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社会保険労務士合格研究室

 国民年金法「第3号被保険者届出その2」

R7-254 05.09

3号被保険者の届出が遅れた場合の特例

 「第3号被保険者」の制度は、昭和614月の新法施行時に創設されました。

 当初は、第3号被保険者に該当したときは、本人が市町村に直接届出をしなければならなかったので、届出もれが多くみられました。

 平成144月からは、第2号被保険者が雇用される会社等を通じて、届出を行うようになっています。

 今回は、届け出漏れがあった人を救済するための特例をみていきます。

 

「平成1741日前」と「平成1741日以後」の違いに注意してください。

 

条文を読んでみましょう。

★平成1741日前

平成16年法附則第21

① 第3号被保険者又は第3号被保険者であった者は、平成17年4月1日前のその者の第3号被保険者としての国民年金の被保険者期間のうち、保険料納付済期間に算入されない期間について、厚生労働大臣に届出をすることができる

② 届出が行われたときは、届出が行われた日以後、届出に係る期間は保険料納付済期間に算入する

 

・「第3号被保険者」に該当していたが、届出をしていなかった場合、2年前以前の期間は、「未納期間」と同じ扱いになります。

 ↓

・厚生労働大臣に届出をすると、届出を行った日以後、その期間は「保険料納付済期間」として算入されます。

 

ポイント!

 「届出」が遅滞したことの理由は問われません。

 

★平成1741日以後

法附則第7条の3

 第3号被保険者となったことに関する届出又は第3号被保険者の配偶者が厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した後引き続き厚生年金保険の被保険者となったことに関する届出が行われた日の属する月前の当該届出に係る第3号被保険者としての被保険者期間(当該届出が行われた日の属する月の前々月までの2年間のうちにあるものを除く)は、保険料納付済期間に算入しない。

② 第3号被保険者又は第3号被保険者であつた者は、その者の第3号被保険者としての被保険者期間のうち、①の規定により保険料納付済期間に算入されない期間について、届出を遅滞したことについてやむを得ない事由があると認められるときは、厚生労働大臣にその旨の届出をすることができる。

③ ②の規定により届出が行われたときは、当該届出が行われた日以後、当該届出に係る期間は保険料納付済期間に算入する

 

・第3号被保険者に該当したことの届出が遅れた

・届出が行われた日の属する月の前々月までの2年間は保険料納付済期間に算入される

・それ以外は、保険料納付済期間に算入されない

・保険料納付済期間に算入されない期間について、届出を遅滞したことについてやむを得ない事由がある

・厚生労働大臣にその旨を届け出る

・届出が行われた日以後、保険料納付済期間に算入される

ポイント!

 届出の遅滞につき「やむを得ない」事由があること

 

 

過去問をどうぞ!

①【R4年出題】

 第3号被保険者の資格取得の届出を遅れて行ったときは、第3号被保険者の資格を満たしていたと認められた場合は該当した日にさかのぼって第3号被保険者の資格を取得することになるが、この場合において、保険料納付済期間に算入される期間は当該届出を行った日の属する月の前々月までの2年間である。ただし、届出の遅滞につきやむを得ない事由があると認められるときは、厚生労働大臣にその旨の届出をすることができ、その場合は当該届出が行われた日以後、当該届出に係る期間は保険料納付済期間に算入する。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R4年出題】

ポイントを箇条書きで確認します。

・第3号被保険者の資格取得の届出を遅れて行ったとき

・第3号被保険者の資格を満たしていたと認められた場合は該当した日にさかのぼって第3号被保険者の資格を取得する

・ただし、保険料納付済期間に算入される期間は当該届出を行った日の属する月の前々月までの2年間

・保険料納付済期間に算入されない期間について、届出の遅滞につきやむを得ない事由がある

・厚生労働大臣にその旨の届出をすることができる

・その場合、届出が行われた日以後、当該届出に係る期間は保険料納付済期間に算入される

 

 

②【H29年出題】

 平成26年4月1日を資格取得日とし、引き続き第3号被保険者である者の資格取得の届出が平成29年4月13日に行われた。この場合、平成273月以降の各月が保険料納付済期間に算入されるが、平成26年4月から平成27年2月までの期間に係る届出の遅滞についてやむを得ない事由があると認められるときは、厚生労働大臣にその旨を届け出ることによって、届出日以後、当該期間の各月についても保険料納付済期間に算入される。

 

 

 

 

【解答】

②【H29年出題】 〇

・平成2641日に第3号被保険者に該当した

・資格取得の届出が遅れた(平成29年4月13日)

・保険料納付済期間に算入される期間は当該届出を行った日の属する月の前々月までの2年間のみ(平成273月以降の各月のみ保険料納付済期間に算入される)

・算入されなかった期間について、届出の遅滞につきやむを得ない事由がある

・厚生労働大臣にその旨の届出をすることができる

・届出が行われた日以後、当該届出に係る期間(保険料納付済期間に算入されなかった平成26年4月から平成27年2月までの期間)が保険料納付済期間に算入される

 

  

 

③【H19年出題】

 特例として、第3号被保険者又は第3号被保険者であった者は、第3号被保険者期間のうち、届出の遅滞により保険料納付済期間に算入されない平成1741日以後の期間について、その届出の遅滞がやむを得ないと認められるときは、厚生労働大臣にその旨の届出をすることができる。

 

 

 

 

 

【解答】

③【H19年出題】 〇

 厚生労働大臣にその旨を届け出ることによって、届出日以後、保険料納付済期間に算入されます。

 

 

 

④【H22年出題】

 第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった期間(平成1741日以後の期間に限る。)は、原則として、届出をした日の属する月の前々月までの2年間を除いて、保険料納付済期間に算入しない。

 

 

 

 

【解答】

④【H22年出題】 〇

 第3号被保険者の資格取得の届出をしなかった期間(平成1741日以後の期間に限る。)については、保険料納付済期間に算入されるのは、原則として、「届出をした日の属する月の前々月までの2年間」です。

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