのが、最高裁判所の判例です。
(昭和48.1.19最高裁判所第二小法廷 シンガー・ソーイング・メシーン事件)
③【H27年出題】 ×
労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の「自由な意思」に基づくものである場合は、その意思表示は「有効」であるとするのが、最高裁判所の判例です。
(昭和48.1.19最高裁判所第二小法廷 シンガー・ソーイング・メシーン事件)
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R5-356
三六協定の条文を読んでみましょう。
第36条第1項 (時間外及び休日の労働) 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間又は第35条の休日に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。 |
★労使協定の効力について
労働基準法上の労使協定の効力は、その協定に定めるところによって労働させても労働基準法に違反しないという免罰効果です。
労働者の民事上の義務は、当該協定から直接生じるものではなく、労働協約、就業規則等の根拠が必要です。
(昭和63年1月1日基発第1号)
では、過去問をどうぞ!
①【H20年選択式】
使用者が労働者に対し時間外労働を命じる場合について、「労働基準法〔…〕32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる三六協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、当該就業規則の規定の内容が< A >ものである限り、それが具体的な労働契約の内容をなすから、右就業規則の規定の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負うものと解するを相当とする〔…〕」というのが最高裁判所の判例である。
②【H27年出題】
労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めていたとしても、 36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
①【H20年選択式】
A 合理的な
使用者が、三六協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た
↓
使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該三六協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めている
↓
就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的な労働契約の内容をなす
↓
労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負う
(最高一小H3年11月28日 日立製作所武蔵工場事件)
②【H27年出題】 ×
36協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨定めているときは、「当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り」、それが具体的な労働契約の内容をなし、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて「労働をする義務を負う」とするのが、最高裁判所の判例です。
(最高一小H3年11月28日 日立製作所武蔵工場事件)
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R5-355
今日は介護保険法をチェックしましょう!
過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
市町村又は特別区(以下「市町村」という。)は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。
②【H27年出題】
市町村は、介護保険法第38条第2項に規定する審査判定業務を行わせるため介護認定審査会を設置するが、市町村がこれを共同で設置することはできない。
③【H27年出題】
市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の額の100分の25に相当する額を負担する。
④【H27年出題】
市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護予防・日常生活支援総合事業に要する費用の額の100分の12.5に相当する額を負担する。
⑤【H27年出題】
要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならず、当該申請に関する手続を代行又は代理することができるのは社会保険労務士のみである。
【解答】
①【H27年出題】 ×
法第5条第1項で、「国」は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない、と規定されています。
市町村ではなく「国」の責務です。
あわせて、法第5条第2項も読んでみましょう。
都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。 |
→必要な助言及び適切な援助は、都道府県の責務です。
②【H27年出題】 ×
第14条で、「介護保険法第38条第2項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会を置く」と規定されています。
また、介護認定審査会は、共同で設置することができます。
(地方自治法第252条の7第1項)
③【H27年出題】 ×
市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の額の「100分の12.5」に相当する額を負担します。
(第124条第1項)
④【H27年出題】 〇
市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護予防・日常生活支援総合事業に要する費用の額の100分の12.5に相当する額を負担します。
(法第124条第3項)
⑤【H27年出題】 ×
法第27条第1項で、「要介護認定を受けようとする被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に被保険者証を添付して市町村に申請をしなければならない。この場合において、当該被保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設若しくは介護保険施設であって厚生労働省令で定めるもの又は地域包括支援センターに、当該申請に関する手続を代わって行わせることができる。」とされています。
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R5-354
今日は、令和4年就労条件総合調査の結果をみてみましょう。
過去問をどうぞ!
※令和4年就労条件総合調査を参照して解説していきます。
①【H28年出題】
何らかの週休2日制を採用している企業はどの企業規模でも8割を超えているが、完全週休2日制となると、30~99人規模の企業では3割にとどまっている。
②【H28年出題】
みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は、10パーセントに達していない。
③【H28年出題】
フレックスタイム制を採用している企業割合は、3割を超えている。
④【R4年出題】
労働者1人平均の年次有給休暇の取得率を企業規模別にみると、規模が大きくなるほど取得率が高くなっている。
【解答】
①【H28年出題】 ×
何らかの週休2日制を採用している企業はどの企業規模でも8割を超えています。
完全週休2日制となると、30~99人規模の企業では47.1%となっています。「3割にとどまっている。」は誤りです。
(参照 令和4年就労条件総合調査)
②【H28年出題】 〇
みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は、7.9%で10パーセントに達していません。みなし労働時間制の種類別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が 6.5%、「専門業務型裁量労働制」が 1.2%、「企画業務型裁量労働制」が 0.2%となっています。
ちなみに、みなし労働時間制を採用している企業割合は14.1%です。
(参照 令和4年就労条件総合調査)
③【H28年出題】 ×
フレックスタイム制を採用している企業割合は、8.2%です。「3割を超えている。」は誤りです。
ちなみに、変形労働時間制を採用している企業割合は 64.0%です。変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が34.3%、「1か月単位の変形労働時間制」が26.6%、「フレックスタイム制」が 8.2%となっています。
(参照 令和4年就労条件総合調査)
④【R4年出題】 〇
労働者1人平均の年次有給休暇の取得率を企業規模別にみると、規模が大きくなるほど取得率が高くなります。
なお、令和3年の1 年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1 人平均は17.6 日、このうち労働者が取得した日数は10.3日で、取得率は 58.3%となっており、昭和 59 年以降過去最高となっています。
(参照 令和4年就労条件総合調査)
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R5-353
配偶者に係る加給年金額が支給停止されるのはどんなときでしょう?
条文を読んでみましょう。
第46条第6項 加給年金額が加算された老齢厚生年金については、加算が行われている配偶者が、老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)、障害厚生年金、国民年金法による障害基礎年金その他の年金たる給付のうち、老齢若しくは退職又は障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間、配偶者について加算する加給年金額に相当する部分の支給を停止する。 |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その加算の対象となる配偶者が老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、加給年金額の部分の支給が停止されるが、この支給停止は当該配偶者の老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間が300か月以上の場合に限られる。
②【R3年出題】
老齢厚生年金における加給年金額の対象となる配偶者が、障害等級1級若しくは2級の障害厚生年金及び障害基礎年金を受給している間、当該加給年金額は支給停止されるが、障害等級3級の障害厚生年金若しくは障害手当金を受給している場合は支給停止されることはない。
③【H28年出題】
配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときは、当該配偶者については65歳に達したものとみなされ、加給年金額に相当する部分が支給されなくなる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その加算の対象となる配偶者が老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、加給年金額の部分の支給が停止されますが、この支給停止は当該配偶者の老齢厚生年金の計算の基礎となる被保険者期間が「240か月」以上の場合に限られます。
②【R3年出題】 ×
老齢厚生年金における加給年金額の対象となる配偶者が、障害厚生年金及び障害基礎年金を受給している間、当該加給年金額は支給停止されます。
障害厚生年金には3級の障害厚生年金も含まれますので、配偶者が3級の障害厚生年金を受給している間は、加給年金額は支給停止されます。
しかし、「障害手当金」を受給していても加給年金額の支給は停止されません。
(令3条の7)
③【H28年出題】 ×
配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金について、その対象となる配偶者が繰上げ支給の老齢基礎年金の支給を受けるときでも、加給年金額は支給停止されません。
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R5-352
国民年金の「死亡一時金」と厚生年金保険法の「障害手当金」は年金ではなく一時金で支給されます。
それぞれの時効を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
【国民年金法】 第102条第1項、第4項 ① 年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき、当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利は、当該日の属する月の翌月以後に到来する当該年金給付の支給に係る支払期月の翌月の初日から5年を経過したときは、時効によって、消滅する。 ④ 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。 |
時効のポイント!
・年金給付を受ける権利 → 5年
・死亡一時金を受ける権利 → 2年
・保険料等を徴収・還付を受ける権利 → 2年
【厚生年金保険法】 第92条第1項 保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したとき、保険給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき、当該権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利は、当該日の属する月の翌月以後に到来する当該保険給付の支給に係る支払期月の翌月の初日から5年を経過したとき、保険給付の返還を受ける権利は、これを行使することができる時から5年を経過したときは、時効によって、消滅する。 |
時効のポイント!
・保険給付を受ける権利 → 5年
・保険料等を徴収・還付を受ける権利 → 2年
では、過去問をどうぞ!
①国民年金法【H27年出題】※改正による修正あり
年金給付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。
②厚生年金保険法【H29年出題】※改正による修正あり
障害手当金の給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
【解答】
①国民年金法【H27年出題】 ×
年金給付を受ける権利→その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき
死亡一時金を受ける権利→これを行使することができる時から2年を経過したとき
に、時効によって消滅します。
「年金給付(5年)」と「死亡一時金(2年)」の時効の違いに注意してください。
②厚生年金保険法【H29年出題】 ×
保険給付を受ける権利→その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したとき
に時効によって消滅します。
「保険給付」には年金だけでなく一時金(障害手当金)も含まれます。
障害手当金を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅します。
ポイント!
同じ「一時金」でも、国民年金の「死亡一時金」の時効は2年、厚生年金保険の「障害手当金」の時効は5年です。
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R5-351
被保険者期間は、月単位で算定します。
条文を読んでみましょう。
第19条第1項、2項 ① 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。 ② 被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間に算入する。ただし、その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金に規定する第2号被保険者を除く。)の資格を取得したときは、この限りでない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
厚生年金保険法で定める「被保険者期間」とは、被保険者の資格を取得した日から被保険者の資格を喪失した日の前日までの日単位で計算される期間である。
②【H30年出題】
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、例えば、平成29年10月1日に資格取得した被保険者が、平成30年3月30日に資格喪失した場合の被保険者期間は、平成29年10月から平成30年2月までの5か月間であり、平成30年3月は被保険者期間には算入されない。なお、平成30年3月30日の資格喪失以後に被保険者の資格を取得していないものとする。
③【H28年出題】
適用事業所に平成28年3月1日に採用され、第1号厚生年金被保険者の資格を取得した者が同年3月20日付けで退職し、その翌日に被保険者資格を喪失し国民年金の第1号被保険者となった。その後、この者は同年4月1日に再度第1号厚生年金被保険者となった。この場合、同年3月分については、厚生年金保険における被保険者期間に算入されない。
【解答】
①【H21年出題】 ×
「被保険者期間」とは、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までの「月単位」で計算される期間です。
被保険者の資格を取得した日から被保険者の資格を喪失した日の前日までの日単位で計算されるのは、「被保険者であった期間」です。
②【H30年出題】 〇
平成29年10月1日に資格取得、平成30年3月30日に資格喪失した場合の被保険者期間は、資格を取得した月(平成29年10月)から資格を喪失した月の前月(平成30年2月)までの5か月間です。
平成30年3月は被保険者期間には算入されません。
③【H28年出題】 〇
被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を1か月として被保険者期間に算入するのが原則です。
ただし、問題文のように、同じ月に資格取得と資格喪失があり、その月にさらに国民年金の第1号被保険者となった場合は、その月は厚生年金保険の被保険者期間には算入されません。
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R5-350
「障害手当金」が支給されない場合を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第56条 障害手当金の障害の程度を定めるべき日において次の各号のいずれかに該当する者には、障害手当金を支給しない。 1 年金たる保険給付の受給権者(最後に障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)を除く。) 2 国民年金法による年金たる給付の受給権者(最後に障害状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。) 3 当該傷病について国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律若しくは労働基準法第77条の規定による障害補償、労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付、複数事業労働者障害給付若しくは障害給付又は船員保険法による障害を支給事由とする給付を受ける権利を有する者 |
では、過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
障害手当金の受給要件に該当する被保険者が、障害手当金の障害の程度を定めるべき日において遺族厚生年金の受給権者である場合は、その者には障害手当金は支給されない。
②【H30年出題】
在職老齢年金の仕組みにより支給停止が行われている老齢厚生年金を受給している65歳の者が、障害の程度を定めるべき日において障害手当金に該当する程度の障害の状態になった場合、障害手当金は支給される。
③【H18年出題】
障害手当金は、年金たる保険給付の受給権者(最後に障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害厚生年金の受給権者を除く。)には支給しない。
④【H28年出題】
障害手当金の受給要件に該当する被保険者が、当該障害手当金に係る傷病と同一の傷病により労働者災害補償保険法に基づく障害補償給付を受ける権利を有する場合には、その者には障害手当金が支給されない。
【解答】
①【R4年出題】 〇
障害手当金の障害の程度を定めるべき日に、「年金たる保険給付の受給権者」である場合は、障害手当金は支給されません。
遺族厚生年金=年金たる保険給付です。
②【H30年出題】 ×
老齢厚生年金=年金たる保険給付です。
障害の程度を定めるべき日に、老齢厚生年金の受給権者である場合は、障害手当金は支給されません。
③【H18年出題】 〇
障害手当金は、年金たる保険給付の受給権者には支給されません。
しかし、障害厚生年金の受給権者については「最後に障害等級(1~3級)に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した者(現に障害状態に該当しない者に限る。)」には障害手当金が支給されます。
④【H28年出題】 〇
当該傷病について「労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付、複数事業労働者障害給付若しくは障害給付」を受ける権利を有する者には、障害手当金は支給されません。
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R5-349
基礎年金拠出金は、第2号被保険者と第3号被保険者の基礎年金の給付に要する費用に充てられます。
基礎年金拠出金について条文を読んでみましょう。
第94条の2第1項、2項 ① 厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。 ② 実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。 |
基礎年金拠出金の額は、基礎年金の給付に要する費用に「被保険者の総数」に対する「第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者)と第3号被保険者の総数」の比率を乗じて得た額となります。
過去問をどうぞ!
①【R4年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
②【H30年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料免除期間及び保険料未納期間を有する者の総数である。
③【R1年出題】
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者は、第1号被保険者数にあっては、保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間又は保険料4分の3免除期間を有する者であり、第2号被保険者及び第3号被保険者にあってはすべての者である。
【解答】
①【R4年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、「保険料納付済期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の1免除期間」を有する者の総数です。
「保険料全額免除期間」は入りません。
(令第11条の3)
②【H30年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数には、「保険料免除期間のうち保険料全額免除期間、保険料未納期間」は入りません。
(令第11条の3)
③【R1年出題】 ×
基礎年金拠出金の額の算定基礎となる被保険者
・第1号被保険者→保険料納付済期間、保険料4分の1免除期間、保険料半額免除期間、保険料4分の3免除期間を有する者
・第2号被保険者→20歳以上60歳未満の者
・第3号被保険者→すべての者
第2号被保険者はすべての者ではありませんので、注意してください。
(令第11条の3)
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R5-348
国民年金の保険料の納付義務について、条文を読んでみましょう。
第87条第1項、第2項 (保険料) ① 政府は、国民年金事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。 ② 保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。
第94条の6 第2号被保険者としての被保険者期間及び第3号被保険者としての被保険者期間については、政府は、保険料を徴収せず、被保険者は、保険料を納付することを要しない。 |
第1号被保険者は、国民年金の保険料を納付する義務があります。
第2号被保険者、第3号被保険者は、国民年金の保険料を納付する義務はありません。
過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
政府は、第1号被保険者と任意加入被保険者から国民年金の保険料を徴収するが、第2号被保険者及び第3号被保険者から国民年金の保険料を徴収していない。
②【H30年出題】
被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。
【解答】
①【H24年出題】 〇
第2号被保険者と第3号被保険者は、国民年金の保険料は負担しません。
第2号被保険者は、厚生年金保険に保険料を納付しています。その保険料の一部が基礎年金拠出金となっています。
基礎年金拠出金は、第2号被保険者と第3号被保険者の基礎年金の給付に要する費用に充てられます。
②【H30年出題】 ×
「第2号被保険者」と「第3号被保険者」としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しません。
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R5-347
法定免除の期間については、申出により保険料を納付することもできます。
条文を読んでみましょう。
第89条 ① 被保険者(産前産後の免除及び保険料の一部免除の規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。 1 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級(3級)に該当する程度の障害の状態(以下「障害状態」という。)に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。 2 生活保護法による生活扶助を受けるとき。 3 前3号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。 厚生労働省令で定める施設→国立ハンセン病療養所等、国立保養所、厚生労働大臣が指定するもの ② 法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り、法定免除の規定は適用しない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料については、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。
②【R2年出題】
障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。
③【H29年出題】
国民年金法第89条第2項に規定する、法定免除の期間の各月につき保険料を納付する旨の申出は、障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除とされている者又は生活保護法による生活扶助を受けていることにより法定免除とされている者のいずれであっても行うことができる。
【解答】
①【H26年出題】 〇
法定免除の要件に該当していても、被保険者又は被保険者であった者から保険料を納付する旨の申出があったときは、申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができます。
②【R2年出題】 〇
障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、保険料を納付する旨の申出により、申出のあった期間に係る保険料を納付することができます。
③【H29年出題】 〇
法定免除の期間の各月につき保険料を納付する旨の申出は、「障害基礎年金の受給権者」も「生活保護法による生活扶助を受けていることにより法定免除とされている者」のどちらも行うことができます。
★保険料を納付する申出ができる理由
法定免除を受けている期間は、老齢基礎年金の額の計算上は、2分の1となります。
法定免除に該当していても、将来の老齢基礎年金を増額するために、保険料納付の申出をすることができます。
障害基礎年金の受給権者でも、障害の程度が軽くなり障害基礎年金が支給停止になり、老齢基礎年金を選択する可能性があります。
また、法定免除を受けていた期間は、追納することもできますが、追納は10年以内でないとできませんし、当時の保険料額に加算が行われることもあるためです。
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R5-346
健康保険の事務費についてみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第151条 (国庫負担) 国庫は、毎年度、予算の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに介護納付金の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
第152条 ① 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定する。 ② ①の国庫負担金については、概算払をすることができる。 |
健康保険の事務費については、国が負担しています。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
健康保険事業の事務の執行に要する費用について、国庫は、全国健康保険協会に対して毎年度、予算の範囲内において負担しているが、健康保険組合に対しては負担を行っていない。
②【H23年選択式】
1 国庫は、毎年度、< A >の範囲内において、健康保険事業の事務(前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに< B >の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を負担する。
2 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における< C >を基準として、厚生労働大臣が算定する。
3 上記2の国庫負担金については、< D >をすることができる。
【解答】
①【H29年出題】 ×
健康保険事業の事務の執行に要する費用については、全国健康保険協会だけでなく、健康保険組合に対しても、国庫が負担しています。
②【H23年選択式】
A 予算
B 介護納付金
C 被保険者数
D 概算払い
★介護納付金とは?
介護保険の第2号被保険者(40歳~64歳)の介護保険料は、医療保険料と一体的に各医療保険者が徴収します。
↓
徴収した介護保険料は、「介護納付金」として社会保険診療報酬支払基金に納付します。
↓
社会保険診療報酬支払基金から、各市町村に交付されます。
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R5-345
今日は、保険医療機関・保険薬局の指定をみていきます。
★厚生労働大臣の指定を受けた病院又は診療所 → 保険医療機関
★厚生労働大臣の指定を受けた薬局 → 保険薬局
条文を読んでみましょう。
第65条第1項 保険医療機関又は保険薬局の指定は、政令で定めるところにより、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により行う。 |
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により、厚生労働大臣が行い、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失う。
②【H28年出題】
保険医個人が開設する診療所は、病床の有無に関わらず、保険医療機関の指定を受けた日から、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の指定の申出があったものとみなされる。
③【H22年出題】
保険医療機関または保険薬局は、3か月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができ、またその登録の抹消を求めることができる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
・保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により、厚生労働大臣が行います。
※「厚生労働大臣の指定」の権限は、地方厚生局長又は地方厚生支局長に委任されています。(第205条、則第159条第1項)
・指定の効力は6年間です。
(法第68条)
②【H28年出題】 ×
「病床の有無に関わらず」が誤りです。
「保険医療機関の指定を受けた日から、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の指定の申出があったものとみなされる。」のは、保険医個人が開設する診療所です。「病院又は病床を有する診療所」は除かれます。
(法第68条第2項)
③【H22年出題】 ×
保険医療機関又は保険薬局は、「1月以上の予告期間」を設けて、その指定を辞退することができます。
(法第79条第1項)
ちなみに、保険医又は保険薬剤師は、「1月以上の予告期間」を設けて、その登録の抹消を求めることができます。
(法第79条第2項)
保険医療機関・保険薬局は、「指定」、「辞退」
保険医・保険薬剤師は、「登録」、「抹消」です。
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R5-344
定時決定の条文を読んでみましょう。
第41条第1項 (定時決定) 保険者等は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日(短時間労働者にあっては、11日。随時改定、育児休業等を終了した際の改定、産前産後休業を終了した際の改定において同じ。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。 |
今日は、報酬支払の基礎となった日数をみていきます。
過去問をどうぞ!
【H28年出題】
標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いとして、月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合にあっては、その月における暦日の数から当該欠勤日数を控除した日数を支払基礎日数とする。
【解答】
【H28年出題】 ×
4月、5月、6月における支払基礎日数の算定に当たっては、次によることとされています。
① 月給者については、各月の暦日数による。
② 月給者で欠勤日数分に応じ給与が差し引かれる場合は、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から当該欠勤日数を控除した日数による。
③ 日給者については、各月の出勤日数による。
問題文の場合は、その月における暦日の数から欠勤日数を控除した日数ではなく、就業規則、給与規程等に基づき事業所が定めた日数から欠勤日数を控除した日数が、支払基礎日数となります。
(H18.5.12庁保険発第0512001号)
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R5-343
今日は、埋葬料と埋葬費をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第100条 ① 被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額(5万円)を支給する。 ② 埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、①の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。 |
①埋葬料のポイント!
→被保険者により生計を維持していた者に支給されます。
実際に埋葬を行うことが条件ではありません。
②埋葬費のポイント!
→被保険者により生計を維持していた者がいないとき(=埋葬料の支給を受けるべき者がいないとき)は、実際に「埋葬を行った者」に、5万円の範囲内で埋葬に要した費用(実費)が支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
埋葬料の支給要件にある「その者により生計を維持していた者」とは、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持していた者に限られず、生計の一部を維持していた者も含まれる。
②【H25年出題】
埋葬を行う者とは、埋葬を行った者をいうのであるから、被保険者が死亡し社葬を行った場合には、たとえその被保険者に配偶者がいたとしても、配偶者には埋葬料は支給されない。
③【H28年出題】
被保険者が死亡し、その被保険者には埋葬料の支給を受けるべき者がいないが、別に生計をたてている別居の実の弟が埋葬を行った場合、その弟には、埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額が支給される。
【解答】
①【H24年出題】 〇
埋葬料の支給要件の「その者により生計を維持していた者」には、生計の一部を維持していた者も含まれます。
(S8.8.7保発502)
②【H25年出題】 ×
埋葬料は、埋葬を行った事実により支給されるのではなく、被保険者の死亡により支給されるものです。
埋葬を行う者とは、実際に埋葬を行った者ではありません。埋葬を行うべき者のことですので、被保険者が死亡し社葬を行った場合で、その被保険者に配偶者がいた場合は、配偶者に埋葬料が支給されます。
③【H28年出題】 〇
被保険者が死亡し、埋葬料の支給を受けるべき者がいない場合は、実際に埋葬を行った者に実費が支給されます。
別に生計をたてている別居の実の弟が埋葬を行った場合は、実際に埋葬を行った弟に、埋葬料の金額の範囲内でその埋葬に要した費用(実費)が支給されます。
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R5-342
今日は、延滞金の計算についてみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第181条 ① 督促をしたときは、保険者等は、徴収金額に、納期限の翌日から徴収金完納又は財産差押えの日の前日までの期間の日数に応じ、年14.6パーセント(当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から3か月を経過する日までの期間については、年7.3パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。 1 徴収金額が1000円未満であるとき。 2 納期を繰り上げて徴収するとき。 3 納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がいずれも明らかでないため、公示送達の方法によって督促をしたとき。 ② 徴収金額の一部につき納付があったときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる徴収金は、その納付のあった徴収金額を控除した金額による。 ③ 延滞金を計算するに当たり、徴収金額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 ④ 督促状に指定した期限までに徴収金を完納したとき、又は延滞金の金額が100円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。 ⑤ 延滞金の金額に100円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。 |
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
適用事業所の事業主が納期限が5月31日である保険料を滞納し、指定期限を6月20日とする督促を受けたが、実際に保険料を完納したのが7月31日である場合は、原則として6月1日から7月30日までの日数によって計算された延滞金が徴収されることになる。
②【H27年選択】※改正による修正あり
保険料その他健康保険法の規定による徴収金を滞納する者に督促した場合に保険者等が徴収する延滞金の割合については、同法附則第9条により当分の間、特例が設けられている。令和5年の租税特別措置法の規定による財務大臣が告示する割合は年0.4%とされたため、令和5年における延滞税特例基準割合は年1.4%となった。このため、令和5年における延滞金の割合の特例は、< A >までの期間については年< B >%とされ、< A >の翌日以後については年< C >%とされた。
【解答】
①【H28年出題】 〇
延滞金は、「納期限の翌日」から「徴収金完納又は財産差押えの日の前日」までの期間の日数に応じて算定されます。
問題文の場合は、「納期限の翌日=6月1日」から「完納の日の前日=7月30日」までの日数によって計算します。
②【H27年選択】※改正による修正あり
A 納期限の翌日から3か月を経過する日
B2.4
C8.7
※延滞金の割合の特例の条文を読んでみましょう。
附則第9条 (延滞金の割合の特例)
第181条第1項に規定する延滞金の年14.6%の割合及び年7.3%の割合は、当分の間、同項の規定にかかわらず、各年の延滞税特例基準割合が年7.3%の割合に満たない場合には、その年中においては、年14.6%の割合にあっては当該延滞税特例基準割合に年7.3%の割合を加算した割合とし、年7.3%の割合にあっては当該延滞税特例基準割合に年1%の割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.3%の割合を超える場合には、年7.3%の割合)とする。
令和5年における延滞税特例基準割合は年1.4%です。
令和5年の延滞金の割合の特例は、
3か月を経過する日までの期間→1.4%+1%=2.4%
3か月を経過する日の翌日以後の期間→1.4%+7.3%=8.7%
となります。
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R5-341
今日は、「有期事業の一括」のポイントをみていきます。
条文を読んでみましょう。
法第7条、則第6条 2以上の事業が次の要件に該当する場合には、この法律の規定の適用については、その全部を一の事業とみなす。 1 事業主が同一人であること。 2 それぞれの事業が、事業の期間が予定される事業(以下「有期事業」という。)であること。 3 それぞれの事業の規模が、厚生労働省令で定める規模以下であること。 ・ 概算保険料に相当する額が160万円未満 かつ ・ 立木の伐採の事業にあっては、素材の見込生産量が1000立方メートル未満 ・ 建設の事業にあっては、請負金額が1億8000万円未満 4 それぞれの事業が、他のいずれかの事業の全部又は一部と同時に行なわれること。 5 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件に該当すること。 ・ それぞれの事業が、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業であり、又は立木の伐採の事業であること。 ・ それぞれの事業が、事業の種類(別表第一に掲げる事業の種類をいう。)を同じくすること。 ・ それぞれの事業に係る労働保険料の納付の事務が一の事務所で取り扱われること。 |
2以上の有期事業が要件に該当する場合は、徴収法上、その全部が一の事業とみなされます。
労働保険料の申告・納付については、継続事業と同じように、年度更新の手続を行います。
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
有期事業の一括の対象は、それぞれの事業が、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業であり、又は土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業とされている。
②【H28年出題】
有期事業の一括の対象となる事業に共通する要件として、それぞれの事業の規模が、労働保険徴収法による概算保険料を算定することとした場合における当該保険料の額が160万円未満であり、かつ期間中に使用する労働者数が常態として30人未満であることとされている。
③【H28年出題】
労働保険徴収法第7条に定める有期事業の一括の要件を満たす事業は、事業主が一括有期事業開始届を所轄労働基準監督署長に届け出ることにより有期事業の一括が行われ、その届出は、それぞれの事業が開始された日の属する月の翌月10日までにしなければならないとされている。
④【H28年出題】
当初、独立の有期事業として保険関係が成立した事業が、その後、事業の規模が変動し有期事業の一括のための要件を満たすに至った場合は、その時点から有期事業の一括の対象事業とされる。
⑤【H28年出題】
有期事業の一括が行われると、その対象とされた事業はその全部が一つの事業とみなされ、みなされた事業に係る労働保険徴収法施行規則による事務については、労働保険料の納付の事務を行うこととなる一つの事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長及び労働基準監督署長が、それぞれ、所轄都道府県労働局長及び所轄労働基準監督署長となる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
有期事業の一括の対象は、それぞれの事業が、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、「建設の事業」であり、又は「立木の伐採の事業」であることとされています。
②【H28年出題】 ×
有期事業の一括の対象となる事業に共通する要件は、それぞれの事業の規模が、
「概算保険料の額が160万円未満」であることです。
かつ
・立木の伐採の事業は、素材の見込生産量が1000立方メートル未満
・建設の事業は請負金額が1億8000万円未満
であることが要件です。
「労働者数」は一括の要件に入っていません。
③【H28年出題】 ×
要件を満たす事業は、自動的に有期事業の一括が行われます。届出によって行われるのではありません。
④【H28年出題】 ×
・ 当初、独立の有期事業として保険関係が成立した事業が、その後、事業の規模が変動し有期事業の一括のための要件を満たすに至っても、有期事業の一括の対象にはなりません。
・ また、当初は一括の対象になっていた事業が、その後、事業の規模が増加し要件の規模以上になったとしても、一括の対象からは除外されません。
⑤【H28年出題】 〇
有期事業の一括が行われると、それぞれの事業に係る労働保険料の納付の事務が一の事務所で取り扱われます。
労働保険料の納付の事務を行うこととなる一つの事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長及び労働基準監督署長が、それぞれ、所轄都道府県労働局長及び所轄労働基準監督署長となります。
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R5-340
今日は印紙保険料の出題ポイントをみていきましょう。
過去問からどうぞ!
