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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働保険徴収法

R6-170 

R6.2.13 継続事業の一括のポイント!

過去問から学びましょう。

今日は労働保険徴収法です。

 

 

★「継続事業の一括」のイメージは?

 例えば、株式会社A銀行には、東京本社、北海道支店、大阪支店、福岡支店があります。 

 労働保険徴収法は、それぞれで適用されるのが原則です。

 ただし、厚生労働大臣の認可を受けた場合は、保険関係を指定事業に一括することができます。

 例えば、本社で支店の給料計算もまとめて行っている場合に、本社を指定事業として、支店の分も一括して労働保険料の申告手続きができるようになります。

 

 条文を読んでみましょう。

9条 (継続事業の一括)

事業主が同一人である2以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該2以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る2以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【R5年出題】(労災)

 事業主が同一人である2以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、労働保険徴収法施行規則第10条で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該2以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることを継続事業の一括という。

 

 

②【R5年出題】(労災)

 継続事業の一括に当たって、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業と、一元適用事業であって労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立している事業とは、一括できない。

 

 

③【R5年出題】(労災)

 継続事業の一括に当たって、雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業については、それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくしている必要はない。

 

 

④【H30年出題】(労災)

 継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、都道府県労働局長が指定する一の事業(「指定事業」という。)以外の事業にかかる保険関係は、消滅する。

 

 

⑤【H30年出題】(労災)

 継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、被一括事業の労働者に係る労災保険給付(二次健康診断等給付を除く。)の事務や雇用保険の被保険者資格の確認の事務等は、その労働者の所属する被一括事業の所在地を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長がそれぞれの事務所掌に応じて行う。

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【R5年出題】(労災) 〇 

ポイント!

 「継続事業の一括」は、当然に行われるのではなく「厚生労働大臣の認可」が必要です。

(第9条)

 なお、継続事業の一括に係る厚生労働大臣の認可の権限は、都道府県労働局長に委任されています。(則第76条)

 

 

 

②【R5年出題】(労災) 〇 

 継続事業の一括の要件として、以下の要件があります。

■それぞれの事業が、次の①から③までのいずれか一のみに該当するものであること。

①労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業

②雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業

③一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しているもの

 

 問題文は、①労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業と、③一元適用事業であって労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立している事業ですので、一括されません。

(則第10条第1項第1号)

 

 

③【R5年出題】(労災) × 

 継続事業の一括の要件として、「それぞれの事業が、労災保険率表による事業の種類を同じくすること」があります。

 雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業についても、それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくしている必要があります。

(則第10条第1項第2号)

 

 

④【H30年出題】(労災) 〇 

 継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、保険関係は、指定事業に一括され、すべての労働者は、指定事業に使用される労働者とみなされます。

 そのため、指定事業以外の事業にかかる保険関係は、消滅します。

 指定事業以外の事業は、保険関係の消滅により、労働保険料の確定精算の手続が必要になります。

(第9条)

 

 

⑤【H30年出題】(労災) 〇

 継続事業の一括が行われ保険関係が一括されても、労災保険給付の事務や雇用保険の被保険者資格の確認の事務等は一括されません。

 労災保険給付(二次健康診断等給付を除く。)の事務や雇用保険の被保険者資格の確認の事務等は、それぞれの事業の所在地を管轄する労働基準監督署長又は公共職業安定所長が行います。 

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