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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労働保険徴収法

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保険関係の消滅と確定保険料申告書【社労士受験対策】

過去問から学びましょう。

今日は労働保険徴収法です。

 

 労働保険の保険関係の消滅について条文を読んでみましょう。

5条 (保険関係の消滅)

 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する

 

 事業が廃止又は終了した場合は、その日の翌日に、保険関係は当然に消滅します。

 なお、廃止は「継続事業」、終了は「有期事業」に用いられます。

 

19条第1項、2(確定保険料申告書)

① 事業主は、保険年度ごとに、確定保険料申告書を、次の保険年度の6月1日から 40日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日から50日以内)に提出しなければならない。

② 有期事業については、その事業主は、確定保険料申告書を、保険関係が消滅した日から50日以内に提出しなければならない。

保険関係が消滅した場合は確定保険料申告書を提出し、労働保険料の精算を行います。

<確定保険料申告書提出期限>

★継続事業、一括有期事業の場合

通常 (保険年度ごとに精算します)

→ 次の保険年度の6月1日から40日以内

保険年度の中途に保険関係が消滅した場合

→ 保険関係が消滅した日から50日以内

★有期事業の場合

→ 保険関係が消滅した日から50日以内

 ちなみに、「保険年度の61日」も「消滅した日」も午前0時から始まりますので、どちらも当日起算です。

 

・継続事業、一括有期事業が保険年度の中途に保険関係が消滅した場合

4月1日                              3月31日

 

      廃止

消滅

 

 

 

消滅した日から50日以内

 

 

・有期事業の保険関係が消滅した場合

開始

 

      終了

消滅

                           消滅した日から50日以内

 

 

では、過去問をどうぞ!

①【H29年出題】(労災)

 労働保険の保険関係が成立している事業の事業主は、当該事業を廃止したときは、当該事業に係る保険関係廃止届を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出しなければならず、この保険関係廃止届が受理された日の翌日に、当該事業に係る労働保険の保険関係が消滅する。

 

 

 

 

 

 

【解答】

①【H29年出題】(労災) ×

 事業が廃止された場合は、廃止の日の翌日に、自動的に保険関係は消滅します。

「保険関係廃止届」なるものはありませんし、届出によって消滅するものでもありません。

(第5条)

 

 

②【R3年出題】(労災)

 労災保険に係る保険関係の消滅を申請しようとする労災保険暫定任意適用事業の事業主は、保険関係消滅申請書を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出し、厚生労働大臣の認可があった日の翌日に、当該事業についての保険関係が消滅する。

 

 

 

 

 

【解答】

②【R3年出題】(労災) 〇

 暫定任意適用事業も適用事業と同じく、事業が廃止された場合は、廃止の日の翌日に、自動的に保険関係は消滅します。

 ただし、暫定任意適用事業は、厚生労働大臣の認可を受けて保険関係を消滅させることもできます。その場合は、厚生労働大臣の認可があった日の翌日に、保険関係が消滅します。

(整備法第8条第1項)

 

 

③【R5年出題】(雇用)

 小売業を継続して営んできた事業主が令和41031日限りで事業を廃止した場合、確定保険料申告書を同年1210日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官あてに提出しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

③【R5年出題】(雇用) ×

 継続事業の保険関係が保険年度の中途に消滅した場合は、保険関係が消滅した日から50日以内に、確定保険料申告書を提出しなければなりません。

 令和41031日に事業を廃止した場合、保険関係の消滅は同年111日です。

 確定保険料申告書の提出期限は、111日から起算して50日以内ですので、「12月20日」までとなります。

(第19条第1項)

 

 

④【H26年出題】(雇用)

 継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主は、納付した概算保険料の額が法所定の計算により確定した額に足りないときは、その不足額を、確定保険料申告書提出期限の翌日から40日以内に納付しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

④【H26年出題】(雇用) ×

 第19条第3項で以下のように定められています。 

 事業主は、納付した概算保険料の額が法所定の計算により確定した額に足りないときはその不足額を、確定保険料申告書に添えて、有期事業以外の事業にあっては次の保険年度の6月1日から40日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日から50日以内)に、有期事業にあっては保険関係が消滅した日から50日以内に納付しなければならない。

 

 問題文の場合は、不足額は、確定保険料申告書に添えて、納付しなければなりません。期限は、次の保険年度の6月1日から40日以内(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日から50日以内)です。

(第19条第3項)

 

 

⑤【H26年出題】(雇用)

 請負金額50億円、事業期間5年の建設事業について成立した保険関係に係る確定保険料の申告書は、事業が終了するまでの間、保険年度ごとに、毎年、710日までに提出しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

⑤【H26年出題】(雇用) ×

 有期事業は事業が終了した日の翌日に保険関係が消滅します。

 有期事業は、保険年度ごとではなく、事業が開始したときに概算保険料を申告・納付し、事業が終了したときに確定精算を行います。

 有期事業の確定保険料の申告書は、保険関係が消滅した日から50日以内に提出しなければなりません。

(第19条第2項)

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