①【H28年出題】
請負事業の一括の規定により元請負人が事業主とされる場合は、当該事業に係る労働者のうち下請負人が使用する日雇労働被保険者に係る印紙保険料についても、当該元請負人が納付しなければならない。
②【H28年出題】
事業主は、その使用する日雇労働被保険者については、印紙保険料を納付しなければならないが、一般保険料を負担する義務はない。
③【H28年出題】
雇用保険印紙購入通帳の交付を受けている事業主は、印紙保険料納付状況報告書により、毎月における雇用保険印紙の受払状況を翌月末日までに、所轄公共職業安定所長を経由して、所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告しなければならないが、日雇労働被保険者を一人も使用せず、雇用保険印紙の受払いのない月に関しても、報告する義務がある。
④【H28年出題】
事業主は、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10に相当する追徴金を徴収される。
⑤【H28年出題】
印紙保険料を所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定したときは、納付すべき印紙保険料については、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)に納付することはできず、所轄都道府県労働局収入官吏に現金で納付しなければならない。
【解答】
①【H28年出題】 ×
建設の事業が数次の請負で行われる場合は、請負事業の一括により元請負人のみが事業主とされます。
一括の対象になるのは、「労災保険に係る保険関係」です。
「雇用保険に係る保険関係」は、元請負人に一括されませんので、それぞれの事業ごとに適用されます。
そのため、下請負人が使用する日雇労働被保険者に係る印紙保険料については、元請負人ではなく、その日雇労働被保険者を使用する「下請負人」が納付しなければなりません。
(法第23条)
②【H28年出題】 ×
日雇労働被保険者についても「一般保険料」の対象となります。
日雇労働被保険者を使用する事業主は、一般保険料+印紙保険料を負担することになります。
(法第31条)
③【H28年出題】 〇
雇用保険印紙購入通帳の交付を受けている事業主の義務
→毎月の雇用保険印紙の受払状況を翌月末日までに報告しなければなりません。
→日雇労働被保険者を一人も使用せず、雇用保険印紙の受払いのない月も、報告義務があります。
(則第54条)
④【H28年出題】 ×
認定決定された印紙保険料の追徴金の割合は、納付すべき印紙保険料額の「100分の25」です。
確定保険料の額が認定決定された場合の追徴金よりも高いことに注意してください。
(法第25条)
⑤【H28年出題】 ×
認定決定に係る印紙保険料と追徴金は、印紙ではなく現金で納付します。
所轄都道府県労働局収入官吏だけでなく、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)に納付することもできます。
(則第38条)
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R5-339
今日は基本手当の給付制限をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第32条第1項、2項、附則第5条第4項 ① 受給資格者(訓練延長給付、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付又は地域延長給付を受けている者を除く。以下この条において同じ。)が、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだときは、その拒んだ日から起算して1か月間は、基本手当を支給しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 1 紹介された職業又は公共職業訓練等を受けることを指示された職種が、受給資格者の能力からみて不適当であると認められるとき。 2 就職するため、又は公共職業訓練等を受けるため、現在の住所又は居所を変更することを要する場合において、その変更が困難であると認められるとき。 3 就職先の賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いとき。 4 職業安定法第20条(第2項ただし書を除く。)の規定に該当する事業所に紹介されたとき。 5 その他正当な理由があるとき。 ② 受給資格者が、正当な理由がなく、厚生労働大臣の定める基準に従って公共職業安定所が行うその者の再就職を促進するために必要な職業指導を受けることを拒んだときは、その拒んだ日から起算して1か月を超えない範囲内において公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。
第33条第1項 被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、待期期間の満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わった日後の期間については、この限りでない。 |
では、過去問をどうぞ!
(注意)問題文の「受給資格者」には、訓練延長給付、個別延長給付、広域延長給付、全国延長給付、地域延長給付を受けている者は除かれるものとします。
①【H28年出題】
自己の責に帰すべき重大な理由によって解雇された場合は、待期の満了の日の翌日から起算して1か月以上3か月以内の間、基本手当は支給されないが、この間についても失業の認定を行わなければならない。
②【H28年出題】
就職先の賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いときには、受給資格者が公共職業安定所の紹介する職業に就くことを拒んでも、給付制限を受けることはない。
③【H28年出題】
受給資格者が、正当な理由がなく職業指導を受けることを拒んだことにより基本手当を支給しないこととされている期間であっても、他の要件を満たす限り、技能習得手当が支給される。
④【H28年出題】
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだ受給資格者は、当該公共職業訓練等を受けることを指示された職種が、受給資格者の能力からみて不適当であると認められるときであっても、基本手当の給付制限を受ける。
⑤【H28年出題】
管轄公共職業安定所の長は、正当な理由なく自己の都合によって退職したことで基本手当の支給をしないこととされる受給資格者に対して、職業紹介及び職業指導を行うことはない。
【解答】
①【H28年出題】 ×
自己の責に帰すべき重大な理由によって解雇された場合、又は正当な理由がなく自己の都合により退職した場合は、待期の満了の日の翌日から起算して1か月以上3か月以内の間、基本手当は支給されません。
この間は、「失業の認定を行う必要はない」とされています。
(行政手引52205)
②【H28年出題】 〇
受給資格者が公共職業安定所の紹介する職業に就くことを拒んだときは、その拒んだ日から起算して1か月間は基本手当は支給されません。ただし、就職先の賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いときには、給付制限は受けません。
(法第32項第1項第3号)
③【H28年出題】 ×
技能習得手当は、基本手当にプラスして支給されるものです。
受給資格者が、正当な理由がなく職業指導を受けることを拒んだことにより基本手当を支給しないこととされている期間は、技能習得手当も支給されません。
(法第36条第3項)
④【H28年出題】 ×
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだときは、その拒んだ日から起算して1か月間は、基本手当は支給されません。
ただし、職業訓練等を受けることを指示された職種が、受給資格者の能力からみて不適当であると認められるときは、給付制限は受けません。
(法第32条第1項第1号)
⑤【H28年出題】 ×
「管轄公共職業安定所の長は、法第33条第1項の規定により基本手当の支給をしないこととされる受給資格者に対し、職業紹介又は職業指導を行うものとする。」と定められています。
正当な理由なく自己の都合によって退職したことで基本手当の支給をしないこととされる受給資格者に対しては、職業紹介及び職業指導が行われます。
(則第48条)
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R5-338
受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭し求職の申込みをした「後」において、疾病又は負傷のため職業に就くことができない場合は、基本手当の代わりに傷病手当が支給されます。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
労働の意思又は能力がないと認められる者が傷病となった場合には、疾病又は負傷のため職業に就くことができないとは認められないから、傷病手当は支給されない。
②【H28年出題】
求職の申込後に疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合において、その期間が継続して15日未満のときは、証明書により失業の認定を受け、基本手当の支給を受けることができるので、傷病手当は支給されない。
③【H28年出題】
広域延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者が疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合は、傷病手当が支給される。
④【H28年出題】
傷病手当の日額は、雇用保険法第16条の規定による基本手当の日額に100分の80を乗じて得た額である。
⑤【H28年出題】
傷病の認定は、天災その他認定を受けなかったことについてやむを得ない理由がない限り、職業に就くことができない理由がやんだ日の翌日から起算して10日以内に受けなければならない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
「労働の意思又は能力がないと認められる者」が傷病となった場合は、疾病又は負傷のため職業に就くことができないとは認められません。そのため、傷病手当は支給されません。
(行政手引53002)
②【H28年出題】 〇
基本手当の支給を受けることができる日は、傷病手当は支給されません。
求職の申込後に疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができない場合で、その期間が継続して15日未満のときは、「証明書」による失業の認定の対象となり、基本手当の支給を受けることができます。そのため、傷病手当は支給されません。
(行政手引53003)
③【H28年出題】 ×
延長給付に係る基本手当を受給中の受給資格者には、傷病手当は支給されません。傷病手当を支給しうる日数は、受給資格者の所定給付日数から、既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数だからです。
(行政手引53004)
④【H28年出題】 ×
傷病手当の日額は、法第16条の規定による「基本手当の日額」に相当する額です。基本手当の日額と同じです。
(法第37条第3項)
⑤【H28年出題】 ×
傷病の認定は、原則として、天災その他認定を受けなかったことについてやむを得ない理由がない限り、職業に就くことができない理由がやんだ後における最初の支給日までに受けなければなりません。
(則第63条第1項)
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R5-337
雇用保険の適用事業所に雇用される労働者は、「被保険者」となります。
※ただし、第6条で適用除外とされているものは、被保険者にはなりません。
被保険者は、「一般被保険者、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者」の4つの種類に分けられます。
今日は、被保険者となるもの、ならないものをみていきましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
農業協同組合、漁業協同組合の役員は、雇用関係が明らかでない限り雇用保険の被保険者とならない。
②【H27年出題】
当初の雇入れ時に31日以上雇用されることが見込まれない場合であっても、雇入れ後において、雇入れ時から31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、他の要件を満たす限り、その時点から一般被保険者となる。
③【H27年出題】
学校教育法第1条、第124条又は第134条第1項の学校の学生又は生徒であっても、休学中の者は、他の要件を満たす限り雇用保険法の被保険者となる。
④【H27年出題】
国家公務員退職手当法第2条第1項に規定する常時勤務に服することを要する者として国の事業に雇用される者のうち、離職した場合に法令等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付、就職促進給付の内容を超えると認められる者は、雇用保険の被保険者とはならない。
⑤【H27年出題】
生命保険会社の外務員、損害保険会社の外務員、証券会社の外務員は、その職務の内容、服務の態様、給与の算出方法等からみて雇用関係が明確でないので被保険者となることはない。
【解答】
①【H27年出題】 〇
農業協同組合、漁業協同組合の役員は、雇用関係が明らかでない限り雇用保険の被保険者となりません。
(行政手引20351)
②【H27年出題】 〇
同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用が見込まれない者は、被保険者となりません。(法第6条第2号)
当初の雇入れ時に31日以上雇用されることが見込まれない場合でも、雇入れ後に、雇入れ時から31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から一般被保険者となります。
(行政手引20303)
③【H27年出題】 〇
学生又は生徒で、大学の夜間学部及び高等学校の夜間等の定時制の課程の者等以外の者(昼間学生)は被保険者になりません。(法第6条第4号)
ただし、昼間学生でも、休学中の者は、雇用保険の被保険者となります。
(行政手引20303)
④【H27年出題】 〇
「国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であって、厚生労働省令で定めるもの」は、被保険者になりません。(法第6条第6号)
④は、「国の事業」に雇用される者についての問題です。
国家公務員退職手当法第2条第1項に規定する常時勤務に服することを要する者として国の事業に雇用される者のうち、離職した場合に法令等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付、就職促進給付の内容を超えると認められる者は、雇用保険の被保険者となりません。
※都道府県等の事業、市町村等の事業は、適用除外について承認が必要ですが、国等の事業の場合は、承認は要りません。
(則第4条、行政手引23002)
⑤【H27年出題】 ×
生命保険会社の外務員、損害保険会社の外務員、証券会社の外務員は、その職務の内容、服務の態様、給与の算出方法等の実態から判断して「雇用関係が明確である場合」は、被保険者となります。
(行政手引20351)
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R5-336
今日は「遺族補償給付」をみていきます。
「遺族補償給付」には、遺族補償年金と遺族補償一時金があります。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合には、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた妻は、遺族補償年金を受けることができる。
②【H28年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、当該労働者と同程度の収入があり、生活費を分担して通常の生活を維持していた妻は、一般に「労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた」ものにあたらないので、遺族補償年金を受けることはできない。
③【H28年出題】
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、自分の伯父の養子となったときは、消滅する。
④【H28年出題】
遺族補償年金の受給権を失権したものは、遺族補償一時金の受給権者になることはない。
⑤【H28年出題】
労働者が業務災害により死亡した場合、その兄弟姉妹は、当該労働者の死亡の当時、その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。
【解答】
①【H28年出題】 〇
遺族補償給付は、労働者が業務上死亡した場合に支給されます。
傷病補償年金の受給者が当該傷病が原因で死亡した場合は、業務上の死亡に該当します。また、妻は遺族補償年金を受けるに当たり、年齢・障害要件は問われませんので、その死亡の当時その収入によって生計を維持していた場合は、遺族補償年金を受けることができます。
ポイント!
「年金」を受けるには、死亡当時「生計を維持」していたことが条件です。
「一時金」の場合は、「生計維持」していなくても、受けられる場合があります。
②【H28年出題】 ×
相互に収入の全部又は一部をもって生計費の全部又は一部を共同計算している状態があれば「生計を維持していた」ものにあたります。共稼ぎの夫婦も配偶者の他方の収入の一部によって生計を維持していたことになります。
(S41.1.31基発73号)
③【H28年出題】 〇
遺族補償年金を受ける権利は、その権利を有する遺族が、「直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となったとき」は消滅します。
自分の伯父は直系血族・直系姻族ではありませんで、伯父の養子となったときは、遺族補償年金を受ける権利は消滅します。
(法第16条の4第1項第3号)
④【H28年出題】 ×
遺族補償年金の受給権を失権したものが、遺族補償一時金の受給権者になることがあります。
遺族補償一時金が支給される要件は、次の2つです。
① 労働者の死亡の当時遺族補償年金を受けることができる遺族がいないとき。
② 遺族補償年金を受ける権利を有する者の権利が消滅した場合に、他に当該遺族補償年金を受けることができる遺族がなく、かつ、支給された遺族補償年金の額及び前払一時金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たない場合
例えば、遺族補償年金を受けていた妻が再婚し、遺族補償年金の受給権が消滅しました。他に遺族補償年金の受給資格者がなく、支給された年金と前払一時金の額が給付基礎日額の1000日未満の場合は、1000日分と既に支給された年金等の合計額との差額が、妻に支給されます。
このように、遺族補償年金の受給権を失権した者が、遺族補償一時金の受給権者になることもあります。
(法第16条の6)
⑤【H28年出題】 〇
遺族補償一時金の受給資格者は以下の通りです。
① 配偶者
② 労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子・父母・孫・祖父母
③生計を維持していない子・父母・孫・祖父母
④兄弟姉妹
労働者の死亡の当時、その収入により生計を維持していなかった兄弟姉妹でも、遺族補償一時金の受給者となることがあります。
(法第16条の7)
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R5-335
今日は、療養の給付の請求書に記載する事項をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第13条 ① 療養補償給付は、療養の給付とする。 ② 療養の給付の範囲は、次の各号(政府が必要と認めるものに限る。)による。 1 診察 2 薬剤又は治療材料の支給 3 処置、手術その他の治療 4 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護 5 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護 6 移送 ③ 政府は、療養の給付をすることが困難な場合その他厚生労働省令で定める場合には、療養の給付に代えて療養の費用を支給することができる。 |
療養補償給付は、原則として「療養の給付」(現物給付)です。
「療養の給付をすることが困難な場合」、「療養の給付を受けないことについて労働者に相当の理由がある場合」は、例外で「療養の費用の支給」(現金給付)が行われます。
なお、療養補償給付は「治る」まで行われます。
では、過去問をどうぞ!
【H25年出題】
療養給付たる療養の給付を受けようとする者が、療養の給付を受けようとする指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出しなければならない請求書に記載しなければならない事項として、労災保険法施行規則に掲げられていないものはどれか。
(A) 災害の発生の時刻及び場所
(B) 通常の通勤の経路及び方法
(C) 療養の給付を受けようとする指定病院等の名称及び所在地
(D) 加害者がいる場合、その氏名及び住所
(E) 労働者の氏名、生年月日及び住所
【解答】 (D)
「療養給付」とありますので、通勤災害に関する問題です。
現物給付の「療養の給付」の請求書は、指定病院等を経由して所轄労働基準監督署長に提出します。
その請求書に記載しなければならない事項の中に、「加害者がいる場合、その氏名及び住所」はありません。
(則第18条の5)
<参考>第三者行為について
第三者行為については、以下のように規定されています。
則第22条
保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じたときは、保険給付を受けるべき者は、その事実、第三者の氏名及び住所(第三者の氏名及び住所がわからないときは、その旨)並びに被害の状況を、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
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R5-334
「深夜業を含む業務」の出題ポイントをみていきましょう。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
使用者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者については、当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定める項目について健康診断を実施しなければならない。
②【H17年出題】
深夜業を含む業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場にあっては、その事業場に専属の産業医を選任しなければならない。
③【H29年出題】
X市に本社を置き、人事、総務等の管理業務と営業活動を行っている。
使用する労働者数 常時40人
Y市に工場を置き、食料品を製造している。
工場は24時間フル操業で、1グループ150人で構成する4つのグループの計600人の労働者が、1日を3つに区分した時間帯にそれぞれ順次交替で就業するいわゆる4直3交替で、業務に従事している。したがって、この600人の労働者は全て、1月に4回以上輪番で深夜業に従事している。なお、労働基準法第36条第1項ただし書きに規定する健康上特に有害な業務に従事する者はいない。
Z市に2店舗を置き、自社製品を小売している。
Z1店舗 常時使用する労働者数 常時15人
Z2店舗 常時使用する労働者数 常時15人(ただし、この事業場のみ、うち12人は1日4時間労働の短時間労働者)
<問題1> Y市にある工場には、安全委員会及び衛生委員会を設置しなければならず、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができるが、産業医については、その工場に専属の者を選任しなければならない。
<問題2> Y市にある工場には衛生管理者を3人選任しなければならないが、そのうち少なくとも1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない。
【解答】
①【H27年出題】 〇
「特定業務従事者」の健康診断の問題です。深夜業を含む業務はその対象です。
対象になる有害業務として、「多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務」、「多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務」などが定められていて、「深夜業を含む業務」もその中の一つです。
通常の定期健康診断は、1年以内ごとに1回実施しなければなりませんが、特定業務従事者の健康診断は、「当該業務への配置替えの際及び6か月以内ごとに1回」、実施する義務があります。
(則第45条、則第13条第1項第3号)
②【H17年出題】 〇
常時1000人以上の労働者を使用する事業場と、有害業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、専属の産業医を選任する義務があります。
「有害業務」の範囲は、①の問題の特定業務従事者の健康診断の対象になる有害業務と範囲が同じです。そのため、「深夜業を含む業務」も対象です。
「深夜業を含む業務」に常時500人以上の労働者を従事させる事業場は、その事業場に専属の産業医を選任しなければなりません。
(則第13条第1項第3号)
③【H29年出題】
<問題1> 〇
Y市にある工場では、常時600人の労働者が、深夜業を含む業務に従事しています。そのため、専属の産業医を選任しなければなりません。
<問題2> ×
Y市にある工場では、衛生管理者を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任する必要はありません。
<衛生管理者のポイント>
・「常時1,000人を超える労働者を使用する事業場」、または「常時500人を超える労働者を使用し、かつ健康上特に有害な業務に常時30人以上の労働者を従事させる事業場
↓
衛生管理者のうち、少なくとも1人を専任とする必要があります。
★「健康上特に有害な業務」は、坑内労働又は労働基準法施行規則第18条に掲げる業務です。この中に「深夜業を含む業務」は入りません。
・常時500人を超える労働者を使用し、かつ健康上特に有害な業務のうち一定の業務を行う事業場では、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理免許を受けた者から選任する必要があります。
★「健康上特に有害な業務のうち一定の業務」は、坑内労働又は労働基準法施行規則第18条第1号、第3号から5号、9号に掲げる業務です。深夜業を含む業務は入りません。
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R5-333
「賃金支払五原則」を条文で読んでみましょう。
第24条 ① 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。 ② 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。 |
今日は、全額払いの原則の判例をみてみましょう。
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
労働基準法第24条第1項の禁止するところではないと解するのが相当と解される「許さるべき相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならない」とするのが最高裁判所の判例である。
②【H27年出題】
過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高裁判所の判例である。
③【H21年選択】
賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から過払分を控除することについて、「適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、[・・・(略)・・・]その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の < A >との関係上不当と認められないものであれば、同項[労働基準法第24条第1項]の禁止するところではないと解するのが相当である」とするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
①【R3年出題】 〇
賃金計算の過誤、違算等で、賃金の過払が生ずることがあります。これを精算・調整するため、後に支払われるべき賃金から控除できるとすることは、賃金支払の事務をする上で、合理的理由があるといえます。
「適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、第24条第1項但書によつて除外される場合にあたらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば、禁止するところではない」と解されています。
(S44.12.18最高裁判所第一小法廷)
②【H27年出題】 ×
過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除することは、「過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合」とされています。
(S44.12.18最高裁判所第一小法廷)
③【H21年選択】
A 経済生活の安定
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R5-332
今日は、前借金相殺の禁止規定をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第17条 (前借金相殺の禁止) 使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。 |
第17条の趣旨は、金銭貸借関係と労働関係を完全に分離し金銭貸借関係に基づく身分的拘束関係の発生を防止することです。
(S22.9.13発基17号)
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
労働契約を締結する際に、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足留めにつながるおそれがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法第17条に違反する。
②【R3年出題】
労働基準法第17条にいう「労働することを条件とする前貸の債権」には、労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融や賃金の前払いのような弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものも含まれる。
③【H28年出題】
労働者が、実質的にみて使用者の強制はなく、真意から相殺の意思表示をした場合でも、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。
【解答】
①【H25年出題】 ×
第17条は、「労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺すること」を禁止しています。金銭を借り受けることだけでは、違反しません。
②【R3年出題】 ×
労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融や賃金の前払いのような弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものは、「労働することを条件とする前貸の債権」には含まれません。
(S22.9.13発基17号)
③【H28年出題】 ×
「労働者」から意思表示があった場合の相殺は禁止されていません。
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R5-331
https://youtu.be/6yoxOsuFBoM まず、労働条件の明示義務について条文を読んでみましょう。
第15条第1項 (労働条件の明示) 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。 |
労働契約締結の際、使用者は、賃金、労働時間その他の労働条件を明示する義務があります。
「派遣労働者」に対する労働条件の明示義務は、派遣先、派遣元どちらにあるでしょうか?
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
派遣労働者に対する労働条件の明示は、労働者派遣法における労働基準法の適用に関する特例により派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみなして適用することとされている労働時間、休憩、休日等については、派遣先の使用者がその義務を負う。
【解答】
①【H29年出題】 ×
派遣労働者への労働条件の明示については、派遣元が義務を負わない労働時間、休憩、休日等も含めて、労働契約関係にある派遣元に明示義務があります。
なお、労働者派遣法の労働基準法の適用に関する特例によって、労働時間、休憩、休日等は派遣先の事業が労働基準法に基づく義務を負います。
(S61.6.6基発333号)
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R5-330
「休日」とは、労働義務のない日のことです。
今日は、「休日」の解釈をみていきましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
第35条 (休日) ① 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。 ② ①の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。 |
休日について
・毎週少なくとも1日の休日を与える(原則)
又は
・4週間を通じて4日以上の休日を与える(例外・変形休日制)
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
労働基準法第35条に定める「一回の休日」は、24時間継続して労働義務から解放するものであれば、起算時点は問わないのが原則である。
②【H24年出題】
労働基準法第35条に定める休日は、原則として暦日を意味するものと解されており、例えば、午前8時から翌日の午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日の午前8時までの非番とを繰り返す一昼夜交代勤務の場合に、非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、同条の休日を与えたものとは認められない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
休日とは、「暦日」を指しますので、午前0時から午後12時までの24時間となります。
24時間連続していれば良いというものではなく、起算時点を問わない、というのは誤りです。
(S23.4.5基発535号)
②【H24年出題】 〇
一昼夜交代勤務の場合でも「暦日」の休日の原則が適用されます。
非番の継続24時間は、休日にはなりません。
(S23.11.9基収2968号)
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R5-329
今日は、解雇制限が適用される条件を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第19条 (解雇制限) ① 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。 ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。 ② 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、その事由について行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければならない。 |
今日は、「休業する期間」の部分に注目してください。解雇制限が適用されるのは「休業する期間」です。
過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
使用者は、労働者が業務上の傷病により治療中であっても、休業しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
②【R1年出題】
使用者は、女性労働者が出産予定日より6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前以内であっても、当該労働者が労働基準法第65条に基づく産前の休業を請求しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
労働基準法の解雇制限を受けるのは、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために「休業する期間」及びその後30日間ですので、労働者が業務上の傷病により治療中だったとしても、休業しないで就労している場合は、解雇制限は受けません。
②【R1年出題】 〇
女性労働者が出産予定日より6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前以内だったとしても、当該労働者が産前休業を請求しないで就労している場合は、解雇制限は受けません。
(S25.6.16基収1526号)
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R5-328
今日は最高裁判例をみていきます。
まず、労働者の定義を条文で読んでみましょう。
第9条 労働基準法で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。 |
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
医科大学付属病院に勤務する研修医が、医師の資質の向上を図ることを目的とする臨床研修のプログラムに従い、臨床研修指導医の指導の下に医療行為等に従事することは、教育的な側面を強く有するものであるため、研修医は労働基準法第9条所定の労働者に当たることはないとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。
【解答】
【H29年出題】 ×
この判例では、「研修医は労働基準法第9条所定の労働者に当たる」とされました。
臨床研修の目的は、医師の資質の向上を図ることで、教育的な側面を有しています。しかし、そのプログラムに従い、臨床研修指導医の指導の下に、研修医が医療行為等に従事することを予定しています。
判例の要旨は、「研修医がこのようにして医療行為等に従事する場合には、これらの行為等は病院の開設者のための労務の遂行という側面を不可避的に有することとなるのであり、病院の開設者の指揮監督の下にこれを行ったと評価することができる限り、上記研修医は労働基準法9条所定の労働者に当たるものというべきである。」となっています。
(平成17年6月3日最高裁判所第二小法廷)
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R5-327
今日は、介護保険法の過去問をみていきましょう。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
介護認定審査会は、市町村又は特別区(以下「市町村」という。)から要介護認定の審査及び判定を求められたときは、厚生労働大臣が定める基準に従い審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知するものとされている。
②【H29年出題】
要介護認定の申請に対する処分は、当該申請に係る被保険者の心身の状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合を除き、当該申請のあった日から30日以内にしなければならない。
③【H29年出題】
要介護認定は、要介護状態区分に応じて厚生労働省令で定める期間(以下本問において「有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。要介護認定を受けた被保険者は、有効期間の満了後においても要介護状態に該当すると見込まれるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、当該要介護認定の更新の申請をすることができる。
④【H29年出題】
介護保険法による保険給付には、被保険者の要介護状態に関する保険給付である「介護給付」及び被保険者の要支援状態に関する保険給付である「予防給付」のほかに、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資する保険給付として条例で定める「市町村特別給付」がある。
⑤【H29年出題】
第2号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日以後も、医療保険者に申し出ることにより第2号被保険者の資格を継続することができる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
「介護認定審査会」とは
・審査判定業務を行わせるため、市町村に置かれています。
・介護認定審査会の委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区にあっては、区長。)が任命します。
(第14条、第15条、第27条第5項)
②【H29年出題】 〇
要介護認定は、申請のあった日から30日以内に行われるのが原則です。
(第27条第11項)
③【H29年出題】 〇
要介護認定は、有効期間内に限って、その効力を有します。
有効期間が満了した後においても要介護状態に該当すると見込まれるときは、市町村に対し、要介護更新認定の申請をすることができます。
(第28条)
④【H29年出題】 〇
介護保険法による保険給付は次の3つです。
①「介護給付」・・・要介護状態に関する保険給付
②「予防給付」・・・要支援状態に関する保険給付
③「市町村特別給付」・・・要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資する保険給付として条例で定めるもの
(第18条)
⑤【H29年出題】 ×
第2号被保険者は、「市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者」と定義されています。
第2号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失します。
(第9条、第11条)
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R5-326
社会保険労務士は、信用失墜行為を行うことが禁止されています。
条文を穴埋めで読んでみましょう。
法第16条 (信用失墜行為の禁止) 社会保険労務士は、社会保険労務士の< A >又は< B >を害するような行為をしてはならない。 |
【解答】
A 信用
B 品位
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
社会保険労務士法第16条に定める信用失墜行為を行った社会保険労務士は、同法第33条に基づき100万円以下の罰金に処せられる。
【解答】
【H29年出題】 ×
信用失墜行為の禁止違反には、罰則規定がありません。
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R5-325
今日は併合認定をみていみます。
条文を読んでみましょう。
第48条 (障害厚生年金の併給の調整) ① 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。)の受給権者に対して更に障害厚生年金(障害等級の1級又は2級)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。 ② 障害厚生年金の受給権者が前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は、消滅する。 |
障害厚生年金の受給権者に、更に障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度の障害厚生年金が支給されます。
この併合認定の対象になる先発の障害厚生年金は、その権利を取得した当時から引き続き障害等級の1級又は2級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものは除かれます。
少しの間でも、1・2級の状態にあったことがある障害厚生年金が対象です。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
障害厚生年金の受給権を取得した当時は障害等級2級に該当したが、現在は障害等級3級である受給権者に対して、新たに障害等級2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害厚生年金を支給することとし、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。
②【H27年出題】
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者(受給権を取得した当時から引き続き障害等級1級又は2級に該当したことはなかったものとする。)について、更に障害等級2級に該当する障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅する。
【解答】
①【H29年出題】 〇
現在は3級でも、1回でも1・2級に該当したことがある障害厚生年金の受給権者に対して、新たに1・2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、併合認定の対象となります。
前後の障害を併合した障害厚生年金が支給され、従前の障害厚生年金の受給権は消滅します。
②【H27年出題】 ×
受給権を取得した当時から1回も障害等級1級又は2級に該当したことがない3級の障害厚生年金は、併合認定の対象になりません。
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R5-324
1級・2級の障害厚生年金を受けることができる者に、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合は、加給年金額が加算されます。
※3級の障害厚生年金には加給年金額は加算されません。
※子については、障害基礎年金の加算対象になります。
(イメージ図)
障害等級1級・2級の場合
障害厚生年金
| (加算対象) → 配偶者 |
障害基礎年金
| (加算対象) → 子 |
条文を読んでみましょう。
第50条の2第1項~3項 ① 障害の程度が障害等級の1級又は2級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者があるときは、障害厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。 ② 加給年金額は、224,700円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを 100円に切り上げるものとする。)とする。 ③ 受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者を有するに至ったことにより加給年金額を加算することとなったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額を改定する。 |
障害厚生年金の受給権を取得した時点で生計を維持している配偶者は加給年金額の対象となります。それだけでなく、受給権を取得した日の翌日以後に生計を維持している配偶者を有するに至った場合も加給年金額の対象となるのが、障害厚生年金のポイントです。
※国民年金の障害基礎年金の子の加算も同じです。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
障害等級1級に該当する障害厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害厚生年金の額に加給年金額が加算される。
②【H24年出題】
障害等級3級に該当する障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進し2級に改定された場合、その受給権を取得した日以後に、その者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときであっても、配偶者加給年金額は加算されない。
【解答】
①【H29年出題】 〇
1級・2級の障害厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、配偶者加給年金額が加算されます。
配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、加算されます。
②【H24年出題】 ×
その受給権を取得した日の翌日以後に、その者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときも、配偶者加給年金額の加算対象となります。
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R5-323
今日は障害手当金の額の計算式を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第57条 (障害手当金の額) 障害手当金の額は、第50条第1項の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額とする。ただし、その額が同条第3項に定める額に2を乗じて得た額に満たないときは、当該額とする。 |
※障害手当金の額は、第50条第1項の規定の例により計算した額(報酬比例の年金額)×100分の200です。
※最低保障額は、(障害基礎年金を受けることができない場合の障害厚生年金の最低保障額)×2です。
