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社会保険労務士合格研究室

労働安全衛生法(総括安全衛生管理者)

R7-160 02.04

総括安全衛生管理者の選任

「総括安全衛生管理者」は、事業場ごとに選任します。(企業単位ではありません。)

 工場長などその事業場の労働者のトップが充てられます。

 

条文を読んでみましょう。

第10条 (総括安全衛生管理者)

① 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は救護の措置の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない

(1) 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

(2) 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。

(3) 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。

(4) 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

② 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。

③ 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる

 

★総括安全衛生管理者を選任すべき事業場

林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業

常時100以上

製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業

 

常時300以上

その他の業種

常時1000以上

 

 

過去問をどうぞ!

①【R3年出題】

 総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令で定める業種の事業場の企業全体における労働者数を基準として、企業全体の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられている。

 

 

 

 

【解答】

①【R3年出題】 ×

 労働安全衛生法は、「事業場単位」で、その業種、規模等に応じて、安全衛生管理体制、工事計画の届出等の規定を適用することにしています。

 事業場の適用単位の考え方は、労働基準法の考え方と同じで、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的に行なわれる作業の一体をいいます。(昭47.9.18発基第91)

 そのため、総括安全衛生管理者は、企業全体における労働者数ではなく、「事業場」の労働者数を基準として、「事業場単位」の安全衛生管理を統括管理するために、その選任が義務づけられています。

 

 

②【H19年出題】

 総括安全衛生管理者は、厚生労働大臣の定める研修を修了した者のうちから選任しなければならない。

 

 

 

 

【解答】

②【H19年出題】 ×

 総括安全衛生管理者は、「当該事業場においてその事業の実施を「統括管理」(※総括管理ではありません)する者をもって充てなければならない」とされています。

 厚生労働大臣の定める研修の修了は要件ではありません。

 なお、「事業の実施を統括管理する者」とは、工場長、作業所長等名称の如何を問わず、当該事業場における事業の実施について実質的に統括管理する権限および責任を有する者をいいます。

(47.9.18基発第602)

 

 

③【H24年出題 】

 常時120人の労働者を使用する清掃業の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があるが、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合であっても、その者を総括安全衛生管理者に選任し、当該事業場の労働災害を防止するため必要な業務を統括管理させることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H24年出題 】 〇

・常時120人の労働者を使用する清掃業の事業者は、総括安全衛生管理者を選任する義務があります。

・当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者であれば、他に資格等を有していない場合でも、その者を総括安全衛生管理者に選任することができます。

 

 

④【H26年出題】

 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

④【H26年出題】 ×

 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、「総括安全衛生管理者の解任を命ずることができる」ではなく、「総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる」です。

 

 

⑤【H28年選択式】

 労働安全衛生法第10条第2項において、「総括安全衛生管理者は、< A >をもって充てなければならない。」とされている。

<選択肢>

① 当該事業場において選任が義務づけられている安全管理者及び衛生管理者の資格を有する者

② 当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者

③ 当該事業において、3年以上安全衛生管理の実務に従事した経験を有する者

④ 当該事業場における安全衛生委員会委員の互選により選任された者

 

 

 

 

 

【解答】

A> ② 当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者

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