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社会保険労務士合格研究室

国民年金法「振替加算の練習その3」

R7-274 05.29

<振替加算第3回目>振替加算が行われないとき、振替加算の支給が停止されるとき

振替加算の基本はこちらの動画<音声が出ますのでご注意ください>をご覧ください。

 

4回に分けて振替加算の問題をみていきます。

1回目 振替加算が加算される要件

2回目 振替加算の額・振替加算のみの老齢基礎年金

3回目 振替加算が行われないとき、振替加算の支給が停止されるとき

4回目 老齢基礎年金を繰上げたとき、繰り下げたとき

 

今回は第3回目です。   

 

<振替加算が行われないとき>

条文を読んでみましょう。

60法附則第14条第1

 老齢基礎年金の額は、受給権者が、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65に達した日において、要件に該当するその者の配偶者によって生計を維持していたとき(当該65歳に達した日の前日において当該配偶者がその受給権を有する次の各号に掲げる年金たる給付の加給年金額の計算の基礎となっていた場合に限る)は、224,700円に改定率を乗じて得た額にその者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額を加算した額とする

ただし、その者が老齢厚生年金、退職共済年金その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるもの受けることができるときは、この限りでない

 

※政令で定めるものは、老齢厚生年金又は退職共済年金で、その額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が原則240以上のものです。

(昭61年経過措置令第25条)

 

 

<振替加算が支給停止されるとき>

60年法附則第16条 

 振替加算が加算された老齢基礎年金は、その受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間、振替加算に相当する部分の支給を停止する。

 

 

過去問をどうぞ!

①【H30年出題】

 老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されない。

 

 

 

 

【解答】

①【H30年出題】 〇

 老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金(その額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上であるものとする。)を受けることができるときは、当該老齢基礎年金に振替加算は加算されません。

 単なる老齢厚生年金ではなく、厚生年金保険の被保険者期間の月数が240以上で計算される老齢厚生年金であることに注意して下さい。

 

 

 

 

②【H27年出題】

67歳の夫(昭和2342日生まれ)と66歳の妻(昭和2442日生まれ)が離婚をし、妻が、厚生年金保険法第78条の2の規定によるいわゆる合意分割の請求を行ったことにより、離婚時みなし被保険者期間を含む厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上となった場合、妻の老齢基礎年金に加算されていた振替加算は行われなくなる。

 

 

 

 

【解答】

②【H27年出題】 〇

 合意分割の結果、離婚時みなし被保険者期間を含めて厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上となる老齢厚生年金を受けることになった場合、妻の老齢基礎年金に加算されていた振替加算は行われなくなります。

 

 

 

③【R3年出題】

41歳から60歳までの19年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有している70歳の妻(昭和2632日生まれ)は、老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給中である。妻には、22歳から65歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有している夫(昭和3142日生まれ)がいる。当該夫が65歳になり、老齢厚生年金の受給権が発生した時点において、妻の年間収入が850万円未満であり、かつ、夫と生計を同じくしていた場合は、当該妻に振替加算が行われる。

 

 

 

 

【解答】

③【R3年出題】 ×

 「中高齢の期間短縮特例」により、昭和2642日生まれの女性は、35歳以後の厚生年保険の被保険者期間(第1号厚生年金被保険者期間に限る)が19年ある場合は、「厚生年金保険の被保険者期間が20年以上」あるとみなされます。

 問題文の妻は、中高齢の期間短縮特例を満たしているため、妻の老齢基礎年金に振替加算は行われません。

 

 

 

④【H30年出題】

 振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。

 

 

 

 

【解答】

④【H30年出題】 〇

 障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算は支給が停止されます。

 

 

 

⑤【H21年出題】

 振替加算が加算された老齢基礎年金を受給している者であって、その者が障害基礎年金等の障害を事由とする年金給付を受給できるとき(当該障害基礎年金は支給停止されていない。)は、その間当該加算に相当する額が支給停止される。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H21年出題】 〇

 障害基礎年金等の障害を事由とする年金給付を受給できるとき(当該障害基礎年金は支給停止されていない。)は、その間振替加算が支給停止されます。

 

 

 

⑥【H21年出題】

 振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金の受給権を有するときに、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合においても、振替加算に相当する部分の支給は停止される。

 

 

 

 

【解答】

⑥【H21年出題】 ×

障害基礎年金の受給権を有していても、当該障害基礎年金の全額につき支給が停止されている場合は、振替加算に相当する部分の支給は停止されません。

 

 

 

⑦【R3年出題】

 振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算された額に相当する部分の支給が停止される。

 

 

 

 

【解答】

⑦【R3年出題】 ×

 振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、遺族厚生年金の支給を受けることができるときでも、振替加算の支給は停止されません

 

 

 

⑧【H21年出題】

 振替加算が行われている老齢基礎年金の受給権者が、配偶者である老齢厚生年金の受給権者と離婚したことを事由として、振替加算は支給停止とはならない。

 

 

 

 

【解答】

⑧【H21年出題】 〇

 配偶者である老齢厚生年金の受給権者と離婚しても、離婚したことを理由とする振替加算の支給停止はありません。

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