※第50条第1項と第3項を読んでみましょう。
第50条第1項 障害厚生年金の額は、第43条第1項の規定(老齢厚生年金)の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300とする。 第50条第3項 障害厚生年金の給付事由となった障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が2級の障害基礎年金の額に4分の3を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)に満たないときは、当該額を障害厚生年金の額とする。 |
※第3項は障害基礎年金を受けることができない場合の障害厚生年金の最低保障額です。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年選択式】
障害手当金の額は、厚生年金保険法第50条第1項の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額とする。ただし、その額が障害等級3級の障害厚生年金の最低保障額に< A >を乗じて得た額に満たないときは、当該額とする。
②【H29年出題】
障害手当金の額は、厚生年金保険法第50条第1項の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額であるが、その額が障害等級2級に該当する者に支給する障害基礎年金の額の2倍に相当する額に満たないときは、当該額が障害手当金の額とされる。
【解答】
①【H26年選択式】
A 2
障害手当金の額は報酬比例の年金額×2です。
最低保障額は、3級の障害厚生年金の最低保障額×2です。
※ちなみに、3級の障害厚生年金(=障害基礎年金を受けることができない)の最低保障額は、780,900円×改定率(2級の障害基礎年金)×4分の3です。
②【H29年出題】 ×
最低保障額は、障害等級2級に該当する者に支給する障害基礎年金の額に「4分の3を乗じて得た額」の2倍に相当する額です。
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R5-322
障害厚生年金は、①初診日、②保険料納付要件、③障害認定日の3つの要件を満たせば、障害認定日に受給権が発生します。
今日は、障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第50条第1項、2項 ① 障害厚生年金の額は、第43条第1項の規定(老齢厚生年金の額)の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300とする。 ② 障害の程度が障害等級の1級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、①に定める額の100分の125に相当する額とする。
第51条 障害厚生年金の額については、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としない。 |
障害厚生年金は、老齢厚生年金と同じように計算します。
・1級の場合は、1.25倍します。
・被保険者期間が300月未満の場合は、300月の最低保障があります。
・障害厚生年金の計算には、障害認定日の属する月後は算入されません。=障害認定日の属する月まで算入されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
障害厚生年金の額については、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月の前月までの被保険者であった期間を、その計算の基礎とする。
②【H29年出題】
傷病に係る初診日が平成27年9月1日で、障害認定日が平成29年3月1日である障害厚生年金の額の計算において、平成29年4月以後の被保険者期間はその計算の基礎としない。なお、当該傷病以外の傷病を有しないものとする。
③【R4年出題】
障害等級2級の障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の例により計算した額となるが、被保険者期間については、障害認定日の属する月の前月までの被保険者期間を基礎とし、計算の基礎となる月数が300に満たないときは、これを300とする。
【解答】
①【H22年出題】 ×
計算の基礎となるのは、障害認定日の属する「月」までです。
②【H29年出題】 〇
障害認定日の属する月(平成29年3月)までが計算の基礎となります。平成29年4月以後の被保険者期間は計算に入りません。
③【R4年出題】 ×
「障害認定日の属する月」までが計算の基礎となります。
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R5-321
今日は、65歳以上で「障害基礎年金」と「老齢厚生年金」を併給している場合を見ていきます。
まず、老齢厚生年金の加給年金額の条文を読んでみましょう。
第44条第1項 (加給年金額) 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の額は、受給権者がその権利を取得した当時(その権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であったときは、在職定時改定又は退職時改定により当該月数が240以上となるに至った当時。)その者によって生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、老齢厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。 ただし、国民年金法第33条の2第1項(障害基礎年金の子の加算)の規定により加算が行われている子があるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、その間、当該子について加算する額に相当する部分の支給を停止する。 |
老齢厚生年金の加給年金額の対象になるのは、65歳未満の配偶者と子です。
65歳以上の場合、障害基礎年金と老齢厚生年金を併給することができます。
障害基礎年金にも老齢厚生年金にも子の加算がありますが、障害基礎年金に子の加算額が行われる場合は、老齢厚生年金の子の加給年金額は支給停止されます。
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
子の加算額が加算された障害基礎年金の支給を受けている者に、当該子に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金が併給されることとなった場合、当該老齢厚生年金については、当該子について加算する額に相当する部分の支給が停止される。
【解答】
【H29年出題】 〇
障害基礎年金に子の加算が行われ、老齢厚生年金の子の加給年金額は支給が停止されます。
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R5-320
遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方の受給権がある場合の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第64条の2 遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止する。 |
65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給権がある場合
★遺族厚生年金が老齢厚生年金より高い場合
→老齢厚生年金との差額分の遺族厚生年金を受けることができます。
遺族厚生年金 | →受給 |
|
老齢厚生年金相当額 支給停止 |
受給→ | 老齢厚生年金
|
★遺族厚生年金が老齢厚生年金より低い場合
→遺族厚生年金は全額支給停止されます。
|
|
老齢厚生年金
|
遺族厚生年金 全額支給停止 |
受給→ |
※自身の老齢厚生年金が優先されます。
※65歳未満の場合は、遺族厚生年金と老齢厚生年金はどちらか選択です。
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
昭和27年4月2日生まれの遺族厚生年金の受給権者が65歳に達し、老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該遺族厚生年金は、当該老齢厚生年金の額(加給年金額が加算されている場合は、その額を除く。)に相当する部分の支給が停止される。
【解答】
【H29年出題】 〇
65歳以上の場合、遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方の受給権がある場合は、老齢厚生年金が優先されます。遺族厚生年金は、老齢厚生年金の額(加給年金額が加算されている場合は、加給年金額は除きます。)に相当する部分の支給が停止されます。
老齢厚生年金より遺族厚生年金の方が高い場合は、老齢厚生年金との差額が支給されます。
(法第64条の2、第60条第1項第2号ロ)
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R5-319
年金の受給権者が死亡した場合の未支給年金をみていきましょう。
まず、年金の支給期間と支払期月を見ていきましょう。
第18条 (年金の支給期間及び支払期月) ① 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。 ② 年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。 ③ 年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。 |
★年金は、年6回に分けて偶数月に支給されます。
年金は「後払い」です。例えば、8月に支給されるのは、6月分と7月分です。
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
老齢基礎年金の支給を受けている者が平成29年2月27日に死亡した場合、未支給年金請求者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年1月分と2月分の年金を未支給年金として請求することができる。なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。
【解答】
【H29年出題】 ×
年金は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月」から「権利が消滅した日の属する月」まで月単位で支給されます。
受給権者が死亡した場合は、「死亡日の属する月」まで支給されます。
平成29年2月27日に死亡した場合は、老齢基礎年金は「2月分」まで支給されます。
平成29年2月に、12月分と1月分が支給されていますので、未支給年金請求者が請求できるのは、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない「2月分」となります。
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R5-318
遺族基礎年金は、死亡した被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子に支給されます。
配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者に生計を維持していたことが条件です。
遺族基礎年金は、配偶者に支給されるパターンと、子に支給されるパターンがありますが、今日は配偶者に支給されるパターンをみていきます。
では、配偶者の条件を条文で読んでみましょう。
(遺族の範囲) 第37条の2 ① 遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。 1 配偶者については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次号に掲げる要件に該当する子と生計を同じくすること。 2 子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。 ② 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなす。 |
★配偶者は、「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持されていた子と生計を同じくすること」が条件です。
配偶者は子と生計を同じくすることが条件ですので、配偶者に支給する遺族基礎年金には、必ず子の数に応じた加算が行われるのがポイントです。
配偶者に対する遺族基礎年金について、条文を読んでみましょう。
第39条第1項、2項 ① 配偶者に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)に配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時第37条の2第1項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子につきそれぞれ74,900円に改定率を乗じて得た額(そのうち2人までについては、それぞれ224,700円に改定率を乗じて得た額とし、それらの額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)を加算した額とする。 ② 配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時第37条の2第1項に規定する要件に該当し、かつ、その者と生計を同じくした子とみなし、その生まれた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額を改定する。
|
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生した場合、当該受給権の発生日は当該夫の死亡当時に遡ることとなり、当該遺族基礎年金は当該子が出生するまでの期間、支給停止され、当該子の出生により将来に向かって支給停止が解除される。なお、当該子以外に子はいないものとする。
②【R3年出題】
配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、その子は、配偶者がその権利を取得した当時遺族基礎年金の遺族の範囲に該当し、かつ、死亡した被保険者又は被保険者であった者と生計を同じくした子とみなされるため、遺族基礎年金の額は被保険者又は被保険者であった者の死亡した日の属する月の翌月までさかのぼって改定される。
③【H29年出題】
配偶者に支給する遺族基礎年金は、当該配偶者が死亡当時被保険者によって生計を維持されていなかった10歳の子と養子縁組をしたときは、当該子を養子とした日の属する月の翌月から年金額が改定される。
【解答】
①【H30年出題】 ×
夫が死亡し、その死亡の当時胎児であった子が生まれ、妻に遺族基礎年金の受給権が発生するのは、「子が生まれたとき」です。
受給権の発生日は夫の死亡当時には遡りません。
②【R3年出題】 ×
配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した当時胎児であった子が生まれたときは、遺族基礎年金の加算の対象になります。
胎児であった子が生まれたときは、「将来に向かって」、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、配偶者は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなすとされていますので、遺族基礎年金の額は、「その生まれた日の属する月の翌月から」改定されます。
③【H29年出題】 ×
「死亡当時被保険者によって生計を維持されていなかった子」は遺族基礎年金の対象になりません。問題文のように養子縁組をしても、年金額が改定されません。
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R5-317
今日は、死亡一時金と寡婦年金の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第52条の6 死亡一時金の支給を受ける者が、寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、死亡一時金と寡婦年金とのうち、その一を支給し、他は支給しない。 |
死亡一時金と寡婦年金は、併給できません。
本人の「選択」で、どちらか一方を受けることになります。
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
夫の死亡により、寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした妻に対しては、寡婦年金が支給される。ただし、夫の死亡日の属する月に寡婦年金の受給権が消滅したときは、この限りでない。
②【R3年出題】
第1号被保険者として30年間保険料を納付していた者が、就職し厚生年金保険の被保険者期間中に死亡したため、遺族である妻は、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金の受給権を有することになった。この場合、当該妻は、遺族厚生年金と寡婦年金のどちらかを選択することとなり、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されないが、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金は支給される。
【解答】
①【H24年出題】 ×
寡婦年金と死亡一時金の受給要件を同時に満たした場合は、妻本人の選択によって、死亡一時金と寡婦年金のどちらかが支給されます。死亡一時金を選択した場合は寡婦年金は支給されない、寡婦年金を選択した場合は死亡一時金は支給されない、となります。
②【R3年出題】 〇
・一人一年金の原則
複数の年金の受給権が発生した場合は、原則として、選択した一の年金を受けることになります。
遺族厚生年金と寡婦年金の受給権が発生した場合は、どちらかを選択します。
・死亡一時金と寡婦年金
死亡一時金と寡婦年金は、どちらかを選択します。
問題文のように、寡婦年金を選択した場合は、死亡一時金は支給されません。一人一年金の原則により遺族厚生年金は支給停止となります。
また、遺族厚生年金と死亡一時金は支給調整されませんので、遺族厚生年金を選択した場合は、死亡一時金が支給されます。
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R5-316
今日は、申請免除と初診日の関係をみていきます。
まず、「申請免除」で、保険料が免除される期間を確認しましょう。
<申請免除の対象となる厚生労働大臣が指定する期間> 申請のあった日の属する月の2年2か月前(納期限から2年を経過した期間を除く。)の月から当該申請のあった日の属する年の翌年6月(申請のあった日の属する月が1月から6月までである場合にあっては、申請のあった日の属する年の6月)までの期間のうち必要と認める期間 |
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
20歳に到達した日から第1号被保険者である者が、資格取得時より保険料を滞納していたが、22歳の誕生月に国民年金保険料の全額免除の申請を行い、その承認を受け、第1号被保険者の資格取得月から当該申請日の属する年の翌年6月までの期間が保険料全額免除期間となった。当該被保険者は21歳6か月のときが初診日となるけがをし、その後障害認定日において当該けがが障害等級2級に該当していた場合、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
【H28年出題】 ×
障害基礎年金の受給権は発生しません。
・保険料免除期間に算入されるのは「申請のあった日以後」です。過去に遡って、未納が保険料免除期間になるわけではありません。
・保険料納付要件は「初診日の前日」でみます。
初診日の前日の時点では、20歳からの期間がすべて滞納期間です。
・保険料納付要件を満たしていませんので、障害基礎年金の受給権は発生しません。
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R5-315
障害基礎年金の受給権の発生要件をみていきましょう。
まず、条文を読んでみましょう。
第30条(支給要件) 障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。 ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 1 被保険者であること。 2 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。 |
★障害基礎年金の受給権の発生要件は
①初診日
②障害認定日
③保険料納付要件
の3つです。
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
平成2年4月8日生まれの者が、20歳に達した平成22年4月から大学を卒業する平成25年3月まで学生納付特例の適用を受けていた。その者は、卒業後就職せず第1号被保険者のままでいたが、国民年金の保険料を滞納していた。その後この者が24歳の誕生日を初診日とする疾病にかかり、その障害認定日において障害等級2級の状態になった場合、障害基礎年金の受給権が発生する。
【解答】
【H28年出題】 〇
受給権の発生要件を確認しましょう。
①初診日要件について
初診日に、国民年金第1号被保険者です。
初診日に「被保険者であること。」の要件を満たしています。
②保険料納付要件について
初診日は、平成26年4月8日です。
20歳に達した月(平成22年4月)から初診日の属する月の前々月(平成26年2月)までの納付状況をみることになります。
47か月のうち、平成22年4月から平成25年3月までの36か月が学生納付特例期間、平成25年4月から平成26年2月までの11か月が滞納期間です。
47カ月のうち、3分の2以上が保険料免除期間(学生納付特例期間)ですので、保険料納付要件を満たします。
③障害認定日について
障害認定日において障害等級2級の状態になった場合は、障害認定日に受給権が発生します。
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R5-314
今日は、健康保険の「標準賞与額」をみていきましょう。
なお、賞与とは、「3か月を超える期間ごとに受けるもの」です。
条文を読んでみましょう。
第45条 (標準賞与額の決定) 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに1,000円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。 ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)における標準賞与額の累計額が573万円を超えることとなる場合には、当該累計額が573万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。 |
則第27条 (賞与額の届出) 被保険者の賞与額に関する届出は、賞与を支払った日から5日以内に、健康保険被保険者賞与支払届を日本年金機構又は健康保険組合に提出することによって行うものとする。 |
第167条第2項 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度における標準賞与額の累計額が540万円(第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額。)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。
②【H29年出題】
前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30万円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。
③【R4年出題】
6月25日に40歳に到達する被保険者に対し、6月10日に通貨をもって夏季賞与を支払った場合、当該標準賞与額から被保険者が負担すべき一般保険料額とともに介護保険料額を控除することができる。
【解答】
①【H28年出題】 ×
540万円ではなく、「573万円」です。
ポイント!
・標準賞与額は、賞与額から1000円未満を切り捨てた額です。
・年度の累計は、573万円です。累計が573万円に達した後も賞与が支給された場合は、それ以降の標準賞与額は0円となります。
②【H29年出題】 〇
前月から引き続き被保険者だった者が資格を喪失した場合、資格を喪失した月に支給された賞与については、保険料は徴収されません。
※保険料徴収の必要がない被保険者資格の喪失月でも、被保険者期間中に支払われる賞与に基づき決定される標準賞与額は、年度の累計額の573万円には算入されます。
(H19.5.1庁保険発第0501001号)
③【R4年出題】 〇
資格を取得した月に支給された賞与は、保険料の徴収の対象となります。
6月25日に介護保険の第2号被保険者となった場合は、6月に支給された賞与から、一般保険料額と介護保険料額を控除することができます。
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R5-313
労働保険徴収法の徴収金に関する処分に不服がある者は、行政不服審査法に基づき、厚生労働大臣に審査請求を行います。
では、さっそく過去問をどうぞ!
★平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服がある事業主が行うことができる措置についての問題です。
①【H28年出題】(労災)
事業主は、当該認定決定について、その処分庁である都道府県労働局歳入徴収官に対し、異議申立てを行うことができる。
②【H28年出題】(労災)
事業主は、当該認定決定について、その処分に係る都道府県労働局に置かれる労働者災害補償保険審査官に対し、審査請求を行うことができる。
③【H28年出題】(労災)
事業主は、当該認定決定について、厚生労働大臣に対し、再審査請求を行うことができる。
④【H28年出題】(労災)
事業主は、当該認定決定について、直ちにその取消しの訴えを提起することができる。
⑤【H28年出題】(労災)
事業主は、当該認定決定について、取消しの訴えを提起する場合を除いて、代理人によらず自ら不服の申立てを行わなければならない。
【解答】
①【H28年出題】 ×
「厚生労働大臣」に対し、「審査請求」行うことができる、です。
(行政不服審査法第4条)
②【H28年出題】 ×
①と同じく、「厚生労働大臣」に対し、「審査請求」行うことができる、です。
(行政不服審査法第4条)
③【H28年出題】 ×
①と同じく、厚生労働大臣に対し、「審査請求」行うことができる、です。
(行政不服審査法第4条)
④【H28年出題】 〇
行政事件訴訟法第8条で、「処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。」と規定されています。
問題文の認定決定については、厚生労働大臣の裁決を経なくても、直ちにその取消しの訴えを提起することができます。
⑤【H28年出題】 ×
行政不服審査法第12条で、「審査請求は、代理人によってすることができる。」と定められています。事業主は当該認定決定について、代理人によって審査請求を行うことができます。
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R5-312
今日は、「失業の認定」のルールをみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
法第15条第1項~2項 (失業の認定) ① 基本手当は、受給資格者が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について支給する。 ② 失業の認定を受けようとする受給資格者は、離職後、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
雇用保険法第10条の3に定める未支給失業等給付にかかるもの及び公共職業能力開発施設に入校中の場合は、代理人による失業の認定が認められている。
②【H28年出題】
中学生以下の子弟の入学式又は卒業式等へ出席するため失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができない受給資格者は、原則として事前に申し出ることにより認定日の変更の取扱いを受けることができる。
③【H28年出題】
公共職業安定所の指示した雇用保険法第15条第3項に定める公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定は、4週間に1回ずつ直前の28日の各日(既に失業の認定の対象となった日を除く。)について行われる。
④【H28年出題】
受給資格者が登録型派遣労働者として被保険者とならないような派遣就業を行った場合は、通常、その雇用契約期間が「就職」していた期間となる。
【解答】
①【H28年出題】 〇
失業の認定は受給資格者に労働の意思と能力があって、しかも就職し得ないことについての認定です。そのため、受給資格者が自ら認定日に出頭して、失業の認定を受けなければなりません。
しかし、以下の場合は、代理人による失業の認定が認められています。
・ 未支給失業等給付にかかるもの
・ 公共職業能力開発施設に入校中の場合
(則第17条の2第4項、則第27条、行政手引51401)
②【H28年出題】 〇
失業の認定は、あらかじめ定められた認定日に行うことが原則です。
しかし、受給資格者が職業に就くためその他やむを得ない理由のため、所定の認定日に出頭できない場合は、受給資格者の申出により、認定日の変更の取扱いを受けることができます。
「子弟の入学式又は卒業式等への出席」はやむを得ない理由に該当しますので、認定日の変更が可能です。
(行政手引51351)
③【H28年出題】 ×
公共職業安定所の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定は、「1月に1回、直前の月に属する各日(既に失業の認定の対象となった日を除く。)について行われます。
(則第24条)
④【H28年出題】 〇
受給資格者が登録型派遣労働者として被保険者とならないような派遣就業を行った場合は、通常、その雇用契約期間が「就職」していた期間となります。
(行政手引51256)
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R5-311
通勤経路を逸脱・中断した場合について条文を読んでみましょう。
第7条第3項 労働者が、移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の移動は、通勤としない。 ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。 |
中断は「寄り道」、逸脱は「回り道」のイメージです。
通勤経路を逸脱・中断した場合、逸脱・中断の間とその後の移動は通勤になりません。
例外的に、逸脱、中断が、「日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のもの」である場合は、逸脱の間・中断の間は通勤となりませんが、その後の移動は通勤となります。
では、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものを条文で読んでみましょう。
則第8条 (日常生活上必要な行為) 法第7条第3項の厚生労働省令で定める行為は、次のとおりとする。 1 日用品の購入その他これに準ずる行為 2 職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為 3 選挙権の行使その他これに準ずる行為 4 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為 5 要介護状態にある配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母の介護(継続的に又は反復して行われるものに限る。) |
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱した場合でも、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱の間も含め同条の通勤となる。
②【H27年出題】
会社からの退勤の途中で美容院に立ち寄った場合、髪のセットを終えて直ちに合理的な経路に復した後についても、通勤に該当しない。
③【H28年出題】
会社からの退勤の途中に、定期的に病院で、比較的長時間の人工透析を受ける場合も、終了して直ちに合理的経路に復した後については、通勤に該当する。
④【R3年出題】
腰痛の治療のため、帰宅途中に病院に寄った労働者が転倒して負傷した。病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、負傷した場所はその病院から駅に向かう途中の路上であった。この場合は、通勤災害と認められない。
⑤【H25年出題】
女性労働者が1週間に数回、やむを得ない事情により、就業の場所から帰宅途中に最小限の時間、要介護状態にある夫の父を介護するために夫の父の家に立ち寄っている場合に、介護終了後、合理的な経路に復した後は、再び通勤に該当する。
【解答】
①【H23年出題】 ×
逸脱・中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合であったとしても、逸脱の間、中断の間は、通勤となりません。
②【H27年出題】 ×
出退勤の途中に、理髪店や美容院にたちよる行為は、「日用品の購入その他これに準ずる行為」に該当します。
退勤の途中で美容院に立ち寄り、髪のセットをしている間は通勤になりませんが、その後直ちに合理的な経路に復した後は、通勤に該当します。
(S58.8.2基発420)
③【H28年出題】 〇
通常の医療行為だけでなく、比較的長時間の人工透析を受ける場合も、「病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為」に該当します。
(S48.11.22 基発644)
④【R3年出題】 〇
自宅と反対方向にある病院から駅に向かう途中の路上は、逸脱の間(合理的経路に復する前)ですので、通勤災害となりません。
⑤【H25年出題】 〇
要介護状態にある夫の父の介護の場合は、介護終了後に合理的な経路に復した後は、再び通勤に該当します。
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R5-310
今日は、元方事業者の講ずべき措置についてみていきます。
まず、元方事業者の定義が、平成19年の選択式で出題されていますので、確認しましょう。
過去問をどうぞ!
【H19年選択式】
労働安全衛生法第15条第1項において、元方事業者とは、「事業者で、< A >において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(当該事業の仕事の一部を請け負わせる契約が二以上あるため、その者が二以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最も先次の請負契約における注文者とする。以下「元方事業者」という。)」と定義されている。
【解答】
A 一の場所
では、元方事業者の講ずべき措置について条文を読んでみましょう。
第29条 (元方事業者の講ずべき措置等) ① 元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。 ② 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。 ③ ②の指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H18年出題】
業種のいかんを問わず、元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。
②【H22年出題】
製造業に属する事業の元方事業者は、関係請負人が、当該仕事に関し、労働安全衛生法又は同法に基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならず、これらの規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならないが、関係請負人の労働者に対しては、このような指導及び指示を直接行ってはならない。
③【H26年出題】
労働安全衛生法第29条第2項には、元方事業者の講ずべき措置等として、「元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。」との規定が置かれており、この規定の違反には、罰則が付いている。
【解答】
①【H18年出題】 〇
あらゆる業種に適用されることがポイントです。
「構内下請企業は、親企業内の設備の修理、製品の運搬、梱包等危険、有害性の高い作業を分担することが多く、さらにその作業場所が親企業の構内であることから、その自主的な努力のみでは十分な災害防止の実をあげられない面があるので、当該事業遂行の全般について権限と責任を有している元方事業者に、関係請負人およびその労働者に対するこの法律の遵守に関する指導、指示義務を負わせることとしたものであること」とされています。
(S47.9.18発基第91号)
②【H22年出題】 ×
第29条第1項、第2項とも、「関係請負人又は関係請負人の労働者が・・・」となっていますので、関係請負人の労働者も、指導及び指示の対象です。
③【H26年出題】 ×
労働安全衛生法第29条には、罰則は付いていません。
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R5-309
今日は休業手当の支払ルールです。
休業手当について条文を読んでみましょう。
第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。 |
さっそく過去問をどうぞ!
【H27年出題】
当該労働者の労働条件は次のとおりである。
所定労働日:毎週月曜日から金曜日
所定休日:毎週土曜日及び日曜日
所定労働時間:1日8時間
賃金:日給15,000円
計算された平均賃金:10,000円
① 使用者の責に帰すべき事由によって、水曜日から次の週の火曜日まで1週間休業させた場合、使用者は、7日分の休業手当を支払わなければならない。
② 使用者の責に帰すべき事由により労働時間が4時間に短縮されたが、その日の賃金として7,500円の支払がなされると、この場合にあっては、使用者は、その賃金の支払に加えて休業手当を支払わなくても違法とならない。
③ 就業規則の定めに則り、日曜日の休日を事業の都合によってあらかじめ振り替えて水曜日を休日とした場合、当該水曜日に休ませても使用者に休業手当を支払う義務は生じない。
④ 休業手当の支払義務の対象となる「休業」とは、労働者が労働契約に従って労働の用意をなし、しかも労働の意思をもっているにもかかわらず、その給付の実現が拒否され、又は不可能となった場合をいうから、この「休業」には、事業の全部又は一部が停止される場合にとどまらず、使用者が特定の労働者に対して、その意思に反して、就業を拒否する場合も含まれる。
⑤ 休電による休業については、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しない。
【解答】
① ×
休業手当は、「休日」に支給する義務はありません。
問題文の場合は、休日を除いた5日分の休業手当を支払わなければなりません。
(S24.3.22基収4077号)
② 〇
1日の所定労働時間の一部のみ使用者の責に帰すべき事由が生じた場合も、その日は平均賃金の100分の60以上を支払わなければなりません。
実際に労働した時間分の賃金が、平均賃金の100分の60未満の場合は、その差額を支払わなければなりません。
問題文は、実際に労働した時間の賃金として7,500円が支払われています。平均賃金の100分の60以上が支払われていますので、その賃金の支払に加えて休業手当を支払う必要はありません。
(S27.8.7基収3445号)
③ 〇
振り替えによって休日となった水曜日に休業手当を支払う義務はありません。
④ 〇
使用者が特定の労働者に対して、その意思に反して、就業を拒否する場合も、休業手当の支払が必要です。
⑤ 〇
休電による休業については、原則として使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しませんので、休業手当を支払う義務はありません。
(S26.10.11基発696号)
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R5-308
平均賃金の算定ルールを確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
第12条第1項~5項 ① 平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の1によって計算した金額を下ってはならない。 1 賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60 2 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額 ② 期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。 ③ 期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、期間及び賃金の総額から控除する。 1 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間 2 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間 3 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間 4 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間 5 試みの使用期間 ④ 賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。 ⑤ 賃金が通貨以外のもので支払われる場合、賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。 |
平均賃金の計算式(原則)
3か月間の賃金の総額 |
3か月間の総日数 |
③について → 賃金総額(分子)、日数(分母)の両方から除外する
④について → 賃金総額(分子)から除外する
平均賃金の最低保障額
3か月間の賃金の総額 | × | 60 |
3か月間の労働した日数 | 100 |
※最低保障が適用されるのは、日給制、時間給制、出来高払制(請負制)の場合です。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通勤手当及び家族手当は含まれない。
②【H27年出題】
平均賃金の計算において、労働者が労働基準法第7条に基づく公民権の行使により休業した期間は、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から除外する。
③【H27年出題】
労働災害により休業していた労働者がその災害による傷病が原因で死亡した場合、使用者が遺族補償を行うに当たり必要な平均賃金を算定すべき事由の発生日は、当該労働者が死亡した日である。
④【H27年出題】
賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば7月31日に算定事由が発生したときは、なお直前の賃金締切日である6月30日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。
⑤【H27年出題】
賃金締切日が、基本給は毎月月末、時間外手当は毎月20日とされている事業場において、例えば6月25日に算定事由が発生したときは、平均賃金の起算に用いる直前の賃金締切日は、基本給、時間外手当ともに基本給の直前の締切日である5月31日とし、この日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。
【解答】
①【H27年出題】 ×
賃金の総額に算入しない賃金は、以下の賃金です。
・臨時の賃金
・3か月を超える期間ごとの賃金(賞与など)
・現物給与で法令・労働協約に基づくもの以外のもの
★「通勤手当及び家族手当」は賃金総額に算入します。
②【H27年出題】 ×
平均賃金の計算の「期間」及び「賃金の総額」から除外するのは以下の期間です。
・ 業務上の負傷、疾病による療養のための休業期間
・ 産前産後の休業期間
・ 使用者の責めに帰すべき事由による休業期間
・ 育児休業又は介護休業期間
・ 試用期間
★「公民権の行使により休業した期間」は、その日数とその期間中の賃金は、平均賃金の計算に算入します。
③【H27年出題】 ×
施行規則第48条で「災害補償を行う場合には、死傷の原因たる事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日を、平均賃金を算定すべき事由の発生した日とする。」と規定されています。
遺族補償を行う場合の平均賃金を算定すべき事由の発生日は、「死亡した日」ではありません。
(S25.10.19 基収2908号)
④【H27年出題】 〇
賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日が起算日となります。
賃金締切日が毎月月末で、7月31日に算定事由が発生したときは、6月30日から遡った3か月で算定します。
⑤【H27年出題】 ×
賃金ごとに賃金締切日が異なる場合は、直前の賃金締切日は、それぞれの賃金ごとの賃金締切日です。
問題文の場合は、基本給は5月31日、時間外手当は6月20日となります。
(S26.12.27基収5926号)
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R5-307
過去10年間で、介護保険法は選択式で6回出題されています。
まとめてチェックしましょう。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H27年選択式】
介護保険法第1条は、「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、< A >並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、< B >に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」と規定している。
②【R4年選択式】
介護保険法における「要介護状態」とは、< A >があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、< B >の期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。ただし、「要介護状態」にある40歳以上65歳未満の者であって、その「要介護状態」の原因である< A >が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(以下「特定疾病」という。)によって生じたものであり、当該特定疾病ががん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)である場合の継続見込期間については、その余命が< B >に満たないと判断される場合にあっては、死亡までの間とする。
③【H29年選択式】
介護保険法第4条第1項では、「国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して< A >とともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。」と規定している。
④【R1年選択式】
介護保険法第115条の46第1項の規定によると、地域包括支援センターは、第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものを除く。)及び包括的支援事業その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、< A >を包括的に支援することを目的とする施設とされている。
⑤【R2年選択式】
介護保険法第67条第1項及び介護保険法施行規則第103条の規定によると、市町村は、保険給付を受けることができる第1号被保険者である要介護被保険者等が保険料を滞納しており、かつ、当該保険料の納期限から< A >が経過するまでの間に当該保険料を納付しない場合においては、当該保険料の滞納につき災害その他の政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止めるものとするとされている。
⑥【H30年選択式】
介護保険法第129条の規定では、市町村又は特別区が介護保険事業に要する費用に充てるため徴収しなければならない保険料は、第1号被保険者に対し、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定された保険料率により算定された額とされ、その保険料率は、おおむね< A >を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならないとされている。
【解答】
①【H27年選択式】
A 機能訓練
B 国民の共同連帯の理念
②【R4年選択式】
A 身体上又は精神上の障害
B 6か月
(則第2条)
③【H29年選択式】
A 常に健康の保持増進に努める
④【R1年選択式】
A その保健医療の向上及び福祉の増進
⑤【R2年選択式】
A 1年6か月
⑥【H30年選択式】
A3年
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R5-306
従業員を常時43.5人以上雇用する民間企業には、障害者を1人以上雇用する義務があります。
条文を読んでみましょう。
第43条第1項 (一般事業主の雇用義務等) 事業主(常時雇用する労働者(以下単に「労働者」という。)を雇用する事業主をいい、国及び地方公共団体を除く。)は、厚生労働省令で定める雇用関係の変動がある場合には、その雇用する対象障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に障害者雇用率を乗じて得た数(その数に1人未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。「法定雇用障害者数」という。)以上であるようにしなければならない。 |
民間企業の障害者雇用率は、「100分の2.3」です。
では、過去問をどうぞ!
