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R7-246 05.01
労働者の過半数を代表する者とは、当該事業場のすべての労働者の過半数を超える者によって代表者とされた者です。
「労使協定」などの際に登場します。
例えば、第36条の条文を読んでみましょう。
第36条第1項 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間又は第35条の休日に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。 |
「労働者の過半数で組織する労働組合」がない場合は、「労働者の過半数を代表する者」が協定当事者となります。
「労働者の過半数で組織する労働組合」がない場合とは、「そもそも労働組合がない」又は「労働組合があっても当該事業場の労働者の過半数で組織されていない」場合です。
では、過半数代表者の条件について条文を読んでみましょう。
則第6条の2 ① 労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)は、次の各号のいずれにも該当する者とする。 (1) 法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。 (2) 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。 ③ 使用者は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。 ④ 使用者は、過半数代表者が法に規定する協定等に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならない。 |
では過去問をどうぞ!
①【H22年出題】
労働基準法第36条第1項等に定める労働基準法上の労使協定を締結する労働者側の当事者は、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者とされており、労働者の過半数を代表する者の選出は、必ず投票券等の書面を用いた労働者による投票によって行わなければならない。
【解答】
①【H22年出題】 ×
「必ず投票券等の書面を用いた労働者による投票によって行わなければならない」が誤りです。
「投票、挙手等の方法による手続」としては、労働者の話合い、持ち回り決議等労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続が該当します。
(平11.3.31基発169号)
②【R5年出題】
いかなる事業場であれ、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないこと、という要件さえ満たせば、労働基準法第24条第1項ただし書に規定する当該事業場の「労働者の過半数を代表する者」に該当する。
【解答】
②【R5年出題】 ×
「法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと」という要件も満たさなければなりません。
③【H25年出題】
労働組合のない事業場において、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」を選出するときの当該事業場の労働者の算定に当たっては、当該事業場で雇用されて働いているパート、アルバイトは含まれるが、当該事業場に派遣されて現に指揮命令を受けて働いている派遣労働者は含めない。
【解答】
③【H25年出題】 〇
労働基準法第36条の協定は、当該事業において法律上又は事実上時間外労働又は休日労働の対象となる労働者の過半数の意思を問うためのものではなく、当該事業場に使用されているすべての労働者の過半数の意思を問うためのものです。
そのため、労働者の算定に当たっては、当該事業場で雇用されて働いているパート、アルバイトも含まれます。
なお、派遣労働者は、「派遣元」の人数に含まれます。
(平11.3.31基発168号)
④【H13年出題】
労働者の過半数で組織する労働組合がない事業場において36協定を締結する場合、労働者側の締結当事者たる「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、そもそも労働時間の規定の適用がない労働基準法第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者は含まれない。
【解答】
④【H13年出題】 ×
「第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者」も労働基準法の「労働者」です。そのため、「労働者の過半数を代表する者」の「労働者」の範囲には、第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者も含まれます。
なお、「第41条第2号に該当する監督又は管理の地位にある者」は、「労働者の過半数を代表する者」にはなれません。
⑤【H23年出題】
労働基準法第36条に定めるいわゆる36協定を締結した労働者側の当事者が労働者の過半数を代表する者ではなかったとしても、当該協定を行政官庁に届け出て行政官庁がこれを受理した場合には、当該協定は有効であり、労働者は使用者の時間外労働命令に従う義務を負うとするのが最高裁判所の判例である。
【解答】
⑤【H23年出題】 ×
いわゆる36協定を締結した労働者側の当事者が労働者の過半数を代表する者でない場合は、当該協定は有効とは認められないとするのが最高裁判所の判例です。その場合、労働者は使用者の時間外労働命令に従う義務はありません。
(最高裁平成13年6月22日第二小法廷判決)
⑥【H19年出題】
使用者は、労働者が労働基準法第36条第1項等に規定する労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
【解答】
⑥【H19年出題】 〇
過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、解雇、賃金の減額、降格等労働条件について不利益取扱いをしないようにしなければならないこととしたものです。
「過半数代表者として正当な行為」には、法に基づく労使協定の締結の拒否、1年単位の変形労働時間制の労働日ごとの労働時間についての不同意等も含まれます。
(平11.1.29基発45号)
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