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R7-252 05.07
労働保険事務組合は、事業主の委託を受けて、労働保険料の申告・納付などの労働保険事務を処理します。
今回は、「労働保険事務組合に対する通知」、「労働保険事務組合の責任」、「帳簿の備付け」をみていきます。
条文を読んでみましょう。
第34条 (労働保険事務組合に対する通知等) 政府は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき労働保険関係法令の規定による労働保険料の納入の告知その他の通知及び還付金の還付については、これを労働保険事務組合に対してすることができる。この場合において、労働保険事務組合に対してした労働保険料の納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、当該事業主に対してしたものとみなす。
第35条 (労働保険事務組合の責任等) ① 委託に基づき、事業主が労働保険関係法令の規定による労働保険料その他の徴収金の納付のため、金銭を労働保険事務組合に交付したときは、その金額の限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとする。 ② 労働保険関係法令の規定により政府が追徴金又は延滞金を徴収する場合において、その徴収について労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとする。 ③ 政府は、前2項の規定により労働保険事務組合が納付すべき徴収金については、当該労働保険事務組合に対して滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を当該事業主から徴収することができる。 ④ 労働保険事務組合は、労災保険法第12条の3第2項の規定(不正受給者からの費用徴収)及び雇用保険法第10条の4第2項(不正受給者に対する返還命令等)の規定の適用については、事業主とみなす。
第36条 (帳簿の備付け) 労働保険事務組合は、厚生労働省令で定めるところにより、その処理する労働保険事務に関する事項を記載した帳簿を事務所に備えておかなければならない。 則第68条 労働保険事務組合が備えておかなければならない帳簿は、次のとおりとする。 (1)労働保険事務等処理委託事業主名簿 (2)労働保険料等徴収及び納付簿 (3)雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿 |
過去問をどうぞ!
①【H25年出題】(雇用)
公共職業安定所長が雇用保険法第9条第1項の規定による労働者が被保険者となったこと又は被保険者でなくなったことの確認をしたときの、委託事業主に対してする通知が、労働保険事務組合に対してなされたときは、当該通知は当該委託事業主に対してなされたものとみなされる。
【解答】
①【H25年出題】(雇用) 〇
委託事業主に対してする通知が、労働保険事務組合に対してなされたときは、法律上当然に、通知の効果が委託事業主に及ぶことになります。
政 府
|
→ 通知等 |
労働保険 事務組合 |
→ 通知の効果が 当然に及ぶ |
委託事業主 |
②【H25年出題】(雇用)
労働保険徴収法第19条第4項の規定により委託事業主に対してする認定決定の通知が労働保険事務組合に対してなされた場合、その通知の効果については、当該労働保険事務組合と当該委託事業主との間の委託契約の内容によっては当該委託事業主に及ばないことがある。
【解答】
②【H25年出題】(雇用) ×
労働保険事務組合に対してなされた通知等は、法律上当然に、その通知等の効果が委託事業主に及びます。
労働保険事務組合と委託事業主との間の委託契約の内容には関係ありません。
③【H25年出題】(雇用)
労働保険料の納付義務者である委託事業主に係る督促状を労働保険事務組合が受けたが、当該労働保険事務組合が当該委託事業主に対して督促があった旨の通知をしないため、当該委託事業主が督促状の指定期限までに納付できず、延滞金を徴収される場合、当該委託事業主のみが延滞金の納付の責任を負う。
【解答】
③【H25年出題】(雇用) ×
第35条第2項で、「その徴収について労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずる」とされています。
問題文の場合は、労働保険事務組合が、延滞金の納付の責任を負います。
④【H29年出題】(雇用)
委託事業主が労働保険料その他の徴収金の納付のため金銭を労働保険事務組合に交付したときは、当該委託事業主は当該徴収金を納付したものとみなされるので、当該労働保険事務組合が交付を受けた当該徴収金について滞納があり滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合においても、当該委託事業主は、当該徴収金に係る残余の額を徴収されることはない。
【解答】
④【H29年出題】(雇用) ×
委託事業主が労働保険料その他の徴収金の納付のため金銭を労働保険事務組合に交付したときは、「当該委託事業主は当該徴収金を納付したものとみなされる」ではなく、「その金額の限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずる」ものとなります。
労働保険事務組合が交付を受けた当該徴収金について滞納があり滞納処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合は、「その残余の額を当該事業主から徴収することができる」とされています。
金銭を労働保険事務組合に交付したとしても、事業主は、全責任を免れるわけではありません。
⑤【R5年出題】(労災)
労働保険事務組合事務処理規約に規定する期限までに、確定保険料申告書を作成するための事実を事業主が報告したにもかかわらず、労働保険事務組合が労働保険徴収法の定める申告期限までに確定保険料申告書を提出しなかったため、所轄都道府県労働局歳入徴収官が確定保険料の額を認定決定し、追徴金を徴収することとした場合、当該事業主が当該追徴金を納付するための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったときは、当該労働保険事務組合は政府に対して当該追徴金の納付責任を負うことはない。
【解答】
⑤【R5年出題】(労災) ×
第35条第2項で、「その徴収について労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずる」とされています。
問題文の場合は、労働保険事務組合は政府に対して追徴金の納付責任を負います。
⑥【R3年出題】(雇用)
労働保険事務組合は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労働保険事務の処理の委託をしている事業主ごとに雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿を事務所に備えておかなければならない。
【解答】
⑥【R3年出題】(雇用) 〇
労働保険事務組合が備えなければならない帳簿をおぼえましょう。
(1)労働保険事務等処理委託事業主名簿
(2)労働保険料等徴収及び納付簿
(3)雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿
⑦【H28年出題】(雇用)
事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則の規定による書類を、その完結の日から3年間(雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿にあっては、4年間)保存しなければならない。
【解答】
⑦【H28年出題】(雇用) 〇
労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則の規定による書類は、その完結の日から3年間保存しなければなりません。ただし、「雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿」は4年間です。
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