①【R4年選択式】
全ての事業主は、従業員の一定割合(=法定雇用率)以上の障害者を雇用することが義務付けられており、これを「障害者雇用率制度」という。現在の民間企業に対する法定雇用率は< A >パーセントである。
障害者の雇用に関する事業主の社会連帯責任を果たすため、法定雇用率を満たしていない事業主(常時雇用労働者< B >の事業主に限る。)から納付金を徴収する一方、障害者を多く雇用している事業主に対しては調整金、報奨金や各種の助成金を支給している。
(選択肢)
①2.0 ②2.3 ③2.5 ④2.6
⑤50人超 ⑥100人超 ⑦200人超 ⑧300人超
②【H27年出題】※改正による修正あり
障害者雇用促進法は、事業主に一定比率(一般事業主については2.3パーセント)以上の対象障害者の雇用を義務づけ、それを達成していない常時使用している労働者数が101人以上の事業主から、未達成1人につき月10万円の障害者雇用納付金を徴収することとしている。
【解答】
①【R4年選択式】
A ②2.3
B ⑥100人超
法定雇用率を満たしていない事業主から、障害者雇用納付金が徴収されます。
障害者雇用納付金の対象になるのは、常時雇用労働者100人超の事業主です。
②【H27年出題】 ×
障害者雇用納付金は、未達成1人につき月5万円です。
(法第54条、施行令第17条)
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R5-305
障害基礎年金の併合によって、障害厚生年金の額が改定されることがあります。
条文を読んでみましょう。
第52条2の第2項 障害厚生年金の受給権者が、国民年金法による障害基礎年金の受給権を有する場合において、同法第34条第4項(その他障害による額の改定)及び第36条第2項ただし書の規定により併合された障害の程度が当該障害基礎年金の支給事由となった障害の程度より増進したときは、これらの規定により併合された障害の程度に応じて、当該障害厚生年金の額を改定する。 |
図でイメージしましょう。
①会社員(厚生年金保険の被保険者)のときに初診日がある傷病で2級の障害厚生年金と障害基礎年金を受給しています。
障害厚生年金 2級 |
障害基礎年金 2級 |
②会社を退職後、自営業者になりました。(国民年金第1号被保険者となりました)
国民年金第1号被保険者のときに初診日がある傷病で「その他障害」が発生しました。
障害厚生年金 2級 |
+ |
| → | 障害厚生年金 1級 |
障害基礎年金 2級 | その他障害 | → | 障害基礎年金 1級 |
■障害基礎年金について
2級の障害基礎年金の受給権者にさらに「その他障害」が発生しました。
国民年金法第34条4項の規定により、前後の障害を併合した障害の程度が増進した場合は、額の改定を請求することができます。
その結果、障害基礎年金は1級に額が改定されます。
■障害厚生年金について
障害基礎年金が2級から1級に改定されたことに合わせて、障害厚生年金も1級に改定されます。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
障害等級2級の障害厚生年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権者が、国民年金の第1号被保険者になり、その期間中に初診日がある傷病によって国民年金法第34条第4項の規定による障害基礎年金とその他障害との併合が行われ、当該障害基礎年金が障害等級1級の額に改定された場合には、障害厚生年金についても障害等級1級の額に改定される。
【解答】
【H27年出題】 〇
時系列で確認しましょう。
・2級の障害厚生年金と障害基礎年金の受給権者が
↓
・国民年金の第1号被保険者になった
↓
・第1号被保険者期間中に初診日がある傷病によって、国民年金法34条第4項の規定による障害基礎年金とその他障害との併合が行われた
↓
・併合の結果、障害基礎年金が障害等級1級の額に改定された
↓
・障害厚生年金も障害等級1級の額に改定される
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R5-304
在職老齢年金の用語をチェックしましょう。
過去問からどうぞ!
【H28年選択式】
厚生年金保険法第46条第1項の規定によると、60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者(前月以前の月に属する日から引き続き当該被保険者の資格を有する者に限る。)である日(厚生労働省令で定める日を除く。)が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額(以下「< A >」という。)及び老齢厚生年金の額(厚生年金保険法第44条第1項に規定する加給年金額及び第44条の3第4項に規定する加算額を除く。以下同じ。)を12で除して得た額(以下「基本月額」という。)との合計額が< B >を超えるときは、その月の分の当該老齢厚生年金について、< A >と基本月額との合計額から< B >を控除して得た額の2分の1に相当する額に12を乗じて得た額(以下「< C >」という。)に相当する部分の支給を停止する。ただし、< C >が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部(同法第44条の3第4項に規定する加算額を除く。)の支給を停止するものとされている。
【解答】
A 総報酬月額相当額
B 支給停止調整額
C 支給停止基準額
用語を確認しましょう。
・総報酬月額相当額とは
→ (その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の総額÷12)
・基本月額とは
→ 老齢厚生年金の額÷12 (老齢厚生年金の月額)
※加給年金額・繰下げ加算額は除きます。
・「基本月額+総報酬月額相当額」が支給停止調整額以下の場合
→ 全額支給されます。
・「基本月額+総報酬月額相当額」が支給停止調整額を超える場合
→ (基本月額+総報酬月相当額-支給停止調整額)×2分の1が支給停止されます。(月額)
・支給停止基準額とは
(基本月額+総報酬月相当額-支給停止調整額)×2分の1に12をかけた額です。(支給停止される額の年額です。)
★「支給停止調整額」は毎年度見直されます。
条文を読んでみましょう。
第46条第3項 支給停止調整額は、48万円とする。ただし、48万円に平成17年度以後の各年度の名目賃金変動率をそれぞれ乗じて得た額(その額に5千円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、5千円以上1万円未満の端数が生じたときは、これを1万円に切り上げるものとする。)が48万円(支給停止調整額の改定の措置が講ぜられたときは、直近の当該措置により改定した額)を超え、又は下るに至った場合においては、当該年度の4月以後の支給停止調整額を当該乗じて得た額に改定する。 |
支給停止調整額は令和4年度の47万円から、令和5年度は「48万円」になりました。
過去問をどうぞ!
【H25年出題】※問題文修正あり
60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である間の総報酬月額相当額が300,000円であって、老齢厚生年金の額(加給年金額及び繰下げによる加算額を除く。)と老齢基礎年金の額との合計額を12で除して得た額が220,000円の場合、総報酬月額相当額と220,000円との合計額が、支給停止調整額(480,000円)を超えているため、その合計額から支給停止調整額を控除して得た額の2分の1に相当する額である20,000円に12を乗じて得た額に相当する部分が支給停止される。
【解答】
【H25年出題】 ×
問題文は、基本月額に「老齢基礎年金」を含んでいるので、誤りです。
在職老齢年金は厚生年金保険の制度ですので、老齢基礎年金は関係ありません。
在職中でも老齢基礎年金は全額支給されます。
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R5-303
引き続き、20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止をみていきます。
初診日が国民年金に加入する前の障害に対する年金で、保険料を負担していないことが特徴です。そのため、通常の障害基礎年金とは違う支給停止事由が設定されています。
条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第2号及び第3号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4日本国内に住所を有しないとき。 |
今日は、4日本国内に住所を有しないときをみていきます。
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは支給停止される。
②【R4年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。
③【H28年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が日本国籍を有しなくなったときは、その支給が停止される。
【解答】
①【H25年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは支給が停止されます。
②【R4年出題】 ×
受給権者が日本国内に住所を有しないときに支給が停止されるのは、20歳前傷病による障害基礎年金です。
しかし、通常の障害基礎年金(事後重症による障害基礎年金も)は、日本国内に住所を有しないときでも、支給停止されません。
③【H28年出題】 ×
20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止事由に、「日本国籍を有しなくなったとき」はありません。
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R5-302
引き続き、20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止をみていきます。
初診日が国民年金に加入する前の障害に対する年金で、保険料を負担していないことが特徴です。そのため、通常の障害基礎年金とは違う支給停止事由が設定されています。
条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項、2項 ① 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第2号及び第3号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3 少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4 日本国内に住所を有しないとき。 ② 1に規定する給付が、その全額につき支給を停止されているときは、同項の規定を適用しない。ただし、その支給の停止が前条第1項(労働基準法の規定による障害補償)又は第41条第1項に規定する給付(労働基準法の規定による遺族補償)が行われることによるものであるときは、この限りでない。 |
今日は、1をみていきます。
では、過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金を受給中である者が、労災保険法の規定による年金たる給付を受給できる(その全額につき支給を停止されていないものとする。)場合、その該当する期間、当該20歳前傷病による障害基礎年金は支給を停止する。
②【H25年出題】
労働者災害補償保険法による年金たる給付の受給権者であってその全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されない。
③【H20年出題】
障害基礎年金(いわゆる20歳前の障害に基づくものを除く。)は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されない。
【解答】
①【R1年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるときは、支給が停止されます。
②【H25年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付を受けることができるときは、支給が停止されます。
ただし、「労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付が、その全額につき支給を停止されているときは、同項の規定を適用しない。」となっていますので、労働者災害補償保険法による年金たる給付の全額が支給停止されているときは、20歳前傷病による障害基礎年金は支給停止されません。
③【H20年出題】 〇
労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときに支給が停止されるのは、20歳前の障害に基づく障害基礎年金です。
通常の障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働者災害補償保険法の規定による障害補償年金を受けることができるときであっても、その支給は停止されません。
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R5-301
前回は、20歳前傷病による障害基礎年金の「所得による支給停止」をみました。
今日は、刑事施設等に拘禁されているときの支給停止をみていきます。
では、条文を読んでみましょう。
第36条の2第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(2及び3に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その該当する期間、その支給を停止する。 1 恩給法に基づく年金たる給付、労働者災害補償保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき。 2刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。 3少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。 4 日本国内に住所を有しないとき。 |
今日は、2と3をみていきます。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が少年法第24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は売春防止法第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合は、その該当する期間、その支給を停止する。
②【H28年出題】
20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が刑事施設等に拘禁されている場合であっても、未決勾留中の者については、その支給は停止されない。
【解答】
①【H30年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が「少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき」は支給停止されますが、厚生労働省令で定める場合に限られています。
厚生労働省令では、「少年法24条の規定による保護処分として少年院に送致され、収容されている場合又は売春防止法第17条の規定による補導処分として婦人補導院に収容されている場合」と規定されています。
(則第34条の4)
②【H28年出題】 〇
20歳前傷病による障害基礎年金は、その受給権者が「刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき」は支給停止されていますが、こちらも厚生労働省令で定める場合に限られています。
刑事施設等に拘禁されている場合であっても、有罪が確定するまでは、その支給は停止されません。
(則第34条の4)
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R5-300
20歳前傷病による障害基礎年金は、国民年金加入前に初診日があるため、保険料を拠出せずに支給される年金です。
そのため、通常の障害基礎年金と異なる理由で支給停止が行われます。
今日は、「所得」による支給停止をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第36条の3第1項 第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から加算する額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給を停止する。
第36条の4第1項 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の9月までの第30条の4の規定による障害基礎年金(20歳前傷病による障害基礎年金)については、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給の停止は、行わない。 |
★扶養親族等がいない場合は、前年の所得が370万4千円を超え472万1千円以下の場合は2分の1が支給停止、472万1千円を超える場合は全額停止となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H20年出題】※改正による修正あり
いわゆる20歳前の障害に基づく障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が一定の額を超えるときは、原則として、その年の10月から翌年の9月まで、政令で定めるところにより、その全部又は2分の1(子の加算額が加算された障害基礎年金にあっては、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)に相当する部分の支給が停止される。
②【H25年出題】※問題文修正あり
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者本人の前年の所得が政令で定められた金額を超えるときは、その年の10月から翌年9月までの間、年金額の全部、又は、年金額の4分の3、2分の1若しくは4分の1に相当する部分の支給が停止される。
③【H27年出題】※問題文修正あり
20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の10月から翌年の9月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権者及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
④【H25年出題】※問題文修正あり
第30条の4に規定する20歳前傷病による障害基礎年金については、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する同一生計配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令に定めるその他の財産につき被害金額がその価格のおおむね3分の1以上である損害を受けた者がある場合は、その損害を受けた年の前年又は前々年における当該被災者の所得を理由とする支給停止は行わない。
【解答】
①【H20年出題】※改正による修正あり 〇
前年の所得に基づいて支給停止される期間は、その年の10月から翌年の9月までです。
②【H25年出題】※問題文修正あり ×
支給停止されるのは、年金額の全部又は2分の1(子の加算額が加算されている場合は、その額から子の加算額を控除した額の2分の1)です。
③【H27年出題】※問題文修正あり ×
所得は「受給権者」のみの所得です。扶養親族の所得を合算しません。
④【H25年出題】※問題文修正あり ×
被害金額がその価格のおおむね「2分の1以上」である損害を受けた者がある場合です。
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R5-299
少年院、刑事施設、労役場等に収容・拘禁された期間は、健康保険料は免除されます。
条文を読んでみましょう。
第158条 (保険料の徴収の特例) 前月から引き続き被保険者(任意継続被保険者を除く。)である者が第118条第1項各号のいずれかに該当するに至った場合はその月以後、被保険者がその資格を取得した月に同項各号のいずれかに該当するに至った場合はその翌月以後、同項各号のいずれかに該当しなくなった月の前月までの期間、保険料を徴収しない。 ただし、被保険者が同項各号のいずれかに該当するに至った月に同項各号のいずれかに該当しなくなったときは、この限りでない。
※第118条第1項 1 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。 |
少年院に収容された場合等は、公費で医療が行われますので、健康保険の疾病、負傷、出産に係る保険給付は行われず、また、保険料は徴収されません。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付は行われない。また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合については、原則として、その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。
②【H29年出題】
前月から引き続き任意継続被保険者である者が、刑事施設に拘禁されたときは、原則として、その月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。
【解答】
①【H27年出題】 ×
・ 前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合等
→ 免除される期間は、「該当した月」から該当しなくなった月の「前月」まで
※問題文は、「その翌月以後、拘禁されなくなった月まで」となっているので誤りです。
・ 資格を取得した月に刑事施設に拘禁された場合等
→ 免除される期間は、該当した月の「翌月」から該当しなくなった月の「前月」まで
・ 拘禁された、拘禁されなくなったのが同じ月にある場合
→ 保険料は免除されません。
②【H29年出題】 ×
任意継続被保険者は、刑事施設に拘禁されたとき等でも、保険料の免除はありません。
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R5-298
さっそく条文を読んでみましょう。
第118条 ① 被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。 1 少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。 ② 保険者は、被保険者又は被保険者であった者が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない。 |
ポイントその1
少年院に収容された場合等は、公費で医療が行われますので、健康保険の疾病、負傷、出産に係る保険給付は行われません。
「死亡」については、健康保険の保険給付が行われます。
ポイントその2
被保険者が少年院、刑事施設、労役場に収容・拘禁されたとき等でも、被扶養者がそれに該当しない場合は、被扶養者に対する保険給付は行われます。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
保険者は、被保険者が少年院その他これに準ずる施設に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)を行わないが、被扶養者に係る保険給付を行うことは妨げられない。
②【H29年出題】
保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された場合には、被扶養者に対する保険給付を行うことができない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
被保険者が少年院等に収容されたときには、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は行われません。
被扶養者については、被扶養者がそのような状態にない場合は、被扶養者に係る保険給付は行われます。
②【H29年出題】 ×
被保険者又は被保険者であった者が、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁された場合でも、被扶養者に対する保険給付は行われます。
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R5-297
傷病手当金と老齢基礎年金・老齢厚生年金は同時に受けられるでしょうか?
条文を読んでみましょう。
法第108条第5項 傷病手当金の支給を受けるべき者(資格喪失後の継続給付により傷病手当金を受けるべき者に限る。)が、国民年金法又は厚生年金保険法による老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるときは、傷病手当金は、支給しない。 ただし、その受けることができる老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)につき厚生労働省令で定めるところにより算定した額が、傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する。
則第89条第2項 ただし書の厚生労働省令で定めるところにより算定した額は、老齢退職年金給付の額(当該老齢退職年金給付が2以上あるときは、当該2以上の老齢退職年金給付の額の合算額)を360で除して得た額(その額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)とする。 |
ポイントその1!
老齢退職年金給付と調整されるのは、「資格喪失後の継続給付により傷病手当金を受ける者」に限られます。
老齢退職年金給付を受けることができる者には、資格喪失後の傷病手当金の継続給付は、原則として支給されません。退職後に、老齢年金と傷病手当金の両方が支給されると、所得保障が重複してしまうからです。
ポイントその2!
ただし、「老齢退職年金給付の額÷360」が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢又は退職を支給事由とする年金である給付であって政令で定めるもの(以下「老齢退職年金給付」という。)の支給を受けることができるとき、老齢退職年金給付は支給されない。
②【H27年出題】
適用事業所に使用される被保険者が傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われない。
【解答】
①【H23年出題】 ×
被保険者資格を喪失後に傷病手当金の継続給付を受給している者が、老齢退職年金給付の支給を受けることができるとき、「老齢退職年金給付は支給されない」ではなく、「傷病手当金は支給されない」です。
ただし、「老齢退職年金給付の額÷360」が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。
②【H27年出題】 〇
「適用事業所に使用される被保険者」=在職中に傷病手当金を受けるときには、老齢基礎年金及び老齢厚生年金との調整は行われません。
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R5-296
日雇労働被保険者を使用する事業主は、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付することによって、印紙保険料を納付します。
事業主が印紙保険料の納付を怠ったときについて条文を読んでみましょう。
第25条第1項、2項 (印紙保険料の決定及び追徴金) ① 事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。 ② 事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の 100分の25に相当する額の追徴金を徴収する。ただし、納付を怠った印紙保険料の額が1,000円未満であるときは、この限りでない。 |
通知は、所轄都道府県労働局歳入徴収官が納入告知書によって行います。納期限は、通知を発する日から起算して30日を経過した日です。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】(雇用保険)
事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。
②【H28年出題】(雇用保険)
事業主は、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠ったときは、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の100分の10に相当する追徴金を徴収される。
③【H28年出題】(雇用)
印紙保険料を所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定したときは、納付すべき印紙保険料については、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)に納付することはできず、所轄都道府県労働局収入官吏に現金で納付しなければならない。
【解答】
①【H25年出題】(雇用保険) 〇
印紙保険料の認定決定の通知は、納入告知書によって行われます。
(則第38条第5項)
②【H28年出題】(雇用保険) ×
徴収される追徴金は、認定決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる)の「100分の25」です。
③【H28年出題】(雇用) ×
印紙保険料を所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定したときは、納付すべき印紙保険料については、「日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)」又は、「所轄都道府県労働局収入官吏」に納付しなければなりません。
雇用保険印紙ではなく、現金で納付するのがポイントです。
(則第38条第3項第2号)
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R5-295
基本手当の日額の算定の基礎となるのが賃金日額です。
賃金日額の算定方法や、算入される賃金についてみていきましょう。
では、条文を読んでみましょう。
第17条第1項、2項 ① 賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額とする。 ② ①の規定による額が次の各号に掲げる額に満たないときは、賃金日額は、①の規定にかかわらず、当該各号に掲げる額とする。 1 賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められている場合には、最後の6か月間に支払われた賃金の総額を当該最後の6か月間に労働した日数で除して得た額の100分の70に相当する額 2 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によって定められている場合には、1か月を30日として計算する。)で除して得た額と前号に掲げる額との合算額 |
★賃金日額は、離職前6か月間の1日当たりの平均の賃金額です。
原則は①で計算します。
②は最低保障です。最低保障が適用されるのは、日給制、時間給制、出来高払制その他の請負制の場合です。
★基本手当の日額は、賃金日額×給付率で計算します。
では、過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
月当たり一定の時間外労働があったものとみなして支給される定額残業手当が、実際に行われた時間外労働に基づいて算出された額を上回るとき、その差額は賃金に含まれない。
②【H25年出題】
賃金日額の最高限度額は45歳以上60歳未満が最も高いが、最低限度額は年齢に関わりなく一律である。
③【H25年出題】
賃金日額の計算にあたり算入される賃金は、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金を除く)の総額を90で除して得た額とされている。
④【H25年出題】
支払義務が確定した賃金であって所定の支払日を過ぎてもなお支払われていない賃金は、賃金日額の算定対象に含まれる。
⑤【H25年出題】
事業主が労働の対償として労働者に住居を供与する場合、その住居の利益は賃金日額の算定対象に含まない。
【解答】
①【H25年出題】 ×
定額残業手当が、実際に行われた時間外労働に基づいて算出された額を上回るとき、その差額は賃金に「含まれます」。
雇用保険法の賃金とは、名称の如何を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいいます。
「労働の対償として支払われるもの」とは、労働した時間に対して支払われるものだけでなく、契約等で支給が事業主に義務づけられているものも含まれます。
(行政手引50402)
②【H25年出題】 〇
賃金日額には、最高限度額と最低限度額があります。
最高限度額は年齢階層別に設定されていますが、最低限度額は年齢に関係なく一律で設定されています。
例えば、令和4年8月1日から1年間の45歳以上60歳未満の賃金日額の上限は、16,710円です。この場合の基本手当の日額は、16,710円×給付率(50%)=8,355円となります。
給付率は、原則50%~80%で、賃金日額が高いほど給付率は低くなり、賃金日額が低いほど給付率は高くなります。
なお、60歳以上65歳未満の給付率は45%~80%です。
③【H25年出題】 ×
賃金日額の計算にあたり算入される賃金は、被保険者期間として計算された最後の「6」か月間に支払われた賃金の総額を「180」で除して得た額です。なお、賃金の総額から除外されるのは、臨時に支払われる賃金及び「3か月を超える期間ごとに支払われる賃金」です。
④【H25年出題】 〇
賃金日額の計算にあたり算入される賃金は、「被保険者として雇用された期間に対するものとして同期間中に事業主の支払義務が確定した賃金」です。支払義務が確定した賃金であって所定の支払日を過ぎてもなお支払われていない賃金は、賃金日額の算定対象に含まれます。
(行政手引50451)
⑤【H25年出題】 ×
住居の利益は、原則として賃金となりますので、賃金日額の算定対象に含まれます。
(行政手引50501)
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R5-294
https://youtu.be/QpSV5kMZ5lM 「通勤」の定義を条文で読んでみましょう。
法第7条第2項 通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。 1 住居と就業の場所との間の往復 2 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動 3 第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。) |
今日は、「就業に関し」に注目しましょう。
「就業に関し」とは、往復行為が業務に就くため又は業務を終えたことにより行われるものであることを必要とする趣旨を示しています。通勤と認められるには、往復行為が業務と密接な関連をもって行われることを要します。
(H18.3.31基発第0331042号)
では、過去問をどうぞ!
①【H24年出題】
寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合は、通勤に該当することはない。
②【H24年出題】
運動部の練習に参加する目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合も、通勤に該当する。
③【H24年出題】
業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除いても、通勤に該当することはない。
④【H24年出題】
昼休みに自宅まで時間的に十分余裕をもって往復できる労働者が、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤する往復行為は、通勤に該当しない。
【解答】
①【H24年出題】 ×
所定の就業日に所定の就業開始時刻に合わせて住居を出て就業の場所へ向う場合は、「寝すごしによる遅刻」、「ラッシュを避けるための早出」等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性があるとされます。
寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合でも、要件を満たせば通勤に該当します。
(H18.3.31基発第0331042号)
②【H24年出題】 ×
午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合は、業務以外の目的のために行われるものと考えられ、就業との関連性はないと認められます。
問題文の場合は、運動部の練習に参加する目的で行われるものと考えられるので、通勤には該当しません。
(H18.3.31基発第0331042号)
③【H24年出題】 ×
業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めても差し支えない、とされています。
(H18.3.31基発第0331042号)
④【H24年出題】 ×
通勤は1日について1回のみしか認められないものではありません。昼休み等就業の時間の間に相当の間隔があって帰宅するような場合には、昼休みについていえば、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤するものと考えられるので、その往復行為は就業との関連性を認められます。
問題文は、通勤に該当します。
(H18.3.31基発第0331042号)
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R5-293
安全委員会、衛生委員会の構成員について条文を読んでみましょう。
法第17条第2項~4項(安全委員会) ② 安全委員会の委員は、次の者をもって構成する。ただし、第1号の委員は、1人とする。 1総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者 2安全管理者のうちから事業者が指名した者 3 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者 ③ 安全委員会の議長は、第1号の委員がなるものとする。 ④ 事業者は、第1号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。 ⑤ 前2項の規定は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。
第18条第2項~4項(衛生委員会) ② 衛生委員会の委員は、次の者をもって構成する。ただし、第1号の者である委員は、1人とする。 1総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者 2衛生管理者のうちから事業者が指名した者 3産業医のうちから事業者が指名した者 4 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者 ③ 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。 ※ 安全委員会の③~⑤の規定は、衛生委員会に準用します。 |
★安全委員会・衛生委員会の議長となるのは、第1号の委員です。 <第1号の委員について> 「総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの」とは、総括安全衛生管理者の選任を必要としない事業場について規定されたものです。 「これに準ずる者」とは、当該事業場において事業の実施を統括管理する者以外の者で、その者に準じた地位にある者(たとえば副所長、副工場長など)をさします。 (S47.9.18基発第602号)
では、過去問をどうぞ! 【H26年出題】 事業者が労働安全衛生法第17条の規定により安全委員会を設置しなければならない場合、事業者は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときを除き、その委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
【解答】 【H26年出題】 × 労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならないのは、「第1号の委員(議長)以外」の委員の半数です。 ※事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときを除きます。
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R5-292
年次有給休暇の発生について、条文を読んでみましょう。
第39条第1項 使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。 |
「6か月間継続勤務」+「全労働日の8割以上出勤」の要件を満たせば、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇の権利が発生します。
「10労働日」に注目してください。
年次有給休暇の権利を行使すると、その労働日の労働義務は消滅します。
10「労働日」となっているのは、年次有給休暇は労働義務のある日(=労働日)にしか取得できないからです。もともと就労義務のない休日に年次有給休暇を取得することはありえません。
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は年次有給休暇請求権の行使ができないと解されている。
【解答】
【H28年出題】 〇
「労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がない」がポイントです。会社に対して全く労働義務が免除されている場合は、年次有給休暇請求権の行使はできません。
(S48.3.6基発120号)
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R5-291
年次有給休暇は時間単位で与えることができます。
条文を読んでみましょう。
法第39条第4項 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第1号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、有給休暇の日数のうち第2号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。 1 時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲 2 時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(5日以内に限る。) 3 その他厚生労働省令で定める事項 |
労使協定を締結することにより、年に5日を上限として、時間単位で年次有給休暇を与えることができます。
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
所定労働時間が年の途中で1日8時間から4時間に変更になった。この時、変更前に年次有給休暇の残余が10日と5時間の労働者であった場合、当該労働者が変更後に取得できる年次有給休暇について、日数の10日は変更にならないが、時間数の方は5時間から3時間に変更される。
【解答】
【H28年出題】 〇
年の途中で所定労働時間数の変更があった場合、時間単位年休の時間数はどのように変わるのでしょうか?又、時間単位の端数が残っていた場合はどのようになるのでしょうか?
↓
時間単位年休として取得できる範囲のうち、1日に満たないため時間単位で保有している部分については、当該労働者の1日の所定労働時間の変動に比例して時間数が変更されます。
問題文のように、
・所定労働時間が1日8時間から4時間に変更になった。
・変更前の年次有給休暇の残余が10日と5時間だった。
このような場合、変更前は10日と5/8日残っていると考えます。
1日の所定労働時間が8時間から4時間に変更され、1日の所定労働時間が2分の1になりました。残余の時間もそれに比例して2分の1となります。2.5/4となりますが、 1時間未満の端数を切り上げ、3時間となります。
★変更前の残余
10日(1日当たりの時間数は8時間)と5時間
★変更後の残余
10日(1日当たりの時間数は4時間)と3時間
(平成21年10月5日基発1005第1号)
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R5-290
①雇入れの日から起算して6か月間継続勤務、②全労働日の8割以上出勤、の要件を満たした場合、年次有給休暇の権利が発生します。
労働義務のある日は、「労働日」、労働義務のない日は「休日」です。「全労働日」とは、所定休日を除いた日のことをいいます。
「全労働日」に対する「出勤した日」の割合が8割以上あることが必要です。
今日は、「全労働日」から除外される日をみていきます。
通達のポイントを読んでみましょう。
<出勤率の基礎となる全労働日> ★年次有給休暇の請求権の発生について、全労働日の8割出勤を条件としているのは、労働者の勤怠の状況を勘案して、特に出勤率の低い者を除外する立法趣旨です。 1 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の日数は就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいいます。 所定の休日に労働させた場合には、その日は、全労働日に含まれません。 2 「労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日」は、3に該当する場合を除き、出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれます。 3 「労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日」でも、次に掲げる日のように、当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でないものは、全労働日に含まれません。 ・ 不可抗力による休業日 ・ 使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日 ・ 正当な同盟罷業その他正当な争議行為により労務の提供が全くなされなかった日 (H25.7.10基発0710第3号) |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
全労働日と出勤率を計算するに当たり、法定休日を上回る所定の休日に労働させた場合におけるその日は、全労働日に含まれる。
②【H26年選択式】
最高裁判所は、労働基準法第39条に定める年次有給休暇権の成立要件に係る「全労働日」(同条第1項、第2項)について、次のように判示した。
「法39条1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は,法の制定時の状況等を踏まえ,労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項及び2項の規定の趣旨に照らすと,前年度の総暦日の中で,就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは,不可抗力や使用者側に起因する経営,管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものは別として,上記出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に< A >と解するのが相当である。
無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり,このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから,法39条1項及び2項における出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に< A >というべきである。」
(選択肢)
① 含まれるもの ② 含まれない
【解答】
①【H28年出題】 ×
所定の休日に労働させた日は、全労働日に含まれません。
②【H26年選択式】
A ①含まれるもの
「労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日」は、例えば、裁判所の判決により解雇が無効と確定した場合や、労働委員会による救済命令を受けて会社が解雇の取消しを行った場合の解雇日から復職日までの不就労日のように、労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日です。
「労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日」は、出勤率の算定に当たっては、請求の前年度における出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれます。
(H25.7.10基発0710第3号)
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R5-289
まず、国民健康保険法の第1条と第2条を読んでみましょう。
第1条 (目的) 国民健康保険法は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。
第2条 (国民健康保険) 国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。 |
■国民健康保険の保険給付は、3つに分けられます。
法定給付 |
任意給付 | |
絶対的必要給付 | 相対的必要給付 | |
療養の給付 入院時食事療養費 入院時生活療養費 保険外併用療養費 療養費 訪問看護療養費 特別療養費 移送費 高額療養費 高額介護合算療養費 | 出産育児一時金 葬祭費、葬祭の給付 | 傷病手当金 出産手当金 |
相対的必要給付と任意給付の条文を読んでみましょう。
第58条 ① 市町村(特別区を含む)及び国民健康保険組合は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。
② 市町村(特別区を含む)及び国民健康保険組合は、①の保険給付のほか、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給その他の保険給付を行うことができる。 |
①は相対的必要給付です。
「給付を行うものとする」となっていますが、「特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。」のがポイントです。
②は任意給付です。
傷病手当金その他の保険給付(出産手当金)は、「行うことができる」となっています。給付を行うか行わないか、また、内容についても保険者が決定します。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】※改正による修正あり
市町村(特別区を含む)及び国民健康保険組合は、被保険者が療養の給付を受けるために病院又は診療所に移送されたときは、条例又は規約の定めるところにより移送費の支給を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。
②【R1年出題】
市町村(特別区を含む)及び国民健康保険組合は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。
③【H26年出題】※改正による修正あり
市町村(特別区を含む)及び国民健康保険組合は、条例又は規約の定めるところにより、傷病手当金の支給を行うことができる
【解答】
①【H26年出題】 ×
「移送費」は絶対的必要給付です。
条文では、「市町村及び組合は、被保険者が療養の給付(保険外併用療養費に係る療養及び特別療養費に係る療養を含む。)を受けるため病院又は診療所に移送されたときは、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員に対し、移送費として、厚生労働省令で定めるところにより算定した額を支給する。」となっています。
問題文の「条例又は規約の定めるところにより移送費の支給を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。」では相対的必要給付になりますので間違いです。
②【R1年出題】 〇
出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付は、相対的必要給付です。
③【H26年出題】 〇
「傷病手当金の支給」は任意給付です。
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R5-288
就業規則は、労働条件を統一的に設定するものです。
今日は、「就業規則」の内容を下回る労働契約の効力を確認しましょう。
条文を読んでみましょう!
