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社会保険労務士合格研究室

過去問から学ぶ 労災保険法

R6-271 5.24

通勤に該当する例・該当しない例【社労士受験対策】

過去問から学びましょう。

今日は労災保険法です。

 

 

まず、「通勤」の定義を条文で読んでみましょう。

7条第2

 通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

1) 住居と就業の場所との間の往復

2) 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動

3) (1)に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

 

★「就業に関し」について

 「就業に関し」とは、移動行為が業務に就くため又は業務を終えたことにより行われるものであることを必要とする趣旨を示しています。つまり、通勤と認められるには、移動行為が業務と密接な関連をもって行われることを要します。

★「合理的な経路及び方法」について

 「合理的な経路及び方法」とは、移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び手段等をいいます。

★「業務の性質を有するもの」について

 「業務の性質を有するもの」とは、移動による災害が業務災害と解されるものをいいます。

(18.3.31基発第0331042)

 

では、過去問をどうぞ!

①【H24年出題】

 寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合は、通勤に該当することはない。

 

 

 

 

 

【解答】 

①【H24年出題】 ×

 所定の就業日に所定の就業開始時刻を目途に住居を出て就業の場所へ向う場合は、寝すごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても就業との関連性があるとされています。

 寝過ごしにより就業場所に遅刻した場合でも、通勤に該当することはあります。

(18.3.31基発第0331042)

 

 

②【H24年出題】

 運動部の練習に参加する目的で、午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合も、通勤に該当する。

 

 

 

 

【解答】

②【H24年出題】 ×

 運動部の練習に参加する等の目的で、例えば、

① 午後の遅番の出勤者であるにもかかわらず、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合

② 第2の就業場所にその所定の就業開始時刻と著しくかけ離れた時刻に出勤する場合

には、当該行為は、むしろ当該業務以外の目的のために行われるものと考えられるので、就業との関連性はないと認められます。そのため、通勤に該当しません。

(18.3.31基発第0331042)

 

 

③【H24年出題】

 日々雇用される労働者が公共職業安定所等でその日の職業紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、通勤に該当しない。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H24年出題】 〇

 日々雇用される労働者について、公共職業安定所等でその日の紹介を受けるために住居から公共職業安定所等まで行く行為は、未だ就職できるかどうか確実でない段階であり、職業紹介を受けるための行為であって、就業のための出勤行為であるとはいえないとされています。

 

ちなみに、日々雇用される労働者について

・継続して同一の事業に就業している場合は、就業することが確実であり、その際の出勤は、就業との関連性が認められます。

・公共職業安定所等でその日の紹介を受けた後に、紹介先へ向う場合で、その事業で就業することが見込まれるときも、就業との関連性を認めることができます。

(18.3.31基発第0331042)

 

④【H24年出題】

 昼休みに自宅まで時間的に十分余裕をもって往復できる労働者が、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤する往復行為は、通勤に該当しない。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H24年出題】 ×

 通勤は1日について1回のみしか認められないものではありませんので、昼休み等就業の時間の間に相当の間隔があって帰宅するような場合には、昼休みについていえば、午前中の業務を終了して帰り、午後の業務に就くために出勤するものと考えられますので、その往復行為は就業との関連性を認められ、通勤に該当します。

(18.3.31基発第0331042)

 

 

⑤【H24年出題】

 業務の終了後、事業場施設内で、サークル活動をした後に帰宅する場合は、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除いても、通勤に該当することはない。

 

 

 

 

 

【解答】

⑤【H24年出題】 ×

 業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めても差し支えないとされています。

 問題文の場合は通勤に該当することもあります。

(18.3.31基発第0331042)

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