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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働に関する一般常識

R6-164 

R6.2.7 労働契約法の「懲戒」

過去問から学びましょう。

今日は労働契約法です。

 

「懲戒」について条文を読んでみましょう。

15条 (懲戒)

 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

 

 

さっそく過去問をどうぞ!

①【H24年出題】

 使用者が労働者を懲戒することができる場合においても、当該懲戒が、その権利を濫用したものとして、無効とされることがある。

 

 

②【R1年出題】

 労働契約法第15条の「懲戒」とは、労働基準法第89条第9号の「制裁」と同義であり、同条により、当該事業場に懲戒の定めがある場合には、その種類及び程度について就業規則に記載することが義務付けられている。

 

 

③【H30年出題】

 「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことをもって足り、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていない場合でも、労働基準法に定める罰則の対象となるのは格別、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずることに変わりはない。」とするのが、最高裁判所の判例である。

 

 

④【H26年出題】

 「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」とするのが、最高裁判所の判例である。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H24年出題】 〇 

 使用者が労働者を懲戒することができる場合でも、その懲戒が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には権利を濫用したとして無効とされます。

 権利濫用であるか否かを判断するに当たっては、労働者の行為の性質及び態様その他の事情が考慮されることを規定したものです。

(H24.8.10基発08102)

 

 

②【R1年出題】 〇 

 法第15条の「懲戒」とは、労働基準法第89条第9号の「制裁」と同義です。

 労働基準法第89条第9号によると、「表彰及び制裁」については、定めをする場合はその種類及び程度に関する事項を就業規則に記載しなければならない相対的必要記載事項です。

(H24.8.10基発08102)

 

 

③【H30年出題】 × 

 最高裁判所の判例のポイントは、次の2点です。

1 使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくこと

2 就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには,その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていること

 

周知させる手続が採られていない場合は、拘束力は生じません。

H15.10.10最高裁判所第二小法廷 フジ興産事件)

 

 

④【H26年出題】 〇 

 使用者が労働者を懲戒するためには、「あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくこと」が必要です。

H15.10.10最高裁判所第二小法廷 フジ興産事件)

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