労働契約法第12条 (就業規則違反の労働契約) 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。 |
ポイント!
★ 就業規則を下回る労働契約は、その部分については就業規則で定める基準まで引き上げられます。
★「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約」とは、例えば、就業規則に定められた賃金より低い賃金等就業規則に定められた基準を下回る労働条件を内容とする労働契約をいいます。
★就業規則で定める基準以上の労働条件を定める労働契約は、有効とする趣旨です。
★「その部分については、無効とする」とは、就業規則で定める基準に達しない部分のみを無効とする趣旨で、労働契約中のその他の部分は有効です。
では、過去問をどうぞ!
【H26年出題】
就業規則で定める基準と異なる労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効となり、無効となった部分は、就業規則で定める基準によるとされている。
【解答】
【H26年出題】 ×
就業規則で定める基準と「異なる」労働条件を定める労働契約の「異なる」が誤りです。
就業規則で定める基準に「達しない」労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効となりますが、「達しない」とは、就業規則に定める基準を下回る、という意味です。
就業規則で定める基準以上の労働条件を定める労働契約は、有効です。
(H24.8.10基発0810第2号)
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R5-287
労働契約の内容を変更する際の基本原則を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
労働契約法第8条 (労働契約の内容の変更) 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。 |
労働契約の変更については、「合意」が原則です。
では、過去問をどうぞ!
【H24年出題】
労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができるとされている。
【解答】
【H24年出題】 〇
「合意により」と規定されているとおり、労働契約の内容である労働条件は、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者の合意のみにより変更されるものです。
そのため、労働契約の変更の要件として、変更内容について書面を交付することまでは求められていません。
(H24.8.10基発0810第2号)
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R5-286
3号分割は、国民年金の第3号被保険者(特定被保険者の被扶養配偶者)からの請求によって行われます。
特定期間の標準報酬月額と標準賞与額を2分の1ずつ分割します。
条文を読んでみましょう。
第78条の14第1項 被保険者(被保険者であった者を含む。以下「特定被保険者」という。)が被保険者であった期間中に被扶養配偶者(当該特定被保険者の配偶者として国民年金法の第3号被保険者に該当していたものをいう。)を有する場合において、当該特定被保険者の被扶養配偶者は、当該特定被保険者と離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるときは、実施機関に対し、特定期間(当該特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として第3号被保険者であった期間をいう。)に係る被保険者期間の標準報酬(特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬をいう。)の改定及び決定を請求することができる。 ただし、当該請求をした日において当該特定被保険者が障害厚生年金(当該特定期間の全部又は一部をその額の計算の基礎とするものに限る。)の受給権者であるときその他の厚生労働省令で定めるときは、この限りでない。 |
今回は、「当該請求をした日において当該特定被保険者が障害厚生年金(当該特定期間の全部又は一部をその額の計算の基礎とするものに限る。)の受給権者であるときその他の厚生労働省令で定めるときは、この限りでない。」の部分に注目します。
では、過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者が、特定期間の全部をその額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者であったとしても、当該特定被保険者の被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求をすることができる。
②【H28年出題】
厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者(以下「特定被保険者」という。)が、障害厚生年金の受給権者である場合、当該障害厚生年金の計算の基礎となった被保険者期間は、3号分割標準報酬改定請求により標準報酬月額及び標準賞与額が改定される期間から除かれる。
③【R1年出題】
障害厚生年金の受給権者である特定被保険者(厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者をいう。)の被扶養配偶者が3号分割標準報酬改定請求をする場合における特定期間に係る被保険者期間については、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となった特定期間に係る被保険者期間を改定又は決定の対象から除くものとする。
【解答】
①【R3年出題】 ×
特定被保険者が障害厚生年金の受給権者で、その障害厚生年金の計算に特定期間が入っている場合は、その期間は3号分割の対象になりません。
なぜなら、3号分割は第3号被保険者からの請求によって行われるからです。特定被保険者の合意がなくても行われるからです。
障害厚生年金は老齢厚生年金などと比べると保護が必要な年金です。3号分割請求により、特定被保険者が受給している障害厚生年金が合意なく減額されることを防ぐためです。
問題文のように、特定被保険者が、特定期間の「全部」をその額の計算の基礎とする障害厚生年金の受給権者である場合は、3号分割標準報酬改定請求はできません。
②【H28年出題】 〇
「障害厚生年金の受給権者である特定被保険者の被扶養配偶者が3号分割標準報酬改定請求をする場合における特定期間に係る被保険者期間については、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となった特定期間に係る被保険者期間を除くものとする。」と規定されています。
特定被保険者が、障害厚生年金の受給権者である場合、当該障害厚生年金の計算の基礎となった被保険者期間は、3号分割標準報酬改定請求により標準報酬月額及び標準賞与額が改定される期間から除かれます。
(令第3条の12の11)
③【R1年出題】 〇
②の問題と同じです。
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R5-285
今日は、3号分割の基本をチェックしましょう。
条文を読んでみましょう。
第78条の14(特定被保険者及び被扶養配偶者についての標準報酬の特例) ① 被保険者(被保険者であった者を含む。以下「特定被保険者」という。)が被保険者であった期間中に被扶養配偶者(当該特定被保険者の配偶者として国民年金法の第3号被保険者に該当していたものをいう。)を有する場合において、当該特定被保険者の被扶養配偶者は、当該特定被保険者と離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるときは、実施機関に対し、特定期間(当該特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として第3号被保険者であった期間をいう。)に係る被保険者期間の標準報酬(特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬をいう。)の改定及び決定を請求することができる。ただし、当該請求をした日において当該特定被保険者が障害厚生年金(当該特定期間の全部又は一部をその額の計算の基礎とするものに限る。)の受給権者であるときその他の厚生労働省令で定めるときは、この限りでない。 ② 実施機関は、①の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額に2分の1を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。 ③ 実施機関は、①の請求があった場合において、当該特定被保険者が標準賞与額を有する特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準賞与額を当該特定被保険者の標準賞与額に2分の1を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。 ④ 特定期間に係る被保険者期間については、被扶養配偶者の被保険者期間であったものとみなす。 ⑤ 改定され、及び決定された標準報酬は、請求のあった日から将来に向かってのみその効力を有する。 |
まず、用語をおさえましょう。
・特定被保険者 → 厚生年金保険の被保険者(被保険者であった者を含む)
・特定期間 → 特定被保険者が厚生年金保険の被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が第3号被保険者であった期間
では、過去問をどうぞ!
※「離婚時の第3号被保険者期間についての厚生年金保険の分割制度」に関する問題です。
①【H26年出題】
いわゆる事実婚関係であった期間については、被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者となっていた場合には分割の対象となる。
②【H26年出題】
分割の対象となる特定期間とは、特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として国民年金の第3号被保険者であった期間をいい、平成20年4月1日前の期間を含まない。
③【H26年出題】※問題文を修正しています
実施機関は、特定被保険者の被扶養配偶者から特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額に当事者が合意した按分割合に基づいて算出した割合を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。
④【H26年出題】
老齢厚生年金の受給権者について、分割の規定により標準報酬の改定又は決定が行われたときの年金額の改定は、当該請求があった日の属する月の翌月分から行われる。
⑤【H26年出題】
原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、被扶養配偶者からの特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求を行うことができない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
3号分割の請求ができるのは、「特定被保険者と離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるとき」です。
「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった特定被保険者及び被扶養配偶者について、当該被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格を喪失し、当該事情が解消したと認められる場合」も、3号分割の対象となります。
(則第78条の14第1号)
②【H26年出題】 〇
平成20年4月1日前の期間は、特定期間に含まれません。
3号分割の対象になるのは、平成20年4月1日以降の期間です。
(H16年法附則第46条)
③【H26年出題】 ×
特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を『特定被保険者の標準報酬月額に「2分の1」』を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定されます。
※標準賞与額についても、「2分の1」を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定されます。
3号分割は「2分の1」がポイントです。「合意した按分割合に基づいて算出した割合」ではありません。
④【H26年出題】 〇
改定され、及び決定された標準報酬は、請求のあった日から将来に向かってのみその効力を有します。
老齢厚生年金の受給権者の年金額の改定は、当該請求があった日の属する月の翌月分から行われます。
(法第78条の18)
⑤【H26年出題】 〇
原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、3号分割の請求はできません。
(則第78条の17)
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R5-284
遺族厚生年金には、「短期要件」と「長期要件」があります。
条文を読んでみましょう。
第58条 ① 遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。 ただし、1又は2に該当する場合にあっては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。 1被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であった者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき。 2被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。 3 障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。 4老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)又は保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。
② 死亡した被保険者又は被保険者であった者が1から3までのいずれかに該当し、かつ、4にも該当するときは、その遺族が遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をした場合を除き、1から3までのいずれかのみに該当し、4には該当しないものとみなす。 |
短期要件と長期要件を確認しましょう
|
| *1 |
短期要件 | 1厚生年金保険加入中に死亡 | あり |
2厚生年金保険加入中に初診日がある傷病により資格喪失後に死亡(初診日から5年以内) | あり | |
31、2級の障害厚生年金の受給権者が死亡 | なし | |
長期 | 4老齢厚生年金の受給権者(25年以上*2)が死亡 25年以上*2ある者が死亡 | なし |
*1 保険料納付要件
*2 保険料納付済期間+保険料免除期間が25年以上
★「長期要件」は、厚生年金保険の被保険者期間が25年以上ではなく、「保険料納付済期間+保険料免除期間」が25年以上です。25年以上は、国民年金全体(第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者)で計算します。
★「長期要件」の25年以上の計算には合算対象期間も算入します。「保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上である者に限る」となります。
(附則第14条)
★例えば、保険料納付済期間+保険料免除期間が25年以上ある人が、厚生年金保険の被保険者であるとき(在職中)に死亡した場合、短期要件と長期要件の両方に当てはまります。
その場合は、「その遺族が遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をした場合を除き、短期要件のいずれかのみに該当し、長期要件には該当しないもの」とみなされます。
申出がなければ、短期要件の扱いになります。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】※改正による修正あり
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上である者に限る)が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の額の計算における給付乗率については、死亡した者が昭和21年4月1日以前に生まれた者であるときは、生年月日に応じた読み替えを行った乗率が適用される。
②【H17年出題】※改正による修正あり
老齢厚生年金の受給権者(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上である者に限る)の死亡により支給される遺族厚生年金の額の計算において、計算の基礎となる被保険者期間の月数に300月の最低保障は適用されないが、給付乗率については生年月日に応じた乗率が適用される。
③【H26年出題】
障害等級2級の障害厚生年金を受給する者が死亡した場合、遺族厚生年金を受けることができる遺族の要件を満たした者は、死亡した者の保険料納付要件を問わず、遺族厚生年金を受給することができる。この場合、遺族厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300か月に満たないときは、これを300か月として計算する。
④【R3年出題】
20歳から30歳まで国民年金の第1号被保険者、30歳から60歳まで第2号厚生年金被保険者であった者が、60歳で第1号厚生年金被保険者となり、第1号厚生年金被保険者期間中に64歳で死亡した。当該被保険者の遺族が当該被保険者の死亡当時生計を維持されていた60歳の妻のみである場合、妻が別段の申出をしたときを除き、厚生年金保険法第58条第1項第4号に規定するいわゆる長期要件のみに該当する遺族厚生年金として年金額が算出される。
【解答】
①【H27年出題】 〇
<報酬比例部分の「給付乗率について>
遺族厚生年金の原則の計算式は、報酬比例部分×4分の3です。
報酬比例部分の計算式は、平成15年4月以降の期間分については、「平均標準報酬額×1000分の5.481×被保険者期間の月数」です。
「長期要件」の場合は、死亡した者が昭和21年4月1日以前生まれの場合、給付乗率は生年月日に応じた読み替えが行われます。
なお、「短期要件」の場合は、定率(1000分の5.481(H15年4月以降)か1000分の7.125(H15年3月以前))です。
(S60年附則第59条)
②【H17年出題】 〇
「長期要件」の場合の給付乗率には、生年月日に応じた乗率が適用されます。
一方、被保険者期間の月数は「300月の最低保障」は適用されず、実際の被保険者期間で計算されます。
なお、「短期要件」の場合は、計算の基礎となる被保険者期間の月数に300月の最低保障が適用されます。
③【H26年出題】 〇
「障害等級2級の障害厚生年金を受給する者」の死亡で支給される遺族厚生年金は、「短期要件」です。被保険者期間の月数が300か月に満たないときは、300か月として計算されます。
(法第60条第1項)
| 短期要件 | 長期要件 |
給付乗率 | 定率 | 生年月日に応じた読み替えあり |
被保険者期間が300月未満 | 最低保障あり | 最低保障なし |
④【R3年出題】 ×
・ 第1号厚生年金被保険者期間中に64歳で死亡 → 短期要件
・ 保険料納付済期間が40年ある → 長期要件
申出がなければ、「短期要件」のみに該当する遺族厚生年金として年金額が算出され
ます。
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R5-283
老齢基礎年金の満額は780,900円×改定率です。
保険料納付済期間の月数が480の場合は満額支給されますが、480未満の場合は、その分、年金額が減額されます。
保険料納付済期間の月数は1で計算しますが、免除期間は以下のように計算します。
保険料4分の1免除期間 → 8分の7
保険料半額免除期間 → 4分の3
保険料4分の3免除期間 → 8分の5
保険料全額免除期間 → 2分の1
この割合は、国庫負担との関係で決まります。
1 |
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8分の7 |
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4分の3 |
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8分の5 |
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2分の1 |
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| 国庫負担 | 保険料 |
※ 保険料納付済期間の月数は1で計算しますが、2分の1は国庫負担です。
※ 保険料全額免除期間については保険料はゼロですが、特別国庫負担が入り、老齢基礎年金の額には2分の1が反映します。ちなみに、学生納付特例、納付猶予期間には国庫負担が入りませんので、老齢基礎年金の額の計算ではゼロになります。
※ 国庫負担は平成21年3月までは3分の1でした。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】 ※問題文を修正しています
国民年金の被保険者期間に係る保険料納付状況が以下のとおりである者(昭和25年4月2日生まれ)が、65歳から老齢基礎年金を受給する場合の年金額の計算式として、正しいものはどれか。
【国民年金の被保険者期間に係る保険料納付状況】
・昭和45年4月~平成12年3月(360月)・・・保険料納付済期間
・平成12年4月~平成22年3月(120月)・・・保険料全額免除期間(追納していない)
(A)780,900円×改定率×(360月+120月×1/2)÷480月
(B)780,900円×改定率×(360月+120月×1/3)÷480月
(C)780,900円×改定率×(360月+108月×1/2+12月×1/3)÷480月
(D)780,900円×改定率×(360月+108月×1/3+12月×2/3)÷480月
(E)780,900円×改定率×(360月+108月×1/3+12月×1/2)÷480月
【解答】
(E)780,900円×改定率×(360月+108月×1/3+12月×1/2)÷480月
全額免除期間の計算は、国庫負担の割合で変わります。国庫負担は平成21年3月までは3分の1でした。
|
| 国庫負担 |
H12年4月~H21年3月 | 108か月 | 3分の1 |
H21年4月~H22年3月 | 12か月 | 2分の1 |
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R5-282
国民年金の任意加入被保険者は、第1号被保険者と同様に、国民年金保険料を負担します。
ただし、任意加入被保険者については、保険料を滞納した場合、被保険者資格を喪失することがあるのがポイントです。
まず、任意加入被保険者を確認しましょう。次の3種類です。(法附則第5条)
①日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、厚生年金保険法に基づく老齢給付等を受けることができるもの(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)
②日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者(国民年金法の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者を除く。)
③日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満のもの
任意加入被保険者が保険料を滞納した場合の扱いについて、条文を読んでみましょう。
附則第5条第6項第4号 上記①、②の被保険者は、次に該当するに至った日の翌日に、被保険者の資格を喪失する。 ・ 保険料を滞納し、督促状の指定の期限までに、その保険料を納付しないとき。
附則第6条第8項第4号 上記③の被保険者は、次に該当するに至った日の翌日に、被保険者の資格を喪失する。 ・ 保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したとき。 |
①、②の被保険者は「日本国内に住所を有する」、③の被保険者は「日本国内に住所を有しない」がポイントです。
では、過去問をどうぞ!
①【H21年出題】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の任意加入被保険者が保険料を滞納した場合であって、督促状で指定した期限までに保険料を納付しないときは、その日の翌日に被保険者の資格を喪失する。
②【H29年出題】
日本国内に住所を有する65歳以上70歳未満の特例による任意加入被保険者が保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく2年間が経過したときは、その翌日に任意加入被保険者の資格を喪失する。
③【H22年出題】
日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の在外邦人で任意加入している者が保険料を滞納したとき、保険料を納付することなく2年が経過した日に被保険者資格を喪失する。
④【H27年出題】
海外に居住する20歳以上65歳未満の日本国籍を有する任意加入被保険者は、保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく1年間が経過した日の翌日に、被保険者資格を喪失する。
【解答】
①【H21年出題】 〇
「日本国内に住所を有する」任意加入被保険者が保険料を滞納した場合の資格喪失日は、「督促状で指定した期限の日の翌日」です。
②【H29年出題】 ×
「日本国内に住所を有する」任意加入被保険者が保険料を滞納し、督促状で指定した期限までに保険料を納付しないときは、「その指定した期限の日の翌日」に被保険者の資格を喪失します。
特例による任意加入被保険者も同じ扱いです。
③【H22年出題】 ×
「日本国内に住所を有しない」任意加入被保険者が保険料を滞納したときは、その後、保険料を納付することなく2年間が経過した日の「翌日」に、被保険者資格を喪失します。
日本国内に住所を有しない場合は、保険料の徴収の時効が過ぎると、任意加入被保険者資格を喪失します。
④【H27年出題】 ×
海外に居住する任意加入被保険者は、保険料を滞納し、その後、保険料を納付することなく「2年間が経過した日の翌日」に、被保険者資格を喪失します。
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R5-281
被保険者が、同時に2以上の事業所に使用される場合の届出をみていきます。
条文を読んでみましょう。
則第1条の2 (選択) ① 被保険者(日雇特例被保険者を除く。)は、同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。 ② 当該2以上の事業所に係る日本年金機構の業務が2以上の年金事務所に分掌されているときは、被保険者は、その被保険者に関する機構の業務を分掌する年金事務所を選択しなければならない。ただし、①の規定により健康保険組合を選択しようとする場合はこの限りでない。
則第2条第1項 (選択の届出) 選択は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から10日以内に、一定の事項を記載した届書を全国健康保険協会を選択しようとするときは厚生労働大臣に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うものとする。 |
同時に2か所以上の適用事業に使用される場合、被保険者は、10日以内に選択の届出が必要です。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
被保険者が同時に2事業所に使用される場合において、それぞれの適用事業所における保険者が異なる場合は、選択する保険者に対して保険者を選択する届出を提出しなければならないが、当該2事業所の保険者がいずれも全国健康保険協会であれば、日本年金機構の業務が2つの年金事務所に分掌されていても届出は必要ない。
②【R4年選択式】
被保険者(日雇特例被保険者を除く。)は、同時に2以上の事業所に使用される場合において、保険者が2以上あるときは、その被保険者の保険を管掌する保険者を選択しなければならない。この場合は、同時に2以上の事業所に使用されるに至った日から < A >日以内に、被保険者の氏名及び生年月日等を記載した届書を全国健康保険協会を選択しようとするときは< B >に、健康保険組合を選択しようとするときは健康保険組合に提出することによって行うものとする。
(選択肢)
① 5 ② 7 ③ 10 ④ 14
⑤ 厚生労働大臣 ⑥ 全国健康保険協会の都道府県支部
⑦ 全国健康保険協会の本部 ⑧ 地方厚生局長
【解答】
①【H27年出題】 ×
被保険者が同時に2つの事業所に使用される場合で、それぞれの適用事業所の保険者が異なる場合は、選択する保険者に対して保険者を選択する届出を提出します。
その場合、2つの事業所の保険者がどちらも全国健康保険協会であっても、管轄する年金事務所が異なる場合は、当該被保険者に関する事務を行う年金事務所を選択することになります。
②【R4年選択式】
A ③ 10
B ⑤ 厚生労働大臣
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R5-280
労働保険徴収法には、「継続事業」と「有期事業」という分け方があります。
徴収法の有期事業は、「建設の事業」と「立木の伐採の事業」で、労災保険のみの取扱いです。雇用保険には「有期事業」の扱いはありません。
また、有期事業以外は、「継続事業」となります。
では、「有期事業」の成立と消滅について条文を読んでみましょう。
第3条 (保険関係の成立) 労災保険法の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が成立する。
第4条の2 (保険関係の成立の届出等) 保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、その成立した日、事業主の氏名又は名称及び住所、事業の種類、事業の行われる場所その他厚生労働省令で定める事項を政府に届け出なければならない。
第5条 (保険関係の消滅) 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】(労災)
建設の有期事業を行う事業主は、当該事業に係る労災保険の保険関係が成立した場合には、その成立した日の翌日から起算して10日以内に保険関係成立届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
②【H27年出題】(労災)
建設の有期事業を行う事業主は、当該事業に係る労災保険の保険関係が成立した場合には、その成立した日の翌日から起算して20日以内に、概算保険料を概算保険料申告書に添えて、申告・納付しなければならない。
③【H27年出題】(労災)
建設の有期事業を行う事業主は、当該事業に係る労災保険の保険関係が消滅した場合であって、納付した概算保険料の額が確定保険料の額として申告した額に足りないときは、当該保険関係が消滅した日から起算して50日以内にその不足額を、確定保険料申告書に添えて、申告・納付しなければならない。
④【H27年出題】(労災)
複数年にわたる建設の有期事業の事業主が納付すべき概算保険料の額は、その事業の当該保険関係に係る全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)の見込額に、当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した額となる。
【解答】
①【H27年出題】 〇
保険関係成立届は、成立の日の翌日から起算して10日以内に提出します。「翌日起算」がポイントです。
保険関係成立届の提出先は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長ですが、「一元適用事業で労働保険事務組合に事務処理を委託しないもの(雇用保険に係る保険関係のみが成立する事業を除く。)」と「労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業」は、「所轄労働基準監督署長」に提出します。
(則第1条、4条)
②【H27年出題】 〇
有期事業の概算保険料の申告・納付の期限は、「成立した日の翌日から起算して20日以内」です。「翌日起算」と「20日以内」がポイントです。
(法第15条の2)
③【H27年出題】 〇
有期事業の確定保険料の申告・納付の期限は、「保険関係が消滅した日から起算して50日以内」です。ここは、「当日起算」となります。保険関係が消滅するのは、事業が廃止又は終了した日の翌日です。
(法第19条第2項、3項)
④【H27年出題】 〇
有期事業の賃金総額は、当該保険関係に係る「全期間」で算定します。保険年度単位ではありません。
(法第15条第2項)
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R5-279
以下の場合は、雇用保険の被保険者から除外されます。
条文を読んでみましょう。
第6条 次に掲げる者については、雇用保険法は、適用しない。 1. 1週間の所定労働時間が20時間未満である者(特例高年齢被保険者及び日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。) 2. 同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者(前2月の各月において18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及び日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。) (3.~6.は省略) |
★1週間の所定労働時間が20時間未満である者は、雇用保険は適用除外です。
※日雇労働被保険者に該当する者は、被保険者となります。
★同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者は、雇用保険は適用除外です。
※日雇労働被保険者に該当する者は被保険者となります。
※日雇労働者で前2月の各月に18日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者は、被保険者となります。
過去問をどうぞ!
①【R2年選択】
雇用保険法の適用について、1週間の所定労働時間が< A >であり、同一の事業主の適用事業に継続して< B >雇用されることが見込まれる場合には、同法第6条第3号に規定する季節的に雇用される者、同条第4号に規定する学生又は生徒、同条第5号に規定する船員、同条第6号に規定する国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者を除き、パートタイマー、アルバイト、嘱託、契約社員、派遣労働者等の呼称や雇用形態の如何にかかわらず被保険者となる。
②【H27年出題】
当初の雇入れ時に31日以上雇用されることが見込まれない場合であっても、雇入れ後において、雇入れ時から31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、他の要件を満たす限り、その時点から一般被保険者となる。
【解答】
①【R2年選択】
A20時間以上
B31日以上
①と②の要件を両方満たす場合は、パートタイマー、アルバイト、嘱託、契約社員、派遣労働者等の呼称や雇用形態の如何にかかわらず被保険者となります。
①1週間の所定労働時間が20時間以上である
②同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれる
②【H27年出題】 〇
当初は31日以上雇用されることが見込まれない場合でも、雇入れ後に、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合は、その時点から一般被保険者となります。
(行政手引20303)
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R5-278
保険関係成立届を提出していない期間中に事故が発生した場合、事業主は、保険給付に要した費用を徴収されることがあります。
条文を読んでみましょう。
第31条第1項 政府は、次の各号のいずれかに該当する事故について保険給付を行ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、業務災害に関する保険給付にあっては労働基準法の規定による災害補償の価額の限度又は船員法の規定による災害補償のうち労働基準法の規定による災害補償に相当する災害補償の価額の限度で、複数業務要因災害に関する保険給付にあっては複数業務要因災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額(当該複数業務要因災害に係る事業ごとに算定した額に限る。)の限度で、通勤災害に関する保険給付にあっては通勤災害を業務災害とみなした場合に支給されるべき業務災害に関する保険給付に相当する同法の規定による災害補償の価額の限度で、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。 1. 事業主が故意又は重大な過失により保険関係成立届の提出が行われていない期間(政府が当該事業について概算保険料の認定決定をしたときは、その決定後の期間を除く。)中に生じた事故 2. 事業主が一般保険料を納付しない期間(督促状に指定する期限後の期間に限る。)中に生じた事故 3. 事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故 |
★今日は、1.の故意又は重大な過失により、事業主が保険関係成立届の提出を行っていない期間中に生じた事故についての費用徴収をみていきます。
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
事業主が、労災保険法第31条第1項第1号の事故に係る事業に関し、保険手続に関する指導を受けたにもかかわらず、その後10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合、「故意」と認定した上で、原則、費用徴収率を100%とする。
②【H27年出題】
事業主が、労災保険法第31条第1項第1号の事故に係る事業に関し、保険手続に関する指導又は加入勧奨を受けておらず、労働保険徴収法第3条に規定する保険関係が成立した日から1年を経過してなお保険関係成立届を提出していなかった場合、原則、「重大な過失」と認定した上で、費用徴収率を40%とする。
③【R1年選択式】
労災保険の適用があるにもかかわらず、労働保険徴収法第4条の2第1項に規定する労災保険に係る保険関係成立届(以下本問において「保険関係成立届」という。)の提出が行われていない間に労災事故が生じた場合において、事業主が故意又は重大な過失により保険関係成立届を提出していなかった場合は、政府は保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
事業主がこの提出について、所轄の行政機関から直接指導を受けていたにもかかわらず、その後< A >以内に保険関係成立届を提出していない場合は、故意が認定される。事業主がこの提出について、保険手続に関する行政機関による指導も、都道府県労働保険事務組合連合会又はその会員である労働保険事務組合による加入勧奨も受けていない場合において、保険関係が成立してから< B >を経過してもなお保険関係成立届を提出していないときには、原則、重大な過失と認定される。
【解答】
①【H27年出題】 〇
「故意」と認定された場合は、費用徴収率が100%となります。
★故意の認定について
① 事業主が、当該事故に係る事業に関し、所轄都道府県労働局、所轄労働基準監督署又は所轄公共職業安定所から、保険関係成立届の提出ほか所定の手続をとるよう指導を受けたにもかかわらず、10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合
② 事業主が、当該事故に係る事業に関し、都道府県労働保険事務組合連合会又はその会員である労働保険事務組合から、保険関係成立届の提出ほか所定の手続をとるよう勧奨(「加入勧奨」という。)を受けたにもかかわらず、10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合
(H17.9.22基発第0922001号)
「指導」や「加入勧奨」を受けたにもかかわらず、10日以内に保険関係成立届を提出していなかった場合は「故意」と認定されます。
②【H27年出題】 〇
「重大な過失」と認定された場合は、費用徴収率が40%となります。
★重大な過失の認定について
事業主が、当該事故に係る事業に関し、保険手続に関する指導又は加入勧奨を受けていない場合で、かつ、保険関係成立日から1年を経過してなお保険関係成立届を提出していないとき
(H17.9.22基発第0922001号)
③【R1年選択式】
A 10日
B 1年
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R5-277
労働安全衛生法では、事業者に、健康診断の実施義務が課せられています。
派遣労働者に対する健康診断は、派遣元、派遣先どちらに実施義務が課せられているかが今日のテーマです。
★なお、健康診断は、「一般健康診断(雇入れ時の健康診断、定期健康診断等)」と、有害な業務に常時従事する労働者を対象とする「特殊健康診断」の大きく2つに分けられます。
さっそく過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
派遣就業のために派遣され就業している労働者に対して行う労働安全衛生法に定める医師による健康診断については、同法第66条第1項に規定されているいわゆる一般健康診断のほか、例えば屋内作業場において有機溶剤を取り扱う業務等の有害な業務に従事する労働者に対して実施するものなど同条第2項に規定されている健康診断も含めて、その雇用主である派遣元の事業者にその実施義務が課せられている。
②【H30年出題】
派遣労働者に関する労働安全衛生法第66条第2項に基づく有害業務従事者に対する健康診断(以下「特殊健康診断」という。)の結果の記録の保存は、派遣先事業者が行わなければならないが、派遣元事業者は、派遣労働者について、労働者派遣法第45条第11項の規定に基づき派遣先事業者から送付を受けた当該記録の写しを保存しなければならず、また、当該記録の写しに基づき、派遣労働者に対して特殊健康診断の結果を通知しなければならない。
【解答】
①【H27年出題】 ×
一般健康診断は、一般的な健康管理が目的ですので、雇用主である「派遣元」の事業者に実施義務が課せられています。
しかし、有害な業務に従事する労働者に対して実施する「特殊健康診断」は、業務に関する健康管理ですので、指揮命令を行う「派遣先」の事業者にその実施義務が課せられています。
(派遣法第45条第3項)
②【H30年出題】 〇
・ 派遣労働者に関する特殊健康診断の結果の記録の保存は、派遣先事業者が行わなければなりません。
(派遣法第45条第3項)
・ 派遣先の事業者は、派遣労働者の特殊健康診断を行ったときは、健康診断の結果を記録した書面を作成し、派遣元の事業者に送付しなければなりません。
(派遣法第45条第10条)
★特殊健康診断の結果の保存及び通知について
派遣労働者については、派遣先が変更になった場合にも、当該派遣労働者の健康管理が継続的に行われるよう、労働者派遣法第45条第11項の規定に基づき、派遣元事業者は、派遣先事業者から送付を受けた当該記録の写しを保存しなければなりません。
また、派遣元事業者は、当該記録の写しに基づき、派遣労働者に対して特殊健康診断の結果を通知しなければなりません。
(平成27年9月30日基発0930第5号)
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R5-276
労働基準法第3条では、「国籍、信条、社会的身分」を理由として、労働者を差別することを禁止しています。
条文を読んでみましょう。
第3条 (均等待遇) 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。 |
★今日は、「賃金、労働時間その他の労働条件」に注目します。
労働条件の中に、賃金、労働時間は当然含まれますが、それ以外の条件は、どこまで含まれるでしょうか?
