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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労災保険法

R6-238 4.21

社労士受験のための 業務災害の認定の具体例

過去問から学びましょう。

今日は労災保険法です。

 

「業務災害」とは、「労働者の業務上負傷、疾病、障害又は死亡」のことです。

 業務上と認められるには、

業務遂行性が認められること(労働者が労働関係にあること)

  ↓

業務起因性が成立していること(業務と傷病との間に因果関係があること)

が必要です。

 

 

「業務上」と認められるか否かの具体例をみていきます。

 

では、過去問をどうぞ!

①【H28年出題】

 道路清掃工事の日雇い労働者が、正午からの休憩時間中に同僚と作業場内の道路に面した柵にもたれて休憩していたところ、道路を走っていた乗用車が運転操作を誤って柵に激突した時に逃げ遅れ、柵と自動車に挟まれて胸骨を骨折した場合、業務上の負傷と認められる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【H28年出題】  〇

★ポイント! 休憩時間中の災害について

 休憩時間中の災害が、私的行為によって発生した場合は、業務起因性は認められませんので、業務災害になりません。

 しかし、就業中なら業務行為に含まれてるような行為(例えば、トイレなどの生理的行為など)は、事業主の支配下で「業務に付随する行為」として取り扱われます。

 問題文の場合は、道路が作業場で、しかも、常に自動車などによる交通危険にさらされている場所で休憩せざるを得なかった事情にありました。このような事情のため生じた負傷は、業務上の負傷となります。

(昭25.6.8基災収1252号)

 

 

②【H26年出題】

 明日午前8時から午後1時までの間に、下請業者の実施する隣町での作業を指導監督するよう出張命令を受け、翌日、午前7時すぎ、自転車で自宅を出発し、列車に乗車すべく進行中、踏切で列車に衝突し死亡したが、同人が乗車しようとしていた列車が通常の通勤の場合にも利用していたものである場合は、通勤災害とされている。

 

 

 

 

 

【解答】

②【H26年出題】  ×

★ポイント! 出張中の災害について

 出張中は、全般的に業務遂行性があり、その間の災害には業務起因性が認められ、一般的に業務上と認められます。ただし、積極的な私的行為や恣意的行為で自ら災害を発生させた場合などは業務上と認められません。

 出張については、自宅を出てから自宅に帰るまでが出張途上にあると考えられます。問題文のように、出張の順路の一部が、通常の通勤経路と重複していたとしても、出張業務遂行中とみられます。

「通勤災害」ではなく、「業務災害」となります。

(昭34.7.15基収第2980号)

 

 

 

③【H27年出題】

 会社の休日に行われている社内の親睦野球大会で労働者が転倒し負傷した場合、参加が推奨されているが任意であるときには、業務上の負傷に該当しない。 

 

 

 

 

 

【解答】

③【H27年出題】 〇

★ポイント! 運動会、宴会などの行事に参加中の災害について

全職員について参加が命じられ、これに参加すると出勤扱いとされるような会社主催の行事に参加する場合等は業務となります。

 参加が推奨されているが任意である社内の親睦野球大会での負傷は、業務上の負傷に該当しません。

(平成18.3.31基発第0331042)

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