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社会保険労務士合格研究室

労働保険徴収法「延納」

R7-309 07.03

有期事業の延納

概算保険料は延納(分割納付)することができます。 

今回は、有期事業の延納をみていきましょう。

 

条文を読んでみましょう。

則第28

① 有期事業であって納付すべき概算保険料の額75万円以上のもの又は当該事業に係る労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されているもの(事業の全期間が6月以内のものを除く)についての事業主は、概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をした場合には、その概算保険料を、その事業の全期間を通じて、毎年4月1日から7月31まで8月1日から1130まで及び12月1日から翌年3月31までの各期に分けて納付することができる。

期の中途に保険関係が成立した事業について

→ 保険関係成立の日からその日の属する期の末日までの期間が2月を超えるときは保険関係成立の日からその日の属する期の末日までを、2月以内のときは保険関係成立の日からその日の属する期の次の期の末日まで最初の期とする

② 延納をする事業主は、その概算保険料の額を期の数で除して得た額を各期分の概算保険料として、最初の期分の概算保険料については保険関係成立の日の翌日から起算して20日以内に、4月1日から7月31日までの期分の概算保険料については331日までに、81日から1130日までの期分の概算保険料については1031日までに、121日から翌年331日までの期分の概算保険料については翌年131日までに、それぞれ納付しなければならない。

 

有期事業の延納のポイント!

・「最初の期の取り方と納付期限」に注意しましょう。

・継続事業と一括有期事業は、「年度単位」で保険料を算定しますので、3期に分けるのが原則です。

 有期事業は、「全期間」を通して算定しますので、3期に限りません。

 

では、過去問をどうぞ!

①【R3年出題】(労災)

 有期事業(一括有期事業を除く。)の事業主は、概算保険料を、当該事業を開始した日の翌日から起算して20日以内に納付しなければならないが、当該事業の全期間が200日であり概算保険料の額が80万円の場合は、概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をすることにより、当該概算保険料を分割納付することができる。

 

 

 

 

 

【解答】

①【R3年出題】(労災) 〇

 問題文の有期事業は延納の申請をすることにより、概算保険料を分割納付できます。

★有期事業の延納の要件を確認しましょう。

①・概算保険料の額が75万円以上

又は

・労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている

②事業の全期間が6月以内でない

 問題文の「事業の全期間が200日」、「概算保険料の額が80万円」の有期事業は、概算保険料を分割納付できます。

 

 

②【R5年出題】(雇用)

 令和4年51日から令和6年2月28日までの期間で道路工事を行う事業について、事業主が納付すべき概算保険料の額が120万円であったとき、延納の申請により第1期に納付すべき概算保険料の額は24万円とされる。

 

 

 

 

【解答】

②【R5年出題】(雇用) ×

★期の分け方の基本!

 全期間を通じて、毎年「4月1日から7月31日」まで、「8月1日から1130日」まで「12月1日から翌年3月31日」までの各期に分けることができます。

 

41日~

7月31

8月1日~

1130

12月1日~

3月31

納期限

3月31

10月31

1月31

 

★最初の期について

・保険関係成立の日からその日の属する期の末日までの期間が2月を超えるとき

→ 保険関係成立の日からその日の属する期の末日まで

・保険関係成立の日からその日の属する期の末日までの期間が2月以内のとき

→ 保険関係成立の日からその日の属する期の次の期の末日まで

を最初の期とする。

 

■問題文は保険関係成立の日が51日です。

51日の属する期の末日(731日)までの期間が「2月を超え」ます。

 そのため、最初の期は、保険関係成立の日からその日の属する期の末日(7月31日)までとなります。

 

 基本の分け方に当てはめます。

R4.5.1

R4.7.31

R4.8.1

R4.11.30

R4.12.1

R5..31

R5.4.1

R5.7.31

R5.8.1

R5.11.30

R5.12.1

R6.2.28

1期目

2期目

3期目

4期目

5期目

6期目

 

 6期に分けることができますので、第1期に納付する概算保険料は

 「120万円」÷620万円です。

 

 

③【H29年出題】(労災)

 延納できる要件を満たす有期事業(一括有期事業を除く。)の概算保険料については、平成29615日に事業を開始し、翌年の65日に事業を終了する予定の場合、3期に分けて納付することができ、その場合の第1期の納期限は平成2975日となる。

 

 

 

 

【解答】

③【H29年出題】(労災) 〇

■最初の期について

 保険関係成立の日(615日)からその日の属する期の末日(731日)までの期間が2月以内ですので、保険関係成立の日(615日)からその日の属する期の次の期の末日(1130日)までが第1期となります。

6月15日

11月30

12月1日

3月31

4月1

6月5

1期目

2期目

3期目

■最初の期の納期限について

 最初の期の納期限は、保険関係成立の日の翌日から起算して20日以内です。

615日の翌日から起算して20日以内ですので、第1期の納期限は平成2975日です。

 

 

④【H27年出題】(雇用)

 概算保険料について延納が認められている有期事業(一括有期事業を除く。)の事業主の41日から731日までの期分の概算保険料の納期限は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合であっても、331日とされている。

 

 

 

 

【解答】

④【H27年出題】(雇用) 〇

 有期事業(一括有期事業を除く。)については、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していても、納期限の延長はありません。

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