では、過去問をどうぞ
①【H30年出題】
労働基準法第3条にいう「賃金、労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないため、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されていても、「労働条件」にはあたらない。
②【H28年出題】
労働基準第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所の判例である。
③【H21年出題】
労働基準法第3条が禁止する労働条件についての差別的取扱いは、雇入れにおける差別も含まれるとするのが最高裁判所の判例である。
【解答】
①【H30年出題】 ×
「その他の労働条件」には、解雇、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件も含まれます。
(S23.6.16基収1365号、S63.3.14基発150号)
「解雇の意思表示」そのものは労働条件とはいえません。しかし、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されている場合は、「労働条件」にあたります。
②【H28年出題】 〇
ポイント!
・企業者が、労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件で雇うかについては、原則として自由に決定できる。企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
・労働基準法3条は雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制約する規定ではない。
(S48.12.12最高裁判所大法廷 三菱樹脂事件)
③【H21年出題】 ×
労働基準法3条は雇入れ後における労働条件についての制限ですので、雇入れそのものを制約する規定ではありません。「雇入れにおける差別も含まれる」の部分が誤りです。
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R5-275
75歳以上の後期高齢者は、「後期高齢者医療制度」の被保険者となります。
後期高齢者医療の財源は、「公費・後期高齢者支援金・後期高齢者の保険料」です。
今日は、後期高齢者支援金を中心にみていきます。
後期高齢者支援金は、現役世代からの支援金のことです。
では、条文を読んでみましょう。
第100条第1項、4項 (後期高齢者交付金) ① 後期高齢者医療広域連合の後期高齢者医療に関する特別会計において負担する費用のうち、負担対象額に一から後期高齢者負担率及び100分の50を控除して得た率を乗じて得た額並びに特定費用の額に一から後期高齢者負担率を控除して得た率を乗じて得た額の合計額(以下「保険納付対象額」という。)については、政令で定めるところにより、社会保険診療報酬支払基金が後期高齢者医療広域連合に対して交付する後期高齢者交付金をもって充てる。 ④ 後期高齢者交付金は、第118条第1項の規定により社会保険診療報酬支払基金が徴収する後期高齢者支援金をもって充てる。 |
★後期高齢者負担率とは
・後期高齢者の保険料で負担する割合で、2年ごとに政令で定められます。令和4年度・5年度は、11.72%です。
★100分の50とは
・公費で負担する割合です
第118条 (後期高齢者支援金等の徴収及び納付義務) ① 社会保険診療報酬支払基金は、第139条第1項第2号に掲げる業務に要する費用に充てるため、年度ごとに、保険者(国民健康保険にあっては、都道府県。)から、後期高齢者支援金及び後期高齢者関係事務費拠出金(以下「後期高齢者支援金等」という。)を徴収する。 ② 保険者は、後期高齢者支援金等を納付する義務を負う。 |
★保険者とは
・医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、都道府県及び市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団です。
後期高齢者医療広域連合 |
↑ 後期高齢者交付金 |
社会保険診療報酬支払基金 |
↑ 後期高齢者支援金等 |
保険者 |
↑ 保険料 |
医療保険の被保険者(現役世代) |
★高齢者医療の財政のうち、後期高齢者支援金(現役世代からの支援)の占める割合は約4割です。
過去問をどうぞ!
①【H28年出題】(※改正による修正あり)
高齢者医療確保法では、都道府県は、年度ごとに、保険者(国民健康保険にあっては、都道府県。)から、後期高齢者支援金及び後期高齢者関係事務費拠出金を徴収することを規定している。
②【H22年出題】
国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、政令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合に対して、負担対象額の見込額の総額の3分の1に相当する額を調整交付金として交付する。
【解答】
①【H28年出題】(※改正による修正あり) ×
保険者(国民健康保険にあっては、都道府県。)から、後期高齢者支援金及び後期高齢者関係事務費拠出金を徴収するのは、都道府県ではなく、「社会保険診療報酬支払基金」です。
②【H22年出題】 ×
国が交付する調整交付金は、3分の1ではなく「12分の1」です。
(法第95条)
★公費について
(国の負担)
・負担対象額の12分の3+調整交付金(負担対象額の12分の1)
(都道府県の負担)
・負担対象額の12分の1
(市町村の一般会計における負担)
・負担対象額の12分の1
(法第93条、95条、96条、98条)
12分の3+12分の1+12分の1+12分の1=「12分の6」です。公費が占める割合は約50%となります。
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R5-274
★在籍出向とは?
・出向元の企業と出向先の企業は出向契約、労働者は、出向元の企業と出向先の企業のそれぞれと雇用契約を結びます。
さっそく過去問をどうぞ!
【H28年出題】
いわゆる在籍出向においては、就業規則に業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定があり、さらに、労働協約に社外勤務の定義、出向期間、出向中の社員の地位、賃金、退職金その他の労働条件や処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられているという事情の下であっても、使用者は、当該労働者の個別的同意を得ることなしに出向命令を発令することができないとするのが、最高裁判所の判例である。
【解答】
【H28年出題】 ×
「新日本製鐵事件(H15.04.18最二小判)」からの出題です。
就業規則にも労働協約にも、出向に関する詳細な規定が設けられていることがポイントです。
・就業規則に業務上の必要によって社外勤務をさせることがある旨の規定がある
・労働条件や処遇等に関して出向労働者の利益に配慮した詳細な規定が設けられている
↓
使用者は、労働者の「個別的同意なし」に、在籍出向を命ずることができます。
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R5-273
保険料を滞納し、督促状の指定期限までに納付しないときの滞納処分についてみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
法第86条第5項、6項 ⑤ 厚生労働大臣は、納付義務者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含むものとし、指定都市にあっては、区又は総合区とする。)に対して、その処分を請求することができる。 1 督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないとき。 2 繰上徴収の要件のいずれかに該当したことにより納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。
⑥ 市町村は、処分の請求を受けたときは、市町村税の例によってこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。 |
さっそく過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
厚生年金保険法第86条の規定によると、厚生労働大臣は、保険料の納付義務者が保険料を滞納したため期限を指定して督促したにもかかわらずその期限までに保険料を納付しないときは、納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法第252条の19第1項の指定都市にあっては、区又は総合区とする。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができ、当該処分の請求を受けた市町村が市町村税の例によってこれを処分したときは、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければならないとされている。
②【H25年出題】
厚生労働大臣は、保険料の繰上徴収が認められる要件に該当したことにより納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者が、その指定の期限までに保険料を納付しないとき、国税滞納処分の例によってこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができる。
【解答】
①【H30年出題】 〇
厚生労働大臣は、期限を指定して督促したにもかかわらずその期限までに保険料を納付しないときは、納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対して、その処分を請求することができます。
市町村が市町村税の例によって処分したときは、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額を当該市町村に交付しなければなりません。
②【H25年出題】 〇
納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者が、その指定の期限までに保険料を納付しないときも滞納処分の対象となります。
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R5-272
厚生年金保険の保険料等を滞納した者に対する督促の手続をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第86条第1項~4項 (保険料等の督促) ① 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、繰上徴収の規定により保険料を徴収するときは、この限りでない。 ② 督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。 ③ 督促状は、納付義務者が、健康保険法第180条の規定によって督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。 ④ 督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。ただし、繰上徴収の要件のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 |
さっそく過去問をどうぞ!
①【H25年出題】
保険料等を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、保険料の繰上徴収の規定により保険料を徴収するときは、この限りでない。
②【H25年出題】
保険料等の督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して督促状を発する。保険料等の督促状は、納付義務者が健康保険法第180条の規定によって督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状により、これに代えることができる。
③【H25年出題】
保険料等の督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければならない。ただし、保険料の繰上徴収が認められる要件に該当する場合は、この限りでない。
④【R1年選択】
保険料の納付義務者が保険料を滞納した場合には、厚生労働大臣は納付義務者に対して期限を指定してこれを督促しなければならないが、この期限は、督促状を< A >以上を経過した日でなければならない。
(選択肢)
① 受領した日から起算して10日
② 受領した日から起算して20日
③ 発する日から起算して10日
④ 発する日から起算して20日
【解答】
①【H25年出題】 〇
保険料の繰上徴収の規定により保険料を徴収するときは、督促状は発しません。
ちなみに、繰上徴収とは?
条文をチェックしましょう。
第85条 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であっても、すべて徴収することができる。 1 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合 イ 国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき。 ロ 強制執行を受けるとき。 ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。 ニ 企業担保権の実行手続の開始があったとき。 ホ 競売の開始があったとき。 2 法人たる納付義務者が、解散をした場合 3 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合 4 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合 |
②【H25年出題】 ×
保険料等の督促状は、納付義務者が健康保険法第180条の規定によって督促を受ける者であるときは、「同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。」です。「代えることができる」ではありません。
③【H25年出題】 〇
督促状により指定する期限の、「督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日」は覚えましょう。
④【R1年選択】
A ③ 発する日から起算して10日
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R5-271
「繰上げ支給」の受給権の発生について、ご質問がありました。
今回のテーマは、繰上げ支給の条文の読み方です。
老齢基礎年金の受給権は、要件を満たせば65歳に達した日に発生します。
しかし、請求することにより、60歳から65歳になるまでの間に、繰り上げて受給することもできます。
条文を読んでみましょう。
附則第9条の2第1項~4項 (老齢基礎年金の支給の繰上げ) ① 保険料納付済期間又は保険料免除期間を有する者であって、60歳以上65歳未満であるもの(任意加入被保険者でないものに限る。)は、当分の間、65歳に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができる。ただし、その者が、その請求があった日の前日において、第26条ただし書に該当したときは、この限りでない。 ② 繰上げの請求は、老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる者にあっては、当該請求と同時に行わなければならない。 ③ 繰上げの請求があったときは、第26条の規定にかかわらず、その請求があった日から、その者に老齢基礎年金を支給する。 ④ 繰上げにより支給する老齢基礎年金の額は、第27条の規定にかかわらず、同条に定める額から政令で定める額を減じた額とする。 |
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権は請求することによって発生します。
★「③ 繰上げの請求があったときは、第26条の規定にかかわらず、その請求があった日から、その者に老齢基礎年金を支給する。」について
・第26条では、老齢基礎年金は、「65歳に達したとき」に支給する、と規定されています。繰上げ請求をした場合は、第26条の規定にかかわらず、「請求があった日」に老齢基礎年金の受給権が発生するという意味です。
こちらの条文も読んでみましょう。
第18条第1項 (年金の支給期間) 年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。 |
・年金の支給については、第18条第1項で、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から」始める、とありますので、繰上げ支給の老齢基礎年金の支給は、請求があった日の属する月の翌月から始まります。
では、過去問をどうぞ!
①【H23年出題】
繰上げ支給の受給権は、繰上げ請求のあった日の翌日に発生し、受給権発生日の属する月の翌月から支給される。
②【H29年出題】
繰上げ支給の老齢基礎年金は、60歳以上65歳未満の者が65歳に達する前に、厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしたときに、その請求があった日の属する月の分から支給する。
【解答】
①【H23年出題】 ×
繰上げ支給の受給権は、繰上げ請求のあった日の「翌日」ではなく、「繰上げ請求のあった日」に発生します。
年金の支給は、「受給権発生日(繰上げ請求のあった日)の属する月の翌月」からです。
②【H29年出題】 ×
繰上げ支給の老齢基礎年金の支給は、その請求があった日の属する月の「翌月」分からです。
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R5-270
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合についてみていきます。
条文を読んでみましょう。
第28条 (指定健康保険組合による健全化計画の作成) ① 健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたもの(以下「指定健康保険組合」という。)は、政令で定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 ② 承認を受けた指定健康保険組合は、当該承認に係る健全化計画に従い、その事業を行わなければならない。 ③ 厚生労働大臣は、承認を受けた指定健康保険組合の事業及び財産の状況により、その健全化計画を変更する必要があると認めるときは、当該指定健康保険組合に対し、期限を定めて、当該健全化計画の変更を求めることができる。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣より指定を受けた健康保険組合は、財政の健全化に関する計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、当該計画に従い、その事業を行わなければならない。この計画に従わない場合は、厚生労働大臣は当該健康保険組合と地域型健康保険組合との合併を命ずることができる。
②【H25年選択式】
健康保険事業の収支が均衡しない健康保険組合であって、政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の指定を受けたものは、政令の定めるところにより、その財政の健全化に関する計画(以下、「健全化計画」という。)を定め、厚生労働大臣の承認を受けなければならないが、その健全化計画は、厚生労働大臣の指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする< A >の計画とする。
(選択肢)
① 2年間 ② 3年間 ③ 4年間 ④ 5年間
【解答】
①【H30年出題】 ×
「健康保険組合が準用する第7条の39第1項(監督)の規定による命令に違反したとき、又は前条第2項の規定(健全化計画に従い事業を行わなければならない)に違反した指定健康保険組合、同条第3項の求め(健全化計画の変更の求め)に応じない指定健康保険組合その他政令で定める指定健康保険組合の事業若しくは財産の状況によりその事業の継続が困難であると認めるときは、厚生労働大臣は、当該健康保険組合の解散を命ずることができる。」と規定されています。(第29条第2項)
健全化計画に従わない場合は、厚生労働大臣は「当該健康保険組合の解散を命ずることができる」です。
②【H25年選択式】
A ② 3年間
健全化計画は、厚生労働大臣の指定の日の属する年度の翌年度を初年度とする「3年間」の計画とされています。
(令第30条)
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R5-269
今日は、保険関係の消滅についてみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第5条 (保険関係の消滅) 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。 |
「廃止」は継続事業、「終了」は有期事業です。
廃止・終了の日の翌日に、当然に保険関係は消滅します。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】(労災)
労働保険の保険関係が成立している事業の事業主は、当該事業を廃止したときは、当該事業に係る保険関係廃止届を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出しなければならず、この保険関係廃止届が受理された日の翌日に、当該事業に係る労働保険の保険関係が消滅する。
②【H27年出題】(労災)
農業の事業で、労災保険関係が成立している労災保険暫定任意適用事業の事業主が当該事業を廃止した場合には、当該労災保険暫定任意適用事業に係る保険関係の消滅の申請をすることにより、所轄都道府県労働局長の認可があった日の翌日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が消滅する。
③【H23年出題】(労災)
労災保険暫定任意適用事業の事業主は、その事業を廃止した場合に、既に納付した概算保険料の額と確定保険料の額が同一で、納付すべき確定保険料がないときは、確定保険料申告書を提出する必要はないが、保険関係消滅申請書を所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
【解答】
①【H29年出題】 ×
事業を廃止したときは、保険関係はその翌日に自動的に消滅します。
保険関係廃止届は存在しません。
なお、継続事業の場合は、保険関係が消滅した日から50日以内に確定保険料申告書を提出して労働保険料の精算を行わなければなりません。ちなみに、50日以内は「当日起算」です。
(法第19条)
②【H27年出題】 ×
暫定任意適用事業も、事業を廃止した場合には、保険関係はその翌日に自動的に消滅します。保険関係の消滅の申請は不要です。
ちなみに、労災保険も雇用保険も暫定任意適用事業の場合は、加入は事業主の任意ですので、脱退も任意です。
暫定任意適用事業が脱退する場合は、厚生労働大臣の認可(都道府県労働局長に権限が委任されています。)が必要で、保険関係は、認可があった日の翌日に消滅します。
③【H23年出題】 ×
暫定任意適用事業がその事業を廃止した場合は、自動的に保険関係が消滅しますので、保険関係消滅申請書の提出は不要です。
また、既に納付した概算保険料の額と確定保険料の額が同一でも、確定保険料申告書は提出しなければなりません。
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R5-268
「基本手当」の受給資格や所定給付日数の決定の際に、「特定理由離職者」と「特定受給資格者」が出てきます。
条文を読んでみましょう。
・「特定理由離職者」とは
法第13条第3項 特定理由離職者とは、離職した者のうち、特定受給資格者以外の者であって、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。 則第19条の2(法第13条第3項の厚生労働省令で定める者) 法第13条第3項の厚生労働省令で定める者は、次のいずれかの理由により離職した者とする。 1 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。) 2 正当な理由のある自己都合退職 |
・「特定受給資格者」とは
法第23条第2項 特定受給資格者とは、次の各号のいずれかに該当する受給資格者(就職困難者を除く。)をいう。 1 基本手当の受給資格に係る離職が、その者を雇用していた事業主の事業について発生した倒産(破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由に該当する事態をいう)又は当該事業主の適用事業の縮小若しくは廃止に伴うものである者として厚生労働省令で定めるもの 2 前号に定めるもののほか、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者 |
特定受給資格者は、「倒産等による離職」と「解雇等による離職」の2つに分けられます。
今日は「特定受給資格者」についてみていきます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】(※修正あり)
① 出産後に事業主の法令違反により就業させられたことを理由として離職した者は特定受給資格者に該当する。
② 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないことを理由として離職した者は特定受給資格者に該当する。
③ 事業所において、当該事業主に雇用される被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇い労働被保険者を除く。)の数を3で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した者は特定受給資格者に該当する。
④ 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において、当該労働契約が更新されないこととなったことを理由として離職した者は特定受給資格者に該当する。
【解答】
① 〇
「事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたこと。」を理由として離職した場合は、特定受給資格者に該当します。(則第36条第5号ホ)
出産後に事業主の法令違反により就業させられたことを理由として離職した者は特定受給資格者に該当します。
② 〇
「事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないこと」を理由として離職した者は特定受給資格者に該当します。
(則第36条第6号)
③ 〇
「事業所において、労働施策総合法第27条第1項の規定による離職に係る大量の雇用変動の届出がされたため離職した者及び当該事業主に雇用される被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)の数を3で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した者」は特定受給資格者に該当します。(則第35条第2号)
④ 〇
「期間の定めのある労働契約」について
・ 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと。
・ 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったこと。
上記を理由に離職した者は特定受給資格者に該当します。
(則第36条第7号、7号の2)
★ちなみに・・・
「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)」を理由に離職した者は、「特定理由離職者」となりますが、これは、労働契約の更新又は延長する旨が明示されていない場合です。
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R5-267
労災保険の保険給付を受ける権利は保護されています。
条文を読んでみましょう。
第12条の5 ① 保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。 ② 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。
②【H24年出題】
保険給付を受ける権利は、譲り渡すことができない。
③【R1年出題】
特別支給金は、社会復帰促進等事業の一環として被災労働者等の福祉の増進を図るために行われるものであり、譲渡、差押えは禁止されている。
【解答】
①【H27年出題】 〇
労働者が退職したとしても、労災保険給付を受ける権利は変わりません。
②【H24年出題】 〇
保険給付を受ける権利は、譲渡、担保に供すること、差押えは禁止されています。
③【R1年出題】 ×
「保険給付」と「社会復帰促進等事業の一環として行われる特別支給金」との違いに注意しましょう。
譲渡、差押えの規定は特別支給金には準用されませんので、特別支給金については譲渡、差押えは禁止されていません。
(特別金支給規則第20条)
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R5-266
業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければなりません。
衛生管理者は、衛生に関する技術的事項を管理します。
今日は、衛生管理者の選任要件を確認しましょう。
条文を読んでみましょう。
法第12条第1項 (衛生管理者) 事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し、その者に第10条第1項各号の業務(総括安全衛生管理者が統括管理する業務)のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
則第10条 (厚生労働省令で定める資格) 1 医師 2 歯科医師 3 労働衛生コンサルタント 4 前3号に掲げる者のほか、厚生労働大臣の定める者
則第7条第3号 (衛生管理者の選任) 衛生管理者は、次に掲げる業種の区分に応じ、それぞれに掲げる者のうちから選任すること。 ・ 農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業 ↓ 第1種衛生管理者免許を有する者 衛生工学衛生管理者免許を有する者 則第10条各号に掲げる者(医師、歯科医師等)
・ その他の業種 ↓ 第1種衛生管理者免許を有する者 第2種衛生管理者免許を有する者 衛生工学衛生管理者免許を有する者 則第10条各号に掲げる者(医師、歯科医師等) |
・衛生管理者は、「都道府県労働局長の免許を受けた者」、「厚生労働省令で定める資格を有する者」のうちから選任しなければなりません。
過去問をどうぞ!
①【令和元年選択式】
衛生管理者は、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから選任しなければならないが、厚生労働省令で定める資格を有する者には、医師、歯科医師のほか< A >などが定められている。
(選択肢)
①衛生管理士 ②看護師 ③作業環境測定士 ④労働衛生コンサルタント
②【H25年選択式】
労働安全衛生規則第7条第1項第6号は、常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働、多量の高熱物体を取り扱う業務、著しく暑熱な場所における業務、ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務、土石、獣毛等のじんあい若しくは粉末を著しく飛散する場所における業務、異常気圧下における業務又は鉛、水銀、クロム、 砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸気若しくはガスを発散する場所における業務に、「常時30人以上の労働者を従事させるものにあっては、衛生管理者のうち1人を< B >のうちから選任」しなければならない旨規定している。
(選択肢)
①衛生工学衛生管理者免許を受けた者 ②第一種衛生管理者免許を受けた者
③第二種衛生管理者免許を受けた者 ④保健師免許を受けた者
③【H24年出題】
常時60人の労働者を使用する製造業の事業場の事業者は、衛生管理者を選任する義務があるが、第二種衛生管理者免許を有する当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を衛生管理者に選任し、当該事業場の衛生に係る技術的事項を管理させることができる。
【解答】
①【令和元年選択式】
A ④労働衛生コンサルタント
②【H25年選択式】
B ①衛生工学衛生管理者免許を受けた者
(則第7条第1項第6号)
③【H24年出題】 ×
製造業の事業場の事業者は、「第1種衛生管理者免許を有する者」、「衛生工学衛生管理者免許を有する者」、「則第10条各号に掲げる者(医師、歯科医師等)」から衛生管理者を選任しなければなりません。
製造業の場合は、第2種衛生管理者免許を有するだけでは衛生管理者として選任できません。
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R5-265
1年単位の変形労働時間制を採用する場合、労使協定で、以下の事項を定めなければなりません。
① 1年単位の変形労働時間の対象になる労働者の範囲 ② 対象期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1か月を超え1年以内の期間に限るものとする。) ③ 特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。) ④ 対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間 ※対象期間を1か月以上の期間ごとに区分する場合 ・最初の期間の労働日及び当該労働日ごとの労働時間 ・最初の期間を除く各期間の労働日数及び総労働時間 ⑤ 有効期間の定め |
では、過去問をどうぞ!
①【H28年出題】
労働基準法第32条の4に定めるいわゆる1年単位の変形労働時間制の対象期間は、 1か月を超え1年以内であれば、3か月や6か月でもよい。
②【H22年出題】
労働基準法第32条の4に定めるいわゆる1年単位の変形労働時間制においては、1日10時間、1週52時間という労働時間の上限が定められているため、この範囲において労働する限り、どのような場合においても対象期間における各労働日ごとの労働時間をあらかじめ特定しておく必要はない。
③【H30年出題】
いわゆる1年単位の変形労働時間制においては、その労働日について、例えば7月から9月を対象期間の最初の期間とした場合において、この間の総休日数40日と定めた上で、30日の休日はあらかじめ特定するが、残る10日については、「7月から9月までの間に労働者の指定する10日間について休日を与える。」として特定しないことは認められていない。
【解答】
①【H28年出題】 〇
1年単位の変形労働時間制の「対象期間」は、「その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1か月を超え1年以内の期間に限る」とされています。
対象期間の最長は「1年」ですが、3か月や6か月とすることもできます。
②【H22年出題】 ×
労使協定で対象期間における「労働日」と「当該労働日ごとの労働時間」を特定する必要があります。
ただし、対象期間が長くなりますので、対象期間を1か月以上の期間ごとに区分することとした場合は、労使協定で、「最初の期間」の「労働日及び当該労働日ごとの労働時間」を特定し、「最初の期間を除く各期間」については、「労働日数及び総労働時間」を定めることもできます。
1か月 (最初の期間) | 1か月 | 1か月 | 1か月 | ・・・ |
・労働日 ・労働日ごとの労働時間 | ・労働日数 ・総労働時間 | ・労働日数 ・総労働時間 | ・労働日数 ・総労働時間 |
・・・ |
なお、最初の期間を除く各期間については、当該各期間の初日の少なくとも30日前に、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、書面で、各期間における労働日及び各期間における労働日ごとの労働時間を定めることとされています。
③【H30年出題】 〇
労働日と労働日ごとの労働時間はあらかじめ特定しなければなりません。
労働日を特定することは、反面、休日を特定することでもあります。
問題文のように、変形期間開始後にしか休日が特定できない場合は、労働日が特定されたことにはなりません。
(H6.5.31基発330号)
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R5-264
特定健康診査は、40歳から74歳の人を対象に、生活習慣病を予防するために行われます。
条文を読んでみましょう。
第18条第1項 (特定健康診査等基本指針) 厚生労働大臣は、特定健康診査(糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査をいう。)及び特定保健指導(特定健康診査の結果により健康の保持に努める必要がある者として厚生労働省令で定めるものに対し、保健指導に関する専門的知識及び技術を有する者として厚生労働省令で定めるものが行う保健指導をいう。)の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針(以下「特定健康診査等基本指針」という。)を定めるものとする。
第19条第1項 (特定健康診査等実施計画) 保険者(国民健康保険法の定めるところにより都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「国民健康保険」という。)にあっては、市町村。)は、特定健康診査等基本指針に即して、6年ごとに、6年を1期として、特定健康診査等の実施に関する計画(以下「特定健康診査等実施計画」という。)を定めるものとする。
第20条(特定健康診査) 保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、 40歳以上の加入者に対し、特定健康診査を行うものとする。 |
高齢者医療確保法で「保険者」とは、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、都道府県及び市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団をいいます。(法第7条第2項)
ポイントを穴埋めで確認しましょう。
・ 厚生労働大臣は、< A >(糖尿病その他の政令で定める< B >に関する健康診査をいう。)及び< C >の適切かつ有効な実施を図るための基本的な指針(以下「< A >等基本指針」という。)を定めるものとする。
・ 保険者(国民健康保険法の定めるところにより都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険にあっては、市町村。)は、< A >等基本指針に即して、< D >年ごとに、< D >年を1期として、< A >等実施計画を定めるものとする。
・ 保険者は、< A >等実施計画に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、< E >歳以上の加入者に対し、< A >を行うものとする。
【解答】
A 特定健康診査
B 生活習慣病
C 特定保健指導
D 6
E 40
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】(改正による修正あり)
保険者(国民健康保険法の定めるところにより都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険にあっては、市町村。)は、特定健康診査等基本指針に即して、6年ごとに、6年を1期として、特定健康診査等の実施に関する計画を定めるものとされている。
②【H29年出題】(改正による修正あり)
高齢者医療確保法における保険者には、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、都道府県及び市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合のほか、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団も含まれる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
厚生労働大臣は、特定健康診査等基本指針を定めます。
↓
保険者は、特定健康診査等基本指針に即して、6年ごとに、6年を1期として、特定健康診査等実施計画を定めます。
↓
保険者は、特定健康診査等実施計画に基づき、40歳以上の加入者に対し、特定健康診査を行います。
②【H29年出題】 〇
高齢者医療確保法における保険者は、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う全国健康保険協会、健康保険組合、都道府県及び市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団です。
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R5-263
労働契約法の「労働契約が成立する要件」をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
労働契約法第6条 (労働契約の成立) 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。 |
労働契約の成立は、労働者と使用者の合意によります。
合意の要素は、「労働者が使用者に使用されて労働」すること、「使用者がこれに対して賃金を支払うこと」です。
(参照 H24.8.10 基発0810第2号)
では、過去問をどうぞ!
【H28年出題】
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が必ず書面を交付して合意しなければ、有効に成立しない。
【解答】
【H28年出題】 ×
労働契約は、労働契約の締結当事者である労働者及び使用者の合意のみで成立します。
契約内容について書面を交付することまでは求められません。
(参照 H24.8.10 基発0810第2号)
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R5-262
例えば、「ある会社で働いたことがあるのに、厚生年金保険の記録がない」、「標準報酬月額が違う」など、年金記録が事実と異なっていると思うときは、厚生労働大臣に年金記録の訂正を請求することができます。
条文を読んでみましょう。
第28条 (記録) 実施機関は、被保険者に関する原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。)、基礎年金番号その他主務省令で定める事項を記録しなければならない。
第28条の2第1項 (訂正の請求) 第1号厚生年金被保険者であり、又はあった者は、厚生年金保険原簿に記録された自己に係る特定厚生年金保険原簿記録(第1号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬その他厚生労働省令で定める事項の内容をいう。)が事実でない、又は厚生年金保険原簿に自己に係る特定厚生年金保険原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができる。 |
★「実施機関」は、被保険者に関する原簿を備え、一定事項を記録します。
★「厚生労働大臣」に、厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができるのは、第1号厚生年金被保険者である者、又は第1号厚生年金被保険者であった者です。
過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者であった者は、厚生労働大臣において備えている被保険者に関する原簿(以下本問において「厚生年金保険原簿」という。)に記録された自己に係る特定厚生年金保険原簿記録(第1号厚生年金被保険者の資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬その他厚生労働省令で定める事項の内容をいう。以下本問において同じ。)が事実でない、又は厚生年金保険原簿に自己に係る特定厚生年金保険原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができる。
②【H30年出題】
第2号厚生年金被保険者であった者は、その第2号厚生年金被保険者期間について厚生労働大臣に対して厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができない。
③【H30年出題】
第1号厚生年金被保険者であった老齢厚生年金の受給権者が死亡した場合、その者の死亡により遺族厚生年金を受給することができる遺族はその死亡した者の厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができるが、その者の死亡により未支給の保険給付の支給を請求することができる者はその死亡した者の厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができない。
④【H30年出題】
厚生労働大臣は、訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正に関する方針を定めなければならず、この方針を定めようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会に諮問しなければならない。
【解答】
①【R3年出題】 〇
この問題のチェックポイントは、訂正請求ができるのは、「第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者であった者」であることです。
②【H30年出題】 〇
訂正請求の対象になるのは、第1号厚生年金被保険者に係る記録です。
第2号厚生年金被保険者(国家公務員共済組合)、第3号厚生年金被保険者(地方公務員共済組合)、第4号厚生年金被保険者(日本私立学校振興・共済事業団)に係る期間は、訂正請求の対象外です。
③【H30年出題】 ×
第1号厚生年金被保険者であった者が死亡した場合、その者の死亡により遺族厚生年金を受給することができる遺族はその死亡した者の厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができます。
また、その者の死亡により未支給の保険給付の支給を請求することができる者も、その死亡した者の厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができます。
④【H30年出題】 〇
条文を確認しましょう。
法第28条の3
① 厚生労働大臣は、訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正に関する方針を定めなければならない。
② 厚生労働大臣は、①の方針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会に諮問しなければならない。
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R5-261
厚生年金保険の被保険者期間を1か月でも有し、かつ、国民年金の保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間が10年以上ある場合は、65歳に達したときに老齢厚生年金の受給権が発生します。
老齢厚生年金は繰り上げて支給を受けることもできます。
老齢厚生年金の繰上げ受給を受けながら在職している場合の老齢厚生年金の額の改定についてみていきます。
条文を読んでみましょう。
法附則第7条の3第1項~5項 ① 当分の間、次の各号に掲げる者であって、被保険者期間を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるもの(国民年金法の規定による任意加入被保険者でないものに限る。)は、政令で定めるところにより、65歳に達する前に、実施機関に当該各号に掲げる者の区分に応じ当該者の被保険者の種別に係る被保険者期間に基づく老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる。ただし、その者が、その請求があった日の前日において、保険料納付済期間と保険料免除期間と合算対象期間を合算した期間が10年以上でないときは、この限りでない。 1. 男子又は女子(第2号厚生年金被保険者であり、若しくは第2号厚生年金被保険者期間を有する者、第3号厚生年金被保険者であり、若しくは第3号厚生年金被保険者期間を有する者又は第4号厚生年金被保険者であり、若しくは第4号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって昭和36年4月2日以後に生まれた者 2. 女子(第1号厚生年金被保険者であり、又は第1号厚生年金被保険者期間を有する者に限る。)であって昭和41年4月2日以後に生まれた者 (3.、4.は省略します) ② 繰上げの請求は、国民年金法に規定する老齢基礎年金の支給繰上げの請求を行うことができる者にあっては、これらの請求と同時に行わなければならない。 ③ 繰上げの請求があったときは、その請求があった日の属する月から、その者に老齢厚生年金を支給する。 ④ 繰上げ支給の老齢厚生年金の額は、老齢厚生年金の額から政令で定める額を減じた額とする。 ⑤ 繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者であって、繰上げの請求があった日以後の被保険者期間を有するものが65歳に達したときは、65歳に達した日の属する月前における被保険者であった期間を当該老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、65歳に達した日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。 |
・①について
1.(男子・女子(2号、3号、4号)と2.(女子(1号))は、特別支給の老齢厚生年金が支給されない人です。老齢厚生年金は65歳から支給されます。
・②について
老齢厚生年金の繰上げ請求は、老齢基礎年金と同時に行います。
・⑤について
繰上げ請求後65歳になる前に、厚生年金保険の被保険者期間を有した場合、その期間は65歳時点で、年金額に反映します。
例えば、60歳で老齢厚生年金を繰上げ受給し、その後、62歳から64歳まで厚生年金保険の被保険者だった場合は、その期間分は、65歳到達時の改定で年金額に反映します。
過去問をどうぞ!
【H30年出題】
繰上げ支給の老齢厚生年金を受給している者であって、当該繰上げの請求があった日以後の被保険者期間を有する者が65歳に達したときは、その者が65歳に達した日の属する月前における被保険者であった期間を当該老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、65歳に達した日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。
【解答】
【H30年出題】 〇
繰上げ支給の老齢厚生年金を受給している者で、繰上げの請求があった日以後に被保険者期間を有する場合は、65歳に達したときに、65歳に達した日の属する月前の被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算に算入します。
年金額の改定は、65歳に達した日の属する月の翌月からとなります。
(法附則第7条の3第5項)
※繰上げ支給の老齢厚生年金の受給者については、65歳以降は、在職定時改定、退職改定が適用されます。
(法附則第15条の2)
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R5-260
65歳で老齢厚生年金の受給権を取得した時点で、生計を維持されている配偶者又は子がいる場合は、老齢厚生年金に加給年金額が加算されます。
ただし、その老齢厚生年金は、厚生年金保険の被保険者期間が20年(240月)以上で計算されていることが条件です。(中高齢の期間短縮特例を満たしている場合は15年~19年となります)
今日は、65歳時点では20年未満だった人が、その後、在職し厚生年金保険の被保険者期間が20年になった場合の加給年金額についてみていきます。
では、条文を読んでみましょう。
第44条第1項 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の額は、受給権者がその権利を取得した当時(その権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であったときは、在職時改定又は退職改定により当該月数が240以上となるに至った当時。)その者によって生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、老齢厚生年金の額に加給年金額を加算した額とする。ただし、国民年金法第33条の2第1項の規定により加算が行われている子があるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、その間、当該子について加算する額に相当する部分の支給を停止する。 |
★ 被保険者期間が240月以上の老齢厚生年金の権利を取得した当時、受給権者によって生計を維持していた65歳未満の配偶者又は子があるときは、加給年金額が加算されます。
★ 老齢厚生年金の権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満だったとき
↓
その後在職し、「在職時改定」又は「退職改定」により240月以上となるに至った当時、その者によって生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は子があるときは、加給年金額が加算されます。
※在職により被保険者期間が増え、増えた期間分が老齢厚生年金に反映されるのは、在職時改定又は退職改定のタイミングです。その際に、240月以上となり、生計維持されている配偶者又は子がいるときは、加給年金額が加算されます。
では、過去問をどうぞ!
【H30年出題】
被保険者である老齢厚生年金の受給権者は、その受給権を取得した当時、加給年金額の対象となる配偶者がいたが、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であったため加給年金額が加算されなかった。その後、被保険者資格を喪失した際に、被保険者期間の月数が240以上になり、当該240以上となるに至った当時、加給年金額の対象となる配偶者がいたとしても、当該老齢厚生年金の受給権を取得した当時における被保険者期間が240未満であるため、加給年金額が加算されることはない。
【解答】
【H30年出題】 ×
老齢厚生年金の受給権を取得した当時、被保険者期間の月数が240未満であったとしても、その後在職(=厚生年金保険の被保険者として保険料を負担すること)し、被保険者資格を喪失した際の退職改定で、被保険者期間の月数が240以上になった場合は、加給年金額の加算の対象となります。
240以上となるに至った当時、加給年金額の対象となる配偶者がいて生計維持関係が認められた場合は、加給年金額が加算されます。
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R5-259
障害基礎年金などの支給を受けることができるときは、その間、振替加算は支給停止されます。
条文を読んでみましょう。
S60年法附則第16条第1項 振替加算額が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間、振替加算額に相当する部分の支給を停止する。 |
★ 「障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるもの」は、障害基礎年金、障害厚生年金などで、その全額につき支給を停止されている給付は除かれます。
(S61年経過措置政令第28条)
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。
②【H21年出題】
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有するときに、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合においても、振替加算に相当する部分の支給は停止される。
③【R1年出題】
障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで、第2号被保険者期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。
【解答】
①【H30年出題】 〇
障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算額の支給は停止されます。
②【H21年出題】 ×
振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が、障害基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算額の支給は停止されます。
しかし、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合は、振替加算の支給は停止されません。
③【R1年出題】 〇
障害基礎年金を受給している間は、振替加算の支給は停止されます。
しかし、障害基礎年金の全額が支給停止されている場合は、振替加算の支給は停止されません。
問題文のように、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、障害基礎年金は全額支給停止となりますので、老齢基礎年金と振替加算が支給されます。
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R5-258
合算対象期間、学生納付特例期間は老齢基礎年金の額には反映しません。
例えば、20歳から60歳まですべて合算対象期間の場合は、老齢基礎年金の支給期間は満たしているものの、年金額はゼロです。しかし、振替加算の要件に該当する場合は、「振替加算に相当する額の老齢基礎年金」が支給されます。
条文を読んでみましょう。
(S60年法附則第15条第1項) 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65歳に達した日において、保険料納付済期間及び保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有さず、かつ、次の各号のいずれかに該当するものが、同日において加給年金額が加算される老齢厚生年金又は障害厚生年金の受給権者である配偶者によって生計を維持していたとき(当該65歳に達した日の前日において当該配偶者がその受給権を有する年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていた場合に限る。)は、老齢基礎年金の支給要件に該当するものとみなして、その者に老齢基礎年金を支給する。ただし、その者が前条第1項ただし書に該当するときは、この限りでない。 1. 合算対象期間と保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものに限る。)とを合算した期間が、10年以上であること。 2. 附則第12条第1項第2号から第7号まで及び第18号から第20号までのいずれかに該当すること。 |
「振替加算に相当する額の老齢基礎年金」が支給される要件のポイント!
・「保険料納付済期間」及び「保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く)」を有しない。
・「合算対象期間」と「保険料免除期間(学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものに限る。)」とを合算した期間が、10年以上あること
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
日本国籍を有する甲(昭和27年4月2日生まれの女性)は、20歳から60歳まで海外に居住し、その期間はすべて合算対象期間であった。また、60歳以降も国民年金に加入していなかった。その後、甲が61歳の時に、厚生年金保険の被保険者期間の月数を240か月以上有する乙(昭和24年4月2日生まれの男性)と婚姻し、65歳まで継続して乙に生計を維持され、乙の老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっていた場合、甲が65歳になると老齢基礎年金の受給要件に該当するものとみなされ、振替加算額に相当する額の老齢基礎年金が支給される。
【解答】
【H27年出題】 〇
甲は、40年間全て合算対象期間ですので老齢基礎年金の額はゼロです。
しかし振替加算の支給要件には該当しますので、老齢基礎年金の受給要件に該当するものとみなされ、振替加算額に相当する額のみの老齢基礎年金が支給されます。
★注意しましょう★
例えば、20歳から60歳までの間に、保険料納付済期間を1か月有し、他は全て合算対象期間の人が、老齢基礎年金の受給権を有した場合は、480分の1で計算された老齢基礎年金が支給されます。
そのような人が、振替加算の支給要件に該当している場合は、480分の1の老齢基礎年金と振替加算が支給されます。
振替加算額に相当する額のみの老齢基礎年金が支給されるのは、老齢基礎年金の額に反映しない合算対象期間と学生納付特例の期間のみを有する人です。
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R5-257
老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金、退職共済年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるもの又は中高齢の期間短縮特例を満たしているものに限る。)を受けることができる場合は、振替加算は加算されません。
(国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第25条)
さっそく、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されない。
②【R3年出題】
41歳から60歳までの19年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有している70歳の妻(昭和26年3月2日生まれ)は、老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給中である。妻には、22歳から65歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有している夫(昭和31年4月2日生まれ)がいる。当該夫が65歳になり、老齢厚生年金の受給権が発生した時点において、妻の年間収入が850万円未満であり、かつ、夫と生計を同じくしていた場合は、当該妻に振替加算が行われる。
【解答】
①【H30年出題】 〇
老齢基礎年金の受給権者が、厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上で計算される老齢厚生年金又は中高齢の期間短縮特例を満たした老齢厚生年金を受けることができるときは、老齢基礎年金に振替加算は加算されません。
★老齢厚生年金を受けていても、被保険者期間の月数が240月未満の場合又は中高齢の期間短縮特例を満たしていない場合は、振替加算が加算されます。
(国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第25条)
②【R3年出題】 ×
昭和26年3月2日生まれの女性の場合、35歳以降の厚生年金保険の被保険者期間が19年あれば、中高齢の期間短縮特例を満たします。
問題文の妻は、41歳から60歳までの19年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有し、中高齢の期間短縮特例に該当しますので振替加算は行われません。
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R5-256
振替加算を受けるための手続をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
則第17条の3 老齢基礎年金の受給権者は、昭和60年改正法附則第14条第2項又は第18条第3項の規定に該当するに至ったときは、一定の事項を記載した届書に一定の書類を添えて、速やかに、これを機構に提出しなければならない。 |
「昭和60年改正法附則第14条第2項」では、老齢基礎年金の受給権者が65歳に達した後に、配偶者が厚生年金保険の被保険者期間が240月(中高齢の期間短縮特例の場合も含みます)を満たした老齢厚生年金を受けられるようになった場合は、老齢基礎年金に振替加算が加算されると規定されています。
夫
65歳 退職時改定
(240月未満) (240月)
|
|
老齢厚生年金 | |
老齢基礎年金 |
妻(老齢基礎年金の受給権者)
65歳
| 振替加算 |
老齢基礎年金 |
このような場合は、振替加算の支給を受けるために、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出しなければなりません。
では、過去問をどうぞ!
【H27年出題】
在職老齢年金を受給していた67歳の夫(昭和23年4月2日生まれ)が、厚生年金保険法第43条第3項に規定する退職時の年金額の改定により初めて老齢厚生年金の加給年金額が加算される被保険者期間の要件を満たした場合、夫により生計を維持されている老齢基礎年金のみを受給している66歳の妻(昭和24年4月2日生まれ)は、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出することにより、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】
【H27年出題】 〇
妻が65歳に達した後に、夫が退職時改定により、加給年金額が加算される被保険者期間の要件を満たしたことがポイントです。
この場合、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出することによって、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
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R5-255
老齢基礎年金は要件を満たせば、65歳に達したときに受給権が発生しますが、繰り上げて受給することもできますし、繰下げて受給することもできます。
老齢基礎年金を繰上げ・繰下げした場合、振替加算はどのようになるのでしょうか?
振替加算はいつから加算されるのか、条文を読んでみましょう。
S60年法附則第14条第4項 振替加算を開始すべき事由又は廃止すべき事由が生じた場合における老齢基礎年金の額の改定は、それぞれ当該事由が生じた月の翌月から行う。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合であっても、振替加算額については、受給権者が65歳に達した日以後でなければ加算は行われない。
②【H30年出題】
振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。
③【R3年出題】
老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合の振替加算については、受給権者が65歳に達した日以後に行われる。老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されるが、振替加算額が繰下げにより増額されることはない。
【解答】
①【H22年出題】 〇
老齢基礎年金の支給の繰上げの請求をした場合でも、振替加算額は繰上げされません。振替加算は、受給権者が65歳に達した日以後でなければ行われません。
夫
60歳 65歳
報酬比例部分 | 老齢厚生年金 | |
| 老齢基礎年金 | |
| 加給年金額 |
|
妻
60歳 65歳
| 振替加算 |
繰上げ支給の老齢基礎年金 |
例えば、老齢基礎年金の受給権者である妻が60歳で老齢基礎年金の繰上げの請求をした場合でも、振替加算が加算されるのは65歳からです。
なお、夫の老齢厚生年金に加算されている加給年金額は、妻が老齢基礎年金を繰上げした場合でも、65歳になるまで支給されます。
②【H30年出題】 ×
振替加算について
・老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合 → 65歳に達した日の属する月の翌月から加算されます。(問題文の「請求のあった日の属する月の翌月から加算」は誤りです。)
・老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合 → 振替加算も繰下げて支給されますので、問題文の通り、申出のあった日の属する月の翌月から加算されます。
③【R3年出題】 〇
老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、振替加算も繰下げて支給されます。ただし、振替加算額は繰下げによる増額はありません。
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R5-254
老齢基礎年金に振替加算が加算され得るのは、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた人です。
「生年月日」のポイント!
大正15年4月2日以降生まれ→ 新法の対象者です。
昭和41年4月1日以前生まれ → 新法施行日の昭和61年4月1日に20歳以上です。
まず、過去問からどうぞ!
【H30年出題】
45歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を19年有し、このほかには被保険者期間を有しない老齢厚生年金の受給権者である68歳の夫(昭和25年4月2日生まれ)と、当該夫に生計を維持されている妻(昭和28年4月2日生まれ)がいる。当該妻が65歳に達し、老齢基礎年金の受給権を取得した場合、それまで当該夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されていれば、当該妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。
【解答】
【H30年出題】 〇
まず、問題文の夫婦の年金を図でイメージしましょう。
(注)妻は、厚生年金保険の被保険者期間を有しないと仮定しています。
夫(昭和25年4月2日生まれ)
60歳 65歳
報酬比例部分 | 老齢厚生年金 | |
| 老齢基礎年金 | |
| 加給年金額 |
|
妻(昭和28年4月2日生まれ)
65歳
振替加算 |
老齢基礎年金 |
★夫について(昭和25年4月2日生まれ)
・60歳から64歳まで → 報酬比例部分のみ支給されます
・65歳から → 老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給されます。
また生計維持関係のある妻がいるため、加給年金額が加算されます。
加給年金額が加算される要件を確認しましょう。
原則として、厚生年金保険の被保険者期間が20年(240月)以上あることが条件です。
問題文の夫の被保険者期間は20年未満ですが、「45歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間が19年」で中高齢の期間短縮特例を満たします。240月以上とみなされて加給年金額が加算されます。
★妻について(昭和28年4月2日生まれ)
夫に加算されている加給年金額は、妻が65歳に達したときに終了します。
加給年金額の対象になっていた妻が65歳になり、老齢基礎年金を受けるようになると、妻の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。
振替加算が加算される要件を確認しましょう
<老齢基礎年金の受給権者(問題文では「妻」)の要件>
・大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であること
・65歳に達した日に、配偶者によって生計を維持していた(65歳に達した日の前日に配偶者が受給権を有する年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていたこと)
・ただし、妻自身が被保険者期間が原則240月以上で計算される老齢厚生年金、退職共済年金を受けることができるときは、振替加算は加算されません。
<配偶者(問題では「夫」)の要件>
・老齢厚生年金又は退職共済年金(その額の計算の基礎となる月数が原則として240以上であるもの)の受給権者
・障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者(当該障害厚生年金又は当該障害共済年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有する者に限る。)
※加給年金額が加算される年金の受給権者であることが条件です。
振替加算の額を確認しましょう
振替加算の額は、224,700円×改定率×政令で定める率で計算します。
政令で定める率は、大正15年4月2日生まれ~昭和2年4月1日以前生まれが1.000で、年齢が若くなるほど小さくなります。昭和36年4月2日~昭和41年4月1日生まれは、0.067です。
なお、問題文の昭和28年4月2日生まれの妻の振替加算の額は、224,700円×改定率×0.280です。
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R5-253
今日は、全国健康保険協会の事業計画や業績評価などをみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第7条の27(事業計画等の認可) 全国健康保険協会(以下「協会」という。)は、毎事業年度、事業計画及び予算を作成し、当該事業年度開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第7条の28(財務諸表等) ① 協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結しなければならない。 ② 協会は、毎事業年度、財務諸表を作成し、これに当該事業年度の事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
第7条の30(各事業年度に係る業績評価) ① 厚生労働大臣は、協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならない。 ② 厚生労働大臣は、評価を行ったときは、遅滞なく、協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
全国健康保険協会(以下「協会」という。)の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。協会は、毎事業年度の決算を翌事業年度の5月31日までに完結し、作成した財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
②【H30年出題】
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行わなければならず、この評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
③【H23年出題】
全国健康保険協会の理事長は全国健康保険協会の業績について事業年度ごとに評価を行い、当該評価の結果を遅滞なく、厚生労働大臣に対して通知するとともに、これを公表しなければならない。
【解答】
①【H26年出題】 〇
毎事業年度の決算は、翌事業年度の5月31日までに完結します。
財務諸表に、事業報告書等を添え、監事及び会計監査人の意見を付けて、決算完結後2か月以内に厚生労働大臣に提出し、その承認を受けなければなりません。
②【H30年出題】 〇
厚生労働大臣は、全国健康保険協会の事業年度ごとの業績について、評価を行います。評価を行ったときは、遅滞なく、全国健康保険協会に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければなりません。
③【H23年出題】 ×
全国健康保険協会の業績について事業年度ごとに評価を行い、評価の結果を通知し、公表しなければならないのは、「全国健康保険協会の理事長」ではなく「厚生労働大臣」です。
また、評価の結果を通知するのは、全国健康保険協会に対してです。
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R5-252
事業主から委託を受け、労働保険料を正しく納付することが、労働保険事務組合の重要な役割です。
労働保険料の納付状況が著しく良好な労働保険事務組合には、報奨金が支給されます。
今日は、報奨金の支給要件をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
(労働保険事務組合に対する報奨金に関する政令)第1条第1項 労働保険事務組合が委託を受けてする労働保険料の納付の状況が次の各号に該当するときは、当該労働保険事務組合に対して労働保険料に係る報奨金を交付する。 1. 7月10日において、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金及び延滞金を含む。以下「前年度の労働保険料等」という。)であって、常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託に係るものにつき、その確定保険料の額(労働保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合にあっては、確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)の合計額の100分の95以上の額が納付されていること。ただし、同日において当該確定保険料の額の合計額の100分の95以上の額が納付されていないことが天災その他やむを得ない理由によるものであるときは、同日後の日で厚生労働大臣が定める日までに当該確定保険料の額の合計額の100分の95以上の額が納付されていること。 2. 前年度の労働保険料等について、国税滞納処分の例による処分を受けたことがないこと。 3. 偽りその他不正の行為により、前年度の労働保険料等の徴収を免れ、又はその還付を受けたことがないこと。 |
さっそく過去問をどうぞ!
①【H30年出題】(雇用)
労働保険事務組合が、政府から、労働保険料に係る報奨金の交付を受けるには、前年度の労働保険料(当該労働保険料に係る追徴金を含み延滞金を除く。)について国税滞納処分の例による処分を受けたことがないことがその要件とされている。
②【H30年出題】(雇用)
納付すべき労働保険料を完納していた場合に限り、政府から、労働保険料に係る報奨金の交付を受けることができる。
③【H30年出題】(雇用)
労働保険料に係る報奨金の交付を受けようとする労働保険事務組合は、労働保険事務組合報奨金交付申請書を、所轄公共職業安定所長に提出しなければならない。
④【H30年出題】(雇用)
労働保険料に係る報奨金の額は、現在、労働保険事務組合ごとに、2千万円以下の額とされている。
【解答】
①【H30年出題】(雇用) ×
労働保険事務組合が報奨金の交付を受ける要件として、前年度の労働保険料について国税滞納処分の例による処分を受けたことがないことがあります。
前年度の労働保険料については、当該労働保険料に係る「追徴金及び延滞金」が含まれます。
②【H30年出題】(雇用) ×
確定保険料の額(労働保険料に係る追徴金又は延滞金を納付すべき場合は、確定保険料の額と当該追徴金又は延滞金の額との合計額)の合計額の100分の95以上の額が納付されていることが条件です。
納付すべき労働保険料を完納していた場合に限り、は誤りです。
③【H30年出題】(雇用) ×
労働保険料に係る報奨金の交付を受けようとする労働保険事務組合は、労働保険事務組合報奨金交付申請書を、「所轄都道府県労働局長」に提出しなければなりません。
なお、申請書は10月15日までに提出しなければなりません。
(労働保険事務組合に対する報奨金に関する省令第2条)
④【H30年出題】(雇用) ×
労働保険料に係る報奨金の額は、労働保険事務組合ごとに、次のいずれか低い額以内とされています。
・1,000万円
・常時15人以下の労働者を使用する事業の事業主の委託を受けて納付した前年度の労働保険料(督促を受けて納付した労働保険料を除く。)の額(その額が確定保険料の額を超えるときは、当該確定保険料の額)に100分の2を乗じて得た額に厚生労働省令で定める額を加えた額
労働保険料に係る報奨金の額は、現在、労働保険事務組合ごとに、2千万円以下ではなく、「1千万円以下の額」とされています。
(労働保険事務組合に対する報奨金に関する政令第2条)
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R5-251
就職困難者のポイントをおさえましょう。
「就職が困難な者」について条文を読んでみましょう。
則第32条 (法第22条第2項の厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者) 法第22条第2項の厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者は、次のとおりとする。 ① 障害者雇用促進法に規定する身体障害者 ② 障害者雇用促進法に規定する知的障害者 ③ 障害者雇用促進法に規定する精神障害者 ④ 売春防止法第26条第1項の規定により保護観察に付された者及び更生保護法第48条各号又は第85条第1項各号に掲げる者であって、その者の職業のあっせんに関し保護観察所長から公共職業安定所長に連絡のあったもの ⑤ 社会的事情により就職が著しく阻害されている者 |
就職困難者の所定給付日数は、法第22条第2項で以下のように定められています。
算定基礎期間 離職日の年齢 | 1年未満 | 1年以上 |
45歳未満 | 150日 | 300日 |
45歳以上65歳未満 | 360日 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
雇用保険法施行規則によると、就職が困難な者には障害者の雇用の促進等に関する法律にいう身体障害者、知的障害者が含まれるが、精神障害者は含まれない。
②【H30年出題】
算定基礎期間が1年未満の就職が困難な者に係る基本手当の所定給付日数は150日である。
③【H30年出題】
売春防止法第26条第1項の規定により保護観察に付された者であって、その者の職業のあっせんに関し保護観察所長から公共職業安定所長に連絡のあったものは、就職が困難な者にあたる。
④【H30年出題】
就職が困難な者であるかどうかの確認は受給資格決定時になされ、受給資格決定後に就職が困難なものであると認められる状態が生じた者は、就職が困難な者には含まれない。
⑤【H30年出題】
身体障害者の確認は、求職登録票又は身体障害者手帳のほか、医師の証明書によって行うことができる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
就職が困難な者には、精神障害者も含まれます。
②【H30年出題】 〇
算定基礎期間が1年未満の就職が困難なものの所定給付日数は、45歳未満でも、45歳以上65歳未満でも150日です。
③【H30年出題】 〇
売春防止法第26条第1項の規定により保護観察に付された者で、その者の職業のあっせんに関し保護観察所長から公共職業安定所長に連絡のあったものは、就職が困難な者にあたります。
④【H30年出題】 〇
就職が困難な者であるかどうかの確認は、受給資格決定時になされます。受給資格決定後に就職が困難なものであると認められる状態が生じた者は、就職が困難な者には含まれません。
(行政手引50304)
⑤【H30年出題】 〇
身体障害者の確認は、求職登録票又は身体障害者手帳のほか、医師の証明書によって行うことができます。
(行政手引50304)
なお、「管轄公共職業安定所の長は、基本手当の支給を受けようとする者が就職が困難な者に該当する場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、その者が就職が困難な者に該当する者であることの事実を証明する書類の提出を命ずることができる。」とされています。(則第19条第2項)
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R5-250
傷病補償年金のポイントをみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第12条の8第3項 傷病補償年金は、業務上負傷し、又は疾病にかかった労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日において次の各号のいずれにも該当するとき、又は同日後次の各号のいずれにも該当することとなったときに、その状態が継続している間、当該労働者に対して支給する。 1. 当該負傷又は疾病が治っていないこと。 2. 当該負傷又は疾病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級(1級~3級)に該当すること。 |
★療養開始後1年6か月を経過した日に要件に該当するとき
療養開始 1年6か月 治ゆ
療養補償給付 |
| |
休業補償給付 | 傷病補償年金 |
|
▲(1~3級) |
★療養開始後1年6か月を経過した日後に要件に該当することとなったとき
療養開始 1年6か月 治ゆ
療養補償給付 |
| |
休業補償給付 | 傷病補償年金 |
|
▲(1~3級) |
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
所轄労働基準監督署長は、業務上の事由により負傷し、又は疾病にかかった労働者が療養開始後1年6か月経過した日において治っていないときは、同日以降1か月以内に、当該労働者から「傷病の状態等に関する届」に医師又は歯科医師の診断書等の傷病の状態の立証に関し必要な書類を添えて提出させるものとしている。
②【H29年出題】
傷病補償年金の支給要件について、障害の程度は、6か月以上の期間にわたって存する障害の状態により認定するものとされている。
③【H29年出題】
傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、厚生労働省令で定める傷病等級に該当しなくなった場合には、当該傷病補償年金の受給権は消滅するが、なお療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができる。
④【H29年出題】
傷病補償年金の受給権者の障害の程度に変更があり、新たに他の傷病等級に該当するに至った場合には、所轄労働基準監督署長は、裁量により、新たに該当するに至った傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給する決定ができる。
【解答】
①【H29年出題】 〇
労災保険の保険給付は、「請求」によって支給されます。
しかし、傷病補償年金は例外で、請求ではなく、所轄労働基準監督署長の職権で支給が決定されるのがポイントです。
被災した労働者が療養開始後1年6か月を経過した日に要件に該当したときは、所轄労働基準監督署長は、傷病補償年金の支給の決定をしなければなりません。
そのため、労働者は、療養開始後1年6か月経過した日に治っていないときは、同日以降1か月以内に、「傷病の状態等に関する届」を提出しなければなりません。
(則第18条の2)
②【H29年出題】 〇
傷病補償年金の障害の程度は、6か月以上の期間にわたって存する障害の状態で認定されます。
(則18条第2項)
③【H29年出題】 〇
傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり、傷病等級(1から3級)に該当しなくなった場合、傷病補償年金の受給権は消滅します。
その後も療養のため労働できず、賃金を受けられない場合には、労働者は休業補償給付を請求することができます。休業補償給付は請求が必要ですので注意してください。
療養開始 1年6か月
療養補償給付 | ||
休業補償給付 | 傷病補償年金 | 休業補償給付 |
▲(1~3級) ▲不該当
ちなみに年金は、受給権が消滅した月まで支給されます。
傷病補償年金は傷病等級に該当しなくなった月まで支給され、翌月から休業補償給付が支給されます。
④【H29年出題】 ×
法第18条の2で、「傷病補償年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があったため、新たに他の傷病等級に該当するに至った場合には、政府は、厚生労働省令で定めるところにより、新たに該当するに至った傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給するものとし、その後は、従前の傷病補償年金は、支給しない。」と規定されていて、傷病等級の変更も所轄労働基準監督署長の職権で行われます。
則第18条の3で、「所轄労働基準監督署長は、法第18条の2に規定する場合には、当該労働者について傷病等級の変更による傷病補償年金の変更に関する決定をしなければならない。」となっています。「裁量により、新たに該当するに至った傷病等級に応ずる傷病補償年金を支給する決定ができる。」は誤りです。
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R5-249
労働安全衛生法には、労働者を新たに雇い入れた場合、又は作業内容を変更した場合の「雇入れ時等の安全衛生教育」、一定の危険又は有害な業務に労働者を就かせる場合の「特別教育」、一定の業種で新たに職務に就くことになった職長等に対する「職長等の教育」の規定があります。
派遣労働者に対する安全衛生教育を実施する義務は、「派遣元」、「派遣先」どちらの事業者にあるのでしょうか?
さっそく過去問をどうぞ!
①【H27年出題】
派遣就業のために派遣される労働者に対する労働安全衛生法第59条第1項の規定に基づくいわゆる雇入れ時の安全衛生教育の実施義務については、当該労働者を受け入れている派遣先の事業者に課せられている。
②【H19年出題】
労働安全衛生法第59条第2項の規定に基づくいわゆる作業内容変更時の安全衛生教育の実施の義務は、派遣先事業者のみに課せられている。
③【H27年出題】
派遣就業のために派遣され就業している労働者に対する労働安全衛生法第59条第3項の規定に基づくいわゆる危険・有害業務に関する特別の教育の実施義務については、当該労働者を派遣している派遣元の事業者及び当該労働者を受け入れている派遣先の事業者の双方に課せられている。
【解答】
①【H27年出題】 ×
雇入れ時の安全衛生教育の実施義務は、「派遣元」の事業者に課せられています。派遣労働者と労働契約関係にあるのは派遣元です。派遣元の事業者は、派遣労働者を雇い入れたときに、雇入れ時の安全衛生教育を実施します。
(法第59条第1項、労働者派遣法第45条)
②【H19年出題】 ×
作業内容変更時の安全衛生教育の実施の義務は、「派遣元」事業者と「派遣先」事業者の両方に課せられています。
(法第59条第2項、労働者派遣法第45条)
③【H27年出題】 ×
危険・有害業務に関する特別の教育の実施義務は、派遣先の事業者のみに課せられています。派遣先で、危険・有害業務に派遣労働者を就かせる場合に、派遣先事業者が実施します。
(法第59条第3項、労働者派遣法第45条)
※ちなみに「職長等教育」については「派遣先事業者」のみに実施が義務づけられています。
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R5-248
まず、「解雇制限」の条文を読んでみましょう。
第19条 (解雇制限) ① 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30間は、解雇してはならない。 ただし、使用者が、第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。 ② 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。 |
<解雇制限期間>
・業務上の傷病のため療養中の期間とその後30日間
・産前産後休業期間とその後の30日間
は、解雇が禁止されています。
★例外
・打切補償を支払う場合
・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合(→所轄労働基準監督署長の認定が必要です。)
は、解雇制限が解除されます。
今日は、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」をみていきましょう。
ポイント!
「やむを得ない事由」とは
天災事変に準ずる程度に不可抗力に基づきかつ突発的な事由です。
事業の経営者として、社会通念上採るべき必要な措置を以てしても通常如何ともなし難いような状況にある場合をいいます。
(昭63.3.14基発150号)
では、過去問をどうぞ!
①【R2年出題】
使用者は、労働者を解雇しようとする場合において、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には解雇の予告を除外されるが、「天災事変その他やむを得ない事由」には、使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合も含まれる。
②【H30年出題】
使用者は、税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合には、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」として、労働基準法第65条の規定によって休業する産前産後の女性労働者であっても解雇することができる。
【解答】
①【R2年出題】 ×
「使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合」は含まれません。
事業場が火災により焼失した場合は、「その他やむを得ない事由」に該当しますが、事業主の故意又は重大な過失に基づく火災の場合は、除かれます。
(昭63.3.14基発150号)
※第19条と第20条の「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」は、同じ意味です。
②【H30年出題】 ×
税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合には、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」には該当しません。
(昭63.3.14基発150号)
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R5-247
確定拠出年金法の給付は、「老齢給付金、障害給付金、死亡一時金」ですが、「当分の間、脱退一時金の支給を請求することができる」とされています。
今日は、脱退一時金の要件をみていきましょう。
では、条文を読んでみましょう。
「企業型年金」と「個人型年金」がありますが、今回は「個人型」です。
附則第3条第1項、施行令第60条 当分の間、次の各号のいずれにも該当する者は、個人型年金運用指図者にあっては個人型記録関連運営管理機関に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては国民年金基金連合会に、それぞれ脱退一時金の支給を請求することができる。 1. 60歳未満であること。 2. 企業型年金加入者でないこと。 3. 個人型年金に加入できない者であること。 4. 国民年金法附則第5条第1項第3号に掲げる者に該当しないこと。 5. 障害給付金の受給権者でないこと。 6. その者の通算拠出期間が1月以上5年以下であること又は請求した日における個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額が25万円以下であること。 7. 最後に企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと。 |
ポイント!
3.について
個人型年金に加入できない者とは
・国民年金第1号被保険者で、保険料の申請免除の対象者、生活保護法による生活扶助を受ける法定免除の対象者
・日本国籍を有しない海外居住者
4.について
国民年金法附則第5条第1項第3号に掲げる者とは
・国民年金の任意加入被保険者のうち「日本国籍を有する海外居住者」です。
★ 令和4年5月から、外国籍の人が海外に居住し、国民年金の被保険者になることができなくなった場合に、要件を満たせば、脱退一時金を請求することができるようになりました。
ポイントを穴埋めで確認しましょう。
当分の間、次の各号のいずれにも該当する者は、個人型年金運用指図者にあっては < A >に、個人型年金運用指図者以外の者にあっては国民年金基金連合会に、それぞれ脱退一時金の支給を請求することができる。
1. < B >歳未満であること。
2. 企業型年金加入者でないこと。
3. 個人型年金に加入できない者であること。
4. 国民年金法附則第5条第1項第3号に掲げる者に該当しないこと。
5. 障害給付金の受給権者でないこと。
6. その者の通算拠出期間が< C >以下であること又は請求した日における個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額が< D >円以下であること。
7. 最後に企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して < E >年を経過していないこと。
【解答】
A 個人型記録関連運営管理機関
B60
C1月以上5年
D25万
E 2
では、過去問をどうぞ!
【H29年出題】
確定拠出年金の個人型年金に加入していた者は、一定要件を満たした場合、脱退一時金を請求することができるが、この要件においては、通算拠出期間については4年以下であること、個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額については50万円未満であることとされている。
【解答】
【H29年出題】 ×
通算拠出期間については「1月以上5年以下」であること、又は個人別管理資産の額として政令で定めるところにより計算した額については「25万円以下」であることです。
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R5-246
有期労働契約期間中の解雇のルールをみていきます。
有期労働契約中の解雇について、民法では以下のように定められています。
民法第628条 (やむを得ない事由による雇用の解除) 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。 |
民法では、「やむを得ない事由があるとき」について規定されていますが、「やむを得ない事由があるときに該当しない」場合の取扱いは明らかになっていません。
「やむを得ない事由があるときに該当しない」場合は、解雇できないことを明らかにしているのが、労働契約法第17条です。
条文を読んでみましょう。
第17条第1項 (契約期間中の解雇等) 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。 |
使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間中は有期契約労働者を解雇することができないことを規定しています。
参照 H24.8.10基発0810第2号
では、過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
使用者は、期間の定めのある労働契約については、やむを得ない事由がある場合であっても、その契約が満了するまでの間においては、労働者を解雇することができない。
②【H28年出題】
使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないが、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される。
③【R1年出題】
有期労働契約の契約期間中であっても一定の事由により解雇することができる旨を労働者及び使用者が合意していた場合、当該事由に該当することをもって労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があると認められるものではなく、実際に行われた解雇について「やむを得ない事由」があるか否かが個別具体的な事案に応じて判断される。
【解答】
①【H22年出題】 ×
有期労働契約の期間中でも、「やむを得ない事由がある」場合は、労働者を解雇することができます。
②【H28年出題】 〇
契約期間は労働者と使用者が合意により決定したもので、遵守されるべきものです。
そのため、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解されます。
(H24.8.10基発0810第2号)
③【R1年出題】 〇
契約期間中でも一定の事由により解雇することができる旨を労働者及び使用者が合意していた場合であっても、当該事由に該当することをもって法第17条第1項の「やむを得ない事由」があると認められるものではありません。
実際に行われた解雇について「やむを得ない事由」があるか否かが個別具体的な事案に応じて判断されます。
(H24.8.10基発0810第2号)
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R5-245
遺族厚生年金には、いくつかの支給停止事由が設けられています。
今日は、第66条第1項の「子」に関しての支給停止の規定をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第66条第1項 子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給を停止する。 ただし、配偶者に対する遺族厚生年金が前条本文(60歳までの支給停止)、次項本文(配偶者が遺族基礎年金の受給権を有しない場合)又は次条(所在不明の場合)の規定によりその支給を停止されている間は、この限りでない。 |
例えば、厚生年金保険の被保険者が死亡し、死亡の当時、その者によって生計を維持していた配偶者と子がいる場合は、「配偶者と子」に遺族厚生年金の受給権が発生します。
配偶者と子に受給権が発生したときの調整規定です。
★「子」に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する間、支給停止されます。 → 「配偶者」が遺族厚生年金を受給します。
★次に当てはまる場合は、「子」の支給停止が解除され、子に遺族厚生年金が支給されます。
・遺族基礎年金の受給権がない夫の遺族厚生年金が60歳まで支給停止されているとき
・配偶者が遺族基礎年金の受給権を有せず、子が遺族基礎年金の受給権を有する場合で配偶者の遺族厚生年金が支給停止されているとき
・配偶者の所在が1年以上明らかでなく、配偶者の遺族厚生年金が支給停止されているとき
過去問では、「配偶者の遺族厚生年金が支給停止」されていても、子の支給停止は解除されないパターンがよく出ていますので注意しましょう。
では、過去問をどうぞ!
①【H26年出題】
被保険者の死亡により妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止される。この場合、妻自身の申出により妻に対する遺族厚生年金の支給が停止されているときであっても、子に対する遺族厚生年金の支給停止は解除されない。
②【H30年出題】
被保険者の死亡により、その妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、子に対する遺族厚生年金は、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給が停止されるが、妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたときは、子に対する遺族厚生年金の支給停止が解除される。
③【R3年出題】
遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有する妻が、障害基礎年金と障害厚生年金の受給権を取得した。妻は、障害基礎年金と障害厚生年金を選択したため、遺族基礎年金と遺族厚生年金は全額支給停止となった。妻には生計を同じくする子がいるが、子の遺族基礎年金については、引き続き支給停止となるが、妻の遺族厚生年金が全額支給停止であることから、子の遺族厚生年金は支給停止が解除される。
【解答】
①【H26年出題】 〇
被保険者の死亡で、妻と子に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、妻が遺族厚生年金の受給権を有する期間は、子に対する遺族厚生年金は支給停止されます。
★妻自身の申出により妻に対する遺族厚生年金の支給が停止されているとき
→ 子の遺族厚生年金の支給停止は解除されません。(引き続き支給停止されます。)
②【H30年出題】 ×
①の問題と同じです。
★妻が自己の意思で妻に対する遺族厚生年金の全額支給停止の申出をしたとき
→ 子の遺族厚生年金の支給停止は解除されません。(引き続き支給停止されます。)
③【R3年出題】 ×
★妻が、障害基礎年金と障害厚生年金を選択したため、遺族基礎年金と遺族厚生年金が全額支給停止となったとき
→ 子の遺族厚生年金の支給停止は解除されません。(引き続き支給停止されます。)
→ ちなみに、子の「遺族基礎年金」についても、引き続き支給停止されます。
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R5-244
20歳前に初診日がある場合(=国民年金加入前に初診日がある場合)は、第30条の4の20歳前傷病による障害基礎年金が支給されます。
20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料を拠出しないで支給される年金ですので、通常の障害基礎年金とは異なる支給停止事由が設定されているのが特徴です。
では、条文を読んでみましょう。
第30条の4第1項 疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であった者が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。 |
★障害認定日が20歳前にある場合
初診日 | 障害認定日 |
| 20歳 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「20歳に達した日」に障害基礎年金の受給権が発生します
★障害認定日が20歳後にある場合
初診日 |
| 20歳 | 障害認定日 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「障害認定日」に障害基礎年金の受給権が発生します
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
傷病の初診日において19歳であった者が、20歳で第1号被保険者の資格を取得したものの当該被保険者の期間が全て未納期間であった場合、初診日から1年6か月経過後の障害認定日において障害等級1級又は2級に該当していたとしても、障害基礎年金の受給権は発生しない。
②【H26年出題】
被保険者でなかった19歳の時に初めて医療機関で診察を受け、うつ病と診断され継続して治療している現在25歳の者は、20歳に達した日の障害状態が障害等級1級又は2級に該当していれば、その日に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生する。
③【H22年出題】
20歳未満の初診日において厚生年金保険の被保険者であって保険料納付要件を満たしている場合、障害認定日が20歳未満であってその障害認定日において障害等級に該当すれば障害厚生年金の受給権が発生するが、障害基礎年金については障害等級に該当していても受給権の発生は20歳以降である。
【解答】
①【H30年出題】 ×
傷病の初診日に19歳の者に支給されるのは「20歳前傷病による障害基礎年金」です。「20歳前傷病による障害基礎年金」は、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がないので、保険料納付要件は問われません。
20歳で第1号被保険者の資格を取得した後の未納期間は、20歳前の傷病による障害基礎年金の受給要件には関係ありません。
問題文の場合は、初診日から1年6か月経過後の障害認定日に障害等級1級又は2級に該当していた場合は、20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生します。
②【H26年出題】 ×
障害認定日は、「初診日から起算して1年6か月を経過した日」又は、「1年6か月以内に傷病が治った場合その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)」です。
問題文の場合、初診日から継続して治療しています(治っていない)ので、障害認定日は「初診日から起算して1年6か月を経過した日」となります。
初診日が19歳ですので、障害認定日は20歳に達した後になります。
初診日 |
| 20歳 | 障害認定日 |
|
|
| 障害基礎年金 |
「20歳に達した日」ではなく、「障害認定日」に障害等級1級又は2級に該当していれば、「障害認定日」に20歳前傷病による障害基礎年金の受給権が発生します。
③【H22年出題】 ×
初診日に20歳未満でも、厚生年金保険の被保険者(=国民年金第2号被保険者)である場合は、障害基礎年金の初診日要件(初診日に国民年金の被保険者であること)を満たしています。
そのため、20歳前傷病による障害基礎年金ではなく、通常の障害基礎年金の受給権が発生します。
障害認定日が20歳未満でも「障害認定日」に、「障害基礎年金と障害厚生年金」の受給権が発生します。
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R5-243
例えば、災害時などに、国や地方公共団体が医療費を負担する場合があります。
そのような場合の健康保険の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第55条第4項 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わない。 |
まず、過去問をどうぞ!
①【R3年出題】
公害健康被害の補償等に関する法律(以下本問において「公害補償法」という。)による療養の給付、障害補償費等の補償給付の支給がされた場合において、同一の事由について当該補償給付に相当する給付を支給すべき健康保険の保険者は、公害補償法により支給された補償給付の価額の限度で、当該補償給付に相当する健康保険による保険給付は行わないとされている。
②【H30年出題】
被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われない。
③【H16年出題】
生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付が併用される場合は、健康保険による保険給付が優先され、費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分について、医療扶助の対象となる。
【解答】
①【R3年出題】 〇
例えば水質汚濁等の公害で病気になった場合は、公害補償法の制度で療養の給付などの補償が行われます。
公害補償法で、補償給付の支給がされた場合は、公害補償法により支給された補償給付の価額の限度で、健康保険による保険給付は行わない、とされています。
(公害補償法第14条、昭50.12.8保険発第110号・庁保険発第20号)
②【H30年出題】 〇
災害救助法の目的は、「災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害により被害を受け又は被害を受けるおそれのある者の保護と社会の秩序の保全を図ること」です。
被保険者に係る所定の保険給付は、同一の傷病について、災害救助法の規定により、都道府県の負担で応急的な医療を受けたときは、その限度において行われません。
③【H16年出題】 〇
生活保護には、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の8種類の保護があります。
生活保護法による医療扶助と健康保険による保険給付では、健康保険による保険給付が優先されます。
費用のうち健康保険による保険給付が及ばない部分は、医療扶助の対象となります。
健康保険からの保険給付 | 自己負担分 (医療扶助の給付対象) |
(生活保護法第4条)
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R5-242
介護保険には、医療を提供するサービスもあります。
健康保険と介護保険の医療の調整をみていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第55条第3項 (他の法令による保険給付との調整) 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病又は負傷について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。 |
同一の病気やけがについて、介護保険から給付を受けることができる場合は、健康保険の給付は行われません。
では、過去問をどうぞ!
①【H29年出題】
被保険者に係る療養の給付は、同一の傷病について、介護保険法の規定によりこれに相当する給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われない。
②【H22年出題】
被保険者に係る療養の給付または入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費もしくは家族訪問看護療養費の支給は、同一の疾病、負傷または死亡について、介護保険法の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には行わない。
③【R4年出題】
介護保険適用病床に入院している要介護被保険者である患者が、急性増悪等により密度の高い医療行為が必要となったが、当該医療機関において医療保険適用病床に空きがないため、患者を転床させずに、当該介護保険適用病床において療養の給付又は医療が行われた場合、当該緊急に行われた医療に係る療養については、医療保険から行うものとされている。
【解答】
①【H29年出題】 〇
同一の傷病で、介護保険の給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われません。
②【H22年出題】 ×
同一の「疾病、負傷または死亡」の「死亡」の部分が誤りです。介護保険には死亡に関する給付がありませんので、死亡については介護保険との調整は行われません。
③【R4年出題】 〇
介護保険適用病床に入院している要介護者である患者が、急性憎悪等により密度の高い医療行為が必要となった場合は、当該患者を医療保険適用病床に転床させて療養を行うことが原則です。
しかし、患者の状態、当該病院又は診療所の病床の空き状況等により、患者を転床させず、当該介護保険適用病床において緊急に医療行為を行う必要のある場合は、当該病床で療養の給付又は医療が行われることは可能です。
この場合の緊急に行われた医療に係る給付については、医療保険から行うものとされています。
(H12.3.31保険発第55号)
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R5-241
健康保険では、被保険者と被扶養者の「疾病、負傷、死亡、出産」について保険給付を行います。
ただし、労災保険法に規定する「業務災害」にあたるものは、健康保険の対象から除外されます。
「通勤災害」については、健康保険からは除外されていませんが、労災保険から給付を受けることができる場合は、調整が行われます。
では、条文を読んでみましょう。
第55条 第1項(他の法令による保険給付との調整) 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金、埋葬料、家族療養費、家族訪問看護療養費、家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法、国家公務員災害補償法又は地方公務員災害補償法若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。 |
例えば、通勤途上で事故にあい、労災保険の通勤災害に関する保険給付の受給権を得た場合は、健康保険法からの給付は行われません。
労災保険と健康保険の調整が行われるのは、労災保険法に基づく給付を「受けることができる」ときです。「受けたとき」ではありませんので、労災保険の給付の受給権があれば調整の対象となります。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
被保険者が通勤途上の事故で死亡したとき、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合であっても、埋葬料は支給される。
②【H28年出題】
被保険者が副業として行う請負業務中に負傷した場合等、労働者災害補償保険の給付を受けることのできない業務上の傷病等については、原則として健康保険の給付が行われる。
③【R1年出題】
労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害について、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものであるときは、健康保険により給付する。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われない。
④【R3年出題】
被保険者又はその被扶養者において、業務災害(労災保険法第7条第1項第1号に規定する、労働者の業務上の負傷、疾病等をいう。)と疑われる事例で健康保険の被保険者証を使用した場合、保険者は、被保険者又はその被扶養者に対して、まずは労災保険法に基づく保険給付の請求を促し、健康保険法に基づく保険給付を留保することができる。
【解答】
①【H30年出題】 ×
「同一の疾病、負傷又は死亡」について、労働者災害補償保険法の規定により給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われません。
被保険者が通勤途上の事故で死亡し、その死亡について労災保険法に基づく給付が行われる場合は、健康保険の埋葬料は支給されません。
②【H28年出題】 〇
請負で働く場合は労働契約関係にないので、労災保険の対象にはなりません。そのため、請負業務中に負傷しても労災保険から保険給付が行われません。そのような場合は、健康保険の給付が行われます。
(平成25.8.14事務連絡)
③【R1年出題】 〇
・事業所について、労災保険が適用されるべきであるにもかかわらず、その適用が行われていない場合、その間に発生した通勤災害については、遡って労災保険から給付されます。
・労災保険の任意適用事業所に使用される被保険者に係る通勤災害については、労災保険の保険関係の成立の日前に発生したものは、健康保険から給付が行われます。ただし、事業主の申請により、保険関係成立の日から労災保険の通勤災害の給付が行われる場合は、健康保険の給付は行われません。
(S48.12.1保険発第105号・庁保険発第24号)
④【R3年出題】 〇
労災保険法における業務災害は、健康保険の給付の対象外です。
また、労災保険法における通勤災害は、労災保険からの給付が優先されます。
そのため、保険者は、まずは労災保険の請求を促し、健康保険の給付を留保することができます。
(平成25.8.14事務連絡)
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R5-240
事業主が、労働保険料を口座振替で納付することを希望した場合のポイントを見ていきましょう。
条文を読んでみましょう。
第21条の2第1項 (口座振替による納付等) 政府は、事業主から、預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による印紙保険料以外の労働保険料(以下単に「労働保険料」という。)の納付(厚生労働省令で定めるものに限る。)をその預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して行うことを希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。
則第38条の2 口座振替による納付の申出は、事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地、預金口座又は貯金口座の番号及び名義人、預金又は貯金の種別並びに納付書を送付する金融機関及び店舗の名称を記載した書面を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出することによって行わなければならない。 則第38条の4 口座振替による納付の対象は、納付書によって行われる概算保険料及び延納する場合における概算保険料並びに確定保険料の不足額とする。 |
では、過去問をどうぞ!
なお、問題文の「労働保険料」から印紙保険料は除きます。
①【H30年出題】(労災)
口座振替により納付することができる労働保険料は、納付書により行われる概算保険料(延納する場合を除く。)と確定保険料である。
②【H30年出題】(労災)
口座振替による労働保険料の納付が承認された事業主は、概算保険料申告書及び確定保険料申告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出するが、この場合には労働基準監督署を経由して提出することはできない。
③【H30年出題】(労災)
労働保険徴収法第16条の規定による増加概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象となる。
④【H30年出題】(労災)
労働保険料の口座振替の承認は、労働保険料の納付が確実と認められれば、法律上、必ず行われることとなっている。
⑤【H30年出題】(労災)
労働保険料の追徴金の納付については、口座振替による納付の対象とならない。
【解答】
①【H30年出題】(労災) ×
延納される概算保険料も口座振替による納付の対象です。
②【H30年出題】(労災) ×
口座振替による労働保険料の納付が承認されたからといって、労働基準監督署を経由できなくなることはありません。
一定の場合は、労働基準監督署を経由することもできます。
③【H30年出題】(労災) ×
増加概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象となりません。
④【H30年出題】(労災) ×
その納付が確実と認められ、「かつ」、その申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限って、事業主からの申出を承認することができます。承認することができる、ですので、法律上、必ず行われるものではありません。
⑤【H30年出題】(労災) 〇
追徴金の納付については、口座振替による納付の対象となりません。
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R5-239
一般被保険者が失業した場合は、「基本手当」が支給されます。
基本手当の額は、在職中の「賃金」に基づいて算定されます。
今日は、「賃金」の定義と範囲を確認しましょう。
では、「賃金」の定義を条文で読んでみましょう。
第4条第4項、5項 ④ 雇用保険法において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであって、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。 ⑤ 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
則第2条 (通貨以外のもので支払われる賃金の範囲及び評価) ① 賃金に算入すべき通貨以外のもので支払われる賃金の範囲は、食事、被服及び住居の利益のほか、公共職業安定所長が定めるところによる。 ② 通貨以外のもので支払われる賃金の評価額は、公共職業安定所長が定める。 |
★労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものを「賃金」と定義します。
★「通貨以外のもので支払われるもの(現物給与)」で当然に賃金に算入されるのは、「食事、被服及び住居の利益」です。その他の現物給与は、公共職業安定所長が具体的に定めた場合に算入されます。
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
健康保険法第99条の規定に基づく傷病手当金が支給された場合において、その傷病手当金に付加して事業主から支給される給付額は、賃金と認められる。
②【H30年出題】
接客係等が客からもらうチップは、一度事業主の手を経て再分配されるものであれば賃金と認められる。
③【H30年出題】
月給者が1月分の給与を全額支払われて当該月の中途で退職する場合、退職日の翌日以後の分に相当する金額は賃金日額の算定の基礎に算入される。
④【H30年出題】
支払義務の確定した賃金が所定の支払日を過ぎてもなお支払われない未払賃金のある月については、未払額を除いて賃金額を算定する。
【解答】
①【H30年出題】 ×
健康保険法に基づく傷病手当金は健康保険の給付金ですので、賃金ではありません。また、その傷病手当金に付加して事業主から支給される給付額は、恩恵的給付となりますので賃金ではありません。
(行政手引50502(2))
②【H30年出題】 〇
チップは、接客係等が「客からもらう」場合は賃金にはなりませんが、一度事業主の手を経て再分配されるものであれば賃金となります。
(行政手引50502(2))
③【H30年出題】 ×
月給者が月の途中で退職する場合で、その月分の給与が全額支払われている場合、退職日の翌日以後の分に相当する金額は賃金日額の算定の基礎に算入されません。
(行政手引50503(3))
④【H30年出題】 ×
未払賃金のある月は、未払額を含めて賃金額を算定します。
なお、未払額の認定に当たっては、当該労働者の稼働実績、過去の賃金額等に基づいて確実と認められるもののみが認定されます。
(行政手引50609(9))
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R5-238
二次健康診断等給付は、脳血管疾患及び心臓疾患の発生を予防するために行われます。
事業場で行われる定期健康診断など(一次健康診断)で異常の所見が認められた人が対象です。
二次健康診断等給付には、「二次健康診断」と「特定保健指導」があります。
二次健康診断は、脳血管と心臓の状態を把握する検査で、特定保健指導は、脳・心臓疾患の発症の予防のための面接による保健指導です。
条文を読んでみましょう。
第26条 ① 二次健康診断等給付は、労働安全衛生法第66条第1項の規定による健康診断(一般健康診断)又は当該健康診断に係る同条第5項ただし書の規定による健康診断のうち、直近のもの(以下「一次健康診断」という。)において、血圧検査、血液検査その他業務上の事由による脳血管疾患及び心臓疾患の発生にかかわる身体の状態に関する検査であって、厚生労働省令で定めるものが行われた場合において、当該検査を受けた労働者がそのいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときに、当該労働者(当該一次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められるものを除く。)に対し、その請求に基づいて行う。 ② 二次健康診断等給付の範囲は、次のとおりとする。 1. 脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査(①に規定する検査を除く。)であって厚生労働省令で定めるものを行う医師による健康診断(1年度につき1回に限る。「二次健康診断」という。) 2. 二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため、面接により行われる医師又は保健師による保健指導(二次健康診断ごとに1回に限る。「特定保健指導」という。) ③ 政府は、二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導を行わないものとする。 |
では、過去問をどうぞ!
①【H30年出題】
一次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる場合には、二次健康診断等給付は行われない。
②【H30年出題】
特定保健指導は、医師又は歯科医師による面接によって行われ、栄養指導もその内容に含まれる。
③【H30年出題】
二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、当該二次健康診断に係る特定保健指導は行われない。
④【H30年出題】
二次健康診断を受けた労働者から、当該二次健康診断の実施の日から3か月以内にその結果を証明する書面の提出を受けた事業者は、二次健康診断の結果に基づき、当該健康診断項目に異常の所見があると診断された労働者につき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見をきかなければならない。
⑤【H30年出題】
二次健康診断等給付を受けようとする者は、所定の事項を記載した請求書をその二次健康診断等給付を受けようとする健診給付病院等を経由して所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
【解答】
①【H30年出題】 〇
二次健康診断等給付の目的は発症の予防ですので、一次健康診断で既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者には行われません。症状を有する場合は、健康保険の保険給付や、労災保険の療養補償給付等の対象になります。
②【H30年出題】 ×
特定保健指導は、医師又は「保健師」による面接によって行われます。
具体的には、「栄養指導」、「運動指導」、「生活指導」が行われます。
③【H30年出題】 〇
既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については、特定保健指導は行われません。
④【H30年出題】 〇
二次健康診断の実施の日から「3か月以内」に結果を証明する書面の提出を受けた場合は、事業者は、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見をきかなければなりません。
(法第27条)
⑤【H30年出題】 〇
二次健康診断等給付は、労働者の請求に基づいて行われます。
現物給付ですので、請求書は健診給付病院等を経由して提出します。所轄労働基準監督署長ではなく、「所轄都道府県労働局長」に提出することがポイントです。
(則第18条の19)
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R5-237
事業者には、総括安全衛生管理者等の選任や、安全委員会等の設置などが義務づけられています。
必要な安全衛生管理体制は労働者の人数などによって決まりますが、派遣労働者については、派遣元、派遣先のどちらの事業者が義務を負うのでしょうか?
派遣労働者は、「派遣元」とは労働契約関係、「派遣先」とは指揮命令関係にあります。
事業者としての労働安全衛生法の責任は、原則として労働契約関係にある派遣元にあります。しかし、例えば、現場作業に関することなどは、特例で「派遣先」の事業者に適用されます。また、派遣元、派遣先の両方に適用されるものもあります。
なお、派遣労働者についての労働安全衛生法の適用に関する特例は、労働者派遣法第45条に規定されています。
では、過去問をどうぞ!
①【H19年出題】
派遣中の労働者に関しての安全管理者の選任の義務及び安全委員会の設置の義務は、派遣元の事業の事業者(「派遣元事業者」という。)のみに課せられているが、当該事業場の規模の算定に当たっては、派遣元の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて、常時使用する労働者の数を算出する。
②【H27年出題】
事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに衛生管理者を選任しなければならないが、この労働者数の算定に当たって、派遣就業のために派遣され就業している労働者については、当該労働者を派遣している派遣元事業場及び当該労働者を受け入れている派遣先事業場双方の労働者として算出する。
③【H30年出題】
派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて、総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医を選任し、衛生委員会の設置をしなければならない。
④【H19年出題】
派遣中の労働者に関しての総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者及び産業医の選任の義務並びに衛生委員会の設置の義務は、派遣先事業者のみに課せられており、当該事業場の規模の算定に当たっては、派遣先の事業場について、派遣中の労働者の数を含めて、常時使用する労働者の数を算出する。
【解答】
①【H19年出題】 ×
★「安全管理者」と「安全委員会」について
現場で安全確保のための措置をとる必要があるため、安全管理者の選任の義務、安全委員会の設置義務ともに、「派遣先事業者」のみに課せられています。
人数は、派遣中の労働者も含めて派遣先で算出します。
ポイント!
安全管理者の選任と、安全委員会の設置の義務は、「派遣先」のみに課せられます。
②【H27年出題】 〇
★「衛生管理者」について
衛生管理者は、派遣元事業者、派遣先事業者のどちらにも選任義務が課せられています。
派遣中の労働者については、「派遣元事業場」及び「派遣先事業場」双方の労働者の数に含まれます。
③【H30年出題】 〇
★「総括安全衛生管理者」、「衛生管理者」、「産業医」、「衛生委員会」について
派遣元事業者、派遣先事業者のどちらにも、選任・設置義務が課せられています。
派遣中の労働者については、「派遣元事業場」及び「派遣先事業場」双方の労働者の数に含まれます。
問題文のように、派遣元事業者は、派遣労働者を含めて常時使用する労働者数を算出し、それにより算定した事業場の規模等に応じて選任・設置しなければなりません。
④【H19年出題】 ×
派遣中の労働者に関しての総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者及び産業医の選任の義務並びに衛生委員会の設置の義務は、「派遣先事業者のみ」ではなく、「派遣元事業者」と「派遣先事業者」の双方に課せられています。
ポイント!
「総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者、産業医」の選任・「衛生委員会」の設置の義務は、「派遣元」「派遣先」の双方に課せられます。
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R5-236
まず、原則の法定労働時間の条文を読んでみましょう。
第32条 (労働時間) ① 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。 ② 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。 |
★法第32条第1項で1週間の法定労働時間を規定し、同条第2項で1日の法定労働時間を規定しています。
労働時間の規制は1週間単位の規制を基本として1週間の労働時間を短縮し、1日の労働時間は1週間の労働時間を各日に割り振る場合の上限とする考え方です。
(昭63.1.1基発第1号)
「1週間」と「1日」の考え方をみていきましょう。
さっそく過去問をどうぞ!
①【R1年出題】
労働基準法第32条第2項にいう「1日」とは午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいい、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とする。
②【H30年出題】
労働基準法第32条第1項は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」と定めているが、ここにいう1週間は、例えば、日曜から土曜までと限定されたものではなく、何曜から始まる1週間とするかについては、就業規則等で別に定めることが認められている。
【解答】
①【R1年出題】 〇
「1日」とは午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいいます。
日をまたがって継続勤務した場合は、暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱われます。当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とします。
例えば、4月20日(木)、21日(金)のどちらも労働日で、始業時刻が9時の場合で考え